JP2005281645A - セルロースエステル及びそのフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】 高い延伸性と適度な固有複屈折を有し、レタデーションを広い範囲で制御できるセルロースエステルと、このセルロースエステルで構成されたフィルムとを提供する。
【解決手段】 混合脂肪酸セルロースエステルは、総アシル基の平均置換度が2.0〜2.8、グルコース単位の6位のアシル基の平均置換度が0.50〜0.85であり、PMMA換算の重量平均分子量が10×104〜30×104である。アセチル基とプロピオニル基又はブチリル基との割合は、前者/後者=2/98〜60/40(モル比)である。分子量に関し、セルロースエステルは分散度(Mw/Mn)が大きく、Mwよりも極大分子量Mp及び数平均分子量Mnが小さく、Mp/Mn>2である。セルロースエステルは、光学フィルム(例えば、液晶表示装置用光学補償フィルム、偏光板の保護フィルム)を形成するのに有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フィルム(液晶表示装置などの光学補償フィルム、偏光板の保護フィルム、カラーフィルタ、写真感光材料のフィルムなど)を形成するのに有用なセルロースエステル、およびセルロースエステルで構成されたフィルムに関する。
セルロースエステルは光学的等方性が高く、複屈折が小さいため、写真感光材料の支持体、液晶表示装置の光学補償フィルム、偏光板保護フィルム、位相差フィルムやカラーフィルタなどとして利用されている。このような光学フィルムにおいて、セルロースエステルを構成するグルコース単位の置換位置に対するアシル基の影響についても検討されている。
例えば、特開平11−5851号公報(特許文献1)には、2位、3位及び6位のアセチル置換度の合計が2.67以上(例えば、2.77以上)であり、かつ2位及び3位のアセチル置換度の合計が1.97以上(2.96以下)であるセルロースアセテートを含むフィルムが開示されている。この文献には、上記セルロースアセテートを用いると冷却溶解法により安定な溶液を調製でき、流延法により厚み方向のレタデーション値が小さく偏光板保護膜として適したフィルムが得られることが記載されている。
特開2002−212338号公報(特許文献2)には、2位、3位のアシル置換度の合計が1.70〜1.90であり、かつ6位のアシル置換度が0.88以上であるセルロースアシレート及びそのフィルムが開示されている。特開2002−265501号公報(特許文献3)には、2位、3位及び6位のアシル置換度の合計が2.67以上であり、2位及び3位のアシル置換度の合計が1.97であり、−0.1≦(3位のアシル置換度−2位のアシル置換度)≦0.3であるセルロースアシレートが開示されている。この文献には、2位、3位のアシル置換度の合計が1.70〜1.90であり、かつ6位のアシル置換度が0.88以上であり、−0.1≦(3位のアシル置換度−2位のアシル置換度)≦0.3であるセルロースアシレートも開示されている。これらの文献には、経時安定性に優れ、実用的な濃度領域で粘度の低いセルロースアシレート溶液が得られるとともに、流延法により表面平滑性の高いフィルムが得られることが記載されている。
特開2002−309009号公報(特許文献4)には、2位と3位とのアシル置換度の合計が1.7〜1.95であり、かつ6位のアシル置換度が0.88以上であるセルロースアシレートと、2位と3位とのアシル置換度の合計が1.7〜1.95であり、かつ6位のアシル置換度が0.88未満であるセルロースアシレートとの混合ポリマーで構成されたセルロースアシレートフィルムが開示されている。特開2003−105129号公報(特許文献5)には、全アシル置換度が2.7〜2.9であり、炭素数3〜22のアシル基の置換度が0.4〜2.5であり、6位のアシル置換度が0.9未満のセルロースアシレートと、全アシル置換度が2.75〜2.9であり、炭素数3〜22のアシル基の置換度が0.0〜0.4であり、6位のアシル置換度が0.9以上のセルロースアシレートとを含むセルロースアシレートフィルムが開示されている。これらのセルロースアシレートを用いると、溶解性が高く、溶液粘度の低いドープを得ることができる。
さらに、セルロースエステルの分子量や含有金属成分に関する検討もされている。例えば、特開2000−314811号公報(特許文献6)には、重量平均分子量Mw/数平均分子量Mnの値が3.0〜5.0であり、カルシウム成分の量が60ppm以下、マグネシウム成分の量が70ppm以下のセルロースエステルを含む光学フィルムが開示されている。特開2002−40244号公報(特許文献7)には、数平均分子量Mnが5×104〜13×104、重量平均分子量Mwが13×104〜29×104、アルカリ土類金属の含有量が30ppm以下であるセルロースエステル(セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネートなど)を含む光学フィルムが開示されている。
特開2002−139621号公報(特許文献8)には、酢化度が59〜61.5%のセルロースアセテート、及びこのセルロースアセテート100重量部に対して、少なくとも二つの芳香族環を有する芳香族化合物0.01〜20重量部を含み、厚みが10〜70μmであり、所定のレタデーション値を有する光学補償シートが開示されている。この文献には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるMw/Mnの値は1.0〜1.7であることも記載されている。
さらに、光学フィルムに適したセルロースエステルとして、混合脂肪酸エステルを用いることも提案されている。例えば、特開2002−131536号公報(特許文献9)には、偏光板の保護フィルムの製造方法に関し、アセチル基の置換度が1.75〜2.15、プロピオニル基の置換度が0.60〜0.80、アルカリ土類金属の含有量が1〜50ppm、残留硫酸量(硫黄元素の含有量として)が1〜50ppm、遊離酸量が1〜100ppmであるセルロースエステルを有機溶媒に溶解させ、支持体に流延し溶媒を蒸発させてフィルムを形成する方法が開示されている。
特開2003−240955号公報(特許文献10)には、炭素数2〜4のアシル基を置換基として有し、アセチル基の置換度をA、プロピオニル基またはブチリル基の置換度をBとしたとき、2.0≦A+B≦3.0、A<2.4であり、所定のレタデーション値を有する光学フィルムが開示されている。この文献には、少なくとも一方向に1.2〜4.0倍延伸することも記載されている。特開2003−270442号公報(特許文献11)には、総アシル基置換度が2.1〜2.8であり、アセチル基置換度が1.5〜2.3であり、かつプロピオニル基置換度が0.6〜1.2である混合脂肪酸セルロースエステルフィルムを備えた偏光板が開示されている。この文献には、面内のレタデーション値が31〜120nm、厚み方向のレタデーション値が60〜300nmの混合脂肪酸セルロースエステルフィルムとともに、幅方向に1.01〜1.2倍延伸することも開示されている。
しかし、これらのセルロースエステルでは、延伸性が限られているため、位相差(レタデーション)Re,Rthを、1/4波長位相差板などとして利用できるような広範囲かつ精密に制御することが困難である。
特開平11−5851号公報(特許請求の範囲、段落番号[0005]) 特開2002−212338号公報(特許請求の範囲、段落番号[0007]) 特開2002−265501号公報(特許請求の範囲) 特開2002−309009号公報(特許請求の範囲) 特開2003−105129号公報(特許請求の範囲) 特開2000−314811号公報(特許請求の範囲) 特開2002−40244号公報(特許請求の範囲) 特開2002−139621号公報(特許請求の範囲、段落番号[0020]) 特開2002−131536号公報(特許請求の範囲) 特開2003−240955号公報(特許請求の範囲、段落番号[0074][0076]) 特開2003−270442号公報(特許請求の範囲)
従って、本発明の目的は、高い延伸性と適度な固有複屈折を有し、広い範囲のレタデーション(面内のレタデーションRe、厚み方向のレタデーションRth)を有するフィルムを得るのに有用なセルロースエステルと、このセルロースエステルで構成されたフィルムとを提供することにある。
本発明の他の目的は、光学的特性(複屈折などの光学的等方性を含む)の高いフィルムを得るのに有用なセルロースエステルと、このセルロースエステルで構成されたフィルムを提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、非ハロゲン系溶媒に対する溶解性のみならず溶融成膜性及び延伸性にも優れ、高い透明性及び機械的特性を有するセルロースエステルと、このセルロースエステルで構成されたフィルムとを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、混合脂肪酸セルロースエステルにおいて、アシル基の種類とグルコース単位に対するアシル基の置換度分布を制御すると、適度な固有複屈折を有するとともに高い延伸性が実現できること、セルロースエステルの分子量分布や組成分布を制御することにより、高い延伸性が発現することを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明のセルロースエステルは、炭素数2以上の脂肪族アシル基を有する混合脂肪酸セルロースエステルであって、総アシル基の平均置換度が2.0〜2.8、ポリメタクリル酸メチル換算の重量平均分子量が10×104〜30×104である。重量平均分子量は屈折率検出器を備えたゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定できる。アシル基の置換度分布に関し、グルコース単位の6位のアシル基の平均置換度は、0.50〜0.85程度である。アセチル基の平均置換度は0.1〜1.5程度である。なお、アシル基は、アセチル基と、プロピオニル基及びブチリル基から選択された少なくとも一方の基とで構成できる。アセチル基と、プロピオニル基及びブチリル基から選択された少なくとも一方の基との割合は、前者/後者=2/98〜60/40(モル比)程度であってもよい。より具体的には、セルロースエステルにおいて、総アシル基の平均置換度は2.3〜2.8程度であってもよく、アセチル基と、プロピオニル基及びブチリル基から選択された少なくとも一方の基との割合は、アシル基の種類に応じて、前者/後者=2/98〜40/60(モル比)程度であってもよく、グルコース単位の6位でのアシル基の平均置換度は0.70〜0.85程度であってもよい。
本発明のセルロースエステルの分子量は、機械的特性や成形性(成膜性を含む)などを損なわない範囲で選択でき、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比で表される分散度(Mw/Mn)が2.5〜8.0程度である。また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる分子量の測定において、重量平均分子量Mwよりも重量基準の極大分子量Mp及び数平均分子量Mnが小さく、Mp/Mn>2である。さらに、セルロースエステル(例えば、炭素数2以上の2種類の脂肪族アシル基を有する混合脂肪酸セルロースエステル)において、高速液体クロマトグラフィーで測定される組成分布半値幅は、置換度単位で1.0以下(例えば、0.75以下)であってもよい。
このようなセルロースエステルは、複屈折性が適度であり、高い延伸性を有するため、フィルムに成形し延伸することにより、広範囲のレタデーションを有するフィルム製品を調製するのに有用である。セルロースエステルの固有複屈折率△n0は、0〜0.08(例えば、0.001〜0.03)程度である。
なお、屈折率nと複屈折△nと位相差(面内のレタデーションRe、厚み方向のレタデーションRth)との間には次のような関係が認められる。なお、xは長手方向(一軸延伸の場合は延伸方向)(x軸)、yは幅方向(y軸)、zは厚み方向(z軸)を示し、Sは配向度(0〜1)、△n0は固有複屈折、dは厚みを示す。
Re=[nx−((ny+nz)/2)]・d≒△n0・S・d
Rth=[nz−((nx+ny)/2)]・d≒−1/2・△n0・S・d
上記関係式から明らかなように、本発明のセルロースエステルを用いると、固有複屈折が適度なため、延伸による配向度Sの調整により、レタデーション(Re、Rth)を精度よくコントロールできる。なお、セルロースエステルであっても、固有複屈折が小さいと、広い範囲のレタデーション(Re、Rth)をカバーできず、大きすぎると、配向度Sに応じて敏感にレタデーション(Re、Rth)が変化しすぎるため、レタデーション(Re、Rth)を精度よくコントロールできなくなる。
本発明は、前記セルロースエステルで構成されたセルロースエステルフィルムも包含する。このフィルムは、流延法に限らず溶融押出成形により得ることもできる。また、前記セルロースエステルは高い延伸性を有し、延伸による配向処理により光学特性(レタデーション)を精度よく調整できる。そのため、セルロースエステルフィルムは、光学特性を調整するため、少なくとも一方の方向に延伸された延伸フィルムであってもよい。このようなフィルムは、光学フィルム、例えば、液晶表示装置用光学補償フィルム、偏光板の保護フィルムなどとして利用できる。
本発明では、混合脂肪酸セルロースエステルにおいて、アシル基の種類と置換度分布を制御するため、固有複屈折率が適度であり、高い延伸性を有するため、広い範囲でレタデーションを精度よく制御できる。さらに、分子量分布や組成分布によりセルロースエステルの高い延伸性をさらに発現できる。そのため、セルロースエステルは、光学的特性(複屈折などの光学的等方性を含む)の高いフィルム(偏光板の保護フィルム、光学補償フィルムなどの光学フィルム(位相差フィルム))を得るのに有用である。さらに、非ハロゲン系溶媒に対する溶解性のみならず溶融成膜性及び延伸性にも優れ、高い透明性及び機械的特性を有する。そのため、高い生産性で光学的に等方性の高いフィルムを得るための材料として有用である。
[セルロースエステル]
本発明のセルロースエステルは、炭素数2以上の脂肪族アシル基を有する混合脂肪酸セルロースエステルであり、しかも総アシル基の置換度が高い。そのため、低置換度のセルロースエステルと異なり、固有複屈折が低く適度な値となり、かつ高い延伸性が付与されるため、レタデーションを制御できる。特に、高い延伸性を利用して、レタデーションRe,Rthを精度よく制御できる。
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基などのC2-10アルキルカルボニル基が例示できる。これらのアシル基のうち、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基などのC2-4アルキルカルボニル基が好ましい。さらに、アシル基は、少なくともアセチル基を含むのが好ましい。そのため、アシル基は、通常、アセチル基と、プロピオニル基、ブチリル基などのC3-4アルキルカルボニル基との組合せである場合が多い。また、混合脂肪酸エステルにおいて、アセチル基は、プロピオニル基及びブチリル基から選択された少なくとも一方のアルキルカルボニル基と組み合わせることができる。
代表的な混合脂肪酸セルロースエステルとしては、例えば、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどが挙げられる。これらのセルロースエステルは単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
混合脂肪酸セルロースエステルにおいて、総アシル基の平均置換度は、例えば、2.0〜2.8(例えば、2.2〜2.8)、好ましくは2.3〜2.8、さらに好ましくは2.5〜2.7程度である。また、アセチル基の平均置換度は、例えば、0.1〜1.5、好ましくは0.1〜1.3、さらに好ましくは0.2〜1.2程度であり、0.2〜1.5程度であってもよい。さらに、炭素数3以上のアシル基(C3-4アシル基など)の平均置換度は、例えば、0.5〜2.8、好ましくは0.7〜2.7、さらに好ましくは1〜2.6程度であってもよい。
なお、アシル化度は慣用の方法で測定でき、例えば、酢化度は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテート等の試験方法)におけるアセチル化度に準じて単位重量あたりのアシル基のモル数を測定するとともに、さらに、ケン化によって遊離した各アシル基の比率を液体クロマトグラフィーで測定することにより算出できる。また、アシル化度は、IH−MMR、13C−MMRで分析することもできる。
アシル基の置換度分布は、13C−NMRなどの公知の方法で測定できる。また、測定方法については、手塚ら(Carbohydr. Res. 273 (1995) 83-91)及び特開2002−338601号公報を参照できる。
さらに、アセチル基と、プロピオニル基及びブチリル基から選択された少なくとも一方のアルキルカルボニル基との割合は、前者/後者(モル比)=1/99〜70/30程度の範囲から選択でき、通常、2/98〜60/40(例えば、5/95〜60/40)、好ましくは2/98〜50/50(5/95〜50/50)、さらに好ましくは2/98〜40/60(例えば、5/95〜40/60)程度であってもよい。アセチル基とC2-3アルキル−カルボニル基(プロピオニル基及び/又はブチリル基)との割合は、アシル基の種類に応じて、前者/後者=2/98〜60/40(モル比)程度の範囲から選択できる。例えば、セルロースアセテートプロピオネートでは、アセチル基とプロピオニル基との割合は、例えば、前者/後者=2/98〜30/70(モル比)、好ましくは2/98〜25/75(モル比)(例えば、5/95〜25/75(モル比))程度であってもよく、セルロースアセテートブチレートでは、アセチル基とブチリル基との割合は、例えば、前者/後者=35/65〜60/40(モル比)、好ましくは40/60〜55/45(モル比)程度であってもよい。
混合脂肪酸セルロースエステルにおいて、アシル基の置換度分布は特に制限されないが、グルコース単位の6位での置換度を低下させると、固有複屈折率△noを低減でき、延伸操作によりフィルムのレタデーションが制御しやすい。
グルコース単位の6位のアシル基の平均置換度は、0.5〜0.85程度の範囲から選択でき、好ましくは0.5〜0.8、さらに好ましくは0.5〜0.7程度であってもよい。なお、グルコース単位の6位のアシル基の種類は特に制限されないが、少なくともアセチル基を含む場合が多い。グルコース単位の6位でのアセチル基の平均置換度は、0.01〜0.8、好ましくは0.01〜0.7、さらに好ましくは0.01〜0.5程度である。なお、グルコース単位とアシル基の置換位置は下記式で表すことができる。
Figure 2005281645
なお、セルロースエステルを構成するグルコース単位の6位には、2位及び3位と異なり、反応性の高い一級ヒドロキシル基が存在し、この一級ヒドロキシル基は、硫酸を触媒とするセルロースエステルの製造過程で硫酸エステルを優先的に形成する。そのため、セルロースのエスチル化反応において、触媒硫酸量を増加させることにより、通常のセルロースエステルに比べて、グルコース単位の6位よりも2位及び3位の平均置換度を高めることができる。さらに、必要に応じて、セルロースをトリチル化すると、グルコース単位の6位のヒドロキシル基を選択的に保護できるため、トリチル化により6位のヒドロキシル基を保護し、エステル化した後、トリチル基(保護基)を脱離することにより、グルコース単位の6位よりも2位及び3位の平均置換度を高めることができる。
本発明の混合脂肪酸セルロースエステルは、成膜性及び延伸性が高いだけでなく機械的特性にも優れている。前記セルロースエステルの重量平均分子量Mwは、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)換算で、10×104〜30×104、好ましくは15×104〜30×104、さらに好ましくは2×104〜30×104程度である。このような分子量のセルロースエステルは、他の支持体を必要とせず、自己支持性又は形状保持性を有するフィルムとして使用できる。
さらに、分子量分布において、前記セルロースエステルは適度な分布を有しており、異物の生成がなく均一に溶融成膜(溶融成形や延伸など)できるとともに、高い延伸性を有する。本発明のセルロースエステルは、PMMA換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比で表される分散度(Mw/Mn)が、2.5〜8、好ましくは2.8〜8、さらに好ましくは3.0〜8程度である。さらに、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる分子量の測定において、重量平均分子量Mwよりも重量基準の極大分子量Mp及び数平均分子量Mnが小さい(Mw>Mp、Mw>Mn)。さらに、極大分子量Mpと数平均分子量Mnとの関係は、Mp/Mn>2(好ましくは≧2.5、さらに好ましくは≧3)であってもよい。
前記分散度(Mw/Mn)及び割合(Mp/Mn)は、分子量に関する多分散性の尺度である。そして、多分散度の程度が大きいセルロースエステルは、高い延伸性を有する。その理由は明確ではないが、酸触媒の存在下でのエステル化反応において、重合度が低下して前記分散度(Mw/Mn)≒割合(Mp/Mn)≒2程度となることが多いが、分子量が多分散となることにより、低分子量成分がセルロースエステルの可塑剤として機能するためと推測される。
なお、分散度(Mw/Mn)及び割合(Mp/Mn)は、原料となるセルロースの種類により制御することができ、例えば、広葉樹前加水分解クラフトパルプを用いると多分散のセルロースエステルを得ることができる。また、多分散のセルロースエステルを得るためには、平均重合度が異なる複数のセルロースエステルを混合してもよく、複数の原料セルロースを混合してエステル化してもよい。さらに、これらの方法を組み合わせてセルロースエステルを調製してもよい。
混合脂肪酸セルロースエステル(少なくとも2種類の脂肪族アシル基を有するセルロースエステル)に関し、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)により測定される組成分布半値幅は、1.0以下(例えば、0.1〜0.8)、好ましくは0.75以下(例えば、0.2〜0.75)、さらに好ましくは0.7以下(例えば、0.25〜0.7程度)である。
混合脂肪酸セルロースエステルに関し、組成分布幅が狭い程、延伸性に優れている。組成分布に関して多分散であると、例えば、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)では、アセチル基の多いフラクションがドメインを形成して応力集中が生じるためか、延伸性が十分に発現しない。組成分布幅の狭いセルロースエステルを得るには、反応を均一に行うことが重要である。例えば、低温長時間の条件でエステル化を行うことが有効である。
本発明の混合脂肪酸セルロースエステルは、位相差板などとして光学補償のために使用する上で、固有複屈折率△n0が適当であるという特色がある。前記セルロースエステルの固有複屈折率△n0は、例えば、−0.02〜0.08(例えば、0〜0.08)、好ましくは0.0〜0.07、さらに好ましくは0.0〜0.06程度であり、特に0.0〜0.03程度であるのが好ましい。このような固有複屈折率△n0とするためには、総アシル基の平均置換度と、グルコース単位の6位のアシル基の平均置換度とを前記のように制御すればよい。なお、総アシル基の平均置換度が低下すると、固有複屈折率△n0が高くなるが、疎水性を維持しつつ固有複屈折率△n0を適当な数値とするためには、平均置換度の低下には限度がある。そのため、総アシル基の平均置換度を制御することが重要である。一方、グルコース単位の6位のアシル基の平均置換度が高くなると、固有複屈折率△n0が高くなり過ぎる傾向があり、わずかな延伸倍率(又は配向度S)の変化で、レタデーション(Re,Rth)が大きく変動する。そのため、適度な固有複屈折率△n0を保持しつつ、レタデーション(Re,Rth)を精度よく制御するためには、総アシル基の平均置換度と、グルコース単位の6位のアシル基の平均置換度とを制御するのが有用である。
本発明のセルロースエステルは、イエローネスインデックス(Yellowness Index)及びヘーズ値が小さい。すなわち、セルロースエステルの黄色度の指標となるイエローネスインデックス(Yellowness Index,YI)は、例えば、1〜7(例えば、1〜6)、好ましくは1〜5(例えば、2〜4)程度である。
セルロースエステルのヘーズ値は、例えば、1〜5(例えば、1〜4)、好ましくは1〜3.5(例えば、2〜3.5)程度である。
なお、イエローネスインデックス(YI)、ヘーズおよび透明度は次のような方法で測定できる。
[イエローネスインデックス(YI)]
乾燥したセルロースエステル12.0gを正確に秤量し、溶媒(メチレンクロライド/メタノール=9/1(重量比)の混合溶媒やアセトンなど)88.0gを加えて完全に溶解させる(12重量%試料溶液)。色差計(日本電色工業製,色差計Σ90)と、ガラスセル(横幅45mm,高さ45mm,光路長10mm)を用い、下記式によりYIを算出する。
YI=YI2 −YI1
(式中、YI1 は溶媒のYI値,YI2 は12重量%試料溶液のYI値を示す)。
[ヘーズ]
濁度計(日本電色工業製)を用い、ガラスセル(横幅45mm,高さ45mm,光路長10mm)を使用し、次のようにして測定する。上記と同様の溶媒をガラスセルに入れて濁度計にセットし、0点合わせと標準合わせを行う。次いで、ガラスセルに上記と同様にして調製した12重量%試料溶液を入れて濁度計にセットし、数値を読み取る。
本発明の混合脂肪酸セルロースエステルは溶融成形性又は溶融成膜性、耐熱安定性も高い。前記セルロースエステルのガラス転移温度は、80〜250℃、好ましくは100〜200℃、さらに好ましくは110〜180℃程度である。
前記セルロースエステルの融点は、100〜280℃、好ましくは120〜250℃、さらに好ましくは140〜220℃程度である。
なお、ガラス転移温度及び融点は、慣用の熱分析(示差走査型熱量計)により測定できる。例えば、融点は、熱分析において吸熱ピークに対応する温度として測定することができる。
[セルロースエステルの製造方法]
セルロースエステルは、必要によりセルロースを活性化処理した後、硫酸触媒の存在下、セルロースをアシル化剤でアシル化した後、必要により部分中和し、脱アシル化(加水分解又は熟成)することにより製造できる。より詳細には、混合脂肪酸セルロースエステルは、通常、セルロースをアシル基に対応する有機カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸など)により活性化処理(活性化工程)した後、硫酸触媒を用いてアシル化剤(無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸など)によりトリアシルエステルを調製し(アシル化工程)、酸無水物を分解しカルボン酸/水系で加水分解又は熟成によりアシル化度を調整する(ケン化・熟成工程)ことにより製造できる。なお、セルロースエステルの製造方法については、「木材化学」(右田ら、共立出版(株)1968年発行、第180頁〜第190頁)を参照できる。
前記セルロース(パルプ)としては、木材パルプ(針葉樹パルプ、広葉樹パルプ)や綿花リンターなどが使用できる。前記のように、セルロース(パルプ)の種類や複数の原料セルロースの使用により、セルロースエステルの分子量に関する分散度(Mw/Mn)及び割合(Mp/Mn)を制御できる。例えば、広葉樹前加水分解クラフトパルプを用いてエステル化すると、セルロースエステルの分散度(Mw/Mn)及び割合(Mp/Mn)が大きくなり、針葉樹サルファイトパルプを用いると、分散度(Mw/Mn)及び割合(Mp/Mn)が小さくなり易い。そのため、これらのセルロースは単独で又は二種以上組み合わせてもよく、例えば、針葉樹パルプと、綿花リンター又は広葉樹パルプとを併用してもよい。セルロースとしては、通常、パルプ(特に針葉樹パルプ)を用いる場合が多い。なお、セルロースのα−セルロース含有量(重量%)は、通常、94〜99(例えば、95〜99)、好ましくは96〜98.5(例えば、97.3〜98)程度であってもよい。
活性化工程は、例えば、有機カルボン酸や含水有機カルボン酸の噴霧や、有機カルボン酸や含水有機カルボン酸への浸漬などによリ、セルロースを処理することにより行うことができる。有機カルボン酸の使用量は、セルロース100重量部に対して10〜100重量部、好ましくは20〜80重量部、さらに好ましくは30〜60重量部程度である。
アシル化触媒としての硫酸の使用量は、通常、セルロース100重量部に対して、1〜15重量部程度の範囲から選択でき、通常、3〜15重量部(例えば、5〜12重量部)、好ましくは5〜10重量部程度である。アシル化剤としては、酢酸クロライドなどの有機酸ハライドであってもよいが、通常、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水酪酸などのC2-10アルカンカルボン酸無水物(特にC2-4アルカンカルボン酸無水物)などが使用できる。これらのアシル化剤(酸無水物など)は二種以上組み合わせて用いられる。好ましいアシル化剤は、C2-4アルカンカルボン酸無水物、特に少なくとも無水酢酸を含んでおり、無水酢酸と、無水プロピオン酸及び/又は無水酪酸との組合せである。なお、アシル化において、複数のアシル化剤は混合して反応させてもよく、複数のアシル化剤のうち、特定のアシル化剤(無水酢酸など)で予めアシル化した後、他方のアシル化剤(例えば、無水プロピオン酸、無水酪酸など)と反応させ、混合脂肪酸エステルを生成してもよい。
アシル化工程でのアシル化剤の使用量は、例えば、セルロースのヒドロキシル基に対して1.1〜4当量、好ましくは1.1〜2当量、さらに好ましくは1.3〜1.8当量程度である。
アシル化工程において、通常、溶媒又は稀釈剤として有機カルボン酸(酢酸、プロピオン酸、酪酸などのC2-6アルカンカルボン酸など)が使用される。有機カルボン酸(酢酸など)の使用量は、例えば、セルロース100重量部に対して50〜700重量部、好ましくは100〜600重量部、さらに好ましくは200〜500重量部程度である。なお、アシル化反応は、慣用の条件、例えば、0℃〜50℃(例えば、5〜40℃)程度の温度で行うことができる。なお、低温で反応させると、混合脂肪酸セルロースエステルの組成分布が均一化することは前記の通りである。
アシル化反応によりセルローストリアシレートを生成させることができる。所定のアシル化度に到達した後、所定量の水及び/又はアルコールを添加して酸無水物を分解しながら反応系中に水及び/又はアルコールを存在させ、硫酸成分(総硫酸を含む)を熟成触媒として利用して脱アシル化(加水分解又は熟成)する。この反応において、エステル化に利用した硫酸の一部は中和してもよい。
硫酸の一部を中和するための代表的な塩基としては、アルカリ金属化合物[例えば、水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)、炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなど)、有機酸塩(酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどの酢酸塩など)など]、アルカリ土類金属化合物[例えば、水酸化物(水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムなど)、炭酸塩(炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸水素カルシウムなど)、有機酸塩(酢酸マグネシウム、酢酸カルシウムなどの酢酸塩など)など]が例示できる。これらの塩基は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
部分中和のための塩基の総量は、硫酸触媒1当量に対して、0.1〜0.9当量、好ましくは0.2〜0.8当量、さらに好ましくは0.3〜0.7当量(例えば、0.3〜0.6当量)程度の範囲から選択できる。
なお、前記のように、通常のアシル化反応では、グルコース単位の6位のヒドロキシル基は硫酸エステルを形成しやすい。一方、硫酸エステル基の含有量が多くなると、生成したセルロースエステルの耐熱安定性や耐加水分解性なども低下しやすい。硫酸エステル基濃度を低減するため、脱アシル化工程において、反応系に所定量の塩基を連続的又は複数回に分けて間欠的(又は段階的)に添加して部分中和し、脱アシル化反応及び脱硫酸エステル反応を行うのが有利である。なお、所定の形態(水溶液などの液体、粉体など)の形態で、塩基を反応系に短いインターバルをおいて滴下又は添加することにより、塩基を実質的に連続して添加できる。塩基を分割して添加する場合、塩基の添加回数は、複数回であればよく、例えば、3回以上(例えば、3〜100回)、好ましくは4回以上(4〜100回)、さらに好ましくは5回以上(5〜100回)であってもよい。工業的に有利に脱アシル化を行うためには、3〜50回(例えば、3〜20回)、好ましくは4〜25回(4〜20回)程度である場合が多い。
前記塩基の添加様式は特に制限されず、等量の塩基を反応系に連続的又は間欠的に添加してもよく、脱アシル化工程の初期に塩基の添加量を多くし、後期に至るにつれて塩基の添加量を連続的又は段階的に低減してもよく、脱アシル化工程の初期に塩基の添加量を少なくし、後期に至るにつれて塩基の添加量を連続的又は段階的に増加させてもよい。塩基の添加は、通常、脱アシル化工程の後期よりも初期での塩基の添加量を多くする場合が多い。
脱アシル化反応(熟成又は加水分解反応)は、例えば、温度20〜90℃(例えば、50〜90℃)、好ましくは25〜80℃(例えば、50〜80℃)、さらに好ましくは30〜70℃(例えば、50〜70℃)程度で行うことができる。脱アシル化反応は、必要であれば、他の酸触媒(プロトン酸、ルイス酸)を使用してもよいが、通常、残存硫酸を脱アシル化反応の触媒として使用する場合が多い。脱アシル化反応は、不活性ガス雰囲気中で行ってもよく、空気雰囲気中で行ってもよい。なお、脱アシル化(加水分解反応)と脱硫酸エステル反応は平衡に進行するようである。
このような脱アシル化反応によりアシル化度と置換基分布を調整し、所定のセルロースエステルを生成できる。
なお、アシル化工程での触媒硫酸量や脱アシル化工程での水及び/又はアルコール含有量により、グルコース単位又は骨格の6位の平均置換度をコントロールできる。例えば、アシル化工程での触媒硫酸量を増加すると、グルコース単位又は骨格の6位の平均置換度を低減できる。また、脱アシル化反応を所定量の水又はアルコールの共存下で行うと、グルコース単位又は骨格の6位の平均置換度を低減できる。すなわち、特開2002−338601号公報に記載のように、アシル化剤(又はアシル基供与体)に対する水又はアルコールの割合が少ない条件で脱アシル化反応を行うと、グルコース単位又は骨格の2位、3位及び6位のアシル基の平均置換度を調整できるとともに、6位の平均置換度を高めることができ、脱アシル化反応での水及び/又はアルコール含有量を多くすると、グルコース単位の6位の平均置換度を低減できる。これらのことを利用して、グルコース単位の6位の平均置換度を制御することもできる。さらに、グルコース単位の6位の平均置換度の調整については、特開平9−286801号公報に記載の方法(トリチル化剤で6位のヒドロキシル基を保護してエステル化した後、脱トリチル化する方法)も参照できる。
前記脱アシル化反応の後、必要により前記塩基で構成された中和剤(好ましくはアルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物、特に少なくともカルシウム化合物)を添加してもよい。また、反応生成物を水又は酢酸水溶液などに投入して生成したセルロースエステルを分離し、水洗などにより遊離の金属成分や硫酸成分などを除去してもよい。なお、水洗の際に中和剤を使ってもよい。
[セルロースエステルフィルムとその製造方法]
本発明の混合脂肪酸セルロースエステルは、高い延伸性を有するとともに、光学特性(低複屈折、透明性など)、機械的特性、成形性などに優れている。そのため、種々の成形体(繊維などの一次元的成形体、フィルムなどの二次元的成形体、三次元的成形体)を成形するのに有用である。特に、光学特性に優れるため、光学材料、特に光学フィルムを形成するのに有用である。そのため、本発明のセルロースエステルフィルムは、前記混合脂肪酸セルロースエステルで構成されている。
セルロースエステルフィルムの製造方法は、溶融製膜方法(押出成形法など)および溶液製膜方法(流延法)のいずれであってもよいが、溶液製膜方法により平面性に優れたフィルムを製造してもよい。
溶液製膜方法において、セルロースエステルフィルムは、セルロースエステルと有機溶媒とを含むドープ(又は有機溶媒溶液)を剥離性支持体に流延し、生成した膜を剥離性支持体から剥離して乾燥することにより製造できる。
剥離性支持体は、通常、金属支持体(ステンレススチールなど)であり、ドラム状やエンドレスベルト状であってもよい。支持体の表面は、通常、鏡面仕上げされ平滑である。
ドープを調製するための有機溶媒は、塩素系有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルムなど)であってもよく非塩素系有機溶媒であってもよい。本発明のセルロースエステルは溶解性が高く、非塩素系有機溶媒に容易に溶解する。非塩素系有機溶媒としては、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、酢酸ブチルなど)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルなど)、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノールなど)などが例示できる。これらの溶媒は単独で又は二種以上混合して使用でき、塩素系溶媒と非塩素系溶媒とを混合して使用してもよい。
ドープには、種々の添加剤、例えば、可塑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤、劣化防止剤など)、滑剤(微粒子状滑剤)、難燃剤、離型剤などを添加してもよい。また、ドープには、レタデーション上昇剤(特開2001−139621号公報)、剥離剤(特開2002−309009号公報)などを添加してもよい。
なお、ドープは、慣用の方法、例えば、高温溶解法、冷却溶解法などを利用して調製できる。ドープ中のセルロースエステル濃度は、10〜35重量%、好ましくは15〜25重量%(例えば、15〜25重量%)程度であってもよい。また、高品質フィルム(液晶表示装置用フィルムなど)を得るため、ドープは濾過処理してもよい。
流延ダイなどを利用してドープを支持体上に流延し、乾燥することによりフィルムを製造できる。通常、ドープを支持体上に流延し、予備乾燥した後、有機溶媒を含む予備乾燥膜を乾燥することによりフィルムが製造される。
溶融製膜方法では、混合脂肪酸セルロースエステルを押出機などで溶融混合し、ダイ(Tダイ、リングダイなど)から押出成形し、冷却することによりフィルムを製造できる。溶融混合温度は、例えば、120〜250℃程度の範囲から選択できる。
なお、本発明のセルロースエステルは、固有複屈折率△n0が小さいため、前記複屈折とレタデーションとの関係式から明らかなように、延伸倍率(すなわち配向度S)によりレタデーション(Re、Rth)を制御しやすい。すなわち、レタデーション(Re、Rth)を制御するため、フィルムは配向していてもよい。フィルムの配向は、慣用の方法、例えば、ドロー(引き取り)、延伸などにより行うことができる。例えば、溶液製膜方法では、溶媒を含む予備乾燥フィルムを延伸することにより配向させてもよい。また、溶融製膜方法では、押出機のダイから押し出されるフィルム状溶融物を引き取りつつ冷却ロールなどの冷却手段により冷却する方法、ダイから押し出されたフィルム状溶融物を冷却し、所定の温度(ガラス転移温度以上の温度であって、融点未満の温度)で延伸する方法などが例示できる。フィルムの生産性の観点からは、溶融成膜方法、特に溶融押出成形法が好ましい。また、フィルムは、少なくとも一方の方向(縦又は引き取り方向MD、又は幅方向TD)に配向していればよく、公差又は直交する方向に配向していてもよい。フィルムの配向は、通常、延伸による配向である場合が多い。例えば、フィルムは一軸延伸又は二軸延伸フィルムであってもよい。
フィルムの配向度(延伸倍率)は、少なくとも一方の方向に1.2〜4倍(好ましくは1.2〜3倍、さらに好ましくは1.4〜2倍)程度であり、通常、1.2〜1.8倍程度である。また、二軸延伸フィルムでは、一方の方向(例えば、MD方向)に1.1〜2.5倍(好ましくは1.1〜2倍、さらに好ましくは1.2〜1.5倍)程度、他方の方向(例えば、TD方向)に1.0〜2.5倍(好ましくは1.0〜2倍、さらに好ましくは1.1〜1.5倍)程度であってもよい。
フィルムの厚みは用途に応じて選択でき、例えば、5〜200μm、好ましくは10〜150μm、さらに好ましくは20〜100μm程度であってもよい。
本発明のセルロースエステルとそのフィルムは、光学的特性に優れるため、種々の光学フィルム、例えば、カラーフィルタ、写真感光材料の基材フィルム、液晶表示装置用フィルムなどとして利用できる。特に、本発明のセルロースエステルフィルムは、液晶表示装置用フィルムとして有用であり、種々の液晶表示モード(TN(Twist Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、OCB(Optically Compensated Bend)方式、HAN方式、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)方式、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)方式など)の液晶表示装置にも適用できる。特に視野角を拡大させるため、VA(Vertical Alignment)方式、IPS(In-Plane Switching)の液晶表示装置に好適に適用できできる。本発明のフィルムは、例えば、偏光板の保護フィルム(例えば、偏光膜の少なくとも一方の面、特に両面の保護フィルム)、液晶表示装置用光学補償フィルム(位相差フィルムなど)として有用であるだけでなく、レタデーションが大きなセルロースエステルフィルムは、光学補償機能を兼ね備えた偏光板保護フィルムとしても有用である。光学補償機能を兼ね備えた偏光板保護フィルムを用いると、OCB方式などの液晶表示装置において複屈折を補償するために使用されていた光学補償フィルムを用いる必要がなく、液晶表示ユニットの構造を簡素化できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で得られたセルロースエステルの特性は、次のようにして測定した。
[重量平均分子量Mw、数平均分子量Mn、極大分子量Mp]
以下の条件でゲルパーミエーション法によりセルロースエステルの分子量(ポリメタクリル酸メチル換算)を測定した。
溶媒:ジクロロメタン
カラム:東ソー(株)「TSKgel」 GMHxl×2本+guard 内径7.8mm、カラム長30cm
流速:0.8ml/min
温度:30℃
試料濃度:0.20w/v%(試料は予め0.2μmのメンブレンフィルターで濾過)
注入量:100μl
標準試料:PMMA 772000,518900,212000,79500,30650,6900(0.1w/v%)
検出器:示差屈折率検出器 RIタイプ(RI−71S)(Shodex)
ポンプ:DU−H7000.SYSTEM21
繰り返し測定:2回
[アセチル基の平均置換度]
セルロースエステルがセルロースアセテートプロピオネートの場合には、試料を、ピリジン溶媒中、無水プロピオン酸でプロピオニル化した後、クロロホルム溶媒で13C−NMRスペクトルを測定し、169.1〜170.2ppm付近に現れるアセチルカルボニル炭素の3シグナルの強度を積算するとともに、172.7〜173.6ppm付近に現れるプロピオニルカルボニル炭素の3シグナルの強度を積算した。アセチル基の平均置換度は下記式で求めた。
アセチル基の平均置換度=3×A/(A+B)
(式中、Aはアセチルカルボニル炭素に由来するシグナル強度を示し、Bはプロピオニルカルボニル炭素に由来するシグナル強度を示す)
セルロースエステルがセルロースアセテートブチレートの場合には、試料を、ピリジン溶媒中、無水酪酸でブチリル化した後、クロロホルム溶媒で13C−NMRスペクトルを測定し、169.1〜170.2ppm付近に現れるアセチルカルボニル炭素の3シグナルの強度を積算するとともに、171.7〜172.8ppm付近に現れるブチリルカルボニル炭素の3シグナルの強度を積算した。そして、アセテートプロピオネートの場合と同様の式でアセチル置換度を求めた。
[プロピオニル基の平均置換度、ブチリル基の平均置換度]
試料をピリジン中無水酢酸でアセチル化した後、アセチル基の平均置換度の測定と同様の方法で13C−NMRスペクトルを測定し、前記と同様の式に従って平均置換度を算出した。
[グルコース単位の6位の平均置換度]
アセチル基の平均置換度の測定において、6位のアセチルカルボニル炭素に由来する170.2ppm付近のシグナル強度から6位のアセチル基の平均置換度を算出した。同様に、プロピオニル基の平均置換度の測定において、6位のプロピオニル炭素に由来する173.6ppm付近のシグナル強度から6位のプロピオニル基の平均置換度を算出した。これらの値を加算し、セルロースアセテートプロピオネートの6位での平均置換度とした。
同様の方法で、6位のブチリル炭素に由来する172.8ppmのシグナル強度を用い、セルロースアセテートブチレートの6位の平均置換度を求めた。
[組成分布半値幅]
試料をアセチル化し、以下の条件で、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析を行い、溶出曲線の半値幅を時間単位で求めた。なお、試料溶液は.0.2μmのメンブレンフィルターでろ過して分析した。一方、溶出時間とプロピオニル基の平均置換度(又はプチリル基の平均置換度)との関係を求めておき、1次関数近似により、溶出時間半値幅をプロピオニル基の平均置換度半値幅(又はプチリル基の平均置換度半値幅)に換算した。
装置:Agilent LC1100(Agilent Technologies社製)
使用カラム:Novapak phenyl(Waters) 3.9mmφ×150mm
溶離液:CHCl3/メタノール(MeOH)(9/1,v/v):MeOH/H2O(8/1,v/v)=20/80→28min→CHCl3/MeOH(9/1,v/v)=100
流速:0.7ml/min
カラムオープン:30℃
検出器:ELSD(エバポレイティブ光散乱検出器)ELS・1000(PL)
エバポ温度:75℃ ネプライザ温度:60℃ ガス流量:N2、0.7SLM(Standard liter/min., latm, 0℃)
試料:CHCl3/MeOH(9/1,v/v)溶液、0.1w/v%
繰り返し分析:n=2
注入量:20μl
[最大延伸倍率]
セルロースエステル15重量部を塩化メチレン/メタノール混合溶媒(容量比8/2)85重量部に溶解し、ろ紙を用い加圧ろ過した。この溶液を金属板上に流延し、厚さ80μmのフィルムを得た。このフィルムから所定サイズ(幅40mm、長さ100mm)のサンプルを切り出し、恒温槽付き万能引張試験(「テンシロン」(製品名))にて、所定の温度(各サンプルのガラス転移温度Tg+10℃)でクロスヘッドのスクローク速度(100mm/min)でサンプルが破断するまで延伸した。破断時のクロスヘッドのスクローク長を、サンプルの当初の長さ100mmで除して最大延伸倍率(%)を求めた。
[最大レタデーションRe]
上記で求められた最大延伸倍率の95%までサンプルを延伸した延伸サンプルについて面内のレタデーションReを測定し、最大Reとした。
実施例1〜2、実施例4〜5および比較例1〜6
所定のセルロース380gに前処理用酢酸200gを噴霧し、一時間静置した。なお、セルロースとして、広葉樹前加水分解クラフトパルプ(PHK、含水率8重量%、銅エチレンジアミン溶液粘度重合度1800)と、針葉樹サルファイトパルプ(SS、含水率8重量%、銅エチレンジアミン溶液粘度重合度2500)とを用いた。
所定量の所定カルボン酸無水物及び所定量の所定カルボン酸、硫酸13.5gを2軸攪拌型ニーダー反応機に計量し、所定の温度に整温した。
攪拌しながら、前処理済みセルロースを反応機に投入し、反応を開始した。30分を要して所定の反応温度に昇温した。その後、所定時間エステル化反応を行った。
反応終了後、80重量%酢酸水溶液を添加し、カルボン酸無水物を分解し、エステル化反応を停止させた。さらに80重量%酢酸水溶液を添加し、反応浴中の水分を20重量%に調整した。その後、80℃に加熱し、60分間熟成反応(脱エステル化反応)を行った。次いで、酢酸マグネシウムを添加し、硫酸を中和した後、反応浴を、撹拌下、10倍量の水に投入し、セルロースエステルを固形物として分離し、水洗、乾燥した。
実施例3
比較例2のセルロースエステルと比較例3のセルロースエステルとを、前者/後者=3/1(重量比)で混合し、混合セルロースエステルを調製した。
実施例6
比較例5のセルロースエステルと比較例6のセルロースエステルとを、前者/後者=3/1(重量比)で混合し、混合セルロースエステルを調製した。
そして、実施例及び比較例で得られたセルロースエステルの特性を測定したところ、表1に示す結果を得た。なお、表1には、平均置換度を単に「置換度」として記載するとともに、セルロースエステルの製造条件(各成分の使用量、反応条件)も示す。
Figure 2005281645
表1から、比較例では延伸性に制約があり、レタデーションを広い範囲で制御することが困難である。これに対して、実施例では、高い延伸性が得られ、レタデーションを広い範囲で制御できる。

Claims (13)

  1. 炭素数2以上の脂肪族アシル基を有する混合脂肪酸セルロースエステルであって、総アシル基の平均置換度が2.0〜2.8、グルコース単位の6位のアシル基の平均置換度が0.50〜0.85であり、ポリメタクリル酸メチル換算の重量平均分子量が10×104〜30×104であるセルロースエステル。
  2. アセチル基の平均置換度が0.1〜1.5である請求項1記載のセルロースエステル。
  3. アセチル基と、プロピオニル基及びブチリル基から選択された少なくとも一方の基との割合が、前者/後者=2/98〜60/40(モル比)である請求項1記載のセルロースエステル。
  4. 総アシル基の平均置換度が2.3〜2.8であり、アセチル基と、プロピオニル基及びブチリル基から選択された少なくとも一方の基との割合が、前者/後者=2/98〜40/60(モル比)である請求項1記載のセルロースエステル。
  5. ポリメタクリル酸メチル換算の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比で表される分散度(Mw/Mn)が2.5〜8である請求項4記載のセルロースエステル。
  6. ゲルパーミエーションクロマトグラフィによる分子量の測定において、重量平均分子量Mwよりも重量基準の極大分子量Mp及び数平均分子量Mnが小さく、Mp/Mn>2である請求項5記載のセルロースエステル。
  7. 炭素数2以上の2種類の脂肪族アシル基を有する混合脂肪酸セルロースエステルであって、高速液体クロマトグラフィーで測定される組成分布半値幅が、置換度単位で1以下である請求項6記載のセルロースエステル。
  8. 組成分布半値幅が、置換度単位で0.75以下である請求項7記載のセルロースエステル。
  9. 固有複屈折率△n0が0〜0.08である請求項1記載のセルロースエステル。
  10. 請求項1〜9のいずれかの項に記載のセルロースエステルで構成されているセルロースエステルフィルム。
  11. 少なくとも一方の方向に延伸されている請求項10記載のセルロースエステルフィルム。
  12. 溶融押出成形され、かつ少なくとも一方に延伸されている請求項10記載のセルロースエステルフィルム。
  13. 液晶表示装置用光学補償フィルム又は偏光板の保護フィルムである請求項10記載のセルロースエステルフィルム。
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