JP4797586B2 - 車輌の制駆動力制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輌の制駆動力制御装置に係り、更に詳細にはばね上の上下振動を抑制するよう制駆動力を制御する制駆動力制御装置に係る。
自動車等の車輌の制駆動力制御装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、駆動輪に駆動装置としての電動機が設けられ、電動機により対応する駆動輪が直接回転駆動されるよう構成された所謂インホイールモータ式の車輌に於いて、駆動輪のサスペンション部材として、電動機の駆動反力を受ける電動機ケースにアームの一端が固定され、該アームの他端が車体に揺動可能に支持された制駆動力制御装置が既に知られている。
かかる制駆動力制御装置によれば、アームを車輌前後方向に延在させ、電動機の駆動力を制御することにより、電動機ケース側の固定端にて受ける電動機の駆動反力の大きさに応じたサスペンション上下力を発生させ、そのサスペンション上下力をストローク振動低減に使用してばね上の上下振動を低減することができる。
特開2005−119548号公報
しかし上記特許文献1に記載の制駆動力制御装置に於いては、ばね上の上下振動に対し電動機の駆動力を如何に制御すべきかについては記載されておらず、そのため電動機の駆動力の制御の如何によってはばね上の上下振動を却って悪化させてしまう場合があるという問題がある。
また上記特許文献1に記載の制駆動力制御装置に於いては、アームを車輌前後方向に延在させなければならず、サスペンションの構造が限定されると共に、車輌横方向に見た場合の車輪の上下変位の瞬間中心はアームの車体側連結点になってしまい、車輪の上下変位の瞬間中心の設定の自由度がないという問題がある。
一般に、各車輪の上下運動の瞬間中心は路面よりも高い位置にあるので、車輪の制駆動力の反力により上下方向の力が発生される。従ってこの力がばね上の上下振動に対する制振力として作用するよう車輪の制駆動力を制御すれば、ばね上の上下振動を確実に低減し、車輌の乗り心地性を向上させることができる。
また車輪の制駆動力の制御によるばね上の上下振動低減効果は車輪を駆動する駆動装置が車輪に設けられているか車体に設けられているかに関係なく得られるが、車輪に駆動装置としての電動機が設けられるインホイールモータ式の車輌に於いては、車体に設けられた駆動装置の駆動力が駆動力伝達系を介して車輪へ伝達される車輌の場合に比して、ばね下の重量が大きく、そのため車輪の接地性が悪いことに起因して車輌の乗り心地性が悪化し易いので、車輪の制駆動力の制御によるばね上の上下振動低減は特にインホイールモータ式の車輌の場合にその効果が大きい。
本発明は、制駆動力制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、車輪の制駆動力の反力により発生される上下方向の力が確実にばね上の上下振動に対する制振力として作用するよう車輪の制駆動力を制御することにより、ばね上の上下振動を低減するよう駆動装置の制駆動力を制御することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち各車輪に設けられ対応する車輪に制駆動力を付与する制駆動手段と、前記制駆動手段の制駆動力を制御する制御手段とを有する車輌の制駆動力制御装置に於いて、前記制御手段はばね下の上下変位よりばね上の上下変位への伝達比を小さくするための値になるようばね上の減衰比に基づいて設定されたばね上の仮想の減衰比と前記ばね上の減衰比に基づいてばね上の上下振動を抑制するための目標制振力を各車輪について演算し、前記目標制振力に基づいて各車輪の前記制駆動手段の制駆動力を制御することを特徴とする車輌の制駆動力制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記制御手段は前記ばね上の減衰比、前記ばね上の仮想の減衰比、車輪のストローク速度に基づいて前記目標制振力を演算するよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記制御手段は車輌全体の目標制駆動力を演算し、前記目標制振力に基づいて各車輪の目標制駆動力を演算し、各車輪の前記目標制駆動力及び対応する重み係数の積の和と前記車輌全体の目標制駆動力との偏差の大きさを最小にする各車輪の重み係数を演算し、各車輪の前記目標制駆動力及び対応する重み係数の積を各車輪の補正後の目標制駆動力とし、前記補正後の目標制駆動力に基づいて各車輪の前記制駆動手段の制駆動力を制御するよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3の構成に於いて、車輌の横方向に見て車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度をθとし、前記目標制振力をFdtとして、前記制御手段は前記角度θ及び前記目標制振力Fdtに基づいて各車輪の目標制駆動力を演算するよう構成される(請求項4の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項4の構成に於いて、車輌の横方向に見て車輪の上下運動の瞬間中心は車輪の接地点に対し車輌後方且つ上方又は車輌前方且つ下方に位置し、前記制御手段は
Fwt=Fdt/tanθ
に従って車輪の目標制駆動力Fwtを演算するよう構成される(請求項5の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項4の構成に於いて、車輌の横方向に見て車輪の上下運動の瞬間中心は車輪の接地点に対し車輌前方且つ上方又は車輌後方且つ下方に位置し、前記制御手段は
Fwt=−Fdt/tanθ
に従って車輪の目標制駆動力Fwtを演算するよう構成される(請求項6の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3乃至6の構成に於いて、前記制駆動手段は車輪に回生制動力を付与する回生制動装置を含み、前記制御手段は前記車輌全体の目標制駆動力が駆動力である場合に於いて前記補正後の目標制駆動力が制動力であるときには前記回生制動装置により当該車輪に回生制動力を付与するよう構成される(請求項7の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3乃至6の構成に於いて、前記制御手段は前記車輌全体の目標制駆動力が駆動力である場合に於いて前記補正後の目標制駆動力が制動力であるときには当該車輪の前記制駆動手段の駆動力を0に制御すると共に、当該車輪に前記補正後の目標制駆動力に対応する制動力を付与しないよう構成される(請求項8の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項3乃至8の構成に於いて、前記制御手段は前記車輌全体の目標制駆動力が制動力である場合に於いて前記補正後の目標制駆動力が駆動力であるときには当該車輪の前記制駆動手段の制動力を0に制御すると共に、当該車輪に前記補正後の目標制駆動力に対応する駆動力を付与しないよう構成される(請求項9の構成)。
上記請求項1の構成によれば、ばね下の上下変位よりばね上の上下変位への伝達比を小さくするための値になるようばね上の減衰比に基づいて設定されたばね上の仮想の減衰比とばね上の減衰比に基づいてばね上の上下振動を抑制するための目標制振力が各車輪について演算され、目標制振力に基づいて各車輪の制駆動手段の制駆動力が制御されるので、ばね下の上下変位よりばね上の上下変位への伝達比を小さくしてばね上の上下振動を抑制するための目標制振力を適正に演算することができ、これによりばね上の上下振動を確実に抑制して車輌の乗り心地性を確実に向上させることができる。
また上記請求項2の構成によれば、ばね上の減衰比、ばね上の仮想の減衰比、車輪のストローク速度に基づいて目標制振力が演算されるので、ばね上の減衰比、ばね上の仮想の減衰比、車輪のストローク速度に応じてばね上の上下振動を抑制するための目標制振力を適正に演算することができる。
また上記請求項3の構成によれば、車輌全体の目標制駆動力が演算され、目標制振力に基づいて各車輪の目標制駆動力が演算され、各車輪の目標制駆動力及び対応する重み係数の積の和と車輌全体の目標制駆動力との偏差の大きさを最小にする各車輪の重み係数が演算され、各車輪の目標制駆動力及び対応する重み係数の積が各車輪の補正後の目標制駆動力とされ、補正後の目標制駆動力に基づいて各車輪の制駆動手段の制駆動力が制御されるので、車輌全体の駆動力を車輌全体の目標駆動力に制御しつつばね上の上下振動をできるだけ抑制することができる。
また上記請求項4の構成によれば、車輌の横方向に見て車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度をθとし、目標制振力をFdtとして、角度θ及び目標制振力Fdtに基づいて各車輪の目標制駆動力が演算されるので、車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度θが考慮されない場合に比して、ばね上の上下振動を抑制するための目標制振力を適正に演算することができる。
また上記請求項5の構成によれば、車輌の横方向に見て車輪の上下運動の瞬間中心は車輪の接地点に対し車輌後方且つ上方又は車輌前方且つ下方に位置し、
Fwt=Fdt/tanθ
に従って車輪の目標制駆動力Fwtが演算されるので、後に詳細に説明する如く車輪の上下運動の瞬間中心が車輪の接地点に対し車輌後方且つ上方又は車輌前方且つ下方に位置する車輌に於いて目標制振力Fdtを達成するための目標駆動力Fwtを正確に演算することができる。
また上記請求項6の構成によれば、車輌の横方向に見て車輪の上下運動の瞬間中心は車輪の接地点に対し車輌前方且つ上方又は車輌後方且つ下方に位置し、
Fwt=−Fdt/tanθ
に従って車輪の目標制駆動力Fwtが演算されるので、後に詳細に説明する如く車輪の上下運動の瞬間中心が車輪の接地点に対し車輌前方且つ上方又は車輌後方且つ下方に位置する車輌に於いて目標制振力Fdtを達成するための目標駆動力Fwtを正確に演算することができる。
また上記請求項7の構成によれば、制駆動手段は車輪に回生制動力を付与する回生制動装置を含み、車輌全体の目標制駆動力が駆動力である場合に於いて補正後の目標制駆動力が制動力であるときには回生制動装置により当該車輪に回生制動力が付与されるので、補正後の目標制駆動力が制動力であるときにも回生制動力によりばね上の上下振動を効果的に抑制し、回生制動によりエネルギーの回収を行うことができる。
また上記請求項8の構成によれば、車輌全体の目標制駆動力が駆動力である場合に於いて補正後の目標制駆動力が制動力であるときには当該車輪の制駆動手段の駆動力が0に制御されると共に、当該車輪に補正後の目標制駆動力に対応する制動力が付与されないので、補正後の目標制駆動力に対応する制動力が付与される場合に比して制駆動手段の制動力を付与する要素の耐久性を向上せることができる。尚補正後の目標制駆動力が駆動力であるときには当該車輪に補正後の目標制駆動力に対応する駆動力が付与されるので、駆動力によりばね上の上下振動が抑制される。
また上記請求項9の構成によれば、車輌全体の目標制駆動力が制動力である場合に於いて補正後の目標制駆動力が駆動力であるときには当該車輪の制駆動手段の制動力が0に制御されると共に、当該車輪に補正後の目標制駆動力に対応する駆動力が付与されないので、補正後の目標制駆動力に対応する駆動力が付与される場合に比して制駆動手段の駆動力付与によるエネルギーの消費を低減することができる。尚補正後の目標制駆動力が制動力であるときには当該車輪に補正後の目標制駆動力に対応する制動力が付与されるので、制動力によりばね上の上下振動が抑制される。
[本発明の原理]
図3はサスペンションが制御要素を含まずサスペンションスプリングとショックアブソーバ(ダンパ)とより構成される1輪の車輌を示す説明図であり、図4は図3に示された車輌と等価な1輪1自由度の車輌モデルを示している。
一般に、図3に示された車輌及び図4に示された車輌モデル100に於いて、ばね上102の質量及び固有振動数をそれぞれMb及びωbとし、サスペンションスプリング104のばね定数をKとし、ショックアブソーバ106の減衰係数をCとし、ばね下108及びばね上102の上下変位をそれぞれXw及びXbとすると、車輌モデル100の上下方向の運動方程式は下記の式1により表わされる。
Figure 0004797586
後に説明する如く、ばね下108が路面110に対し駆動力Fを作用させた場合に、その反力としてばね下108に上向きの力Fdが作用するとすると、車輌モデル100の上下方向の運動方程式は下記の式2により表わされる。
Figure 0004797586
上記式2のばね下108よりばね上102への振動伝達特性は、ばね上102の減衰比をζbとし、Sをラプラス演算子として下記の式3により表わされる。
Figure 0004797586
上記式3の分子を取り出して下記の式4とする。
Figure 0004797586
適合要素として仮想減衰比ζ′を導入し、仮想減衰比ζ′が下記の式5を満たすものとすると、反力Fdは下記の式6により表わされ、仮想減衰比ζ′を適宜に設定することによりばね上の上下振動を抑制するための力として反力Fdを求めることができる。
Figure 0004797586
上記式5を上記式3に代入することにより、下記の式7が成立する。
Figure 0004797586
上記式7より、ばね上102の共振点に於けるばね下108よりばね上102への伝達比|Xb/Xw|ω=ω2は下記の式8により表わされる。
Figure 0004797586
ばね下108よりばね上102への振動伝達を抑制するためには、伝達比|Xb/Xw|ω=ω2が1よりも小さい値でなければならず、よって仮想減衰比ζ′は下記の式9を満たす値でなければならない。換言すれば、仮想減衰比ζ′が下記の式9を満たす値に設定されれば、上記式6により演算される反力Fdはばね上の上下振動を抑制するための制振力として作用する。
Figure 0004797586
以上の説明より、ばね上の減衰比ζbに基づいて、好ましくはばね上の減衰比ζb及びばね上の仮想の減衰比ζ′に基づいて、更に好ましくはばね上の減衰比ζb、ばね上の仮想の減衰比ζ′、ばね上の上下速度SXに基づいてばね上の上下振動を抑制するための制振力としての目標制振力Fdtを演算することができることが解る。
また図5に示されている如く、一般に、車輌の前輪112Fの上下運動の瞬間中心114Fは車輪の接地点Pに対し車輌後方且つ上方に位置し、車輪の接地点Pと車輪の上下運動の瞬間中心114Fとを結ぶ直線Lが路面110となす角度をθとし、車輪の駆動力がFwであり、駆動力Fwの反力として制振力Fdが車輪112に対し上向きに作用する場合を制振力Fdの正の方向とすると、制振力Fdは下記の式10により表わされる。尚このことは車輌の前輪112Fの上下運動の瞬間中心114Fが車輪の接地点Pに対し車輌前方且つ下方に位置する場合も同様である。
Fd=Fw・tanθ ……(10)
よって目標制振力Fdtを発生させるための車輪の目標駆動力Fwtは下記の式11により表わされる。
Fwt=Fdt/tanθ ……(11)
また図6に示されている如く、一般に、車輌の後輪112Rの上下運動の瞬間中心114Rは車輪の接地点Pに対し車輌前方且つ上方に位置し、車輪の接地点Pと車輪の上下運動の瞬間中心114Rとを結ぶ直線Lが路面110となす角度をθとし、車輪の駆動力がFwであり、駆動力Fwの反力として制振力Fdが車輪112に対し上向きに作用する場合を制振力Fdの正の方向とすると、制振力Fdは下記の式12により表わされる。尚このことは車輌の前輪112Fの上下運動の瞬間中心114Fが車輪の接地点Pに対し車輌後方且つ下方に位置する場合も同様である。
Fd=−Fw・tanθ ……(12)
よって目標制振力Fdtを発生させるための車輪の目標駆動力Fwtは下記の式13により表わされる。
Fwt=−Fdt/tanθ ……(13)
また車輪の駆動力Fwが上記式11又は13に従って演算される目標駆動力Fwtになるよう駆動力を制御すれば、ばね上の上下振動を抑制することができるが、車輌全体の駆動力は車輌の乗員の駆動要求を満たすものでなければならない。車輌の乗員により要求される車輌全体の駆動力(目標駆動力)をFvtとし、左前輪、右前輪、左後輪、右後輪の目標駆動力をFwt1〜Fwt4とし、各車輪の目標駆動力Fwt1〜Fwt4に対する重み係数をa1〜a4として、下記の式14を充足する重み係数a1〜a4を求め、重み係数a1〜a4と目標駆動力Fwt1〜Fwt4との積を補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4として、各車輪の駆動力Fw1〜Fw4が目標駆動力Fwt1〜Fwt4になるよう制御すれば、車輌全体の駆動力Fvを車輌の乗員の駆動要求に対応する車輌全体の目標駆動力Fvtに制御しつつばね上の上下振動をできるだけ抑制することができる。
Figure 0004797586
重み係数a1〜a4は種々の要領にて演算されてよいが、車輌の乗員により要求される車輌全体の目標駆動力Fvtと補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4の和との偏差の大きさeは下記の式15により表わされるので、例えばq及びrを正の係数として下記の式16により表わされる評価関数Jを最小にする重み係数a1〜a4を収束演算によって求めることにより、最適の重み係数a1〜a4を演算することができる。
Figure 0004797586
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9の構成に於いて、各車輪のストローク速度をXdiとして、上記式6に対応する下記の式17に従って各車輪の目標制振力Fdtiを演算するよう構成される(好ましい態様1)。
Figure 0004797586
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9又は上記好ましい態様1の構成に於いて、ばね上の仮想の減衰比ζ′は上記式9を満たす定数であるよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2乃至9又は上記好ましい態様1又は2の構成に於いて、車輪のストローク速度は車高検出手段により検出される車高の変化速度であるよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3乃至9又は上記好ましい態様1乃至3の構成に於いて、車輌全体の目標駆動力は運転者の駆動操作量及び制動操作量に基づいて演算されるよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4乃至9又は上記好ましい態様1乃至4の構成に於いて、前記角度θは車高検出手段により検出される車高に基づいて推定されるよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3又は4又は上記好ましい態様1乃至5の構成に於いて、車輪の目標駆動力Fwtは目標制振力Fdtと車高検出手段により検出される車高に基づく係数との積として演算されるよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9及び上記好ましい態様1乃至6の構成に於いて、前記制駆動手段は車輪に摩擦制動力を付与する摩擦制動装置を含み、制御手段は車輌全体の目標制駆動力が制動力である場合に於いて補正後の目標制駆動力が制動力であるときには摩擦制動装置により当該車輪に摩擦制動力を付与するよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9及び上記好ましい態様1乃至6の構成に於いて、制駆動手段は車輪に摩擦制動力を付与する摩擦制動装置及び車輪に回生制動力を付与する回生制動装置を含み、制御手段は車輌全体の目標制駆動力が制動力である場合に於いて補正後の目標制駆動力が回生制動装置の最大回生制動力以下であるときには回生制動装置により当該車輪に回生制動力を付与し、補正後の目標制駆動力が回生制動装置の最大回生制動力を越えるときには回生制動装置により当該車輪に回生制動力を付与すると共に摩擦制動装置により当該車輪に摩擦制動力を付与するよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9及び上記好ましい態様1乃至8の構成に於いて、制御手段は車速が基準値以下であるときには、請求項1乃至9請求項1乃至7及び上記好ましい態様1乃至8による駆動力の制御を行わないよう構成される(好ましい態様9)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9及び上記好ましい態様1乃至8の構成に於いて、制御手段は車輌全体の目標駆動力が高負荷基準値以上であるときには、請求項1乃至9及び上記好ましい態様1乃至8による駆動力の制御を行わないよう構成される(好ましい態様10)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至9及び上記好ましい態様1乃至8の構成に於いて、制御手段は他の駆動力の制御要求があるときには、請求項1乃至9及び上記好ましい態様1乃至8による駆動力の制御を行わないよう構成される(好ましい態様11)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施例について詳細に説明する。
図1はインホイールモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車輌の制駆動力制御装置の一つの実施例を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ操舵輪である左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ非操舵輪である左右の後輪を示している。左右の前輪10FL及び10FRにはそれぞれインホイールモータである電動機12FL及び12FRが組み込まれており、左右の前輪10FL及び10FRは電動機12FL及び12FRにより直接駆動される。電動機12FL及び12FRは制動時にはそれぞれ左右前輪の回生発電機としても機能し、必要に応じて左右の前輪10FL及び10FRに直接回生制動力を付与する。
同様に、左右の後輪10RL及び10RRにはそれぞれインホイールモータである電動機12RL及び12RRが組み込まれており、左右の前輪10RL及び10RRは電動機12RL及び12RRにより直接駆動される。電動機12RL及び12RRも制動時にはそれぞれ左右後輪の発電機としても機能し、必要に応じて左右の後輪10RL及び10RRに直接回生制動力を付与する。
尚車輌の横方向に見て左右の前輪10FL、10FRの上下運動、即ちバウンド、リバウンドの瞬間中心は車輪の接地点に対し車輌後方且つ上方に位置し、左右の後輪10RL、10RRの上下運動の瞬間中心は車輌の横方向に見て車輪の接地点に対し車輌前方且つ上方に位置している。
電動機12FL〜12RRの駆動力はアクセル開度センサ14により検出される図1には示されていないアクセルペダルの踏み込み量としてのアクセル開度φに基づき駆動力制御用電子制御装置16により制御される。尚電動機12FL〜12RRの回生制動力も駆動力制御用電子制御装置16により制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、駆動力制御用電子制御装置16はマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えばCPUと、ROMと、RAMと、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
左右の前輪10FL、10FR及び左右の後輪10RL、10RRの摩擦制動力は摩擦制動装置18の油圧回路20により対応するホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRの制動圧が制御されることによって制御される。図には示されていないが、油圧回路20はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧力は通常時には運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量及びブレーキペダル24の踏み込みに応じて駆動されるマスタシリンダ26の圧力に応じて制御され、また必要に応じてオイルポンプや種々の弁装置が制動力制御用電子制御装置28によって制御されることにより、運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量に関係なく制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、制動力制御用電子制御装置28もマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えばCPUと、ROMと、RAMと、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
駆動力制御用電子制御装置16にはアクセル開度センサ14よりのアクセル開度φを示す信号に加えて、車高センサ30より各車輪位置の車高Hi(i=1、2、3、4)を示す信号、車速センサ32より車速Vを示す信号、ヨーレートセンサの如き他の種々のセンサより車輌のヨーレートγの如き車輌の種々の状態量及び操舵角δの如き種々の運転操作量が入力される。また制動力制御用電子制御装置28には圧力センサ36よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号、圧力センサ38FL〜38RRより対応する車輪の制動圧(ホイールシリンダ圧力)Pbi(i=1、2、3、4)を示す信号が入力される。駆動力制御用電子制御装置16及び制動力制御用電子制御装置28は必要に応じて相互に信号の授受を行う。
駆動力制御用電子制御装置16は、運転者の加減速操作量であるアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき駆動力を正の値とし制動力を負の値として車輌の目標制駆動力Fvtを演算すると共に、図2に示されたフローチャートに従って各車輪の車高Hiの微分値である各車輪のストローク速度Xdiに基づいて上記式17に従って各車輪の目標制振力Fdti(i=1、2、3、4)を演算する。
また駆動力制御用電子制御装置16は、各車輪について車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度θi(i=1、2、3、4)を各車輪の車高Hiに基づいて推定し、目標制振力Fdti及び角度θiに基づいて左右前輪については上記式11に対応する下記の式17に従って、また左右後輪については上記式13に対応する下記の式18に従ってばね上の上下振動を抑制するための各車輪の目標制駆動力Fwtiを演算する。
Fwti=Fdti/tanθi ……(17)
Fwti=−Fdti/tanθi ……(18)
更に駆動力制御用電子制御装置16は、上記式16により表わされる評価関数Jを最小にする重み係数a1〜a4を演算し、重み係数a1〜a4と目標制駆動力Fwt1〜Fwt4との積を補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4として、各車輪の駆動力Fw1〜Fw4が補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4になるよう各車輪の電動機12FL〜12RRを制御すると共に、補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4を示す信号を制動力制御用電子制御装置28へ出力する。
尚駆動力制御用電子制御装置16は、車輌の目標制駆動力Fvtが正の値であり駆動力である場合に於いて、補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4の何れかが負の値であり、その大きさが電動機12FL〜12RRの最大回生制動力以下であるときには、当該車輪の回生制動力が補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4になるよう制御し、補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4の大きさが電動機12FL〜12RRの最大回生制動力Fwr1〜Fwr4を越えるときには、当該車輪の回生制動力が最大回生制動力Fwr1〜Fwr4になるよう制御する。
他方制動力制御用電子制御装置28は、車輌の目標制駆動力Fvtが正の値であり駆動力である場合に於いて、何れかの補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4が制動力でありその大きさが電動機12FL〜12RRの最大回生制動力Fwr1〜Fwr4を越えるときにも、各車輪の目標摩擦制動力Fwtb1〜Fwtb4を0に設定し、摩擦制動力を発生しない。
尚電動機12FL〜12RRの回生制動により回収される電気エネルギーは当技術分野に於いて公知の要領にて電動機12FL〜12RRを駆動するための電源のバッテリが充電されることにより回収される。
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施例に於いて駆動力制御用電子制御装置16により達成される制駆動力制御について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は駆動力制御用電子制御装置16が起動されることにより開始され、図には示されていないイグニッションスイッチがオフに切り換えられるまで所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いてはアクセル開度センサ14により検出されたアクセル開度φを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いてはアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき駆動力を正の値とし制動力を負の値として当技術分野に於いて公知の要領にて車輌の目標制駆動力Fvtが演算される。
ステップ30に於いてはばね上の上下振動を抑制するための制駆動力の制御の禁止条件が成立しているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ50へ進み、否定判別が行われたときにはステップ40へ進む。
尚ばね上の上下振動を抑制するための制駆動力の制御の禁止条件が成立しているか否かの判別に於いては、
(1)車速Vが基準値Vo(正の定数)以下である(ばね上の上下振動を制振し車輌の乗り心地性の向上を図る必要性が低い)
(2)運転者により要求される制駆動力の大きさ又はその変化率がそれぞれ対応する基準値(正の定数)以上である(ばね上の制振よりも車輌全体の制駆動力の制御が優先されるべき状況)
(3)例えば左右輪の駆動力差によるヨーモーメントの制御の如き他の駆動力の制御の要求がある(ばね上の制振よりも車輪の駆動力の制御による他の車輌制御が優先されるべき状況)
の何れかの状況であるときに禁止条件が成立していると判別されてよい。
ステップ40に於いては車輌の目標制駆動力Fvtが0以上であるときには、アクセル開度φに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて通常の各車輪の駆動力の制御が行われ、車輌の目標制駆動力Fvtが負の値であるときには、マスタシリンダ圧力Pmに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて通常の各車輪の制動力の制御が行われる。
ステップ50に於いては車輌の目標制駆動力Fvtが0以上であるか否かの判別、即ち車輌に要求される制駆動力が制動力ではないか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ60に於いてフラグFbが0にリセットされ、否定判別が行われたときにはステップ70に於いてフラグFbが1にセットされる。
ステップ80に於いては各車輪の車高Hiの微分値として各車輪のストローク速度Xdiが演算されると共に、ストローク速度Xdiに基づいて上記式17に従って各車輪の目標制振力Fdtiが演算される。
ステップ90に於いては各車輪の車高Hiに基づいて図には示されていないマップより各車輪について車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度θiが演算される。
ステップ100に於いては目標制振力Fdti及び角度θiに基づいて左右前輪については上記式17に従って、また左右後輪については上記式18に従ってばね上の上下振動を抑制するための各車輪の目標制駆動力Fwtiが演算され、ステップ110に於いては上記式16により表わされる評価関数Jを最小にする重み係数a1〜a4が演算され、ステップ120に於いては重み係数a1〜a4と目標制駆動力Fwt1〜Fwt4との積として補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4が演算される。
ステップ130に於いてはフラグFbが0であるか否かの判別、即ち車輌に要求される制駆動力が制動力ではないか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ140へ進み、否定判別が行われたときにはステップ150へ進む。
ステップ140に於いては各車輪の補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4が駆動力であるときには各車輪の駆動力Fw1〜Fw4が補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4になるよう各車輪の電動機12FL〜12RRの駆動力が制御されることにより各車輪の駆動力が制御される。また各車輪の補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4が制動力である場合に於いてその大きさが電動機12FL〜12RRの最大回生制動力以下であるときには、当該車輪の回生制動力が補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4になるよう制御され、補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4の大きさが電動機12FL〜12RRの最大回生制動力Fwr1〜Fwr4を越えるときには、当該車輪の回生制動力が最大回生制動力Fwr1〜Fwr4になるよう制御されるが、上述の如く摩擦制動力は発生されない。
ステップ150に於いては各車輪の補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4が駆動力であるときには各車輪の駆動力Fw1〜Fw4が補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4になるよう各車輪の電動機12FL〜12RRの駆動力が制御されることにより各車輪の駆動力が制御される。また各車輪の補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4が制動力である場合に於いてその大きさが電動機12FL〜12RRの最大回生制動力以下であるときには、当該車輪の回生制動力が補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4になるよう制御され、補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4の大きさが電動機12FL〜12RRの最大回生制動力Fwr1〜Fwr4を越えるときには、当該車輪の回生制動力が最大回生制動力Fwr1〜Fwr4になるよう制御されると共に、それぞれ補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4より最大回生制動力Fwr1〜Fwr4を減算した値が各車輪の目標摩擦制動力Fwtb1〜Fwtb4として演算され、目標摩擦制動力Fwtb1〜Fwtb4に基づいて各車輪の目標制動圧Pbti(i=1、2、3、4)が演算され、各車輪の制動圧Pbiが目標制動圧Pbtiになるよう油圧回路20が制御されることにより、各車輪の摩擦制動力が制御される。
かくして図示の実施例によれば、ステップ20に於いて車輌に要求される制駆動力として車輌の目標制駆動力Fvtが演算され、ステップ80に於いてストローク速度Xdiに基づいて各車輪の目標制振力Fdtiが演算され、ステップ90に於いて各車輪について車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度θiが演算され、ステップ100に於いて目標制振力Fdti及び角度θiに基づいてばね上の上下振動を抑制するための各車輪の目標制駆動力Fwtiが演算される。
そしてステップ110に於いて評価関数Jを最小にする最適の重み係数a1〜a4が演算され、ステップ120に於いて最適の重み係数a1〜a4と目標駆動力Fwt1〜Fwt4との積として補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4が演算され、ステップ130〜150に於いて各車輪の制駆動力Fw1〜Fw4が補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4になるよう各車輪の制駆動力が制御される。
従って図示の実施例によれば、ばね上の上下振動を抑制するための各車輪の目標制駆動力Fwtiができるだけ達成されるよう各車輪の制駆動力が制御されると共に、各車輪の制駆動力の和が車輌の目標制駆動力Fvtになるよう各車輪の制駆動力が制御されるので、車輌全体の制駆動力を車輌全体の目標制駆動力に制御しつつばね上の上下振動をできるだけ抑制し、これにより車輌の乗り心地性を向上させることができる。
特に図示の実施例によれば、ステップ90に於いて車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度θiが推定され、ステップ100に於いてね上の上下振動を抑制するための各車輪の目標制振力Fdtiが上記式式17又は18に従って演算されるので、例えば角度θiが一定の値とされる場合に比して目標制振力Fdtiを適正に演算し、これによりばね上の上下振動を確実に且つ効果的に抑制することができる。
また図示の実施例によれば、車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度θiは各車輪の車高Hiに基づいて推定されるので、角度θiを検出する手段を要することなく、また各車輪の目標制振力Fdtiの演算に必要な各車輪のストローク速度Xdiを演算するための車高Hiを有効に利用して各車輪の目標制駆動力Fwtiを演算することができる。
また図示の実施例によれば、重み係数a1〜a4は評価関数Jを最小にする値として収束演算により演算されるので、補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4の和を車輌の目標制駆動力Fvtにするための最適の重み係数を容易に且つ確実に演算することができる。
また図示の実施例によれば、ステップ30に於いてばね上の上下振動を抑制するための制駆動力の制御の禁止条件が成立しているか否かの判別が行われ、禁止条件が成立している旨の判別が行われたときにはステップ80〜150は実行されず、ステップ40に於いてアクセル開度φ又はマスタシリンダ圧力Pmに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて通常の各車輪の制駆動力の制御が行われるので、車輪の制駆動力の制御によるばね上の制振が行われないことが好ましい状況に於いて車輪の制駆動力の制御によるばね上の制振が行われることを確実に防止することができる。
また図示の実施例によれば、補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4の何れかが負の値であるときには、できるだけ回生制動力により必要な制動力が発生されるので、制動力が常に摩擦制動力により発生される場合に比して摩擦制動装置の耐久性を向上させることができると共に、回生制動により電気エネルギーを回収して車輌全体のエネルギー効率を向上させることができ、また補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4の何れかが負の値であるときには車輪に制動力が付与されない場合に比して、ばね上の制振を効果的に行うことができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の実施例に於いては、インホイールモータ式の車輌の場合にもばね下の質量はばね上の質量よりも遥かに小さいので、上記式1等に於いてはばね下の質量が無視されているが、上記式1等にばね下の質量が含まれるよう修正されてもよい。
また上述の実施例に於いては、車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度θiは各車輪の車高Hiに基づいて推定され、各車輪の目標制駆動力Fwtiは上記式17又は18に従って演算されるようになっているが、角度θiと車高Hiとの間には一定の関係があるので、車高Hiに基づいて補正係数が演算され、各車輪の目標駆動力Fwtiは補正係数と目標制振力Fdtiとの積として演算されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例に於いては、車輌の目標制駆動力Fvtが正の値であり駆動力である場合に於いて、何れかの補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4の大きさが電動機12FL〜12RRの最大回生制動力Fwr1〜Fwr4を越えるときには、各車輪の目標摩擦制動力Fwtb1〜Fwtb4が0に設定され、摩擦制動力が発生されないようになっているが、補正後の目標制駆動力Fwta1〜Fwta4より最大回生制動力Fwr1〜Fwr4を減算した値が各車輪の目標摩擦制動力Fwtb1〜Fwtb4として演算され、目標摩擦制動力Fwtb1〜Fwtb4に基づいて各車輪の摩擦制動力が制御されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例に於いては、車輌の目標制駆動力Fvtが負の値であり制動力である場合に於いて、補正後の目標駆動力Fwta1〜Fwta4の何れかが正の値であるときには、当該車輪に電動機12FL〜12RRによる駆動力が付与されるようになっているが、この場合の駆動力の付与が省略されてもよい。
また上述の実施例に於いては、車輌はインホイールモータ式の四輪駆動車であるが、本発明は、前輪及び後輪の一方が車輪に組み込まれた駆動装置により駆動され、前輪及び後輪の他方が従動輪である車輌や、前輪及び後輪の一方が車輪に組み込まれた駆動装置により駆動され、前輪及び後輪の他方が車体(ばね上)に搭載された駆動装置により駆動される車輌に適用されてもよい。
また上述の実施例に於いては、車輪に組み込まれ車輪を駆動する駆動装置は電動機であるが、駆動力を応答性よく制御可能である限り、駆動装置は電動機以外の駆動装置であってもよい。
ホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による制駆動力制御装置の一つの実施例を示す概略構成図である。 実施例に於いて駆動力制御用電子制御装置により達成される制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 サスペンションが制御要素を含まずサスペンションスプリングとショックアブソーバ(ダンパ)とより構成される1輪の車輌を示す説明図である。 図3に示された車輌と等価な1輪1自由度の車輌モデルを示す図である。 前輪について車輪の駆動力により発生する上下方向の反力を示す説明図である。 後輪について車輪の駆動力により発生する上下方向の反力を示す説明図である。
符号の説明
12FL〜12RR 電動機
14 アクセル開度センサ
16 駆動力制御用電子制御装置
18 摩擦制動装置
24 ブレーキペダル
28 制動力制御用電子制御装置
30 車高センサ
32 車速センサ
34 他のセンサ
36、38FL〜38RR 圧力センサ

Claims (9)

  1. 各車輪に設けられ対応する車輪に制駆動力を付与する制駆動手段と、前記制駆動手段の制駆動力を制御する制御手段とを有する車輌の制駆動力制御装置に於いて、前記制御手段はばね下の上下変位よりばね上の上下変位への伝達比を小さくするための値になるようばね上の減衰比に基づいて設定されたばね上の仮想の減衰比と前記ばね上の減衰比に基づいてばね上の上下振動を抑制するための目標制振力を各車輪について演算し、前記目標制振力に基づいて各車輪の前記制駆動手段の制駆動力を制御することを特徴とする車輌の制駆動力制御装置。
  2. 前記制御手段は前記ばね上の減衰比、前記ばね上の仮想の減衰比、車輪のストローク速度に基づいて前記目標制振力を演算することを特徴とする請求項1に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  3. 前記制御手段は車輌全体の目標制駆動力を演算し、前記目標制振力に基づいて各車輪の目標制駆動力を演算し、各車輪の前記目標制駆動力及び対応する重み係数の積の和と前記車輌全体の目標制駆動力との偏差の大きさを最小にする各車輪の重み係数を演算し、各車輪の前記目標制駆動力及び対応する重み係数の積を各車輪の補正後の目標制駆動力とし、前記補正後の目標制駆動力に基づいて各車輪の前記制駆動手段の制駆動力を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  4. 車輌の横方向に見て車輪の接地点と車輪の上下運動の瞬間中心とを結ぶ直線が路面となす角度をθとし、前記目標制振力をFdtとして、前記制御手段は前記角度θ及び前記目標制振力Fdtに基づいて各車輪の目標制駆動力を演算することを特徴とする請求項3に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  5. 車輌の横方向に見て車輪の上下運動の瞬間中心は車輪の接地点に対し車輌後方且つ上方又は車輌前方且つ下方に位置し、前記制御手段は
    Fwt=Fdt/tanθ
    に従って車輪の目標制駆動力Fwtを演算することを特徴とする請求項4に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  6. 車輌の横方向に見て車輪の上下運動の瞬間中心は車輪の接地点に対し車輌前方且つ上方又は車輌後方且つ下方に位置し、前記制御手段は
    Fwt=−Fdt/tanθ
    に従って車輪の目標制駆動力Fwtを演算することを特徴とする請求項4に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  7. 前記制駆動手段は車輪に回生制動力を付与する回生制動装置を含み、前記制御手段は前記車輌全体の目標制駆動力が駆動力である場合に於いて前記補正後の目標制駆動力が制動力であるときには前記回生制動装置により当該車輪に回生制動力を付与することを特徴とする請求項3乃至6に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  8. 前記制御手段は前記車輌全体の目標制駆動力が駆動力である場合に於いて前記補正後の目標制駆動力が制動力であるときには当該車輪の前記制駆動手段の駆動力を0に制御すると共に、当該車輪に前記補正後の目標制駆動力に対応する制動力を付与しないことを特徴とする請求項3乃至6に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  9. 前記制御手段は前記車輌全体の目標制駆動力が制動力である場合に於いて前記補正後の目標制駆動力が駆動力であるときには当該車輪の前記制駆動手段の制動力を0に制御すると共に、当該車輪に前記補正後の目標制駆動力に対応する駆動力を付与しないことを特徴とする請求項3乃至8に記載の車輌の制駆動力制御装置。
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