JP2003257808A - 半導体製造装置、その管理装置、その部品管理装置、半導体ウェーハ収納容器搬送装置 - Google Patents

半導体製造装置、その管理装置、その部品管理装置、半導体ウェーハ収納容器搬送装置

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JP2003257808A JP2002058489A JP2002058489A JP2003257808A JP 2003257808 A JP2003257808 A JP 2003257808A JP 2002058489 A JP2002058489 A JP 2002058489A JP 2002058489 A JP2002058489 A JP 2002058489A JP 2003257808 A JP2003257808 A JP 2003257808A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 故障個所や保守すべき部位を特定するため故
障確率及び/又は故障率を算出し、またスキルに依存せ
ず必要な部品と必要量の割出しを容易に行い、欠品の発
生なく余剰在庫の少ない保守部品の管理を行う。 【解決手段】 半導体製造装置における各部位の故障ま
での経過情報を記憶装置101に蓄積し、演算装置10
2により数値処理化して各部位毎の故障確率及び/又は
故障率を求めて入出力装置103によって出力すること
により、故障原因調査や予防保全、部位在庫管理への支
援をすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体製造装置、
その管理装置、その部品管理装置、半導体ウェーハ収納
容器搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置を製造するラインでは、半導
体製造装置に故障が発生して生産を継続することができ
ない状態になると、その装置で生産予定であった製品の
製造が停滞し、製品製造工期の遅れや長期化を招くこと
になる。ここで、発生した故障への対応は、故障原因と
なる装置内部位の特定と該当部位の交換が主なものとな
る。
【0003】故障部位の特定のためには、故障の原因と
なっている部位を推定し、推定した部位の故障動作再現
性の確認をすることになる。しかし、このような故障部
位の特定作業には長時間を要する。特に、故障原因とし
て複数の部位候補があげられる場合には、それぞれの部
位候補について任意の確認順序により確認するか、ある
いはマニュアルや取扱い説明書に従って一定の手順で確
認を繰返す必要があり、多くの時間と修復者の労力とを
要する。
【0004】また、これらを回避するためには事前に故
障を予知し、危険部位の事前交換である予防保全を実施
することが有効であるが、部位故障の予知のためには故
障発生部位の特定が必要となる。
【0005】しかし、従来の半導体製造装置、あるいは
複数の半導体製造装置を管理する管理装置は、故障個所
や保守すべき部位を特定することができなかった。
【0006】半導体製造装置の一例として、半導体ウェ
ーハ収納容器搬送装置が存在する。この装置は、半導体
製造ラインにおいて、半導体ウェーハが収納された半導
体ウェーハ収納容器を製造装置に供給したり、製造装置
から半導体ウェーハ収納容器を回収するために用いられ
る。
【0007】このような半導体ウェーハ収納容器搬送装
置は、半導体ウェーハ収納容器を搬送する1台以上の搬
送車と、搬送車の動作を制御する制御装置とを備えてい
る。搬送車に故障が発生し、この搬送車での搬送を継続
できない状態になると、この搬送車分の装置搬送能力が
低下する。替わりに人手運搬を行うと、作業者分のコス
トが発生する。複数台の搬送車に故障が発生すると、そ
の影響はさらに大きくなる。そのため、故障した搬送車
を一刻も早く修理し、元の搬送の出来る状態に戻す必要
がある。
【0008】発生した故障への対応は、故障原因となっ
ている搬送車内の部位の特定と、この部位の交換が主な
ものとなる。特に、故障部位の特定のためには、故障部
位の特定とこの部位の故障動作再現性の確認や再現性を
確認することが望ましいが、それができない場合には特
定した部位を交換した後に装置全体の動作確認等、一連
の試行作業が必要となる。
【0009】ここで、故障部位の特定作業には長時間を
要し、さらに故障原因として複数の部位候補があげられ
る場合は、それぞれの部位候補について任意の確認順序
により確認するか、あるいは取扱い説明書等に従い一定
の順序により確認を繰返す必要があるため、多くの時間
と修復者の労力とを要する。
【0010】よって、故障部位を特定するために費やす
時間が修復時間の多くを占め、特定時間の増大は搬送車
の搬送停止時間に影響し、装置の搬送能力低下を招くと
いう問題があった。
【0011】また、上述したように半導体製造ラインで
は、半導体製造装置に故障が発生して生産が継続できな
い状態になると、該装置で生産予定であった製品の製造
が停滞し、製品製造工期の遅れや長期化に繋がる。製品
の製造中に装置が故障すると、処理中の製品が不良品と
なることもある。
【0012】ここで、同一処理可能な製造装置が複数台
ある場合を考えると、製品をどの製造装置で処理すべき
か、各製造装置毎の故障発生の可能性に基づいて的確に
判断することが従来はできなかった。
【0013】そのため、故障発生の可能性の高い製造装
置で処理を行い、その製品の処理中に製造装置が故障し
て製品が不良になったり、製造工期が長くなる等の問題
があった。
【0014】また従来は、半導体製造装置の故障を予防
する保守において、製造装置の故障確率は考慮されてお
らず、故障確率が高くないにも関わらず保守を行った
り、逆にライン内に故障確率の高い製造装置が多いにも
かかわらず保守を行わず、故障が一時に多発してしまう
こともあった。
【0015】半導体製造装置の保守には、画一的な定期
的保守や、装置の稼動状況を監視しながら行う予知的な
保守のように計画的に事前に準備をした上で行う計画的
保守と、故障してからその都度行う故障後の保守の2種
類の形態がある。
【0016】故障後の保守では、その時に使用する保守
部品の管理をする上で、必要部品と必要量とが担当者の
経験と技量とに応じて予め準備される。
【0017】計画的保守では、保守の内容に応じて準備
すべき部品が判るため、ある程度の事前準備は可能であ
る。しかし、突発的な故障発生の際の保守部品の事前準
備では、必要部品と必要数量の予測が非常に困難であ
る。
【0018】保守部品の事前準備として、欠品が発生し
ないような準備を考慮すると、使用の可能性の少ない部
品まで過剰な準備が必要となり、多くの無駄が発生する
こととなる。
【0019】また、担当者の経験及び技量による管理で
は、個人的な技量が原因となって予期せぬ欠品が発生す
ることがあり、部品待ちによる長時間の装置停止になる
おそれがある。
【0020】製造ラインでの長時間の装置停止は、製造
工期の長期化と装置未稼動による生産の停止となり大き
な障害を招く。装置の停止時間を最小限にするために
は、装置が故障停止した場合でも直ちに復旧させる必要
がある。不慮の故障に対しても修復技術の技量は当然必
要ではあるが、必要な時に必要な量の保守部品が確保さ
れることも重要である。
【0021】しかし従来は、担当者の技量や経験に依存
することなく必要な部品と必要量の割出しを行い、欠品
の発生無く、かつ余剰在庫の少ない保守部品を管理する
ことは極めて困難であった。
【0022】さらに、半導体製造装置の保守の時期に関
しても、従来は問題があった。半導体製造装置の各部位
に対する保守は、上述したように定期的あるいは故障し
た際に実施されるのが現状である。定期的な保守では、
故障が発生する可能性の低い部位に保守を実施して装置
を余分に停止させる場合があった。逆に、故障してから
の保守では、故障が原因となって不良品を製造してから
では対応が遅いという問題があった。
【0023】しかし従来は、装置内における各部位の故
障確率を反映した適切な保守時期を設定することが困難
であった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上述したように従来
は、半導体製造装置の故障に関し、故障個所や保守すべ
き部位を特定することが困難であるという問題があっ
た。
【0025】また、半導体製造装置において、例えば半
導体ウェーハを収納する容器を搬送する装置を例にとる
と、その故障部位を的確に特定することができないと言
う問題があった。
【0026】さらに、従来は同一処理が可能な半導体製
造装置が複数存在した場合に、どの装置を用いるべきか
的確に判断することができず、故障が発生する可能性の
高い装置を選んでしまい製品の不良化や製造工期の長期
化によりコストの増大を招くことがあった。
【0027】従来は保守に関し、(1)保守部品の過剰
在庫により部品を余剰に保管するという無駄が発生し、
あるいは(2)予期せぬ故障が発生した場合に、保守部
品の管理不足あるいは作業者の技量の欠落が原因で保守
部品が欠品し、長期間装置が操業停止して損失が発生
し、あるいはまた(3)保守部品の管理の困難さが原因
で多数の担当者並びに多くの作業を要することによる作
業損失があった。
【0028】また従来は、半導体製造装置の保守におい
て、適切な時期を設定することが困難であった。
【0029】本発明は上記事情に鑑み、半導体製造装置
を構成する各部位の故障に関し、故障個所や保守すべき
部位の特定に寄与し得る半導体製造装置又はその管理装
置を提供することを目的とする。
【0030】本発明はまた、半導体ウェーハを収納する
容器を搬送する装置において、その故障部位を的確に特
定することが可能な装置を提供することを目的とする。
【0031】さらに本発明は、同一処理が可能な半導体
製造装置が複数存在する場合、いずれの装置を用いるべ
きか的確に判断することにより、製品の不良化や製造工
期の長期化を防止することが可能な半導体製造装置の管
理装置を提供することを目的とする。
【0032】さらにまた、本発明は保守に関し、担当者
の技量に依存することなく必要な部品と必要量の割出し
を的確かつ容易に行い、欠品の発生及び余剰在庫を抑制
し得る保守部品の管理装置を提供することを目的とす
る。
【0033】また本発明、半導体製造装置の保守時期を
適切に設定することが可能な装置を提供することを目的
とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体製造装置
は、複数の部位を有し、前記部位毎に当該部位の据付か
ら故障発生までの使用経過時間あるいは製品処理数を示
す情報を格納する記憶装置と、前記記憶装置に格納され
た前記情報を与えられ、前記部位毎の使用経過時間ある
いは製品処理数に対する故障確率及び/又は故障率を示
す関数情報を出力する演算装置とを備えることを特徴と
する。
【0035】また本発明の半導体製造装置を管理する管
理装置は、前記半導体製造装置内の前記部位毎に当該部
位の据付から故障発生までの使用経過時間あるいは製品
処理数を示す情報を格納する記憶装置と、前記記憶装置
に格納された前記情報を与えられ、前記部位毎の使用経
過時間あるいは製品処理数に対する故障確率及び/又は
故障率を示す関数情報を出力する演算装置とを備えるこ
とを特徴とする。
【0036】ここで、前記管理装置は、複数の前記半導
体製造装置を管理するものであって、各々の前記半導体
製造装置と通信回線を介して接続され、前記半導体製造
装置から前記情報を与えられて前記記憶装置に転送する
入力部をさらに備えてもよい。
【0037】前記演算装置は、前記情報が示す前記部位
毎の部位の据付から故障発生までの使用経過時間あるい
は製品処理数に対し、所定の区間で分割し、各区間内に
おける故障発生部位数を区間毎に集計することもでき
る。
【0038】あるいは前記演算装置は、区間毎に集計し
て得られた、当該区間内における故障発生部位数に対
し、当該区間内における故障未発生部位数で除した各区
間毎の商結果を、当該部位の使用経過時間又は製品処理
数の経過に対する故障確率の変動情報として出力しても
よい。
【0039】前記演算装置は、区間毎に集計して得られ
た、当該区間内における故障発生部位数に対し、当該区
間内における故障未発生部位数及び各区間の期間幅又は
製品処理数幅で除して各区間毎の商結果を求め、当該部
位の使用経過時間又は製品処理数の経過に対する故障率
の変動情報として出力してもよい。
【0040】前記演算装置は、前記故障確率の変動情報
又は前記故障率の変動情報に対し、最小2乗法、スプラ
イン曲線法、フーリエ級数法のいずれかを用いて、ある
いは区間毎にいずれかを選択して用いて、直線、2次曲
線、3次曲線、ワイブル故障率曲線、対数曲線、指数曲
線、ロジスティック曲線、べき乗曲線、S曲線又は成長
曲線を適用して近似し、あるいは区間毎にいずれかを選
択し適用して近似し出力することもできる。
【0041】前記演算装置は、部位毎の各区間における
故障発生までの使用経過時間又は製品処理数に対し、正
規分布、対数分布、指数分布、ワイブル分布、ガンマ分
布又は二重指数分布のいずれかを適用し、あるいは区間
毎にいずれかの分布を選択して適用することで、前記関
数情報を出力してもよい。
【0042】前記演算装置は、各部位毎に対して求めた
使用経過時間あるいは製品処理数に対する故障確率及び
/又は故障率を示す前記関数情報を用いて、故障が発生
する確率が高い順に前記部位を配列した情報を生成して
出力してもよい。
【0043】本発明の半導体ウェーハ収納容器を搬送す
る搬送車と、前記搬送車の動作を制御する制御装置とを
備えた半導体ウェーハ収納容器搬送装置は、前記搬送車
及び前記制御装置に含まれる部位毎に、使用開始から故
障発生に至るまでの使用経過時間、搬送回数又は移動距
離を示す情報を格納する記憶装置と、前記記憶装置に格
納された前記情報を与えられ、前記部位毎の使用経過時
間、搬送回数又は移動距離に対する故障確率及び/又は
故障率を示す関数情報を出力する演算装置とを備えるこ
とを特徴とする。
【0044】本発明の複数の部位を有する半導体製造装
置を複数管理する管理装置は、前記半導体装置毎に、前
記部位を単位として当該部位の据付から故障発生までの
使用経過時間あるいは製品処理数を示す情報を格納する
記憶装置と、前記記憶装置に格納された前記情報を与え
られ、前記部位毎の使用経過時間あるいは製品処理数に
対する故障確率及び/又は故障率を示す関数情報を求
め、この関数情報を出力する演算装置と、前記関数情報
に基づいて、前記半導体製造装置を単位として故障確率
及び/又は故障率を示す情報を収集し、複数の前記半導
体製造装置のうち、前記半導体製造装置を単位とする故
障確率及び/又は故障率が低いものから順に並べて出力
する割付部とを備えることを特徴とする。
【0045】前記割付部はさらに、複数の前記半導体製
造装置のうち、前記半導体製造装置を単位とする故障確
率及び/又は故障率が高いものから順に並べて保守点検
用の順位を出力してもよい。
【0046】本発明の半導体製造装置の部品の保守管理
を行う装置は、前記部品毎に当該部品の据付から故障発
生までの使用経過時間あるいは製品処理数を示す情報を
格納する記憶装置と、前記記憶装置に格納された前記情
報を与えられ、前記部品毎の使用経過時間あるいは製品
処理数に対する故障確率及び/又は故障率を示す第1の
関数情報を生成し、前記第1の関数情報を用いて、前記
部品毎に任意の使用経過時間あるいは製品処理数におけ
る故障確率及び/又は故障率を求め、前記部品毎に使用
経過時間あるいは製品処理数に対する故障確率及び/又
は故障率の数値の総和を示す第2の関数情報を生成し、
前記第2の関数情報を用いて、前記部品毎の任意の使用
経過時間あるいは製品処理数における保守用の部品の準
備必要量を求める演算装置とを備えることを特徴とす
る。
【0047】前記記憶装置は、さらに、任意の使用経過
時間あるいは製品処理数における前記部品の在庫量を示
す在庫情報、発注から納品までに要する納期時間を示す
納期情報を格納し、前記演算装置は、さらに、前記在庫
情報及び納期情報を用いて、前記任意の使用経過時間あ
るいは製品処理数(以下、任意点という)より先の時点
において前記部品の必要量と在庫量とが一致する仮想納
入点から前記納期時間を減算した仮想発注点を求め、前
記仮想発注点が前記任意点に対して前後する時間を納期
過不足時間として求め、前記任意点で発注した場合の前
記仮想納入点において前記部品の必要量に対する在庫過
不足量を求めて出力してもよい。
【0048】前記演算装置は、所定時間毎に、前記在庫
過不足量を求めて所定の在庫量限界値と比較し、前記納
期過不足時間を求めて所定の納期限界値と比較し、少な
くともいずれか一方が限界値を超えた場合に警告を出力
してもよい。
【0049】本発明の半導体製造装置、あるいは少なく
とも一つの半導体製造装置を管理する管理装置は、前記
部位毎に当該部位の据付から故障発生までの使用経過時
間あるいは製品処理数を示す情報を格納する記憶装置
と、前記記憶装置に格納された前記情報を与えられ、前
記部位毎の使用経過時間あるいは製品処理数に対する故
障確率及び/又は故障率を求め、予め部位毎に設定され
た規定値に前記故障確率又は故障率が達した時点を当該
部位の保守実施時期として判定する演算装置とを備える
ことを特徴とする。
【0050】ここで前記演算装置は、さらに、当該部位
の故障確率又は故障率が対応する前記規定値に第1の時
点で到達すると判定した場合、この第1の時点で当該部
位に保守を実施した後、故障確率が次に前記規定値に到
達するまでの第1の使用経過時間あるいは第1の製品処
理数を求め、前記第1の時点で故障確率又は故障率が対
応する規定値に到達すると判定されなかった部位に対
し、前記第1の時点から前記故障確率又は故障率が前記
規定値に到達するまでの残り使用経過時間あるいは残り
製品処理数を求め、前記第1の使用経過時間あるいは第
1の製品処理数よりも、前記残り使用経過時間あるいは
残り製品処理数の方が短い部位を保守実施時期であると
判定してもよい。
【0051】あるいは前記演算装置は、さらに、保守実
施時期であると一旦判定した部位のなかで、前記第1の
時点で保守を実施した後、故障確率又は故障率が次に前
記規定値に到達するまでのそれぞれの使用経過時間ある
いは製品処理数を求め、このなかで最も短い最小使用経
過時間あるいは最小製品処理数を求め、前記最小使用経
過時間あるいは最小製品処理数よりも、前記残り使用経
過時間あるいは残り製品処理数の方が短い部位を最終的
に保守実施時期であると判定してもよい。
【0052】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0053】(1)第1の実施の形態 図1に、本発明の第1の実施の形態による半導体製造装
置が内蔵する故障発生に関する管理装置、あるいはこの
ような管理装置を内蔵しない半導体製造装置の故障発生
に関して管理を行う管理装置の構成を示す。本管理装置
は、記憶装置101、演算装置102、入出力装置10
3を備える。
【0054】入出力装置103から入力された後述の履
歴情報が記憶装置101に与えられ、蓄積されていく。
【0055】また、この履歴情報が演算装置102に与
えられて演算され、その結果が記憶装置101に記憶さ
れると共に、入出力装置103から出力される。
【0056】このような管理装置が処理する内容につい
て、図2及び図3を用いて説明する。
【0057】図2に示されたように、半導体製造装置1
内において交換単位となる各部位A、B、C毎に、据付
からの使用経過時間又は処理した製品数を履歴とし、入
出力装置103を介して記憶装置101に収集し蓄積し
ていく。収集蓄積したデータは、演算装置102におい
て部位を単位として数値処理され、据付稼動中の装置に
おける各部位の故障確率及び/又は故障率が算出され、
故障確率及び/又は故障率を示すグラフ情報化が可能な
関数情報が出力される。この関数情報をグラフ化する
と、図2に示されたように、各部位A、B、C毎に、横
軸に据付からの使用経過時間又は処理した製品数をと
り、縦軸に故障確率又は故障率をとっている。
【0058】このようなグラフ情報を用いることによ
り、交換後の任意の使用経過時間Ta、又は製品処理経
過数における故障確率及び/又は故障率を求めることが
できる。このため、該当部位の保守の要否の判断を容易
に行うことができる。
【0059】次に、複数の半導体製造装置の故障発生に
関する管理を管理装置を用いて行う場合について述べ
る。図3(a)に示されるように、同一種の部位A、
B、Cを有する複数の半導体製造装置(1号機、2号
機、…、N号機)において、故障確率及び/又は故障率
を求める。
【0060】各半導体製造装置における各部位A、B、
C毎に、使用経過時間又は処理した製品数の情報を管理
装置100に入力する。管理装置100において、収集
した各部位A、B、C毎の履歴情報を用いて数値処理を
行い、部位毎の故障確率又は故障率を求め、各部位毎の
グラフ情報として出力する。
【0061】ある装置に故障が発生した時において、当
該装置内における部位A、B、Cのそれぞれの故障確率
曲線に従って故障確率λA、λB、λCが特定される。
【0062】図3(b)に示されたように、特定された
各部位A、B、Cのそれぞれの故障確率は、発生確率が
高い順序によりB、C、Aの順序が決定されて入出力装
置103が有する表示装置に表示される。
【0063】また得られたグラフ情報は、部位毎に複数
の装置の間で共有することができ、各装置に対して同一
部位の保守を行う際に、準備すべき部位数を算定するこ
とができる。
【0064】さらに、故障が一旦発生した場合におい
て、その時点における部位単位での故障確率又は故障率
を特定することができる。よって、ある装置が故障した
場合に、その原因となっている部位を特定する必要があ
るが、故障発生の確率が最も高い部位から故障の調査に
入ることができる。よって、各部位への調査繰返しの作
業を低減できるために調査に要する時間を削減できる。
この結果、修復時間が短縮化され、装置の生産性向上に
寄与することができる。
【0065】次に、故障確率及び故障率の数値処理化、
グラフ情報化の手法について説明する。
【0066】図4(a)に示されたように、同一種部位
における据付から故障にいたるまでの使用経過時間情報
を入手した場合を想定する。ここで示されている値「1
2、2、219、657、…」は、各部位が故障するま
でに経過した使用時間を示す。このような使用経過時間
情報のデータ数(図4(a)に示された情報では、29
0個)の平方根又はデータ数の平方根に1を加えたもの
と同数あるいはそれに近い級数で、使用経過時間情報を
切り分けて横軸に配分し、各級で発生した故障件数即ち
度数を縦軸にとることで、図4(b)に示されたような
ヒストグラムを得ることができる。
【0067】このようなヒストグラムを作成したときに
おける各級毎の度数(故障数)の一例を、図5に示す。
ここで、級は故障が発生するまでの時間間隔区分に相当
する。また残存数は、該当する級以前では故障しなかっ
た部位数に相当する。
【0068】各級における故障確率、故障率は、以下の
式(1)、(2)を用いて求めることができる。
【0069】 各級の故障確率=各級の度数/各級の残存数 ( 1) 各級の故障率 =各級の度数/各級の残存数*級の幅(時間間隔) ( 2) 故障率は、各級における使用経過時間に対する平均故障
確率に相当し、上記式(2)で示されたように、級の幅
に相当する時間間隔で故障確率を除した商結果となる。
【0070】このようにして求めた各級の使用経過時間
に対する故障確率をプロットしたグラフの一例を図6
に、故障率をプロットしたグラフの一例を図7にそれぞ
れ示す。
【0071】この図6あるいは図7における各点の間
を、曲線又は直線で結んだグラフを作成しておくことに
より、任意の使用経過時間における故障確率又は故障率
の推定値を得ることができる。故障率の各点間を直線で
結んだグラフを図8に示し、最小2乗法を用いて2次曲
線関数を区間グループで適用して曲線を描いたグラフを
図9に示す。
【0072】上述した本実施の形態によれば、次のよう
な作用、効果を得ることができる。
【0073】1)故障発生の確率が最も高い部位から故
障の調査に入ることができるため、各部位への調査繰返
しの作業を低減することができ、調査に要する時間を削
減できる。これにより、修復時間の短縮化が実現され、
装置の生産性向上や生産への早期の寄与が実現される。
同様の理由により、修復時間の短縮により修復の工数が
低減され、省力化を実現することができる。
【0074】2)故障発生前に部位交換作業を実施する
ための予防保全の指標を得ることができるため、故障発
生を未然に防止することができる。
【0075】(2)第2の実施の形態 本発明の第2の実施の形態は、上記第1の実施の形態と
同様に各部位毎の故障確率及び/又は故障率を求める
が、図4に示されたヒストグラム情報、あるいは使用経
過時間に対する故障発生数の情報を用いて統計上の分布
モデルを作成し、任意使用経過時間に対する故障確率又
は故障率の推定値を算出する点に特徴がある。
【0076】図4のヒストグラムにワイブル分布を適用
した一例を図10に示す。ここで、曲線110がワイブ
ル分布の線である。
【0077】ここで、本実施の形態に適用可能な分布モ
デルはワイブル分布に限らず、正規分布、指数分布、対
数正規分布等を適用することができる。しかし、それぞ
れの分布の適用性を考慮しておくことが望ましい。
【0078】図11(a)、(b)、(c)、(d)
に、それぞれ正規分布、対数正規分布、指数分布、ワイ
ブル分布を適用したときのグラフの一例を示す。ここ
で、各分布モデルが直線となる様に、X軸の使用経過時
間に対する、故障の累積数が全体の部位数に占める割合
を示す故障累積率をY軸にとり、対数化又は2重対数化
等を行って変形しているものとする。使用経過時間の増
加に伴い、Y軸に示された故障累積率の値は故障数の累
積値となって100%へ近づいていく。
【0079】図11(a)〜(d)を比較すると、使用
経過時間の初期段階では指数分布モデルの適用性が高
く、後半ではワイブル分布モデルの適用性が高いことが
わかる。このようにして各段階毎に適用性の高い分布モ
デルを使用し、得られた直線から使用経過時間に対する
式情報を求めることができる。
【0080】ワイブル分布を適用した場合における、使
用経過時間に対する故障率を示したグラフの一例を図1
2に示す。ここで、故障率は以下の式(3)のように表
すことができる。
【0081】 λ(t)=m(t−γ)m−1 /t (3) 但し、mは形状パラメータ、γは初期故障段階、偶発故
障段階、寿命故障段階といった各段階を割り振るための
位置パラメータ、t0は横軸(使用経過時間又は処理
数)方向の長さを設定するパラメータとする。
【0082】ここで、初期故障段階(m<1)では初期
故障が多く発生する段階、偶発故障段階(m=1)は初
期故障がほぼ出尽くし、かつ寿命が尽きる前段階であっ
て故障が発生する場合は偶発的である段階、寿命故障段
階は故障が寿命によって発生する段階とする。
【0083】このような故障確率曲線は、各部位の材
質、構造に依存し、部位の設計、製造に固有なものとな
る。よって、同一設計で同一製造のものであれば、この
曲線に依存してその故障の発生確率が一律に推定される
ことになる。
【0084】上述した実施の形態によれば、装置内にお
ける部位を単位として故障に至るまでの経過情報を蓄積
し数値処理することにより、部位単位で故障確率及び/
又は故障率を算出し、任意の時間あるいは処理数におけ
る故障確率及び/又は故障率を求めることができるグラ
フ情報を提供することが可能である。これにより、故障
原因調査や予防保全、部位在庫管理への支援をすること
ができる。
【0085】また、複数の装置に対しても同様に、各装
置内における部位を単位として故障に至るまでの経過情
報を蓄積し数値処理することにより、装置部位単位で故
障確率あるいは故障率を算出し、予知保全や部品在庫管
理への支援を行うことができる。
【0086】(3)第3の実施の形態 本発明の第3の実施の形態による半導体ウェーハ収納容
器搬送装置について、図13〜図16を参照して説明す
る。
【0087】本実施の形態による半導体ウェーハ収納容
器搬送装置の一例は、その外観構成が図13(a)に示
されるようであり、ブロック構成は図13(b)に示さ
れるようである。
【0088】搬送装置407として、モータ、車輪、バ
ッテリ等408を含む台車部403と、モータ、アー
ム、フィンガ等409を含む移載部404とを有する搬
送車405と、搬送車405の動作を制御するコントロ
ーラ406とを備えている。
【0089】搬送装置の他の例は、図14(a)及び
(b)に示されるようであり、図13に示されている装
置と異なり軌道411上を搬送車405が走行するもの
である。
【0090】搬送装置のさらに他の例は、図15(a)
及び(b)に示されるようである。図14に示されてい
る装置と同様に軌道421上を搬送車405が走行する
が、搬送車405に台車部に相当するものが含まれてい
る点で相違する。
【0091】図16(a)及び(b)に示された搬送装
置405の他の例は、天井に軌道431が設けられてお
り、台車部432を搭載した移載部433がコントロー
ラ406の制御に従って走行する。
【0092】ここで、モータ、車輪、バッテリ、センサ
等、搬送車を構成する要素が、搬送装置における各部位
A、B、Cの一例として考えられる。
【0093】このような半導体ウェーハ収納容器搬送装
置に対しても、上記第1の実施の形態における半導体製
造装置と同様に本発明を適用し、故障確率又は故障率を
求めて管理することができる。ここで、搬送装置が図1
に示されたような管理装置を備えてもよく、あるいは搬
送装置とは別に管理装置を設けてもよい。
【0094】その際に、搬送履歴を示す情報の一例とし
ては、据付からの使用経過時間の他に、例えば移動距離
や搬送回数等が考えられる。
【0095】複数台搬送車が存在する場合には、上記第
1の実施の形態と同様に、部位毎に据付からの使用経過
時間あるいは移動距離等の搬送履歴に従って故障履歴が
個別に記録される。
【0096】即ち、各部位A、B、Cのそれぞれの使用
経過時間又は走行距離等の搬送履歴により故障確率曲線
上の発生確率λA、λB、λCが特定される。そして、特
定された各部位A、B、Cのそれぞれの故障確率又は発
生確率が高い順に、各部位の順序が決定される、これに
より、故障発生の確率が最も高い部位から故障の調査に
入ることができるため、各部位への調査繰返しの作業が
低減し、故障原因調査に要する時間を削減できる。よっ
て修復時間の短縮化が実現でき、故障発生による装置の
搬送能力低下の削減が出来る。
【0097】(4)第4の実施の形態 本発明の第4の実施の形態による、複数の半導体製造装
置を管理する管理装置を備えた半導体生産システムにつ
いて、図17を参照して説明する。
【0098】本実施の形態は、同一の製品を製造するこ
とのできる半導体製造装置A 301、装置B 30
2、装置C 303を複数台備えている。
【0099】そして、各装置A 301〜C 303に
対し、上記第1の実施の形態と同様の手順で各装置A
301〜C 303を構成する各部位毎に故障確率及び
/又は故障率を算出し、図12に示されるような使用経
過時間又は処理数に対する故障確率及び/又は故障率を
示す関数情報をグラフとして出力する。
【0100】そして図17に示されるように、装置A
301、B 302、C 303毎に、それぞれの使用
経過時間又は処理数に対する故障確率及び/又は故障率
を示す関数情報を故障確率入力部304に入力する。
【0101】入力された情報は、処理装置割付部305
に与えられ、各部位毎の故障確率及び/又は故障率を示
す情報が集計され、装置を単位とする故障確率及び/又
は故障率が算出される。そして、次にいずれの製造装置
を用いるべきか判断する。具体的には、装置A 301
〜C 303のうち、装置を単位とする故障確率及び/
又は故障率が最も低いものを次の処理に用いるべき装置
として割り付ける。
【0102】本実施の形態によれば、故障の発生する確
率の最も低い製造装置で製品を処理することができるの
で、製品処理中における製造装置の故障による不良品の
発生や製造工期の延長を減少させることができる。
【0103】また、各装置の保守点検の計画を作成する
場合に際して、装置を単位とする故障確率及び/又は故
障率が最も高いものから順に保守点検を行うように順序
を割り付けて計画する。これにより、故障の発生する確
率が高い順に保守点検を行っていくことができるので、
効率を向上させることができる。
【0104】(5)第5の実施の形態 本発明の第5の実施の形態による部品管理方法及びその
装置について説明する。
【0105】本装置は、図18に示されるように、記憶
装置201、演算装置202、入出力装置203を備え
る。入出力装置203から入力された後述する各種情報
が記憶装置201に与えられ、格納される。
【0106】また、この情報が演算装置202に与えら
れて数値処理化されて保守部品の必要量や納期等が算出
され、その演算結果が記憶装置201に記憶されると共
に入出力装置203から出力される。
【0107】ここで、このような部品管理装置と管理対
象である半導体製造装置との間で、入出力装置203を
介して情報交信が可能であることが望ましい。これによ
り、操作者が入出力装置203にデータを入出力する必
要が無くなり、必要な時点で随時情報を交信することが
できる。
【0108】情報の交信手段としては制限はなく、どの
ようなものであってもよい。交信の内容としては、半導
体製造装置から部品管理装置に対して、半導体製造装置
を構成する部品毎の故障確率に関する情報を転送し、部
品管理装置がこの情報を用いて演算しその結果を出力す
る。
【0109】このように半導体製造装置と部品管理装置
とを通信手段を介して接続することで、特に半導体製造
装置が複数ある場合に部品の集中管理や遠隔管理が可能
となり、より広範囲に渡って正確な部品の管理を容易に
行うことができるので、情報収集・演算・監視作業に対
して大幅な経費削減を実現することができる。
【0110】以下に、このような部品管理装置を用いて
処理する内容について説明する。
【0111】管理対象となっている半導体製造装置が、
例えば図19に示されたように部品A1、A2、A3、
B、C、D、Eで構成されているものとする。このう
ち、部品A1〜A3は同一種類の部品であり、それぞれ
の部品がA1、A2、A3で番号付けられているとす
る。
【0112】このような場合において、上述した第1の
実施の形態と同様な手法を用いて数値演算処理を行って
求めた、部品が故障等により交換されあるいは再生され
た時からの使用経過時間に対するその部品の故障確率を
示す関数情報を図20、図21のグラフに示す。図20
に示された故障確率は、同一種類の部品A1〜A3のそ
れぞれの故障確率であり、図21に示された故障確率は
同一種類の部品が一つしか存在しない部品B、C、D、
Eの故障確率である。上記第1の実施の形態において説
明した図12のグラフと同様に、初期故障段階、偶発故
障段階及び寿命故障段階の三段階から成るウェイブル曲
線として表され、任意の使用経過時間あるいは処理数に
おける故障の発生確率を予測するために用いられる。本
実施の形態は、このような情報を用いて、担当者の経験
と技量に頼ることなく故障確率に応じて保守部品の準備
量を算出するものである。
【0113】図22に、保守部品の必要数量を求める計
算式を示す。複数の部品Aに対し、全体でλA1+λA
2+λA3の部品量が必要である。他の1つずつの部品
B、C、D、Eに対しては、λB、λC、λD、λEの
部品量が必要である。よって、装置全体としては、これ
らを全て合計した量が必要となる。
【0114】以下に、保守部品の必要量の算出の手順を
より詳細に説明する。
【0115】図23(a)に示された#1装置の構成部
品A1〜A3、B、C、D、Eのそれぞれの故障確率を
示す関数情報に基づいて算出した、任意の使用経過時間
において必要な保守部品の必要量を図23(b)に示
す。
【0116】同様に、図24(a)に示された#1装置
及び#2装置のそれぞれの構成部品A1〜A3、B、
C、D、Eの故障確率情報に基づいた任意の使用経過時
間における必要な保守部品の必要量を図24(b)に示
す。
【0117】先ず、図23(a)に示された#1装置の
構成部品Aの必要量を算出する手順について述べる。部
品Aの保守部品の必要量は、同一部品Aが複数ある場
合、図23(b)に示されるようにそれぞれの故障確率
λA1〜λA3は異なる。これは、同一部品ではある
が、各々の部品が交換又は再生された時からの使用経過
時間が異なるためである。よって、故障確率がそれぞれ
に相違し、これに伴い必要とする保守部品量も異なる。
【0118】故障修復時の保守部品の在庫管理体制から
考えると、現時点で必要とする部品量を全体の部品に対
してそれぞれに在庫管理することが、在庫量を減らしか
つ欠品が発生し難い効率的な手法であると考える。そこ
で、個々の部品の状況と同一部品全体から任意点におけ
る保守部品の必要量は、同一部品の個々の故障確率の総
和を当該部品全体の必要量であるとし、在庫管理体制上
これを在庫量として管理することが有効である。
【0119】ただし、図24に示された各部品B〜Eが
それぞれ1つである場合の故障確率λB〜λEのよう
に、対象部品が1つの場合は、故障確率の総和といって
も当該部品1つの故障確率により決定されるので、任意
点における各部品の保守に必要な量は非常に少なくなる
可能性が高い。しかし、欠品を発生させないため、在庫
管理上では1個の部品を1個(1.00)未満で準備す
ることは不可能である。よって、経済的ではないが在庫
を要する場合は、最低1個在庫する必要がある。このた
め、同一部品の管理対象が大きい方が経済的である。
【0120】以上任意点における故障確率の算出手順に
ついて説明したが、以下同様に複数の使用経過時間にお
けるそれぞれの部品の必要量を順次求めていき、使用経
過時間に伴う部品の必要量として順次プロットしてい
く。保守部品Aにおける使用経過時間に対する必要量
は、図25のグラフに示されるようである。このような
グラフを作成しておくことで、任意点における必要量を
担当者の経験と技量に頼ることなく容易且つ短時間で算
出することが可能である。
【0121】(6)第6の実施の形態 本発明の第6の実施の形態による保守部品の管理方法及
びその装置は、上記第5の実施の形態に従って求めた保
守部品の必要量を示す情報を利用して、保守部品の在庫
量、納期、発注時期等の管理に活用する手法に関する。
【0122】保守部品管理に関する主な内容は保守部品
の在庫管理である。そこで本実施の形態では、装置の故
障修復時に使用する保守部品の必要量と、それに対して
予め準備(在庫)しておくべき量の過不足、また追加補
充しようとした時の納期の過不足を演算し診断を行う。
【0123】本実施の形態に従い、在庫量及び納期を確
認する手順を図26のフローチャートに示す。さらに、
図27に部品nの発注点を判定する手法を示す。また、
図26に示された手順で求めた演算結果を、保守部品管
理情報データの一例として図28に示す。以下に、本実
施の形態による処理の手順を図26〜図28を用いて説
明する。
【0124】まず、図26のフローチャートにおけるス
テップS100として、担当者は発注すべき時期又は確
認しようとする時期として任意点の時期(t1)を入力
し、さらにその時点t1で確保できる各部品の在庫量
(n2)及び部品納期(Tn1)を入力し、又は既存の
データを確認して処理の開始指示をする。
【0125】ここで、時期t1における必要量n1は、
部品の在庫量n2以下であることが前提である。
【0126】さらに、データの出力形式を指定する。出
力形式には、例えば全部品を一覧表示するか否か、ある
いは特定の部品のみを出力するか、また数量の順にソー
ト一覧出力するかどうか等がある。
【0127】ステップS102として、ある部品の任意
点t1における在庫量(図27におけるn2)を入力す
る。
【0128】ステップS104として、この在庫量n2
と同じになる時点を仮想納入点t3とし、任意点t1か
ら仮想納入点t3までの使用経過時間を求める。
【0129】ステップS106として、仮想納入点t3
から納期時間Tn1を差し引いた時点を仮想発注点t4
とし、これを求める。
【0130】ステップS108として、仮想発注点t4
と任意点t1とを比較し、t4−t1が0以上であるか
否かを判断する。
【0131】t4−t1が0以上である場合は納期に時
間がある場合に相当し、ステップS110へ移行する。
【0132】t4−t1が0未満である場合は納期まで
に時間が不足している場合に相当し、ステップS112
へ移行する。
【0133】ステップS110又はS112において、
任意点t1で発注した場合の仮想納入点t3における部
品必要量に対する在庫過不足量を演算する。ここで、任
意点t1で発注した場合、その部品が追加納入される時
点までの在庫過不足量として「±P」で演算する。
【0134】このようにして、任意点t1に対して仮想
発注点t4が前後する時間を納期過不足時間とし演算す
る。即ち、部品必要量と在庫量とが同一となる時点が在
庫余裕が「ゼロ」になる時点であり、それまでに部品納
入を可能とするための仮発注点の納期余裕時間を「±D
(=t4−t1)」で演算する。
【0135】演算結果は、ステップS114において当
該部品nに関する演算結果として保存する。そして、他
の部品に対しても同様な演算を行い、ステップS116
において終了したか否か判断する。終了した場合は、ス
テップS118において出力の選択モードを決定する。
ここで、選択モードには、例えばステップS120にお
いて示されたように、全部品又は指定部品の演算結果を
出力する場合(N=01)、特定部品の演算結果のみを
出力する場合(N=02)、±時間(日)を昇順である
いは降順でソートして出力する場合(N=03)、±数
量を昇順又は降順でソートして出力する場合(N=0
4)等が考えられる。そして、ステップS122として
処理を終了する。
【0136】以上の手順で算出することにより、図28
に示されたような保守部品管理情報が得られる。
【0137】ここで、納期と在庫量の不足を示すデータ
は、発注点を任意点に対して早めること、あるいは在庫
量に対して増量を要することを意味する。逆に、納期と
在庫量の過剰を示すデータは、それぞれの余裕度を意味
する。
【0138】このような部品の管理情報を得ることによ
り、担当者の経験や技術に依存することなく、部品納期
の過不足を考慮した発注点管理及び保守部品準備の過不
足管理判断を確実かつ容易に行うことができる。
【0139】図28に示された保守部品管理情報データ
において、より作業を容易にするための更なる改善とし
て、例えば必要応じて±納期(±D)、±部品量(±
P)等を降順あるいは昇順に並び替えて出力してもよ
い。
【0140】(7)第7の実施の形態 本発明の第7の実施の形態では、上記第6の実施の形態
と同様の手順で保守部品を管理するための情報を作成す
るが、さらに任意点における(a)納期±試算、(b)
在庫要量±試算を任意のインターバルで常時監視を行う
ものである。これにより、在庫量及び発注点管理を定期
的かつ自動的に監視し、必要に応じて警告することがで
きる。
【0141】例えば、任意の調査点を次期発注の予定点
に設定し、各部品の納期(±DL)及び在庫要量(±P
L)の管理値を入力する。
【0142】図29に示された保守部品管理情報の一例
は、演算して得られた結果であって警告を発する前のデ
ータ一覧表の例であり、所要な入力情報及び演算結果等
が部位、部品単位で一覧列記されている。
【0143】そして、図30に示されるように、±納期
(±D)及び±部品量(±P)の演算値がそれぞれの図
中一点鎖線で示された管理限界値内(PUL、PLL)
であるか否かを演算して監視する。演算値がこの管理限
界値を超えた場合(ハッチングで示された部分)に警告
を発し、必要に応じて該当部品情報の演算結果を出力す
る。ここで、部品量±Pの管理限界値は−PL(PL
L)<±P<+PL(PUL)、納期±Dの管理限界値
は−DL<±D<+DLで表される。
【0144】±納期(±D)及び±部品量(±P)の演
算値がそれぞれの管理限界値を超えて警告を発すること
になった場合、これらの警告対象となったデータを図3
1に示されたように抽出し、該当部品情報の演算結果を
出力する。
【0145】本実施の形態によれば、それぞれの保守部
品毎に任意の時点において発注するとどれだけ不足する
かを掌握し、必要に応じて警告することができるため、
保守部品の管理を担当者の経験や技量に依存することな
く容易に行うことができる。
【0146】上述したように、上記第6、第7の実施の
形態によれば、各部品の故障確率や使用数に応じて保守
部品を準備することができ、保守部品の必要量の算出結
果の精度が高く余剰部品のストックを削減することがで
きる。
【0147】また、保守に必要な部品の量の判定に作業
者の個人的な技量等の人的要因が影響しないため、例え
ば納期や数量の見積り誤り等が招く時間的損失が排除さ
れ、技量を必要とすることなく容易に保守部品の必要量
の算出が可能である。
【0148】さらに、保守部品の数量を算出する作業が
無くなり、作業量を減少させることができる。
【0149】特に、上記第6の実施の形態によれば、部
品納期の過不足を考慮した発注点管理、及び保守部品準
備の過不足試算管理が可能になる。これにより、保守部
品の数量、納期・発注管理の作業が単純化される。ま
た、自動的な過不足量の監視・警告・過不足量通知を行
うことで、保守部品の不慮の欠品を回避すると共に、大
幅な人件費の削減並びに人的誤りの排除が可能となる。
【0150】(8)第8の実施の形態 本発明の第8の実施の形態について説明する。本実施の
形態は、複数の部位に対して保守の実施回数を減らすこ
とで効率良く処理することを意図したものである。ま
た、本実施の形態では、同一部位に対しては、保守を実
施した後同一の寿命を持つ部位、即ち保守実施から故障
確率が規定値に到達するまでの時間が同じものを用いる
ものとする。
【0151】図32のグラフに、本実施の形態及び後述
する第8の実施の形態において、故障確率の変化を示す
曲線に所定の規定値を設定し、保守の実施時期を求める
手法を示す。各部位毎に、このグラフに示されるような
故障確率λを示す曲線を求め、この曲線上において規定
値に到達するまでの使用経過時間が経過した時点を保守
を実施すべき時期であると判定する。
【0152】先ず、上記第1の実施の形態と同様に、演
算装置が先ず部位毎に故障確率λを算出する。
【0153】さらに、図33のフローチャートに示され
たように、半導体製造装置にN個の部位が存在した場合
に、ステップS100〜S106に従う手順で、各々の
部位毎に作業者が故障確率に関する任意の規定値Ki
(=K1〜KN)を設定し、記憶装置に入力していく。
【0154】図34のフローチャートに示されたよう
に、ステップS200〜S210に従い、演算装置が算
出したi番目の部位の故障確率λi(ti)と、記憶装
置に入力したi番目の部位の規定値Kiとを比較してい
く。ここで、λi(ti)は前回の保守実施時期から任
意の時間が経過した時点における故障確率、ステップS
200における△tは故障確率を算出する所定の時間間
隔とする。
【0155】そして、故障確率λi(ti)が規定値K
i以上であるJ番目の部位を抽出し、このような部位を
保守実施と判定する。
【0156】次に、図35のフローチャートに示された
ように、ステップS300〜S306に従って、保守を
実施すると判定したJ番目の部位が保守を実施した時点
tjから△t間隔で加算していき、故障確率λJ(t
j)が規定値KJに到達するまでの時間TJを算出す
る。
【0157】逆に、図34のフローチャートにより、保
守実施と判定されなかった部位に対し、図36のフロー
チャートにおけるステップS400〜S412で示され
た手順に従い、現時点から故障確率λJ(si)が規定
値Kiに至るまでの残り使用経過時間を△t間隔で求め
る。ここで、Uiは、i番目の部位における現時点(t
i)から故障確率が規定値に到達するまでの時間を示す
ものとする。
【0158】図35のフローチャートにより求めた、保
守実施と判定されたJ番目の部位が保守実施後において
故障確率が次に規定値に到達するまでの時間TJと、図
36のフローチャートにより求めた、保守実施と判定さ
れなかったi番目の部位がJ番目の部位への保守を実施
した時点から故障確率が規定値に到達するまでの時間T
Jとを、図37のフローチャートにおけるステップS5
00〜S514に従って比較する。ここで示された場合
は、i番目の部位の残り時間TJの方が短く、次期保守
を実施すべき部位Mpであると判定する場合に相当す
る。
【0159】図38(a)に示されたように、半導体製
造装置が部位A〜Gを有する場合を考える。この場合、
上述した手順に従い判定することで部位A、B、E及び
Gに保守を実施することになる。
【0160】即ち、図38(b)に示されたように、各
部位A〜Gのそれぞれの据付後、あるいは前回の保守実
施後から故障確率が規定値に到達するまでの時間が設定
されていたとする。全ての部位のうち、時間0から故障
確率が規定値に到達する時間が最も短いのは部位Aであ
り、時間t1で規定値に到達する。この時点t1におい
て、部位Aのみを保守するのでは、各部位毎に保守する
ことになり保守の回数が多くなり効率の低下を招くこと
になる。そこで、時点t1において部位Aに保守を実施
してから次に故障確率が規定値に到達する時間が最も短
い時点t2、即ち部位Aの次の保守を行うべき時点t2
までの間に、故障確率が規定値に到達する部位B、E、
Gについても時点t1において部位Aとともに保守を実
施する。
【0161】このように保守の時期を判定することで、
故障確率が高くなると見込まれる部位をまとめて保守で
きるので、各部位の故障確率を反映させ、かつ保守頻度
を低減し効率を向上させることができる。
【0162】(9)第9の実施の形態 本発明の第9の実施の形態について説明する。本実施の
形態も上記第7の実施の形態と同様に、複数の部位に対
して保守の実施回数を減らすことで効率良く処理するこ
とを意図したものである。しかし、本実施の形態は上記
第7の実施の形態と異なり、同一部位に対して保守を実
施した後異なる寿命を持つ部位、即ち保守実施から故障
確率が規定値に到達するまでの時間が異なるものを用い
る場合を想定している。
【0163】先ず、上記第1の実施の形態において図3
7を用いて説明した手順で、まとめて保守を実施すると
一旦判定した部位に関し、図39のフローチャートにお
けるステップS600〜S612により、それぞれ保守
を実施したと仮定した時点から故障確率が規定値に到達
するまでの時間TMpを求める。
【0164】図39のフローチャートで求めたそれぞれ
の部位の使用経過時間TMpの中から、最小のものTmi
nを図40のフローチャートにおけるステップS700
〜S710に従い求める。
【0165】図40のフローチャートで求めた最小の使
用経過時間Tminと、各部位に対してそれぞれ保守を実
施したと仮定した時点から故障確率が規定値に到達する
までの残り使用経過時間Uiとを図41のフローチャー
トのステップS800〜S814に従って比較する。
【0166】ここで、Uiは図37のフローチャートに
より求めた値を流用することができる。
【0167】そして、前者よりも後者の値が小さな部位
を保守実施として判定する。
【0168】図42(a)に示されたように、半導体製
造装置が部位A〜Gを有する場合を考える。この場合、
上述した手順に従って部位A、B及びGを保守すると判
定することになる。
【0169】図42(b)に示されたように、各部位A
〜Gのそれぞれの据付後、あるいは前回の保守実施後か
ら故障確率が規定値に到達するまでの時間が設定されて
いたとする。全ての部位のうち、時間0から故障確率が
規定値に到達する時間が最も短いのは部位Aであり、時
間t11で規定値に到達する。そして、上記第1の実施
の形態と同様の手順により、部位Aを次に保守する時点
t13と時点t11との間で規定値に到達する部位A、
B、E、Gに対して、保守を実施すると一旦仮定する。
そして、これらの部位A、B、E、Gに時点t11で保
守を実施した後、次に故障確率が規定値に到達するそれ
ぞれの時点t13、t14、t15、t12を求める。
【0170】この時点t11において保守を実施してか
ら故障確率が規定値に到達する時間が最も短いのは、本
実施の形態では部位Aではなく部位Gである。これは、
部位Gは交換前は部位Aより寿命が長いが、製品仕様の
変更等により交換後の部位Gは部位Aより寿命が短いこ
とによる。そして、この部位Gは時点t12において故
障確率が規定値に達する。
【0171】そこで、時点t11から時点12までの間
に故障確率が規定値に到達する部位を抽出すると、部位
A、B及びGとなる。そこで、これらの部位A、B及び
Gに対しては時点t11において部位Aとともに保守を
実施することとする。
【0172】本実施の形態によれば交換部品の仕様が交
換前の部品と相違する等により故障確率が変化する部位
がある場合でも、各部位の故障確率を反映させた保守が
可能であり、保守頻度の低減を得り効率を向上させるこ
とができる。図42に示された例では、部位Eについて
保守の実施不要と判定することで作業効率が向上する。
【0173】上述した実施の形態は一例であり、本発明
を限定するものではない。例えば、半導体製造装置の一
例として半導体ウェーハ収納容器搬送装置を挙げている
が、他の半導体製造装置に対しても同様に本発明を適用
することができる。
【0174】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体装
置又は半導体装置の管理装置によれば、装置内の各部位
の故障に至るまでの経過情報を蓄積し処理することによ
り、各部位毎の故障確率及び/又は故障率を求めること
により、故障原因調査や予防保全、部位在庫管理への支
援をすることができる。
【0175】本発明の半導体ウェーハ収納容器搬送装置
によれば、搬送車の部位の故障確率を把握できるため、
故障原因調査の支援をすることができる。
【0176】また本発明の半導体製造装置の管理装置に
よれば、故障確率の低い半導体製造装置で製品を処理す
ることができるため、製品処理中の製造装置故障による
不良品の発生や製造工期の延長を防止することができ
る。
【0177】さらに本発明の半導体製造装置によれば、
故障確率の高い部品、使用数の多い部品に応じて保守部
品の準備する必要度が高くなり、準備を必要とする保守
部品の精度を高くすることができるため、故障発生時に
おける欠品を防止しまた余剰部品の保管を削減すること
ができる。
【0178】あるいは本発明の半導体製造装置によれ
ば、各部位の故障確率を反映させた保守を実施すること
により効率を向上させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による半導体製造装
置に含まれる、あるいは装置外に設けられた部品の故障
に関する管理を行う管理装置の構成を示したブロック
図。
【図2】同第1の実施の形態に従って求めた部位毎の使
用経過時間に対する故障率を示したグラフ。
【図3】同第1の実施の形態に従って求めた複数の半導
体製造装置における部位毎の使用経過時間情報に対する
故障率を示したグラフ。
【図4】部位毎に故障発生に至るまでの使用経過時間を
示すデータと、このデータを用いて故障発生までに至る
使用経過時間に対する故障発生数を度数分布で描いたヒ
ストグラムとを含む説明図。
【図5】図4に示されたヒストグラムで用いたデータ及
び算出結果を示した説明図。
【図6】図5に示された故障確率を使用経過時間の時間
区間毎にプロットして示したグラフ。
【図7】図5に示された1000時間当りの故障率を各
時間区間の中心値に合わせてプロットして示したグラ
フ。
【図8】図6のグラフの各プロット点間を直線で結び、
各直線上の任意の使用経過時間における故障率を示した
グラフ。
【図9】図7のグラフの各プロット点をグループ化し、
最小2乗法により各グループ区間を曲線で結ぶことで、
各曲線上の任意の使用経過時間における故障率を示した
グラフ。
【図10】本発明の第2の実施の形態に従って、図4の
ヒストグラムに対しワイブル分布の確率密度関数を適用
したヒストグラム。
【図11】図4のヒストグラムに対し、図11(a)は
横軸に使用経過時間を、縦軸に標準正規分布を適用した
場合に直線となるように変換されたスケール上に故障確
率をプロットし、標準正規分布を適用した場合の直線と
の対比を示し、図11(b)は横軸の対数軸上に使用経
過時間を、縦軸に故障確率をプロットし、使用経過時間
を対数変換した標準対数正規分布による直線との対比を
示し、図11(c)は横軸に使用経過時間を、縦軸に故
障確率を指数変換されたスケール上にプロットし、標準
指数分布による直線との対比を示し、図11(d)は横
軸の対数軸上に使用経過時間を、縦軸に累積故障確率に
二重対数化処理を行ってプロットし、ワイブル分布を適
用した場合の直線との対比を示すグラフ。
【図12】ワイブルモデルを適用した場合における使用
経過時間に対する故障率を示すグラフ。
【図13】本発明の第3の実施の形態による半導体ウェ
ーハ収納容器搬送装置の構成の例1を示した斜視図及び
ブロック図。
【図14】同第3の実施の形態による半導体ウェーハ収
納容器搬送装置の構成の例2を示した斜視図及びブロッ
ク図。
【図15】同第3の実施の形態による半導体ウェーハ収
納容器搬送装置の構成の例3を示した斜視図及びブロッ
ク図。
【図16】同第3の実施の形態による半導体ウェーハ収
納容器搬送装置の構成の例4を示した斜視図及びブロッ
ク図。
【図17】本発明の第4の実施の形態による半導体製造
装置の構成を示したブロック図。
【図18】本発明の第5の実施の形態による部品管理装
置の構成を示したブロック図。
【図19】同一部品が複数存在する装置の構成を示す説
明図。
【図20】同一部品が複数存在する装置における故障確
率を示すグラフ。
【図21】同一部品が1つ存在する装置における故障確
率を示すグラフ。
【図22】同第5の実施の形態に従い保守部品の必要量
を算出する手法を示す説明図。
【図23】#1装置の部品の構成及び任意の使用経過時
間における保守部品の必要量を示すグラフ。
【図24】#1装置及び#2装置におけるそれぞれの部
品の構成及び任意の使用経過時間における保守部品の必
要量を示すグラフ。
【図25】#1装置及び#2装置の任意の使用経過時間に
おける部品Aの必要量を示したグラフ。
【図26】本発明の第6の実施の形態により、在庫量及
び納期を確認する手順を示したフローチャート。
【図27】部品nの発注点を判定する手法を模式的に示
した説明図。
【図28】保守部品の管理情報データの例1を示す説明
図。
【図29】本発明の第7の実施の形態に従って求めた保
守部品の管理情報データの例2を示す説明図。
【図30】保守部品の在庫量の過不足を管理する手法を
示す説明図。
【図31】保守部品の管理情報データの例3を示す説明
図。
【図32】本発明の第8、第9の実施の形態により、故
障確率の変化を示した曲線に故障率の規定値を設定して
保守の実施時期を求める手法を示したグラフ。
【図33】本発明の第8の実施の形態により部位別の規
定値を設定する手順を示したフローチャート。
【図34】同第8の実施の形態により、保守の実施時期
を判定する手順を示したフローチャート。
【図35】同第8の実施の形態により保守の実施である
と判定された部位における、保守実施後から、次回の故
障確率が規定値に到達するまでの時間を求める手順を示
したフローチャート。
【図36】同第8の実施の形態により保守の実施である
と判定されなかった部位における、他の部位への保守実
施から故障確率が次に規定値に到達するまでの残り時間
を求める手順を示したフローチャート。
【図37】同第8の実施の形態により保守を実施すべき
部位を判定する手順を示したフローチャート。
【図38】同第8の実施の形態により、保守の実施時期
を求める手法を示した説明図。
【図39】本発明の第9の実施の形態により保守を実施
すべきと判定されなかった部位における、他の部位への
保守実施から次に故障確率が規定値に到達するまでの時
間を求める手順を示したフローチャート。
【図40】同第9の実施の形態により保守実施後から次
回の故障確率の規定値に至るまでの時間が最小の部位を
求める手順を示したフローチャート。
【図41】同第9の実施の形態により保守を実施すべき
部位を最終的に判定する手順を示したフローチャート。
【図42】同第9の実施の形態により、部品の寿命が変
わる場合における保守の実施時期を求める手法を示した
説明図。
【符号の説明】
1 半導体製造装置 100 管理装置 101、201 記憶装置 102、202 演算装置 103、203 入出力装置 301 装置A 302 装置B 303 装置C 304 故障確率入力部 305 処理装置割付部 401 半導体ウェーハ収納容器 402 半導体ウェーハ 403 台車部 404 移載部 405 搬送車 406 台車部 407、409、412、422、434 半導体ウェ
ーハ収納容器搬送装置 408、409、423、435、436 モータ等 411、421、431 軌道 432 台車部 433 移載部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉 川 典 昭 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 四 元 正 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 中 田 賢 治 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 3C100 AA51 AA57 BB15 BB36 EE06 3F022 AA08 CC02 EE05 LL12 MM29 MM30 MM55 MM57 5F031 CA02 DA01 FA01 FA09 GA43 GA58 GA59 LA07 PA02 PA10

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の部位を有する半導体製造装置におい
    て、 前記部位毎に当該部位の据付から故障発生までの使用経
    過時間あるいは製品処理数を示す情報を格納する記憶装
    置と、 前記記憶装置に格納された前記情報を与えられ、前記部
    位毎の使用経過時間あるいは製品処理数に対する故障確
    率及び/又は故障率を示す関数情報を出力する演算装置
    と、 を備えることを特徴とする半導体製造装置。
  2. 【請求項2】前記演算装置は、前記情報が示す前記部位
    毎の部位の据付から故障発生までの使用経過時間あるい
    は製品処理数に対し、所定の区間で分割し、各区間内に
    おける故障発生部位数を区間毎に集計することを特徴と
    する請求項1記載の半導体製造装置。
  3. 【請求項3】前記演算装置は、区間毎に集計して得られ
    た、当該区間内における故障発生部位数に対し、当該区
    間内における故障未発生部位数で除した各区間毎の商結
    果を、当該部位の使用経過時間又は製品処理数の経過に
    対する故障確率の変動情報として出力することを特徴と
    する請求項2記載の半導体製造装置。
  4. 【請求項4】前記演算装置は、区間毎に集計して得られ
    た、当該区間内における故障発生部位数に対し、当該区
    間内における故障未発生部位数及び各区間の期間幅又は
    製品処理数幅で除して各区間毎の商結果を求め、当該部
    位の使用経過時間又は製品処理数の経過に対する故障率
    の変動情報として出力することを特徴とする請求項2記
    載の半導体製造装置。
  5. 【請求項5】前記演算装置は、前記故障確率の変動情報
    又は前記故障率の変動情報に対し、最小2乗法、スプラ
    イン曲線法、フーリエ級数法のいずれかを用いて、ある
    いは区間毎にいずれかを選択して用いて、直線、2次曲
    線、3次曲線、ワイブル故障率曲線、対数曲線、指数曲
    線、ロジスティック曲線、べき乗曲線、S曲線又は成長
    曲線を適用して近似し、あるいは区間毎にいずれかを選
    択し適用して近似し出力することを特徴とする請求項3
    又は4記載の半導体製造装置。
  6. 【請求項6】前記演算装置は、部位毎の各区間における
    故障発生までの使用経過時間又は製品処理数に対し、正
    規分布、対数分布、指数分布、ワイブル分布、ガンマ分
    布又は二重指数分布のいずれかを適用し、あるいは区間
    毎にいずれかの分布を選択して適用することで、前記関
    数情報を出力することを特徴とする請求項2記載の半導
    体製造装置。
  7. 【請求項7】前記演算装置は、各部位毎に対して求めた
    使用経過時間あるいは製品処理数に対する故障確率及び
    /又は故障率を示す前記関数情報を用いて、故障が発生
    する確率が高い順に前記部位を配列した情報を生成して
    出力することを特徴とする請求項1記載の半導体製造装
    置。
  8. 【請求項8】複数の部位を有する、少なくとも一つの半
    導体製造装置を管理する管理装置において、 前記半導体製造装置内の前記部位毎に当該部位の据付か
    ら故障発生までの使用経過時間あるいは製品処理数を示
    す情報を格納する記憶装置と、 前記記憶装置に格納された前記情報を与えられ、前記部
    位毎の使用経過時間あるいは製品処理数に対する故障確
    率及び/又は故障率を示す関数情報を出力する演算装置
    と、 を備えることを特徴とする半導体製造装置の管理装置。
  9. 【請求項9】複数の前記半導体製造装置を管理する管理
    装置であって、 各々の前記半導体製造装置と通信回線を介して接続さ
    れ、前記半導体製造装置から前記情報を与えられて前記
    記憶装置に転送する入力部をさらに備えることを特徴と
    する請求項8記載の半導体製造装置の管理装置。
  10. 【請求項10】前記演算装置は、前記情報が示す前記部
    位毎の部位の据付から故障発生までの使用経過時間ある
    いは製品処理数に対し、所定の区間で分割し、各区間内
    における故障発生部位数を区間毎に集計することを特徴
    とする請求項8記載の半導体製造装置の管理装置。
  11. 【請求項11】前記演算装置は、区間毎に集計して得ら
    れた、当該区間内における故障発生部位数に対し、当該
    区間内における故障未発生部位数で除した各区間毎の商
    結果を、当該部位の使用経過時間又は製品処理数の経過
    に対する故障確率の変動情報として出力することを特徴
    とする請求項10記載の半導体製造装置の管理装置。
  12. 【請求項12】前記演算装置は、区間毎に集計して得ら
    れた、当該区間内における故障発生部位数に対し、当該
    区間内における故障未発生部位数及び各区間の期間幅又
    は製品処理数幅で除して各区間毎の商結果を求め、当該
    部位の使用経過時間又は製品処理数の経過に対する故障
    率の変動情報として出力することを特徴とする請求項1
    0記載の半導体製造装置の管理装置。
  13. 【請求項13】前記演算装置は、前記故障確率の変動情
    報又は前記故障率の変動情報に対し、最小2乗法、スプ
    ライン曲線法、フーリエ級数法のいずれかを用いて、あ
    るいは区間毎にいずれかを選択して用いて、直線、2次
    曲線、3次曲線、ワイブル故障率曲線、対数曲線、指数
    曲線、ロジスティック曲線、べき乗曲線、S曲線又は成
    長曲線を適用して近似し、あるいは区間毎にいずれかを
    選択し適用して近似し出力することを特徴とする請求項
    11又は12記載の半導体製造装置の管理装置。
  14. 【請求項14】前記演算装置は、部位毎の各区間におけ
    る故障発生までの使用経過時間又は製品処理数に対し、
    正規分布、対数分布、指数分布、ワイブル分布、ガンマ
    分布又は二重指数分布のいずれかを適用し、あるいは区
    間毎にいずれかの分布を選択して適用することで、前記
    関数情報を出力することを特徴とする請求項10記載の
    半導体製造装置の管理装置。
  15. 【請求項15】前記演算装置は、各部位毎に対して求め
    た使用経過時間あるいは製品処理数に対する故障確率及
    び/又は故障率を示す前記関数情報を用いて、故障が発
    生する確率が高い順に前記部位を配列した情報を生成し
    て出力することを特徴とする請求項14記載の半導体製
    造装置の管理装置。
  16. 【請求項16】半導体ウェーハ収納容器を搬送する搬送
    車と、前記搬送車の動作を制御する制御装置とを備えた
    半導体ウェーハ収納容器搬送装置において、 前記搬送車及び前記制御装置に含まれる部位毎に、使用
    開始から故障発生に至るまでの使用経過時間、搬送回数
    又は移動距離を示す情報を格納する記憶装置と、前記記
    憶装置に格納された前記情報を与えられ、前記部位毎の
    使用経過時間、搬送回数又は移動距離に対する故障確率
    及び/又は故障率を示す関数情報を出力する演算装置
    と、 を備えることを特徴とする半導体ウェーハ収納容器搬送
    装置。
  17. 【請求項17】複数の部位を有する半導体製造装置を複
    数管理する管理装置において、 前記半導体装置毎に、前記部位を単位として当該部位の
    据付から故障発生までの使用経過時間あるいは製品処理
    数を示す情報を格納する記憶装置と、 前記記憶装置に格納された前記情報を与えられ、前記部
    位毎の使用経過時間あるいは製品処理数に対する故障確
    率及び/又は故障率を示す関数情報を求め、この関数情
    報を出力する演算装置と、 前記関数情報に基づいて、前記半導体製造装置を単位と
    して故障確率及び/又は故障率を示す情報を収集し、複
    数の前記半導体製造装置のうち、前記半導体製造装置を
    単位とする故障確率及び/又は故障率が低いものから順
    に並べて出力する割付部と、 を備えることを特徴とする半導体製造装置の管理装置。
  18. 【請求項18】前記割付部はさらに、複数の前記半導体
    製造装置のうち、前記半導体製造装置を単位とする故障
    確率及び/又は故障率が高いものから順に並べて保守点
    検用の順位を出力することを特徴とする請求項17記載
    の半導体製造装置の管理装置。
  19. 【請求項19】複数の部品を有する半導体製造装置の部
    品の保守管理を行う装置において、 前記部品毎に当該部品の据付から故障発生までの使用経
    過時間あるいは製品処理数を示す情報を格納する記憶装
    置と、 前記記憶装置に格納された前記情報を与えられ、前記部
    品毎の使用経過時間あるいは製品処理数に対する故障確
    率及び/又は故障率を示す第1の関数情報を生成し、 前記第1の関数情報を用いて、前記部品毎に任意の使用
    経過時間あるいは製品処理数における故障確率及び/又
    は故障率を求め、前記部品毎に使用経過時間あるいは製
    品処理数に対する故障確率及び/又は故障率の数値の総
    和を示す第2の関数情報を生成し、 前記第2の関数情報を用いて、前記部品毎の任意の使用
    経過時間あるいは製品処理数における保守用の部品の準
    備必要量を求める演算装置と、 を備えることを特徴とする半導体製造装置の部品管理装
    置。
  20. 【請求項20】前記記憶装置は、さらに、任意の使用経
    過時間あるいは製品処理数における前記部品の在庫量を
    示す在庫情報、発注から納品までに要する納期時間を示
    す納期情報を格納し、 前記演算装置は、さらに、前記在庫情報及び納期情報を
    用いて、前記任意の使用経過時間あるいは製品処理数
    (以下、任意点という)より先の時点において前記部品
    の必要量と在庫量とが一致する仮想納入点から前記納期
    時間を減算した仮想発注点を求め、前記仮想発注点が前
    記任意点に対して前後する時間を納期過不足時間として
    求め、前記任意点で発注した場合の前記仮想納入点にお
    いて前記部品の必要量に対する在庫過不足量を求めて出
    力することを特徴とする請求項19記載の半導体製造装
    置の部品管理装置。
  21. 【請求項21】前記演算装置は、所定時間毎に、前記在
    庫過不足量を求めて所定の在庫量限界値と比較し、前記
    納期過不足時間を求めて所定の納期限界値と比較し、少
    なくともいずれか一方が限界値を超えた場合に警告を出
    力することを特徴とする請求項20記載の半導体製造装
    置の部品管理装置。
  22. 【請求項22】複数の部位を有する半導体製造装置にお
    いて、 前記部位毎に当該部位の据付から故障発生までの使用経
    過時間あるいは製品処理数を示す情報を格納する記憶装
    置と、 前記記憶装置に格納された前記情報を与えられ、前記部
    位毎の使用経過時間あるいは製品処理数に対する故障確
    率及び/又は故障率を求め、予め部位毎に設定された規
    定値に前記故障確率又は故障率が達した時点を当該部位
    の保守実施時期として判定する演算装置と、 を備えることを特徴とする半導体製造装置。
  23. 【請求項23】前記演算装置は、さらに、 当該部位の故障確率又は故障率が対応する前記規定値に
    第1の時点で到達すると判定した場合、この第1の時点
    で当該部位に保守を実施した後、故障確率が次に前記規
    定値に到達するまでの第1の使用経過時間あるいは第1
    の製品処理数を求め、 前記第1の時点で故障確率又は故障率が対応する規定値
    に到達すると判定されなかった部位に対し、前記第1の
    時点から前記故障確率又は故障率が前記規定値に到達す
    るまでの残り使用経過時間あるいは残り製品処理数を求
    め、 前記第1の使用経過時間あるいは第1の製品処理数より
    も、前記残り使用経過時間あるいは残り製品処理数の方
    が短い部位を保守実施時期であると判定することを特徴
    とする請求項22記載の半導体製造装置。
  24. 【請求項24】前記演算装置は、さらに、 保守実施時期であると一旦判定した部位のなかで、前記
    第1の時点で保守を実施した後、故障確率又は故障率が
    次に前記規定値に到達するまでのそれぞれの使用経過時
    間あるいは製品処理数を求め、このなかで最も短い最小
    使用経過時間あるいは最小製品処理数を求め、 前記最小使用経過時間あるいは最小製品処理数よりも、
    前記残り使用経過時間あるいは残り製品処理数の方が短
    い部位を最終的に保守実施時期であると判定することを
    特徴とする請求項23記載の半導体製造装置。
  25. 【請求項25】複数の部位を有する、少なくとも一つの
    半導体製造装置を管理する管理装置において、 前記部位毎に当該部位の据付から故障発生までの使用経
    過時間あるいは製品処理数を示す情報を格納する記憶装
    置と、 前記記憶装置に格納された前記情報を与えられ、前記部
    位毎の使用経過時間あるいは製品処理数に対する故障確
    率及び/又は故障率を求め、予め部位毎に設定された規
    定値に前記故障確率又は故障率が達した時点を当該部位
    の保守実施時期として判定する演算装置と、 を備えることを特徴とする半導体製造装置の管理装置。
  26. 【請求項26】前記演算装置は、さらに、 当該部位の故障確率又は故障率が対応する前記規定値に
    第1の時点で到達すると判定した場合、この第1の時点
    で当該部位に保守を実施した後、故障確率が次に前記規
    定値に到達するまでの第1の使用経過時間あるいは第1
    の製品処理数を求め、 前記第1の時点で故障確率又は故障率が対応する規定値
    に到達すると判定されなかった部位に対し、前記第1の
    時点から前記故障確率又は故障率が前記規定値に到達す
    るまでの残り使用経過時間あるいは残り製品処理数を求
    め、 前記第1の使用経過時間あるいは第1の製品処理数より
    も、前記残り使用経過時間あるいは残り製品処理数の方
    が短い部位を保守実施時期であると判定することを特徴
    とする請求項25記載の半導体製造装置の管理装置。
  27. 【請求項27】前記演算装置は、さらに、 保守実施時期であると一旦判定した部位のなかで、前記
    第1の時点で保守を実施した後、故障確率又は故障率が
    次に前記規定値に到達するまでのそれぞれの使用経過時
    間あるいは製品処理数を求め、このなかで最も短い最小
    使用経過時間あるいは最小製品処理数を求め、 前記最小使用経過時間あるいは最小製品処理数よりも、
    前記残り使用経過時間あるいは残り製品処理数の方が短
    い部位を最終的に保守実施時期であると判定することを
    特徴とする請求項26記載の半導体製造装置の管理装
    置。
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