JP4765552B2 - 電動車輌の駆動力制御装置 - Google Patents

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本発明は、自動車等の車輌の駆動力制御装置に係り、更に詳細には各輪毎に電動機が設けられ電動機の駆動力が対応する車輪に個別に付与される電動車輌の駆動力制御装置に係る。
各車輪にそれぞれ対応する電動機が設けられ、電動機の駆動力が対応する車輪に個別に付与される電動車輌は従来より種々の構成のものが提案されている。かかる電動車輌の一つとして、例えば本願出願人の出願にかかる下記の特許文献1に記載されている如く、アンチスキッド制御等の車輌安定化制御が良好に行われるよう各車輪の駆動力の配分制御を行う駆動力制御装置を備えた電動車輌が従来より知られている。
特開平10−295004号公報
一般に、電動機の損失には種々の損失があり、特に電動機の効率(電力効率)に大きく影響する損失として、銅損(巻き線抵抗による発熱損失)及びベアリングの潤滑油や冷却用オイルの粘性による引きずり損失がある。図7に示されている如く、銅損は電動機の温度Tmの上昇につれて増大するのに対し、引きずり損失は電動機の温度Tmの上昇につれて減少する。従って図7の銅損の線と引きずり損失の線との交点に対応する電動機の温度を理想温度Tmtとすると、電動機の電力効率はその温度が理想温度である場合に最も高いので、電動機の損失を低減してその電力効率を高くするためには、理想温度との温度差が大きい電動機の温度Tmができるだけ理想温度Tmtに近づくよう電動機が制御されることが好ましい。
しかるに上述の如き従来の電動車輌の駆動力制御装置に於いては、駆動力の配分を制御するに当り電動機の損失や電力効率、理想温度に対する電動機の温度の関係については全く考慮されておらず、そのため車輌が走行する際に於ける車輌全体としての電力効率を悪化させる虞れがあり、電動機の電力効率を向上させることにより電動車輌全体の電力効率を向上させる上で改善が必要とされている。
本発明は、各車輪にそれぞれ対応する電動機の駆動力が付与されるよう構成された従来の電動車輌に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、電動機の温度が理想温度よりも高くても低くても電動機の電力効率が低下し、電動機の温度が理想温度に近いほど電動機の電力効率が高くなることに着目し、電動機の温度に基づいて電動機の電力効率が向上するよう電動機を制御することにより、従来に比して電動車輌全体の電力効率を向上させることである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ちそれぞれ対応する車輪に駆動力を付与する少なくとも一対の電動機を有する電動車輌の駆動力制御装置であって、前記電動機の出力を目標出力に制御する電動機制御手段と、前記電動機の実際の温度を検出する手段とを有し、前記電動機制御手段は各電動機の電力効率が最も高い温度を理想温度として、前記一対の電動機の実際の温度が何れも前記理想温度よりも低いときには、前記一対の電動機のうち実際の温度と前記理想温度との偏差が大きい方の電動機を決定し、当該電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力を増大修正すると共に、他方の電動機の目標出力を低減修正することを特徴とする電動車輌の駆動力制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記電動車輌は各車輪毎に対応する車輪に駆動力を付与する電動機を有し、前記電動機制御手段は車輌に要求される駆動力を車輌の走行状況に応じて少なくとも左右輪間に於いて配分し、左前後輪の二つの電動機について実際の温度と前記理想温度との偏差が大きい方の電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力を増大修正すると共に、左前後輪の他方の車輪の電動機の目標出力が左前後輪に配分された駆動力に対応する目標出力より前記偏差が大きい方の電動機の修正後の目標出力を減算した値になるよう前記他方の車輪の電動機の目標出力を演算し、右前後輪の二つの電動機について実際の温度と前記理想温度との偏差が大きい方の電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力を増大修正すると共に、右前後輪の他方の車輪の電動機の目標出力が右前後輪に配分された駆動力に対応する目標出力より前記偏差が大きい方の電動機の修正後の目標出力を減算した値になるよう前記他方の車輪の電動機の目標出力を演算するよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記電動機制御手段は電動機の温度を理想温度に近づけるための一方の電動機の増大修正後の目標出力が当該電動機の最高出力を越えるときには、当該電動機の目標出力を前記最高出力に設定し、他方の電動機の目標出力を二つの電動機の目標出力の和より前記最高出力を減算した値に設定するよう構成される(請求項3の構成)。
一般に、電動機の温度は作動に伴う発熱により上昇すると共に放熱により低下し、作動に伴う発熱の量は電動機の出力が高いほど大きいので、電動機の温度が理想温度よりも低いときには電動機の出力を高くすることにより電動機の出力を高くしない場合に比して電動機の温度を電動機の理想温度に近づけることができ、逆に電動機の温度が理想温度よりも高いときには電動機の出力を低くすることにより電動機の出力を低くしない場合に比して電動機の温度を電動機の理想温度に近づけることができる。
上記請求項1の構成によれば、各電動機の電力効率が最も高い温度を理想温度として、一対の電動機の実際の温度が何れも理想温度よりも低いときには、一対の電動機のうち実際の温度と理想温度との偏差の大きさが大きい方の電動機が決定され、当該電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力が増大修正されると共に、他方の電動機の目標出力が低減修正される。従って、一対の電動機の実際の温度が何れも理想温度よりも低い状況に於いて、車輌全体の駆動力を大きく変化させることなく温度の偏差の大きさが大きい電動機の温度を確実に理想温度に近づけることができ、これにより当該電動機の電力効率を確実に向上させることができる。
また上記請求項2の構成によれば、電動車輌は各車輪毎に対応する車輪に駆動力を付与する電動機を有し、車輌に要求される駆動力が車輌の走行状況に応じて少なくとも左右輪間に於いて配分され、左前後輪の二つの電動機について実際の温度と理想温度との偏差の大きさが大きい方の電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力が増大修正されると共に、左前後輪の他方の車輪の電動機の目標出力が左前後輪に配分された駆動力に対応する目標出力より前記偏差の大きさが大きい方の電動機の修正後の目標出力を減算した値になるよう他方の車輪の電動機の目標出力が演算され、右前後輪の二つの電動機について実際の温度と理想温度との偏差の大きさが大きい方の電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力が増大修正されると共に、右前後輪の他方の車輪の電動機の目標出力が右前後輪に配分された駆動力に対応する目標出力より前記偏差の大きさが大きい方の電動機の修正後の目標出力を減算した値になるよう他方の車輪の電動機の目標出力が制御されるので、車輌全体の駆動力を変化させることなく左前後輪及び右前後輪の何れについても温度の偏差の大きさが大きい方の電動機の温度が理想温度に近づくようその電動機の出力を制御し、その電動機の電力効率を確実に向上させることができ、また電力効率を向上させるための電動機の出力の制御に起因して駆動力の左右配分が車輌の走行状況に応じた所定の配分以外の配分になることを確実に防止することができる。
また上記請求項3の構成によれば、電動機の温度を理想温度に近づけるための一方の電動機の増大修正後の目標出力が当該電動機の最高出力を越えるときには、当該電動機の目標出力が最高出力に設定され、他方の電動機の目標出力が二つの電動機の目標出力の和より最高出力を減算した値に設定される。従って電動機の温度を理想温度に近づけるための一方の電動機の増大修正後の目標出力が当該電動機の最高出力を越えるときにも、車輌全体の駆動力を変化させることなく一方の電動機の温度ができるだけ理想温度に近づくようの二つの電動機の出力を制御することができる。
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2の構成に於いて、電動機制御手段は一対の電動機の実際の温度が何れも理想温度よりも高いときには、一対の電動機のうち実際の温度と理想温度との偏差の大きさが大きい方の電動機を決定し、当該電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力を低減修正すると共に、他方の電動機の目標出力を増大修正することにより、前者の電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づけられるよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、電動車輌は左右前輪及び左右後輪に対応する車輪に駆動力を付与する電動機を有するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1の構成に於いて、電動車輌は左右前輪に駆動力を付与する前輪用電動機と左右後輪に駆動力を付与する後輪用電動機とを有するよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2の構成に於いて、左前後輪及び右前後輪の何れについても、電動機制御手段は前後二つの車輪の温度が理想温度よりも高いときには、温度が高い方の電動機の出力を低下させることにより、当該電動機の温度が理想温度に近づくよう、前後二つの車輪の電動機を制御するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2又は上記好ましい態様4の構成に於いて、左前後輪及び右前後輪の何れについても、電動機制御手段は前後二つの車輪の温度が理想温度よりも低いときには、温度が低い方の電動機の出力を増大させることにより、当該電動機の温度が理想温度に近づくよう、前後二つの車輪の電動機を制御するよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2又は上記好ましい態様4及び5の構成に於いて、左前後輪及び右前後輪の何れについても、電動機制御手段は前後輪の一方の温度が理想温度よりも高く且つ前後輪の他方の温度が理想温度よりも低いときには、理想温度との偏差の大きさが大きい方の電動機の温度が理想温度に近づくよう、前後二つの車輪の電動機を制御するよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項2又は上記好ましい態様4乃至6の構成に於いて、左前後輪及び右前後輪の何れについても、電動機制御手段は前輪及び後輪の温度の偏差の大きさが基準値以下であるときには、電動機の温度を理想温度に近づけることなく電動機に要求される出力に基づいて電動機を制御するよう構成される(好ましい態様7)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1又は2又は上記好ましい態様1乃至8の構成に於いて、電動機制御手段は少なくとも電動機の温度と理想温度との偏差に基づいて電動機の出力の増減量を制御するよう構成される(好ましい態様)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3又は上記好ましい態様1乃至の構成に於いて、全ての電動機は同一の理想温度を有するよう構成される(好ましい態様)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至3又は上記好ましい態様1乃至の構成に於いて、電動機は制動時に回生制動を行うよう構成される(好ましい態様1)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を幾つかの好ましい実施例について詳細に説明する。
図1はインホイールモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による電動車輌の駆動力制御装置の実施例1を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ操舵輪である左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ非操舵輪である左右の後輪を示している。左右の前輪10FL及び10FRにはそれぞれインホイールモータである電動発電機12FL及び12FRが組み込まれており、左右の前輪10FL及び10FRは電動発電機12FL及び12FRにより駆動される。電動発電機12FL及び12FRは制動時にはそれぞれ左右前輪の回生発電機としても機能し、回生制動力を発生する。
同様に、左右の後輪10RL及び10RRにはそれぞれインホイールモータである電動発電機12RL及び12RRが組み込まれており、左右の前輪10RL及び10RRは電動発電機12RL及び12RRにより駆動される。電動発電機12RL及び12RRは制動時にはそれぞれ左右後輪の発電機としても機能し、回生制動力を発生する。
電動発電機12FL〜12RRの駆動力はアクセル開度センサ14により検出される図1には示されていないアクセルペダルの踏み込み量としてのアクセル開度φに基づき駆動力制御用電子制御装置16により制御される。電動発電機12FL〜12RRの回生制動力も駆動力制御用電子制御装置16により制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、駆動力制御用電子制御装置16はマイクロコンピュータ、駆動回路、インバータ、バッテリを含み、マイクロコンピュータは例えばCPUと、ROMと、RAMと、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。また通常走行時には図1には示されていないバッテリに充電された電力が駆動回路及びインバータを経て各電動発電機12FL〜12RRへ供給され、車輌の減速制動時には各電動発電機12FL〜12RRによる回生制動により発電された電力がインバータ及び駆動回路を経てバッテリに充電される。
左右の前輪10FL、10FR及び左右の後輪10RL、10RRの摩擦制動力は摩擦制動装置18の油圧回路20により対応するホイールシリンダ22FL、22FR、22RL、22RRの制動圧が制御されることによって制御される。図には示されていないが、油圧回路20はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧力は通常時には運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量及びブレーキペダル24の踏み込みに応じて駆動されるマスタシリンダ26の圧力に応じて制御され、また必要に応じてオイルポンプや種々の弁装置が制動力制御用電子制御装置28によって制御されることにより、運転者によるブレーキペダル24の踏み込み量に関係なく制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、制動力制御用電子制御装置28もマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えばCPUと、ROMと、RAMと、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
駆動力制御用電子制御装置16にはアクセル開度センサ14よりのアクセル開度φを示す信号に加えて、温度センサ30FL〜30RRより電動発電機12FL〜12RRの温度Tmi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号、操舵角センサ32より操舵角θを示す信号、車速センサ34より車速Vを示す信号が入力される。また制動力制御用電子制御装置28には圧力センサ36よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号、圧力センサ38FL〜38RRより対応する車輪の制動圧(ホイールシリンダ圧力)Pbi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。駆動力制御用電子制御装置16及び制動力制御用電子制御装置28は必要に応じて相互に信号の授受を行う。尚操舵角センサ32は車輌の左旋回方向を正として操舵角θを検出する。
駆動力制御用電子制御装置16は、運転者の加減速操作量であるアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき車輌の目標前後力Fxtを演算し、目標前後力Fxtが負の値であり制動力であるときには、目標前後力Fxtを所定の配分比にて各車輪に配分して各車輪の目標駆動力Fxti(i=fl、fr、rl、rr)を演算する。そして目標駆動力Fxtiが電動発電機12FL〜12RRの最大回生制動力Fremax以下であるときには、電動発電機12FL〜12RRの目標回生制動力Freti(i=fl、fr、rl、rr)を目標駆動力Fxtiに設定して電動発電機12FL〜12RRの回生制動力がそれぞれ対応する目標回生制動力Fretiになるよう電動発電機12FL〜12RRを制御すると共に、各車輪の目標摩擦制動力Fwbti(i=fl、fr、rl、rr)が0であることを示す信号を制動力制御用電子制御装置28へ出力する。
これに対し駆動力制御用電子制御装置16は、目標駆動力Fxtiが電動発電機12FL〜12RRの最大回生制動力Fremaxよりも高いときには、電動発電機12FL〜12RRの目標回生制動力Fretiを最大回生制動力Fremaxに設定して電動発電機12FL〜12RRの回生制動力が最大回生制動力Fremaxになるよう電動発電機12FL〜12RRを制御すると共に、各車輪の目標摩擦制動力Fwbti(=Fxti−Fremax)を演算して該目標摩擦制動力Fwbtiを示す信号を制動力制御用電子制御装置28へ出力する。
また駆動力制御用電子制御装置16は、目標前後力Fxtが負の値ではなく駆動力であるときには、操舵角θ及び車速V等に基づき目標前後力Fxtの左輪配分比Rl(0<Rl<1)及び右輪配分比Rr(=1−Rl)を演算し、左輪配分比Rlに基づき左前後輪の目標前後力Fxtl(=RlFxt)及び右前後輪の目標前後力Fxtr(=RrFxt)を演算し、各車輪の目標摩擦制動力Fwbtiをそれぞれ0に設定して該目標摩擦制動力Fwbtiを示す信号を制動力制御用電子制御装置28へ出力する。
また駆動力制御用電子制御装置16は、左前後輪の二つの電動発電機12FL、12RLについて実際の温度Tmfl、Tmrlと電動発電機の理想温度Tmtとの二つの偏差のうち大きさが大きい方の電動発電機の実際の温度が当該電動発電機の理想温度Tmtに近づくよう、左前後輪の目標前後力Fxlt及び大きい方の温度偏差に基づいて当該電動発電機の出力を制御すると共に、目標前後力Fxltより前記温度偏差の大きさが大きい方の電動発電機の出力に対応する車輪前後力を減算した値になるよう左前後輪の他方の車輪の電動発電機の出力を制御する。
同様に、駆動力制御用電子制御装置16は、右前後輪の二つの電動発電機12FR、12RRについて実際の温度Tmfr、Tmrrと電動発電機の理想温度Tmtとの二つの偏差のうち大きさが大きい方の電動発電機の実際の温度が当該電動発電機の理想温度Tmtに近づくよう、右前後輪の目標前後力Fxrt及び大きい方の温度偏差に基づいて当該電動発電機の出力を制御すると共に、目標前後力Fxrtより前記温度偏差の大きさが大きい方の電動発電機の出力に対応する車輪前後力を減算した値になるよう右前後輪の他方の車輪の電動発電機の出力を制御する。
更に制動力制御用電子制御装置28は、駆動力制御用電子制御装置16より入力される各車輪の目標摩擦制動力Fwbtiに基づき各車輪の目標制動圧Pbti(i=fl、fr、rl、rr)を演算し、各車輪の制動圧Pbiが目標制動圧Pbtiになるよう油圧回路20を制御することにより、各車輪の摩擦制動力Fwbi(i=fl、fr、rl、rr)が各車輪の目標摩擦制動力Fwbtiになるよう制御する。
次に図2乃至図4に示されたフローチャートを参照して図示の実施例1に於ける制駆動力制御について説明する。尚図2乃至図4に示されたフローチャートによる制御は駆動力制御用電子制御装置16が起動されることにより開始され、図には示されていないイグニッションスイッチがオフに切り換えられるまで所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いてはアクセル開度センサ14により検出されたアクセル開度φを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いてはアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき当技術分野に於いて公知の要領にて車輌の目標前後力Fxtが演算される。
ステップ30に於いては車輌の目標前後力Fxtが負の値であるか否かの判別、即ち車輌に要求される前後力が制動力であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ40に於いて制動力制御用電子制御装置28へ車輌の目標前後力Fxtを示す信号及び制動力の制御指令信号が出力されることにより、制動力制御用電子制御装置28により当技術分野に於いて公知の要領にて目標前後力Fxtに基づいて各車輪の制動力が制御され、否定判別が行われたときにはステップ50へ進む。
ステップ50に於いては操舵角θ及び車速V等に基づき目標前後力Fxtの左輪配分比Rl及び右輪配分比Rrが演算され、ステップ60に於いては左輪配分比Rlに基づき左前後輪の目標前後力Fxtl(=RlFxt)及び右前後輪の目標前後力Fxtr(=RrFxt)が演算される。
ステップ100に於いては図3に示されたルーチンに従って左前後輪の二つの電動発電機12FL、12RLについて実際の温度Tmfl、Tmrlと電動発電機の理想温度Tmtとの二つの偏差のうち大きさが大きい方の電動発電機の実際の温度が当該電動発電機の理想温度Tmtに近づくよう、左前後輪の目標前後力Fxtl及び大きい方の温度偏差に基づいて左前輪の目標前後力Fxtfl及び左後輪の目標前後力Fxtrlが演算される。
同様に、ステップ300に於いては図4に示されたルーチンに従って右前後輪の二つの電動発電機12FR、12RRについて実際の温度Tmfr、Tmrrと電動発電機の理想温度Tmtとの二つの偏差のうち大きさが大きい方の電動発電機の実際の温度が当該電動発電機の理想温度Tmtに近づくよう、左前後輪の目標前後力Fxtr及び大きい方の温度偏差に基づいて右前輪の目標前後力Fxtfr及び右後輪の目標前後力Fxtrrが演算される。
ステップ500に於いてはステップ100及び300に於いて演算された各車輪の目標前後力Fxti(i=fl、fr、rl、rr)に基づき各車輪の目標駆動トルクTxti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ510に於いては各車輪の駆動トルクTxiがそれぞれ対応する目標駆動トルクTxtiになるよう電動発電機12FL〜12RRが制御される。
次に図3に示されたフローチャートを参照して上記ステップ100に於いて実行される左前輪の目標前後力Fxtfl及び左後輪の目標前後力Fxtrlの演算ルーチンについて説明する。
まずステップ110に於いては左前輪の電動発電機12FLの温度Tmflが理想温度Tmtよりも低く且つ左後輪の電動発電機12RLの温度Tmrlが理想温度Tmtよりも低いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ160へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ120へ進む。
ステップ120に於いては理想温度Tmtと温度Tmfl及びTmrlのうちの低い方の温度との偏差ΔTmlminが演算され、ステップ130に於いては温度が低い方の電動発電機の温度が上昇して理想温度Tmtに近づくよう、左前後輪の目標前後力Fxlt及び温度偏差ΔTmlminに基づいて電動発電機の温度が低い方の車輪の目標前後力Fxltminが温度偏差ΔTmlminの比例項、積分項、微分項よりなるPID補償演算によって演算される。
ステップ140に於いては温度が高い方の車輪の目標前後力Fxtlmaxが左前後輪の目標前後力Fxtlより目標前後力Fxtlminを減算した値に演算され、ステップ150に於いてはTmfl<Tmrlであるときには左前輪の目標前後力Fxtflが目標前後力Fxtlminに設定されると共に、左後輪の目標前後力Fxtrlが目標前後力Fxtlmaxに設定され、逆にTmfl>Tmrlであるときには左前輪の目標前後力Fxtflが目標前後力Fxtlmaxに設定されると共に、左後輪の目標前後力Fxtrlが目標前後力Fxtlminに設定される。尚Tmfl=Tmrlであるときには左前輪の目標前後力Fxtfl及び左後輪の目標前後力Fxtrlは何れもFxtl/2に設定される。
ステップ160に於いては左前輪の電動発電機12FLの温度Tmflが理想温度Tmtよりも高く且つ左後輪の電動発電機12RLの温度Tmrlが理想温度Tmtよりも高いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ210へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ170へ進む。
ステップ170に於いては理想温度Tmtと温度Tmfl及びTmrlのうちの高い方の温度との偏差ΔTmlmaxが演算され、ステップ180に於いては温度が高い方の電動発電機の温度が低下して理想温度Tmtに近づくよう、左前後輪の目標前後力Fxtl及び温度偏差ΔTmlmaxに基づいて電動発電機の温度が高い方の車輪の目標前後力Fxtlmaxが温度偏差ΔTmlmaxの比例項、積分項、微分項よりなるPID補償演算によって演算される。
ステップ190に於いては温度が低い方の車輪の目標前後力Fxtlminが左前後輪の目標前後力Fxtlより目標前後力Fxtlmaxを減算した値に演算され、ステップ200に於いてはTmfl>Tmrlであるときには左前輪の目標前後力Fxtflが目標前後力Fxtlmaxに設定されると共に、左後輪の目標前後力Fxtrlが目標前後力Fxtlminに設定され、逆にTmfl<Tmrlであるときには左前輪の目標前後力Fxtflが目標前後力Fxtlminに設定されると共に、左後輪の目標前後力Fxtrlが目標前後力Fxtlmaxに設定される。尚Tmfl=Tmrlであるときには左前輪の目標前後力Fxtfl及び左後輪の目標前後力Fxtrlは何れもFxlt/2に設定される。
ステップ210に於いては理想温度Tmtと温度Tmflとの偏差ΔTmfl及び理想温度Tmtと温度Tmrlとの偏差ΔTmrlが演算され、ステップ220に於いては偏差ΔTmf1及びΔTmrlのうち大きさが大きい方(ΔTmlb)の電動発電機の温度が理想温度Tmtに近づくよう、左前後輪の目標前後力Fxtl及び大きさが大きい方の温度偏差ΔTmlbに基づいて当該車輪の目標前後力Fxtllbが温度偏差ΔTmlbの比例項、積分項、微分項よりなるPID補償演算によって演算される。
ステップ230に於いては温度偏差ΔTmfl及びΔTmrlのうち大きさが小さい方(ΔTmls)の車輪の目標前後力Fxtllsが左前後輪の目標前後力Fxtlより目標前後力Fxtllbを減算した値に演算され、ステップ240に於いてはΔTmflの大きさがΔTmrlの大きさよりも大きいときには左前輪の目標前後力Fxtflが目標前後力Fxtllbに設定されると共に、左後輪の目標前後力Fxtrlが目標前後力Fxtllsに設定され、逆にΔTmflの大きさがΔTmrlの大きさよりも小さいときには左前輪の目標前後力Fxtflが目標前後力Fxtllsに設定されると共に、左後輪の目標前後力Fxtrlが目標前後力Fxtllbに設定される。
次に図4に示されたフローチャートを参照して上記ステップ300に於いて実行される右前輪の目標前後力Fxtfr及び右後輪の目標前後力Fxtrrの演算ルーチンについて説明する。尚ステップ310乃至440はそれぞれ上述のステップ110乃至240と同様に右前後輪について実行される。
まずステップ310に於いては右前輪の電動発電機12FRの温度Tmfrが理想温度Tmtよりも低く且つ右後輪の電動発電機12RRの温度Tmrrが理想温度Tmtよりも低いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ360へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ320へ進む。
ステップ320に於いては理想温度Tmtと温度Tmfr及びTmrrのうちの低い方の温度との偏差ΔTmrminが演算され、ステップ330に於いては温度が低い方の電動発電機の温度が上昇して理想温度Tmtに近づくよう、右前後輪の目標前後力Fxtr及び温度偏差ΔTmrminに基づいて電動発電機の温度が低い方の車輪の目標前後力Fxtrminが温度偏差ΔTmrminの比例項、積分項、微分項よりなるPID補償演算によって演算される。
ステップ340に於いては温度が高い方の車輪の目標前後力Fxtrmaxが右前後輪の目標前後力Fxtrより目標前後力Fxtrminを減算した値に演算され、ステップ350に於いてはTmfr<Tmrrであるときには右前輪の目標前後力Fxtfrが目標前後力Fxtrminに設定されると共に、右後輪の目標前後力Fxtrrが目標前後力Fxtrmaxに設定され、逆にTmfr>Tmrrであるときには右前輪の目標前後力Fxtfrが目標前後力Fxtrmaxに設定されると共に、右後輪の目標前後力Fxtrrが目標前後力Fxtrminに設定される。尚Tmfr=Tmrrであるときには右前輪の目標前後力Fxtfr及び右後輪の目標前後力Fxtrrは何れもFxrt/2に設定される。
ステップ360に於いては右前輪の電動発電機12FRの温度Tmfrが理想温度Tmtよりも高く且つ右後輪の電動発電機12RRの温度Tmrrが理想温度Tmtよりも高いか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ410へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ370へ進む。
ステップ370に於いては理想温度Tmtと温度Tmfr及びTmrrのうちの高い方の温度との偏差ΔTmrmaxが演算され、ステップ380に於いては温度が高い方の電動発電機の温度が低下して理想温度Tmtに近づくよう、右前後輪の目標前後力Fxtr及び温度偏差ΔTmrmaxに基づいて電動発電機の温度が高い方の車輪の目標前後力Fxtrmaxが温度偏差ΔTmrmaxの比例項、積分項、微分項よりなるPID補償演算によって演算される。
ステップ390に於いては温度が低い方の車輪の目標前後力Fxtrminが右前後輪の目標前後力Fxtrより目標前後力Fxtrmaxを減算した値に演算され、ステップ400に於いてはTmfr>Tmrrであるときには右前輪の目標前後力Fxtfrが目標前後力Fxtrmaxに設定されると共に、右後輪の目標前後力Fxtrrが目標前後力Fxtrminに設定され、逆にTmfr<Tmrrであるときには右前輪の目標前後力Fxtfrが目標前後力Fxtrminに設定されると共に、右後輪の目標前後力Fxtrrが目標前後力Fxtrmaxに設定される。尚Tmfr=Tmrrであるときには右前輪の目標前後力Fxtfr及び右後輪の目標前後力Fxtrrは何れもFxrt/2に設定される。
ステップ410に於いては理想温度Tmtと温度Tmfrとの偏差ΔTmfr及び理想温度Tmtと温度Tmrrとの偏差ΔTmrrが演算され、ステップ420に於いては偏差ΔTmfr及びΔTmrrのうち大きさが大きい方(ΔTmrb)の電動発電機の温度が理想温度Tmtに近づくよう、右前後輪の目標前後力Fxtr及び大きさが大きい方の温度偏差ΔTmrbに基づいて当該車輪の目標前後力Fxtrrbが温度偏差ΔTmrbの比例項、積分項、微分項よりなるPID補償演算によって演算される。
ステップ430に於いては温度偏差ΔTmfr及びΔTmrrのうち大きさが小さい方(ΔTmrs)の車輪の目標前後力Fxtrrsが右前後輪の目標前後力Fxtrより目標前後力Fxtrrbを減算した値に演算され、ステップ440に於いてはΔTmfrの大きさがΔTmrrの大きさよりも大きいときには右前輪の目標前後力Fxtfrが目標前後力Fxtrrbに設定されると共に、右後輪の目標前後力Fxtrrが目標前後力Fxtrrsに設定され、逆にΔTmfrの大きさがΔTmrrの大きさよりも小さいときには右前輪の目標前後力Fxtfrが目標前後力Fxtrrsに設定されると共に、右後輪の目標前後力Fxtrrが目標前後力Fxtrrbに設定される。
かくして図示の実施例1によれば、ステップ20に於いてアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づき車輌の目標前後力Fxtが演算され、ステップ30に於いて車輌の目標前後力Fxtが駆動力であると判定されると、ステップ50及び60に於いて操舵角θ及び車速V等に基づき左前後輪の目標前後力Fxtl及び右前後輪の目標前後力Fxtrが演算される。
そしてステップ100に於いて左前後輪の二つの電動発電機12FL、12RLについて実際の温度Tmfl、Tmrlと電動発電機の理想温度Tmtとの偏差のうち大きさが大きい方の電動発電機の実際の温度が当該電動発電機の理想温度Tmtに近づくよう、左前後輪の目標前後力Fxtl及び大きい方の温度偏差に基づいて左前輪の目標前後力Fxtfl及び左後輪の目標前後力Fxtrlが演算される。
またステップ300に於いて右前後輪の二つの電動発電機12FR、12RRについて実際の温度Tmfr、Tmrrと電動発電機の理想温度Tmtとの偏差のうち大きさが大きい方の電動発電機の実際の温度が当該電動発電機の理想温度Tmtに近づくよう、左前後輪の目標前後力Fxtr及び大きい方の温度偏差に基づいて右前輪の目標前後力Fxtfr及び右後輪の目標前後力Fxtrrが演算される。
更にステップ500に於いてステップ100及び300に於いて演算された各車輪の目標前後力Fxtiに基づき各車輪の目標駆動トルクTxtiが演算され、ステップ510に於いて各車輪の駆動トルクTxiがそれぞれ対応する目標駆動トルクTxtiになるよう電動発電機12FL〜12RRが制御される。
従って図示の実施例1によれば、左前後輪の二つの電動発電機12FL、12RLについて実際の温度Tmfl、Tmrlと電動発電機の理想温度Tmtとの偏差のうち大きさが大きい方の電動発電機の実際の温度が当該電動発電機の理想温度Tmtに近づくよう、左前後輪の電動発電機12FL、12RLの出力を制御することができると共に、右前後輪の二つの電動発電機12FR、12RRについて実際の温度Tmfr、Tmrrと電動発電機の理想温度Tmtとの偏差のうち大きさが大きい方の電動発電機の実際の温度が当該電動発電機の理想温度Tmtに近づくよう、右前後輪の電動発電機12FR、12RRの出力を制御することができ、これにより車輌全体の制駆動力の大きさ及び制駆動力の左右配分に変更を来たすことなく車輌全体としての電力効率を確実に向上させることができる。
例えば図6は四輪に同一の駆動力が付与されるべき状況に於いて、左前輪及び右後輪の電動発電機の温度Tmfl、Tmrrが理想温度Tmtよりも高い状況に於ける図示の実施例1の作動を示す説明図である。
車輌の目標前後力Fxtに基づく左右前輪及び左右後輪の目標前後力をそれぞれFxtafl、Fxtafr、Fxtarl、Fxtarrとし、駆動力の左右配分による左前後輪及び右前後輪の目標前後力をそれぞれFxtl、Fxtrとすると、図6に示されている如く、左前輪及び右後輪の目標前後力が低減され右前輪及び左後輪の目標前後力が増大されるので、実施例1に従って演算される左右前輪及び左右後輪の目標前後力Fxtiと他の目標前後力との間には下記の式1〜3が成立する。
Fxtfl+Fxtrl=Fxtafl+Fxtarl=Fxtl ……(1)
Fxtfr+Fxtrr=Fxtafr+Fxtarr=Fxtr ……(2)
Fxtfl+Fxtrl+Fxtfr+Fxtrr
=Fxtafl+Fxtarl+Fxtafr+Fxtarr
=Fxt ……(3)
図5は本発明による電動車輌の駆動力制御装置の実施例2に於ける制駆動力制御ルーチンを示すフローチャートである。尚図5に於いて図2に示されたステップと同一のステップには図2に於いて付されたステップ番号と同一のステップ番号が付されている。
この実施例2に於いては、ステップ10、100、300、500、510は上述の実施例1の場合と同様に実行され、ステップ10の次に実行されるステップ70に於いてはアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づいて当技術分野に於いて公知の要領にて車輌の目標前後力Fxtが演算されると共に、目標前後力Fxt、操舵角θ、車速V等に基づいて当技術分野に於いて公知の要領にて左輪の目標前後力Fxtl及び右輪の目標前後力Fxtrが演算される。尚目標前後力Fxtl又はFxtrは操舵角θ、車速V等によっては車輌の目標前後力Fxtが駆動力(正の値)であっても制動力(負の値)として演算される場合がある。
ステップ80に於いては左輪の目標前後力Fxtlが負の値であり制動力である否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ100へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ90に於いて制動力制御用電子制御装置28へ左輪の目標前後力Fxtlを示す信号及び制動力の制御指令信号が出力されることにより、制動力制御用電子制御装置28により当技術分野に於いて公知の要領にて目標前後力Fxtlに基づいて左前後輪の制動力が制御される。
またステップ100が完了すると、ステップ250に於いて右輪の目標前後力Fxtrが負の値であり制動力である否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ300へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ260に於いて制動力制御用電子制御装置28へ右輪の目標前後力Fxtrを示す信号及び制動力の制御指令信号が出力されることにより、制動力制御用電子制御装置28により当技術分野に於いて公知の要領にて目標前後力Fxtrに基づいて右前後輪の制動力が制御される。
かくして図示の実施例2によれば、上述の実施例1の場合と同様、左前後輪及び右前後輪の何れの前後二輪についても、電動発電機の実際の温度と理想温度Tmtとの偏差のうち大きさが大きい方の電動発電機の実際の温度が当該電動発電機の理想温度Tmtに近づくよう、温度偏差の大きさが大きい方の電動発電機の出力を制御することができ、これにより車輌全体の制駆動力の大きさ及び制駆動力の左右配分に変更を来たすことなく車輌全体としての電力効率を確実に向上させることができる。
特に図示の実施例2によれば、ステップ70に於いてアクセル開度φ及びマスタシリンダ圧力Pmに基づいて車輌の目標前後力Fxtが演算されると共に、目標前後力Fxt、操舵角θ、車速V等に基づいて左輪の目標前後力Fxtl及び右輪の目標前後力Fxtrが演算され、それぞれステップ80、250に於いて左輪の目標前後力Fxtl及び右輪の目標前後力Fxtrが駆動力であると判定されると、ステップ100、300が実行されるので、車輌全体の目標前後力Fxtが駆動力であっても左輪の目標前後力Fxtl又は右輪の目標前後力Fxtrが制動力に演算される車輌の場合にも、左輪の目標前後力Fxtl又は右輪の目標前後力Fxtrが駆動力である場合に上述の作用効果を得ることができる。
尚、上述の実施例1及び2によれば、ステップ110及び160若しくはステップ310及び360に於いて否定判別が行われたときには、即ち前後輪の一方の電動発電機の温度が理想温度よりも高く且つ前後輪の他方の電動発電機の温度が理想温度よりも低いときには、温度偏差の大きさが大きい方の電動発電機の温度が理想温度Tmtに近づくよう、前後輪の電動発電機の出力を制御することができ、従って前後輪の一方の電動発電機の温度が理想温度よりも高く且つ前後輪の他方の電動発電機の温度が理想温度よりも低いときには電動発電機の出力の補正制御が行われない場合に比して、確実に車輌全体としての電力効率を向上させることができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の実施例1及び2に於いては、電動発電機12FL〜12RRはインホイールモータであるが、電動発電機は車体側に設けられてもよく、各車輪の駆動源としての電動発電機は回生制動を行わないものであってもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては、各車輪に電動発電機12FL〜12RRが設けられ、各車輪にはそれぞれ対応する電動発電機の駆動力が個別に付与されるようになっているが、本発明は左右前輪に駆動力を付与する前輪用電動発電機と左右後輪に駆動力を付与する後輪用電動発電機とを有する車輌に適用されてもよく、その場合には前輪用電動発電機及び後輪用電動発電機の一方の温度が理想温度に近づくよう制御される際に車輌に要求される前後力を変更しないよう前輪用電動発電機及び後輪用電動発電機の他方の出力が制御される。
また上述の実施例1及び2に於いては、電動機の温度と理想温度との偏差の大きさが大きい方の電動機の温度が理想温度に近づくよう電動機の出力が制御されるようになっているが、前後輪の何れの温度偏差の大きさも基準値以下であるときには、電動機の温度を理想温度に近づけるための電動機の出力の制御が行われないよう修正されてもよい。
また上述の実施例1及び2に於いては言及されていないが、電動機の温度を理想温度に近づけるための電動機の出力が当該電動機の最高出力を越えるときには、当該電動機の出力が最高出力に制御され、他方の電動機の出力が二つの車輪の電動機の目標出力の和より前記最高出力を減算した値に制御されるよう修正されてよい。
また上述の実施例1及び2に於いては言及されていないが、何れかの車輪についてトラクション制御又はアンチスキッド制御が行われているときには、少なくとも当該車輪を含む前後輪について電動機の温度を理想温度に近づけるための電動機の出力の制御が行われないよう修正されてもよい。
ホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による駆動力制御装置の実施例1を示す概略構成図である。 本発明による駆動力制御装置の実施例1に於ける制駆動力制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 実施例1に於ける左前輪の目標前後力Fxtfl及び左後輪の目標前後力Fxtrlの演算のサブルーチンを示すフローチャートである。 実施例1に於ける右前輪の目標前後力Fxtfr及び右後輪の目標前後力Fxtrrの演算のサブルーチンを示すフローチャートである。 本発明による駆動力制御装置の実施例2に於ける制駆動力制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 四輪に同一の駆動力が付与されるべき状況に於いて、左前輪及び右後輪の電動発電機の温度が理想温度Tmtよりも高い状況に於ける実施例1の作動を示す説明図である。 電動機の温度Tmと銅損及び引きずり損の関係及び電動機の理想温度Tmtを示す説明図である。
符号の説明
12FL〜12RR 電動発電機
14 アクセル開度センサ
16 駆動力制御用電子制御装置
18 摩擦制動装置
24 ブレーキペダル
28 制動力制御用電子制御装置
30FL〜30RR 温度センサ
32 操舵角センサ
34 車速センサ
36、38FL〜38RR 圧力センサ

Claims (3)

  1. それぞれ対応する車輪に駆動力を付与する少なくとも一対の電動機を有する電動車輌の駆動力制御装置であって、前記電動機の出力を目標出力に制御する電動機制御手段と、前記電動機の実際の温度を検出する手段とを有し、前記電動機制御手段は各電動機の電力効率が最も高い温度を理想温度として、前記一対の電動機の実際の温度が何れも前記理想温度よりも低いときには、前記一対の電動機のうち実際の温度と前記理想温度との偏差が大きい方の電動機を決定し、当該電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力を増大修正すると共に、他方の電動機の目標出力を低減修正することを特徴とする電動車輌の駆動力制御装置。
  2. 前記電動車輌は各車輪毎に対応する車輪に駆動力を付与する電動機を有し、前記電動機制御手段は車輌に要求される駆動力を車輌の走行状況に応じて少なくとも左右輪間に於いて配分し、左前後輪の二つの電動機について実際の温度と前記理想温度との偏差が大きい方の電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力を増大修正すると共に、左前後輪の他方の車輪の電動機の目標出力が左前後輪に配分された駆動力に対応する目標出力より前記偏差が大きい方の電動機の修正後の目標出力を減算した値になるよう前記他方の車輪の電動機の目標出力を演算し、右前後輪の二つの電動機について実際の温度と前記理想温度との偏差が大きい方の電動機の実際の温度が当該電動機の理想温度に近づくよう当該電動機の目標出力を増大修正すると共に、右前後輪の他方の車輪の電動機の目標出力が右前後輪に配分された駆動力に対応する目標出力より前記偏差が大きい方の電動機の修正後の目標出力を減算した値になるよう前記他方の車輪の電動機の目標出力を演算することを特徴とする請求項1に記載の電動車輌の駆動力制御装置。
  3. 前記電動機制御手段は電動機の温度を理想温度に近づけるための一方の電動機の増大修正後の目標出力が当該電動機の最高出力を越えるときには、当該電動機の目標出力を前記最高出力に設定し、他方の電動機の目標出力を二つの電動機の目標出力の和より前記最高出力を減算した値に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動車輌の駆動力制御装置。
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