JP2008126859A - 車両制動力制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 停止ショック低減制御とABSとを併用する場合において、車両が停止状態に移行する際にABSが作動しても停止ショックを抑制すること。
【解決手段】 車両用ブレーキ制御装置1は、車輪のロックを抑制するために左右輪の制動力を独立に制御可能なABS制御部15aと、車両の車速が閾値未満になった場合に車両の制動力を低減させ、車両が停止した時に制動力を増大させる停止ショック低減制御部15bとを備え、車両の車速が閾値未満になった場合に、ABS制御部15aによる制御を、左右輪の各輪に基づく独立制御から左右輪のうち車輪速が低い方の車輪に基づくローセレクト制御に切り替えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、車両制動力制御装置に関するものである。
走行中の車両を停止させるために停止時まで大きな制動力をかけ続けると、車両停止時に車両の減速度が一定値から急にゼロになることで、その車両にノーズダイブによる揺れ戻し現象が発生する。この揺れ戻し現象が発生すると、車両の乗員は、停止ショックを受け不快感を覚えるため、従来から、停止ショック低減制御を行う車両制動力制御装置が開発されている。この停止ショック低減制御は、車速が所定の閾値以下になった場合にホイールシリンダ圧を下げ(車両の制動力を低減させ)、その後車両が停止した瞬間に、一定勾配でホイールシリンダ圧を増大させる(車両の制動力を増大させる)ものである。特に、下記特許文献1には、車速が基準値以下になったときにブレーキシリンダ液圧を減圧する場合に、その減圧制御が開始されるまでの車両減速度が低いほど1回当たりの減圧時間を短く設定することで、ブレーキシリンダ減圧の落とし過ぎを回避する車両用ブレーキ装置が開示されている。
特開昭64−74154号公報 特開平11−070874号公報 特開2000−043697号公報 特開平10−157602号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の車両用ブレーキ装置とアンチロックブレーキシステム(Anti lock Brake System、以下「ABS」という)とを併用すると、本来停止ショック低減制御が実行されるべき時にABSが早期作動する場合がある。このABSの早期作動は、緊急制動時に限らず、例えば、車両が濡れた鉄板や段差を通過するときにも起こりうる。ABSが早期作動すると、ABSによる制御が停止ショック低減制御よりも優先されるため、車両が停止状態に移行する際にその車両の減速度が低減されない。その結果、車両停止時に車両の減速度が一定値から急にゼロになり、上述した揺れ戻し現象が発生するおそれがある。
本発明は、上記課題を解決する為になされたものであり、停止ショック低減制御とABSとを併用する場合において、車両が停止状態に移行する際にABSが作動しても停止ショックを抑制することが可能な車両制動力制御装置を提供することを目的とする。
本発明の車両制動力制御装置は、車輪のロックを抑制するために左右輪の制動力を独立に制御可能なABS制御手段と、車両の車速が閾値未満になった場合に車両の制動力を低減させ、車両が停止した時に制動力を増大させる停止時制御手段とを備え、車両の車速が閾値未満になった場合に、ABS制御手段による制御を、左右輪の各輪に基づく独立制御から左右輪のうち車輪速が低い方の車輪に基づくローセレクト制御に切り替えることを特徴とする。
このような車両制動力制御装置によれば、車両の車速が閾値未満になった場合に、ABS制御手段による制御が独立制御からローセレクト制御に切り替えられる。ここで、独立制御とは、左右輪の制動力を独立に制御することであり、ローセレクト制御(セレクトロー制御ともいう)とは、左右輪の制動力をその左右輪のうち車輪速が低い方の車輪の制動力に合わせるように制御することである。そのため、停止状態に移行するときにABS制御手段による制御が作動しても、左右輪の一方の制動力は他方の制動力に合わせて低減させられることになり、独立制御時よりも制動力を低減させることができる。その結果、車両が停止する直前の減速度を低くして、車両停止時の停止ショックを抑制することが可能になる。
本発明の車両制動力制御装置では、左右輪は、左右後輪であることが好ましい。この場合、車両の車速が閾値未満になると、ABS制御手段による左右後輪の制御が独立制御からローセレクト制御に切り替えられる。そのため、転舵輪であり且つ制動力配分が多い前輪側では独立制御を継続することで高い操向安定性と制動効率を維持する一方で、後輪側ではローセレクト制御を行うことで停止ショックを低減することができる。
このような車両制動力制御装置によれば、停止ショック低減制御とABSとを併用する場合において、車両が停止状態に移行する際にABSが作動しても停止ショックを抑制することができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態では、本発明に係る車両制動力制御装置を、停止ショック低減制御とABS制御とを行う車両用ブレーキ制御装置に適用する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
まず、図1を用いて、実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置1の構成について説明する。図1は、実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置1の構成を示す図である。
車両用ブレーキ制御装置1は、この装置が搭載されている車両(図示せず)の運転者がブレーキをかけたときに、ABS制御及び停止ショック低減制御により車両の制動力を制御するものである。特に、車両用ブレーキ制御装置1は、車体速(車速)が所定の閾値未満になったときに、左右後輪に対するABS制御を独立制御からローセレクト制御に切り替える。このために、車両用ブレーキ制御装置1は、車輪速センサ11a〜11dと、加速度センサ12と、マスタシリンダ圧センサ14と、ブレーキ制御用電子制御装置(以下「ブレーキ制御用ECU」という)15と、ブレーキアクチュエータ16a〜16dとを備えている。
車輪速センサ11a〜11dは、車両の各車輪(図示せず)にそれぞれ設けられ、対応する車輪の回転速度を検出する。そして、車輪速センサ11a〜11dは、検出した回転速度を示す車輪速信号をブレーキ制御用ECU15に出力する。
加速度センサ12は、車両の所定の箇所に設けられ、車両の加速度を検出する。そして、加速度センサ12は、検出した加速度を示す加速度信号をブレーキ制御用ECU15に出力する。
マスタシリンダ圧センサ14は、マスタシリンダ(図示せず)に設けられ、そのマスタシリンダ内の液圧を検出する。そして、マスタシリンダ圧センサ14は、検出した液圧を示す液圧信号をブレーキ制御用ECU15に出力する。
ブレーキ制御用ECU15は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などから構成される。このブレーキ制御用ECU15は、車輪速センサ11a〜11dから入力された車輪速信号と、加速度センサ12から入力された加速度信号と、マスタシリンダ圧センサ14から入力された液圧信号とに基づいて車両の制動力、すなわち各車輪に対応するホイールシリンダ(図示せず)の液圧(ホイールシリンダ圧)を決定する。そして、ブレーキ制御用ECU15は、ホイールシリンダ圧を決定した圧(目標ホイールシリンダ圧)にするための制御信号をブレーキアクチュエータ16a〜16dに出力する。
このために、ブレーキ制御用ECU15は、ABS制御部(ABS制御手段)15aと、停止ショック低減制御部(停止時制御手段)15bと、調停部15cとを備えている。車輪速センサ11a〜11dからの車輪速信号、加速度センサ12からの加速度信号、及びマスタシリンダ圧センサ14からの液圧信号は、それぞれABS制御部15aと停止ショック低減制御部15bとの双方に入力される。ブレーキ制御用ECU15は、入力された各車輪速信号に基づいて四輪それぞれの車輪速を算出し、それら車輪速から車体速を算出する。また、ブレーキ制御用ECU15は、加速度信号に基づいて減速度を算出する。
ABS制御部15aは、ブレーキ制御用ECU15により算出された車輪速及び減速度と、マスタシリンダ圧センサ14からの液圧信号とに基づいてホイールシリンダ圧を決定する。このABS制御部15aは、各ホイールシリンダ圧を独立して決定することができる4チャンネル方式を採用しており、各車輪の制動力を独立に制御可能である。また、ABS制御部15aは、後輪に対して、左右輪のホイールシリンダ圧をこれらホイールシリンダ圧のうち低い方に合わせるローセレクト制御(左右輪のうち車輪速が低い方の車輪に基づくローセレクト制御)を行うことが可能である。
具体的には、ABS制御部15aは、ブレーキ制御用ECU15により算出された車輪速及び減速度に基づいて各車輪のロック状態を判定し、ある車輪がロック状態になる可能性が高いと判定した場合に、その車輪に対応するホイールシリンダ圧を下げるための減圧信号を調停部15cに出力する。また、ABS制御部15aは、ロック状態にならないと判定した車輪に対応するホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧センサ14からの信号に基づくホイールシリンダ圧にするための増圧信号を調停部15cに出力する。
例えば、算出された車輪速が所定の閾値を下回り、且つ、算出された加速度の減少の度合いが小さい(減速度が小さい)場合に、ABS制御部15aは、車両が低μ路を走行中で且つ車輪がロック状態になる可能性が高いと判断し、減圧信号を出力する。そして、ホイールシリンダ圧を下げたことにより車輪速が所定の閾値を上回った場合に、ABS制御部15aは、マスタシリンダ圧に応じた制動力に戻すための増圧信号を出力する。
ABS制御部15aは、通常は、ブレーキ制御用ECU15により算出された車輪速及び減速度と液圧信号とに基づいて独立制御を行う。しかし、ABS制御中に、算出された減速度(正の値)が所定の閾値Gより大きく(負の加速度が所定の閾値よりも小さく)且つ算出された車体速が所定の閾値V未満になった場合(停止ショック低減制御の開始条件が成立した場合)、ABS制御部15aは、左右前輪に対しては独立制御を維持したまま、左右後輪に対する制御を独立制御からローセレクト制御に切り替える。次いで、ABS制御部15aは、停止時のショックを低減するために、特定のABS制御パターンによりホイールシリンダ圧を低減させるための減圧信号を調停部15cに出力する。そして、車体速が0になった時(車両が停止した時)に、ABS制御部15aは、車両の制動力をマスタシリンダ圧に応じたものに戻すために、ホイールシリンダ圧を一定勾配で増大させるための増圧信号を出力する。
なお、ABS制御部15aが独立制御からローセレクト制御に切り替える条件である車体速の閾値Vとは、車両が停止する直前の低い速度である。同様に、減速度の閾値Gとは、減速度がゼロになった時(車両停止時)に停止ショックが発生するおそれがあり、その停止ショックを抑制する必要が生じる程の高い減速度である。これら二つの閾値は、停止ショック低減制御の開始条件の閾値であり、停止ショック低減制御部15bでも用いられる。
停止ショック低減制御部15bは、ブレーキ制御用ECU15により算出された車体速及び減速度と、マスタシリンダ圧センサ14からの液圧信号とに基づいてホイールシリンダ圧を制御する。
具体的には、停止ショック低減制御部15bは、まず、算出された減速度(正の値)が所定の閾値Gより大きく且つ算出された車体速が所定の閾値V未満である場合に、停止時のショックを低減するために、ホイールシリンダ圧を下げるための減圧信号を調停部15cに出力する。そして、車体速が0になった時(車両が停止した時)に、停止ショック低減制御部15bは、車両の制動力をマスタシリンダ圧に応じたものに戻すために、ホイールシリンダ圧を一定勾配で増大させるための増圧信号を調停部15cに出力する。すなわち、停止ショック低減制御部15bは、車体速が閾値未満になった場合に車両の制動力を低減させ、車両が停止した時にその制動力を増大させる。
調停部15cは、ABS制御部15aから入力された信号(増圧信号又は減圧信号)と、停止ショック低減制御部15bから入力された信号(増圧信号又は減圧信号)に基づいて目標ホイールシリンダ圧を決定し、ホイールシリンダ圧を目標ホイールシリンダ圧にするための制御信号をブレーキアクチュエータ16a〜16dに出力する。具体的には、信号がABS制御部15a又は停止ショック低減制御部15bのいずれかからのみ入力された場合、調停部15cは、その信号をそのまま制御信号として出力する。また、ABS制御部15a及び停止ショック低減制御部15bの双方から信号が入力された場合、調停部15cは、ABS制御部15aから入力された信号を制御信号として出力する。これは、ABS制御による安全性を重視するためである。
ブレーキアクチュエータ16a〜16dは、各ホイールシリンダ(図示せず)にそれぞれ設けられている。ブレーキアクチュエータ16a〜16dは、ブレーキ制御用ECU15から入力された制御信号に基づいて、マスタシリンダから入力された液圧を対応するホイールシリンダへ出力するブレーキ圧に変換する。このために、ブレーキアクチュエータ16a〜16dは、調圧弁とこの調圧弁の開度を変えるためのモータなどを備えている。そして、ブレーキアクチュエータ16a〜16dは、調停部15cからの制御信号に基づいてモータを回転駆動させて調圧弁を作動させ、その調整弁の開度を調整することで、各ホイールシリンダ圧を変化させる。
次に、図2を参照して、車両の運転者が走行中にブレーキペダルを踏んで自車両を停止させようとする場合の車両用ブレーキ制御装置1の処理について説明する。図2は、図1に示す車両用ブレーキ制御装置1の処理を示すフローチャートである。
この場合、車両用ブレーキ制御装置1では、常に又は一定間隔で、車輪速センサ11a〜11dが車輪速を検出し、加速度センサ12が加速度を検出し、マスタシリンダ圧センサ14がマスタシリンダ圧を検出する。そして、これら各センサからの信号がブレーキ制御用ECU15に入力される。
ブレーキ制御用ECU15では、まず、加速度センサ12から入力された加速度信号に基づいて減速度が算出され、その減速度(正の値)が所定の閾値Gより大きいか否かが判定される(ステップS11)。そして、減速度が閾値Gより大きいと判定された場合は(ステップS11;YES)、車輪速センサ11a〜11dから入力された車輪速信号に基づいて車体速が算出され、その車体速が所定の閾値V未満であるか否かが判定される(ステップS12)。ここで、車体速が所定の閾値V未満である場合は(ステップS12;YES)、ホイールシリンダ圧を低減する制御(停止ショックを低減するための制御)が行われるが、ABS制御部15aによるABS制御が行われているか否かで、ABS制御部15a及び停止ショック低減制御部15bのうちどちらからの信号をブレーキアクチュエータ16a〜16dへの制御信号として出力するかが異なる(ステップS13)。
ABS制御部15aによるABS制御が実行されている場合は(ステップS13;YES)、調停部15cによって、ABS制御部15aからの減圧信号が制御信号としてブレーキアクチュエータ16a〜16dに出力される。すなわち、ABS制御部15aからの減圧信号によってホイールシリンダ圧低減制御が行われる。具体的には、まず、左右前輪の制動力制御は独立制御を維持されたまま、ABS制御部15aにより左右後輪の制動力制御が独立制御からローセレクト制御に切り替えられる(ステップS14)。
そして、ABS制御部15aによって、ホイールシリンダ圧を低減させるための減圧信号が調停部15cに出力され、調停部15cによりその減圧信号に基づく制御信号がブレーキアクチュエータ16a〜16dに出力される。特に、左右後輪については、ホイールシリンダ圧が低い方の車輪に合わせて左右両輪のホイールシリンダ圧が決定される。これにより各ホイールシリンダの調整弁が開かれるので、ホイールシリンダ圧が低減し(車両の制動力が低減し)、その結果、車両の減速度(正の値)が低減する(ステップS15)。特に、この場合は後輪の制動力がより低減されるので、車両の減速度もより小さくなる。
その後、ABS制御部15aにおいて、算出された車体速に基づいて車両が停止したか否かが判定される(ステップS16)。ここで、車両が停止したと判定された場合は(ステップS16;YES)、ABS制御部15aにより、ホイールシリンダ圧を増大させるための増圧信号が調停部15cに出力され、調停部15cによりその増圧信号に基づく制御信号がブレーキアクチュエータ16a〜16dに出力される。これにより各ホイールシリンダの調整弁が閉じられるので、各輪のホイールシリンダ圧は運転者のブレーキ操作に応じた圧力まで戻る(ステップS17)。その結果、車両を停止させ続けるのに必要な制動力が確保される。一方、車両がまだ停止していないと判定された場合には(ステップS16;NO)、ABS制御部15aによるホイールシリンダ圧低減制御(ステップS15)が繰り返し実行される。
一方、上記ステップS13において、ABS制御部15aによるABS制御が行われていない場合は(ステップS13;NO)、停止ショック低減制御部15bにより、ホイールシリンダ圧を低減させるための減圧信号が調停部15cに出力され、調停部15cによりその減圧信号に基づく制御信号がブレーキアクチュエータ16a〜16dに出力される。これにより各ホイールシリンダの調整弁が開かれるので、ホイールシリンダ圧が低減し、その結果、車両の減速度(正の値)が低減する(ステップS18)。
その後、停止ショック低減制御部15bにおいて、算出された車体速に基づいて車両が停止したか否かが判定される(ステップS19)。ここで、車両が停止したと判定された場合は(ステップS19;YES)、停止ショック低減制御部15bにより、ホイールシリンダ圧を増大させるための増圧信号が調停部15cに出力され、調停部15cによりその増圧信号に基づく制御信号がブレーキアクチュエータ16a〜16dに出力される。これにより各ホイールシリンダの調整弁が閉じられるので、各輪のホイールシリンダ圧は運転者のブレーキ操作に応じた圧力まで戻る(ステップS20)。その結果、車両を停止させ続けるのに必要な制動力が確保される。一方、車両がまだ停止していないと判定された場合には(ステップS19;NO)、停止ショック低減制御部15bによるホイールシリンダ圧低減制御(ステップS18)が繰り返し実行される。
次に、図3及び4を用いて、図1に示す車両用ブレーキ制御装置1を用いた場合、及び従来の車両用ブレーキ制御装置を用いた場合のそれぞれにおける左右後輪のホイールシリンダ圧の時間変化を比較する。ここで、従来の車両用ブレーキ制御装置は、車体速が所定の閾値Vになっても独立制御からローセレクト制御への切替が行われないものである。図3及び4は、それぞれ、車両走行中にその車両の運転者がブレーキペダルを踏んでから車両停止後所定時間が経過するまでの、ABS制御作動中の左右後輪に対応するホイールシリンダ圧の時間変化を示すグラフである。図3及び4は、車両用ブレーキ制御装置1及び従来の車両用ブレーキ制御装置にそれぞれ対応する。双方のグラフにおいて、縦軸はホイールシリンダ圧(MPa)であり、横軸は、運転者がブレーキペダルを踏んでからの経過時間(秒)である。また、時間t0(秒)は車体速が所定の閾値V未満になった時を表し、時間t1(秒)はホイールシリンダ圧が実際に低減し始める時を表し、時間t2(秒)は車両が停止した時を表す。
車両用ブレーキ制御装置1及び従来の車両用ブレーキ制御装置のどちらの場合でも、運転者がブレーキペダルを踏んでから時間t0(秒)が経過するまでは、左右後輪のホイールシリンダ圧は一定勾配で上昇している。また、左後輪がロック状態になりかけているため、時間t0(秒)が経過するまでの間、左後輪の目標ホイールシリンダ圧PTL(P2TL)が右後輪の目標ホイールシリンダ圧PTR(P2TR)よりも低いように設定されている(独立制御されている)。そのため、左後輪の実際のホイールシリンダ圧(以下「実ホイールシリンダ圧」という)PRL(P2RL)は、右後輪の実ホイールシリンダ圧PRR(P2RR)よりも低い。
しかし、車体速が所定の閾値V未満になったt0(秒)を経過すると、車両用ブレーキ制御装置1が後輪側を独立制御からローセレクト制御に切り替えるので、車両用ブレーキ制御装置1と従来の車両用ブレーキ制御装置とでホイールシリンダ圧の時間変化が相違するようになる。
車両用ブレーキ制御装置1を用いた場合は、ABS制御部15aが独立制御からローセレクト制御に切り替えるため、右後輪の目標ホイールシリンダ圧PTRが左後輪の目標ホイールシリンダ圧PTLと同じになるように設定される。加えて、停止ショックを低減するために、左右後輪の目標ホイールシリンダ圧PTL及びPTRがそれぞれ低減される。その結果、時間t0(秒)から少し経過した時間t1(秒)以降、左後輪の実ホイールシリンダ圧PRLが低減されるとともに、右後輪の実ホイールシリンダ圧PRRが左後輪の実ホイールシリンダ圧PRLに合わせるように低減される。このように車両の減速度が低減されると、車両が停止して減速度がゼロになる際の減速度の変化も小さくなるので、その車両の乗員が受ける停止ショックが抑制される。その後、車両が停止すると、すなわち時間t2(秒)が経過すると、左右後輪のホイールシリンダ圧が一定勾配で増大するように制御される。
これに対して、従来の車両用ブレーキ制御装置を用いた場合は、独立制御からローセレクト制御への切替が行われない。そのため、停止ショックを低減するために左右後輪の目標ホイールシリンダ圧P2TL及びP2TRは共に低減こそするが、右後輪の目標ホイールシリンダ圧P2TRは、左後輪の目標ホイールシリンダ圧P2TLよりも常に高く設定され続ける。その結果、時間t1(秒)以降も、右後輪の実ホイールシリンダ圧P2RRが相対的に高い状態が続く。そのため、車両の減速度はあまり低減せず、その車両の乗員が停止ショックを受けるおそれが生ずる。その後、車両が停止すると(時間t2(秒)が経過すると)、左右後輪のホイールシリンダ圧が最終的に一致するように、それら各輪のホイールシリンダ圧がそれぞれ一定勾配で増大するように制御される。
本実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置1によれば、車両が停止状態に移行するときにABS制御部15aによる制御が作動していても、ABS制御が独立制御からローセレクト制御に切り替えられるので、独立制御時よりも制動力を低減させることができる。例えば、図4に示すように、従来の車両用ブレーキ制御装置を用いた場合は、右後輪のホイールシリンダ圧が左後輪のホイールシリンダ圧よりも高い状態が続くが、車両用ブレーキ制御装置1を用いた場合は、図3に示すように、左後輪のホイールシリンダ圧よりも高く推移していた右後輪のホイールシリンダ圧が、ローセレクト制御への切替によって左後輪のホイールシリンダ圧と同じ程度まで低減される。その結果、車両が停止する直前の減速度を低くして、車両停止時の停止ショックを抑制することが可能になる。
また、本実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置1では、車両が停止状態に移行するときに、ABS制御部15aによる左右後輪の制御が独立制御からローセレクト制御に切り替えられる。そのため、転舵輪であり且つ制動力配分が多い前輪側では独立制御を継続することで高い操向安定性と制動効率を維持する一方で、後輪側ではローセレクト制御を行うことで停止ショックを低減することができる。
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
上記実施形態では、ABS制御部15a自身が独立制御を行うかローセレクト制御を行うかを判断したが、ブレーキ制御用ECU15の他の部分、例えば調停部15cが車輪速信号及び加速度信号に基づいてABS制御部15aに独立制御又はローセレクト制御を行うように指示してもよい。
また、上記実施形態では、車両の減速度が所定の閾値Gより大きくなり且つ車体速が所定の閾値V未満になった場合、すなわち、ホイールシリンダ圧低減制御を開始する条件を満たした場合に、ABS制御部15a及び停止ショック低減制御部15bの双方が作動することがある。そして、これら双方が作動した場合には、調停部15cがABS制御部15aからの信号を制御信号として選択する。しかし、その条件を満たした場合の制御はこれに限定されない。例えば、その条件を満たした場合に、まず、ブレーキ制御用ECU15が、ABS制御部15aによるABS制御が実行されているか否かを検査する。そして、ABS制御実行中であれば、ABS制御部15aのみがホイールシリンダ圧低減制御を行い、ABS制御が行われていなければ、停止ショック低減制御部15bのみがホイールシリンダ圧低減制御を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態では、車体速が所定の閾値V未満になった場合に、ABS制御部15aが左右後輪に対してローセレクト制御を行ったが、ローセレクト制御を行う車輪はこれに限定されない。例えば、左右前輪に対してローセレクト制御を行ってもよいし、左右前輪及び左右後輪のそれぞれに対してローセレクト制御を行ってもよい。
実施形態に係る車両用ブレーキ制御装置の構成を示す図である。 図1に示す車両用ブレーキ制御装置の処理を示すフローチャートである。 図1に示す車両用ブレーキ制御装置を用いた場合の、左右後輪のホイールシリンダ圧の時間変化を示すグラフである。 従来の車両用ブレーキ制御装置を用いた場合の、左右後輪のホイールシリンダ圧の時間変化を示すグラフである。
符号の説明
1…車両用ブレーキ制御装置(車両制動力制御装置)、11a〜11d…車輪速センサ、12…加速度センサ、14…マスタシリンダ圧センサ、15…ブレーキ制御用ECU、15a…ABS制御部(ABS制御手段)、15b…停止ショック低減制御部(停止時制御手段)、15c…調停部、16a〜16d…ブレーキアクチュエータ

Claims (2)

  1. 車輪のロックを抑制するために左右輪の制動力を独立に制御可能なABS制御手段と、
    前記車両の車速が閾値未満になった場合に前記車両の制動力を低減させ、前記車両が停止した時に前記制動力を増大させる停止時制御手段とを備え、
    前記車両の車速が前記閾値未満になった場合に、前記ABS制御手段による制御を、前記左右輪の各輪に基づく独立制御から前記左右輪のうち車輪速が低い方の車輪に基づくローセレクト制御に切り替えることを特徴とする車両制動力制御装置。
  2. 前記左右輪は、左右後輪であることを特徴とする請求項1に記載の車両制動力制御装置。
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