JP2002179838A - セルロースアシレート溶液およびセルロースアシレートフイルムの製造方法 - Google Patents

セルロースアシレート溶液およびセルロースアシレートフイルムの製造方法

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JP2002179838A JP2000377310A JP2000377310A JP2002179838A JP 2002179838 A JP2002179838 A JP 2002179838A JP 2000377310 A JP2000377310 A JP 2000377310A JP 2000377310 A JP2000377310 A JP 2000377310A JP 2002179838 A JP2002179838 A JP 2002179838A
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cellulose acylate
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司 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メチレンクロリドのような塩素系溶剤系有機
溶剤を使用せずに、経時安定性に優れたセルロースアシ
レート溶液を得る。 【解決手段】 セルロースアシレートが実質的に非塩素
系の溶剤に溶解しているセルロースアシレート溶液にお
いて、実質的に非塩素系の溶剤として、溶解度パラメー
ターが19乃至21であるケトンと溶解度パラメーター
が19乃至21であるエステルとの混合溶剤を使用し、
水溶液中での酸解離指数が1.93乃至4.50である
酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属
塩を添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアシレ
ートフイルム溶液およびセルロースアシレートフイルム
に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアシレートフイルムは、その
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアシレートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアシレ
ートフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡
大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示
装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイ
ルムおよびカラーフィルターが代表的である。
【0003】セルロースアシレートフイルムは、一般に
ソルベントキャスト法またはメルトキャスト法により製
造する。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレ
ートを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を支持体上に流
延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。メルトキ
ャスト法では、セルロースアシレートを加熱により溶融
したものを支持体上に流延し、冷却してフイルムを形成
する。ソルベントキャスト法の方が、メルトキャスト法
よりも平面性の高い良好なフイルムを製造することがで
きる。このため、実用的には、ソルベントキャスト法の
方が普通に採用されている。ソルベントキャスト法につ
いては、多くの文献に記載がある。最近のソルベントキ
ャスト法では、ドープを支持体上へ流延してから、支持
体上の成形フイルムを剥離するまでに要する時間を短縮
して、製膜工程の生産性を向上させることが課題になっ
ている。例えば、特公平5−17844号公報には、高
濃度ドープを冷却ドラム上に流延することにより、流延
後、剥ぎ取りまでの時間を短縮することが提案されてい
る。
【0004】ソルベントキャスト法に用いる溶媒は、単
にセルロースアシレートを溶解することだけでなく、様
々な条件が要求される。平面性に優れ、厚みの均一なフ
イルムを、経済的に効率よく製造するためには、適度な
粘度とポリマー濃度を有する保存安定性に優れた溶液
(ドープ)を調製する必要がある。ドープについては、
ゲル化が容易であることや支持体からの剥離が容易であ
ることも要求される。そのようなドープを調製するため
は、溶媒の種類の選択が極めて重要である。溶媒につい
ては、蒸発が容易で、フイルム中の残留量が少ないこと
も要求される。セルロースアシレートの溶媒として、様
々な有機溶媒が提案されているが、実用化されている有
機溶媒は、実質的にはメチレンクロリドに限られてい
た。
【0005】しかしながら、メチレンクロリドのような
塩素系溶剤は、近年、地球環境保護の観点から、その使
用は著しく規制される方向にある。また、メチレンクロ
リドは、低沸点(41℃)であるため、製造工程におい
て揮散しやすい。このため、作業環境においても問題で
ある。これらの問題を防止するため、製造工程のクロー
ズド化が行なわれているが、密閉するにしても技術的な
限界がある。従って、メチレンクロリドの代替となるよ
うな、セルロースアシレートの溶媒を捜し求めることが
急務となっている。
【0006】ところで、汎用の有機溶剤であるアセトン
(沸点:56℃)は、比較的低い沸点を有し、乾燥負荷
がそれほど大きくない。また、人体や地球環境に対して
も、塩素系有機溶剤に比べて問題が少ない。しかし、ア
セトンは、セルロースアシレートに対する溶解性が低
い。置換度2.70(酢化度58.8%)以下のセルロ
ースアセテートに対しては、アセトンは若干の溶解性を
示す。セルロースアシレートの置換度が2.70を越え
ると、アセトンの溶解性がさらに低下する。置換度2.
80(酢化度60.1%)以上のセルロースアシレート
となると、アセトンは膨潤作用を示すのみで溶解性を示
さない。
【0007】J.M.G.Cowie他の論文、Mak
romol,chem.,143巻、105頁(197
1年)は、置換度2.80から置換度2.90のセルロ
ースアシレートを、アセトン中で−80℃から−70℃
に冷却した後、加温することにより、アセトン中にセル
ロースアシレートが0.5乃至5質量%に溶解している
希薄溶液が得られたことを報告している(ただし、ここ
でのアシル基はアセチル基に限定されている)。以下、
このように、セルロースアシレートと有機溶媒との混合
物を冷却して、溶液を得る方法を「冷却溶解法」と称す
る。また、セルロースアシレートのアセトン中への溶解
については、上出健二他の論文「三酢酸セルロースのア
セトン溶液からの乾式紡糸」、繊維機械学会誌、34
巻、57頁(1981年)にも記載がある。この論文
は、その標題のように、冷却溶解法を紡糸方法の技術分
野に適用したものである。論文では、得られる繊維の力
学的性質、染色性や繊維の断面形状に留意しながら、冷
却溶解法を検討している。この論文では、繊維の紡糸の
ために10乃至25質量%の濃度を有するセルロースア
セテートの溶液を用いている。
【0008】ところでセルロースアシレートフイルム
は、前記のセルロースアシレート溶液(ドープ)を支持
体上に流延し、支持体からフイルムを剥離する流延法に
より製造されている。しかしながらこのように非塩素系
溶剤によってセルロースアシレートフイルムを作成する
場合、製造面で不利であることが明らかとなった。すな
わち、現在使われている塩素系溶剤のメチレンクロリド
に比べて、セルロースアシレートの溶解が可能な非塩素
系溶剤は沸点が高いため、溶剤の蒸発が遅く剥離可能と
なるまでの時間が長くかかる。メチレンクロリドを用い
た系と同一の乾燥時間で剥離を行うと、剥離荷重が大き
いうえに溶剤が残存しているため剥離によるフイルムの
変形がおこり、均一な面状のフイルムを得ることが困難
であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メチ
レンクロリドのような塩素系溶剤系有機溶剤を使用せず
に、経時安定性に優れたセルロースアシレート溶液を提
供することである。また本発明の目的は、メチレンクロ
リドのような塩素系溶剤系有機溶剤を使用せずに、製造
時の支持体からの剥離性を改良し、面状の優れたセルロ
ースアシレートフイルムを製造することでもある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
(1)〜(7)のセルロースアシレート溶液および下記
(8)〜(10)のセルロースアシレートフイルムによ
り達成された。 (1)セルロースアシレートが実質的に非塩素系の溶剤
に溶解しているセルロースアシレート溶液であって、実
質的に非塩素系の溶剤が、溶解度パラメーターが19乃
至21であるケトンと溶解度パラメーターが19乃至2
1であるエステルとの混合溶剤であり、水溶液中での酸
解離指数が1.93乃至4.50である酸あるいはその
アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含むことを
特徴とするセルロースアシレート溶液。
【0011】(2)実質的に非塩素系の溶剤が、さらに
2乃至30質量%のアルコールを含む(1)に記載のセ
ルロースアシレート溶液。 (3)ケトンが、アセトン、メチルエチルケトン、シク
ロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる群より選
ばれ、エステルが、蟻酸メチル、蟻酸エチルおよび酢酸
メチルからなる群より選ばれ、そして、アルコールが、
炭素原子数が1乃至6のアルコールである(2)に記載
のセルロースアシレート溶液。 (4)実質的に非塩素系の溶剤が、エーテル、ケトンお
よびエステルからなる群より選ばれる溶剤のみからなる
(1)に記載のセルロースアシレート溶液。
【0012】(5)酸が、カルボン酸、スルホン酸およ
びリン酸からなる群より選ばれる有機酸である(1)に
記載のセルロースアシレート溶液。 (6)酸が、ギ酸、ハロ酢酸、ハロプロピオン酸、アク
リル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、
グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸およびクエン酸
からなる群より選ばれるカルボン酸である(5)に記載
のセルロースアシレート溶液。 (7)酸が、ホスホまたはスルホをカチオン性基として
有するカチオン性または両性の界面活性剤である(5)
に記載のセルロースアシレート溶液。
【0013】(8)(1)乃至(7)のいずれか一つに
記載の溶液から製造されたセルロースアシレートフイル
ム。 (9)共流延法により製造された(8)に記戟のセルロ
ースアシレートフイルム。 (10)シリカ粒子、可塑剤または紫外線吸収剤が添加
された(8)に記戟のセルロースアシレートフイルム。
【0014】
【発明の実施の形態】セルロースアシレート原料のセル
ロースとしては、綿花リンターや木材パルプなどがある
が、何れの原料セルロースから得られるセルロースアシ
レートでも使用できるし、混合して使用してもよい。セ
ルロースアシレートは、アセチル基または炭素原子数3
〜22のアシル基を有するセルロースアシレートであ
る。炭素原子数3〜22のアシル基には、プロパノイル
基(C2 5 CO−)、ブタノイル基(C3 7 CO
−)(n−、iso-)、バレロイル基(C4 9 CO−)
(n−、iso-、sec-、tert−)、オクタノイル、ドデカ
ノイル、オクタデカノイルおよびオレオロイルが含まれ
る。プロパノイルおよびブタノイルが好ましい。セルロ
ーストリアセテートが特に好ましい。アシル基のアシル
化剤として酸無水物や酸クロライドを用いる場合、反応
溶媒として有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の
例には、有機酸(例、酢酸)およびメチレンクロライド
が含まれる。セルロースアシレートは、セルロースの水
酸基への置換度が2.6〜3.0であることが好まし
い。セルロースアシレートの重合度(粘度平均)は20
0〜700が好ましく、250〜550がさらに好まし
い。市販のセルロースアシレート(例えば、ダイセル化
学工業(株)、コートルズ社、ヘキスト社やイーストマ
ンコダック社の製品)を用いてもよい。写真用グレード
のセルロースアシレートが好ましい。セルロースアシレ
ートの含水率は、2質量%以下であることが好ましい。
【0015】ソルベントキャスト法によりセルロースア
シレートフイルムを製造することが好ましい。ソルベン
トキャスト法では、セルロースアシレートを有機溶媒に
溶解したドープを用いてフイルムを製造される。有機溶
媒としては、ケトンとエステルとの混合溶剤を用いる。
ケトンおよびエステルの溶解度パラメーターは、それぞ
れ、19乃至21である。ケトンおよびエステルは、環
状構造を有していてもよい。ケトンは、カルボニル基以
外の官能基を有していてもよく、エステルもエステル結
合以外の官能基を有していてもよい。ケトンの例には、
アセトン(20.3)、メチルエチルケトン(19.
0)、ジエチルケトン(18.2)、ジイソブチルケト
ン(18.0)、シクロペンタノン(20.9)、シク
ロヘキサノン(20.3)およびメチルシクロヘキサノ
ン(20.1)が含まれる。なお、かっこ内の数値は、
溶解度パラメーターである。アセトン、シクロペンタノ
ンおよびシクロヘキサノンが特に好ましい。エステルの
例には、蟻酸エチル(19.2)、蟻酸プロピル(1
8.4)、蟻酸n−ペンチル(18.1)、酢酸メチル
(19.6)、酢酸エチル(18.2)および酢酸n−
ペンチル(17.6)が含まれる。なお、かっこ内の数
値は、溶解度パラメーターである。蟻酸メチル、蟻酸エ
チルおよび酢酸メチルが特に好ましい。
【0016】溶剤の溶解度パラメーターは、液体のモル
蒸発熱をΔH、モル体積をVとするとき(ΔH/V)
1/2 で定義される量であり、溶解度は両者の溶解度パラ
メーターの差が小さいほど大きくなる。溶解度パラメー
ターについては、多数の文献(例えば、J. Brandrup,
E.H. 他のPolymer Handbook (fourth edition), VII/67
1〜VII/714 )に詳細に記載されている。
【0017】溶剤は、実質的に非塩素系である。技術的
には、メチレンクロリドのような塩素系溶剤を問題なく
使用できるが、地球環境や作業環境の観点で、有機溶媒
は塩素系溶剤を実質的に含まないことが好ましい。「実
質的に非塩素系」とは、有機溶媒中の塩素系溶剤の割合
が10質量%未満(好ましくは5質量%未満)であるこ
とを意味する。また、製造したセルロースアシレートフ
イルムから、メチレンクロリドのような非塩素系溶剤が
全く検出されないことが好ましい。
【0018】ケトンおよびエステルに、アルコールを併
用できる。、アルコールの例には、メタノール、エタノ
ール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタ
ノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール、2−フ
ルオロエタノールおよび2,2,2−トリフルオロエタ
ノールが含まれる。メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノールおよび1−ブタノールが特
に好ましい。
【0019】実際に用いられる溶媒は、ケトンおよびエ
ステルが全溶媒の70質量%以上であることが好まし
い。アルコールは、2〜30質量%含まれることが好ま
しい。
【0020】溶媒の組み合わせとしては、酢酸メチル/
シクロペンタノン/アセトン/メタノール/エタノール
(60/15/15/5/5、質量部)、酢酸メチル/
アセトン/メタノール/エタノール(75/15/5/
5、質量部)、酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノ
ール/1−ブタノール(70/20/5/5、質量部)
およびギ酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メ
タノール/エタノール(50/20/20/5/5、質
量部)が好ましい。酢酸メチル/アセトン/メタノール
/エタノール (75/15/5/5、質量部)および
酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/エタノー
ル(80/10/5/5、質量部)が特に好ましい。
【0021】セルロースアシレート溶液を作成するに
は、室温下でタンク中の溶剤を撹拌しながら上記セルロ
ースアシレートを添加することでまず溶剤への膨潤を行
う。膨潤時間は最低10分以上が必要であり、10分以
下では不溶解物が残存する。また、セルロースアシレー
トを十分膨潤させるためには溶剤の温度は0から40℃
が好ましい。0℃以下では膨潤速度が低下し不溶解物が
残存する傾向にある、40℃以上では膨潤が急激に起こ
るために中心部分が十分膨潤しない。膨潤工程の後にセ
ルロースアシレートを溶解するには、冷却溶解法、高温
溶解法のいずれか、あるいは両方を用いることが好まし
い。
【0022】冷却溶解法は、まず室温近辺の温度(−1
0〜40℃)で有機溶剤中にセルロースアシレートを撹
拌しながら徐々に添加する。複数の溶剤を用いる場合
は、その添加順は特に限定されない。例えば、溶剤中に
セルロースアシレートを添加した後に、他の溶剤(例え
ばアルコールなどのゲル化溶剤など)を添加してもよい
し、逆にゲル化溶剤を予めセルロースアシレートに湿ら
せた後の溶剤を加えてもよく、不均一溶解の防止に有効
である。セルロースアシレートの量は、この混合物中に
10〜40質量%含まれるように調整することが好まし
い。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%で
あることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述
する任意の添加剤を添加しておいてもよい。
【0023】次に、混合物は−100〜−10℃、より
好ましくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50
〜−20℃、最も好ましくは−50〜−30℃に冷却さ
れる。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴
(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−
30〜−20℃)中で実施できる。冷却速度は、速いほ
ど好ましく、100℃/秒以上が好ましい。また冷却時
の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いる
ことが望ましい。冷却後0〜200℃(好ましくは0〜
150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好まし
くは0〜50℃)に加温すると、有機溶剤中にセルロー
スアシレートが流動する溶液となる。昇温は、室温中に
放置するだけでもよいし、温浴中で加温してもよい。ま
た、耐圧性容器を用い冷却時に加圧し、加温時に減圧す
ると溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧
を実施するためには、ることが望ましい。これらの冷
却、加温の操作を2回以上繰り返しても良い。
【0024】高温溶解法は、室温近辺の温度(−10〜
40℃)で有機溶剤中にセルロースアシレートを撹拌し
ながら徐々に添加される。複数の溶剤を用いる場合は、
その添加順は特に限定されない。例えば、溶剤中にセル
ロースアシレートを添加した後に、他の溶剤(例えばア
ルコールなどのゲル化溶剤など)を添加してもよいし、
逆にゲル化溶剤を予めセルロースアシレートに湿らせた
後の溶剤を加えてもよく、不均一溶解の防止に有効であ
る。セルロースアシレート溶液の調製では、各種溶剤を
含有する混合有機溶剤中にセルロースアシレートを添加
し予め膨潤させることが好ましい。その場合、−10〜
40℃でいずれかの溶剤中に、セルロースアシレートを
撹拌しながら徐々に添加してもよいし、場合により特定
の溶剤で予め膨潤させその後に他の併用溶剤を加えて混
合し均一の膨潤液としてもよく、さらには2種以上の溶
剤で膨潤させしかる後に残りの溶剤をを加えても良い。
セルロースアシレートの溶解濃度は5質量%〜30質量
%が好ましく、より好ましくは15質量%〜30質量
%、さらに好ましくは17質量%〜25質量%である。
【0025】次にセルロースアシレートと溶剤混合液
は、耐圧容器内で0.2Mp〜30Mpaの加圧下で7
0〜240℃、より好ましくは80〜220℃、さらに
好ましくは100〜200℃、最も好ましくは100〜
190℃に加熱される。この後、使用した溶剤の最も低
い沸点以下に冷却する。その場合、−10〜50℃に冷
却して常圧に戻すことが一般的である。冷却は室温に放
置するだけでもよく、さらに好ましくは冷却水などの冷
媒を用いてもよい。これらの加熱、冷却の操作は、2回
以上繰り返しても良い。
【0026】セルロースアシレートは場合により、溶解
しやすい低い濃度で溶解してから濃縮手段を用いて濃縮
してもよい。セルロースアシレート溶液を調製する際
に、容器内に窒素ガスなどの不活性ガスを充満させ、防
爆対応することが好ましい。セルロースアシレート溶液
の製膜直前の粘度は、製膜の際に流延可能な範囲であれ
ばよく、通常10Pa・s〜2000Pa・sの範囲に
調製されることが好ましく、特に30Pa・s〜400
Pa・sが好ましい。なお、この時の温度はその流延時
の温度であれば特に限定されないが、好ましくは−5〜
70℃であり、より好ましくは−5〜55℃である。セ
ルロースアシレートの溶液中の濃度は5〜40質量%が
好ましく、さらに10〜30質量%が好ましい。
【0027】セルロースアシレート溶液には、各調製工
程において用途に応じた種々の添加剤を加えることがで
きる。それらの添加剤は、可塑剤、紫外線防止剤や劣化
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)である。可
塑剤の例には、トリフェニルフォスフェート(TP
P)、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリクレジ
ルホスフェート(TCP)、ジオクチルフタレート(D
OP)、O−アセチルクエン酸トリブチル(OACT
B)、クエン酸アセチルトリエチルが含まれる。光学的
異方性を小さくする可塑剤として、(ジ)ペンタエリス
リトールエステル類(特開平11−124445号公報
記載)、グリセロールエステル類(特開平11−246
704号公報記載)、ジグリセロールエステル類(特開
2000−63560号公報記載)、クエン酸エステル
類(特開平11−92574号公報記載)および置換フ
ェニルリン酸エステル類(特開平11−90946号公
報記載)を用いてもよい。可塑剤は、2種以上併用して
もよい。可塑剤の添加量はセルロースアシレートに対し
て、5〜30質量%であることが好ましく、8〜16質
量%であることがさらに好ましい。
【0028】劣化防止剤や紫外線防止剤については、特
開昭60−235852号、、特開平3−199201
号、同5−1907073号、同5−194789号、
同5−271471号、同6−107854号、同6−
118233号、同6−148430号、同7−110
56号、同7−11055号、、同7−11056号、
同8−29619号、同8−239509号、特開20
00−204173号の各公報に記載がある。劣化防止
剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BH
T)を挙げることができる。紫外線吸収剤は、波長37
0nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ波長400n
m以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。紫外線
吸収剤の例には、オキシベンゾフェノン系化合物、ベン
ゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合
物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化
合物およびニッケル錯塩系化合物が含まれる。ベンゾト
リアゾール系化合物およびベンゾフェノン系化合物が特
に好ましい。紫外線吸収剤の添加量は、セルロースアシ
レートに対して質量割合で1ppm〜1万ppmが好ま
しく、10〜1000ppmがさらに好ましい。フイル
ムの面内のレターデーション(Re)は0〜300nm
の範囲が好ましい。フイルムの厚さ方向のレターデーシ
ョン(Rth)は、厚さ100μm当たり0nm〜600
nmであることが好ましく、0nm〜400nmである
ことがさらに好ましく、0nm〜250nmであること
が最も好ましい。
【0029】セルロースアシレート溶液は、水溶液中で
の酸解離指数(pKa)が1.93乃至4.50である
酸あるいはそのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属
塩を含む。上記の酸および塩は、剥離剤として機能す
る。無機酸および有機酸のいずれも用いることができ
る。
【0030】無機酸の例には、HClO2 (2.3
1)、HOCN(3.48)、モリブデン酸(H2 Mo
4 、3.62)、HNO2 (3.15)、リン酸(H
3 PO4、2.15)、トリリン酸(H5 3 10
2.0)およびバナジン酸(H3 VO4 、3.78)が
含まれる。なお、かっこ内の数値は、水溶液中での酸解
離指数(pKa)である(以下の酸も同様)。有機酸と
しては、カルボン酸、スルホン酸およびリン酸が代表的
である。カルボン酸には、脂肪族モノカルボン酸、脂肪
族多価カルボン酸、オキシカルボン酸、アルデヒド酸、
ケトン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族多価カルボン
酸、複素環式モノカルボン酸、複素環式多価カルボン酸
およびアミノ酸が含まれる。
【0031】脂肪族モノカルボン酸の例には、ギ酸
(3.55)、オキサロ酢酸(2.27)、シアノ酢酸
(2.47)、フェニル酢酸(4.10)、フェノキシ
酢酸(2.99)、フルオロ酢酸(2.59)、クロロ
酢酸(2.68)、ブロモ酢酸(2.72)、ヨード酢
酸(2.98)、メルカプト酢酸(3.43)、ビニル
酢酸(4.12)、クロロプロピオン酸(2.71−
3.92)、4−アミノ酪酸(4.03)およびアクリ
ル酸(4.26)が含まれる。脂肪族多価カルボン酸の
例には、マロン酸(2.65)、コハク酸(4.0
0)、グルタル酸(4.13)、アジピン酸(4.2
6)、ピメリン酸(4.31)、アゼライン酸(4.3
9)、フマル酸(2.85)が含まれる。オキシカルボ
ン酸の例には、グリコール酸(3.63)、乳酸(3.
66)、リンゴ酸(3.24)、酒石酸(2.82−
2.99)およびクエン酸(2.87)、アルデヒド酸
の例には、グリオキシル酸(3.18)が含まれる。ケ
トン酸の例には、ピルビン酸(2.26)およびレブリ
ン酸(4.44)が含まれる。
【0032】芳香族モノカルボン酸の例には、アニリン
スルホン酸(3.74−3.23)、安息香酸(4.2
0)、アミノ安息香酸(2.02−3.12)、クロロ
安息香酸(2.92−3.99)、シアノ安息香酸
(3.60−3.55)、ニトロ安息香酸(2.17−
3.45)、ヒドロキシ安息香酸(4.08−4.5
8)、アニス酸(4.09−4.48)、フルオロ安息
香酸(3.27−4.14)、クロロ安息香酸、ブロモ
安息香酸(2.85−4.00)、ヨード安息香酸
(2.86−4.00)、サリチル酸(2.81)、ナ
フトエ酸(3.70−4.16)、ケイ皮酸(3.8
8)およびマンデル酸(3.19)が含まれる。芳香族
多価カルボン酸の例には、フタル酸(2.75)、イソ
フタル酸(3.50)およびテレフタル酸(3.54)
が含まれる。複素環式モノカルボン酸の例には、ニコチ
ン酸(2.05)および2−フランカルボン酸(2.9
7)が含まれる。複素環式多価カルボン酸の例には、
2,6−ピリジンジカルボン酸(2.09)が含まれ
る。
【0033】アミノ酸には、通常のアミノ酸に加えて、
アミノ酸誘導体(置換基を有するアミノ酸やオリゴペプ
チドも含まれる。アミノ酸の例には、アスパラギン
(2.14)、アスパラギン酸(1.93)、アデニン
(4.07)、アラニン(2.30)、β−アラニン
(3.53)、アルギニン(2.05)、イソロイシン
(2.32)、グリシン(2.36)、グルタミン
(2.17)、グルタミン酸(2.18)、セリン
(2.13)、チロシン(2.17)、トリプトファン
(2.35)、トレオニン(2.21)、ノルロイシン
(2.30)、バリン(2.26)、フェニルアラニン
(2.26)、メチオニン(2.15)、リシン(2.
04)、ロイシン(2.35)、アデノシン(3.5
0)、アデノシン三リン酸(4.06)、アデノシンリ
ン酸(3.65−3.80)、L−アラニル−L−アラ
ニン(3.20)、L−アラニルグリシン(3.1
0)、β−アラニルグリシン(3.18)、L−アラニ
ルグリシルグリシン(3.24)、β−アラニルグリシ
ルグリシン(3.19)、L−アラニルグリシルグリシ
ルグリシン(3.18)、グリシル−L−アラニン
(3.07)、グリシル−β−アラニン(3.91)、
グリシルグリシル−L−アラニン(3.18)、グリシ
ルグリシルグリシン(3.20)、グリシルグリシルグ
リシルグリシン(3.18)、グリシルグリシル−L−
ヒスチジン(2.72)、グリシルグリシルグリシル−
L−ヒスチジン(2.90)、グリシル−DL−ヒスチ
ジルグリシン(3.26)、グリシル−L−ヒスチジン
(2.54)、グリシル−L−ロイシン(3.09)、
γ−L−グルタミル−L−システイニルグリシン(2.
03)、N−メチルグリシン(サルコシン、2.2
0)、N、N−ジメチルグリシン(2.08)、シトル
リン(2.43)、3、4−ジヒドロキシフェニルアラ
ニン(2.31)、L−ヒスチジルグリシン(2.8
4)、L−フェニルアラニルグリシン(3.02)、L
−プロリルグリシン(3.07)およびL−ロイシル−
L−チロシン(3.15)が含まれる。
【0034】酸としてはカルボン酸以外にスルホン酸、
リン酸系素材を用いることにより剥離性の改良が期待で
きる。これらはその溶解性の観点から界面活性剤の形で
あることが好ましい。具体的には特開昭61−2438
37号公報に記載された素材を好適に用いることができ
る。界面活性剤のには、C1225O−P(=O)−(O
K)2 、C1225OCH2 CH2 O−P(=O)−(O
K)2 、(iso-C9 192 −C6 3 −O−(CH2
CH2 O)3 −(CH2 4 SO3 Naが含まれる。
【0035】剥離剤として機能させる有機酸は、炭素原
子数が1乃至3の脂肪族モノカルボン酸(例、ギ酸、ク
ロロ酢酸、ハロプロピオン酸、アクリル酸)、炭素原子
数が2乃至4の脂肪族多価カルボン酸(例、マロン酸、
コハク酸、グルタル酸、フマル酸)、炭素原子数が1乃
至6のオキシカルボン酸(例、グリコール酸、乳酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、クエン酸)およびアミノ酸(その誘導
体を含む)が好ましい。スルホン酸系あるいはリン酸系
の界面活性剤(特開昭61−243837号公報記載)
も好ましい剥離剤である。された素材が好ましい。
【0036】酸は、遊離酸ではなく、アルカリ金属塩ま
たはアルカリ土類金属塩の状態で用いてもよい。アルカ
リ金属の例には、リチウム、カリウムおよびナトリウム
が含まれる。ナトリウムが特に好ましい。アルカリ土類
金属の例には、カルシウム、マグネシウム、バリウムお
よびストロンチウムが含まれる。カルシウムおよびマグ
ネシウムが特に好ましい。アルカリ金属の方が、アルカ
リ度類金属よりもより好ましい。アルカリ金属またはア
ルカリ土類金属は、二種以上を組み合わせて使用しても
よい。アルカリ金属とアルカリ土類金属とを併用しても
よい。
【0037】酸または金属塩の総含有量は、剥離性や透
明性などを損なわない範囲で決定する。含有量は、セル
ロースアシレート1g当たり、1×10-9〜3×10-5
モルであることが好ましく、1×10-8〜2×10-5
ルであることがより好ましく、1×10-7〜1.5×1
-5モルであることがさらに好ましく、5×10-7〜1
×10-5モルであることがさらにまた好ましく、6×1
-7〜8×10-6モルであることが最も好ましい。
【0038】また、微粒子を添加してフイルムの軋みを
防止する目的で、シリカ、カオリン、タルク、ケイソウ
土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、アルミナ、マンガンコロイド、二酸化チタン、硫酸
ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素などの無機微粒
子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属
の塩も添加される。その場合表面の突起物の平均高さが
0.005〜10μmであり、好ましくは0.01〜5
μmであり、球形、不定形マット剤で突起物を形成する
場合はその含有量が0.5〜600mg/m2 であり、
より好ましいのは1〜400mg/m2 である。
【0039】溶液は流延に先だって金網、紙やネルなど
の適当な濾材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物などの
異物を濾過除去しておくことが好ましい。セルロースア
シレート溶液の濾過には絶対濾過精度が0.05〜10
0μmのフィルタを用いられ、さらには絶対濾過精度が
0.5〜10μmであるフィルタを用いることが好まし
い。その場合、16kg/cm2 以下(好ましくは12
kg/cm2 以下、さらに好ましくは10kg/cm2
以下、特に好ましくは2kg/cm2 以下の濾過圧力で
濾過することが好ましい。
【0040】セルロースアシレートフイルムを製造する
方法および設備は、従来のセルローストリアセテートフ
イルム製造に供する溶液流延製膜方法及び溶液流延製膜
装置が利用できる。溶解タンク(釜)から調製されたド
ープ(セルロースアシレート溶液)をストックタンクで
一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡したり最終
調製をする。ドープをドープ排出口から、例えば回転数
によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプ
を通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧型ダイの口金
(スリット)からエンドレスに走行している流延部の支
持体の上に均一に流延され、支持体がほぼ一周した剥離
点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を支持体か
ら剥離する。得られるウェブの両端をクリップで挟み、
幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥
装置のロール群で搬送し乾燥を終了して巻き取り機で所
定の長さに巻き取る。テンターとロール群の乾燥装置と
の組み合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写
真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる
溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他
に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層
等の支持体への表面加工のために、塗布装置が付加され
ることが多い。
【0041】得られたセルロースアシレート溶液を、支
持体としての平滑なバンド上或いはドラム上に単層液と
して流延してもよいし、2層以上の複数のセルロースア
シレート液を流延する、所謂共流延してもよい。複数の
セルロースアシレート溶液を流延する場合、支持体の進
行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロー
スアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させ
ながらフイルムを作製してもよく、例えば特開平11−
198285号号公報に記載の方法が適応できる。ま
た、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延
することによってもフイルム化することでもよく、特開
平6−134933号公報に記載の方法で実施できる。
また、特開昭56−162617号公報に記載の高粘度
セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロース
アシレート溶液で包み込み、その高,低粘度のセルロー
スアシレート溶液を同時に押出すセルロースアシレート
フイルム流延方法でもよい。共流延の場合の膜厚は、各
層の厚さは特に限定されないが、好ましくは外部層が内
部層より薄いことが好ましく用いられる。その際の外部
層の膜厚は、1〜50μmが好ましく、特に好ましくは
1〜30μmである。さらの本発明のセルロースアシレ
ート溶液は、他の機能層(例えば、接着層、染料層、帯
電防止層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層
など)を同時に流延することも実施しうる。
【0042】セルロースアシレートフイルムの製造に係
わる支持体上におけるドープの乾燥は、乾燥工程におけ
る乾燥温度は30〜250℃、特に40〜180℃が好
ましく、特公平5−17844号公報に記載がある。さ
らには、積極的に幅方向に延伸する方法(特開昭62−
115035号、特開平4−152125号、同4−2
84211号、同4−298310号、同11−482
71号の各公報記載)を実施してもよい。フイルムの延
伸は、一軸延伸でもよく2軸延伸でもよい。フイルムの
延伸倍率(元の長さに対する延伸による増加分の比率)
は、10〜30%であることが好ましい。
【0043】出来上がり(乾燥後)のセルロースアシレ
ートフイルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通
常5〜500μmの範囲であり、さらに20〜250μ
mの範囲が好ましく、特に30〜180μmの範囲が最
も好ましい。なお、光学用途としては30〜110μm
の範囲が特に好ましい。フイルム厚さの調製は、所望の
厚さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダ
イの口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、支
持体速度等を調節すればよい。
【0044】ここで場合により、セルロースアシレート
フイルムの表面処理を行うことによって、セルロースア
シレートフイルムと各機能層(例えば、下塗層およびバ
ック層)との接着の向上を達成することができる。これ
らは、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、
火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができ
る。また、表面処理として好ましいアルカリ鹸化処理
は、フイルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶
液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われること
が好ましい。アルカリ溶液は、水酸化カリウム溶液、水
酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃
度は0.1N〜3.0Nであることが好ましく、0.5
N〜2.0Nがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、
室温〜90℃が好ましく、30℃〜70℃がさらに好ま
しい。次に一般には水洗され、しかる後に酸性水溶液を
通過させた後に水洗して表面処理したセルロースアシレ
ートフイルムを得る。この時、酸としては塩酸、硝酸、
硫酸、酢酸、蟻酸、クロロ酢酸、シュウ酸などであり、
その濃度は0.01N〜3.0Nが好ましく、0.05
N〜2.0Nがさらに好ましい。そして、セルロースア
シレートフイルム支持体と機能層との接着を達成するた
めに、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布す
ることも好ましい。
【0045】偏光板用保護膜の構成においては、セルロ
ースアシレートフイルムの少なくとも一層に帯電防止層
を設けたり、偏光子と接着するための親水性バインダー
層が設けられることが好ましい。導電性素材としては、
導電性金属酸化物や導電性ポリマーが好ましい。なお、
蒸着やスパッタリングによる透明導電性膜でもよい。導
電性層は、最外層でもよいし、内部層でも問題はない。
導電層の送電性は、抵抗が100 〜1012Ωであること
が好ましく、特には100 〜1010Ωであることが好ま
しい。金属酸化物が好ましい。金属酸化物の例には、Z
nO、TiO2、SnO2 、Al2 3 、In2 3
SiO2 、MgO、BaO、MoO2 、V2 5 および
複合酸化物が含まれる。ZnO、SnO2 およびV2
5 5が好ましい。導電性イオン性高分子化合物の例に
は、主鎖中に解離基をもつアイオネン型ポリマー、側鎖
中にカチオン性解離基をもつカチオン性ペンダント型ポ
リマーが含まれる。導電性材料としては、有機電子伝導
性材料が好ましい。有機電子伝導性材料の例には、ポリ
アニリン誘導体、ポリチオフェン誘導体、ポリピロール
誘導体およびポリアセチレン誘導体が含まれる。
【0046】セルロースアシレートフイルムのいずれか
の機能性層に、界面活性剤を好ましく添加できる。ノニ
オン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤およびベタイ
ン性界面活性剤が好ましい。フッ素系界面活性剤も用い
ることができる。界面活性剤は、有機溶媒中で塗布剤
や、帯電防止剤として機能させることができる。セルロ
ースアシレートフイルムの上のいずれかの層に滑り剤を
含有させることが好ましい。滑り剤の例には、ポリオル
ガノシロキサン(特公昭53−292号公報記載)、高
級脂肪酸アミド(米国特許4275146号明細書記
載)、高級脂肪酸エステル(英国特許927446号明
細書、特公昭58−33541号、特開昭55−126
238号、同58−90633号の各公報記載)が含ま
れる。上記高級脂肪酸エステルは、炭素原子数10〜2
4の脂肪酸と炭素原子数10〜24のアルコールとのエ
ステルである。
【0047】セルロースアシレート溶液から形成したセ
ルロースアシレートフイルムは、様々な用途で用いるこ
とができる。セルロースアシレートフイルムは、液晶表
示装置の光学補償シートとして用いると特に効果があ
る。セルロースアシレートフイルムには、フイルムその
ものを光学補償シートとして用いることができる。な
お、フイルムそのものを光学補償シートとして用いる場
合は、偏光素子(後述)の透過軸と、セルロースアシレ
ートフイルムからなる光学補償シートの遅相軸とを実質
的に平行または垂直になるように配置することが好まし
い。このような偏光素子と光学補償シートとの配置につ
いては、特開平10−48420号公報に記載がある。
液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持して
なる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、
および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚
の光学補償シートを配置した構成を有している。液晶セ
ルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを
挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透
明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に
形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハー
ドコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アン
ダーコート層を設けてもよい。これらの層は、通常、基
板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に80〜5
00μmの厚さを有する。
【0048】光学補償シートは、液晶画面の着色を取り
除くための複屈折率フイルムである。セルロースアシレ
ートフイルムは、光学補償シートとして用いることがで
きる。さらに反射防止層、防眩性層、λ/4層や2軸延
伸セルロースアシレートフイルムとして機能を付与して
もよい。また、液晶表示装置の視野角を改良するため、
セルロースアシレートフイルムと、それとは(正/負の
関係が)逆の複屈折を示すフイルムを重ねて光学補償シ
ートとして用いてもよい。光学補償シートの厚さの範囲
は、前述したフイルムの好ましい厚さと同じである。偏
光素子の偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用
いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。いずれの
偏光膜も、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用
いて製造する。偏光板の保護膜は、25〜350μmの
厚さを有することが好ましく、30〜200μmの厚さ
を有することがさらに好ましい。液晶表示装置には、表
面処理膜を設けてもよい。表面処理膜の機能には、ハー
ドコート、防曇処理、防眩処理および反射防止処理が含
まれる。前述したように、支持体の上に液晶(特にディ
スコティック液晶性分子)を含む光学的異方性層を設け
た光学補償シートも提案されている(特開平3−932
5号、同6−148429号、同8−50206号、同
9−26572号の各公報記載)。セルロースアシレー
トフイルムは、そのような光学補償シートの支持体とし
ても用いることができる。
【0049】セルロースアシレートフイルムは、VAモ
ードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償
シートの支持体 、OCBモードの液晶セルを有するO
CB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セルを
有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持
体、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell )
モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学
補償シートの支持体として好ましく用いられる。
【0050】
【実施例】各実施例において、セルロースアシレート、
溶液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、
以下のように測定および算出した。
【0051】(0)セルロースアシレートの置換度
(%) 酢化度はケン化法により測定した。乾燥したセルロース
アシレートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシド
との混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定量の
1N−水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時
間ケン化した。フェノールフタレインを指示薬として添
加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸
化ナトリウムを滴定した。また、上記と同様の方法によ
り、ブランクテストを行った。そして、下記式に従って
酢化度(%)を算出した。 酢化度(%)=(6.005×(B−A)×F)/W 式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸量(ml)、
Bはブランクテストに要した1N−硫酸量(ml)、F
は1N−硫酸のファクター、Wは試料質量を示す。な
お、複数のアシル基を含有する系では、そのpKaの差
を使って、各アシル基の量を求めた。また、文献(T.Se
i,K.Ishitani,R.Suzuki,K.Ikematsu PolymerJournal 17
1065(1985))に記載の方法によっても同様に求め、そ
の値が正しいことを別途確認した。さらに、これらによ
り求められた酢化度、その他のアシル基の量からモル分
子量を考慮して置換度に換算した。
【0052】(1)セルロースアシレートの粘度平均重
合度(DP) 絶乾したセルロースアシレート約0.2gを精秤し、メ
チレンクロリド:エタノール=9:1(質量比)の混合
溶剤100mlに溶解した。これをオストワルド粘度計
にて25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式によ
り求めた。 ηrel =T/T0 T: 測定試料の落下秒数 [η]=(1nηrel )/C T0:溶剤単独の落下秒数 DP=[η]/Km C: 濃度(g/l) Km:6×10-4
【0053】(2)溶液の透明性 得られた溶液またはスラリーの状態を常温(23℃)で
静置保存したまま観察し、以下のA、B、C、Dの4段
階に評価した。 A:透明性と液均一性を示す。 B:若干の溶け残りがある、または少し白濁が見られ
る。 C:明らかな溶け残りがある、または溶液がゲル化して
いる。 D:液は膨潤・溶解が見られず不透明性で不均一な溶液
状態である。
【0054】(3)フイルム面状 フイルムを目視で観察し、その面状を以下の如く評価し
た。 A:フイルム表面は平滑である。 B:フイルム表面は平滑であるが、少し異物が見られ
る。 C:フイルム表面に弱い凹凸が見られ、異物の存在がは
っきり観察される。 D:フイルムに凹凸が見られ、異物が多数見られる。
【0055】(7)フイルムのヘイズ ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を
用いて測定した。
【0056】(1−1)セルロースアシレート溶液の作
製 下記の2種の溶解方法にてセルロースアシレート溶液を
作製した。各実施例および比較例の詳細な溶剤組成につ
いては表1に記載した。なお、シリカ粒子(粒径20n
m)、トリフェニルフォスフェート/ビフェニルジフェ
ニルフォスフェート(1/2)、2,4−ビス−(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン
をそれぞれセルロースアシレートの0.5質量%、10
質量%、1.0質量%添加した。また、剥離剤として表
1に記載の素材を添加した。なお、これらの膨潤、溶解
工程において溶剤の温度、膨潤時間を変えて実施してお
り、その詳細については表2に記載した。
【0057】(1−1a)冷却溶解(表1に「冷却」と記
載) 溶剤中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物をゆっくり撹拌しなが
ら、−8℃/分で−30℃まで冷却、その後表1記載の
温度まで冷却し6時間経過した後、+8℃/分で昇温し
内容物のゾル化がある程度進んだ段階で、内容物の撹拌
を開始した。50℃まで加温しドープを得た。
【0058】(1−1b)高圧高温溶解(表1に「高温」
と記載) 溶剤中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物を、二重構造のステン
レス製密閉容器に入れた。容器の外側のジャケットに高
圧水蒸気を通すことで+8℃/分で加温し1Mpa下、表
1記載の温度で5分間保持した。この後外側のジャケッ
トに50℃の水を通し−8℃/分で50℃まで冷却し、
ドープを得た。
【0059】(1−2)セルロースアシレート溶液の濾
過 次に得られたドープを50℃にて、絶対濾過精度0.0
1mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で濾過し、
さらに絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社
製、FH025)にて濾過した。
【0060】(1−3)粘度の測定およびセルロースア
シレートフイルムの作製 (1−2)の溶液を簡易ガラス板流延機を用いて流延
し、室温で5分乾燥後、フイルムをガラス板から剥ぎ取
った。さらに、120℃の環境下で30分乾燥して溶剤
を蒸発させセルロースアシレートフイルムを得た。剥離
性については、○:簡単に剥離可能、△:剥離時に若干
の荷重が必要、×:フイルム変形程度まで荷重をかけな
いと剥離不能、の3段階で評価した
【0061】
【表1】
【0062】(1−3)結果 得られたセルロースアシレートの溶液およびフイルムを
上述の項目に従って評価した。本発明のセルロースアシ
レート溶液およびフイルムは、その溶液安定性、フイル
ムの機械物性、光学物性において特に問題は認められな
かった。一方、比較例ではフイルム剥ぎ取りが不能であ
り得られたフイルムの面状に問題が認められた。
【0063】また、これらのフイルムを、製膜工程中の
乾燥工程中にオンラインで、あるいはその後オフライン
で130℃にて10%〜30%MD,TD延伸延伸し
た。これらは、延伸倍率に比例し40nm〜160nm
にレターデーションを増加させることができた。また、
特開平06−134993号公報記載の共流延法に従っ
てバンド側に前記1のドープ、空気側に前記2のドープ
を積層したが、同様に良好な結果が得られた。
【0064】このようにして得たセルロースアシレート
フイルムを、特開平10−48420号公報の実施例1
に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の
実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学
的異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、
特開2000−154261号公報の図2〜9に記載の
VA型液晶表示装置、特開2000−154261号公
報の図10〜15に記載のOCB型液晶表示装置に用い
たところ良好な性能が得られた。さらに、特開昭54−
016575号公報に記載の偏光板として用いたとこ
ろ、良好な性能が得られた。
【0065】
【表2】
【0066】
【発明の効果】セルロースアシレートを実質的に非塩素
系溶剤から構成される溶剤に溶解したセルロースアシレ
ート溶液であって、該非塩素系溶剤は少なくとも溶解度
パラメーター19乃至21のケトン類と溶解度パラメー
ター19乃至21エステル類の混合溶剤からなるととも
に、水溶液中での酸解離指数pKaが1.93〜4.5
0である少なくとも一種の酸、この酸のアルカリ金属塩
および前記酸のアルカリ土類金属塩から選択された少な
くとも一種を含むことを特徴とするセルロースアシレー
ト溶液により、フイルムの剥離性、面状を改良すると共
に機械特性等で問題のないセルロースアシレートフイル
ムの製造方法を達成した。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 5/09 C08K 5/09 Fターム(参考) 4F071 AA09 AA81 AB25 AB26 AC09 AC10 AC14 AC15 AE05 AH19 BB02 BC01 BC08 4J002 AB021 DD006 DE176 DF026 DH026 DJ017 EB106 EE039 EF006 EF036 EF046 EF066 EF076 EF096 EF116 EG026 EG036 EH048 EH148 EJ016 EJ066 EJ069 EN026 EN066 ES006 ET006 ET009 EU026 EU036 EU046 EU179 EV236 EW048 FD017 FD028 FD059 FD316 GP03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースアシレートが実質的に非塩素
    系の溶剤に溶解しているセルロースアシレート溶液であ
    って、実質的に非塩素系の溶剤が、溶解度パラメーター
    が19乃至21であるケトンと溶解度パラメーターが1
    9乃至21であるエステルとの混合溶剤であり、水溶液
    中での酸解離指数が1.93乃至4.50である酸ある
    いはそのアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を含
    むことを特徴とするセルロースアシレート溶液。
  2. 【請求項2】 実質的に非塩素系の溶剤が、さらに2乃
    至30質量%のアルコールを含む請求項1に記載のセル
    ロースアシレート溶液。
  3. 【請求項3】 ケトンが、アセトン、メチルエチルケト
    ン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる
    群より選ばれ、エステルが、蟻酸メチル、蟻酸エチルお
    よび酢酸メチルからなる群より選ばれ、そして、アルコ
    ールが、炭素原子数が1乃至6のアルコールである請求
    項2に記載のセルロースアシレート溶液。
  4. 【請求項4】 実質的に非塩素系の溶剤が、エーテル、
    ケトンおよびエステルからなる群より選ばれる溶剤のみ
    からなる請求項1に記載のセルロースアシレート溶液。
  5. 【請求項5】 酸が、カルボン酸、スルホン酸およびリ
    ン酸からなる群より選ばれる有機酸である請求項1に記
    載のセルロースアシレート溶液。
  6. 【請求項6】 酸が、ギ酸、ハロ酢酸、ハロプロピオン
    酸、アクリル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フ
    マル酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸および
    クエン酸からなる群より選ばれるカルボン酸である請求
    項5に記載のセルロースアシレート溶液。
  7. 【請求項7】 酸が、ホスホまたはスルホをカチオン性
    基として有するカチオン性または両性の界面活性剤であ
    る請求項5に記載のセルロースアシレート溶液。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の
    溶液から製造されたセルロースアシレートフイルム。
  9. 【請求項9】 共流延法により製造された請求項8に記
    戟のセルロースアシレートフイルム。
  10. 【請求項10】 シリカ粒子、可塑剤または紫外線吸収
    剤が添加された請求項8に記戟のセルロースアシレート
    フイルム。
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