本発明の一実施形態について図1ないし図16に基づいて説明すると以下の通りである。本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、図1に示すように加工処理を施す対象である加工対象物(生産対象物)9に対し、それぞれ異なる加工処理を行う3台の第1加工機500a〜500cによって第1の加工処理工程を実行する。また、製造ラインシステム100では、加工対象物9に対し、それぞれ同じ加工処理を行う8台の第2加工機5a〜5hのうちいずれか1台により第2の加工処理工程を実行する。
また、この製造ラインシステム100は、3台の測定器6a〜6cのいずれかにより、加工処理された加工対象物9の品質を調べることができるようになっている。
すなわち、上記製造ラインシステム100は、第1加工機500a〜500cによってそれぞれ異なる加工処理が実行される。そして、8台の第2加工機5a〜5hそれぞれで8つの加工対象物9を並行して加工処理し、また3台の測定器6a〜6cにより並行して3つの加工対象物9の特性値をそれぞれ測定することができる。なお、第1加工機500a〜500cを特に区別して説明する必要がない場合は、第1加工機500と称する。また、第2加工機5a〜5hを特に区別して説明する必要がない場合は、第2加工機5と称する。また、測定器6a〜6cを特に区別して説明する必要がない場合は、測定器6と称する。
また、上記異なる加工処理とは、例えば、第1加工機500aでは加工対象物9に対して部品を挿入する処理を行い、第1加工機500bでは、加工対象物9に対して曲げ処理を行い、第1加工機500cでは、加工対象物9に対して溶接処理を行うなどである。
なお、この図1は、本発明の実施形態を示すものであり、製造ラインシステム100の要部構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る製造ラインシステム(生産システム)100は、図1に示すように、投入口1、ゲート2、搬送ベルト8、第1加工機500a〜500c、第2加工機(生産処理装置・第1生産処理装置・第2生産処理装置)5a〜5h、加工台(生産処理装置・第1生産処理装置・第2生産処理装置)3a〜3p、ターンテーブル4、測定器(生産処理装置・第1生産処理装置・第2生産処理装置)6a〜6c、および調整装置7を備えている。
上記投入口1は、本実施の形態に係る製造ラインシステム100を操作する作業員が、加工対象物9を投入する入口である。上記製造ラインシステム100では、投入した加工対象物9を、加工台3a〜3pの方に向かって搬送する。
搬送ベルト8は、加工対象物9を搬送するものである。具体的には、この搬送ベルト8は、投入口1に投入した加工対象物9を加工台3まで搬送したり、第1の加工処理後の加工対象物9を加工台3から第2の加工処理を実行する第2加工機5の対面位置まで搬送したり、第2の加工処理後の加工対象物9を測定機6の対面位置まで搬送したりする。
また、更なる他の処理工程を施す必要がある場合、この搬送ベルト8は、測定器6によって測定処理が行われた加工対象物9を、次の処理工程を実行する装置が備えられているところまで搬送する。なお、本実施の形態では、搬送ベルト8は、加工対象物9を、図1に示す矢印aの方向に搬送するものとする。
上記ゲート2は、搬送ベルト8によって搬送される加工対象物9それぞれが適切に加工台3a〜3pそれぞれに収容するように、タイミングを調整するものである。
上記加工台3a〜3pは、第1加工機500a〜500cそれぞれによって加工処理できるように加工対象物9を固定するものである。本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、16台の加工台3a〜3pが、図1に示すように円形状のターンテーブル4の外周に沿ってそれぞれ備えられている。そして、ターンテーブル4の回転に応じて、矢印bの方向(時計回りの方向)に移動するようになっている。なお、加工台3a〜3pを特に区別して説明する必要がない場合は、加工台3と称する。
すなわち、搬送ベルト8によって搬送されてきた加工対象物9は、1つずつ各加工台3a〜3pのいずれかに設置される。この加工対象物9の加工台3a〜3pへの設置は下記に示すように行われる。すなわち、加工台3a〜3pのいずれか1台に加工対象物9が設置されると、この加工対象物9が収容された加工台は矢印bの方向に1台分だけ移動する。そして、新たに搬送されてきた加工対象物9は、次に搬送ベルト8の位置に来た加工台に設置される。
上記ターンテーブル4は、矢印bの方向に回転することにより、加工台3を第1加工機500による加工処理位置まで移動させることができる。また、ターンテーブル4は、第1加工機500により第1の加工処理が施された加工対象物9を、第2の加工処理を行うため第2加工機5の加工処理位置まで搬送する搬送ベルト8まで移動させたりするものでもある。
すなわち、このターンテーブル4は、搬送ベルト8によって搬送された加工対象物9を各加工台3a〜3pに1つずつ設置することができ、かつ第1加工機500a〜500cそれぞれによって加工処理できる速度によって各加工台3を移動させる。さらには、このターンテーブル4は、第1の加工処理後の加工対象物9それぞれを、第2の加工処理を施す第2加工機5まで搬送する搬送ベルト8に乗せるために、第1加工機500の加工処理位置からこの搬送ベルト8の場所まで加工対象物9を移動させるように回転する。
このように、本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、3台の第1加工機500a〜500cによって1つの第1加工処理を実行することができる。そして、8台の第2加工機5a〜5hによって、同時に8つの加工対象物9に対する加工処理を行うことができる。
なお、本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、上記ターンテーブル4を、第1加工機500a〜500cなどの装置の設置場所を集約することを目的として備えている。
また、ターンテーブル4は、上記加工台3a〜3pそれぞれに対応する位置にLED(light emitting diode)などによる発光部(情報出力手段)40…を備えている。そして、この発光部40…は、加工台3に加工対象物9が収容され稼動中である場合、点灯するように設定されている。このため、本実施の形態に係る製造ラインシステム100を管理する管理者は、加工台3の稼動状態を容易に把握することができる。このため、例えば、加工台3の復旧作業が必要となった場合、ユーザは、発光部40が点灯している加工台3を選択して作業を行えばよく、容易に保全作業を行うことができる。
なお、この発光部40は、加工台3a〜3pそれぞれに対応して備えられているがこれに限定されるものではなく、他の装置(第1加工器500、第2加工機5、測定器6)それぞれに対応して備えられる構成であってもよい。
上記測定器6a〜6cそれぞれは、加工処理後の加工対象物9の品質を調べるために、該加工対象物9の特性値を測定するものである。本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、図1に示すように3台の測定器6a〜6cがそれぞれ備えられており、これら測定器6a〜6cそれぞれによって、搬送されてきた3つの加工対象物9に対して同時に特性値を測定することができる。
また、各測定器6a〜6cには、特性値がいずれの測定器6a〜6cによって測定されたものであるのかを識別できるようにチャンネル番号が割り当てられている。そして、測定器6a〜6cそれぞれは、測定した特性値とともに、自装置に割り当てられているチャンネル番号を調整装置7に送信する。
上記調整装置7は、測定器6a〜6cそれぞれによって測定された特性値に基づき、調整対象となる装置を特定し、該装置に対する調整を指示したり、該装置の設定を変更させたりするものである。
なお、本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、上記調整対象は、第2加工機5a〜5hのいずれか、ターンテーブル4に設置されている加工台3a〜3pのいずれか、または測定器6a〜6cのいずれかとなる。この調整装置7の詳細な構成については以下において説明する。
(調整装置の構成)
上記調整装置7は、図1に示すように、データ収集部11、情報格納部(記憶装置)12、周波数変換部(変換算出手段)13、周波数マスク部(抽出手段,マスク手段)14、調整制御部(特定手段,台数指示手段)15、測定器設定部16(設定手段)、加工機設定部17(設定手段)、ゲート設定部18(設定手段)、逆変換部(逆変換手段)19、表示制御部(情報出力手段、第1データ出力手段、第2データ出力手段)20、および入力部21を備えている。
データ収集部11は、測定器6によって測定された製品の特性値を受信し、該特性値に基づく時系列データを作成するものである。
このデータ収集部11は、後述する測定器設定部16、加工機設定部17、およびゲート設定部18それぞれから起動信号を受信すると、この起動信号を受信した時点から所定個数分の加工対象物9の特性値の測定結果を取得する。そして、データ収集部11は、取得した測定結果に基づき、加工対象物9の搬送順番に応じた時系列データを作成する。
なお、上記したように、データ収集部11は、測定器6a〜6cそれぞれから各測定器6a〜6cを特定するためのチャンネル番号も受信している。したがって、データ収集部11は、このチャンネル番号を参照することにより、3台の測定器6a〜6cによって同時に特性値が測定されても搬送順番に応じた時系列データを収集することができる。なお、データ収集部11は、作成した時系列データを周波数変換部13に送信する。
周波数変換部13は、データ収集部11によって作成された特性値の時系列データに基づき、FFT(高速フーリエ変換;fast fourier translation)によって周波数変換を行うものである。周波数変換部13は、この変換結果を、周波数データとして周波数マスク部14に送信する。
上記時系列データをFFTにより周波数変換した場合、この変換結果の周波数データは、周波数軸上のサイン成分、コサイン成分の振幅に分割される。なお、このサイン成分およびコサイン成分の2乗和がこの周波数のパワースペクトルとなる。
なお、周波数変換部13は、この周波数変換をFFTによって行う構成であるが、これに限定されるものではなくウェーブレット変換など他の変換方法によって変換する構成であってもよい。
周波数マスク部14は、周波数変換部13から受信した周波数データから、各装置に対応する周波数データ(マスク成分)と、該データ以外(非マスク成分)とに分割するものである。なお、このマスク成分とは、上記周波数データにおける、各装置に対応する基本成分および折り返し成分近傍部分の周波数データである。すなわち、マスク成分とは、FFTによって周波数変換を行った結果の特定領域のデータ列(周波数パワーの集合)である。また、この周波数パワーとは、各装置に対応する周波数のパワースペクトルの積分値である。すなわち、周波数パワーは、FFTによって周波数変換を行った結果の特定点の単一データとなる。
周波数マスク部14は、調整制御部15から受信した、各装置(測定器6、加工台3、第2加工機5)を特定する情報とともに、該各装置の稼動台数を示す情報を受信し、この情報に基づき、上記周波数データの分割を行う。そして、分割した周波数データを後述する逆変換部19に送信する。なお、周波数マスク部14によるデータの分割処理に係る詳細は後述する。
また、周波数マスク部14は、各装置に対応する周波数のパワースペクトルの積分値を調整制御部15に送信するものでもある。この周波数のパワースペクトルの積分値は、後述する調整制御部15によって、調整対象を特定したり、調整対象として特定された装置の調整処理を終了するか否かを決定したりするために利用される。
調整制御部15は、本実施の形態に係る調整装置7が備える各部を制御するものである。具体的には、上記調整制御部15は、測定器設定部16、加工機設定部17、およびゲート設定部18それぞれに指示を出し、測定器6、加工台3、第2加工機5、第1加工機500それぞれの稼動させる台数を調整したり、設定を調整したりする。
また、調整制御部15は、周波数マスク部14に対して、第2加工機5、測定器6、加工台3を特定する識別情報とともに、それぞれの稼動する台数を出力し、該周波数マスク部14から測定器6、加工台3、および第2加工機5それぞれの周波数のパワースペクトルの積分値を受信する。そして、調整制御部15は、受信したパワースペクトルの積分値に基づき、各装置(測定器6、加工台3、および第2加工機5)それぞれの標準偏差を求める。そして、調整制御部15は、求めた標準偏差から異常が生じている装置を特定する。
すなわち、上記時系列データをFFTによって演算した結果得られるパワースペクトルは各周期の周波数成分の振幅の2乗に相当する。そして、パワースペクトルの総和は、上記時系列データの標準偏差の2乗に略比例する。したがって、以下に示す関係がなりたつ。
P_all=K(σ_all)2・・・(1)
(P_allは、パワースペクトルの総和)
(Kは任意の定数)
(σ_allは、時系列データにおける標準偏差)
したがって、調整制御部15は、上記数式(1)の関係を利用して、周波数マスク部14から受信した各装置それぞれに対応するパワースペクトルから、該各装置それぞれの標準偏差を求め、この標準偏差に基づき、調整対象の装置を特定する。
また、調整制御部15は、後述する「装置の調整処理」において、異常要因と特定された装置の調整終了の決定を、上記標準偏差の大きさが所定位置以下にあるか否かによって行う。
情報格納部12は、読み書き可能な記憶媒体であり、装置が調整された時点から、該調整後の装置によって処理された加工対象物9が、測定器6により特性値の測定がなされるまでの時間である遅延時間30を記憶している。
この遅延時間30は、図2に示すように、調整された装置により処理された加工対象物9が、測定器6に到達するまでの時間を示している。そして、この遅延時間30を装置ごとに、情報格納部12に記憶しておくことにより、上記データ収集部11が、装置の調整前に加工処理された加工対象物9と調整後に加工処理された加工対象物9との特性値を混同した状態で収集することを防ぐことができる。
また、情報格納部12は、さらに規定範囲情報31を記憶している。この規定範囲情報31とは、上記加工処理された加工対象物9が規定の品質を満たしている場合にとり得る特性値の範囲を示す情報である。
測定器設定部16は、測定器6a〜6cそれぞれから稼動状態を示す情報を取得し、取得した結果を調整制御部15に通知したり、調整制御部15からの指示に応じて、測定器6a〜6cそれぞれの稼動のON/OFFを制御したりするものである。
加工機設定部17は、第2加工機5a〜5hそれぞれから稼動状態を示す情報を取得し、取得した結果を調整制御部15に通知したり、調整制御部15からの指示に応じて、第2加工機5a〜5hそれぞれの稼動のON/OFFを制御したりするものである。加工機設定部17は、調整制御部15からの指示に応じて上記ON/OFFを調整すると、この調整時間から、調整後の第2加工機5により加工処理された加工対象物9が測定器6によって特定性値が測定されるまでの時間(遅延時間30)分だけ遅らせてデータ収集部11にデータの収集作業を指示する。なお、この遅延時間30を示す情報は予め情報格納部12に記憶されており、加工機設定部17が、この情報格納部12に格納された遅延時間30を参照してデータ収集部11にデータの収集作業の指示を行う。
また、加工機設定部17は、調整制御部15からの指示に応じて、第1加工機500a〜500cそれぞれの稼動のON/OFFを制御できるようにもなっている。
ゲート設定部18は、調整制御部15からの指示に応じて加工対象物9を、加工台3a〜3pのうちのいずれに収容するかを調整するものである。また、ゲート設定部18は、いずれの加工台3に加工対象物9を収容したかについての情報も管理している。
具体的には、ゲート設定部18は、ターンテーブル4の回転移動と連動するようにゲート2を制御することによって、加工台3に加工対象物9を収容するか否かを調整する。例えば、調整制御部15から加工台3aに加工対象物9を収容しない旨の指示を受信すると、ゲート設定18は、ターンテーブル4の回転移動と連動させて、加工台3aに加工対象物9が収容されるタイミングを特定する。そして、このタイミング時に搬送ベルト8上にゲート2をおろして、加工台3aに加工対象物9が収容されないように調整する。
また、ゲート設定部18は、上記したようにして、加工対象物9を収容可能とする加工台3を変更させた場合、この変更時点から遅延時間30経過後に、データ収集部11にデータの収集作業を指示する。
また、上記測定器設定部16、加工機設定部17、およびゲート設定部18それぞれは、データ収集部11が特性値を収集している最中に、第1加工機500、第2加工機5、加工台3、または測定器6において故障が生じた場合、この特性値の収集を中止するように指示することができる。
逆変換部19は、周波数マスク部14からマスク成分または非マスク成分の周波数データを受信し、受信した周波数データを逆フーリエ変換(これ以降逆FFTと称する)処理するものである。この逆FFT変換処理によって、上記逆変換部19は、マスク成分の周波数データに基づく時系列データ、あるいは非マスク成分の周波数データに基づく時系列データを生成する。そして、逆変換部19は、この生成した時系列データを表示制御部20に送信する。
表示制御部20は、逆変換部19から受信した時系列データを表示させるものである。表示制御部20が、この時系列データのうちマスク成分の時系列データを表示させることにより、異常となる特生値の出現周期を明確に示すことができる。
すなわち、後述するが、マスク成分には、オフセット成分が含まれておらず、マスク成分として抽出する周波数域に対応した、特性値のばらつきのみを示している。したがって、このマスク成分の逆FFTの結果として得られる時系列データによって、装置の異常に起因する特性値のずれのみを示すこととなる。
なお、上記ばらつきとは、規定範囲における理想値からのずれの分布を示すものである。また、この規定範囲とは、上記加工処理された加工対象物9が規定の品質を満たしている場合にとり得る特性値の範囲であり、本実施形態では、この規定範囲は上限規格値と下限規格値とによって示すことができる。
また、このずれとは、測定した各特性値と規定範囲における理想値との差を示す。なお、この理想値とは、上限規格値と下限規格値との間における中間値である。
一方、上記表示制御部20が、非マスク成分の時系列データを表示させることにより、異常が生じていると推定される装置の調整が完了したと仮定した場合における、特性値の時系列データを示すことができる。これにより、異常が生じていると推定される装置の調整完了後における、規定範囲からの、特性値のずれを示すことができる。
また、上記表示制御部20は、情報格納部12に記憶されている規定範囲情報31に基づき、非マスク成分を逆FFTして求めた時系列データの値のうち、上記規定範囲外となる値の数を出力することもできる。
また、上記表示制御部20は、非マスク成分を逆FFTして求めた時系列データの値に基づく標準偏差を算出し、該標準偏差を出力することもできる。
入力部21は、ユーザからの指示を受け取るものであり、受け取った指示を調整制御部15に送信する。例えば、このユーザからの指示としては、後述する装置数調整処理、装置調整後における特性値の異常の改善予測処理、特性値の異常要因となる装置の調整処理のいずれかを選択する指示情報が挙げられる。あるいは、必要に応じて上記した各処理において必要となるパラメータ値などの情報も含まれる。
(装置異常の発生要因)
ここで、本実施の形態に係る製造ラインシステム100において、加工対象物9から測定した特性値が規定範囲からはずれ異常となる要因について図3を参照して説明する。なお、この図3は、第2加工機5a〜5h、加工台3a〜3p、測定器6a〜6cそれぞれと、それぞれの装置における異常要因を示す図面である。
上記したように本実施の形態に係る製造ラインシステム100は、第1加工機500a〜500c、第2加工機5a〜5h、加工台3a〜3p、および測定器6a〜6cを備えている。このためこれら各部材のいずれかが正常に機能しない場合には、測定された特性値が異常となる。上記第1加工機500および第2加工機5が正常に機能しない場合の要因としては、第1加工機500および第2加工機5におけるメカ誤差、加工処理による磨耗が挙げられる。また、上記加工台3が正常に機能していない場合の要因としては、加工台3において製品を設置するために用いられる部材である治具にゆるみが生じたり、製品の設置部分に屑が付着したりすることなどが挙げられる。また、測定器6が正常に機能しない場合の要因としては、測定器6における測定誤差、測定位置のずれなどが挙げられる。
そこで、上記したような要因等により第2加工機5a〜5h、加工台3a〜3p、または測定器6a〜6cのいずれか1台が正常に可動していない状態で加工対象物9が加工処理された場合、該加工対象物9から測定した特性値には、例えば、図4(a)〜図4(c)に示すように以下の現象が見られる。
なお、図4(a)〜図4(c)では測定される特性値の一例として「部品間隔」を使用する。したがって、この図4(a)〜図4(c)では、縦軸を、「部品間隔」を示す単位であるmm(ミリメートル)とし、横軸を特性値が測定された加工対象物9の個数とする。
すなわち、8台の第2加工機5a〜5hのうちいずれか1台が正常に機能していない場合、搬送される加工対象物9の順番と、該加工対象物9から測定された特性値との関係において、図4(a)に示すように8つごとに1回、上記特性値が規定範囲からはずれることとなる。
また、加工台3a〜3pのいずれか1台が正常に機能していない場合、搬送される加工対象物9の順番と、該加工対象物9から測定された特性値との関係において、図4(b)に示すように16ごとに1回、上記特性値が規定範囲からはずれることとなる。
また、測定器6a〜6cのいずれか1台が正常に機能していない場合、搬送される加工対象物9の順番と、該加工対象物9から測定された特性値との関係において、図4(c)に示すように3つごとに1回、上記特性値が規定範囲からはずれることとなる。このように、第2加工機5、加工台3、測定器6それぞれにおいていずれか1台が異常である場合、得られる特性値は周期的に規定範囲外の値となることがわかる。
なお、第1加工機500a〜500hのいずれか1台に異常が生じている場合は、第1の加工処理工程によって加工処理された加工対象物9すべての品質が異常となる。すなわち、加工対象物9から測定した特性値はすべて規定の範囲を超えることとなるため、上記したような周期性は見られない。
そこで、本実施形態では、加工対象物9の搬送順番と該加工対象物9から測定された特性値との関係において、搬送順番を時間軸とした時系列データとみなす。そして、本実施の形態に係る調整装置7が、この時系列データを、FFTにより周波数変換して周波数データを算出し、該周波数データに基づき調整対象となる装置の特定、該装置の調整作業などを行う。
ここでまず、時系列データと該時系列データの周波数変換後のデータとの関係について図5(a)、図5(b)〜図7(a)、図7(b)を参照して説明する。ただし、特性値を測定した加工対象物9のサンプル数を1024個とする。
例えば、図5(a)の時系列データに示すように、該時系列データの波形が平均値を中心に正弦波となる場合、すなわち、(1)番目〜(8)番目までの加工対象物9において、(1)番目と(5)番目との加工対象物9の特性値が平均値となり、(2)番目〜(4)番目までの加工対象物9の特性値が平均値以上、(6)番目〜(8)番目までの加工対象物9の特性値が平均値以下となる場合、このような時系列データに対する周波数変換後のデータでは、図5(b)に示すように加工処理を行う装置の数に対応する周波数にのみパワースペクトルが生じる。
この場合、オフセット成分(平均)は、周波数fj=0(周期無限大)に現れ、変動成分のみがfj=(1,2,3,・・・,1023)の各周波数成分に現れる。このため、この例での周波数fjは、時系列データとして収集するサンプル数1024個を装置数8台で割った値である128となる。すなわち、周波数fj=128の位置にパワースペクトルが生じる。
一方、図6(a)に示すように、(1)番目〜(8)番目までの加工対象物9において、(2)番目の装置によって処理された加工対象物9の特性値のみが平均値より大きく上回るような場合についての時系列データは、周期8のインパルス形状となる。このような時系列データに対して周波数変換を行った場合、図6(b)に示すように、装置数8に対応する周波数成分(基本成分)と、その整数倍(折り返し成分)とに同様の大きさとなるパワースペクトルが生じる。なお、上記したように時系列データが正弦波となる場合と比較して標準偏差が小さくなるため、この生じるパワースペクトルの大きさは小さくなる。
また、図7(a)に示すように、(1)番目〜(8)番目までの加工対象物9において、(2)番目および(6)番目の加工対象物9の特性値のみが平均値よりも大きく上回るような場合についての時系列データは、周期4のインパルス形状とみなすことができる。すなわち、このように(2)番目および(6)番目の特性値のみが平均値よりも大きく上回る時系列データの場合、4台の装置によって同一処理され、この装置のうちの1台によって加工処理された加工対象物9の特性値だけが平均値から大きく上回る場合の時系列データと考えることができる。
したがって、装置数4に対応する周波数(基本成分)fj=256と、その整数倍(折り返し成分)とに対応する周波数それぞれに同じ高さのパワースペクトルが生じることとなる。ただし、周期4の周波数の2倍は周期2となるが、周期が2以下となる場合、サンプリング定理より周波数の差を区別することができず、結果として図7(b)では見掛け上のパワースペクトルは、1つだけ現れることになる。
また、図7(a)に示す時系列データと図6(a)に示す時系列データとが同じ振幅であった場合、前者の方が標準偏差が大きくなる。このため、図6(a)に示す時系列データを周波数変換して得られるパワースペクトルの大きさよりも、図7(a)に示す時系列データを周波数変換して得られたパワースペクトルの大きさの方が大きくなる。
なお、(1)番目〜(8)番目までの加工対象物9において、例えば(2)番目と(5)番目との加工対象物9の特性値が平均値よりも大きく上回る場合は、基本成分および/または折り返し成分以外にも小さな周波数パワーが発生する。しかしながら、サンプリングする装置数が変動しない限り、基本成分および/または折り返し成分に周波数パワーが発生しないということはあり得ない。
以上のような時系列データと周波数変換後の周波数データとの関係を利用して、本実施の形態に係る調整装置7において実行される、装置数調整処理、改善予測処理、および装置の調整処理について説明する。
(装置数調整処理)
ここでまず、図8を参照して、「装置数調整処理」について説明する。なお、この「装置数調整処理」とは、異常要因となる装置を特定する前に、第2加工機5、加工台3、測定器6それぞれの生産工程で用いる装置数において、一方が他方の倍数とならないように調整を行うことである。
すなわち、上記したように本実施の形態に係る調整装置7は、測定された特性値それぞれと、特性値を測定した加工対象物9の搬送順番との関係において、この搬送順番を時間軸とみなし、時系列データを作成する。そして、この時系列データを周波数変換して異常要因となる装置を特定するように構成されている。
このような構成の場合、以下の条件が成り立つ場合、異常要因となる装置を正確に特定することができないという問題が生じる。
すなわち、第2加工機5の稼動数、加工台3の稼動数、測定器6の稼動数それぞれにおいて、互いに倍数の関係にある場合、一方の基本成分が他方の折り返し成分と重なり周波数が混同してしまう。このため、調整装置7は、得られた特性値の時系列データを周波数変換した結果から異常要因となる装置を正確に特定することができないといった問題が生じる。
そこで、本実施の形態では、一方の基本成分が他方の折り返し成分と重ならないようにするため、第2加工機5、加工台3、測定器6それぞれの装置の生産工程で用いる稼動台数を調整できるようになっている。
具体的には、まず測定器設定部16、加工機設定部17、およびゲート設定部18それぞれは、各装置における生産工程で用いる台数を確認する(ステップS11;これ以降S11というように称する)。なお、この生産工程で用いる台数とは、例えば、第2加工機5および測定器6では、稼動状態(ON状態)にある台数であり、加工台3では、加工対象物9を設置可能とする台数である。
例えば、加工機設定部17が、第2加工機5a〜5hそれぞれにおける電源がON状態にあるのかあるいはOFF状態にあるのかを確認することにより、第2加工機5の生産工程で用いる稼動台数を確認することができる。また、例えば測定器設定部16が、測定器6a〜6hそれぞれにおける電源がON状態にあるのか、あるいはOFF状態にあるのかを確認することにより、測定器6の生産工程で用いる稼動台数を確認することができる。また、例えば、ゲート設定部18が、どのタイミングでゲート2の開閉を行うかを管理することにより、加工対象物9を収容する加工台3a〜3pの稼動台数を調整することができる。
そして、測定器設定部16、加工機設定部17、およびゲート設定部18それぞれは、確認した生産工程で用いる稼動台数を調整制御部15に通知する。
ここで、入力部2が、装置数調整処理の要求を受信したか否かを判定する(S12)。そして、入力部2が、装置数調整処理の要求を受信している場合(S12において「YES」)、第2加工機5、加工台3、および測定器6それぞれの生産工程で用いる装置数において、整数倍の関係にある装置どうしの組み合わせがあるか否かを判定する(S13)。
すなわち、調整制御部15は、測定器設定部16、加工機設定部17、およびゲート設定部18それぞれから受信した生産工程で用いる台数を示す情報に基づき、整数倍の関係にある装置どうしの組み合わせがあるか否かを判定する。
そして、このステップS13において「YES」の場合、調整制御部15は、生産工程で用いる台数が一番多い装置について、装置数を調整する(S14)。
本実施の形態に係る製造ラインシステム1では、加工台3の台数が16台であり、第2加工機5の台数が8台、測定器6の台数が3台であり、加工台3の台数が第2加工機5の台数の倍数となっている。そこで、調整制御部15は、加工対象物9の加工処理効率を考慮し、加工台3の台数を調整するように決定する。
具体的には、調整制御部15は、加工台3の生産工程で用いる台数を16台から14台へと変更するようにゲート設定部18に指示を出す。なお、ステップS13の判定において「NO」の場合は、そのまま処理を終了する。
このように、加工台3の生産工程で用いる台数を16台から14台に変更させることにより、加工台3が14台、第2加工機5が8台、測定器6が3台となり、各装置の稼動台数において整数倍の関係となる組み合わせが存在しなくなる。すなわち、稼動させる加工台3の装置数と、稼動させる第2加工機5の装置数と、稼動させる測定器6の装置数とにおいて、一方が他方の倍数とならない関係となっている。
したがって、上記時系列データを周波数変換した結果に基づき、異常要因となる装置を特定する場合、本実施の形態に係る調整装置7では、基本成分と折り返し成分とが重なり周波数が混同してしまうことを防ぐことができる。このため、本実施の形態に係る調整装置7は、異常要因となる装置を確度よく特定することができる。
なお、上記したように生産工程で用いる各装置の稼動台数を変更する場合、本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、以下のように各装置が動作する。例えば、稼動する加工台3の台数を変更させる場合は、上記したようにゲート設定部18が、ゲート2の開閉を制御することによって実現できる。より具体的には、例えば、加工台3aを使用できないようにする場合、ゲート設定部18は、ゲート2の開閉によって該加工台3aに加工対象物9を収容しないようにする。
また、稼動させる第2加工機5の台数を変更させる場合は、上記したように加工機設定部17が、稼動を停止させる第2加工機5の電源をOFFしたり、電源OFFとなっている第2加工機5の電源をONしたりすることで実現できる。例えば、第2加工機5aの電源をOFFする場合、加工機設定部17は、第2加工機5aの対面に位置する加工対象物9が、次の移動により第2加工機5hの対面の位置まで移動するように搬送ベルと8に指示を出す。
なお、本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、電源をOFFする第2加工機5として、例えば、第2加工機5aまたは第2加工機5hといった、一方でのみ他の第2加工機5と隣接するものを選択することが好ましい。
つまり、生産工程で用いる第2加工機5の台数を調整するといった観点において、第2加工機5a〜5hのいずれか1台以上の電源をONまたはOFFとすればよい。そこで、例えば、電源がOFFされた第2加工機5の対面に加工対象物9が位置しないように、搬送ベルトにより加工対象物9の搬送速度を調整したり、不図示のゲートを設け、加工対象物9の搬送間隔を調整したりする。このような加工対象物9の搬送に関する調整は、第2加工機5aまたは第2加工機5hの電源をOFFした場合と比べて、第2加工機5b〜5gのいずれか1台の電源をOFFする場合のほうが複雑となる。
このため、加工対象物9の搬送に関する制御の容易さの点で第2加工機5aまたは第2加工機5hの電源をOFFする構成の方が好ましい。
また、稼動させる測定器6の台数を変更させる場合は、上記したように測定器設定部16が、使用不可能とする測定器6の電源をOFFしたり、電源OFFとなっている測定器6の電源をONしたりすることで実現できる。
例えば、測定器6aの電源をOFFする場合、この測定器6aの対面に位置する加工対象物9が次に測定器6cの対面位置まで移動するように、搬送ベルト8が加工対象物9の移動を調整する。なお、測定器6bの電源がOFFされる場合、搬送ベルト8は、搬送する加工対象物9の搬送間隔を調整し、一方の加工対象物9が測定器6aの対面に位置するとき、他方の加工対象物9が測定器6cの対面に位置するようにする。この調整は、例えば、搬送ベルト8上に複数のゲートを設け、一方の加工対象物9が測定器6cの対面に位置するタイミングで他方の加工対象物9が測定器6aの対面に位置するように調整することで実現できる。
ここで上記した第2加工機5または測定器6におけるいずれか1台の稼動を停止させた場合における、加工対象物9の搬送に関する制御方法を、図15を参照してより具体的に説明する。なお、ここでは、測定器6のいずれか1台の稼動を停止させる場合を例に挙げて説明する。
本実施形態では、図15に示すように、搬送ベルト8上に複数のゲート200a〜200eが設けられている。また、加工対象物9の搬送経路上のゲートの投入口側には、センサ201a〜201eがそれぞれ備えられている。なお、ゲート200a〜200dを特に区別して説明する必要がない場合は、単にゲート200と称する。一方、センサ201a〜201eを特に区別して説明する必要がない場合は、単にセンサ201と称する。
なお、上記ゲート200は、自身が開閉することにより加工対象物9の通過を制御するものである。一方、センサ201は、加工対象物9の通過を検知するものであり、例えば赤外線センサなどによって実現できる。
上記ゲート200は、センサ201の検知結果と連動して開閉するようになっており、ゲート200の開閉と、センサ201の検知結果との関係について図16を参照して下記に説明する。
なお、図15において特に図示していないが、センサ201とゲート200と調整装置7とは互いに接続されており、ゲート200の開閉状態およびセンサ201の検知結果を調整装置7が管理できるように構成されている。すなわち、調整装置7は、ゲート200に対する開閉指示を行うように構成されており、該ゲートの開閉状態を管理することができる。また、調整装置7は、測定器6のON、OFFも管理しており、測定器6の稼動台数を把握できるようになっている。
まず、ゲート200の開閉状態が、ゲート200aおよびゲート200dを閉じて、ゲート200bおよびゲート200cを開いた状態であるものとする(S41)。このようなゲート200の開閉状態において、調整装置7は、測定器6cがON状態になっているか否かを判定する(S42)。
ここで、測定器6cがON状態となっている場合、調整装置7は、ゲート200aを開くように指示を出す。この指示によってゲート200aが開かれると(S43)、この時点でゲート200a〜ゲート200cまでが開いた状態となる。次に、調整装置7は、センサ201dから加工対象物9の通過を示す情報を検知するまでは、すなわち、ステップS44においてNOと判定されている間は、ゲート200の開閉状態を現在の状態に保つ。そして、センサ201dから、加工対象物9の通過を示す検知結果を受信すると(S44において「YES」)、調整装置7は、ゲート200aおよびゲート200cを閉じるように各ゲート200に指示を出す。
この調整装置7からの指示に応じて、ゲート200aおよびゲート200cを閉じると(S45)、ゲートの開閉状態は、ゲート200a、ゲート200cおよび、ゲート2000dが閉じられた状態となる。すなわち、ゲート201dとゲート201cとに加工対象物9が挟まれ、この挟まれた加工対象物9のみがON状態となっている測定器6cの対面に位置させることができる。
なお、測定器6cがON状態にない場合(S42において「NO」)、ゲートの開閉状態は、ゲート200aおよびゲート200dに加えてさらにゲート200cを閉じた状態とする。
次に調整装置7は、測定器6bの電源がONとなっているか否かを判定する(S46)。この判定において、測定器6bがONであると判定した場合(S46において「YES」)、調整装置7は、ゲート200aを開けるように指示する。この指示に応じてゲート200aが開かれる(S47)。この時点でのゲート200の開閉状態は、ゲート200cおよびゲート200dが閉じられている状態である。
次に、調整装置7は、センサ201cから加工対象物9の通過を示す情報を検知するまでは、すなわち、ステップS48においてNOと判定されている間は、ゲート200の開閉状態を現在の状態に保つ。そして、センサ201cから、加工対象物9の通過を示す検知結果を受信すると(S48において「YES」)、調整装置7は、ゲート200aおよびゲート200bを閉じるように各ゲート200に指示を出す。
この調整装置7からの指示に応じて、ゲート200aおよびゲート200bを閉じると(S49)、ゲート200の開閉状態は、ゲート200a〜200dすべてが閉じられた状態となる。また、ゲート201bとゲート201cとに加工対象物9が挟まれており、このためこの挟まれた加工対象物9のみがON状態となっている測定器6bの対面に位置させることができる。
なお、測定器6bがON状態にない場合(S46において「NO」)、ゲートの開閉状態は、ゲート200a、ゲート200c、およびゲート200dに加えてさらにゲート200bを閉じた状態とする。
次に調整装置7は、測定器6aの電源がONとなっているか否かを判定する(S50)。この判定において、測定器6aがONであると判定した場合(S50において「YES」)、調整装置7は、ゲート200aを開けるように指示する。この指示に応じてゲート200aが開かれる(S51)。この時点でのゲート200の開閉状態は、ゲート200b〜200dまでが閉じられている状態である。
次に、調整装置7は、センサ201bから加工対象物9の通過を示す情報を検知するまでは、すなわち、ステップS52においてNOと判定されている間は、ゲート200の開閉状態を現在の状態に保つ。そして、センサ201bから、加工対象物9の通過を示す検知結果を受信すると(S52において「YES」)、調整装置7は、ゲート200aを閉じるように指示を出す。
この調整装置7からの指示に応じて、ゲート200aを閉じると(S53)、ゲート200の開閉状態は、ゲート200a〜200dすべてが閉じられた状態となる。また、ゲート201aとゲート201bとに加工対象物9が挟まれており、このためこの挟まれた加工対象物9のみがON状態となっている測定器6aの対面に位置させることができる。
なお、測定器6aがON状態にない場合(S50において「NO」)、ゲートの開閉状態は、ゲート200a〜200dまですべてのゲート200を閉じた状態とする。
そして、このようなゲート200の開閉状態で、かつ加工対象物9の配置状態において、測定器6a〜6cそれぞれによって加工対象物9に対する特性値の測定が行われる。そして、この特性値の測定が完了すると、調整装置7は、ゲート201b〜201dをそれぞれ開けるように指示を出し、ゲート201b〜201dまでが開いた状態となる。この結果、ゲート200aとゲート200b、ゲート200bとゲート200c、および/またはゲート200cとゲート200dそれぞれによって挟まれ、移動が停止させられていた加工対象物9は、再び搬送ベルト8によって移動させられる。そして、センサ201b〜センサ201dそれぞれが非検知状態を所定時間継続するまでの間では(S55において「NO」の間)、現在のゲート200の開閉状態を維持し、非検知状態が所定時間経過すると(S55において「YES」)、ステップS44に戻る。
以上のように各ゲートの開閉を制御することによって、電源ON状態となっている各測定器6a〜6cと対面する位置に加工対象物9を適切に配することができる。
なお、本実施の形態に係る調整装置7は、測定器6の稼動台数を調整する場合、該測定器6の電源をONまたはOFFする構成であったが、上記したようなゲート200の開閉状態の制御によって、特定の測定器6の対面位置に加工対象物9が配されないようにする構成としてもよい。
なお、上記調整装置7では、加工対象物9に対する加工処理効率を考慮し、使用不能な装置として設定できる装置数(最低稼動台数)を、入力部21により入力できるように構成されていることが好ましい。また、上記調整装置7は、この最低稼動台数を予め情報格納部12に記憶している構成であってもよい。
このように調整処理装置7が構成されている場合、「装置数調整処理」において、使用不可とする装置数を制限することができるため、加工対象物9に対する加工処理効率の大幅な低下を防ぐことができる。
(改善予測処理)
次に、図9を参照して、「改善予測処理」について説明する。この改善予測処理とは、異常が生じていると特定された装置を調整することにより、測定された特性値の理想値からのずれがどれだけ改善されるかについての予測を示す処理である。なお、この理想値とは、上限規格値と下限規格値との間における中間値である。
この「改善予測処理」は、測定した特性値を加工対象物9の搬送順にならべて作成したデータを、時系列データとみなし、この時系列データをFFTにより周波数変換して得た周波数データを利用して行われる。このため、上記改善予測処理を実行するためには、上記時系列データ、および該時系列データに基づく周波数変換を行う必要がある。
すなわち、データ収集部11は、測定器6から、測定された特性値を、加工対象物9の搬送順番に従って所定個数取得する。なお、データ収集部11は、所定個数の特性値を取得すると、該特性値の取得を中止するように構成されている。
そして、データ収集部11は、この取得した所定個数分の特性値のデータに基づき、加工対象物9の搬送順番を時間軸とみなした時系列データを作成する(S21)。そして、データ収集部11は、作成した時系列データを周波数変換部13に送信する。
なお、本実施の形態に係る製造ラインシステム100において、上記した「装置数調整処理」により、各装置の生産工程で用いる稼動台数は、加工台3が14台、第2加工機5が8台、測定器6が3台となっているものとする。この前提条件において、加工対象物9のサンプリング数を1024個として得られた時系列データが、例えば図10(a)に示すようになるものとする。そして、この時系列データでは、7つの特性値が規定範囲外、すなわち異常となっている。
この図10(a)に示すような時系列データでは、グラフが全体的に大きな上昇傾向となっている。このため、この時系列データをヒストグラムによって表した場合、図10(b)に示すように、データ分布が矩形形状に近くなる。このため、図10(a)に示すような時系列データを正規分布に近似することができない。したがって、このようなデータに対して平均または標準偏差を利用し規定範囲外となる特性値の数を求めた場合、見かけ上の標準偏差が大きくなるため、真の規定範囲外となる特性値数よりも大きく算出してしまう。
したがって、正確に規定範囲外となる特性値数を求めるためには、図10(a)の時系列データにおいて、規定範囲外となる特性値数を直接カウントすることになる。
周波数変換部13では、データ収集部11から受信したこの時系列データに基づき、FFTにより周波数変換を行い、周波数データを算出する(S22)。
ここで算出された周波数データは、図11に示すようになる。例えば、14台の加工台3のうちいずれか1台に異常が生じている場合、特性値のばらつきを、装置数14、周波数fj=73の位置が基本成分となるパワースペクトルで表すことができる。また、折り返し成分を、周波数fj=146、219の位置のパワースペクトルで表すことができる。
一方、例えば、8台の第2加工機5のうちいずれか1台に異常が生じている場合、特性値のばらつきを、装置数8、周波数fj=128の位置が基本成分となるパワースペクトルで表すことができる。また、折り返し成分を、周波数fj=256、384の位置のパワースペクトルで表すことができる。
また、例えば、3台の測定器6のうちいずれか1台に異常が生じている場合、特性値のばらつきを、測定装置数3、周波数fj=341の位置が基本成分となるパワースペクトルで表すことができる。ただしこの場合、この基本成分に対する折り返し成分は、周波数fj=341の2倍(fj=682)、3倍(fj=1023)となり、周期が2以下となる。このため、サンプリング定理より周波数の差を区別することができず、結果として周波数fj=341の位置にのみパワースペクトルが1つだけ現れることになる。
なお、一般的には測定された特性値に基づく時系列データは、上記した図5(a)のような規則的な正弦波曲線または図6(a)のようなインパルス形状となることはほぼありえない。このため、上記図11に示すように、基本成分のパワースペクトルがピーク値となり、折り返し成分ではパワースペクトルの大きさが徐々に小さくなる波形となりやすい。また、実際には、装置に起因する要因以外によっても、測定される特性値にばらつきが生じるため、各装置に対応する周波数成分以外にもホワイトノイズが発生する。
上記周波数変換部13は、図11に示す周波数データを算出すると周波数マスク部14に送信する。そして、周波数マスク部14は、周波数変換部13から受信した周波数データに基づき、特定の装置に対応する周波数成分を示す周波数データ(マスク成分)と、該データ以外とに分割する(S23)。
すなわち、周波数マスク部14は、調整制御部15から、各装置(測定器6、加工台3、第2加工機5)の識別情報とともに該各装置の生産工程で用いる実働台数を受信する。そして、周波数マスク部14は、この受信した情報に基づき、各装置に対応する基本成分および折り返し成分近傍部分の周波数データ、すなわちマスク成分を除き、上記周波数データの分割を行う。つまり、この周波数マスク部14は、上記した周波数データの分割を、加工台3、第2加工機5、測定器6それぞれに対応する周波数成分について行っている。
なお、周波数データの分割を行う場合、測定器6により測定された特性値には、測定誤差が含まれるため、装置数に応じた周波数とその定数倍の周波数の周波数データだけではなく、その近傍の周波数データも一緒にマスク成分として分離させるようにする。
ここで入力部21を介して、改善後における特性値のずれ状態の予測の表示指示を受信すると(S24において「YES」)、周波数マスク部14は、分割したマスク成分以外の周波数データを逆変換部19に送信する。
すなわち、入力部21は、上記改善後の状態予測の表示指示を受け付けると、この指示を調整制御部15に通知する。調整制御部15は、この通知を入力部21から受信すると周波数マスク部14に対して、各装置に対応する周波数のパワースペクトルの積分値を送信するように要求する。
一方、周波数マスク部14は、調整制御部15からの要求に応じて、各装置に対応する周波数のパワースペクトルの積分値を調整制御部15に送信する。そして、調整制御部15は、各装置のパワースペクトルの積分値から標準偏差を求め、もっとも標準偏差が大きい装置を調整対象と特定する。そして、調整対象として特定した装置を示す情報を周波数マスク部14に送信する。
本実施例では、図11に示すように第2加工機5に対応する周波数に現れるパワースペクトルが他の装置に対応する周波数に現れるパワースペクトルよりも大きいため、調整制御部15は、調整対象を第2加工機5であると特定する。そして、調整制御部15は、この第2加工機5を示す情報を周波数マスク部14に送信する。
調整制御部15から調整対象の装置を示す情報を受信すると、周波数マスク部14は、この調整対象の装置に対応するマスク成分を除いた周波数データ、すなわち、第2加工機5に対応するマスク成分を「0」とした周波数データを逆変換部19に送信する。
一方、逆変換部19は、周波数マスク部14から受信した周波数データを逆変換し、図12(a)に示すようなマスク成分以外の周波数データに基づく時系列データを作成する(S25)。そして、この逆変換部19は作成した例えば図12(a)に示すような時系列データを表示制御部20に送信し、該表示制御部20がこの時系列データを表示する。
なお、この図12(a)に示す時系列データでは、図10(a)に示す時系列データと比較して、規定範囲外となる特性値の数が減少していることがわかる。ただし、この図12(a)に示す時系列データでは、低周波成分の上昇傾向の影響のために、さらに上昇するグラフとなっている。
このため、図12(a)に示す時系列データをヒストグラムで表した場合、図12(b)に示すような形状となり、図10(a)の時系列データをヒストグラムで表した図10(b)の場合よりもいっそう矩形形状に近づいてしまう。また、図10(a)に示す時系列データに基づき求めた特性値のばらつきにおいて、規定範囲外となる特性値の数は、図12(a)に示す時系列データに基づき求めた規定範囲外となる特性値の数とあまり差異がみられなくなってしまう。
そこで、正確な改善予測を行うためには、表示制御部20が、情報格納部12に記憶されている規定範囲情報31を参照して、図10(a)の時系列データから規定範囲外となる特性値の数を算出し出力する。したがって、本実施の形態に係る調整装置7は、装置の調整前における、異常となる特性値数を正確に把握することができる。
また、表示制御部20は、規定範囲情報31を参照して、非マスク成分を逆FFTした、図12(a)に示す時系列データから、規定範囲外となる特性値の数を算出し出力する。このため、本実施の形態に係る調整装置は、装置調整後において予測される、異常となる特性値数を把握することができ、装置調整前後における異常となる特性値数の変化を調べることができる。
このように本実施の形態にかかる調整装置7では、表示制御部20においてマスク成分以外(非マスク成分)の周波数データに基づく時系列データを表示することができる。また、調整装置7は、非マスク成分の周波数データに基づく時系列データと、規定範囲情報31とに基づき、異常要因と特定された装置を調整した場合における、規定範囲外となる特性値数を求め表示させることができる。
このため、ユーザは、異常要因と特定された装置を調整することにより、規定範囲外となる特性値がどの程度減少するかを把握することができる。すなわち、図12に示す例では、異常要因となっている第2加工機5を調整したと仮定した場合、規定範囲外となる特性値の数は、当初の7つから3つに低減されることがわかる。したがって、ユーザは、第2加工機5の調整を行うことで、より精度の高い加工対象物9の加工処理を行うことができることがわかる。
このように、本実施の形態に係る調整装置7では、異常要因として特定された装置の調整を行う前に、該装置を調整することで、規定範囲外となる特性値数がどれだけ低減するかを知ることができる。このため、加工対象物9の生産性を考慮して異常要因として特定された装置の調整を行うか、否かをユーザは容易に判断することができる。また、ユーザは、装置を調整しても測定される特性値に大きな改善がみられないと判断される場合では、調整を行わないことを決定することもできる。
また、上記調整装置7では、調整対象と特定された装置に対応するマスク成分を除いた非マスク成分の周波数データを逆変換して生成した時系列データを表示させる構成であった。あるいは、上記調整装置7では、上記非マスク成分の周波数データを逆変換して生成した時系列データの値と規定範囲情報31とに基づき、規定範囲外となる該時系列データの値の数を表示させる構成であった。
しかしながら、上記調整装置7は、規定範囲外となる上記時系列データの値の数を表示させる代わりに、非マスク成分の周波数データを逆変換した時系列データの値に基づく標準偏差を表示させる構成であってもよい。
このように標準偏差を表示させる構成の場合、調整装置7では、異常要因と特定された調整装置7を調整したと仮定した場合における特性値のばらつきを示すことができる。
また、上記調整装置7では、調整対象と特定された装置に対応するマスク成分を除いた非マスク成分の周波数データを逆変換して生成した時系列データを表示させる構成であったが、逆に上記マスク成分の周波数データのみを逆変換して例えば図13のような時系列データを生成し、表示する構成であってもよい。
なお、この図13では横軸を時間軸とし、縦軸を修正特性値としている。なお、この修正特性値とは、規定範囲における理想値からの特性値のずれを示しており、この図13は、調整対象として特定された装置の稼動数に応じた周波数近傍の成分のみを時系列データに逆変換している。
このように、調整装置7が、調整対象として特定した装置に対応するマスク成分の時系列データを表示させる場合、ユーザは、調整対象の装置の異常に起因する、特性値のずれを視覚的に把握することができる。すなわち、図13に示される場合では、8個に1つ特性値の値に大きなすれが生じ、また、4個に1つの割合でもずれが生じている。このことから少なくとも8台の第2加工機5のうち1台に異常が生じていることが分かる。また、4個に1つの割合でも変動が生じていることから、結果的に8台の第2加工機5のうち、2台に異常が生じている可能性も十分考えられる。
以上のように、マスク成分の周波数データのみを逆変換して生成したデータを出力することにより、製造ラインシステム100の管理者は、異常が生じている装置を特定することができる。すなわち、本実施の形態に係る製造ラインシステム100は、各装置のずれの様子を高精度に示すことができる。このため、上記製造ラインシステム100では、管理者が、特性値に生じるずれ原因を視覚的に示すことができる。
また、調整装置7は、調整制御部15によって調整対象として特定された装置のみならず他の装置各々に対応するマスク成分の時系列データそれぞれもあわせて表示させる構成であってもよい。
このように、各装置のマスク成分に基づく時系列データそれぞれを表示させる場合、ユーザは、特性値のばらつき要因となっている装置を容易に特定することができる。そして、ユーザは、特定した調整対象の装置を調整装置7に通知する必要がある場合は、入力部21を介して入力する。なお、このように、ユーザによって調整対象となる装置を特定する構成の場合、調整制御部15による調整対象の特定処理を省くことができる。このため、この場合は調整制御部15の構成をより簡単なものとすることができる。
(装置の調整処理)
次に、本実施の形態に係る調整装置7が異常要因と特定した装置の調整処理について図14を参照して説明する。
なお、時系列データを取得し、該時系列データから周波数データを算出し、該周波数でデータをマスク成分とそれ以外とに分割するまでの処理(図14においてステップS31〜ステップS33)は、図9のステップS21〜ステップS23と同様であるため、説明は省略する。
ステップS34において入力部21が、装置を調整する旨の指示を受信した場合(S34において「YES」)、調整制御部15は、測定器設定部16、加工機設定部17、またはゲート設定部18に対して、調整対象と特定された装置の調整を行うように指示する。そして、この調整制御部15からの指示に応じて、測定器設定部16、加工機設定部17、またはゲート設定部18は、装置の調整を行う(S35)。
すなわち、入力部21は、装置の調整処理の実行指示を受信すると、この指示を調整制御部15に通知する。調整制御部15は、この通知を受信すると周波数マスク部14に対して、各装置に対応する周波数のパワースペクトルの積分値を送信するように要求する。
一方、周波数マスク部14は、調整制御部15からの要求に応じて、各装置に対応する周波数のパワースペクトルの積分値を調整制御部15に送信する。そして、調整制御部15は、各装置のパワースペクトルの積分値から標準偏差を求め、もっとも標準偏差が大きい装置を調整対象と特定する。
ここで、調整制御部15は、例えば調整対象を第2加工機5であると特定したとする。この場合、調整制御部15は、第2加工機5a〜5hのうちから任意の1台の稼動をOFFするように加工機設定部17に指示する。
また、調整制御部15は、OFFされた第2加工機5と対向する位置に加工対象物9が配置されないように、搬送ベルト8を制御する。なお、この搬送ベルト8の制御とは、例えば、該搬送ベルト8による加工対象物9の搬送速度を変更させたり、ターンテーブル4と第2加工機までの間に図16に示すような複数のゲートを設け、このゲートの開閉を制御したりすることである。すなわち、上記したように、ターンテーブル4から第2加工機までの間に複数のゲートと該各ゲート間にセンサとを設け、このセンサの検知結果を利用してゲートの開閉を制御する。
以上のように第2加工機5a〜5hのいずれか1台をOFFに設定して、第2加工機5の稼動台数を変更すると、加工機設定部17は、情報格納部12に記憶している遅延時間30を参照して、加工機設定部17による設定変更完了時間からこの遅延時間30の分だけ遅らせてデータ収集部11に起動信号を送信する(S36)。
データ収集部11は、加工機設定部17から起動信号を受信すると、ステップS31に戻って、再度測定器6によって測定された特性値を所定個数取得し、時系列データを作成する。そして、ステップS31〜ステップS33までの処理を繰り返す。そして、2回目以降のステップS34における装置の調整を行うか否かの判定は、調整制御部15が以下のようにして行う。
すなわち、装置の調整後に得られた特性値に基づき作成した時系列データから周波数変換して得られた周波数データのうち、調整対象として特定された第2加工機5に対応するパワースペクトルの積分値を、調整制御部15が周波数マスク部14から受信する。そして、調整制御部15は受信したパワースペクトルの積分値に基づき、調整対象として特定されている第2加工機5の標準偏差を求める。そして、調整制御部15は、求めた標準偏差の大きさが所定値以下に収まるか否か判断する。なお、この所定値は、入力部21を介してユーザから与えられたものであってもよいし、情報格納部12に予め記憶されている構成であってもよい。
そして、調整制御部15は、標準偏差の大きさが所定値以上であると判定した場合は、装置の調整が必要であるとして、ステップS35に進む。そして、先ほどOFFした第2加工機5をONに変更し、この第2加工機5とは別の第2加工機5をOFFするように加工機設定部17に指示する。そして、この調整制御部15からの指示に応じて、加工機設定部17は、先ほどOFFした第2加工機5をONに設定するとともに、この第2加工機5とは別の第2加工機5をOFFする。
また、このとき調整制御部15は、電源がOFFとなっている第2加工機5の対面位置に、搬送された加工対象物9が配置されないように、搬送ベルト8を制御する。
そして、ステップS36に進み、再度、加工機設定部17は、情報格納部12に記憶している遅延時間30を参照して、加工機設定部17による設定変更完了時間からこの遅延時間30の期間だけ遅らせてデータ収集部11に起動信号を送信する。そして、またステップS31からの処理を、ステップS34において、調整制御部15が、標準偏差の大きさが規定値以下に収まると判定するまで繰り返す。
なお、上記では、調整対象が第2加工機5である場合について説明したが、調整対象が加工台3または測定器6の場合であっても同様に処理する。また、調整対象が加工台3の場合、加工台3の使用状態の変更は、上記した装置数調整処理と同様に、ゲート設定部18からの指示に応じて、ゲート2の開閉を制御することで実現できる。
すなわち、上記任意の加工台3を特定するため、上記製造ラインシステム100では、例えば各加工台3a〜3pに識別タグ番号(ID番号)を付したり、あるいはロータリーエンコーダを用いてターンテーブル4の回転の偏移量を管理したりする。
そして、調整装置7が各加工台3a〜3pに割り当てられたID番号によって加工台3の位置を監視しながら、ゲート2の開閉と、ターンテーブル4の回転とを連動させる。例えば、ID番号(1)が割り当てられている加工台3aに加工対象物9が収容されないようにするためには、搬送ベルト8によって搬送されてきた加工対象物9が、上記加工台3aに収容されるタイミング時に、ゲート2が閉じるように制御する。このように、ターンテーブル4とゲート2とを制御することにより、稼動させない加工台3に加工対象物9を収容しないように制御することができる。
なお、このように、加工台3への加工対象物9の収容を制限することによって、特性値のばらつきを低減させるように調整することができる。なお、このようにして加工台3の稼動数を変更させる場合、ゲート2の開閉とターンテーブル4の回転とを制御するだけで実現できる。したがって、上記製造ラインシステム100は、特性値のばらつきを低減させるように容易に調整することができる。
また、調整対象が測定器6の場合、測定器6の使用状態の変更は、上記した装置数調整処理と同様に、測定器設定部16からの電源のON/OFF指示と、ゲート200およびセンサ201の検知に応じて、ゲート200の開閉を制御することで実現できる。
なお、調整装置7は、調整対象が測定器6の場合、測定器6の電源をON/OFFすることにより、規定範囲内に収まるように、特性値のばらつきを低減させる構成であった。しかしながら、ゲート200の開閉タイミングを制御し、例えば、特定の測定器6の測定位置に加工対象物9が配されないようにするなど、加工対象物9の測定位置を変更させることで、特性値のばらつきを低減させるように調整する構成であってもよい。
以上のように、本実施の形態に係る調整装置7は、第2加工機5および測定装置6の電源のONまたはOFF、ならびにゲート2の開閉の制御によって、調整対象となる装置において異常が生じている装置を使用しないように制御する。そして、上記調整装置7は、このように異常が生じている装置を制御することにより、加工処理される加工対象物9の特性値に生じるばらつきを低減させることができる。
すなわち、本実施の形態に係る調整装置7は、規定範囲から大きくはずれた特性値が生じる要因装置を特定し、該装置の稼動状態を変更させることで、特性値の規定範囲値からのばらつきを低減させることができる。このため、上記調整装置7は、加工処理後の加工対象物9の品質を向上させることができる。
また、上記したように、上記調整装置7は、第2加工機5、加工台3、測定器6ごとに応じて特別な調整手段を設けたり、微調整を繰り返し調整したりする構成ではなく、装置の電源のONまたはOFFなど簡単な制御により上記特性値のばらつきを低減させることができる。このため、上記調整装置7は、装置にかかるコストを低減させることができる。
また、本実施の形態に係る調整装置7は、上記した装置の調整処理を、上記改善予測処理と組み合わせて行う構成であってもよい。このように装置の調整処理と上記改善予測処理とを組み合わせて行う場合、ステップS26の後に、ステップS34が実行される。そして、図14に示すステップS36の処理が実行されると、図9に示すステップS21に戻る。
また、ステップS34において、調整対象として特定された装置の異常に起因する特性値のばらつき(特性値の標準偏差の大きさ)が所定値以下であると調整制御部15が判定するまで、装置の調整処理が続行されるように構成されていた。
しかしながら、この装置の調整処理の終了条件として、例えば、調整対象として特定された装置に対応する周波数のパワースペクトルの最大値を利用する構成であってもよい。なお、この調整処理の必要性の有無をパワースペクトルの最大値を利用して判断する構成の方が、下記の理由で有利となる。すなわち、例えば、装置の調整中に調整対象となっている装置以外の、他の特性値のばらつき要因が生じた場合であっても、パワースペクトルの最大値を利用して判断する構成では、この他の特性値のばらつき要因に影響をうけることがないからである。
また、本実施の形態に係る調整装置7では、上記したように、「改善予測処理」、および「装置の調整処理」において、調整制御部15が、各装置に対応する周波数のパワースペクトルの積分値から標準偏差を求め、もっとも標準偏差が大きい装置を調整対象と特定する構成であった。
しかしながら、調整対象を特定する方法はこれに限定されるものではなく、例えば以下のようにして行われる構成であってもよい。
データ収集部11が作成した特性値の時系列データを受信し、調整制御部15が、この受信した時系列データに基づき標準偏差を求める。このようにして求めた標準偏差のばらつきに基づき、調整制御部15が異常要因となる装置を特定する構成であってもよい。
このように異常要因となる装置を特定する構成の場合、次の条件により装置の調整処理を終了する。すなわち、異常要因として特定された装置において、稼動させる装置を変更していき、データ収集部11から受信した時系列データに基づく標準偏差が所定位置以下になった場合、調整制御部15は装置の調整処理を終了する。このような構成では、データ収集部11によって作成された時系列データに対してFFTを行う必要がなくなるため、調整装置7における演算量を低減させることができる。
あるいは、各装置の稼動台数に応じた周波数のマスク成分それぞれを逆FFTした時系列データを逆変換部19から受信し、調整制御部15が異常要因となる装置を特定する構成であってもよい。
このように、逆FFTした時系列データに基づき、異常要因となる装置を特定する構成の場合、次の条件により装置の調整処理を終了する。すなわち、この逆FFTした時系列データにおける特性値のずれの大きさが所定値以下となった場合、もしくは所定値以上となる特性値の個数が所定個以下となる場合に、装置の調整処理を終了する。
なお、本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、上記した「装置数調整処理」、および「装置の調整処理」において、調整装置7が生産工程で用いる装置数を変更する構成であった。そこで、この変更後の装置の使用状態を示す情報を表示制御部20によって表示する構成であることが好ましい。このように装置の使用状態を示す情報を表示させる場合、調整制御部15が、各装置の使用状態を示す情報をゲート設定部18、加工機設定部17、および測定器設定部16から取得し、この取得した情報を表示制御部20に送信する。表示制御部20は、この受信した情報に基づき、表示制御を行う。
このように、装置の使用状態を示す情報を表示させることにより、ユーザは、電源がONまたはOFFになっている装置はどれであるか、どの装置が使用されていないなど特に保全作業において有益な情報を得ることができる。
また、各装置にLED(light emitting diode)などを利用した発光部(不図示)が備えられており、使用状態にある装置はこの発光部が点灯するように構成されていてもよい。このように使用状態を視覚的に示すことができるため、本実施の形態に係る製造ラインシステム100が備える各装置の保全管理を効率的に行うことができる。
また、本実施の形態に係る製造ラインシステム100では、上記ターンテーブル4を、加工台3または第2加工機5などの装置の設置場所を集約することを目的として備えていた。しかしながら、上記ターンテーブル4は、製造ラインシステム100における加工対象物9の搬送方向を変更させるために利用するものであってもよい。なおこの場合、製造ラインシステム100では、ターンテーブル4以降の搬送経路がさらに設けられる構成となる。
また、本実施の形態に係る調整装置7制御方法は以下のステップを含むものであるといえる。すなわち、本実施の形態に係る調整装置7制御方法は、加工対象物(生産対象物)に対して加工処理工程(生産工程)を実施する第2加工機5a〜5h、および加工台3a〜3p(生産処理装置)と、該第2加工機5a〜5h、および加工台3a〜3pによって加工処理(生産処理)された加工対象物の品質を示す特性値を測定する測定器6とを備えた製造ラインシステム(生産システム)に備えられた調整装置7の制御方法である。
そして、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法は、上記測定器6から特性値を受け取るステップと、受け取った特性値それぞれに対応する加工対象物の搬送順番を時間軸とし、該時間軸に応じた特性値の変化を示す時系列データを周波数変換して周波数データを算出するステップと、算出された周波数データに基づき、調整対象を特定するステップと、各加工処理工程に対応する第2加工機5a〜5h、および加工台3a〜3pのうち、稼動させる上記第2加工機5a〜5h、および加工台3a〜3pを設定するステップとを含む。
そして、上記調整装置7の制御方法は、上記稼動させる第2加工機5a〜5h、および加工台3a〜3pを設定するステップにおいて、稼動させる第2加工機5a〜5hの台数、および、稼動させる加工台3a〜3pの台数をそれぞれm、n(m<n)とすると、nがmの倍数となっている場合に、nおよび/またはmの数を変更するように制御することを特徴とする。
以上のように、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法では、稼動させる第2加工機5a〜5h、および加工台3a〜3pを設定するステップにおいて稼動させる第2加工機5a〜5hの台数をnとし、稼動させる加工台3a〜3pの台数をmとすると、nがmの倍数となっている場合に、nおよび/またはmの数を変更するように制御することができる。すなわち、稼動させる第2加工機5a〜5h、および加工台3a〜3pの台数において、一方が他方の倍数とならないように調整し変更させることができる。
したがって、上記時系列データを高速フーリエ変換(FFT)などによって変換して得た上記周波数データを用いて特性値の変化の周期性を解析する場合、該周波数データにおける周波数成分が重なり、調整対象の特定ができなくなるといった問題を防ぐことができる。よって、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法は、確度よく調整対象を特定することができる。
また、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法は以下のステップを含むものであるといえる。
すなわち、加工対象物(生産対象物)に対して加工処理工程(生産工程)を実施する第2加工機5a〜5h、あるいは加工台3a〜3pと、この第2加工機5a〜5h、あるいは加工台3a〜3pによって加工処理された加工対象物の品質を示す特性値を測定する測定器6a〜6cとを有する製造ラインシステム100に備えられた調整装置7の制御方法である。
そして、調整装置7の制御方法は、上記測定器6a〜6cから特性値を受け取るステップと、受け取った特性値それぞれに対応する加工対象物の搬送順番を時間軸とし、該時間軸に応じた特性値の変化を示す時系列データを周波数変換して周波数データを算出するステップと、算出された周波数データに基づき、調整対象を特定するステップと、上記第2加工機5a〜5h、あるいは加工台3a〜3p(生産処理装置)のうち、稼動させる第2加工機5、あるいは加工台3を設定するステップと、上記測定器6a〜6cのうち、稼動させる上記測定器6を設定するステップとを含む。
そして、上記調整装置7の制御方法は、第2加工機5、あるいは加工台3を設定するステップおよび/または上記測定器6を設定するステップにおいて、稼動させる第2加工機5、あるいは加工台3の台数、および、稼動させる測定器6の台数をそれぞれm、n(m<n)とすると、nがmの倍数となっている場合に、nおよび/またはmの数を変更するように制御することを特徴とする。
以上のように、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法では、第2加工機5、あるいは加工台3を設定するステップおよび/または上記測定器6を設定するステップにおいて、例えば稼動させる第2加工機5、あるいは加工台3の台数nが、稼動させる測定器6の台数mの倍数となっている場合、nおよび/またはmの数を変更するように制御することができる。また、逆に、例えば稼動させる測定器6の台数mが、稼動させる第2加工機5、あるいは加工台3の台数nの倍数となっている場合、nおよび/またはmの数を変更するように制御することもできる。
すなわち、稼動させる第2加工機5、あるいは加工台3の台数と、稼動させる測定器の台数とにおいて、一方が他方の倍数とならないように調整し変更させることができる。
したがって、上記時系列データを高速フーリエ変換(FFT)などによって変換して得た上記周波数データを用いて特性値の変化の周期性を解析する場合、該周波数データにおける周波数成分が重なり、調整対象の特定ができなくなるといった問題を防ぐことができる。よって、本実施の形態に係る調整装置の制御方法は、確度よく調整対象を特定することができる。
また、本実施の形態に係る調整装置7制御方法は以下のステップを含むものであるといえる。すなわち、本実施の形態に係る調整装置7制御方法は、加工対象物(生産対象物)に対して加工処理工程(生産工程)を実施する第2加工機5a〜5h、および加工台3a〜3p(生産処理装置)と、該第2加工機5a〜5h、および加工台3a〜3pによって加工処理(生産処理)された加工対象物の品質を示す特性値を測定する測定器6とを備えた製造ラインシステム(生産システム)に備えられた調整装置7の制御方法である。
そして、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法は、上記測定器6から特性値を受け取るステップと、受け取った特性値それぞれに対応する加工対象物の搬送順番を時間軸とし、該時間軸に応じた特性値の変化を示す時系列データを周波数変換して周波数データを算出するステップと、算出された周波数データに基づき、稼動させる上記第2加工機5、および加工台3それぞれの台数に応じた周波数のパワースペクトルを抽出するステップと、上記抽出手段によって抽出された稼動させる第2加工機5、および加工台3それぞれの台数に応じた周波数のパワースペクトルに基づき、調整対象を特定するステップと、各加工処理工程に対応する第2加工機5、および加工台3のうち、稼動させる上記第2加工機5、および加工台3を設定するステップとを含む。
そして、上記調整装置7の制御方法は、第2加工機5、あるいは加工台3(生産処理装置)を設定するステップにおいて、調整対象として特定された第2加工機5(第1生産処理装置)、または加工台3(第2生産処理装置)に対応する周波数パワースペクトルの積分値が所定値以下となるまで、該第2加工機5a〜5hのうちいずれか1台、または加工台3a〜3pのうちいずれか1台の稼動を順次停止させるように制御することを特徴とする。
以上のように、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法では、調整対象として特定された第2加工機5a〜5h(第1生産処理装置)または加工台3a〜3p(第2生産処理装置)に対応する周波数パワースペクトルの積分値が所定値以下となるまで、第2加工機5a〜5hのうちいずれか1台、または加工台3a〜3pのうちいずれか1台の稼動を順次停止させることができる。
すなわち、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法では、調整対象として特定された第2加工機5a〜5hまたは加工台3a〜3pにおいて、異常が生じている第2加工機5または加工台3を確度よく特定して稼動を停止させることができる。
このため、上記調整装置7の制御方法では、微調整を繰り返したり、特別な調整手段を設けたりすることなく、上記特性値の規定値に対するばらつきを低減するように調整することができる。
また、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法は、以下のステップを含むものとすることができる。すなわち、加工対象物に対して加工処理工程を実施する第2加工機5a〜5hまたは加工台3a〜3pと、該第2加工機5a〜5hまたは加工台3a〜3によって加工処理された加工対象物の品質を示す特性値を測定する測定器6a〜6cとを備えられた製造ラインシステム100に備えられた調整装置7の制御方法である。
上記調整装置7の制御方法は、上記測定器6から特性値を受け取るステップと、受け取った特性値それぞれに対応する加工対象物の搬送順番を時間軸とし、該時間軸に応じた特性値の変化を示す時系列データを周波数変換して周波数データを算出するステップと、算出された周波数データに基づき、稼動させる上記第2加工機5または加工台3、および測定器6それぞれの台数に応じた周波数のパワースペクトルを抽出するステップと、上記抽出手段によって抽出された稼動させる第2加工機5または加工台3、および測定器6それぞれの台数に応じた周波数のパワースペクトルに基づき、調整対象を特定するステップと、上記第2加工機5または加工台3のうち、稼動させる上記第2加工機5または加工台3を設定するステップと、上記測定器6のうち、稼動させる上記測定器6を設定するステップとを含む。
そして、調整装置7の制御方法は、上記第2加工機5または加工台3を設定するステップおよび/または測定器6を設定するステップにおいて、調整対象として特定された第2加工機5または加工台3、あるいは測定器6に対応する周波数パワースペクトルの積分値が所定値以下となるまで、該第2加工機5a〜5hまたは加工台3a〜3pうちいずれか1台、または該測定器6a〜6cのうちいずれか1台の稼動を順次停止するように制御することを特徴とする。
以上のように、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法は、調整対象として特定された第2加工機5または加工台3、あるいは測定器6に対応する周波数パワースペクトルの積分値が所定値以下となるまで、第2加工機5a〜5hまたは加工台3a〜3pのうちいずれか1台、または測定器6a〜6cのうちいずれか1台の稼動を順次停止させることができる。
すなわち、本実施の形態に係る調整装置7の制御方法では、調整対象として特定された第2加工機5または加工台3、あるいは測定器6において、異常が生じている装置を確度よく特定して稼動を停止させることができる。
このため、上記調整装置7の制御方法は、微調整を繰り返したり、特別な調整手段を設けたりすることなく、上記特性値の規定値に対するばらつきを低減するように調整することができる。
また、本実施の形態に係る調整装置7は、下記の特徴的構成を有するものと言える。
また、最後に、上記調整装置7の各ブロック、特に周波数変換部13、周波数マスク部14、調整制御部15、測定器設定部16、加工機設定部17、ゲート設定部18、逆変換部19、入力部21、および表示制御部20は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、調整装置7は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである調整装置7の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記調整装置7に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、調整装置7を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
3a・3b・3c・3d・3e・3f・3g・3h・3i・3j・3k・3l・3m・3n・3o・3p 加工台(生産処理装置,第1生産処理装置,第2生産処理装置)
5a・5b・5c・5d・5e・5f・5g・5h 第2加工機(生産処理装置,第1生産処理装置,第2生産処理装置)
6a・6b・6c 測定器(生産処理装置,第1生産処理装置,第2生産処理装置)
7 調整装置
9 加工対象物(生産対象物)
11 データ収集部
12 情報格納部(記憶装置)
13 周波数変換部(変換算出手段)
14 周波数マスク部(抽出手段,マスク手段)
15 調整制御部(特定手段,台数制御手段)
16 測定器設定部(設定手段)
17 加工機設定部(設定手段)
18 ゲート設定部(設定手段)
19 逆変換部(逆変換手段)
20 表示制御部(情報出力手段,第1データ出力手段,第2データ出力手段)
31 規定範囲情報(範囲情報)
40a・40b・40c・40d・40e・40f・40g・40h・40i・40j・40k・40l・40m・40n・40o・40p 発光部(情報出力手段)
100 製造ラインシステム(生産システム)