JP4983270B2 - ブレーキ装置 - Google Patents

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本発明は、自動車等の車両に設けられるブレーキ装置に関し、特に液圧式サービスブレーキのフェード時に電動式ブレーキによって動的制動を行うブレーキ装置に関する。
自動車等の車両のブレーキは、車輪とともに回転するロータ、ドラム等の回転体に、ブレーキパッド、ライニング等の摩擦材を加圧接触させ、運動エネルギを熱エネルギに変換して制動力を発生させている。しかし、下り坂等でブレーキの使用頻度が高い場合には、これらの摩擦部分が過熱して摩擦係数が極端に低下し、制動力が低下するフェード現象が発生することがある。このようなフェード現象が発生すると、運転者による車速の制御が極めて困難となる。
これに対し、従来、大型商用車等の駆動系に備えられる補助ブレーキであるリターダを用い、ブレーキドラムの温度が所定以上となったときに、サービスブレーキのブレーキ圧力に応じてリターダに制動力を発生させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−156774号公報
しかし、上述した従来技術においては、リターダの制動力はサービスブレーキのフェード状態の程度とは無関係にブレーキ圧力にのみ基づいて決定されるため、仮に運転者が同じブレーキ操作をしたとしても車両の減速度はフェード状態によって変化し、運転者の意図する減速度が得られないおそれがある。
また、通常リターダが装着されない乗用車等の小型車においても、サービスブレーキのフェード時におけるバックアップ手段を設けることが要望されている。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、液圧式ブレーキがフェードした場合であっても適切な制動力を得ることができ、乗用車等の小型車にも適用が容易なブレーキ装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、ブレーキフルードの圧力に応じた制動力を発生する液圧式ブレーキと、電動アクチュエータによって駆動される電動式ブレーキと、前記液圧式ブレーキのフェード状態を検出するフェード状態検出手段と、前記液圧式ブレーキの前記フェード状態が生じた場合に、該フェード状態による前記液圧式ブレーキの制動力低下量に応じた制動力で前記電動式ブレーキを制動させる電動式ブレーキ制御手段とを備え、前記電動式ブレーキ制御手段は、車両の走行速度低下に応じて前記電動式ブレーキの制動力を増加する際の前記電動アクチュエータの駆動速度を増加させることを特徴とするブレーキ装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載のブレーキ装置において、前記電動式ブレーキ制御手段は、前記電動式ブレーキの制動時に、車両の実際の減速度が前記液圧式ブレーキのブレーキフルード液圧に基づいて求められる目標減速度に達するまで該電動式ブレーキの制動力を増加させることを特徴とするブレーキ装置である
請求項の発明は、請求項1又は請求項2に記載のブレーキ装置において、前記電動式ブレーキ制御手段は、前記液圧式ブレーキのフェード時に、前記電動式ブレーキによる制動を断続的に行わせることを特徴とするブレーキ装置である。
請求項の発明は、請求項に記載のブレーキ装置において、前記電動式ブレーキ制御手段は、車両の走行速度低下に応じて断続的な制動における制動中断から制動再開までの間隔を短くすることを特徴とするブレーキ装置である。
本発明によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)液圧式ブレーキのフェード状態による液圧式ブレーキの制動力低下量に応じた制動力で電動式ブレーキを制動させることによって、フェード状態が軽微な場合には電動式ブレーキの制動力を低くし、フェード状態の悪化に応じて制動力を増すことができ、運転者に違和感を与えにくい適切な制動力を得ることができる。また、電動式ブレーキはサービスブレーキの制動力低下分のみ制動力を発生すればよいため、電動式ブレーキの負担を軽減して電動式ブレーキのフェードを防止することができる。
このような電動式ブレーキとして、車両の駐停車時等に用いられる機械式ブレーキを電動アクチュエータで駆動するいわゆる電動パーキングブレーキを利用することができることから、乗用車等の比較的小型の車両においても容易に適用することができる。
(2)車両の減速度が液圧式ブレーキのブレーキフルード液圧に基づいて求められる目標減速度に達するまで電動式ブレーキの制動力を増加させることによって、フェードが発生した場合にも運転者のペダル操作に対して過不足のない適切な減速を行うことができる。
(3)車両の走行速度低下に応じて電動式ブレーキの制動力を増加する際の電動アクチュエータの駆動速度を増加させることによって、高速走行時には急激に制動力が発生して車両が不安定になること及び電動式ブレーキの早期フェードを防止するとともに、低速走行時には早期に目標制動力を発生させて車両を短時間で減速させることができる。また、高速走行時に減速度が急激に立ち上がって乗員に過度の不安感や不快感を与えることを防止できる。
(4)液圧式ブレーキのフェード時に、電動式ブレーキによる制動を断続的に行わせることによって、液圧式ブレーキに対して電動式ブレーキの熱容量が少ない場合であっても、電動式ブレーキのフェードを防止することができる。
(5)車両の走行速度低下に応じて断続的な制動における制動中断から制動再開までの間隔を短くすることによって、高速走行時には制動中断期間を長くして摩擦材等の冷却を図り、高速域における電動式ブレーキの早期フェードを防止することができる。また、低速走行時には、制動時間を長くとることによって車両を早期に減速させることができる。
本発明は、液圧式ブレーキがフェードした場合であっても適切な制動力を得ることができ、乗用車等の小型車にも適用が容易なブレーキ装置を提供する課題を、ブレーキフルード液圧と減速度とに基づいてサービスブレーキのフェードが検出された場合に、ブレーキフルード液圧に基づいて求められる目標減速度に達するまで電動パーキングブレーキを断続的に作動させることによって解決した。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本発明を適用したブレーキ装置を備えた車両の実施例における構成を示すブロック図である。
図2は、実施例の車両におけるブレーキ装置の機械的構成を示す模式図である。
実施例において、車両は例えば乗用車等の四輪自動車である。
車両は、パーキングブレーキ10、アクチュエータユニット20、バッテリ30、電動パーキングブレーキコントローラ(以下、単に「コントローラ」と称する)40、パーキングブレーキ操作スイッチ50を含む電動パーキングブレーキ装置を備え、さらに、エンジン制御ユニット60、トランスミッション制御ユニット70、サービスブレーキ80、挙動制御装置100等を備えている。
パーキングブレーキ10は、車両の車輪を制動することによって、例えば駐停車時等における車両の移動を防止する電動式ブレーキであって、車両の左右後輪のホイールハブ部にそれぞれ設けられている。パーキングブレーキ10は、後述するサービスブレーキ80のロータ81RR、81RLの内径側に配置されたブレーキドラムと、制動時にこのブレーキドラムの内径側に加圧接触するブレーキシュー(ライニング)とを備えたいわゆるドラムインディスクタイプの機械式ブレーキである。
アクチュエータユニット20は、パーキングブレーキ10のブレーキシューを駆動し、パーキングブレーキ10が制動力を発生する制動状態と、実質的に制動力を発生しない解除状態との間の移行を行うものである。アクチュエータユニット20は、パーキングブレーキケーブル21を備え、車両の車体の例えばラゲッジフロア部の床下側に固定されている。
アクチュエータユニット20は、例えばDCモータの回転力を減速ギア列によって減速してリードスクリュを回転させ、このリードスクリュにネジ結合されたイコライザによってパーキングブレーキケーブル21を牽引し又は弛緩させるものである。
パーキングブレーキケーブル21は、左右のパーキングブレーキ10に対応してそれぞれ設けられ、図示しないリアサスペンションのストロークに応じて変形するよう可撓性を備えている。パーキングブレーキケーブル21は、牽引されることによってパーキングブレーキ10を制動状態とし、また弛緩されることによってパーキングブレーキ10を解除状態とするボーデンケーブルである。
ここで、アクチュエータユニット20は、パーキングブレーキケーブル21に負荷される牽引力を調整することによって、制動状態におけるパーキングブレーキ10の制動力を調整する機能を備えている。この牽引力の調整は、アクチュエータユニット20への電力供給を制御してパーキングブレーキケーブル21を牽引するストロークを変化させることによって行われ、このためアクチュエータユニット20は、この牽引ストロークを検出する図示しないストロークセンサを備えている。
バッテリ30は、車両の電装系の主電源として用いられる二次電池であって、例えば直流12Vの端子電圧を発生するものである。バッテリ30は、プラス端子31、マイナス端子32を備えている。
プラス端子31は、コントローラ40等の各電装品に配線(ハーネス)を介して接続されている。このプラス端子31からコントローラ40に電力を供給する配線は、図1に示すように、イグニッション配線31a、常時接続配線31bが設けられている。イグニッション配線31aは、その中間部にイグニッションスイッチのオンオフと連動して導通、遮断が切換えられるイグニッションリレーIが挿入され、車両の走行用動力源であるエンジンのオン(ラン)時に通電されるものである。また、常時接続配線31bは、イグニッションスイッチの操作に関わらず、常時通電され、コントローラ40のECU41等における各種データの保持等に用いられるものである。
また、マイナス端子32は、車両の車体の金属部分に対して接地されている。
コントローラ40は、アクチュエータユニット20を制御し、パーキングブレーキケーブル21の牽引力を変化させることによって、パーキングブレーキ10の解除状態と制動状態とを切換え、またその制動力を変化させる電動式ブレーキ制御手段であって、ECU41、リレー42、Gセンサ43を備えている。
また、コントローラ40は、Gセンサ43の出力とサービスブレーキ80のブレーキフルード液圧とに基づいてサービスブレーキ80のフェード状態を検出するフェード状態検出手段としても機能する。この機能については、後に詳しく説明する。
ECU41は、パーキングブレーキ操作スイッチ50、エンジン制御ユニット60、挙動制御装置100の挙動制御ユニット110、BLS86等からの入力に応じて、パーキングブレーキ10の制動要否を判断するとともに、傾斜路に停車する場合等に制動力を増加させる増し引き制御を行うCPUを備えている。
リレー42は、ECU41が出力する制御信号に応じて、アクチュエータユニット20に対してその駆動電力を供給する電力供給部である。リレー42は、パーキングブレーキ10の制動状態から解除状態への移行、及び、解除状態から制動状態への移行を行うため、駆動電力の極性を反転させる機能を備えるとともに、アクチュエータユニット20の駆動時以外は、アクチュエータユニット20との導通を遮断した中立状態となっている。
また、リレー42は、アクチュエータユニット20に対してパルス幅変調(PWM)制御を行い、その駆動速度を変化させる機能を備えている。
Gセンサ43は、車両の前後方向における加速度を検出する加速度センサを備え、その出力をECU41に入力する加速度検出手段である。
パーキングブレーキ操作スイッチ50は、運転者等のユーザがパーキングブレーキ10の制動状態、解除状態のマニュアルによる選択操作、及び、増し引き操作、さらに、オートモードの選択操作等を入力する操作部であって、例えば車両の図示しないインストルメントパネルに装着された押しボタンスイッチを備えている。パーキングブレーキ操作スイッチ50は、その入力をコントローラ40に伝達し、コントローラ40は、これに応じてアクチュエータユニット20に駆動電力を供給してパーキングブレーキ10を駆動する。
エンジン制御ユニット60は、車両のエンジン及びその補器類を制御するものであって、後述する挙動制御装置100の挙動制御ユニット110が行うエンジン出力制御に従って、スロットル開度制御及び燃料噴射制御を行い、エンジンの出力調整を行う機能を備えている。
トランスミッション制御ユニット70は、車両のオートマティックトランスミッション及び四輪駆動の前後駆動力配分を行うトランスファを制御するものであって、挙動制御装置100の挙動制御ユニット110が行う駆動力配分制御に従って、トランスファークラッチを制御して前後アクスルの駆動力配分を調整する機能を備えている。
サービスブレーキ80は、車両の走行時に主ブレーキとして用いられる液圧式ブレーキであって、ロータ81、キャリパ82、ホイールシリンダ83、ブレーキペダル84、マスタシリンダ85、ブレーキランプスイッチ(BLS)86を備えている。
なお、ロータ81、キャリパ82、ホイールシリンダ83は、前後左右輪にそれぞれ設けられるので、右前にFR、左前にFL、右後にRR、左後にRLの添え字をそれぞれ付して図示する。
ロータ(ディスク)81は、車輪のリムの内径側に配置され、車輪とともに回転する例えば鋳鉄製の円盤状の部材であって、その厚み方向の中央部に通風用の隙間が形成されたベンチレーテッド(通風式)ディスクとなっている。
キャリパ82は、車輪を回転可能に支持するハブベアリングを収容するハウジングに固定され、ロータ81を挟んで設けられた一対のブレーキパッドを備え、制動時にはこのブレーキパッドをロータ81に加圧接触させてロータ81を挟持し、車両の運動エネルギを摩擦熱に変換することによって車両を減速させるものである。
ホイールシリンダ83は、キャリパ82の内部に形成され、ブレーキフルード液圧によってブレーキパッドをロータ81側に押圧するピストンを備えている。
ブレーキペダル84は、運転者がサービスブレーキ80による制動操作を行う入力部であって、マスタシリンダ85に接続されている。
マスタシリンダ85は、運転者によるブレーキペダル84の操作に応じてブレーキフルードを加圧するものであって、エンジンの吸気負圧によって操作力を低減する真空倍力装置を備えている。
BLS86は、ブレーキペダル84の操作時にオンとなるスイッチであって、車両のブレーキランプの点灯に用いられるものである。このBLS86のオンオフは、CAN通信システムを介してコントローラ40にも伝達されるようになっている。
挙動制御装置(車両安定性制御装置)100は、車両の運転条件から算出される目標ヨーレートを実際のヨーレートと比較した結果に基づいて、過度のオーバーステア、アンダーステア等の不安定な挙動を検出し、これに対しサービスブレーキ80で一部の車輪に制動力を負荷する等して挙動を打ち消す方向のヨーモーメントを発生させ、車両の安定を図るものである。
挙動制御装置100は、挙動制御ユニット110、車速センサ120、ヨーレートセンサ130、舵角センサ140、ハイドロリックコントロールユニット(HCU)150、挙動制御スイッチ160を備えている。
挙動制御ユニット110は、挙動制御装置100の各部を統括的に制御するものである。
また、挙動制御ユニット110は、車速センサ120や舵角センサ140等からの入力に基づいて、車両に過度のアンダーステア、オーバーステアが発生していない場合に得られるべき適正なヨーレートである目標ヨーレートを算出する目標ヨーレート算出手段として機能する。
さらに、挙動制御ユニット110は、ヨーレートセンサ130が検出する車両の実際のヨーレートを目標ヨーレートと比較してこれらの間の乖離量に相関するパラメータである比較値を生成する。そして、この比較値が所定の介入閾値よりも大きい場合には、HCU150に信号を出力し、一部の車輪に制動力を発生させてヨーモーメントを発生させ、不安定な挙動を打ち消して車両を安定させるヨーモーメント発生制御を行う。例えば、旋回中にオーバーステアが発生した場合には、外側前輪を制動することによってオーバーステアによって生じるヨーモーメントを打ち消す制御を行う。このとき、ヨーモーメントを発生させるための制動の目標制動力は、上述した比較値の大きさに応じて設定される。
また、挙動制御ユニット110は、エンジン制御ユニット60、トランスミッション制御ユニット70と協働して、エンジン出力制御及び駆動力配分制御も行う。
車速センサ120は、車両の各車輪の車輪速を検出するものであって、例えば各車輪のホイールハブ部に設けられ、車輪とともに回転するトーンホイールの回転速度に応じた車速パルス信号を出力することによって、車両の走行速度(車体速度)を検出に用いられるものである。
車速センサ120は、右前輪センサ120FR、左前輪センサ120FL、右後輪センサ120RR、左後輪センサ120RLからなる。
ヨーレートセンサ130は、例えば振動ジャイロを備え、車両の実際のヨーレートを検出するヨーレート検出部である。
舵角センサ140は、車両の図示しないステアリング系に設けられた位置エンコーダであって、運転者が図示しないステアリングホイールを操作した際に、ステアリングの方向と角度を感知し、これに応じた信号を挙動制御ユニット110に出力するものである。
HCU150は、サービスブレーキ80のホイールシリンダ83に負荷されるブレーキフルード圧力を制御するものであって、マスタシリンダ85とホイールシリンダ83とを接続するラインの途中に設けられている。HCU150は、挙動制御ユニット110からの信号に応じて作動するポンプモータと、油路を変更するソレノイドバルブとを備え、各ホイールシリンダ83への液圧を制御する。また、HCU150は、サービスブレーキ80の各ホイールシリンダ83のブレーキフルード液圧を検出する液圧センサ151を備えている。
挙動制御スイッチ160は、挙動制御装置100の作動スタンバイ状態と非作動状態とを運転者が選択する操作部である。
また、上述したコントローラ40、エンジン制御ユニット60、トランスミッション制御ユニット70、BLS86、挙動制御ユニット110等は、車載LANの一種であるCAN通信システムを介して相互に通信可能となっている。
次に、本実施例におけるヒルダウン時の制動制御について説明する。
図3は、ヒルダウン制御を示すフローチャートである。以下、ステップ毎に順を追って説明する。
<ステップS01:車両速度判定(1)>
コントローラ40は、車速センサ120によって検出された車両の速度Vが所定の閾値であるS1(km/h)以上である場合には、車両が走行中であるものと判断してステップS02に進み、それ以外の場合はステップS01を繰り返す。
<ステップS02:下り坂判定>
コントローラ40は、Gセンサ43の出力に基づいて、車両が下り坂走行中であるか否かを判断し、下り坂判定が成立した場合はステップS03に進み、成立しなかった場合はステップS01に戻り、ステップS01以降の処理を繰り返す。
<ステップS03:BLSオン継続時間判断>
コントローラ40は、BLS86がオンでありかつその持続時間が所定の閾値であるT1(sec)以上である場合には、運転者がブレーキ操作を行っているものと判断してステップS04に進み、その他の場合はステップS01に戻り、ステップS01以降の処理を繰り返す。
<ステップS04:目標減速G算出>
コントローラ40は、液圧センサ151の出力等から、サービスブレーキ80が正常な場合(フェードしていない場合)に得られるべき減速Gである目標減速Gを算出し、ステップS05に進む。
<ステップS05:フェード判定(1)>
コントローラ40は、ステップS04において求めた目標減速Gと、Gセンサ43の出力に基づいて求められる実際の減速Gとを比較し、実際の減速Gが目標減速Gを下回った際のこれらの乖離量が所定の閾値以上となった場合には、サービスブレーキ80のフェードが生じているものと判断(フェード判定成立)してステップS06に進み、それ以外の場合には処理を終了する。
<ステップS06:電動パーキングブレーキ動的制動実行>
コントローラ40は、アクチュエータユニット20を駆動してパーキングブレーキ10の動的制動(車両走行中における制動)を行う。パーキングブレーキ10の動的制動は、先ずパーキングブレーキ10を解除状態から所定の駆動速度で制動状態へ以降させ、制動力を連続的に増加させる。そして、Gセンサ43の出力に基づいて検出される車両の減速Gが目標減速Gに達すると、アクチュエータユニット20を逆転させてパーキングブレーキ10を解除状態に移行させる。その後、所定の間隔をおいて再び上記した制動を断続的、周期的に繰り返す。
すなわち、パーキングブレーキ10の最大制動力は、サービスブレーキ80のフェード状態による制動力の低下量に異存し、フェード状態が軽微な場合には、パーキングブレーキ10解除時の減速Gと目標減速Gとの乖離が少ないため、パーキングブレーキ10の最大制動力も小さくなり、フェード状態が悪化(ロータ81とパッドとの摩擦係数低下)するにつれてパーキングブレーキ10の最大制動力(アシスト制動力)は増加する。
図4は、動的制動時の車両の減速度履歴の一例を示すグラフであって、図4(a)、図4(b)はそれぞれ高速時、低速時の減速度を示している。
図4に示すように、コントローラ40は、車両の速度に応じて、制動力増加時のアクチュエータユニット20の駆動速度及び制動の繰り返し周期を異ならせている。
具体的には、アクチュエータユニット20の駆動速度は、車両の速度低下に応じて速くされる。この駆動速度は、高速時に制動力(減速度)の急激な立ち上がりによって後輪がロック傾向となり、車両の挙動を乱したり、乗員に過度の不安感、不快感を与えることがないよう考慮して適宜設定される。また、制動の繰り返し周期は、車両の速度低下に応じて短くされる。この繰り返し周期は、高速時にはパーキングブレーキ10をより長時間冷却し、車両が十分に減速する前に早期フェードすることがないよう考慮して適宜設定される。
<ステップS07:フェード警報出力>
コントローラ40は、サービスブレーキ80がフェード状態であることを示すフェード警報を出力する。フェード警報は、例えばインストルメントパネルに設けられた警告灯の点灯や、ブザーの鳴動等によって、運転者に注意を促すものである。
<ステップS08:車両速度判定(2)>
コントローラ40は、車両の速度Vが所定の閾値S2(km/h)以下でありかつその継続時間が所定の閾値であるT2(sec)以上である場合には、車両が十分低速まで減速されたものと判断してステップS11に進み、それ以外の場合はステップS09に進む。
<ステップS09:BLSオフ判断>
コントローラ40は、BLS86の状態を確認し、BLS86がオフの場合には、運転者が制動操作を終了し、制動(減速)への要求がないものとしてステップS11に進み、オンの場合はステップS10に進む。
<ステップS10:フェード判定(2)>
コントローラ40は、周期的に制動状態と解除状態とを繰り返すパーキングブレーキ10が解除状態にあるときに、ステップS05において行ったのと同様なフェード判定を行い、フェード判定が成立しない場合には、フェード状態が走行風による冷却等によって解消したものと判断してステップS11に進み、成立した場合にはステップS06に戻って動的制動を継続する。
<ステップS11:電動パーキングブレーキ制動終了>
コントローラ40は、パーキングブレーキ10を解除状態としてアクチュエータユニット20の駆動を停止し、電動パーキングブレーキの制動を終了し、一連の処理を終了する。
以上説明した実施例によると、以下の効果を得ることができる。
(1)ブレーキフルード液圧に基づいて算出される目標減速Gと車両の減速Gが一致するようにパーキングブレーキ10の最大制動力を設定することによって、フェード状態が軽微な場合にはパーキングブレーキ10の制動力を低くし、フェード状態の悪化に応じて制動力を増すことができる。これによって、ペダル操作に対して効き過ぎ感等がなく運転者に違和感を与えにくい適切な制動力を得ることができる。
また、乗用車等のような比較的小型の車両であっても、電動パーキングブレーキ装置とサービスブレーキの液圧センサを備えている車両であれば容易に本発明を適用することができる。
(2)車両の走行速度低下に応じてパーキングブレーキ10の制動力を増加する際のアクチュエータユニット20の駆動速度を増加させることによって、高速走行時には急激に制動力が発生して車両が不安定になること及びパーキングブレーキ10の早期フェードを防止するとともに、低速走行時には早期に制動力を発生させて車両を短時間で減速させることができる。さらに、高速走行時に減速Gが急激に立ち上がることがないので乗員に過度の不安感、不快感を与えることも防止できる。
(3)パーキングブレーキ10の動的制動を断続的に行うことによって、通常サービスブレーキ80よりも熱容量が小さいパーキングブレーキ10のフェードを防止することができる。
(4)車両の走行速度低下に応じて断続的な制動における制動中断から制動再開までの間隔を短くすることによって、高速走行時には制動中断期間を長くして摩擦材の冷却を図り、高速域におけるパーキングブレーキ10の早期フェードを防止することができる。また、低速走行時には、制動時間を長くとることによって車両を早期に減速させることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
(1)上述した実施例では電動パーキングブレーキコントローラ(電動式ブレーキ制御手段)がフェード状態検出手段を兼ねる構成となっているが、本発明はこれに限らず、電動式ブレーキ制御手段とフェード状態検出手段とを別個に設けてもよい。例えば、フェード状態検出手段の機能を挙動制御装置(操安性制御装置)やABS制御装置と一体化したり、独立したユニットとして設けてもよい。
(2)液圧式ブレーキのフェードを検出する方法は、実施例のようにブレーキフルード液圧及び減速度に基づいて検出するものに限らず、他の方法を用いてもよい。例えば、ブレーキの温度を測定し、この温度に基づいてフェードの発生有無及び程度を検出し、液圧式ブレーキの制動力低下量を推定するようにしてもよい。この場合、電動パーキングブレーキの目標制動力は、ブレーキ温度の上昇及びブレーキフルード液圧に応じて増加させる構成とすることができる。
(3)実施例では車両の減速度をGセンサの出力に基づいて検出していたが、これに限らず、例えば、車速センサによって検出される車速の変化率に基づいて減速度を検出してもよい。
(4)電動パーキングブレーキ装置の構成は、実施例のものに限らず、適宜変更することができる。
例えば、実施例のパーキングブレーキは、フットブレーキ用のブレーキディスクの内径側に配置されたドラムインディスクを用いるものであるが、パーキングブレーキの形式は、他の形式のものであってもよく、例えば、フットブレーキ用のディスクブレーキ又はドラムブレーキとその摩擦材を共用化し、パーキングブレーキと一体化したものであってもよい。
また、実施例のパーキングブレーキは、ボディ側に固定された電動アクチュエータを用い、パーキングブレーキケーブルを介してパーキングブレーキを駆動するものであったが、本発明はこれに限らず、例えば電動アクチュエータをホイールハブ側に設けてパーキングブレーキと一体化したいわゆるビルトイン型の電動パーキングブレーキにも適用することができる。
本発明を適用したブレーキ装置を備えた車両の実施例の構成を示すブロック図である。 図1のブレーキ装置の機械的構成を示す模式図である。 図1のブレーキ装置におけるヒルダウン制御を示すフローチャートである。 図1のブレーキ装置のヒルダウン制御における動的制動時の車両減速度の履歴を示すグラフである。
符号の説明
10 パーキングブレーキ
20 アクチュエータユニット
30 パーキングブレーキケーブル
40 電動パーキングブレーキコントローラ
41 ECU
43 Gセンサ
50 パーキングブレーキ操作スイッチ
60 エンジン制御ユニット
70 トランスミッション制御ユニット
80 サービスブレーキ
81 ロータ
82 キャリパ
83 ホイールシリンダ
84 ブレーキペダル
85 マスタシリンダ
86 ブレーキランプスイッチ
100 挙動制御装置
110 挙動制御ユニット
120 車速センサ
130 ヨーレートセンサ
140 舵角センサ
150 HCU
151 液圧センサ

Claims (4)

  1. ブレーキフルードの圧力に応じた制動力を発生する液圧式ブレーキと、
    電動アクチュエータによって駆動される電動式ブレーキと、
    前記液圧式ブレーキのフェード状態を検出するフェード状態検出手段と、
    前記液圧式ブレーキの前記フェード状態が生じた場合に、該フェード状態による前記液圧式ブレーキの制動力低下量に応じた制動力で前記電動式ブレーキを制動させる電動式ブレーキ制御手段と
    を備え、前記電動式ブレーキ制御手段は、車両の走行速度低下に応じて前記電動式ブレーキの制動力を増加する際の前記電動アクチュエータの駆動速度を増加させること
    を特徴とするブレーキ装置。
  2. 請求項1に記載のブレーキ装置において、
    前記電動式ブレーキ制御手段は、前記電動式ブレーキの制動時に、車両の実際の減速度が前記液圧式ブレーキのブレーキフルード液圧に基づいて求められる目標減速度に達するまで該電動式ブレーキの制動力を増加させること
    を特徴とするブレーキ装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のブレーキ装置において、
    前記電動式ブレーキ制御手段は、前記液圧式ブレーキのフェード時に、前記電動式ブレーキによる制動を断続的に行わせること
    を特徴とするブレーキ装置。
  4. 請求項に記載のブレーキ装置において、
    前記電動式ブレーキ制御手段は、車両の走行速度低下に応じて断続的な制動における制動中断から制動再開までの間隔を短くすること
    を特徴とするブレーキ装置。
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