JP2003257479A - 非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池 - Google Patents
非水電解液およびそれを用いたリチウム二次電池Info
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Abstract
に優れ、リチウム二次電池用として好適な非水電解液の
提供。 【解決手段】フッ素原子置換芳香族化合物、炭素と水素
のみからなる芳香族炭化水素化合物、非水溶媒およびリ
チウム含有電解質からなる非水電解液。フッ素原子置換
芳香族化合物は電解液中0.1〜20重量%、芳香族炭
化水素化合物は0.1〜3重量%含有される。フッ素原
子置換芳香族化合物がフッ素原子置換ナフタレン類、フ
ルオレン類又はビフェニル類である電解液、また芳香族
炭化水素化合物がアルキル基又はシクロヘキシル基置換
ベンゼン類やビフェニル類である電解液は好ましい態様
である。電解液は更にビニレンカ−ボネ−ト類、アルケ
ニルエチレンカ−ボネ−ト類、不飽和炭化水素基含有ス
ルトン類、アリール基含有スルホン酸エステル、飽和炭
化水素基含有スルトン類、スルホン酸イミドの添加で高
温保存特性を向上できる。
Description
有し、かつ高温保存特性に優れた非水電解液、およびそ
れを用いた過充電時の安全性に優れたリチウム二次電池
に関する。
圧でかつ高エネルギ−密度を有しており、また貯蔵性な
どの信頼性も高いので、民生用電子機器の電源として広
く用いられている。
れており、その代表例はリチウムイオン二次電池であ
る。この電池は、リチウムを吸蔵、放出が可能な活物質
を含む負極と、リチウムと遷移金属との複合酸化物を含
む正極と、電解液などから構成されている。電解液に
は、プロピレンカ−ボネ−トやエチレンカ−ボネ−トな
どの高誘電率カ−ボネ−ト溶媒と、ジエチルカ−ボネ−
ト、メチルエチルカ−ボネ−トやジメチルカ−ボネ−ト
などの低粘度カ−ボネ−ト溶媒との混合溶媒に、LiB
F4、LiPF6などのリチウム電解質を混合した溶液
が用いられている。
定性は、電池の充電状態に関連していることが報告され
ている。電池を規定電圧値以上に充電すると、すなわち
過充電すると、負極上に金属リチウムが析出したり、あ
るいは正極の酸化度が高まって、電解液との化学反応が
起こりやすくなり、電池の熱安定性が低下する。熱安定
性が低下した電池を高温条件下におくと、自己発熱反応
によって熱暴走が起こることが考えられるので、電池を
過充電させないことが重要である。
2000−58116号、特開2001−15155号
公報などでは、ビフェニル類やアルキルベンゼン類を添
加した電解液の使用を提案している。また、特開平11
−162512号公報には2個の芳香族基で置換された
アルキル化合物やフッ素原子置換芳香族化合物類など
が、高温特性が改良された過充電防止剤として提案され
ている。
族基で置換されたアルキル化合物やフッ素原子置換芳香
族化合物類は、リチウム電池に使用される一般的な溶媒
に比べて酸化電位が低いため、これらを添加した電解液
は、電気分解され易くなる。このため、電池が過充電さ
れる代わりに、電解液が電気分解されるため、過充電を
防止する効果がある。以降、このような機能を有する化
合物を過充電防止剤と呼ぶ。
ために、通常の使用状態で高温の条件でも、少量ながら
も電気分解が起り、高温保存特性が低下することがあ
る。すなわち、過充電防止剤を添加した電解液におい
て、過充電防止作用と高温保存特性はトレードオフの関
係にある。
したビフェニル類やアルキルベンゼン類は、室温におけ
る電池特性に及ぼす影響は小さいが、4.2Vの電圧で
85℃以上の高温にすると、電池特性が大幅に低下する
実験結果が得られている。また、例えば、本発明者らの
検討によると、フッ素原子置換芳香族化合物類は、ビフ
ェニルに比較して、高温保存特性が若干改善されたもの
の、過充電の防止作用が低くなる実験結果が得られてい
る。これは、フッ素原子置換芳香族化合物類が、ビフェ
ニル類やアルキルベンゼン類よりも酸化電位が若干高い
ため、高温条件下での電気分解は起り難くなったもの
の、電池を過充電状態にしたときにも電気分解が起り難
くなり、過充電の防止作用が低くなったものと思われ
る。
は、フッ素原子置換芳香族化合物類の添加量は、2.5
重量%で十分であると記されている。しかし、本発明者
らの検討によると、前述のように、フッ素原子置換芳香
族化合物類は、ビフェニルに比較して、過充電の防止作
用が若干低いため、フッ素原子置換芳香族化合物類のみ
で過充電時の電池の安全性を高めるためには、添加量を
3重量%以上にすることが必要であり、その場合には、
フッ素原子置換芳香族化合類を使用したとしても、高温
下での電池特性の劣化が大きくなる。
として、ビニレンカーボネート類(特許3066126
号)やアルケニルエチレンカーボネート類(特開200
1−57232号公報)やスルトン類(特開平10−5
0342号公報)、芳香族スルホン酸エステル類(特開
2002−158035号公報)を電解液に添加するこ
とが報告されている。これらの方法を、さらに過充電防
止剤を添加した電解液に適用することにより、過充電防
止剤の高温保存特性を改良することが考えられる。とこ
ろが、本発明者の検討によると、過充電防止剤としてビ
フェニルを使用した電池に、これらの添加剤を使用して
も、高温保存特性の改善作用がほとんどなかった。
充電防止特性に優れ、高温保存特性に優れた非水電解
液、およびリチウム二次電池はまだ得られていない。そ
こで本発明は、過充電防止効果が高く、かつ高温保存特
性に優れた非水電解液の提供を目的にする。また本発明
は、そのような非水電解液を含み、過充電時の安全性を
高めた二次電池の提供を目的にする。
素原子置換芳香族化合物、炭素原子と水素原子のみから
なる芳香族炭化水素化合物、その他の非水溶媒およびリ
チウム含有電解質とからなる電解液であって、フッ素原
子置換芳香族化合物は電解液中に0.1〜20重量%、
また芳香族炭化水素化合物は電解液中に0.1〜3重量
%含有されている非水電解液を提供する。
ッ素原子置換ナフタレン類、フッ素原子置換フルオレン
類、およびフッ素原子置換ビフェニル類からなる群から
選ばれる少なくとも1種の化合物である前記非水電解液
は、本発明の好ましい態様である。
基またはシクロアルキル基置換ベンゼン類およびビフェ
ニル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
である前記非水電解液は、本発明の好ましい態様であ
る。
記一般式(1)で示されるビニレンカ−ボネ−ト類、下
記一般式(2)で示されるアルケニルエチレンカ−ボネ
−ト類、および下記一般式(3)で示される不飽和炭化
水素基を有するスルトン類、下記一般式(4)で表され
るアリール基を有するスルホン酸エステル、飽和炭化水
素基を有するスルトン類、およびスルホン酸イミドから
なる群から選ばれる少なくとも1種の化合物を、電解液
中に0.01〜10重量%含有している非水電解液を提
供する。これらを、フッ素原子置換芳香族化合物、炭素
原子と水素原子のみからなる芳香族炭化水素化合物の混
合物と併用した場合は、高温保存特性を大幅に改良する
ことができる。
あってもよいし異なっていてもよく、水素原子、ハロゲ
ン原子または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んで
いてもよいアルキル基を表す。]
てもよいし異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原
子、炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよ
い炭化水素基、または炭素数が2〜12のアルケニル基
であって、その内少なくとも一つは炭素数が2〜12ア
ルケニル基である。]
ってもよいし異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン
原子、または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んで
いてもよいアルキル基であって、nは0から3の整数で
ある。]
あってもよいし異なっていてもよく、水素原子、リチウ
ム原子、ハロゲン原子、スルホン酸エステル基、カルボ
ン酸エステル基、スルホン酸リチウム基、および炭素数
1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基
からなる群から選ばれる原子または基である。]
を含む二次電池であって、電解液が前記した非水電解液
であるリチウム二次電池を提供する。
値以上になると充電を遮断する電流遮断機構を備えてい
る前記のリチウム二次電池を提供する。
以上になると充電を遮断する電流遮断機構を備えている
前記のリチウム二次電池を提供する。
よびその非水電解液を用いたリチウム二次電池につい
て、その構成を具体的に説明する。本発明の非水電解液
は、フッ素原子置換芳香族化合物、炭素原子と水素原子
のみからなる芳香族炭化水素化合物、その他の非水溶媒
およびリチウム含有電解質とからなる電解液であって、
フッ素原子置換芳香族化合物は電解液中に0.1〜20
重量%、また芳香族炭化水素化合物は電解液中に0.1
〜3重量%含有されている非水電解液である。このよう
な非水電解液は、優れた過充電防止効果を示すと共に、
高温保存特性の低下を可能な限り抑制することができ
る。
換芳香族化合物は、過充電防止剤として機能する物質で
あって、芳香族環に結合した水素原子の一部または全部
がフッ素原子で置換された化合物である。ここで芳香族
環を有する化合物とは、π電子の非局在化によって実質
的に安定化される環状化合物を示している。
置換ベンゼン類、フッ素原子置換ナフタレン類、フッ素
原子置デカリン類、フッ素原子置換フルオレン類、フッ
素原子置換ビフェニル類、フッ素原子置換ジフェニルメ
タン類、フッ素原子置換アントラセン類、フッ素原子置
換タ−フェニル類、フッ素原子置換フェニルエ−テル
類、フッ素原子置換チオフェン類、フッ素原子置換フラ
ン類、フッ素原子置換ピロ−ル類、フッ素原子置換イン
ド−ル類、フッ素原子置換ピリジン類などを挙げること
ができる。これらの中でも、フッ素原子置換ナフタレン
類、フッ素原子置換フルオレン類およびフッ素原子置換
ビフェニル類が、過充電防止効果が高く、かつ高温条件
下でも電池特性の劣化が比較的に小さいために好まし
く、特にフッ素原子置換ビフェニル類がより好ましい。
これらの化合物は、単独で用いてもよいし、2種類以上
を組み合わせて用いてもよい。
例を挙げる。 (1)フッ素原子置換ナフタレン類:1−フルオロナフ
タレン、2−フルオロナフタレン、3−フルオロナフタ
レン、1,2−ジフルオロナフタレン、1,3−ジフル
オロナフタレン、1,4−ジフルオロナフタレン、1,
5−ジフルオロナフタレン、1,6−ジフルオロナフタ
レン、1,7−ジフルオロナフタレン、1,8−ジフル
オロナフタレン、2,3−ジフルオロナフタレン、2,
6−ジフルオロナフタレン、2,7−ジフルオロナフタ
レン、1,3,5−トリフルオロナフタレン、1,3,
7−トリフルオロナフタレン、1,3,5,7−テトラ
フルオロナフタレン、ペンタフルオロナフタレン、ヘキ
サフルオロナフタレン、ヘプタフルオロナフタレン、パ
−フルオロナフタレン
フタレン類:1−フルオロ−3−メチルナフタレン (3)アルキルオキシ基およびフッ素原子置換ナフタレ
ン類:1−フルオロ−3−メトキシナフタレン (4)塩素原子およびフッ素原子置換ナフタレン類:1
−フルオロ−3−クロロナフタレン これらのフッ素原子置換ナフタレン類において、その1
分子当りのフッ素原子置換数は、2〜4個が望ましい。
フッ素原子置換数が前記の範囲内にあると、優れた過充
電防止効果を生じると共に、高温保存下での電池特性の
劣化が小さくなる。
例を挙げる。 (1)フッ素原子置換フルオレン類:1−フルオロフル
オレン、2−フルオロフルオレン、3−フルオロフルオ
レン、4−フルオロフルオレン、9−フルオロフルオレ
ン、1,2−ジフルオロフルオレン、1,3−ジフルオ
ロフルオレン、1,4−ジフルオロフルオレン、1,5
−ジフルオロフルオレン、1,6−ジフルオロフルオレ
ン、1,7−ジフルオロフルオレン、1,8−ジフルオ
ロフルオレン、2,3−ジフルオロフルオレン、2,6
−ジフルオロフルオレン、2,7−ジフルオロフルオレ
ン、2,8−ジフルオロフルオレン、3,4−ジフルオ
ロフルオレン、3,5−ジフルオロフルオレン、3,6
−ジフルオロフルオレン、4,5−ジフルオロフルオレ
ン、9,9−ジフルオロフルオレン、1,3,5−トリ
フルオロフルオレン、2,3,7−トリフルオロフルオ
レン、1,3,5,7−テトラフルオロフルオレン、ペ
ンタフルオロフルオレン、ヘキサフルオロフルオレン、
ヘプタフルオロフルオレン、パ−フルオロフルオレン
ルオレン類:1−フルオロ−3−メチルフルオレン (3)アルキルオキシ基およびフッ素原子置換フルオレ
ン類:1−フルオロ−3−メトキシフルオレン (4)塩素原子およびフッ素原子置換フルオレン類:1
−フルオロ−3−クロロフルオレン
いて、その1分子当りのフッ素原子置換数は、2〜4個
が望ましい。フッ素原子置換数がこの範囲にあると、優
れた過充電防止効果が得られ、かつ高温保存下での電池
特性の劣化が小さくなる。
例を挙げる。 (1)フッ素原子置換ビフェニル類:2−フルオロビフ
ェニル、3−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェ
ニル、2,3−ジフルオロビフェニル、2,4−ジフル
オロビフェニル、2,5−ジフルオロビフェニル、2,
6−ジフルオロビフェニル、2,2’−ジフルオロビフ
ェニル、2,3’−ジフルオロビフェニル、2,4’−
ジフルオロビフェニル、2,5’−ジフルオロビフェニ
ル、2,6’−ジフルオロビフェニル、3,3’−ジフ
ルオロビフェニル、3,4’−ジフルオロビフェニル、
3,5’−ジフルオロビフェニル、3,6’−ジフルオ
ロビフェニル、4,4’−ジフルオロビフェニル、トリ
フルオロビフェニル、テトラフルオロビフェニル、ペン
タフルオロビフェニル、ヘキサフルオロビフェニル、ヘ
プタフルオロビフェニル、オクタフルオロビフェニル、
ノナフルオロビフェニル、パ−フルオロビフェニル
フェニル類 2−フルオロ−4−メチルビフェニル、4−フルオロ−
2−メチルビフェニル、2−フルオロ−2’−メチルビ
フェニル (3)アルキルオキシ基およびフッ素原子置換ビフェニ
ル類 2−フルオロ−4−メトキシビフェニル、4−フルオロ
−2−メトキシビフェニル、2−フルオロ−2’−メト
キシビフェニル (4)塩素原子およびフッ素原子置換ビフェニル類 2−フルオロ−4−クロロビフェニル
いて、その1分子当りのフッ素原子置換数は、1〜3個
が好ましく、1個または2個がより好ましく、1個がさ
らに好ましい。フッ素原子置換数が前記の範囲にある
と、優れた過充電防止効果が得られる。
そのフッ素原子置換位置は、2位置または4位置が望ま
しく、さらには2位置が最も望ましい。2位置が置換さ
れると、フッ素原子の電子吸引効果だけでなく立体効果
によっても、ビフェニルの電気分解電圧がコントロ−ル
され、高温保存下での電池特性の劣化を可能な限り抑制
でき、かつ過充電防止効果を高めることができる。
のフッ素原子置換位置は、二つの環の2位置または4位
置が望ましく、さらには4位置および4’位置が最も望
ましい。フッ素原子が前記の置換位置に結合している
と、ビフェニルの電気分解電圧が適度にコントロ−ルさ
れ、高温保存下での電池特性の劣化を抑制し、過充電防
止効果を高めることができる。
でも、2−フルオロビフェニル、4−フルオロビフェニ
ル、4,4’−ジフルオロビフェニルが好ましく、特に
2−フルオロビフェニルが好ましい。
して炭素原子と水素原子のみからなる芳香族炭化水素化
合物を添加する。それによって、フッ素原子置換芳香族
化合物の過充電防止効果をより一層高める効果を得るこ
とができる。そのような芳香族炭化水素化合物として、
ベンゼン類、ビフェニル類、タ−フェニル類、ナフタレ
ン類などを挙げることができ、それらは1種類を用いて
もよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
例を挙げる。 (1)ベンゼン類:ベンゼン、トルエン、キシレン、ク
メン、シクロヘキシルベンゼン、テトラリン (2)ビフェニル類:ビフェニル、2−メチルビフェニ
ル、3−メチルビフェニル、4−メチルビフェニル、2
−エチルビフェニル、2,2’−ジメチルビフェニル (3)タ−フェニル類:オルトタ−フェニル、メタタ−
フェニル、パラタ−フェニル、メチルタ−フェニル (4)ナフタレン類:ナフタレン、1−メチルナフタレ
ン、2−メチルナフタレン
アルキル基またはシクロアルキル基置換ベンゼン類とビ
フェニル類が好ましく、さらにはシクロヘキシルベンゼ
ンとビフェニルがより好ましく、ビフェニルが最も好ま
しい。これらの化合物を少量添加する場合は、高温保存
時の電池特性の低下を最小限にしつつ、フッ素原子置換
芳香族化合物の過充電防止効果を高めることができる。
えて、さらに一般式(1)で示されるビニレンカ−ボネ
−ト類、一般式(2)で示されるアルケニルエチレンカ
−ボネ−ト類、一般式(3)で示される不飽和炭化水素
基を有するスルトン類、一般式(4)で表されるアリー
ル基を有するスルホン酸エステル、飽和炭化水素基を有
するスルトン類、およびスルホン酸イミドからなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物を加えることが望ま
しい。
は、上述の化合物を加えることで、過充電防止剤を添加
することで起こる高温保存時の電池特性の低下を大幅に
抑制することができる。上述の化合物として、次に記す
化合物を例示することができる。それらは単独で用いて
もよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。 (1)一般式(1)で示されるビニレンカ−ボネ−ト類 (2)一般式(2)で示されるアルケニルエチレンカ−
ボネ−ト類 (3)一般式(3)で示される不飽和炭化水素基を有す
るスルトン類 (4)一般式(4)で表されるアリール基を有するスル
ホン酸エステル (5)飽和炭化水素基を有するスルトン類 (6)スルホン酸イミド
式(1)で表される。
いに同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原
子、ハロゲン原子、または炭素数が1〜12のハロゲン
原子を含んでいてもよいアルキル基を表す。ハロゲン原
子としては、フッ素原子または塩素原子が好ましく、さ
らにはフッ素原子がより好ましい。
類の具体例として、ビニレンカ−ボネ−ト、フルオロビ
ニレンカ−ボネ−ト、メチルビニレンカ−ボネ−ト、フ
ルオロメチルビニレンカ−ボネ−ト、エチルビニレンカ
−ボネ−ト、プロピルビニレンカ−ボネ−ト、ブチルビ
ニレンカ−ボネ−ト、ジメチルビニレンカ−ボネ−ト、
ジエチルビニレンカ−ボネ−ト、ジプロピルビニレンカ
−ボネ−トなどを挙げることができる。これらの化合物
の内、ビニレンカ−ボネ−トが最も望ましい。
に示す一般式(2)で表される。
同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、
ハロゲン原子、炭素数が1〜12のハロゲン原子を含ん
でいてもよい炭化水素基、または、炭素数が2〜12の
アルケニル基であって、R3〜R6の内の少なくとも一
つは炭素数が2〜12アルケニル基である。アルケニル
基の例として、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブ
テニル基などを挙げることができる。
−ボネ−ト類の具体例として、ビニルエチレンカ−ボネ
−ト、プロペニルエチレンカ−ボネ−ト、4,4−ジビ
ニルエチレンカ−ボネ−ト、4,5−ジビニルエチレン
カ−ボネ−ト、4−メチル−4−ビニルエチレンカ−ボ
ネ−ト、4−フルオロ−4−ビニルエチレンカ−ボネ−
ト、4−フルオロ−5−ビニルエチレンカーボネート、
4−メチル−5−ビニルエチレンカ−ボネ−ト、4−エ
チル−4−ビニルエチレンカ−ボネ−トなどを挙げるこ
とができる。これら化合物の内、ビニルエチレンカ−ボ
ネ−トおよびジビニルエチレンカ−ボネ−トが最も望ま
しい。
次に示す一般式(3)で表される。
に同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原
子、ハロゲン原子、または炭素数が1〜12のハロゲン
原子を含んでいてもよいアルキル基であって、nは0か
ら3の整数である。
するスルトン類の具体例として、エチレンスルトン、
1,3−プロペンスルトン、1,4−ブテンスルトン、
1,5−ペンテンスルトン、1−メチル−1,3−プロ
ペンスルトン、1−フルオロ−1,3−プロペンスルト
ン、2−メチル−1,3−プロペンスルトン、3−メチ
ル−1,3−プロペンスルトン、1−トリフルオロメチ
ル−1,3−プロペンスルトンなどを挙げることができ
る。これらの化合物のうちでも、1,3−プロペンスル
トンおよび1,4−ブテンスルトンが最も望ましい。
しては、次に示す一般式(4)のものが例示される。
同一であってもよいし異なっていてもよく、水素原子、
リチウム原子、ハロゲン原子、スルホン酸エステル基、
カルボン酸エステル基、スルホン酸リチウム基、および
炭素数1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアル
キル基からなる群から選ばれる原子または基である。
ルホン酸エステル類の具体例として、ベンゼンスルホン
酸エチル、ベンゼンジ(スルホン酸メチル)、ベンゼン
ジ(スルホン酸エチル)、ベンゼンジ(スルホン酸プロ
ピル)、ベンゼン(スルホン酸メチル)(スルホン酸エ
チル)、ベンゼンジ(スルホン酸アリル)、ベンゼンジ
(スルホン酸ビニル)、ベンゼンジ(スルホン酸エチニ
ル)、ベンゼントリ(スルホン酸メチル)、スルホ安息
香酸無水物、スルホ安息香酸ジメチル、トルエンスルホ
ン酸メチル、トルエンジ(スルホン酸エチル)、トルエ
ントリ(スルホン酸プロピル)、トリフルオロメチルベ
ンゼンスルホン酸メチル、トリフルオロメチルベンゼン
ジ(スルホン酸メチル)、トリフルオロメチルベンゼン
トリ(スルホン酸エチル)、ナフタレンスルホン酸リチ
ウム塩、ベンゼンスルホン酸リチウム塩、トリフルオロ
メチルベンゼンスルホン酸リチウム塩、ベンゼンジスル
ホン酸ジリチウム塩、トリフルオロメチルベンゼンジス
ルホン酸ジリチウム塩、ベンゼントリスルホン酸トリリ
チウム塩、スルホ安息香酸ジリチウム塩、トルエンスル
ホン酸リチウム塩、トルエンジスルホン酸ジリチウム塩
などを挙げることができる。これらの化合物の中でも、
ベンゼンジ(スルホン酸エステル)が好ましく、特にメ
タ位置置換のベンゼンジ(スルホン酸エステル)が好ま
しい。
て、1、3―プロパンスルトン、1、4―ブタンスルト
ン、1,5−ペンタンスルトン、1,6−ヘキサンスル
トン、1−メチルー1、3―プロパンスルトン、2―メ
チル1、3―プロパンスルトン、3―メチル1、3―プ
ロパンスルトン、1―メチル−1、4―ブタンスルト
ン、2―メチル−1、4―ブタンスルトン、3―メチル
−1、4―ブタンスルトン、4―メチル−1、4―ブタ
ンスルトンなどを例示することができる。これらのうち
で、1、3―プロパンスルトンと1、4―ブタンスルト
ンが望ましい。
(メタンスルホン酸)イミド、N,N−ジメチル−メタ
ンスルホン酸イミド、トリス(トリフルオロメタンスル
ホン酸)イミド、N−メチル−ジ(トリフルオロメタン
スルホン酸)イミド、ジ(トリフルオロメタンスルホン
酸)イミドリチウム塩、N,N−ジメチル−トリフルオ
ロメタンスルホン酸イミド、N−エチル−ジ(トリフル
オロメタンスルホン酸)イミド、N,N−ジエチル−ト
リフルオロメタンスルホン酸イミド、N−メチル−ジ
(ペンタフルオロエタンスルホン酸)イミド、ジ(ペン
タフルオロエタンスルホン酸)イミドリチウム塩、N,
N−ジメチル−ペンタフルオロエタンスルホン酸イミ
ド、N−メチル−ジ(パーフルオロプロパンスルホン
酸)イミド、N,N−ジメチル−パーフルオロプロパン
スルホン酸イミド、N−メチル−ジ(パーフルオロブタ
ンスルホン酸)イミド、N,N−ジメチル−パーフルオ
ロブタンスルホン酸イミドなどを例示することができ
る。
ロメタンスルホン酸)イミド類、ジ(ペンタフルオロエ
タンスルホン酸)イミド類が好ましく、特にジ(トリフ
ルオロメタンスルホン酸)イミドリチウム塩やジ(ペン
タフルオロスルホン酸)イミドリチウム塩は、電解質と
しても作用し、電解液のイオン伝導性を向上させるので
望ましい。
されるビニレンカ−ボネ−ト類、および一般式(3)で
表される不飽和炭化水素基を有するスルトン類が望まし
い。具体的には、ビニレンカーボネートと1,3−プロ
ペンスルトンが好ましい。
−ボネ−ト類と、一般式(3)で表される不飽和炭化水
素基を有するスルトン類とを同時に添加すると、高温保
存性の効果が相乗して加わるために好ましく、その一例
としてビニレンカーボネートと1,3−プロペンスルト
ンとの組み合わせを挙げることができる。
基本的に構成されており、その非水溶媒は、前記したフ
ッ素原子置換芳香族化合物、および炭素原子と水素原子
のみからなる芳香族炭化水素化合物に加えて、通常使用
されている非水溶媒を用いる。ここでは、「通常使用さ
れている非水溶媒」を「その他の非水溶媒」と呼び、次
に具体的に説明する。
の非プロトン性溶媒および/または鎖状の非プロトン性
溶媒を挙げることができる。その内、環状の非プロトン
性溶媒としては、エチレンカ−ボネ−トのような環状カ
−ボネ−ト、γ−ブチロラクトンのような環状エステ
ル、スルホランのような環状スルホン、ジオキソランの
ような環状エ−テルを例示することができる。また鎖状
の非プロトン性溶媒としては、ジメチルカ−ボネ−トの
ような鎖状カ−ボネ−ト、プロピオン酸メチルのような
鎖状カルボン酸エステル、ジメトキシエタンのような鎖
状エ−テルを例示することができる。
図した場合には、環状の非プロトン性溶媒と鎖状の非プ
ロトン性溶媒とを混合して用いることが望ましい。ま
た、電解液の電気化学的安定性を重視する場合には、環
状の非プロトン性溶媒として環状カ−ボネ−トを、鎖状
の非プロトン性溶媒として鎖状カ−ボネ−トを選択して
混合使用することが望ましい。
−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ−ト、1,2−ブチレ
ンカ−ボネ−ト、2,3−ブチレンカ−ボネ−ト、1,
2−ペンチレンカ−ボネ−ト、2,3−ペンチレンカ−
ボネ−トを挙げることができる。誘電率の高いエチレン
カ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−トは、好適であ
る。負極活物質に黒鉛を使用する場合には、特にエチレ
ンカ−ボネ−トが好ましい。これら環状カ−ボネ−ト
は、2種類以上を混合使用してもよい。
−ボネ−ト、メチルエチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−
ボネ−ト、メチルプロピルカ−ボネ−ト、メチルイソプ
ロピルカ−ボネ−ト、ジプロピルカ−ボネ−ト、メチル
ブチルカ−ボネ−ト、ジブチルカ−ボネ−ト、エチルプ
ロピルカ−ボネ−ト、メチルトリフルオロエチルカ−ボ
ネ−トを挙げることができる。粘度の低いジメチルカ−
ボネ−ト、メチルエチルカ−ボネ−ト、ジエチルカ−ボ
ネ−トは好適に使用できる。これら鎖状カ−ボネ−ト
は、2種類以上を混合使用してもよい。
混合割合(環状カ−ボネ−ト:鎖状カ−ボネ−ト)は、
重量比で表して、好ましくは1:99〜99:1、より
好ましくは5:95〜70:30、さらに好ましくは1
0:90〜60:40である。このような混合割合の範
囲内であると、電解液の粘度上昇を抑制し、電解質の解
離度を高めることができるので、電池の充放電特性に関
わる電解液の伝導度を高めることができる。
媒の引火点を高くする場合には、その他の非水溶媒とし
て、環状の非プロトン性溶媒を単独で使用するか、ある
いは鎖状の非プロトン性溶媒の混合割合をその他の非水
溶媒全体に対して20重量%以下に調整することが望ま
しい。
は、特に、エチレンカ−ボネ−ト、プロピレンカ−ボネ
−ト、スルホラン、γ−ブチロラクトン、N−メチルオ
キサゾリノンから選ばれる1種またはこれらを組み合わ
せて用いることが望ましい。具体的な溶媒の組み合わせ
としては、エチレンカ−ボネ−トとスルホラン、エチレ
ンカ−ボネ−トとプロピレンカ−ボネ−ト、エチレンカ
−ボネ−トとγ−ブチロラクトン、エチレンカ−ボネ−
トとプロピレンカ−ボネ−トとγ−ブチロラクトンを挙
げることができる。
媒全体に対して20重量%以下の割合で使用する場合に
は、鎖状の非プロトン性溶媒として、鎖状カ−ボネ−
ト、鎖状カルボン酸エステル、鎖状リン酸エステルを使
用することができる。特に、ジメチルカ−ボネ−ト、ジ
エチルカ−ボネ−ト、ジプロピルカ−ボネ−ト、ジブチ
ルカ−ボネ−ト、ジヘプチルカ−ボネ−ト、ジオクチル
カーボネート、メチルエチルカ−ボネ−ト、メチルプロ
ピルカ−ボネ−ト、メチルブチルカ−ボネ−ト、メチル
ヘプチルカ−ボネ−ト、メチルオクチルカーボネートな
どの鎖状カ−ボネ−トが望ましい。環状カ−ボネ−トと
鎖状カ−ボネ−トとの混合割合(環状カ−ボネ−ト:鎖
状カ−ボネ−ト)は、重量比で表して、80:20〜9
9.5:0.5が望ましく、さらには90:10〜9
9:1が望ましい。
逸脱しない範囲内で前記以外の溶媒を含んでいてもよ
い。そのような溶媒としては、具体的には、ジメチルホ
ルムアミドなどのアミド類、メチル−N,N−ジメチル
カ−バメ−トなどの鎖状カ−バメ−ト類、N−メチルピ
ロリドンなどの環状アミド類、N,N−ジメチルイミダ
ゾリジノンなどの環状ウレア類、ほう酸トリメチル、ほ
う酸トリエチル、ほう酸トリブチル、ほう酸トリオクチ
ル、ほう酸トリ(トリメチルシリル)などのホウ酸エス
テル類、、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン
酸トリス(トリメチルシリル)のような鎖状リン酸エス
テルおよびエチレングリコ−ルジメチルエ−テル、ジエ
チレングリコ−ルジメチルエ−テル、ポリエチレングリ
コ−ルジメチルエ−テルのようなエチレングリコ−ル誘
導体などを例示することができる。
解質としては、通常、非水電解液用電解質として使用さ
れているものであれば、特に制限されることなくいずれ
をも使用することができる。
BF4、LiClO4、LiAsF 6、Li2Si
F6、LiOSO2CkF(2k+1)(k=1〜8の
整数)、LiPFn{CkF(2k+1)}(6−n)
(n=1〜5の整数、k=1〜8の整数)などのリチウ
ム塩が挙げられる。
使用することができる。すなわち、LiC(SO2R
17)(SO2R18)(SO2R19)、LiN(S
O2OR20)(SO2OR21)、LiN(SO2R
22)(SO2OR23)、LiN(SO2R24)
(SO2R25)。ここで、R17〜R25は、互いに
同一であってもよいし異なっていてもよく、炭素数1〜
8のパ−フルオロアルキル基である。これらの内、特
に、LiPF6、LiBF4、およびLiN(SO2R
24)(SO2R25)が好ましい。
したスルホン酸イミドと部分的に重複しているものがあ
るが、それらの化合物は、電解質として作用すると同時
に、非水電解液の高温条件下における電池特性の劣化を
抑制する効果を併せ持っているので、いずれの目的で使
用してもよく、リチウム含有電解質として使用すること
が望ましい。
いし、また2種類以上を混合して使用してもよい。2種
類以上を混合して使用する組み合わせとしては、LiP
F6とLiBF4、LiPF6とLiN(SO
2R24)(SO2R25)、LiBF4とLiN(S
O2R24)(SO2R25)、およびLiPF6とL
iBF 4とLiN(SO2R24)(SO2R25)が
例示される。
ッ素原子置換芳香族化合物、炭素原子と水素原子のみか
らなる芳香族炭化水素化合物、およびその他の非水溶媒
とを含む非水溶媒、およびリチウム含有電解質とを少な
くとも含有している。
電解液全体に対して0.1〜20重量%、好ましくは
0.5〜20重量%、さらに好ましくは3〜20重量
%、さらには3〜10重量%が望ましい。この範囲内で
あると、高い過充電防止効果が得られると共に、高温保
存特性の低下が最小限に抑えられ、また電解液のリチウ
ムイオン伝導度の低下がほとんどないので電池の負荷特
性を良好に保つことができる。
化水素化合物の含有量は、電解液全体に対して0.1〜
3重量%、好ましくは0.1〜2重量%、より好ましく
は0.1〜1重量%が望ましい。この範囲内であると、
フッ素原子置換芳香族化合物との相乗効果によって、優
れた過充電防止効果が得られ、また高温保存時の電池特
性の低下も最小限に抑制される。
0.1〜3モル/リットル、より好ましくは0.5〜2
モル/リットルの濃度で非水電解液中に含まれているこ
とが望ましい。それによって、良好な負荷特性、低温特
性などの電気特性を得ることができる。
て、前記したフッ素原子置換芳香族化合物、炭素原子と
水素原子のみからなる芳香族炭化水素化合物、その他の
非水溶媒および電解質を含む基本構成に加えて、さらに
前述の「その他の化合物」を添加した構成へと変えるこ
とができる。その含有量は、電解液全体に対して、好ま
しくは0.01〜10重量%、より好ましくは0.05
〜5重量%、さらに好ましくは0.1〜3重量%が望ま
しい。添加量がこの範囲内にあると、前記した過充電防
止剤を添加したときに起る高温保存時における電池特性
の低下を大幅に抑制することができる。
は、リチウム二次電池用の非水電解液として好適である
ばかりでなく、一次電池用の非水電解液、電気化学キャ
パシタ用の非水電解液、電気二重層キャパシタやアルミ
電解コンデンサ用の非水電解液としても用いることがで
きる。
を互いに分離するセパレ−タ−、および前記した非水電
解液とから基本的に構成されている。
リチウム、リチウム含有合金、またはリチウムとの合金
化が可能なシリコン、シリコン合金、スズ、スズ合金、
リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可能な酸化スズ、
酸化シリコン、リチウムイオンのド−プ・脱ド−プが可
能な遷移金属酸化物、リチウムイオンのド−プ・脱ド−
プが可能な遷移金属窒素化合物、リチウムイオンのド−
プ・脱ド−プが可能な炭素材料、あるいはこれらの混合
物のいずれをも用いることができる。
性炭、人造黒鉛、天然黒鉛、非晶質炭素材料などを挙げ
ることができる。その形態は繊維状、球状、ポテト状、
フレ−ク状などのいずれであってもよい。 非晶質炭素
材料として、具体的にはハ−ドカ−ボン、コ−クス、1
500℃以下で焼成したメソカ−ボンマイクロビ−ズ
(MCMB)、メソフェ−ズピッチカ−ボンファイバ−
(MCF)などを例示することができる。黒鉛材料とし
ては、天然黒鉛、黒鉛化コ−クス、黒鉛化MCMB、黒
鉛化MCFなど、またホウ素を含有するもの、さらに
金、白金、銀、銅、Sn、Siなど金属で被覆したも
の、あるいは非晶質炭素で被覆したものなどを使用する
ことができる。これらの炭素材料は、1種類を使用して
もよいし、2種類以上を適宜組み合わせて混合使用して
もよい。また、導電助剤として、カーボンブラック、ア
モルファスウイスカーカーボンなどを加えて使用しても
よい。
した(002)面の面間隔(d002)が0.340n
m以下の炭素材料が好ましく、真密度が1.70g/c
m3以上である黒鉛またはそれに近い性質を有する高結
晶性炭素材料が望ましい。このような炭素材料を使用す
ると、電池のエネルギ−密度を高くすることができる。
S2、MoS2、TiS2、MnO 2、V2O5などの
遷移金属硫化物または遷移金属酸化物、LiCoO2、
LiMnO2、LiMn2O4、LiNiO2、LiN
iXCo(1−X)O2、LiNixCoyMn
(1−x−y)O2などのリチウムと遷移金属の複合酸
化物、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ−ル、
ポリアセチレン、ポリアセン、ジメルカプトチアジアゾ
−ル・ポリアニリン複合体などの導電性高分子材料、フ
ッ素化炭素、活性炭などの炭素材料などを挙げることが
できる。
との複合酸化物は過充電時の電池電圧の増加が大きいの
で、過充電防止剤を電気分解させやすく好ましい。正極
活物質は1種類を使用してもよいし、2種類以上を混合
使用してもよい。正極活物質は通常導電性が十分でない
ために、導電助剤をともに使用して正極を構成する。そ
のような導電助剤としては、カ−ボンブラック、アモル
ファスウィスカ−カ−ボン、グラファイトなどの炭素材
料を例示することができる。
縁し、かつリチウムイオンが透過可能な膜であればよ
く、多孔性膜や高分子電解質が使用される。多孔性膜と
しては微多孔性高分子フィルムが好適に使用され、材質
としてポリオレフィン、ポリイミド、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリエステルなどが例示される。特に、多孔性ポ
リオレフィンフィルムが好ましく、具体的には多孔性ポ
リエチレンフィルム、多孔性ポリプロピレンフィルム、
または多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレン
フィルムとの多層フィルムを例示することができる。こ
れら多孔性ポリオレフィンフィルム上には、熱安定性に
優れた他の樹脂がコ−ティングされていてもよい。
した高分子物質や、電解液で膨潤した高分子物質などが
挙げられる。本発明の非水電解液は、高分子物質を膨潤
させて高分子電解質を得る目的で使用してもよい。
筒型、コイン型、角型、フィルム型、その他任意の形状
に形成することができる。しかし、電池の基本構造は形
状によらずほぼ同じであり、目的に応じて設計変更を施
すことができる。
水電解液の持つ過充電防止効果を発揮させるために、電
池内部のガス圧力が所定値以上になると充電を遮断する
電流遮断機構、および/または電池の温度が所定値以上
になると充電を遮断する電流遮断機構を備えていること
が好ましい。
分解されてガスおよび熱を発生する。前記した電流遮断
機構は、このガスおよび/または熱を検知して電池の充
電を遮断し、電池が過充電されることを防止する機構で
ある。本発明に係わる非水電解液は、電池の電圧が一定
値以上に高くなると電気分解されて電池の充電をそれ以
上進めない機能の他に、この電気分解時にガスおよび熱
が発生することから、電流遮断機構を早く作動させるこ
とができる。従って、電池の過充電時の安全性をより一
層高めることができる。
充電を遮断する電流遮断機構としては、電池の内圧が上
昇することによって変形して充電電流接点が切れる機
構、電池の内圧をセンサ−で検知して充電を停止する外
部回路、電池の内圧による電池の変形をセンサ−で検知
して充電を停止する外部回路、電池の内圧が上昇するこ
とによって変形して正極と負極とを短絡させて電池が充
電されないようにする機構などを例示することができ
る。この内、電池の内圧が上昇することによって変形し
て充電電流の接点が切れる機構は、シンプルな構造であ
ってかつ効果が高いので好ましい。
断する電流遮断機構としては、電池の温度上昇をセンサ
−で検知して充電を停止する外部回路、電池の温度が上
昇すると溶融して目詰まりを起こしイオンの通過を阻止
するセパレ−タ−、電池の温度が上昇すると電池の不活
性化物質を放散するカプセル類、電池の温度が上昇する
と電気抵抗が上昇する素子、電池の温度が上昇すると溶
融して充電電流の接点が切れる機構、電池の温度が上昇
すると電気抵抗が上昇する導電材を含んだ電極などを例
示することができる。
一例について説明するが、各電池を構成する負極活物
質、正極活物質およびセパレ−タは、前記したものを共
通して使用することができる。
負極集電体に負極活物質を塗布した負極と、アルミニウ
ム箔などの正極集電体に正極活物質を塗布した正極と
を、非水電解液を注入したセパレ−タを介して巻回し、
巻回体の上下に絶縁板を載置した状態で電池缶に収納さ
れている。そして、電池の内圧が上昇すると変形して切
れる電流接点や、電池の温度が上昇すると電気抵抗が上
昇する素子が取り付けられた封口体を用いて、電池缶に
蓋をして電池缶の端部をかしめた構造になっている。
極、非水電解液を注入したセパレ−タ、円盤状正極、必
要に応じて、ステンレスまたはアルミニウムなどのスペ
−サ−板が、この順序に積層された状態でコイン型電池
缶に収納されている。また、電池の内圧による電池の変
形を検知する歪みゲ−ジなどが取り付けられていてもよ
い。
するが、本発明はそれらの実施例によって何ら制限され
るものではない。
ネ−ト(EC)とメチルエチルカ−ボネ−ト(MEC)
とをEC:MEC=4:6(重量比)の割合で混合し、
次に電解質であるLiPF6を前記した非水溶媒に溶解
し、電解質濃度が1.0モル/リットルになるように非
水電解液を調製した。
した各種の化合物を所定量添加し、19種類の電解液を
調製した。なお、表1において、添加剤の種類を次のよ
うに略して記した。 FBP:2−フルオロビフェニル、BP:ビフェニル、
VC:ビニレンカ−ボネ−ト、PES:1,3−プロペ
ンスルトン、DPM:ジフェニルメタン、CHB:シク
ロヘキシルベンゼン、BD:メタベンゼンジスルホン酸
ジメチルエステル、TF:ジ(トリフルオロメタンスル
ホン酸)イミドリチウム PS:1,3−プロパンスルトン また、カッコ内の数値は、各化合物の電解液中における
含有量を重量%で示した値である。
ズ(大阪ガス(株)製 MCMB10−28)74重量
部、天然黒鉛((株)中越黒鉛工業所製 LF18A)
20重量部、および結着剤のポリフッ化ビニリデン(P
VDF)6重量部を混合し、溶剤のN−メチルピロリジ
ノンに分散させて負極合剤スラリ−を調製した。次に、
この負極合剤スラリ−を厚さ18μmの帯状銅箔製の負
極集電体に塗布し、乾燥した。
エナジ−システムズ(株)製 HLC−22)82重量
部、導電剤の黒鉛7重量部、アセチレンブラック3重量
部、および結着剤のポリフッ化ビニリデン8重量部を混
合し、溶剤のN−メチルピロリドンに分散させてLiC
oO2合剤スラリ−を調製した。このLiCoO2合剤
スラリ−を厚さ20μmのアルミ箔に塗布し、乾燥し
た。
極には、前記の負極を圧縮成型し、直径14mmの円盤
状に打ち抜いてコイン状の負極を得た。負極合剤の厚さ
は70μm、重量は20mg/14mmφであった。コ
イン型電池用正極には、前記の正極を圧縮成型し、直径
13.5mmの円盤状に打ち抜いてコイン状のLiCo
O2正極を得た。LiCoO2合剤の厚さは70μm、
重量は42mg/13.5mmφであった。直径14m
mの負極、直径13.5mmの正極、および厚さ25μ
mで直径16mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムか
らできたセパレ−タを、ステンレス製の2032サイズ
の電池缶内に負極、セパレ−タ−、正極の順序で積層し
た。その後、セパレ−タに前記の非水電解液0.04m
lを注入し、さらにアルミニウム製の板(厚さ1.2m
m、直径16mm)およびバネを収納した。最後に、ポ
リプロピレン製のガスケットを介して電池缶蓋をかしめ
ることによって電池内の気密性を保持し、直径20m
m、高さ3.2mmのコイン型電池を作製した。
の電極を使用して寸法21mm×21mmの負極、およ
び寸法20mm×20mmの正極を切り出し、幅25m
m×長さ50mmの微多孔性ポリプロピレンフィルムか
らできたセパレ−タを介して対向させて電極体とした。
この電極体を、アルミニウムラミネ−トフィルム(昭和
ラミネ−ト工業(株)製)で作製した筒状の袋に、正極
と負極の両リ−ド線が片方の開放部から引き出されるよ
うに収容し、そしてリ−ド線が引き出された側を熱融着
して閉じた。次に、電解液0.15mlを電極体に注入
して含浸させ、その後、残った開放部を熱融着して電極
体を袋中に密封し、ラミネ−ト電池を得た。
の測定>前述のラミネ−ト電池を4.1Vに充電し、4
5℃で24時間保存後、4.2Vから3.0Vの充放電
を行い、電池の容量を確認した。このときの電池の容量
は10mAhであった。この電池を5mAの定電流で5
時間充電し、電池を過充電させた。過充電前の電池の容
積と過充電後の電池の容積とを測定し、その差分から過
充電時の発生ガス量を測定した。測定に使用した電解液
の種類と過充電時に発生したガス量の測定結果を表2に
示した。
酸化電流の測定>電解液の酸化電圧は、グローブボック
ス中にて、電解液を80℃に加熱した状態で、作用極を
グラッシーカーボン、対極および参照極を金属リチウム
とし、3V〜5Vの範囲にて、10mV/secでサイ
クリックボルタンメトリーを行い測定した。80℃で測
定を行ったのは、電池を過充電すると、電解液の電気分
解熱により電池は発熱するため、高温での電解液の酸化
電流が実効的に重要であるためである。測定に使用した
電解液の種類と、4.65Vのときの酸化電流値を表3
に示した。
型電池を4.1Vに充電し、45℃で7日間保存後、
4.2Vから3.0Vの充放電を行い、電池の容量を確
認した。このときの電池の容量は5mAhであった。コ
イン型電池の保存試験は、同じ電池について、電池を
4.1Vに充電後45℃で7日間保存する条件(「エ−
ジング」と呼ぶ)と、電池を4.2Vに充電後85℃で
3日間保存する条件(「高温保存」と呼ぶ)との2条件
で続けて行った。保存前後での電池の「5mA放電容
量」を測定し、その後「放電容量比」を算出し、その結
果から高温保存特性の評価を行った。測定に使用した電
解液の種類と、高温保存特性の評価結果を表4に示し
た。「放電容量比」は、保存後(エ−ジング後または高
温保存後)の5mA放電容量を未保存時の5mA放電容
量に対する比率で表し、それぞれエ−ジング後の放電容
量比、高温保存後の放電容量比とした。 放電容量比=(C/D) ×100 (%) C=保存後の5mA放電容量 D=未保存時の5mA放電容量 ここで、電池の「5mA放電容量」は、コイン型電池を
4.2Vに充電後、5mAの電流で放電させたときの放
電容量である。
換芳香族化合物(2−フルオロビフェニル)および炭素
原子と水素原子のみからなる芳香族炭化水素化合物(ビ
フェニル、シクロヘキシルベンゼン)の両化合物を加え
た電解液は、過充電時のガス発生量が多く(実施例1〜
4)、酸化電流値はフッ素原子置換芳香族化合物単独の
場合(比較例5)よりも大幅に高くなった(実施例5〜
9)。従ってこの電解液は、電池内の圧力に連動して充
電を停止する機構を備えた電池に適用すると、過充電時
の安全性を高めた電池が得られることを示している。
ラム社 C−80)内で行い、電池からの発熱量を測定
したところ、添加剤を含まない電解液(比較例1)より
も多くの発熱が起こっていることを確認した。従って、
この電解液は、特に、電池内の温度に連動して充電を停
止する機構を有する電池に適用すると、過充電時の安全
性を高め、高温保存時の劣化が小さい電池が得られるこ
とを示している。
合物および炭素原子と水素原子のみからなる芳香族炭化
水素化合物の両化合物を含む電解液(実施例10、1
1、12)は、フッ素原子置換芳香族化合物のみを添加
した電解液(比較例8)と比べて、高温保存特性の低下が
最小限に抑えられていることが分かる。これに対して、
炭素原子と水素原子のみからなる芳香族炭化水素化合物
のみを含む電解液(比較例9)は、高温保存特性が大幅
に劣化した。
をさらに添加した電解液(実施例13〜20)は、高温
保存特性がさらに向上しており、過充電防止剤を含まな
い電解液(比較例7)と比較しても、優れた高温保存特
性を示した。これに対して、過充電防止剤が炭素原子と
水素原子のみからなる芳香族炭化水素化合物だけの場合
は、「その他の化合物」をさらに添加した電解液でも高
温保存特性の改善度は低い(比較例12)、あるいは全
く改善されなかった(比較例10、11)。
に発生するガス量が多く、酸化電流が多く流れることか
ら高い過充電防止効果が得られる。また、コイン電池で
の高温保存試験結果から高温保存特性に優れている。従
って、この非水電解液を含むリチウム二次電池は、過充
電したときの安全性が高められており、また高温保存特
性にも優れている。また、この非水電解液を電池の内圧
および/または温度に連動して充電を停止する機構を備
えた電池に適用すると、電池の過充電時における安全性
が高く、高温保存時の劣化が小さい電池を得ることがで
きる。
Claims (7)
- 【請求項1】フッ素原子置換芳香族化合物、炭素原子と
水素原子のみからなる芳香族炭化水素化合物、その他の
非水溶媒およびリチウム含有電解質とからなる電解液で
あって、フッ素原子置換芳香族化合物は電解液中に0.
1〜20重量%、また芳香族炭化水素化合物は電解液中
に0.1〜3重量%含有されていることを特徴とする非
水電解液。 - 【請求項2】前記のフッ素原子置換芳香族化合物が、フ
ッ素原子置換ナフタレン類、フッ素原子置換フルオレン
類、およびフッ素原子置換ビフェニル類から選ばれる少
なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項1
に記載の非水電解液。 - 【請求項3】前記の芳香族炭化水素化合物が、アルキル
基またはシクロアルキル基置換ベンゼン類およびビフェ
ニル類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解液。 - 【請求項4】請求項1に記載の電解液は、さらに下記一
般式(1)で示されるビニレンカ−ボネ−ト類、下記一
般式(2)で示されるアルケニルエチレンカ−ボネ−ト
類、下記一般式(3)で示される不飽和炭化水素基を有
するスルトン類、下記一般式(4)で表されるアリール
基を有するスルホン酸エステル、飽和炭化水素基を有す
るスルトン類、およびスルホン酸イミドからなる群から
選ばれる少なくとも1種の化合物を、電解液中に0.0
1〜10重量%含有していることを特徴とする非水電解
液。 【化1】 [式(1)において、R1およびR2は、互いに同一で
あってもよいし異なっていてもよく、水素原子、ハロゲ
ン原子または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んで
いてもよいアルキル基を表す。] 【化2】 [式(2)において、R3〜R6は、互いに同一であっ
てもよいし異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原
子、炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよ
い炭化水素基、または炭素数が2〜12のアルケニル基
であって、その内少なくとも一つは炭素数が2〜12の
アルケニル基である。] 【化3】 [式(3)において、R7〜R10は、互いに同一であ
ってもよいし異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン
原子、または炭素数が1〜12のハロゲン原子を含んで
いてもよいアルキル基であって、nは0から3の整数で
ある。] 【化4】 [式(4)において、R11〜R16は、互いに同一で
あってもよいし異なっていてもよく、水素原子、リチウ
ム原子、ハロゲン原子、スルホン酸エステル基、カルボ
ン酸エステル基、スルホン酸リチウム基、および炭素数
1〜12のハロゲン原子を含んでいてもよいアルキル基
からなる群から選ばれる原子または基である。] - 【請求項5】負極、正極および電解液を含む二次電池で
あって、電解液が請求項1〜4のいずれかに記載の非水
電解液であることを特徴とするリチウム二次電池。 - 【請求項6】電池内部のガス圧力が所定値以上になると
充電を遮断する電流遮断機構を備えていることを特徴と
する請求項5に記載のリチウム二次電池。 - 【請求項7】電池の温度が所定値以上になると充電を遮
断する電流遮断機構を備えていることを特徴とする請求
項5に記載のリチウム二次電池。
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