JP3127735B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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JP3127735B2 JP06270397A JP27039794A JP3127735B2 JP 3127735 B2 JP3127735 B2 JP 3127735B2 JP 06270397 A JP06270397 A JP 06270397A JP 27039794 A JP27039794 A JP 27039794A JP 3127735 B2 JP3127735 B2 JP 3127735B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両の高速走行時や発
進時等にサスペンション特性を変更制御して、車両の走
行状態を制御するようにしたサスペンション制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両の操縦安定性と乗り心地とを
路面状況や走行状態にかかわらず良好なものとするため
に、サスペンション特性をソフト、ハード等に切り換え
ることができるサスペンション制御装置が種々実用化さ
れている。
【0003】こうしたサスペンション制御装置では、各
種のセンサ、例えば、車速センサからの車速に基づき、
高速の場合にはハード側へ切り換えて操縦安定性を高め
たり、車両の発進時にシフトレバーをNレンジからDレ
ンジに切り換えたときのショックを緩和すべく一時的に
ハード側に切り換えている。
【0004】ここで、このようなサスペンション制御装
置において、センサに断線が生じたりしてその信号が異
常となった場合には、操縦安定性を確保する見地から、
特開昭60−47710号公報に記載されているよう
に、サスペンション特性をハード側に一律に切り換える
技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のサスペ
ンション制御装置では、多くのサスペンション特性制御
に利用している車速センサが異常となった場合に、一律
にハードに切り換えることは操縦安定性の点から好まし
いが、車両の走行制御上、比較的重要度の低い制御に用
いられるセンサ(例えば、AT車におけるシフトレバー
位置を変化させたときに生じる車両の姿勢変化を抑制す
るべくショックアブソーバの減衰力を高めるアンチシフ
トスクォート制御処理にしか用いられないシフト位置セ
ンサ等)が異常となった場合にも、一律にハード側へ切
り換えられる。このため、サスペンション特性をハード
側へ切り換える必要性が低い通常走行時にも、必要以上
にサスペンション特性がハード側に切り換えられてしま
い、乗り心地を損なっているという問題があった。
【0006】本発明は、上記従来の技術の問題を解決す
るものであり、センサの異常が生じた場合にも、操縦安
定性の確保と乗り心地の向上を両立したサスペンション
制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた請求項1の発明は、「車両の走行状態を検出
する複数の走行状態検出手段と、車両のサスペンション
特性をハード側とソフト側との間で変更するサスペンシ
ョン特性変更手段と、上記複数の走行状態検出手段から
受ける該走行状態検出信号に応じて、上記サスペンショ
ン特性変更手段のサスペンション特性を変更する指令を
実行するサスペンション特性制御手段と、上記複数の走
行状態検出手段からの走行状態検出信号をそれぞれ受
け、それらの異常状態を判定する異常状態判定手段と、
該異常状態判定手段により判定された異常状態に基づい
て、サスペンション特性のソフト側への下限値を変更す
るとともに、該下限値を、少なくとも1つの走行状態検
出手段の異常状態である判定結果と他の走行状態検出手
段の異常状態である判定結果とで異なる値に設定して、
上記サスペンション特性制御手段に指令する減衰力下限
値設定手段と、を備えたことを特徴とする。請求項2の
発明は、 車両の走行状態を検出する複数の走行状態検出
手段と、 車両のサスペンション特性をハード側とソフト
側との間で変更するサスペンション特性変更手段と、上
記複数の走行状態検出手段から受ける該走行状態検出信
号に応じて、上記サスペンション特性変更手段のサスペ
ンション特性を変更する指令を実行するサスペンション
特性制御手段と、 上記複数の走行状態検出手段からの走
行状態検出信号をそれぞれ受け、それらの異常状態を判
定する異常状態判定手段と、 該異常状態判定手段により
判定された異常状態に基づいて、サスペンション特性の
ソフト側への下限値を、異常状態でない場合における最
低下限値以上の値に設定して、上記サスペンション特性
制御手段に指令する減衰力下限値設定手段と を備えた
ことを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明に係るサスペンション制御装置では、走
行状態検出手段により車両の走行状態が検出され、その
走行状態検出信号は、サスペンション特性制御手段に入
力される。サスペンション特性制御手段は、走行状態検
出信号に基づいて、サスペンション特性変更手段に指令
して、サスペンション特性をハード側とソフト側の間で
切り換える。
【0009】また、異常状態判定手段は、複数の走行状
態検出手段から受けた走行状態検出信号に応じて、それ
らの異常状態を判定し、その判定結果を減衰力下限値設
定手段に送る。減衰力下限値設定手段は、判定結果を受
けて、サスペンション特性のソフト側への下限値を変更
する。このとき、サスペンション特性を設定する下限値
は、異常状態判定手段の個々の判定結果に応じて変更設
定される。すなわち、請求項1にかかる減衰力下限値設
定手段は、下限値を、少なくとも1つの走行状態検出手
段の異常状態である判定結果と他の走行状態検出手段の
異常状態である判定結果とで異なる値に設定し、また、
請求項2にかかる減衰力下限値判定手段は、サスペンシ
ョン特性のソフト側への下限値を、異常状態でない場合
における最低下限値以上の値に設定することにより、
行状態検出手段の個々の影響に応じて、制御可能な領域
をできるだけ存続した上で、ソフト側への変更を禁止す
る。
【0010】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。
【0011】図1は車両のサスペンション制御装置10
の全体を概略的に示している。サスペンション制御装置
10は、左右の前輪及び後輪にそれぞれ対応して、各輪
と車体との間に設けられたショックアブソーバ11a〜
11dと、主エアーチャンバ12a〜12d及び副エア
ーチャンバ13a〜13dを有する。ショックアブソー
バ11a〜11dは、アクチュエータ14a〜14dに
よって制御されるバルブ開度に応じて車体の上下動に対
する減衰力を9段階に変更できるようになっている。
【0012】主エアーチャンバ12a〜12dは(主エ
アーチャンバ12a〜12dと副エアーチャンバ13a
〜13dとが連通している場合には、副エアーチャンバ
13a〜13dも)、それらの収容空気量に応じて各輪
位置の車高を連続的に変更できるようになっている。ま
た、副エアーチャンバ13a〜13dは、アクチュエー
タ15a〜15dによって主エアーチャンバ12a〜1
2dとの連通が切り換えられるバルブのオンオフによ
り、主エアーチャンバ12a〜12dと協働して車体の
上下動に対するばね定数を2段階(小、大)に変更する
ものである。
【0013】主エアーチャンバ12a〜12dには、空
気を給排する供排装置が接続されている。この供排装置
は、電動モータ16により駆動されるコンプレッサ17
を備えている。このコンプレッサ17は、チェック弁1
8、エアードライヤ19、並列接続されたチェック弁2
1及びオリフィス22ならびに、各輪毎に設けた第1電
磁切換弁23a〜23dを介して、主エアーチャンバ1
2a〜12dに接続されている。これらの第1電磁切換
弁23a〜23dは、通常オフ状態になり、通電により
オン状態になってチェック弁18及びオリフィス22と
各主エアーチャンバ12a〜12dとの各連通を許容す
る。また、チェック弁18とエアードライヤ19との接
続点には、第2電磁切換弁24が接続されており、この
第2電磁切換弁24は、通常オフ状態にあり、通電によ
りオン状態になって上記接続点を大気に連通させる。
【0014】次に、上述したアクチュエータ14a〜1
4d及びアクチュエータ15a〜15d、第1電磁切換
弁23a〜23d及び第2電磁切換弁24を制御するサ
スペンション制御装置10の電子制御装置について説明
する。すなわち、サスペンション制御装置10は、各種
のセンサからの検出信号を取り入れている。センサとし
て、車高センサ31a〜31d、上下Gセンサ32、ブ
レーキスイッチ33、舵角センサ34、スロットル開度
センサ35、シフトポジションセンサ36、車速センサ
37等である。
【0015】車高センサ31a〜31dは、各輪位置に
それぞれ設けられ、同位置における車体の車高を検出し
てそれらの検出信号を出力する。上下Gセンサ32は、
車体の上下方向の加速度を検出してその検出信号を出力
する。ブレーキスイッチ33は、ブレーキの踏み込み位
置を検出するものであり、通常オフ状態にあって該ブレ
ーキの踏み込み操作時にオンする。舵角センサ34は、
ハンドル又は前輪の操舵角を検出して、該操舵角を表わ
す信号を出力する。スロットル開度センサ35は、エン
ジンの吸気管に設けたスロットルバルブの開度を表わす
信号を出力する。シフトポジションセンサ36は、シフ
トレバーのシフト位置を表わす信号を出力する。車速セ
ンサ37は、車速を表わす信号を出力する。
【0016】上記各センサから出力される検出信号は、
マイクロコンピュータ40にて入力処理される。マイク
ロコンピュータ40は、CPU、ROM、RAM、タイ
マ等からなり、図3ないし図6に示すサスペンション制
御処理をメインルーチンで繰り返し実行すると共に、そ
の実行中に他のサブルーチンを実行する。
【0017】このサスペンション制御処理は、運転状態
に応じてサスペンション特性の減衰力を最適に設定する
と共に、各センサが異常となった場合に、減衰力をハー
ド側であり、かつ減衰力の設定値をそれぞれのセンサの
異常に応じて設定する処理である。
【0018】サスペンション制御処理は、電源投入後に
実行されると共に、これと並行して各々のセンサの異常
判定ルーチンを所定時間毎の割込処理として実行する。
なお、センサの異常判定ルーチンについては、各種の方
法が周知であるので、ここでは、センサが異常と判定さ
れたときにセットされるフラグの結果を用い、その説明
を省略する。
【0019】図3のサスペンション制御処理では、電源
投入直後の初期化処理により、フラグ等が初期値に設定
された後に、以下の処理が実行される。まず、ステップ
S12にて車速センサ37の異常判定が実行される。こ
の異常判定は、車速センサ37の異常を判定する図示し
ないルーチンで異常と判定されたときにセットされるフ
ラグの判定で行なわれる。この異常判定フラグの判定に
より正常と判定されたときには、ステップS14に移行
し、車速センサ37以外のセンサの異常判定が各々の異
常判定フラグに基づいて実行される。そして、ステップ
S14にて、すべてのセンサが正常であると判定される
と、ステップS20以下の処理が実行される。
【0020】まず、ステップS20では、各種のセンサ
からの検出信号の読み込み、つまり、車高センサ31a
〜31d、上下Gセンサ32、ブレーキスイッチ33、
舵角センサ34、スロットル開度センサ35、シフトポ
ジションセンサ36及び車速センサ37の検出信号の読
み込みがそれぞれ実行される。
【0021】続くステップS30〜ステップS80の処
理では、サスペンション特性の目標減衰値S1 〜S6 が
各制御毎に算出される。すなわち、路面入力についての
制御に対しての目標減衰値S1 の算出(ステップS3
0)、アンチロール制御処理に対しての目標減衰値S2
の算出(ステップS40)、アンチダイブ制御処理に対
しての目標減衰値S3 の算出(ステップS50)、アン
チスクォート制御処理に対しての目標減衰値S4 の算出
(ステップS60)、アンチシフトスクォート制御処理
に対しての目標減衰値S5 の算出(ステップS70)及
び車速感応制御処理に対しての目標減衰値S6 の算出
(ステップS80)がそれぞれ実行される。
【0022】続くステップS100にて、上述のステッ
プS30〜ステップS80にて算出された目標減衰値S
1 〜S6 のうちから最もハード側の目標減衰値が求めら
れ、これが目標制御値SCにセットされる。そして、ス
テップS110にて、目標制御値SCに基づいて、アク
チュエータ14a〜14dに駆動信号が出力され、ショ
ックアブソーバ11a〜11dの減衰力が目標制御値S
Cに制御される。すなわち、各制御にて求められたサス
ペンション特性の目標減衰値S1 〜S6 のうち最もハー
ド側の値を採用することにより、操縦安定性を最適な状
態に設定しているのである。
【0023】こうした各々の制御に用いるセンサと、各
制御で算出される目標減衰値S1 〜S6 及び目標制御値
SCとの関係を図2のブロック図で表わす。
【0024】次に、上述したステップS30〜ステップ
S80の各制御について詳細に説明する。ステップS3
0の路面入力についての制御は、悪路等に対し操縦安定
性を向上させるための制御である。つまり、本制御に
て、ステップS20で読み込まれた車高センサ31a〜
31dからの車高H、上下Gセンサ32からの上下加速
度α、車速センサ37からの車速Vと、図示しないマッ
プや演算式に基づいて、サスペンション特性の目標減衰
値S1 が算出される。この目標減衰値S1 は、例えば、
車速Vに対応して、上下Gセンサ32の上下加速度αの
値が大きいほどハード側に設定されて悪路等の路面状態
に対処するのである。
【0025】続いて、ステップS30のアンチロール制
御処理について図4のフローチャートを用いて説明す
る。アンチロール制御処理は、高速走行時の操舵で、操
縦安定性を確保するためにサスペンション特性をハード
側に設定する処理である。まず、ステップS42にて、
操舵角AG及び車速Vをパラメータとしたマップが読み
込まれる。このマップは、例えば、図7に示すように、
操舵角AG及び車速Vから、目標減衰値S2 及びその目
標減衰値S2 の状態に保持する時間を設定する所定保持
時間T2aを求めるマップであり、操舵角AG、車速Vが
大きいほどハード側への値を大きくすると共に、その所
定保持時間T2aを長く設定している。続くステップS4
3にて、ステップS20で読み込まれた舵角センサ34
及び車速センサ37の検出信号から求められた操舵角A
G及び車速Vと、ステップS42で読み込まれたマップ
とに基づいて、目標減衰値S2 が算出される。
【0026】続くステップS44では、今回の処理で算
出された目標減衰値S2 が前回の処理で算出された目標
減衰値S2 を越えているか否かの判定が実行され、肯定
判定の場合には、タイマT2 をリセットした後に(ステ
ップS45)、図7のマップに基づいて所定保持時間T
2aが算出され(ステップS46)、一旦、本処理を終了
する。そして、繰り返し処理にて、ステップS44で目
標減衰値S2 が前回の処理での目標減衰値S2 を越えて
いないと判定された場合には、ステップS47へ進ん
で、タイマT2 がインクリメントされる。続くステップ
S48では、タイマT2 が所定保持時間T2aを越えてい
るか否かの判定がされて、越えていない場合には本処理
を終了し、一方、越えていると判定されたときに、目標
減衰値S2に、最もソフト側の減衰値として1段をセッ
トする(ステップS49)。
【0027】したがって、本制御では、操舵角AG、車
速V及びマップに基づいて、目標減衰値S2 が算出さ
れ、その目標減衰値S2 の上限となった時点から所定保
持時間T2aだけその値を維持し、所定保持時間T2aを越
えたときに、目標減衰値S2 を1段にセットする。この
アンチロール制御により、高速走行時に急操舵を行なっ
たときに、所定保持時間T2aだけ目標減衰値S2 が高く
設定され、旋回時における操縦安定性を向上させてい
る。
【0028】次に、ステップS50のアンチダイブ制御
処理について図5のフローチャートを用いて説明する。
アンチダイブ制御処理は、制動時の荷重移動によりサス
ペンション制御装置10が前輪側と後輪側とで伸縮する
のを減少させる制御である。
【0029】図5のステップS51にて、ステップS2
0で読み込まれた検出信号のうちブレーキスイッチ33
からのブレーキ信号BRに基づいて、ブレーキが踏まれ
たか否かが判定される。ブレーキが踏まれていないと判
定されたときには、ステップS55へ進み、現在設定さ
れている目標減衰値S3 が1段である場合には、本処理
を一旦終了する。
【0030】一方、ステップS51にて、ブレーキが踏
まれたと判定されたときには、ステップS52へ進み、
車速Vが所定車速V3a以上であるか否かの判定が実行さ
れる。そして、所定車速V3a以上であると判定された場
合には、ステップS52aにて目標減衰値S3 が9段に
設定される。すなわち、車速Vが所定車速V3a以上の高
速の状態でブレーキが踏まれた場合には、目標減衰値S
3 を最もハード側である9段に設定して、操縦安定性を
高めている。
【0031】一方、ステップS52にて所定車速V3a以
上でないと判定されたときには、ステップS53へ進
み、車速Vが所定車速V3b以上であるか否かが判定され
る。車速Vが所定車速V3b以上でないと判定された場合
には、ステップS55へ進み、現在の目標減衰値S3 が
1段である場合には、本処理を終了する。
【0032】上記ステップS53にて車速Vが所定車速
V3b以上であると判定されると、ステップS54にて、
車高センサ31a〜31dからの車高Hに基づいて、車
高の前後車高差HDが所定前後車高差値HDa以上であ
るか否かの判定が実行される。ステップS54にて肯定
判定された場合には、ステップS54aにて目標減衰値
S3 を3段にセットし、さらにステップS54bにてタ
イマT3 をクリアして本処理を終了する。
【0033】その後、目標減衰値S3 が3段以上にセッ
トされたと判定された後に(ステップS55)、タイマ
T3 をインクリメントし(ステップS55a)、所定保
持時間T3aが経過するまで(ステップS56)、目標減
衰値S3 を3段以上に維持する。そして、所定保持時間
T3aが経過したと判定されたときに(ステップS5
6)、目標減衰値S3 が1段にセットされる。
【0034】すなわち、ブレーキが踏まれたときの車速
Vが所定車速V3aと所定車速V3bの間にあり、しかも前
後車高差HDが所定前後車高差値HDa以上であった場
合に、アンチダイブ制御処理の開始条件が成立したと判
定し、目標減衰値S3 を3段にセットして、ブレーキ操
作による姿勢変化の前下がりを減少させている。
【0035】次に、上記ステップS60のアンチスクォ
ート制御処理について図6のフローチャートを用いて説
明する。アンチスクォート制御処理は、急発進時の荷重
移動や駆動力のために車体が後傾するのを減少させる制
御である。
【0036】図6のステップS61にて、前回と今回の
処理で求められたスロットル開度θと前回と今回の時間
差に基づいて、スロットル開速度θsが演算される。続
くステップS62にて車速Vが所定車速V4a以下であ
り、ステップS63にてスロットル開速度θsが所定ス
ロットル開速度θsa 以上であるか否かの判定がそれぞ
れ実行され、つまり、発進時に所定以上のアクセルの踏
み込みがあったか否かの判定が実行される。このステッ
プS62及びステップS63の判定処理にて、ともに肯
定判定されたときには、ステップS64にて目標減衰値
S6 が6段にセットされ、ステップS65にてタイマT
4 がクリアされる。
【0037】一方、ステップS62またはステップS6
3のいずれかの処理で否定判定、つまり、車速Vが所定
車速V4a以上またはスロットル開速度θsが所定スロッ
トル開速度θsa 以下である場合には、ステップS66
へ進み、目標減衰値S4 が1段であるか否か、つまり、
ソフトに設定されているか否かの判定が実行され、肯定
判定された場合には、本処理を終了し、一方、目標減衰
値S4 が1段でない場合には、タイマT4 をインクリメ
ントする(ステップS67)。続くステップS68に
て、タイマT4 が所定保持時間T4aを経過したと判定し
たときに、目標減衰値S4 が1段にセットされ(ステッ
プS68)、本処理を終了する。
【0038】すなわち、発進時に、所定以上のアクセル
の踏み込み動作を行なったときに、アンチスクォート制
御の開始条件が成立したと判定し、目標減衰値S3 を6
段にセットして、急発進時における車体の後傾を防止し
ている。
【0039】次に、ステップS70のアンチスクォート
制御処理について説明する。この制御は、シフトレバー
のNレンジからDレンジへのシフト時に発生するショッ
クを減少させる制御である。すなわち、シフトポジショ
ンセンサ36からの検出信号に基づいて、シフトレバー
のNレンジからDレンジへのシフトがあったと判定した
ときに、目標減衰値S5 をハード側へ設定することによ
り、シフト時のショックを防止している。
【0040】また、ステップS80の車速感応制御処理
は、車速Vが高くなるにしたがってソフト側への移行を
ガードし、操縦安定性を向上させる制御である。すなわ
ち、車速センサ37の検出信号に基づいて、図8に示す
マップにしたがって減衰値の下限値である目標減衰値S
6 を設定することにより、高速走行時における操縦安定
性を高めている。
【0041】このようにステップS30〜ステップS8
0にて求めた目標減衰値S1 〜S6のうち、最もハード
側の値が目標制御値SCにセットされ(ステップS11
0)、この目標制御値SCにて制御が実行される(ステ
ップS110)。
【0042】一方、図3のステップS12にて、車速セ
ンサ37が異常であると判定されると、ステップS12
2へ進み、シフトポジションセンサ36が異常であるか
否かの判定が実行され、異常でないと判定された場合に
は、ステップS124へ進み、シフト位置SPが読み込
まれる。続くステップS130にて、上述したステップ
S70と同じアンチシフトスクォート制御処理が実行さ
れ、目標減衰値S5 が算出される。
【0043】続くステップS132にて減衰力下限値S
7 が設定される。この減衰力下限値S7 は、車速センサ
37が故障した場合にも、操縦安定性を確保できるよう
に設定された値である。次のステップS134では、目
標制御値SCとして、目標減衰値S5 と減衰力下限値S
7 のうちハード側の値が算出される。一方、ステップS
122にてシフトポジションセンサ36が異常であると
判定された場合には、アンチシフトスクォート制御が実
行されないで、減衰力下限値S7 が設定される(ステッ
プS132)。
【0044】したがって、車速センサ37が異常であっ
ても、シフトポジションセンサ36が正常であれば、ア
ンチシフトスクォート制御処理が実行され、つまり、操
縦安定性を維持した上で、車速と無関係のセンサの検出
信号を活かしたサスペンション特性の制御が実行され
る。
【0045】一方、ステップS12にて車速センサ37
が正常であり、ステップS14にて車速センサ37以外
のセンサのいずれかが異常であると判定されると、ステ
ップS152にて異常でないセンサの検出信号が読み込
まれる。続くステップS154にて、減衰力下限値S8
が設定される。この減衰力下限値S8 は、車速センサ3
7以外のセンサが異常となった場合にも操縦安定性を確
保できる値であり、上記ステップS132の減衰力下限
値S7 よりソフト側の値である。これは、減衰力下限値
S8 は、車速センサ37以外の異常であり、サスペンシ
ョン特性の制御に際して車速センサ37より影響が少な
いからである。
【0046】続くステップS160にて、異常でないセ
ンサで実行可能な制御の目標減衰値S1 〜S6 が算出さ
れる。すなわち、本処理は、上述したステップS30〜
ステップS80の各処理と同様であるが、各々の処理で
用いているセンサの検出信号が異常であると判定された
場合には、当該処理をスキップする。例えば、図5で説
明したアンチダイブ制御処理では、ブレーキスイッチ3
3または車高センサ31a〜31dのいずれかが異常で
あると判定された場合には、本処理を実行しない。続く
ステップS170にて、ステップS154でセットした
減衰力下限値S8 とステップS160で求めた目標減衰
値S1 〜S6 のうち最もハード側の値を目標制御値SC
にセットし、ステップS110へ移行する。
【0047】したがって、ステップS12、ステップS
14、ステップS152〜ステップS170の処理によ
り、車速センサ37以外のセンサが異常となった場合に
も、サスペンション特性の減衰力がハード側へ一律に移
行しないで、異常でないセンサの検出信号を用いて、減
衰力下限値S8 で下限のガードがかけられた値以上の範
囲にてサスペンション制御が実行され、乗り心地を必要
以上に低下させない。しかも、車速センサ37以外の異
常の場合に減衰力下限値S8 でガードがかけられて、そ
の値よりソフト側に設定されないから、操縦安定性を確
保することができる。
【0048】なお、上記実施例においては、各センサが
異常となった場合に、その異常によって影響される車両
の走行状態制御の数に着目して、減衰力下限値を設定
(車速センサ37の異常時の下限値S7 >他のセンサの
異常時の下限値S8 )したが、制御の数のみでなく、そ
の制御が実行される頻度や時間を基にして、異常となっ
た際に、車両の走行状態制御にどれほどの影響を与える
かを考慮して、減衰力の下限値を設定してもよい。すな
わち、センサが異常となった際に、一律にその後の走行
状態制御を規制するのではなく、個々のセンサの重要度
あるいは影響度を考慮して、その後の制御の規制を実行
するものであれば、その制御の手段は、特に限定されな
い。
【0049】なお、上記実施例では、車速センサ37以
外のセンサが異常であると判定された場合には(ステッ
プS14)、ステップS154にて、減衰力下限値S8
として一定の値を設定しているが、これに限らず、各制
御に対応した値を設定してもよい。
【0050】すなわち、図9に示すように、アンチダイ
ブ制御処理に用いるブレーキスイッチ33及び車高セン
サ31a〜31dが正常の場合には(ステップS20
2,204)、車速V、ブレーキ信号BR及び車高Hを
読み込み(ステップS206)、アンチダイブ制御(ス
テップS210)を実行し、ブレーキスイッチ33また
は車高センサ31a〜31dが異常である場合には、目
標減衰値S3 に、3段をセットする(ステップS21
2)。同様に、アンチスクォート制御処理に用いるスロ
ットル開度センサ35が異常となった場合には、目標減
衰値S4 に6段をセットする。このように、各制御で設
定される目標減衰値S1 〜S6 のうち、最もハード側に
設定される値をセンサの異常の場合に設定する。これに
より、より一層、各センサ異常に対応してサスペンショ
ン特性のソフト側での状態を維持して乗り心地を向上さ
せることができる。
【0051】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0052】すなわち、サスペンション特性の減衰力を
設定するためのセンサとしては、上記実施例に限定され
ず、例えば、ヨーレートセンサ等の各種センサを加えた
制御であってもよい。
【0053】また、上記実施例においては、サスペンシ
ョン特性の変更として、ショックアブソーバの減衰力を
変更するものとして記載したが、ショックアブソーバの
減衰力に限られるものではなく、エアーばね、流体ばね
のばね定数等の変更により実施することも可能である。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るサス
ペンション制御装置によれば、走行状態検出手段の異常
状態に基づいて、サスペンション特性のソフト側への下
限値を変更する減衰力下限値設定手段を設け、請求項1
では該下限値を、少なくとも1つの走行状態検出手段の
異常状態と他の走行状態検出手段の異常状態とで異なる
値に設定し、請求項2では下限値を、異常状態でない場
合における最低下限値以上の値に設定することにより、
サスペンション特性のソフト側への制御範囲をできるだ
け維持し、乗り心地を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るサスペンション制御装
置10の全体概略図。
【図2】サスペンション制御処理に用いるセンサの検出
信号と目標減衰値S1 〜S6 等の関係を示すブロック
図。
【図3】サスペンション制御処理を示すフローチャー
ト。
【図4】アンチロール制御処理を示すフローチャート。
【図5】アンチダイブ制御処理を示すフローチャート。
【図6】アンチスクォート制御を示すフローチャート。
【図7】アンチロール制御処理に使用するマップを説明
する説明図。
【図8】車速感応制御処理に使用するマップを説明する
説明図。
【図9】他の実施例に係るアンチダイブ制御処理におい
て異常時における目標減衰値S3 を設定するフローチャ
ート。
【符号の説明】
10…サスペンション制御装置 16…電動モータ 17…コンプレッサ 18…チェック弁 19…エアードライヤ 21…チェック弁 22…オリフィス 24…第2電磁切換弁 32…上下Gセンサ 33…ブレーキスイッチ 34…舵角センサ 35…スロットル開度センサ 36…シフトポジションセンサ 37…車速センサ 40…マイクロコンピュータ 11a〜11d…ショックアブソーバ 12a〜12d…主エアーチャンバ 13a〜13d…副エアーチャンバ 14a〜14d…アクチュエータ 15a〜15d…アクチュエータ 23a〜23d…第1電磁切換弁 31a〜31d…車高センサ S1 〜S6 …目標減衰値 S7 ,S8 …減衰力下限値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 稔 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 佐藤 国仁 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−106677(JP,A) 特開 平5−85136(JP,A) 特開 平2−169317(JP,A) 特開 平6−211026(JP,A) 特開 平5−254326(JP,A) 特開 平5−92714(JP,A) 特開 平2−189211(JP,A) 特開 平2−175407(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60G 17/015

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行状態を検出する複数の走行状
    態検出手段と、 車両のサスペンション特性をハード側とソフト側との間
    で変更するサスペンション特性変更手段と、 上記複数の走行状態検出手段から受ける該走行状態検出
    信号に応じて、上記サスペンション特性変更手段のサス
    ペンション特性を変更する指令を実行するサスペンショ
    ン特性制御手段と、 上記複数の走行状態検出手段からの走行状態検出信号を
    それぞれ受け、それらの異常状態を判定する異常状態判
    定手段と、 該異常状態判定手段により判定された異常状態に基づい
    て、サスペンション特性のソフト側への下限値を変更す
    るとともに、該下限値を、少なくとも1つの走行状態検
    出手段の異常状態である判定結果と他の走行状態検出手
    段の異常状態である判定結果とで異なる値に設定して、
    上記サスペンション特性制御手段に指令する減衰力下限
    値設定手段と、 を備えたことを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】 車両の走行状態を検出する複数の走行状
    態検出手段と、 車両のサスペンション特性をハード側とソフト側との間
    で変更するサスペンション特性変更手段と、 上記複数の走行状態検出手段から受ける該走行状態検出
    信号に応じて、上記サスペンション特性変更手段のサス
    ペンション特性を変更する指令を実行するサスペンショ
    ン特性制御手段と、 上記複数の走行状態検出手段からの走行状態検出信号を
    それぞれ受け、それらの異常状態を判定する異常状態判
    定手段と、 該異常状態判定手段により判定された異常状態に基づい
    て、サスペンション特性のソフト側への下限値を、異常
    状態でない場合における最低下限値以上の値に設定し
    て、上記サスペンション特性制御手段に指令する減衰力
    下限値設定手段と、 を備えたことを特徴とするサスペンション制御装置。
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