JP2002322294A - セルロースアシレートフイルム - Google Patents

セルロースアシレートフイルム

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JP2002322294A JP2001129920A JP2001129920A JP2002322294A JP 2002322294 A JP2002322294 A JP 2002322294A JP 2001129920 A JP2001129920 A JP 2001129920A JP 2001129920 A JP2001129920 A JP 2001129920A JP 2002322294 A JP2002322294 A JP 2002322294A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 面状の良いセルロースアシレートフイル
ムを提供する。 【解決手段】 セルロースアシレートの0.05乃至2
5質量%の量のオイルゲル化剤を、セルロースアシレー
トフイルムに添加する。オイルゲル化剤は例えばパリ
ン、ロイシン、イソロイシン、アスパラギン酸、アスパ
ラギン酸エステル、グルタミン酸、グルタミン酸エステ
ルおよびフェニルアラニンからなる群より選ばれる二個
のアミノ酸から形成される環状ジペプチド、α−アミノ
ラクタム構造を有する化合物があげられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハロゲン化銀写真感
光材料または液晶画像表示装置に有用なセルロースアシ
レートフイルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハロゲン化銀写真感光材料や液晶
画像表示装置に使用されるセルロースアシレートを製造
する際に使用されるセルロースアシレート溶液の有機溶
媒は、メチレンクロライドのような塩素含有炭化水素が
使用されている。メチレンクロライド(沸点40℃)
は、従来からセルロースアシレートの良溶媒として用い
られ、製造工程の製膜及び乾燥工程において沸点が低い
ことから乾燥させ易いという利点により好ましく使用さ
れている。逆にメチレンクロライドは沸点が低く揮発し
易いため、密閉設備でも取り扱い工程で若干漏れ易く回
収にも限界があり、完全に大気中への散逸を防ぎきれな
いという問題があり、その環境安全性の点で改善が望ま
れている。そこで、この解決のためにメチレンクロライ
ドを用いて、さらに高濃度のセルロースアシレート溶液
を作製し溶媒の使用量を減らすことを検討したが、その
流延時の金属支持体から剥離が不十分でありその改良が
望まれていた。さらに、メチレンクロライド以外のセル
ロースアシレートの溶媒の探索がなされて来た。セルロ
ースアシレート特にセルローストリエステルに対する溶
解性を示す有機溶媒として知られているものにはアセト
ン(沸点56℃)、酢酸メチル(沸点56℃)、テトラ
ヒドロフラン(沸点65℃)、1,3−ジオキソラン
(沸点75℃)、1,4−ジオキサン(沸点101℃)
などがある。しかしながら、これらの有機溶媒は従来の
溶解方法では実際に実用できるに十分な溶解性は得られ
ていない。
【0003】この解決として、J.M.G.Cowie
等の論文( Makromol.chem.143巻、105頁(1971))におい
て、セルローストリアセテート(酢化度60.1%から
61.3%)をアセトン中で−80℃から−70℃に冷
却した後、加温することによって、0.5から5質量%
の希薄溶液が得られることを報告している。このような
低温でセルロースアシレートを溶解する方法を冷却溶解
法という。また、上出健二等は繊維機械学会誌、34
巻、57−61頁(1981)の「三酢酸セルロースの
アセトン溶液からの乾式紡糸」の中で冷却溶解法を用い
ての紡糸技術について述べている。
【0004】また、特開平9−95538号公報、特開
平9−95544号及び同9−95557号公報では、
上記技術を背景に、非塩素系有機溶媒を用いて冷却溶解
法によってセルロースアシレートを溶解することが開示
されている。その際に用いられる非塩素系有機溶剤とし
ては、エーテル類、ケトン類あるいはエステルから選ば
れる有機溶媒であり、冷却溶解法によりセルロースアシ
レートを溶解してフイルムを作製している。これらの具
体的な有機溶媒としてはアセトン、2−メトキシエチル
アセテート、シクロヘキサノン、エチルホルメート、及
びメチルアセテートなどが好ましいとしている。しか
し、特開平11−60752号公報では、これらの方法
ではセルローストリアセテートの低重合度部分を前もっ
て取り除かないと調製されたセルローストリアセテート
溶液の透明性や安定性の再現性に乏しく、従来から市販
されている写真用グレードのセルローストリアセテート
をそのまま使用できないという煩雑さを解決するため
に、フルオロアルコールをセルロースアシレート溶液に
添加して改良することが提案されている。しかし、フル
オロアルコールを添加することにより、その強撥油撥水
性のためにセルロースアシレートの面状が悪いという欠
陥を有することが問題として発生することが挙げられ
る。
【0005】一方、セルロースアシレートフイルムは、
一般にソルベントキャスト法またはメルトキャスト法に
より製造される。ソルベントキャスト法では、セルロー
スアシレートを溶媒中に溶解した溶液(ドープ)を金属
支持体上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを形成す
るものである(もう一つの方法であるメルトキャスト法
では、セルロースアシレートを加熱により溶融したもの
を金属支持体上に流延し、冷却してフイルムを形成す
る)。ソルベントキャスト法の方が、メルトキャスト法
よりも平面性の高い良好なフイルムを製造することがで
きる。このため、実用的にはソルベントキャスト法の方
が普通に採用されている。最近のソルベントキャスト法
では、ドープを金属支持体上へ流延してから、金属支持
体上の成形フイルムを剥離するまでに要する時間を短縮
して、製膜工程の生産性を向上させることが課題になっ
ている。特に、ソルベントキャスト法によってセルロー
スアシレートフイルムを得るに際して、前述の非塩素系
有機溶媒を用いて溶解したセルロースアシレート溶液の
場合に、その金属支持体からのセルロースアシレートフ
イルムを短時間で剥離することが困難であり、生産性に
劣ることが問題になっている。
【0006】これは、セルロースアシレートを金属支持
体であるバンド或いはドラム上に流延し、乾燥或いは冷
却して強度の強いゲル状フイルムとし、有機溶媒を含ん
だ状態で金属支持体から剥離し、その後に乾燥される際
に金属支持体から剥離したセルロースアシレート膜の強
度が不十分であることが原因である。従来使用されてき
た塩素系有機溶媒メチレンクロライドでは、その沸点が
低いために短時間で溶媒を揮発させることができ、セル
ロースアシレートフイルム中の固形分濃度を大幅に上昇
させることで、溶媒を含むセルロースアシレートフイル
ムの膜強度を高めることができるため、特に大きな問題
ではなかった。しかし、非塩素系溶媒を用いる場合は、
その沸点が高いだけでなくセルロースアシレートとの親
和性が強いことから、短時間での溶媒の揮発が期待でき
ない。このため、溶媒を含んだセルロースアシレートフ
イルムを金属支持体から剥ぎ取った後、その乾燥時のハ
ンドリング中にそのセルロースアシレートフイルムの平
面性を保持できず、テンター保持部や中央部でセルロー
スアシレートフイルムが伸びたりして、平面性が著しく
悪化するという問題を有する。特に、冷却したバンド状
やドラム状の金属支持体上にセルロースアシレート溶液
を流延し、乾燥することなく金属支持体から溶媒を多量
含有したセルロースアシレートフイルムを剥離させ、し
かる後に乾燥する工程を有する流延・乾燥形態をとる場
合に、この問題は重大である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】常温溶解法、冷却溶解
法あるいは高温高圧溶解法に従い非塩素系有機溶媒を用
いてセルロースアシレート溶液を調製すると、溶液を流
延した後の乾燥のために金属支持体から剥離が困難な問
題が生じる。この問題を解決し、優れた面状のセルロー
スアシレートフイルムを作製することが望まれている。
【0008】本発明の目的は、面状を容易に改善できる
セルロースアシレートフイルムを提供することである。
また、本発明の目的は、常温溶解法、冷却溶解法あるい
は高温高圧溶解法に従い有機溶媒(好ましくは非塩素系
有機溶媒)を用いてセルロースアシレート溶液を調製
し、面状の優れたセルロースセルロースフイルムを製造
することでもある。さらに、本発明の目的は、流延した
後、乾燥のために支持体から容易にフイルムを剥離させ
ることができ、優れた生産性が得られるセルロースアシ
レート溶液を提供することでもある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(1)〜
(34)のセルロースアシレートフイルム、その製造方
法およびセルロースアシレート溶液を提供する。 (1)セルロースアシレートと、セルロースアシレート
の0.05乃至25質量%の量のオイルゲル化剤とを含
むことを特徴とするセルロースアシレートフイルム。
【0010】(2)セルロースアシレートのアシル置換
度が2.60乃至3.00である(1)に記載のセルロ
ースアシレートフイルム。 (3)セルロースアシレートのアシル置換度が2.80
乃至2.95である(2)に記載のセルロースアシレー
トフイルム。 (4)セルロースアシレートのアセチル基で置換されて
いる置換度が2.00乃至3.00である(1)に記載
のセルロースアシレートフイルム。
【0011】(5)セルロースアシレートの炭素原子数
が3乃至22のアシル基で置換されている置換度が0.
00乃至0.80である(1)に記載のセルロースアシ
レートフイルム。 (6)セルロースアシレートが、アセチル基と炭素原子
数が3乃至22のアシル基とで置換されており、炭素原
子数が3乃至22のアシル基の30%以上が6位水酸基
の置換基として存在している(1)に記載のセルロース
アシレートフイルム。
【0012】(7)セルロースアシレートの6位のアシ
ル置換度が0.80乃至1.00である(1)に記載の
セルロースアシレートフイルム。 (8)セルロースアシレートの6位のアシル置換度が
0.85乃至1.00である(1)に記載のセルロース
アシレートフイルム。 (9)セルロースアシレートが、250乃至550の粘
度平均重合度を有する(1)に記載のセルロースアシレ
ートフイルム。
【0013】(10)オイルゲル化剤が、セルロースア
シレートの有機溶媒溶液に添加すると、40℃における
粘度に対して、5℃における粘度が2倍以上となるよう
な増粘性を示す(1)に記載のセルロースアシレートフ
イルム。 (11)オイルゲル化剤が、炭素原子数が6乃至100
の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基
が結合している糖、炭素原子数が5乃至100の脂肪
酸、炭素原子数が5乃至100のアミノ酸、炭素原子数
が5乃至100の環状ジペプチド、炭素原子数が5乃至
100のアミド、ステロイド構造を有するエステル、炭
素原子数が6乃至100のフェノール、炭素原子数が5
乃至100のエーテル、炭素原子数が6乃至100の芳
香族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結
合しているラクトン、炭素原子数が6乃至100の芳香
族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合
している尿素、炭素原子数が6乃至100の芳香族基ま
たは炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合してい
るビオチン、炭素原子数が6乃至100の芳香族基また
は炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合している
アルドン酸、炭素原子数が6乃至100の芳香族基また
は炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合している
バルビツール酸、炭素原子数が6乃至100の芳香族基
または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合して
いる芳香族ヘテロ環化合物および炭素原子数が6乃至1
00の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪
族基が結合している脂環式化合物からなる群より選ばれ
る(1)に記載のセルロースアシレートフイルム。
【0014】(12)オイルゲル化剤が、バリン、ロイ
シン、イソロイシン、アスパラギン酸、アスパラギン酸
エステル、グルタミン酸、グルタミン酸エステルおよび
フェニルアラニンからなる群より選ばれる二個のアミノ
酸から形成される環状ジペプチドである(1)に記載の
セルロースアシレートフイルム。 (13)オイルゲル化剤が、α―アミノラクタム構造を
有する化合物である(1)に記載のセルロースアシレー
トフイルム。
【0015】(14)光学材料の保護層用であって、厚
さが10乃至200μmである(1)に記載のセルロー
スアシレートフイルム。 (15)ハロゲン化銀写真感光材料の支持体用であっ
て、厚さが30乃至250μmである(1)に記載のセ
ルロースアシレートフイルム。
【0016】(16)セルロースアシレートを有機溶媒
に溶解したセルロースアシレート溶液を塗布してセルロ
ースアシレートフイルムを製造する方法であって、セル
ロースアシレート溶液が、5乃至50質量%の量のセル
ロースアシレートと0.01乃至5質量%の量のオイル
ゲル化剤とを含むことを特徴とするセルロースアシレー
トフイルムの製造方法。
【0017】(17)有機溶媒が、実質的に非塩素系の
有機溶媒からなる(16)に記載の製造方法。 (18)有機溶媒が、炭素原子数が2乃至12のエーテ
ル、炭素原子数が3乃至12のケトンおよび炭素原子数
が2乃至12のエステルからなる群より選ばれる(1
7)に記載の製造方法。
【0018】(19)エーテルが、ジイソプロピルエー
テル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−
ジオキサン、1,3−ジオキサン、1,3−ジオキソラ
ン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトー
ルからからなる群より選ばれる(18)に記載の製造方
法。 (20)ケトンが、アセトン、メチルエチルケトン、ジ
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチル
ケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメ
チルシクロヘキサノンからなる群より選ばれる(18)
に記載の製造方法。
【0019】(21)エステルが、エチルホルメート、
プロピルホルメート、ペンチルホルメート、メチルアセ
テート、エチルアセテート、プロピルアセテートおよび
ペンチルアセテートからなる群より選ばれる(18)に
記載の製造方法。 (22)有機溶媒が、互いに異なる3種類以上の溶媒の
混合物であって、第1の溶媒が、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、ジオキソラン
およびジオキサンからなる群より選ばれ、第2の溶媒
が、炭素原子数が4乃至7のケトンおよびアセト酢酸エ
ステルからなる群より選ばれ、そして、第3の溶媒が、
炭素原子数が1乃至10のアルコールおよび炭化水素か
らなる群より選ばれる(17)に記載の製造方法。
【0020】(23)有機溶媒が、第1の溶媒を20乃
至90質量%、第2の溶媒を5乃至60質量%、そし
て、第3の溶媒を5乃至30質量%の割合で含む(2
2)に記載の製造方法。 (24)有機溶媒が、互いに異なる3種類以上の溶媒の
混合物であって、第1の溶媒と第2の溶媒が、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセトン、
ジオキソランおよびジオキサンからなる群より選ばれ、
そして、第3の溶媒が、炭素原子数が1乃至10のアル
コールおよび炭化水素からなる群より選ばれる(17)
に記載の製造方法。
【0021】(25)有機溶媒が、第1の溶媒を20乃
至90質量%、第2の溶媒を5乃至60質量%、そし
て、第3の溶媒を5乃至30質量%の割合で含まれる
(24)に記載の製造方法。 (26)有機溶媒が、メチレンクロライドである(1
6)に記載の製造方法。 (27)セルロースアシレートと有機溶媒との混合物を
10乃至40℃で膨潤する工程、そして、膨潤した混合
物を0乃至57℃に加温する工程により、有機溶媒中に
セルロースアシレートを溶解したセルロースアセテート
溶液を用いる(16)に記載の製造方法。
【0022】(28)セルロースアシレートと有機溶媒
との混合物を−10乃至55℃で膨潤する工程、膨潤し
た混合物を−100〜−10℃に冷却する工程、そし
て、冷却した混合物を0〜57℃に加温する工程によ
り、有機溶媒中にセルロースアシレートを溶解したセル
ロースアセテート溶液を用いる(16)に記載の製造方
法。 (29)セルロースアシレートと有機溶媒との混合物を
−10乃至55℃で膨潤する工程、膨潤した混合物を
0.2乃至30MPaで60乃至240℃に加熱する工
程、そして、加熱した混合物を0乃至57℃に冷却する
工程により、有機溶媒中にセルロースアシレートを溶解
したセルロースアセテート溶液を用いる(16)に記載
の製造方法。
【0023】(30)セルロースアシレートとして、9
0質量%以上の粒子が0.1乃至5mmの粒径を有する
セルロースアシレート粒子を用い、塗布する前にセルロ
ースアシレート溶液を濾過する処理を実施する(16)
に記載の製造方法。 (31)セルロースアシレート溶液が、可塑剤をセルロ
ースアシレートに対して0.1乃至20質量%、紫外線
吸収剤をセルロースアシレートに対して0.001〜乃
至5質量%、微粒子をセルロースアシレートに対して
0.001乃至5質量%あるいはフッ素系界面活性剤を
セルロースアシレートに対して0.001乃至2質量%
含有する(16)に記載の製造方法。 (32)流延工程で2種類以上のセルロースアシレート
溶液を共流延する(16)に記載の製造方法。
【0024】(33)セルロースアシレートが有機溶媒
に溶解しているセルロースアシレート溶液であって、5
乃至50質量%の量のセルロースアシレートと0.01
乃至5質量%の量のオイルゲル化剤とを含むことを特徴
とするセルロースアシレート溶液。 (34)40℃における粘度に対して、5℃における粘
度が2倍以上である(33)に記載のセルロースアシレ
ート溶液。
【0025】
【発明の実施の形態】セルロースアシレートは、セルロ
ースの水酸基の水素原子がアシル基で置換されているセ
ルロース誘導体(セルロースエステル)である。アシル
基としては、アセチル基(SA)が一般的であるが、炭
素原子数が3以上(好ましくは3乃至22)のアシル基
(SB)の場合もある。SA+SBの置換度の総和は、
一般に2.60〜3.00であり、SBの置換度は0.
00乃至0.80である。セルロースを構成するβ−
1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位およ
び6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレ
ートは、これらの水酸基の一部または全部をアシル基に
よりエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル
置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、
セルロースがエステル化している割合(100%のエス
テル化は置換度1)を意味する。水酸基のSAとSBの
置換度の総和は、2.70〜2.96であることが好ま
しく、2.80〜2.95であることがさらに好まし
い。また、SBの置換度は0.00〜0.80であるこ
とが好ましく、0.00乃至0.60であることがさら
に好ましい。
【0026】セルロースアシレートは、セルロースの水
酸基への置換度が、下記式(I)〜(III)の全てを満足
することが特に好ましい。 (I)2.6≦SA+SB≦3.0 (II)2.0≦SA≦3.0 (III)0≦SB≦0.8 [式中、SAおよびSBはセルロースの水酸基に置換さ
れているアシル基の置換基であり、SAはアセチル基の
置換度、SBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度
である]。
【0027】炭素原子数3〜22のアシル基の置換度
(SB)は、その28%以上が6位水酸基の置換基であ
ることが好ましく、30%以上が6位水酸基の置換基で
あることがより好ましく、31%以上が6位水酸基の置
換基であることがさらに好ましくがさらに好ましく、3
2%以上が6位水酸基の置換基であることが最も好まし
い。セルロースアシレートの6位のSAとSBとの置換
度の総和は、0.80以上であることが好ましく、0.
85以上であることがさらに好ましく、0.90以上で
あることが最も好ましい。
【0028】炭素原子数が3〜22のアシル基(SB)
は、−CO−Rで定義され、Rは、脂肪族基、芳香族基
または複素環基である。Rは、脂肪族基または芳香族基
であることが好ましい。脂肪族基は、アルキル基、置換
アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキ
ニル基または置換アルキニル基である。芳香族基は、ア
リール基または置換アリール基である。炭素原子数が3
〜22のアシル基の例には、プロピオニル、ブチリル、
バレリル、ヘキサノイル、ヘプタノイル、オクタノイ
ル、ノナノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカ
ノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタ
デカノイル、イソブチリル、t‐ブチリル、シクロヘキ
サノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフトイルおよび
シンナモイルが含まれる。プロピオニル、ブチリル、ド
デカノイル、オクタデカノイル、t‐ブチリル、オレオ
イル、ベンゾイル、ナフトイルおよびシンナモイルが好
ましい。
【0029】セルロースアシレートの合成方法の基本的
な原理は、右田他、木材化学180〜190頁(共立出
版、1968年)に記載されている。代表的な合成方法
は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相酢化
法である。具体的には、綿花リンタや木材パルプ等のセ
ルロース原料を適当量の酢酸で前処理した後、予め冷却
したカルボン酸化混液に投入してエステル化し、完全セ
ルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置
換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する。上記カルボ
ン酸化混液は、一般に溶媒としての酢酸、エステル化剤
としての無水カルボン酸および触媒としての硫酸を含
む。無水カルボン酸は、これと反応するセルロースおよ
び系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰
量で使用することが普通である。アシル化反応終了後
に、系内に残存している過剰の無水カルボン酸の加水分
解およびエステル化触媒の一部の中和のために、中和剤
(例えば、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウ
ムまたは亜鉛の炭酸塩、酢酸塩または酸化物)の水溶液
を添加する。次に、得られた完全セルロースアシレート
を少量の酢化反応触媒(一般には、残存する硫酸)の存
在下で、50〜90℃に保つことによりケン化熟成し、
所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースア
シレートまで変化させる。所望のセルロースアシレート
が得られた時点で、系内に残存している触媒を前記のよ
うな中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和す
ることなく水または希硫酸中にセルロースアシレート溶
液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、
水または希硫酸を投入)してセルロースアシレートを分
離し、洗浄および安定化処理によりセルロースアシレー
トを得る。
【0030】セルロースアシレートフイルムは、フイル
ムを構成するポリマー成分が実質的に上記の定義を有す
るセルロースアシレートからなることが好ましい。「実
質的に」とは、ポリマー成分の90質量%以上(好まし
くは95質量%以上、さらに好ましくは98質量%以
上、最も好ましくは99質量%以上)を意味する。フイ
ルムの製造の原料としては、セルロースアシレート粒子
を使用することが好ましい。使用する粒子の90質量%
以上は、0.5乃至5mmの粒子径を有することが好ま
しい。また、使用する粒子の50質量%以上が1乃至4
mmの粒子径を有することが好ましい。セルロースアシ
レート粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが
好ましい。
【0031】セルロースアシレートの重合度は、粘度平
均重合度で200〜700であることが好ましく、25
0〜550であることがより好ましく、250〜400
であることがさらに好ましく、250〜350であるこ
とが最も好ましい。平均重合度は、宇田らの極限粘度法
(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、
105〜120頁、1962年)により測定できる。粘
度平均重合度については、特開平9−95538号公報
にも記載されている。粘度平均重合度は、オストワルド
粘度計にて測定したセルロースアセテートの固有粘度
[η]から、下記の式により求める。 (1) DP=[η]/Km 式中、[η]は、セルロースアセテートの固有粘度であ
り、Kmは、定数6×10−4である。粘度平均重合度
(DP)が290以上である場合、粘度平均重合度と落
球式粘度法による濃厚溶液粘度(η)とが下記式(2)
の関係を満足することが好ましい。 (2)2.814×ln(DP)−11.753≦ln
(η)≦6.29×ln(DP)−31.469 式中、DPは290以上の粘度平均重合度の値であり、
ηは落球式粘度法における標線間の通過時間(秒)であ
る。上記式(2)は、粘度平均重合度と濃厚溶液粘度を
プロットし、その結果から算出したものである。
【0032】低分子成分が除去されると、平均分子量
(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシ
レートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少
ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセ
ルロースアシレートから低分子成分を除去することによ
り得ることができる。低分子成分の除去は、セルロース
アシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施
できる。有機溶媒の例としては、ケトン類(例、アセト
ン)、酢酸エステル類(例、メチルアセテート)および
セロソルブ類(例、メチルセロソルブ)が含まれる。本
発明においては、ケトン類、特にアセトンを用いること
が好ましい。低分子成分の除去の効率を高めるために、
洗浄前にセルロースアシレートの粒子を粉砕あるいは篩
にかけることで、粒子サイズを調節することが好まし
い。なお、低分子成分の少ないセルロースシレテートを
製造する場合、酢化反応における硫酸触媒量を、セルロ
ース100質量に対して5乃至25質量部に調整するこ
とが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、分子
量部分布の点でも好ましい(分子量分布の均一な)セル
ロースアシレートを合成することができる。
【0033】セルロースアシレートをフイルムの製造に
使用する際には、セルロースアシレートの含水率は2質
量%以下であることが好ましく、1質量%以下であるこ
とがさらに好ましく、0.7質量%以下であることが最
も好ましい。一般の(例えば、市販の)セルロースアシ
レートは、2.5乃至5質量%の含水率を有する。従っ
て、一般的なセルロースアシレートをする場合は、乾燥
により含水率を2質量%以下に低下させることが好まし
い。乾燥は、様々な公知手段で実施できる。セルロース
アシレート溶液中のセルロースアシレート含有量は、5
乃至50質量%であり、5乃至40質量%であることが
好ましく、7.5乃至30質量%であることがさらに好
ましく、10乃至30質量%であることが最も好まし
い。
【0034】次にオイルゲル化剤について詳細に記載す
る。ゲル化剤とは、セルロースアシレート溶液に添加さ
れることで、その溶液をゲル化させるものであれば選ば
れる素材は限定されない。ここで、ゲル化とは、セルロ
ースアシレートの有機溶媒からなる溶液が、オイルゲル
化剤を添加することで、オイルゲル化剤同士あるいはセ
ルロースアシレートとの相互作用さらには有機溶媒など
との相互作用のために、溶液が流動しないあるいは固化
した状態を言う。オイルゲル化剤は、セルロースアシレ
ートの有機溶媒中で、水素結合や静電相互作用、配位結
合、ファンデルワールス力、π−π電子相互作用など、
の共有結合ではない二次的な相互作用を駆動力として自
己会合しゲル構造を形成するものを使用することができ
る。セルロースアシレート溶液は、40℃における粘度
に対して、5℃における粘度が2倍以上であることが好
ましい。セルロースアシレート溶液は、40℃における
粘度に対して、5℃における粘度が3倍以上であること
がさらに好ましく、5倍以上であることが最も好まし
い。40℃における粘度は、10Pa・s〜2000P
a・sであることが好ましく、30Pa・s〜1000
Pa・sであることがさらに好ましく、40Pa・s〜
500Pa・sであることが最も好ましい。オイルゲル
化剤は、セルロースアシレート溶液の粘度調整、特に上
記の粘度特性を得るために用いられる。すなわち、オイ
ルゲル化剤が、セルロースアシレートの有機溶媒溶液に
添加すると、40℃における粘度に対して、5℃におけ
る粘度が2倍以上となるような増粘性を示すことが好ま
しい。
【0035】これらのオイルゲル化剤である化合物につ
いては、公知文献(例えば、J.Chem.Soc.Japan,Ind.Che
m.Soc.,46,779(1943)、J.Am.Chem.Soc.,111,5542(198
9)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1993,390、Angew.Chem.
Int.Ed.Engl.,35,1949(1996)、Chem.Lett.,1996,885、
J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1997,545)に記載されてい
る。また、高分子論文集(VOL.55,No.10,585-589(Oct.,
1998))、表面(VOL.36,No.6,291-303(1998))、繊維と工
業(VOL.56,No.11,329-332(2000))、特開平7−247
473号、特開平7−247474号、特開平7−24
7475号、特開平7−300578号、特開平10−
265761号、特開平7−208446号、特開20
00−3003号、特開平5−230435号、および
特開平5−320617号の各公報に、「ゲル化剤」ま
たは「オイルゲル化剤」として記載されている素材も適
用できる。表面(VOL.36,No.6,291-303(1998))、繊維と
工業(VOL.56,No.11,329-332(2000)
【0036】オイルゲル化剤としては、炭素原子数が6
乃至100の芳香族基または炭素原子数が5乃至100
の脂肪族基が結合している糖、炭素原子数が5乃至10
0の脂肪酸、炭素原子数が5乃至100のアミノ酸、炭
素原子数が5乃至100の環状ジペプチド、炭素原子数
が5乃至100のアミド、ステロイド構造を有するエス
テル、炭素原子数が6乃至100のフェノール、炭素原
子数が5乃至100のエーテル、炭素原子数が6乃至1
00の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪
族基が結合しているラクトン、炭素原子数が6乃至10
0の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族
基が結合している尿素、炭素原子数が6乃至100の芳
香族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結
合しているビオチン(ビタミンH)、炭素原子数が6乃
至100の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の
脂肪族基が結合しているアルドン酸、炭素原子数が6乃
至100の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の
脂肪族基が結合しているバルビツール酸、炭素原子数が
6乃至100の芳香族基または炭素原子数が5乃至10
0の脂肪族基が結合している芳香族ヘテロ環化合物およ
び炭素原子数が6乃至100の芳香族基または炭素原子
数が5乃至100の脂肪族基が結合している脂環式化合
物が好ましく用いられる。
【0037】脂肪族基は、アルキル基、置換アルキル
基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基ま
たは置換アルキニル基を意味する。アルキル基、アルケ
ニル基およびアルキニル基は、環状構造または分岐構造
を有していてもよい。置換アルキル基、置換アルケニル
基および置換アルキニル基のアルキル部分、アルケニル
部分およびアルキニル部分は、それぞれ、アルキル基、
アルケニル基およびアルキニル基と同様である。置換ア
ルキル基、置換アルケニル基および置換アルキニル基の
置換基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、ホルミ
ル、カルボキシル、アミノ、カルバモイル、スルファモ
イル、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO−R、−
CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、−N
2 、−CO−NH−R、−CO−NR2 、−SO2
NH−Rおよび−SO2 −NR2 が含まれる。Rは、脂
肪族基、芳香族基または複素環基である。
【0038】芳香族基は、アリール基または置換アリー
ル基を意味する。アリール基は、フェニルまたはナフチ
ルであることが好ましい。置換アリール基のアリール部
分は、アリール基と同様である。置換アリール基の置換
基の例には、ハロゲン原子、ヒドロキシル、ホルミル、
カルボキシル、アミノ、カルバモイル、スルファモイ
ル、脂肪族基、芳香族基、複素環基、−O−R、−CO
−R、−CO−O−R、−O−CO−R、−NH−R、
−NR2 、−CO−NH−R、−CO−NR2 、−SO
2 −NH−Rおよび−SO2 −NR2 が含まれる。R
は、脂肪族基、芳香族基または複素環基である。複素環
基は、無置換複素環基または置換複素環基を意味する。
複素環基の複素環は、5員環、6員環またはそれらの縮
合環であることが好ましい。置換複素環基の置換基の例
は、置換アリール基の置換基の例と同様である。
【0039】芳香族基または脂肪族基は、糖アルコー
ル、ラクトン、尿素、ビオチン、アルドン酸、バルビツ
ール酸、芳香族ヘテロ環化合物または脂環式化合物に、
直結または連結基を介して結合できる。連結基は、−N
H−、−O−、−CO−またはこれらの組み合わせから
なることが好ましい。
【0040】糖は、糖アルコールであってもよい。糖
は、グルコースおよびがラクトースが好ましい。糖アル
コールは、ソルビトールが好ましい。炭素原子数が6乃
至100の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の
脂肪族基が結合している糖(および糖アルコール)の例
には、1,2,3,4−ジベンジリデン−D−ソルビト
ール、4−アミノフェニルα−D−グルコピラノシド、
4−アミノフェニルα−D−ガラクトピラノシド、4−
アミノフェニルα−D−マンノピラノシド、4−アミノ
フェニルβ−D−グルコピラノシド、4−アミノフェニ
ルβ−D−ガラクトピラノシド、2−アミノフェニルβ
−D−グルコピラノシド、2−アミノフェニルβ−D−
ガラクトピラノシド、4−アミノフェニル2−O,3−
O,4−O,6−O−テトラアセチル−β−D−グルコ
ピラノシド、4−アミノフェニル2−O,3−O,4−
O,6−O−テトラアセチル−β−D−ガラクトピラノ
シド、4−アミノフェニル4−O,6−O−ベンジリデ
ン−α−D−グルコピラノシド、4−アミノフェニル4
−O,6−O−ベンジリデン−α−D−ガラクトピラノ
シド、4−アミノフェニル4−O,6−O−ベンジリデ
ン−β−D−グルコピラノシド、メチル4−O,6−O
−ベンジリデン−α−D−グルコピラノシド、メチル4
−O,6−O−ベンジリデン−β−D−グルコピラノシ
ド、メチル4−O,6−O−ベンジリデン−α−D−ガ
ラクトピラノシド、メチル4−O,6−O−ベンジリデ
ン−β−D−ガラクトピラノシド、メチル4−O,6−
O−ベンジリデン−α−D−マンノピラノシド、1−
O,3−O:2−O,4−O−ビス(ベンジリデン)−
D−ソルビトール、1−O,3−O:2−O,4−O−
ビス(ベンジリデン)−5−O−メチル−D−ソルビト
ール、1−O,3−O:2−O,4−O−ビス(ベンジ
リデン)−6−O−メチル−D−ソルビトールが含まれ
る。
【0041】脂肪酸は、置換基(例、ヒドロキシル)を
有していてもよい。炭素原子数が5乃至100の脂肪酸
の例には、12−ヒドロキシステアリン酸が含まれる。
【0042】炭素原子数が5乃至100のアミノ酸は、
通常の(天然の)アミノ酸に、芳香族基または脂肪族基
が結合していてる分子構造を有していてもよい。炭素原
子数が5乃至100のアミノ酸の例には、N−ラウロイ
ル−L−グルタミン酸−α、ラウロイルグルタミン酸ラ
ウリルアミン塩、ラウロイルグルタミン酸ジラウリルエ
ステル、ジカプリロイルリジンラウリルアミン塩、ジカ
プリロイルリジンラウリルエステル、ラウロイルフェニ
ルアラニンラウリルアミン塩が含まれる。
【0043】炭素原子数が5乃至100の環状ジペプチ
ド(2,5−ジケトピペラジン誘導体)は、バリン、ロ
イシン、イソロイシン、アスパラギン酸、アスパラギン
酸エステル、グルタミン酸、グルタミン酸エステルおよ
びフェニルアラニンからなる群より選ばれる二個のアミ
ノ酸から形成されることが好ましい。炭素原子数が5乃
至100の環状ジペプチドの例には、3α−メチルピペ
ラジン−2,5−ジオン、3α−イソプロピルピペラジ
ン−2,5−ジオン、3α−(2−メチルプロピル)ピ
ペラジン−2,5−ジオン、3α−ベンジルピペラジン
−2,5−ジオン、3α−フェニルピペラジン−2,5
−ジオン、3α,6α−ジイソプロピルピペラジン−
2,5−ジオン、3α−(2−メチルプロピル)−6α
−イソプロピルピペラジン−2,5−ジオン、3α,6
α−ビス(2−メチルプロピル)ピペラジン−2,5−
ジオン、3α−(2−メチルプロピル)−6α−ベンジ
ルピペラジン−2,5−ジオン、3α,6α−ジベンジ
ルピペラジン−2,5−ジオン、3−(3,6−ジオキ
ソピペラジン−2β−イル)プロパン酸エチル、3−
(5β−イソプロピル−3,6−ジオキソピペラジン−
2β−イル)プロパン酸エチル、3−(5β−イソプロ
ピル−3,6−ジオキソピペラジン−2β−イル)プロ
パン酸ドデシル、3−(5β−イソプロピル−3,6−
ジオキソピペラジン−2β−イル)プロパン酸オクタデ
シル、3−(5β−イソプロピル−3,6−ジオキソピ
ペラジン−2β−イル)プロパン酸3,7−ジメチルオ
クチル、3−(5β−イソプロピル−3,6−ジオキソ
ピペラジン−2β−イル)プロパン酸2−エチルヘキシ
ル、3−[5β−(2−メチルプロピル)−3,6−ジ
オキソピペラジン−2β−イル]プロパン酸、3−[5
β−(2−メチルプロピル)−3,6−ジオキソピペラ
ジン−2β−イル]プロパン酸エチル、3−[5β−
(2−メチルプロピル)−3,6−ジオキソピペラジン
−2β−イル]プロパン酸ドデシル、3−[5β−(2
−メチルプロピル)−3,6−ジオキソピペラジン−2
β−イル]プロパン酸3,7−ジメチルオクチル、3−
[5β−(2−メチルプロピル)−3,6−ジオキソピ
ペラジン−2β−イル]プロパン酸ベンジル、5β−ベ
ンジル−3,6−ジオキソピペラジン−2β−酢酸、5
β−ベンジル−3,6−ジオキソピペラジン−2β−酢
酸ブチル、5β−ベンジル−3,6−ジオキソピペラジ
ン−2β−酢酸ドデシル、5β−ベンジル−3,6−ジ
オキソピペラジン−2β−酢酸3,7−ジメチルオクチ
ル、5β−ベンジル−3,6−ジオキソピペラジン−2
β−酢酸2−エチルヘキシル、5β−ベンジル−3,6
−ジオキソピペラジン−2β−酢酸3,5,5−トリメ
チルヘキシル、5β−ベンジル−3,6−ジオキソピペ
ラジン−2β−酢酸2−エチルブチルが含まれる。
【0044】炭素原子数が5乃至100のアミドの例に
は、γ−ビス−n−ブチルアミド、3,5−トリス[フ
ェニル[4−[(1−オキソオクタデシル)アミノ]フ
ェニル]アミノ]ベンゼン、トリス[4−[フェニル
[4−[(1−オキソオクタデシル)アミノ]フェニ
ル]アミノ]フェニル]アミン、5,5−ジメチルヒダ
ントイン、N,N’−(1,12−ドデカンジイル)ビ
ス[Nα−(ベンジルオキシカルボニル)−L−バリン
アミド]、N,N’−(1,12−ドデカンジイル)ビ
ス[Nα−(エトキシカルボニル)−L−バリンアミ
ド]、N,N’−(1,12−ドデカンジイル)ビス
[Nα−(ベンジルオキシカルボニル)−L−イソロイ
シンアミド]、N,N’−(1,12−ドデカンジイ
ル)ビス[Nα−(エトキシカルボニル)−L−イソロ
イシンアミド]、N,N’−エチレンビス[Nα−(エ
トキシカルボニル)−L−バリンアミド]、N,N’,
N’’−トリプロピルベンゼン−1,3,5−トリカル
ボアミド、N,N’,N’’−トリオクチルベンゼン−
1,3,5−トリカルボアミド、N,N’,N’’−ト
リドデシルベンゼン−1,3,5−トリカルボアミド、
N,N’,N’’−トリオクタデシルベンゼン−1,
3,5−トリカルボアミド、N,N’,N’’−トリス
(3,7−ジメチルオクチル)ベンゼン−1,3,5−
トリカルボアミド、N,N’,N’’−トリス(1−ヘ
キシルノニル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボアミ
ド、ラウロイルグルタミン酸ジブチルアミド、ラウロイ
ルグルタミン酸ジステアリルアミド、ラウロイルバリン
ブチルアミド、ラウロイルフェニルアラニンラウリルア
ミド、ジカプリロイルリジンラウリルアミド、が含まれ
る。
【0045】ステロイド構造を有するエステルは、スピ
ンラベル化ステロイド、コレステロール誘導体やコール
酸誘導体を含む。ステロイド構造を有するエステルの例
には、Nε−ラウロイル−Nα−ステアリルアミノカル
ボニル−L−リジンエチル(4−α−D−グルコピラノ
シルフェニル)カルバミド酸コレスタ−5−エン−3β
−イル、(4−α−D−ガラクトピラノシルフェニル)
カルバミド酸コレスタ−5−エン−3β−イル、(4−
α−D−マンノピラノシルフェニル)カルバミド酸コレ
スタ−5−エン−3β−イル、(4−β−D−グルコピ
ラノシルフェニル)カルバミド酸コレスタ−5−エン−
3β−イル、(4−β−D−ガラクトピラノシルフェニ
ル)カルバミド酸コレスタ−5−エン−3β−イル、
(2−β−D−グルコピラノシルフェニル)カルバミド
酸コレスタ−5−エン−3β−イル、(2−β−D−ガ
ラクトピラノシルフェニル)カルバミド酸コレスタ−5
−エン−3β−イル、[4−(2−O,3−O,4−
O,6−O−テトラアセチル−β−D−グルコピラノシ
ル)フェニル]カルバミド酸コレスタ−5−エン−3β
−イル、[4−(2−O,3−O,4−O,6−O−テ
トラアセチル−β−D−ガラクトピラノシル)フェニ
ル]カルバミド酸コレスタ−5−エン−3β−イル、
N,N’−ヘキサメチレンビス[4−[(3β−コレス
テリル)オキシ]−4−オキソブタンアミド]、N,
N’−(ヘプタン−1,7−ジイル)ビス[4−[(3
β−コレステリル)オキシ]−4−オキソブタンアミ
ド]、N,N’−(オクタン−1,8−ジイル)ビス
[4−[(3β−コレステリル)オキシ]−4−オキソ
ブタンアミド]、N,N’−(ノナン−1,9−ジイ
ル)ビス[4−[(3β−コレステリル)オキシ]−4
−オキソブタンアミド]、N,N’−(デカン−1,1
0−ジイル)ビス[4−[(3β−コレステリル)オキ
シ]−4−オキソブタンアミド]、N,N’−(ドデカ
ン−1,12−ジイル)ビス[4−[(3β−コレステ
リル)オキシ]−4−オキソブタンアミド]、N,N’
−[トリメチレンビス[カルボニルイミノ(ピリジン−
2,6−ジイル)]]ビス(カルバミド酸3−コレステ
リル)、N,N’−[m−フェニレンビス[カルボニル
イミノ(ピリジン−2,6−ジイル)]]ビス(カルバ
ミド酸3−コレステリル)が含まれる。
【0046】炭素原子数が6乃至100のフェノール
は、環状オリゴマーを形成していてもよい。炭素原子数
が5乃至100のエーテルの例には、2,3−ビス−n
−ヘキサデシロキシアントラセンが含まれる。炭素原子
数が6乃至100の芳香族基または炭素原子数が5乃至
100の脂肪族基が結合しているラクトンにおいて、ラ
クトンは、ブチロラクトンが特に好ましい。
【0047】、炭素原子数が6乃至100の芳香族基ま
たは炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合してい
る尿素の例には、1,1’−ベンジリデンビス(3−ブ
チル尿素)、1,1’−ベンジリデンビス(3−ベンジ
ル尿素)、1,1’−(4−クロロベンジリデン)ビス
(3−ブチル尿素)、1,1’−(4−メトキシベンジ
リデン)ビス(3−ブチル尿素)、1,1’−[4−
(ジメチルアミノ)ベンジリデン]ビス(3−ブチル尿
素)、1,1’−(4−ニトロベンジリデン)ビス(3
−ブチル尿素)、1,1’−ベンジリデンビス(3−メ
チル尿素)、1,1’−[(1S,2S)−シクロヘキ
サン−1,2−ジイル]ビス(3−ウンデシル尿素)、
1,1’−[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2
−ジイル]ビス(3−ウンデシル尿素)、1,1’−
[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジイル]
ビス[3−(1−エチルペンチル)尿素]、1,1’−
[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,2−ジイル]
ビス[3−[3−(2−チエニル)プロピル]尿素]、
4,4’−[[(1R,2R)−シクロヘキサン−1,
2−ジイル]ビス(イミノカルボニルイミノ)]ビス
[ブタン酸2−(1−オキソ−2−メチル−2−プロペ
ニルオキシ)エチル]、1,1’−[(1R,2S)−
シクロヘキサン−1,2−ジイル]ビス(3−ウンデシ
ル尿素)、1,1’−(1,2−フェニレン)ビス(3
−ウンデシル尿素)、1,1’−(1,2−フェニレ
ン)ビス(3−シクロヘキシル尿素)、1,1’−
(1,2−フェニレン)ビス[3−(3−フェニルプロ
ピル)尿素]、1,1’−(1,2−フェニレン)ビス
[3−[3−(2−チエニル)プロピル]尿素]、1,
1’−(1,3−フェニレン)ビス(3−ウンデシル尿
素)、1,1’−(1,4−フェニレン)ビス(3−ウ
ンデシル尿素)、1−ベンジル−3−オクチル尿素、1
−ベンジル−3−シクロヘキシル尿素、1−ベンジル−
3−(1−フェニルエチル)尿素、3,3’−(プロパ
ン−1,3−ジイル)ビス(1−ベンジル尿素)、3,
3’−(ヘキサン−1,6−ジイル)ビス(1−ベンジ
ル尿素)、3,3’−(ノナン−1,9−ジイル)ビス
(1−ベンジル尿素)、3,3’−(ドデカン−1,1
2−ジイル)ビス(1−ベンジル尿素)が含まれる。
【0048】炭素原子数が6乃至100の芳香族基また
は炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合している
アルドン酸において、アルドン酸は、グルコン酸が好ま
しい炭素原子数が6乃至100の芳香族基または炭素原
子数が5乃至100の脂肪族基が結合している芳香族ヘ
テロ環化合物において、芳香族ヘテロ環化合物は、トリ
アミノピリミジンが特に好ましい。炭素原子数が6乃至
100の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の脂
肪族基が結合している脂環式化合物において、脂環式化
合物は、シクロヘキサンが特に好ましい。
【0049】オイルゲル化剤は、α―アミノラクタム構
造を有することが特に好ましい。また、rac−(4a
α*,8aβ*)−テトラヒドロ−2α*,6β*−ジ
フェニル−4β*−[(R*)−1,2−ジヒドロキシ
エチル][1,3]ジオキシノ[5,4−d]−1,3
−ジオキシンも、オイルゲル化剤として使用できる。以
下に、オイルゲル化剤の例を示す。
【0050】
【化1】
【0051】
【化2】
【0052】
【化3】
【0053】
【化4】
【0054】
【化5】
【0055】
【化6】
【0056】
【化7】
【0057】
【化8】
【0058】
【化9】
【0059】
【化10】
【0060】
【化11】
【0061】
【化12】
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】
【化15】
【0065】
【化16】
【0066】
【化17】
【0067】
【化18】
【0068】
【化19】
【0069】
【化20】
【0070】
【化21】
【0071】
【化22】
【0072】
【化23】
【0073】
【化24】
【0074】
【化25】
【0075】
【化26】
【0076】オイルゲル化剤は、セルロースアシレート
溶液中で0.01〜5質量%であることが好ましく、
0.02〜4質量%であることがさらに好ましく、0.
02〜3質量%であることが最も好ましい。オイルゲル
化剤の添加方法としては、予めセルロースアシレートや
後述する他の添加剤や有機溶媒と混合して溶液としても
よいし、流延工程に入る前のいづれかの工程で本発明の
オイルゲル化剤を添加することも問題ない。さらにオイ
ルゲル化剤は、固体あるいは液体の形態であるがそのま
ま添加してもよく、固体を過熱して溶液として添加して
もよいし、場合により有機溶媒に溶解した溶液状態で添
加してもよい。セルロースアシレートフイルム中のオイ
ルゲル化剤は、セルロースアシレートの0.05乃至2
5質量%の量であることが好ましく、0.1乃至20質
量%の量であることがさらに好ましく、0.1乃至15
質量%の量であることが最も好ましい。
【0077】セルロースアシレート溶液には、各調製工
程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、剥離
剤、可塑剤、紫外線防止剤、劣化防止剤、微粒子、光学
特性調整剤など)を加えることができる。またその添加
する時期はドープ作製工程において何れでも添加しても
良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添
加し調製する工程を加えて行ってもよい。剥離剤とし
て、酸解離指数(pKa、25℃)が4.4以下の酸ま
たはその塩あるいはその酸誘導体を用いることができ
る。酸解離指数は、さらに好ましくはpKa1.9〜
4.4であり、より好ましくは2.0〜4.0、特に好
ましくは2.0〜3.9であり、得られるセルロースア
シレートフイルムの面状が良好である。さらに、セルロ
ースアシレート溶液を金属支持体に流延し剥離させる時
に、容易に剥離可能であり製造適性の点で好ましい。こ
れらの酸としては、カルボン酸,硫酸エステル,スルフ
ォン酸,リン酸などが挙げられる。それらの好ましい素
材としては、置換または無置換のリン酸モノアルキルエ
ステル及びその塩、リン酸ジアルキルエステル及びその
塩、リン酸モノアルキルアリルエステル及びその塩、リ
ン酸ジアルキルアリルエステル及びその塩、リン酸モノ
アルケニルエステル及びその塩、リン酸ジアルケニルエ
ステル及びその塩、アルキル硫酸エステル及びその塩、
アルケニル硫酸エステル及びその塩、アルキルスルフォ
ン酸またはその塩、アルケニルスルフォン酸またはその
塩、アルキルアリルスルフォン酸またはその塩が好まし
い。
【0078】特に好ましい剥離剤としては、カルボン酸
またはその塩を有するカルボン酸であり、多価カルボン
酸の場合はその誘導体であってもよく、例えば多価カル
ボン酸誘導体がカルボン酸またはその塩を少なくとも一
個含有する炭化水素系多価カルボン酸エステル,炭化水
素系多価カルボン酸アミド、芳香族系多価カルボン酸エ
ステル,芳香族系多価カルボン酸アミド、複素環式多価
カルボン酸アミドであることが好ましい。これらは、特
開平10−316701号公報に記載されている。酸の
pKaについては「改訂3版 化学便覧,基礎編II」
((財)日本化学会編、丸善(株)発行)を参照でき
る。
【0079】以下に、酸の具体例とともに、括弧内に酸
解離指数pKaを示す。前記無機酸としては、例えば、
HClO2 (2.31)、HOCN(3.48)、モリ
ブデン酸(H2 MoO4 ,3.62)、HNO2 (3.
15)、リン酸(H3 PO,2.15)、トリポリリン
酸(H5 3 10,2.0)、バナジン酸(H3
4 ,3.78)などが例示できる。有機酸としては、
例えば、脂肪族モノカルボン酸としてギ酸(3.5
5)、オキサロ酢酸(2.27)、シアノ酢酸(2.4
7)、フェニル酢酸(4.10)、フェノキシ酢酸
(2.99)、フルオロ酢酸(2.59)、クロロ酢酸
(2.68)、ブロモ酢酸(2.72)、ヨード酢酸
(2.98)、メルカプト酢酸(3.43)、ビニル酢
酸(4.12)などの置換基を有する酢酸、クロロプロ
ピオン酸(2.71−3.92)などのハロプロピオン
酸、4−アミノ酪酸(4.03)、アクリル酸(4.2
6)などを挙げることができる。また、オキシカルボン
酸としてのグリコール酸(3.63)、乳酸(3.6
6)なども挙げられる。
【0080】さらにアルデヒド酸又はケトン酸としての
グリオキシル酸(3.18)、ピルビン酸(2.2
6)、レブリン酸(4.44)など、芳香族モノカルボ
ン酸であるアニリンスルホン酸(3.74−3.2
3)、安息香酸(4.20)、アミノ安息香酸(2.0
2−3.12)、クロロ安息香酸(2.92−3.9
9)、シアノ安息香酸(3.60−3.55)、ニトロ
安息香酸(2.17−3.45)、ヒドロキシ安息香酸
(4.08−4.58)、アニス酸(4.09−4.4
8)、フルオロ安息香酸(3.27−4.14)、クロ
ロ安息香酸、ブロモ安息香酸(2.85−4.00)、
ヨード安息香酸(2.86−4.00)などの置換基を
有する安息香酸、サリチル酸(2.81)、ナフトエ酸
(3.70−4.16)、ケイ皮酸(3.88)、マン
デル酸(3.19)なども挙げられる。
【0081】さらに有機酸としては、アミノ酸類もよく
例えば、アミノ酸としてのアスパラギン(2.14)、
アスパラギン酸(1.93)、アデニン(4.07)、
アラニン(2.30)、β−アラニン(3.53)、ア
ルギニン(2.05)、イソロイシン(2.32)、グ
リシン(2.36)、グルタミン(2.17)、グルタ
ミン酸(2.18)、セリン(2.13)、チロシン
(2.17)、トリプトファン(2.35)、トレオニ
ン(2.21)、ノルロイシン(2.30)、バリン
(2.26)、フェニルアラニン(2.26)、メチオ
ニン(2.15)、リシン(2.04)、ロイシン
(2.35)などが用いられる。
【0082】さらに本発明では剥離剤として多価カルボ
ン酸またはその誘導体について記述する。その炭化水素
系多価カルボン酸としては置換、無置換のどちらでもよ
く、例えばシュウ酸(1.27)、マロン酸(pKa:
2.65)、コハク酸(4.00)、グルタル酸(4.
13)、アジピン酸(4.26)、ピメリン酸(4.3
1)、アゼライン酸(4.39)、フマル酸(2.8
5)などであり、リンゴ酸(3.24)、酒石酸(2.
82−2.99)、クエン酸(2.87)、芳香族多価
カルボン酸であるフタル酸(2.75)、イソフタル酸
(3.50)、テレフタル酸(3.54)、トリメリッ
ト酸、4−メチルフタル酸など、複素環式多価カルボン
酸として2,6−ピリジンジカルボン酸(2.09)な
どを挙げることができる。さらに有機酸としてはアミノ
酸類もよく、例えばアスパラギン酸(1.93)、グル
タミン酸(2.18)などが用いられる。これらの中で
も、脂肪族多価カルボン酸であるマロン酸、コハク酸、
グルタル酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸な
どが好ましい。
【0083】次に本発明の多価カルボン酸誘導体として
は、それらのエステル基あるいはアミド基を誘導体とす
る。まず、エステル基については好ましくは置換、無置
換のアルキル基、アルケニル基、アリル基であり、その
総炭素数は1〜200であり、より好ましくは1〜10
0であり、更には1〜50である。アルキル基、アルケ
ニル基、アリル基の置換基としては、(ポリ)オキシア
ルキレン基が好ましく、特に(ポリ)オキシアルキレン
基が、ポリ(オキシエチレン)基、(ポリ)オキシプロ
ピレン基、(ポリ)オキシブチレン基、(ポリ)オキシ
グリセリン基であることが好ましい。また、本発明の多
価カルボン酸誘導体の好ましい態様であるアミド誘導体
は一級、置換あるいは無置換の2級あるいは3級のいず
れでもよく、特に限定されない。置換基としてはアルキ
ル基、アルケニル基、アリル基が好ましく、その総炭素
数は1〜200であり、より好ましくは1〜100であ
り、更には1〜50である。アルキル基、アルケニル
基、アリル基の置換基としては、(ポリ)オキシアルキ
レン基が好ましく、特に(ポリ)オキシアルキレン基
が、ポリ(オキシエチレン)基、(ポリ)オキシプロピ
レン基、(ポリ)オキシブチレン基、(ポリ)オキシグ
リセリン基であることが好ましい。
【0084】前述の酸は遊離酸として用いてもよく、ア
ルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、重金属として用い
てもよい。アルカリ金属としては、リチウム、カリウ
ム、ナトリウムなどが例示でき、アルカリ土類金属とし
ては、カルシウム、マグネシウム、バリウム、ストロン
チウムなどが例示できる。重金属あるいは遷移金属とし
ては、アルミニウム、亜鉛、スズ、ニッケル、鉄、鉛、
銅、銀などである。また、炭素数5以下の置換、無置換
のアミン類も好ましく、例えばアンモニウム、メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ヒドロキシエチルアミン、ジ(ヒドロキシエチル)
アミン、トリ(ヒドロキシエチル)アミンなどを利用で
きる。好ましいアルカリ金属には、ナトリウムが含ま
れ、好ましいアルカリ土類金属には、カルシウム、マグ
ネシウムが含まれる。これらのアルカリ金属、アルカリ
土類金属はそれぞれ単独で又は二種以上組み合わせて使
用でき、アルカリ金属とアルカリ土類金属とを併用して
もよい。前記酸およびその金属塩の総含有量は、剥離
性、透明性、製膜性などを損なわない範囲、例えば、セ
ルロースアシレート1g当たり、1×10-9〜3×10
-5モル、好ましくは1×10-8〜2×10-5モル(例え
ば、5×10-7〜1.5×10-5モル)、さらに好まし
くは1×10-7〜1×10-5モル(例えば、5×10-6
〜8×10-6モル)程度の範囲から選択でき、通常、5
×10-7〜5×10-6モル(例えば、6×10-7〜3×
10-6モル)程度である。以上の多価カルボン酸誘導体
の中でも特に好ましい具体的化合物を以下に挙げる。
【0085】PK− 1:C12H25O-P(=O)-(OK)2 PK− 2:C12H25OCH2CH2O-P(=O)-(OK)2 PK− 3:[C12H25O(CH2CH2O)5]2-P(=O)-OH PK− 4:[C18H35(OCH2CH2)8O]2-P(=O)-ONH4 PK− 5:C12H25OSO3Na PK− 6:iso-C8H17-C6H4-O-(CH2CH2O)3-(CH2)2SO3Na PK− 7:トリイソプロピルナフタレンスルフォン酸ナト
リウム PK− 8:HOOC(CH2)kCO(OCH2CH2)mOR、R=CH3、k=
0、m=6 PK− 9:HOOC-CH2CH(OH)-COOR、R=CH3 PK−10:HOOC-CH(OH)-CH(OH)-COOR、R=(CH2CH2O)3-OC4H
9 PK−11:クエン酸モノ[エトキシ-トリ(エチレングリコ
ール)]エステル PK−12:クエン酸ジ[ブトキシ-ヘキサ(エチレングリコ
ール)]エステル PK−13:トリメリット酸ジ[ブトキシ-ペンタ(エチレン
グリコール)]エステル PK−14:N-アセチル-アスパラギン酸モノ[ブトキシ-ヘ
プタ(エチレングリコール)]エステル PK−15:HOOC-CH2-CONR1・R2、R1=H、R2=(CH2CH2O)5H PK−16:HOOC-CH(OH)-CH2CONH(CH2CH2O)5H PK−17:クエン酸モノ[N-オクタ(エチレングリコール)]
アミド PK−18:LiOOC-CH2CH(OH)-COOR、R=CH2CH(OH)CH2O)5H PK−19:クエン酸ジ[ブトキシ-ヘキサ(エチレングリコ
ール)]エステルのNa塩
【0086】セルロースアシレート溶液は、流延された
後に残留溶媒が20〜1000質量%(溶液質量を固形
質量で割った%)で金属支持体から剥ぎ取られることが
好ましく、一般には剥離剤がない場合は20〜150質
量%でないと剥離が困難であり、乾燥時間がかかるとい
う欠点があった。これに対して、本発明で好ましい剥離
剤を含有したセルロースアシレート溶液では、残留溶媒
が20〜500質量%でも剥離が可能であり、乾燥時間
を短縮でき生産性の大幅な向上を可能とするものであ
る。さらに剥離剤を含有することで、剥離時の剥離荷重
を著しく小さくすることができ、これにより面状が著し
く改良された。このようなセルロースアシレートフイル
ムは、流延法によるフイルムの製造において、金属支持
体からの剥離性が高く、製膜速度、ひいてはセルロース
アシレートフイルムの生産性を向上できる。また、セル
ロースアシレートフイルムは、透明性などの光学的特性
に優れ、その透明度は例えば60〜100%(好ましく
は70〜100%、さらに好ましくは75〜100%)
程度であり、通常70〜98%程度であり、ヘイズは
0.01〜8%、好ましくは0.02〜5%である。さ
らに、セルロースアセテートの黄色度の指標となるイエ
ローネスインデックス(YellownessInde
x,YI)は、例えば、0.05〜10、好ましくは
0.08〜7である。
【0087】可塑剤は、沸点が200以上で25℃で液
体であるか、または融点が25〜250℃である固体で
あることが好ましい。更に好ましくは沸点が250℃以
上の25℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固
体である可塑剤が挙げられる。好ましく添加される可塑
剤としては、リン酸エステルまたはカルボン酸エステル
が用いられる。リン酸エステルの例には、トリフェニル
フォスフェート(TPP)およびトリクレジルホスフェ
ート(TCP)、クレジルジフェニルホスフェート、オ
クチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニル
ホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチル
ホスフェートが含まれる。カルボン酸エステルとして
は、フタル酸エステルおよびクエン酸エステルが代表的
である。フタル酸エステルの例には、ジメチルフタレー
ト(DMP)、ジエチルフタレート(DEP)、ジブチ
ルフタレート(DBP)、ジオクチルフタレート(DO
P)、ジフェニルフタレート(DPP)およびジエチル
ヘキシルフタレート(DEHP)が含まれる。クエン酸
エステルの例には、O−アセチルクエン酸トリエチル
(OACTE)およびO−アセチルクエン酸トリブチル
(OACTB)、クエン酸アセチルトリエチル、クエン
酸アセチルトリブチル、O−アセチルクエン酸トリ(エ
チルオキシカルボニルメチレン)エステルが含まれる。
これらの好ましい可塑剤は25℃においてTPP(融点
約50℃)以外は液体であり、沸点も250℃以上であ
る。
【0088】その他のカルボン酸エステルの例には、オ
レイン酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシ
ン酸ジブチル、種々のトリメリット酸エステルが含まれ
る。グリコール酸エステルの例としては、トリアセチ
ン、トリブチリン、ブチルフタリルブチト、エチルフタ
リルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコ
レート、ブチルフタリルブチルグリコレート、メチルフ
タリルメチルグリコレート、プロピルフタリルプロピル
グリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート、オ
クチルフタリルオクチルグリコレートなどがある。中で
もトリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェー
ト、クレジルジフェニルホスフェート、トリブチルホス
フェート、ジメチルフタレート、ジエチルフタレート、
ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジエチル
ヘキシルフタレート、トリアセチン、エチルフタリルエ
チルグリコレートが好ましい。特にトリフェニルホスフ
ェート、ジエチルフタレート、エチルフタリルエチルグ
リコレートが好ましい。これらの可塑剤は1種でもよい
し2種以上併用してもよい。可塑剤の添加量はセルロー
スアシレートに対して2〜30質量%、特に5〜20質
量%が好ましい。その他、本発明においてはその光学的
異方性を小さくする可塑剤として、特開平11−124
445号公報に記載の(ジ)ペンタエリスリトールエス
テル類、特開平11−246704号公報に記載のグリ
セロールエステル類、特開2000−63560号公報
に記載のジグリセロールエステル類、特開平11−92
574号公報に記載のクエン酸エステル類、特開平11
−90946号公報に記載の置換フェニルリン酸エステ
ル類などが好ましく用いられる。
【0089】セルロースアシレートフイルムには、劣化
防止剤(例、酸化防止剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤、アミン)や紫外線防
止剤を添加してもよい。これらの劣化防止剤や紫外線防
止剤については、特開昭60−235852号、、特開
平3−199201号、特開平5−1907073号、
特開平5−194789号、特開平5−271471
号、特開平6−107854号、特開平6−11823
3号、特開平6−148430号、特開平7−1105
6号、特開平7−11055号、、特開平7−1105
6号、特開平8−29619号、特開平8−23950
9号、特開平7−11056号、特開2000−204
173号、5−197073号、特開平5−19478
9号、特開平6−107854号、特開昭60−235
852号、特開平12−193821号、特開平8−2
9619号、特開平6−118233号、特開平6−1
48430号の各公報に記載がある。
【0090】これらの添加量は、調製する溶液(ドー
プ)の0.01〜1質量%であることが好ましく、0.
01〜0.08質量%であることがさらに好ましい。添
加量が0.01質量%未満であると、劣化防止剤の効果
がほとんど認められない。添加量が1質量%を越える
と、フイルム表面への劣化防止剤のブリードアウト(滲
み出し)が認められる場合がある。本発明で好ましい劣
化防止剤は、沸点が200以上で25℃で液体である
か、または融点が25〜250℃である固体であること
が好ましい。更に好ましくは沸点が250℃以上の25
℃で液体であるか、融点が25〜200℃の固体である
劣化防止剤が挙げられる。劣化防止剤が液体の場合は、
その精製は通常減圧蒸留によって実施されるが高真空ほ
ど好ましく、例えば100Pa以下が好ましい。また分
子蒸留装置などを用いて精製することも特に好ましい。
また可塑剤が固体の場合は、溶媒を用いて再結晶させて
ろ過、洗浄し乾燥することで実施されることが一般的で
ある。劣化防止剤は例えば特開平5−194789号公
報に記載のpKaが4以上の塩基性化合物などが好まし
く挙げられる。例えば、1級、2級、3級のアミンや芳
香族系の塩基化合物が好ましい。具体的には、トリブチ
ルアミン、トリヘキシルアミン、トリオクチルアミン、
ドデシル−ジブチルアミン、オクタデシル−ジメチルア
ミン、トリベンジルアミン、ジエチルアミノベンゼンな
どを挙げることができるが、詳細は該特許の一般式
(1)及び(2)に記載される化合物A−1〜A−7
3、B−1〜B−67を利用できる。特に好ましい劣化
防止剤の例としては、ブチル化ヒドロキシトルエン(B
HT)を挙げることができる。
【0091】本発明のセルロースアシレートフイルムに
好ましく使用される紫外線吸収剤について説明する。本
発明に好ましく用いられる紫外線吸収剤の具体例として
は、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリ
アゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベン
ゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニ
ッケル錯塩系化合物などが挙げられる。ベンゾトリアゾ
ール系紫外線吸収剤としての具体例を挙げるが、本発明
はこれらに限定されない。2−(2’−ヒドロキシ−
5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロ
キシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’−(3”,4”,5”,6”−テトラヒドロフタル
イミドメチル)−5’−メチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3
−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキ
シ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)
−5−クロロベンゾトリアゾール、2,4−ジヒドロキ
シベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メト
キシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−
5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−
ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)、(2,
4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、2(2’−ヒドロキシ−3’,5
‘−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベン
ゾトリアゾール、(2(2’−ヒドロキシ−3’,5
‘−ジ−tert−アミルフェニル)−5−クロルベン
ゾトリアゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−p−
クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビ
ス〔3−(3−tert−ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサ
ンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,
4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキ
シ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,
3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス
〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサメチレンビス
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒ
ドロシンナミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,
6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒド
ロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシア
ヌレイトなどが挙げられる。
【0092】特に、2,4−ビス−(n−オクチルチ
オ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−
ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2(2’
−ヒドロキシ−3’,5‘−ジ−tert−ブチルフェ
ニル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2(2’−ヒ
ドロキシ−3’,5‘−ジ−tert−アミルフェニ
ル)−5−クロルベンゾトリアゾール、2,6−ジ−t
ert−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル
−テトラキス〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチ
レングリコール−ビス〔3−(3−tert−ブチル−
5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕が好ましい。また例えば、N,N’−ビス〔3−
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニル〕ヒドラジンなどのヒドラジン系の
金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−tert−ブチル
フェニル)フォスファイトなどの燐系加工安定剤を併用
してもよい。これらの化合物の添加量は、セルロースア
シレートに対して質量割合で0.01〜5質量%が好ま
しく、0.05〜3質量%が更に好ましい。
【0093】また光学異方性をコントロールするための
レターデーション上昇剤が、場合により添加される。こ
れらは、セルロースアシレートフイルムのレターデーシ
ョンを調整するため、少なくとも二つの芳香族環を有す
る芳香族化合物をレターデーション上昇剤として使用す
ることが好ましい。また、感材用支持体としては、ライ
トパイピング防止用の着色剤化合物を添加してもよい。
着色剤の含有量は、セルロースアシレートに対する質量
割合で10〜1000ppmが好ましく、50〜500
ppmが更に好ましい。この様に着色剤を含有させるこ
とにより、セルロースアシレートフイルムのライトパイ
ピングが減少でき、黄色味を改良することができる。こ
れらの化合物は、セルロースアシレート溶液の調製の際
に、セルロースアシレートや溶媒と共に添加してもよい
し、溶液調製中や調製後に添加してもよい。
【0094】また、本発明のセルロースアシレート溶液
には、必要に応じて更に種々の添加剤を溶液の調製前か
ら調製後のいずれの段階で添加してもよい。添加剤とし
ては、無機微粒子、アルカリ土類金属塩などの熱安定
剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤、油剤などである。この
特、使用される無機微粒子はキシミ防止剤としての役割
や帯電防止などである。その場合金属や金属化合物の硬
さは特に限定されないが、モース硬度が好ましくは1〜
10であり、より好ましくは2〜10である。又、有機
微粒子も好ましく用いられ例えば架橋ポリスチレン、架
橋ポリメチルメタクリレート、架橋トリアジン樹脂など
を挙げることができる。特に本発明においては、作製さ
れたセルロースアシレートフイルムがハンドリングされ
る際に、傷が付いたり搬送性が悪化することを防止する
ために、微粒子を添加することが一般に行われる。これ
らのマット剤の好ましい具体例は、無機化合物として
は、ケイ素を含む化合物、二酸化ケイ素、酸化チタン、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジル
コニウム、酸化ストロングチウム、酸化アンチモン、酸
化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タル
ク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水
和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグ
ネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ま
しくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであ
る。例えば、アエロジルR972、R974、R81
2、200、300、R202、OX50、TT600
(以上日本アエロジル(株)製)等の商品名を有する市
販品が使用できる。酸化ジルコニウムの微粒子として
は、例えば、アエロジルR976及びR811(以上日
本アエロジル(株)製)等の商品名で市販されているも
のが使用できる。有機化合物としては、例えば、シリコ
ーン樹脂、弗素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好
ましく、中でも、シリコーン樹脂が好ましく用いられ
る。シリコーン樹脂の中でも、特に三次元の網状構造を
有するものが好ましく、例えば、トスパール103、ト
スパール105、トスパール108、トスパール12
0、トスパール145、トスパール3120及びトスパ
ール240(以上東芝シリコーン(株)製)等の商品名
を有する市販品が使用できる。
【0095】これらの微粒子の1次平均粒子径として
は、ヘイズを低く抑えるという観点から、好ましくは、
0.001〜20μmであり、より好ましくは0.00
1〜10μmであり更に好ましくは、0.002〜1μ
mであり、特に好ましくは、0.005〜0.5μmで
ある。微粒子の1次平均粒子径の測定は、透過型電子顕
微鏡で粒子を平均粒径で求められる。微粒子の、見掛け
比重としては、70g/リットル以上が好ましく、更に
好ましくは、90〜200g/リットルであり、特に好
ましくは、100〜200g/リットルである。例えば
アエロジル200V、アエロジルR972V(以上日本
アエロジル(株)製)の商品名で市販されており、それ
らを使用することができる。
【0096】次に、本発明のセルロースアシレートの溶
液を作製するに際して用いられる有機溶媒について記述
する。本発明においては、セルロースアシレートが溶解
し流延、製膜できる範囲において、有機溶媒は特に限定
されない。これらは、塩素系有機溶媒でもよく非塩素系
有機溶媒でも問題ない。例えば、塩素系有機溶媒として
はメチレンクロライド、クロロホルムなどを挙げること
ができ、特にメチレンクロライドが好ましい。しかしな
がら、これらの塩素系有機溶媒はその環境安全性で近年
懸念されており、非塩素系有機溶媒の適用が好ましく、
以下に本発明で好ましく用いられるそれらの溶媒を詳細
に記載する。すなわち、ソルベントキャスト法によりセ
ルロースアシレートフイルムを製造することが好まし
く、セルロースアシレートを有機溶媒に溶解した溶液
(ドープ)を用いてフイルムは製造される。
【0097】主溶媒として好ましく用いられる有機溶媒
は、炭素原子数が3〜12のエステル、ケトン、エーテ
ルから選ばれる溶媒が好ましい。エステル、ケトンおよ
び、エーテルは、環状構造を有していてもよい。エステ
ル、ケトンおよびエーテルの官能基(すなわち、−O
−、−CO−および−COO−)のいずれかを二つ以上
有する化合物も、主溶媒として用いることができ、たと
えばアルコール性水酸基のような他の官能基を有してい
てもよい。二種類以上の官能基を有する主溶媒の場合、
その炭素原子数はいずれかの官能基を有する化合物の規
定範囲内であればよい。炭素原子数が3〜12のエステ
ル類の例には、エチルホルメート、プロピルホルメー
ト、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エチルア
セテートおよびペンチルアセテートが挙げられる。炭素
原子数が3〜12のケトン類の例には、アセトン、メチ
ルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケト
ン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンおよびメチル
シクロヘキサノンが挙げられる。炭素原子数が3〜12
のエーテル類の例には、ジイソプロピルエーテル、ジメ
トキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサ
ン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニ
ソールおよびフェネトールが挙げられる。二種類以上の
官能基を有する有機溶媒の例には、2−エトキシエチル
アセテート、2−メトキシエタノールおよび2−ブトキ
シエタノールが挙げられる。
【0098】ここでセルロースアシレートのついてのこ
れらの主溶媒は、溶解度パラメーターで好ましい範囲を
示すことができる。すなわち本発明のセルロースアシレ
ートは、その溶解度パラメーターは17〜22で示され
る。溶解度パラメータについて記載された書籍は多数あ
るが、例えばJ.Brandrup,E.HらのPol
ymer Handbook(fourth edit
ion),VII/671〜VII/714に詳細に記載され
ている。それらの仲でも、本発明のセルロースアシレー
トに有効的に使用できる有機溶媒は、19〜21MPa
1/2 の溶解度パラメーターを有することが好ましい。
【0099】溶解度パラメーターが19〜21MPa
1/2 である有機溶媒の例としては、メチルエチルケトン
(19)、シクロヘキサノン(20.3)、シクロペン
タノン(20.9)、酢酸メチル(19.6)、2−ブ
トキシエタノール(19.4)、塩化メチレン(20.
3)、ジオキサン(19.6)、1,3−ジオキソラン
(19.8)、アセトン(20.3)、ギ酸エチル(1
9.2)、アセト酢酸メチル(約20)およびテトラヒ
ドロフラン(19.4)などを挙げることができる。こ
の中でも酢酸メチル、アセトン、アセト酢酸メチル、シ
クロペンタノン、シクロヘキサノン、塩化メチレンなど
が最も好ましい。これらについては、特開平9−955
38号公報に記載されている。更に又特開昭61−12
4470号公報に記載のN−メチルピロリドン、特開平
11−60807号公報に記載のフルオロアルコール、
特開平112−63534号公報に記載の1,3−ジメ
チル2−イミダゾリジノンなども利用される。
【0100】以上のセルロースアシレートに用いられる
溶媒については、前述のいろいろな観点から選定される
が、好ましくは以下のとおりである。すなわち、本発明
のセルロースアシレートの好ましい溶媒は、互いに異な
る3種類以上の混合溶媒であって、第1の溶媒が酢酸メ
チル、酢酸エチル、蟻酸メチル、蟻酸エチル、アセト
ン、ジオキソラン、ジオキサンから選ばれる少なくとも
一種あるいは或いはそれらの混合液であり、第2の溶媒
が炭素原子数が4〜7のケトン類またはアセト酢酸エス
テルから選ばれ、第3の溶媒として炭素数が1〜10の
アルコールまたは炭化水素から選ばれ、より好ましくは
炭素数1〜8のアルコールである。なお第1の溶媒が、
2種以上の溶媒の混合液である場合は、第2の溶媒がな
くてもよい。第1の溶媒は、さらに好ましくは酢酸メチ
ル、アセトン、蟻酸メチル、蟻酸エチルあるいはこれら
の混合物であり、第2の溶媒は、メチルエチルケトン、
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、アセチル酢酸メ
チルが好ましく、これらの混合液であってもよい。
【0101】第3の溶媒であるアルコールの好ましく
は、直鎖であっても分岐を有していても環状であっても
よく、その中でも飽和脂肪族炭化水素であることが好ま
しい。アルコールの水酸基は、第一級〜第三級のいずれ
であってもよい。アルコールの例には、メタノール、エ
タノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−
ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペ
ンタノール、2−メチル−2−ブタノールおよびシクロ
ヘキサノールが含まれる。なおアルコールとしては、フ
ッ素系アルコールも用いられる。例えば、2−フルオロ
エタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、
2,2,3,3−テトラフルオロ−1−プロパノールな
ども挙げられる。さらに炭化水素は、直鎖であっても分
岐を有していても環状であってもよい。芳香族炭化水素
と脂肪族炭化水素のいずれも用いることができる。脂肪
族炭化水素は、飽和であっても不飽和であってもよい。
炭化水素の例には、シクロヘキサン、ヘキサン、ベンゼ
ン、トルエンおよびキシレンが含まれる。これらの第3
の溶媒であるアルコールおよび炭化水素は単独でもよい
し2種類以上の混合物でもよく特に限定されない。第3
の溶媒としては、好ましい具体的化合物は、アルコール
としてはメタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、
およびシクロヘキサノール、シクロヘキサン、ヘキサン
を挙げることができ、特にはメタノール、エタノール、
1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール
である。
【0102】以上の3種類の混合溶媒は、第1の溶媒が
20〜90質量%、第2の溶媒が5〜60質量%さらに
第3の溶媒が5〜30質量%の比率で含まれることが好
ましく、さらに第1の溶媒が30〜86質量%であり、
第2の溶媒が10〜50質量%、さらに第3のアルコー
ルが7〜25質量%含まれることが好ましい。また特に
第1の溶媒が30〜80質量%であり、第2の溶媒が1
0〜50質量%、第3の溶媒がアルコールであり10〜
20質量%含まれることが好ましい。なお、第1の溶媒
が混合液で第2の溶媒を用いない場合は、第1の溶媒が
20〜90質量%、第3の溶媒が5〜30質量%の比率
で含まれることが好ましく、さらに第1の溶媒が30〜
86質量%であり、さらに第3の溶媒が7〜25質量%
含まれることが好ましい。本発明で好ましいこれらの溶
媒の組み合わせについての具体例は、以下のものを挙げ
ることができる。酢酸メチル/アセトン/メタノール/
エタノール/ブタノール(75/10/5/5/5、質
量部)、酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノー
ル/プロパノール(75/10/5/5/5、質量
部)、酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール
/シクロヘキサン(75/10/5/5/5、質量
部)、酢酸メチル/メチルエチルケトン/メタノール/
エタノール(80/10/5/5、質量部)、酢酸メチ
ル/アセトン/メチルエチルケトン/エタノール(75
/10/10/5、質量部)、酢酸メチル/シクロペン
タノン/メタノール/エタノール(80/10/5/
5、質量部)、酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノ
ール/エタノール(80/10/5/5、質量部)、酢
酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/
エタノール(60/15/15/5/5、質量部)、酢
酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/ヘキサン
(70/20/5/5、質量部)、酢酸メチル/メチル
エチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール
(50/20/20/5/5、質量部)、酢酸メチル/
1、3ジオキソラン/メタノール/エタノール(70/
20/5/5、質量部)、酢酸メチル/ジオキサン/ア
セトン/メタノール/エタノール(60/20/10/
5/5、質量部)、酢酸メチル/アセトン/シクロペン
タノン/エタノール/ブタノール/シクロヘキサン(6
5/10/10/5/5/5、質量部)、ギ酸メチル/
メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノー
ル(50/20/20/5/5、質量部)、ギ酸メチル
/アセトン/酢酸エチル/エタノール/ブタノール/ヘ
キサン(65/10/10/5/5/5、質量部)、ア
セトン/アセト酢酸メチル/メタノール/エタノール
(65/20/10/5、質量部)、アセトン/シクロ
ペンタノン/エタノール/ブタノール(65/20/1
0/5、質量部)、アセトン/1,3ジオキソラン/エ
タノール/ブタノール(65/20/10/5、質量
部)、1、3ジオキソラン/シクロヘキサノン/メチル
エチルケトン/メタノール/ブタノール(55/20/
10/5/5/5、質量部)、アセトン/塩化メチレン
/メタノール(85/5/5、質量部)、酢酸メチル/
塩化メチレン/メタノール/エタノール(70/10/
15/5、質量部)、1,3−ジオキソラン/塩化メチ
レン/メタノール/ブタノール(70/15/10/
5、質量部)、1,4−ジオキサン/塩化メチレン/ア
セトン/メタノール/ブタノール(70/5/15/5
/5、質量部)、シクロヘキサノン/塩化メチレン/ア
セトン/メタノール/エタノール/プロパノール(60
/10/15/5/5/5、質量部)などをあげること
ができ、これらの中でも特に酢酸メチル/アセトン/メ
タノール/エタノール(75/15/5/5、質量
部)、酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール
/ブタノール(75/10/5/5/5、質量部)、酢
酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/エタノール
(80/10/5/5、質量部)、アセトン/アセト酢
酸メチル/エタノール/イソプロパノール(65/15
/10/5/5、質量部)が好ましい組み合わせであ
る。
【0103】本発明のセルロースアシレート溶液(ドー
プ)の調製は、その溶解方法は特に限定されず、室温で
もよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さら
にはこれらの組み合わせで実施される。これらに関して
は、例えば特開平5−163301号、特開昭61−1
06628号、特開昭58−127737号、特開平9
−95544号、特開平10−95854号、特開平1
0−45950号、特開2000−53784号、特開
平11−322946号、特開平11−322947
号、特開平2−276830号、特開2000−273
239号、特開平11−71463号、特開平04−2
59511号、特開2000−273184号、特開平
11−323017号、および特開平11−30238
8号の各公報などにセルロースアシレート溶液の調製
法、が記載されている。以上記載したこれらのセルロー
スアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明におい
ても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用でき
るものである。以下に、本発明で実施されるセルロース
アシレートの非塩素系有機溶媒への溶解について、具体
的にさらに詳細に記載する。
【0104】室温溶解の場合は、温度0〜55℃でセル
ロースアシレートを溶媒や添加剤と混合し、溶解釜など
の中で攪拌・混合して溶解される。溶解に関しては、セ
ルロースアシレート粉体を溶媒で十分均一に浸すことが
重要であり、所謂ママコ(溶媒が全く行き渡らないセル
ロースアシレートフ粉末部)を発生させないことが必須
である。そのため、攪拌容器の中に溶媒を予め添加して
おき、その後に、溶解容器を減圧にしてセルロースアシ
レートを添加することが好ましい場合もある。また、逆
に攪拌容器の中にセルロースアシレートを予め添加して
おき、その後に、溶解容器を減圧にして溶媒を添加する
ことが好ましい場合もある。また、セルロースアシレー
トを予めアルコールなどの貧溶媒に湿らせておき、しか
る後に本発明の炭素数3〜12のエーテル、ケトンある
いはエステル溶媒を添加することも、好ましい溶液の作
製方法である。複数の溶媒を用いる場合は、その添加順
は特に限定されない。例えば、主溶媒中にセルロースア
シレートを添加した後に、他の溶媒(例えばアルコール
などのゲル化溶媒など)を添加してもよいし、逆にゲル
化溶媒を予めセルロースアシレートに湿らせた後の主溶
媒を加えてもよく、不均一溶解の防止に有効である。な
お、攪拌に当たってはセルロースアシレートと溶媒を混
合した後、そのまま静置して十分にセルロースアシレー
トを溶媒で膨潤させて、続いて攪拌して均一な溶媒とし
てもよい。セルロースアシレートの量は、この混合物中
に5〜40質量%含まれるように調整する。セルロース
アシレートの量は、10〜30質量%であることがさら
に好ましい。
【0105】又本発明で好ましく用いられるセルロース
アシレート溶液(ドープ)の調製は、冷却溶解法に従い
実施され以下に説明する。まず室温近辺の温度(−10
〜55℃)で有機溶媒中にセルロースアシレートを撹拌
しながら徐々に添加される。複数の溶媒を用いる場合
は、その添加順は特に限定されない。例えば、主溶媒中
にセルロースアシレートを添加した後に、他の溶媒(例
えばアルコールなどのゲル化溶媒など)を添加してもよ
いし、逆にゲル化溶媒を予めセルロースアシレートに湿
らせた後の主溶媒を加えてもよく、不均一溶解の防止に
有効である。セルロースアシレートの量は、この混合物
中に5〜40質量%含まれるように調整する。セルロー
スアシレートの量は、10〜30質量%であることがさ
らに好ましい。さらに、混合物中には後述する任意の添
加剤を添加しておいてもよい。次に、混合物は−100
〜−10℃(好ましくは−100〜−30℃、さらに好
ましくは−100〜−50℃、最も好ましくは−90〜
−60℃)に冷却される。冷却は、例えば、ドライアイ
ス・メタノール浴(−75℃)や機械的に冷却したフッ
素系溶媒(フロン)で実施できる。このように冷却する
と、セルロースアシレートと有機溶媒の混合物は固化す
る。冷却速度は、特に限定されないがバッチ式での冷却
の場合は、冷却に伴いセルロースアシレート溶液の粘度
が上がり、冷却効率が劣るために所定の冷却温度に達す
るために効率よい溶解釜とすることが必要である。
【0106】また、本発明のセルロースアシレート溶液
は膨潤させたあと、所定の冷却温度にした冷却装置を短
時間移送することで達成できる。冷却速度は、速いほど
好ましいが、10000℃/secが理論的な上限であ
り、1000℃/secが技術的な上限であり、そして
100℃/secが実用的な上限である。なお、冷却速
度は、冷却を開始する時の温度と最終的な冷却温度との
差について、冷却を開始してから最終的な冷却温度に達
するまでの時間で割った値である。さらに、これを0〜
200℃(好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは
0〜120℃、最も好ましくは0〜50℃)に加温する
と、有機溶媒中にセルロースアシレートが流動する溶液
となる。昇温は、室温中に放置するだけでもよく、温浴
中で加温してもよい。この時、圧力を0.3〜30MP
aになることが挙げられるが、特に問題ない。その場合
は、極力短時間で実施することが好ましく、0.5〜6
0分以内が好ましく、特に0.5〜2分の短時間の加熱
が推奨される。なお、溶解が不充分である場合は冷却、
加温の操作を繰り返してもよい。溶解が充分であるかど
うかは、目視により溶液の外観を観察するだけで判断す
ることができる。冷却溶解方法においては、冷却時の結
露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いること
が望ましい。また、冷却加温操作において、冷却時に加
圧し、加温時に減圧すると溶解時間を短縮することがで
きる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器
を用いることが望ましい。以上の冷却溶解方法について
は、特開平9−95544号、特開平10−95854
号、および特開平10−95854号の各公報に詳細に
記載されている。
【0107】本発明のセルロースアシレート溶液(ドー
プ)の調製で好ましく実施される高温溶解法について以
下に説明する。まず室温近辺の温度(−10〜55℃)
で有機溶媒中にセルロースアシレートを撹拌しながら徐
々に添加される。複数の溶媒を用いる場合は、その添加
順は特に限定されない。例えば、主溶媒中にセルロース
アシレートを添加した後に、他の溶媒(例えばアルコー
ルなどのゲル化溶媒など)を添加してもよいし、逆にゲ
ル化溶媒を予めセルロースアシレートに湿らせた後の主
溶媒を加えてもよく、不均一溶解の防止に有効である。
本発明のセルロースアシレート溶液は、各種溶媒を含有
する混合有機溶媒中にセルロースアシレートを添加し予
め膨潤させることが好ましい。その場合、−10〜55
℃でいずれかの溶媒中に、セルロースアシレートを撹拌
しながら徐々に添加してもよいし、場合により特定の溶
媒で予め膨潤させその後に他の併用溶媒を加えて混合し
均一の膨潤液としてもよく、更には2種以上の溶媒で膨
潤させしかる後に残りの溶媒を加えても良く、特に限定
されるものではない。次に有機溶媒混合液は、0.2M
Pa〜30MPaの加圧下で60〜240℃に加熱され
る(好ましくは80〜220℃、更に好ましくは100
〜200℃、最も好ましくは100〜190℃)。加熱
は、例えば高圧蒸気でもよく電気熱源でもよい。高圧の
ためには耐圧容器あるいは耐圧ラインを必要とするが、
鉄やステンレス製あるいは他の金属耐圧容器やラインの
いずれでもよく、特に限定されない。更に、これらの高
温高圧溶液中に二酸化炭素を封入して所謂超臨界溶液と
してもよい。その場合、二酸化炭素と溶媒との比率は5
/95〜70/30が好ましく、更には10/90〜6
0/40が好ましい。
【0108】次にこれらの加熱溶液はそのままでは塗布
できないため、使用された溶媒の最も低い沸点以下に冷
却する必要がある。その場合、−10〜55℃に冷却し
て常圧に戻すことが一般的である。冷却はセルロースア
シレート溶液が内蔵されている高圧高温容器やライン
を、室温に放置するだけでもよく、更に好ましくは冷却
水などの冷媒を用いて該装置を冷却してもよい。なお、
溶解を早めるために加熱と冷却の操作を繰り返してもよ
い。溶解が十分であるかどうかは、目視により溶液の概
観を観察するだけで判断することができる。高圧高温溶
解方法においては、溶媒の蒸発を避けるために密閉容器
を用いる。また、膨潤工程おいて、加圧や減圧にしたり
することで更に溶解時間を短縮することができる。加圧
及び減圧を実施するためには、耐圧性容器あるいはライ
ンが必須である。これらについては、特開平11−32
2946号および特開平11−322947号の各公報
に詳細が記載されている。
【0109】本発明のセルロースアシレート溶液の濃度
は前述のごとく、高濃度のドープが得られるのが特徴で
あり、濃縮という手段に頼らずとも高濃度でしかも安定
性の優れたセルロースアシレート溶液が得られる。更に
溶解し易くするために低い濃度で溶解してから、濃縮手
段を用いて濃縮してもよい。濃縮の方法としては、特に
限定するものはないが、例えば、低濃度溶液を筒体とそ
の内部の周方向に回転する回転羽根外周の回転軌跡との
間に導くとともに、溶液との間に温度差を与えて溶媒を
蒸発させながら高濃度溶液を得る方法(例えば、特開平
4−259511号公報等)、加熱した低濃度溶液をノ
ズルから容器内に吹き込み、溶液をノズルから容器内壁
に当たるまでの間で溶媒をフラッシュ蒸発させるととも
に、溶媒蒸気を容器から抜き出し、高濃度溶液を容器底
から抜き出す方法(例えば、USP第2,541,01
2号、USP第2,858,229号、USP第4,4
14,341号、USP第4,504,355号の各明
細書等などに記載の方法)等で実施できる。
【0110】溶液は流延に先だって金網やネルなどの適
当な濾材を用いて、未溶解物やゴミ、不純物などの異物
を濾過除去しておくのが好ましい。セルロースアシレー
ト溶液の濾過には絶対濾過精度が0.1〜100μmの
フィルタが用いられ、さらには絶対濾過精度が0.5〜
25μmであるフィルタを用いることが好ましく用いら
れる。フィルタの厚さは、0.1〜10mmが好まし
く、更には0.2〜2mmが好ましい。その場合、ろ過
圧力は16kgf/cm2 以下、より好ましくは12k
gf/cm2 以下、更には10kgf/cm2 以下、特
に好ましくは2kgf/cm2 以下で濾過することが好
ましい。濾材としては、ガラス繊維、セルロース繊維、
濾紙、四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂等の従来
公知である材料を好ましく用いることができ、特にセラ
ミックス、金属等が好ましく用いられる。セルロースア
シレート溶液の製膜直前の粘度は、製膜の際に流延可能
な範囲であればよく、通常10Pa・s〜2000Pa
・sの範囲に調製されることが好ましく、30Pa・s
〜1000Pa・sがより好ましく、40Pa・s〜5
00Pa・sが更に好ましい。なお、この時の温度はそ
の流延時の温度であれば特に限定されないが、好ましく
は−5〜70℃であり、より好ましくは−5〜55℃で
ある。
【0111】本発明のセルロースアシレート溶液を用い
たフイルムの製造方法について述べる。本発明のセルロ
ースアシレートフイルムを製造する方法及び設備は、従
来セルローストリアセテートフイルム製造に供する溶液
流延製膜方法及び溶液流延製膜装置が用いられる。溶解
機(釜)から調製されたドープ(セルロースアシレート
溶液)を貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡
を脱泡して最終調製をする。ドープをドープ排出口か
ら、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧
型定量ギヤポンプを通して加圧型ダイに送り、ドープを
加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行し
ている流延部の金属支持体の上に均一に流延され、金属
支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウ
ェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。得られるウ
ェブの両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンター
で搬送して乾燥し、続いて乾燥装置のロール群で搬送し
乾燥を終了して巻き取り機で所定の長さに巻き取る。テ
ンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的
により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディス
プレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法におい
ては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、
ハレーション防止層、保護層等のフイルムへの表面加工
のために、塗布装置が付加されることが多い。以下に各
製造工程について簡単に述べるが、これらに限定される
ものではない。
【0112】まず、調製したセルロースアシレート溶液
(ドープ)は、ソルベントキャスト法によりセルロース
アシレートフイルムを作製される際に、ドープはドラム
またはバンド上に流延し、溶媒を蒸発させてフイルムを
形成する。流延前のドープは、固形分量が5〜40質量
%となるように濃度を調整することが好ましい。ドラム
またはバンドの表面は、鏡面状態に仕上げておくことが
好ましい。ドープは、表面温度が30℃以下のドラムま
たはバンド上に流延することが好ましく用いられ、特に
は−10〜20℃の金属支持体温度であることが好まし
い。さらに特開2000−301555号、特開200
0−301558号、特開平07−032391号、特
開平03−193316号、特開平05−086212
号、特開昭62−037113号、特開平02−276
607号、特開昭55−014201号、特開平02−
111511号、および特開平02−208650号の
各公報に記載の技術を本発明では応用できる。
【0113】本発明では得られたセルロースアシレート
溶液を、金属支持体としての平滑なバンド上或いはドラ
ム上に単層液として流延してもよいし、2層以上の複数
のセルロースアシレート液を流延してもよい。複数のセ
ルロースアシレート溶液を流延する場合、金属支持体の
進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロ
ースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層さ
せながらフイルムを作製してもよく、例えば特開昭61
−158414号、特開平1−122419号、および
特開平11−198285号の各公報に記載の方法が適
応できる。また、2つの流延口からセルロースアシレー
ト溶液を流延することによってもフイルム化することで
もよく、例えば特公昭60−27562号、特開昭61
−94724号、特開昭61−947245号、特開昭
61−104813号、特開昭61−158413号、
および特開平6−134933号の各公報に記載の方法
で実施できる。また、特開昭56−162617号公報
に記載の高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘
度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高、低
粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押出すセルロ
ースアシレートフイルム流延方法でもよい。更に又、特
開昭61−94724号および特開昭61−94725
号の各公報に記載の外側の溶液が内側の溶液よりも貧溶
媒であるアルコール成分を多く含有させることも好まし
い態様である。或いはまた2個の流延口を用いて、第一
の流延口により金属支持体に成型したフイルムを剥離
し、金属支持体面に接していた側に第二の流延を行なう
ことでより、フイルムを作製することでもよく、例えば
特公昭44−20235号公報に記載されている方法で
ある。流延するセルロースアシレート溶液は同一の溶液
でもよいし、異なるセルロースアシレート溶液でもよく
特に限定されない。複数のセルロースアシレート層に機
能を持たせるために、その機能に応じたセルロースアシ
レート溶液を、それぞれの流延口から押出せばよい。さ
らの本発明のセルロースアシレート溶液は、他の機能層
(例えば、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレー
ション層、UV吸収層、偏光層など)を同時に流延する
ことも実施しうる。
【0114】従来の単層液では、必要なフイルム厚さに
するためには高濃度で高粘度のセルロースアシレート溶
液を押出すことが必要であり、その場合セルロースアシ
レート溶液の安定性が悪くて固形物が発生し、ブツ故障
となったり、平面性が不良であったりして問題となるこ
とが多かった。この解決として、複数のセルロースアシ
レート溶液を流延口から流延することにより、高粘度の
溶液を同時に金属支持体上に押出すことができ、平面性
も良化し優れた面状のフイルムが作製できるばかりでな
く、濃厚なセルロースアシレート溶液を用いることで乾
燥負荷の低減化が達成でき、フイルムの生産スピードを
高めることができた。
【0115】共流延の場合、内側と外側の厚さは特に限
定されないが、好ましくは外側が全膜厚の1〜50%で
あることが好ましく、より好ましくは2〜30%の厚さ
である。ここで、3層以上の共流延の場合は金属支持体
に接した層と空気側に接した層のトータル膜厚を外側の
厚さと定義する。共流延の場合、前述の可塑剤、紫外線
吸収剤、マット剤等の添加物濃度が異なるセルロースア
シレート溶液を共流延して、積層構造のセルロースアシ
レートフイルムを作製することもできる。例えば、スキ
ン層/コア層/スキン層といった構成のセルロースアシ
レートフイルムを作ることができる。例えば、マット剤
は、スキン層に多く、又はスキン層のみに入れることが
できる。可塑剤、紫外線吸収剤はスキン層よりもコア層
に多くいれることができ、コア層のみにいれてもよい。
又、コア層とスキン層で可塑剤、紫外線吸収剤の種類を
変更することもでき、例えばスキン層に低揮発性の可塑
剤及び/又は紫外線吸収剤を含ませ、コア層に可塑性に
優れた可塑剤、或いは紫外線吸収性に優れた紫外線吸収
剤を添加することもできる。また、剥離剤を金属支持体
側のスキン層のみ含有させることも好ましい態様であ
る。また、冷却ドラム法で金属支持体を冷却して溶液を
ゲル化させるために、スキン層に貧溶媒であるアルコー
ルをコア層より多く添加することも好ましい。スキン層
とコア層のTgが異なっていても良く、スキン層のTg
よりコア層のTgが低いことが好ましい。又、流延時の
セルロースアシレートを含む溶液の粘度もスキン層とコ
ア層で異なっていても良く、スキン層の粘度がコア層の
粘度よりも小さいことが好ましいが、コア層の粘度がス
キン層の粘度より小さくてもよい。
【0116】さらに詳細に本発明に有用な流延方法につ
いて記すと、調製されたドープを加圧ダイから金属支持
体上に均一に押し出す方法、一旦金属支持体上に流延さ
れたドープをブレードで膜厚を調節するドクターブレー
ドによる方法、或いは逆回転するロールで調節するリバ
ースロールコーターによる方法等があるが、加圧ダイに
よる方法が好ましい。加圧ダイにはコートハンガータイ
プやTダイタイプ等があるがいずれも好ましく用いるこ
とができる。また、ここで挙げた方法以外にも従来知ら
れているセルローストリアセテート溶液を流延製膜する
種々の方法で実施でき、用いる溶媒の沸点等の違いを考
慮して各条件を設定することによりそれぞれの公報に記
載の内容と同様の効果が得られる。
【0117】本発明のセルロースアシレートフイルムを
製造するのに使用されるエンドレスに走行する金属支持
体としては、表面がクロムメッキによって鏡面仕上げさ
れたドラムや表面研磨によって鏡面仕上げされたステン
レスベルト(バンドといってもよい)が用いられる。本
発明のセルロースアシレートフイルムの製造に用いられ
る加圧ダイは、金属支持体の上方に1基或いは2基以上
の設置でもよい。好ましくは1基又は2基である。2基
以上設置する場合には流延するドープ量をそれぞれのダ
イに種々な割合にわけてもよく、複数の精密定量ギヤア
ポンプからそれぞれの割合でダイにドープを送液しても
よい。流延に用いられるセルロースアシレート溶液の温
度は、−10〜55℃が好ましくより好ましくは25〜
50℃である。その場合、工程のすべてが同一でもよ
く、あるいは工程の各所で異なっていてもよい。異なる
場合は、流延直前で所望の温度であればよい。
【0118】本発明のセルロースアシレートフイルムの
製造に係わる金属支持体上におけるドープの乾燥は、一
般的には金属支持体(ドラム或いはベルト)の表面側、
つまり金属支持体上にあるウェブの表面から熱風を当て
る方法、ドラム或いはベルトの裏面から熱風を当てる方
法、温度コントロールした液体をベルトやドラムのドー
プ流延面の反対側である裏面から接触させて、伝熱によ
りドラム或いはベルトを加熱し表面温度をコントロール
する液体伝熱方法などがあるが、裏面液体伝熱方式が好
ましい。流延される前の金属支持体の表面温度はドープ
に用いられている溶媒の沸点以下であれば何度でもよ
い。しかし乾燥を促進するためには、また金属支持体上
での流動性を失わせるためには、使用される溶媒の内の
最も沸点の低い溶媒の沸点より1〜10℃低い温度に設
定することが好ましい。尚、流延ドープを冷却して乾燥
することなく剥ぎ取る場合はこの限りではない。
【0119】更には、積極的に幅方向に延伸する方法も
あり、本発明では、例えば、特開昭62−115035
号、特開平4−152125号、特開平4−28421
1号、特開平4−298310号、および特開平11−
48271号の各公報などに記載されている。これは、
セルロースアシレートフイルムの面内レターデーション
値を高い値とするためには、製造したフイルムが延伸さ
れる。フイルムの延伸は、常温または加熱条件下で実施
する。加熱温度は、フイルムのガラス転移温度以下であ
ることが好ましい。フイルムの延伸は、一軸延伸でもよ
く2軸延伸でもよい。延伸は1〜200%の延伸が好ま
しく、特には1〜100%の延伸が好ましい。本発明の
出来上がり(乾燥後)のセルロースアシレートフイルム
の厚さは、使用目的によって異なるが、通常5から50
0μmの範囲であり、更に20〜300μmの範囲が好
ましく、特に30〜150μmの範囲が最も好ましい。
フイルム厚さの調製は、所望の厚さになるように、ドー
プ中に含まれる固形分濃度、ダイの口金のスリット間
隙、ダイからの押し出し圧力、金属支持体速度等を調節
すればよい。
【0120】以上のようにして得られたセルロースアシ
レートフイルムの幅は0.5〜3mが好ましく、より好
ましくは0.6〜2.5m、さらに好ましくは0.8〜
2.2mである。長さは1ロールあたり100〜100
00mで巻き取るのが好ましく、より好ましくは500
〜7000mであり、さらに好ましくは1000〜60
00mである。巻き取る際、少なくとも片端にナーリン
グを付与するのが好ましく、幅は3mm〜50mm、よ
り好ましくは5m〜30mm、高さは0.5〜500μ
mであり、より好ましくは1〜200μmである。これ
は片押しであっても両押しであっても良い。
【0121】セルロースアシレートフイルムは、場合に
より表面処理を行うことによって、セルロースアシレー
トフイルムと各機能層(例えば、下塗層およびバック
層)との接着の向上を達成することができる。例えばグ
ロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処
理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここ
でいうグロー放電処理とは、10-3〜20Torrの低
圧ガス下でおこる、いわゆる低温プラズマのことであ
る。更にまた、大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。
本発明のセルロースアシレートフイルムの表面処理に用
いられるプラズマ処理について説明する。具体的には、
真空グロー放電、大気圧グロー放電等によるものがあ
り、その他の方法としてフレームプラズマ処理等の方法
があげられる。これらは、例えば特開平6−12306
2号、特開平11−293011号、および同11−5
857号の各公報等に記載された方法を用いることがで
きる。中でも大気圧グロー放電によるものが好ましく用
いられる。プラズマ励起性気体とは上記のような条件に
おいてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリ
ウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭
素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの
混合物などがあげられる。これらのガスとしては、アル
ゴン、ネオン等の不活性ガスに、カルボキシル基や水酸
基、カルボニル基等の極性官能基をプラスチックフイル
ムの表面に付与できる反応性ガスを加えたものが励起性
気体として用いられる。反応性ガスとしては水素、酸
素、窒素の他、水蒸気やアンモニア等のガスの他、低級
炭化水素、ケトン等の低沸点の有機化合物等も必要に応
じ用いることができるが、取り扱い上は、水素、酸素、
二酸化炭素、窒素、水蒸気等のガスが好ましい。水蒸気
を用いる場合は、他のガスを水に通しバブリングしたガ
スを用いることができる。或いは水蒸気を混合してもよ
い。
【0122】次に紫外線照射法も本発明では好ましく用
いられ、特公昭43−2603号、特公昭43−260
4号、および特公昭45−3828号の各公報に記載の
処理方法によって行われるのが好ましい。水銀灯は石英
管からなる高圧水銀灯で、紫外線の波長が180〜38
0nmの間であるものが好ましい。紫外線照射の方法に
ついては、光源はセルロースアシレートフイルムの表面
温度が150℃前後にまで上昇することが支持体性能上
問題なければ、主波長が365nmの高圧水銀灯ランプ
を使用することができる。低温処理が必要とされる場合
には主波長が254nmの低圧水銀灯が好ましい。また
オゾンレスタイプの高圧水銀ランプ、及び低圧水銀ラン
プを使用する事も可能である。処理光量に関しては処理
光量が多いほどセルロースアシレートフイルムと被接着
層との接着力は向上するが、光量の増加に伴い該フイル
ムが着色し、また脆くなるという問題が発生する。従っ
て、365nmを主波長とする高圧水銀ランプで、照射
光量20〜10000(mJ/cm2 )がよく、より好
ましくは50〜2000(mJ/cm2 )である。25
4nmを主波長とする低圧水銀ランプの場合には、照射
光量100〜10000(mJ/cm2 )がよく、より
好ましくは300〜1500(mJ/cm2)である。
【0123】次にセルロースアシレートフイルムの表面
処理としてコロナ放電処理も好ましく用いられ、特公昭
39−12838号、特開昭47−19824号、特開
昭48−28067号、および特開昭52−42114
号の各公報に記載の処理方法によって行うことができ
る。コロナ放電処理装置は、Pillar社製ソリッド
ステートコロナ処理機、LEPEL型表面処理機、VE
TAPHON型処理機等を用いることができる。処理は
空気中での常圧にて行うことができる。火炎処理につい
て記述すると、用いるガスは天然ガス、液化プロパンガ
ス、都市ガスのいずれでもかまわないが、空気との混合
比が重要である。なぜなら、火炎処理による表面処理の
効果は活性な酸素を含むプラズマによってもたらされる
と考えられるからであり、火炎の重要な性質であるプラ
ズマの活性(温度)と酸素がどれだけ多くあるかがポイ
ントである。このふたつを決めているのはガス/酸素比
であり、過不足なく反応する場合にエネルギー密度が最
も高くなりプラズマの活性が高くなる。具体的には、天
然ガス/空気の好ましい混合比は容積比で1/6〜1/
10、好ましくは1/7〜1/9である。また、液化プ
ロパンガス/空気の場合は1/14〜1/22、好まし
くは1/16〜1/19、都市ガス/空気の場合は1/
2〜1/8、好ましくは1/3〜1/7である。また、
火炎処理量は1〜50Kcal/m2 、より好ましくは
3〜20Kcal/m2 の範囲で行うとよい。
【0124】また、セルロースアシレートフイルムの表
面処理として好ましく用いられるアルカリ鹸化処理を具
体的に説明する。セルロースアシレートフイルム表面を
アルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗し
て乾燥するサイクルで行われることが好ましい。アルカ
リ溶液としては、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウ
ム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1N
〜3.0Nであることが好ましく、0.5N〜2.0N
であることがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室
温乃至90℃の範囲が好ましく、40℃乃至70℃がさ
らに好ましい。次に一般には水洗され、しかる後に酸性
水溶液を通過させた後に、水洗して表面処理したセルロ
ースアシレートフイルムを得る。この時、酸としては塩
酸、硝酸、硫酸、酢酸、蟻酸、クロロ酢酸、シュウ酸な
どであり、その濃度は0.01N〜3.0Nであること
が好ましく、0.05N〜2.0Nであることがさらに
好ましい。本発明のセルロースアシレートフイルムを偏
光板の透明保護膜として使用する場合、偏光膜との接着
性の観点から、酸処理またはアルカリ処理、すなわちセ
ルロースアシレートに対するケン化処理を実施すること
が特に好ましい。これらの溶液は水のみでもよいが、水
可溶性有機溶剤(メタノール、エタノール、イソプロパ
ノール、アセトンなど)を混合して用いてもよい。
【0125】フイルムと乳剤層との接着を達成するため
に、表面活性化処理をしたのち、直接セルロースアシレ
ートフイルム上に機能層を塗布して接着力を得る方法
と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処
理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗
布する方法とがある。下塗層の構成としても種々の工夫
が行われており、第1層として支持体によく隣接する層
(以下、下塗第1層と略す)を設け、その上に第2層と
して機能層とよく接着する下塗り第2層を塗布する所謂
重層法がある。 単層法においては、セルロースアシレ
ートフイルムを膨張させ、下塗層素材と界面混合させる
ことによって良好な接着性を達成している場合が多い。
本発明に使用する下塗ポリマーとしては、水溶性ポリマ
ー、セルロースアシレート、ラテックスポリマー、水溶
性ポリエステルなどが例示される。ポリマーとしては、
ゼラチン、ゼラチン誘導体、カゼイン、寒天、アルギン
酸ソーダ、でんぷん、ポリビニールアルコール、ポリア
クリル酸共重合体、無水マレイン酸共重合体などであ
り、セルロースアシレートとしてはカルボキシメチルセ
ルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどである。
【0126】本発明の有機溶媒を用いて作製されたセル
ロースアシレートフイルムは、その用途として光学用途
と写真感光材料に適用される。特に光学用途が液晶表示
装置であることが好ましく、液晶表示装置が、二枚の電
極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に
配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光
素子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを配置し
た構成であることがさらに好ましい。これらの液晶表示
装置としては、TN、IPS、FLC、AFLC、OC
B、STN、VAおよびHANが好ましく、詳細は後述
する。その際に前述の光学用途に本発明の非塩素系有機
溶媒を用いて作製されたセルロースアシレートフイルム
を用いるに際し、各種の機能層を付与することが実施さ
れる。それらは、例えば、帯電防止層、硬化樹脂層(透
明ハードコート層)、反射防止層、易接着層、防眩層、
光学補償層、配向層、液晶層などである。本発明のこれ
らの機能層及びその材料としては、界面活性剤、滑り
剤、マット剤、帯電防止層、ハードコート層などが挙げ
られる。
【0127】まず界面活性剤はその使用目的によって、
分散剤、塗布剤、濡れ剤、帯電防止剤などに分類される
が、以下に述べる界面活性剤を適宜使用することで、そ
れらの目的は達成できる。本発明で使用される界面活性
剤は、ノニオン性、イオン性(アニオン、カチオン、ベ
タイン)いずれも使用できる。さらにフッ素系界面活性
剤も有機溶媒中での塗布剤や、帯電防止剤として好まし
く用いられる。使用される層としてはセルロースアシレ
ート溶液中でもよいし、その他の機能層のいずれでもよ
い。光学用途で利用される場合は、機能層の例としては
下塗り層、中間層、配向制御層、屈折率制御層、保護
層、防汚層、粘着層、バック下塗り層、バック層などで
ある。その使用量は目的を達成するために必要な量であ
れば特に限定されないがしいが、一般には添加する層の
質量に対して、0.0001〜5質量%が好ましく、更
には0.0005〜2質量%が好ましい。その場合の塗
設量は、1m2 当り0.02〜1000mgが好まし
く、0.05〜200mgが好ましい。好ましいノニオ
ン系界面活性剤としては、ポリオキシエチレン、ポリオ
キシプロピレン、ポリオキシブチレン、ポリグリシジル
やソルビタンをノニオン性親水性基とする界面活性剤で
あり、具体的にはポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル、
ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコー
ル、多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシエ
チレン多価アルコール脂肪酸部分エステル、ポリオキシ
エチレン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、脂肪酸ジエタノールアミド、トリエタノールアミン
脂肪酸部分エステルを挙げることができる。
【0128】アニオン系界面活性剤としてはカルボン酸
塩、硫酸塩、スルフォン酸塩、リン酸エステル塩であ
り、代表的なものとしては脂肪酸塩、アルキルベンゼン
スルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、
アルキルスルフォン酸塩、α―オレフィンスルフォン酸
塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩、α―スルフォン化
脂肪酸塩、N−メチルーNオレイルタウリン、石油スル
フォン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンスチレン化フェニールエーテル硫酸塩、アルキルリン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、
ナフタレンスルフォン酸塩ホルムアルデヒド縮合物など
である。カチオン系界面活性剤としてはアミン塩、4級
アンモニウム塩、ピリジュム塩などを挙げることがで
き、第一〜第3脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩
(テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジ
ルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキルイ
ミダゾリウム塩など)を挙げることができる。両性系界
面活性剤としてはカルボキシベタイン、スルフォベタイ
ンなどであり、N−トリアルキル−N−カルボキシメチ
ルアンモニウムベタイン、N−トリアルキル−N−スル
フォアルキレンアンモニウムベタインなどである。これ
らの界面活性剤は、界面活性剤の応用(幸書房、刈米孝
夫著、昭和55年9月1日発行)に記載されている。本
発明においては、好ましい界面活性剤はその使用量にお
いて特に限定されず、目的とする界面活性特性が得られ
る量であればよい。以下に界面活性剤の具体例を記す
が、これらに限定されるものではない(ここで、−C6
4 はフェニレン基を表わす)。
【0129】また、セルロースアシレートフイルムの上
のいずれかの層に滑り剤を含有させてもよく、その場合
は特に最外層が好ましい。用いられる滑り剤としては、
例えば、特公昭53−292号公報に開示されているよ
うなポリオルガノシロキサン、米国特許第4、275、
146号明細書に開示されているような高級脂肪酸アミ
ド、特公昭58−33541号公報、英国特許第92
7、446号明細書或いは特開昭55−126238号
及び特開昭58−90633号公報に開示されているよ
うな高級脂肪酸エステル(炭素数10〜24の脂肪酸と
炭素数10〜24のアルコールのエステル)、そして、
米国特許第3、933、516号明細書に開示されてい
るような高級脂肪酸金属塩、また、特開昭58−505
34号公報に開示されているような、直鎖高級脂肪酸と
直鎖高級アルコールのエステル、世界公開901081
15.8に開示されているような分岐アルキル基を含む
高級脂肪酸−高級アルコールエステル等が知られてい
る。このうちポリオルガノシロキサンとしては、一般的
に知られている、ポリジメチルシロキサンポリジエチル
シロキサン等のポリアルキルシロキサン、ポリジフェニ
ルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン等のポリ
アリールシロキサンのほかに、特公昭53−292号、
特公昭55−49294号、および特開昭60−140
341号の各公報等に示されるような、C5 以上のア
ルキル基を持つオルガノポリシロキサン、側鎖にポリオ
キシアルキレン基を有するアルキルポリシロキサン、側
鎖にアルコキシ、ヒドロキシ、水素、カルボキシル、ア
ミノ、メルカプト基を有するようなオルガノポリシロキ
サン等の変性ポリシロキサンを用いることもできるし、
シロキサンユニットを有するブロックコポリマーなどを
挙げることができる。このような化合物の具体例を次に
示すが、これらによって制限されるものではない。ま
た、高級脂肪酸及びその誘導体、高級アルコール及びそ
の誘導体としては、高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、
高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸の
多価アルコールエステル等、また、高級脂肪族アルコー
ル、高級脂肪族アルコールのモノアルキルフォスファイ
ト、ジアルキルフォスファイト、トリアルキルフォスフ
ァイト、モノアルキルフォスフェート、ジアルキルフォ
スフェート、トリアルキルフォスフェート、高級脂肪族
のアルキルスルフォン酸、そのアミド化合物またはその
塩等を用いることができる。このような化合物の具体例
を次に示すが、本発明はこれらによって制限されるもの
ではない。
【0130】このような滑り剤を用いることにより、引
っかき強度にすぐれ、下塗面でのはじき等の発生のない
優れたフイルムが得られる。用いる滑り剤の使用量は特
に限定されないが、その含有量は0.0005から2g
/m2 が好ましく、より好ましくは0.001〜1g/
2 、特に好ましくは0.002〜0.5g/m2 であ
る。本発明の滑り剤の添加層としては、特にこれに限定
されるものではないが、バック面の最外層に含有させる
ことが好ましい。上記の滑り剤を含む表面層は、これを
適当な有機溶剤に溶解した塗布液を、支持体、またはバ
ック層にその他の層を付与した支持体上に塗布し、乾燥
することにより形成できる。また、滑り剤は、塗布液中
に分散物の形で添加することもできる。滑り性能は静摩
擦係数0.30以下が好ましく、更には0.25以下、
特には0.13以下が好ましい。また、接触する相手材
質との静摩擦係数を小さいことが好ましく、傷などの防
止にも役立つ。その際の相手材質との静摩擦係数も0.
3以下が好ましく、更には0.25以下、特には0.1
3以下が好ましい。また、フイルムや光学フイルムの表
裏の静摩擦係数も小さくするほうが好ましい場合が多々
有り、その間の静摩擦係数0.30以下が好ましく、更
には0.25以下、特には0.13以下が好ましい。ま
た、動摩擦係数も0.30以下が好ましく、更には0.
25以下、特には0.15以下が好ましい。また、接触
する相手材質との動摩擦係数も0.3以下が好ましく、
更には0.25以下、特には0.15以下が好ましい。
また、フイルムや光学フイルムの表裏の動摩擦係数も小
さくするほうが好ましい場合が多々有り、その間の動摩
擦係数0.30以下が好ましく、更には0.25以下、
特には0.13以下が好ましい。
【0131】本発明のセルロースアシレートフイルムの
機能層において、フイルムの易滑性や高湿度下での耐接
着性の改良のためにマット剤を使用することが好まし
い。その場合、表面の突起物の平均高さが0.005〜
10μmが好ましく、より好ましくは0.01〜5μm
である。又、その突起物は表面に多数ある程良いが、必
要以上に多いとへイズとなり問題である。好ましい突起
物は突起物の平均高さを有する範囲であれば、例えば球
形、不定形マット剤で突起物を形成する場合はその含有
量が0.5〜600mg/m2 であり、より好ましいの
は1〜400mg/m2 である。この時、使用されるマ
ット剤としては、既述のセルロースアシレートフイルム
中に添加される微粒子も利用でき、その組成において特
に限定されず、無機物でも有機物でもよく2種類以上の
混合物でもよい。マット剤の無機化合物、有機化合物
は、例えば、硫酸バリウム、マンガンコロイド、二酸化
チタン、硫酸ストロンチウムバリウム、二酸化ケイ素、
酸化アルミニウム、酸化錫、酸化亜鉛、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、タルク、カオリン、硫酸カルシウム
などの無機物の微粉末があるが、さらに例えば湿式法や
ケイ酸のゲル化より得られる合成シリカ等の二酸化ケイ
素やチタンスラッグと硫酸により生成する二酸化チタン
(ルチル型やアナタース型)等が挙げられる。また、粒
径の比較的大きい、例えば20μm以上の無機物から粉
砕した後、分級(振動ろ過、風力分級など)することに
よっても得られる。その他、ポリテトラフルオロエチレ
ン、セルロースアセテート、ポリスチレン、ポリメチル
メタクリレート、ポリプピルメタクリレート、ポリメチ
ルアクリレート、ポリエチレンカーボネート、アクリル
スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、メラミン系樹脂、ポリ
オレフィン系粉末、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系
樹脂、ポリイミド系樹脂、或いはポリ弗化エチレン系樹
脂、澱粉等の有機高分子化合物の粉砕分級物もあげられ
る。あるいは又懸濁重合法で合成した高分子化合物、ス
プレードライ法あるいは分散法等により球型にした高分
子化合物、または無機化合物を用いることができる。
【0132】本発明の光学フイルム、或いは偏光板保護
フイルムとして使用して偏光板には帯電防止加工、透明
ハードコート加工、防眩加工、反射防止加工、易接着加
工等を施すことができる。或いは配向膜を形成して液晶
層を設け、光学補償機能を付与することもできる。これ
らの詳細は特開2000−352620号公報に記載の
技術を応用でき、以下に記載する。帯電防止加工とは、
樹脂フイルムの取扱の際に、この樹脂フイルムが帯電す
るのを防ぐ機能を付与するものであり、具体的には、イ
オン導電性物質や導電性微粒子を含有する層を設けるこ
とによって行う。ここでイオン導電性物質とは電気伝導
性を示し、電気を運ぶ担体であるイオンを含有する物質
のことであるが、例としてはイオン性高分子化合物を挙
げることができる。これらのうち、好ましいのは導電性
物質が微粒子状をしており、上記樹脂中にこれらを微分
散し添加したものであって、これらに用いられる好まし
い導電性物質として、金属酸化物やこれらの複合酸化物
からなる導電性微粒子及び特開平9−203810号公
報に記載されているようなアイオネン導電性ポリマー或
いは分子間架橋を有する第4級アンモニウムカチオン導
電性ポリマー粒子などを含有することが望ましい。好ま
しい粒径としては5nm〜10μmの範囲であり、更に
好ましい範囲は用いられる微粒子の種類に依存する。
【0133】導電性微粒子である金属酸化物の例として
は、ZnO、TiO2 、SnO2 、Al2 3 、In2
3 、SiO2 、MgO、BaO、MoO2 、V2 5
等、或いはこれらの複合酸化物が好ましく、特にZn
O、TiO2 及びSnO2 が好ましい。異種原子を含む
例としては、例えばZnOに対してはAl、In等の添
加、TiO2 に対してはNb、Ta等の添加、又SnO
2 に対しては、Sb、Nb、ハロゲン元素等の添加が効
果的である。これら異種原子の添加量は0.01〜25
mol%の範囲が好ましいが、0.1〜15mol%の
範囲が特に好ましい。更にまた、有機電子導電性有機化
合物も利用できる。例えば、ポリチオフェン、ポリピロ
ール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフォスファ
ゼンなどである。これらは、酸供与材としてポリスチレ
ンスルフォン酸、過塩素酸などとのコンプレックスで好
ましく用いられる。
【0134】本発明の光学フイルムには、透明ハードコ
ート層を設けることができる。透明ハードコート層とし
ては活性線硬化性樹脂或いは熱硬化樹脂が好ましく用い
られる。活性線硬化性樹脂層とは紫外線や電子線のよう
な活性線照射により架橋反応などを経て硬化する樹脂を
主たる成分とする層をいう。活性線硬化性樹脂としては
紫外線硬化性樹脂や電子線硬化性樹脂などが代表的なも
のとして挙げられるが、紫外線や電子線以外の活性線照
射によって硬化する樹脂でもよい。紫外線硬化性樹脂と
しては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹
脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫
外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型
ポリオールアクリレート系樹脂、又は紫外線硬化型エポ
キシ樹脂等を挙げることができる。紫外線硬化型アクリ
ルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールに
イソシアネートモノマー、もしくはプレポリマーを反応
させて得られた生成物に更に2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下
アクリレートにはメタクリレートを包含するものとして
アクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピ
ルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモ
ノマーを反応させることによって容易に得ることがで
き、例えば特開昭59−151110号公報に記載され
ている。
【0135】本発明の光学フイルムには、反射防止層を
設けることもできる。反射防止層の構成としては、単
層、多層等各種知られているが、多層のものとしては高
屈折率層、低屈折率層を交互に積層した構造のものが一
般的である。構成の例としては、透明基材側から高屈折
率層/低屈折率層の2層の順から構成されたものや、屈
折率の異なる3層を、中屈折率層(透明基材或いはハー
ドコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折
率の低い層)/高屈折率層/低屈折率層の順に積層され
ているもの等があり、更に多くの反射防止層を積層する
ものも提案されている。中でも、耐久性、光学特性、コ
ストや生産性などから、ハードコート層を有する基材上
に、高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層の順に塗布す
ることが好ましい構成である。基材面に(中屈折層を設
ける場合もある)高屈折率層、空気に向かって低屈折率
層を順に積層し、高屈折率層及び低屈折率層の光学膜厚
光の波長に対しある値に設定することにより光学干渉層
を作り、反射防止積層体としたものが反射防止層として
は特に好ましく、屈折率と膜厚は分光反射率の測定より
計算して算出し得る。本発明の光学フイルムには、カー
ル防止加工を施すこともできる。カール防止加工とは、
これを施した面を内側にして丸まろうとする機能を付与
するものであるが、この加工を施すことによって、透明
樹脂フイルムの片面に何らかの表面加工をして、両面に
異なる程度・種類の表面加工を施した際に、その面を内
側にしてカールしようとするのを防止する働きをするも
のである。カール防止層は基材の防眩層又は反射防止層
を有する側と反対側に設ける態様或いは、例えば透明樹
脂フイルムの片面に易接着層を塗設する場合もあり、又
逆面にカール防止加工を塗設するような態様が挙げられ
る。
【0136】以上の方法により作製されたセルロースア
シレートフイルムの物理特性について、さらに詳細に記
載する。本発明の光学フイルムを偏光板保護フイルムと
した場合、該保護フイルムの厚さは5〜500μmが好
ましい。更に20〜300μmの範囲が好ましく、特に
30〜150μmの範囲が最も好ましい。本発明におい
て、上記のようにして製膜されたセルロースアシレート
フイルムの面内方向におけるレターデーションReは、
特に500nm未満であることが好ましく、300nm
未満であることが好ましく、200nm未満であること
が更に好ましく、100nm以下であることが更に好ま
しく、50nm以下であることが更に好ましく、30n
m以下であることが更に好ましい。場合より10nm以
下であることが特に好ましく5nmであることが更に好
ましい。また、本発明のセルロースアシレートフイルム
のRthは100μm当たり、0nm〜600nmであ
り、さらには0nm〜400nmで用いられる。特に0
nm〜250nmで用いることが好ましい。本発明の光
学フイルムの製膜方向(長手方向に相当する)と、フイ
ルムの遅相軸とのなす角度θ(ここではθ1)が0°、
+90°もしくは−90°に近いほど好ましい。ただ
し、θ1は製膜方向と遅相軸とがなす狭い角度であり、
+90°〜−90°の範囲である。特に偏光板保護フイ
ルムとして用いる場合に、得られる偏光板の偏光度向上
に寄与する。ここで遅相軸とはフイルム面内の屈折率が
最も高くなる方向である。
【0137】本発明において、上記のようにして製膜さ
れたセルロースアシレートフイルムを105℃、5時間
という条件下での縦及び横の寸法収縮率が±0.1%以
下であることが好ましい。又セルロースアシレートフイ
ルムの80μm換算でのヘイズが0.6%以下であるこ
とが好ましく、特にそのヘイズ値が0.5%以下のもの
が好ましく、更に好ましくは0.1%以下である。尚、
ヘイズ値の下限は特に限定されるものでは無い。又、本
発明の光学フイルムの引き裂き強度は10g以上である
ことが好ましく12g以上であることがより好ましく、
15g以上であることが更に好ましく、18g以上であ
ることが更に好ましく、20g以上であることが更に好
ましく、22g以上であることが更に好ましい。又セル
ロースアシレートフイルムの引っ張り強度が50N/m
2 以上であることが好ましく、又弾性率が3kN/m
2 以上であることが好ましい。又セルロースアシレー
トフイルムの動摩擦係数が0.40以下であることが好
ましく、更に好ましくは0.35以下である。本発明の
光学フイルムは寸度安定性に優れ、80℃、90%RH
で12時間放置した場合における寸法収縮率が±0.5
%未満であり、更に好ましくは0.3%未満であり、更
に好ましくは0.1%未満であり、更に好ましくは0.
08%未満であり、更に好ましくは0.06%未満であ
り、更に好ましくは0.04%未満である。
【0138】本発明で作製されたセルロースアシレート
の用途についてまず簡単に概説し、詳細は後述する。本
発明の光学フイルムは特に偏光板保護フイルム用として
有用である。偏光板保護フイルムとして用いる場合、偏
光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製
することができる。得られたセルロースアシレートフイ
ルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフイルム
を沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完
全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わ
せる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−9
4915号および特開平6−118232号の各公報に
記載されているような易接着加工を施してもよい。保護
フイルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される
接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤
や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙
げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護
フイルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面に
プロテクトフイルムを、反対面にセパレートフイルムを
貼合して構成される。プロテクトフイルム及びセパレー
トフイルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光
板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクト
フイルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、
偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。
又、セパレートフイルムは液晶板へ貼合する接着層をカ
バーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面
側に用いられる。液晶表示装置には通常2枚の偏光板の
間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学
フイルムを適用した偏光板保護フイルムはどの部位に配
置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の
表示側最表面の偏光板保護フイルムには透明ハードコー
ト層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光
板保護フイルムをこの部分に用いることが得に好まし
い。
【0139】本発明のセルロースアシレートフイルム
は、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光
学補償シートとして用いると特に効果がある。セルロー
スアシレートフイルムを光学補償シートとして用いる場
合は、偏光素子(後述)の透過軸と、セルロースアシレ
ートフイルムからなる光学補償シートの遅相軸とをどの
ような角度で配置しても構わない。液晶表示装置は、二
枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その
両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと
該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを
配置した構成を有している。液晶セルの液晶層は、通常
は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した
空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性
物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セル
には、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは
(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層(下塗
り層)を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に
設けられる。液晶セルの基板は、一般に50μm〜2m
mの厚さを有する。光学補償シートは複屈折性を有し、
液晶表示装置の表示画面の着色を取り除いたり、視野角
特性を改善したりする目的で用いられる。本発明のセル
ロースアシレートフイルムそのものを、光学補償シート
として用いることができる。さらに反射防止層、防眩性
層、λ/4層や2軸延伸セルロースアシレートフイルム
として機能を付与してもよい。また、液晶表示装置の視
野角を改良するため、本発明のセルロースアシレートフ
イルムと、それとは(正/負の関係が)逆の複屈折を示
すフイルムを重ねて光学補償シートとして用いてもよ
い。光学補償シートの厚さの範囲は、前述した本発明の
フイルムの好ましい厚さと同じである。
【0140】本発明のセルロースアシレートフイルム
は、様々な表示モードの液晶セルに用いることができ
る。TN(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Swit
ching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、
AFLC(Anti-ferroelectric Liquid Crystal)、O
CB(Optically Compensatory Bend)、STN(Suppe
r Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)お
よびHAN(Hybrid AlignedNematic)のような様々な
表示モードが提案されている。また、上記表示モードを
配向分割した表示モードも提案されている。セルロース
アシレートフイルムは、いずれの表示モードの液晶表示
装置においても有効である。また、透過型、反射型、半
透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。
本発明のセルロースアシレートフイルムを、TNモード
の液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シー
トの支持体として用いてもよい。TNモードの液晶セル
とTN型液晶表示装置については、古くから良く知られ
ている。TN型液晶表示装置に用いる光学補償シートに
ついては、特開平3−9325号、特開平6−1484
29号、特開平8−50206号、および特開平9−2
6572号の各公報に記載がある。また、モリ(Mor
i)他の論文(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)p.143
や、Jpn.J.Appl.Phys.Vol.36(1997)p.1068)に記載があ
る。本発明のセルロースアシレートフイルムを、STN
モードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学
補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にST
N型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が
90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分
子の屈折率異方性(△n)とセルギャップ(d)との積
(△nd)が300〜1500nmの範囲にある。ST
N型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、
特開2000−105316号公報に記載がある。
【0141】本発明のセルロースアシレートフイルム
は、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置
の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられ
る。VA型液晶表示装置に用いる光学補償シートのRe
レターデーション値を0乃至150nmとし、Rthレタ
ーデーション値を70乃至400nmとすることが好ま
しい。Reレターデーション値は、20乃至70nmで
あることが更に好ましい。VA型液晶表示装置に二枚の
光学的異方性ポリマーフイルムを使用する場合、フイル
ムのRthレターデーション値は70乃至250nmであ
ることが好ましい。VA型液晶表示装置に一枚の光学的
異方性ポリマーフイルムを使用する場合、フイルムのR
thレターデーション値は150乃至400nmであるこ
とが好ましい。VA型液晶表示装置は、例えば特開平1
0−123576号公報に記載されているような配向分
割された方式であっても構わない。本発明のセルロース
アシレートフイルムは、OCBモードの液晶セルを有す
るOCB型液晶表示装置あるいはHANモードの液晶セ
ルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支
持体としても有利に用いられる。OCB型液晶表示装置
あるいはHAN型液晶表示装置に用いる光学補償シート
には、レターデーションの絶対値が最小となる方向が光
学補償シートの面内にも法線方向にも存在しないことが
好ましい。OCB型液晶表示装置あるいはHAN型液晶
表示装置に用いる光学補償シートの光学的性質も、光学
的異方性層の光学的性質、支持体の光学的性質および光
学的異方性層と支持体との配置により決定される。OC
B型液晶表示装置あるいはHAN型液晶表示装置に用い
る光学補償シートについては、特開平9−197397
号公報に記載がある。また、モリ(Mori)他の論文
(Jpn.J.Appl.Phys.Vol.38(1999)p.2837)に記載があ
る。
【0142】本発明のセルロースアシレートフイルム
は、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest-Host)
型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利
に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知ら
れている。TN型反射型液晶表示装置については、特開
平10−123478号、WO9848320号、特許
第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶
表示装置に用いる光学補償シートについては、WO00
−65384号公報に記載がある。本発明のセルロース
アシレートフイルムは、ASM(Axially Symmetric Al
igned Microcell )モードの液晶セルを有するASM型
液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に
用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが
位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されていると
の特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セル
と同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶
表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume
et al., SID98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
【0143】
【実施例】各実施例において、セルロースアシレート、
溶液およびフイルムの化学的性質および物理的性質は、
以下のように測定および算出した。
【0144】(1)セルロースアシレート溶液の粘度 得られたセルロースアシレート溶液を50℃に加熱し、
その温度における溶液粘度を測定した。
【0145】(2)剥離時のセルロースアシレートフイ
ルムの伸び率 得られたセルロースアシレート溶液を50℃に加熱し、
予め5℃としておいた平滑で凹凸のないSUS金属板に
乾燥膜厚が100μmとなるように、セルロースアシレ
ート溶液を幅20cm流延した。なお、SUS板の端部
には厚さ100μmのセルローストリアセテートフイル
ムを設置しておいた。流延してから1分後に端部のセル
ローストリアセテートフイルムを保持し直角方向に向か
って、セルロースアシレートフイルムを剥離させた。こ
の時、剥離スピードは60cm/分で実施し、SUS板
での長さ20cm当たりに対して剥離されたセルロース
アシレートフイルムの長さを測定し、その20cm当た
りの伸び率を%で表した。
【0146】(3)フイルムのムラ(ムラと略称) 得られたフイルムを目視で観察し、その表面上の塗布ム
ラを以下の如く評価した。 A:フイルム表面に塗布ムラは認められなかった。 B:フイルム表面に塗布ムラがわずかに認められた。 C:フイルム表面にかなりの塗布ムラが認められた。 D:フイルム表面に凹凸が見られ、塗布ムラが多数認め
られた。
【0147】(4)フイルムのブツ(ブツと略称) 得られたフイルムを目視で観察し、その表面上のブツを
以下の如く評価した。 A:フイルム表面にブツは認められなかった。 B:フイルム表面にブツがわずかに認められた。 C:フイルム表面にかなりのブツが認められた。 D:フイルム表面に凹凸が見られ、ブツが多数認められ
た。
【0148】(5)フイルムのヘイズ ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を
用いて測定した。
【0149】[実施例1] (1−1)セルロースアシレート溶液の作製 攪拌羽根を有する5Lのガラス容器に、下記の溶媒混合
溶液によく攪拌・分散しつつ、第1表に記載のセルロー
スアシレート粉体(フレーク)を徐々に添加し、全体が
2kgになるように仕込んだ。なお、溶媒である酢酸メ
チルとブタノール、アセトン、メタノール、エタノール
は、すべてその含水率が0.2質量%以下のものを利用
した。まず、セルローストリアセテートの粉末は、分散
タンクに紛体を投入し窒素ガスを封入して、ディゾルバ
ータイプの偏芯攪拌軸および、中心軸にアンカー翼を有
する攪拌機で30分間分散した。分散の開始温度は30
℃であった。分散終了後、高速攪拌は停止し、アンカー
翼の周速を0.5m/secとしてさらに100分間攪
拌し、セルローストリアセテートフレークを膨潤させ
た。膨潤終了までは窒素ガスでタンク内を0.12MP
aになるように加圧した。この際のタンク内の酸素濃度
は2vol%未満であり防爆上で問題のない状態を保っ
た。またドープ中の水分量は0.2質量%以下であるこ
とを確認した。セルロースアシレート溶液の組成は以下
の通りである。
【0150】セルローストリアセテート(置換度2.8
2、粘度平均重合度320、含水率0.4質量%、メチ
レンクロライド溶液中6質量%の粘度:305mPa・
s、平均粒子径1.5mmであって標準偏差0.5mm
である粉体)20質量部、酢酸メチル58質量部、アセ
トン5質量部、メタノール5質量部、エタノール5質量
部、ブタノール5質量部、ジトリメチロールプロパンテ
トラアセテート(可塑剤A)1.2質量部、トリフェニ
ルフォスフェート(可塑剤B)1.2質量部、2,4−
ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−
3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−ト
リアジン(UV剤a)0.2質量部、2−(2’−ヒド
ロキシ−3’,5‘−ジ−tert−ブチルフェニル)−5
−クロルベンゾトリアゾール(UV剤)0.2質量部、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5‘−ジ−tert−アミ
ルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール(UV剤
c)0.2質量部、粒径20nmの二酸化ケイ素微粒子
(モース硬度:約7)0.05質量部、第1表に記載の
オイルゲル化剤の素材を用いた。なお、ここで使用した
主溶媒である酢酸メチルは、溶解性パラメーターは1
9.6であり、併用されるアセトンは溶解性パラメータ
ーは20.3である。さらに、ここで使用したセルロー
ストリアセテートは、残存酢酸量が0.1質量%以下で
あり、Caが0.05質量%、Mgは0.007質量%
であり、さらにFeは5ppmであった。また6位アセ
チル基は0.95であり全アセチル中の32.2%であ
った。また、アセトン抽出分は11質量%、重量平均分
子量と数平均分子量の比は0.5であり、分布の均一な
ものであった。またヘイズは0.08、透明度は93.
5%であり、Tgは160℃、結晶化発熱量は6.2J
/gであった。
【0151】(1−2)セルローストリアセテートフイ
ルム溶液 得られた不均一なゲル状溶液をスクリューポンプで送液
して、−70℃で3分間となるように冷却部分を通過さ
せた。冷却は冷凍機で冷却した−80℃の冷媒を用いて
実施した。そして、冷却により得られた溶液はステンレ
ス製の容器に移送し、50℃で2時間攪拌した後、絶対
濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#6
3)でろ過し、さらに絶対濾過精度2.5μmの濾紙
(ポール社製、FH025)にて濾過した。
【0152】(1−3)セルローストリアセテートフイ
ルムの作製 ろ過済みの50℃のセルローストリアセテート溶液を、
流延ギーサーを通して鏡面ステンレス支持体上に流延し
た。支持体温度は5℃であり、流延スピードは3m/分
でその塗布幅は30cmとした。室温で1分放置し、そ
の後に乾燥のために55℃の乾燥風を送風した。5分後
に鏡面ステンレス支持体から剥ぎ取り(この時の剥ぎ取
り直後の固形分濃度は、約30〜60質量%であっ
た)、しかる後に110℃、10分、更に150℃で3
0分乾燥(フイルム温度は約140℃)して、セルロー
ストリアセテートフイルム(膜厚80μm)を得た。
【0153】(1−4)結果 第1表に、本発明のオイルゲル化剤を用いた場合に得ら
れる溶液粘度とフイルムの伸び率及びフイルム面状(ム
ラ、ブツ)とヘイズの評価結果を記載した。本発明のオ
イルゲル化剤を使用しないコントロール試料1−1は剥
ぎ取り伸び率が大きく、ムラ、ブツ及びヘイズも大きく
劣るものであった。これに対し本発明の試料1―2〜1
−19は、溶液粘度の上昇も大きくなく、またその剥ぎ
取り伸び率も小さくて、得られたフイルムの面状(ム
ラ、ブツ)も良好でヘイズも小さく優れるものであっ
た。一方、比較化合物A、B及びCを用いた比較試料1
−22〜1−25は、剥ぎ取り伸び率が大きく、ムラ、
ブツ及びヘイズのすべてを満足するものではなかった。
【0154】
【表1】
【0155】[実施例2]本発明の試料1−4につい
て、(1−2)セルローストリアセテートフイルム溶液
を下記に変更する以外は実施例1と全く同様にしてて試
料2−4を得た。
【0156】(1−2)のセルローストリアセテートフ
イルム溶液得られた不均一なゲル状溶液をスクリューポ
ンプで送液して、180℃、1Mpaに加温加圧した加
熱部分を3分間通過させた後、110℃、1Mpaに加
温加圧して、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾
紙(株)製、#63)でろ過し、さらに絶対濾過精度
0.0025mmの濾紙(ポール社製、FH025)に
て濾過した。
【0157】(2−1)結果 得られた本発明の試料2−4は、溶液粘度の上昇もな
く、またその剥ぎ取り伸び率も小さくて、得られたフイ
ルムの面状(ムラ、ブツ)も良好でヘイズも0.4と小
さく優れるものであった。このことから、本発明におい
ては高温高圧溶解においても優れたセルロースアセテー
ト溶液とセルロースアセテートフイルムが作製できるこ
とが確証された。
【0158】[実施例3]実施例1の試料1−4におい
て、可塑剤A及びBを共に0質量部として除去する以外
は実施例1と全く同様にして、本発明の試料3−4を作
製した。得られた試料3−4は、溶液粘度の上昇もな
く、またその剥ぎ取り伸び率も小さく、得られたフイル
ムの面状(ムラ、ブツ)も良好であり、ヘイズも0.4
と小さく優れるものであった。一方、その耐折試験を実
施したところ試料1−4は115回であるのに対し、本
発明の範囲ではあるが可塑剤がない試料3−4は、耐切
試験は99回と実用状問題ないが若干劣るものであっ
た。従って、本発明ではセルロースアシレートフイルム
が可塑剤を含有することが、より好ましい態様であるこ
とが明らかである。ここで耐折強度の評価は、試料12
0mm×120mmを、23℃、65%RHで2時間調
湿し、ISO8776−1988に従って折り曲げによ
って切断するまでの往復回数を測定して評価した。
【0159】[実施例4]実施例1の試料1−6におい
てUV剤a、b、cを共に0質量部として除去する以外
は実施例1と全く同様にして、本発明の試料4−6を作
製した。得られた試料4−6は、溶液粘度の上昇もな
く、またその剥ぎ取り伸び率も小さく、得られたフイル
ムの面状(ムラ、ブツ)も良好であり、ヘイズも0.3
と小さく優れるものであった。一方、その光褪色試験を
キセノンランプ3万ルクス、1ヶ月実施したところ、試
料1−6はヘイズが0.6%であるのに対し、本発明の
範囲であるが試料4−6は、そのヘイズが0.9と若干
アップした。従って、本発明ではセルロースアシレート
フイルムがUV剤を含有することが、より好ましい態様
であることが明らかである。
【0160】[実施例5]実施例1の試料1−6におい
て微粒子のシリカを0質量部として除去する以外は実施
例1と全く同様にして、本発明の試料5−6を作製し
た。得られた試料5−6は、溶液粘度の上昇もなく、ま
たその剥ぎ取り伸び率も小さく、得られたフイルムの面
状(ムラ、ブツ)も良好であり、ヘイズも0.4と小さ
く優れるものであった。一方、そのフイルムを2枚重ね
て滑りやすさを調べたところ、試料1−6はスムーズに
2枚を動かすことができるのに対し、本発明の範囲であ
るが試料5−6は、フイルム同士の動きが若干悪かっ
た。従って、本発明ではセルロースアシレートフイルム
が微粒子を含有することが、より好ましい態様であるこ
とが明らかである。
【0161】[実施例6]実施例1の本発明の試料1−
8において、実施例1の(1−2)セルローストリアセ
テートフイルムの作製を以下に変更する以外は、実施例
1と全く同様にして本発明の試料6−8のセルロースト
リアセテートフイルムを作製した。すなわち、(1−
1)で得られたセルローストリアセテート溶液の一部を
採液し、酢酸メチルを全体の10質量%添加して希釈し
たセルローストリアセテート溶液(溶液A)を作製し
た。得られた溶液は、特開平06−134993号公報
に記載の共流延法に従って、試料1−3のセルロースト
リアセテート溶液を内部に、そしてその両側にセルロー
ストリアセテート溶液(溶液A)を積層共流延し、共流
延セルローストリアセテートフイルムを得た。なおその
膜厚は、両側を3μmとし内部を34μmとして総厚が
40μmとなるようにした。得られた試料6−8の面状
は、試料1−3よりも表面が滑らかで凹凸がなく更に優
れたものであった。従って本発明においては共流延する
ことが更に優れた態様であることが明らかである。
【0162】[実施例7]特開平11−316378号
公報に記載の実施例1において、その第1透明支持体を
本発明の実施例1の試料1−6で得られるセルロースト
リアセテートフイルム(第2フイルム)の厚さを100
μmとしたものに変更する以外は、全く同様にして特開
平11−316378号公報に記載の実施例1を実施し
て、試料7−6を作製した。得られた楕円偏光板は、優
れた光学特性は優れたものであった。従って、本発明の
製造工程において特定の洗浄溶液を用いることで、その
後に作製されるセルロースアシレートフイルムが光学偏
光板に適応されても問題のない好ましい態様であること
が明らかである。
【0163】[実施例8]実施例1の本発明の試料1−
8のセルローストリアセテートフイルムに、特開平7−
333433号公報に記載の実施例1の富士写真フイル
ム(株)製セルローストリアセテートを、本発明の試料
1−8のセルローストリアセテートフイルムに変更する
以外は、特開平7−333433号公報に記載の実施例
1と全く同様にした光学補償フィルターフイルム試料を
作製した。得られたフィルターフイルムは左右上下に優
れた視野角を有するものであった。したがって、本発明
のセルローストリアセテートフイルムが、光学的用途と
して優れたものであることが判る。
【0164】[実施例9]本発明では更に、多種の光学
用途に利用され、本発明の代表として試料1−9を、例
えば特開平10−48420号公報の実施例1に記載の
液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1
に記載のディスコティック液晶分子を含む光学的異方性
層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開20
00−154261号公報の図2〜9に記載のVA型液
晶表示装置、特開2000−154261号公報の図1
0〜15に記載のOCB型液晶表示装置に用いたところ
良好な性能が得られた。
【0165】[実施例10]実施例1の本発明の試料1
−13において、そのフイルム厚さを120μmとする
以外は、実施例1と全く同様にしてそのフイルムである
本発明の試料10−13を作製した。得られたフイルム
の一方に、特開平4−73736号公報の実施例1に記
載の(バック層組成)第一層及び第2層を付与し、カチ
オン系ポリマーを導電性層とするバック層を作製した。
更に、得られたバック層を付与したフイルムベースの反
対の面に、特開平11−38568号の実施例1に記載
の試料105を塗布し、ハロゲン化銀カラー写真感光材
料を作製した。得られたカラーフイルムは優れた映像が
得られかつその取り扱い性においても問題のないもので
あった。
【0166】
【発明の効果】本発明に従うと、製造工程でセルロース
アシレート溶液の支持体に流延した後、そのフイルムを
剥ぎ取る際に剥ぎ取ったフイルムの面状が良好である溶
液を提供することができる。さらに本発明のセルロース
アシレートフイルム溶液により、ムラやブツの発生のな
いセルロースアシレートフイルムを提供できる。さら
に、光学的異方性に優れ膜強度に優れたセルローストリ
エステルフイルムを提供することができる。更に、感材
用支持体としても優れたセルローストリアセテートフイ
ルムを作製できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H023 FA01 FA13 4F071 AA09 AC10 AC12 AC13 BB02 BC01 4J002 AB021 ED056 EL106 EP036 EQ016 EU046 EU206 EV216 EV256

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロースアシレートと、セルロースア
    シレートの0.05乃至25質量%の量のオイルゲル化
    剤とを含むことを特徴とするセルロースアシレートフイ
    ルム。
  2. 【請求項2】 オイルゲル化剤が、セルロースアシレー
    トの有機溶媒溶液に添加すると、40℃における粘度に
    対して、5℃における粘度が2倍以上となるような増粘
    性を示す請求項1に記載のセルロースアシレートフイル
    ム。
  3. 【請求項3】 オイルゲル化剤が、炭素原子数が6乃至
    100の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の脂
    肪族基が結合している糖、炭素原子数が5乃至100の
    脂肪酸、炭素原子数が5乃至100のアミノ酸、炭素原
    子数が5乃至100の環状ジペプチド、炭素原子数が5
    乃至100のアミド、ステロイド構造を有するエステ
    ル、炭素原子数が6乃至100のフェノール、炭素原子
    数が5乃至100のエーテル、炭素原子数が6乃至10
    0の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族
    基が結合しているラクトン、炭素原子数が6乃至100
    の芳香族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基
    が結合している尿素、炭素原子数が6乃至100の芳香
    族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合
    しているビオチン、炭素原子数が6乃至100の芳香族
    基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合し
    ているアルドン酸、炭素原子数が6乃至100の芳香族
    基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結合し
    ているバルビツール酸、炭素原子数が6乃至100の芳
    香族基または炭素原子数が5乃至100の脂肪族基が結
    合している芳香族ヘテロ環化合物および炭素原子数が6
    乃至100の芳香族基または炭素原子数が5乃至100
    の脂肪族基が結合している脂環式化合物からなる群より
    選ばれる請求項1に記載のセルロースアシレートフイル
    ム。
  4. 【請求項4】 オイルゲル化剤が、バリン、ロイシン、
    イソロイシン、アスパラギン酸、アスパラギン酸エステ
    ル、グルタミン酸、グルタミン酸エステルおよびフェニ
    ルアラニンからなる群より選ばれる二個のアミノ酸から
    形成される環状ジペプチドである請求項1に記載のセル
    ロースアシレートフイルム。
  5. 【請求項5】 オイルゲル化剤が、α―アミノラクタム
    構造を有する化合物である請求項1に記載のセルロース
    アシレートフイルム。
  6. 【請求項6】 セルロースアシレートを有機溶媒に溶解
    したセルロースアシレート溶液を塗布してセルロースア
    シレートフイルムを製造する方法であって、セルロース
    アシレート溶液が、5乃至50質量%の量のセルロース
    アシレートと0.01乃至5質量%の量のオイルゲル化
    剤とを含むことを特徴とするセルロースアシレートフイ
    ルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 有機溶媒が、実質的に非塩素系の有機溶
    媒からなる請求項6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 有機溶媒が、炭素原子数が2乃至12の
    エーテル、炭素原子数が3乃至12のケトンおよび炭素
    原子数が2乃至12のエステルからなる群より選ばれる
    請求項6に記載の製造方法。
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