JP2002264153A - セルロースアシレートフイルムの製造方法 - Google Patents

セルロースアシレートフイルムの製造方法

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JP2002264153A
JP2002264153A JP2001071516A JP2001071516A JP2002264153A JP 2002264153 A JP2002264153 A JP 2002264153A JP 2001071516 A JP2001071516 A JP 2001071516A JP 2001071516 A JP2001071516 A JP 2001071516A JP 2002264153 A JP2002264153 A JP 2002264153A
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acylate film
acid
film
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Tsukasa Yamada
司 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フイルムの面状を改良し、フイルムの機械特
性等で問題のないセルロースアシレートフイルムの製造
方法を提供することにある。 【解決手段】 共流延法により二層以上の層を流延製膜
することを特徴とするセルロースアシレートフイルムの
製造方法であって、該セルロースアシレート溶液が実質
的に非塩素系溶剤から構成され、該非塩素系溶剤は少な
くとも溶解度パラメータが19乃至21のケトンと溶解
度パラメータが19乃至21のエステルの混合溶剤から
なり、外部層の溶液の0℃における粘度が、内部層の溶
液の0℃における粘度に比べて高いことを特徴とするセ
ルロースアシレートフイルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロースアシレ
ートフイルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルロースアシレートフイルムは、その
強靭性と難燃性から各種の写真材料や光学材料に用いら
れている。セルロースアシレートフイルムは、代表的な
写真感光材料の支持体である。また、セルロースアシレ
ートフイルムは、その光学的等方性から、近年市場の拡
大している液晶表示装置にも用いられている。液晶表示
装置における具体的な用途としては、偏光板の保護フイ
ルムおよびカラーフィルターが代表的である。
【0003】セルロースアシレートフイルムは、一般に
ソルベントキャスト法またはメルトキャスト法により製
造する。ソルベントキャスト法では、セルロースアシレ
ートを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を金属支持体上
に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成する。メル
トキャスト法では、セルロースアシレートを加熱により
溶融したものを金属支持体上に流延し、冷却してフイル
ムを形成する。ソルベントキャスト法の方が、メルトキ
ャスト法よりも平面性の高い良好なフイルムを製造する
ことができる。このため、実用的には、ソルベントキャ
スト法の方が普通に採用されている。ソルベントキャス
ト法については、多くの文献に記載がある。最近のソル
ベントキャスト法では、ドープを金属支持体上へ流延し
てから、金属支持体上の成形フイルムを剥離するまでに
要する時間を短縮して、製膜工程の生産性を向上させる
ことが課題になっている。例えば、特公平5−1784
4号公報には、高濃度ドープを冷却ドラム上に流延する
ことにより、流延後、剥ぎ取りまでの時間を短縮するこ
とが提案されている。
【0004】ソルベントキャスト法に用いる溶媒は、単
にセルロースアシレートを溶解することだけでなく、様
々な条件が要求される。平面性に優れ、厚みの均一なフ
イルムを、経済的に効率よく製造するためには、適度な
粘度とポリマー濃度を有する保存安定性に優れた溶液
(ドープ)を調製する必要がある。ドープについては、
ゲル化が容易であることや金属支持体からの剥離が容易
であることも要求される。そのようなドープを調製する
ためは、溶媒の種類の選択が極めて重要である。溶媒に
ついては、蒸発が容易で、フイルム中の残留量が少ない
ことも要求される。セルロースアシレートの溶媒とし
て、様々な有機溶媒が提案されているが、実用化されて
いる有機溶媒は、実質的にはメチレンクロリドに限られ
ていた。
【0005】しかしながら、メチレンクロリドのような
塩素系溶剤は、近年、地球環境保護の観点から、その使
用は著しく規制される方向にある。また、メチレンクロ
リドは、低沸点(41℃)であるため、製造工程におい
て揮散しやすい。このため、作業環境においても問題で
ある。これらの問題を防止するため、製造工程のクロー
ズド化が行なわれているが、密閉するにしても技術的な
限界がある。従って、メチレンクロリドの代替となるよ
うな、セルロースアシレートの溶媒を捜し求めることが
急務となっている。
【0006】ところで、汎用の有機溶剤であるアセトン
(沸点:56℃)は、比較的低い沸点を有し、乾燥負荷
がそれほど大きくない。また、人体や地球環境に対して
も、塩素系有機溶剤に比べて問題が少ない。しかし、ア
セトンは、セルロースアシレートに対する溶解性が低
い。置換度2.70(酢化度58.8%)以下のセルロ
ースアセテートに対しては、アセトンは若干の溶解性を
示す。セルロースアシレートの置換度が2.70を越え
ると、アセトンの溶解性がさらに低下する。置換度2.
80(酢化度60.1%)以上のセルロースアシレート
となると、アセトンは膨潤作用を示すのみで溶解性を示
さない。
【0007】J.M.G.Cowie他の論文、Mak
romol,chem.,143巻、105頁(197
1年)は、置換度2.80から置換度2.90のセルロ
ースアシレートを、アセトン中で−80℃から−70℃
に冷却した後、加温することにより、アセトン中にセル
ロースアシレートが0.5乃至5質量%に溶解している
希薄溶液が得られたことを報告している(ただし、ここ
でのアシル基はアセチル基に限定されている)。以下、
このように、セルロースアシレートと有機溶媒との混合
物を冷却して、溶液を得る方法を「冷却溶解法」と称す
る。また、セルロースアシレートのアセトン中への溶解
については、上出健二他の論文「三酢酸セルロースのア
セトン溶液からの乾式紡糸」、繊維機械学会誌、34
巻、57頁(1981年)にも記載がある。この論文
は、その標題のように、冷却溶解法を紡糸方法の技術分
野に適用したものである。論文では、得られる繊維の力
学的性質、染色性や繊維の断面形状に留意しながら、冷
却溶解法を検討している。この論文では、繊維の紡糸の
ために10乃至25質量%の濃度を有するセルロースア
セテートの溶液を用いている。
【0008】ところでセルロースアシレートフイルム
は、前記のセルロースアシレート溶液(ドープ)を金属
支持体上に流延し、金属支持体からフイルムを剥離する
流延法により製造されている。しかしながらこのように
非塩素系溶剤によってセルロースアシレートフイルムを
作成する場合、製造面で不利であることが明らかとなっ
た。すなわち、現在使われている塩素系溶剤のメチレン
クロリドとは異なり、セルロースアシレートの溶解が可
能な非塩素系溶剤では、ドープが構造粘性を示すことが
明らかとなった。ドープが構造粘性をとると乾燥時に表
面の平滑化が起こりにくくなり、その面状が悪化する。
したがって、良好な面状を得るための方策が必要であっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、メチ
レンクロリドのような塩素系溶剤系有機溶剤を使用せず
に、面状の優れたセルロースアシレートフイルムを製造
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(11)のセルロースアシレートフイルムの製
造方法、下記(12)および(13)のセルロースアシ
レートフイルム、そして下記(14)の偏光板保護膜に
より達成された。 (1)二以上のセルロースアシレート溶液を共流延して
製膜するセルロースアシレートフイルムの製造方法であ
って、該セルロースアシレート溶液がいずれも実質的に
非塩素系溶剤から構成され、該非塩素系溶剤は溶解度パ
ラメータが19乃至21のケトンと溶解度パラメータが
19乃至21のエステルとの混合溶剤からなり、外部層
の溶液の0℃における粘度が、内部層の溶液の0℃にお
ける粘度に比べて高いことを特徴とするセルロースアシ
レートフイルムの製造方法。
【0011】(2)外部層の溶液の50℃における粘度
が内部層の溶液の50℃における粘度よりも低い(1)
に記載のセルロースアシレートフイルムの製造方法。 (3)外部層の溶液濃度が内部層の溶液濃度よりも低い
(1)もしくは(2)に記載のセルロースアシレートフ
イルムの製造方法。 (4)該非塩素系溶剤が、全溶剤に対して2乃至30質
量%のアルコールを含有する(1)乃至(3)のいずれ
か一項に記載のセルロースアシレートフイルムの製造方
法。 (5)外部層のアルコール含有量の方が内部層のアルコ
ール含有量よりも多い(4)に記載のセルロースアシレ
ートフイルムの製造方法。
【0012】(6)ケトンがアセトン、メチルエチルケ
トン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからな
る群より選ばれ、エステルが酢酸メチルであり、さらに
アルコールが炭素数6以下のアルコールである(4)に
記載のセルロースアシレートフイルムの製造方法。 (7)溶剤とセルロースアシレートの混合物を、−80
乃至−10℃又は80乃至220℃の温度に曝して溶解
する(1)乃至(6)のうちのいずれか一つに記載のセ
ルロースアシレートフイルムの製造方法。 (8)セルロースアシレートフイルムが二層以上の多層
構造を有し、該セルロースアシレートフイルムの少なく
とも一方の側の外部層の厚さが1乃至50μmの範囲に
ある(1)乃至(7)のいずれか一つに記載のセルロー
スアシレートフイルムの製造方法。
【0013】(9)セルロースアシレートフイルムが三
層以上の多層構造を有し、該セルロースアシレートフイ
ルムの少なくとも一方の側の外部層の厚さが1乃至50
μmの範囲にある(1)乃至(7)のいずれか一つに記
載のセルロースアシレートフイルムの製造方法。 (10)外部層の厚さが1乃至20μmの範囲にある
(8)または(9)に記載のセルロースアシレートフイ
ルムの製造方法。 (11)各層を同時に流延製膜する(1)乃至(9)の
いずれか一つに記載のセルロースアシレートフイルムの
製造方法。
【0014】(12)(1)乃至(11)のいずれか一
つに記載の方法で形成されたセルロースアシレートフイ
ルム。 (13)シリカ粒子、可塑剤および紫外線吸収剤が添加
された請求項12に記載のセルロースアシレートフイル
ム。 (14)(12)または(13)に記載のセルロースア
シレートフイルムからなることを特徴とする偏光板保護
膜。
【0015】
【発明の実施の形態】セルロースアシレート原料のセル
ロースとしては、綿花リンターや木材パルプがある。原
料セルロースを混合して使用してもよい。セルロースア
シレートは、アセチル基あるいは/及び炭素原子数3〜
22のアシル基を有するセルロースアシレートであるこ
とが好ましい。アセチル基の他の炭素原子数3〜22の
アシル基はプロパノイル基(C2 5 CO−)、ブタノ
イル基(C3 7 CO−)(n−、iso−)、バレロ
イル基(C4 9 CO−)(n−、iso−、sec
−、tert−)、オクタノイル、ドデカノイル、オク
タデカノイル、オレオロイルなどを挙げることができ、
プロパノイル、ブタノイルが好ましい。セルローストリ
アセテートが特に好ましい。アシル基のアシル化剤とし
ては、酸無水物や酸クロライドである場合は反応溶媒と
しての有機溶媒は、有機酸(例、酢酸)やメチレンクロ
ライドが使用される。セルロースアシレートは、セルロ
ースの水酸基への置換度が2.6〜3.0が好ましい。
セルロースアシレートの重合度(粘度平均)は200〜
700が好ましく、250〜550がさらに好ましい。
セルロースアシレートは、ダイセル化学工業(株)、コ
ートルズ社、ヘキスト社やイーストマンコダック社によ
り製造されている。写真用グレードのセルロースアシレ
ートを用いることが好ましい。セルロースアシレートの
含水率は、2質量%以下であることが好ましい。
【0016】ソルベントキャスト法によりセルロースア
シレートフイルムを製造することが好ましい。ソルベン
トキャスト法では、セルロースアシレートドープを用い
てフイルムを製造する。有機溶媒は、ケトンおよびエス
テルを混合したものである。ケトンおよびエステルの溶
解度パラメータは、それぞれ19乃至21である。エス
テルおよびケトンは環状構造を有していてもよい。エス
テルおよびケトンは、他の官能基を有していてもよい。
【0017】エステルの例には、蟻酸メチル、蟻酸エチ
ル(19.2)、蟻酸プロピル(18.4)、蟻酸n−
ペンチル(18.1)、酢酸メチル(19.6)、酢酸
エチル(18.2)および酢酸n−ペンチル(17.
6)が含まれる。酢酸メチルが特に好ましい。ケトンの
例には、アセトン(20.3)、メチルエチルケトン
(19.0)、ジエチルケトン(18.2)、ジイソブ
チルケトン(18.0)、シクロペンタノン(20.
9)、シクロヘキサノン(20.3)およびメチルシク
ロヘキサノン(20.1)が含まれる。アセトン、シク
ロペンタノン、シクロヘキサノンが好ましい。なお、か
っこ内の数値は、溶解度パラメータである。
【0018】溶解度パラメータは、液体のモル蒸発熱を
ΔH、モル体積をVとするとき(ΔH/V)1/2 で定義
される量であり、溶解度は両者の溶解度パラメータの差
が小さいほど大きくなる。溶解度パラメータについて記
載された書籍は多数あるが、例えばJ.Brandrup,E.Hらの
Polymer Handbook(fourth edition),VII/671〜VII/714
に詳細に記載されている。
【0019】ところで地球環境や作業環境の観点では、
有機溶媒は塩素系溶剤を実質的に含まないものであるこ
とが必要である。「実質的に含まない」とは、有機溶媒
中の塩素系溶剤の割合が10質量%未満であり、好まし
くは5質量%未満、より好ましくは3質量%未満である
ことを意味する。また、製造したセルロースアシレート
フイルムから、メチレンクロリドのような塩素系溶剤が
全く検出されないことが好ましい。
【0020】エステルおよびケトンに加えて、アルコー
ルを併用できる。アルコールの炭素原子数は、1乃至6
であることが好ましい。アルコールの例には、メタノー
ル、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、1−ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノ
ール、2−フルオロエタノールおよび2,2,2−トリ
フルオロエタノールが含まれる。メタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノールおよび1−ブ
タノールが好ましい。
【0021】実際に用いられる溶媒は、エステル類は全
溶剤の40〜95質量%、好ましくは50〜80質量%
であり、ケトン類は全溶剤の5〜50質量%、好ましく
は10〜40質量%であることが好ましい。更にケトン
類およびエステル類が全溶媒の70質量%以上であるこ
とが好ましい。また、アルコール類は全溶剤の2〜30
質量%含まれることが好ましい。
【0022】溶媒の組み合わせには、酢酸メチル/シク
ロペンタノン/アセトン/メタノール/エタノール(6
0/15/15/5/5、質量部)、酢酸メチル/アセ
トン/メタノール/エタノール(75/15/5/5、
質量部)、酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール
/1−ブタノール(70/20/5/5、質量部)、ギ
酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール
/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)が
含まれる。酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノ
ール(75/15/5/5、質量部)、酢酸メチル/シ
クロペンタノン/メタノール/エタノール(80/10
/5/5、質量部)が特に好ましい。
【0023】セルロースアシレート溶液を作製するに
は、室温下でタンク中の溶剤を撹拌しながら上記セルロ
ースアシレートを添加することでまず溶剤への膨潤を行
う。膨潤時間は最低10分以上が必要であり、10分以
下では不溶解物が残存する。また、セルロースアシレー
トを十分膨潤させるためには溶剤の温度は0から40℃
が好ましい。0℃以下では膨潤速度が低下し不溶解物が
残存する傾向にある、40℃以上では膨潤が急激に起こ
るために中心部分が十分膨潤しない。膨潤工程の後にセ
ルロースアシレートを溶解するには、冷却溶解法、高温
溶解法のいずれか、あるいは両方を用いることが好まし
い。
【0024】冷却溶解法は、まず室温近辺の温度(−1
0〜40℃)で有機溶剤中にセルロースアシレートを撹
拌しながら徐々に添加する。複数の溶剤を用いる場合
は、その添加順は特に限定されない。例えば、溶剤中に
セルロースアシレートを添加した後に、他の溶剤(例え
ばアルコールなどのゲル化溶剤など)を添加してもよい
し、逆にゲル化溶剤を予めセルロースアシレートに湿ら
せた後の溶剤を加えてもよく、不均一溶解の防止に有効
である。セルロースアシレートの量は、この混合物中に
10〜40質量%含まれるように調整することが好まし
い。セルロースアシレートの量は、10〜30質量%で
あることがさらに好ましい。さらに、混合物中には後述
する任意の添加剤を添加しておいてもよい。次に、混合
物は−100〜−10℃、より好ましくは−80〜−1
0℃、さらに好ましくは−50〜−20℃、最も好まし
くは−50〜−30℃に冷却される。冷却は、例えば、
ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジ
エチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施
できる。冷却速度は、速いほど好ましく、100℃/秒
以上が好ましい。また冷却時の結露による水分混入を避
けるため、密閉容器を用いることが望ましい。冷却後0
〜200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましく
は0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温す
ると、有機溶剤中にセルロースアシレートが流動する溶
液となる。昇温は、室温中に放置するだけでもよいし、
温浴中で加温してもよい。また、耐圧性容器を用い冷却
時に加圧し、加温時に減圧すると溶解時間を短縮するこ
とができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧
性容器を用いることが望ましい。これらの冷却、加温の
操作が1回でも良く、2回以上くりかえしても良い。
【0025】高温溶解法は、室温近辺の温度(−10〜
40℃)で有機溶剤中にセルロースアシレートを撹拌し
ながら徐々に添加される。複数の溶剤を用いる場合は、
その添加順は特に限定されない。例えば、溶剤中にセル
ロースアシレートを添加した後に、他の溶剤(例えばア
ルコールなどのゲル化溶剤など)を添加してもよいし、
逆にゲル化溶剤を予めセルロースアシレートに湿らせた
後の溶剤を加えてもよく、不均一溶解の防止に有効であ
る。セルロースアシレート溶液は、各種溶剤を含有する
混合有機溶剤中にセルロースアシレートを添加し予め膨
潤させることが好ましい。その場合、−10〜40℃で
いずれかの溶剤中に、セルロースアシレートを撹拌しな
がら徐々に添加してもよいし、場合により特定の溶剤で
予め膨潤させその後に他の併用溶剤を加えて混合し均一
の膨潤液としてもよく、更には2種以上の溶剤で膨潤さ
せしかる後に残りの溶剤をを加えても良い。セルロース
アシレートの溶解濃度は5質量%〜30質量%が好まし
く、より好ましくは15質量%〜30質量%、さらにこ
のましくは17質量%〜25質量%である。次にセルロ
ースアシレートと溶剤混合液は、耐圧容器内で0.2M
Pa〜30MPaの加圧下で70〜240℃、より好ま
しくは80〜220℃、更に好ましくは100〜200
℃、最も好ましくは100〜190℃に加熱される。こ
の後、使用した溶剤の最も低い沸点以下に冷却する。そ
の場合、−10〜50℃に冷却して常圧に戻すことが一
般的である。冷却は室温に放置するだけでもよく、更に
好ましくは冷却水などの冷媒を用いてもよい。これらの
加熱、冷却の操作は1回でも良く、2回以上繰り返して
も良い。
【0026】セルロースアシレートは低い濃度で溶解し
てから、濃縮手段を用いて濃縮してもよい。セルロース
アシレート溶液を調製する際に、容器内に窒素ガスなど
の不活性ガスを充満させ、防爆対応することが好まし
い。セルロースアシレート溶液の製膜直前の粘度は、製
膜の際に流延可能な範囲であればよく、通常10Pa・
s〜2000Pa・sの範囲に調製されることが好まし
く、特に30Pa・s〜400Pa・sが好ましい。な
お、この時の温度はその流延時の温度であれば特に限定
されないが、好ましくは−5〜70℃であり、より好ま
しくは−5〜55℃である。セルロースアシレートの溶
液中の濃度は5〜40質量%が好ましく、更には10〜
30質量%が好ましい。
【0027】セルロースアシレート溶液には、各調製工
程において用途に応じた種々の添加剤を加えることがで
きる。それらの添加剤は、可塑剤、紫外線防止剤や劣化
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)である。好
ましく添加される可塑剤としては、トリフェニルフォス
フェート(TPP)、ジフェニルビフェニルホスフェー
ト、トリクレジルホスフェート(TCP)、ジオクチル
フタレート(DOP)、O−アセチルクエン酸トリブチ
ル(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、光学
的異方性を小さくする可塑剤として、特開平11−12
4445号公報に記載の(ジ)ペンタエリスリトールエ
ステル類、特開平11−246704号公報に記載のグ
リセロールエステル類、特開2000−63560号公
報に記載のジグリセロールエステル類、特開平11−9
2574号公報に記載のクエン酸エステル類、特開平1
1−90946号公報に記載の置換フェニルリン酸エス
テル類などが好ましく用いられる。これらの可塑剤は1
種でもよいし2種以上併用してもよい。可塑剤の添加量
はセルロースアシレートに対して5〜30質量%以下、
特に8〜16質量%以下が好ましい。
【0028】劣化防止剤や紫外線防止剤については、特
開昭60−235852号、特開平3−199201
号、同5−1907073号、同5−194789号、
同5−271471号、同6−107854号、同6−
118233号、同6−148430号、同7−110
56号、同7−11055号、同7−11056号、同
8−29619号、同8−239509号、特開200
0−204173号の各公報に記載がある。劣化防止剤
の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)
を挙げることができる。紫外線吸収剤は、波長370n
m以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ波長400nm以
上の可視光の吸収が少ないものが好ましく、オキシベン
ゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サ
リチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、
シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物な
どであり、ベンゾトリアゾール系化合物やベンゾフェノ
ン系化合物が特に好ましい。これらの化合物の添加量
は、セルロースアシレートに対して質量割合で1ppm
〜1万ppmが好ましく、10〜1000ppmが更に
好ましい。フイルムの面内のレターデーション(Re)
は、0〜300nmの範囲が好ましく、用途に応じて調
整される。又、フイルムの厚さ方向のレターデーション
(Rth)も重要である。セルロースアシレートフイルム
のRthは100μm当たり、0nm〜600nmであ
り、さらには0nm〜400nmで用いられ、特には0
nm〜250nmで用いられる。
【0029】セルロースアシレートフイルムを形成する
にあたり、該セルロースアシレート溶液を流延する前に
剥離剤を添加することができる。剥離剤としては水溶液
中での酸解離指数pKaが1.93〜4.50である少
なくとも一種の酸、この酸のアルカリ金属塩および前記
酸のアルカリ土類金属塩から選択されたものが好ましく
用いられる。
【0030】以下に、用いられる剥離剤の種類をそのp
Kaとともに示すが、使用可能な剥離剤はこれに限定さ
れない。無機酸としては、例えば、HClO2 (2.3
1),HOCN(3.48),モリブデン酸(H2 Mo
4 ,3.62),HNO2(3.15),リン酸(H
3 PO4 ,2.15),トリポリリン酸(H5
3 10,2.0),バナジン酸(H3 VO4 ,3.7
8)などが例示できる。
【0031】有機酸としては、例えば、脂肪族モノカル
ボン酸[ギ酸(3.55),オキサロ酢酸(2.2
7),シアノ酢酸(2.47),フェニル酢酸(4.1
0),フェノキシ酢酸(2.99),フルオロ酢酸
(2.59),クロロ酢酸(2.68),ブロモ酢酸
(2.72),ヨード酢酸(2.98),メルカプト酢
酸(3.43),ビニル酢酸(4.12)などの置換基
を有する酢酸,クロロプロピオン酸(2.71−3.9
2)などのハロプロピオン酸,4−アミノ酪酸(4.0
3),アクリル酸(4.26)など],脂肪族多価カル
ボン酸[マロン酸(2.65),コハク酸(4.0
0),グルタル酸(4.13),アジピン酸(4.2
6),ピメリン酸(4.31),アゼライン酸(4.3
9),フマル酸(2.85)など],オキシカルボン酸
[グリコール酸(3.63),乳酸(3.66),リン
ゴ酸(3.24),酒石酸(2.82−2.99),ク
エン酸(2.87)など]、アルデヒド酸又はケトン酸
[グリオキシル酸(3.18),ピルビン酸(2.2
6),レブリン酸(4.44)など]、芳香族モノカル
ボン酸[アニリンスルホン酸(3.74−3.23),
安息香酸(4.20),アミノ安息香酸(2.02−
3.12),クロロ安息香酸(2.92−3.99),
シアノ安息香酸(3.60−3.55),ニトロ安息香
酸(2.17−3.45),ヒドロキシ安息香酸(4.
08−4.58),アニス酸(4.09−4.48),
フルオロ安息香酸(3.27−4.14),クロロ安息
香酸,ブロモ安息香酸(2.85−4.00),ヨード
安息香酸(2.86−4.00)などの置換基を有する
安息香酸,サリチル酸(2.81),ナフトエ酸(3.
70−4.16),ケイ皮酸(3.88),マンデル酸
(3.19)など]、芳香族多価カルボン酸[フタル酸
(2.75),イソフタル酸(3.50),テレフタル
酸(3.54)など]、複素環式モノカルボン酸[ニコ
チン酸(2.05),2−フランカルボン酸(2.9
7)など],複素環式多価カルボン酸[2,6−ピリジ
ンジカルボン酸(2.09)など]などが例示できる。
【0032】有機酸には、アミノ酸類[すなわち、アミ
ノ酸やアミノ酸誘導体(置換基を有するアミノ酸,2〜
5個程度のアミノ酸で構成されたペプチドなど)]も含
まれる。アミノ酸類には、例えば、アミノ酸[アスパラ
ギン(2.14),アスパラギン酸(1.93),アデ
ニン(4.07),アラニン(2.30),β−アラニ
ン(3.53),アルギニン(2.05),イソロイシ
ン(2.32),グリシン(2.36),グルタミン
(2.17),グルタミン酸(2.18),セリン
(2.13),チロシン(2.17),トリプトファン
(2.35),トレオニン(2.21),ノルロイシン
(2.30),バリン(2.26),フェニルアラニン
(2.26),メチオニン(2.15),リシン(2.
04),ロイシン(2.35)など],アミノ酸誘導体
[アデノシン(3.50),アデノシン三リン酸(4.
06),アデノシンリン酸(3.65−3.80),L
−アラニル−L−アラニン(3.20),L−アラニル
グリシン(3.10),β−アラニルグリシン(3.1
8),L−アラニルグリシルグリシン(3.24),β
−アラニルグリシルグリシン(3.19),L−アラニ
ルグリシルグリシルグリシン(3.18),グリシル−
L−アラニン(3.07),グリシル−β−アラニン
(3.91),グリシルグリシル−L−アラニン(3.
18),グリシルグリシルグリシン(3.20),グリ
シルグリシルグリシルグリシン(3.18),グリシル
グリシル−L−ヒスチジン(2.72),グリシルグリ
シルグリシル−L−ヒスチジン(2.90),グリシル
−DL−ヒスチジルグリシン(3.26),グリシル−
L−ヒスチジン(2.54),グリシル−L−ロイシン
(3.09),γ−L−グルタミル−L−システイニル
グリシン(2.03),N−メチルグリシン(サルコシ
ン,2.20),N,N−ジメチルグリシン(2.0
8),シトルリン(2.43),3,4−ジヒドロキシ
フェニルアラニン(2.31),L−ヒスチジルグリシ
ン(2.84),L−フェニルアラニルグリシン(3.
02),L−プロリルグリシン(3.07),L−ロイ
シル−L−チロシン(3.15)など]などが例示でき
る。
【0033】また、酸としてはカルボン酸以外にスルホ
ン酸、リン酸系素材を用いることにより剥離性の改良が
期待できる。これらはその溶解性の観点から界面活性剤
の形であることが好ましい。具体的には特開昭61−2
43837号公報に記載された素材を好適に用いること
ができる。具体例としては、C1225O−P(=O)−
(OK)2 、C1225OCH2 CH2 O−P(=O)−
(OK)2 、(iso−C9 192 −C6 3 −O−
(CH2 CH2 O)3 −(CH2 4 SO3 Naがあ
る。
【0034】剥離剤として好ましい酸を以下に示す。有
機酸として、例えば、脂肪族モノカルボン酸[ギ酸,ク
ロロ酢酸などのハロ酢酸、ハロプロピオン酸,アクリル
酸などの飽和又は不飽和C1−3モノカルボン酸な
ど],脂肪族多価カルボン酸[マロン酸,コハク酸,グ
ルタル酸,フマル酸などの飽和又は不飽和C2−4ジカ
ルボン酸など],オキシカルボン酸[グリコール酸,乳
酸,リンゴ酸,酒石酸,クエン酸などのC1−6オキシ
カルボン酸]、アミノ酸又はその誘導体を挙げることが
できる。また、スルホン酸およびリン酸系界面活性剤と
して特開昭61−243837号公報に記載された素材
が好ましい。
【0035】酸は遊離酸として用いてもよく、アルカリ
金属塩又はアルカリ土類金属塩として用いてもよい。ア
ルカリ金属としては、リチウム,カリウム,ナトリウム
などが例示でき、アルカリ土類金属としては、カルシウ
ム,マグネシウム,バリウム,ストロンチウムなどが例
示できる。好ましいアルカリ金属には、ナトリウムが含
まれ、好ましいアルカリ土類金属には、カルシウム,マ
グネシウムが含まれる。但し、アルカリ金属の方が、ア
ルカリ土類金属よりもより好ましい。これらのアルカリ
金属,アルカリ土類金属はそれぞれ単独で又は二種以上
組み合わせて使用でき、アルカリ金属とアルカリ土類金
属とを併用してもよい。
【0036】前記酸およびその金属塩の総含有量は、剥
離性,透明性などを損なわない範囲、例えば、セルロー
スアシレート1g当たり、1×10-9〜3×10-5
ル、好ましくは1×10-8〜2×10-5モル(例えば、
5×10-7〜1.5×10-5モル)、さらに好ましくは
1×10-7〜1×10-5モル(例えば、5×10-6〜8
×10-6モル)程度の範囲から選択でき、通常、5×1
-7〜5×10-6モル(例えば、6×10-7〜3×10
-6モル)程度である。
【0037】また、微粒子を添加してフイルムの軋みを
防止する目的で、シリカ、カオリン、タルク、ケイソウ
土、石英、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタ
ン、アルミナ、マンガンコロイド、二酸化チタン、硫酸
ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素などの無機微粒
子、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ土類金属
の塩なども添加される。その場合表面の突起物の平均高
さが0.005〜10μmであり、好ましくは0.01
〜5μmであり、球形、不定形マット剤で突起物を形成
する場合はその含有量が0.5〜600mg/m2 であ
り、より好ましいのは1〜400mg/m2 である。
【0038】溶液は流延に先だって金網、紙やネルなど
の適当な濾材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物などの
異物を濾過除去しておくのが好ましい。セルロースアシ
レート溶液の濾過には絶対濾過精度が0.05〜100
μmのフィルタを用いられ、さらには絶対濾過精度が
0.5〜10μmであるフィルタを用いることが好まし
い。その場合、16kg/cm2 以下(好ましくは12
kg/cm2 以下、更に好ましくは10kg/cm2
下、特に好ましくは2kg/cm2 以下の濾過圧力で濾
過することが好ましい。
【0039】セルロースアシレート溶液を用いたフイル
ムの製造方法について述べる。セルロースアシレートフ
イルムを製造する方法及び設備は、従来セルローストリ
アセテートフイルム製造に供する溶液流延製膜方法及び
溶液流延製膜装置が用いられる。溶解タンク(釜)から
調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)をスト
ックタンクで一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱
泡したり最終調製をする。ドープをドープ排出口から、
例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定
量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを加圧
型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行してい
る流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属支持
体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブ
とも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウェブ
の両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬
送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し乾燥
を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テンタ
ーとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的によ
り変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレ
イ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法において
は、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハ
レーション防止層、保護層等のフイルムへの表面加工の
ために、塗布装置が付加されることが多い。
【0040】得られたセルロースアシレート溶液を、金
属支持体としての平滑なバンド上或いはドラム上に2層
以上の複数のセルロースアシレート液を共流延する。例
えば、複数のセルロースアシレート溶液を流延する場
合、金属支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の
流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ
流延させて積層させながらフイルムを作製してもよく、
例えば特開平11−198285号公報などに記載の方
法が適応できる。また、2つの流延口からセルロースア
シレート溶液を流延することによってフイルム化する方
法が挙げられ、特開平6−134933号公報に記載の
方法で実施できる。また、特開昭56−162617号
公報に記載の高粘度セルロースアシレート溶液の流れを
低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その
高,低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押出す
セルロースアシレートフイルム流延方法でもよい。この
ような共流延を行なうことにより、前述の様に表面の乾
燥における平滑化が進行するため面状の大幅な改良が期
待できる。共流延の場合の膜厚は、各層の厚さは特に限
定されないが、好ましくは外部層が内部層より薄いこと
が好ましく用いられる。その際の外部層の膜厚は、1〜
50μmが好ましく、特に好ましくは1〜30μmであ
る。ここで、外部層とは、2層の場合はバンド面(ドラ
ム面)ではない面、3層以上の場合は完成したフイルム
の両表面側の層を示す。内部層とは、2層の場合はバン
ド面(ドラム面)。3層以上の場合は外部層より内側に
有る層を示す。さらにセルロースアシレート溶液は、他
の機能層(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アン
チハレーション層、UV吸収層、偏光層など)を同時に
流延することも実施しうる。
【0041】本発明では、外部層および内部層に粘度が
異なる溶液を使用する。流延によって得られた未乾のフ
イルムは金属支持体から剥離が必要であり、実際には未
乾フイルムを冷却してゲル化させ、剥離することにな
る。本発明者の検討の結果、外部層の溶液の0℃におけ
る粘度を、内部層の溶液の0℃における粘度に比べて高
くなるように処方を選定することにより、外部層でゲル
化を起こさせて剥離性が良化することを確認した。0℃
における外部層の粘度としては、10000P以上であ
ることが好ましい。0℃における外部層の粘度は、0℃
における内部層の粘度に対して1.03倍から10倍で
あることが好ましく、より好ましくは1.1倍から5倍
の範囲である。一方、50℃での粘度は外部層の方が内
部層よりも低くすることで乾燥時に表面のレベリングが
起こりやすくなり面状が良化する。50℃における外部
層の粘度は、50℃における内部層の粘度に対して0.
1倍から0.97倍であることが好ましく、より好まし
くは0.2倍から0.9倍の範囲である。この粘度差が
小さすぎると面状改良効果が得られず、大きすぎると共
流延時に液がうまく層流を形成できずに透明性が低下す
る。
【0042】また、外部層を形成するセルロースアシレ
ート溶液の濃度は内部層を形成するセルロースアシレー
ト溶液の濃度に対して低くすることで面状を大きく改善
できる。この場合、濃度がわずかに低いだけでも、面状
改良効果は大きいことが本発明者らの鋭意検討により明
らかになっている。実際の濃度比としては0.99倍乃
至0.80倍であることが好ましく、濃度差がありすぎ
ると共流延時に液がうまく層流を形成できずに透明性が
低下する。
【0043】セルロースアシレートフイルムの製造に係
わる金属支持体上におけるドープの乾燥は、乾燥工程に
おける乾燥温度は30〜250℃、特に40〜180℃
が好ましく、特公平5−17844号公報に記載があ
る。更には、積極的に幅方向に延伸する方法もあり、例
えば、特開昭62−115035号、特開平4−152
125号、同4−284211号、同4−298310
号および同11−48271号の各公報などに詳細に記
載されている。フイルムの延伸は、一軸延伸でもよく二
軸延伸でもよい。フイルムの延伸倍率(元の長さに対す
る延伸による増加分の比率)は、10〜30%であるこ
とが好ましい。
【0044】出来上がり(乾燥後)のセルロースアシレ
ートフイルムの厚さは、使用目的によって異なるが、通
常5〜500μmの範囲であり、更に20〜250μm
の範囲が好ましく、特に30〜180μmの範囲が最も
好ましい。なお、光学用途としては30〜110μmの
範囲が特に好ましい。フイルム厚さの調製は、所望の厚
さになるように、ドープ中に含まれる固形分濃度、ダイ
の口金のスリット間隙、ダイからの押し出し圧力、金属
支持体速度等を調節すればよい。
【0045】ここで場合により、セルロースアシレート
フイルムの表面処理を行うことによって、セルロースア
シレートフイルムと各機能層(例えば、下塗層およびバ
ック層)との接着の向上を達成することができる。表面
処理としては、グロー放電処理、紫外線照射処理、コロ
ナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いること
ができる。また、表面処理として好ましいアルカリ鹸化
処理は、フイルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸
性溶液で中和し、水洗して乾燥するサイクルで行われる
ことが好ましい。アルカリ溶液としては、水酸化カリウ
ム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオ
ンの規定濃度は0.1N〜3.0Nであることが好まし
く、0.5N〜2.0Nがさらに好ましい。アルカリ溶
液温度は、室温〜90℃が好ましく、30℃〜70℃が
さらに好ましい。次に一般には水洗され、しかる後に酸
性水溶液を通過させた後に水洗して表面処理したセルロ
ースアシレートフイルムを得る。酸性水溶液に用いる酸
の例としては、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、蟻酸、クロロ
酢酸、シュウ酸などが挙げられ、その濃度は0.01N
〜3.0Nが好ましく、0.05N〜2.0Nがさらに
好ましい。そして、セルロースアシレートフイルムと機
能層との接着を達成するために、下塗層(接着層)を設
けこの上に機能層を塗布することも好ましい。
【0046】偏光板用保護膜の構成においては、セルロ
ースアシレートフイルムの少なくとも一層に帯電防止層
を設けたり、偏光子と接着するための親水性バインダー
層が設けられることが好ましい。導電性素材としては、
導電性金属酸化物や導電性ポリマーが好ましい。なお、
蒸着やスパッタリングによる透明導電性膜でもよい。導
電性層は、最外層でもよいし、内部層でも問題はない。
導電層の送電性は、抵抗が10E0〜10E12Ωであ
ることが好ましく、特には10E0〜10E10Ωであ
ることが好ましい。金属酸化物が好ましく、例としては
ZnO、TiO 2 、SnO2 、Al2 3 、In
2 3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO2、V2
5 等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZn
O、SnO2 あるいはV2 5 が好ましい。導電性イオ
ン性高分子化合物としては、主鎖中に解離基をもつアイ
オネン型ポリマー、側鎖中にカチオン性解離基をもつカ
チオン性ペンダント型ポリマー等を挙げることができ
る。さらに本発明の導電性材料として、有機電子伝導性
材料もこのましく、例えばポリアニリン誘導体、ポリチ
オフェン誘導体、ポリピロール誘導体、ポリアセチレン
誘導体などを挙げることができる。
【0047】また、セルロースアシレートフイルムのい
ずれかの機能性層に界面活性剤が好ましく用いられ、ノ
ニオン性、カチオン性、ベタイン性のいずれも使用でき
る。さらにそれらのフッ素系界面活性剤も有機溶媒中で
の塗布剤としたり、帯電防止剤として好ましく用いられ
る。また、本発明に於いては、セルロースアシレートフ
イルムの上のいずれかの層に滑り剤を含有させることが
好ましいが、例えば、特公昭53−292号公報に記載
のポリオルガノシロキサン、米国特許第4、275、1
46号明細書に記載の高級脂肪酸アミド、特公昭58−
33541号公報、英国特許第927、446号明細
書、特開昭55−126238号及び同58−9063
3号の各公報に記載の高級脂肪酸エステル(炭素数10
〜24の脂肪酸と炭素数10〜24のアルコールのエス
テル)が知られている。
【0048】セルロースアシレート溶液からなるセルロ
ースアシレートフイルムは、様々な用途で用いることが
できる。本発明のセルロースアシレートフイルムは、液
晶表示装置の光学補償シートとして用いると特に効果が
ある。本発明のセルロースアシレートフイルムには、フ
イルムそのものを光学補償シートとして用いることがで
きる。なお、フイルムそのものを光学補償シートとして
用いる場合は、偏光素子(後述)の透過軸と、セルロー
スアシレートフイルムからなる光学補償シートの遅相軸
とを実質的に平行または垂直になるように配置すること
が好ましい。このような偏光素子と光学補償シートとの
配置については、特開平10−48420号公報に記載
がある。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を
担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏
光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なく
とも一枚の光学補償シートを配置した構成を有してい
る。液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にス
ペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形
成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜とし
て基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリア
ー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用
いる)アンダーコート層を設けてもよい。これらの層
は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一
般に80〜500μmの厚さを有する。
【0049】光学補償シートは、液晶画面の着色を取り
除くための複屈折率フイルムである。本発明のセルロー
スアシレートフイルムは、光学補償シートとして用いる
ことができる。さらに反射防止層、防眩性層、λ/4層
や2軸延伸セルロースアシレートフイルムとして機能を
付与してもよい。また、液晶表示装置の視野角を改良す
るため、本発明のセルロースアシレートフイルムと、そ
れとは(正/負の関係が)逆の複屈折を示すフイルムを
重ねて光学補償シートとして用いてもよい。光学補償シ
ートの厚さの範囲は、前述した本発明のフイルムの好ま
しい厚さと同じである。偏光素子の偏光膜には、ヨウ素
系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン
系偏光膜がある。いずれの偏光膜も、一般にポリビニル
アルコール系フイルムを用いて製造する。偏光板の保護
膜は、25〜350μmの厚さを有することが好まし
く、30〜200μmの厚さを有することがさらに好ま
しい。液晶表示装置には、表面処理膜を設けてもよい。
表面処理膜の機能には、ハードコート、防曇処理、防眩
処理および反射防止処理が含まれる。前述したように、
セルロースアシレートフイルムの上に液晶(特にディス
コティック液晶性分子)を含む光学的異方性層を設けた
光学補償シートも提案されている(特開平3−9325
号、同6−148429号、同8−50206号および
同9−26572号の各公報記載)。セルロースアシレ
ートフイルムは、そのような光学補償シートの支持体と
しても用いることができる。本発明のセルロースアシレ
ートフイルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型
液晶表示装置の光学補償シートの支持体 、OCBモー
ドの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置あるいはH
ANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の
光学補償シートの支持体、ASM(Axially Symmetric
Aligned Microcell )モードの液晶セルを有するASM
型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として好まし
く用いられる。
【0050】
【実施例】各実施例において、セルロースアシレート、
溶液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、
以下のように測定および算出した。
【0051】(0)セルロースアシレートの置換度
(%) 酢化度はケン化法により測定した。乾燥したセルロース
アシレートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシド
との混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定量の
1N−水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時
間ケン化した。フェノールフタレインを指示薬として添
加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸
化ナトリウムを滴定した。また、上記と同様の方法によ
り、ブランクテストを行った。そして、下記式に従って
酢化度(%)を算出した。 酢化度(%)=(6.005×(B−A)×F)/W 式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸量(ml)、
Bはブランクテストに要した1N−硫酸量(ml)、F
は1N−硫酸のファクター、Wは試料質量を示す。尚、
複数のアシル基を含有する系では、そのpKaの差を使っ
て、各アシル基の量を求めた。また、T.Sei,K.
Ishitani,R.Suzuki,K.Ikema
tsu Polymer Journal 17 10
65(1985)に記載の方法によっても同様に求め、
その値が正しいことを別途確認した。さらに、これらに
より求められた酢化度、その他のアシル基の量からモル
分子量を考慮して置換度に換算した。
【0052】(1)セルロースアシレートの粘度平均重
合度(DP) 絶乾したセルロースアシレート約0.2gを精秤し、メ
チレンクロリド:エタノール=9:1(質量比)の混合
溶剤100mlに溶解した。これをオストワルド粘度計
にて25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式によ
り求めた。 ηrel =T/T0 T :測定試料の落下秒数 [η]=(1nηrel )/C T0 :溶剤単独の落下秒数 DP=[η]/Km C :濃度(g/l) Km:6×10-4
【0053】(2)溶液の安定性 得られた溶液またはスラリーの状態を常温(23℃)で
20日間静置保存したまま観察し、以下のA、B、C、
Dの4段階に評価した。 A:透明性と液均一性を示す。 B:若干の溶け残りがある、または少し白濁が見られ
る。 C:明らかな溶け残りがある、または溶液がゲル化して
いる。 D:液は膨潤・溶解が見られず不透明性で不均一な溶液
状態である。
【0054】(3)溶液の粘度 作製したセルロースアシレート溶液の0℃および50℃
における見掛け粘度はCone−plate型のセンサ
を用い、Rheometer(TA Instruments社製)に
て測定した。
【0055】(4)フイルム面状 フイルムを目視で観察し、その面状を以下の如く評価し
た。 A:フイルム表面は平滑であり、きわめて面状が良好で
ある。 B:フイルム表面は平滑であるが、まれに凹凸が認めら
れる。 C:フイルム表面は平滑であるが、弱い凹凸が比較的多
数見られる。 D:フイルム全面に弱い凹凸が認められる。 E:フイルムに強い凹凸が見られ、異物が見られる。
【0056】(5)フイルムのヘイズ ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を
用いて測定した。
【0057】(1−1)セルロースアシレート溶液の作
製 下記の2種の溶解方法にてセルロースアシレート溶液を
作製した。各本発明および比較例の詳細な溶剤組成につ
いては表1に記載した。なお、シリカ粒子(粒径20n
m)、トリフェニルフォスフェート/ビフェニルジフェ
ニルフォスフェート(1/2)、2,4−ビス−(n−
オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−
tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン
をそれぞれセルロースアシレートの0.5質量%、10
質量%、1.0質量%添加した。また、剥離剤としてク
エン酸をセルロースアシレートに対して200ppm添
加した。尚、本発明における共流延の内部層、外部層を
形成する液としては上記セルロースアシレート溶液を濃
度を変えて用いた。詳細は表1に合わせて示した。
【0058】(1−1a)冷却溶解(表1に「冷却」と
記載) 溶剤中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物をゆっくり撹拌しなが
ら、−8℃/分で−30℃まで冷却、その後表1記載の
温度まで冷却し6時間経過した後、+8℃/分で昇温し
内容物のゾル化がある程度進んだ段階で、内容物の撹拌
を開始した。50℃まで加温しドープを得た。 (1−1b)高圧高温溶解(表1に「高温」と記載) 溶剤中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレ
ートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し
膨潤させた。得られた膨潤混合物を、二重構造のステン
レス製密閉容器に入れた。容器の外側のジャケットに高
圧水蒸気を通すことで+8℃/分で加温し1MPa下、
表1記載の温度で5分間保持した。この後外側のジャケ
ットに50℃の水を通し−8℃/分で50℃まで冷却
し、ドープを得た。
【0059】(1−2)セルロースアシレート溶液の濾
過 次に得られたドープを50℃にて、絶対濾過精度0.0
1mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で濾過し、
さらに絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社
製、FH025)にて濾過した。
【0060】(1−3)(1−2)の溶液を特開昭56
−162617号公報に記載の流延機を用いて流延し、
120℃の環境下で30分乾燥して溶剤を蒸発させセル
ロースアシレートフイルムを得た。層構成は本発明にお
いては二層または三層であり、二層ではバンド面から内
部層/外部層の構成、三層では外部層/内部層/外部層
のサンドイッチ型構成であった。詳細は表1に示した。
【0061】
【表1】
【0062】(1−3)結果 得られたセルロースアシレートの溶液およびフイルムを
上述の項目に従って評価した。本発明のセルロースアシ
レート溶液およびフイルムは、その溶液安定性、フイル
ムの機械物性、光学物性において特に問題は認められな
かった。一方、比較例では得られたフイルムの面状に問
題が認められた。
【0063】また、これらのフイルムを、製膜工程中の
乾燥工程中にオンラインで、あるいはその後オフライン
で130℃にて10%〜30%MD,TD延伸した。こ
れらは、延伸倍率に比例し40nm〜160nmにレタ
ーデーションを増加させることができた。このようにし
て得たセルロースアシレートフイルムを、特開平10−
48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特
開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコ
ティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポリビニルア
ルコールを塗布した配向膜、特開2000−15426
1号公報の図2〜9に記載のVA型液晶表示装置、特開
2000−154261号公報の図10〜15に記載の
OCB型液晶表示装置に用いたところ良好な性能が得ら
れた。さらに、特開昭54−016575号公報に記載
の偏光板として用いたところ、良好な性能が得られた。
【0064】
【表2】
【0065】
【発明の効果】共流延法により二層以上の層を流延製膜
することを特徴とするセルロースアシレートフイルムの
製造方法であって、該セルロースアシレート溶液が実質
的に非塩素系溶剤から構成され、該非塩素系溶剤は少な
くとも溶解度パラメータ19乃至21のケトン類と溶解
度パラメータ19乃至21のエステル類の混合溶剤から
なり、外部層の溶液の0℃における粘度が、内部層の溶
液の0℃における粘度に比べて高いことを特徴とするセ
ルロースアシレートフイルムの製造方法により、フイル
ムの面状を改良すると共に機械特性等で問題のないセル
ロースアシレートフイルムの製造方法を達成した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 1:14 C08L 1:14 Fターム(参考) 2H049 BB33 BC09 BC22 4F071 AA09 AA88 AC05 AC07 AC10 AC13 AE19 AF05 AF05Y AH14 BB02 BC01 4F205 AA01 AB07 AB14 AB17 AC05 AG03 AH73 GA07 GB02 GB26 GC07 GE22 GE24

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二以上のセルロースアシレート溶液を共
    流延して製膜するセルロースアシレートフイルムの製造
    方法であって、該セルロースアシレート溶液がいずれも
    実質的に非塩素系溶剤から構成され、該非塩素系溶剤は
    溶解度パラメータが19乃至21のケトンと溶解度パラ
    メータが19乃至21のエステルとの混合溶剤からな
    り、外部層の溶液の0℃における粘度が、内部層の溶液
    の0℃における粘度に比べて高いことを特徴とするセル
    ロースアシレートフイルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 外部層の溶液の50℃における粘度が内
    部層の溶液の50℃における粘度よりも低い請求項1に
    記載のセルロースアシレートフイルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 外部層の溶液濃度が内部層の溶液濃度よ
    りも低い請求項1もしくは2に記載のセルロースアシレ
    ートフイルムの製造方法。
  4. 【請求項4】 該非塩素系溶剤が、全溶剤に対して2乃
    至30質量%のアルコールを含有する請求項1乃至3の
    いずれか一項に記載のセルロースアシレートフイルムの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 外部層のアルコール含有量の方が内部層
    のアルコール含有量よりも多い請求項4に記載のセルロ
    ースアシレートフイルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 ケトンがアセトン、メチルエチルケト
    ン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンからなる
    群より選ばれ、エステルが酢酸メチルであり、さらにア
    ルコールが炭素数6以下のアルコールである請求項4に
    記載のセルロースアシレートフイルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 溶剤とセルロースアシレートの混合物
    を、−80乃至−10℃又は80乃至220℃の温度に
    曝して溶解する請求項1乃至6のいずれか一項に記載の
    セルロースアシレートフイルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 セルロースアシレートフイルムが二層以
    上の多層構造を有し、該セルロースアシレートフイルム
    の少なくとも一方の側の外部層の厚さが1乃至50μm
    の範囲にある請求項1乃至7のいずれか一項に記載のセ
    ルロースアシレートフイルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 セルロースアシレートフイルムが三層以
    上の多層構造を有し、該セルロースアシレートフイルム
    の少なくとも一方の側の外部層の厚さが1乃至50μm
    の範囲にある請求項1乃至7のいずれか一項に記載のセ
    ルロースアシレートフイルムの製造方法。
  10. 【請求項10】 外部層の厚さが1乃至20μmの範囲
    にある請求項8または9に記載のセルロースアシレート
    フイルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 各層を同時に流延製膜する請求項1乃
    至9のいずれか一項に記載のセルロースアシレートフイ
    ルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至11のいずれか一項に記
    載の方法で形成されたセルロースアシレートフイルム。
  13. 【請求項13】 シリカ粒子、可塑剤および紫外線吸収
    剤が添加された請求項12に記載のセルロースアシレー
    トフイルム。
  14. 【請求項14】 請求項12または13に記載のセルロ
    ースアシレートフイルムからなることを特徴とする偏光
    板保護膜。
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