JP2003270442A - 偏光板及びそれを用いた液晶表示装置 - Google Patents

偏光板及びそれを用いた液晶表示装置

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JP2003270442A JP2003000926A JP2003000926A JP2003270442A JP 2003270442 A JP2003270442 A JP 2003270442A JP 2003000926 A JP2003000926 A JP 2003000926A JP 2003000926 A JP2003000926 A JP 2003000926A JP 2003270442 A JP2003270442 A JP 2003270442A
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博紀 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、熱湿耐久性に優れ、強度が
強く、異物欠陥が少なく、かつ視野角特性に優れた偏光
板及びそれを用いた液晶表示装置を提供することであ
る。 【解決手段】 垂直配向型の液晶表示装置に用いられる
偏光板において、該偏光板が、偏光子と光学的に二軸性
の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムとを有し、液
晶セルと偏光子の間に該光学的に二軸性の混合脂肪酸セ
ルロースエステルフィルムが配置されていることを特徴
とする偏光板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学用途に用いら
れる位相差機能を有するフィルムを保護フィルムとして
用いた偏光板及び液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、低電圧、低消費電力で
IC回路への直結が可能であり、特に、薄型化が可能で
あることから、ワードプロセッサやパーソナルコンピュ
ータ等の表示装置として広く用いられている。この液晶
表示装置の基本的な構成は、液晶セルの両側に偏光板を
設けたものである。
【0003】液晶表示装置は、低電圧、低消費電力、薄
型化の上で他の表示装置にはない大きな特長を有する反
面、その最大の問題は視野角が狭いことであり、この課
題に対する改良要望は益々強まる一方であり、更なる改
良技術の開発が進められている。具体的には、TN型
(TN−TFT)液晶表示装置の偏光板に傾斜配向した
ディスコティック液晶化合物からなる光学異方層を設け
た光学補償フィルムなどがその例である。しかしなが
ら、テレビ用途を初めとした広視野角の要望は年々高ま
って来ている。
【0004】上記課題に対する改良手段の1つとして、
TNやSTNタイプとは異なるタイプの液晶が提案され
るに至った。すなわち、TNやSTNタイプの液晶セル
は、電圧オフ時に液晶分子が配向板に平行で、電圧オン
時に液晶分子が配向板に垂直に配向するタイプであるの
に対し、電圧オフ時に液晶分子が配向板に垂直で、電圧
オン時に配向板に平行のタイプ、例えば、誘電異方性が
負のネガ型液晶を用いた、所謂、垂直配向(VA)型の
ものが開発されるに至った。
【0005】このVA型液晶表示装置は、電圧オフ時に
液晶分子が配向板に垂直で、電圧オン時に液晶分子が配
向板に平行に配向させる垂直配向モードの液晶セルであ
ることから、黒がしっかり黒として表示され、コントラ
ストが高く、特に、マルチ分割されたVA型液晶表示装
置においては、上下左右で160°の視野角を確保する
ことが可能になった。しかしながら、液晶画面が大きく
なるに従って、更に視野角、特に、斜め45°方向(4
5°、135°、225°、315°方向)を広げる要
望が高まってきている。
【0006】本発明者らは、このVA方式液晶の視野角
を更に広げるために偏光板保護フィルムについての研究
を押し進めた結果、面方向と厚み方向の異方性を表す値
である厚み方向のリターデーション値(Rt値)を正の
値でコントロールしたフィルムを使用した場合、すなわ
ち面内の光学異方性を極小にして厚み方向のリターデー
ションを一定の範囲の値とした、いわゆるC−プレート
とすることによりVA型液晶表示装置の視野角が一層広
くなることを見出した(特開2001−18812
8)。しかしながら、この方法によれば、通常の偏光板
保護フィルムを複数枚積層して所定のRt値を得る場合
と比較すれば改善されるものの、依然として膜厚が増加
することは免れなかった。
【0007】一方、ポリカーボネートなどの樹脂を用い
た位相差板を二軸延伸により光学的に二軸性を付与し、
これを偏光板と液晶セルとの間に配置することにより上
述の視野角を広げることが可能となることが知られてお
り、例えば、住友化学社製の「VACフィルム」などが
市販されている。しかしながら、ポリカーボネートなど
の樹脂を用いる位相差板は、位相差の均一性、透過率な
どに課題があり、また、この位相差板は偏光板に枚葉
(ピース・ツー・ピース)で貼合する必要があり、生産
性、コストの点で課題があった。
【0008】なお、光学フィルム、特に、偏光板保護フ
ィルムには、高温高湿下で偏光子の吸湿による収縮や劣
化、粘着剤層の劣化等による偏光板と液晶セルのガラス
基板との剥離を防止するという熱湿に対する耐久性が特
に重要となっている。更に、高い透明性、強度、ハンド
リング性等が要求される。
【0009】また、セルロースエステルフィルムを溶解
して製膜する際に、エステル化が不十分な部分が、不溶
解異物としてフィルム中に残存しやすい。これを液晶表
示素子に組み入れた場合、不溶解物である異物の屈折率
がセルロースエステルと異なるため、偏光状態を阻害し
異常発光する欠陥、いわゆる輝点異物による故障を招く
結果となる。このような欠陥は、旋光モードであるTN
型(TN−TFT)の液晶表示装置の場合には比較的問
題となりにくいが、VA型液晶表示装置のような複屈折
モードでは、重要な課題の1つであることが判明した。
【0010】一方、特開平9−90101号公報には、
特定範囲のアセチル基やプロピオニル基を導入して溶剤
の選択範囲を広げ、塩素系炭化水素を溶媒としなくとも
製膜できること、TFT型や階調表示のFSTN型のよ
うに高コントラストを実現した液晶表示装置の高コント
ラストを損なわないようにすることを目的にした面方向
と厚み方向のリターデーション値がいずれも低い脂肪酸
セルロースエステルが提案されている。
【0011】しかしながら、いずれの方法もVA型液晶
表示装置として使用する際の熱湿耐久性、異物結果発生
数や視野角の拡大という観点からは、更なる改良が要望
されているのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記課題を
鑑みなされたものであり、その目的は、熱湿耐久性に優
れ、強度が強く、異物欠陥が少なく、かつ視野角特性に
優れた偏光板及びそれを用いた液晶表示装置を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下の構成により達成された。
【0014】1.垂直配向型の液晶表示装置に用いられ
る偏光板において、該偏光板が、偏光子と光学的に二軸
性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムとを有し、
液晶セルと偏光子の間に該光学的に二軸性の混合脂肪酸
セルロースエステルフィルムが配置されていることを特
徴とする偏光板。
【0015】2.前記光学的に二軸性の混合脂肪酸セル
ロースエステルフィルムが、前記式(1)で定義される
面内リターデーション値(R0値)が31〜120nm
で、かつ前記式(2)で定義する厚み方向のリターデー
ション値(Rt値)が60〜300nmであることを特
徴とする前記1項記載の偏光板。
【0016】3.少なくとも一方の面に前記光学的に二
軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムを有し、
該光学的に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィ
ルムが面内リターデーション値(R0値)が31〜60
nmで、かつ厚み方向のリターデーション値(Rt値)
が90〜200nmであることを特徴とする前記1項記
載の偏光板。
【0017】4.少なくとも一方の面に前記光学的に二
軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムを有し、
該光学的に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィ
ルムが面内リターデーション値(R0値)が31〜50
nmで、かつ厚み方向のリターデーション値(Rt値)
が110〜150nmであることを特徴とする前記1項
記載の偏光板。
【0018】5.前記混合脂肪酸セルロースエステル
が、アセチル基及びプロピオニル基を有する脂肪酸セル
ロースエステルであることを特徴とする前記1〜4項の
いずれか1項に記載の偏光板。
【0019】6.前記混合脂肪酸セルロースエステル
が、アセチル基及びブチリル基を有する脂肪酸セルロー
スエステルであることを特徴とする前記1〜4項のいず
れか1項に記載の偏光板。
【0020】7.前記混合脂肪酸セルロースエステルフ
ィルムの厚みが、30〜110μmであることを特徴と
する前記1〜6項のいずれか1項に記載の偏光板。
【0021】8.前記混合脂肪酸セルロースエステルの
総アシル基置換度が、2.1〜2.8であることを特徴
とする前記1〜5及び7項のいずれか1項に記載の偏光
板。
【0022】9.前記混合脂肪酸セルロースエステルの
アセチル基置換度が1.5〜2.3で、かつプロピオニ
ル基置換度が0.6〜1.2であることを特徴とする前
記5又は7項に記載の偏光板。
【0023】10.前記混合脂肪酸セルロースエステル
のアセチル置換度が、2.0未満であることを特徴とす
る前記8又は9項に記載の偏光板 11.一方の面の保護フィルムが、セルローストリアセ
テートフィルムであることを特徴とする前記1〜10項
のいずれか1項に記載の偏光板。
【0024】12.偏光子の二色性物質の配向方向と、
光学的に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィル
ムの面内で最大屈折率を与える方向とのなす角度が、8
0〜100°であることを特徴とする前記1〜11項の
いずれか1項に記載の偏光板。
【0025】13.偏光子の二色性物質の配向方向と、
光学的に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィル
ムの面内で最大屈折率を与える方向とのなす角度が−1
0〜10°であることを特徴とする前記1〜11項のい
ずれか1項に記載の偏光板。
【0026】14.前記偏光子の一方の面に、前記光学
的に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムを
有し、他方の面に該光学的に二軸性の混合脂肪酸セルロ
ースエステルフィルム又は異なるセルロースエステルフ
ィルムBを有する偏光板であり、該光学的に二軸性の混
合脂肪酸セルロースエステルフィルムと該セルロースエ
ステルフィルムBとの延伸方向が一致するように貼合さ
れていることを特徴とする前記1〜13項のいずれか1
項に記載の偏光板。
【0027】15.前記セルロースエステルフィルムB
が、製膜時または製膜後に幅手方向に延伸されたもので
あることを特徴とする前記14項記載の偏光板。
【0028】16.前記セルロースエステルフィルムB
の延伸倍率が1.01〜1.2倍となるように延伸され
たものであることを特徴とする前記14又は15項に記
載の偏光板。
【0029】17.前記セルロースエステルフィルムB
の延伸倍率が1.05〜1.15倍となるように延伸さ
れたものであることを特徴とする前記14又は15項に
記載の偏光板。
【0030】18.前記セルロースエステルフィルムB
がトリアセチルセルロースであることを特徴とする前記
14〜17項のいずれか1項に記載の偏光板。
【0031】19.前記光学的に二軸性の混合脂肪酸セ
ルロースエステルフィルムが、偏光クロスニコル状態で
認識される大きさが5〜50μmの異物が250mm2
当たり150個以下で、かつ50μmを越える異物が0
個であることを特徴とする前記1〜18項のいずれか1
項に記載の偏光板。
【0032】20.前記光学的に二軸性の混合脂肪酸セ
ルロースエステルフィルムが、セルロースエステルフィ
ルムに光学的に二軸性が付与され、かつ長尺ロールとし
て製造されたことを特徴とする前記1〜19項のいずれ
か1項に記載の偏光板。
【0033】21.光学的に二軸性を付与する加工を施
し、かつ流延製膜時における幅手方向の屈折率が最大と
なるように調整したセルロースエステルフィルムの長尺
ロールを製造する工程、二色性物質を含有する偏光子を
形成する工程、該長尺ロールに該偏光子をラミネートす
る工程を経て製造されたことを特徴とする前記1〜20
項のいずれか1項に記載の偏光板。
【0034】22.前記光学的に二軸性を付与する加工
が、流延製膜後、セルロースエステルフィルム中の残留
溶媒濃度が10%以上の条件で幅手方向に延伸を開始す
ることにより光学的に二軸性を付与したことを特徴とす
る前記21項記載の偏光板。
【0035】23.前記光学的に二軸性のセルロースエ
ステルフィルムが、脂肪酸セルロースエステル100質
量部に対し、リン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化
合物、クエン酸エステル化合物及びフタル酸エステル化
合物から選択される可塑剤の少なくとも1種を1〜30
質量部含有させることを特徴とする前記1〜22項のい
ずれか1項に記載の偏光板。
【0036】24.前記光学的に二軸性のセルロースエ
ステルフィルムが、脂肪酸セルロースエステル100質
量部に対し、0.1μm以下の平均粒径を有する微粒子
を0.005〜0.3質量部含有することを特徴とする
前記1〜23項のいずれか1項に記載の偏光板。
【0037】25.前記光学的に二軸性のセルロースエ
ステルフィルムが、脂肪酸セルロースエステル100質
量部に対し、0.8〜3.0質量部の紫外線吸収剤を含
有することを特徴とする前記1〜24項のいずれか1項
に記載の偏光板。
【0038】26.偏光子Aと垂直配向型液晶セルと偏
光子Bを有する液晶表示装置において、該偏光子Aと該
垂直配向型液液晶セル側の間に配置される1枚以上のセ
ルロースエステルフィルムの面内リターデーション値の
総和ΣR0(A)、厚み方向のリターデーション値の総
和ΣRt(A)とし、該偏光子Bと該垂直配向型液液晶
セル側の間に配置されるセルロースエステルフィルムの
面内リターデーション値ΣR0(B)、厚み方向のリタ
ーデーション値ΣRt(B)としたとき、面内リターデ
ーション値の総和ΣR0=ΣR0(A)+ΣR0(B)
が31〜120nmで、かつ厚み方向のリターデーショ
ン値の総和ΣRt=ΣRt(A)+ΣRt(B)が60
〜300nmであることを特徴とする液晶表示装置。
【0039】27.少なくとも液晶セルの一方の面に、
請求項1〜25のいずれか1項に記載の偏光板を有する
垂直配向型の液晶表示装置であり、該偏光板の光学的に
二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムが、偏
光子と液晶セルとの間に配置されていることを特徴とす
る前記26項に記載の液晶表示装置。
【0040】28.前記面内リターデーション値の総和
ΣR0が60〜120nmであり、かつ厚み方向のリタ
ーデーション値の総和ΣRtが100〜300nmであ
ることを特徴とする前記19又は20項に記載の液晶表
示装置。
【0041】以下、本発明の詳細について説明する。は
じめに、本発明の偏光板に用いるセルロースエステルフ
ィルムについて説明する。
【0042】従来用いられているVA型液晶表示装置の
二軸性位相差フィルムは、透明支持体上に液晶性化合物
を均一塗布して配向させたものを用いる方法、またはポ
リカーボネートなどの樹脂を複雑な延伸技術を駆使して
二軸延伸位相差板を用いる方法、すなわちこれらの複雑
な光学異方性を有する光学フィルムを偏光板に貼合して
使用するのが実状であった。今回、本発明者らは、本発
明に係る光学的に二軸性を有するセルロースエステルフ
ィルム(以下、本発明に係るセルロースエステルフィル
ムともいう)が十分な光学補償能を有し、高温高湿条件
下においても安定な光学補償能を維持することができる
それを保護フィルムとして使用した楕円偏光板を見出す
に至った。なお、本発明の偏光板とは、位相差機能を有
する、いわゆる楕円偏光板を含めることができる。
【0043】本発明に係るセルロースフィルムを用いた
偏光板は、斜め方向から見た場合のコントラストが高
く、また、いわゆる視野角が広いだけではなく、斜め方
向から見た場合の画面の色変化も極めて少なくなるなど
優れた光学補償能を示すことが判った。
【0044】更に、本発明の視野角拡大効果を有する偏
光板に用いられるセルロースエステルフィルムは、光学
的に二軸性である特徴を有するが、セルロースエステル
フィルムを用いる場合にはこのような光学特性を得るた
めに二軸延伸を行う必要がなく、一軸延伸を行うだけで
光学的に二軸性を得ることができる。このことは、流延
成膜したセルロースエステルフィルム自身が、もともと
負の一軸性(nX=nY>nZここで、nX、nYはフィル
ム面内X、Y方向の屈折率、nZはフィルムの厚み方向
の屈折率を表す)を有しているためと考えられる。
【0045】本発明に係る光学的に二軸性を有するセル
ロースエステルフィルムは、偏光板を作製する場合に、
液晶セル側(偏光板を構成する二色性物質と液晶セルの
間側)に保護フィルムとして用いることができ、反対側
(最表面側)の支持体は光学特性は特に限定されないた
め、保護フィルムの種類としては、通常用いられるセル
ローストリアセテートフィルム(以下、TACフィルム
ともいう)を使用すれば良い。この場合に、例えばこの
TACフィルムを少なくとも幅手方向に一定の倍率で延
伸操作を行うことにより、高温高湿環境下においても、
常に安定した光学特性を維持できる、優れた楕円偏光板
を得ることができる。
【0046】また、本発明に係るセルロースエステルフ
ィルムを用いて偏光板を作製することにより、支持体に
使用するセルロースエステルフィルムの種類を置換する
だけで、従来の偏光板作製工程をそのまま利用すること
により、通常の偏光板と同様の方法で視野角が拡大され
た偏光板を作製することが可能となり、実用上大きなメ
リットがある。すなわち、本発明に係るセルロースエス
テルフィルムは、偏光板作製工程において、偏光子とア
ルカリけん化処理をすることにより接着可能であり、か
つ貼合後の水分除去性も優れるため極めて好適な支持体
である。偏光子としては、通常、二色性物質をドープし
たポリビニルアルコールフィルムを延伸したものが好ま
しく用いられる。
【0047】本発明は、偏光板だけで視野角拡大機能を
有する視野角拡大偏光板及び視野角拡大偏光板を用いた
液晶表示装置の提供を可能にしたものである。更に詳し
くは、垂直配向(VA)型の液晶表示装置の視野角依存
性を改良したものである。
【0048】また、本発明の偏光板は厚み方向のリター
デーション値を高めたセルロースエステルフィルム(例
えば、Rt値2.2倍、膜厚1.5倍)を用いた偏光板
の場合と比較して、前述の輝点異物が少ないという大き
なメリットがある。
【0049】次いで、本発明に係るセルロースエステル
フィルムの光学特性について説明する。
【0050】本発明においては、光学的に二軸性を有す
るセルロースエステルフィルムを用いるが、前記のよう
な光学特性は、通常セルロースエステルを流延により製
造する過程で一定の方向に張力を付与することにより得
ることができる。例えば、セルロースエステルフィルム
を流延後に残留溶媒が存在する条件下で延伸などの操作
を行うことが特に効果的である。また、加熱したセルロ
ースエステルフィルムを延伸しても製造することができ
る。
【0051】セルロースエステルとしては、例えば、あ
らゆる混合脂肪酸セルロースエステルを用いることがで
きるが、総置換度は1.5を超えていれば良く、特に総
アシル基の置換度の合計が2.8以下のセルロースエス
テルが好ましく用いられる。
【0052】ここでいう総アシル基置換度とは、アセチ
ル基置換度(DSac)と、プロピオニル基置換度(D
Spr)又はブチリル置換度(DSbt)等の置換度の
合計である。
【0053】本発明においては、一定以上の光学補償性
能を得るためには、特定の置換基、すなわちアセチル基
およびプロピオニル基を有する低級脂肪酸セルロースエ
ステルを用いることが極めて効果的である。
【0054】本発明に係るセルロースエステルフィルム
の作製に用いられるセルロースエステルは、炭素数2〜
4のアシル基を置換基として有しており、式(3)及び
(4)を同時に満足するものが好ましい。
【0055】式(3) 1.5≦A+B≦2.8 式(4) 0.6≦B≦1.2 式中、Aはアセチル基の置換度、Bは炭素原子数3また
は4のアシル基の置換度を表す。
【0056】更に、本発明においては、下記式(5)及
び(6)を同時に満たすセルロースエステルフィルムが
好ましく用いられる。
【0057】式(5) 2.1≦A+B≦2.8 式(6) 0.6≦B≦1.2 これらのアシル基は、グルコース単位の2位、3位、6
位に平均的に置換していても良いし、例えば、6位に高
い比率で置換するなどの分布を持った置換がなされてい
ても良い。
【0058】ここでいう置換度とは、いわゆる、結合脂
肪酸量の百分率をいい、ASTM−D817−91(セ
ルロースアセテート等の試験法)におけるアセチル化度
の測定および計算に従い算出される数値である。アシル
基の置換度の測定法はASTM−D817−96に従っ
て測定できる。
【0059】アセチル基と炭素数3〜4個のアシル基の
置換度の合計が上記の範囲にあることで、長波長ほど位
相差が大きくなる特性があり、かつ、良好な水分率や水
バリアー性を備えたセルロースエステルフィルムを得る
ことができるのである。
【0060】特に、アセチル基の平均置換度が2.0未
満であると延伸時の位相差のばらつきが少ないため好ま
しい。
【0061】また、機械的強度に優れた光学補償フィル
ムを得る観点から、本発明に用いられるセルロースエス
テルの粘度平均重合度(重合度)は、200以上700
以下が好ましく、特に、250以上500以下のものが
好ましい。
【0062】上記記載の粘度平均重合度(DP)は、以
下の方法により求められる。 《粘度平均重合度(DP)の測定》絶乾したセルロース
エステル0.2gを精秤し、メチレンクロライドとエタ
ノールの混合溶媒(質量比9:1)100mlに溶解す
る。これをオストワルド粘度計にて、25℃で落下秒数
を測定し、重合度を以下の式によって求める。
【0063】(a) ηrel=T/Ts (b) [η]=(lnηrel)/C (c) DP=[η]/Km ここで、Tは測定試料の落下秒数、Tsは溶媒の落下秒
数、Cはセルロースエステルの濃度(g/L)、Km=
6×10-4である。
【0064】《リターデーション値Rt、R0の測定》
視野角拡大効果をより好ましく得る観点から、本発明に
係るセルロースエステルフィルムにおいては、下記式
(7)で定義される関係を有することが好ましい。
【0065】式(7) (nx+ny)/2−nz>0 ここにおいて、nxはセルロースエステルフィルムの面
内で屈折率が最大となる方向の屈折率、nyは面内で且
つ、nxに直角な方向の屈折率であり、nzは厚み方向で
のフィルムの屈折率である。
【0066】また、本発明に係る光学的に二軸性を有す
るセルロースエステルは、光学的に二軸性であれば視野
角改善効果は認められるが、好適な条件は、厚さ方向の
リターデーション値Rt値、面内リターデーション値R
0値により規定することが可能であり、これらの値を適
切に制御することにより視野角拡大効果を著しく改善す
ることができる。具体的な制御方法としては、後述の延
伸方法などを用いることができる。
【0067】厚さ方向のリターデーション値Rtについ
ては、前記式(2)で定義されるリターデーション値
(Rt値)が60〜300nmであることが好ましく、
更に好ましくは、90〜200であり、特に好ましくは
110〜150nmである。
【0068】また、面内方向のリターデーション値R0
については、前記式(1)で表される。
【0069】本発明においては、R0は、31〜120
nmの範囲にあることが好ましく、更に好ましくは31
〜60nmであり、特に好ましくは31〜50nmであ
る。
【0070】上記記載のリターデーション値Rt、R0
の測定には、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王
子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの
環境下で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測
定を行い、屈折率nx、ny、nzを求めることにより得
られる。
【0071】本発明に係る光学的に二軸性のセルロース
エステルフィルムは、光透過率が80%以上、更に90
%以上の透明支持体であることが好ましい。また、本発
明に係るセルロースエステルフィルムは、その厚さが4
5〜110μmのものが好ましい。
【0072】本発明に用いられるセルロースの混合脂肪
酸エステルは、アシル化剤として酸無水物や酸塩化物を
用いて合成できる。アシル化剤が酸無水物である場合
は、反応溶媒として有機酸(例えば、酢酸)や塩化メチ
レンが使用される。触媒としては、硫酸のような酸性触
媒が用いられる。アシル化剤が酸塩化物である場合は、
触媒として塩基性化合物が用いられる。工業的に最も一
般的な合成方法では、セルロースをアセチル基およびプ
ロピオニル基に対応する有機酸(酢酸、プロピオン酸)
またはそれらの酸無水物(無水酢酸、無水プロピオン
酸)を含む混合有機酸成分でエステル化してセルロース
エステルを合成する。アセチル化剤とプロピオニル化剤
の使用量は、合成するエステルが前述した置換度の範囲
となるように調整する。反応溶媒の使用量は、セルロー
ス100質量部に対して、100〜1000質量部であ
ることが好ましく、200〜600質量部であることが
更に好ましい。酸性触媒の使用量は、セルロース100
質量部に対して、0.1〜20質量部であることが好ま
しく、更に好ましくは、0.4〜10質量部である。
【0073】反応温度は10〜120℃であることが好
ましく、20〜80℃であることがさらに好ましい。な
お、他のアシル化剤(例えば、ブチル化剤)やエステル
化剤(例えば、硫酸エステル化剤)を併用してもよい。
また、アシル化反応が終了してから、必要に応じて加水
分解(ケン化)して、置換度を調整してもよい。反応終
了後、反応混合物を沈澱のような慣用の手段を用いて分
離し、洗浄、乾燥することによりセルロースの混合脂肪
酸エステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネ
ート)が得られる。
【0074】本発明に用いられるセルロースエステル
は、綿花リンターから合成されたセルローストリアセテ
ートと木材パルプから合成されたセルローストリアセテ
ートのどちらかを単独あるいは混合して用いることがで
きる。ベルトやドラムからの剥離性が良い綿花リンター
から合成されたセルロースエステルを多く使用した方が
生産効率が高く好ましい。綿花リンターから合成された
セルロースエステルの比率が60質量%以上で、剥離性
の効果が顕著になるため60質量%以上が好ましく、よ
り好ましくは85質量%以上、更には単独で使用するこ
とが最も好ましい。
【0075】また、本発明に用いられるアセチル基と炭
素原子数3または4のアシル基でアシル化したセルロー
スエステルは、セルロースの混合脂肪酸エステルとも呼
ばれている。炭素原子数3または4のアシル基として
は、例えば、プロピオニル基、ブチリル基が挙げられ
る。セルロースエステルフィルムにしたときの機械的強
さ、溶解のし易さ等からプロピオニル基またはn−ブチ
リル基が好ましく、特にプロピオニル基が好ましい。
【0076】脂肪酸セルロースエステルを溶解してドー
プを形成する溶媒としては、例えば、メチレンクロライ
ド、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、
テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、シクロヘ
キサノン、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,
2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,
3−ジフルオロ−2−プロパノール等を挙げることがで
きる。この中で、メチレンクロライドのような塩素系溶
媒は好適に使用できるが、酢酸メチル、酢酸エチル、ア
セトン等も好ましく用いられる。特に、酢酸メチルが全
有機溶媒に対して50質量%以上含有していることが好
ましく、全有機溶媒に対して5〜30質量%のアセトン
を酢酸メチルと併用するとドープ液粘度を低減すること
ができ好ましい。
【0077】本発明で実質的に塩素系溶媒を含まないと
は、全有機溶媒量に対して塩素系溶媒が質量で10%以
下、好ましくは5%以下、特に全く含まないことが最も
好ましい。
【0078】本発明に用いられる脂肪酸セルロースエス
テルドープには、上記有機溶媒の他に質量で1〜30%
の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好
ましい。このことでドープを流延用支持体に流延後、溶
剤が蒸発を始め、アルコールの比率が多くなるとウェブ
(ドープ膜)がゲル化し、ウェブを丈夫にし流延用の支
持体から剥離することが容易となり、更に前記有機溶媒
に対する脂肪酸セルロースエステルの溶解を促進する効
果が得られる。炭素原子数1〜4のアルコールとして
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−
ブタノール、tert−ブタノールを挙げることができ
る。これらのうち、ドープの安定性がよく、沸点も比較
的低く、乾燥性もよく、かつ、毒性がないこと等からエ
タノールが好ましい。
【0079】ドープの固形分濃度は通常、質量で10〜
40%が好ましく、ドープ粘度は(10〜50Pa・s
ec)の範囲に調整されることが良好なフィルムの平面
性を得る点から好ましい。
【0080】以上の様にして調製されたドープは、濾材
で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。ドープ中に
は、可塑剤、マット剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、染
料、透湿度改善剤等を適宜添加してもよい。
【0081】本発明に使用するアセチル基およびプロピ
オニル置換基を有する脂肪酸セルロースエステルはそれ
自身が可塑剤としての効果を発現するので、可塑剤を添
加しなくても或いはわずかの添加量で充分なフィルム特
性が得られるが、その他の目的で可塑剤を添加してもよ
い。例えば、フィルムの耐湿性を向上する目的で用いる
ことのできる可塑剤としては、例えば、アルキルフタリ
ルアルキルグリコレート類、リン酸エステルやカルボン
酸エステルなどが挙げられる。
【0082】アルキルフタリルアルキルグリコレート類
としては、例えば、メチルフタリルメチルグリコレー
ト、エチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタ
リルプロピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリ
コレート、オクチルフタリルオクチルグリコレート、メ
チルフタリルエチルグリコレート、エチルフタリルメチ
ルグリコレート、エチルフタリルプロピルグリコレー
ト、メチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリ
ルブチルグリコレート、ブチルフタリルメチルグリコレ
ート、ブチルフタリルエチルグリコレート、プロピルフ
タリルブチルグリコレート、ブチルフタリルプロピルグ
リコレート、メチルフタリルオクチルグリコレート、エ
チルフタリルオクチルグリコレート、オクチルフタリル
メチルグリコレート、オクチルフタリルエチルグリコレ
ート等が挙げられる。
【0083】リン酸エステル類としては、例えば、トリ
フェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、ク
レジルジフェニルホスフェート、フェニルジフェニルホ
スフェート、オクチルジフェニルホスフェート、トリオ
クチルホスフェート、トリブチルホスフェート等を挙げ
ることができる。
【0084】カルボン酸エステルとしては、例えば、フ
タル酸エステル類、クエン酸エステル類等があり、フタ
ル酸エステル類としては、例えば、ジメチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレー
ト、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブ
チルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート等
が挙げられる。
【0085】クエン酸エステル類としては、例えば、ク
エン酸アセチルトリエチルおよびクエン酸アセチルトリ
エチルおよびクエン酸アセチルトリブチルを挙げること
ができる。
【0086】又、その他、オレイン酸ブチル、リシノー
ル酸メチルアセチル、セバシン酸ジブチル、トリアセチ
ン等を単独或いは併用するのも好ましい。可塑剤は、必
要に応じて、2種類以上を併用して用いてもよい。セル
ロースエステルに用いる場合、リン酸エステル系の可塑
剤の使用比率は50質量%以下がセルロースエステルフ
ィルムの加水分解を引き起こし難く、耐久性に優れるた
め好ましい。リン酸エステル系の可塑剤比率は、少ない
方が更に好ましく、フタル酸エステル系やグリコール酸
エステル系の可塑剤だけを使用することが特に好まし
い。中でも、メチルフタリルメチルグリコレート、エチ
ルフタリルエチルグリコレート、プロピルフタリルプロ
ピルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレー
ト、オクチルフタリルオクチルグリコレートが好まし
く、特にエチルフタリルエチルグリコレートが好ましく
用いられる。又、これらアルキルフタリルアルキルグリ
コレートを2種以上混合して使用してもよい。
【0087】この目的で用いる可塑剤の量は、セルロー
スエステルに対して質量で1〜30%が好ましく、特に
4〜13%が好ましい。
【0088】これらの化合物は、セルロースエステル溶
液の調製の際に、セルロースエステルや溶剤と共に添加
してもよいし、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0089】フィルムの黄味を改善する目的で染料を添
加してもよい。色味は、通常の写真用支持体にみられる
様なグレーに着色できるものが好ましい。但し、写真用
支持体と異なりライトパイピングの防止の必要はないの
で、含有量は少なくてもよく、セルロースエステルに対
する質量割合で1〜100ppmが好ましく、2〜50
ppmが更に好ましい。
【0090】セルロースエステルはやや黄味を呈してい
るので、青色や紫色の染料が好ましく用いられる。複数
の染料を適宜組み合わせてグレーになる様にしてもよ
い。
【0091】セルロースエステルフィルムが滑りにくい
とフィルム同士がブロッキングを起こし、取り扱い性に
劣る場合がある。その場合、本発明に係るセルロースエ
ステルフィルムには、例えば、二酸化ケイ素、二酸化チ
タン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、
ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、リン酸カル
シウム等の無機微粒子や架橋高分子などのマット剤を含
有させることが好ましい。
【0092】又、二酸化ケイ素のような微粒子は有機物
によって表面処理されていることが、フィルムのヘイズ
を低下できるため好ましい。表面処理で好ましい有機物
としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザ
ン、シロキサンなどが挙げられる。微粒子の平均径は大
きいほうがマット効果は高く、平均径の小さいほうが透
明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒
子径は5〜50nmで、より好ましくは7〜14nmで
ある。これらの微粒子はフィルム中では、通常、凝集体
として存在しフィルム表面に0.01〜1.0μmの凹
凸を生成させることが好ましい。二酸化ケイ素の微粒子
としては、例えば、アエロジル(株)製のAEROSI
L200、300、R972、R974、R202、R
812、OX50、TT600などがあげられ、好まし
くはAEROSIL R972V、200V、R97
2、R974、R202、R812などがあげられる。
【0093】上記マット剤の配合は、フィルムのヘイズ
が0.6%以下、動摩擦係数が0.5以下となるように
配合することが好ましい。
【0094】この目的で用いられるマット剤の含有量
は、質量で脂肪酸セルロースエステルに対して0.00
5〜0.3%が好ましい。
【0095】また、本発明に係るセルロースエステルフ
ィルムは、液晶表示装置に組み込まれ、屋外で使用され
ることも多いので紫外線をカットする機能を有すること
が好ましい。そのような観点から、本発明に係るセルロ
ースエステルフィルム支持体は、紫外線吸収剤を含有し
ていることが好ましい。
【0096】紫外線吸収剤としては、液晶の劣化の点か
ら波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ良
好な液晶表示性の点より波長400nm以上の可視光の
吸収が可及的に少ないものが好ましく用いられる。特
に、波長370nmでの透過率が、10%以下である必
要があり、更に5%以下であることが好ましい。
【0097】この目的で用いられる紫外線吸収剤は、可
視光領域に吸収がないことが好ましく、ベンゾトリアゾ
ール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、サリチル酸エ
ステル系化合物等が挙げられる。
【0098】これらの例としては、例えば、2−(2′
−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−te
rt−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,4−ジヒド
ロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ
ベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシ
ベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキ
シベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′
−ジメトキシベンゾフェノン、サリチル酸フェニル、サ
リチル酸メチルなどである。
【0099】本発明においては、これら紫外線吸収剤の
1種以上を用いることが好ましく、異なる2種以上の紫
外線吸収剤を含有してもよい。
【0100】紫外線吸収剤の添加方法は、常法によりア
ルコールやメチレンクロライド、ジオキソランなどの有
機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加する
か、あるいは直接ドープ組成中に添加してもよい。無機
粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤と
セルロースエステル中にディゾルバーやサンドミルを使
用して分散した後、ドープに添加する。
【0101】紫外線吸収剤の使用量は、セルロースエス
テルに対する質量で0.1〜5%、好ましくは、0.5
〜2.5%、より好ましくは0.8〜2.0%である。
紫外線吸収剤の使用量が2.5%より多いと透明性が悪
くなる傾向があり好ましくない。
【0102】セルロースエステルフィルムの耐熱性を向
上させる目的では、ヒンダードフェノール系の化合物が
好ましく用いられ、これらの化合物の添加量は、セルロ
ースエステルに対して質量割合で1ppm〜1.0%が
好ましく、10〜1000ppmが更に好ましい。又、
このほかに、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ
土類金属の塩などの熱安定剤を加えてもよい。
【0103】上記の他に、更に、帯電防止剤、難燃剤、
滑り剤等も適宜添加してよい。また、本発明に係るセル
ロースエステルフィルム支持体は、偏光板の間に配置さ
れるため異常な屈折光を発生させるような異物は性能劣
化の原因となる。その点で、いわゆる輝点状の異常(輝
点異物)が問題となる。
【0104】請求項19に係る発明では、光学的に二軸
性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムが、偏光ク
ロスニコル状態で認識される大きさが5〜50μmの異
物(輝点)が250mm2当たり150個以下で、かつ
50μmを越える異物が0個であることが特徴である。
【0105】本発明において、偏光クロスニコル状態で
認識される輝点とは、2枚の偏光板を直交(クロスニコ
ル)状態にし、その間にセルロースエステルフィルムを
おいて反対側より光源の光を当てて観測されるものをい
う。この様な輝点は、偏光クロスニコル状態では、暗視
野中で、輝点の箇所のみ光って観察されるので、容易に
その大きさと個数を識別することができる。本発明に係
るセルロースエステルフィルムでは、Rt値の高いタイ
プの位相差板と比較して薄膜化できることから、このよ
うな輝点に係る異物も低下させることができる。
【0106】輝点の個数としては、面積250mm2
たり、偏光クロスニコル状態で認識される、大きさが5
〜50μmの輝点が150個以下で、50μm以上の輝
点が0個であることが特徴であるが、好ましくは、5〜
50μmの輝点が50個以下であり、特に好ましくは0
〜10個である。このような輝点が多いと、液晶ディス
プレイの画像に重大な悪影響を及ぼす。
【0107】本発明に係るセルロースエステルフィルム
の製造方法について説明する。セルロースエステルフィ
ルムの製造方法としては、ドープ液を流延用支持体上に
流延、製膜し、得られたフィルムを支持体から剥ぎ取
り、その後、張力をかけて乾燥ゾーン中を搬送させなが
ら乾燥する、溶液流延製膜法が好ましい。下記に溶液流
延製膜法について述べる。
【0108】(1)溶解工程:セルロースエステルのフ
レークに対する良溶媒を主とする有機溶媒に溶解釜中で
該フレークを攪拌しながら溶解し、セルロースエステル
溶液(ドープ)を形成する工程である。溶解には、常圧
で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸
点以上で加圧して行う方法、J.M.G.Cowie等
によるMakromol.chem.143巻、105
頁(1971)に記載されたような、又、特開平9−9
5544号及び同9−95557号公報に記載された様
な低温で溶解する冷却溶解法、高圧で行う方法等種々の
溶解方法がある。溶解後、ドープを濾材で濾過し、脱泡
してポンプで次工程に送る。
【0109】(2)流延工程:ドープを加圧型定量ギヤ
ポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、
無限に移送する無端の金属ベルトあるいは回転する金属
ドラムの流延用支持体(以降、単に支持体ということも
ある)上に加圧ダイからドープを流延する工程である。
流延用支持体の表面は鏡面となっている。その他の流延
方法としては流延されたドープ膜をブレードで膜厚を調
節するドクターブレード法、あるいは逆回転するロール
で調節するリバースロールコーターによる方法等がある
が、口金部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一に
し易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハン
ガーダイやTダイ等があるが、何れも好ましく用いられ
る。製膜速度を上げるために加圧ダイを流延用支持体上
に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。
或いは、共流延法を用いて積層構造のセルロースエステ
ルフィルムとすることもできる。
【0110】(3)溶媒蒸発工程:ウェブ(流延用支持
体上にドープを流延した以降のドープ膜の呼び方をウェ
ブとする)を流延用支持体上で加熱し溶媒を蒸発させる
工程である。溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を
吹かせる方法及び/または支持体の裏面から液体により
伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等
があるが、裏面液体伝熱の方法が乾燥効率がよく好まし
い。またそれらを組み合わせる方法も好ましい。
【0111】(4)剥離工程:支持体上で溶媒が蒸発し
たウェブを、剥離位置で剥離する工程である。剥離され
たウェブは次工程に送られる。剥離する時点でのウェブ
の残留溶媒量(詳細は、後述)があまり大き過ぎると剥
離し難かったり、逆に支持体上で充分に乾燥させてから
剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
【0112】製膜速度を上げる方法(残留溶媒量ができ
るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが
できる)として、残留溶媒が多くとも剥離できるゲル流
延法(ゲルキャスティング)がある(残留溶媒量ができ
るだけ多いうちに剥離するため製膜速度を上げることが
できる)。それは、ドープ中にセルロースエステルに対
する貧溶媒を加えて、ドープ流延後、ゲル化する方法、
支持体の温度を低めてゲル化する方法等がある。また、
ドープ中に金属塩を加える方法もある。支持体上でゲル
化させ膜を強くすることによって、剥離を早め製膜速度
を上げることができるのである。残留溶媒量がより多い
時点で剥離する場合、ウェブが柔らか過ぎると剥離時平
面性を損ったり、剥離張力によるツレや縦スジが発生し
易く、経済速度と品質との兼ね合いで剥離残留溶媒量を
決められる。
【0113】(5)乾燥工程:ウェブを千鳥状に配置し
たロールに交互に通して搬送する乾燥装置及び/または
クリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンタ
ー装置を用いてウェブを乾燥する工程である。乾燥の手
段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的である
が、風の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手
段もある。あまり急激な乾燥はでき上がりのフィルムの
平面性を損ね易い。高温による乾燥は残留溶媒が8質量
%以下くらいから行うのがよい。全体を通して、通常乾
燥温度は40〜250℃で、70〜180℃が好まし
い。使用する溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾
燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組合せに応じて乾燥
条件を適宜選べばよい。
【0114】流延用支持体面から剥離した後の乾燥工程
では、溶媒の蒸発によってウェブは巾方向に収縮しよう
とする。高温度で急激に乾燥するほど収縮が大きくな
る。この収縮を可能な限り抑制しながら乾燥すること
が、でき上がったフィルムの平面性を良好にする上で好
ましい。この観点から、例えば、特開昭62−4662
5号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部
の工程を巾方向にクリップでウェブの巾両端を巾保持し
つつ乾燥させる方法(テンター方式)が好ましい。
【0115】(6)巻き取り工程:ウェブを残留溶媒量
が質量で2%以下となってからフィルムとして巻き取る
工程である。残留溶媒量を0.4%以下にすることによ
り寸法安定性の良好なフィルムを得ることができる。巻
き取り方法は、一般に使用されているものを用いればよ
く、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション
法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール
法等があり、それらを使いわければよい。
【0116】脂肪酸セルロースエステルフィルムの膜厚
の調節には所望の厚さになるように、ドープ濃度、ポン
プの送液量、ダイの口金のスリット間隙、ダイの押し出
し圧力、流延用支持体の速度をコントロールするのがよ
い。又、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を
用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各
装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。
【0117】溶液流延製膜法を通しての流延直後からの
乾燥までの工程において、乾燥装置内の雰囲気を、空気
とするのもよいが、窒素ガスや炭酸ガス等の不活性ガス
雰囲気で行ってもよい。ただ、乾燥雰囲気中の蒸発溶媒
の爆発限界の危険性は常に考慮されなければならないこ
とは勿論のことである。
【0118】本発明に係る光学的に二軸性の性質を有す
るセルロースエステル支持体は、光学的に二軸性を示す
(nx>ny>nzの関係を示す)配向を得るためのあら
ゆる方法をとることができるが、最も効果的に行う方法
の一つとして延伸方法を採ることができる。
【0119】本発明に係るセルロースエステルフィルム
では、その製造に際し、後述するようなフィルム中の残
留溶媒をコントロールすることで、高温でなくても延伸
が可能であるが、この方法を用いない場合には、高温で
延伸することも可能である。高温で延伸する場合、延伸
温度としては、セルロースエステルのガラス転移温度以
上の温度で延伸するのであるが、前述した様な可塑剤で
は、その効果が薄れてしまい延伸性が十分得られない場
合がある。高温においても十分な延伸性が付与できる可
塑剤が必要となるのであるが、この様な可塑剤として
は、不揮発性を有するものが好ましく使用できることを
見いだした。不揮発性可塑剤とは、200℃における蒸
気圧が1330Pa以下の化合物であり、極めて低い蒸
気圧を有し、かつ低い揮発度を有する性質のものであ
る。より好ましくは蒸気圧665Pa以下、更に好まし
くは133Pa以下である。例えば、アリーレンビス
(ジアリールホスフェート)エステルが好ましい。この
ほか、リン酸トリクレシル(蒸気圧38.6Pa、20
0℃)、トリメリット酸トリス(2−エチルヘキシル)
(蒸気圧66.5Pa、200℃)等も好ましく用いら
れる。あるいは、特表平6−501040号に記載され
ている不揮発性燐酸エステルも好ましく用いられる。こ
のほか、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル
を含む共重合体などのポリマーあるいはオリゴマーなど
の高分子量の可塑剤も好ましく用いることができる。こ
の場合、可塑剤の含有量は、セルロースエステルに対し
て0.1〜30質量%が好ましく、特に0.5〜15質
量%が好ましい。このように可塑剤を用いることで、高
温でのセルロースエステルの延伸性を向上でき、特に、
フィルムの面品質や平面性に優れたセルロースエステル
フィルムを生産性よく製造できる。
【0120】本発明に係るセルロースエステルフィルム
に、光学的二軸性を付与する方法としては、上記に述べ
たように溶剤を含有した状態で延伸操作を行う方法が好
ましい方法の一例として用いられる。以下、その延伸方
法について説明する。
【0121】本発明のセルロースエステルフィルムの製
造において、セルロースエステル溶解ドープ液を流延用
支持体に流延後、次いで、流延用支持体から剥離したウ
ェブ(フィルム)を、ウェブ中の残留溶媒量が100質
量%以下、特に10〜100質量%の範囲にある間に、
少なくとも1方向に1.0〜4.0倍延伸することが好
ましい。
【0122】なお、残留溶媒量は下記の式で表せる。 残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100 ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMを11
0℃で3時間乾燥させた時の質量である。
【0123】ウェブ中の残留溶媒量が多すぎると延伸の
効果が得られず、また、少なすぎると延伸が著しく困難
となり、ウェブの破断が発生してしまう場合がある。ウ
ェブ中の残留溶媒量の更に好ましい範囲は10〜50質
量%、特に12〜40質量%が最も好ましい。また、延
伸倍率が小さすぎると十分な位相差が得られず、大きす
ぎると延伸が困難となり破断が発生してしまう場合があ
る。延伸倍率の更に好ましい範囲は1.0〜3.5倍の
範囲である。
【0124】本発明に係るセルロースエステルを用いて
溶液流延製膜したものは、特定の範囲の残留溶媒量であ
れば高温に加熱しなくても延伸可能であるが、乾燥と延
伸を兼ねると、工程が短くてすむので好ましい。しか
し、ウェブの温度が高すぎると、可塑剤が揮散するの
で、室温(15℃)〜180℃以下の範囲が好ましい。
【0125】また、互いに直交する2軸方向に延伸する
ことは、フィルムの屈折率nx、ny、nzを本発明で規
定する範囲とするための有効な方法である。
【0126】更に、互いに直行する2軸方向に延伸する
ことにより得られるフィルムの膜厚変動が減少できる。
セルロースエステルフィルム支持体の膜厚変動が大き過
ぎると位相差のムラとなり、光学補償フィルムとして用
いたとき着色等の問題が生じる。セルロースエステルフ
ィルム支持体の膜厚変動は、±3%、更に±1%の範囲
とすることが好ましい。以上の様な目的において、互い
に直交する2軸方向に延伸する方法は有効であり、互い
に直交する2軸方向の延伸倍率は、それぞれ0.8〜
4.0倍、0.4〜1.2倍の範囲とすることが好まし
い。
【0127】ウェブを延伸する方法には特に限定はな
い。例えば、複数のロールに周速差をつけ、その間でロ
ール周速差を利用して縦方向に延伸する方法、ウェブの
両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔
を進行方向に広げて縦方向に延伸する方法、同様に横方
向に広げて横方向に延伸する方法、あるいは縦横同時に
広げて縦横両方向に延伸する方法などが挙げられる。も
ちろんこれ等の方法は、組み合わせて用いてもよい。ま
た、いわゆるテンター法の場合、リニアドライブ方式で
クリップ部分を駆動すると滑らかな延伸を行うことがで
き、破断等の危険性が減少できるので好ましい。
【0128】以上のようにして得られたフィルムは、最
終仕上がりフィルムの残留溶媒量で2質量%以下、さら
に0.4質量%以下であることが、寸度安定性が良好な
フィルムを得る上で好ましい。
【0129】本発明においては、流延製膜時、流延支持
体上において製膜されるセルロースエステルフィルムの
幅手方向の屈折率が最大となるように上記記載の各種条
件を調整することが好ましい。
【0130】上記に記載のように本発明に係る光学的に
二軸性を有するセルロースエステル支持体は、フィルム
の屈折率nx、ny、nzがnx>ny>nzの関係を満たし
ている。本発明において、前述の『幅手方向の屈折率が
最大となる』とは、nxの方向が幅手方向に略等しいと
いうことである。
【0131】ここで、方向が略等しいとは、軸同士の向
きが略平行であることを示す。ここで、略平行とは、当
該各々の軸のなす角が±10°以内であり、好ましくは
±3°以内、さらに好ましくは±1°以内である。
【0132】また、本発明の偏光板においては、二色性
物質を含有する偏光子の光透過軸と前記偏光子に貼合す
る光学的に二軸性を有するセルロースエステルフィルム
の流延製膜時の幅手方向の延伸方向とが略平行になるよ
うに貼合されることが好ましい。尚、本発明において、
直交しているとは上記記載のように軸同士が略直交して
いることを表し、また、方向が一致しているとは、軸同
士の向きが略平行であることを示す。ここで、略平行と
は、当該各々の軸のなす角が±10°以内であり、好ま
しくは±3°以内、さらに好ましくは±1°以内である
場合を表す。
【0133】更に、偏光板の作製時、二色性物質を含有
する偏光子と光学的に二軸性を有するセルロースエステ
ルフィルムとを貼合するが、生産効率向上の観点から、
長尺ロールとして作製されたセルロースエステルフィル
ムが好ましく用いられる。本発明において、長尺とは、
500m以上を示すが、好ましくは1000m以上であ
り、特に好ましくは1000〜4000mである。
【0134】次いで、本発明の偏光板及び液晶表示装置
の詳細について説明する。本発明の偏光板に用いる偏光
子としては、従来公知のものを用いることができる。例
えば、ポリビニルアルコールの如き親水性ポリマーから
なるフィルムを、ヨウ素の如き二色性染料で処理して延
伸したものや、塩化ビニルの如きプラスチックフィルム
を処理して配向させたものを用いる。こうして得られた
偏光子を、セルロースエステルフィルムにより貼合す
る。
【0135】このとき、セルロールエステルフィルムの
うちの少なくとも一枚は、本発明に係るセルロースエス
テルフィルムを用いることが必須の条件であるが、従来
公知の偏光板用支持体として用いられていたセルロース
トリアセテート(TAC)フィルムを他の偏光子の面の
貼合に用いても良いが、本発明に記載の効果を最大に得
るためには、偏光板保護膜の両面の物性の同一性の点で
偏光板を構成する全てのセルロースエステルフィルムと
して、本発明に係るセルロースエステルフィルムを用い
ることが好ましい。
【0136】本発明に係るセルロースエステルフィル
ム、偏光子、セルローストリアセテート(TAC)フィ
ルムBの順に積層して偏光板を構成する場合において
は、セルローストリアセテートフィルムBとしては、幅
手方向に延伸操作を行ったものを用いることにより温度
湿度環境の変化に対して、寸法変化(形状変化)の少な
い優れた光学特性を維持した位相差機能付偏光板を得る
ことができる。延伸操作は、流延製膜時に行っても良い
し、製膜後オフラインで実施しても良いが、延伸の均一
性、生産性等の観点から流延製膜時に連続的に実施する
ことが好ましい。延伸倍率は、1.01〜1.2倍の範
囲が好ましく、特に好ましくは1.03〜1.15倍で
あり、最も好ましくは1.05〜1.10倍である。
【0137】更に偏光板の作製時、偏光子の一方の面に
貼号する、本発明に係るセルロースエステルフィルムの
延伸倍率Aと前記偏光子を挟んで反対側のもう一方の面
に貼号するセルロースエステルフィルムの延伸倍率Bと
の関係としては、A/Bが1000〜0.001の範囲
にあることが好ましく、更に好ましくは、200〜0.
005であり、特に好ましくは、100〜0.01の範
囲である。
【0138】また、偏光板の作製時、本発明に係るセル
ロースエステルフィルムの流延製膜時の流延方向と偏光
子の延伸方向を略平行にすることが好ましい。この様に
して得られた偏光板を、液晶セルの両面に、好ましくは
次のように配置して貼合する。
【0139】本発明の偏光板は、例えば、図1に示すよ
うに配置することができる。図1において表される液晶
表示装置9は、一枚の液晶セル7と2枚の偏光板6a、
6bから構成される。
【0140】偏光板6aは、2枚のセルロースエステル
フィルム1aと一枚の偏光子2aから、偏光板6bは2
枚のセルロースエステルフィルム1bと一枚の偏光子2
bから各々、構成される。
【0141】偏光板6a、6bにおいて、流延方向3
a、3bは各々、セルロースエステルフィルム1a、1
bの流延製膜時の流延方向を表す。延伸方向4a、4b
は各々、偏光子2a、2bの延伸方向を表す。以上のよ
うな簡単な構成で斜め方向に著しく視野角の改善された
VA型液晶表示装置を得ることができる。
【0142】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳細に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。
【0143】実施例1 《セルロースエステルフィルムの作製》 (セルロースエステルフィルム1の作製)アセチル基の
置換度2.00、プロピオニル基の置換度0.80、粘
度平均重合度350のセルロースアセテートプロピオネ
ート100質量部、エチルフタリルエチルグリコレート
5質量部、トリフェニルフォスフェイト3質量部、塩化
メチレン290質量部、エタノール60質量部を密閉容
器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しながら徐々に昇温
し、60分かけて45℃まで上げ溶解した。容器内は1
21kPaとなった。このドープを安積濾紙(株)製の
安積濾紙No.244を使用して濾過した後、24時間
静置してドープ中の泡を除いた。
【0144】また、これとは別に、上記セルロースアセ
テートプロピオネート5質量部、チヌビン326(チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)6質量部、チ
ヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株)製)4質量部、チヌビン171(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)5質量部、を塩化メチレ
ン94質量部とエタノール8質量部を混合、撹拌、溶解
して、紫外線吸収剤溶液を調製した。
【0145】上記ドープ100質量部に対して、前記紫
外線吸収剤溶液を2質量部の割合で加え、スタチックミ
キサーにより十分混合した後、ダイコータからステンレ
スベルト上にドープ温度30℃で流延した。ステンレス
ベルトの裏面から25℃の温度の温水を接触させて、温
度制御されたステンレスベルト上で1分間乾燥した後、
更にステンレスベルトの裏面に、15℃の冷水を接触さ
せて15秒間保持した後、ステンレスベルトから剥離し
た。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は100質量%であ
った。次いで、延伸テンターを用いて剥離したウェブの
両端をクリップで掴み、クリップ間隔の巾方向を変化さ
せることで、110℃で巾方向のみに1.65倍延伸し
た。更に、ローラー搬送しながら120℃で10分間乾
燥させ、膜厚110μmのセルロースエステルフィルム
1を得た。
【0146】セルロースエステルフィルム1は、コア径
200mmのガラス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、長
さ1000mのフィルムロール状にテーパーテンション
法で巻き取った。この際、フィルム端部に温度250℃
のエンボスリングを押し当て、厚みだし加工を施して、
フィルム同士の密着を防止した。
【0147】得られたロール状フィルムからフィルムの
巾方向の中央部から試料をサンプリングし、遅相軸方向
の屈折率nx、進相軸方向の屈折率ny、厚さ方向の屈折
率n zを測定し、前記式(1)及び(2)に従って、面
内リターデーション値R0、厚さ方向のリターデーショ
ン値Rtをそれぞれ算出したところ、中央部で、R08
8nm、Rt205nmであった。なお、遅相軸の方向
は、各サンプル共、フィルムの巾方向に対し±0.7度
の範囲に収まっていた。
【0148】屈折率nx、ny、nzは、自動複屈折計K
OBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用い
て、23℃、55%RHの環境下で、波長が590nm
において、3次元屈折率測定を行い求めた。また、後述
する水分率測定方法を用いて測定した含水率は1.8%
であった。
【0149】《セルロースエステルフィルム2の作製》
アセチル基の置換度1.90、プロピオニル基の置換度
0.75、粘度平均重合度350のセルロースアセテー
トプロピオネート100質量部、エチルフタリルエチル
グリコレート2質量部、トリフェニルフォスフェイト
8.5質量部、塩化メチレン290質量部、エタノール
60質量部を密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌し
ながら徐々に昇温し、60分かけて45℃まで上げ溶解
した。容器内は121kPaとなった。このドープを安
積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過
した後、24時間静置しドープ中の泡を除いた。
【0150】また、これとは別に、上記セルロースアセ
テートプロピオネート5質量部、チヌビン326(チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)6質量部、チ
ヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株)製)4質量部、チヌビン171(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)5質量部、を塩化メチレ
ン94質量部とエタノール8質量部を混合、撹拌、溶解
して、紫外線吸収剤溶液を調製した。
【0151】上記ドープ100質量部に対して、前記紫
外線吸収剤溶液を2質量部の割合で加え、スタチックミ
キサーにより十分混合した後、ダイコータからステンレ
スベルト上にドープ温度30℃で流延した。ステンレス
ベルトの裏面から25℃の温度の温水を接触させて温度
制御されたステンレスベルト上で1分間乾燥した後、更
にステンレスベルトの裏面に、15℃の冷水を接触させ
て15秒間保持した後、ステンレスベルトから剥離し
た。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は90%であった。
次いで延伸テンターを用いて剥離したウェブの両端をク
リップで掴み、クリップ間隔の巾方向を変化させること
で、110℃で巾方向のみに1.40倍延伸した。更に
ローラー搬送しながら125℃で10分間乾燥させ、膜
厚70μmのセルロースエステルフィルム2得た。
【0152】セルロースエステルフィルム2を、コア径
200mmのガラス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、長
さ1000mのフィルムロール状にテーパーテンション
法で巻き取った。この際、フィルム端部に温度250℃
のエンボスリングを押し当て、厚みだし加工を施して、
フィルム同士の密着を防止した。
【0153】得られたロール状フィルムからフィルムの
巾方向の中央部から試料をサンプリングし、上記の方法
と同様にして、屈折率nx、屈折率ny、屈折率nzを測
定し、RO、Rtを計算した結果、中央部でR0:47
nm、Rt:132nmであった。また、含水率1.8
%であった。
【0154】《セルロースエステルフィルム3の作製》
アセチル基の置換度1.60、プロピオニル基の置換度
1.20、粘度平均重合度400のセルロースアセテー
トプロピオネート100質量部、エチルフタリルエチル
グリコレート5質量部、トリフェニルフォスフェイト3
質量部、塩化メチレン290質量部、エタノール60質
量部を密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しながら
徐々に昇温し、60分かけて45℃まで上げ溶解した。
容器内は121kPaとなった。このドープを安積濾紙
(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した
後、24時間静置しドープ中の泡を除いた。また、これ
とは別に、上記セルロースアセテートプロピオネート5
質量部、チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ(株)製)6質量部、チヌビン109(チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株)製)4質量部、チヌビ
ン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)
製)及びAEROSIL R972V(日本アエロジル
(株)製)1質量部を塩化メチレン94質量部とエタノ
ール8質量部を混合、撹拌、溶解して、紫外線吸収剤溶
液を調製した。なお、R972Vは、予め、上記エタノ
ールに分散して添加した。
【0155】上記ドープ100質量部に対して、前記紫
外線吸収剤溶液を2質量部の割合で加え、スタチックミ
キサーにより十分混合した後、ダイコータからステンレ
スベルト上にドープ温度30℃で流延した。ステンレス
ベルトの裏面から25℃の温度の温水を接触させて温度
制御されたステンレスベルト上で1分間乾燥した後、更
にステンレスベルトの裏面に、15℃の冷水を接触させ
て15秒間保持した後、ステンレスベルトから剥離し
た。剥離時のウェブ中の残留溶媒量は90質量%であっ
た。次いで延伸テンターを用いて剥離したウェブの両端
をクリップで掴み、クリップ間隔の巾方向を変化させる
ことで、100℃で巾方向に1.5倍延伸した。更にロ
ーラー搬送しながら120℃で10分間乾燥させ、膜厚
90μmのセルロースエステルフィルム3を得た。
【0156】セルロースエステルフィルム3は、コア径
200mmのガラス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、長
さ1000mのフィルムロール状にテーパーテンション
法で巻き取った。この際、フィルム端部に温度250℃
のエンボスリングを押し当て、厚みだし加工を施して、
フィルム同士の密着を防止した。
【0157】得られたロール状フィルムからフィルムの
巾方向の中央部からサンプリングし、上記方法と同様に
して、屈折率nx、屈折率ny、屈折率nzを測定して、
R0、Rtをそれぞれ算出したところ、いずれも中央部
で、R0:85nm、Rt:210nmであった。ま
た、遅相軸の方向は、各サンプル共、フィルムの巾方向
に対し±0.4度の範囲に収まっていた。水分率は2.
1%であった。
【0158】《セルロースエステルフィルム4の作製》
アセチル基の置換度2.00、プロピオニル基の置換度
0.80、粘度平均重合度350のセルロースアセテー
トプロピオネート100質量部、エチルフタリルエチル
グリコレート5質量部、トリフェニルフォスフェイト3
質量部、酢酸メチル175質量部、エタノール75質量
部を密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しながら徐
々に昇温し、60分かけて65℃まで上げ溶解した。容
器内は121kPaとなった。このドープを安積濾紙
(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した
後、24時間静置しドープ中の泡を除いた。また、これ
とは別に、上記セルロースアセテートプロピオネート5
質量部、チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミ
カルズ(株)製)6質量部、チヌビン109(チバ・ス
ペシャルティ・ケミカルズ(株)製)4質量部、チヌビ
ン171(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)
製)5質量部を酢酸メチル94質量部とエタノール8質
量部を混合、撹拌、溶解して、紫外線吸収剤溶液を調製
した。上記ドープ100質量部に対して紫外線吸収剤溶
液を2質量部の割合で加え、スタチックミキサーにより
十分混合した後、ダイからステンレスベルト上にドープ
温度50℃で流延した。ステンレスベルトの裏面から5
5℃の温度の温水を接触させて温度制御されたステンレ
スベルト上で1分間乾燥した後、更にステンレスベルト
の裏面に、15℃の冷水を接触させて15秒間保持した
後、ステンレスベルトから剥離した。剥離時のウェブ中
の残留溶媒量は80質量%であった。次いで、同時二軸
延伸テンターを用いて剥離したウェブの両端をクリップ
で掴み、クリップ間隔を巾方向と流延方向(長さ方向)
に同時に変化させることで、120℃で巾方向に1.5
5倍、流延方向(長さ方向)に1.05倍延伸した。更
にローラー搬送しながら130℃で10分間乾燥させ、
膜厚120μmのセルロースエステルフィルム4を得
た。
【0159】セルロースエステルフィルム4は、コア径
200mmのガラス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、長
さ1000mのフィルムロール状にテーパーテンション
法で巻き取った。この際、フィルム端部に温度250℃
のエンボスリングを押し当て、厚みだし加工を施して、
フィルム同士の密着を防止した。
【0160】得られたロール状フィルムからフィルムの
巾方向の中央部から試料をサンプリングし、上記と同様
の方法により屈折率nx、屈折率ny、屈折率nzを測定
し、R0、Rtをそれぞれ算出したところ、R0:93
nm、Rt:227nmであった。また、遅相軸の方向
は、各サンプル共、フィルムの巾方向に対し±0.9度
の範囲に収まっていた。また、水分率は、1.6%であ
った。
【0161】《セルロースエステルフィルム5の作製》
セルロースエステルフィルムに用いるセルロースエステ
ルをアセチル基の置換度1.90、ブチリル基の置換度
0.75、粘度平均重合度300のセルロースアセテー
トブチレートに変更した以外はセルロースエステルフィ
ルム1の作製と同様にして、膜厚75μmのセルロース
エステルフィルム5及びそのフィルムロールを作製し
た。
【0162】得られたロール状フィルムからフィルムの
巾方向の中央部から試料をサンプリングし、上記と同様
と同様の方法により、屈折率nx、屈折率ny、屈折率n
zを測定し、R0、Rtをそれぞれ算出したところ、中
央部で、R0:44nm、Rt:136nmであった。
また、遅相軸の方向は、各サンプル共、フィルムの巾方
向に対し±1.0度の範囲に収まっていた。また、水分
率は、1.3%であった。
【0163】《セルロースエステルフィルム6の作製》
延伸後の最終膜厚を48μm、延伸倍率を1.55倍と
した以外は、セルロースエステルフィルム1と同様にし
てセルロースエステルフィルム6を作製した。
【0164】得られたフィルムロールからフィルムの巾
方向の中央部から試料をサンプリングし、上記と同様の
方法により屈折率nx、屈折率ny、屈折率nzを測定
し、R0、Rtをそれぞれ算出したところ、中央部で、
R0:43nm、Rt:126nmであった。また、遅
相軸の方向は、各サンプル共、フィルムの巾方向に対し
±0.7度の範囲に収まっていた。また、水分率は、
1.1%であった。
【0165】《セルロースエステルフィルム7の作製》
アセチル基の置換度2.30、プロピオニル基の置換度
0.5、粘度平均重合度300のセルロースアセテート
プロピオネート100質量部、エチルフタリルエチルグ
リコレート5質量部、トリフェニルフォスフェイト3質
量部、塩化メチレン290質量部、エタノール60質量
部を密閉容器に入れ、混合物をゆっくり攪拌しながら徐
々に昇温し、60分かけて45℃まで上げ溶解した。容
器内は121kPaとなった。このドープを安積濾紙
(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した
後、24時間静置しドープ中の泡を除いた。
【0166】また、これとは別に、上記セルロースアセ
テートプロピオネート3質量部、チヌビン326(チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)3質量部、チ
ヌビン109(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ
(株)製)4質量部、チヌビン171(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)5質量部を塩化メチレン
90質量部とエタノール10質量部を混合、撹拌、溶解
して、紫外線吸収剤溶液を調製した。
【0167】上記ドープ100質量部に対して紫外線吸
収剤溶液を2質量部の割合で加え、スタチックミキサー
により十分混合した後、ダイコータからステンレスベル
ト上にドープ温度35℃で流延した。ステンレスベルト
の裏面から35℃の温度の温水を接触させて温度制御さ
れたステンレスベルト上で1分間乾燥した後、更にステ
ンレスベルトの裏面に、15℃の冷水を接触させて15
秒間保持した後、ステンレスベルトから剥離した。剥離
時のウェブ中の残留溶媒量は70質量%であった。
【0168】次いで、120℃のオーブン内でロール搬
送しながら、オーブン入り口直後のロール周速に対して
オーブン出口直前のロール周速を1.7倍になるように
して、流延方向(フィルムの長尺方向)に1.7倍延伸
した。延伸後、直ちに60℃まで冷却した。更にテンタ
ーを用いてウェブの両端をクリップで掴み、クリップ間
隔を固定のまま、130℃で5分乾燥させ、膜厚115
μmのセルロースエステルフィルム7を得た。
【0169】セルロースエステルフィルム7は、コア径
200mmのガラス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、長
さ1000mのフィルムロール状にテーパーテンション
法で巻き取った。この際、フィルム端部に温度270℃
のエンボスリングを押し当て、10μmの厚みだし加工
を施して、フィルム同士の密着を防止した。
【0170】得られたロール状フィルムからフィルムの
巾方向の中央部から試料をサンプリングし、上記と同様
の方法で屈折率nx、屈折率ny、屈折率nzを測定し、
R0、Rtをそれぞれ算出したところ、中央部で、R
0:102nm、Rt:163nmであった。また、遅
相軸の方向は、各サンプル共、フィルムの巾方向に対し
±0.5度の範囲に収まっていた。水分率は、2.0%
であった。
【0171】《比較フィルム1(TACフィルム1)の
作製》以下の手順により、従来より偏光板用支持体とし
て用いられているセルローストリアセテートフィルム
(TACフィルム1)を作製した。
【0172】アセチル基の置換度2.92、粘度平均重
合度300のセルローストリアセテート100質量部、
エチルフタリルエチルグリコレート2質量部、トリフェ
ニルフォスフェイト10質量部、塩化メチレン350質
量部、エタノール50質量部を密閉容器に入れ、混合物
をゆっくり攪拌しながら徐々に昇温し、60分かけて4
5℃まで上げ溶解した。容器内は121kPaとなっ
た。
【0173】このドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙
No.244を使用して濾過した後、24時間静置しド
ープ中の泡を除いた。
【0174】また、これとは別に、上記セルローストリ
アセテート5質量部、チヌビン326(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)3質量部、チヌビン10
9(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)7質
量部、チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製)5質量部、及びAEROSIL 200
V(日本アエロジル(株)製)1質量部を塩化メチレン
90質量部とエタノール10質量部を混合、撹拌、溶解
して、紫外線吸収剤溶液を調製した。上記ドープ100
質量部に対して紫外線吸収剤溶液を2質量部の割合で加
え、スタチックミキサーにより十分混合した後、ダイコ
ータからステンレスベルト上にドープ温度30℃で流延
した。ステンレスベルトの裏面から30℃の温度の温水
を接触させて温度制御されたステンレスベルト上で1分
間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、15℃
の冷水を接触させて15秒間保持した後、ステンレスベ
ルトから剥離した。
【0175】剥離時のウェブ中の残留溶媒量は70質量
%であった。次いで、剥離したウェブの両端を固定しな
がら120℃で10分間乾燥させ、膜厚80μmのセル
ローストリアセテートフィルム(TACフィルム1)を
得た。
【0176】得られたロール状フィルムロールからフィ
ルムの巾方向の中央部から試料をサンプリングし、上記
と同様の方法で、屈折率nx、屈折率ny、屈折率nz
測定し、R0、Rtをそれぞれ算出したところ、中央部
で、R0:2nm、Rt:52nmであった。また、遅
相軸の方向は、R0値が小さいため測定限界以下であっ
た。水分率は、1.3%であった。
【0177】《比較フィルム2(TACフィルム2)の
作製》上記TACフィルム1の作製において、膜厚を4
1μmに変更した以外は同様にしてセルローストリアセ
テートフィルムである比較フィルム2(TACフィルム
2)を得た。
【0178】得られたロール状フィルムロールからフィ
ルムの巾方向の中央部から試料をサンプリングし、同様
の方法で屈折率nx、屈折率ny、屈折率nzを測定し、
R0、Rtをそれぞれ算出したところ、中央部で、R
0:1nm、Rt:31nmであった。また、遅相軸の
方向は、R0値が小さいため測定限界以下であった。水
分率は、3.9%であった。
【0179】《セルロースエステルフィルムの他の特性
値の測定》 (水分率の測定)上記作製した各セルロースエステルフ
ィルム試料を10cm2の大きさに断裁し、23℃、8
0%RHの雰囲気下で48時間放置した後、その質量を
測定し、これをW1とした。ついで、該フィルムを、1
20℃で45分間加熱乾燥処理を施した後、その質量を
測定し、これをW2とした。各々得られた測定値から下
記計算式により、23℃、80%RHにおける水分率を
測定した。
【0180】水分率(%)=〔(W1−W2)/W2〕×
100 (輝点異物数の測定)上記作製した各セルロースエステ
ルフィルム試料を、偏光クロスニコル状態で配置した2
枚の偏光板の間に試料を置き、偏光板の片方から光を当
て、顕微鏡で他方の偏光板側から光って白く抜けて見え
る25mm2当たりの5μm以上の大きさの異物の数を
任意に10カ所測定した。合計値を250mm2当たり
の異物数とし、この測定を5回繰り返しその平均値を異
物数とする。顕微鏡条件は透過光で30倍である。
【0181】以上により作製した各セルロースエステル
フィルムの各特性値の一覧を表1に示す。なお、表中、
セルロースエステルフィルムは、単にフィルムと略して
記す。
【0182】
【表1】
【0183】《偏光板の作製》 (偏光板1の作製)厚さ120μmのポリビニルアルコ
ールフィルムをヨウ素1質量部、ヨウ化カリウム2質量
部、ホウ酸4質量部を含む水溶液に浸漬し、50℃で4
倍に延伸して偏光膜を得た。次に、この偏光膜に上記作
製したセルロースエステルフィルム1を以下の手順でラ
ミネートして、本発明の偏光板1を得た。
【0184】(1)保護フィルムとして、図2に示すよ
うに15cm×18cmの長方形ABCDの形状に切り
取った上述のセルロースエステルフィルム2枚を2mo
l/リットルの水酸化ナトリウム溶液に60℃で1分間
浸漬し、さらに水洗、乾燥させた。
【0185】図2は、流延製膜により作製された本発明
の長尺のセルロースエステルフィルムの模式図である。
流延製膜され、作製された本発明に係るセルロースエス
テルフィルム10において、流延方向11は流延製膜時
の流延方向、幅手方向12は流延製膜時の幅手方向を表
す。偏光板作製に用いられるセルロースエステルフィル
ムは、例えば、長方形ABCDのように切り取られて使
用されるが、長方形ABCDの一辺ABとセルロースエ
ステルフィルム10の流延方向12とのなす角度は垂直
又は平行であるように切り取られる。
【0186】(2)2枚のセルロースエステルフィルム
試料と同サイズに調整した上記の偏光膜(偏光子)を固
形分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜
2秒間浸漬する。
【0187】(3)前記の偏光膜(偏光子)に付着した
過剰の接着剤を軽く取り除き、図3のような配置で前記
セルロースエステルフィルム試料の面上にのせ、さらに
もう1枚の前記セルロースエステルフィルム試料の面と
接着剤とが接する様に積層し配置する。
【0188】図3は、本発明の偏光板の模式図である。
偏光板6aは、偏光子2aを2枚の本発明のセルロース
エステルフィルム1aが挟みこむ状態に配置、構成され
ている。セルロースエステルフィルム1aの流延製膜時
の流延方向と偏光子2aの延伸方向は平行である。
【0189】(4)ハンドローラで積層された偏光膜と
セルロースエステルフィルムとの積層物の端部から過剰
の接着剤及び気泡を取り除きはり合わせる。ハンドロー
ラは、20〜30N/cm2の圧力をかけて、ローラス
ピードは約2m/分とした。
【0190】(5)80℃の乾燥器中に得られた試料を
2分間放置し、偏光板1を作製した。
【0191】次いで、得られた偏光板1(視野角拡大偏
光板1)を後述の方法で垂直配向型(VA型)液晶セル
に組み込み、視野角を評価した。
【0192】(偏光板2の作製)上記偏光板1の作製に
おいて、セルロースエステルフィルム1に代えて、上記
作製したセルロースエステルフィルム2を用いた以外は
同様にして偏光板2を作製し、これを同様の方法により
視野角測定を行った。
【0193】(偏光板3の作製)上記偏光板1の作製に
おいて、セルロースエステルフィルム1に代えて、上記
作製したセルロースエステルフィルム3を用いた以外は
同様にして偏光板3を作製し、これを同様の方法により
視野角測定を行った。
【0194】(偏光板4の作製)上記作製した比較フィ
ルム1(セルローストリアセテートフィルム;TACフ
ィルム1)とセルロースエステルフィルム4の組み合わ
せをラミネート用の支持体として、以下の手順で偏光板
4を作製した。
【0195】まず、厚さ120μmのポリビニルアルコ
ールフィルムをヨウ素1質量部、ヨウ化カリウム2質量
部、ホウ酸4質量部を含む水溶液に浸漬し、50℃で4
倍に延伸して偏光膜を得た。次に、 (1)保護フィルムとして、図2に示したように、15
cm×18cmの長方形13に各々、切り取ったセルロ
ースエステルフィルム4とTACフィルム1をそれぞれ
2mol/リットルの水酸化ナトリウム溶液に60℃で
1分間浸漬し、さらに水洗、乾燥させた。
【0196】(2)これらの2枚のセルロースエステル
フィルム試料と同サイズに調整した上記の偏光膜を固形
分2質量%のポリビニルアルコール接着剤槽中に1〜2
秒間浸漬する。
【0197】(3)前記の偏光膜に付着した過剰の接着
剤を軽く取り除き、1枚を本発明に係るセルロースエス
テルフィルム4を、残りの一枚を比較フィルム1を用い
て、図3と同様な配置で偏光子上にセルロースエステル
フィルムを積層した。
【0198】(4)ハンドローラで積層された偏光膜と
セルロースエステルフィルムとの積層物の端部から過剰
の接着剤及び気泡を取り除きはり合わせる。ハンドロー
ラは、20〜30N/cm2の圧力をかけて、ローラス
ピードは約2m/分とした。
【0199】(5)80℃の乾燥器中に得られた試料を
2分間放置し、偏光板を作製した。得られた偏光板4
(視野角拡大偏光板4)を、セルロースエステルフィル
ム4が液晶セルのガラス面側になるようにして、後述の
方法で、VA型液晶セルに組み込み視野角を評価した。
【0200】(偏光板5の作製)上記偏光板4の作製に
おいて、セルロースフィルムとして、セルロースエステ
ルフィルム5とTACフィルム1を用いた以外は同様に
して偏光板5を作製した。得られた偏光板5(視野角拡
大偏光板5)を、セルロースエステルフィルム5が液晶
セルのガラス面側になるようにして、後述の方法で、V
A型液晶セルに組み込み視野角を評価した。
【0201】(偏光板6の作製)上記偏光板4の作製に
おいて、セルロースフィルムとして、セルロースエステ
ルフィルム6とTACフィルム1を用いた以外は同様に
して偏光板6を作製した。得られた偏光板6(視野角拡
大偏光板6)を、セルロースエステルフィルム6が液晶
セルのガラス面側になるようにして、後述の方法で、V
A型液晶セルに組み込み視野角を評価した。
【0202】(偏光板7の作製)平均重合度3800、
けん化度99.5モル%のポリビニルアルコール100
部を水に溶解し、5.0質量%濃度の溶液を得た。該液
をポリエチレンテレフタレート上に流延後乾燥して原反
フィルムを得た。このフィルムをヨウ素0.2g/L、
ヨウ化カリウム60g/Lよりなる水溶液中に30℃に
て240秒浸漬し、次いでホウ酸70g/L、ヨウ化カ
リウム30g/Lの組成の水溶液に浸漬すると共に、同
時に搬送方向に6.0倍に一軸延伸しつつ搬送しなが
ら、5分間ホウ酸処理を行い乾燥した。一方、上述のセ
ルロースエステルフィルム1をコア径200mmのガラ
ス繊維強化樹脂製のコアに巾1m、長さ1000mのフ
ィルムロール状に巻き取ったセルロースエステル原反フ
ィルムを2mol/リットルの水酸化ナトリウム溶液に
60℃で1分間浸漬し、さらに水洗、乾燥させた。この
けん化処理セルロースエステル原反フィルムを、前述の
延伸して巻き取り済みのポリビニルアルコールフィルム
の両面に保護膜としてポリビニルアルコール系接着剤を
用いて、ロール・ツー・ロールで連続的に貼合した。図
2に示すように、30cm×18cmの長方形13を切
り取った。
【0203】このようにして得られた偏光板7(視野角
拡大偏光板7)を偏光板1と同様の方法により視野角視
野角測定を行った。
【0204】(比較の偏光板8Aの作製)前記偏光板1
の作製において、セルロースエステルフィルム1に代え
て、比較フィルム1(TACフィルム1)を2枚用いた
以外は同様にして偏光板8Aを作製し、同様の方法によ
り視野角測定を行った。
【0205】(比較の偏光板8Bの作製)前記偏光板1
の作製において、セルロースエステルフィルム1に代え
て、比較フィルム2(TACフィルム2)を2枚用いた
以外は同様にして偏光板8Aを作製し、同様の方法によ
り視野角測定を行った。
【0206】以上のようにして作製した各偏光板の構成
を表2にまとめて示す。
【0207】
【表2】
【0208】《液晶パネルの作製》視野角測定を行う液
晶パネルは以下のように作製した。
【0209】富士通製15インチディスプレイVL−1
530Sのあらかじめ貼合されていた偏光板を剥がし
て、上記作製した本発明及び比較の偏光板1〜7、8
A、8Bを、表3に示す組み合わせで液晶セルのガラス
面に貼合した。その際、その偏光板の貼合の向きは、本
発明に係るセルロースエステルフィルム面が、ガラス面
側となり、かつ、あらかじめ貼合されていた偏光板と同
一の方向に吸収軸が向くように行い、液晶パネル1〜8
を作製した。
【0210】こうして得られた各液晶パネルを、ELD
IM社製EZ−contrastにより視野角を測定し
た。視野角は、液晶セルの白表示と黒表示時のコントラ
スト比が10以上を示すパネル面に対する法線方向から
の傾き角の範囲であらわした。以上により得られた結果
を表3に示す。
【0211】
【表3】
【0212】表3より明らかなように、比較例に比べ
て、本発明に係るセルロースエステルフィルムを用いた
偏光板を組み込んだ液晶パネルは、著しく視野角が改善
されていることが明らかである。
【0213】実施例2 下記に記載の方法に従って、偏光板9〜14を作製し
た。
【0214】《偏光板9の作製》 (セルロースエステルフィルムTAC−Aの作製)以下
の手順により、偏光板保護フィルム用のセルロースエス
テルフィルムTAC−Aを作製した。
【0215】アセチル基の置換度2.92、粘度平均重
合度300のセルローストリアセテート100質量部、
エチルフタリルエチルグリコレート2質量部、トリフェ
ニルフォスフェイト8.5質量部、塩化メチレン350
質量部、エタノール50質量部を密閉容器に入れ、混合
物をゆっくり攪拌しながら徐々に昇温し、60分かけて
45℃まで上げ溶解した。容器内は121kPaとなっ
た。このドープを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.2
44を使用して濾過した後、24時間静置しドープ中の
泡を除いた。
【0216】また、これとは別に、上記セルローストリ
アセテート5質量部、チヌビン326(チバ・スペシャ
ルティ・ケミカルズ(株)製)3質量部、チヌビン10
9(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)7質
量部、チヌビン171(チバ・スペシャルティ・ケミカ
ルズ(株)製)5質量部、及びAEROSIL 200
V(日本アエロジル(株)製)1質量部を塩化メチレン
90質量部とエタノール10質量部を混合、撹拌、溶解
して、紫外線吸収剤溶液を調製した。上記ドープ100
質量部に対して、紫外線吸収剤溶液を2質量部の割合で
加え、スタチックミキサーにより十分混合した後、ダイ
コータからステンレスベルト上にドープ温度35℃で流
延した。ステンレスベルトの裏面から35℃の温度の温
水を接触させて温度制御されたステンレスベルト上で1
分間乾燥した後、更にステンレスベルトの裏面に、15
℃の冷水を接触させて15秒間保持した後、ステンレス
ベルトから剥離した。
【0217】剥離時のウェブ中の残留溶媒量は80質量
%であった。次いで延伸テンターを用いて剥離したウェ
ブの両端をクリップで掴み、クリップ間隔の巾方向を変
化させることで、105℃で巾方向のみに1.07倍延
伸した。更にローラー搬送しながら130℃で10分間
乾燥させ、膜厚80μmのセルロースエステルフィルム
TAC−A得た。
【0218】得られたセルロースエステルフィルムTA
C−Aと、実施例1に記載のセルロースエステル2を用
いて、実施例1に記載の偏光板1の作製と同様の構成と
して、偏光板9を作製した。
【0219】上記作製した偏光板9をそのまま実施例1
に記載の方法に従って液晶パネルに組み込んだ試料と、
偏光板9を80℃、90%RHの雰囲気下で500時間
の強制劣化処理を施した後、実施例1に記載の方法に従
って液晶パネルに組み込んだ試料とを作製し、前述と同
様の方法により視野角測定を行った。
【0220】《偏光板10の作製》剥離後の幅方向の延
伸倍率を1.15倍とした以外はセルロースエステルフ
ィルムTAC−Aと同様にして、偏光板保護フィルム用
のセルロースエステルフィルムTAC−Bを作製した。
【0221】このセルロースエステルフィルムTAC−
Bを用いて、偏光板9の場合と同様にして偏光板10を
作製し、偏光板9と同様の方法で、未処理及強制劣化処
理を施した試料を作製し、各々を実施例1に記載の方法
に従って液晶パネルに組み込んで、前述と同様の方法に
より視野角測定を行った。
【0222】《偏光板11の作製》剥離後の幅方向の延
伸倍率を1.20倍とした以外はセルロースエステルフ
ィルムTAC−Aと同様にして、偏光板保護フィルム用
のセルロースエステルフィルムTAC−Cを作製した。
【0223】このセルロースエステルフィルムTAC−
Cを用いて、偏光板9の場合と同様にして偏光板11を
作製し、偏光板9と同様の方法で、未処理及強制劣化処
理を施した試料を作製し、各々を実施例1に記載の方法
に従って液晶パネルに組み込んで、前述と同様の方法に
より視野角測定を行った。
【0224】《偏光板12の作製》剥離後の幅方向の延
伸倍率を1.02倍とした以外はセルロースエステルフ
ィルムTAC−Aと同様にして、偏光板保護フィルム用
のセルロースエステルフィルムTAC−Dを作製した。
【0225】このセルロースエステルフィルムTAC−
Dを用いて、偏光板9の場合と同様にして偏光板12を
作製し、偏光板9と同様の方法で、未処理及強制劣化処
理を施した試料を作製し、各々を実施例1に記載の方法
に従って液晶パネルに組み込んで、前述と同様の方法に
より視野角測定を行った。
【0226】《偏光板13の作製》上記偏光板9の作製
時において、セルロースエステルフィルムTAC−Aを
平面内で90°回転させた状態で貼合すること以外は同
様にして、偏光板13を作製し、偏光板9と同様の方法
で、未処理及強制劣化処理を施した試料を作製し、各々
を実施例1に記載の方法に従って液晶パネルに組み込ん
で、前述と同様の方法により視野角測定を行った。
【0227】《偏光板14の作製》剥離後の幅方向の延
伸を行わなかった以外はセルロースエステルフィルムT
AC−Aと同様にして、偏光板保護フィルム用のセルロ
ースエステルフィルムTAC−Eを作製した。
【0228】このセルロースエステルフィルムTAC−
Eを用いて、偏光板9の場合と同様にして偏光板14を
作製し、偏光板9と同様の方法で、未処理及強制劣化処
理を施した試料を作製し、各々を実施例1に記載の方法
に従って液晶パネルに組み込んで、前述と同様の方法に
より視野角測定を行った。
【0229】以上により、得られた各偏光板の視野角の
結果を表4に示す。
【0230】
【表4】
【0231】表4より明らかなように、本発明に係るセ
ルロースエステルフィルムを有する偏光板9〜14は、
良好な視野角の改良効果が認められることが明らかであ
る。
【0232】一方、本発明の偏光板において、位相差機
能を有しない(液晶セルのガラス面側と反対側:外側に
配置される)セルロースエステルフィルムを一定の倍率
延伸することにより、寸法安定性が改良されることが確
認された。
【0233】すなわち、偏光板9〜14は、一方の面を
延伸倍率1.40のセルロースエステルフィルム2を各
々用いているが、経時保存処理(60℃、90%、50
0時間処理)後の偏光板のカール特性を目視で観察した
結果、延伸操作を行わなかったセルロースエステルフィ
ルムTAC−Eを片面の保護フィルムに使用した偏光板
14は偏光板自身の寸法変化によるカールが観察された
のに対し、延伸倍率2%(セルロースエステルフィルム
TAC−D)、20%(セルロースエステルフィルムT
AC−C)、15%(セルロースエステルフィルムTA
C−B)、7%(セルロースエステルフィルムTAC−
A)のセルロースエステルフィルムを各々、片面の保護
フィルムとした場合は、延伸倍率2%、20%のもので
改良が見られ、15%、7%ではほとんどカールは発生
しなかった。
【0234】
【発明の効果】本発明により、熱湿耐久性に優れ、強度
が強く、異物欠陥が少なく、かつ視野角特性に優れた視
野角拡大の偏光板と視野角拡大偏光板を用いて、簡単な
構成で著しく視野角が改善される液晶表示装置を提供す
ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の構成を示す模式図であ
る。
【図2】流延製膜により作製された本発明に係るセルロ
ースエステルフィルムの模式図である。
【図3】本発明の偏光板の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1a、1b、10 セルロースエステルフィルム 2a、2b 偏光子 3a、3b、11 流延方向 4a、4b 偏光子の吸収軸 6a、6b 偏光板 7 液晶セル 9 液晶表示装置 12 幅手方向 13 長方形
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1335 510 G02F 1/1335 510 1/13363 1/13363 (72)発明者 矢島 孝敏 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA04 BB03 BB13 BB33 BB49 BC02 BC09 BC10 BC22 2H091 FA08X FA08Z FA11X FA11Z FB02 FB06 FB12 FC07 FC08 FD10 FD15 GA13 GA16 HA06 HA07 HA09 HA10 KA02 KA10 LA02 LA03 LA04 LA06 LA12 LA18 LA19 LA30 4F071 AA09 AC10 AC15 AD02 AE04 AF35 AH12 AH16 BB02 BB08 BC01 BC12 BC17 4J002 AB031 DE137 DH047 DJ007 DJ017 EE038 EH046 EH096 EH146 EJ068 EU178 EW046 FB097 FD017 FD026 FD058 GP00

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直配向型の液晶表示装置に用いられる
    偏光板において、該偏光板が、偏光子と光学的に二軸性
    の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムとを有し、液
    晶セルと偏光子の間に該光学的に二軸性の混合脂肪酸セ
    ルロースエステルフィルムが配置されていることを特徴
    とする偏光板。
  2. 【請求項2】 前記光学的に二軸性の混合脂肪酸セルロ
    ースエステルフィルムが、下記式(1)で定義される面
    内リターデーション値(R0値)が31〜120nm
    で、かつ下記式(2)で定義する厚み方向のリターデー
    ション値(Rt値)が60〜300nmであることを特
    徴とする請求項1記載の偏光板。 式(1) R0値=(nx−ny)×d 〔式中、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向
    の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈
    折率、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。〕 式(2) Rt値=((nx+ny)/2−nz)×d 〔式中、nxはフィルム面内の屈折率が最も大きい方向
    の屈折率、nyはnxに直角な方向でのフィルム面内の屈
    折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィル
    ムの厚み(nm)をそれぞれ表す。〕
  3. 【請求項3】 少なくとも一方の面に前記光学的に二軸
    性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムを有し、該
    光学的に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィル
    ムが面内リターデーション値(R0値)が31〜60n
    mで、かつ厚み方向のリターデーション値(Rt値)が
    90〜200nmであることを特徴とする請求項1記載
    の偏光板。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方の面に前記光学的に二軸
    性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムを有し、該
    光学的に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィル
    ムが面内リターデーション値(R0値)が31〜50n
    mで、かつ厚み方向のリターデーション値(Rt値)が
    110〜150nmであることを特徴とする請求項1記
    載の偏光板。
  5. 【請求項5】 前記混合脂肪酸セルロースエステルが、
    アセチル基及びプロピオニル基を有する脂肪酸セルロー
    スエステルであることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の偏光板。
  6. 【請求項6】 前記混合脂肪酸セルロースエステルが、
    アセチル基及びブチリル基を有する脂肪酸セルロースエ
    ステルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の偏光板。
  7. 【請求項7】 前記混合脂肪酸セルロースエステルフィ
    ルムの厚みが、30〜110μmであることを特徴とす
    る請求項1〜6のいずれか1項に記載の偏光板。
  8. 【請求項8】 前記混合脂肪酸セルロースエステルの総
    アシル基置換度が、2.1〜2.8であることを特徴と
    する請求項1〜5及び7のいずれか1項に記載の偏光
    板。
  9. 【請求項9】 前記混合脂肪酸セルロースエステルのア
    セチル基置換度が1.5〜2.3で、かつプロピオニル
    基置換度が0.6〜1.2であることを特徴とする請求
    項5又は7に記載の偏光板。
  10. 【請求項10】 前記混合脂肪酸セルロースエステルの
    アセチル置換度が、2.0未満であることを特徴とする
    請求項8又は9に記載の偏光板
  11. 【請求項11】 一方の面の保護フィルムが、セルロー
    ストリアセテートフィルムであることを特徴とする請求
    項1〜10のいずれか1項に記載の偏光板。
  12. 【請求項12】 偏光子の二色性物質の配向方向と、光
    学的に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルム
    の面内で最大屈折率を与える方向とのなす角度が、80
    〜100°であることを特徴とする請求項1〜11のい
    ずれか1項に記載の偏光板。
  13. 【請求項13】 偏光子の二色性物質の配向方向と、光
    学的に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルム
    の面内で最大屈折率を与える方向とのなす角度が−10
    〜10°であることを特徴とする請求項1〜11のいず
    れか1項に記載の偏光板。
  14. 【請求項14】 前記偏光子の一方の面に、前記光学的
    に二軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムを有
    し、他方の面に該光学的に二軸性の混合脂肪酸セルロー
    スエステルフィルム又は異なるセルロースエステルフィ
    ルムBを有する偏光板であり、該光学的に二軸性の混合
    脂肪酸セルロースエステルフィルムと該セルロースエス
    テルフィルムBとの延伸方向が一致するように貼合され
    ていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項
    に記載の偏光板。
  15. 【請求項15】 前記セルロースエステルフィルムB
    が、製膜時または製膜後に幅手方向に延伸されたもので
    あることを特徴とする請求項14記載の偏光板。
  16. 【請求項16】 前記セルロースエステルフィルムBの
    延伸倍率が1.01〜1.2倍となるように延伸された
    ものであることを特徴とする請求項14又は15に記載
    の偏光板。
  17. 【請求項17】 前記セルロースエステルフィルムBの
    延伸倍率が1.05〜1.15倍となるように延伸され
    たものであることを特徴とする請求項14又は15に記
    載の偏光板。
  18. 【請求項18】 前記セルロースエステルフィルムBが
    トリアセチルセルロースであることを特徴とする請求項
    14〜17のいずれか1項に記載の偏光板。
  19. 【請求項19】 前記光学的に二軸性の混合脂肪酸セル
    ロースエステルフィルムが、偏光クロスニコル状態で認
    識される大きさが5〜50μmの異物が250mm2
    たり150個以下で、かつ50μmを越える異物が0個
    であることを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項
    に記載の偏光板。
  20. 【請求項20】 前記光学的に二軸性の混合脂肪酸セル
    ロースエステルフィルムが、セルロースエステルフィル
    ムに光学的に二軸性が付与され、かつ長尺ロールとして
    製造されたことを特徴とする請求項1〜19のいずれか
    1項に記載の偏光板。
  21. 【請求項21】 光学的に二軸性を付与する加工を施
    し、かつ流延製膜時における幅手方向の屈折率が最大と
    なるように調整したセルロースエステルフィルムの長尺
    ロールを製造する工程、二色性物質を含有する偏光子を
    形成する工程、該長尺ロールに該偏光子をラミネートす
    る工程を経て製造されたことを特徴とする請求項1〜2
    0のいずれか1項に記載の偏光板。
  22. 【請求項22】 前記光学的に二軸性を付与する加工
    が、流延製膜後、セルロースエステルフィルム中の残留
    溶媒濃度が10%以上の条件で幅手方向に延伸を開始す
    ることにより光学的に二軸性を付与したことを特徴とす
    る請求項21記載の偏光板。
  23. 【請求項23】 前記光学的に二軸性のセルロースエス
    テルフィルムが、脂肪酸セルロースエステル100質量
    部に対し、リン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合
    物、クエン酸エステル化合物及びフタル酸エステル化合
    物から選択される可塑剤の少なくとも1種を1〜30質
    量部含有させることを特徴とする請求項1〜22のいず
    れか1項に記載の偏光板。
  24. 【請求項24】 前記光学的に二軸性のセルロースエス
    テルフィルムが、脂肪酸セルロースエステル100質量
    部に対し、0.1μm以下の平均粒径を有する微粒子を
    0.005〜0.3質量部含有することを特徴とする請
    求項1〜23のいずれか1項に記載の偏光板。
  25. 【請求項25】 前記光学的に二軸性のセルロースエス
    テルフィルムが、脂肪酸セルロースエステル100質量
    部に対し、0.8〜3.0質量部の紫外線吸収剤を含有
    することを特徴とする請求項1〜24のいずれか1項に
    記載の偏光板。
  26. 【請求項26】 偏光子Aと垂直配向型液晶セルと偏光
    子Bを有する液晶表示装置において、該偏光子Aと該垂
    直配向型液液晶セル側の間に配置される1枚以上のセル
    ロースエステルフィルムの面内リターデーション値の総
    和ΣR0(A)、厚み方向のリターデーション値の総和
    ΣRt(A)とし、該偏光子Bと該垂直配向型液液晶セ
    ル側の間に配置されるセルロースエステルフィルムの面
    内リターデーション値ΣR0(B)、厚み方向のリター
    デーション値ΣRt(B)としたとき、面内リターデー
    ション値の総和ΣR0=ΣR0(A)+ΣR0(B)が
    31〜120nmで、かつ厚み方向のリターデーション
    値の総和ΣRt=ΣRt(A)+ΣRt(B)が60〜
    300nmであることを特徴とする液晶表示装置。
  27. 【請求項27】 少なくとも液晶セルの一方の面に、請
    求項1〜25のいずれか1項に記載の偏光板を有する垂
    直配向型の液晶表示装置であり、該偏光板の光学的に二
    軸性の混合脂肪酸セルロースエステルフィルムが、偏光
    子と液晶セルとの間に配置されていることを特徴とする
    請求項26に記載の液晶表示装置。
  28. 【請求項28】 前記面内リターデーション値の総和Σ
    R0が60〜120nmであり、かつ厚み方向のリター
    デーション値の総和ΣRtが100〜300nmである
    ことを特徴とする請求項19又は20に記載の液晶表示
    装置。
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