JP2003246156A - 印刷用版材,その作製方法,印刷用版の再生方法及び印刷機 - Google Patents

印刷用版材,その作製方法,印刷用版の再生方法及び印刷機

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JP2003246156A
JP2003246156A JP2002051647A JP2002051647A JP2003246156A JP 2003246156 A JP2003246156 A JP 2003246156A JP 2002051647 A JP2002051647 A JP 2002051647A JP 2002051647 A JP2002051647 A JP 2002051647A JP 2003246156 A JP2003246156 A JP 2003246156A
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plate material
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light
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Yasuharu Suda
康晴 須田
Toyoo Ofuji
豊士 大藤
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/10Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
    • B41C1/1041Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by modification of the lithographic properties without removal or addition of material, e.g. by the mere generation of a lithographic pattern
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41NPRINTING PLATES OR FOILS; MATERIALS FOR SURFACES USED IN PRINTING MACHINES FOR PRINTING, INKING, DAMPING, OR THE LIKE; PREPARING SUCH SURFACES FOR USE AND CONSERVING THEM
    • B41N3/00Preparing for use and conserving printing surfaces
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 印刷用版材,その作製方法,印刷用版の再生
方法及び印刷機に関し、版材を再生して繰り返し使用で
きるようにするとともに、印刷工程に占める画像書き込
み時間の短縮、及び、版再生時間の短縮を行なえるよう
にする。 【解決手段】 可視光以下の波長を有する光により画像
を書き込み、湿式現像処理なしに版作製が可能で、且
つ、版を繰り返し再生し利用することが可能な印刷用版
材であって、基材1と、該基材1の表面にそなえられ、
可視光以下の波長を有する光に反応する光触媒を含む感
光層3と、該基材1と該感光層3との間に介装され半導
体又は電気伝導体を含む中間層2とから構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生使用可能な印
刷用版材、その作製方法及び印刷用版の再生方法並びに
印刷機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、印刷技術一般として、印刷工程の
デジタル化が進行しつつある。これは、パソコンで作製
したり、スキャナ等で読み込んだりした画像や原稿のデ
ータをデジタル化し、このデジタルデータから直接印刷
用版材を作製するというものである。このことによっ
て、印刷工程全体の省力化が図れるとともに、高精細な
印刷を行なうことが容易になる。
【0003】従来、印刷に用いる版としては、陽極酸化
アルミを親水性の非画線部とし、その表面上に感光性樹
脂を硬化させて形成した疎水性の画線部を有する、いわ
ゆるPS版(Presensitized Plate)が一般的に用いら
れてきた。このPS版を用いて印刷用版を作製するには
複数の工程が必要であり、このため版の製作には時間が
かかり、コストも高くなるため、印刷工程の時間短縮お
よび印刷の低コスト化を推進しにくい状況である。特に
少部数の印刷においては印刷コストアップの要因となっ
ている。また、PS版では現像液による現像工程を必要
とし、手間がかかるだけでなく、現像廃液の処理が環境
汚染防止という観点から重要な課題となっている。
【0004】さらに、PS版では、一般に原画像が穿設
されたフィルムを版面に密着させて露光する方法が用い
られており、デジタルデータから直接版を作製し印刷工
程のデジタル化を進めるうえで印刷用版の作製が障害と
なっている。また、一つの絵柄の印刷が終わると、版を
交換して次の印刷を行なわなければならず、版は使い捨
てにされていた。
【0005】上記PS版の欠点に対して、印刷工程のデ
ジタル化に対応し、さらに現像工程を省略できる方法が
提案され商品化されているものもある。例えば、特開昭
63−102936号公報では、液体インクジェットプ
リンタのインクとして感光性樹脂を含むインクを用い、
これを印刷用版材に噴射し、その後で、光照射により、
画像部を硬化させることを特徴とする製版方法が開示さ
れている。また、特開平11−254633号公報に
は、固体インクを吐出するインクジェットヘッドにより
カラーオフセット印刷用版を作製する方法が開示されて
いる。
【0006】また、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)フィルム上にカーボンブラック等のレーザ吸収層、
さらにその上にシリコン樹脂層を塗布したものに、レー
ザ光線で画像を書き込むことによりレーザ吸収層を発熱
させ、この熱によりシリコン樹脂層を焼き飛ばして印刷
用版を作製する方法、あるいは、アルミ版の上に親油性
のレーザ吸収層を塗布し、さらにその上に塗布した親水
層を前記と同様にレーザ光線で焼き飛ばして印刷用版と
する方法、等が知られている。
【0007】この他にも、親水性ポリマーを版材として
使用し、画像露光により照射部を親油化させ版を作製す
る手段も提案されている。さらに、デジタルデータから
PS版へ光で直接画像を書き込む方式も提案され、例え
ば、405nmのブルーレーザを用いた書き込み装置や
マイクロミラーとUVランプとを用いた書き込み装置、
いわゆるCTP(Computer To Plate)が市販されてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような方法では、デジタルデータから直接版を作製する
ことは可能であるが、1つの絵柄の印刷が終わると新し
い版に交換しなければ次の印刷が出来ず、従って、一度
使用された版が廃棄されることに変わりはない。これに
対し、版の再生を含んだ技術も提案されている。例え
ば、特開平10−250027号公報においては、酸化
チタン光触媒を用いた潜像版下、潜像版下の製造方法、
及び潜像版下を有する印刷装置が、また特開平11−1
47360号公報においても、光触媒を用いた版材によ
るオフセット印刷法が開示されており、これらには、い
ずれも画像書き込みには光触媒を活性化させる光、すな
わち実質的に紫外線を用い、加熱処理で光触媒を疎水化
して版を再生する方法が提案されている。また、特開平
11−105234号公報で開示された平版印刷版の作
製方法では、光触媒を活性光、すなわち紫外線で親水化
した後、ヒートモード描画にて画線部を書き込む方法が
提案されている。
【0009】しかし、東大・藤嶋教授、橋本教授らによ
り加熱処理で酸化チタン光触媒は親水化することが確認
されており〔三邊ら「酸化チタン表面の構造変化に伴う
光励起親水化現象の挙動に関する研究」、光機能材料研
究会第5回シンポジウム「光触媒反応の最近の展開」資
料、(1998)p.124−125〕、これによれ
ば、上記各公開公報で開示された方法、即ち、加熱処理
で光触媒を疎水化して版を再生しようとすることはでき
ず、この方法では、版の再生利用あるいは版の作製は不
可能ということになる。
【0010】これに対し、本発明者らは、可視光以下の
波長を有する光を用いた書き込み装置で版材への画像を
迅速に書き込むことが可能で、印刷後は迅速に版を再生
し、再利用することが可能な版材と、この版材の作製方
法及び印刷用版の再生方法に関し、鋭意研究を行なっ
た。本研究によれば、版材への画像書き込みの際や版の
再生時の画像データ消去を行なう際に、版材表面を親水
化することが必要になるが、この際、版材の表面を如何
に速やかに親水化させるかが重要な課題となっている。
【0011】このような親水化に関する技術として、入
江ら「TiO2/WO3積層界面の親水化特性に及ぼす影
響に関する研究」〔光機能材料研究会第8回シンポジウ
ム「光触媒反応の最近の展開」資料、(2001)p.
44−45〕には、WO3薄膜上にTiO2薄膜を積層す
ることによって光触媒活性、特に光誘起親水化を高感度
化する技術が開示されている。ところが、入江らが開示
した内容には、TiO2/WO3積層界面が有機系化合物
の分解に与える影響については言及していない。さら
に、TiO2/WO3積層界面の印刷用版材への適用につ
いても触れていない。
【0012】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、版材を再生して繰り返し使用できるようにすると
ともに、印刷工程に占める画像書き込み時間の短縮、及
び、版再生時間の短縮を行なえるようにした、印刷用版
材、その作製方法及び印刷用版の再生方法並びに印刷機
を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するために以下の手段をとった。すなわち、本願発
明の印刷用版材(請求項1)は、可視光以下の波長を有
する光により画像を書き込み、湿式現像処理なしに版作
製が可能で、且つ、版を繰り返し再生し利用することが
可能な印刷用版材であって、基材と、該基材の表面にそ
なえられ、可視光以下の波長を有する光に反応する光触
媒を含む感光層と、該基材と該感光層との間に介装され
半導体又は電気伝導体を含む中間層とから構成されるこ
とを特徴とする。
【0014】印刷用版材の版材表面に、可視光以下の波
長の光を照射することにより、その照射面を親水性に変
換することが可能である。これは、光触媒が親水化する
作用によるものである。そして、当該親水性に変換され
た面は湿し水が優先的に付着し、疎水性インキが付着し
ない非画線部として機能する。一方、可視光以下の波長
の光が照射されなかった版面は疎水性であり、疎水性イ
ンキが優先的に付着し、湿し水が付着しない画線部とし
て機能する。
【0015】なお、本発明の光触媒に触媒活性を発現さ
せる有効なエネルギーを持った前記可視光および可視光
以下の波長の光を含めて活性光と呼ぶ。また、該基材
は、可撓性を有することが好ましい(請求項2)。該中
間層は、半導体としての酸化タングステンをそなえてい
ることが好ましい(請求項3)。
【0016】上記の版材への画像書き込み時には、上記
の可視光以下の波長を有する光が照射されると該感光層
表面の特性が疎水性から親水性へ変換されることが好ま
しい(請求項4)。上記の版材の再生時には、光,電
気,熱等のエネルギー束が該版材の表面に照射されるこ
とにより、又は、摩擦等の機械的刺激が該版材の表面に
加えられることにより、該感光層表面の特性が親水性か
ら疎水性へ変換されることが好ましい(請求項5)。
【0017】上記の版材の再生時には、該感光層表面に
有機系化合物が供給されると、該有機系化合物と該感光
層とが相互作用して該感光層表面の特性が親水性から疎
水性へ変換されることが好ましい(請求項6)。該光触
媒が、酸化チタン光触媒又は酸化チタン光触媒改質物で
あることが好ましい(請求項7)。なお、ここでいう酸
化チタン光触媒改質物とは、酸化チタン光触媒をベース
として、酸化チタン光触媒に本来含有される元素以外の
金属元素または非金属元素をドーピングまたは担持した
もの、あるいは酸化チタン光触媒のTi元素とO元素の
比率を化学量論的比率、即ち、Ti原子1に対して酸素
原子2の比率からずらしたもの等をいう。
【0018】上記の可視光以下の波長を有する光は、6
00nm以下の波長を有していることが好ましい(請求
項8)。ここで、可視光とは、波長400nm〜600
nmの光が好ましく、より好ましくは波長400nm〜
500nmの光である。従って、可視光以下の波長を有
する光とは、波長600nm以下の光が好ましく、より
好ましくは波長500nm以下の波長の光をいう。
【0019】本発明の印刷用版材の作製方法(請求項
9)は、可視光以下の波長を有する光により画像を書き
込み、湿式現像処理なしに版作製が可能で、且つ、版を
繰り返し再生し利用することが可能な印刷用版材を作製
する方法であって、基材表面に半導体又は電気伝導体を
含む中間層を形成する中間層形成工程と、該中間層を該
基材表面に定着させる中間層定着工程と、該中間層表面
に可視光以下の波長を有する光に反応する光触媒を含む
感光層を形成する感光層形成工程と、該感光層を該中間
層表面に定着させる感光層定着工程とをそなえているこ
とを特徴とする。
【0020】本発明の印刷用版材の作製方法(請求項1
0)は、可視光以下の波長を有する光により画像を書き
込み、湿式現像処理なしに版作製が可能で、且つ、版を
繰り返し再生し利用することが可能な印刷用版材を作製
する方法であって、基材表面に半導体又は電気伝導体を
含む中間層を形成する中間層形成工程と、該中間層表面
に可視光以下の波長を有する光に反応する光触媒を含む
感光層を形成する感光層形成工程と、該感光層及び該中
間層を該基材表面に定着させる定着工程とをそなえてい
ることを特徴とする。上記の各層形成工程では、例え
ば、ゾル塗布法やスパッタリング法を用いることがで
き、上記の各定着工程では、例えば、乾燥又は焼成を用
いて各層を定着させることができる。
【0021】本発明の印刷用版の再生方法(請求項1
1)は、請求項1〜8の何れか1項に記載の印刷用版材
で構成された印刷用版を再生する方法であって、印刷終
了後、該版材表面からインキを除去するインキ除去工程
と、該感光層表面を疎水化する疎水化工程とをそなえて
いることを特徴とする。
【0022】また、該インキ除去工程と該疎水化工程と
の間に、該感光層表面に可視光以下の波長を有する光を
照射して該感光層表面を親水化する親水化工程をそなえ
ていることが好ましい(請求項12)。また、該疎水化
工程は、光,電気,熱等のエネルギー束を該感光層表面
に照射する工程、及び、摩擦等の機械的刺激を該感光層
表面に加える工程、及び、有機系化合物を該感光層表面
に供給して該有機系化合物と該感光層表面とを相互作用
させる工程の何れか1つの工程を含むことが好ましい
(請求項13)。
【0023】本発明の印刷機(請求項14)は、請求項
1〜8の何れか1項に記載の印刷用版材を周面で支持す
る版胴と、該感光層表面に可視光以下の波長を有する光
を照射して画像を書き込む画像書き込み装置と、該感光
層表面を疎水化する疎水化装置とをそなえていることを
特徴とする。また、該疎水化装置は、光,電気,熱等の
エネルギー束を該感光層表面に照射する作用、及び、摩
擦等の機械的刺激を該感光層表面に加える作用、及び、
有機系化合物を該感光層表面に供給して該有機系化合物
と該感光層表面とを相互作用させる作用の何れか1つの
作用を有することが好ましい(請求項15)。
【0024】さらに、該版材表面の全面に可視光以下の
波長を有する光を照射して該版材表面の履歴を解消する
履歴解消装置をそなえていることが好ましい(請求項1
6)。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の
一実施形態にかかる印刷用版材を示すもので、図1はそ
の版材表面が疎水性を示している場合の模式的な断面
図、図2はその版材表面が親水性を示している場合の模
式的な断面図である。
【0026】図1に示すように、この印刷用版材5は、
基材1と、中間層2と、感光層3とから基本的に構成さ
れている。なお、印刷用版材5を単に版材ともいい、ま
た、表面に印刷用の画線部を形成された版材については
版という。基材1は、アルミニウムやステンレス等の金
属、ポリマーフィルム等により構成されている。ただ
し、アルミニウムやステンレス等の金属あるいはポリマ
ーフィルムに限定されるものではない。
【0027】基材1表面上に形成された中間層2として
は、半導体もしくは電気伝導体を含む層が利用される。
半導体を適用する場合には、酸化亜鉛ZnO、酸化錫S
nO、酸化タングステンWO3等の酸化物半導体が好ま
しい。なお、これらの半導体自体で中間層2を形成する
方法が好ましいが、半導体微粒子を他のバインダ物質で
成膜して中間層2としても良い。
【0028】さらに、電気伝導体を適用する場合には、
ITO(インジウム・錫の酸化物)等の酸化物、あるい
はアルミニウム,銀,銅等の金属、あるいはカーボンブ
ラック、あるいは導電性ポリマー等が利用できる。な
お、これらの電気伝導体自体で中間層2を形成するか、
電気伝導体微粒子を他のバインダ物質で成膜して中間層
2としても良い。
【0029】このような半導体又は電気伝導体を含む中
間層2は、可視光以下の波長を有する光による画像書き
込み時の書き込み速度を早めて製版時間を短縮したり、
画像書き込みに要する光エネルギーを低減させたりする
ことが可能であり、さらに、版の再生時に履歴解消のた
めに版面に照射する活性光の照射エネルギーを低減させ
ることが可能である。この理由は、中間層2を構成する
半導体又は電気伝導体が、後述する感光層3に含まれる
光触媒の機能を高めるためと推定される。
【0030】なお、基板1と中間層2との間に、例え
ば、シリカ(SiO2),シリコン樹脂,シリコンゴム
等のシリコン系化合物からなる補強層(図示省略)を設
けても良い。この補強層は、基材1と中間層2とを確実
に付着させるため、また、密着性を向上させるために形
成されるものである。そのうち特に、シリコン樹脂とし
ては、シリコンアルキド,シリコンウレタン,シリコン
エポキシ,シリコンアクリル,シリコンポリエステル等
が使用される。ただし、基材1と中間層2との付着強度
が十分に確保できる場合には、この補強層を設けなくて
も良い。
【0031】中間層2上には、光触媒としての酸化チタ
ン光触媒を含む感光層3が形成されている。つまり、感
光層3表面は、光触媒のバンドギャップエネルギーより
も高いエネルギーをもつ活性光が照射されることによ
り、高い触媒活性を示すようになっている。本実施形態
としての印刷用版材5の特徴の1つは、波長600nm
の可視光以下の波長を有する光(即ち、活性光が波長4
00〜600nmの可視光及び波長400nm以下の紫
外線の少なくとも一方)に反応する光触媒を含んで感光
層3が形成されていることである。このような光触媒を
含むことにより、波長600nm以下の活性光が感光層
3表面に照射されると感光層3表面が高い親水性を示す
ようになったり、感光層3表面に有機系化合物が塗布さ
れる場合、この有機系化合物が酸化分解反応したりする
ようになっている。この有機系化合物に関しては詳細を
後述する。
【0032】なお、光触媒は、バンドギャップエネルギ
ーよりも高いエネルギーをもつ光を照射しなければ光触
媒活性を示さない。本来の酸化チタン光触媒では、バン
ドギャップエネルギーが3eVもあるため、波長380
nm以下の紫外線にしか反応しない。本発明では、この
バンドギャップ間に新たな準位を形成することで、紫外
線よりも波長の大きい可視光も含んだ波長600nm以
下の活性光に反応する光触媒を用いている。もちろん、
波長600nm以下の活性光の中には紫外線も含まれる
が、本発明の光触媒においては、活性光の中に紫外線が
含まれていてもいなくても、即ち、波長600nm〜4
00nm程度の可視光のみを含んでいる場合でも同様に
光触媒が反応するようになっている。
【0033】なお、可視光領域の光にも反応する光触媒
の製造方法としては、公知の方法を用いれば良い。例え
ば、特開2001−207082号公報には、窒素原子
をドーピングした可視光応答型光触媒、また、特開20
01−205104号公報には、クロム原子および窒素
原子をドーピングした可視光応答型光触媒が開示されて
いる。さらに、特開平11−197512号公報には、
クロム等の金属イオンをイオン注入した可視光応答型光
触媒が開示されている。この他にも、低温プラズマを利
用した可視光応答型の光触媒や白金担持した可視光応答
型の光触媒が公表されている。本実施形態にかかる印刷
用版材5の作製にあたっては、これら公知の方法で製造
された可視光応答型光触媒を使用すれば良い。
【0034】また、可視光応答型光触媒を含む感光層
(なお、感光層は光触媒を含むので光触媒層ともいう)
3には、前記性質及び親水特性を維持すること、あるい
は、基材1と感光層3との密着性や感光層3の強度を向
上させることを目的として、次に示すような物質を添加
しても良い。つまり、例えば、シリカ,シリカゾル,オ
ルガノシラン,シリコン樹脂等のシリカ系化合物、ま
た、ジルコニウム,アルミニウム,チタニウム等の金属
酸化物又は金属水酸化物、さらには、フッ素系樹脂を挙
げることができる。
【0035】酸化チタン光触媒としては、ルチル型,ア
ナターゼ型,ブルッカイト型があるが、本実施形態にお
いてはいずれも利用可能であり、これらの混合物を用い
ても良いが、光触媒活性を考慮すると、アナターゼ型が
好ましい。また、後述するように、前記活性光照射下で
画線部を分解する光触媒活性を高くするためには、酸化
チタン光触媒の粒子径はある程度小さい方が好ましい。
具体的には、酸化チタン光触媒の粒径は0.1μm以
下、さらに好ましくは、粒径0.05μm以下であると
良い。なお、光触媒としては酸化チタン光触媒が好適で
あるが、もちろん、これに限定されるものではない。
【0036】また、感光層3の膜厚は、0.005〜1
μmの範囲内にあることが好ましい。この理由は、膜厚
があまりに小さければ、前記性質を十分に活かすことが
困難であり、また、膜厚があまりに大きければ、感光層
3がひび割れしやすくなり耐刷性低下の要因となるため
である。なお、このひび割れは、膜厚が10μmを越え
るようなときに顕著に観察されるため、前記範囲を緩和
するとしても10μmをその上限として認識する必要が
ある。また、実際上は、0.03〜0.5μm程度の膜
厚とするのが、より好ましい。
【0037】さらに、この感光層3の形成方法として
は、ゾル塗布法,有機チタネート法,スパッタリング
法,CVD法,PVD法等を適宜選択して形成すれば良
い。このとき、例えば、ゾル塗布法を採用するのであれ
ば、それに用いられる塗布液には、酸化チタン光触媒及
び感光層3の強度や基材1と感光層3との密着性を向上
させる上記各種の物質の他に、溶剤,架橋剤,界面活性
剤等を添加しても良い。
【0038】また、塗布液は、常温乾燥タイプでも加熱
乾燥タイプでも良いが、後者の方がより好ましい。この
理由は、加熱により感光層3の強度を高めた方が、版材
5の耐刷性を向上させるのに有利となるからである。ま
た、例えば、真空中で金属基板上へスパッタリング法等
により不定形の酸化チタン層を成長させた後、加熱処理
により結晶化させる方法等により、高い強度をもつ感光
層3を作製することも可能である。
【0039】感光層3を疎水化させる有機系化合物とし
ては、版材5表面(版の表面)の少なくとも親水性部分
と反応もしくは強く相互作用して親水性表面を覆い、感
光層3表面を疎水性に変換する作用を有することはもち
ろん、これと同時に、活性光放射下において光触媒の酸
化分解作用により容易に分解されるものが好ましい。具
体的には、有機チタン化合物,有機シラン化合物,イソ
シアナート系化合物及びエポキシド系化合物が好まし
い。これらの化合物は、親水性の光触媒表面に存在する
水酸基と反応して表面に固定化されるため、原理的に光
触媒表面に単分子層的な有機系化合物層を形成するよう
になっている。このように、単分子層で光触媒表面が疎
水化されるため、活性光照射下での分解が容易なものと
なる。
【0040】なお、上記の有機チタン化合物としては、
1)テトラ−i−プロポキシチタン,テトラ−n−プロ
ポキシチタン,テトラ−n−ブトキシチタン,テトラ−
i−ブトキシチタン,テトラステアロキシチタン等のア
ルコキシチタン、2)トリ−n−ブトキシチタンステア
レート,イソプロポキシチタントリステアレート等のチ
タンアシレート、3)ジイソプロポキシチタンビスアセ
チルアセトネート,ジヒドロキシ・ビスラクタトチタ
ン,チタニウム−i−プロポキシオクチレングリコール
等のチタンキレート、等がある。
【0041】また、有機シラン化合物としては、1)ト
リメチルメトキシシラン,トリメチルエトキシシラン,
ジメチルジエトキシシラン,メチルトリメトキシシラ
ン,テトラメトキシシラン,メチルトリエトキシシラ
ン,テトラエトキシシラン,メチルジメトキシシラン,
オクタデシルトリメトキシシラン,オクタデシルトリエ
トキシシラン等のアルコキシシラン、2)トリメチルク
ロロシラン,ジメチルジクロロシラン,メチルトリクロ
ロシラン,メチルジクロロシラン,ジメチルクロロシラ
ン等のクロロシラン、3)ビニルトリクロロシラン,ビ
ニルトリエトキシシラン,γ−クロロプロピルトリメト
キシシラン,γ−クロロプロピルメチルジクロロシラ
ン,γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン,γ−
クロロプロピルメチルジエトキシシラン,γ−アミノプ
ロピルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、
4)パーフロロアルキルトリメトキシシラン等のフロロ
アルキルシラン、等がある。
【0042】また、イソシアナート化合物としては、イ
ソシアン酸ドデシル,イソシアン酸オクタデシル等があ
る。さらに、エポキシド系化合物としては、1,2−エ
ポキシデカン,1,2−エポキシヘキサデカン,1,2
−エポキシオクタデカン等がある。なお、有機チタン化
合物,有機シラン化合物,イソシアナート系化合物及び
エポキシド系化合物は、上記の物質に限定されるもので
はない。
【0043】上記の有機系化合物は、常温で液体の場合
は、ブレードコーティングやロールコーティング,ディ
ップコーティング等の方法で感光層3に塗布するか、ス
プレー等で微小液滴にして塗布すれば良い。また、分解
温度以下の温度で加熱して気化させたり、超音波を利用
した液体の霧化装置、いわゆるネブライザー等を用いて
蒸気化させたりして感光層3表面に吹き付ける等の方法
を用いても良い。なお、有機系化合物の濃度や粘度等を
調整することを目的に、他の液体に溶解して用いても良
いことは言うまでもない。
【0044】次に、本実施形態にかかる印刷用版の作製
方法及びその再生方法について説明する。図7に示すよ
うに、版の作製及び再生のフローは、疎水化工程(ステ
ップS200),画像書き込み工程(ステップS21
0),印刷工程(ステップS220),インキ除去工程
(ステップS230),親水化工程(画像履歴消去工
程)(ステップS240)のステップからなる。
【0045】まず、印刷用版の作製方法について説明す
る。なお、以下において、「版の作製」とは、版材5表
面(即ち、感光層3表面)が疎水化された状態(初期状
態)から、版材5表面の少なくとも一部をデジタルデー
タに基づいて可視光以下の波長を有する光(活性光)を
照射して親水性の非画線部を形成し、活性光が照射され
なかった版材5表面の疎水性部分と併せて、版面上に疎
水性画線部と親水性非画線部とからなる潜像を形成する
ことを言うものとする。
【0046】まず、疎水化工程(ステップS200)に
おいて、前工程〔親水化工程(ステップS240)〕で
全面を親水化された感光層3表面を疎水化する。なお、
図3(a)は、版材5全面が疎水化された初期状態を示
している。ここで、疎水性の版材5表面とは、水6の接
触角が50°以上、好ましくは80°以上の版材5表面
であり、印刷用の疎水性インキが容易に付着し、一方、
湿し水の付着は困難な状態になっている。
【0047】また、感光層3表面のこの状態を「版作製
時の初期状態」という。この「版作製時の初期状態」と
は、実際上の印刷工程(ステップS220)におけるそ
の開始時とみなして良い。より具体的にいえば、任意の
画像に関して、それをデジタル化したデータが既に用意
されていて、これを版材5表面に書き込みしようとする
ときの状態を指すものとみなせる。
【0048】そして、図3(b)に示すように、画像書
き込み工程(ステップS210)として、疎水性状態と
なっている感光層3表面に非画線部を書き込む。この非
画線部は、画像に関するデジタルデータに準拠して、そ
のデータに対応するように感光層3表面に書き込まれ
る。ここで、非画線部とは、図2に示すように、水6の
接触角が10°以下の親水性の部分であり、湿し水が容
易に付着し、一方、印刷用インキの付着は困難な状態に
なっている。
【0049】この親水性の非画線部を画像データに基づ
いて現出させる方法として、波長600nm以下の光、
即ち、活性光によって触媒活性を発現する光触媒を含む
感光層3に活性光を照射して、光触媒の作用で感光層3
表面を親水化させる。一方、活性光が照射されなかった
感光層3表面は疎水性のままであることから、版面には
親水性部分と疎水性部分とが形成され、版を作製するこ
とができる。
【0050】ここでは、図3(b)に示すように、可視
光、例えば波長405nmのバイオレットレーザを用い
た書き込みヘッドによって、非画線部を書き込み、疎水
性の感光層3表面に非画線部を形成するようにしてい
る。なお、親水性の非画線部を画像データに基づいて現
出させる方法としては、波長405nmのバイオレット
レーザを用いた書き込みヘッド以外に、例えば、ベイシ
スプリント社(ドイツ)が発表しているUVセッター7
10に用いられている波長360nm〜450nmの光
を発生する光源とマイクロミラーとを用いた書き込みヘ
ッド等、活性光を用いて画像を書き込めるものであれば
良い。
【0051】上記の画像書き込み工程(ステップS21
0)が終了した時点で、図3(c)に示すように、感光
層3表面には画線部と非画線部とが形成され、次の印刷
工程(ステップS220)における印刷が可能な状態と
なる。この印刷工程(ステップS220)において、版
材5表面に湿し水及び印刷用の疎水性インキと湿し水を
混合したいわゆる乳化インキを塗布する。
【0052】したがって、例えば、図4に示すような画
像が書き込まれた場合には、網掛けされた部分(即ち、
疎水性の画線部)3bには、疎水性インキが付着した状
態を示しており、残りの白地の部分(即ち、親水性の非
画線部)3aには、湿し水が優先的に付着する一方、疎
水性インキははじかれて付着しなかった状態を示してい
る。このように画像(絵柄)が浮かび上がることによ
り、感光層3表面は、印刷用版としての機能を有するこ
とになる。この後、通常の印刷工程、即ち、紙への印刷
を実行し、印刷を終了する。
【0053】次に、印刷用版の再生方法について説明す
る。なお、以下において、「版の再生」とは、少なくと
も一部が疎水性を示し、残りの部分が親水性を示す版材
5表面を、全面均一に親水化した後、この親水性の版材
5表面に、光,電気,熱等のエネルギー束を単独あるい
は複数組み合わせて版材5面に照射する、あるいは摩擦
等の機械的刺激を版材5表面に加える、あるいは有機系
化合物を版材5表面に供給して感光層3と有機系化合物
とを相互作用させることにより、光触媒特性を親水性か
ら疎水性へ変換させ、再び「版作製時の初期状態」に復
活させることをいうものとする。
【0054】なお、疎水化処理前の版材5表面全面を均
一に親水化する処理は、版の履歴を完全に消去するため
に実施するものであるが、必ずしも毎回行なう必要はな
く、この親水化処理なしでも版再生は実質的に可能であ
る。まず、インキ除去工程(ステップS230)とし
て、印刷終了後の感光層3表面に付着したインキ,湿し
水,紙粉等を除去する。この除去方法としては、版面へ
のインキ供給を止めて刷り減らす方法、インキ拭き取り
用の布状テープを巻き取る機構で版面のインキを拭き取
る方法、インキ拭き取り用の布状物を巻きつけたローラ
で版面のインキを拭き取る方法、洗浄液をスプレーで版
面に吹き付けてインキを洗浄する方法等を適宜用いれば
良い。
【0055】その後、親水化工程(ステップS240)
において、図3(e)に示すように、感光層3全面に活
性光を照射することにより、画線部3bをも親水化し
て、感光層3全面を水6の接触角が10°以下の親水性
表面にすることができる。即ち、感光層3全面を図2に
示す状態にすることができ、画像履歴を全て消去するこ
とができる。
【0056】なお、活性光を照射することによって、感
光層3表面に存在する疎水性の画線部が高い親水性を有
する表面に変換するという特性は、例えば、酸化チタン
光触媒を用いることにより達成することができる。ここ
では、図3(e)に示すように、紫外線ランプを用い
て、紫外線照射で疎水性画線部を親水性に変換し、感光
層3全面を親水性にして、版の履歴を消去する場合を示
している。
【0057】そして、疎水化工程(ステップS200)
において、光,電気,熱等のエネルギー束を単独あるい
は複数組み合わせて版材5表面に照射する、あるいは摩
擦等の機械的刺激を版材5表面に加える、あるいは有機
系化合物を版材5表面に供給してこの有機系化合物と感
光層3とを相互作用させることにより、光触媒特性を親
水性から疎水性へ変換させ、版作製時の初期状態に戻
す。
【0058】なお、親水化工程(ステップS240)
は、版の履歴解消を完全に行なうために工程の1つとし
て加えられているが、インキ除去工程(ステップS23
0)において、版面に付着したインキが少なくとも次の
印刷に影響しない程度に充分に除去される場合は、この
親水化工程(ステップS240)を飛ばして、インキ除
去工程(ステップS230)から疎水化工程(ステップ
S200)へ直接移っても差しつかえない。
【0059】以上説明したことを、まとめて示している
のが図5に示したグラフである。これは、横軸に時間
(あるいは操作)、縦軸に版材5表面の水6の接触角を
とったグラフであって、本実施形態における印刷用版材
5に関して、その感光層3表面の水6の接触角が時間あ
るいは操作に伴ってどのように変化するかを示したもの
である。図5において、一点鎖線は感光層3の非画線部
3aの接触角を、実線は画線部3bの接触角を、各々示
している。
【0060】まず、感光層3表面に活性光を照射して、
感光層3表面の、水6の接触角が10°以下の高い親水
性を示すようにしておく。そして、疎水化工程(ステッ
プS200)(図5中に示すAの工程)として、感光層
3表面に、光,電気,熱等のエネルギー束を単独あるい
は複数組み合わせて版面に照射する、あるいは摩擦等の
機械的刺激を版材5表面に加える、あるいは有機系化合
物を版材5表面に供給してこの前記有機系化合物と感光
層3とを相互作用させることにより、光触媒特性を親水
性から疎水性へ変換させる。即ち、水6の接触角が50
°以上、好ましくは80°以上になる。疎水化処理が終
わった時点〔図5中の時点(b)〕が「版作製時の初期
状態」である。
【0061】次に、画線書き込み工程(ステップS21
0)(図5中に示すBの工程)として、疎水性の感光層
3表面上に活性光により非画線部の書き込みを開始する
〔図5中の時点(b)〕。これにより、活性光を照射さ
れた感光層3表面は光触媒の作用により疎水性から親水
性へ変換させる。即ち、感光層3の水6の接触角が10
°以下となる。一方、活性光を照射してない感光層3表
面は疎水性の状態を保つため、感光層3表面は活性光未
照射部分が疎水性の画線部となり、活性光照射部分が親
水性の非画線部となるため、版として機能することがで
きるようになる。
【0062】そして、非画線部の書き込みが完了した
後、印刷工程(ステップS220)(図5中に示すCの
工程)として、印刷を開始する〔図5中の時点
(c)〕。印刷が終了した後、インキ除去工程(ステッ
プS230)(図5中に示すDの工程)として、感光層
3表面のインキ、汚れ等を除去する〔図5中の時点
(d)〕。
【0063】インキ除去完了後に、親水化工程(ステッ
プS240)(図5中に示すEの工程)として、感光層
3表面への活性光照射を開始する〔図5中の時点
(e)〕。これにより、光触媒の作用によって疎水性画
線部は親水性非画線部に変換され、感光層3の全面は再
び親水性に戻る。この後、次の疎水化工程(ステップS
200)(図5中に示すA′の工程)として、光,電
気,熱等のエネルギー束を単独あるいは複数組み合わせ
て版面に照射する、あるいは摩擦等の機械的刺激を版材
5表面に加える、あるいは有機系化合物を版材5表面に
供給して有機系化合物と感光層3とを相互作用させるこ
とにより〔図5中の時点(a′)〕、「版作製時の初期
状態」に戻ることになり、この印刷用版材5は再利用に
供されることになる。
【0064】なお、上記の印刷および版再生を印刷機上
で行なうためには、図6に示すような印刷システム(印
刷機)10を用いるのが好ましい。すなわち、この印刷
機10は、版胴11を中心として、その周囲に版クリー
ニング装置12、画像書き込み装置13、疎水化装置と
しての有機系化合物供給装置14、版面加熱装置15、
履歴解消装置としての親水化処理用活性光照射装置1
6、インキングローラ17、湿し水供給装置18及びブ
ランケット胴19を備えたものとなっている。なお、印
刷用版材5は、版胴11に巻き付けられて設置されてい
る。
【0065】以下、図6を参照して版の再生及び作製を
説明すると、この印刷機10において、上記したように
版胴11に巻きつけられて印刷を終了した版の再生工程
は、次のように行われる。まず、版クリーニング装置1
2を版胴11に対して接した状態とし、版面上に付着し
たインキ,湿し水,紙粉等をきれいに拭き取る。図6で
は、クリーニング装置としてインキ拭き取り用の布状テ
ープを巻き取る機構を有する版クリーニング装置12を
示しているが、これに限るものではない。
【0066】その後、版クリーニング装置12を版胴1
1から脱離させ、親水化処理用活性光照射装置16で版
全面に活性光を照射して版面を親水化する。なお、活性
光としては可視光以下の波長を有する光、即ち、600
nm以下の光を用いることができる。この親水化の際
に、版面加熱装置15で版面を加熱しながら活性光を照
射しても良い。
【0067】そして、有機系化合物供給装置14で版面
表面に有機系化合物を供給してこの有機系化合物と感光
層3とを相互作用させ、版材5表面を疎水化する。な
お、図6ではローラ塗布装置を示しているが、これに限
るものではない。また、疎水化装置を、版材5表面に有
機系化合物を供給する装置として説明したが、もちろ
ん、光,電気,熱等のエネルギー束を単独あるいは複数
組み合わせて版材5表面に照射する、あるいは摩擦等の
機械的刺激を版材5表面に加える装置として構成するよ
うにしても良い。また、有機系化合物と版面との相互作
用を促進する目的で、有機系化合物塗布後に版材5表面
を版面加熱装置15により加熱しても良い。
【0068】次に、予め用意された画像のデジタルデー
タに基づいて画像書き込み装置13により活性光を照射
して非画線部を書き込む(即ち、版面に画像を書き込
む)。そして、画像を書き込んだ後、インキングローラ
17、湿し水供給装置18、ブランケット胴19を版胴
に対して接する状態とし、紙20がブランケット胴19
に接するようにする。そして、図6に示す矢印の方向に
それぞれ回転することによって、版面に湿し水及びイン
キが順次供給され、印刷が行われるようになっている。
【0069】この印刷機10においては、印刷後の版面
のクリーニング、活性光照射による画線部の消去、版面
への有機系化合物の供給、および画像書き込みの一連の
版再生及び版作製の工程を、印刷用版材5を印刷機の版
胴11に取り付けたまま、印刷機10上でも行なうこと
ができる。これによれば、印刷機10を停止することな
く、また印刷版の交換作業を挟むことなく連続的な印刷
作業の実施を行なうことが可能になる。
【0070】なお、この印刷機10においては、印刷用
版材5を版胴11に巻き付けるように構成しているが、
これに限定されるものではなく、光触媒を含む感光層3
を、版胴11表面に直接設ける、すなわち版胴11と印
刷用版材5とが一体に構成されたものを用いても良いこ
とは言うまでもない。
【0071】次に、本発明にかかる印刷用版材、印刷用
版材の作製方法及び印刷用版の再生方法について、版作
製及び版再生の手順及びその効果を、本願発明者らが確
認したより具体的な実施例をあげて説明する。なお、図
8に示すように、版材5の作製のフローは、中間層形成
工程(ステップS100)、中間層定着工程(ステップ
S110)、感光層液形成工程(ステップS120)、
感光層定着工程(ステップS130)のステップからな
る。
【0072】(a)光触媒について 〈触媒調製〉原料の硫酸チタン(和光純薬)に攪拌しな
がらアンモニア水を加えて、硫酸チタンの加水分解物を
得た。この加水分解物をヌッチェを用いて濾過し、濾液
の電気伝導度が2μS/cm以下になるまでイオン交換
水で洗浄した。洗浄後、加水分解物を室温乾燥し、その
後大気中で400℃で2時間焼成した。この焼成物を、
まず乳鉢で祖粉砕し光触媒粉末を得た。
【0073】〈可視光活性の確認〉前記光触媒粉末を
0.2gを採取し、密閉できるパイレックス(R)ガラ
ス製の円筒容器(容量500mL)の底に均一に広げ
た。次いで、反応容器内を脱気した後、高純度空気で置
換した。そして、アセトンを反応容器内濃度が500p
pmになるように注入後、25℃で吸着平行に達するま
で暗所で10時間吸着させた。その後、日亜化学製の青
色LED(主波長470nm)を照射し、アセトン及び
CO2量を島津製ガスクロマトグラフで追跡した結果、
青色LED照射25時間でアセトンは無くなり、代わり
にアセトンの化学量論比に一致するCO2の発生が確認
された。すなわち、前期光触媒粉末が波長470nmの
光で触媒活性を示すことが確認できた。
【0074】(b)実施例1 〈版材作製〉タングステン酸(和光純薬)2.155g
を過酸化水素水(H2235%)18g中に添加し、6
5℃のウォターバス中で攪拌し、タングステン酸を溶解
させる。室温まで冷却後、アンモニア水(アンモニア2
8%)を2.1g加えて水冷しながら攪拌する。そし
て、65℃のウォターバス中で加温しながら気泡が出な
くなるまで攪拌する。その後、イオン交換水で全量が4
0gとなるまで稀釈し、半導体塗布液Xとした。
【0075】前記光触媒粉末をイオン交換水中に分散さ
せ固形分20重量%のスラリーとした。このスラリーを
湿式ミル(商品名ダイノミルPILOT)で粉砕し光触
媒分散液とした。面積が280×204mm、厚さが
0.1mmのステンレス(SUS301)製の基材1を
用意し、アルカリ脱脂処理し、版材基板とした。
【0076】そして、図8に示すように、中間層形成工
程(ステップS100)において、前記基板に半導体塗
布液Xをディップコートした後、中間層定着工程(ステ
ップS110)において、風乾後、500℃で30分加
熱して基板上に定着させて中間層2とした。このときの
中間層2の厚みは約0.07μmで、中間層2の組成は
分析の結果、酸化タングステンWO3であった。
【0077】その後、感光層形成工程(ステップS12
0)において、前記光触媒分散液とテイカ株式会社製の
酸化チタンコーティング剤TKC−301を重量比1:
8の割合で混合した液を前記中間層2を設けた版材基板
にディップコートし、感光層定着工程(ステップS13
0)において、350℃で加熱して、感光層3を中間層
2表面上に定着させて版材5とした。このときの感光層
3の厚みは約0.1μmであった。版材5表面につい
て、協和界面科学製のCA−W型接触角計で水6の接触
角を測定したところ、接触角は8°となり、十分な親水
性を示した。
【0078】〈印刷準備〉チタニウム−i−プロポキシ
オクチレングリコール(日本曹達製)2gをパラフィン
系溶媒(商品名アイソパーL,エクソンモービル製)9
8gに溶解し、疎水化処理液Yとした。前記の親水性を
示す版材5を(株)アルファー技研の卓上オフセット印
刷機ニューエースプロに取り付け、前記疎水化処理液Y
をスプレーで版面に塗布し、熱風乾燥機で乾燥させた。
この版材5を一旦印刷機からはずして、前記接触角計で
水6の接触角を測定したところ、接触角は75°とな
り、十分な疎水性を示し、前記印刷用版材5が版作製時
の初期状態になっていることを確認した。
【0079】〈画像書き込み〉次に、波長405nm、
出力5mW/チャンネル、ビーム径15μmの半導体レ
ーザを用いた画像書き込み装置により、レーザビームの
走査速度2m/秒で、版面に画線率10%から100%
までの10%刻みの網点画像を書き込んだ。書き込み終
了後の版材5表面の水6の接触角を前記接触角計で測定
したところ、半導体レーザで書き込んだ部分の接触角は
8°で親水性の非画線部となり、書き込んでいないとこ
ろは接触角75°の疎水性を保った画線部となっている
ことを確認した。
【0080】〈印刷〉この版材5を前記の卓上オフセッ
ト印刷機ニューエースプロに取り付け、東洋インキ製の
インキ(HYECOOB紅MZ)と三菱重工業製の湿し
水リソフェロー1%溶液を用いて、アイベスト紙に印刷
速度3500枚/時にて印刷を開始した。印刷開始1枚
目から紙面上には網点画像が印刷できた。
【0081】〈再生〉次に印刷用版材5の再生にかかる
実施例を説明する。印刷終了後、版面上に付着したイン
キ,湿し水,紙粉等をきれいに拭き取った版全面に、低
圧水銀ランプを用いて波長254nm、照度10mW/
cm2の紫外線を20秒照射した。その後、網点を書き
込んでいた部分について直ちに前記接触角計で水6の接
触角を測定したところ、接触角は8°となり、十分な親
水性を示し、前の画像の履歴が完全に消去できているこ
とを確認した。
【0082】次に、前記疎水化処理液Yをスプレーで版
面に塗布し、熱風乾燥機で乾燥させた。前記接触角計で
水6の接触角を測定したところ、接触角は73°とな
り、十分な疎水性を示し、前記印刷用版材5が「版作製
時の初期状態」に戻り、版再生ができたことを確認し
た。
【0083】(c)比較例1 〈版材作製〉前記基板に半導体塗布液Xをディップコー
トしないで、面積が280×204mm、厚さが0.1
mmのステンレス(SUS301)製の基材1をアルカ
リ脱脂処理しただけの版材基板を用いた以外は、実施例
1と同様にして版材基板上に感光層3を形成し、版材5
とした。このときの感光層3の厚みは約0.1μmであ
った。版材5表面について、協和界面科学製のCA−W
型接触角計で水6の接触角を測定したところ、接触角は
7°となり、十分な親水性を示した。 〈印刷準備〉実施例1と同様にして版材5表面を疎水化
した。前記接触角計で水6の接触角を測定したところ、
接触角は74°となり、十分な疎水性を示した。
【0084】〈画像書き込み〉次に、波長405nm、
出力5mW/チャンネル、ビーム径15μmの半導体レ
ーザを用いた画像書き込み装置により、レーザビームの
走査速度2m/秒で、版面に画線率10%から100%
までの10%刻みの網点画像を書き込んだ。書き込み終
了後の版材5表面の水6の接触角を前記接触角計で測定
したところ、半導体レーザで書き込んだ部分の接触角は
23°で充分な親水性を示さなかった。即ち、有機系化
合物を酸化分解する触媒活性、および光触媒が親水化す
る触媒活性のいずれか、またはどちらも、実施例1の酸
化タングステンWO3中間層2がある場合に比べて、比
較例1の方が低下していることが確認できた。画像を書
き込んでいないところは接触角75°の疎水性を保って
いた。
【0085】〈印刷〉実施例1と同様に、印刷速度35
00枚/時にて印刷を開始したが、本来インキが付着し
てはならない非画線部にもインキがうっすら付着し、印
刷物が汚れていた。上記の様に、非画線部の接触角が充
分に下がらず、非画線部の親水性が不十分であったた
め、非画線部にもインキが多少付着したと考えられる。 〈再生〉印刷終了後、版面上に付着したインキ,湿し
水,紙粉等をきれいに拭き取った版全面に、低圧水銀ラ
ンプを用いて波長254nm、照度10mW/cm2
紫外線を20秒照射した。その後、網点を書き込んでい
た部分について直ちに前記接触角計で水6の接触角を測
定したところ、接触角は25°で、充分に親水化せず、
完全に履歴解消できなかった。
【0086】(d)実施例2 〈版材作製〉酸化錫SnO微粒子(粒径約500nm)
を、SiO2ゾル(商品名スノーテックス20、日産化
学)にSnO/SiO2の固形分比6/4になるように
混合し半導体塗布液X′とした。前記光触媒粉末をイオ
ン交換水中に分散させ固形分20重量%のスラリーとし
た。このスラリーを湿式ミル(商品名ダイノミルPIL
OT)で粉砕し光触媒分散液とした。面積が280×2
04mm、厚さが0.1mmのステンレス(SUS30
1)製の基材1を用意し、アルカリ脱脂処理し、版材基
板とした。
【0087】そして、中間層形成工程(ステップS10
0)において、前記基板に半導体塗布液X′をディップ
コートした後、中間層定着工程(ステップS110)に
おいて、風乾後、500℃で30分加熱して基板上に定
着させて中間層2とした。このときの中間層2の厚みは
約0.09μmであった。その後、感光層形成工程(ス
テップS120)において、前記光触媒分散液とテイカ
株式会社製の酸化チタンコーティング剤TKC−301
を重量比1:8の割合で混合した液を前記中間層2を設
けた版材基板にディップコートし、感光層定着工程(ス
テップS130)において、350℃で加熱して、感光
層3を中間層2上に定着させて版材5とした。このとき
の感光層3の厚みは約0.1μmであった。版材5表面
について、協和界面科学製のCA−W型接触角計で水6
の接触角を測定したところ、接触角は8°となり、十分
な親水性を示した。
【0088】〈印刷準備〉1,2−エポキシヘキサデカ
ン(和光純薬)0.3gをパラフィン系溶媒(商品名ア
イソパーL,エクソンモービル製)99.7gに溶解
し、疎水化処理液Y′とした。前記の親水性を示す版材
5を(株)アルファー技研の卓上オフセット印刷機ニュ
ーエースプロに取り付け、前記疎水化処理液Y′をネブ
ライザーで気化して版面に塗布し、熱風乾燥機で乾燥さ
せた。この版材5を一旦印刷機からはずして、前記接触
角計で水6の接触角を測定したところ、接触角は85°
となり、十分な疎水性を示した。
【0089】〈画像書き込み〉次に、ベイシスプリント
社のUVセッター710(波長360〜450nm)を
用いて、版面に画線率10%から100%までの10%
刻みの網点画像を書き込んだ。画像書き込みは13mm
×17mmの寸法(ミニピクチャー)の版面を同時に書
き込む方式で、毎秒10ミニピクチャーの書き込み速度
であった。書き込み終了後の版材5表面の水6の接触角
を前記接触角計で測定したところ、半導体レーザで書き
込んだ部分の接触角は8°で親水性の非画線部となり、
書き込んでいないところは接触角85°の疎水性を保っ
た画線部となっていることを確認した。
【0090】〈印刷〉実施例1と同様に印刷を行い、印
刷開始1枚目から紙面上には網点画像が印刷できた。 〈再生〉印刷終了後、実施例1と同様にインキ除去、紫
外線照射による親水化を行った。親水化処理後の版面の
水6の接触角を測定したところ、接触角は8°であっ
た。
【0091】次に、前記疎水化処理液Y′をネブライザ
ーで気化して版面に塗布し、熱風乾燥機で乾燥させた
後、前記接触角計で版面の水6の接触角を測定したとこ
ろ、接触角は86°を示し、前記印刷用版材5が「版作
製時の初期状態」に戻ったことを確認した。
【0092】(e)比較例2 〈版材作製〉前記基板に半導体塗布液X′をディップコ
ートしないで、面積が280×204mm、厚さが0.
1mmのステンレス(SUS301)製の基材1をアル
カリ脱脂処理しただけの版材基板を用いた以外は、実施
例2と同様にして版材基板上に感光層3を形成し、版材
5とした。このときの感光層3の厚みは約0.1μmで
あった。版材5表面について、協和界面科学製のCA−
W型接触角計で水6の接触角を測定したところ、接触角
は7°となり、十分な親水性を示した。
【0093】〈印刷準備〉実施例2と同様にして版材5
表面を疎水化した。前記接触角計で水6の接触角を測定
したところ、接触角は86°となり、十分な疎水性を示
した。 〈画像書き込み〉次に、実施例2と同様にして毎秒10
ミニピクチャーの書き込み速度で網点画像を書き込ん
だ。書き込み終了後の版材5表面の水6の接触角を前記
接触角計で測定したところ、書き込んだ部分の接触角は
26°で充分な親水性を示さなかった。画像を書き込ん
でいないところは接触角85°の疎水性を保っていた。
【0094】〈印刷〉実施例2と同様に、印刷速度35
00枚/時にて印刷を開始したが、本来インキが付着し
てはならない非画線部にもインキがうっすら付着し、印
刷物が汚れていた。 〈再生〉印刷終了後、版面上に付着したインキ,湿し
水,紙粉等をきれいに拭き取った版全面に、低圧水銀ラ
ンプを用いて波長254nm、照度10mW/cm2
紫外線を20秒照射した。その後、網点を書き込んでい
た部分について直ちに前記接触角計で水6の接触角を測
定したところ、接触角は26°で、充分に親水化せず、
完全に履歴解消できなかった。
【0095】このように、本実施形態にかかる印刷用版
材5は再利用が可能となっているという効果もさること
ながら、そのサイクルを迅速化できる効果をも得ること
ができる。すなわち、基材1と光触媒を含む感光層3と
の間に、半導体もしくは電気伝導体を含む層、いわゆる
中間層2を設けることにより光触媒の触媒活性を高める
ことができる。つまり、版を作製するにも、版を再生す
るにも、いずれにしても、それらを実現するための作業
に時間がかからないこととなっている。従って、印刷工
程全体を極めて速やかに完了させることが可能なものと
なっている。
【0096】また、版の再生・再利用を可能としたこと
から、使用後に廃棄される版材5の量を著しく減少させ
ることができる。また、画線部としてポリマーを用いな
いことから、版再生時に画線部ポリマーを洗浄するため
の洗浄液も不要である。したがって、環境に優しいだけ
でなく、版材5に関わるコストを大幅に低減することが
できる。また、画像に関するデジタルデータから、版材
5への画像書き込みを直接実施することが可能であるこ
とから、印刷工程のデジタル化対応がなされており、そ
の相応分の大幅な時間短縮、またはコスト削減を図るこ
とができる。
【0097】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではな
く、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施
することができる。例えば、本実施形態では、基材1表
面に中間層2を形成した後、中間層2を乾燥又は焼成等
を行なわなくても中間層2が基材1上に定着する場合に
は、この中間層定着工程を飛ばして、感光層3を形成す
る感光層形成工程に移るようにしても良い。すなわち、
基材1表面に中間層2を形成した後感光層3を形成し、
その後、中間層2と感光層3とを乾燥又は焼成等により
基材1上に同時に定着させるようにしても良い。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の印刷用版材によれば、感光層が可視光以下の波長
を有する光に反応する光触媒を含むので、可視光以下の
活性光を感光層表面に照射して感光層表面を反応させて
画像を書き込むことができる。また、印刷終了後は、版
材表面全面に可視光以下の活性光を照射することによ
り、版材表面全面を親水化することができる。
【0099】また、感光層表面に有機系化合物が塗布さ
れる場合には、この有機系化合物を酸化分解反応させる
ことができる。特に、基材と感光層との間に介装された
中間層には、半導体又は電気伝導体が含まれているの
で、この半導体又は電気伝導体の性質により、活性光に
よる画像書き込み時の書き込み速度を早めて製版時間を
短縮したり、画像書き込みに要する光エネルギーを低減
させたりすることができる。
【0100】また、版の再生時には、履歴解消のために
版面に照射する活性光の照射エネルギーを低減させるこ
とが可能である。このように、画像書き込み時間及び版
再生時間を短縮することができ、さらに、印刷準備時間
の短縮が可能である。また、版材を再生し繰り返し使用
することにより、使用後に廃棄される版材の量を著しく
減少させることができるとともに、版材に関わるコスト
が低減できるようになる。
【0101】さらに、デジタルデータから直接版を作製
することにより、印刷工程のデジタル化対応や時間短縮
ができるようになる。そして、印刷機に取り付けた状態
で、版作製および版再生ができるようになり、版交換作
業がなく操作性を向上させることができる。また、請求
項2記載の本発明の印刷用版材によれば、基材が可撓性
を有するので、印刷用版材を円筒状の版胴に巻きつける
ことができ、印刷用版材として適切に機能させることが
可能になる。
【0102】また、請求項3記載の本発明の印刷用版材
によれば、中間層に含まれる半導体として酸化タングス
テンを用いることにより、版材表面の反応を確実に促進
することができ、製版や版再生にかかる時間の短縮を確
実に実現することができる。また、請求項4記載の本発
明の印刷用版材によれば、可視光以下の活性光を感光層
表面に照射することで感光層表面を疎水性から親水性へ
変換することにより画像書き込みを行なうので、上記半
導体又は電気伝導体の親水化を促進する性質を利用して
速やかに画像を書き込むことができる。
【0103】また、請求項5記載の本発明の印刷用版材
によれば、光,電気,熱等のエネルギー束を版材の表面
に照射することにより、又は、摩擦等の機械的刺激を版
材の表面に加えることにより、感光層表面の特性を親水
性から疎水性へ変換することができるので、印刷終了後
の版材表面を疎水化して版を初期状態に戻すことができ
る。
【0104】また、請求項6記載の本発明の印刷用版材
によれば、版材の再生時には、感光層表面に有機系化合
物を供給することにより、この有機系化合物と感光層と
を相互作用させて感光層表面の特性を親水性から疎水性
へ変換することができるので、印刷終了後の版材表面を
疎水化して版を初期状態に戻すことができる。また、請
求項7記載の本発明の印刷用版材によれば、光触媒とし
て、酸化チタン光触媒又は酸化チタン光触媒改質物を用
いることにより、上記の疎水性と親水性との間の変換を
確実に行なうことができる。
【0105】また、請求項8記載の本発明の印刷用版材
によれば、可視光以下の波長を有する光として、可視光
を含む600nm以下の波長を有する光を用いるので、
書き込み装置の選択肢を広げることができる。また、請
求項9記載の本発明の印刷用版材の作製方法によれば、
中間層形成工程において基材表面に半導体又は電気伝導
体を含む中間層を形成し、中間層定着工程において中間
層を基材表面に定着させ、感光層形成工程において中間
層表面に可視光以下の波長を有する光に反応する光触媒
を含む感光層を形成し、感光層定着工程において感光層
を中間層表面に定着させることにより、印刷用版材を作
製することができる。
【0106】また、請求項10記載の本発明の印刷用版
材の作製方法によれば、中間層形成工程において基材表
面に半導体又は電気伝導体を含む中間層を形成し、感光
層形成工程において中間層表面に可視光以下の波長を有
する光に反応する光触媒を含む感光層を形成し、定着工
程において感光層及び中間層を基材表面に定着させるこ
とにより、印刷用版材を作製することができる。
【0107】また、請求項11記載の本発明の印刷用版
の再生方法によれば、印刷終了後、インキ除去工程にお
いて版材表面からインキを除去し、疎水化工程において
感光層表面を疎水化することにより、印刷用版を再生す
ることができる。また、請求項12記載の本発明の印刷
用版の再生方法によれば、印刷終了後、インキ除去工程
において版材表面からインキを除去し、親水化工程にお
いて感光層表面に可視光以下の波長を有する光を照射し
て感光層表面を親水化し、疎水化工程において感光層表
面を疎水化することにより、印刷用版を再生することが
できる。
【0108】また、請求項13記載の本発明の印刷用版
の再生方法によれば、疎水化工程において、光,電気,
熱等のエネルギー束を感光層表面に照射する工程、及
び、摩擦等の機械的刺激を感光層表面に加える工程、及
び、有機系化合物を感光層表面に供給して有機系化合物
と感光層表面とを相互作用させる工程の何れか1つの工
程を行なうことにより、版材表面を疎水化することがで
きる。
【0109】また、請求項14記載の本発明の印刷機に
よれば、上記印刷用版材を版胴周面で支持して、画像書
き込み装置により感光層表面に可視光以下の波長を有す
る光を照射して画像を書き込み、また、疎水化装置によ
り感光層表面を疎水化できるので、印刷用版材を印刷機
に取り付けた状態で版作製及び版再生ができるようにな
ることから、版の交換作業等を挟むことなく、連続的な
印刷作業の実施を行なうことができる。
【0110】また、請求項15記載の本発明の印刷機に
よれば、疎水化装置が、光,電気,熱等のエネルギー束
を感光層表面に照射すること、及び、摩擦等の機械的刺
激を感光層表面に加えること、及び、有機系化合物を感
光層表面に供給して有機系化合物と感光層表面とを相互
作用させることの何れか1つによって感光層表面を疎水
化するので、種々の方法で版材表面を疎水化して版材を
初期状態に戻すことができる。
【0111】また、請求項16記載の本発明の印刷機に
よれば、履歴解消装置により、版材表面の全面に可視光
以下の波長を有する光を照射して版材表面の履歴を解消
することができるので、その後、版材表面を疎水化する
ことにより版の再生を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる印刷用版材の版材
表面が疎水性を示している場合の模式的断面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる印刷用版材の版材
表面が親水性を示している場合の模式的断面図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかる印刷用版の画像書
き込みから再生までのサイクルを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる印刷用版の一例を
示す模式的な斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる時間(又は操作)
と版材表面の水の接触角との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施形態にかかる印刷及び版再生を
行なう印刷機を示す模式的な図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる版の作製及び再生
を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態にかかる印刷用版材の作製
を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 基材 2 半導体もしくは電気伝導体を含む中間層 3 光触媒を含む感光層 3a 非画線部 3b 画線部 5 印刷用版材 6 水 10 印刷システム(印刷機) 11 版胴 12 版クリーニング装置 13 画像書き込み装置 14 有機系化合物供給装置(疎水化装置) 15 版面加熱装置 16 親水化処理用活性光照射装置(履歴解消装置) 17 インキングローラ 18 湿し水供給装置 19 ブランケット胴 20 紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 521 G03F 7/004 521 4G069 7/11 502 7/11 502 Fターム(参考) 2C034 BA00 2H025 AA00 AB03 AC01 AD03 BH03 DA40 2H084 AA30 AA36 AA38 CC05 2H096 AA06 BA20 CA05 EA02 EA03 EA05 2H114 AA04 AA23 AA28 BA01 BA10 DA08 DA21 EA01 EA08 EA10 GA01 GA29 4G069 AA03 AA08 BA04B BA48A BB06B BC60B CD10 EA08 ED02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可視光以下の波長を有する光により画像
    を書き込み、湿式現像処理なしに版作製が可能で、且
    つ、版を繰り返し再生し利用することが可能な印刷用版
    材であって、 基材と、 該基材の表面にそなえられ、可視光以下の波長を有する
    光に反応する光触媒を含む感光層と、 該基材と該感光層との間に介装され半導体又は電気伝導
    体を含む中間層とから構成されることを特徴とする、印
    刷用版材。
  2. 【請求項2】 該基材は、可撓性を有することを特徴と
    する、請求項1記載の印刷用版材。
  3. 【請求項3】 該中間層は、半導体としての酸化タング
    ステンをそなえていることを特徴とする、請求項1又は
    2記載の印刷用版材。
  4. 【請求項4】 上記の版材への画像書き込み時には、上
    記の可視光以下の波長を有する光が照射されると該感光
    層表面の特性が疎水性から親水性へ変換されることを特
    徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載の印刷用版
    材。
  5. 【請求項5】 上記の版材の再生時には、光,電気,熱
    等のエネルギー束が該版材の表面に照射されることによ
    り、又は、摩擦等の機械的刺激が該版材の表面に加えら
    れることにより、該感光層表面の特性が親水性から疎水
    性へ変換されることを特徴とする、請求項1〜4の何れ
    か1項に記載の印刷用版材。
  6. 【請求項6】 上記の版材の再生時には、該感光層表面
    に有機系化合物が供給されると、該有機系化合物と該感
    光層とが相互作用して該感光層表面の特性が親水性から
    疎水性へ変換されることを特徴とする、請求項1〜4の
    何れか1項に記載の印刷用版材。
  7. 【請求項7】 該光触媒が、酸化チタン光触媒又は酸化
    チタン光触媒改質物であることを特徴とする、請求項1
    〜6の何れか1項に記載の印刷用版材。
  8. 【請求項8】 上記の可視光以下の波長を有する光は、
    600nm以下の波長を有していることを特徴とする、
    請求項1〜7の何れか1項に記載の印刷用版材。
  9. 【請求項9】 可視光以下の波長を有する光により画像
    を書き込み、湿式現像処理なしに版作製が可能で、且
    つ、版を繰り返し再生し利用することが可能な印刷用版
    材を作製する方法であって、 基材表面に半導体又は電気伝導体を含む中間層を形成す
    る中間層形成工程と、 該中間層を該基材表面に定着させる中間層定着工程と、 該中間層表面に可視光以下の波長を有する光に反応する
    光触媒を含む感光層を形成する感光層形成工程と、 該感光層を該中間層表面に定着させる感光層定着工程と
    をそなえていることを特徴とする、印刷用版材の作製方
    法。
  10. 【請求項10】 可視光以下の波長を有する光により画
    像を書き込み、湿式現像処理なしに版作製が可能で、且
    つ、版を繰り返し再生し利用することが可能な印刷用版
    材を作製する方法であって、 基材表面に半導体又は電気伝導体を含む中間層を形成す
    る中間層形成工程と、 該中間層表面に可視光以下の波長を有する光に反応する
    光触媒を含む感光層を形成する感光層形成工程と、 該感光層及び該中間層を該基材表面に定着させる定着工
    程とをそなえていることを特徴とする、印刷用版材の作
    製方法。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8の何れか1項に記載の印
    刷用版材で構成された印刷用版を再生する方法であっ
    て、 印刷終了後、該版材表面からインキを除去するインキ除
    去工程と、 該感光層表面を疎水化する疎水化工程とをそなえている
    ことを特徴とする、印刷用版の再生方法。
  12. 【請求項12】 該インキ除去工程と該疎水化工程との
    間に、該感光層表面に可視光以下の波長を有する光を照
    射して該感光層表面を親水化する親水化工程をそなえて
    いることを特徴とする、請求項11記載の印刷用版の再
    生方法。
  13. 【請求項13】 該疎水化工程は、光,電気,熱等のエ
    ネルギー束を該感光層表面に照射する工程、及び、摩擦
    等の機械的刺激を該感光層表面に加える工程、及び、有
    機系化合物を該感光層表面に供給して該有機系化合物と
    該感光層表面とを相互作用させる工程の何れか1つの工
    程を含むことを特徴とする、請求項11又は12記載の
    印刷用版の再生方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8の何れか1項に記載の印
    刷用版材を周面で支持する版胴と、 該感光層表面に可視光以下の波長を有する光を照射して
    画像を書き込む画像書き込み装置と、 該感光層表面を疎水化する疎水化装置とをそなえている
    ことを特徴とする、印刷機。
  15. 【請求項15】 該疎水化装置は、 光,電気,熱等のエネルギー束を該感光層表面に照射す
    ること、及び、摩擦等の機械的刺激を該感光層表面に加
    えること、及び、有機系化合物を該感光層表面に供給し
    て該有機系化合物と該感光層表面とを相互作用させるこ
    との何れか1つによって該感光層表面を疎水化すること
    を特徴とする、請求項14記載の印刷機。
  16. 【請求項16】 該版材表面の全面に可視光以下の波長
    を有する光を照射して該版材表面の履歴を解消する履歴
    解消装置をそなえていることを特徴とする、請求項14
    又は15記載の印刷機。
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