JP2003520929A - 被覆プレートと支持体部分とを解離可能に結合するプラスチッククリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 提示のプラスチッククリップは、被覆プレートと、支持体部分、特に車両ボディのドアフレームとを解離可能に結合する働きをする。このクリップは、ヘッド部（１）と、支持体部分（４）の開口（５）に差込可能な固定足（２）と、ヘッド部にスナップボタン状に結合可能でかつ被覆プレート（６）に固定される上側部分（３）とにより構成されている。被覆プレート（６）の固定箇所と支持体部分（４）の固定開口（５）との間の製作誤差の差違においても、クリップの使用を保証するために、ヘッド部（１）は、開いた円筒状ポットの形をしていて、また中心孔（７）を有しており、該中心孔（７）の縁（８）に、斜めに内向して突出する支持区分（９）が一体成形されている。それ以外に、固定足（２）の上には支持皿（１０）が設置されており、該支持皿（１０）の上にはＴ字形の保持ピン（１１）が立っている。この保持ピンのヘッド（１２）は、このヘッド（１２）が支持区分（９）を弾性的に拡げながら、中心孔（７）を通って押し込み可能であるように寸法設定されており、その際支持区分（９）は、ピンヘッド（１２）が通り抜けた後、再びはね戻り、そしてピンヘッド（１２）の下側を支持している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、被覆プレートと、支持体部分、特に車両ボディのドアフレームとを
解離可能に結合するプラスチッククリップであって、ヘッド部と、支持体部分の
開口に差込可能な固定足と、ヘッド部にスナップボタン状に結合可能でかつ被覆
プレートに固定される上側部分とにより構成されている形式のものに関する。

【０００２】 例えばドイツ連邦共和国特許第４３３０１０２号明細書に基づいて公知のこの
ような形式のクリップでは、ヘッド部が固定足と一体的にかつそれゆえに堅く結
合されていることが、欠点として挙げられる。そのためにこのクリップでは、被
覆プレートの固定箇所と支持体部分内の固定開口との間の製作誤差の差違を補償
することは、上側部分が固定的に被覆プレートに取り付けられている限り、不可
能である。

【０００３】 この欠点を取り除くために、本発明によるプラスチッククリップは、以下のよ
うに形成されている。ヘッド部は開いた円筒状ポットの形をしており、また中心
孔を有しており、この中心孔の縁に斜めに内側へ突出している支持区分が一体成
形されており、さらに固定足の上に支持皿が設置され、この支持皿の上にはＴ字
形の保持ピンが立っており、このピンのヘッドが支持区分の弾性的な拡開の下で
、中心孔を通って差込可能であるように、このヘッドは寸法設定されており、そ
の際ピンヘッドの通過後に、支持区分が再びはね戻り、そしてピンヘッドの下側
を支持している。

【０００４】 本発明の構成において、保持ピンのヘッドが、ピンヘッド上縁で、中心孔の下
縁と、薄いウェブを介して、裂断可能に結合されていると、注型技術上の理由か
ら、有利である。このように構成されていると、二つの部材から成るクリップが
、有利に１つの成形型で射出成形され、続いて保持ヘッドをヘッド部の中心孔内
へ打ち込むことによって、クリップに組み合わされる。このことは、保持ピンの
ヘッドが、製作誤差を補償するために、支持区分の縁に対して半径方向に摺動可
能であるという別の利点を有している。

【０００５】 ヘッド部にスナップボタン状に結合可能な上側部分は、従来技術においては通
常、被覆プレートに一体成形された鍵穴状のポケットに差し込まれる。しかしな
がら、ヘッド部と固定足上の保持ピンとの間で製作誤差が補償されるので、本発
明の別の有利な構成では、上側部分を被覆プレートに直接組み込むことは、製作
技術上難なく可能である。

【０００６】 次に図面を参照しながら、本発明の実施例を説明する。

【０００７】 図１：被覆プレートに一体成形された上側部分と、その下の配送状態にあるプラ
スチッククリップの側面図。

【０００８】 図２：図１の線ＩＩ−ＩＩにそって切断した、同じプラスチッククリップと上側
部分。

【０００９】 図３：支持体部分の開口と、その上の押圧によって上側部分と組み合わせられた
状態にある同じクリップ。

【００１０】 図４：開口に差し込まれた後に、上側部分が取り外された同じクリップ。

【００１１】 図５ａ：組み立てられたクリップにおける、保持ピンに対する半径方向へのヘッ
ド部の摺動可能性を示す図であって、保持ピンに対するヘッド部の第１の位置を
示す図である。

【００１２】 図５ｂ：組み立てられたクリップにおける、保持ピンに対する半径方向へのヘッ
ド部の摺動可能性を示す図であって、保持ピンに対するヘッド部の第２の位置を
示す図である。

【００１３】 図５ｃ：組み立てられたクリップにおける、保持ピンに対する半径方向へのヘッ
ド部の摺動可能性を示す図であって、保持ピンに対するヘッド部の第３の位置を
示す図である。

【００１４】 図示されているプラスチッククリップは、主としてヘッド部１と固定足２と上
側部分３とにより構成されている。この上側部分３は、被覆プレート６に固定さ
れており、またヘッド部１とスナップボタン状に結合可能である。

【００１５】 特に図２から分かるように、固定足２は、ばね弾性的に圧縮可能な２つの支持
脚１７により形成されている。両支持脚１７は、中心ウェブ１８を介して、傘状
の支持皿１０に結合しており、そして支持体部分４の開口５に差込可能である。
支持皿１０が支持体部分４上に当接して、そして支持脚１７が支持体部分４の開
口５を通過するやいなや、この支持脚１７は再び離ればなれに拡がり、公知の形
式で、開口５の裏側の縁に当接する。支持体部分４としては、この場合何らかの
プレート、特に車両ボディのドアフレームを挙げることができる。

【００１６】 ヘッド部１は、開いた円筒状ポットの形をしており、そして中心孔７を備えて
いる。この中心孔７の上縁８には、円弧の縁から斜めに内向して突出する支持区
分９が、一体成形されている。支持皿１０の上には、Ｔ字形に形成された保持ピ
ン１１が立っており、この保持ピンのヘッド１２は、このヘッド１２が支持区分
９を弾性的に拡げながら、中心孔７を通って押し込み可能であるように寸法設定
されてある。

【００１７】 保持ピン１１のヘッド１２は、図示の実施例において、ピンヘッド上縁１３で
、中心孔７の下縁１４に、全周に均等に分配された複数のウェブ１５を介して、
裂断可能に結合されている。これによって、ヘッド部１と固定足２とは、製造か
ら配送まで、一体的に互いに結合されており（図２）、また被覆プレート６の製
造元ではじめて、上側部分３の押圧時に、支持区分９の弾性的な拡開のもとで押
し合わされ（図３）、その際支持区分９は、ピンヘッド１２が通り抜けた後、再
びはね戻り、そしてこの支持区分９の縁１６にて、ピンヘッド１２の下部を支持
している。

【００１８】 図５ａ〜ｃから分かるように、保持ピン１１のヘッド１２は、押し込まれた状
態において、支持区分９の縁１６に対して、半径方向に摺動可能であり、それゆ
え固定足２は、支持体部分４の開口５に差し込まれた時、問題なく正しい位置に
方向付けられることができる。

【００１９】 上側部分３は、図示の実施例では、被覆プレート６に統合、つまり一体成形さ
れており、またリング１９によって構成されている。このリング１９の縁２０は
、幾分外側を向いている。それに対応して、ヘッド部１は、ヘッド部上縁２２の
全周に配置された内側に突出している少なくとも３つの係止突起２１を有してお
り、これらの係止突起２１は、縁２０とスナップボタン状に協働する。

【００２０】 図３は、押圧によって上側部分３と組み合わされた状態にあるプラスチックク
リップを示しており、固定足２を矢印「Ｅ」の方向に、支持体部分４の開口５内
へと押し込む以前である。図４は、支持体部分４内にしっかりと固定されたプラ
スチッククリップを示しており、固定足２が支持体部分４の開口５内にある一方
で、上側部分３は矢印「Ｌ」の方向に取り外された後である。

【図面の簡単な説明】

【図１】 被覆プレートに一体成形された上側部分と、その下の配送状態にあるプラスチ
ッククリップの側面図。

【図２】 図１の線ＩＩ−ＩＩにそって切断した同じプラスチッククリップと上側部分。

【図３】 支持体部分の開口と、その上の押圧によって上側部分と組み合わせられた状態
にある同じクリップ。

【図４】 開口に差し込まれた後に、上側部分が取り外された同じクリップ。

【図５ａ】 組み立てられたクリップにおける、保持ピンに対する半径方向へのヘッド部の
摺動可能性を示す図であって、保持ピンに対するヘッド部の第１の位置を示す図
である。

【図５ｂ】 組み立てられたクリップにおける、保持ピンに対する半径方向へのヘッド部の
摺動可能性を示す図であって、保持ピンに対するヘッド部の第２の位置を示す図
である。

【図５ｃ】 組み立てられたクリップにおける、保持ピンに対する半径方向へのヘッド部の
摺動可能性を示す図であって、保持ピンに対するヘッド部の第３の位置を示す図
である。

【符号の説明】

１ ヘッド部、 ２ 固定足、 ３ 上側部分、 ４ 支持体部分、 ５ 開
口、 ６ 被覆プレート、 ７ 中心孔、 ８ 孔上縁、 ９ 支持区分、 １
０ 支持皿、 １１ 保持ピン、 １２ ピンヘッド、 １３ ピンヘッド上縁
、 １４ 孔下縁、 １５ 、裂断可能ウェブ、 １６ 支持区分縁、 １７
支持脚、 １８ 中心ウェブ、 １９ （上側部分の）リング、 ２０ 縁、
２１ 係止突起、 ２２ （ヘッド部の）上縁

───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】 後、再びはね戻り、そしてピンヘッド（１２）の下側を 支持している。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 被覆プレートと支持体部分とを解離可能に結合するプラスチ
   ッククリップであって、ヘッド部（１）と、支持体部分（４）の開口（５）に差
   込可能な固定足（２）と、ヘッド部（１）にスナップボタン状に結合可能でかつ
   被覆プレート（６）に固定される上側部分（３）とにより構成されている形式の
   ものにおいて、 ヘッド部（１）が、開いた円筒状ポットの形をしていて、中心孔（７）を有し
   ており、該中心孔（７）の縁（８）に、斜めに内向して突出する支持区分（９）
   が一体成形されており、固定足（２）の上に支持皿（１０）が設けられており、
   該支持皿（１０）の上にＴ字形の保持ピン（１１）が立っており、該保持ピン（
   １１）のヘッド（１２）は、該ヘッド（１２）が支持区分（９）の弾性的な拡開
   の下で中心孔（７）を通って押込可能であるように寸法設定されており、しかも
   支持区分（９）がピンヘッド（１２）の通過後に再びはね戻り、そしてピンヘッ
   ドの下側を支持していることを特徴とする、プラスチッククリップ。
2. 【請求項２】 保持ピン（１１）のヘッド（１２）が、ヘッド（１２）の上
   縁（１３）で、中心孔（７）の下縁（１４）と、薄いウェブ（１５）を介して裂
   断可能に結合されている、請求項１記載のプラスチッククリップ。
3. 【請求項３】 保持ピン（１１）のヘッド（１２）が、押し込まれた状態に
   おいて、支持区分（９）の縁（１６）に対して、半径方向に摺動可能である、請
   求項１または２記載のプラスチッククリップ。
4. 【請求項４】 上側部分（３）が、被覆プレート（６）に直接組み込まれて
   いる、請求項１から３までのいずれか１項記載のプラスチッククリップ。
5. 【請求項５】 上側部分（３）が、リング（１９）により構成されており、
   該リング（１９）の縁（２０）は幾分外側を向いており、ヘッド部（１）が、リ
   ングの縁（２０）に対向して位置するヘッド部の縁（２２）の全周に分配配置さ
   れていて内側に突出している少なくとも３つの係止突起（２１）を有しており、
   該係止突起（２１）が縁（２０）とスナップボタン状に協働する、請求項４記載
   のプラスチッククリップ。