JP2005344010A - 位相差フィルム、位相差フィルムの製造方法、偏光板及び表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 樹脂と溶媒を含む溶液を支持体上に流延し、これを剥離した後、剥離後のウェブの残留溶媒量が減少しないか増加する条件で処理した後で、延伸することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
【選択図】 なし
Description
幅手方向に延伸を行った場合、長手及び厚み方向に収縮力が働くが、長尺フィルムを連続的に製造する際には、長手方向は搬送のための張力が付与されており収縮することは困難である。その為、長手方向は見かけ上延伸された状態になり分子配向が起こる。この為、面内方向では分子配向が進み厚み方向のリターデーション(Rt)がRoに比較して大きくなり過ぎる問題があり、Rt/Ro比が2付近よりも小さいフィルムを連続的に製造することは難しかった。
樹脂と溶媒を含む溶液を支持体上に流延し、これを剥離した後、剥離後のウェブの残留溶媒量が減少しないか増加する条件で処理した後で、該ウェブを延伸することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
樹脂と溶媒を含む溶液を支持体上に流延し、これを剥離した後、剥離後のウェブを良溶媒の雰囲気濃度が飽和濃度の50%以上の雰囲気下で搬送した後、該ウェブを延伸することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
前記良溶媒がハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒から選択されるメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、またはメチルエチルケトンであることを特徴とする請求項2に記載の位相差フィルムの製造方法。
前記樹脂がセルロースエステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
前記位相差フィルムが下記式(I)、(II)で表されるフィルムの厚み方向のリターデーション値Rtが70〜400nmであり、フィルムの面内方向のリターデーション値Roとの比Rt/Roが2以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
〔式中、nxは、フィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyは、nxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzは、フィルムの厚み方向の屈折率、dは、フィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。(590nm、25℃、55%RHで測定)〕
式(II) Ro値=(nx−ny)×d
〔式中、nxは、フィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyは、nxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、dは、フィルムの厚み(nm)を各々表す。(590nm、25℃、55%RHで測定)〕
(請求項6)
溶融流延または溶液流延により製造された樹脂フィルムを、延伸工程で延伸することにより一定のリターデーション値を有する位相差フィルムの製造方法において、該樹脂フィルムの良溶媒の蒸気を該樹脂フィルム表面に供給して接触させる工程を有することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
前記樹脂フィルムの良溶媒の蒸気を該樹脂フィルム表面に供給して接触させる工程の後に延伸工程と乾燥工程を有することを特徴とする請求項6に記載の位相差フィルムの製造方法。
前記樹脂フィルムの良溶媒の蒸気を該樹脂フィルム表面に供給して接触させる工程が室温〜250℃の範囲の温度に維持する手段を有していることを特徴とする請求項6または7に記載の位相差フィルムの製造方法。
前記良溶媒の蒸気を室温〜250℃の範囲の温度に維持する手段を有していることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
前記延伸工程が複数の延伸工程に分かれており、良溶媒の蒸気を樹脂フィルム表面に供給して接触させる工程が該複数の延伸工程の間に設けられていることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
請求項1〜10のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法によって製造されたことを特徴とする位相差フィルム。
請求項11に記載の位相差フィルムを有することを特徴とする偏光板。
請求項11に記載の位相差フィルムを有することを特徴とする表示装置。
本発明の位相差フィルムに用いられる樹脂フィルムとしては、製造が容易であること、光学的に均一性であること、光学的に透明性であることが好ましい。これらの性質を有していれば何れでもよく、例えば、セルロースエステル系フィルム、ポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンも含む)系フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、セロファン、セルロースジアセテートフィルム、セルロースアセテートブチレートフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、エチレンビニルアルコールフィルム、シンジオタクティックポリスチレン系フィルム,ポリカーボネートフィルム、ノルボルネン樹脂系フィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリエーテルケトンイミドフィルム、ポリアミドフィルム、フッ素樹脂フィルム、ナイロンフィルム、シクロオレフィンポリマーフィルム、ポリメチルメタクリレートフィルムまたはアクリルフィルム等を挙げることが出来るが、これらに限定されるわけではない。これらのフィルムは溶液流延法或いは溶融流延法で製膜されたフィルムが好ましく用いられる。これらの内セルロースエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリスルホン(ポリエーテルスルホンを含む)、シクロオレフィンポリマーフィルムが好ましく、本発明においては、特にセルロースエステルフィルムが、製造上、コスト面、透明性、均一性、接着性等の面から好ましい。
先ず、本発明に用いられるセルロースエステルフィルムの製膜方法について説明する(代表例として溶液流延製膜法を示した)。
溶解釜中で、セルロースエステルに対する良溶媒を主とする有機溶媒にセルロースエステルを攪拌しながら溶解しドープを形成する工程である。溶解には、主溶媒の沸点以下の温度で常圧で行う、主溶媒の沸点以上で加圧して行う、零度以下に冷却して行う或いは高圧で行う等種々の溶解方法があり、本発明においていずれも好ましく行うことの出来る溶解方法であるが、主溶媒の沸点以上で加圧状態で溶解する高温溶解方法がより好ましく用いられる。溶解後ドープを濾材で濾過し、脱泡してポンプで次工程に送る。
ドープを加圧型定量ギヤポンプを通して加圧ダイに送液し、流延位置において、表面が鏡面になっていて、無限に移送する無端の金属ベルト或いは回転する金属ドラム(以降、金属支持体或いは単に支持体ともいう)上に加圧ダイからドープを流延する工程である。ダイによる流延装置は、口金部分のスリット形状を調整出来、ウェブの膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があるが、いずれも好ましく用いられる。製膜速度を上げるために加圧ダイを金属支持体上に2基以上設け、ドープ量を分割して重層してもよい。
ウェブを金属支持体上で加熱し有機溶媒を蒸発させる工程である。有機溶媒を蒸発させるには、ウェブ側から風を吹かせる方法及び/または金属支持体の裏面から液体により伝熱させる方法、輻射熱により表裏から伝熱する方法等があり、本発明において、いずれも好ましく用いられる。
金属支持体上で有機溶媒が蒸発したウェブを、金属支持体から剥離する工程である。剥離されたウェブは次の本発明に係る溶媒量調整ゾーンに送られる。剥離する時点でのウェブの残留溶媒量があまり大き過ぎると剥離し難かったり、逆に金属支持体上で十分に乾燥させてから剥離すると、途中でウェブの一部が剥がれたりする。
本発明では前述のように、ウェブを剥離した後、剥離後のウェブの残留溶媒量が減少しないか増加する条件で処理した後で、延伸することを特徴とする。
ウェブを千鳥状に配置したガイドロールに交互に通して搬送する乾燥装置9及び/またはクリップでウェブの両端をクリップして搬送するテンター乾燥装置8を用いてウェブを乾燥する工程である。乾燥の手段はウェブの両面に熱風を吹かせるのが一般的であるが、風の代わりにマイクロウエーブを当てて加熱する手段もある。あまり急激な乾燥は出来上がりのフィルムの平面性を損ね易い。全体を通しての乾燥温度は、40〜250℃が好ましく、70〜180℃がより好ましい。使用する有機溶媒によって、乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組み合わせに応じて乾燥条件を適宜選べばよい。
〔式中、nxは、フィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyは、nxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzは、フィルムの厚み方向の屈折率、dは、フィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。(590nm、25℃、55%RHで測定)〕
式(II) Ro値=(nx−ny)×d
〔式中、nxは、フィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyは、nxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、dは、フィルムの厚み(nm)を各々表す。(590nm、25℃、55%RHで測定)〕
本発明では、上式(I)で表される厚み方向のリターデーションRtが70〜400nmであり、上式(II)で表されるフィルムの面内方向のリターデーション値Roとの比Rt/Roが2以下であることが、視野角拡大の為の位相差フィルムとして好適である。
・幅手方向に延伸−幅手方向に延伸−流延方向に延伸−流延方向に延伸
テンター工程において、フィルム雰囲気温度分布が少ないことは、フィルムの均一性を高める観点から好ましい範囲が存在する。テンター工程での温度分布は、±5℃以内が好ましく、±2℃以内がより好ましく、±1℃以内が最も好ましい。上記温度分布を少なくすることにより、フィルムの幅手での温度分布も小さくなることが期待出来る。
乾燥が終了したウェブをフィルムとして巻き取る工程である。乾燥終了時の残留溶媒量は、2質量%以下、好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.4質量%以下とすることにより寸法安定性の良好なフィルムを得ることが出来る。巻き取り方法は、一般に使用されているワインダーを用いればよく、定トルク法、定テンション法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の張力をコントロールする方法があり、それらを使い分ければよい。
ここで、Mはウェブの任意時点での質量、NはMのものを110℃で3時間乾燥させた時の質量である。
本発明に使用するセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることが出来る。またそれらから得られたセルロースエステルはそれぞれ任意の割合で混合使用することが出来る。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806,K805,K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用した)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=1000000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用した。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
式(IV) 1.4≦X≦2.85
(但し、Xはアセチル基の置換度、Yはプロピオニル基及び/またはブチリル基の置換度である。)
中でも1.9≦X≦2.5、0.1≦Y≦0.9のセルロースアセテートプロピオネート(総アシル基置換度=X+Y)が好ましい。アシル基で置換されていない部分は通常水酸基として存在している。これらは公知の方法で合成することが出来る。
本発明では芳香族環を少なくとも二つ有する化合物を用いることが好ましい。更に芳香族環を少なくとも二つ有し、かつ少なくとも二つの芳香族環が平面構造を有する化合物であることがより好ましい。該化合物を含有するセルロースエステルフィルムを作製するには、該化合物とセルロースエステルフィルムを有機溶媒とともにドープ中に含有させ溶液流延製膜法で製膜する。
本発明のフィルムは、好適なリターデーションを有することにより、偏光板保護フィルムであると同時に液晶表示装置の視野角を拡大する光学補償フィルムとして安定した性能を維持して使用することが出来る。
〈セルロースエステルフィルムAの作製〉
〈微粒子分散液〉
微粒子 AEROSIL R972V(日本アエロジル(株)製) 11質量部
エタノール 89質量部
以上をディゾルバーで50分間攪拌混合した後、マントンゴーリンで分散を行った。
メチレンクロライドを入れた溶解タンクに下記セルロースエステルを添加し、加熱して完全に溶解させた後、これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過した。濾過後のセルロースエステル溶液を十分に攪拌しながら、ここに微粒子分散液をゆっくりと添加した。更に、アトライターにて分散を行った。これを日本精線(株)製のファインメットNFで濾過し、微粒子添加液を調製した。
メチレンクロライド 99質量部
セルロースエステル(アセチル基置換度1.9、プロピオニル基置換度0.8、Mn=110000、Mw/Mn=1.9) 4質量部
微粒子分散液 11質量部
下記組成の主ドープ液を調製した。先ず加圧溶解タンクにメチレンクロライドとエタノールを添加した。メチレンクロライドの一部(約40質量部)は予め分けておき、溶剤の入った加圧溶解タンクにセルロースエステルを攪拌しながら投入した。これを加熱し、攪拌しながら、完全に溶解し、更に可塑剤及び紫外線吸収剤を添加、溶解させた。これを安積濾紙(株)製の安積濾紙No.244を使用して濾過し、主ドープ液を調製した。
メチレンクロライド 300質量部
エタノール 52質量部
セルロースエステル(アセチル基置換度1.9、プロピオニル基置換度0.8、Mn=110000、Mw/Mn=1.9) 100質量部
トリフェニルホスフェート 9.5質量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2.2質量部
チヌビン109(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 1.3質量部
チヌビン171(チバスペシャルティケミカルズ(株)製) 0.6質量部
〈セルロースエステルフィルムBの作製〉
セルロースエステルフィルムAと同様にして、図2で示す製膜装置のベルト流延装置により、幅2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110質量%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。剥離の際に張力をかけて長手(MD)延伸倍率が1.0倍となるように延伸しながら溶媒量調整装置6により、ハウジング60内の温度、時間を表1のように変化させ、残留溶媒量が表1記載になるように次工程へ搬送した。次いでテンター部8でウェブ両端部を把持し、延伸開始時温度130℃にて幅手(TD)方向の延伸倍率が1.3倍となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を解放し、更に125℃に設定された乾燥ゾーン9で30分間搬送させて乾燥を行い、フィルム中の残留溶媒量を0.1質量%以下にした。以上の操作により幅1.5m、かつ端部に幅1cm、高さ8μmのナーリングを有する巻長3,000m、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムB−1〜B−3を作製した。
セルロースエステルフィルムAと同様にして、図3で示す製膜装置のベルト流延装置により、幅2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110質量%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。剥離の際に張力をかけて長手(MD)延伸倍率が1.0倍となるように延伸しながら溶媒量調整装置6により、予め溶媒気化装置10にて調製したメチレンクロライド、酢酸メチル若しくはアセトンの蒸気をウェブ面に供給し、溶媒種類、溶媒濃度、温度、時間、残留溶媒量が表1記載の条件になるように次工程へ搬送した。次いでテンター部8でウェブ両端部を把持し、延伸開始時温度130℃にて幅手(TD)方向の延伸倍率が1.3倍となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を解放し、更に125℃に設定された乾燥ゾーン9で30分間搬送させて乾燥を行い、フィルム中の残留溶媒量を0.1質量%以下にした。以上の操作により幅1.5m、かつ端部に幅1cm、高さ8μmのナーリングを有する巻長3,000m、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムC−1〜C−7を作製した。
セルロースエステルフィルムAと同様にして、図4で示す製膜装置のベルト流延装置により、幅2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110質量%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。剥離の際に張力をかけて長手(MD)延伸倍率が1.0倍となるように延伸した。次いでテンター部8Aでウェブ両端部を把持し、延伸開始時温度130℃にて幅手(TD)方向の延伸倍率が1.1倍となるように延伸した。次いで溶媒量調整装置6により、予め溶媒気化装置10にて調製したメチレンクロライドの蒸気をウェブ面に供給し、温度、時間を調整し、残留溶媒量が表1記載の条件になるようにして次工程へ搬送した。次いでテンター部8でウェブ両端部を把持し、延伸開始時温度125℃にて幅手(TD)方向の延伸倍率が1.15倍となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を解放し、更に125℃に設定された第2乾燥ゾーン9で30分間搬送させて乾燥を行い、フィルム中の残留溶媒量を0.1質量%以下にした。以上の操作により幅1.5m、かつ端部に幅1cm、高さ8μmのナーリングを有する巻長3,000m、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムD−1、D−2を作製した。
セルロースエステルフィルムAのセルロースエステル(アセチル基置換度1.9、プロピオニル基置換度0.8、Mn=110000、Mw/Mn=1.9)をトリアセチルセルロース(アセチル基置換度2.7、Mn=100000、Mw/Mn=1.7)、可塑剤のトリフェニルホスフェートを下記トリアジン系化合物Eに変更した以外はセルロースエステルフィルムCの作製と同様にして、表1記載のセルロースエステルフィルムE−1、E−2を作製した。
セルロースエステルフィルムAと同様にして、図2で示す製膜装置のベルト流延装置により、幅2mのステンレスバンド支持体に均一に流延した。ステンレスバンド支持体上で、残留溶媒量が110質量%になるまで溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド支持体から剥離した。剥離の際に張力をかけて長手(MD)延伸倍率が1.0倍となるように延伸しながら、溶媒量調整装置6に温度100℃の乾燥蒸気を導入し20分間乾燥を行い、次いで、テンター部8でウェブ両端部を把持し、延伸開始時の残留溶剤量20質量%、温度130℃にて幅手(TD)方向の延伸倍率が1.3倍となるように延伸した。延伸後、その幅を維持したまま数秒間保持し、幅方向の張力を緩和させた後幅保持を解放し、更に125℃に設定された乾燥ゾーン9で30分間搬送させて乾燥を行い、フィルム中の残留溶媒量を0.2質量%以下にした。以上の操作により幅1.5m、かつ端部に幅1cm、高さ8μmのナーリングを有する巻長3,000m、膜厚80μmのセルロースエステルフィルムF−1、F−2を作製した。
上記作製したセルロースエステルフィルムの原反試料を使って、下記に記載するアルカリケン化処理、偏光板の作製を行った。
ケン化工程 2M−NaOH 50℃ 90秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
中和工程 10質量%HCl 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
ケン化処理後、水洗、中和、水洗の順に行い、次いで80℃で乾燥を行った。
厚さ120μmの長尺ロールポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で6倍に搬送方向に延伸して偏光膜を作った。
得られた偏光板についてシャープ製液晶パネルLL−T1620との組み合わせで、該液晶パネルに予め貼合されていた偏光板を剥がし、液晶セルの両面に図5で示した配置構成となるように偏光板の透過軸が、予め貼合されていた偏光板の透過軸と同じ方向になるよう粘着剤を介して偏光板を貼合して、液晶表示装置1〜20を作製した。
得られたセルロースエステルフィルム、偏光板及び液晶表示装置の評価を下記に示す方法で行った。
アッベ屈折率計(4T)を用いてフィルム構成材料の平均屈折率を測定した。また、市販のマイクロメーターを用いてフィルムの厚さを測定した。
〔光漏れ量(耐久性)〕
作製した2枚の偏光板を60インチ相当のガラス板上にクロスニコルに配置して、(株)日立製作所製の分光光度計U3100を用いて590nmの透過率(T1)を測定した。更に、偏光板を2枚とも80℃、90%RH、500時間処理した後、上記と同様にしてクロスニコルに配置した時の透過率(T2)を測定して、サーモ処理前後の透過率の変化を調べ、次式に従って光漏れ量を測定し、下記評価基準にて評価した。
光漏れ量は0〜5%であれば実用上問題ないが、0〜4%であることが好ましく、更に好ましくは0〜3%であり、0〜1(%)であることが特に好ましい。
○:光漏れが弱く発生したが、使用には問題ない
△:光漏れがやや強く発生し、使用にやや問題がある
×:光漏れが強く発生し、実用上不可
〈液晶表示装置の評価〉
〔コントラストムラ〕
先ず、液晶表示装置の視野角特性の評価をELDIM社製EZ−contrastを用い黒表示及び白表示時の透過光量を測定した。視野角の評価はコントラスト=(白表示時の透過光量)/(黒表示時の透過光量)を算出し下記基準にて評価を行った。
○:コントラストムラが弱く発生したが、使用には問題ない
△:コントラストムラがやや強く発生し、使用にやや問題がある
×:コントラストムラが強く発生し、実用上不可
更に、上記液晶表示パネルを80℃、90%RH、500時間放置条件下で強制劣化(耐久試験)を行い、それぞれの液晶表示パネルについて、上記と同様なコントラストムラを評価した。
実施例1のセルロースエステルフィルムにおいて、ドラム流延装置を用い、ドープ温度33℃で流延ドラム支持体上に均一に流延し、流延ドラム支持体の前半部分を12℃、後半部分を40℃になるようにコントロールしながら溶媒を蒸発させ、流延ドラム支持体上から剥離したウェブを作製した以外は同様にして、残留溶媒量を調整したセルロースエステルフィルムを作製し、実施例1と同様に偏光板、液晶表示装置を得た。
6 溶媒量調整装置
7 フィルム巻取装置
8 テンター装置
9 乾燥装置
10 溶媒気化装置
F フィルム
Claims (13)
- 樹脂と溶媒を含む溶液を支持体上に流延し、これを剥離した後、剥離後のウェブの残留溶媒量が減少しないか増加する条件で処理した後で、該ウェブを延伸することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
- 樹脂と溶媒を含む溶液を支持体上に流延し、これを剥離した後、剥離後のウェブを良溶媒の雰囲気濃度が飽和濃度の50%以上の雰囲気下で搬送した後、該ウェブを延伸することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
- 前記良溶媒がハロゲン系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒から選択されるメチレンクロライド、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、またはメチルエチルケトンであることを特徴とする請求項2に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 前記樹脂がセルロースエステルであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 前記位相差フィルムが下記式(I)、(II)で表されるフィルムの厚み方向のリターデーション値Rtが70〜400nmであり、フィルムの面内方向のリターデーション値Roとの比Rt/Roが2以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
式(I) Rt=((nx+ny)/2−nz)×d
〔式中、nxは、フィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyは、nxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、nzは、フィルムの厚み方向の屈折率、dは、フィルムの厚み(nm)をそれぞれ表す。(590nm、25℃、55%RHで測定)〕
式(II) Ro値=(nx−ny)×d
〔式中、nxは、フィルム面内の屈折率が最も大きい方向の屈折率、nyは、nxに直角な方向でのフィルム面内の屈折率、dは、フィルムの厚み(nm)を各々表す。(590nm、25℃、55%RHで測定)〕 - 溶融流延または溶液流延により製造された樹脂フィルムを、延伸工程で延伸することにより一定のリターデーション値を有する位相差フィルムの製造方法において、該樹脂フィルムの良溶媒の蒸気を該樹脂フィルム表面に供給して接触させる工程を有することを特徴とする位相差フィルムの製造方法。
- 前記樹脂フィルムの良溶媒の蒸気を該樹脂フィルム表面に供給して接触させる工程の後に延伸工程と乾燥工程を有することを特徴とする請求項6に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 前記樹脂フィルムの良溶媒の蒸気を該樹脂フィルム表面に供給して接触させる工程が室温〜250℃の範囲の温度に維持する手段を有していることを特徴とする請求項6または7に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 前記良溶媒の蒸気を室温〜250℃の範囲の温度に維持する手段を有していることを特徴とする請求項6〜8のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 前記延伸工程が複数の延伸工程に分かれており、良溶媒の蒸気を樹脂フィルム表面に供給して接触させる工程が該複数の延伸工程の間に設けられていることを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の位相差フィルムの製造方法によって製造されたことを特徴とする位相差フィルム。
- 請求項11に記載の位相差フィルムを有することを特徴とする偏光板。
- 請求項11に記載の位相差フィルムを有することを特徴とする表示装置。
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