JP2003503663A - 自動車用６段副軸式変速機のための変速機構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、少なくとも１本の入力軸（1又は1c/1h）及び、それに対して平行に取付けられ、ピニオン（5及び6）が最終出力歯車（8）に噛合う様にされた、少なくとも２本の副軸（2及び3）を有する、自動車用６段副軸式変速機のための変速機構造に関する。遊動歯車（L1, L2, L3, L4, L5及びL6）と常時噛合う固定歯車（F1, F2, F3, F5, F4/F6）が、入力軸（1 or 1c/1h）上に配置される。ダブル又はシングル同期ユニット（DS1, DS2及びS3とS4）が、遊動歯車に隣接して配置され、それにより、選択的な駆動態様で、遊動歯車が、それらの副軸（2及び3）に結合され得る。手動選択可能なマニュアル・シフト仕様において、入力軸（1）は、単一クラッチ（C）により切断される。動力作動式パワーシフト仕様においては、同軸の２本の入力軸（1c及び1h）が、二重カップリング（C1及びC2）により切断される。ある段から次の段への変速が、結合の予選択と変更を用いて、パワーシフト式の態様で実行され得る様に、一連の変速段が、ダブルとシングルの同期ユニットへ割当てられる。異なる変速段のための歯車対が、パワーシフト仕様に必要とされる配列及び幾何学的配置で、入力軸（1c及び1h）又は副軸（2及び3）上に配置される。入力軸（1）及び固定ギア（F1’からF6’）が、軸方向に変更され180°だけ回転させられた位置にある対応する副軸（2又は3’）に合う様に変更された、マニュアル・シフト仕様において、対応する遊動歯車（L1からL6）が、（１と２、３と４そして５と６）の様な連続する変速段がダブル同期ユニット（DS1, DS2及びDS3）に割当てられる様に、幾何学的に同一に配置される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、請求項１の前提部分に記載された形式の、自動車用６段副軸式変速機
のための変速機構造に関する。

【０００２】 EP 0 046 373 A1には、少なくとも１つの入力軸と、それと平行に配置されると
ともに最終出力歯車と噛合うピニオンが各々に備えられた少なくとも２つの副軸
を持つ、自動車用６段副軸式変速機のための変速機構造が開示されている。この
場合、固定輪が入力軸上に配置されるとともに副軸上の遊動輪と常時噛合状態に
あり、それと並んで遊動輪にシングル又はダブル同期ユニットが備えられ、それ
らを介して遊動輪が対応する軸に駆動結合され得る。

【０００３】 この場合において、６段副軸式変速機のための変速機構造は、共通の構成部品を
出来るだけ多く残しつつ、手動による操作が可能なマニュアル・シフト仕様と動
力作動式のパワー・シフト仕様の形態で、実施されるべきである。

【０００４】 既知の６段副軸式変速機のための変速機構造は、ここで、適切な予選択とクラッ
チの切替を行えば、パワー・シフト・モードにて変速段切替が行われ得る様に、
ダブル同期ユニットが、連続する変速段に割当てられておらず、各場合において
ある変速段の一つ飛ばした変速段に対して割り当てられる様に、連続する歯車の
配列となっているという不都合がある。

【０００５】 これは、手動による変速が可能なマニュアル・シフト仕様において、二重H形の
一般的なシフト・ゲートを介した簡潔な変速レバーのリンクを用いた変速が、可
能ではないという不都合を伴う。

【０００６】 EP 0 083 747 B1には、対応する二重クラッチと、中心軸及び中空軸からなる二
重の入力軸の配置を持つ、動力作動式パワー・シフト仕様のみの形態を当初から
持つ、自動車用６段副軸式変速機のための変速機構造が開示されている。ここで
また、固定輪が同様に入力軸上に配置され副軸上の対応する遊動輪と常時噛合い
状態であり、それと並んで遊動輪にシングル又はダブル同期ユニットが配列され
、それらを用いて、遊動輪が対応する軸に選択的に駆動結合され得る。副軸は、
各々、最終出力歯車と噛合い状態にあるピニオンを持つ。

【０００７】 EP 0 046 373 A1による変速機構造及びEP 0 083 747 B1による変速機構造は両者
とも、それぞれの場合において、２種の異なる変速段を形成する固定輪を１つ又
はそれより多く利用し、その結果、変速機の全長が短く保たれ得る。

【０００８】 本発明の目的は、極力多くの構成部品を残しながら、副軸式変速機の手動による
切替が可能なマニュアル・シフト仕様と動力作動式のパワー・シフト仕様の両方
を提供可能であり、同時に、マニュアル・シフト仕様については、ダブル同期ユ
ニットが各場合において連続する変速段に割り当てられることが出来、その一方
で動力作動式のパワー・シフト仕様においては、ダブル同期ユニットが、各場合
においてある変速段とそれから一つ飛ばした変速段に割り当てられる、という様
に、請求項１の前提部分に記載された形式の自動車用６段副軸式変速機のための
変速機構造を改良することにある。

【０００９】 この目的は、請求項１の前提部分に記載された形式の自動車用６段副軸式変速機
のための変速機構造において、請求項１の特徴部分に示された手段が適用される
という本発明により、達成される。

【００１０】 各場合において固定輪と遊動輪から形成される種々の変速段のための歯車対が、
パワー・シフト仕様に必要とされる配列及び幾何学的構成で入力軸又は副軸上に
形成或いは配列され、そして、マニュアル・シフト仕様においては、ダブル同期
ユニットが各場合において（１と２、３と４、５と６）の様な連続する変速段に
割り当てられる様に、入力軸と固定輪が変更され、同じ遊動輪が、パワー・シフ
ト仕様におけるのと同様に、しかし配置を軸方向に異ならせるか又は設置方向を
180°回転させた状態で、対応して変更された副軸上に配列されるため、遊動輪
の製造に要する機械への投資が低く保たれ得る。

【００１１】 本発明を、図面を参照しながらより詳細に説明する。

【００１２】 図１に示されるパワー・シフト仕様において、変速機構造は、C1及びC2で示され
た別個に駆動可能なクラッチ・ディスクを持つ周知の二重クラッチを持ち、C1は
1cで示された中央入力軸を駆動し、C2は1hで示された中空入力軸を駆動する。

【００１３】 シャフト軸Ｉ上に配列された２本の入力軸1c及び1hと平行に、第１の副軸2がシ
ャフト軸II上に配列されており、また、第２の副軸3が第３のシャフト軸III上に
配列されている。

【００１４】 同期される後退段のために、比較的短い追加の副軸4がシャフト軸IV上に配列さ
れており、３本の副軸2, 3及び4の全ては、ピニオン5, 6及び７を持ち、それら
を介して最終出力歯車8に駆動結合されている。

【００１５】 シャフト軸Ｉ乃至IVの位置は、この場合、図５に示されたものから更に密集され
ても良い。

【００１６】 変速段のための固定輪が入力軸1c及び1h上に配置されており、F1, F3, F5, F4/6
及びF2として示されている。副軸2及び3上に配置された遊動輪は、対応してL1,
L3, L5, L4, L6及びL2として示されている。

【００１７】 後退段の遊動輪LRのための後退輪Uが、３速段のための遊動輪L3に結合されてい
る。

【００１８】 種々の遊動輪を、それらの対応する副軸に接続するために、複数の同期ユニット
、具体的には、１速段と３速段を切替えるためのダブル同期ユニットDS1、２速
段と４速段を切替えるためのダブル同期ユニットDS2、５速段へ切替えるための
シングル同期ユニットS3、６速段へ切替えるためのシングル同期ユニットS4、及
び、後退ギアへ切替えるシングル同期ユニットS5、が配置されている。

【００１９】 既に最初に述べた様に、各場合についてあるギアに一つおいたギアがに隣接する
様に、種々の変速段が同期ユニットに割り当てられているので、動力作動式パワ
ー・シフト仕様において、例えば、クラッチC1と歯車セットF1/L1を介して、そ
して同期ユニットDS1が左側に移動されることによって１速段が選択されている
場合、同期ユニットDS2が右側に移動されることにより、選択されているのが１
速段の状態であっても１つ高い２速段が予備選択されることが可能であり、そし
てクラッチC2の作動及び同時に行われるクラッチC1の解放により動力伝達がなさ
れ得る、といった、トルクの中断を全く伴わないある変速段から次の変速段への
切替が可能である。

【００２０】 図２に示された、手動による変速が可能なマニュアル・シフト仕様において、同
一の構成要素は図１におけるものと同じ参照符号にて示され、それに対し構造的
に変更された構成要素には、同じ参照符号にプライム符号が付されたものが与え
られている。

【００２１】 単一クラッチCが各種のギア輪の対のための対応する固定輪が配置された入力軸1
'を駆動し、上記固定輪は図１における実施形態とは異なるためF1'、F2'、F5'、
F3'及びF4/6'の符号が与えられている。

【００２２】 本発明によれば、対応する遊動輪は図１に示されたものと幾何学的に全く同じ構
造のものが使用され、従ってプライム符号の無い図示符号L1乃至L6が与えられて
いる。正確に言うと、軸方向に変更された配列及び180°回転させられた組込み
位置のために、ダブル同期ユニットがそれぞれの場合において、例えば１と２、
３と４そして５と６の様な連続する変速段に割当てられる様に歯車の配列がなさ
れる態様で、これら遊動輪は、変更されない様にされ得る対応の副軸2及び、同
期ユニットの位置の違いに起因して変更されなければならない対応の副軸3’上
に、配置される。

【００２３】 この様にして、６段副軸式変速機について一般的な二重H形状のシフト・ゲート
における従来の手動切替装置を用いて、手動による変速が可能なマニュアル仕様
が動作され得る。

【００２４】 図１及び２による変速機構造を具現化した例を示す図３及び４において、対応す
る構成要素に同じ参照符号が与えられている。

【００２５】 同一の参照符号が与えられた図３及び４に示された構成要素を適切に比較するこ
とにより、幾何学的に同一の構造と、移動及び回転された対応する配列が、明確
に理解可能となる。

【００２６】 図５は、単に補完のために、変速機の軸Ｉ乃至IV位置と最終出力ギア輪に接続さ
れたピニオンの位置を示す。

【００２７】 単に完全を期すために述べるが、変速機の仕様の両方、つまりマニュアル・シフ
ト変速機とパワー・シフト変速機が、言うまでも無く、同じ変速機ケース内に収
容され、またパワー・シフト変速機に必要な二重クラッチの配置も単一クラッチ
の構成が占める空間内に収容されるべきである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による、動力作動式パワー・シフト仕様における自動車用６段
副軸式変速機の図である。

【図２】本発明による、マニュアル・シフト仕様における自動車用６段副軸式
変速機の図である。

【図３】図１のパワー・シフト仕様の変速機の展開図である。

【図４】図２のマニュアル・シフト仕様の変速機の展開図である。

【図５】入力軸、副軸及び最終出力歯車の配列を示す図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター ダール ドイツ国 デー−51515 ケルテン ゲル ハルト ハウプトマン シュトラーセ 49 (72)発明者 ウルリッヒ エッゲルト ドイツ国 デー−41751 フィールゼン クローネンファット 28 (72)発明者 アンドレアス ヘゲラー ドイツ国 デー−50126 ベルクハイム エッシェンヴェーク ５ (72)発明者 シュテファン ブンガルト ドイツ国 デー−42281 ウッペルタール アラリッヒシュトラーセ ２ Ｆターム(参考） 3J028 EA07 EA09 EB08 EB13 EB33 EB37 EB61 EB66 EB67 FA06 FA13 FB04 FC32 FC42 FC66 GA02 HA22 HB02 【要約の続き】 要とされる配列及び幾何学的配置で、入力軸（1c及び1 h）又は副軸（2及び3）上に配置される。入力軸（1）及 び固定ギア（F1’からF6’）が、軸方向に変更され180 °だけ回転させられた位置にある対応する副軸（2又は 3’）に合う様に変更された、マニュアル・シフト仕様 において、対応する遊動歯車（L1からL6）が、（１と ２、３と４そして５と６）の様な連続する変速段がダブ ル同期ユニット（DS1, DS2及びDS3）に割当てられる様 に、幾何学的に同一に配置される。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも１本の入力軸（1又は1c及び1h）及び、それと平行
   に配置されるとともに最終出力歯車（8）と噛合うピニオン（5及び6）が各々に
   備えられた少なくとも２本の副軸（2及び3）、を持ち、上記入力軸（1又は1c及
   び1h）上に、上記副軸（2及び3）上の遊動輪（L1乃至L6）と常時噛合う固定輪（
   F1乃至F6）が配置され、それと並んで上記遊動輪にダブル又はシングル同期ユニ
   ット（DS1, DS2及びS3とS4）が備えられ、それを介して上記遊動輪が上記副軸（
   2及び3）に選択的に結合されることが出来、そして、手動による変速が可能なマ
   ニュアル・シフト仕様において、一本の入力軸（1）が単一クラッチ（C）により
   駆動されることが可能で、そして、動力作動式のパワー・シフト仕様において、
   同軸の２本の入力軸（1c及び1h）が二重クラッチ（C1及びC2）により駆動される
   ことが出来、連続する変速段の間の切替が、トルクの中断なしに、変速段の予選
   択及びクラッチの切替により実行され得る様に、一つだけ次の変速段に歯車が割
   当てられる態様で、ダブル同期装置（DS1及びDS2）に割当てられる歯車が配列さ
   れる、自動車用６段副軸式変速機のための変速機構造において、 パワー・シフト仕様で必要とされる配列及び幾何学的構造において、各変速
   段のための上記歯車の対が上記入力軸（1c及び1h）及び上記副軸（2及び3）上に
   配列され、 そして、上記入力軸（1）が変更されるとともに上記固定輪（F1'乃至F6'）
   が変更されたマニュアル・シフト仕様において、ダブル同期ユニット（DS1, DS2
   及びDS3）が、（１速と２速段、３速と４速段そして５速と６速段）の様な連続
   する変速段に、各場合において割り当てられる様に、部分的に同一の副軸（2）
   上又は、上記遊動輪の構成が幾何学的に同一であるが、180°回転させられた軸
   方向に異なる位置にある、変更された副軸（3'）上に、上記対応する遊動輪（L1
   乃至L6）が配列されている、 ことを特徴とする変速機構造。
2. 【請求項２】 後退段のために、第３ピニオン（7）を持つ第３副軸（４）が
   配列され、 ３速段のための遊動輪（L3）に噛合う後退輪（U）が、シングル同期ユニッ
   ト（S5）を介して対応する副軸（4）への駆動結合がなされ得る後退段の遊動輪
   （LR）に、逆方向の回転を行わせる、 ことを特徴とする請求項１に記載の自動車用６段副軸式変速機のための変速機
   構造。
3. 【請求項３】 上記入力軸（1h又は１）上に配列された４速段のための固定輪
   （F4）が、同時に、６速段のための固定輪（F6）を形成する、 ことを特徴とする請求項１に記載の自動車用６段副軸式変速機のための変速機
   構造。
4. 【請求項４】 上記同軸の入力軸（1c及び1h）を駆動する二重クラッチ（C1及
   びC2）が、多板積層クラッチ、湿式若しくは乾式クラッチ、又は二重乾式クラッ
   チとして構成され、該クラッチが同軸に又は直列に配置されている、 ことを特徴とする、請求項１に記載の自動車用６段副軸式変速機のための変速
   機構造。
5. 【請求項５】 上記遊動輪（L1乃至L6）に割り当てられたクラッチ歯、同期リ
   ングの配置、同期ハブ、及び摺動スリーブが、変速機の両仕様について同じ構造
   に維持されている、 ことを特徴とする、請求項１に記載の自動車用６段副軸式変速機のための変速
   機構造。