JP3054046B2 - マーク材を用いた伝動ベルトおよびベルトスリーブの製造方法 - Google Patents

マーク材を用いた伝動ベルトおよびベルトスリーブの製造方法

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JP3054046B2
JP3054046B2 JP6319048A JP31904894A JP3054046B2 JP 3054046 B2 JP3054046 B2 JP 3054046B2 JP 6319048 A JP6319048 A JP 6319048A JP 31904894 A JP31904894 A JP 31904894A JP 3054046 B2 JP3054046 B2 JP 3054046B2
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俊雄 冨山
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29DPRODUCING PARTICULAR ARTICLES FROM PLASTICS OR FROM SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE
    • B29D29/00Producing belts or bands

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマーク材を用いた伝動ベ
ルトおよびベルトスリーブの製造方法に係り、詳しくは
ゴム組成物を含浸させた基材にマークとして該ゴム組成
物と色あるいは明度の異なる印刷用ゴム組成物を印刷し
たマーク材を、伝動ベルトの背面、あるいは背面および
腹面の少なくとも一方に付着し、加硫によりマーク材の
基材を剥離することなくベルト本体と一体化して、上記
マーク材の境界には段差のない面にしたマーク材を用い
た伝動ベルトおよびベルトスリーブの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】転写マーク材はアセテートやナイロンの
ような合成樹脂フィルムや離型紙を基材とし、この上に
未加硫のカラーゴムからなるマークを印刷したものが知
られている。この転写マーク材を用いたベルトの成形で
は、一般に転写マーク材を成形ドラムに貼着した後に、
カバー帆布を巻き付け、この上にゴム層、心線、そして
ゴム層を順次積層した後、ジャケットを嵌挿して加硫
し、加硫したベルトスリーブから基材を剥離してマーク
を転写していた。
【0003】また、実開平4−126270号公報に
は、マークのプリント部分での異音の発生を抑制するた
めに、両端部を規則的または無規則的な波形形状に形成
されたベルト用マーク紙を使用することが開示されてい
る。ここでも、加硫によりマークをベルト背面に転写し
た後、ベルト成形体よりマーク紙(基材)を除去してい
た。
【0004】しかし、このようにして得られたベルトの
背面は、基材を剥離した跡が段差状態で存在し、背面に
係合する平プーリがこの段差を通過する時に、平プーリ
が振動し、不快な異音を発生していた。とりわけ、最近
のVリブドベルトは自動車の補機駆動用として使用さ
れ、特に多軸を駆動させるためにサーペンティーン状に
巻き付けられ、しかもベルト背面にはベルトの伸びを吸
収できるテンショナーを係合させている。ベルト背面に
わずかな凹凸面があると、前記テンショナーは振動し、
騒音を発していた。
【0005】上記段差を発生させずにマークを転写させ
るベルトの製造方法としては、特開平5−42754号
公報や特開平5−104654号公報が知られている。
即ち、転写マーク材とともにベルトあるいはベルトスリ
ーブを一体に加硫する前に、予め未加硫ゴムを含む帆布
にマークを転写し、基材を剥離したものを使用する方法
である。
【0006】また、加硫されたベルトあるいはベルトス
リーブの表面に、転写マーク材を押しつけ、マークを転
写して基材を剥離する方法も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベルトあるい
はベルトスリーブと転写マーク材を一体に加硫する前
に、予めマークを未加硫ゴムを含む帆布に転写し、基材
を剥離する方法では、マークを転写した帆布を運搬する
時や成形時に成形ドラムに巻き付けたりする時に、基材
を持たないマークが汚れたり、歪んだりする性能的な問
題や、成形前に帆布に転写する工程が必要であるといっ
た生産面での不利があった。
【0008】また、加硫後のベルトあるいはベルトスリ
ーブにマークを転写する方法においては、加硫されたベ
ルトスリーブを成形ドラムや加硫用部材から容易に離脱
させるために使用された離型成分がマークの転写を阻害
したり、転写されたマークの脱落を容易にするといった
問題があり、更に離型成分を取り除いてマークを転写す
るには、余分な工程が必要になっていた。
【0009】本発明はこのような問題点を改善するもの
で、使用するマーク材の基材を剥離することなく、加硫
により基材そのものをベルトあるいはベルトスリーブ本
体に一体に付着でき、また段差の生じない平坦な面を形
成して異音の発生しない伝動ベルト、および製造工程を
短縮化したベルトスリーブの製造方法を提供することに
ある。
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】 本発明の特徴とするとこ
ろは、伸張層、ロープを含む心線、そして圧縮層からな
る伝動ベルトにおいて、ゴム組成物を含浸させた基材に
マークとして該ゴム組成物と色あるいは明度の異なる印
刷用ゴム組成物を印刷したマーク材が、伸張層あるいは
圧縮層の少なくとも一方の表面に付着し、該マーク材の
基材と表面とが加硫一体化によって上記マーク材と表面
の境界に段差のない面になっているマーク材を用いた伝
動ベルトにあり、また本発明はマーク材が伸張層の表面
にあるカバー帆布に付着一体化している場合や、マーク
材が伸張層の表面にあるカバー帆布に付着一体化し、圧
縮層にはベルト長手方向に伸びる複数のV状溝部を具備
しているVリブドベルトである場合を含む。
【0012】更に、本発明の特徴とするところは、成形
ドラムの表面にゴム層、ロープを含む心線、そしてゴム
層を順次積層し、この積層体を加硫して得られるベルト
スリーブの製造方法において、ゴム組成物を含浸させた
基材にマークとして該ゴム組成物と色あるいは明度の異
なる印刷用ゴム組成物を印刷したマーク材を、上記ゴム
層の少なくとも一方の表面に接触するように配置して積
層体を成形し、これを加硫して上記マーク材の基材とゴ
ム層とを一体化した後、上記マーク材の基材を除去する
ことなくベルトスリーブの一部として使用するベルトベ
ルトスリーブの製造方法にある。
【0013】また、本発明の特徴とするところは、成形
ドラムの表面にゴム層、ロープを含む心線、そしてゴム
層を順次積層し、カバー帆布を上記ゴム層の少なくとも
一方に配置して得た積層体を加硫して得られるベルトス
リーブの製造方法において、ゴム組成物を含浸させた基
材にマークとして該ゴム組成物と色あるいは明度の異な
る印刷用ゴム組成物を印刷したマーク材を、上記カバー
帆布の少なくとも一方の表面に接触するように配置して
積層体を成形し、これを加硫して上記マーク材の基材と
帆布とを一体化した後、上記マーク材の基材を除去する
ことなくベルトスリーブの一部として使用するベルトベ
ルトスリーブの製造方法にある。
【0014】また本発明は、ゴム組成物を含浸させた基
材にマークとして該ゴム組成物と色あるいは明度の異な
る印刷用ゴム組成物を印刷したマーク材を、マークが成
形ドラムの表面に面するように設置した後、この上にカ
バー帆布、ゴム層、心線、そしてゴム層を順次積層し、
これを加硫して上記基材とカバー帆布とを一体化したベ
ルトベルトスリーブの製造方法を含む。
【0015】
【作用】本発明では、マーク材においてゴム組成物を含
浸させた基材を使用しているため、該基材がベルトある
いはベルトスリーブ本体と一体化し、特に加硫時に一体
化するために基材の剥離が不要になり、スクラップの発
生もなくなる。そのため、このマーク材を用いた伝動ベ
ルトもマークが記された領域と記されていない領域との
境界、また基材とマークとの境界で段差が発生せず、極
めて平坦な面になり、マークが記された面にプーリ等が
当接してもプーリ等の振動や異音の発生も極めて小さく
なる。更に、ベルトスリーブの製造方法では、ゴム組成
物を含浸させた基材が加硫時にベルトあるいはベルトス
リーブ本体に加熱下で強く押圧されて一体化するため、
基材の剥離が不要になり、製造工程も従来に比べて少な
くなる。
【0016】
【実施例】以下、添付図面を参照して、本発明の実施例
を説明する。図1は本発明において使用するマーク材の
一部切欠斜視図である。ここで使用するマーク材1は、
ゴム組成物2を含浸させた基材3にマーク4として該ゴ
ム組成物2と色あるいは明度の異なる印刷用ゴム組成物
を印刷したものである。
【0017】基材3はゴム組成物2からなるゴム糊を含
浸させ乾燥させて得たものであり、ゴム糊が含浸しやす
い紙あるいは不織布からなっている。ここで使用する紙
は、素材としては天然繊維であり、また不織布も、綿、
レーヨン、ポリアミド、ポリエステル等の天然あるいは
合成繊維からなっている。
【0018】基材3の厚さは0.01〜0.1mmであ
り、好ましくは0.02〜0.03mmである。もし基
材3の厚さが0.01mm未満であると、マーク4の印
刷時に基材3が破損したり、歪んだり、シワなどが発生
しやすくなる。一方、0.1mmを越えると、ベルトの
使用時にプーリと係合する基材3がベルトから剥離する
ことがある。
【0019】ゴム組成物2はNR(天然ゴム)、SB
R、CR(クロロプレンゴム)、CSM(クロロスルフ
ォン化ポリエチレンゴム)、HNBR(水素化ニトリル
ゴム)などのゴムに、カーボンブラック等の補強材、可
塑剤、軟化剤、促進剤、加硫剤等の添加剤を混入した加
硫可能なゴム配合物をトルエン、メチルエチルケトン等
の溶剤に溶かしたゴム糊を基材3に含浸させた後、乾燥
させ溶剤を除去したものである。むろん、加硫剤を含ま
ないゴム配合物も使用することができる。この場合、基
材3に接触しているベルトスリーブのゴム層に含まれる
加硫剤が影響する。しかし、加硫可能なゴム配合物が好
ましい。
【0020】また、ゴム組成物2のゴムとしては、NR
(天然ゴム)、SBR、CR(クロロプレンゴム)、C
SM(クロロスルフォン化ポリエチレンゴム)、HNB
R(水素化ニトリルゴム)、ビニルピリジン−スチレン
−ブタジエン三元共重合体などのラテックスも使用可能
である。
【0021】一方、マーク4は、NR(天然ゴム)、S
BR、CR(クロロプレンゴム)、CSM(クロロスル
フォン化ポリエチレンゴム)、HNBR(水素化ニトリ
ルゴム)などのゴムに顔料、補強材、可塑剤、促進剤、
加硫剤等の加硫可能なゴム配合物あるいは加硫剤を含ま
ないゴム配合物をトルエン、メチルエチルケトン等の溶
剤に溶かしたゴム糊からなる印刷用ゴム組成物、あるい
はこのゴム糊にシリコーンオイルを添加した印刷用ゴム
組成物からなり、これを文字、数字、記号などに印刷し
たものである。
【0022】シリコーンオイルは上記溶剤に溶かした3
0〜40重量%の溶液であり、このシリコーンオイル溶
液が上記ゴム糊に添加され、ゴム100重量部に対して
0.15〜0.40重量部添加される。シリコーンオイ
ルの添加量が0.15重量部未満の場合には、マーク材
1の巻き取り時に発生するマーク4の密着が充分に防止
できなくなり、また0.40重量部を越えると基材3に
対する印刷用ゴム組成物の付着が充分でなく、マーク材
1の巻き取り時において印刷されたマーク4が不鮮明に
なる。
【0023】以下に、上記マーク材1を用いたベルトス
リーブの製造方法を示す。図2に示すように、上記マー
ク材1を、印刷したマーク4が円筒状の成形ドラム10
の表面に面するように全幅にわたって配置する。その
後、加硫可能なゴム組成物を擦り込まれた1〜複数枚の
カバー帆布6を成形ドラム10の上に巻き付けて、更に
接着ゴム7を、そして同層7の上に螺旋状に巻き付けら
れたポリエステル、アラミド繊維等を素材とするロープ
からなる心線8、更に圧縮ゴム層9を順次積層する。こ
の積層体はジャケットに挿入して加硫され、成形ドラム
10から脱型してベルトスリーブ11となる。
【0024】上記カバー帆布6は、綿などの天然繊維、
またはポリアミド、ポリエステルなどの合成繊維からな
る紡績糸、あるいは天然繊維と合成繊維をともに使用し
た混紡糸、あるいは合成繊維の多数のフィラメントを撚
り合わせたフィラメント糸を用いた織物である。この織
物は平織り、綾織り等からなり、経糸と緯糸との交差角
が90〜120°にした伸縮性を付与した広角度帆布を
用いることもできる。
【0025】上記圧縮ゴム層9は、アラミド繊維、ポリ
エステル繊維、ナイロン繊維、綿等からなる長さ1〜1
0mmのカット繊維が1〜15vol%混入され、ベル
トスリーブ11の幅方向に配列されている。
【0026】この加硫中、マーク材1の基材3は6〜1
2kgf/cm2 の圧力でカバー帆布6に押しつけら
れ、しかも150〜170°Cに加熱されるため、基材
3に含浸されていたゴム組成物は加硫されてカバー帆布
6と一体になる。これがマーク材1とカバー帆布6およ
び基材3とマーク4との界面にも段差をもたないベルト
スリーブ11を得ることになる。しかも、上記マーク材
1は従来の転写マーク材とは相違し、加硫後も基材3を
剥離する必要がなく、スクラップも発生しない。基材3
はベルトスリーブ11本体の一部になっており、この点
も本発明の大きな特徴である。
【0027】ベルトスリーブ11は、図3に示すよう
に、圧縮ゴム層9が表面側に位置するように駆動側ロー
ル12と従動側ロール13に掛架され所定の張力下で走
行させる。ベルトスリーブ11の走行速度は特に制限が
ない。更に回転させた研削ホイール14を駆動側ロール
12もしくは従動側ロール13側近くに配置し、走行中
のベルトスリーブ11に当接するように移動しつつベル
トスリーブ11の表面に3〜100個の複数のV状溝部
16を一度に研磨する。
【0028】研削ホイール14の回転方向はベルトスリ
ーブ11のそれと同方向もしくは逆方向であってもよ
い。この研削ホイール14の回転数は、400〜2,4
00rpmである。上記研磨加工については、例えば特
開平5−200906号公報に開示されている。
【0029】得られた伝動ベルト17は、図4に示すよ
うに、カバー帆布6からなる伸張層19、接着ゴム7に
埋設されたロープからなる心線8、そして圧縮ゴム層9
からなる圧縮層22からなり、圧縮層22にはベルト長
手方向に伸びる複数のV状溝部16を有している。そし
て、マーク材1はカバー帆布6に付着一体化し、しかも
マーク材1とカバー帆布6および基材3とマーク4との
界面には段差をもたない平坦な面になっている。
【0030】また、本発明に係る他のベルトスリーブの
製造方法としては、図5に示すように、成形ドラム10
の表面にゴムを擦り込まれた1〜複数枚のカバー帆布6
を巻き付けて、その上に圧縮ゴム層9、心線8、接着ゴ
ム7、更に1〜複数枚のカバー帆布6を順次積層する。
そして、マーク材1を、印刷したマーク4が最外層にあ
るカバー帆布6の表面に面するように全幅にわたって配
置する。この積層体はジャケットに挿入して加硫され、
成形ドラム10から脱型してベルトスリーブ11とな
る。得られたベルトスリーブ11は、他のドラムに嵌入
された後、ドラムを回転しつつカッターによってV状に
切断し、個々のVベルトに仕上げることができる。
【0031】本発明では、マーク材1をカバー帆布6の
表面に付着する必要がなく、直接ゴム層の表面に付着す
ることもできる。
【0032】次に、本発明のVリブドベルトと従来の転
写マーク入りVリブドベルトとの走行試験により、走行
時の音圧を測定した結果を以下に述べる。本発明で用い
たマーク材では、基材として厚さ約0.025mmの紙
を使用し、この中に表1に示すクロロプレンゴムからな
るゴム配合物をトルエンに溶かしたゴム糊を含浸させた
後、室温で乾燥させてゴム組成物を含浸させた。
【0033】
【表1】
【0034】この基材の表面に表2に示す天然ゴムから
なるゴム配合物をトルエンに溶かしたゴム糊100重量
部に、シリコーンオイルを30〜40重量%の含むトル
エン溶液を0.30重量%混合攪拌した印刷用ゴム組成
物を作製し、文字を印刷した。
【0035】
【表2】
【0036】次に、Vリブドベルト用のベルトスリーブ
製造方法では、印刷したマークが円筒状の成形ドラムの
表面に面するように全幅にわたってマーク材を配置し
た。そして、カバー帆布が経糸および緯糸とも綿糸から
なる平織物でその交差角を約110度とした広角度帆布
と呼ばれるゴム付きの伸縮性織物を1プライ使用し、ま
たクッションゴムとしてクロロプレンゴム、心線として
ポリエステル繊維からなるロープ、圧縮ゴム層としてク
ロロプレンゴムに長さ6mmのナイロン繊維8vol%
と長さ3mmのアラミド繊維3vol%のカット糸をス
リーブの幅方向に配列し混入したものを使用した。加硫
条件は、170°C、27分であった。そして、研削ホ
イールを用いて、V状溝部を研磨加工した後、切断して
個々のVリブドベルトに仕上げた。Vリブドベルトは3
リブをもつ3PK1100であった。
【0037】一方、比較例として用いたVリブドベルト
では、厚さ50μmのポリアセテートフィルムの基材に
ゴム糊インクを印刷した転写マーク材を成形ドラムの全
幅にわたって配置した。この場合、基材は成形ドラムの
表面に面するように配置される。そして、実施例と同様
のカバー帆布、クッションゴム、心線、圧縮ゴム層を積
層して、スリーブを170°C、27分で加硫した後、
成形ドラムから脱型し、基材を剥離した。得られたスリ
ーブを実施例と同様に研削ホイールを用いて、V状溝部
を研磨加工した後、切断して3リブをもつ3PK110
0のVリブドベルトに仕上げた。得られたベルトの背面
には、0.04〜0.05mmの段差を有していた。
【0038】上記Vリブドベルト17を図6に示すよう
に直径140mmの駆動プーリ25と直径95mmのテ
ンションプーリ26に所定のベルト張力で巻きかけ、ベ
ルト背面に直径90mmのアイドラープーリ27を係合
させ、マークの通過時間を反射光により正確に検知する
ことができるファイバーセンサー28と音圧を測定する
マイクロフォン29をテンションプーリ26側に取り付
けた。測定は室温下で行い、ベルトの走行速度は5.1
m/secであった。
【0039】時間と音圧との関係を測定した結果を図7
と図8に示す。これによると、本発明のベルトでは、マ
ークの通過付近において音圧が高くなることがなく、平
坦な面になっている。一方、比較例のベルトでは、マー
クの通過付近を通過するごとに音圧が高くなっており、
段差面になっていることが判る。
【0040】
【発明の効果】以上のように本発明においては、マーク
材としてゴム組成物を含浸させた基材を使用しているた
め、該基材がベルトあるいはベルトスリーブ本体と一
体、特に加硫時に一体になるために基材の剥離が不要に
なってスクラップの発生がなくなる効果があり、また伝
動ベルトもマークが記された領域と記されない領域と
の境界、また基材とマークとの境界で段差が発生せず、
極めて平坦な面になり、マークが記された面にプーリ等
が当接してもプーリ等の振動や異音の発生も極めて小さ
くなる効果を有し、更にベルトスリーブの製造方法で
は、ゴム組成物を含浸させた基材が加硫時にベルトある
いはベルトスリーブに加熱下で強く押圧されて一体化
し、基材の剥離が不要になり、これにより製造工程が従
来に比べて短縮される効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマーク材の一部切欠斜視図である。
【図2】本発明のマーク材を用いたベルトスリーブの製
造方法を示す。
【図3】ベルトスリーブの研磨工程を示す概略図であ
る。
【図4】本発明のマーク材を用いて得られた伝動ベルト
の一部断面斜視図を示す。
【図5】本発明のマーク材を用いた他のベルトスリーブ
の製造方法を示す。
【図6】伝動ベルトの走行時における発音を測定する走
行試験機の概略図を示す。
【図7】本発明の伝動ベルトの音圧波形を示す。
【図8】従来の段差をもつマーク付き伝動ベルトの音圧
波形を示す。
【符号の説明】
1 マーク材 2 ゴム組成物 3 基材 4 マーク 6 カバー帆布 7 接着ゴム 8 心線 9 圧縮ゴム層 10 成形ドラム 11 ベルトスリーブ 17 伝動ベルト 16 V状溝部 19 伸張層 22 圧縮層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−288746(JP,A) 特開 昭56−154780(JP,A) 特開 平6−19399(JP,A) 特開 平2−160577(JP,A) 特開 昭57−54979(JP,A) 特開 平1−278516(JP,A) 特開 平4−126270(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 1/00 - 5/20 B29D 29/00 - 29/10 G09F 3/00 - 3/10 B41M 1/32

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伸張層、ロープを含む心線、そして圧縮
    層からなる伝動ベルトにおいて、ゴム組成物を含浸させ
    た基材にマークとして該ゴム組成物と色あるいは明度の
    異なる印刷用ゴム組成物を印刷したマーク材が、伸張層
    あるいは圧縮層の少なくとも一方の表面に付着し、該マ
    ーク材の基材と表面とが加硫一体化によって上記マーク
    材と表面の境界に段差のない面になっていることを特徴
    とするマーク材を用いた伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 マーク材が、伸張層の表面に設けられた
    カバー帆布に付着一体化している請求項記載のマーク
    材を用いた伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 マーク材が、伸張層の表面に設けられた
    カバー帆布に付着一体化し、圧縮層にはベルト長手方向
    に伸びる複数のV状溝部を具備しているVリブドベルト
    である請求項記載のマーク材を用いた伝動ベルト。
  4. 【請求項4】 成形ドラムの表面にゴム層、ロープを含
    む心線、そしてゴム層を順次積層し、この積層体を加硫
    して得られるベルトスリーブの製造方法において、ゴム
    組成物を含浸させた基材にマークとして該ゴム組成物と
    色あるいは明度の異なる印刷用ゴム組成物を印刷したマ
    ーク材を、上記ゴム層の少なくとも一方の表面に接触す
    るように配置して積層体を成形し、これを加硫して上記
    マーク材の基材とゴム層とを一体化した後、上記マーク
    材の基材を除去することなくベルトスリーブの一部とし
    て使用することを特徴とするベルトスリーブの製造方
    法。
  5. 【請求項5】 成形ドラムの表面にゴム層、ロープを含
    む心線、そしてゴム層を順次積層し、カバー帆布を上記
    ゴム層の少なくとも一方に配置して得た積層体を加硫し
    て得られるベルトスリーブの製造方法において、ゴム組
    成物を含浸させた基材にマークとして該ゴム組成物と色
    あるいは明度の異なる印刷用ゴム組成物を印刷したマー
    ク材を、上記カバー帆布の少なくとも一方の表面に接触
    するように配置して積層体を成形し、これを加硫して上
    記マーク材の基材と帆布とを一体化した後、上記マーク
    材の基材を除去することなくベルトスリーブの一部とし
    て使用することを特徴とするベルトスリーブの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 ゴム組成物を含浸させた基材にマークと
    して該ゴム組成物と色あるいは明度の異なる印刷用ゴム
    組成物を印刷したマーク材を、マークが成形ドラムの表
    面に面するように設置した後、この上にカバー帆布、ゴ
    ム層、心線、そしてゴム層を順次積層し、これを加硫し
    て上記基材とカバー帆布とを一体化した請求項記載の
    ベルトスリーブの製造方法。
JP6319048A 1994-11-28 1994-11-28 マーク材を用いた伝動ベルトおよびベルトスリーブの製造方法 Expired - Lifetime JP3054046B2 (ja)

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