JP2660992B2 - 電動機付車両の駆動力制御装置 - Google Patents
電動機付車両の駆動力制御装置Info
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- Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
- Hybrid Electric Vehicles (AREA)
- Arrangement Or Mounting Of Propulsion Units For Vehicles (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、電動機により左右輪を独立に駆動する電動
機付車両の駆動力制御装置に関する。 〔従来の技術〕 一般に電気自動車に代表される電動機付車両は、通常
1個の電動機を有し、デファレンシャルギヤ等で駆動力
を分配している。そのため、左右の駆動力配分比は一定
となる。 また、後輪の左右輪を独立して駆動できるように電動
機を2つ配置した例も提案(実公昭55−138129号公報)
されている。これは、車速が設定値以下の走行状態にお
いてアクセルペダルが踏み込まれたときに電動機を運転
して4輪駆動にするものである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、高速で旋回する車両は、車体に遠心力が発
生するため左右輪で接地荷重が移動し、旋回内側の車輪
の接地荷重は軽くなり、外輪の接地荷重は増加する。 上記従来の車両のうち前者のような一般車両において
は、デファレンシャルギヤにより左右輪のトルクが等し
くなるように構成されているため、内輪側の接地荷重が
軽くなり駆動力の伝達限界が低下すると、それに伴い外
輪側の駆動力の伝達限界も同様に低下する。このためス
リップする限界速度が低下する結果となる。 また、上記従来の車両のうち後者のものは、単に特定
の走行条件のときのみ4輪駆動するだけであるので、旋
回時に接地荷重が移動してもその接地荷重の移動に応じ
て駆動力を有効に配分するということはできない。すな
わち、車速が設定値以下の低速走行中において、特にア
クセルペダルを踏み込んだときのみ電動機による駆動力
を利用するものであり、一時的に4輪駆動とするにすぎ
ない。電動機付車両では、電動機の消費電力を大きくす
ると、電動機の出力は大きくなり車両の駆動力が大きく
なる。しかし、この方式では、駆動力を上げるために消
費電力を大きくすると、電源としてエンジンに結合した
発電機の出力を使っているため、その分エンジンの負担
が重くなって他方の車輪への駆動力が低下する。このよ
うに前後輪はもとより左右輪の駆動力も独立して制御す
ることはできない。 本発明は、上記の考察に基づくものであって、左右輪
のトルクを独立で制御し接地荷重に合わせて駆動力をか
けることにより有効に駆動力を分配するようにした電動
機付車両の駆動力制御装置を提供することを目的とする
ものである。 〔問題点を解決するための手段〕 そのために本発明は、左右の車輪を独立して駆動する
電動機を備えた電動機付車両の駆動力制御装置であっ
て、車両の旋回時に当該車両に作用する遠心力を検出す
る遠心力検出手段と、要求する駆動力の大きさに応じて
操作される量を駆動力の要求値として検出する駆動力要
求値検出手段と、前記遠心力検出手段より遠心力が検出
されない直進走行時には左右の車輪のそれぞれに前記駆
動力の要求値を均等に配分し、前記遠心力検出手段より
遠心力が検出される車両の旋回時には前記遠心力に応じ
て内側の車輪の駆動力を減らし外側の車輪の駆動力を増
やすように前記駆動力の要求値を左右の車輪のそれぞれ
に配分して該左右の車輪の駆動力を設定し電動機を制御
する演算制御手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。 〔作用および効果〕 本発明の電動機付車両の駆動力制御装置では、左右の
車輪を独立して駆動する電動機を備え、左右の車輪の接
地荷重が均等になる直進時に対し、旋回時にはその時の
遠心力より左右の車輪間の接地荷重の移動量を求めて、
それら左右の車輪の接地荷重に対応して駆動力の要求値
を増減して各車輪に対する駆動力を設定し、その設定に
基づいて電動機を制御するので、左右輪の接地荷重に応
じ、接地荷重が大きくなる外側の車輪に接地荷重が小さ
くなる内側の車輪より大きな駆動力を配分することがで
き、駆動力を最大限に引き出すことができる。従って、
接地荷重が大きくなってスリップ限界値の大きくなって
いる外側の車輪の方に駆動力を多く配分することがで
き、コーナリング時においてもスリップを防止しつつ加
速力を向上させることができる。 〔実施例〕 以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。 第1図は本発明に係る電動機付車両の駆動力制御装置
の1実施例構成を示す図、第2図は駆動系を車両に搭載
した様子を示す図、第3図は演算機構による処理の流れ
を説明するための図、第4図は本発明を適用した車両の
例を示す図である。図中、1は遠心力検出機構、2はア
クセル開度センサー、3は演算機構、4と5はモータド
ライバ、6、7と13はモータ、11はバッテリー、12はモ
ーター用変速機を示す。 第1図において、車輪駆動用モータ6、7は、一方が
右側の車輪を駆動するものであり、他方が左側の車輪を
駆動するものである。遠心力検出機構1は、車両が旋回
するときにその荷重に基づいて車両に作用する遠心力を
検出するものであり、周知の如く車両の遠心力は、加速
度が大きいほど、車両の荷重が大きいほど大きくなる。
したがって、例えば加速度計で車両の進行方向に直角な
横方向の加速度を検出し、その加速度と車両の荷重から
遠心力を算出してもよいし、ハンドルの操舵角と車速を
検出し、それらの検出値と車両の荷重から遠心力を算出
してもよい。つまり、遠心力検出機構1は、このような
横方向の加速度を検出する加速度計、又はハンドルの操
舵角を検出する舵角センサーと車速を検出する車速セン
サーを用いて、これらの値と車両にとって既知の値であ
る車両の荷重から車両に作用する遠心力を検出するもの
である。 アクセル開度センサー2は、アクセルペダルの踏み込
み操作量を駆動力の要求値として検出する駆動力要求値
検出手段であり、例えばアクセルペダルのストロークを
可変抵抗で電圧に変換して検出するものである。演算機
構3は、車輪駆動用モータ6、7の駆動力を独立に設定
してモータドライバ4、5を制御するものであり、その
ために、遠心力検出機構1から遠心力を読み込んで遠心
力の大きさから左右の車両間の接地荷重の移動量を求め
ると共に、アクセル開度センサー2からアクセルペダル
の踏み込み操作量を読み込んで駆動力の要求値を求め
て、左右の車輪の接地荷重に対応した駆動力を設定する
ものである。 遠心力検出機構1より遠心力が検出されない直進走行
時には、車両の荷重が左右の車輪に均等に配分される
が、遠心力検出機構1より遠心力が検出される旋回時に
は、その遠心力に基づくモーメントが車両の重心位置の
高さと左右の車輪までの間隔に応じて作用する。このモ
ーメントは、遠心力の作用点とベクトルの方向及び左右
の車輪の接地点の関係から明らかなように接地点に対し
外側の車輪には正に、内側の車輪には負に作用するの
で、外側の車輪の接地荷重が大きくなり、内側の車輪に
は接地荷重が小さくなる。つまり、旋回時には、左右の
車輪の接地荷重が遠心力に応じて外側に移動する。 車輪の接地荷重は、大きくなるほど車輪と路面との摩
擦係数が大きくなるので、スリップが生じにくくなる。
つまり、スリップ限界値は、車輪の接地荷重に応じて大
きくなるので、車輪の接地荷重が大きくなるとそれだけ
駆動力も増やすことができる。したがって、演算機構3
は、駆動力の要求値を直進時であれば左右の車輪に均等
に配分するが、旋回時になると、接地荷重の移動量に応
じて内側の車輪の配分を減らし外側の車輪の配分を増や
して前記左右の車輪の駆動力を設定するものであり、こ
のことにより、走行の安定性を向上させることができ
る。 駆動力の配分比率は、車両の重量や重心位置、車幅、
タイヤの摩擦係数その他の特性が決まれば、遠心力に対
応して一義的に決めることができるので、例えば遠心力
と配分比率をルックアップテーブルに設定して、遠心力
検出機構1から遠心力を読み込む毎にルックアップテー
ブルから遠心力の値をアドレスとして駆動力の配分比率
を読み出すようにしてもよいし、遠心力から駆動力の配
分比率を求める演算式を設定して遠心力検出機構1から
遠心力を読み込む毎にその演算式を用いた演算を行うよ
うにしてもよい。このように駆動力の配分を決定する変
動要素は遠心力であり、車両の荷重やその重心位置等の
車両固有のデータは固定要素であるので、勿論、遠心力
を求める要素である加速度計により検出される加速度
や、ハンドルの操舵角と車速を変数として同様にルック
アップテーブルや演算式を用いて駆動力の配分比率を求
めることができることもいうまでもない。 このように本発明に係る電動機付車両の駆動力制御装
置は、2輪駆動輪や前輪駆動車で、複数のモータを有
し、左右輪の駆動力を独立に制御できるものに適用され
る。その電動機付車両の駆動力制御装置の主要部を搭載
した様子を示したのが第2図である。第2図に示す例
は、駆動電源としてのバッテリー11、モーター用変換機
12と共に2つのモーター13を4輪車の後輪側に搭載した
ものであり、それぞれのモーター13が独立に制御され
る。従って、図示しないが、これらのモーター13を制御
するために第1図に示した遠心力検出機構、アクセル開
度センサー、演算機構やモータドライバー等が搭載され
ることは勿論である。 次に演算機構3による処理の流れを第3図により説明
する。 まず、システムをスタートさせると初期化を行う。次
に遠心力検出機構から遠心力の検出信号を入力し、遠心
力と車両の荷重から左右輪の荷重移動量を計算する。な
お、車両の荷重は、予めその値が与えられている。さら
に、アクセル開度センサーからアクセル開度の検出信号
を読み込んで要求駆動力を演算する。そして、左右輪の
荷重配分に合わせて要求駆動力について左右輪への配分
値を求めてその配分値を左右輪のモータドライバーへ送
出し、左右輪の駆動力を制御する。 本発明を適用した車両の例を示したのが第4図である
が、そのうち同図(a)は2つのモータ21で後の左右輪
を駆動する所謂後2輪駆動の場合の例を示したものであ
る。前2輪駆動にも同様に適用できることはいうまでも
ない。また、同図(b)は4つのモータ21で全4輪を独
立に駆動する場合の例を示したものであり、同図(c)
は前輪をエンジン22で駆動し、後左右輪を独立してモー
ター21で駆動する場合の例を示したものである。 なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものでは
なく、種々の変形が可能である。例えば上記の実施例で
は、遠心力とアクセル開度に従って左右輪の駆動力を配
分したが、さらに路面センサーを設けて路面の摩擦係数
よりスリップ限界トルクを求め、スリップ限界トルク以
下に駆動力を制限するように構成してもよい。また、4
輪車の左右輪を制御する例で説明したが、三輪車に適用
してもよい。 以上の説明から明らかなように、コーナーリング時の
限界スピードは、通常、左右輪の接地荷重の低い方で決
定されるが、本発明によれば、左右輪それぞれの接地荷
重に応じてスリップ限界値まで独立に駆動力を制御する
ことができるため、コーナーリング時の加速力を大幅に
向上させることができる。
機付車両の駆動力制御装置に関する。 〔従来の技術〕 一般に電気自動車に代表される電動機付車両は、通常
1個の電動機を有し、デファレンシャルギヤ等で駆動力
を分配している。そのため、左右の駆動力配分比は一定
となる。 また、後輪の左右輪を独立して駆動できるように電動
機を2つ配置した例も提案(実公昭55−138129号公報)
されている。これは、車速が設定値以下の走行状態にお
いてアクセルペダルが踏み込まれたときに電動機を運転
して4輪駆動にするものである。 〔発明が解決しようとする問題点〕 ところで、高速で旋回する車両は、車体に遠心力が発
生するため左右輪で接地荷重が移動し、旋回内側の車輪
の接地荷重は軽くなり、外輪の接地荷重は増加する。 上記従来の車両のうち前者のような一般車両において
は、デファレンシャルギヤにより左右輪のトルクが等し
くなるように構成されているため、内輪側の接地荷重が
軽くなり駆動力の伝達限界が低下すると、それに伴い外
輪側の駆動力の伝達限界も同様に低下する。このためス
リップする限界速度が低下する結果となる。 また、上記従来の車両のうち後者のものは、単に特定
の走行条件のときのみ4輪駆動するだけであるので、旋
回時に接地荷重が移動してもその接地荷重の移動に応じ
て駆動力を有効に配分するということはできない。すな
わち、車速が設定値以下の低速走行中において、特にア
クセルペダルを踏み込んだときのみ電動機による駆動力
を利用するものであり、一時的に4輪駆動とするにすぎ
ない。電動機付車両では、電動機の消費電力を大きくす
ると、電動機の出力は大きくなり車両の駆動力が大きく
なる。しかし、この方式では、駆動力を上げるために消
費電力を大きくすると、電源としてエンジンに結合した
発電機の出力を使っているため、その分エンジンの負担
が重くなって他方の車輪への駆動力が低下する。このよ
うに前後輪はもとより左右輪の駆動力も独立して制御す
ることはできない。 本発明は、上記の考察に基づくものであって、左右輪
のトルクを独立で制御し接地荷重に合わせて駆動力をか
けることにより有効に駆動力を分配するようにした電動
機付車両の駆動力制御装置を提供することを目的とする
ものである。 〔問題点を解決するための手段〕 そのために本発明は、左右の車輪を独立して駆動する
電動機を備えた電動機付車両の駆動力制御装置であっ
て、車両の旋回時に当該車両に作用する遠心力を検出す
る遠心力検出手段と、要求する駆動力の大きさに応じて
操作される量を駆動力の要求値として検出する駆動力要
求値検出手段と、前記遠心力検出手段より遠心力が検出
されない直進走行時には左右の車輪のそれぞれに前記駆
動力の要求値を均等に配分し、前記遠心力検出手段より
遠心力が検出される車両の旋回時には前記遠心力に応じ
て内側の車輪の駆動力を減らし外側の車輪の駆動力を増
やすように前記駆動力の要求値を左右の車輪のそれぞれ
に配分して該左右の車輪の駆動力を設定し電動機を制御
する演算制御手段とを備えたことを特徴とするものであ
る。 〔作用および効果〕 本発明の電動機付車両の駆動力制御装置では、左右の
車輪を独立して駆動する電動機を備え、左右の車輪の接
地荷重が均等になる直進時に対し、旋回時にはその時の
遠心力より左右の車輪間の接地荷重の移動量を求めて、
それら左右の車輪の接地荷重に対応して駆動力の要求値
を増減して各車輪に対する駆動力を設定し、その設定に
基づいて電動機を制御するので、左右輪の接地荷重に応
じ、接地荷重が大きくなる外側の車輪に接地荷重が小さ
くなる内側の車輪より大きな駆動力を配分することがで
き、駆動力を最大限に引き出すことができる。従って、
接地荷重が大きくなってスリップ限界値の大きくなって
いる外側の車輪の方に駆動力を多く配分することがで
き、コーナリング時においてもスリップを防止しつつ加
速力を向上させることができる。 〔実施例〕 以下、図面を参照しつつ実施例を説明する。 第1図は本発明に係る電動機付車両の駆動力制御装置
の1実施例構成を示す図、第2図は駆動系を車両に搭載
した様子を示す図、第3図は演算機構による処理の流れ
を説明するための図、第4図は本発明を適用した車両の
例を示す図である。図中、1は遠心力検出機構、2はア
クセル開度センサー、3は演算機構、4と5はモータド
ライバ、6、7と13はモータ、11はバッテリー、12はモ
ーター用変速機を示す。 第1図において、車輪駆動用モータ6、7は、一方が
右側の車輪を駆動するものであり、他方が左側の車輪を
駆動するものである。遠心力検出機構1は、車両が旋回
するときにその荷重に基づいて車両に作用する遠心力を
検出するものであり、周知の如く車両の遠心力は、加速
度が大きいほど、車両の荷重が大きいほど大きくなる。
したがって、例えば加速度計で車両の進行方向に直角な
横方向の加速度を検出し、その加速度と車両の荷重から
遠心力を算出してもよいし、ハンドルの操舵角と車速を
検出し、それらの検出値と車両の荷重から遠心力を算出
してもよい。つまり、遠心力検出機構1は、このような
横方向の加速度を検出する加速度計、又はハンドルの操
舵角を検出する舵角センサーと車速を検出する車速セン
サーを用いて、これらの値と車両にとって既知の値であ
る車両の荷重から車両に作用する遠心力を検出するもの
である。 アクセル開度センサー2は、アクセルペダルの踏み込
み操作量を駆動力の要求値として検出する駆動力要求値
検出手段であり、例えばアクセルペダルのストロークを
可変抵抗で電圧に変換して検出するものである。演算機
構3は、車輪駆動用モータ6、7の駆動力を独立に設定
してモータドライバ4、5を制御するものであり、その
ために、遠心力検出機構1から遠心力を読み込んで遠心
力の大きさから左右の車両間の接地荷重の移動量を求め
ると共に、アクセル開度センサー2からアクセルペダル
の踏み込み操作量を読み込んで駆動力の要求値を求め
て、左右の車輪の接地荷重に対応した駆動力を設定する
ものである。 遠心力検出機構1より遠心力が検出されない直進走行
時には、車両の荷重が左右の車輪に均等に配分される
が、遠心力検出機構1より遠心力が検出される旋回時に
は、その遠心力に基づくモーメントが車両の重心位置の
高さと左右の車輪までの間隔に応じて作用する。このモ
ーメントは、遠心力の作用点とベクトルの方向及び左右
の車輪の接地点の関係から明らかなように接地点に対し
外側の車輪には正に、内側の車輪には負に作用するの
で、外側の車輪の接地荷重が大きくなり、内側の車輪に
は接地荷重が小さくなる。つまり、旋回時には、左右の
車輪の接地荷重が遠心力に応じて外側に移動する。 車輪の接地荷重は、大きくなるほど車輪と路面との摩
擦係数が大きくなるので、スリップが生じにくくなる。
つまり、スリップ限界値は、車輪の接地荷重に応じて大
きくなるので、車輪の接地荷重が大きくなるとそれだけ
駆動力も増やすことができる。したがって、演算機構3
は、駆動力の要求値を直進時であれば左右の車輪に均等
に配分するが、旋回時になると、接地荷重の移動量に応
じて内側の車輪の配分を減らし外側の車輪の配分を増や
して前記左右の車輪の駆動力を設定するものであり、こ
のことにより、走行の安定性を向上させることができ
る。 駆動力の配分比率は、車両の重量や重心位置、車幅、
タイヤの摩擦係数その他の特性が決まれば、遠心力に対
応して一義的に決めることができるので、例えば遠心力
と配分比率をルックアップテーブルに設定して、遠心力
検出機構1から遠心力を読み込む毎にルックアップテー
ブルから遠心力の値をアドレスとして駆動力の配分比率
を読み出すようにしてもよいし、遠心力から駆動力の配
分比率を求める演算式を設定して遠心力検出機構1から
遠心力を読み込む毎にその演算式を用いた演算を行うよ
うにしてもよい。このように駆動力の配分を決定する変
動要素は遠心力であり、車両の荷重やその重心位置等の
車両固有のデータは固定要素であるので、勿論、遠心力
を求める要素である加速度計により検出される加速度
や、ハンドルの操舵角と車速を変数として同様にルック
アップテーブルや演算式を用いて駆動力の配分比率を求
めることができることもいうまでもない。 このように本発明に係る電動機付車両の駆動力制御装
置は、2輪駆動輪や前輪駆動車で、複数のモータを有
し、左右輪の駆動力を独立に制御できるものに適用され
る。その電動機付車両の駆動力制御装置の主要部を搭載
した様子を示したのが第2図である。第2図に示す例
は、駆動電源としてのバッテリー11、モーター用変換機
12と共に2つのモーター13を4輪車の後輪側に搭載した
ものであり、それぞれのモーター13が独立に制御され
る。従って、図示しないが、これらのモーター13を制御
するために第1図に示した遠心力検出機構、アクセル開
度センサー、演算機構やモータドライバー等が搭載され
ることは勿論である。 次に演算機構3による処理の流れを第3図により説明
する。 まず、システムをスタートさせると初期化を行う。次
に遠心力検出機構から遠心力の検出信号を入力し、遠心
力と車両の荷重から左右輪の荷重移動量を計算する。な
お、車両の荷重は、予めその値が与えられている。さら
に、アクセル開度センサーからアクセル開度の検出信号
を読み込んで要求駆動力を演算する。そして、左右輪の
荷重配分に合わせて要求駆動力について左右輪への配分
値を求めてその配分値を左右輪のモータドライバーへ送
出し、左右輪の駆動力を制御する。 本発明を適用した車両の例を示したのが第4図である
が、そのうち同図(a)は2つのモータ21で後の左右輪
を駆動する所謂後2輪駆動の場合の例を示したものであ
る。前2輪駆動にも同様に適用できることはいうまでも
ない。また、同図(b)は4つのモータ21で全4輪を独
立に駆動する場合の例を示したものであり、同図(c)
は前輪をエンジン22で駆動し、後左右輪を独立してモー
ター21で駆動する場合の例を示したものである。 なお、本発明は、上記の実施例に限定されるものでは
なく、種々の変形が可能である。例えば上記の実施例で
は、遠心力とアクセル開度に従って左右輪の駆動力を配
分したが、さらに路面センサーを設けて路面の摩擦係数
よりスリップ限界トルクを求め、スリップ限界トルク以
下に駆動力を制限するように構成してもよい。また、4
輪車の左右輪を制御する例で説明したが、三輪車に適用
してもよい。 以上の説明から明らかなように、コーナーリング時の
限界スピードは、通常、左右輪の接地荷重の低い方で決
定されるが、本発明によれば、左右輪それぞれの接地荷
重に応じてスリップ限界値まで独立に駆動力を制御する
ことができるため、コーナーリング時の加速力を大幅に
向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る電動機付車両の駆動力制御装置の
1実施例構成を示す図、第2図は駆動系を車両に搭載し
た様子を示す図、第3図は演算機構による処理の流れを
説明するための図、第4図は本発明の適用車の例を示す
図である。 1……遠心力検出機構、2……アクセル開度センサー、
3……演算機構、4と5……モータドライバ、6、7と
13……モータ、11……バッテリー、12……モーター用変
速機。
1実施例構成を示す図、第2図は駆動系を車両に搭載し
た様子を示す図、第3図は演算機構による処理の流れを
説明するための図、第4図は本発明の適用車の例を示す
図である。 1……遠心力検出機構、2……アクセル開度センサー、
3……演算機構、4と5……モータドライバ、6、7と
13……モータ、11……バッテリー、12……モーター用変
速機。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.左右の車輪を独立して駆動する電動機を備えた電動
機付車両の駆動力制御装置であって、 車両の旋回時に当該車両に作用する遠心力を検出する遠
心力検出手段と、 要求する駆動力の大きさに応じて操作される量を駆動力
の要求値として検出する駆動力要求値検出手段と、 前記遠心力検出手段より遠心力が検出されない直進走行
時には左右の車輪のそれぞれに前記駆動力の要求値を均
等に配分し、前記遠心力検出手段より遠心力が検出され
る車両の旋回時には前記遠心力に応じて内側の車輪の駆
動力を減らし外側の車輪の駆動力を増やすように前記駆
動力の要求値を左右の車輪のそれぞれに配分して該左右
の車輪の駆動力を設定し電動機を制御する演算制御手段
と を備えたことを特徴とする電動機付車両の駆動力制御装
置。 2.前記遠心力検出手段は、加速度計により車両の進行
方向に直角な横方向の加速度を検出し、該検出した加速
度と車両の荷重から遠心力を求めることを特徴とする特
許請求の範囲第1項記載の電動機付車両の駆動力制御装
置。 3.前記遠心力検出手段は、ハンドルの操舵角と車速を
検出し、該検出したハンドルの操舵角と車速と車両の荷
重から遠心力を求めることを特徴とする特許請求の範囲
第1項記載の電動機付車両の駆動力制御装置。 4.前記駆動力要求値検出手段は、アクセル開度を検出
し、該検出したアクセル開度から駆動力の要求値を求め
ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の電動機
付車両の駆動力制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62025736A JP2660992B2 (ja) | 1987-02-06 | 1987-02-06 | 電動機付車両の駆動力制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62025736A JP2660992B2 (ja) | 1987-02-06 | 1987-02-06 | 電動機付車両の駆動力制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63195033A JPS63195033A (ja) | 1988-08-12 |
JP2660992B2 true JP2660992B2 (ja) | 1997-10-08 |
Family
ID=12174102
Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1987
- 1987-02-06 JP JP62025736A patent/JP2660992B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20120265384A1 (en) * | 2010-10-11 | 2012-10-18 | Pg Drives Technology Limited | Controller and Control Method for a Motorised Vehicle |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPS63195033A (ja) | 1988-08-12 |
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