JP2006264628A - 車輌の制駆動力制御装置 - Google Patents

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Yoshinori Maeda
義紀 前田
Mitsutaka Tsuchida
充孝 土田
Kazuya Okumura
和也 奥村
Yoshio Uragami
芳男 浦上
Kansuke Yoshisue
監介 吉末
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Abstract

【課題】車輌の制駆動力に対する車輌のピッチング応答の遅れに着目し、ピッチング応答の遅れに起因する車輌のピッチングを抑制することにより、加減速時に於ける車輌のピッチングを効果的に低減する。
【解決手段】運転者の制駆動操作量に基づいて車輌の運転者要求目標制駆動力Fが演算され(S20)、運転者要求目標制駆動力F、サスペンションのばね定数、サスペンションの減衰係数に基づいて車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)が演算され(S40)、補正後の目標制駆動力Ft(t)に基づいて車輌全体の車輪の目標駆動トルクTmが演算され(S50)、目標駆動トルクTmに基づいて各車輪の目標制駆動トルクTwxtiが演算され(S80)、目標制駆動トルクTwxti基づいて各車輪の制駆動トルクが制御される(S90〜150)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車輌の制駆動力制御装置に係り、更に詳細には車輌のピッチングを低減する車輌の制駆動力制御装置に係る。
自動車等の制駆動力制御装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、制動時に於ける車輌のピッチングの発生を予測し、ピッチングの発生の虞れがあるときにはアンチスキッド制御のゲインを増大させることにより車輌のピッチングを抑制するよう構成された制駆動力制御装置が従来より知られている。かかる制駆動力制御装置によれば、制動時に於ける車輌のピッチングを低減することができる。
特開平8−58555号公報
しかし上述の如き従来の制駆動力制御装置に於いては、制動時に於ける車輌のピッチングについてしか検討されていないため、制動時に於ける車輌のピッチングを低減することはできるが、加速時に於ける車輌のピッチングを低減することができないという問題がある。
本発明は、制動時に於ける車輌のピッチングの発生を予測し、制動時に於ける車輌のピッチングを低減するよう構成された従来の制駆動力制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、車輌の制駆動力に対する車輌のピッチング応答の遅れに着目し、ピッチング応答の遅れに起因する車輌のピッチングを抑制することにより、加減速時に於ける車輌のピッチングを効果的に低減することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち制駆動力発生手段と、運転者の制駆動操作量を検出する手段と、運転者の制駆動操作量に基づき前記制駆動力発生手段の制駆動量を制御する制御手段とを有する車輌の制駆動力制御装置に於いて、前記制御手段は運転者の制駆動操作量に基づき車輌の運転者要求目標制駆動力を演算する手段と、車輌のピッチング方向の運動方程式に基づき設定され前記車輌の運転者要求目標制駆動力より車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力への伝達関数を記憶する手段とを有し、前記車輌の運転者要求目標制駆動力及び前記伝達関数に基づき車輌の補正後の目標制駆動力を演算し、前記補正後の目標制駆動力に基づき前記制駆動力発生手段の最終目標制駆動力を演算し、前記制駆動力発生手段の制駆動量が前記最終目標制駆動量になるよう前記制駆動力発生手段を制御することを特徴とする車輌の制駆動力制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記伝達関数はサスペンションのばね定数及びサスペンションの減衰係数に基づく位相進み補償を達成するよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記制御手段は前記制駆動力発生手段と車輪との間の制駆動力伝達系の捩れ振動を考慮して前記制駆動力発生手段の最終目標制駆動量を演算するよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至3の構成に於いて、前記伝達関数は車輌のピッチング方向の運動方程式に基づき設定され車輌の制駆動力を入力とし車輌のピッチ角を出力とする車輌モデルと、前記車輌の運転者要求目標制駆動力に基づく車輌の目標ピッチ角とに基づいて設定されているよう構成される(請求項4の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至4の構成に於いて、前記運転者の制駆動操作量を検出する手段は運転者の駆動操作量を検出し、前記制駆動力発生手段は駆動力発生手段を含み、前記制御手段は少なくとも前記駆動力発生手段の駆動量を制御するよう構成される(請求項5の構成)。
上記請求項1の構成によれば、制御手段は運転者の制駆動操作量に基づき車輌の運転者要求目標制駆動力を演算する手段と、車輌のピッチング方向の運動方程式に基づき設定され車輌の運転者要求目標制駆動力より車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力への伝達関数を記憶する手段とを有し、車輌の運転者要求目標制駆動力及び伝達関数に基づき車輌の補正後の目標制駆動力が演算され、補正後の目標制駆動力に基づき制駆動力発生手段の最終目標制駆動量が演算され、制駆動力発生手段の制駆動量が最終目標制駆動量になるよう制駆動力発生手段が制御されるので、運転者の制駆動操作量に応じて車輌の制駆動力を制御することができると共に、車輌の制駆動力に起因する車輌のピッチングを効果的に防止することができる。
また上記請求項2の構成によれば、伝達関数はサスペンションのばね定数及びサスペンションの減衰係数に基づく位相進み補償を達成するので、サスペンションのばね定数及びサスペンションの減衰係数に起因して車輌の制駆動力に対する車輌のピッチ角の応答遅れを効果的に補償し、車輌の制駆動力に起因する車輌のピッチングを効果的に防止することができる。
また上記請求項3の構成によれば、制駆動力発生手段と車輪との間の制駆動力伝達系の捩れ振動を考慮して制駆動力発生手段の最終目標制駆動量が演算されるので、制駆動力発生手段が車輪より離れた位置に設けられ、制駆動力発生手段と車輪との間の制駆動力伝達系の捩れ振動に起因する位相ずれが比較的大きい場合にも、車輌の制駆動力に起因する車輌のピッチングを効果的に防止することができる。
また上記請求項4の構成によれば、伝達関数は車輌のピッチング方向の運動方程式に基づき設定され車輌の制駆動力を入力とし車輌のピッチ角を出力とする車輌モデルと、車輌の運転者要求目標制駆動力に基づく車輌の目標ピッチ角とに基づいて設定されているので、車輌の運転者要求目標制駆動力に基づいて車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力を確実に演算することができる。
また上記請求項5の構成によれば、運転者の制駆動操作量を検出する手段は運転者の駆動操作量を検出し、制駆動力発生手段は駆動力発生手段を含み、制御手段は駆動力発生手段の駆動量を制御するので、車輌の駆動力に起因する車輌のピッチングを効果的に防止することができる。
〔課題解決手段の好ましい態様〕
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至5の構成に於いて、制駆動力発生手段は各車輪に相互に独立に駆動力を付与する駆動力付与手段と各車輪に相互に独立に制動力を付与する制動力付与手段とを有するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、駆動力付与手段は車輌のばね下に搭載され、車輪に直接駆動力を付与し、制動力付与手段は車輪に直接制動力を付与するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1の構成に於いて、駆動力付与手段は車輌のばね上に搭載され、駆動力伝達系を介して車輪に駆動力を付与し、制動力付与手段は車輪に直接制動力を付与するよう構成される(好ましい態様3)。
図5に示されている如く、前輪及び後輪よりなる車輌の二輪モデルに於いて、前輪100f及び後輪100rの接地荷重をそれぞれWf、Wrとし、車輌の重心Oの高さをHとし、車輌の重心Oと前輪100f及び後輪100rの接地点Pf、Prとの間の車輌前後方向の距離をそれぞれLf、Lrとし、車輌の重心Oと接地点Pf、Prとを結ぶ線分が路面102となす角度をそれぞれθf、θrとし、車輌のピッチ方向の慣性モーメントをIとし、車輌のピッチ角θ(前下がり方向が正)の二階微分値をθ″とすると、車輌の重心Oの周りのモーメントの釣り合いに基づくピッチ方向の運動方程式は下記の式1により表わされ、よって下記の式2が成立する。
Wf・cosθf・Lf/cosθf−Wr・cosθr・Lr/cosθr=I・θ″ …(1)
Wf・Lf−Wr・Lr=I・θ″ …(2)
接地荷重Wf、Wrは前輪100f及び後輪100rの静的接地荷重Wfo、Wroと、車輌の制駆動力F(駆動方向が正)、図5に示されていないサスペンションのばね力、図5に示されていないサスペンションの減衰力による荷重変動分との和である。従って距離Lf及びLrの和、即ち車輌のホイールベースをLとし、前輪及び後輪のサスペンションのばね定数をそれぞれKf、Krとし、前輪及び後輪のサスペンションの減衰係数をそれぞれCf、Crとすると、接地荷重Wf、Wrはそれぞれ下記の式3及び4により表わされる。尚下記の式3及び4に於ける(Lf・tanθ)′、(Lr・tanθ)′はそれぞれLf・tanθ、Lr・tanθの微分値である。
Wf=Wfo−F・H/L+Kf・Lf・tanθ+Cf(Lf・tanθ)′ …(3)
Wr=Wro+F・H/L+Kr・Lr・tanθ+Cr(Lr・tanθ)′ …(4)
上記式3及び4を上記式2に代入すると、下記の式5が成立する。
Lf{Wfo−F・H/L+Kf・Lf・tanθ+Cf(Lf・tanθ)′}
−Lr{Wro+F・H/L+Kr・Lr・tanθ+Cr(Lr・tanθ)′}
=I・θ″ …(5)
一般に、Lf・Wfo−Lr・Wro=0であり、tanθ≒θが成立するので、θ′をθの微分値として、上記式5を下記の式6に変形することができる。
Lf{−F・H/L+Kf・Lf・θ+Cf・Lf・θ′}
−Lr{F・H/L+Kr・Lr・θ+Cr・Lr・θ′}=I・θ″ …(6)
上記式6を整理すると、下記の式7となる。
F・H(Lf+Lr)/L
=I・θ″+(Cr・Lr2−Cf・Lf2)+(Kr・Lr2−Kf・Lf2) …(7)
ここでラプラス演算子をSとして上記式7をラプラス変換すると、下記の式8となり、従って下記の式9が得られる。
−HF(S)=IS2θ(S)+(Cr・Lr2−Cf・Lf2)Sθ(S)
+(Kr・Lr2−Kf・Lf2)θ(S) …(8)
Figure 2006264628
ここで車輌のピッチゲインGθ、減衰比ξ、固有振動数ωnをそれぞれ下記の式10〜12の通り置き換えると、車輌の制駆動力F(S)より車輌のピッチ角θ(S)への伝達関数として下記の式13が得られる。
Figure 2006264628
上記式13は車輌のピッチ角θ(S)が車輌の制駆動力F(S)に対し二次の遅れ系であることを示しており、従って車輌の制駆動力の制御により車輌のピッチ振動を排除するためには、サスペンションのばね定数及び減衰係数に起因する二次の遅れを相殺すればよい。よって運転者の制駆動操作量より求まる車輌の運転者要求制駆動力をF(S)とし、車輌のピッチ角の変動(ピッチ振動)を排除するための車輌の目標制駆動力をFt(S)とすると、下記の式14を満たす車輌の目標制駆動力Ft(S)を求めれば、これがサスペンションのばね定数及び減衰係数に基づく位相進みの補償を達成する車輌の目標制駆動力、即ち車輌のピッチ振動を生じさせないための車輌の補正後の目標制駆動力となる。
Figure 2006264628
上記式14を車輌の補正後の目標制駆動力Ft(S)について解くと、下記の式15が得られる。
Figure 2006264628
上記式15を時間応答にて表記すると、下記の式16の通りになる。
Figure 2006264628
従って本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、伝達関数は上記式15又は16にて表わされる関数であるよう構成される(好ましい態様4)。
また上記式15の車輌の補正後の目標制駆動力Ft(S)は各車輪の接地点に於ける目標制駆動力の総和であり、制駆動力が制駆動力発生手段より制駆動力伝達系を経て車輪へ伝達される場合には、制駆動力伝達系の捩れが考慮されなければならない。
制駆動力伝達系の慣性モーメント、減衰係数、ばね定数をそれぞれId、Cd、Kdとし、制駆動力発生手段が発生する制駆動トルクをTmとし、車輪の有効径をRとし、車輪の回転角をθtとすると、制駆動力伝達系の運動方程式として下記の式17が成立し、よって下記の式18が成立する。
Figure 2006264628
上記式18及び17を制駆動力発生手段が発生する制駆動トルクTmについて解くと、それぞれ下記の式19及び20が得られる。
Figure 2006264628
従って本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、伝達関数は上記式15又は16にて表わされる関数であり、車輌の補正後の目標制駆動力は車輌の運転者要求目標制駆動力が駆動力であるときには上記式15及び19又は上記式16及び20に従って演算され、車輌の運転者要求目標制駆動力が制動力であるときには上記式15又は16に従って演算されるよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様1乃至5の構成に於いて、駆動力付与手段は電動機を含むよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、位相進み補償はサスペンションのばね定数及びサスペンションの減衰係数に起因する車輌の制駆動力に対する車輌のピッチ角の応答遅れを補償する位相進み補償であるよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項3の構成に於いて、制御手段は車輌の補正後の目標制駆動力及び制駆動力伝達系の捩れの運動方程式に基づいて制駆動力発生手段の最終目標制駆動力を演算するよう構成される(好ましい態様8)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項4の構成に於いて、車輌の補正後の目標制駆動力は車輌のピッチ角を車輌の運転者要求目標制駆動力に基づく車輌の目標ピッチ角にするための車輌の制駆動力であるよう構成される(好ましい態様9)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
図1はインホイールモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による車輌の制駆動力制御装置の実施例1を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ操舵輪である左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ非操舵輪である左右の後輪を示している。左右の前輪10FL及び10FRにはそれぞれインホイールモータである電動発電機12FL及び12FRが組み込まれており、左右の前輪10FL及び10FRは電動発電機12FL及び12FRにより直接駆動される。電動発電機12FL及び12FRは制動時にはそれぞれ左右前輪の回生発電機としても機能し、左右の前輪10FL及び10FRに直接回生制動力を付与する。
同様に、左右の後輪10RL及び10RRにはそれぞれインホイールモータである電動発電機12RL及び12RRが組み込まれており、左右の前輪10RL及び10RRは電動発電機12RL及び12RRにより直接駆動される。電動発電機12RL及び12RRは制動時にはそれぞれ左右後輪の発電機としても機能し、左右の後輪10RL及び10RRに直接回生制動力を付与する。
電動発電機12FL〜12RRの駆動力はアクセル開度センサ14により検出されるアクセルペダル15の踏み込み量としてのアクセル開度φに基づき駆動力制御用電子制御装置16により制御される。電動発電機12FL〜12RRの回生制動力も駆動力制御用電子制御装置16により制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、駆動力制御用電子制御装置16はマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えばCPUと、ROMと、RAMと、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。また通常走行時には図1には示されていないバッテリに充電された電力が駆動回路を経て各電動発電機12FL〜12RRへ供給され、車輌の減速制動時には各電動発電機12FL〜12RRによる回生制動により発電された電力が駆動回路を経てバッテリに充電される。
左右の前輪10FL、10FR及び左右の後輪10RL、10RRの摩擦制動力は摩擦制動装置18の油圧回路20により対応するホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRの制動圧が制御されることによって制御される。図には示されていないが、油圧回路20はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧力は通常時には運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量及びブレーキペダル24の踏み込みに応じて駆動されるマスタシリンダ26の圧力に応じて制御され、また必要に応じてオイルポンプや種々の弁装置が制動力制御用電子制御装置28によって制御されることにより、運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量に関係なく制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、制動力制御用電子制御装置28もマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えばCPUと、ROMと、RAMと、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
駆動力制御用電子制御装置16にはアクセル開度センサ14よりアクセル開度φを示す信号が入力され、制動力制御用電子制御装置28には圧力センサ30よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号が入力されると共に、圧力センサ32FL〜32RRより対応する車輪の制動圧(ホイールシリンダ圧力)Pbi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。駆動力制御用電子制御装置16及び制動力制御用電子制御装置28は必要に応じて相互に信号の授受を行う。
駆動力制御用電子制御装置16は、運転者の加減速操作量であるアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車輌の運転者要求目標制駆動力Fを演算する。そして駆動力制御用電子制御装置16は、車輌の運転者要求目標制駆動力Fを上記式16の目標制駆動力F(t)として、上記式16に従って車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)を演算し、車輪の有効径Rと補正後の目標制駆動力Ft(t)との積として車輌全体の目標制駆動トルクTmを演算する。
また駆動力制御用電子制御装置16は各車輪の制駆動トルクTwxiの後輪配分比をKr(0<Kr<1の定数)として、下記の式21〜24を満たす値、即ち下記の式21及び22に従って各車輪の目標制駆動トルクTwxti(i=fl、fr、rl、rr)を演算する。
Twxfl=Twxfr=(1−Kr)Tm/2 …(21)
Twxrl=Twxrr=KrTm/2 …(22)
更に駆動力制御用電子制御装置16は、各車輪の目標制駆動トルクTwxtiが正の値であり駆動トルクであるときには、各車輪の目標摩擦制動トルクTwbti及び目標回生制動トルクTwrti(i=fl、fr、rl、rr)を0に設定し、目標摩擦制動トルクTwbtiを示す信号を制動力制御用電子制御装置28へ出力すると共に、各車輪の目標駆動トルクTwdti(i=fl、fr、rl、rr)を目標制駆動トルクTwxtiに設定し、目標駆動トルクTwdtiに基づき図には示されていないマップ又は関数により電動発電機12FL〜12RRに対する目標駆動電流Iti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、目標駆動電流Itiに基づき各電動発電機12FL〜12RRに通電される駆動電流を制御することにより各車輪の制駆動トルクTwxiが目標制駆動トルクTwxtiになるよう各車輪の駆動力を制御する。
これに対し各車輪の目標制駆動トルクTwxtiが負の値であり制動トルクである場合に於いて、目標制駆動トルクTwxtiの大きさが各車輪の最大回生制動トルクTwrmaxの大きさ以下であるときには、駆動力制御用電子制御装置16は、各車輪の目標駆動トルクTwdti及び目標摩擦制動トルクTwbtiを0に設定し、目標回生制動トルクTwrtiを目標制駆動トルクTwxtiに設定し、回生制動力が目標回生制動トルクTwrtiになるよう各電動発電機12FL〜12RRを制御する。
また各車輪の目標制駆動トルクTwxtiが負の値であり制動トルクである場合に於いて、目標制駆動トルクTwxtiの大きさが各車輪の最大回生制動トルクTwrmaxの大きさよりも大きいときには、駆動力制御用電子制御装置16は、各車輪の目標駆動トルクTwdtiを0に設定し、各車輪の目標回生制動トルクTwrtiを最大回生制動トルクTwxrimax(i=fl、fr、rl、rr)に設定し、回生制動力が最大回生制動トルクTwxrimaxになるよう各電動発電機12FL〜12RRを制御して回生制動力を制御すると共に、目標制駆動トルクTwxtiと最大回生制動トルクTwxrimaxとの差に相当する制動トルクを各車輪の目標摩擦制動トルクTwbti(i=fl、fr、rl、rr)として演算し、各車輪の目標摩擦制動トルクTwbtiを示す信号を制動力制御用電子制御装置28へ出力する。
制動力制御用電子制御装置28は、駆動力制御用電子制御装置16より入力される各車輪の目標摩擦制動トルクTwbtiに基づき各車輪の目標制動圧Pbti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各車輪の制動圧Pbiが目標制動圧Pbtiになるよう油圧回路20を制御することにより、各車輪の摩擦制動トルクTwbi(i=fl、fr、rl、rr)が各車輪の目標摩擦制動トルクTwbtiになるよう制御する。
次に図2に示されたフローチャートを参照して図示の実施例1に於いて駆動力制御用電子制御装置16により達成される制駆動力制御について説明する。尚図3に示されたフローチャートによる制御は駆動力制御用電子制御装置16が起動されることにより開始され、図には示されていないイグニッションスイッチがオフに切り換えられるまで所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いてはアクセル開度センサ14により検出されたアクセル開度φを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いてはアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき車輌の運転者要求目標制駆動力Fが演算され、しかる後ステップ40へ進む。
ステップ40に於いては車輌の運転者要求目標制駆動力Fを上記式16の目標制駆動力F(t)として、上記式16に従って車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)が演算され、ステップ50に於いては車輌全体の車輪の目標駆動トルクTmが車輪の有効径Rと補正後の車輌の目標制駆動力Ft(t)との積として演算され、ステップ80に於いては上記式25及び26を満たす値として各車輪の目標制駆動トルクTwxtiが演算される。
ステップ90〜130は例えば左前輪(i=fl)、右前輪(i=fr)、左後輪(i=rl)、右後輪(i=rr)の順に各車輪について実行され、ステップ90に於いては当該車輪の目標制駆動トルクTwxtiが正の値、即ち駆動トルクであるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ100へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ100に於いて当該車輪の目標駆動トルクTwdtiが目標制駆動トルクTwxtiに設定されると共に、当該車輪の目標摩擦制動トルクTwbti及び目標回生制動トルクTwrtiが0に設定される。
ステップ110に於いては当該車輪の目標制駆動トルクTwxti(負の値であり、制動トルクである)が最大回生制動トルクTwrmaxよりも小さいか否かの判別、即ち目標制駆動トルクTwxtiの大きさが各車輪の最大回生制動トルクTwrmaxの大きさよりも大きいか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ120へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ130へ進む。
ステップ120に於いては当該車輪の目標駆動トルクTwdti及び目標摩擦制動トルクTwbtiが0に設定されると共に、当該車輪の目標回生制動トルクTwrtiが目標制駆動トルクTwxtiに設定され、ステップ130に於いては当該車輪の目標駆動トルクTwdtiが0に設定され、目標摩擦制動トルクTwbtiがFwxti−Fwrmaxに設定され、目標回生制動トルクTwrtiがFwrmaxに設定される。
ステップ140に於いては目標摩擦制動トルクTwbtiを示す信号が制動力制御用電子制御装置28へ出力され、これにより制動力制御用電子制御装置28により各車輪の摩擦制動トルクTwbtiが目標摩擦制動トルクTwbtiになるよう制御される。
ステップ150に於いては各車輪の駆動トルクTwdi又は回生制動トルクTwriがそれぞれ目標駆動トルクTwdti又は目標回生制動トルクTwrtiになるよう、各電動発電機12FL〜12RRが制御される。
かくして図示の実施例1によれば、ステップ20に於いて運転者の制駆動操作量に基づいて車輌の運転者要求目標制駆動力Fが演算され、ステップ40に於いて車輌の運転者要求目標制駆動力Fに基づいて車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)が演算され、ステップ50に於いて補正後の目標制駆動力Ft(t)に基づいて車輌全体の車輪の目標駆動トルクTmが演算され、ステップ80に於いて目標駆動トルクTmに基づいて各車輪の目標制駆動トルクTwxtiが演算される。
そして目標制駆動トルクTwxtiが正の値であり駆動トルクであるときには、ステップ90に於いて肯定判別が行われ、ステップ100に於いて車輪の目標駆動トルクTwdtiが目標制駆動トルクTwxtiに設定されると共に、車輪の目標摩擦制動トルクTwbti及び目標回生制動トルクTwrtiが0に設定される。
また目標制駆動トルクTwxtiが負の値であり制動トルクであるときには、ステップ90に於いて否定判別が行われ、ステップ110〜130に於いて回生制動トルクができるだけ高くなるよう、車輪の目標摩擦制動トルクTwbti及び目標回生制動トルクTwrtiが演算され、ステップ140及び150に於いて各車輪の摩擦制動トルクTwbtiが目標摩擦制動トルクTwbtiになるよう制御されると共に、各車輪の駆動トルクTwdi又は回生制動トルクTwriがそれぞれ目標駆動トルクTwdti又は目標回生制動トルクTwrtiになるよう制御される。
従って図示の実施例1によれば、車輌の運転者要求目標制駆動力Fに基づいて車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)が演算され、補正後の目標制駆動力Ft(t)に基づいて各車輪の制駆動力が制御されるので、運転者の制駆動操作量に応じて車輌の制駆動力を制御することができるだけでなく、サスペンションのばね定数及び減衰係数に起因して車輌の制駆動力に対し車輌のピッチ挙動が遅れることにより生じる車輌のピッチングを確実に防止することができる。
尚図示の実施例1に於いては、駆動力発生源である電動発電機12FL〜12RRは回生制動力も発生可能なインホイールモータであるが、各駆動力発生源は対応する車輪に直接駆動力を付与し得る限り、電動機以外の駆動力発生源であってもよい。
また図示の実施例1に於いては、ステップ40に於いて上記式16に従って車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ftが演算されるようになっているが、補正後の目標制駆動力Ftは上記式15に従って演算されてもよい。
図3は車体に搭載された各電動発電機が制駆動力伝達系を介して各車輪に駆動力及び回生制動力を付与するよう構成された四輪駆動車に適用された本発明による車輌の制駆動力制御装置の実施例2を示す概略構成図である。尚図3に於いて図1に示された部材と同一の部材には図1に於いて付された符号と同一の符号が付されている。
この実施例2に於いては、電動発電機12FL〜12RRは車体に搭載され、電動発電機12FL〜12RRの出力軸は両端に図には示されていないユニバーサルジョイントを有する駆動軸34FL〜34RRを介してそれぞれ車輪10FL〜10RRの回転軸に連結され、これにより電動発電機12FL〜12RRの駆動力及び回生制動力は制駆動力伝達系としての駆動軸34FL〜34RRを介してそれぞれ車輪10FL〜10RRへ伝達される。
またこの実施例2に於いては、各車輪に設けられた車輪速度センサ36FL〜36RRにより車輪10FL〜10RRの車輪速度Vwi(i=fl、fr、rl、rr)が検出され、車輪速度Vwiを示す信号も駆動力制御用電子制御装置16へ入力される。駆動力制御用電子制御装置16は、車輪速度Vwiに基づき各車輪の平均車輪速度Vwaを演算し、平均車輪速度Vwaを車輪速度(Sθt(S)、dθt/dt)とし、平均車輪速度Vwaに基づき車輪の回転加速度(S2θt(S)、d2θt/dt2)及び回転角度(θt(S)、θt)を演算する。
更にこの実施例2に於いては、駆動力制御用電子制御装置16は、運転者の加減速操作量であるアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき車輌の運転者要求目標制駆動力Fを演算し、運転者要求目標制駆動力Fが負の値であり且つ回生制動力や電動発電機の慣性制動力の如き負の駆動力が作用していないときには、上述の実施例1の場合と同様の要領にて車輌全体の目標制駆動トルクTmを演算し、目標制駆動トルクTmに基づいて上述の実施例1の場合と同様の要領にて各車輪の目標制駆動トルクTwxtiを演算する。
これに対し駆動力制御用電子制御装置16は、運転者要求目標制駆動力Fが正の値であるとき、又は運転者要求目標制駆動力Fが負の値であり且つ回生制動力や電動発電機の慣性制動力の如き負の駆動力が作用しているときには、車輌の運転者要求目標制駆動力Fを上記式16の目標制駆動力F(t)として、上記式16に従って車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)を演算し、補正後の目標制駆動力Ft(t)に基づき上記式20に従って車輌全体の目標制駆動トルクTmを演算し、目標制駆動トルクTmに基づいて上述の実施例1の場合と同様の要領にて各車輪の目標制駆動トルクTwxtiを演算する。
尚この実施例2に於ける目標制駆動トルクTwxtiに基づく各車輪目標駆動トルクTwdti、目標回生制動トルクTwrti、目標摩擦制動トルクTwbtiの演算要領及びこれらに基づく各車輪の制駆動力の制御の要領は上述の実施例1の場合と同様である。
次に図4に示されたフローチャートを参照して実施例2に於ける制駆動力制御ルーチンについて説明する。尚図4に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。また図4に示されたフローチャートによる制御も駆動力制御用電子制御装置16が起動されることにより開始され、図には示されていないイグニッションスイッチがオフに切り換えられるまで所定の時間毎に繰返し実行される。
この実施例2に於いては、ステップ10、20、40、50及びステップ80〜150は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ20が完了するとステップ30へ進み、ステップ30に於いては運転者要求目標制駆動力Fが正の値、即ち駆動力であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進み、否定判別が行われたときにはステップ35へ進む。
ステップ35に於いては車輪に回生制動力や電動発電機の慣性制動力の如き負の駆動力が作用しているか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進み、否定判別が行われたときには上述の実施例1の場合と同様の要領にてステップ40及び50が実行された後ステップ80へ進む。
ステップ60に於いてはステップ40の場合と同様の要領にて車輌の運転者要求目標制駆動力Fに基づき上記式16に従って車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)が演算され、ステップ70に於いては上記式20に従って車輌全体の車輪の目標駆動トルクTmが演算され、しかる後ステップ80へ進む。
かくして図示の実施例2によれば、運転者要求目標制駆動力Fが負の値であり且つ車輪に負の駆動力が作用していないときには、上述の実施例1の場合と同様の要領にて車輌の運転者要求目標制駆動力Fに基づき車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)が演算されると共に、車輪の有効径Rと補正後の目標制駆動力Ft(t)との積として車輌全体の目標制駆動トルクTmが演算されるが、運転者要求目標制駆動力Fが正の値であり駆動力であるとき、又は運転者要求目標制駆動力Fが負の値であり且つ車輪に負の駆動力が作用しているときには、車輌の運転者要求目標制駆動力Fに基づき車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)が演算されると共に、ステップ70に於いては制駆動力伝達系の捩れ振動を補償する値として車輌全体の車輪の目標駆動トルクTmが演算される。
従って図示の実施例2によれば、電動発電機12FL〜12RRにより制駆動力伝達系を介して車輪に制駆動力が付与される車輌に於いて、上述の実施例1の場合と同様、運転者の制駆動操作量に応じて車輌の制駆動力を制御し、サスペンションのばね定数及び減衰係数に起因して車輌の制駆動力に対し車輌のピッチ挙動が遅れることにより生じる車輌のピッチングを確実に防止することができるだけでなく、車輪に駆動力が付与される状況に於いて、制駆動力伝達系の捩れ振動に起因する車輌のピッチングをも確実に防止することができる。
特に図示の実施例2によれば、運転者要求目標制駆動力Fが負の値であっても車輪に負の駆動力が作用しているときには、ステップ60及び70が実行されるので、運転者要求目標制駆動力Fが負の値であるときには車輪に負の駆動力が作用しているか否かに関係なくステップ40及び50が実行される場合に比して、車輪に負の駆動力が付与される状況に於いて、制駆動力伝達系の捩れ振動に起因する車輌のピッチングを確実に防止することができる。
尚目標回生制動トルクTwrtiが0ではないときには電動発電機12FL〜12RRにより制駆動力伝達系を介して車輪に制動トルクが付与されるが、一般に最大回生制動トルクは最大摩擦制動トルクよりも小さく、電動発電機12FL〜12RRにより制駆動力伝達系を介して車輪に回生制動トルクが付与される状況に於いて制駆動力伝達系の捩れ振動に起因して発生する車輌のピッチングは軽微であるので、運転者要求目標制駆動力Fが負の値であるときには車輪に負の駆動力が作用しているか否かに関係なくステップ40及び50が実行されるよう修正されてもよい。
また図示の実施例1及び2によれば、各車輪の駆動源は各車輪に対応して設けられた電動発電機12FL〜12RRであり、各車輪の目標制駆動トルクTwxtiが負の値であり制動トルクである場合には、電動発電機12FL〜12RRによる回生制動トルクが使用されるので、車輌の制動減速時に車輌の運動エネルギーを電気エネルギーとして有効に回収することができる。
また図示の実施例1及び2によれば、運転者の制駆動操作量であるアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき車輌の運転者要求目標制駆動力Fが演算され、運転者要求目標制駆動力Fが駆動力である場合及び制動力である場合の何れの場合にも、上記式16に従って車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)が演算されるので、運転者の制駆動操作量が駆動操作量である場合及び制動操作量である場合の何れの場合にも、車輌のピッチングを効果的に防止することができる。
尚図示の実施例2に於いては、駆動力発生源である電動発電機12FL〜12RRは回生制動力も発生可能であり車体に搭載された電動発電機であるが、各駆動力発生源は制駆動力伝達系を介して対応する車輪に付与し得る限り、電動機以外の駆動力発生源であってもよい。
またこの実施例2に於ける駆動力発生源は左右前輪間にて駆動力配分の制御が可能に左右前輪を駆動する前輪用駆動力発生源と、左右後輪間にて駆動力配分の制御が可能に左右後輪を駆動する後輪輪用駆動力発生源とよりなっていてもよく、この場合の駆動力発生源は内燃機関やハイブリッドシステムの如く当技術分野に於いて公知の任意の駆動手段であってよい。
また駆動力発生源が左右輪間にて共通の駆動力発生源である場合には、補正後の車輌の目標制駆動力Ft(t)及び制駆動トルクの前後配分比Krに基づいて左右前輪の合計の目標制駆動力Ftf及び左右後輪の合計の目標制駆動力Ftrが演算され、下記の式23及び24又は下記の式25及び26に基づいて前輪用駆動力発生源の目標制駆動トルクTmf及び後輪輪用駆動力発生源の目標制駆動トルクTmrが演算されてもよい。
Figure 2006264628
尚上記式23〜26に於いて、Idf及びIdrはそれぞれ前輪及び後輪の制駆動力伝達系の慣性モーメントであり、Cdf及びCdrはそれぞれ前輪及び後輪のサスペンションの減衰係数であり、Kdf及びKdrはそれぞれ前輪及び後輪のサスペンションのばね定数であり、θtf及びθtrはそれぞれ前輪及び後輪の回転角である。
また図示の実施例に於いては、ステップ40及び60に於いて上記式16に従って車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ftが演算され、ステップ70に於いて上記式20に従って車輌全体の車輪の目標駆動トルクTmが演算されるようになっているが、補正後の目標制駆動力Ftは上記式15に従って演算されてもよく、車輌全体の車輪の目標駆動トルクTmは上記式19に従って演算されてもよい。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の実施例1及び2に於いては、ステップ80〜130に於いては制駆動トルクについて制御量が演算されるようになっているが、制駆動力について制御量が演算されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、運転者要求目標制駆動力Fが駆動力及び制動力の何れの場合にも、上記式16に従って車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力Ft(t)が演算されるようになっているが、運転者の制駆動操作量が駆動操作量である場合又は制動操作量である場合にのみ、車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力が演算されるよう修正されてもよい。
これらの場合、上述の実施例1に於いては、ステップ90、ステップ110〜140が省略され、上述の実施例2に於いては、ステップ30〜50、ステップ90、ステップ110〜140が省略され、制駆動力は駆動力についてのみ演算され制御される。
また上述の実施例2に於いては、ステップ30に於いて運転者要求目標制駆動力Fが正の値、即ち駆動力であるか否かの判別が行われ、ステップ35に於いて車輪に回生制動力や電動発電機の慣性制動力の如き負の駆動力が作用しているか否かの判別が行われるようになっているが、これらの判別は車輪に駆動源としての電動発電機の正又は負の駆動力が作用しているか否かの判別に置き換えられ、否定判別が行われたときにはステップ40へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ60へ進むよう修正されてもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、制動力は液圧制御式の制動装置により各車輪に付与されるようになっているが、制動力は液圧制御式の制動装置よりも高応答の電磁駆動式の制動装置により各車輪に付与されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、電動発電機12FL〜12RRにより必要に応じて回生制動力が発生されるようになっているが、駆動源が電動発電機であっても回生制動が行われず、制動力が摩擦制動のみにより発生されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、各車輪の制駆動力Fwxiの後輪配分比Krは一定であるが、後輪配分比Krは例えば前後輪の接地荷重に応じて可変設定されるよう修正されてもよい。
ホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による制駆動力制御装置の実施例1を示す概略構成図である。 実施例1に於いて駆動力制御用電子制御装置により達成される制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 車体に搭載された各電動発電機が制駆動力伝達系を介して各車輪に駆動力及び回生制動力を付与するよう構成された四輪駆動車に適用された本発明による車輌の制駆動力制御装置の実施例2を示す概略構成図である。 実施例2に於いて駆動力制御用電子制御装置により達成される制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。 車輌の二輪モデルを示す説明図である。
符号の説明
12FL〜12RR 電動発電機
14 アクセル開度センサ
15 アクセルペダル
16 駆動力制御用電子制御装置
18 摩擦制動装置
24 ブレーキペダル
28 制動力制御用電子制御装置
30、32FL〜32RR 圧力センサ
34FL〜34RR 駆動軸
36FL〜36RR 車輪速度センサ

Claims (5)

  1. 制駆動力発生手段と、運転者の制駆動操作量を検出する手段と、運転者の制駆動操作量に基づき前記制駆動力発生手段の制駆動量を制御する制御手段とを有する車輌の制駆動力制御装置に於いて、前記制御手段は運転者の制駆動操作量に基づき車輌の運転者要求目標制駆動力を演算する手段と、車輌のピッチング方向の運動方程式に基づき設定され前記車輌の運転者要求目標制駆動力より車輌のピッチングを防止するための車輌の補正後の目標制駆動力への伝達関数を記憶する手段とを有し、前記車輌の運転者要求目標制駆動力及び前記伝達関数に基づき車輌の補正後の目標制駆動力を演算し、前記補正後の目標制駆動力に基づき前記制駆動力発生手段の最終目標制駆動力を演算し、前記制駆動力発生手段の制駆動量が前記最終目標制駆動量になるよう前記制駆動力発生手段を制御することを特徴とする車輌の制駆動力制御装置。
  2. 前記伝達関数はサスペンションのばね定数及びサスペンションの減衰係数に基づく位相進み補償を達成することを特徴とする請求項1に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  3. 前記制御手段は前記制駆動力発生手段と車輪との間の制駆動力伝達系の捩れ振動を考慮して前記制駆動力発生手段の最終目標制駆動力を演算することを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  4. 前記伝達関数は車輌のピッチング方向の運動方程式に基づき設定され車輌の制駆動力を入力とし車輌のピッチ角を出力とする車輌モデルと、前記車輌の運転者要求目標制駆動力に基づく車輌の目標ピッチ角とに基づいて設定されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の車輌の制駆動力制御装置。
  5. 前記運転者の制駆動操作量を検出する手段は運転者の駆動操作量を検出し、前記制駆動力発生手段は駆動力発生手段を含み、前記制御手段は少なくとも前記駆動力発生手段の駆動量を制御することを特徴とする請求項1乃至4に記載の車輌の制駆動力制御装置。
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