JP2011031739A - サスペンション制御装置、及びサスペンション制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】制動力又は駆動力の前後配分が変化しても、車両の減速又は加速に応じた車体姿勢の変化を抑制する。
【解決手段】摩擦ブレーキが作動したときには(ステップS2の判定が“Yes”)、先ず前輪に対する制動力の配分比率αと、後輪に対する制動力の配分比率(1−α)とを算出する(ステップS3)。そして、車両減速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両減速に伴ってバネ上の車体位置が上昇するジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率αに応じて設定する(ステップS5)。こうして算出した中心位置Lc周りに抑制モーメントMcpが作用するように、前輪ショックアブソーバ2FL・2FR、及び後輪ショックアブソーバ2RL・2RRを個別に駆動制御する(ステップS6、S7)。
【選択図】図6
【解決手段】摩擦ブレーキが作動したときには(ステップS2の判定が“Yes”)、先ず前輪に対する制動力の配分比率αと、後輪に対する制動力の配分比率(1−α)とを算出する(ステップS3)。そして、車両減速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両減速に伴ってバネ上の車体位置が上昇するジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率αに応じて設定する(ステップS5)。こうして算出した中心位置Lc周りに抑制モーメントMcpが作用するように、前輪ショックアブソーバ2FL・2FR、及び後輪ショックアブソーバ2RL・2RRを個別に駆動制御する(ステップS6、S7)。
【選択図】図6
Description
本発明は、サスペンション制御装置、及びサスペンション制御方法に関するものである。
車両の加減速度に基づいて、ヒーブ(バウンス)制御用の仮想ショックアブソーバと、ピッチ制御用の仮想ショックアブソーバとを設定し、夫々の仮想ショックアブソーバで理想的な減衰係数が実現されるように、実際のショックアブソーバを制御することで、加減速時における車体姿勢の変化(バウンスやピッチ)の抑制を図るものがあった(特許文献1参照)。
ところで、例えばプロポーショニングバルブや電子制御制動力配分装置(EBD)、また電子制御トルクスプリット4WDシステム(ATTESA−ETS)など、制動力や駆動力の前後配分を可変にするデバイスがある。
これらのデバイスの作動により、制動力や駆動力の前後配分が変化すれば、当然、前後輪の減速度や加速度も変化するので、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、車両のバウンスやピッチを狙い通りに抑制できない可能性がある。
本発明の課題は、制動力又は駆動力の前後配分が変化しても、車両の減速又は加速に応じた車体姿勢の変化を抑制するものである。
これらのデバイスの作動により、制動力や駆動力の前後配分が変化すれば、当然、前後輪の減速度や加速度も変化するので、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、車両のバウンスやピッチを狙い通りに抑制できない可能性がある。
本発明の課題は、制動力又は駆動力の前後配分が変化しても、車両の減速又は加速に応じた車体姿勢の変化を抑制するものである。
上記の課題を解決するために、車両の減速又は加速に伴う車両のピッチングを抑制するための抑制モーメントを算出し、算出した抑制モーメントで、車両の減速又は加速に伴ってバネ上の車体位置が上昇するジャッキアップをも抑制可能とするために、抑制モーメントの中心位置を、前輪及び後輪に対する制動力又は駆動力の配分比率に応じて設定し、設定した中心位置周りに前記抑制モーメントが作用するように、サスペンションの加振力又は減衰力を前後輪で個別に制御する。
本発明に係るサスペンション制御装置によれば、車両の加減速に伴う車両のピッチング及びジャッキアップを共に抑制するために、抑制モーメントの中心位置を、前後輪に対する制動力又は駆動力の配分比率に応じて設定することで、制動力又は駆動力の前後配分が変化しても、車両の減速度又は加速度に応じた車体姿勢の変化を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、車両の概略構成である。
車体1は、減衰係数可変型のショックアブソーバ2i(i=FL、FR、RL、RR)を介して各車輪3iに懸架されている。各ショックアブソーバ2iは、コントローラ4によって駆動制御される。前輪3FL・3FRは、タイロッド5、ラック&ピニヨン6を順に介してステアリングホイール7に連結され、運転者のステアリング操作に応じて転舵される。
《第1実施形態》
《構成》
図1は、車両の概略構成である。
車体1は、減衰係数可変型のショックアブソーバ2i(i=FL、FR、RL、RR)を介して各車輪3iに懸架されている。各ショックアブソーバ2iは、コントローラ4によって駆動制御される。前輪3FL・3FRは、タイロッド5、ラック&ピニヨン6を順に介してステアリングホイール7に連結され、運転者のステアリング操作に応じて転舵される。
車高センサ11iは、各車輪3iの上下ストロークを検出し、上下加速度センサ12iは、各車輪3i位置での車体1の上下加速度を検出し、前後加速度センサ13は、車体1の前後加速度Gxを検出する。また、ブレーキセンサ14は、運転者によるブレーキ操作のON/OFF状態を検出し、アクセルセンサ16は、アクセル開度を検出し、車速センサ16は、車速Vを検出し、舵角センサ17は、ステアリングホイール7の操舵角δを検出する。これらの各検出信号は、コントローラ4に入力される。
なお、車高センサ11iは、車輪3iのバウンド方向の上下ストロークを正値として検出し、上下加速度センサ12iは、車両の上方への加速度を正値として検出し、前後加速度センサ13は、車両の前方への加速度を正値として検出する。
コントローラ4は、例えばCPUとROMとRAMと入出力ポートとを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的なマイクロコンピュータで構成される。
コントローラ4は、例えばCPUとROMとRAMと入出力ポートとを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的なマイクロコンピュータで構成される。
次に、サスペンションジオメトリに関連した用語について説明する。
図2は、車両重心、及びピッチング制御の中心位置を示す図である。
Lfは車両重心(バネ上重心)と前輪車軸との車体前後方向における水平距離、Lrは車両重心と後輪車軸との車体前後方向における水平距離、L(=Lf+Lr)はホイールベース、Hは車両重心の地面からの高さである。Lcはホイールベース中心とピッチング制御の中心位置との車体前後方向における水平距離である。
図2は、車両重心、及びピッチング制御の中心位置を示す図である。
Lfは車両重心(バネ上重心)と前輪車軸との車体前後方向における水平距離、Lrは車両重心と後輪車軸との車体前後方向における水平距離、L(=Lf+Lr)はホイールベース、Hは車両重心の地面からの高さである。Lcはホイールベース中心とピッチング制御の中心位置との車体前後方向における水平距離である。
図3は、車輪の瞬間回転中心を示す図である。
θfは、前輪において接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度であり、これを車両減速時のアンチダイブ角と称す。θrは、後輪において接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度であり、これを車両減速時のアンチリフト角と称す。
φfは、前輪においてホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度であり、これを車両加速時のアンチリフト角と称す。φrは、後輪においてホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度であり、これをアンチスカット角と称す。
θfは、前輪において接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度であり、これを車両減速時のアンチダイブ角と称す。θrは、後輪において接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度であり、これを車両減速時のアンチリフト角と称す。
φfは、前輪においてホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度であり、これを車両加速時のアンチリフト角と称す。φrは、後輪においてホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度であり、これをアンチスカット角と称す。
図4は、前輪アンチダイブ及び後輪アンチリフトのジオメトリを示す図である。
αは制動力の前輪配分比率、(1−α)は制動力の後輪配分比率、Fは慣性力である。前後輪に作用する全制動力をFとすると、前輪制動力はα×Fとなり、後輪制動力は(1−α)×Fとり、夫々は、各接地点に作用する。したがって、前輪のアンチピッチング力(アンチダイブ力)、及び後輪のピッチング力(アンチリフト力)は、下記(1)式で表される。
前輪アンチピッチング力=αFtanθf
後輪アンチピッチング力=(1−α)Ftanθr ………(1)
αは制動力の前輪配分比率、(1−α)は制動力の後輪配分比率、Fは慣性力である。前後輪に作用する全制動力をFとすると、前輪制動力はα×Fとなり、後輪制動力は(1−α)×Fとり、夫々は、各接地点に作用する。したがって、前輪のアンチピッチング力(アンチダイブ力)、及び後輪のピッチング力(アンチリフト力)は、下記(1)式で表される。
前輪アンチピッチング力=αFtanθf
後輪アンチピッチング力=(1−α)Ftanθr ………(1)
また、車両のピッチングモーメントMp、及び車両のジャッキアップ力Fjは、下記(2)式で表される。ここで、ジャッキアップ力とは、バウンス運動やリフト運動など、バネ上の車体位置を上昇させる力である。
Mp=FH−αFtanθf×Lf−(1−α)Ftanθr×Lr
Fj=αFtanθf−(1−α)Ftanθr ………(2)
したがって、車両減速時における車体姿勢の変化を決定するピッチングモーメントMpとジャッキアップ力Fjとの連成比率Kcは、下記(3)式で表される。
Mp=FH−αFtanθf×Lf−(1−α)Ftanθr×Lr
Fj=αFtanθf−(1−α)Ftanθr ………(2)
したがって、車両減速時における車体姿勢の変化を決定するピッチングモーメントMpとジャッキアップ力Fjとの連成比率Kcは、下記(3)式で表される。
図5は、前輪配分比率αと連成比率Kcとの関係を示すグラフである。
このグラフに示すように、前輪配分比率αが大きいほど、連成比率Kcが大きくなる。
次に、コントローラ4で実行するサスペンション制御処理について説明する。
図6は、第1実施形態のサスペンション制御処理を示すフローチャートである。
先ずステップS1では、各種信号を読込む。具体的には、ブレーキ液圧、上下加速度、ブレーキスイッチのON/OFF状態などである。
このグラフに示すように、前輪配分比率αが大きいほど、連成比率Kcが大きくなる。
次に、コントローラ4で実行するサスペンション制御処理について説明する。
図6は、第1実施形態のサスペンション制御処理を示すフローチャートである。
先ずステップS1では、各種信号を読込む。具体的には、ブレーキ液圧、上下加速度、ブレーキスイッチのON/OFF状態などである。
続くステップS2では、ブレーキスイッチがON状態であるか否かを判定する。ブレーキスイッチがONであれば、減速状態にあると判断してステップS3に移行する。一方、ブレーキスイッチがOFFであれば、減速状態ではないと判断して後述するステップS8に移行する。
ステップS3では、制動力の前後配分、つまり前輪配分比率αを推定する。先ず電子制御制動力配分装置(以下、EBDと称す)を備えた車両であれば、EBDの配分指令値を読込む。一方、プロポーショニングバルブを備えた車両であれば、ブレーキ液圧と前輪配分比率αとの関係が予め定められているので、ブレーキ液圧をセンシングし、そのブレーキ液圧から前輪配分比率αを推定する。
ステップS3では、制動力の前後配分、つまり前輪配分比率αを推定する。先ず電子制御制動力配分装置(以下、EBDと称す)を備えた車両であれば、EBDの配分指令値を読込む。一方、プロポーショニングバルブを備えた車両であれば、ブレーキ液圧と前輪配分比率αとの関係が予め定められているので、ブレーキ液圧をセンシングし、そのブレーキ液圧から前輪配分比率αを推定する。
図7は、ブレーキ液圧と前輪配分比率αとの関係を示したマップである。
このマップに示すように、ブレーキ液圧が大きいほど、前輪配分比率αが大きくなる。
続くステップS4では、下記(4)式に示すように、減速時のピッチング抑制モーメントMcpを算出する。ここで、kpθはピッチ角抑制項、kdθ'はピッチング速度抑制項である。なお、車両の前後加速度などを加味してピッチング抑制モーメントMcpを算出してもよい。
Mcp=kpθ+kdθ' ………(4)
続くステップS5では、ピッチング制御の中心位置Lcを、ホイールベース中心に対する車体前後方向の水平距離として算出する。
このマップに示すように、ブレーキ液圧が大きいほど、前輪配分比率αが大きくなる。
続くステップS4では、下記(4)式に示すように、減速時のピッチング抑制モーメントMcpを算出する。ここで、kpθはピッチ角抑制項、kdθ'はピッチング速度抑制項である。なお、車両の前後加速度などを加味してピッチング抑制モーメントMcpを算出してもよい。
Mcp=kpθ+kdθ' ………(4)
続くステップS5では、ピッチング制御の中心位置Lcを、ホイールベース中心に対する車体前後方向の水平距離として算出する。
図8は、中心位置Lcの算出原理を示す図である。
ここでは、バネ上の車体を、便宜上、線分Bとする。
アンチダイブ方向のピッチング抑制モーメントMcpは、前輪側の懸架位置で車体Bを持ち上げる力(Mcp/L)と、後輪側の懸架位置で車体Bを押し下げる力(Mcp/L)として作用する。一方、ジャッキアップ抑制力はFcj=Kc×Mcpで表され、これは前輪側の懸架位置で車体Bを押し下げる力(Lr/L)×Kc×Mcpと、後輪側の懸架位置で車体Bを押し下げる力(Lf/L)×Kc×Mcpとして作用する。
したがって、ピッチング抑制モーメントMcpとジャッキアップ抑制力Fcjとを合成すると、前輪側の懸架位置で車体Bを持ち上げる力{(Mcp/L)−(Lr/L)×Kc×Mcp}と、後輪側の懸架位置で車体Bを押し下げる力{(Mcp/L)+(Lf/L)×Kc×Mcp}として作用する。
ここでは、バネ上の車体を、便宜上、線分Bとする。
アンチダイブ方向のピッチング抑制モーメントMcpは、前輪側の懸架位置で車体Bを持ち上げる力(Mcp/L)と、後輪側の懸架位置で車体Bを押し下げる力(Mcp/L)として作用する。一方、ジャッキアップ抑制力はFcj=Kc×Mcpで表され、これは前輪側の懸架位置で車体Bを押し下げる力(Lr/L)×Kc×Mcpと、後輪側の懸架位置で車体Bを押し下げる力(Lf/L)×Kc×Mcpとして作用する。
したがって、ピッチング抑制モーメントMcpとジャッキアップ抑制力Fcjとを合成すると、前輪側の懸架位置で車体Bを持ち上げる力{(Mcp/L)−(Lr/L)×Kc×Mcp}と、後輪側の懸架位置で車体Bを押し下げる力{(Mcp/L)+(Lf/L)×Kc×Mcp}として作用する。
前輪側の懸架位置で車体Bを持ち上げる合成ベクトルの先端と、後輪側の懸架位置で車体Bを押し下げる合成ベクトルの先端とを結ぶ線分をDとし、この線分Dと車体Bとの交点を、ピッチング制御の中心位置Lcとする。このように、ピッチング制御の中心位置をホイール中心よりもLcだけ車体前方に設定することで、連成比率Kcに基づくピッチング抑制モーメントMcp及びジャッキアップ抑制力Fcjを同時に実現される。
そこで、ピッチング制御の中心位置Lcは、下記(5)式に従って算出する。
そこで、ピッチング制御の中心位置Lcは、下記(5)式に従って算出する。
図9は、前輪配分比率αと中心位置Lcとの関係を示すグラフである。
このグラフに示すように、前輪配分比率αが大きいほど、ピッチング制御の中心位置Lcが大きくなる。
続くステップS6では、ピッチング制御の中心位置Lc周りに、ピッチング抑制モーメントMcpを発生させるのに必要となる、前輪ショックアブソーバ2FL・2FR、及び後輪ショックアブソーバ2RL・2RRの夫々の目標制御量(目標減衰係数)を個別に算出する。
続くステップS7では、目標制御量に応じて各ショックアブソーバ2iの減衰係数を制御してから所定のメインプログラムに復帰する。
一方、ステップS8では、ピッチング抑制モーメントMcpを0に設定してから前記ステップS5に移行する。
このグラフに示すように、前輪配分比率αが大きいほど、ピッチング制御の中心位置Lcが大きくなる。
続くステップS6では、ピッチング制御の中心位置Lc周りに、ピッチング抑制モーメントMcpを発生させるのに必要となる、前輪ショックアブソーバ2FL・2FR、及び後輪ショックアブソーバ2RL・2RRの夫々の目標制御量(目標減衰係数)を個別に算出する。
続くステップS7では、目標制御量に応じて各ショックアブソーバ2iの減衰係数を制御してから所定のメインプログラムに復帰する。
一方、ステップS8では、ピッチング抑制モーメントMcpを0に設定してから前記ステップS5に移行する。
《作用》
車両の減速度に応じて車両のピッチングやジャッキアップが生じると、運転者に違和感を与える可能性があるので、前輪サスペンション及び後輪サスペンションの減衰係数を制御し、車両のピッチング及びジャッキアップの双方を抑制したい。ところが、プロポーショニングバルブやEBDなどが作動し、摩擦ブレーキにおける制動力の前後配分が変化すると、前後輪の減速度も変化する。
そこで、摩擦ブレーキが作動したときには(ステップS2の判定が“Yes”)、先ず前輪に対する制動力の配分比率αと、後輪に対する制動力の配分比率(1−α)とを算出する(ステップS3)。
そして、車両減速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両減速に伴う車体のジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率αに応じて設定する(ステップS5)。
車両の減速度に応じて車両のピッチングやジャッキアップが生じると、運転者に違和感を与える可能性があるので、前輪サスペンション及び後輪サスペンションの減衰係数を制御し、車両のピッチング及びジャッキアップの双方を抑制したい。ところが、プロポーショニングバルブやEBDなどが作動し、摩擦ブレーキにおける制動力の前後配分が変化すると、前後輪の減速度も変化する。
そこで、摩擦ブレーキが作動したときには(ステップS2の判定が“Yes”)、先ず前輪に対する制動力の配分比率αと、後輪に対する制動力の配分比率(1−α)とを算出する(ステップS3)。
そして、車両減速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両減速に伴う車体のジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率αに応じて設定する(ステップS5)。
中心位置Lcは、前記(5)式で示したように、車両重心位置によって定まるLf及びLr、連成比率Kc、並びにホイールベースLに基づいて算出する。この連成比率Kcとは、車体のピッチングを抑制すると共に、車体のジャッキアップをも抑制するための比率であって、これは、前記(3)式で示したように、配分比率α、前輪における接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度θf、後輪における接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度θr、車両重心位置によって定まるLf及びLr、並びにホイールベースLに基づいて算出する。なお、θf、θr、Lf、Lr、Lは、全て車両ごとに予め定められた車両諸元であるため、結果的に中心位置Lcは、配分比率αに応じて変化することになる。
こうして算出した中心位置Lc周りに抑制モーメントMcpが作用するように、前輪ショックアブソーバ2FL・2FR、及び後輪ショックアブソーバ2RL・2RRを個別に駆動制御する(ステップS6、S7)。
こうして算出した中心位置Lc周りに抑制モーメントMcpが作用するように、前輪ショックアブソーバ2FL・2FR、及び後輪ショックアブソーバ2RL・2RRを個別に駆動制御する(ステップS6、S7)。
このように、車両の減速に伴う車両のピッチング及びジャッキアップを共に抑制するために、抑制モーメントの中心位置を、前後輪に対する制動力の配分比率に応じて設定することで、制動力の前後配分が変化しても、車両の減速度に応じた車体姿勢の変化(ピッチングやジャッキアップ)を抑制することができる。特に、ジャッキアップによって車体の重心位置が上昇すると、後輪の接地荷重が減少し、車両挙動に影響を及ぼしてしまうが、ジャッキアップを抑制できるので、こうした問題を回避することができる。
なお、中心位置Lcは、車体のジャッキアップを抑制可能な位置であって、さらにLcを大きくする、つまり中心位置を更に車体前側に設定すれば、車体のジャッキダウンを実現することもできる。
なお、中心位置Lcは、車体のジャッキアップを抑制可能な位置であって、さらにLcを大きくする、つまり中心位置を更に車体前側に設定すれば、車体のジャッキダウンを実現することもできる。
《応用例》
なお、加振力可変型のショックアブソーバを採用した場合には、ステップS6の処理で目標制御量を算出する際に、上下加速度センサ12iの検出値に基づいて4輪のストローク速度を算出(推定)し、各ストローク速度に応じて目標加振力を決定し、前輪サスペンション及び後輪サスペンションの加振力を制御すればよい。このように、減衰力の制御みならず、加振力の制御によっても、本実施形態の効果を得ることができる。
なお、加振力可変型のショックアブソーバを採用した場合には、ステップS6の処理で目標制御量を算出する際に、上下加速度センサ12iの検出値に基づいて4輪のストローク速度を算出(推定)し、各ストローク速度に応じて目標加振力を決定し、前輪サスペンション及び後輪サスペンションの加振力を制御すればよい。このように、減衰力の制御みならず、加振力の制御によっても、本実施形態の効果を得ることができる。
《効果》
以上、ショックアブソーバ2FL・2FRが「前輪アクチュエータ」に対応し、ショックアブソーバ2RL・2RRが「後輪アクチュエータ」に対応し、ステップS3の処理が「配分比率検出手段」に対応する。また、ステップS4の処理が「抑制モーメント算出手段」に対応し、ステップS5の処理が「中心位置設定手段」に対応し、ステップS6、S7の処理が「制御手段」に対応する。
以上、ショックアブソーバ2FL・2FRが「前輪アクチュエータ」に対応し、ショックアブソーバ2RL・2RRが「後輪アクチュエータ」に対応し、ステップS3の処理が「配分比率検出手段」に対応する。また、ステップS4の処理が「抑制モーメント算出手段」に対応し、ステップS5の処理が「中心位置設定手段」に対応し、ステップS6、S7の処理が「制御手段」に対応する。
(1)前輪サスペンションの加振力又は減衰力を制御する前輪アクチュエータと、後輪サスペンションの加振力又は減衰力を制御する後輪アクチュエータと、前輪及び後輪に対する制動力又は駆動力の配分比率を検出する配分比率検出手段と、車両の減速又は加速に伴う車両のピッチングを抑制するための抑制モーメントを算出する抑制モーメント算出手段と、該抑制モーメント算出手段が算出した車両のピッチングを抑制するための抑制モーメントで、車両の減速又は加速に伴ってバネ上の車体位置が上昇するジャッキアップをも抑制可能とするために、当該抑制モーメントの中心位置を、少なくとも前記配分比率検出手段が算出した配分比率に応じて設定する中心位置設定手段と、該中心位置設定手段が設定した中心位置周りに前記抑制モーメントが作用するように、前記前輪アクチュエータ及び前記後輪アクチュエータを駆動制御する制御手段と、を備える。
このように、車両の加減速に伴う車両のピッチング及びジャッキアップを共に抑制するために、抑制モーメントの中心位置を、前後輪に対する制駆動力の配分比率に応じて設定することで、制駆動力の前後配分が変化しても、車両の加減速度に応じた車体姿勢の変化を抑制することができる。
このように、車両の加減速に伴う車両のピッチング及びジャッキアップを共に抑制するために、抑制モーメントの中心位置を、前後輪に対する制駆動力の配分比率に応じて設定することで、制駆動力の前後配分が変化しても、車両の加減速度に応じた車体姿勢の変化を抑制することができる。
(2)前記中心位置設定手段は、前記配分比率、及びサスペンションジオメトリに関するパラメータに基づいて、前記抑制モーメントの中心位置を設定する。
このように、必要とされるのは、配分比率、及びサスペンションジオメトリに関するパラメータなので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
このように、必要とされるのは、配分比率、及びサスペンションジオメトリに関するパラメータなので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
(3)前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、摩擦ブレーキの作動によって車両が減速する場合、前輪における接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、後輪における接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成される。
このように、必要とされるのは、配分比率、及び車両諸元なので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
このように、必要とされるのは、配分比率、及び車両諸元なので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
(4)車両の減速又は加速に伴う車両のピッチングを抑制するための抑制モーメントを算出し、算出した抑制モーメントで、車両の減速又は加速に伴ってバネ上の車体位置が上昇するジャッキアップをも抑制可能とするために、前記抑制モーメントの中心位置を、前輪及び後輪に対する制動力又は駆動力の配分比率に応じて設定し、設定した中心位置周りに前記抑制モーメントが作用するように、サスペンションの加振力又は減衰力を前後輪で個別に制御する。
このように、車両の加減速に伴う車両のピッチング及びジャッキアップを共に抑制するために、抑制モーメントの中心位置を、前後輪に対する制駆動力の配分比率に応じて設定することで、制駆動力の前後配分が変化しても、車両の加減速度に応じた車体姿勢の変化を抑制することができる。
このように、車両の加減速に伴う車両のピッチング及びジャッキアップを共に抑制するために、抑制モーメントの中心位置を、前後輪に対する制駆動力の配分比率に応じて設定することで、制駆動力の前後配分が変化しても、車両の加減速度に応じた車体姿勢の変化を抑制することができる。
《第2実施形態》
《構成》
本実施形態は、駆動力の前後配分が変化するときに、加速度に応じた車体姿勢の変化を抑制するものである。
図10は、前輪アンチリフト及び後輪アンチスカットのジオメトリを示す図である。
αは駆動力の前輪配分比率、(1−α)は駆動力の後輪配分比率、Fは慣性力である。前後輪に作用する全駆動力をFとすると、前輪駆動力はα×Fとなり、後輪駆動力は(1−α)×Fとり、夫々は、各ホイール中心に作用する。したがって、前輪のアンチピッチング力(アンチリフト力)、及び後輪のピッチング力(アンチスカット力)は、下記(6)式で表される。
前輪アンチピッチング力=αFtanφf
後輪アンチピッチング力=(1−α)Ftanφr ………(6)
《構成》
本実施形態は、駆動力の前後配分が変化するときに、加速度に応じた車体姿勢の変化を抑制するものである。
図10は、前輪アンチリフト及び後輪アンチスカットのジオメトリを示す図である。
αは駆動力の前輪配分比率、(1−α)は駆動力の後輪配分比率、Fは慣性力である。前後輪に作用する全駆動力をFとすると、前輪駆動力はα×Fとなり、後輪駆動力は(1−α)×Fとり、夫々は、各ホイール中心に作用する。したがって、前輪のアンチピッチング力(アンチリフト力)、及び後輪のピッチング力(アンチスカット力)は、下記(6)式で表される。
前輪アンチピッチング力=αFtanφf
後輪アンチピッチング力=(1−α)Ftanφr ………(6)
また、車両のピッチングモーメントMp、及び車両のジャッキアップ力Fjは、下記(7)式で表される。ここで、ジャッキアップ力とは、バウンス運動やリフト運動など、車両を上方向に変位させる力である。
Mp=FH−αFtanφf×Lf−(1−α)Ftanφr×Lr
Fj=−αFtanφf+(1−α)Ftanφr ………(7)
したがって、車両減速時における車体姿勢の変化を決定するピッチングモーメントMpとジャッキアップ力Fjとの連成比率Kcは、下記(8)式で表される。
Mp=FH−αFtanφf×Lf−(1−α)Ftanφr×Lr
Fj=−αFtanφf+(1−α)Ftanφr ………(7)
したがって、車両減速時における車体姿勢の変化を決定するピッチングモーメントMpとジャッキアップ力Fjとの連成比率Kcは、下記(8)式で表される。
図11は、前輪配分比率αと連成比率Kcとの関係を示すグラフである。
このグラフに示すように、前輪配分比率αがα0のときには(0<α0<1)、連成比率Kcが0となり、前輪配分比率αがα0より大きいときには、連成比率Kcが正の方向に大きくなり、前輪配分比率αがα0より小さいときには、連成比率Kcが負の方向に大きくなる。
このグラフに示すように、前輪配分比率αがα0のときには(0<α0<1)、連成比率Kcが0となり、前輪配分比率αがα0より大きいときには、連成比率Kcが正の方向に大きくなり、前輪配分比率αがα0より小さいときには、連成比率Kcが負の方向に大きくなる。
次に、コントローラ4で実行するサスペンション制御処理について説明する。
図12は、第2実施形態のサスペンション制御処理を示すフローチャートである。
なお、前記ステップS2、S3、S5の処理を、新たなステップS21、S22、S23の処理に変更したことを除いては、前述した第1実施形態と同様の処理を実行するので、同一ステップの処理については、説明を省略する。
図12は、第2実施形態のサスペンション制御処理を示すフローチャートである。
なお、前記ステップS2、S3、S5の処理を、新たなステップS21、S22、S23の処理に変更したことを除いては、前述した第1実施形態と同様の処理を実行するので、同一ステップの処理については、説明を省略する。
ステップS21では、アクセル開度が予め定められた閾値より大きいか否かを判定する。ここで、アクセル開度が閾値より大きければ、加速状態にあると判断してステップS22に移行する。一方、アクセル開度が閾値より小さければ、加速状態ではないと判断して前記ステップS8に移行する。
ステップS22では、駆動力の前後配分、つまり前輪配分比率αを推定する。先ず電子制御トルクスプリット4WD(以下、ATTESA−ETSと称す)を備えた車両であれば、ATTESA−ETSの配分指令値を読込む。一方、多板クラッチ式などのメカニカルな配分装置を備えた車両であれば、クラッチの締結圧をセンシングし、そのクラッチ締結圧から前輪配分比率αを推定する。
ステップS22では、駆動力の前後配分、つまり前輪配分比率αを推定する。先ず電子制御トルクスプリット4WD(以下、ATTESA−ETSと称す)を備えた車両であれば、ATTESA−ETSの配分指令値を読込む。一方、多板クラッチ式などのメカニカルな配分装置を備えた車両であれば、クラッチの締結圧をセンシングし、そのクラッチ締結圧から前輪配分比率αを推定する。
図13は、クラッチ締結圧と前輪配分比率αとの関係を示したマップである。
このマップに示すように、フロントエンジンの場合、クラッチ締結圧が大きいほど、前輪配分比率αが例えば1.0〜0.5の範囲で小さくなる。
ステップS23では、ピッチング制御の中心位置Lcを、ホイールベース中心に対する車体前後方向の水平距離として算出する。
なお、中心位置Lcの算出原理については、前述した第1実施形態と同様であるが、連成比率がKc>0の場合と、Kc≦0の場合とで区別して算出する。
先ず、Kc>0の場合、ピッチング制御の中心位置Lcは、下記(9)式に従って算出する。
このマップに示すように、フロントエンジンの場合、クラッチ締結圧が大きいほど、前輪配分比率αが例えば1.0〜0.5の範囲で小さくなる。
ステップS23では、ピッチング制御の中心位置Lcを、ホイールベース中心に対する車体前後方向の水平距離として算出する。
なお、中心位置Lcの算出原理については、前述した第1実施形態と同様であるが、連成比率がKc>0の場合と、Kc≦0の場合とで区別して算出する。
先ず、Kc>0の場合、ピッチング制御の中心位置Lcは、下記(9)式に従って算出する。
一方、Kc≦0の場合、ピッチング制御の中心位置Lcは、上記(9)式にKc=0を代入することで、下記(10)式に従って算出する。
Lc=(1/2)×(Lf−Lr) ………(10)
図14は、前輪配分比率αと中心位置Lcとの関係を示すグラフである。
このグラフに示すように、前輪配分比率αがα0のときには(0<α0<1)、中心位置Lcが0となり、前輪配分比率αがα0より大きいときには、中心位置Lcが正の方向(車体前側)に大きくなり、前輪配分比率αがα0より小さいときには、中心位置Lcが負の方向(車体後側)に大きくなる。
Lc=(1/2)×(Lf−Lr) ………(10)
図14は、前輪配分比率αと中心位置Lcとの関係を示すグラフである。
このグラフに示すように、前輪配分比率αがα0のときには(0<α0<1)、中心位置Lcが0となり、前輪配分比率αがα0より大きいときには、中心位置Lcが正の方向(車体前側)に大きくなり、前輪配分比率αがα0より小さいときには、中心位置Lcが負の方向(車体後側)に大きくなる。
《作用》
車両の加速度に応じて車両のピッチングやジャッキアップが生じると、運転者に違和感を与える可能性があるので、前輪サスペンション及び後輪サスペンションの減衰係数を制御し、車両のピッチング及びジャッキアップの双方を抑制したい。ところが、ATTESA−ETSなどが作動し、駆動力の前後配分が変化すると、前後輪の加速度も変化する。
そこで、アクセル開度が閾値より大きくなったときには(ステップS21の判定が“Yes”)、先ず前輪に対する駆動力の配分比率αと、後輪に対する駆動力の配分比率(1−α)とを算出する(ステップS22)。
そして、車両加速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両加速に伴う車体のジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率αに応じて設定する(ステップS23)。
車両の加速度に応じて車両のピッチングやジャッキアップが生じると、運転者に違和感を与える可能性があるので、前輪サスペンション及び後輪サスペンションの減衰係数を制御し、車両のピッチング及びジャッキアップの双方を抑制したい。ところが、ATTESA−ETSなどが作動し、駆動力の前後配分が変化すると、前後輪の加速度も変化する。
そこで、アクセル開度が閾値より大きくなったときには(ステップS21の判定が“Yes”)、先ず前輪に対する駆動力の配分比率αと、後輪に対する駆動力の配分比率(1−α)とを算出する(ステップS22)。
そして、車両加速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両加速に伴う車体のジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率αに応じて設定する(ステップS23)。
中心位置Lcは、前記(9)式で示したように、車両重心位置によって定まるLf及びLr、連成比率Kc、並びにホイールベースLに基づいて算出する。この連成比率Kcとは、車体のピッチングを抑制すると共に、車体のジャッキアップをも抑制するための比率であって、これは、前記(8)式で示したように、配分比率α、前輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度φf、後輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度φr、車両重心位置によって定まるLf及びLr、並びにホイールベースLに基づいて算出する。なお、φf、φr、Lf、Lr、Lは、全て車両ごとに予め定められた車両諸元であるため、結果的に中心位置Lcは、配分比率αに応じて変化することになる。
但し、本実施形態では、連成比率Kcが負値になることもあり、この場合には、もともとジャッキダウンとなるので、Kc=0とみなし、前記(10)式で示したように、車両重心位置によって定まるLf及びLrに基づいて連成比率Kcを算出する。
こうして算出した中心位置Lc周りに抑制モーメントMcpが作用するように、前輪ショックアブソーバ2FL・2FR、及び後輪ショックアブソーバ2RL・2RRを個別に駆動制御する(ステップS6、S7)。
こうして算出した中心位置Lc周りに抑制モーメントMcpが作用するように、前輪ショックアブソーバ2FL・2FR、及び後輪ショックアブソーバ2RL・2RRを個別に駆動制御する(ステップS6、S7)。
このように、車両の加速に伴う車両のピッチング及びジャッキアップを共に抑制するために、抑制モーメントの中心位置を、前後輪に対する駆動力の配分比率に応じて設定することで、駆動力の前後配分が変化しても、車両の加速度に応じた車体姿勢の変化(ピッチングやジャッキアップ)を抑制することができる。特に、ジャッキアップによって車体の重心位置が上昇すると、後輪の接地荷重が減少し、車両挙動に影響を及ぼしてしまうが、ジャッキアップを抑制できるので、こうした問題を回避することができる。
《効果》
以上、ステップS22の処理が「配分比率検出手段」に対応し、ステップS23の処理が「中心位置設定手段」に対応する。
(1)前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、車両が加速する場合、前輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、後輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成される。
このように、必要とされるのは、配分比率、及び車両諸元なので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
以上、ステップS22の処理が「配分比率検出手段」に対応し、ステップS23の処理が「中心位置設定手段」に対応する。
(1)前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、車両が加速する場合、前輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、後輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成される。
このように、必要とされるのは、配分比率、及び車両諸元なので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
《第3実施形態》
《構成》
本実施形態は、EVやHEV等で、回生ブレーキを用いる場合(FF車両)である。
図15は、前輪アンチダイブ及び後輪アンチリフトのジオメトリを示す図である。
摩擦ブレーキは車輪の接地点に作用するが、回生ブレーキは車輪のホイール中心に作用する。したがって、FF車両の場合、αは摩擦ブレーキによる接地点への前輪配分比率、(1−α)は摩擦ブレーキによる接地点への後輪配分比率、βは回生ブレーキによるホイール中心への前輪配分比率、Fは慣性力である。前後輪に作用する全制動力をFとすると、接地点に作用する前輪制動力はα×(1−β)×Fとなり、ホイール中心に作用する前輪制動力はβ×Fとなり、接地点に作用する後輪制動力は(1−α)×(1−β)×Fとなる。したがって、前輪のアンチピッチング力(アンチダイブ力)、及び後輪のピッチング力(アンチリフト力)は、下記(11)式で表される。
前輪アンチピッチング力=α(1−β)Ftanθf+βFtanφf
後輪アンチピッチング力=(1−α)(1−β)Ftanθr
………(11)
《構成》
本実施形態は、EVやHEV等で、回生ブレーキを用いる場合(FF車両)である。
図15は、前輪アンチダイブ及び後輪アンチリフトのジオメトリを示す図である。
摩擦ブレーキは車輪の接地点に作用するが、回生ブレーキは車輪のホイール中心に作用する。したがって、FF車両の場合、αは摩擦ブレーキによる接地点への前輪配分比率、(1−α)は摩擦ブレーキによる接地点への後輪配分比率、βは回生ブレーキによるホイール中心への前輪配分比率、Fは慣性力である。前後輪に作用する全制動力をFとすると、接地点に作用する前輪制動力はα×(1−β)×Fとなり、ホイール中心に作用する前輪制動力はβ×Fとなり、接地点に作用する後輪制動力は(1−α)×(1−β)×Fとなる。したがって、前輪のアンチピッチング力(アンチダイブ力)、及び後輪のピッチング力(アンチリフト力)は、下記(11)式で表される。
前輪アンチピッチング力=α(1−β)Ftanθf+βFtanφf
後輪アンチピッチング力=(1−α)(1−β)Ftanθr
………(11)
また、車両のピッチングモーメントMp、及び車両のジャッキアップ力Fjは、下記(12)式で表される。ここで、ジャッキアップ力とは、バウンス運動やリフト運動など、車両を上方向に変位させる力である。
Mp=FH−{α(1−β)Ftanθf+βFtanφf}Lf
−(1−α)(1−β)Ftanθr×Lr
Fj=α(1−β)Ftanθf+βFtanφf−(1−α)(1−β)Ftanθr
………(12)
したがって、車両減速時における車体姿勢の変化を決定するピッチングモーメントMpとジャッキアップ力Fjとの連成比率Kcは、下記(13)式で表される。
Mp=FH−{α(1−β)Ftanθf+βFtanφf}Lf
−(1−α)(1−β)Ftanθr×Lr
Fj=α(1−β)Ftanθf+βFtanφf−(1−α)(1−β)Ftanθr
………(12)
したがって、車両減速時における車体姿勢の変化を決定するピッチングモーメントMpとジャッキアップ力Fjとの連成比率Kcは、下記(13)式で表される。
次に、コントローラ4で実行するサスペンション制御処理について説明する。
図16は、第3実施形態のサスペンション制御処理を示すフローチャートである。
なお、前記ステップS3の処理を、新たなステップS31、S32の処理に変更すると共に、前記ステップS5の処理を、新たなステップS33の処理に変更したことを除いては、前述した第1実施形態と同様の処理を実行するので、同一ステップの処理については、説明を省略する。
図16は、第3実施形態のサスペンション制御処理を示すフローチャートである。
なお、前記ステップS3の処理を、新たなステップS31、S32の処理に変更すると共に、前記ステップS5の処理を、新たなステップS33の処理に変更したことを除いては、前述した第1実施形態と同様の処理を実行するので、同一ステップの処理については、説明を省略する。
ステップS31では、摩擦ブレーキの配分比率αを算出する。
ステップS32では、回生ブレーキの配分比率βを算出する。これは、回生ブレーキ制御装置から回生トルク指令値を読込む。
ステップS33では、ピッチング制御の中心位置Lcを、ホイールベース中心に対する車体前後方向の水平距離として算出する。
なお、中心位置Lcの算出原理については、前述した第1実施形態と同様であるが、連成比率がKc>0の場合と、Kc≦0の場合とで区別して算出する。
先ず、Kc>0の場合、ピッチング制御の中心位置Lcは、下記(14)式に従って算出する。
ステップS32では、回生ブレーキの配分比率βを算出する。これは、回生ブレーキ制御装置から回生トルク指令値を読込む。
ステップS33では、ピッチング制御の中心位置Lcを、ホイールベース中心に対する車体前後方向の水平距離として算出する。
なお、中心位置Lcの算出原理については、前述した第1実施形態と同様であるが、連成比率がKc>0の場合と、Kc≦0の場合とで区別して算出する。
先ず、Kc>0の場合、ピッチング制御の中心位置Lcは、下記(14)式に従って算出する。
一方、Kc≦0の場合、ピッチング制御の中心位置Lcは、上記(14)式にKc=0を代入して算出する。
《作用》
EV、HEVでは、摩擦ブレーキと合わせて回生ブレーキが作動することになる。
そこで、摩擦ブレーキによる制動力の配分比率αと、回生ブレーキによる制動力の配分比率βとを算出する(ステップS31、S32)。
そして、車両加速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両加速に伴う車体のジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率α及びβに応じて設定する(ステップS33)。
《作用》
EV、HEVでは、摩擦ブレーキと合わせて回生ブレーキが作動することになる。
そこで、摩擦ブレーキによる制動力の配分比率αと、回生ブレーキによる制動力の配分比率βとを算出する(ステップS31、S32)。
そして、車両加速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両加速に伴う車体のジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率α及びβに応じて設定する(ステップS33)。
中心位置Lcは、前記(14)式で示したように、車両重心位置によって定まるLf及びLr、連成比率Kc、並びにホイールベースLに基づいて算出する。この連成比率Kcとは、車体のピッチングを抑制すると共に、車体のジャッキアップをも抑制するための比率であって、これは、前記(13)式で示したように、配分比率α及びβ、前輪における接地点と瞬間回転中とを結ぶ直線が地面に対してなす角度θf、前輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度φf、後輪における接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度θr、車両重心位置によって定まるLf及びLr、並びにホイールベースLに基づいて算出する。なお、θf、φf、θr、Lf、Lr、Lは、全て車両ごとに予め定められた車両諸元であるため、結果的に中心位置Lcは、配分比率α及びβに応じて変化することになる。
《効果》
以上、ステップS31、S32の処理が「配分比率検出手段」に対応し、ステップS33の処理が「中心位置設定手段」に対応する。
(1)前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、回生ブレーキの作動によって車両が減速する場合、前記回生ブレーキの作動輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成される。
このように、必要とされるのは、配分比率、及び車両諸元なので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
以上、ステップS31、S32の処理が「配分比率検出手段」に対応し、ステップS33の処理が「中心位置設定手段」に対応する。
(1)前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、回生ブレーキの作動によって車両が減速する場合、前記回生ブレーキの作動輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成される。
このように、必要とされるのは、配分比率、及び車両諸元なので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
《第4実施形態》
《構成》
本実施形態では、エンジンブレーキを用いる場合(FF車両)である。
エンジンブレーキは、回生ブレーキと同様に車輪のホイール中心に作用する。したがって、エンジンブレーキによるホイール中心への前輪配分比率をβとすると、前述した第3実施形態と同様の処理を実行する。
図17は、第4実施形態のサスペンション制御処理を示すフローチャートである。
なお、前記ステップS32の処理を、新たなステップS41の処理に変更したことを除いては、前述した第3実施形態と同様の処理を実行するので、同一ステップの処理については、説明を省略する。
《構成》
本実施形態では、エンジンブレーキを用いる場合(FF車両)である。
エンジンブレーキは、回生ブレーキと同様に車輪のホイール中心に作用する。したがって、エンジンブレーキによるホイール中心への前輪配分比率をβとすると、前述した第3実施形態と同様の処理を実行する。
図17は、第4実施形態のサスペンション制御処理を示すフローチャートである。
なお、前記ステップS32の処理を、新たなステップS41の処理に変更したことを除いては、前述した第3実施形態と同様の処理を実行するので、同一ステップの処理については、説明を省略する。
ステップS41では、下記(15)式に従って、エンジンブレーキの配分比率βを算出する。ここで、Fpadは、プロポーショニングバルブやEBDの特性を考慮してブレーキ液圧から算出した摩擦ブレーキ力である。また、FENGは、エンジンコントローラから読込んだエンジントルクが負値の場合に、ギヤ比とクラッチ締結状態を考慮して算出したエンジンブレーキ力である。
β=FENG/(FENG+Fpad) ………(15)
β=FENG/(FENG+Fpad) ………(15)
《作用》
運転者がアクセル操作を解除してからブレーキ操作を開始すると、摩擦ブレーキと合わせてエンジンブレーキが作動することになる。
そこで、摩擦ブレーキによる制動力の配分比率αと、エンジンブレーキによる制動力の配分比率βとを算出する(ステップS31、S41)。
そして、車両加速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両加速に伴う車体のジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率α及びβに応じて設定する(ステップS33)。
運転者がアクセル操作を解除してからブレーキ操作を開始すると、摩擦ブレーキと合わせてエンジンブレーキが作動することになる。
そこで、摩擦ブレーキによる制動力の配分比率αと、エンジンブレーキによる制動力の配分比率βとを算出する(ステップS31、S41)。
そして、車両加速に伴う車体のピッチングを抑制するための抑制モーメントMcpを算出し(ステップS4)、この抑制モーメントMcpで車両加速に伴う車体のジャッキアップも併せて抑制可能となるように、抑制モーメントMcpを作用させる中心位置Lcを、配分比率α及びβに応じて設定する(ステップS33)。
中心位置Lcは、前記(14)式で示したように、車両重心位置によって定まるLf及びLr、連成比率Kc、並びにホイールベースLに基づいて算出する。この連成比率Kcとは、車体のピッチングを抑制すると共に、車体のジャッキアップをも抑制するための比率であって、これは、前記(13)式で示したように、配分比率α及びβ、前輪における接地点と瞬間回転中とを結ぶ直線が地面に対してなす角度θf、前輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度φf、後輪における接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度θr、車両重心位置によって定まるLf及びLr、並びにホイールベースLに基づいて算出する。なお、θf、φf、θr、Lf、Lr、Lは、全て車両ごとに予め定められた車両諸元であるため、結果的に中心位置Lcは、配分比率α及びβに応じて変化することになる。
《効果》
以上、ステップS41の処理が「配分比率検出手段」に対応する。
(1)前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、エンジンブレーキの作動によって車両が減速する場合、前記エンジンブレーキの作動輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成される。
このように、必要とされるのは、配分比率、及び車両諸元なので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
以上、ステップS41の処理が「配分比率検出手段」に対応する。
(1)前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、エンジンブレーキの作動によって車両が減速する場合、前記エンジンブレーキの作動輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成される。
このように、必要とされるのは、配分比率、及び車両諸元なので、車両のピッチング及びジャッキアップを抑制可能とする抑制モーメントの中心位置を、容易に設定することができる。
1 車体
2FL・2FR 前輪ショックアブソーバ
2RL・2RR 後輪ショックアブソーバ
3FL〜3RR 車輪
4 コントローラ
2FL・2FR 前輪ショックアブソーバ
2RL・2RR 後輪ショックアブソーバ
3FL〜3RR 車輪
4 コントローラ
Claims (7)
- 前輪サスペンションの加振力又は減衰力を制御する前輪アクチュエータと、
後輪サスペンションの加振力又は減衰力を制御する後輪アクチュエータと、
前輪及び後輪に対する制動力又は駆動力の配分比率を検出する配分比率検出手段と、
車両の減速又は加速に伴う車両のピッチングを抑制するための抑制モーメントを算出する抑制モーメント算出手段と、
該抑制モーメント算出手段が算出した車両のピッチングを抑制するための抑制モーメントで、車両の減速又は加速に伴ってバネ上の車体位置が上昇するジャッキアップをも抑制可能とするために、当該抑制モーメントの中心位置を、少なくとも前記配分比率検出手段が算出した配分比率に応じて設定する中心位置設定手段と、
該中心位置設定手段が設定した中心位置周りに前記抑制モーメントが作用するように、前記前輪アクチュエータ及び前記後輪アクチュエータを駆動制御する制御手段と、を備えることを特徴とするサスペンション制御装置。 - 前記中心位置設定手段は、前記配分比率、及びサスペンションジオメトリに関するパラメータに基づいて、前記抑制モーメントの中心位置を設定することを特徴とする請求項1に記載のサスペンション制御装置。
- 前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、摩擦ブレーキの作動によって車両が減速する場合、前輪における接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、後輪における接地点と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成されることを特徴とする請求項2に記載のサスペンション制御装置。
- 前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、回生ブレーキの作動によって車両が減速する場合、前記回生ブレーキの作動輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載のサスペンション制御装置。
- 前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、エンジンブレーキの作動によって車両が減速する場合、前記エンジンブレーキの作動輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成されることを特徴とする請求項2〜4の何れか一項に記載のサスペンション制御装置。
- 前記サスペンションジオメトリに関するパラメータは、車両が加速する場合、前記配分比率、前輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、後輪におけるホイール中心と瞬間回転中心とを結ぶ直線が地面に対してなす角度、車両重心位置、及びホイールベースで構成されることを特徴とする請求項2〜5の何れか一項に記載のサスペンション制御装置。
- 車両の減速又は加速に伴う車両のピッチングを抑制するための抑制モーメントを算出し、算出した抑制モーメントで、車両の減速又は加速に伴ってバネ上の車体位置が上昇するジャッキアップをも抑制可能とするために、前記抑制モーメントの中心位置を、前輪及び後輪に対する制動力又は駆動力の配分比率に応じて設定し、設定した中心位置周りに前記抑制モーメントが作用するように、サスペンションの加振力又は減衰力を前後輪で個別に制御することを特徴とするサスペンション制御方法。
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