JP2003105129A - セルロースアシレートフイルムおよびその製造方法 - Google Patents

セルロースアシレートフイルムおよびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 面状、更には耐湿性(含水率)、フイル
ム強度の優れたセルロースアシレートフイルムを得る。 【解決手段】 少なくとも二種類のセルロースアシレー
トの混合物からなるセルロースアシレートフイルムにお
いて、全アシル置換度が2.70乃至2.90であり、
炭素原子数3乃至22のアシル基の置換度が0.40乃
至2.50であり、そして6位のアシル置換度が0.9
0未満であるセルロースアシレートAと、全アシル置換
度が2.75乃至2.90であり、炭素原子数3乃至2
2のアシル基の置換度が0.00乃至0.40であり、
そして6位のアシル置換度が0.90以上であるセルロ
ースアシレートBとの混合物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアシレ
ートフイルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアシレートフイルムは、その
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアシレートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアシレ
ートフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡
大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示
装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイ
ルムおよびカラーフィルターが代表的である。
【0003】セルロースアシレートフイルムは、一般に
ソルベントキャスト法またはメルトキャスト法により製
造する。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレ
ートを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を支持体上に流
延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。メルトキ
ャスト法では、セルロースアシレートを加熱により溶融
したものを支持体上に流延し、冷却してフイルムを形成
する。ソルベントキャスト法の方が、メルトキャスト法
よりも平面性の高い良好なフイルムを製造することがで
きる。このため、実用的には、ソルベントキャスト法の
方が普通に採用されている。ソルベントキャスト法につ
いては、多くの文献に記載がある。最近のソルベントキ
ャスト法では、ドープを支持体上へ流延してから、支持
体上の成形フイルムを剥離するまでに要する時間を短縮
して、製膜工程の生産性を向上させることが課題になっ
ている。例えば、特公平5−17844号公報には、高
濃度ドープを冷却ドラム上に流延することにより、流延
後、剥ぎ取りまでの時間を短縮することが提案されてい
る。
【0004】ソルベントキャスト法に用いる溶媒は、単
にセルロースアシレートを溶解することだけでなく、様
々な条件が要求される。平面性に優れ、厚みの均一なフ
イルムを、経済的に効率よく製造するためには、適度な
粘度とポリマー濃度を有する保存安定性に優れた溶液
(ドープ)を調製する必要がある。ドープについては、
ゲル化が容易であることや支持体からの剥離が容易であ
ることも要求される。そのようなドープを調製するため
は、溶媒の種類の選択が極めて重要である。溶媒につい
ては、蒸発が容易で、フイルム中の残留量が少ないこと
も要求される。セルロースアシレートの溶媒として様々
な有機溶媒が提案されている。実用化されている有機溶
媒としては実質的にはメチレンクロリドに限定される
が、メチレンクロリドはその環境適性、沸点等の問題を
有しておりその代替となるような溶媒の探索が行なわれ
ている。
【0005】J.M.G.Cowie他の論文(Makrom
ol,chem.143巻、105頁(1971年))においては、置換度
2.80から置換度2.90のセルロースアシレート
を、アセトン中で−80℃から−70℃に冷却した後、
加温することにより、アセトン中にセルロースアシレー
トが0.5乃至5質量%に溶解している希薄溶液が得ら
れたことが報告されている(ただし、ここでのアシル基
はアセチル基に限定されている)。以下、このように、
セルロースアシレートと有機溶媒との混合物を冷却し
て、溶液を得る方法を「冷却溶解法」と称する。また、
セルロースアシレートのアセトン中への溶解について
は、上出健二他の論文「三酢酸セルロースのアセトン溶
液からの乾式紡糸」、繊維機械学会誌、34巻、57頁
(1981年)にも記載がある。この論文は、その標題
のように、冷却溶解法を紡糸方法の技術分野に適用した
ものである。論文では、得られる繊維の力学的性質、染
色性や繊維の断面形状に留意しながら、冷却溶解法を検
討している。この論文では、繊維の紡糸のために10乃
至25質量%の濃度を有するセルロースアセテートの溶
液を用いている。また、上記冷却溶解以外にも、混合物
を高温、高圧条件下で溶解させる「高温溶解法」が提案
されている。
【0006】このようにして、様々な溶媒に溶解された
セルロースアシレート溶液(ドープ)を金属支持体上に
流延し、該支持体からフイルムを剥離、乾燥する流延法
においては、平滑な面状のフイルムを製造するためにド
ープ粘度が低いことが重要な要因である。現実にはフイ
ルムの乾燥時間を短縮するために濃度を低下させずに低
粘度のドープを作製することが必要であり、そのため発
明者らはセルロースアシレートのアシル置換度を小さく
することで対策を試みてきた。しかしながら、該アシル
置換度を低下させることにより、セルロースアシレート
の親水基が大きくなりフイルムの含水率が悪化するとい
う問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、経時
安定性にすぐれ、実用可能なドープ濃度領域において溶
剤への溶解性に優れ、粘度の低いセルロースアシレート
溶液から製造することができ、面状、更には耐湿性(含
水率)、フイルム強度の優れたセルロースアシレートフ
イルムを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(10)のセルロースアシレートフイルムによ
り達成された。 (1)少なくとも二種類のセルロースアシレートの混合
物からなるセルロースアシレートフイルムであって、混
合物が、全アシル置換度が2.70乃至2.90であ
り、炭素原子数3乃至22のアシル基の置換度が0.4
0乃至2.50であり、そして6位のアシル置換度が
0.90未満であるセルロースアシレートAと、全アシ
ル置換度が2.75乃至2.90であり、炭素原子数3
乃至22のアシル基の置換度が0.00乃至0.40で
あり、そして6位のアシル置換度が0.90以上である
セルロースアシレートBとを含むことを特徴とするセル
ロースアシレートフイルム。
【0009】(2)セルロースアシレートAとセルロー
スアシレートBとの質量比が、98:2乃至2:98の
範囲にある(1)に記載のセルロースアシレートフイル
ム。 (3)セルロースアシレートAが有する炭素原子数3乃
至22のアシル基において、炭素原子数と置換度との積
が1.50乃至7.50の範囲にある(1)に記載のセ
ルロースアシレートフイルム。 (4)セルロースアシレートAが有する炭素原子数3乃
至22のアシル基が、プロピオニル基またはブチリル基
である(1)に記載のセルロースアシレートフイルム。 (5)セルロースアシレートBが、セルロースアセテー
トである請求項1に記載のセルロースアシレートフイル
ム。
【0010】(6)ソルベントキャスト法により製造し
た(1)に記載のセルロースアシレートフイルム。 (7)ソルベントキャスト法に用いる溶媒が、実質的に
非塩素系溶剤からなる(6)に記載のセルロースアシレ
ートフイルム。 (8)共流延法により少なくとも二層を流延製膜する
(6)に記載のセルロースアシレートフイルム。 (9)外部層が内部層よりも乾燥膜厚が小さい(8)に
記載のセルロースアシレートフイルム。 (10)偏光板保護膜用である(1)に記載のセルロー
スアシレートフイルム。
【0011】
【発明の実施の形態】セルロースアシレート原料綿につ
いては、発明協会公開技報2001−1745、7頁右
段の26行目以降の「4.セルロースアシレート原料
綿」に記載がある。
【0012】セルロースアシレートの合成方法の基本的
な原理は、右田他、木材化学180〜190頁(共立出
版、1968年)または丸澤他、繊維素系樹脂55〜1
07頁(日刊工業新聞社、1970年)に記載されてい
る。代表的な合成方法は、無水酢酸−酢酸−(プロピオ
ニル基の場合は無水酢酸−プロピオン酸−および無水プ
ロピオン酸−酢酸−、ブチリル基の場合は無水酢酸−酪
酸−および無水酢酪酸−または無水酢酸−無水酪酸−)
−硫酸触媒による液相酢化法である。具体的には、木材
パルプ等のセルロース原料を適当量の有機酸で前処理し
た後、予め冷却したアシル化混液に投入してエステル化
し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位
のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。
上記アシル化混液は、一般に、溶媒としての有機酸、エ
ステル化剤としての無水有機酸および触媒としての硫酸
を含む。無水有機酸は、これと反応するセルロースおよ
び系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰
量で使用することが普通である。アシル化反応終了後
に、系内に残存している過剰の無水有機酸の加水分解お
よびエステル化触媒の一部の中和のために、中和剤(例
えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムま
たは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液を添
加する。次に、得られた完全セルロースアシレートを少
量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存在下
で、50〜90℃に保つことにより、ケン化熟成し、所
望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシ
レートまで変化させる。所望のセルロースアシレートが
得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のよう
な中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは、中和す
ることなく、水または希硫酸中にセルロースアシレート
溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中
に、水または希硫酸を投入)してセルロースアシレート
を分離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシ
レートを得る。
【0013】セルロースアシレート溶液のアシル基とし
ては、脂肪酸基でもアリル基でも特に限定されない。そ
れらは、例えばセルロースのアルキルカルボニルエステ
ル、アルケニルカルボニルエステルあるいは芳香族カル
ボニルエステル等であり、それぞれ/さらに置換された
基を有しても良く、炭素原子数3以上22以下のエステ
ル基であることが好ましい。これらのセルロースアセテ
ートのアシル基の例としては、炭素原子数3以上22以
下のアシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、
ブチリル基、バレリル基、パルミトイル基など)、アリ
ールカルボニル基(例えば、アクリル基、メタクリル基
など)、アリルカルボニル基(例えば、ベンゾイル基、
ナフタロイル基など)、シンナモイル基を挙げることも
できる。アシル基の炭素原子数が多くなるに従い、作製
したフイルム強度(引き裂き荷重)が低下するため、実
質的には炭素原子数3以上22以下のアシル基に関し
て、炭素原子数と置換度の積の総和を1.5乃至7.5
とすることが好ましい。実際のセルロースアシレートの
アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、ブチ
リル基のいずれかが好ましく、具体的なセルロースアシ
レートとしては、セルロースアセテート、セルロースア
セテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレ
ートなどであることが好ましい。また、この場合、混合
エステルの場合はその比率は特には限定されない。
【0014】次に、発明協会公開技報2001−174
5に記載されている、6位酢化度を特異的に高めたセル
ロースアシレートについて記述する。通常のセルロース
アシレートの合成方法では、2位または3位のアシル置
換度の方が、6位のアシル置換度よりも高い値になる。
6位酢化度を特異的に高めたセルロースアシレートと
は、2位、3位に対して6位のアシル置換度が高いもの
を意味する。該セルロースアシレートの具体的な合成条
件としては、通常のセルロースアシレートのアシル化の
工程において硫酸等の酸触媒の量を減らし、アシル化反
応の時間を長くすることが好ましい。硫酸触媒が多い
と、アシル化反応の進行が速くなるが、触媒量に応じて
セルロースとの間に硫酸エステルが生成し、反応終了時
に遊離して残存水酸基を生じる。硫酸エステルは、反応
性が高い6位により多く生成する。そのため、硫酸触媒
が多いと6位のアシル置換度が小さくなる。従って、そ
の合成には、可能な限り硫酸触媒の量を削減し、それに
より低下した反応速度を補うため、反応時間を延長する
必要がある。
【0015】次に、セルロースアシレートの置換度につ
いて記載する。セルロースを構成するβ−1,4結合し
ているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離
の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これ
らの水酸基の一部または全部を炭素原子数2以上のアシ
ル基(例えば、酢酸、プロピオン酸または酪酸等)によ
りエステル化したポリマーである。アシル置換度は、2
位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースが
エステル化している割合(100%のエステル化は、
1.00)を意味する。一般に、アシル基がアセチル基
よりなる場合はフイルムが吸湿しやすくなり、加水分解
を受けやすくなるためフイルムの耐久性が低下し易くな
る。さらには湿度等による寸法変化も大きくなる。この
対策として、アシル基の炭素原子数を増加させることに
より、フイルムは吸湿し難くなり、寸度変化および耐久
性が良化することがわかっている。しかし、アシル基の
炭素原子数が3を超えると有機性は高くなるため、ドー
プ粘度が上昇し白化も起こり易くなる傾向にあった。一
方で、セルロースアシレート溶液の粘度を低下させるた
めにはアシル置換度の低下が顕著な効果を示すことも判
明している。具体的には、全体のアシル置換度を2.8
0から2.70に低下させることで、約20〜50%の
低粘度化が可能であり、極めて有効な方策であるといえ
る。しかしながら、置換度を低下させることは、アシル
基をアセチル基に変換する場合と同様に、フイルムの吸
湿性、耐久性が悪化してしまうのが実情である。本発明
は、これらの状況を鑑みてなされたものであり、アシル
置換度、アシル置換基の種類、および後述する6位置換
度を制御したセルロースアシレートのブレンドにより、
ドープの低粘度化と、フイルムの吸湿性、耐久性を両立
する方法に関するものである。
【0016】ブレンドする2種類のセルロースアシレー
トについて更に詳述する。ブレンドは、全アシル置換度
の合計が2.70以上2.90以下であり、かつ炭素原
子数3以上22以下のアシル基の置換度が0.4以上
2.5以下であり、かつ6位のアシル置換度が0.90
未満であるセルロースアシレートAと、全アシル置換度
の合計が2.75以上2.90以下であり、かつ炭素原
子数3以上22以下のアシル基の置換度が0以上0.4
未満であり、かつ6位のアシル置換度が0.90以上で
あるセルロースアシレートBの比率を変えることでおこ
なうものである。セルロースアシレートAは、吸湿性が
低いが、粘度は通常のセルロースアシレートに比べて少
し高い特性を持つ。吸湿性が低いのは、アシル基の炭素
原子数が3以上であるため疎水性が高いためである。た
だし、ドープの粘度との関係から、炭素原子数3以上2
2以下のアシル基の炭素原子数と置換度の積の総和を
1.5乃至7.5とすることが好ましい。また、該アシ
ル基溶液の安定性を保つために、プロピオニル基および
/またはブチリル基であることが好ましい。セルロース
アシレートBは、溶液の粘度を低下させるために6位の
アシル置換度を高めたものである。6位の水酸基は、2
位、3位の水酸基と異なり、一級水酸基であるため、水
酸基の水素結合が極めて起こりやすい。従って6位のア
セチル置換度を0.90以上とすることにより、溶剤へ
の溶解性は著しく向上し、粘度が低下するために流延適
性上好ましいドープを得ることが可能となるためであ
る。ただし、6位のアシル置換度を高めるためには煩雑
な合成手法が必要であるため、合成適性等を考慮すると
6位置換度としては、0.90以上0.99以下が好ま
しく、さらに粘度等の観点から0.92以上0.98以
下がさらに好ましい。なお、セルロースアシレートAの
6位アシル化度は0.90未満であることが、溶液の安
定性上必要である。一方、セルロースアシレートBの炭
素原子数3乃至22のアシル置換度は、0.40未満で
あることが、溶液の低粘化のために不可欠である。
【0017】本発明において、セルロースアシレートA
とセルロースアシレートBとのブレンド比は、必要とす
るフイルムの面状およびフイルムの含水率によって、質
量比で98:2乃至2:98の範囲にあることが好まし
い。含水率を低下させるためにはセルロースアシレート
Aを多くブレンドし、フイルムの面状を改良するために
はセルロースアシレートBを多くブレンドすることが必
要である。
【0018】本発明では、ソルベントキャスト法により
セルロースアシレートフイルムを製造することが好まし
く、セルロースアシレートドープを用いてフイルムは製
造される。用いられる有機溶媒は特に限定されないが、
ケトン、エステルを混合したものであり、その溶解度パ
ラメータが19乃至21の溶剤が好ましく用いられる。
これらのエステル類、ケトン類は環状構造を有していて
もよく、2種類以上の官能基を有するものでもよい。
【0019】エステルの例には、蟻酸メチル、蟻酸エチ
ル、蟻酸プロピル、酢酸メチル、酢酸エチルが含まれ
る。酢酸メチルが特に好ましい。ケトンの例には、アセ
トン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン
が含まれる。アセトン、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノンが特に好ましい。
【0020】地球環境や作業環境の観点では、有機溶媒
は塩素系溶剤を実質的に含まないものであることが好ま
しい。「実質的に含まない」とは、有機溶媒中の塩素系
溶剤の割合が10質量%未満であり、好ましくは5質量
%未満、より好ましくは3質量%未満であることを意味
する。また、製造したセルロースアシレートフイルムか
ら、メチレンクロリドのような塩素系溶剤が全く検出さ
れないことが好ましい。
【0021】アルコールの例には、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタ
ノール、2−ブタノールおよびシクロヘキサノール、2
−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタ
ノールが含まれる。メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノール、1−ブタノールが特に好
ましい。
【0022】エステルは全溶剤の40〜95質量%含ま
れることが好ましく、50〜80質量%含まれることが
さらに好ましい。ケトンは全溶剤の5〜50質量%含ま
れることが好ましく、10〜40質量%含まれることが
さらに好ましい。ケトンおよびエステルの合計量は、全
溶媒の70質量%以上であることが好ましい。また、ア
ルコールは、全溶剤の2〜30質量%含まれることが好
ましい。
【0023】溶媒の組み合わせの具体例は、発明協会公
開技報2001−1745、15頁右段の1行目から1
6頁左段の8行目に記載がある。
【0024】セルロースアシレート溶液を作製するに
は、室温下でタンク中の溶剤を撹拌しながら上記セルロ
ースアシレートを添加することで、まず溶剤への膨潤を
行う。その際の膨潤時間は、10分以上が好ましい。1
0分以下では不溶解物が残存しやすいからである。ま
た、セルロースアシレートを十分膨潤させるためには、
溶剤の温度は0から40℃が好ましい。0℃以下では膨
潤速度が低下し不溶解物が残存する傾向にあり、40℃
以上では膨潤が急激に起こるために中心部分が十分膨潤
しないからである。膨潤工程の後にセルロースアシレー
トを溶解するには、冷却溶解法、高温溶解法のいずれ
か、あるいは両方を用いることが好ましい。これらは溶
剤とセルロースアシレートの混合物を、−80〜−10
℃、又は80〜220℃の温度に曝して溶解するもので
あり、冷却溶解法、高温溶解法に関する具体的な方法と
しては、発明協会公開技報2001−1745、24頁
左段の15行目から25頁左段の9行目の(冷却溶解
法)、(高温溶解法)に記載のものを挙げることができ
る。
【0025】上記で得られたドープのセルロースアシレ
ートは、場合により、更に溶解し易くするために低い濃
度で溶解してから、しかる後に濃縮手段を用いて濃縮し
てもよい。具体的な方法としては、発明協会公開技報2
001−1745、25頁左段の10行目から同28行
目の(溶液濃縮)に記載のものを挙げることができる。
【0026】溶液は、流延に先だって金網、紙やネルな
どの適当な濾材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物など
の異物を濾過除去しておくのが好ましい。具体的な方法
としては、発明協会公開技報2001−1745、25
頁左段の29行目から右段の33行目の(ろ過)に記載
のものを挙げることができる。
【0027】セルロースアシレート溶液には、各調製工
程において、用途に応じた種々の添加剤を加えることが
できる。それらの添加剤は、可塑剤、紫外線防止剤や劣
化防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル
禁止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)、更には
剥離剤、微粒子等である。具体的には、セルロースアシ
レート溶液が、25℃において少なくとも一種の溶液又
は固体の可塑剤をセルロースアシレートに対して0.1
以上20質量%以下含有していること、および/または
少なくとも一種の液体または固体の紫外線吸収剤をセル
ロースアシレートに対して0.001以上5質量%以下
含有していること、および/または少なくとも一種の微
粒子粉体をセルロースアシレートに対して0.001以
上5質量%含有していること、および/または少なくと
も一種のフッ素系界面活性剤をセルロースアシレートに
対して0.001以上2質量%含有していること、およ
び/または少なくとも一種の離型剤をセルロースアシレ
ートに対して0.0001以上2質量%以下含有してい
ること、および/または少なくとも一種の劣化防止剤を
セルロースアシレートに対して0.0001以上2質量
%以下含有していること、および/または少なくとも一
種の光学異方性コントロール剤をセルロースアシレート
に対して0.1以上15質量%以下含有していること、
および/または少なくとも一種の赤外線吸収剤をセルロ
ースアシレートに対して0.1以上5質量%以下含有し
ていること、および/または少なくとも一種の固体でそ
の平均粒径が5以上3000nmである微粒子マット剤
をセルロースアシレートに対して0.001以上1質量
%以下含有していることが好ましい。更に詳細は、発明
協会公開技報2001−1745号、16頁左段の28
行目から22頁右段の下から5行目までに記載のものを
挙げることができる。
【0028】セルロースアシレート溶液を用いたフイル
ムの製造方法について述べる。セルロースアシレートフ
イルムを製造する方法及び設備は、従来よりセルロース
トリアセテートフイルムの製造に供する溶液流延製膜方
法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解タンク
(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶
液)をストックタンクで一旦貯蔵し、ドープに含まれて
いる泡を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出
口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる
加圧型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドー
プを加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走
行している流延部の金属支持体の上に均一に流延され、
金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜
(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られ
るウェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテン
ターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬
送し乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取
る。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはそ
の目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子
ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法
においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防
止層、ハレーション防止層、保護層等のフイルムへの表
面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。
【0029】本発明では、得られたセルロースアシレー
ト溶液を、金属支持体としての平滑なバンド上或いはド
ラム上に単層または二層以上の複数のセルロースアシレ
ート液を流延することができる。例えば、複数のセルロ
ースアシレート溶液を流延する場合、金属支持体の進行
方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロース
アシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させな
がらフイルムを作製してもよく、例えば特開平11−1
98285号公報などに記載の方法が適応できる。ま
た、二つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延
することによってフイルム化する方法が挙げられ、特開
平6−134933号公報に記載の方法で実施できる。
また、特開昭56−162617号公報に記載の高粘度
セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロース
アシレート溶液で包み込み、その高、低粘度のセルロー
スアシレート溶液を同時に押出すセルロースアシレート
フイルム流延方法でもよい。このような共流延を行なう
ことにより、前述の様に表面の乾燥における平滑化が進
行するため、面状の大幅な改良が期待できる。共流延の
場合の各層の厚さは特に限定されないが、外部層が内部
層より乾燥膜厚が小さいことが好ましい。その際の外部
層の乾燥膜厚は、1〜50μmが好ましく、より好まし
くは1〜30μmであり、特に好ましくは1〜20μm
である。ここで、外部層とは、二層の場合はバンド面
(ドラム面)ではない面、三層以上の場合は完成したフ
イルムの両表面側の層を示す。内部層とは、二層の場合
はバンド面(ドラム面)、三層以上の場合は外部層より
内側に有る層を示す。さらに、セルロースアシレート溶
液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止
層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層など)
と同時に流延することもできる。
【0030】本発明のセルロースアシレートフイルムの
製造に係わる金属支持体上におけるドープの乾燥は、乾
燥工程における乾燥温度は30〜250℃、特に40〜
180℃が好ましく、特公平5−17844号公報に記
載がある。更には、積極的に幅方向に延伸する方法もあ
り、本発明では、例えば、特開昭62−115035
号、特開平4−152125号、同4−284211
号、同4−298310号、および同11−48271
号の各公報などに記載されている。フイルムの延伸は、
一軸延伸でもよく二軸延伸でもよい。フイルムの延伸倍
率(元の長さに対する延伸による増加分の比率)は、1
0〜30%であることが好ましい。
【0031】乾燥後のセルロースアシレートフイルムの
厚さは、使用目的によって異なるが、通常5〜500μ
mの範囲であり、更に20〜250μmの範囲が好まし
く、特に30〜180μmの範囲が最も好ましい。な
お、光学用途としては30〜110μmの範囲が特に好
ましい。フイルム厚さの調製は、所望の厚さになるよう
に、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリ
ット間隙、ダイからの押し出し圧力、金属支持体速度等
を調節すればよい。
【0032】ここで場合により、セルロースアシレート
フイルムの表面処理を行うことによって、セルロースア
シレートフイルムと各機能層(例えば、下塗層およびバ
ック層)との接着の向上を達成することができる。具体
的には、発明協会公開技報2001−1745、32頁
左段の16行目から32頁右段の42行目に記載のもの
を挙げることができる。
【0033】用途によっては、セルロースアシレートフ
イルムの少なくとも一層に帯電防止層を設けたり、偏光
子と接着するための親水性バインダー層が設けられるこ
とが好ましい。具体的には、発明協会公開技報2001
−1745、32頁右段の下から12行目から45頁左
段の下から3行目に記載の層を設けることができる。
【0034】セルロースアシレート溶液からなるセルロ
ースアシレートフイルムは、様々な用途で用いることが
できる。具体的には、発明協会公開技報2001−17
45、45頁右段の下から5行目以降に記載されている
「14.用途」の項目を挙げることができる。
【0035】
【実施例】各実施例において、セルロースアシレート、
溶液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、
以下のように測定および算出した。
【0036】(1)セルロースアシレートのアシル基の
種類、およびその置換度 ASTM D817に従って算出した。ただし、アシル
基の種類が3種類以上の時には同試験法に従い、水、酢
酸ブチルに加えて酢酸ペンチルで同様に求めた分配係数
を用いることで各アシル基を分別定量した。なお、アシ
ル基が4種類以上の場合には分配係数を求める適当な溶
媒(例えば、プロピオン酸ブチル、酪酸ペンチルなど)
を選択して同様の測定をすることで各アシル基の置換度
を求めた。
【0037】(2)セルロースアシレートの粘度平均重
合度(DP) 絶乾したセルロースアシレート約0.2gを精秤し、メ
チレンクロリド:エタノール=9:1(質量比)の混合
溶剤100mlに溶解した。これをオストワルド粘度計
にて25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式によ
り求めた。 ηrel =T/T0 T: 測定試料の落下秒数 [η]=(1nηrel)/C T0:溶剤単独の落下秒数 DP=[η]/Km C: 濃度(g/l) Km:6×10-4
【0038】(3)溶液の粘度 得られたセルロースアシレート溶液を、Rheomet
er(TA Instruments社製)にて40℃における粘度を
測定した。
【0039】(4)フイルム面状 フイルムを目視で観察し、その面状を以下の如く評価し
た。 A:フイルム表面は平滑であり、きわめて面状が良好で
ある。 B:フイルム表面は平滑であるが、まれに凹凸が認めら
れる。 C:フイルム表面は平滑であるが、弱い凹凸が比較的多
数見られる。 D:フイルム全面に弱い凹凸が認められる。 E:フイルムに強い凹凸が見られ、異物が見られる。
【0040】(5)フイルムのヘイズ ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を
用いて測定した。
【0041】(6)フイルムの含水率 1cm×4cmに切り出した試料を、25℃×60%の
雰囲気に120分以上調湿した後に、微量水分測定装置
(CA−03型)、水分気化装置(VA−05型(共
に、三菱化成工業(株)製)を用いて測定した。
【0042】[実施例1] (1−1)セルロースアシレート溶液の作製 下記の2種の溶解方法にて、セルロースアシレート溶液
を作製した。溶液濃度は、質量濃度で全て19.0%と
した。各本発明および比較例の詳細な溶剤組成について
は、第1表に記載した。なお、セルロースアシレートに
対して、それぞれ可塑剤A(ジトリメチロールプロパン
テトラアセテート)を6質量%、可塑剤B(トリフェニ
ルフォスフェート)を6質量%、UV剤a(2,4−ビ
ス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−ト
リアジン)を1質量%、UV剤b(2(2’−ヒドロキ
シ−3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−ク
ロルベンゾトリアゾール)を1質量%、UV剤c(2
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフ
ェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール)を1質量
%、微粒子(二酸化ケイ素(粒径20nm)、モース硬
度 約7)を0.25質量%、クエン酸モノエチルエス
テルを0.2質量%添加した。また、本発明における共
流延の内部層、外部層を形成する液としては同一のセル
ロースアシレート溶液を用い、液量調整により乾燥膜厚
を制御した。
【0043】(1−1a)冷却溶解(第1表に「冷却」
と記載) 溶剤中に、よく攪拌しつつ第1表に記載のセルロースア
シレートを徐々に添加し、室温(25℃)にて2時間放
置し膨潤させた。得られた膨潤混合物をゆっくり撹拌し
ながら、−8℃/分で−30℃まで冷却、その後第1表
に記載の温度まで冷却し6時間経過した後、+8℃/分
で昇温し内容物のゾル化がある程度進んだ段階で、内容
物の撹拌を開始した。50℃まで加温しドープを得た。
【0044】(1−1b)高圧高温溶解(第1表に「高
温」と記載) 溶剤中に、よく攪拌しつつ第1表に記載のセルロースア
シレートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放
置し膨潤させた。得られた膨潤混合物を、二重構造のス
テンレス製密閉容器に入れた。容器の外側のジャケット
に高圧水蒸気を通すことで+8℃/分で加温し1Mpa
下、第1表に記載の温度で5分間保持した。この後外側
のジャケットに50℃の水を通し−8℃/分で50℃ま
で冷却し、ドープを得た。
【0045】(1−2)セルロースアシレート溶液の濾
過 次に得られたドープを50℃にて、絶対濾過精度0.0
1mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で濾過し、
さらに絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社
製、FH025)にて濾過した。
【0046】(1−3)(1−2)の溶液を特開昭56
−162617号公報に記載の流延機を用いて流延し、
120℃の環境下で30分乾燥して溶剤を蒸発させセル
ロースアシレートフイルムを得た。層構成は単層、二層
または三層であり、二層ではバンド面から内部層/外部
層の構成、三層では外部層/内部層/外部層のサンドイ
ッチ型構成であった。なお、単層および二層構成のフイ
ルムは、一方あるいは両方の外部層の流量をゼロとする
ことにより行った。詳細は第1表に示した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】(1−3)結果 得られたセルロースアシレートの溶液およびフイルムを
上述の項目に従って評価した結果を第2表に示す。本発
明に従って得られたセルロースアシレート溶液およびフ
イルムは、その溶液安定性、フイルムの機械物性、光学
物性において特に問題は認められなかった。一方、比較
例では得られたフイルムの面状に問題が認められるか、
含水率が高い傾向があり、面状と低含水率が両立できた
ものはなかった。
【0050】また、これらのフイルムを、製膜工程中の
乾燥工程中にオンラインで、あるいはその後オフライン
で130℃にて10%〜30%のMDおよびTD延伸を
行った。これらは、延伸倍率に比例し40nm〜160
nmにレターデーションを増加させることができた。こ
のようにして得たセルロースアシレートフイルムを、特
開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表
示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載
のディスコティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポ
リビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−
154261号公報の図2〜9に記載のVA型液晶表示
装置、特開2000−154261号公報の図10〜1
5に記載のOCB型液晶表示装置に用いたところ良好な
性能が得られた。さらに、特開昭54−016575号
公報に記載の偏光板保護フイルムとして用いたところ、
良好な性能が得られた。
【0051】
【表3】
【0052】
【発明の効果】全アシル置換度の合計が2.70以上
2.90以下であり、かつ炭素原子数3以上22以下の
アシル基の置換度が0.4以上2.5以下であり、かつ
6位のアシル置換度が0.90未満であるセルロースア
シレートと、全アシル置換度の合計が2.75以上2.
90以下であり、かつ炭素原子数3以上22以下のアシ
ル基の置換度が0以上0.4未満であり、かつ6位のア
シル置換度が0.90以上であるセルロースアシレート
とのブレンドから実質的に構成されるセルロースアシレ
ートの溶液により、低粘度のセルロースアシレート溶液
を得るとともに、フイルムの面状、耐湿性(含水率)、
フイルム強度の優れたセルロースアシレートフイルムを
製造した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 1:00 B29K 1:00 B29L 7:00 B29L 7:00 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA06 BA42 BB20 BB33 BC03 BC22 2H091 FA08X FA08Z FB02 GA16 LA12 4F071 AA09 AA78 AB26 AC10 AC15 AC19 AH19 BA02 BB02 BC01 BC10 4F205 AA01 AG01 GA07 GB02 GC02 GC07 GE24 4J002 AB02W AB02X FD010 FD020 FD050

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも二種類のセルロースアシレー
    トの混合物からなるセルロースアシレートフイルムであ
    って、混合物が、全アシル置換度が2.70乃至2.9
    0であり、炭素原子数3乃至22のアシル基の置換度が
    0.40乃至2.50であり、そして6位のアシル置換
    度が0.90未満であるセルロースアシレートAと、全
    アシル置換度が2.75乃至2.90であり、炭素原子
    数3乃至22のアシル基の置換度が0.00乃至0.4
    0であり、そして6位のアシル置換度が0.90以上で
    あるセルロースアシレートBとを含むことを特徴とする
    セルロースアシレートフイルム。
  2. 【請求項2】 セルロースアシレートAとセルロースア
    シレートBとの質量比が、98:2乃至2:98の範囲
    にある請求項1に記載のセルロースアシレートフイル
    ム。
  3. 【請求項3】 セルロースアシレートAが有する炭素原
    子数3乃至22のアシル基において、炭素原子数と置換
    度との積が1.50乃至7.50の範囲にある請求項1
    に記載のセルロースアシレートフイルム。
  4. 【請求項4】 セルロースアシレートAが有する炭素原
    子数3乃至22のアシル基が、プロピオニル基またはブ
    チリル基である請求項1に記載のセルロースアシレート
    フイルム。
  5. 【請求項5】 セルロースアシレートBが、セルロース
    アセテートである請求項1に記載のセルロースアシレー
    トフイルム。
  6. 【請求項6】 偏光板保護膜用である請求項1に記載の
    セルロースアシレートフイルム。
  7. 【請求項7】 全アシル置換度が2.70乃至2.90
    であり、炭素原子数3乃至22のアシル基の置換度が
    0.40乃至2.50であり、そして6位のアシル置換
    度が0.90未満であるセルロースアシレートAと、全
    アシル置換度が2.75乃至2.90であり、炭素原子
    数3乃至22のアシル基の置換度が0.00乃至0.4
    0であり、そして6位のアシル置換度が0.90以上で
    あるセルロースアシレートBとが有機溶媒中に溶解して
    いるセルロースアシレート溶液を支持体上に流延してセ
    ルロースアシレートフイルムを製造するセルロースアシ
    レートフイルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 有機溶媒が、実質的に非塩素系溶剤から
    なる請求項7に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 共流延法により少なくとも二層を流延製
    膜する請求項8に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 外部層が内部層よりも乾燥膜厚が小さ
    い請求項9に記載の製造方法。
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