JP2003514206A - 動力伝達ベルト - Google Patents

動力伝達ベルト

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JP2003514206A JP2001536896A JP2001536896A JP2003514206A JP 2003514206 A JP2003514206 A JP 2003514206A JP 2001536896 A JP2001536896 A JP 2001536896A JP 2001536896 A JP2001536896 A JP 2001536896A JP 2003514206 A JP2003514206 A JP 2003514206A
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Abstract

(57)【要約】 ベルトオーバーコードに開放編み織物(15)を用いた動力伝達ベルト(11)であり、オーバーコードは、ベルトの加硫の間に織物(15)の隙間を通って下側に位置するゴム層(17)の通過を促進する材料で安定化されている。ベルトの背面の摩擦係数は、ベルトが背面のプーリ、テンショナおよび他の機械的装置を駆動するのに十分である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 この仮出願は、1999年11月12日に提出された米国仮特許出願第60/
165,381号、2000年5月20日に提出された米国仮特許出願第60/
206,102号、および2000年10月13日に提出された米国仮特許出願
第60/240,587号の利益を主張する。
【0002】 (発明の背景) この発明はゴムタイプの動力伝達ベルトに関し、特に、背面がアイドラプーリ
、テンショナ、ウォータポンプ等のエンジンコンポーネントのような駆動装置に
接触して、好ましい摩擦特性を有するベルトに関する。
【0003】 現在の自動車用フロントエンドアクセサリ駆動システムは、蛇行マルチVリブ
ドベルトを用いて、エンジンのクランクシャフトと種々のアクセサリ被駆動プー
リを連結する。ベルトの背面は、背面側のアイドラプーリおよび/またはテンシ
ョニング装置に対して、特徴的に衝突する。同様に、自動車用カムシャフトベル
ト駆動システムは同期動力伝達ベルトを用い、その背面もまたアイドラプーリお
よび/またはテンショナの周りに掛け回される。加えて、多くの工業ベルト駆動
の応用において、駆動システムは、マルチVリブドベルト、同期ベルト、平ベル
ト、Vベルト等の背面が係合する、アイドラあるいは他の装置を有する。前述し
た全ての自動車および工業の応用において、ベルトの背面が衝突する装置を駆動
するために、ベルトは、ベルトと装置の間に望ましくない滑りが生じないような
範囲で、最小動摩擦係数を有しなければならない。多くの自動車の適用のために
、最小動摩擦係数は製造者によって約0.35に定められてきた。ベルトの背面
に織物を設け、あるいは接着することは、織物を構成するヤーンの比較的低い固
有摩擦係数のために、機械的な装置をベルトの背面で走行させるためには不十分
であり、また自動車製造者の仕様に合致しない。
【0004】 一方、タイヤコード、あるいはたて糸とよこ糸がベルトの長手走行方向に対し
て約90〜120度のヤーン間の角度で斜めに配置された(いわゆる「Flex-Wea
ve」織物-商標)、バイアス処理された平織の織物等のオーバコード織物をカレ
ンダ処理することによって、ベルトの背面の摩擦係数を大きくすることができる
。カレンダ処理の間に接着されるゴムは、織物の外部ゴム層に存在するとともに
、織物の隙間を埋める。摩擦調整された織物とゴムの組合せ構造体は垂直に切断
されて再び接合され(バナーテーブル(商標)を用いて)、所望の織物コードが
得られる。この織物コードの配置により、ベルトの長手方向における高い可撓性
を許容しつつ、最大あるいは最適な横方向強度が得られる。
【0005】 しかし、カレンダ処理された織物がベルトのオーバコード織物として用いられ
るならば、外側ゴム層の本質的に低い耐磨耗性に加えて、ほとんどの製造工程は
、ベルト組立工程の間と同様に、バンナリング(Bannering)の後、製造織物を
再結合するために重ね合わせ接合を必要とする。これらの重合したカレンダ処理
された接合部の継ぎ目は2倍の厚さの領域を生じ、これは、自動車の蛇行(serp
entine)駆動システムにおいて騒音と振動を発生させることがわかった。ベルト
が駆動システムの周りを回動するとき、これらの接合部は背面側のアイドラ、テ
ンショナ等に接触し、これによりベルトが鳴き音を発生し、またベルトと駆動要
素が振動する。騒音と振動はまた、背面側のアイドラ、テンショナあるいは他の
装置が、典型的にマイラ(Mylar)(商標)のポリエステルの裏材から形成され
るフィルムが加硫の次にベルトスリーブから剥がされた後にポリマーフィルムの
転写ラベルから印画の画像として残る、ベルトの背面の比較的厚いゴム層に残っ
ている凹みに接触するときにも発生する。
【0006】 ゴムの動力伝達ベルトにおける編まれたオーバーコード織物の使用は米国特許
明細書第3,981,206号(ミランチ等(Miranti et al))によって知られている。
この編み織物はナイロンスパンデックスの二重構造のモノフィラメントから形成
されるヤーンを用いる。編み織物は適当な接着手段を用いてベルトの緊張部分に
接着される。ミランチのベルト構造は、外側の(筒状ではない)編み織物を含む
、周囲に巻き付けられた種々の織物層を設けることによってマトリクススリーブ
を支持する円筒ドラムに積み上げて組立てられる。このような巻き付け工程によ
り継ぎ目あるいは重ね継ぎ部が生じる。
【0007】 シームレス編み管織物はまた、リキッド注型(liquid cast)(ポリウレタン
)型の非ゴムの動力伝達ベルトのオーバーコードにも用いられてきた。1995
年9月19日に公開された特開平7-243483号公報(ブリヂストン)はマルチVリ
ブドベルトを示し、これは、オーバーコード内の管状編み織物がリキッド注型に
先立って直接抗張コードに対して位置決めされる。抗張コードと管状編み織物は
、最終的に組立てられたリキッド注型ベルトに直接接触する。
【0008】 本発明の目的は、ベルトの走行方向における高い可撓性を許容しつつベルトに
対して横方向の安定性を与え、かつ最適な摩擦と耐磨耗性を有するベルト背面を
得るために、製造工程の間にゴムが流通するのを許容する特殊な開放編み織物構
造を用いることによって特徴づけられる、織物により強化されたオーバーコード
部を用いた動力伝達ベルトを提供することによって従来技術における欠点を解決
することである。
【0009】 さらなる目的は、ベルトの背面に衝突する背面側アイドラ、テンショナ、ある
いは他の機械的装置を用いたベルト駆動において、望ましくない騒音レベルある
いは振動を生じる、ベルトの外面に顕著な隆起あるいは段部がないオーバーコー
ドを用いて前述の事項を達成することである。
【0010】 (発明の概要) 本発明のこれらおよび他の目的は、ゴムと、ゴムに埋設された抗張部材と、略
平らなベルト背面において区切られるオーバーコード部と、アンダーコード部と
を備える動力伝達ベルトによって達成される。ベルトは、オーバーコード織物と
して隣接するヤーンの間に隙間を規定する、織り込まれたヤーンから形成される
開放編み織物を用いる。ヤーンは少なくとも部分的に安定剤によって覆われる。
覆われた織物は外部ベルト背面に位置し、またゴム層が、覆われた織物に下面に
おいて接着され、覆われた織物と抗張部材の間に介在する。ゴム層はまた、開放
編み織物内の隙間内とベルト背面にも位置する。開放編み目織物は次の式によっ
て定義される開口係数を有する。 0.20≦(1/x−y)/(1/x)≦0.98 (1) ここでx=ヤーンの番手ends/mm(あるいは他の計測長さ)、y=ヤーンの直径m
m(あるいは他の適当な長さ単位)である。
【0011】 他の特徴において、本発明の動力伝達ベルトは、安定剤によりヤーンを少なく
とも部分的に覆うことによって織物を処理し、処理された織物をベルトビルディ
ングドラムの外面の周囲に貼り付け、粘着ゴム層として作用するゴム層を、処理
された織物を覆って巻き付け、ゴム層の周囲に抗張コード部材を螺旋状に巻き付
け、螺旋状に巻き付けられた抗張コードの外面を覆って、異なるゴム層を貼り付
けることによって、加硫可能なベルトスリーブを形成するステップを含む方法に
よって製造される。このようにして形成された加硫可能なベルトスリーブは、加
熱および加圧して加硫することによって、粘着ゴム層の一部が織物の隙間を通過
してビルディングドラム側に接触し、ベルトの背面の一部を形成する。そしてベ
ルトスリーブは個々のベルトに切断され、所望の輪郭形状に成形される。
【0012】 (好ましい実施形態の説明) 図1および図2を参照すると、エンジン補機駆動システムは概略的に10で示
され、エンジン・クランクシャフト・プーリ14と、4リブドベルト11によっ
て駆動されるように連結された被駆動プーリ12とから成る。ベルト11の上面
すなわち外背面13は、アイドラプーリ16に接触する。図1の駆動システム1
0は、普通の自動車補機駆動システム、工業用駆動、あるいはベルト11と背面
アイドラプーリ16の間において発生する騒音をセンサ/トランスデューサ18
(デシベルあるいは騒音特性を計測する)を介して測定するためのテスト装置と
して用いられる。駆動システムの特別な適用およびタイプは、選択されたベルト
形状のタイプによって決まる。概略的に、発明の原理はVベルト、平ベルト、マ
ルチVリブドベルト、および同期ベルトに適用される。本発明のベルトが用いら
れる通常の自動車フロントエンド補機駆動システムの例は、米国特許明細書第4
,551,120号に記載、開示されている。それは、エアコン・モータ・プー
リに協働的に連結された主駆動プーリと、オルタネータ・プーリと、エンジン・
エアポンプ・プーリと、ウォータポンプ・プーリとから成る。これらのプーリに
掛け回されたマルチVリブドベルトは、ベルトの後側に係合する面を有するテン
ショナを介して適当な張力に保持される。
【0013】 図2のベルトはゴムから構成される。「ゴム」は、例えば練りロール機におい
て固体で処理可能である、架橋可能な天然あるいは合成ゴムを意味する。このよ
うなゴムは典型的には、未加硫の形態で、適当な添加剤、増量剤、強化材、促進
剤、充?材、例えばイオウおよび過酸化物等の加硫剤とともに、ゴム処理技術に
おいてよく知られているBanbury(商標)ミキサあるいは連続ミキサにおいて、
混合される。カレンダ処理されたシートは、強化繊維等とともに多層に重合され
るべく準備され、スリーブあるいは他の形態の未処理強化ゴムは加熱加圧下で加
硫すなわち架橋される。スリーブの形態で架橋される場合、個々のベルトがスリ
ーブから切り出されてもよい。本発明において有用な典型的な合成ゴムは、ポリ
クロロプレン、エチレンとプロピレンの共重合体、例えばEPDMである、エチ
レンとプロピレンとジエン単量体との三元共重合体、スチレンブタジエンゴム、
HNBR、CSM、シリコンゴム、フルオロエラストマ、前述のものの混合物、
および前述のものまたは公知の固体処理可能なゴムと、適当な熱可塑性プラスチ
ックまたは熱硬化性プラスチックすなわち"plastomers"、ポリエチレン、ポリエ
ステル(Hytrel社の商標)またはSantoprene(Monsanto社の商標)等の原料と混
合された混合物を含む。リキッド注型(liquid casting)によって成形され、ポ
リウレタンの形態に適用可能な液体処理可能なエラストマ材料はこの定義には含
まれず、また本発明には考えられない。
【0014】 図2のベルトは、ベルトのゴムに埋設された抗張部材20を用いた4リブドベ
ルトである。それは、図7および8を参照して記載される製造工程に関連してさ
らに説明されるように、螺旋状に巻き付けることによって配置される。抗張コー
ド部材は、ナイロン、ポリエステル、カーボン、例えばKEVLARまたはTWARON繊維
(ともに商標)のアラミド等によって形成される、いかなる典型的な抗張コード
あるいは部材であってもよく、典型的には捩じられた撚り糸である。撚り糸は同
様に、通常多数の繊維から成る。コードは、例えばRFL(レゾルシン・ホルム
アルデヒド・ラテックス)によって処理され、ゴムに対する接着を高められる。
ベルトのアンダーコードすなわち圧縮部22は、何も充?されないゴムから成形
されてもよいが、典型的には、綿、ポリエステル、あるいはアラミド等の所望の
材料から成る離散した強化繊維24が混合充?された、適当なゴムから成形され
る。23、25、27、29で示されるアンダーコード部の多数のリブは、隣接
するリブの間における繊維を充?されたゴムを、隣接するリブ間の先端26まで
切削除去するか、あるいは注型、フライカッティング(fly cutting)または他
の技術によって成形されてもよい。リブの輪郭と形状は、通常実質的に、ベルト
が駆動するように連結されたプーリ12、14の対応する輪郭に合致する。
【0015】 28で示されるベルトのオーバーコード部は、略平らな外部ベルト背面13と
、外部ベルト背面に位置する、開放編み目(open mesh)織物オーバーコード生
地15と、隣接したコード20と管状編み織物15に接着するために選定された
、粘着ゴム層17のような中間ゴム層とを有する。粘着ゴム層17は、複合ベル
ト構造との適当な接着力と一体化を高めるためにアンダーコード部22に用いら
れるのと、同じまたは同様な(互換性のある)ゴム材料から形成されてもよい。
【0016】 本発明において用いられる「開放編み目(open mesh)織物」は、織混ざるヤ
ーンで形成された隣接するヤーン間の隙間(開口)により構成された織物を意味
し、上記(1)式によって定義される開口係数を有する。好ましくは、開口係数
は上述したように約0.20と約0.98の間であり、最も好ましくは約0.7
0から約0.90である。
【0017】 個々のヤーンは、適当な程度に捩じられた多重・連続フィラメントから成形さ
れるが、典型的には、綿、ポリエステル、ナイロン、アラミド、カーボン、ある
いはこれらの混合物または紡績糸等の適当な材料の撚られたステープルファイバ
の束から成形される。択一的に、ヤーンはステープルまたは特殊加工された織物
シースによって覆われた、伸縮性のあるコアフィラメントから構成されてもよい
。モノフィラメントから形成されるヤーンは本発明では考えられない。そのよう
なモノフィラメントは、一般的に幾何学的な形状を維持せず、またベルトを製造
する工程の間におけるゴムの流通を高めるために安定化コーティングを付与して
も効果がないからである。
【0018】 ヤーンは典型的には折り込まれて、平織、タイヤコード織物、あるいはたて糸
とよこ糸がベルトの長手走行方向に対して斜めに配置された、バイアスされた織
物すなわち前述のFlex-Weave(登録商標)織物等の特別な形態の織物を構成する。
最も好ましくは、開放編み目織物は径方向に伸縮性のある形態をとり、好ましく
は編み織物である。本発明の開放編み目織物は、織られるか編まれた生地あるい
は他の形態を有し、織物は、織物をゴムカレンダ内にカレンダ処理することによ
って、ゴム材料が予め含浸していないことが重要である。カレンダ処理は織物の
隙間をゴムによって充?し、カレンダ処理される織布の一方または両面にゴムの
摩擦層を形成する。
【0019】 開放編み目織物の最も好ましい形態は径方向に伸縮し、好ましくは編み織物1
5である。それは、解放時の直径D1の図9において30で示されるようなシー
ムレス管の形態である。直径は、典型的には500%かそれ以上にまで伸縮性を
本来有しているので、図示されるように増加した直径D2まで伸張される(30
’)かもしれない。通常の直径D1は、ビルディングドラムまたはマンドレルの
直径に等しいか、好ましくはいくらか小さくなるように選定されるべきであり、
管状編み織物の直径D1は、ビルディングドラムに伸張した状態で装着された編
み管の最終直径の、好ましくは約20から100、より好ましくは約30から8
0パーセントである。一般に、伸張の程度と、管状編み織物の隙間33、34(
図4および5)の対応する開口寸法と、その構成(例えばデニール、繊維の種類
と撚り、およびコースとウェールの密度)は、隙間を通る粘着ゴム層17の流通
を与えられ、適用される最適なベルト性能のために選択される摩擦係数を有する
最終的なベルト表面を得るように選定される。
【0020】 編み管30(図9)はシームレス管の形態に製造される。すなわち管状編み工
程は、編み機に用いられる予め選定された装置要素に従って、特定の直径D1
管を本来的に製造する。与えられた直径の管30は、編み管自体の著しい伸縮性
を与えられた2以上のベルトサイズに有用であるかもしれないと考えられる。ヤ
ーン39の一編みのウェールすなわちたて列35が編み目の表面と背面に交互に
表れる、図4に示されるリブニット形状等の異なる編みパターンが採用されても
よい。このタイプのリブニット織物は、特に幅方向に優れた伸縮性を有する。簡
単な編み方で作られた管状編み織物から成る、図5に示されるジャージ編みは、
本発明が用いられる現在最も好ましい編み織物である。必須ではないが、図5に
示される表面が内側(粘着ゴム層17に向かう)を向くことが好ましい。図4の
リブニットと同様に、ウェールすなわち列は、図9の管におけるたて方向と同じ
ように、図においてたて方向に延びる。このような配置により、例えば図2およ
び図3のベルトに適用されるとき、編み目のウェールすなわちたて列は、完成し
たベルトの長手方向を横切る方向に位置決めされることとなる。ゴムが流動する
開口(隙間)を有するシームレスあるいは縫い目付き(例えば縫い合わせ、ある
いは接合された)管形状に成形され得る他の編み目すなわち径方向に伸張する構
成も考えられる。
【0021】 本発明ではまた、従来シート状のロールから供給されていた開放編み目織物の
使用が考えられ、この織物は、所定の伸張/張力でビルディングマンドレルに装
着されて、マンドレルに設けられる所望の開口が選択され、織パターンが形成さ
れる。このようなアプローチは図6(b)に示されている。ロールから取り出さ
れる編みストリップ37は円筒編み機によって作られる編み管を切断することに
よって成形され、あるいは横編機によって作られる横編み織物であってもよい。
図6(b)に示されるように、編み織物のストリップすなわちウェブ37は、必
要に応じて伸張されて、ドラム(図2に示されたタイプのベルトの製造のため)
の表面に装着され、接合部39において重ね合わせられる。開放編み目織物が本
発明に従って用いられるので、典型的には3cmあるいはそれ未満、編み強化部材
の開口のために、より好ましくは1.5cmよりも小さい重なりが、製造中におけ
るベルトの加硫の間、重なった接合部におけるゴムの流通を妨げないことがわか
った。
【0022】 択一的に、図6(b)に示されるように、編み織物は、編み管の長手軸に対し
て好ましくは約25から65度の鋭角にある、43、45で示されているように
、連続的な長い編み管(一部のみが示されている)を螺旋状に切断することによ
って成形されてもよい。この方法において、編み物のウェール35の方向に対し
てバイアスして切断された連続ストリップ47が製造され、これはベルト背面1
3に沿って斜めに編み織物を配置することによって効果を示し、ベルト11の上
面13の横方向の可撓性を高める。ストリップ47が連続管49から製造される
とき、ストリップ47はロール上に集められ、必要に応じて、安定剤を用いて処
理されるためにロールから繰り出され、前述したように図6(b)に示されるよ
うに重ねられてビルディングドラムに巻き付けられる。
【0023】 他の実施形態では、正方形の織物51あるいはたて糸とよこ糸が約90〜12
0度のヤーンの角度で相互に配置された織物(Flex-Weave(登録商標))が図6
(b)に示される実施形態と同様に、ドラム31に縫い目39と重なり41を有
して装着されてもよい。
【0024】 連続シームレス編み管あるいは他の径方向伸縮管の補強および重合した編み織
物構造に加えて、本発明の開放編み目織物はまた、超音波溶接、裁縫等を含む公
知の方法によって織物の端部が突き合わせ接合された状態で、ビルディングドラ
ムに装着されてもよい。
【0025】 本発明によれば、ヤーンの束を効果的に貫通して固め、処理の間に崩壊したり
平らになるのを防止する、形状安定コーティング処理によって織物の個々の織り
込まれたヤーンをプレコーティングすることにより、加硫工程の間に粘着ゴム層
17が開放編み目織物の隙間を流通する割合が非常に効果的な程度にまで驚くほ
ど高められることがわかった。加硫の前における、マンドレル31におけるスリ
ーブの組み立てを示す図10(a)をまず参照する。マンドレル31上には、通
常一緒に捩じられて紡績糸あるいは多重フィラメントヤーンを構成する、ステー
プルあるいは連続フィラメント繊維の束57から形成される、織り込まれたヤー
ン53、55を有する、上述した開放編み目織物が設けられる。これらのヤーン
はコーティングによって処理され、あるいは、そうでなければ少なくとも部分的
に覆われるべきであり、ヤーンの束の隙間内に前述した安定剤59が充?される
【0026】 現在予見される最も好ましい安定剤はRFL(レゾルシン・ホルムアルデヒド
・ラテックス処理)であり、これは、粘着ゴム層17との接着を促進する接着剤
として作用するのと同様に、処理の間、ヤーンの束を固めて実質的に丸い幾何学
形状を維持する効果を示し、また重ね合わせた織物が用いられる場合には、製造
の間、重ね合わせ接合41(図6(b)および6(c))とともに保持するのに
十分な接着性を有する。択一的に、MDI(メチレン・ジイソシアネート)、T
DI(トルエン・ジイソシアネート)等のイソシアネートも同様に効果的である
ことがわかった。2種のポリウレタンとゴムのりが添加剤であり、これは、本発
明に従って、加硫の間にゴムの流通を妨げない開放編み目織物の開口の隙間34
を残して、ヤーンの幾何形状を維持する安定剤として使用可能である。図10(
a)に示されるように、個々のヤーンが少なくとも部分的に安定剤59によって
コーティングされた開放編み目織物は、まずマンドレル31の表面に装着され、
そして次の粘着ゴム17の層と、螺旋状に巻かれたコード20と、アンダーコー
ド22とがドラムの上に積み重ねられる。
【0027】 後に詳述されるように、加硫工程は、ベルト材料をマンドレルに向かって押圧
させ、強化し、そして高温高圧下での加硫によってゴム架橋し、加硫ベルトスリ
ーブを形成する、加熱加圧工程を含む。図10(b)に図式的に示されるように
、加硫工程の間、ゴム61から成る外部エアバッグは、モールド31に向かって
径方向内側に押圧され、ベルトのエラストマ要素を加圧する。このベルトエラス
トマ要素は加熱下で柔らかくなってマンドレル31に向かって移動し、粘着ゴム
層17を隣接するヤーン53、55の間の隙間34内に流入させ、モールド31
の表面に対して押圧する。加硫の間、安定剤59は実質的にヤーンの束53、5
5の幾何形状を維持し、ヤーン53、55の間の最大開口を維持し、これにより
、モールド31の表面63に対する粘着ゴム17の流通を最大にする。しかし、
ベルトの上面の外部背面に位置する65、67におけるヤーンの先端は、好まし
くはベルトのゴムのゴムによって十分に包まれない。すなわち、このようなヤー
ン先端65、67と協働するステープルファイバあるいは繊維とは包み込まれず
(しかし安定剤コーティングを保持する)、ベルトの背面に望ましい耐摩耗性織
物表面を与える。同時に、十分なゴムが隙間34を通過して外面63に存在し、
ベルト背面13の摩擦係数を、プーリ、テンショナおよび他の機械的装置をベル
トの背面において走行させるために必要な、望ましいレベルまで、典型的には約
0.35、より好ましくは約0.43よりも高いレベルまで増加させる。
【0028】 図10(c)に示されるように、ヤーンの束53’、55’が加硫の間、所望
の安定剤によって前処理されない場合、加硫条件でエアバッグ61が粘着ゴム層
17に対して接着するための圧力を発生し、同様に粘着ゴム層はヤーン53’、
55’をおおよそ楕円または平らな形状につぶし、この結果、隙間の開口69の
実質的な収縮が起こる。これにより、少しのゴムしか外部ベルト背面まで流動し
ない。モールドから取り外すとき、不安定なヤーンはまた、その元の平らでない
形状まで部分的に戻る傾向にあり、これにより、ゴムはベルト背面から凹んで見
えることになる。これらの要因は、外部ベルト背面13によって発揮される摩擦
係数の効果的な低下をもたらす。
【0029】 本発明は、開放編み目織物がビルディングドラムに対して装着されるようにマ
ンドレル31に裏返して組み立てられる、図2のVリブドベルトに関して説明さ
れたが、本発明は前述したように、図3に示される同期すなわちタイミングベル
トを含む他のタイプのベルトに適用できる。
【0030】 図3を参照すると、ベルト40は抗張コード20が埋設されたゴム42から構
成される。一連のコグすなわち歯44は、スプロケットの対応する歯にギアと同
様な態様で噛合するように設けられたベルトの下側に配設され、同期して動力を
伝達する。図2に関して説明されたマルチVリブドベルト11と同様に、ベルト
40は、ベルトの外部背面13に開放編み目織物15を有する。粘着ゴムタイプ
の層17は、コード20と外部背面13の間に介装され、処理の間、ゴムの一部
がシームレス管状編み織物15の隙間33、34を通って外側へ滲み出るが、好
ましくは編み織物の全体を十分に包み込まず、ヤーン断片が外部背面13に突出
する。図2のVリブドベルトと同様に、開放編み目織物は択一的に、巻き付けら
れた、あるいは接合された編み織物、タイヤコード織物、平織あるいはバイアス
された織物すなわちFlex-Weave(登録商標)織物でもよい。全ての場合において
、織物は安定剤によって前処理される。
【0031】 ベルト歯44は、通常の手段で、歯ゴムに接着される外側耐摩耗性歯布46を
支持する。典型的な適当な材料は、伸縮ナイロン平織あるいは編み織物を含む。
歯44はまた、図示しない横方向強化要素すなわち他の強化部材を含んでもよい
【0032】 概して、本発明による動力伝達ベルトの製造方法は図7の連続製造ステップに
従い、加硫可能なベルトスリーブが成形され、加硫された後、任意の付加的な切
断あるいは研磨処理を受ける。加硫可能なベルトスリーブを成形するために、織
物または平らになった連続管の形態にある開放編み目織物80がロール81から
繰り出され、例えば10〜約30重量パーセントのRFL溶液の安定剤59を貯
留するディップタンク83を通過させられる。2つのロールの組みが、ディップ
タンク83の出口において、制御された圧力で相互に押圧することによって余分
の溶液を除去するために用いられてもよい。織物の直線的なスピード、タンク8
3内の滞留時間、溶液の重量パーセント、および2つのロールの圧力によって、
織物80上の安定剤の付着量が決定され、所望の値に調整される。安定剤のコー
ティングを施すために、吹きつけ、ブラッシング、あるいは静電気コーティング
等の、他の方法が用いられてもよい。このように処理された織物82は、釜85
あるいは他の適当な方法で乾燥せしめられ、巻取りロール87に巻き取られ、組
立ステーション89へ移送される。
【0033】 図2のベルトを製造するために加硫可能なベルトスリーブを組立て、すなわち
成形するため、図8に示される組立て装置が参照される。ビルディングドラム3
1の上には、まず、ベルトの背面13に付与されるべき、例えば製品番号、商標
、製造国等の所望のしるしが印刷された細長い転写ラベル71が選択的に貼付さ
れる。この転写ラベルは典型的には、加硫の間マイラー(Mylar)基材からベル
トの背面13に転写する感熱感圧インク印刷に耐える、マイラーあるいは他のプ
ラスチック材料の比較的薄いフィルムである。ベルトは裏側から製造されるので
、ドラムに張り付けられる次の層は、図6に関して説明された、縫い合わされ、
接合され、また重ね合わされた構成を含む本発明の開放編み目織物15である。
しかし、好ましくは、織物は図9の編み織物13のシームレス管30から成形さ
れ、これはマンドレル31にわたって引き伸ばされ弾性的に伸張され、挟まれた
転写ラベル51とともにドラム31の外面に対して、しわを生じることなく把持
する。この方法において、ウェール35はドラムの長手方向すなわちその軸に平
行に延びる。単一の管状編み層30あるいは他の開放編み目織物層30を用いる
ことが満足であることがわかったが、明らかに適用によっては、2あるいはそれ
以上の層が、適用に応じて採用される中間ゴム層とともに、好都合に用いられる
【0034】 開放編み目織物15、好ましくは編み管30の上は、粘着ゴム17のようなエ
ラストマの1以上の層によって覆われる。好ましくは、これらの層の端部は突き
合わせて接合され、そうでなければ、ベルトの外面13に突起あるいは隆起とし
て表れるかもしれない重なりが避けられる。このゴム層17は、択一的に、綿、
ポリエステル、アラミド等の適当な強化繊維が充?されるか、あるいはそれ自体
が埋設された1以上の織物強化層を含んでいてもよい。ゴム層17には、典型的
な方法で抗張繊維コード20が螺旋状に巻き付けて設けられる。抗張コードは、
必要に応じて、密にあるいは広く間隔をあけて設けられ、図示されるように端部
20aが固定されて、適当な大きさの巻き付け張力が得られる。最後に、ベルト
のアンダーコードとして作用する層24が螺旋に巻かれたコード20の上に被せ
られる。この材料はゴムであってもよく、あるいはリブ23、25、27、29
の引張応力を高めるために離散した繊維29が充?されていてもよい。
【0035】 ドラム31上にスリーブが積み上げ成形されると、その組立体は、スリーブの
外面に対して(層22に対して)径方向内側に押圧する蒸気圧で、従来の方法で
スリーブを強化して加硫する(91)、加硫バッグと釜の中に置かれる。その後
、モールドは分解され、スリーブはモールドから取り外される。そしてスリーブ
は個々のVリブドベルトに切断され(93)、これらのVリブドベルトはスリー
ブは切削ドラム上に置かれ、リブ23、25、27、29の輪郭形状(95)が
、リブ間のアンダーコード材料を先端26まで除去する、相補的な形状を有する
研削砥石あるいはフライカッタによって成形される。択一的に、リブが形成され
た輪郭形状は、ドラム31上で加硫される間にマトリクスエアバッグ(matrix a
irbag)を用いて成形されてもよく、この場合エアバッグの形状はオーバーコー
ド部24内に押し込められる。択一的に、エアバッグは積層構造体24を覆って
配置されてもよく、この場合スリーブは、シェル内に形成されたリブ23、25
、27、29と対となる形状を有する固い外部シェル部材に対して、加硫の間外
側に押圧される。種々の製造方法がこの分野の技術を有する者によって理解され
るであろう。
【0036】 前述の工程はマルチリブドベルトの製造に関して説明されたが、図3の同期ベ
ルトもまた図8と同様な適当な装置によって成形されることが当業者に理解され
るであろう。例えば、図3のベルトを成形するために、マンドレルすなわちドラ
ム31は、典型的には、ベルト歯44を成形する表面上に長手方向に延びる歯を
有する。この方法において、ベルトは裏側からではなく、表側から成形される。
貼付されるべき径方向外側の層は、管30の形態にある開放編み目織物15また
は他の所望の形態であり、部分的に成形されたベルトスリーブの上に設けられる
。この場合、歯付きモールドマンドレル31に対して径方向内側にゴム複合材料
を押圧するために、外側エアバッグが用いられる。
【0037】 同様な変更によって図2のベルトは、裏側からではなく、表側からも成形可能
である。その場合、最外層は好ましくは開放編み目織物である。
【0038】 本発明に従って外部開放編み目織物15を用いて図2または図3のベルトを製
造するときに、標準転写ラベル71が、そうでなければ背面側のテンショナある
いは他の装置に衝撃を与えたときに騒音発生源として作用するであろうベルトの
外面13上に、いかなる著しい不連続を生じることなく用いられてもよい。すな
わち、最も外側にあるヤーン繊維65、67が図10(b)に示されるようにゴ
ムマトリクスによって十分に包まれない状態で開放編み目織物がベルト外面13
に配置されるとき、転写ラベル71が加硫の間外面13に対して押圧されるとき
、印刷内容が略平らな外面(形成される段部は概略的に約0.03mmよりも小さ
い)に実質的に影響を与えることなくベルトの背面に転写される。これは、マイ
ラー(Myler)印刷片の除去の後でさえ生じることが意外にも発見された。この
ように、外面13に型押しされる顕著な隆起、不連続部、あるいは段部はない(
従来技術のベルト構造では、典型的には約0.04mmよりも大きい)。これは、
ベルトの外面に薄い外部ゴム層を有するカレンダ処理(摩擦処理)されたバナー
ド(Bannered)織物を用いた、従来技術のベルトとは対照的である。従来技術の
ベルトの場合、マイラー転写ラベルがベルトの外面に加硫されるとき、外部ゴム
層に対して押圧し、ゴムが熱と圧力のために軟化するときにラベルの縁部を押圧
してはみ出る。マイラー片が仕上げられたベルトから除去されるとき、顕著な隆
起部あるいは凹部がベルト外面の上に残る。これらの隆起部57は、アイドラお
よびテンショナプーリに対して衝突するときに騒音を生じる。
【0039】 (実施例) 2組のベルトスリーブA、Bが次のようにして製造された。本発明によるベル
トスリーブAのため、3.5oz/yard2(118.7gm/m2)の重量を有する管状
綿ジャージ編み織物が使用され、管状綿ジャージ編み織物は、公称厚さ0.38
mm、ヤーンの番手1end/mm、ヤーンの公称直径0.2mmであり、266dtexの綿
繊維紡績糸から成る各ヤーンを有する。編み管はロールから供給され、20重量
パーセントの固体内容物を含んでいるRFLの接着剤槽に浸されてディップタン
クを通過せしめられ、ゴムで覆われたロールで圧搾することによって余分の接着
剤が除去され、そして175度で1分間、釜で乾燥せしめられ、スプールに巻き
上げられる。RFLはビニルピリジンSBRラテックスを基礎としており、レゾ
ルシンホルムアルデヒド対ラテックスの比は18であった。編み織物に堆積した
RFLの乾燥した量は処理された織物の全重量の約10パーセントであった。ベ
ルトスリーブは、次の層を積み重ねることによって直径39.0cmを有するステ
ィールマンドレルの上に裏返して製造された。
【0040】 材料 厚さ 層1 RFL被覆編み織物 0.381mm 層2 EPDMゴム 2×0.305mm 層3 ポリエステル抗張コード 0.940mm 層4 アンダーコード本体 5×0.762mm
【0041】 ゴムはNordel 1145 EPDM(米国特許明細書第5,610,217号参照)であった。ジ
ャージコットン管は、被覆された管の解放時の直径の約300パーセントまで伸
張した。抗張コードはRFL処理されたSおよびZ撚りポリエステルコードであ
り、アンダーコード本体は繊維が充?された5枚重ねであった(100部のNord
el 1145 EPDMに、25部コットンとアラミド繊維を添加)。全組み付け長さ(モ
ールドの外周)は122.504cmであった。ベルトスリーブは、外部(釜)圧力
200psi(1.379Mpa)を3分間、389°F(198℃)で行い、内部(
バッグ)圧力50psi(.345Mpa)を3.5分間行って、150psi(1.03
4Mpa)まで増加させて9.5分間行い、加硫された。加硫は19.75分で完
了した。
【0042】 ベルトスリーブBは、編み管のヤーンがRFLあるいは他の材料で処理されな
いことを除いてスリーブAと同じ材料と処理条件で、比較のために製造された。
【0043】 ベルトスリーブA、Bは20.0mmの幅のベルトストリップに切断され、ベル
トストリップはダイアモンド研削砥石を用いて外形を成形され、図2に示される
ような4リブドベルトを得た。スリーブA、Bからのベルトは上面13の摩擦係
数を判定するために試験された。試験装置は主に、直径約15cmで平らな外面を
有する被駆動プーリから成り、被駆動プーリに対して、供試ベルトの背面が35
°の角度にわたって巻かれた。加えて、供試ベルトは、直径約15cmで180°
の巻付け角の駆動プーリと、駆動および被駆動プーリの間に配置されたテンショ
ナと、供試ベルトが約180°にわたって掛け回された第3のプーリに一定の張
力を付与する重りとに掛け回された。試験は、ベルト移動に対して反対方向に駆
動プーリにトルクを付与することにより、100パーセントの滑りが得られるま
で駆動プーリに対して滑りを引き起こして実施された。次の式を用い、動摩擦係
数μが計算される。
【0044】
【数1】 θはラジアンで表した被駆動プーリの巻付け角度、 τは被駆動プーリに作用するトルク、 Tsはベルトゆるみ側の張力である。
【0045】 上述した試験装置および方法を利用して、スリーブAからのベルトは0.52
の計算(式(2))された動摩擦係数を示し、スリーブBからのベルトは0.3
0の計算(式(2))された動摩擦係数を示した。EPDMゴムによってカレン
ダ処理された従来技術の外部織物を有する同じ技術を用い、0.83の計算され
た動摩擦係数が得られた。
【0046】 本発明は、説明の目的のために上記において詳細に記載されたが、このような
詳細は単にその目的のためであって、種々の変形例が、請求の範囲によって限定
されるような範囲を除いて本発明の精神あるいは範囲から逸脱することなく、当
業者によって可能である。ここに例示的に開示された本発明は、ここに特に開示
されない、いくつかの要素がなくても適切に実現されるかもしれない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 簡略化した自動車補機駆動システムである。
【図2】 図1のアクセサリ駆動システムに用いられたマルチVリブドベルトの2−2に
沿う横断面図であり、ベルトを斜めに示すために回転している。
【図3】 本発明のベルトによって成形された同期(タイミング〜ベルトの部分断面斜視
図である。
【図4】 本発明のベルトのオーバーコード部に使用可能なリブ付き編み織物の部分平面
図である。
【図5】 本発明のベルトに使用可能なジャージ編み構造の表面の平面図である。
【図6】 織物を切断してベルトビルディングドラムに貼付するための異なる工程を示す
【図7】 図2のベルトを製造するための好ましい段階的な流れ工程のブロック図である
【図8】 本発明に従ってベルトスリーブを構築するためにドラム上に組み付けられた、
異なる層要素を示すベルトビルディングドラム(マンドレル)の部分破断を示す
【図9】 解放状態にある本発明のシームレス管状編み織物を、部分的に拡大された状態
とともに示す。
【図10】 組立工程の異なる段階を拡大して図式的に示し、ヤーン安定コーティングを用
いた本発明のベルトおよび工程とヤーン安定コーティングを用いないベルトおよ
び工程とを比較する。
【手続補正書】
【提出日】平成14年6月21日(2002.6.21)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】 図2のベルトはゴムから構成される。「ゴム」は、例えば練りロール機におい
て固体で処理可能である、架橋可能な天然あるいは合成ゴムを意味する。このよ
うなゴムは典型的には、未加硫の形態で、適当な添加剤、増量剤、強化材、促進
剤、充填材、例えばイオウおよび過酸化物等の加硫剤とともに、ゴム処理技術に
おいてよく知られているBanbury(商標)ミキサあるいは連続ミキサにおいて、
混合される。カレンダ処理されたシートは、強化繊維等とともに多層に重合され
るべく準備され、スリーブあるいは他の形態の未処理強化ゴムは加熱加圧下で加
硫すなわち架橋される。スリーブの形態で架橋される場合、個々のベルトがスリ
ーブから切り出されてもよい。本発明において有用な典型的な合成ゴムは、ポリ
クロロプレン、エチレンとプロピレンの共重合体、例えばEPDMである、エチ
レンとプロピレンとジエン単量体との三元共重合体、スチレンブタジエンゴム、
HNBR、CSM、シリコンゴム、フルオロエラストマ、前述のものの混合物、
および前述のものまたは公知の固体処理可能なゴムと、適当な熱可塑性プラスチ
ックまたは熱硬化性プラスチックすなわち"plastomers"、ポリエチレン、ポリエ
ステル(Hytrel社の商標)またはSantoprene(Monsanto社の商標)等の原料と混
合された混合物を含む。リキッド注型(liquid casting)によって成形され、ポ
リウレタンの形態に適用可能な液体処理可能なエラストマ材料はこの定義には含
まれず、また本発明には考えられない。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】 図2のベルトは、ベルトのゴムに埋設された抗張部材20を用いた4リブドベ
ルトである。それは、図7および8を参照して記載される製造工程に関連してさ
らに説明されるように、螺旋状に巻き付けることによって配置される。抗張コー
ド部材は、ナイロン、ポリエステル、カーボン、例えばKEVLARまたはTWARON繊維
(ともに商標)のアラミド等によって形成される、いかなる典型的な抗張コード
あるいは部材であってもよく、典型的には捩じられた撚り糸である。撚り糸は同
様に、通常多数の繊維から成る。コードは、例えばRFL(レゾルシン・ホルム
アルデヒド・ラテックス)によって処理され、ゴムに対する接着を高められる。
ベルトのアンダーコードすなわち圧縮部22は、何も充填されないゴムから成形
されてもよいが、典型的には、綿、ポリエステル、あるいはアラミド等の所望の
材料から成る離散した強化繊維24が混合充填された、適当なゴムから成形され
る。23、25、27、29で示されるアンダーコード部の多数のリブは、隣接
するリブの間における繊維を充填されたゴムを、隣接するリブ間の先端26まで
切削除去するか、あるいは注型、フライカッティング(fly cutting)または他
の技術によって成形されてもよい。リブの輪郭と形状は、通常実質的に、ベルト
が駆動するように連結されたプーリ12、14の対応する輪郭に合致する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】 ヤーンは典型的には折り込まれて、平織、タイヤコード織物、あるいはたて糸
とよこ糸がベルトの長手走行方向に対して斜めに配置された、バイアスされた織
物すなわち前述のFlex-Weave(登録商標)織物等の特別な形態の織物を構成する。
最も好ましくは、開放編み目織物は径方向に伸縮性のある形態をとり、好ましく
は編み織物である。本発明の開放編み目織物は、織られるか編まれた生地あるい
は他の形態を有し、織物は、織物をゴムカレンダ内にカレンダ処理することによ
って、ゴム材料が予め含浸していないことが重要である。カレンダ処理は織物の
隙間をゴムによって充填し、カレンダ処理される織布の一方または両面にゴムの
摩擦層を形成する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】 本発明によれば、ヤーンの束を効果的に貫通して固め、処理の間に崩壊したり
平らになるのを防止する、形状安定コーティング処理によって織物の個々の織り
込まれたヤーンをプレコーティングすることにより、加硫工程の間に粘着ゴム層
17が開放編み目織物の隙間を流通する割合が非常に効果的な程度にまで驚くほ
ど高められることがわかった。加硫の前における、マンドレル31におけるスリ
ーブの組み立てを示す図10(a)をまず参照する。マンドレル31上には、通
常一緒に捩じられて紡績糸あるいは多重フィラメントヤーンを構成する、ステー
プルあるいは連続フィラメント繊維の束57から形成される、織り込まれたヤー
ン53、55を有する、上述した開放編み目織物が設けられる。これらのヤーン
はコーティングによって処理され、あるいは、そうでなければ少なくとも部分的
に覆われるべきであり、ヤーンの束の隙間内に前述した安定剤59が充填される
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】 開放編み目織物15、好ましくは編み管30の上は、粘着ゴム17のようなエ
ラストマの1以上の層によって覆われる。好ましくは、これらの層の端部は突き
合わせて接合され、そうでなければ、ベルトの外面13に突起あるいは隆起とし
て表れるかもしれない重なりが避けられる。このゴム層17は、択一的に、綿、
ポリエステル、アラミド等の適当な強化繊維が充填されるか、あるいはそれ自体
が埋設された1以上の織物強化層を含んでいてもよい。ゴム層17には、典型的
な方法で抗張繊維コード20が螺旋状に巻き付けて設けられる。抗張コードは、
必要に応じて、密にあるいは広く間隔をあけて設けられ、図示されるように端部
20aが固定されて、適当な大きさの巻き付け張力が得られる。最後に、ベルト
のアンダーコードとして作用する層24が螺旋に巻かれたコード20の上に被せ
られる。この材料はゴムであってもよく、あるいはリブ23、25、27、29
の引張応力を高めるために離散した繊維29が充填されていてもよい。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】 ゴムはNordel 1145 EPDM(米国特許明細書第5,610,217号参照)であった。ジ
ャージコットン管は、被覆された管の解放時の直径の約300パーセントまで伸
張した。抗張コードはRFL処理されたSおよびZ撚りポリエステルコードであ
り、アンダーコード本体は繊維が充填された5枚重ねであった(100部のNord
el 1145 EPDMに、25部コットンとアラミド繊維を添加)。全組み付け長さ(モ
ールドの外周)は122.504cmであった。ベルトスリーブは、外部(釜)圧力
200psi(1.379Mpa)を3分間、389°F(198℃)で行い、内部(
バッグ)圧力50psi(.345Mpa)を3.5分間行って、150psi(1.03
4Mpa)まで増加させて9.5分間行い、加硫された。加硫は19.75分で完
了した。 国内書面提出時に、英文明細書中の用語「fillers」を『充填材』と翻訳し、
「load」を『充填する』と翻訳し、ワープロソフト「Word 2000」で明細書翻訳
文を作成入力しました。その文書をFDに格納し、特許庁の通信ソフト「パソコ
ン出願2」で送信し提出致しました。後日、出願データのプルーフを確認したと
ころ、明細書中『充填』と表記されるべき箇所が全て『充?』に文字化けしてい
ることを発見いたしました。これはワープロソフトの互換性の問題によるものと
思われます。よって、誤って表記されている全ての『充?』を『充填』に訂正致
します。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 60/240,587 (32)優先日 平成12年10月13日(2000.10.13) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),AU,B R,CA,CN,CZ,HU,ID,IN,JP,KP ,MX,PL,RU

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴムと、前記ゴムに埋設された抗張部材と、略平らなベルト
    背面において区切られるオーバーコード部と、アンダーコード部とを備えた動力
    伝達ベルトであって、隣接するヤーン間に隙間を形成し、織り込まれたヤーンか
    ら形成される開放編み目織物を備え、前記ヤーンは少なくとも部分的に安定剤に
    よって覆われ、覆われた織物は外部ベルト背面に位置し、前記覆われた織物に下
    面において接着され、かつ前記覆われた織物と前記抗張部材の間に介在したゴム
    層を備え、前記ゴム層は前記隙間内と前記ベルト背面にも位置し、かつ前記開放
    編み目織物が次の式によって定義される開口係数を有する動力伝達ベルト。 0.20≦(1/x−y)/(1/x)≦0.98 ここでx=ヤーンの番手ends/mm、y=ヤーンの直径mmである。
  2. 【請求項2】 前記織物が0.40以上で、かつ0.92以下の開口係数を
    有する請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  3. 【請求項3】 前記織物が0.70以上で、かつ0.90以下の開口係数を
    有する請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  4. 【請求項4】 前記ベルト背面に位置し、覆われたヤーンが、前記ゴムによ
    って完全には包まれていない請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  5. 【請求項5】 前記織物が、前記ベルト背面に位置する繊維が前記ゴムによ
    って完全には包まれないヤーンから成形されたシームレス管状編み織物である請
    求項1に記載の動力伝達ベルト。
  6. 【請求項6】 前記織物が環状のジャージ編み地である請求項1に記載の動
    力伝達ベルト。
  7. 【請求項7】 前記織物が、重ね合わせた編み織物、接合された編み織物、
    重ね合わされた平織物、接合された平織物、およびタイヤコード織物から選択さ
    れる請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  8. 【請求項8】 安定剤がレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス(RF
    L)、イソシアネート、ポリウレタン、およびゴムのりから選択される請求項1
    に記載の動力伝達ベルト。
  9. 【請求項9】 前記ベルト背面に、実質的な騒音を発生する段部を表面に有
    しない、印刷された転写ラベルを有する請求項1に記載の動力伝達ベルト。
  10. 【請求項10】 隣接するヤーン間に隙間を形成し、織り込まれたヤーンか
    ら形成される開放編み目織物によって強化された背面を有する動力伝達ベルトを
    製造する方法であって、 (a)安定剤によりヤーンを少なくとも部分的に覆うことによって織物を処理し
    、 前記処理された織物をベルトビルディングドラムの外面の周囲に貼り付け、 粘着ゴム層として作用するゴム層を、前記処理された織物を覆って巻き付け、 前記ゴム層の周囲に抗張コード部材を螺旋状に巻き付け、 前記螺旋状に巻き付けられた抗張コードの外面を覆って、異なるゴム層を貼り
    付ける ことによって加硫可能なベルトスリーブを成形し、 (b)前記ベルトスリーブを加熱および加圧して加硫することによって、前記粘
    着ゴム層の一部が前記隙間を通過して前記ビルディングドラム側に接触し、前記
    ベルトの背面の一部を形成する 動力伝達ベルトを製造する方法。
  11. 【請求項11】 しるしを有するフィルム転写ラベルを、前記ビルディング
    ドラムと前記開放編み目織物の間に貼り付ける請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記開放編み目織物が次の式によって定義される開口係数
    を有する請求項10に記載の方法。 0.20≦(1/x−y)/(1/x)≦0.98 ここでx=ヤーンの番手ends/mm、y=ヤーンの直径mmである。
  13. 【請求項13】 前記織物が安定剤のコーティングバスに浸され、その後乾
    燥することによって処理される請求項10に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記安定剤がレゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス
    (RFL)であり、前記織物に堆積した乾燥RFLの量が前記処理された織物の
    全重量の約5から約25パーセントである請求項10に記載の方法。
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