JP2002082225A - 光学フィルム、その製造方法、液晶表示用偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents
光学フィルム、その製造方法、液晶表示用偏光板及び液晶表示装置Info
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Abstract
拡大特性を発現できる光学フィルム、該フィルムの製造
方法、液晶表示用偏光板、液晶表示装置の提供。 【解決手段】 下記一般式(1)で定義される、厚み方
向のレタデーション値(Rt)が23℃、55%RHの
条件下で50〜300nmである光学フィルムの製造方
法であり、ベルト又はドラム上にドープを流延し製膜す
る際に、該ドープが30℃以下に保たれたベルト又はド
ラム上で流延直後から1分間以上保持される工程を経た
後に剥離される光学フィルムの製造方法。一般式(1)
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d、Nx、N
y、Nzはそれぞれ屈折率楕円体の主軸x、y、z方向
の屈折率、Nx、Nyはフィルム面内方向の屈折率を、
Nzはフィルムの厚み方向の屈折率、Nx≧Nyであ
り、dはフィルムの厚み(nm)
Description
下、単にフィルムともいう)、その製造方法、液晶表示
用偏光板及び液晶表示装置に関するものである。
で、IC回路への直結が可能であり、そして、特に、薄
型化が可能であることから、ワードプロセッサやパーソ
ナルコンピュータ等の表示装置として広く採用されてい
る。この液晶表示装置は、基本的な構成は、例えば液晶
セルの両側に偏光板を設けたものである。
ラスト等の観点から、ツイスト角が90度のツイステッ
ドネマティック(TN)を用いた液晶表示装置からツイ
スト角が160度以上のスーパーツイステッドネマティ
ック(STN)を用いた液晶表示装置に移行して来てい
る。
液晶の複屈折を利用したものであることから、TNを用
いた液晶表示装置におけるノーマリーホワイトでは白だ
った背景が青色あるいは黄色に着色する問題があり、こ
の為、白黒表示ではコントラスト、視野角が狭く、又、
カラー化が困難と言った問題がある。
を補償する為、上の偏光板の下に位相差板を用いる技術
が提案された。この技術によれば、前記着色の問題は解
決されるものの、視野角については殆ど改善されていな
い。
が複屈折の光軸に垂直な方向の屈折率よりも大きな複屈
折フィルムを作製し、これを位相差板として用いる技術
が提案された。更には、固有複屈折値が正と負とのフィ
ルムを各々一枚ずつ、或いは積層したものを位相差板と
して用いる技術が提案された。
れる如く、偏光子の少なくとも一方の保護フィルムが、
波長590nmの光で測定した面内のレタデーション値
が30〜70nmのトリアセチルセルロースからなるプ
ラスチックフィルムである偏光板が提案された。
コントラストの変化が小さくなり、視角特性が向上し
た。
上で他の表示装置には無い大きな特長を奏する液晶表示
装置における最大の問題、つまり視野角が狭い問題の改
善に対する要求は益々強まる一方であり、更なる研究が
押し進められている。
STNタイプとは異なるタイプの液晶が提案されるに至
った。すなわち、TNやSTNタイプの液晶セルは、電
圧オフ時に、液晶分子が配向板に平行で、電圧オン時
に、液晶分子が配向板に垂直に配向するタイプであるの
に対し、電圧オフ時に、液晶分子が配向板に垂直で、電
圧オン時に平行のタイプ、例えば誘電異方性が負のネガ
型液晶を用いた、所謂、バーティカルアライアメント型
のものが開発されるに至った。
型液晶表示装置は、電圧オフ時に液晶分子が配向板に垂
直で、電圧オン時に液晶分子が配向板に平行に配向させ
る垂直配向モードの液晶セルであることから、黒がしっ
かり黒として表示され、コントラストが高く、TNやS
TN型のものに比べて、視野角が比較的広い。
化に伴い、視野角を更に広げる要望が高まってきてい
る。
おいても下記に記載の特許文献の記載に見られる位相差
板フィルムの適用が検討された。例えば、特開平11−
95208号では、フィルム面内のレタデーション値が
0〜100nmであり、厚み方向のレタデーションが1
00nm以上である位相差フィルムを用いる技術が開示
され、特開平11−183724号では、面内レタデー
ションが0〜30nm、厚み方向レタデーションが10
0〜600nm、これらの1m四方のばらつきが5nm
以下であり、遅相軸角の絶対値が30度以下の位相差フ
ィルムを用いる技術等が提案されている。これらの技術
により、確かに視野角の拡大が実現されたが満足するも
のではなかった。
光学フィルム、光学フィルムの製造方法、液晶表示用偏
光板及びそれらを有する液晶表示装置が強く要望されて
いた。
た視野角拡大特性を有し、かつ安定に該視野角拡大特性
を発現できる光学フィルムとその光学フィルムの製造方
法、液晶表示用偏光板及び液晶表示装置を提供すること
にある。
の構成により達成される。
方向のレタデーション値(Rt)が23℃、55%RH
の条件下で50〜300nmである光学フィルムの製造
方法であり、ベルト又はドラム上にドープを流延し製膜
する際に、該ドープが30℃以下に保たれたベルト又は
ドラム上で流延直後から1分間以上保持される工程を経
た後に剥離されることを特徴とする光学フィルムの製造
方法。
件下で60≦Rt≦200nmである光学フィルムの製
造方法であり、ベルト又はドラム上にドープを流延し製
膜する際に、該ドープが10℃〜25℃に保たれたベル
ト又はドラム上で搬送され、かつ、光学フィルムの残留
溶媒量が50%以上の状態を流延直後から1分間以上保
持される工程を経た後に剥離されることを特徴とする光
学フィルムの製造方法。
件下で50〜300nmである光学フィルムの製造方法
であり、ベルト又はドラム上で該光学フィルムを流延製
膜する際の、剥離後の乾燥工程において、該光学フィル
ムの残留溶媒量が10%〜120%の状態を2分間〜9
0分間保つ乾燥ゾーンを経た後、該乾燥ゾーンの温度よ
り高く、かつ120℃以下の乾燥ゾーンを経る事によ
り、残留溶媒量が7%以下の状態でロール状に巻き取ら
れることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
件下で50〜300nmである光学フィルムの製造方法
であり、ベルト又はドラム上にドープを流延し製膜する
際の、剥離直後の乾燥工程において、80℃以下の低温
ゾーンを経た後に低温ゾーンに対し、+10℃以上であ
って、かつ120℃以下である高温ゾーンを経て製膜さ
れることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
90分間であり、高温ゾーン内での乾燥時間が15分間
〜90分間であることを特徴とする前記4に記載の光学
フィルムの製造方法。
件下で50≦Rt≦300nmである光学フィルムの製
造方法であり、ベルト又はドラム上にドープを流延し製
膜する際に、剥離直後の該光学フィルムの残留溶媒量が
10%〜120%の状態で2分間〜90分間保たれた
後、81000Pa以下の減圧ゾーンを経る事により、
該残留溶媒量が7%以下の状態でロール状に巻き取られ
ることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
件下で70〜300nmである光学フィルムの製膜時の
乾燥工程を有し、剥離直後の該光学フィルムの残留溶媒
量が50%〜120%の状態で2分間〜90分間保たれ
た後、該フィルムの残留溶媒量が15%以下まで乾燥さ
れた段階で、マイクロ波照射を施す過程を経る事によ
り、残留溶媒量5%以下の状態でロール状に巻き取られ
る事を特徴とする光学フィルムの製造方法。
件下で60〜300nmである光学フィルムの製造方法
であり、該光学フィルムが製膜され、ロール状に巻き取
られた後、該ロール状形態を維持している間に巻き返し
工程を経ることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
巻き取られた後、該ロール状形態を維持している間に巻
き返し工程を経ることを特徴とする前記1〜7のいずれ
か1項に記載の光学フィルムの製造方法。
条件下で70〜300nmである光学フィルムであり、
該光学フィルムの両表面から測定されたRt値の差が5
nm以下であり、前記一般式(2)で定義される、面内
のレタデーション値(Ro)の差が2nm以下である事
を特徴とする光学フィルム。
たRt値の差が5nm以下であり、前記一般式(2)で
定義される、面内のレタデーション値(Ro)の差が2
nm以下である事を特徴とする前記1〜9のいずれか1
項に記載の光学フィルムの製造方法。
条件下で70〜300nmである光学フィルムの製造方
法であり、該光学フィルムが、2層以上のフィルムを積
層する事によって形成され、かつ製膜後の該光学フィル
ムの残留溶媒量が5%以下である事を特徴とする光学フ
ィルムの製造方法。
条件下で70〜300nmである光学フィルムの製造方
法であり、該光学フィルムが、それぞれ個別に製膜され
た2枚以上の光学フィルムを、光学フィルム溶剤を用い
て貼合する事によって形成され、かつ製膜後の該フィル
ムの残留溶媒量が5%以下である事を特徴とする光学フ
ィルムの製造方法。
条件下で70〜300nmである光学フィルムの製造方
法であり、該光学フィルムが、2カ所以上の流延工程を
経て製膜され、かつ製膜後の該光学フィルムの残留溶媒
量が5%以下である事を特徴とする光学フィルムの製造
方法。
級脂肪酸エステルを含有することを特徴とする前記1〜
9、11〜14のいずれか1項に記載の光学フィルムの
製造方法。
Rt値が70〜300nmであり、前記Roが13nm
以下であり、かつ|遅相軸角度|が20°以下である事
を特徴とする光学フィルム。
Rt値が70〜300nmであり、前記Roが13nm
以下であり、かつ|遅相軸角度|が20°以下である光
学フィルムにおいて、該光学フィルムがアシル基の置換
度が2.95以下であるセルロースの低級脂肪酸エステ
ルを含有する事を特徴とする光学フィルム。
Rt値が70〜300nmであり、前記Roが13nm
以下であり、かつ|遅相軸角度|が20°以下である光
学フィルムの製造方法において、該光学フィルムがアシ
ル基の置換度が2.95以下であるセルロースの低級脂
肪酸エステルを含有する事を特徴とする前記1〜9、1
1〜15のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方
法。
条件下で70〜300nmであり、前記漏光率が0.0
05%以下である事を特徴とする光学フィルム。
条件下で70〜300nmであり、前記漏光率が0.0
05%以下である光学フィルムであり、アシル基の置換
度が2.95以下であるセルロースの低級脂肪酸エステ
ルを含有する事を特徴とする光学フィルム。
条件下で70〜300nmであり、前記漏光率が0.0
05%以下である光学フィルムであり、アシル基の置換
度が2.95以下であるセルロースの低級脂肪酸エステ
ルを含有する事を特徴とする前記1〜9、11〜15、
18のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
条件下で13nm以下であり、Ro測定時の入射角を、
光学フィルム表面から法線方向を0°とした時に、Ro
(50°)−Ro(0°)が25以上である事を特徴と
する光学フィルム。
条件下で13nm以下であり、Ro測定時の入射角を、
光学フィルム表面から法線方向を0°とした時にRo
(50°)−Ro(0°)が25以上である光学フィル
ムであり、該光学フィルムが、アシル基の置換度が2.
95以下であるセルロースの低級脂肪酸エステルを含有
する事を特徴とする光学フィルム。
条件下で13nm以下であり、Ro測定時の入射角を、
光学フィルム表面から法線方向を0°とした時に、Ro
(50°)−Ro(0°)が25以下である光学フィル
ムの製造方法であり、該光学フィルムが、アシル基の置
換度が2.95以下であるセルロースの低級脂肪酸エス
テルを含有する事を特徴とする前記1〜9、11〜1
5、18、21のいずれか1項に記載の光学フィルムの
製造方法。
条件下で70〜300nmである光学フィルムであり、
該光学フィルムが、アシル基の置換度が2.95以下で
あるセルロースの低級脂肪酸エステルを含有し、かつ融
点が20℃以下である紫外線吸収剤を含有する事を特徴
とする光学フィルム。
条件下で70〜300nmである光学フィルムの製造方
法であり、該光学フィルムが、アシル基の置換度が2.
95以下であるセルロースの低級脂肪酸エステルを含有
し、かつ融点が20℃以下である紫外線吸収剤を含有す
る事を特徴とする前記1〜9、11〜15、18、2
1、24のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方
法。
がハロゲン化物を含有しないことを特徴とする前記1
0、16、17、19、20、22、23又は25に記
載の光学フィルム。
がハロゲン化物を含有しないことを特徴とする前記1〜
9、11〜15、18、21、24、26のいずれか1
項に記載の光学フィルムの製造方法。
プが−100〜−10℃に冷却後、0〜120℃に加温
される事により形成される事を特徴とする前記28に記
載の光学フィルムの製造方法。
トプロピオネートを含有することを特徴とする前記1
0、16、17、19、20、22、23、25又は2
7に記載の光学フィルム。
トプロピオネートを含有することを特徴とする前記1〜
9、11〜15、18、21、24、26、28、29
のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
85μmであることを特徴とする前記10、16、1
7、19、20、22、23、25、27又は30に記
載の光学フィルム。
85μmであることを特徴とする前記1〜9、11〜1
5、18、21、24、26、28、29、31のいず
れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
を経ることで製膜されることを特徴とする前記1〜9、
11〜15、18、21、24、26、28、29、3
1、33のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方
法。
巻き取られるまでの間に、該光学フィルムの幅手方向に
延伸される工程を経て製膜される事を特徴とする前記1
〜9、11〜15、18、21、24、26、28、2
9、31、33、34のいずれか1項に記載の光学フィ
ルムの製造方法。
ムの幅手方向での変動幅ΔRt10nm以下であり、か
つΔRoが5nm以下である事を特徴とする前記1〜
9、11〜15、18、21、24、26、28、2
9、31、33、34、35のいずれか1項に記載の光
学フィルムの製造方法。
1、24、26、28、29、31、33、34、3
5、36のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方
法で製造されることを特徴とする光学フィルム。
いることを特徴とする前記10、16、17、19、2
0、22、23、25、27、30、32又は37に記
載の光学フィルム。
いることを特徴とする液晶表示用偏光板。
表示装置に用いられることを特徴とする前記38に記載
の光学フィルム。
備する液晶表示装置において、該液晶セルは少なくとも
1種のバーティカルアライアメント型液晶を有し、且
つ、該液晶表示用偏光板が前記39に記載の液晶表示用
偏光板であることを特徴とする液晶表示装置。
に、これら視野角拡大を目的とした位相差フィルムは、
その基本性能である厚み方向のレタデーション値(Rt
値)を高めるためには、その製造過程において非常に不
安定な因子を数多く抱えていることが判った。
Rt値が得られないばかりか、製膜、巻き取り後の同一
ロール内での該Rt値の変動が大きくなり、ひいては液
晶画面に加工した際、視野角拡大効果にバラツキが生じ
てしまうのである。
Rt値を上昇させることが最も重要である。本発明者ら
の研究によれば、Rt値を有効にかつ安定に上昇させる
手段として、流延から剥離まで、或いは剥離後の乾燥工
程の初期段階における、フィルム中に残留溶媒が過多に
存在する状態で、該フィルムの主成分である分子を特定
方向に充分に配向させ、その後は残留溶媒を段階的に揮
発させ、該フィルムの主成分の分子の配向状態を安定化
させることが有効であることが判った。
存在していると、前記Rt値は所望のレベルまで上昇し
ないため、揮発は充分に行わせる必要があるが、過酷な
乾燥条件下では残留溶媒は揮発するものの、前記配向は
乱れてしまい、Rt値は逆に減少してしまうことも判っ
た。
中に必要以上に残っていると、ロール形態での巻き取り
状態によっては揮発できずに、溶媒の揮発しやすい巻外
部分と比べて巻中の残留溶媒量が相対的に多くなる結
果、巻外と巻中でのRt値の変動を生じさせてしまうこ
とも明らかとなった。
ず、本発明の厚み方向のレタデーション値(Rt値)が
23℃、55%RHの条件下で50〜300nmに調整
された光学フィルムの製造方法について述べる。
酸エステルを主成分、特にアセチルセルロースを主成分
として有するセルロースエステルフィルムの場合で説明
するが、本発明はこれらに限定されない。
して有するセルロースエステルフィルムをメチレンクロ
ライド、エタノール、アセトン、メタノール等の有機溶
媒に溶解してドープを形成する。ドープ中のアセチルセ
ルロースの濃度は10〜35質量%程度である。
テル等の可塑剤をアセチルセルロースに対して3〜20
質量%添加してもよい。更に、必要に応じて、紫外線吸
収剤、滑剤などの添加剤を加えてもよい。そして、得ら
れたドープをベルト又はドラム上に流延し、製膜する。
は、1軸延伸法によって製膜されることがRt値を上昇
させる上で好ましく、ベルト法やドラム法を用いて製膜
することが出来る。次に、このようにして得られたフィ
ルムをベルトやドラム等から剥ぎ取る。その後、張力を
かけて乾燥ゾーン中を搬送させながら、乾燥する。
搬送する際の張力は、大きくするとRt値は減少し、小
さくすると増加する。好ましい剥離張力としては、50
〜400N/m、より好ましくは100〜300N/
m、更に好ましくは、100〜250N/mである。ま
た、乾燥ゾーンの搬送張力として、好ましくは50〜2
00N/m、より好ましくは80〜170N/m、更に
好ましくは110〜150N/mである。
が巻きずれを起こさずに、一方でブロッキングや転写を
起こさない、かつ、後に述べる不要な残留溶媒の揮発を
妨げない範囲であれば、任意に設定される。残留溶媒揮
発の観点からは、巻き取り張力の調整によりロール内に
適度に空気を取り込むのも好ましい。
ト又はドラムから剥離後の乾燥工程で、ピンテンター方
式又はクリップテンター方式でフィルムを幅手方向に延
伸しながら乾燥することが好ましい。この場合、延伸倍
率が大きくなると、Rt値は増加し、小さくすると減少
する。好ましい延伸倍率としては、フィルムの幅手方向
で1.01〜1.5倍、より好ましくは1.02〜1.
2倍、更に好ましくは1.03〜1.1倍である。
う)は、ドープが流延された直後から一定時間経過する
までの部分については30℃以下に保たれていることが
好ましい。30℃より高い範囲では、フィルムを構成す
る分子の厚み方向の配向が充分に行われず、Rt値を所
望のレベルまで上昇させることができないばかりか、該
分子配向が不均一なため、製膜後ロール形状に巻き取っ
た後の同一ロール内でのRt値にばらつきが生じてしま
う。30℃より低い範囲については、該フィルム中の添
加剤成分の析出が起こらない、或いは該フィルム剥離時
に剥離残り等を生じない程度まで下げることが出来る。
支持体温度の好ましい範囲としては、10℃〜25℃、
より好ましくは14℃〜24℃、更に好ましくは18℃
〜23℃である。
℃以内であることが好ましく、±1℃以内であることが
より好ましく、±0.5℃以内が更に好ましく、±0.
1℃以内であることが、最も好ましい。
の配向を充分に行わせるためには、上記条件を一定期間
保つ必要がある。このためには、上記温度にて、フィル
ムを流延直後から1分間以上保持させることが好まし
く、より好ましくは2分間以上、更に好ましくは3分間
以上である。
ム中の残留溶媒量は50%以上に保たれていることも、
フィルムを構成する分子の分子配向を充分に行わせる点
で好ましい。後の乾燥工程で不要な溶媒が揮発するので
あれば、該残留溶媒量は50%以上の何れの値でもかま
わないが、60〜120%が好ましく、より好ましくは
80〜110%である。
は、上記支持体温度の制御の他に乾燥温度や乾燥時間の
制御も重要である。フィルムが支持体から剥離された
後、残留溶媒を揮発させるために乾燥工程を経ることが
必要であるが、フィルムを構成する分子は該フィルム剥
離後も、残留溶媒存在下でその配向を継続するため、乾
燥工程の初期においては、好ましい残留溶媒量を維持し
ていることが重要である。
ィルムの残留溶媒量が10%〜120%である状態を2
〜90分間保つことが好ましい。残留溶媒量が10%未
満ではフィルムを構成する分子の厚み方向の配向が充分
に行われず、又、120%を越えると、フィルムの乾燥
が充分に行われないばかりか、剥離が充分にされなくな
り、実用としては不十分である。残留溶媒量として、よ
り好ましくは20%〜110%であり、更に好ましくは
30%〜100%である。
と、フィルムを構成する分子の厚み方向の配向が充分に
行われず、又、90分間を越えると、フィルムを構成す
る分子の配向は最適状態を逸脱し、結果的にRt値の減
少を招いてしまう。より好ましい時間は3〜60分間、
更に好ましくは4〜30分間である。
フィルムを構成する分子は既に充分配向しているので、
不要となった残留溶媒を効率良く除去することが必要と
される。この時の乾燥温度としては、前述した乾燥工程
初期の温度より高い範囲で、かつ、120℃以下である
ことが好ましい。120℃を越えると、フィルムを構成
する分子の厚み方向の配向は乱れてしまうため、Rt値
はむしろ減少するばかりでなく、フィルムの面品質を大
幅に劣化させてしまう。より好ましくは115℃以下、
更に好ましくは110℃以下である。
溶媒量が最終的に7%以下の状態でロール状に巻き取ら
れることができ、安定したRt値を発現させる上で好ま
しい。より好ましくは5%以下、更に好ましくは3%以
下であり、最も好ましくは1%以下である。
次式で表される。 残留溶媒量=(残存揮発分質量/加熱処理後フィルム質
量)×100% なお、残存揮発分質量はフィルムを115℃で1時間加
熱処理したとき、加熱処理前のフィルム質量から加熱処
理後のフィルム質量を引いた値である。
工程の初期温度を80℃以下の低温に設定し、後半の設
定温度を初期温度+10℃以上で、かつ120℃以下の
高温に設定し乾燥させることも、上述した内容と同様の
理由で有効である。この場合の初期温度は65℃以下で
あることがより好ましく、更に好ましくは55℃以下で
ある。又、乾燥後半の温度は115℃以下であることが
より好ましく、更に好ましくは110℃以下である。
の低温乾燥時間は2〜90分間が前述のフィルムを構成
する分子の厚み方向の配向を充分に行い、Rt値を有効
に上昇させることができ、好ましくは3〜60分間、よ
り好ましくは4〜30分間である。又、後半の高温乾燥
時間については、充分に残留溶媒を揮発させつつも、過
度の乾燥によるRt値減少を招かない範囲として、15
〜90分間が好ましい。より好ましくは20〜75分
間、更に好ましくは25〜60分間である。
設けることも、不要な残留溶媒を揮発させ、Rt値を上
昇させる点で好ましい。減圧の手段はいかなる方法でも
よく、81000Pa以下に減圧するのが好ましい。よ
り好ましくは50000Pa以下、更に好ましくは10
000Pa以下である。減圧時間については、設定圧力
下において、巻き取り時の残留溶媒量が7%以下になる
範囲であれば、任意に設定することが出来る。特に、こ
の減圧手段を用いて残留溶媒量を3%以下にすることが
良好なRt値を有するフィルムを製造する点でより好ま
しい。
残留溶媒量が15%以下まで乾燥された段階で、マイク
ロ波照射を施すことも不要な残留溶媒を効率的に揮発で
き、Rt上昇のために好ましい。フィルムの乾燥工程で
最終部分の残留溶媒を除去するには初期の残留溶媒が過
多に存在する状態よりも、より多くの時間や高い温度を
必要とするが、乾燥条件を強め過ぎるのは前述の如く、
Rt値を減少させてしまうため、マイクロ波照射工程、
或いは先の減圧工程の付与は有効である。
いがフィルムの面品質を保つためには5000w以下と
するのが好ましい。より好ましくは500w〜4000
wであり、さらに好ましくは1000w〜3000wで
ある。照射時間については上記出力レベルの範囲におい
て、巻き取り時の残留溶媒量が5%以下になる範囲であ
れば、任意に設定することが出来る。特にこの手段を用
いて残留溶媒量を3%以下にすることが好ましい。
のもうひとつの手段としては、2層以上のフィルムを積
層させることで1枚のフィルムを形成する方法がある。
一般的にセルロースの低級脂肪酸エステル等で構成され
るフィルムは、その膜厚が厚くなるにつれ、単位膜厚当
たりのRt値(面配向度と呼ぶ)は低下する傾向にあ
る。これを本発明者らは面配向度の膜厚依存性とよんで
いるが、例えばトリアセチルセルロースと比べてセルロ
ースアセテートプロピオネートをもちいたフィルムでは
膜厚を厚くしたときの面配向度の低下が少なく好ましく
用いられる。
を持つフィルムの膜厚を2倍にしても、Rt値は2倍と
はならずに低下するのが一般的である。
フィルムを2枚重ねればRt値は2倍に上昇する。この
ことから2層以上のフィルムを積層させ、1枚のフィル
ムとすることでRt値を有効に上昇させられることが分
かった。この方法であれば、前述したようなRtを上昇
させるための様々な製膜条件を考慮しなくても、安定に
高いRt値を保つことができる。
膜されたフィルムを2枚以上、該フィルム製膜に用いる
有機溶剤を介して貼合させ、1枚のフィルムとする方
法、或いは製膜時に2カ所以上の流延工程を経る、いわ
ゆるダブルキャスティング法による製膜方法が特に有効
である。後者のダブルキャスティング法については例え
ば特開昭60−27562号に記載の方法が用いられ
る。いずれの方法においても、積層による界面は存在し
ないことが好ましい。又、製膜終了時の残留溶媒量は5
%以下であることが好ましく、3%以下であることがよ
り好ましい。
ルムは、該ロール状形態を維持している間に巻き返し工
程を経ることが、より安定したRt値を得る上で好まし
い。
ロール状フィルムが次の処理又は加工等のために断裁工
程等を経ることで、該ロール状の形態をとどめなくなる
までの間を指す。逆にロール状形態を保っていれば、こ
の間にどの様な処理又は加工等がなされても構わない。
返し工程と同時に行われても差し支えない。
ーション値(Rt値)は正の値であり、23℃、55%
RHの条件下で、50〜300nmであれば本発明の効
果を達成できるが、取り扱い性を考慮すると、好ましく
は60〜300nm、より好ましくは70〜300nm
であり、特に好ましくは100〜300nmであり、最
も好ましくは100〜200nmである。
デーション(Ro値)及び遅相軸角度は小さい方が本発
明の効果をより有効に発揮することができ、特に本発明
の請求項16、17、18の発明は、Roが13nm以
下、かつ|遅相軸角度|が20°以下であることを特徴
としている。
て、屈折率楕円体の主軸であるx軸を指し、該遅相軸と
フィルム製膜時の搬送方向のなす角度を遅相軸角度と呼
ぶ。好ましくはRoが10nm以下、|遅相軸角度|が
15°以下、より好ましくはRoが5nm以下、|遅相
軸角度|が10°以下である。
漏光率で表される。すなわち、 (漏光率)=Sin2(2θ)×Sin2(πRo/λ)
×100 θ:遅相軸角度(ラジアン) Ro:面内レタデー
ション値(nm) λ:入射波長(590nm) 漏光とは、本発明の光学フィルムを用いて液晶偏光板を
作製し、更にこれを用いた液晶表示装置を作製した際
に、該光学フィルム面内の不要な配向が、偏光方向を狂
わせ、表示すべき画像を表示しない、或いは表示すべき
でない画像を表示したりすることを言う。漏光率とは入
射光量に対する漏光の光量を百分率で示したものであ
り、この値が小さい程良い。具体的には0.005%以
下であることが好ましく、より好ましくは0.003%
以下、更に好ましくは0.001%以下である。
偏光板を作成する際には、該フィルムの表裏は区別なく
使用されることが、生産性の観点から好ましい。そのた
めには該フィルム表裏で、光学特性に差異がないことが
望まれる。特に、膜厚の厚いフィルムについては、表裏
でのフィルムの乾燥度合いがより大きく異なるために、
フィルム分子の配向の違いから光学特性差がより顕著に
発生しやすい。特に本発明の請求項10、11の発明で
は、該フィルムの両表面から測定されたRt値の差が5
nm以下であり、Roの差が2nm以下であることを特
徴としている。これらの特性値が上記範囲を上回ると、
偏光板作成時の該フィルム貼り付け面の違いで、視野角
拡大特性や漏光率に差異が生じるといった不都合が発生
してしまう。好ましい範囲としてはΔRtが3nm以
下、ΔRoが1nm以下であり、より好ましくはΔRt
=0、ΔRo=0である。
了後の幅手方向でのRt及びRoの変動幅がそれぞれ、
ΔRtが10nm以下かつΔRoが5nm以下であるこ
とが前述と同様の観点から好ましい。好ましい範囲はΔ
Rtが5nm以下、ΔRoが3nm以下であり、より好
ましくはΔRtが0、ΔRoが0である。
が特定範囲にあることが必要だが、他方でRoの角度依
存性を制御することも重要である。フィルムの屈折率楕
円体のy−z方向の断面が楕円体の時、入射角に依存し
てRoは変化する。フィルム表面から法線方向を0°と
し、遅相軸を傾斜軸として入射角度を変化させた時、0
°でのRoをRo(0°)とし、50°でのRoをRo
(50°)とする。なお、本発明においては、特に断り
のない限り、Ro値はRo(0°)とする。
明においては、23℃55%RHの条件下で、Ro(5
0°)−Ro(0°)が25以上で、かつRoが13n
m以下であることを特徴としている。好ましくはRo
(50°)−Ro(0°)が30以上であり、より好ま
しくはRo(50°)−Ro(0°)が35以上であ
る。
が一般的だが、本発明のフィルムにおいてはRo(50
°)が短波長側でより小さいことが漏光低減の観点から
好ましい。
Hの条件下とは、35mm四方にカットした試料を23
℃、55%RH条件下に8時間放置した後、同条件下に
て測定することを意味する。
動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計測機器
(株)製)を用いて、波長が590nmにおいて、3次
元屈折率測定を行い、屈折率Nx、Ny、Nzを求める
ことにより得られる。
が85〜185μmのものが好ましい。膜厚が85μm
未満であるとRtが所望の値を得られず、185μmを
越えると、面品質や取り扱い性、又、後述の輝点異物増
加の点で問題が生じる。より好ましくは100〜175
μm、更に好ましくは115〜165μmである。
を使用でき、特に限定はされないが、例えば、ポリエス
テルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレン
フィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィル
ム、セルロースアセテートプロピオネートフィルム、セ
ルロースアセテートブチレートフィルム、セルロースア
セテートフタレートフィルム、セルローストリアセテー
ト、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類
又はそれらの誘導体を有するフィルム、ポリ塩化ビニリ
デンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレ
ンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポ
リスチレン系フィルム、ポリカーボネートフィルム、ノ
オルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィ
ルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルスル
ホンフィルム、ポリスルホン系フィルム、ポリエーテル
ケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹
脂フィルム、ナイロンフィルム、ポリメチルメタクリレ
ートフィルム、アクリルフィルム或いはポリアリレート
系フィルム等を挙げることができるが、上記記載の中で
もポリカーボネートやセルロースの低級脂肪酸エステル
を主成分としたフィルム(例えば、セルローストリアセ
テート、セルロースアセテートプロピオネート等)が好
ましい。
の低級脂肪酸エステルの原料のセルロースとしては、特
に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフな
どを挙げることが出来る。またそれらから得られたセル
ロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用するこ
とが出来る。
は、セルロース原料をアシル化剤が酸無水物(無水酢
酸、無水プロピオン酸、無水酪酸)である場合には、酢
酸のような有機酸やメチレンクロライド等の有機溶媒を
用い、硫酸のようなプロトン性触媒を用いて反応され
る。アシル化剤が酸クロライド(CH3COCl、C2H
5COCl、C3H7COCl)の場合には、触媒として
アミンのような塩基性化合物を用いて反応が行われる。
具体的には特開平10−45804号公報に記載の方法
で合成することが出来る。
は各置換度に合わせて前記アシル化剤量を調整混合して
反応させたものである。セルロースエステルはこれらア
シル基がセルロース分子の水酸基に反応する。セルロー
ス分子はグルコースユニットが多数連結したものからな
っており、グルコースユニットに3個の水酸基がある。
この3個の水酸基にアシル基が誘導された数を置換度
(モル%)という。例えば、本発明にて好ましく用いら
れるセルローストリアセテートはグルコースユニットの
3個の水酸基全てがアセチル基が結合している(実際に
は2.6〜3.0)。その他のセルロースエステルとし
てセルロースアセテートプロピオネート、セルロースア
セテートブチレート、またはセルロースアセテートプロ
ピオネートブチレートのようなアセチル基の他にプロピ
オネート基あるいはブチレート基が結合したセルロース
エステルも好ましく用いられる。なお、プロピオネート
は、n−の他に、iso−、ブチレートは、n−の他に
iso−、sec−、tert−もそれぞれを含む。プ
ロピオネート基の置換度が大きいセルロースアセテート
プロピオネートは耐水性が優れ、先に述べた面配向度の
膜厚依存性が少なく、Rt値が高い等、液晶画像表示装
置用のフィルムとして特に有用である。
D817−96に準じて測定することが出来る。特に、
本発明の請求項21、23、24、25、26において
はアシル基の総置換度は2.95以下であることがRt
値を効率的に上昇させることができる。好ましい範囲と
しては2.40〜2.90、より好ましくは2.50〜
2.80である。
度は1.5〜2.5であり、更に好ましくは1.5〜
2.0である。
ースの低級脂肪酸エステルがセルロースアセテートの場
合については、置換度と同様、酢化度(酢酸結合量)に
も留意する必要がある。酢化度はセルロースアセテート
中の酢酸の質量%で表され、これが高すぎると所望のR
t値が得られない。逆に酢化度が低すぎると、該フィル
ムを偏光板のクロスニコル下で観測した場合、フィルム
中の未酢化のセルロースが輝点となって観測される、い
わゆる輝点異物故障が多発し、実用的ではない。又、該
フィルムの膜厚が厚すぎても輝点異物は増加するので、
膜厚設定には注意を要する。好ましい酢化度の範囲は5
6〜61%であり、より好ましくは57〜60%であ
る。
量は、70000〜300000の範囲が、成型した場
合の機械的強度が強く好ましく、80000〜2000
00がより好ましい。
を形成する溶媒としてはメチレンクロライド、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロ
フラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキソラ
ン、シクロヘキサノン、2,2,2−トリフルオロエタ
ノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパ
ノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール等を挙
げることが出来る。
うな塩素系溶媒は問題なく使用できるが、地球環境問題
がクローズアップされる昨今においては、このようなハ
ロゲン化物を有する溶媒は、環境に及ぼす悪影響が懸念
され、今後は使用されなくなることが好ましい。この観
点からは酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン等が環境上
好ましく使用し得る。
ハロゲン化物を有しないとは、全有機溶媒量に対してハ
ロゲン化物を有する溶媒が10質量%以下、好ましくは
5質量%以下、特に好ましくは全く含まないことが最も
好ましい。
発明においてはフィルム製膜の際に、前述のようにハロ
ゲン化物を含まない有機溶媒を用いて流延ドープを形成
するに当たり、該ドープが−100〜−10℃に冷却
後、0〜120℃に加温されることにより形成されるこ
とができ好ましく、具体的には特開平9−95538
号、同9−95544号、同9−95557号公報に記
載の方法が適用できる。
が好ましい。用いることのできる可塑剤としては特に限
定しないが、リン酸エステル系では、トリフェニルホス
フェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェ
ニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、
ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホス
フェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステ
ル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタ
レート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、
ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレー
ト等、グリコール酸エステル系では、トリアセチン、ト
リブチリン、ブチルフタリルブチルグリコレート、エチ
ルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチル
グリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を
単独あるいは併用するのが好ましい。
して用いてもよい、セルロースエステルに用いる場合、
リン酸エステル系の可塑剤の使用比率は50%以下が、
セルロースエステルフィルムの加水分解を引き起こしに
くく、耐久性に優れるため好ましい。リン酸エステル系
の可塑剤比率は少ない方がさらに好ましく、フタル酸エ
ステル系やグリコール酸エステル系の可塑剤だけを使用
することが特に好ましい。
は、光学フィルムには、融点20°以下の紫外線吸収剤
を用いることが好ましく、紫外線吸収剤としては、液晶
の劣化防止の点より波長380nm以下の紫外線の吸収
能に優れ、かつ良好な液晶表示性の点より波長400n
m以上の可視光の吸収が可及的に少ないものが好ましく
用いられる。特に、波長380nmでの透過率が、60
%以下であることが好ましく、より好ましくは40%以
下、更に好ましくは20%以下である。
ゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サ
リチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、
シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物な
どがあげられるが、本発明はこれらに限定されない。
条件の変化やフィルム中に含まれる溶媒や可塑剤量の変
化によって、紫外線吸収剤がフィルム表面に析出するこ
とを防止するため、融点が20℃以下である紫外線吸収
剤を少なくとも1種以上含むことが好ましい。常温で液
状の紫外線吸収剤を含有させることにより、前述した析
出が起こらないだけでなく、フィルム製膜時の該フィル
ム分子の厚み方向の配向を促進させる効果もあることが
明らかとなった。
種以上用いていることが好ましく、異なる2種以上の紫
外線吸収剤を含有してもよい。
チレンクロライド、ジオキソランなどの有機溶媒に紫外
線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直
接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有
機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエス
テル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してか
らドープに添加する。
の使用量はセルロースエステルに対する質量%で、通常
0.1質量%〜10.0質量%、好ましくは、0.5質
量%〜5.0質量%、より好ましくは0.8質量%〜
2.0質量%である。
上、巻き取り後のブロッキング防止等の目的でマット剤
として酸化珪素のような微粒子などを加えるのが好まし
い。酸化珪素のような微粒子は有機物によって表面処理
されていることが、フィルムのヘイズを低下できるため
好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシ
ラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンな
どがあげられる。
果は大きく、平均粒径の小さいほうは透明性に優れるた
め、好ましい微粒子の一次粒子の平均粒径は1〜500
nmで、より好ましくは5〜20nmである。
微鏡(倍率50万〜200万)による粒子観察で行い、
測定した粒子100個の粒径の平均値をもって平均粒径
とした。
(株)製のAEROSIL200、200V、300、
R972、R972V、R974、R202、R81
2,OX50、TT600などがあげられ、好ましくは
AEROSIL200V、R972V、R972、R9
74、R202、R812などがあげられる。
り後のブロッキング防止等のためには、上記マット剤の
添加の他に、フィルムの両サイドにエンボス加工を施す
ことができる。エンボス加工は目的に応じて任意の高さ
に加工することができるが、本発明においては、巻き取
り後の不要な残留溶媒を揮発させるために、高さ5μm
以上とすることが好ましく、より好ましくは10μm以
上である。
形状については特に限定はなく、材質も目的に応じて任
意に選択されるが、本発明においては、巻芯部分のフィ
ルム表面からの不要な残留溶媒を効率的に揮発させるべ
く、コアに多数の穴を設けてもよい。
れるまでの間、汚れや静電気によるゴミ付着等から製品
を保護するために通常、包装加工がなされる。この包装
材料については、上記目的が果たせれば特に限定されな
いが、フィルムからの残留溶媒の揮発を妨げないものが
好ましい。
ステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレン、
紙、各種不織布等が挙げられる。繊維がメッシュクロス
状になったものは、より好ましく用いられる。
ント(VA)型液晶表示装置とは、電圧オフ時に液晶分
子が配向板に垂直で、電圧オン時に液晶分子が配向板に
平行に配向させる垂直配向モードの液晶セルを用いた液
晶表示装置をいう。
保護フィルムとして用いる場合、液晶表示用偏光板を作
製するに当たり、内側に設けられる偏光子は、従来から
公知のものを用いることが出来る。例えば、ポリビニル
アルコールのような親水性ポリマーを有するフィルム
を、沃素のような二色性染料で処理して廷伸したもの
や、塩化ビニルのようなプラスチックフィルムを処理し
てポリエンを配向したものを用いることが出来る。
示用偏光板保護フィルムを偏光子の少なくとも一面側に
積層したものとして構成され、本発明の光学フィルムが
偏光子と液晶セルとの間に配置されるのが好ましい。
説明するが、本発明の実施態様はこれらに限定されるも
のではない。
・攪拌しながら完全に溶解させた。次に、このドープを
濾過し、冷却して22℃に保ち、2つのドラムに張られ
た回転する長さ54mのエンドレスステンレスベルト上
に均一に流延した。この時、ドープ流延開始箇所から流
延方向に向かって24m地点までのベルト温度を、ジャ
ケット水によって22℃に保温した。
ィルム搬送速度は8m/分に設定した。剥離残留溶媒量
が100%になるまで溶媒を蒸発させた時点でステンレ
スベルト上から剥離張力170N/mで剥離し、多数の
ロールで搬送張力130N/mで搬送させながら乾燥さ
せた。
ゾーン40mを搬送させた後、82℃に設定された第2
乾燥ゾーン20mを搬送させ、さらに100℃に設定さ
れた第3乾燥ゾーン300mを搬送させた。
300m、膜厚160μmのセルローストリアセテート
(TAC)フィルム1を得た。この時、第1乾燥ゾーン
での最終残留溶媒量は30%であり、製膜後の巻き取り
時の残留溶媒量は2%であった。フィルム1はロール状
態のまま23℃、55%RH条件下にて2日間放置され
た。
lの水酸化ナトリウム水溶液で60秒間アルカリ処理
し、3分間水洗して鹸化処理層を形成し、アルカリ処理
フィルムを得た。
ールフィルムを沃素1kg、ホウ酸4kgを含む水溶液
100kgに浸漬し、50℃で4倍に延伸して偏光膜を
作った。この偏光膜の両面に前記アルカリ処理フィルム
を完全鹸化型ポリビニルアルコール5%水溶液を粘着剤
として各々貼り合わせ偏光板を作製し、これをVA型液
晶セルの両面側に設け、液晶表示装置試料1を得た。
試料2〜14の作製〉上記記載のフィルム試料1におい
て、搬送速度、ベルト温度、第1、2、3乾燥ゾーン温
度、フィルム膜厚等を表1〜4に示すように変化させた
以外は、同様にしてフィルム試料2〜14を作製し、次
いで、液晶表示装置1の作製と同様にして液晶表示装置
試料2〜14を作製した。
3乾燥ゾーンの代わりに、以下の表に示すような条件の
減圧ゾーン300mを搬送させた。
終了しロール状に巻き取られた状態のまま、23℃、5
5%RH条件下で2日間放置した後、同条件下で多数の
搬送ロールを用いて、搬送張力13kg/m、搬送距離
400m、搬送速度8m/分で搬送させることで巻き返
しを行った。
プ組成物I)中のセルローストリアセテートをアシル基
置換度2.8(アセチル置換度2.0、プロピオニル置
換度0.8)セルロースアセテートプロピオネートに、
メチレンクロライドを酢酸メチルに変更する以外はフィ
ルム試料1と全く同様にして作製した。
(UV吸収剤)と可塑剤の種類、量を以下のように変え
た以外はフィルム試料1及び液晶表示装置試料1と同様
にしてフィルム試料12及び液晶表示装置試料12を作
製した。
代わりに、以下の表に示すような条件のマイクロ波照射
ゾーン4mを搬送させた。
ィルム乾燥工程にてクリップテンター方式で幅手方向に
1.1倍の延伸を行った。
下記に示すように厚み方向のレタデーション値(Rt)
の測定を行った。
測定〉自動複屈折率計KOBRA−21ADH(王子計
測機器(株)製)を用いて、アルカリ鹸化処理前の試料
を、23℃、55%RHの環境下で、590nmの波長
において、3次元屈折率測定を行い、屈折率Nx、N
y、Nzを求めた。前記一般式(1)に従って、厚み方
向のレタデーション値Rtを算出した。なお、測定箇所
は300mのロールフィルムの最も外側から1mまでの
部分を用いた。
表示装置1〜14について、下記に示すように視野角特
性の測定、評価を行った。
置に、(株)エーエムティ製VG365Nビデオパター
ンジェネレーターにて、白色表示、黒色表示及びグレー
8階調表示を行い、白色/黒色表示時のコントラスト比
を大塚電子(株)製LCD−7000にて、上下左右角
度60度の範囲で測定した。コントラスト比≧10を示
す角度を視野角とした。なお、測定は23℃、55%R
H下で行った。得られた結果を表2、3に示す。
ク評価を行った。 ◎:視野角が非常に広く、非常に良好である ○:視野角が広く、良好である △:視野角がやや広い ×:視野角が狭い ××:視野角が非常に狭い 〈ロールフィルム長手方向での性能ばらつき評価方法〉
得られた巻長300mのロールフィルムの最も外側から
1mまでの部分を巻外部と呼び、該ロールフィルムの最
も内側から1mまでの部分を巻芯部と呼ぶこととし、そ
れぞれのフィルム試料について23℃、55%RH条件
下でRt値測定を行った。
述の方法と同様に液晶表示装置試料を作製し、これらに
ついて23℃、55%RH条件下で視野角特性を評価す
ることで、巻外−巻芯間での視野角特性差を評価した。
ンク評価を行った。 ◎:巻外−巻芯間での視野角特性差が全くなく、非常に
良好である ○:巻外−巻芯間での視野角特性差が極めてわずかであ
り良好 △:巻外−巻芯間での視野角特性差がわずかながら見ら
れる ×:巻外−巻芯間での視野角特性差が大きい ××:巻外−巻芯間での視野角特性差が極めて大きく不
良である 得られた結果を以下に示す。
>得られたフィルムを用い、前述の方法と同様に液晶表
示装置試料を作製するに当たって、偏光膜への貼り合わ
せの際、該フィルムの表裏を逆にして貼り合わせたもの
を同時に作製した。これらについて23℃、55%RH
条件下で視野角特性を評価することで、フィルム表裏で
の視野角特性差を評価した。
ンク評価を行った。 ◎:フィルム表裏での視野角特性差が全くなく、非常に
良好である ○:フィルム表裏での視野角特性差が極めてわずかであ
り良好 △:フィルム表裏での視野角特性差がわずかながら見ら
れる ×:フィルム表裏での視野角特性差が大きい ××:フィルム表裏での視野角特性差が極めて大きく不
良である 得られた結果を以下に示す。
き評価方法>得られたロールフィルムを搬送方向に30
cmカットし、幅手方向に3分割した後、それぞれで前
述の方法と同様に液晶表示装置試料を作製し、これらに
ついて23℃、55%RH条件下で視野角特性を評価す
ることで、幅手方向での視野角特性差を評価した。
ンク評価を行った。 ◎:幅手方向での視野角特性差が全くなく、非常に良好
である ○:幅手方向での視野角特性差が極めてわずかであり良
好 △:幅手方向での視野角特性差がわずかながら見られる ×:幅手方向での視野角特性差が大きい ××:幅手方向での視野角特性差が極めて大きく不良で
ある 得られた結果を以下に示す。
れた視野角特性を示すだけでなく、同一製膜ロット内で
性能ばらつきを生じることなく、極めて安定に視野角特
性を発現できることが分かった。
18の作製>実施例1で作製したフィルム1に対し(ド
ープ組成物I)中のセルローストリアセテートをアシル
基置換度2.70のものに変えた以外はフィルム1と全
く同様にしてフィルム試料15を作製した。
Iを以下のように変更した。ドープ組成物I中のメチレ
ンクロライド及びエタノールを酢酸メチルに変更し、該
組成物を密閉容器に投入し、組成物をゆっくり攪拌しな
がら外側のジャケットに冷媒を導入した。これにより内
側容器内の組成物を−70℃まで冷却し、均一に冷却さ
れるよう、30分間冷却した。その後冷媒を排出し、代
わりに温水をジャケットに導入し、組成物を攪拌しなが
ら40分かけて80℃まで上げた。容器内は2気圧とな
った。その後攪拌しながら50℃まで温度を下げ常圧に
戻し、これを濾過、放置し、ドープを得た。以上の変更
以外はフィルム1と同様にして、フィルム試料16を作
製した。
したフィルムを作製し、該フィルムを30cm四方にカ
ットしたものを2枚用意し、メチレンクロライド0.0
5kg/m2を2枚のフィルムの間に均一に塗布して素
早く重ね合わせ、クライムプロダクツ(株)製自動貼合
機HAL−TEC320にて圧着・貼合を行った後、2
3℃、55%RHの条件下で4時間自然乾燥させること
で貼り合わせによる界面の存在しない膜厚160μmの
フィルム試料17を作製した。
法を以下のように変更した。すなわち、ドープの流延口
を二カ所設け、(ドープ組成物I)の溶解液を第一流延
口及び、第一流延口から剥離地点へ10m進んだ箇所に
設けた第二流延口から、それぞれ25:75の流量比率
で流延させ、それ以降はフィルム1と同様にしてフィル
ムを作製した。これをフィルム試料18とした。
と同様の方法にて液晶表示装置試料15〜18を作製し
た。
値を測定した。また、その際に、同時に測定されるRo
値・遅相軸角度を用いて漏光率及びRo(50°)−Ro
(0°)を算出した。漏光率は本発明の請求項19に記載
の式で表される。
記評価を行った結果を以下に示す。
れた視野角特性を示すだけでなく、不要な漏光がなく、
極めて安定に視野角特性を発現できることが分かった。
ィルムの製造方法、液晶表示用偏光板及び液晶表示装置
は優れた視野角拡大特性を有し、かつ安定に該視野角拡
大特性を発現でき優れた効果を有する。
Claims (41)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で定義される、厚み方
向のレタデーション値(Rt)が23℃、55%RHの
条件下で50〜300nmである光学フィルムの製造方
法であり、ベルト又はドラム上にドープを流延し製膜す
る際に、該ドープが30℃以下に保たれたベルト又はド
ラム上で流延直後から1分間以上保持される工程を経た
後に剥離されることを特徴とする光学フィルムの製造方
法。 一般式(1) Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d (式中、Nx、Ny、Nzはそれぞれ屈折率楕円体の主
軸x、y、z方向の屈折率を表し、且つ、Nx、Nyは
フィルム面内方向の屈折率を、Nzはフィルムの厚み方
向の屈折率を表す。また、Nx≧Nyであり、dはフィ
ルムの厚み(nm)を表す。) - 【請求項2】 前記Rt値が23℃、55%RHの条件
下で60≦Rt≦200nmである光学フィルムの製造
方法であり、ベルト又はドラム上にドープを流延し製膜
する際に、該ドープが10℃〜25℃に保たれたベルト
又はドラム上で搬送され、かつ、光学フィルムの残留溶
媒量が50%以上の状態を流延直後から1分間以上保持
される工程を経た後に剥離されることを特徴とする光学
フィルムの製造方法。 - 【請求項3】 前記Rt値が23℃、55%RHの条件
下で50〜300nmである光学フィルムの製造方法で
あり、ベルト又はドラム上で該光学フィルムを流延製膜
する際の、剥離後の乾燥工程において、該光学フィルム
の残留溶媒量が10%〜120%の状態を2分間〜90
分間保つ乾燥ゾーンを経た後、該乾燥ゾーンの温度より
高く、かつ120℃以下の乾燥ゾーンを経る事により、
残留溶媒量が7%以下の状態でロール状に巻き取られる
ことを特徴とする光学フィルムの製造方法。 - 【請求項4】 前記Rt値が23℃、55%RHの条件
下で50〜300nmである光学フィルムの製造方法で
あり、ベルト又はドラム上にドープを流延し製膜する際
の、剥離直後の乾燥工程において、80℃以下の低温ゾ
ーンを経た後に低温ゾーンに対し、+10℃以上であっ
て、かつ120℃以下である高温ゾーンを経て製膜され
ることを特徴とする光学フィルムの製造方法。 - 【請求項5】 低温ゾーン内での乾燥時間が2分間〜9
0分間であり、高温ゾーン内での乾燥時間が15分間〜
90分間であることを特徴とする請求項4に記載の光学
フィルムの製造方法。 - 【請求項6】 前記Rt値が23℃、55%RHの条件
下で50≦Rt≦300nmである光学フィルムの製造
方法であり、ベルト又はドラム上にドープを流延し製膜
する際に、剥離直後の該光学フィルムの残留溶媒量が1
0%〜120%の状態で2分間〜90分間保たれた後、
81000Pa以下の減圧ゾーンを経る事により、該残
留溶媒量が7%以下の状態でロール状に巻き取られるこ
とを特徴とする光学フィルムの製造方法。 - 【請求項7】 前記Rt値が23℃、55%RHの条件
下で70〜300nmである光学フィルムの製膜時の乾
燥工程を有し、剥離直後の該光学フィルムの残留溶媒量
が50%〜120%の状態で2分間〜90分間保たれた
後、該フィルムの残留溶媒量が15%以下まで乾燥され
た段階で、マイクロ波照射を施す過程を経る事により、
残留溶媒量5%以下の状態でロール状に巻き取られる事
を特徴とする光学フィルムの製造方法。 - 【請求項8】 前記Rt値が23℃、55%RHの条件
下で60〜300nmである光学フィルムの製造方法で
あり、該光学フィルムが製膜され、ロール状に巻き取ら
れた後、該ロール状形態を維持している間に巻き返し工
程を経ることを特徴とする光学フィルムの製造方法。 - 【請求項9】 光学フィルムが製膜され、ロール状に巻
き取られた後、該ロール状形態を維持している間に巻き
返し工程を経ることを特徴とする請求項1〜7のいずれ
か1項に記載の光学フィルムの製造方法。 - 【請求項10】 前記Rt値が23℃、55%RHの条
件下で70〜300nmである光学フィルムであり、該
光学フィルムの両表面から測定されたRt値の差が5n
m以下であり、下記一般式(2)で定義される、面内の
レタデーション値(Ro)の差が2nm以下である事を
特徴とする光学フィルム。 一般式(2) Ro値=(Nx−Ny)×d (式中、Nx、Ny及びdは、各々、前記一般式(1)
と同義である。) - 【請求項11】 光学フィルムの両表面から測定された
Rt値の差が5nm以下であり、前記一般式(2)で定
義される、面内のレタデーション値(Ro)の差が2n
m以下である事を特徴とする請求項1〜9のいずれか1
項に記載の光学フィルムの製造方法。 - 【請求項12】 前記Rt値が23℃、55%RHの条
件下で70〜300nmである光学フィルムの製造方法
であり、該光学フィルムが、2層以上のフィルムを積層
する事によって形成され、かつ製膜後の該光学フィルム
の残留溶媒量が5%以下である事を特徴とする光学フィ
ルムの製造方法。 - 【請求項13】 前記Rt値が23℃、55%RHの条
件下で70〜300nmである光学フィルムの製造方法
であり、該光学フィルムが、それぞれ個別に製膜された
2枚以上の光学フィルムを、光学フィルム溶剤を用いて
貼合する事によって形成され、かつ製膜後の該フィルム
の残留溶媒量が5%以下である事を特徴とする光学フィ
ルムの製造方法。 - 【請求項14】 前記Rt値が23℃、55%RHの条
件下で70〜300nmである光学フィルムの製造方法
であり、該光学フィルムが、2カ所以上の流延工程を経
て製膜され、かつ製膜後の該光学フィルムの残留溶媒量
が5%以下である事を特徴とする光学フィルムの製造方
法。 - 【請求項15】 前記光学フィルムがセルロースの低級
脂肪酸エステルを含有することを特徴とする請求項1〜
9、11〜14のいずれか1項に記載の光学フィルムの
製造方法。 - 【請求項16】 23℃、55%RHの条件下で前記R
t値が70〜300nmであり、前記Roが13nm以
下であり、かつ|遅相軸角度|が20°以下である事を
特徴とする光学フィルム。 - 【請求項17】 23℃、55%RHの条件下で前記R
t値が70〜300nmであり、前記Roが13nm以
下であり、かつ|遅相軸角度|が20°以下である光学
フィルムにおいて、該光学フィルムがアシル基の置換度
が2.95以下であるセルロースの低級脂肪酸エステル
を含有する事を特徴とする光学フィルム。 - 【請求項18】 23℃、55%RHの条件下で前記R
t値が70〜300nmであり、前記Roが13nm以
下であり、かつ|遅相軸角度|が20°以下である光学
フィルムの製造方法において、該光学フィルムがアシル
基の置換度が2.95以下であるセルロースの低級脂肪
酸エステルを含有する事を特徴とする請求項1〜9、1
1〜15のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方
法。 - 【請求項19】 前記Rt値が23℃、55%RHの条
件下で70〜300nmであり、以下に定義される漏光
率が0.005%以下である事を特徴とする光学フィル
ム。 (漏光率)=Sin2(2θ)×Sin2(πRo/λ)
×100 θ:遅相軸角度(ラジアン) Ro:面内レタデー
ション値(nm) λ:入射波長(590nm) π:円周率 - 【請求項20】 前記Rt値が23℃、55%RHの条
件下で70〜300nmであり、前記漏光率が0.00
5%以下である光学フィルムであり、アシル基の置換度
が2.95以下であるセルロースの低級脂肪酸エステル
を含有する事を特徴とする光学フィルム。 - 【請求項21】 前記Rt値が23℃、55%RHの条
件下で70〜300nmであり、前記漏光率が0.00
5%以下である光学フィルムであり、アシル基の置換度
が2.95以下であるセルロースの低級脂肪酸エステル
を含有する事を特徴とする請求項1〜9、11〜15、
18のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。 - 【請求項22】 前記Ro値が23℃、55%RHの条
件下で13nm以下であり、Ro測定時の入射角を、光
学フィルム表面から法線方向を0°とした時に、Ro
(50°)−Ro(0°)が25以上である事を特徴と
する光学フィルム。 - 【請求項23】 前記Ro値が23℃、55%RHの条
件下で13nm以下であり、Ro測定時の入射角を、光
学フィルム表面から法線方向を0°とした時にRo(5
0°)−Ro(0°)が25以上である光学フィルムで
あり、該光学フィルムが、アシル基の置換度が2.95
以下であるセルロースの低級脂肪酸エステルを含有する
事を特徴とする光学フィルム。 - 【請求項24】 前記Ro値が23℃、55%RHの条
件下で13nm以下であり、Ro測定時の入射角を、光
学フィルム表面から法線方向を0°とした時に、Ro
(50°)−Ro(0°)が25以下である光学フィル
ムの製造方法であり、該光学フィルムが、アシル基の置
換度が2.95以下であるセルロースの低級脂肪酸エス
テルを含有する事を特徴とする請求項1〜9、11〜1
5、18、21のいずれか1項に記載の光学フィルムの
製造方法。 - 【請求項25】 前記Rt値が23℃、55%RHの条
件下で70〜300nmである光学フィルムであり、該
光学フィルムが、アシル基の置換度が2.95以下であ
るセルロースの低級脂肪酸エステルを含有し、かつ融点
が20℃以下である紫外線吸収剤を含有する事を特徴と
する光学フィルム。 - 【請求項26】 前記Rt値が23℃、55%RHの条
件下で70〜300nmである光学フィルムの製造方法
であり、該光学フィルムが、アシル基の置換度が2.9
5以下であるセルロースの低級脂肪酸エステルを含有
し、かつ融点が20℃以下である紫外線吸収剤を含有す
る事を特徴とする請求項1〜9、11〜15、18、2
1、24のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方
法。 - 【請求項27】 光学フィルム中に含まれる有機溶媒が
ハロゲン化物を含有しないことを特徴とする請求項1
0、16、17、19、20、22、23又は25に記
載の光学フィルム。 - 【請求項28】 光学フィルム中に含まれる有機溶媒が
ハロゲン化物を含有しないことを特徴とする請求項1〜
9、11〜15、18、21、24、26のいずれか1
項に記載の光学フィルムの製造方法。 - 【請求項29】 光学フィルム製膜に用いる流延ドープ
が−100〜−10℃に冷却後、0〜120℃に加温さ
れる事により形成される事を特徴とする請求項28に記
載の光学フィルムの製造方法。 - 【請求項30】 光学フィルムがセルロースアセテート
プロピオネートを含有することを特徴とする請求項1
0、16、17、19、20、22、23、25又は2
7に記載の光学フィルム。 - 【請求項31】 光学フィルムがセルロースアセテート
プロピオネートを含有することを特徴とする請求項1〜
9、11〜15、18、21、24、26、28、29
のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。 - 【請求項32】 前記光学フィルムの膜厚が85〜18
5μmであることを特徴とする請求項10、16、1
7、19、20、22、23、25、27又は30に記
載の光学フィルム。 - 【請求項33】 前記光学フィルムの膜厚が85〜18
5μmであることを特徴とする請求項1〜9、11〜1
5、18、21、24、26、28、29、31のいず
れか1項に記載の光学フィルムの製造方法。 - 【請求項34】 光学フィルムを剥離後1軸延伸工程を
経ることで製膜されることを特徴とする請求項1〜9、
11〜15、18、21、24、26、28、29、3
1、33のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方
法。 - 【請求項35】 光学フィルムを剥離後、ロール状に巻
き取られるまでの間に、該光学フィルムの幅手方向に延
伸される工程を経て製膜される事を特徴とする請求項1
〜9、11〜15、18、21、24、26、28、2
9、31、33、34のいずれか1項に記載の光学フィ
ルムの製造方法。 - 【請求項36】 前記Rt及びRoの、該光学フィルム
の幅手方向での変動幅ΔRt10nm以下であり、かつ
ΔRoが5nm以下である事を特徴とする請求項1〜
9、11〜15、18、21、24、26、28、2
9、31、33、34、35のいずれか1項に記載の光
学フィルムの製造方法。 - 【請求項37】 請求項1〜9、11〜15、18、2
1、24、26、28、29、31、33、34、3
5、36のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方
法で製造されることを特徴とする光学フィルム。 - 【請求項38】 液晶表示用偏光板保護フィルムに用い
ることを特徴とする請求項10、16、17、19、2
0、22、23、25、27、30、32又は37に記
載の光学フィルム。 - 【請求項39】 請求項38に記載の光学フィルムを用
いることを特徴とする液晶表示用偏光板。 - 【請求項40】 バーティカルアライアメント型液晶表
示装置に用いられることを特徴とする請求項38に記載
の光学フィルム。 - 【請求項41】 液晶表示用偏光板と液晶セルとを具備
する液晶表示装置において、該液晶セルは少なくとも1
種のバーティカルアライアメント型液晶を有し、且つ、
該液晶表示用偏光板が請求項39に記載の液晶表示用偏
光板であることを特徴とする液晶表示装置。
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- 2000-09-22 JP JP2000288576A patent/JP2002082225A/ja active Pending
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