JP2005114138A - 車輪のマスダンパ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 マスダンパの性能の低下を防止する車輪のマスダンパ制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 車輪の振動を抑制するためのマスダンパを備える車輪のマスダンパ制御装置1であって、マスが車輪側に対して移動可能に支持されたマスダンパ3b,3bと、マスのストロークを制御する制御手段7とを備え、制御手段7では、ストローク検出手段4A,4Bで検出したストロークが所定値を超えた場合に車輪への駆動力を制御し、マスのストローク量を減少させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車輪の振動を抑制するためのマスダンパを備える車輪のマスダンパ制御装置に関する。
車両の駆動方式として、車輪にモータを直接取り付けるインホイールモータが開発されている。車輪にインホイールモータを組み込んだ場合、車輪自体が重くなり、荒れた路面等では車輪の振動が激しくなり、接地性が悪化する。そこで、インホイールモータを備える車両には、車輪の振動を抑えるために、ホイール内にマスダンパを配設したものがある(特許文献1参照)。
特開平9−132040号公報
しかしながら、ホイール内にマスダンパを設けた場合、マスダンパの実装スペースが制約されるので、マスのストローク範囲が制限される。そのため、車輪が物を踏む等の外乱が入った場合やインホイールモータの回転が急変化した場合、マスダンパのストローク量が増大し、マスがストローク限界に達してしまう。マスがストローク限界に達すると、マスダンパとして十分な性能を発揮することができなくなり、車輪の振動を抑制できなくなり、車輪の接地性が悪化する。
そこで、本発明は、マスダンパの性能の低下を防止する車輪のマスダンパ制御装置を提供することを課題とする。
本発明に係る車輪のマスダンパ制御装置は、マスが車輪側に対して移動可能に支持されたマスダンパと、マスのストロークを制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
この車輪のマスダンパ制御装置では、車輪の振動を抑制するためにマスダンパが車輪に設けられ、制御手段によってそのマスダンパのマスのストロークを制御することができる。そのため、このマスダンパ制御装置では、マスがストローク限界に達する可能性がある場合又はストローク限界に一時的に達した場合、制御手段によるストローク制御によってマスのストロークを減少させ、マスを適正な範囲でストロークさせることができる。その結果、このマスダンパ制御装置では、マスダンパに十分な性能を発揮させることができ、車輪の振動を抑制して接地性を向上させることができる。
本発明の上記車輪のマスダンパ制御装置では、マスのストロークを検出するストローク検出手段を備え、制御手段は、ストローク検出手段で検出したストロークが所定値を超えた場合、車輪への駆動力を制御する構成にする。
この車輪のマスダンパ制御装置では、ストローク検出手段によってマスのストロークを検出し、その検出したストロークが所定値を超えた場合、制御手段によって車輪に対する駆動力を制御してマスのストローク量を減少させる。そのため、このマスダンパ制御装置では、マスがストローク限界に達するのを抑制でき、マスダンパの性能の低下を防止することができる。このように、マスダンパ制御装置では、車両に搭載される駆動源(エンジン、モータ等)による駆動力を利用してマスダンパのストロークを制御するので、マスダンパの減衰力を直接調整するような専用の装置を必要としない。
なお、所定値は、マスダンパにおいて設定されている最大ストローク量未満の値であり、マスがストローク限界に達する可能性があるか否か又はストローク限界に達したか否かを判定するための値である。
本発明の上記車輪のマスダンパ制御装置では、車輪を回転駆動するインホイールモータを備え、制御手段は、ストローク検出手段で検出したストロークが所定値を超えた場合、インホイールモータの回転駆動力を制御する構成にすると好適である。
この車輪のマスダンパ制御装置では、駆動輪にインホイールモータが設けられ、インホイールモータによって駆動輪を回転駆動する。このマスダンパ制御装置では、ストローク検出手段で検出したストロークが所定値を超えた場合、制御手段によってマスのストローク量を低減させるようにインホイールモータの回転駆動力を制御する。このように、マスダンパ制御装置では、車両の駆動源であるインホイールモータを利用してマスダンパのストロークを制御できるとともに、インホイールモータによって車輪全体の重量が増加するが、性能を確保したマスダンパによって車輪の振動を抑制することできる。
本発明の上記車輪のマスダンパ制御装置では、制御手段は、マスダンパの減衰力を制御することによってマスのストロークを制御する構成としてもよい。
この車輪のマスダンパ制御装置では、制御手段によってマスダンパの減衰力を可変制御し、マスのストローク量を調整することができる。そのため、このマスダンパ制御装置では、マスのストロークが所定値を超えた場合には減衰力を強めることによってマスの移動を抑制し、マスがストローク限界に達するのを抑制でき、マスダンパの性能の低下を防止することができる。マスダンパの減衰力を可変制御するために、例えば、マスダンパの減衰力を直接調整するような装置等を用いる。
本発明によれば、マスダンパのマスのストロークを制御することによって、マスがストローク限界に達するのを抑制でき、マスダンパの性能低下を防止することができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る車輪のマスダンパ制御装置の実施の形態を説明する。
本実施の形態では、本発明に係る車輪のマスダンパ制御装置を、左右の後輪にインホイールモータを組み込んだ後輪駆動車に構成されたマスダンパ制御装置に適用する。本実施の形態に係るマスダンパ制御装置は、インホイールモータと車輪との間にダイナミックダンパが配設され、インホイールモータを制御するECUによってマスダンパ制御も行う。
図1〜図3を参照して、マスダンパ制御装置1について説明する。図1は、本実施の形態に係るマスダンパ制御装置の構成図である。図2は、図1のECUに保持されている速に対する閾値基準値を設定するための第1マップである。図3は、図1のECUに保持されている単位時間当りのモータ電流の変化の絶対値に対する閾値係数を設定するための第2マップである。
マスダンパ制御装置1は、インホイールモータが組み込まれている後輪(駆動輪)の振動を抑制するためのマスダンパの性能を十分に発揮させるために、インホイールモータの回転駆動力を利用してマスダンパのストロークを制御する。そのために、マスダンパ制御装置1は、主な構成として、インホイールモータ2A,2B、ダイナミックダンパ3A,3B、リミットスイッチ4A,4B、車輪速センサ5A,5B、モータ電流センサ6A,6B及びECU[Electronic Control Unit]7を備えている。
なお、本実施の形態では、リミットスイッチ4A,4Bが特許請求の範囲にするストローク検出手段に相当し、ECU7が特許請求の範囲に記載する制御手段に相当する。
インホイールモータ2A,2Bは、左右の後輪の回転駆動力を各々発生するモータであり、後輪のホイールHA,HB内に各々組み込まれる。ホイールHA,HBにはサスペンションアームAA,ABが各々取り付けられ、このサスペンションアームAA,ABと車体(図示せず)との間にはサスペンション(図示せず)が各々設けられている。したがって、サスペンションアームAA,ABは、後輪側の部材となる。サスペンションアームAA,ABとインホイールモータ2A,2Bとの間には、ダイナミックダンパ3A,3Bが各々設けられている。さらに、インホイールモータ2A,2Bの出力部(図示せず)とホイールHA,HBとの間には、フレキシブルカップリング(図示せず)が各々設けられている。フレキシブルカップリングは、左右のインホイールモータ2A,2Bの出力部とホイールHA,HBとをフレキシブルに連結する連結部材であり、インホイールモータ2A,2BとホイールHA,HBとが相対的な移動によってずれた場合でもインホイールモータ2A,2Bの回転駆動力をホイールHA,HBに伝達する。
ダイナミックダンパ3A,3Bは、後輪(ホイールHA,HB)に対してインホイールモータ2A,2Bを移動可能に支持するためのダンパである。ダイナミックダンパ3A、3Bは、サスペンションアームAA,ABとインホイールモータ2A、2Bとの間に取り付けられたスプリング3aとマスダンパ3bからなる。スプリング3a及びダンパ3bは、サスペンションアームAA,ABからインホイールモータ2A,2Bを各々吊り、後輪に対してインホイールモータ2A,2Bを移動可能に支持している。スプリング3a及びマスダンパ3bは所定のばね定数を有しているので、ダイナミックダンパ3A,3Bでは、路面の状態に応じて後輪から振動が伝わった場合やインホイールモータ2A,2Bの回転による振動が伝わった場合、スプリング3a及びマスダンパ3bがばね定数に応じた周期で伸縮する。マスダンパ3bは、マスがサスペンションアームAA,AB(後輪側)に対して移動可能に取り付けられ、マスが所定のストローク範囲内を移動する。マスダンパ3bはホイールHA,HB内に設けられるので、ストローク範囲には制限があり、最大ストローク量(ストローク限界)が設定されている。
なお、マスダンパ3bは、マスがストローク限界又はその限界近傍までストロークするとダンパとしての性能が十分に発揮できなくなり、特に、ストローク限界又はその限界近傍でのストロークが継続するとダンパとしての性能が低下する。マスダンパ3b(ひいては、ダイナミックダンパ3A,3B)の性能が低下すると、後輪の振動を抑制することができなくなり、後輪の接地性が低下する。駆動輪である後輪の接地性が低下すると、インホイールモータ2A,2Bで発生している回転駆動力に対して車両としての駆動力が低下するので、エネルギ効率が低下する。
リミットスイッチ4A,4Bは、マスダンパ3bのストローク量が所定値を超えたか否かを検出するセンサであり、マスダンパ3b,3bに対して各々設けられる。所定値は、マスダンパ3bが十分な性能が発揮できるストローク範囲を規定する値であり、最大ストローク量より小さい値(例えば、最大ストローク量の80%程度の値)が設定される。リミットスイッチ4A,4Bでは、ストローク量が所定値を超えた場合に接点が閉じ、接点が閉じたことを示すリミット信号RA,RBをECU7に送信する。
車輪速センサ5A,5Bは、前輪の回転速度を各々検出するセンサであり、前輪に各々設けられる。車輪速センサ5A,5Bでは、その検出値を車輪速信号WA,WBとしてECU7に各々送信する。車輪速センサ5A,5Bの検出値により車輪速が算出されるが、従動輪である前輪の車輪速は車速(車体速)として用いられる。なお、車輪速センサ5A,5B以外にもトランスミッションの回転数を検出するセンサ等の他の車速センサを用いてもよい。
モータ電流センサ6A,6Bは、インホイールモータ2A,2Bに供給されている電流を検出するセンサであり、インホイールモータ2A,2Bに各々設けられる。モータ電流センサ6A,6Bでは、その検出値をモータ電流信号MA,MBとしてECU7に各々送信する。
ECU7は、CPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]等からなる電子制御ユニットである。ECU7は、アクセル開度センサ(図示せず)等の各種センサが接続され、各種センサからの検出信号に基づいてインホイールモータ2A,2Bのモータ回転数等を設定し、インホイールモータ2A,2Bを制御する。また、ECU7は、リミットスイッチ4A,4B、車輪速センサ5A,5B及びモータ電流センサ6A,6Bが接続され、リミット信号RA,RB、車輪速信号WA,WB及びモータ電流信号MA,MBに基づいてマスダンパ3b,3bのストロークを制御する。このマスダンパ制御を以下に詳細に説明する。
ECU7では、リミット信号RAに基づいて、単位時間(Δt)当りのリミットスイッチ4Aの接点が閉じた回数(以下、リミット回数と記載する)をカウントする。また、ECU7では、リミット信号RBに基づいて、単位時間(Δt)当りのリミットスイッチ4Bのリミット回数をカウントする。Δtは、ダイナミックダンパ3A,3Bのばね定数に基づいて設定され、ばね定数が大きくほどダイナミックダンパ3A,3Bの周期が短くなるので短い時間が設定される。単位時間当りのリミット回数は、Δtの間にマスダンパ3bのマスがストローク限界又はその限界近傍までストロークしている回数であり、この値が大きくなるほどマスダンパ3bの性能が低下していることを示す。
リミットスイッチ4A,4Bにおける単位時間当たりのリミット回数を各々カウントすると、ECU7では、各単位時間当たりのリミット回数と閾値とを各々比較する。そして、ECU7では、単位時間当たりのリミット回数が閾値以上の場合には条件成立回数に1を加算し、閾値未満の場合には条件成立回数を0に初期化する。閾値は、マスダンパ3bがダンパとしての性能を十分に発揮しているか否かの判定するための基準値であり、車速とモータ電流に基づいてECU7において設定される。条件成立回数は、ECU7に電源投入時に0に初期化され、閾値による判定条件が連続して満たされる場合に1づづ加算される。
さらに、ECU7では、各条件成立回数がN回を超えたか否かを各々判定する。そして、ECU7では、条件成立回数がN回を超えた場合(つまり、連続してN+1回以上、単位時間当たりのリミット回数が閾値以上となった場合)、マスダンパ3bに対するストローク制御が必要と判断する。N+1回連続して閾値での判定条件が満たされないとストローク制御に移行しないのは、マスダンパ3bが一時的にストローク限界に達した場合にストローク制御に移行しないようにするためであり、マスダンパ3bの性能が確実に低下していると推定される場合のみストローク制御に移行するためである。というのは、インホイールモータ2A,2Bの回転駆動力によってストローク制御を行うので、ストローク制御を行うと車両の駆動力も変化してしまうため、制御回数は少ないほうが良いからである。
ストローク制御が必要と判断すると、ECU7では、加速中又は減速中の場合、その加減速の度合いが低下するように目標車速を設定する。といのうは、加減速の度合いが大きいほどインホイールモータ2A,2Bの回転が急変するので、回転が急変するほどマスダンパ3b,3bのストローク量が増加する可能性が高いからである。また、ECU7では、定速中の場合、現在の車速から少し低下させた目標車速を設定する。というのは、車速が高速ほどインホイールモータ2A,2Bが高回転なので、高回転ほどマスダンパ3b,3bのストローク量が増加する可能性が高いからである。
目標車速を設定すると、ECU7では、その目標車速とするためのモータ回転数を設定し、そのモータ回転数を得るために必要な電流(電力)を示す制御信号CA,CBをインホイールモータ2A,2Bに各々送信する。なお、左右の後輪のうちの一方の後輪側だけでストローク制御が必要と判断した場合、その一方側のマスダンパ3bのストロークをインホイールモータ2A,2Bの一方の回転駆動力で制御すると、左右の後輪に伝達される回転駆動力が異なることになるので、両側のマスダンパ3b,3bのストロークをインホイールモータ2A,2Bで同じように制御する。
閾値を設定する場合、ECU7では、車輪速信号WA,WBから前輪の車輪速(車速)を各々算出する。2つの車速の一方のみを利用してもよいし、平均値を利用してもよい。そして、ECU7では、ROMに保持されている第1マップM1を用いて、その算出した車速に対する閾値基準値を求める(図2参照)。第1マップM1は、車速に対する閾値基準値が設定され、高速ほど小さい閾値基準値(1以上の整数値)が設定されている。というのは、高速ほど、マスダンパ3b,3bのストローク量が増加する可能性が高いので、閾値を小さくしてストローク制御に早く移行するためのである。
さらに、ECU7では、モータ電流信号MA,MBから単位時間当りのモータ電流の変化の絶対値を算出する。モータ電流はモータ回転数に相当するので、単位時間当りのモータ電流の変化は車両の加減速度に相当し、その変化が大きなプラス値なほど加速度が大きく、その変化が大きなマイナス値なほど減速度が大きい。そして、ECU7では、ROMに保持されている第2マップM2を用いて、算出した絶対値に対する閾値係数を求める(図3参照)。第2マップM2は、単位時間当りのモータ電流の変化の絶対値に対する閾値係数(1以下の数値)が設定され、絶対値が大きいほど小さい閾値係数が設定される。というのは、加減速の度合いが大きいほど、マスダンパ3b,3bのストローク量が増加する可能性が高いので、閾値を小さくしてストローク制御に早く移行するためのである。ちなみに、加減速度を示すものとしては単位時間当りのモータ回転数の変化でもよいので、この場合には、第2マップには単位時間当りのモータ回転数の変化の絶対値に対する閾値係数が設定され、モータ電流センサ6A,6Bの代わりにモータ電流センサを備える構成となる。
そして、ECU7では、閾値基準値に閾値係数を乗算し、その乗算値を閾値とする。このように、ECU7では車速とモータ電流の変化(すなわち、加減速度)に基づいて閾値を変化させているので、マスダンパ3b,3bでストローク量が増加する可能性が高い場合には早期にストローク制御に移行することができる。
図1〜図3を参照して、マスダンパ制御装置1における動作について説明する。特に、ECU7におけるマスダンパ制御については図4にフローチャートに沿って説明する。図4は、図1のECUにおけるマスダンパ制御を示すフローチャートである。
ECU7では、アクセル開度等に基づいて左右のインホイールモータ2A,2Bのモータ回転数を設定し、そのモータ回転数を得るために必要な電流を示す制御信号CA,CBをインホイールモータ2A,2Bに各々送信している。インホイールモータ2A,2Bでは、制御信号CA,CBに応じた電流が供給されて各々回転駆動する。この各回転駆動力が、フレキシブルカップリングを介してホイールHA,HBに各々伝達され、車両がその回転駆動力に応じた駆動力で走行する。この際、モータ電流センサ6A,6Bでは、インホイールモータ2A,2Bに供給される電流を各々検出し、モータ電流信号MA,MBをECU7に各々送信している。また、車輪速センサ5A,5Bでは、前輪の回転速度を各々検出し、車輪速信号WA,WBをECU7に各々送信している。
ダイナミックダンパ3A,3Bでは、路面から後輪を介して伝わる振動やインホイールモータ2A,2Bの回転による振動に応じてスプリング3a,3a及びマスダンパ3b,3bが伸縮し、その振動を吸収する。特に、後輪が石等の物を踏んだ場合やインホイールモータ2A,2Bによって急加速や急減速を行った場合、スプリング3a,3a及びマスダンパ3b,3bにおけるストローク量が大きくなる。この際、リミットスイッチ4A,4Bでは、ストローク量が所定値を超えた場合には接点を閉じ、接点が閉じたことを示すリミット信号RA,RBをECU7に送信する。
ECU7では、リミット信号RA,RBを受信すると、リミット信号RA,RBを読み込み、リミット回数をカウントする(S1)。そして、ECU7では、単位時間(Δt)が経過したか否かを判定し、経過するまでS1の処理を続ける(S2)。単位時間(Δt)が経過すると、ECU7では、左右両側の単位時間(Δt)当りのリミット回数を各々設定する(S3)。
また、ECU7では、車輪速信号WA,WBを受信すると、その車輪速信号WA,WBを読み込む(S4)。そして、ECU7では、車輪速信号WA,WBから車速を算出する。また、ECU7では、モータ電流信号MA,MBを受信すると、そのモータ電流信号MA,MBを読み込む(S5)。そして、ECU7では、モータ電流信号MA,MBから単位時間当りのモータ電流の変化の絶対値を算出する。さらに、ECU7では、第1マップM1から算出した車速に応じた閾値基準値を求め、第2マップM2から算出した絶対値に応じた閾値係数を求める。そして、ECU7では、閾値基準値に閾値係数を乗算し、閾値を設定する(S6)。
続いて、ECU7では、単位時間(Δt)当りのリミット回数が閾値以上か否かを判定する(S7)。S7の判定で閾値未満の場合、マスダンパ3bでは適正なストロークにより十分な性能を発揮しているので、ECU7では、条件成立回数(j)を0に初期化し、今回処理を終了する(S8)。
一方、S7の判定で閾値以上の場合、マスダンパ3bでは限界又は限界近傍でのストロークにより十分な性能を発揮できないので、ECU7では、条件成立回数(j)に1を加算する(S9)。続いて、ECU7では、条件成立回数(j)がN回を超えたか否かを判定する(S10)。S10の判定でN回以下の場合、マスダンパ3bでは一時的にストローク限界になった可能性があるので、ECU7では、今回処理を終了し、次回処理でストローク限界が継続しているか否かを判定する。
一方、S10の判定でN回を超えた場合、マスダンパ3bではストローク限界の状態が継続して性能が低下しているので、ECU7では、マスダンパ3bに対するストローク制御が必要と判断する(S11)。続いて、ECU7では、現在の加減速度や車速から目標車速を設定し、さらに、その目標車速とするためのモータ回転数を設定する(S12)。そして、ECU7では、そのモータ回転数を得るために必要な電流を示す制御信号CA,CBをインホイールモータ2A,2Bに各々送信する(S13)。
この制御信号CA,CBを受信すると、インホイールモータ2A,2Bでは、加速中の場合にはモータ回転数の増加度合いが低下し、減速中の場合にはモータ回転数の減少度合いが低下し、あるいは、定速中の場合にはモータ回転数が低下する。このインホイールモータ2A,2Bの回転駆動力の制御により、マスダンパ3b,3bでは、ストローク量が減少し、ストローク限界から適正なストロークに戻る。その結果、マスダンパ3b,3b(ひいては、ダイナミックダンパ3A,3B)では、ダンパとしての十分な性能を発揮し、後輪の振動を抑制する。
このマスダンパ制御装置1によれば、マスダンパ3b,3bのマスがストローク限界に達する可能性がある場合又はストローク限界に一時的に達した場合でも、インホイールモータ2A,2Bの回転駆動力を制御することによってマスダンパ3b,3bのストローク量を減少させ、マスダンパ3b,3bの性能の低下を防止する。特に、マスダンパ制御装置1では、マスダンパ3b,3bのストロークを制御するためにインホイールモータ2A,2Bの回転駆動力を利用しているので、マスダンパ3b,3bの減衰力を直接調整するような専用の装置を必要としない。
さらに、マスダンパ制御装置1では、車速とモータ電流(すなわち、加減速度)に基づいて閾値を調整することによってストローク制御の開始条件を変えることにより、ストローク限界に達する可能性が高い場合にはストローク制御を早期に開始できる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
例えば、本実施の形態では駆動輪である左右の後輪にインホイールモータを設けた後輪駆動車に適用したが、左右の前輪にインホイールモータを設けた前輪駆動車や四輪にインホイールモータを設けた四輪駆動車にも適用可能である。また、本実施の形態ではインホイールモータのみを駆動源とした電気自動車に適用したが、インホイールモータとエンジンを駆動源とするハイブリッド自動車あるいはエンジンのみを駆動源としたエンジン自動車にも適用可能である。
また、本実施の形態ではマスダンパのマスのストロークを制御するためにインホイールモータの回転駆動力を制御する構成としたが、エンジンで車輪を駆動する車両の場合にはエンジンの駆動力を制御する構成としてもよいし、あるいは、マスダンパにダンパの減衰力を調整するための手段が備わっている車両の場合にはその減衰力調整手段を制御する構成としてもよい。
また、本実施の形態ではリミットスイッチによってマスダンパのストローク量が所定値を超えたか否かを検出する構成としたが、マスダンパのストロークの絶対量を検出するストローク検出手段で構成してもよい。このストローク検出手段を用いる場合、ECUにおいて、ストロークの絶対量が所定値を超えたか否かを判定する判定する。
また、本実施の形態ではECUにおいて車速とモータ電流から閾値を設定する構成としたが、車速又はモータ電流(モータ回転数)のいずれか一方で閾値を設定してもよいし、あるいは、閾値を一定値としてもよい。また、本実施の形態ではECUにおいて単位時間(Δt)当りのリミット回数と閾値とを比較し、閾値以上となった回数(条件成立回数)がN回を超えた場合にストローク制御を行う構成としたが、Δtを長くし、条件成立回数による判定を無くして、単位時間(Δt)当りのリミット回数が閾値以上となるとストローク制御を行う構成やリミットスイッチの接点が連続して閉じた回数が所定回数を超えるとストローク制御を行う構成等の他の制御開始条件としてもよい。
本実施の形態に係るマスダンパ制御装置の構成図である。 図1のECUに保持されている車速に対する閾値基準値を設定するための第1マップである。 図1のECUに保持されている単位時間当りのモータ電流の変化の絶対値に対する閾値係数を設定するための第2マップである。 図1のECUにおけるマスダンパ制御を示すフローチャートである。
符号の説明
1…マスダンパ制御装置、2A,2B…インホイールモータ、3A,3B…ダイナミックダンパ、3a…スプリング、3b…マスダンパ、4A,4B…リミットスイッチ、5A,5B…車輪速センサ、6A,6B…モータ電流センサ、7…ECU

Claims (4)

  1. マスが車輪側に対して移動可能に支持されたマスダンパと、
    前記マスのストロークを制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする車輪のマスダンパ制御装置。
  2. 前記マスのストロークを検出するストローク検出手段を備え、
    前記制御手段は、前記ストローク検出手段で検出したストロークが所定値を超えた場合、前記車輪への駆動力を制御することを特徴とする請求項1に記載する車輪のマスダンパ制御装置。
  3. 前記車輪を回転駆動するインホイールモータを備え、
    前記制御手段は、前記ストローク検出手段で検出したストロークが所定値を超えた場合、前記インホイールモータの回転駆動力を制御することを特徴とする請求項2に記載する車輪のマスダンパ制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記マスダンパの減衰力を制御することによって前記マスのストロークを制御することを特徴とする請求項1に記載する車輪のマスダンパ制御装置。
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