JP2005068438A - セルロースアシレート、セルロースアシレート溶液およびその調製方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 セルロースアシレートの2位、3位のアシル置換度の合計が1.70以上1.90以下、かつ6位のアシル置換度が0.88以上に調整する。
Description
セルロースアシレートの溶媒として様々な有機溶媒が提案されている。実用化されている有機溶媒としては実質的にはメチレンクロリドに限定されるが、メチレンクロリドはその環境適性、沸点等の問題を有しておりその代替となるような溶媒の探索が行なわれている。
また、上記冷却溶解以外にも、混合物を高温、高圧条件下で溶解させる「高温溶解法」が提案されている。
また本発明の目的は、面状の優れたフイルムを製造できるセルロースアシレートを提供することでもある。
(1)2位、3位のアシル置換度の合計が1.70以上1.90以下であり、かつ6位のアシル置換度が0.88以上であるセルロースアシレート。
(2)アシル基がアセチル基である(1)に記載のセルロースアシレート。
(4)溶剤が、実質的に非塩素系の溶剤である(3)に記載のセルロースアシレート溶液。
(5)2位、3位のアシル置換度の合計が1.70以上1.90以下であり、かつ6位のアシル置換度が0.88以上であるセルロースアシレートと溶剤の混合物を、−80乃至−10℃の温度に冷却するか、あるいは80乃至220℃の温度に加熱することにより、セルロースアシレートを溶剤中に溶解することを特徴とするセルロースアシレート溶液の調製方法。
セルローストリアセテートが、最も好ましいセルロースアシレートである。
セルロースを構成するβ−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部を酢酸によりエステル化したポリマーである。アシル置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(100%のエステル化は、1.00)を意味する。本発明が用いるセルロースアシレートでは、2位、3位のアシル置換度の合計が1.70以上1.90以下であり、かつ6位のアシル置換度が0.88以上である。
一方、6位のアシル置換度は0.88以上であることが必要であり、0.88よりも小さくなると溶剤への溶解性が著しく低下するため好ましくない。これは6位の水酸基が2位、3位の水酸基と異なり一級水酸基であるため、水酸基の水素結合が極めて起こりやすいことに起因する。なお、6位のアシル置換度の範囲は合成適性を考慮すると0.88以上0.99以下が好ましく、0.89以上0.98以下がさらに好ましい。
非塩素系溶剤は、炭素原子数3乃至12の化合物からなることが好ましい。溶剤は、エステル、エーテル、ケトンおよびアルコールからなる群より選ばれることが好ましい。エステル、エーテル、ケトンおよびアルコールは、直鎖構造、分枝構造あるいは環状構造を有していてもよい。エステル、エーテル、ケトンおよびアルコールの官能基(すなわち、−COO−、−O−、−CO−および−OH)のいずれか二つ以上を有する化合物も溶剤として用いることができる。
ケトンの例には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンが挙げられる。アセトン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンが好ましく、アセトンおよびシクロペンタノンがさらに好ましい。
エーテルの例には、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネトールが含まれる。
アルコールの例には、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、シクロヘキサノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノールが含まれる。メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールおよび1−ブタノールが好ましく、メタノールおよびエタノールがさらに好ましい。
エステルおよびケトンは、溶解度パラメーターが19乃至21であることが好ましい。
溶媒の組み合わせとしては、酢酸メチル/シクロペンタノン/アセトン/メタノール/エタノール(60/15/15/5/5、質量部)、酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール(75/15/5/5、質量部)、酢酸メチル/シクロヘキサノン/メタノール/1−ブタノール(70/20/5/5、質量部)およびギ酸メチル/メチルエチルケトン/アセトン/メタノール/エタノール(50/20/20/5/5、質量部)が好ましく、酢酸メチル/アセトン/メタノール/エタノール (75/15/5/5、質量部)、酢酸メチル/シクロペンタノン/メタノール/エタノール(80/10/5/5、質量部)がさらに好ましい。
膨潤工程の後にセルロースアシレートを溶解するには、冷却溶解法、高温溶解法のいずれか、あるいは両方を用いることが好ましい。
次に、混合物は−100乃至−10℃、より好ましくは−80乃至−10℃、さらに好ましくは−50乃至−20℃、最も好ましくは−50乃至−30℃に冷却される。冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−20℃)中で実施できる。冷却速度は、速いほど好ましく、100℃/秒以上が好ましい。また冷却時の結露による水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ましい。
冷却後に、0乃至200℃(好ましくは0乃至150℃、さらに好ましくは0乃至120℃、最も好ましくは0乃至50℃)に加温すると、有機溶剤中にセルロースアシレートが溶解した溶液が得られる。加温は、室温中に放置するだけでもよい。また、冷却混合物を、温浴中で加温してもよい。
冷却時に加圧し、加温時に減圧すると溶解時間を短縮することができる。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を用いることが望ましい。
冷却および加温の操作は、2回以上繰り返してもよい。
セルロースアシレートの溶解濃度は5質量%〜30質量%が好ましく、より好ましくは15質量%〜30質量%、さらにこのましくは17質量%〜25質量%である。
次にセルロースアシレートと溶剤混合液は、耐圧容器内で0.2Mpa〜30Mpaの加圧下で70〜240℃、より好ましくは80〜220℃、更に好ましくは100〜200℃、最も好ましくは100〜190℃に加熱される。
この後、使用した溶剤の最も低い沸点以下に冷却する。その場合、−10〜50℃に冷却して常圧に戻すことが一般的である。冷却は室温に放置するだけでもよく、更に好ましくは冷却水などの冷媒を用いてもよい。
加熱および冷却の操作は、二回以上繰り返しても良い。
可塑剤の例には、トリフェニルフォスフェート(TPP)、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート(TCP)、ジオクチルフタレート(DOP)、O−アセチルクエン酸トリブチル(OACTB)およびクエン酸アセチルトリエチルが含まれる。光学的異方性を小さくする可塑剤として、(ジ)ペンタエリスリトールエステル類(特開平11−124445号公報記載)、グリセロールエステル類(特開平11−246704号公報記載)、ジグリセロールエステル類(特開2000−63560号公報記載)、クエン酸エステル類(特開平11−92574号公報記載)あるいは置換フェニルリン酸エステル類(特開平11−90946号公報記載)を用いてもよい。可塑剤は、2種以上併用してもよい。可塑剤の添加量は、セルロースアシレートに対して5〜30質量%であることが好ましく、8〜16質量%がさらに好ましい。
劣化防止剤や紫外線防止剤の添加量は、セルロースアシレートに対して質量割合で1ppm〜10000ppmが好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
酸は、無機酸および有機酸のいずれも用いることができる。
無機酸の例には、HClO2(2.31)、HOCN(3.48)、モリブデン酸(H2 MoO4 、3.62)、HNO2(3.15)、リン酸(H3PO4 、2.15)、トリリン酸(H5P3O10、2.0)およびバナジン酸(H3VO4 、3.78)が含まれる。なお、かっこ内の数値は、水溶液中での酸解離指数(pKa)である(以下の酸も同様)。
有機酸としては、カルボン酸、スルホン酸およびリン酸が代表的である。
カルボン酸には、脂肪族モノカルボン酸、脂肪族多価カルボン酸、オキシカルボン酸、アルデヒド酸、ケトン酸、芳香族モノカルボン酸、芳香族多価カルボン酸、複素環式モノカルボン酸、複素環式多価カルボン酸およびアミノ酸が含まれる。
脂肪族多価カルボン酸の例には、マロン酸(2.65)、コハク酸(4.00)、グルタル酸(4.13)、アジピン酸(4.26)、ピメリン酸(4.31)、アゼライン酸(4.39)、フマル酸(2.85)が含まれる。
オキシカルボン酸の例には、グリコール酸(3.63)、乳酸(3.66)、リンゴ酸(3.24)、酒石酸(2.82−2.99)およびクエン酸(2.87)が含まれる。
アルデヒド酸の例には、グリオキシル酸(3.18)が含まれる。
ケトン酸の例には、ピルビン酸(2.26)およびレブリン酸(4.44)が含まれる。
芳香族多価カルボン酸の例には、フタル酸(2.75)、イソフタル酸(3.50)およびテレフタル酸(3.54)が含まれる。
複素環式モノカルボン酸の例には、ニコチン酸(2.05)および2−フランカルボン酸(2.97)が含まれる。
複素環式多価カルボン酸の例には、2,6−ピリジンジカルボン酸(2.09)が含まれる。
界面活性剤(特開昭61−243837号公報記載)も、剥離剤として用いることができる。剥離剤として用いられる界面活性剤の例には、C12H25O−P(=O)−(OK)2、C12H25OCH2CH2O−P(=O)−(OK)2および(iso−C9H19)2−C6H3−O−(CH2CH2O)3−(CH2)4SO3Naが含まれる。
セルロースアシレート溶液は、他の機能層(例、接着層、染料層、帯電防止層、アンチハレーション層、UV吸収層、偏光層)と同時に流延することできる。
アルカリ鹸化処理は、フイルム表面をアルカリ溶液に浸漬した後、酸性溶液で中和し、水洗して乾燥する手順で行われることが好ましい。アルカリ溶液は、水酸化カリウム溶液、水酸化ナトリウム溶液が挙げられ、水酸化イオンの規定濃度は0.1N〜3.0Nであることが好ましく、0.5N〜2.0Nがさらに好ましい。アルカリ溶液温度は、室温〜90℃が好ましく、30℃〜70℃がさらに好ましい。次に一般には水洗され、しかる後に酸性水溶液を通過させた後に水洗して表面処理したセルロースアシレートフイルムを得る。この時、酸としては塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、蟻酸、クロロ酢酸、シュウ酸などであり、その濃度は0.01N〜3.0Nが好ましく、0.05N〜2.0Nがさらに好ましい。そして、セルロースアシレートフイルム支持体と機能層との接着を達成するために、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布することも好ましい。
セルロースアシレートフイルムの上のいずれかの層に滑り剤を含有させることが好ましい。滑り剤の例には、ポリオルガノシロキサン(特公昭53−292号公報記載)、高級脂肪酸アミド(米国特許4275146号明細書記載)、高級脂肪酸エステル(英国特許927446号明細書、特公昭58−33541号、特開昭55−126238号、同58−90633号の各公報記載)が含まれる。上記高級脂肪酸エステルは、炭素原子数10〜24の脂肪酸と炭素原子数10〜24のアルコールとのエステルである。
セルロースアシレートフイルムは、液晶表示装置の光学補償シートとして用いると特に効果がある。セルロースアシレートフイルムには、フイルムそのものを光学補償シートとして用いることができる。なお、フイルムそのものを光学補償シートとして用いる場合は、偏光素子(後述)の透過軸と、セルロースアシレートフイルムからなる光学補償シートの遅相軸とを実質的に平行または垂直になるように配置することが好ましい。このような偏光素子と光学補償シートとの配置については、特開平10−48420号公報に記載がある。液晶表示装置は、二枚の電極基板の間に液晶を担持してなる液晶セル、その両側に配置された二枚の偏光素子、および該液晶セルと該偏光素子との間に少なくとも一枚の光学補償シートを配置した構成を有している。液晶セルの液晶層は、通常は、二枚の基板の間にスペーサーを挟み込んで形成した空間に液晶を封入して形成する。透明電極層は、導電性物質を含む透明な膜として基板上に形成する。液晶セルには、さらにガスバリアー層、ハードコート層あるいは(透明電極層の接着に用いる)アンダーコート層を設けてもよい。これらの層は、通常、基板上に設けられる。液晶セルの基板は、一般に80〜500μmの厚さを有する。
偏光素子の偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。いずれの偏光膜も、一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光板の保護膜は、25〜350μmの厚さを有することが好ましく、30〜200μmの厚さを有することがさらに好ましい。
液晶表示装置には、表面処理膜を設けてもよい。表面処理膜の機能には、ハードコート、防曇処理、防眩処理および反射防止処理が含まれる。前述したように、支持体の上に液晶(特にディスコティック液晶性分子)を含む光学的異方性層を設けた光学補償シートも提案されている(特開平3−9325号、同6−148429号、同8−50206号、同9−26572号の各公報記載)。セルロースアシレートフイルムは、そのような光学補償シートの支持体としても用いることができる。
酢化度はケン化法により測定した。乾燥したセルロースアシレートを精秤し、アセトンとジメチルスルホキシドとの混合溶媒(容量比4:1)に溶解した後、所定量の1N−水酸化ナトリウム水溶液を添加し、25℃で2時間ケン化した。フェノールフタレインを指示薬として添加し、1N−硫酸(濃度ファクター:F)で過剰の水酸化ナトリウムを滴定した。また、上記と同様の方法により、ブランクテストを行った。そして、下記式に従って酢化度(%)を算出した。
酢化度(%)=(6.005×(B−A)×F)/W
式中、Aは試料の滴定に要した1N−硫酸量(ml)、Bはブランクテストに要した1N−硫酸量(ml)、Fは1N−硫酸のファクター、Wは試料重量を示す。
なお、複数のアシル基を含有する系では、そのpKaの差を使って、各アシル基の量を求めた。また、文献(T.Sei,K.Ishitani,R.Suzuki,K.Ikematsu Polymer Journal 17 1065、1985)に記載の方法によっても同様に求めた。
さらに、求められた酢化度、その他のアシル基の量からモル分子量を考慮して置換度に換算した。
さらにまた、セルロースアシレートの2位、3位および6位のアシル置換度を、セルロースアセテートをアシル化に用いていないアシル基でアシル化処理した後、Carbohydr. Res. 273(1995)83-91(手塚他)に記載の方法で13C−NMRにより求めた。
絶乾したセルロースアシレート約0.2gを精秤し、メチレンクロリド:エタノール=9:1(重量比)の混合溶剤100mlに溶解した。これをオストワルド粘度計にて25℃で落下秒数を測定し、重合度を以下の式により求めた。
ηrel =T/T0 T: 測定試料の落下秒数
[η]=(1nηrel )/C T0:溶剤単独の落下秒数
DP=[η]/Km C: 濃度(g/l)
Km:6×10-4
得られた溶液またはスラリーの状態を常温(23℃)で20日間静置保存したまま観察し、以下のA、B、C、Dの4段階に評価した。
A:透明性と液均一性を示す。
B:若干の溶け残りがある、または少し白濁が見られる。
C:明らかな溶け残りがある、または溶液がゲル化している。
D:液は膨潤・溶解が見られず不透明性で不均一な溶液状態である。
得られたセルロースアシレート溶液をTA Instruments社のRheometerにて40℃における粘度を測定した。
フイルムを目視で観察し、その面状を以下の如く評価した。
A:フイルム表面は平滑であり、きわめて面状が良好である。
B:フイルム表面は平滑であるが、まれに凹凸が認められる。
C:フイルム表面は平滑であるが、弱い凹凸が比較的多数見られる。
D:フイルム全面に弱い凹凸が認められる。
E:フイルムに強い凹凸が見られ、異物が見られる。
ヘイズ計(1001DP型、日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
下記の2種の溶解方法にてセルロースアシレート溶液を作製した。詳細な溶剤組成については表1に記載した。なお、シリカ粒子(粒径20nm)、トリフェニルフォスフェート/ビフェニルジフェニルフォスフェート(1/2)、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−tert−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジンをそれぞれセルロースアシレートの0.5質量%、10質量%、1.0質量%添加した。また、剥離剤としてクエン酸をセルロースアシレートに対して200ppm添加した。なお、共流延の内部層、外部層を形成する液としては上記セルロースアシレート溶液を濃度を変えて用いた。詳細は表1に合わせて示した。
溶剤中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し膨潤させた。得られた膨潤混合物をゆっくり撹拌しながら、−8℃/分で−30℃まで冷却、その後表1記載の温度まで冷却し6時間経過した後、+8℃/分で昇温し内容物のゾル化がある程度進んだ段階で、内容物の撹拌を開始した。50℃まで加温しドープを得た。
溶剤中に、よく攪拌しつつ表1記載のセルロースアシレートを徐々に添加し、室温(25℃)にて3時間放置し膨潤させた。得られた膨潤混合物を、二重構造のステンレス製密閉容器に入れた。容器の外側のジャケットに高圧水蒸気を通すことで+8℃/分で加温し1Mpa下、表1記載の温度で5分間保持した。この後外側のジャケットに50℃の水を通し−8℃/分で50℃まで冷却し、ドープを得た。
次に得られたドープを50℃にて、絶対濾過精度0.01mmの濾紙(東洋濾紙(株)製、#63)で濾過し、さらに絶対濾過精度0.0025mmの濾紙(ポール社製、FH025)にて濾過した。
(1−2)の溶液を特開昭56−162617号公報に記載の流延機を用いて流延し、120℃の環境下で30分乾燥して溶剤を蒸発させセルロースアシレートフイルムを得た。層構成は本発明においては二層または三層であり、二層ではバンド面から内部層/外部層の構成、三層では外部層/内部層/外部層のサンドイッチ型構成であった。詳細は表1に示した。
得られたセルロースアシレートの溶液およびフイルムを上述の項目に従って評価した。本発明のセルロースアシレート溶液およびフイルムは、その溶液安定性、フイルムの機械物性、光学物性において特に問題は認められなかった。一方、比較例では得られたフイルムの面状に問題が認められた。
このようにして得たセルロースアシレートフイルムを、特開平10−48420号公報の実施例1に記載の液晶表示装置、特開平9−26572号公報の実施例1に記載のディスコティック液晶分子を含む光学的異方性層、ポリビニルアルコールを塗布した配向膜、特開2000−154261号公報の図2〜9に記載のVA型液晶表示装置、特開2000−154261号公報の図10〜15に記載のOCB型液晶表示装置に用いたところ良好な性能が得られた。さらに、特開昭54−016575号公報に記載の偏光板として用いたところ、良好な性能が得られた。
Claims (5)
- 2位、3位のアシル置換度の合計が1.70以上1.90以下であり、かつ6位のアシル置換度が0.88以上であるセルロースアシレート。
- アシル基がアセチル基である請求項1に記載のセルロースアシレート。
- 2位、3位のアシル置換度の合計が1.70以上1.90以下であり、かつ6位のアシル置換度が0.88以上であるセルロースアシレートが溶剤中に溶解しているセルロースアシレート溶液。
- 溶剤が、実質的に非塩素系の溶剤である請求項3に記載のセルロースアシレート溶液。
- 2位、3位のアシル置換度の合計が1.70以上1.90以下であり、かつ6位のアシル置換度が0.88以上であるセルロースアシレートと溶剤の混合物を、−80乃至−10℃の温度に冷却するか、あるいは80乃至220℃の温度に加熱することにより、セルロースアシレートを溶剤中に溶解することを特徴とするセルロースアシレート溶液の調製方法。
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