JP2003182330A - タイヤ用滑止具 - Google Patents

タイヤ用滑止具

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JP2003182330A
JP2003182330A JP2001385133A JP2001385133A JP2003182330A JP 2003182330 A JP2003182330 A JP 2003182330A JP 2001385133 A JP2001385133 A JP 2001385133A JP 2001385133 A JP2001385133 A JP 2001385133A JP 2003182330 A JP2003182330 A JP 2003182330A
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skid
cross
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width direction
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JP2001385133A
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Manabu Ooto
学 大音
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Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
Original Assignee
Ohtsu Tire and Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金属製
の滑止具本体と、この滑止具本体の幅方向内側に沿接保
持される非伸縮性の内側緊締索と、滑止具本体をタイヤ
外周へ巻回させたときにこの滑止具本体の幅方向外側を
タイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊
締装置とを有したタイヤ用滑止具では、滑止具本体に対
し、その幅方向内側の長手方向複数箇所に内側緊締索を
掛止するための内側掛止部が設けられ、またその幅方向
外側の長手方向複数箇所に外側緊締装置を掛止するため
の外側掛止部が設けられている。このうち、内側掛止部
が張力の不均衡を原因として破損や切断しやすいという
ことがあった。 【解決手段】 滑止具本体2において、内側掛止部10
の断面積を、外側掛止部13の断面積よりも大きくし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車が氷雪路面
上などでスリップするのを防止するために用いるタイヤ
用滑止具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近時、タイヤ用滑止具としては、タイヤ
外周に巻回可能な帯状をした非金属製の滑止具本体を具
備し、この滑止具本体の幅方向内側に内側緊締索が沿接
保持され、また滑止具本体をタイヤ外周へ巻回させたと
きにはこの滑止具本体の幅方向外側に対してこれをタイ
ヤ中心側へ向けて引き寄せるためのゴムリング等の外側
緊締装置を付設させるものが各種、提案されるところと
なっている。滑止具本体は、芯材コードを編み目構造や
ラダー構造に沿った配置にさせてこれにゴム被覆し、加
硫させたものとなっているのが普通である。
【0003】この滑止具本体には、その幅方向内側の長
手方向複数箇所に対し、上記の内側緊締索を掛止するた
めに内側掛止部が設けられ、また幅方向外側の長手方向
複数箇所に対し、上記の外側緊締装置を掛止するために
外側掛止部が設けられている。また滑止具本体の長手方
向両端部など、この滑止具本体をタイヤ外周へ巻回した
ときに、これ自体を輪状に連結するうえで継ぎ目となる
部分には、端部補強帯が設けられている。内側掛止部や
外側掛止部は、滑止具本体の幅方向両端寄りに位置する
編み目状又はラダー状の開口部をやや大きめにして、そ
の輪郭を成しているリブ部分で形成するものとなってい
る。勿論、このリブ部の内部には芯材コードが埋設され
ている。
【0004】また端部補強帯は、タイヤのトレッド面を
幅方向へ横断する向きに設けられている。なお、この滑
止具本体には、例えばタイヤ周方向に沿って並設される
複数のネット構成片を有した分割式のもの等がある(例
えば特開平7−266816号公報など参照)。そし
て、このような分割式では、上記した端部補強帯は滑止
具本体の長手方向両端部だけでなく、全ての分割部分に
も設けられていることになる。
【0005】この種のタイヤ用滑止具をタイヤへ装着す
るには、内側緊締索をタイヤの幅方向内側へ向けるよう
にしつつ上記した分割式であればネット構成片相互間に
形成された開口部をタイヤの接地部に嵌め入れ、この滑
止具本体をタイヤまわりに巻回させ、内側緊締索と滑止
具本体とを輪状に連結したうえで(その他諸々の詳細は
省略)、滑止具本体の幅方向外側に外側緊締装置を取り
付けて、この外側緊締装置により、滑止具本体全体をタ
イヤまわりへ強く被着させるようにする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように内側緊
締索は非伸縮性である。これに対し、外側緊締装置に使
用されるゴムリングなどには伸縮性がある。そのため、
このタイヤ用滑止具をタイヤへ装着して走行した場合、
滑止具本体に作用する強い遠心力によって外側掛止部よ
りも内側掛止部の方に対して強い張力が作用することに
なる。そのため、内側掛止部は頻繁に、そして強くタイ
ヤのショルダー部や路面に対してこすりつけられるとい
うことがあり、これに伴って摩耗が著しくなり、その結
果、内部の芯コードが内側掛止部の外面側に露呈乃至突
出するということがあった。
【0007】この状態のまま走行を続ければ、芯コード
が内側掛止部と内側緊締索とを連結している取付具に当
接して、遂には、芯コードだけでなく内側掛止部として
の切断に至ることは必定である。すなわち、このことが
タイヤ用滑止具としての耐久性(寿命)を長期化するう
えでネックとなっていた。一方、滑止具本体に設けられ
た端部補強帯は、編み目又はラダーの構成要素部(リブ
状部分)に比べて幅広化等されることによって補強され
ているが、走行時の遠心力によってこの端部補強帯が路
面に叩きつけられるような状態が続くと、この端部補強
帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部が繰り
返して折り曲げ状の負荷を受けることになる。
【0008】そのため、これに伴って端部補強帯に直接
に繋がる編み目又はラダーの構成要素部でも摩耗が著し
くなり、その結果、内部の芯コードが外面側に露呈乃至
突出するということがあった。従って上記と同様に、こ
の状態のまま走行を続ければ芯コードが路面に当接し
て、遂には、芯コードだけでなく滑止具本体としての部
分的切断に至ることは必定である。本発明は、上記事情
に鑑みてなされたものであって、内側掛止部や、端部補
強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部につ
いて、それらの破損や切断を防止して耐久性(寿命)の
長期化を図ることができるようにしたタイヤ用滑止具を
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は次の手段を講じた。即ち、本発明に係るタ
イヤ用滑止具は、タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非
金属製の滑止具本体と、この滑止具本体の幅方向内側に
沿接保持される非伸縮性の内側緊締索と、滑止具本体を
タイヤ外周へ巻回させたときにこの滑止具本体の幅方向
外側をタイヤ中心側へ向けて引き寄せるべく設けられる
外側緊締装置とを有したものである。
【0010】また滑止具本体には、その幅方向内側の長
手方向複数箇所に内側緊締索を掛止する内側掛止部が設
けられていると共に、その幅方向外側の長手方向複数箇
所に外側緊締装置を掛止する外側掛止部が設けられたも
のである。そして、滑止具本体において、内側掛止部の
断面積が、外側掛止部の断面積よりも大きく形成されて
いる。このように内側掛止部が外側掛止部を基準として
それより太く形成されていることに伴い、この内側掛止
部は張力に対する耐力が高くなり、また摩耗に対しての
耐久性も高くなる。これらのことから、この内側掛止部
において内部の芯コードが露呈乃至突出することが防止
される。
【0011】従って、この芯コードが、内側掛止部と内
側緊締索とを連結している取付具に当接することもなく
なるから、その結果、芯コードも、また内側掛止部自体
も破損や切断が生じにくくなり、これを原因としてのタ
イヤ用滑止具の耐久性(寿命)限界を長期化させること
ができるものである。内側掛止部の断面積は、外側掛止
部の断面積の1.2倍以上1.5倍以内とするのが好ま
しい。すなわち、1.2倍より小さい場合は、この内側
掛止部に張力が加わったときにその内部での芯コードの
動きを抑制する作用が小さくなり、その結果、芯コード
が内側掛止部の外面側に露呈乃至突出するのを防止する
作用を期待するほど得られなくなる。
【0012】また1.5倍を超える場合は、この内側掛
止部において剛性が過度に高くなり、その結果、このタ
イヤ用滑止具をタイヤへ装着するに際して、滑止具本体
をタイヤ外周へ巻回させる作業が困難になるおそれがあ
る。なお、内側掛止部は、外側掛止部よりも断面形状を
幅広化したり、或いは高背化したりするによって断面積
の増大を図ることができる。一方、本発明に係るタイヤ
用滑止具として、滑止具本体が編み目構造又はラダー構
造とされていると共に、タイヤ外周への巻回時に当該滑
止具本体自体を輪状に連結するうえで継ぎ目となる部分
に対してタイヤのトレッド面を幅方向へ横断する向きの
端部補強帯が設けられているものにあっては、上記滑止
具本体の端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダーの
構成要素部における断面積が、上記端部補強帯とは直接
の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部の断面
積よりも大きく形成されているものとすることができ
る。
【0013】このように端部補強帯に直接に繋がる編み
目又はラダーの構成要素部が、端部補強帯とは直接の連
携関係にない編み目又はラダーの構成要素部を基準とし
てそれより太く形成されていることに伴い、この前者は
摩耗に対しての耐久性が高くなることから、この部分に
おいて内部の芯コードが露呈乃至突出することが防止さ
れる。従って、この芯コードも、また端部補強帯に直接
に繋がる編み目又はラダーの構成要素部も、破損や切断
が生じにくくなり、これを原因としてのタイヤ用滑止具
の耐久性(寿命)限界を長期化させることができるもの
である。
【0014】端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラダ
ーの構成要素部における断面積は、端部補強帯とは直接
の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部の断面
積の1.1倍以上1.6倍以内とするのが好ましい。す
なわち、1.1倍より小さい場合は、端部補強帯に直接
に繋がる編み目又はラダーの構成要素部の内部での芯コ
ードの動きを抑制する作用が小さくなり、その結果、芯
コードが外面側に露呈乃至突出するのを防止する作用を
期待するほど得られなくなる。
【0015】また1.6倍を超える場合は、端部補強帯
に直接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部において
剛性が過度に高くなり、その結果、滑止具本体がタイヤ
外周部にフィットし難くなるため、走行振動や騒音に繋
がるおそれがある。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に基づき説明する。図1乃至図6は、本発明に係るタ
イヤ用滑止具1の第1実施形態を示している。図2に示
すように、この第1実施形態のタイヤ用滑止具1は、タ
イヤ外周に巻回可能な帯状をした滑止具本体2と、この
滑止具本体2の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の
内側緊締索3と、滑止具本体2をタイヤ外周へ巻回させ
たときにこの滑止具本体2の幅方向外側をタイヤ中心側
へ向けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置4とを
有している。
【0017】なお、本第1実施形態で例示したタイヤ用
滑止具1は、滑止具本体2が分割式とされたものであ
る。すなわち、この滑止具本体2は、タイヤの周方向に
沿って並設される2枚のネット構成片2A,2Bを有し
たものとなっており、これら両ネット構成片2A,2B
は上記内側緊締索3を介して互いに連結され、またこれ
ら両ネット構成片2A,2Bの相互間に開口部6が形成
されたものとなっている。この開口部6は、タイヤの接
地部を逃げれるようにその前後方向長さと略同等の開口
長さに形成されている。
【0018】滑止具本体2において、両ネット構成片2
A,2Bは、いずれもそれらの全長にわたって編み目構
造やラダー構造(図例は編み目構造)に形成されたもの
で、図3に示すように、その編み目部分(又はラダー部
分)の形状に沿って全領域に芯材コード7が配置され、
この芯コード7の外表面が合成ゴムや生ゴム、又はシリ
コン等の軟質系樹脂材より成る非金属材8によって被覆
形成されている。この芯コード7には、例えばポリエス
テル糸やナイロン糸、スチールコード、ワイヤコード、
カーボン製線材等の可撓性のある紐状材が使用されてい
る。
【0019】滑止具本体2の幅方向内側には、その長手
方向に沿って互いに所定間隔をおいた複数箇所に、内側
緊締索3を掛止するための内側掛止部10が設けられて
いる。これら内側掛止部10は、滑止具本体2の幅方向
内側端寄りに位置する編み目をやや大きめにして、その
輪郭を成しているリブ部分で形成したものである。そし
て、この内側掛止部10には、金属製又は樹脂製の取付
具11が取り付けられるようになっており、この取付具
11を介して上記内側緊締索3が沿接保持されている。
【0020】またこの滑止具本体2の幅方向外側には、
その長手方向に沿って互いに所定間隔をおいた複数箇所
に、外側緊締装置4を掛止するための外側掛止部13が
設けられている。これら外側掛止部13についても上記
内側掛止部10と同様に、滑止具本体2の幅方向外側端
寄りに位置する編み目をやや大きめにして、その輪郭を
成しているリブ部分で形成したものである。この外側掛
止部13には、金属製又は樹脂製の取付具14が取り付
けられるようになっている。この取付具14を介して上
記外側緊締装置4が取り付けられる。
【0021】図1に示すように、上記した内側掛止部1
0は、その断面積が、外側掛止部13の断面積(比較し
やすいようにこの外側掛止部13を図1中に二点鎖線で
示した)よりも大きくなるように形成されている。この
断面積の増大化は、内側掛止部10の断面形状について
その幅寸法Dを、外側掛止部13の幅寸法dよりも幅広
化させることによって実現してある。このように内側掛
止部10が外側掛止部13を基準としてそれより太く形
成されていることに伴い、この内側掛止部13は張力に
対して耐力が高くなり、また摩耗に対しての耐久性も高
くなる。これらのことから、この内側掛止部10におい
て内部の芯コード7が露呈乃至突出することが防止され
る。
【0022】従って、この芯コード7が、内側掛止部1
0と内側緊締索3とを連結している取付具11に当接す
ることもなくなるから、その結果、芯コード7も、また
内側掛止部10自体も破損や切断が生じにくくなり、こ
れを原因としてのタイヤ用滑止具1の耐久性(寿命)限
界を長期化させることができるものである。内側掛止部
10の断面積を、外側掛止部13の断面積より大きくす
る程度としては、1.2倍以上1.5倍以内とするのが
好ましい。すなわち、内側掛止部10の断面積が外側掛
止部13の断面積の1.2倍より小さいと、この内側掛
止部10に張力が加わったときにその内部での芯コード
7の動きを抑制する作用が小さくなり、その結果、芯コ
ード7が内側掛止部10の外面側に露呈乃至突出するの
を防止する作用を期待するほど得られなくなる。
【0023】また、内側掛止部10の断面積が外側掛止
部13の断面積の1.5倍を超えると、この内側掛止部
10において剛性が過度に高くなり、その結果、このタ
イヤ用滑止具1をタイヤへ装着するに際して、滑止具本
体2をタイヤ外周へ巻回させる作業が困難になるおそれ
がある。一方、上記した内側緊締索3は非伸長ロープ等
で形成され、その両端部には互いの接合・離脱を可能と
するフック15とフック掛け部16とが設けられてい
る。
【0024】また外側緊締装置4は、ゴムリングを使用
することも可能であるが、図1では、輪状にした非伸縮
ロープ20の両端側をバックル部材21へ挿通させて、
このバックル部材21から非伸縮ロープ20の各端部2
0a,20bをそれぞれ引き出させ、そのうえで、これ
ら非伸縮ロープ20の各端部20a,20b間を伸縮バ
ンド22で接続させたものを使用する場合を示してい
る。バックル部材21は、非伸縮ロープ20をそれらの
各端部20a,20bの引き出し方向へは移動自在とす
るが逆向きには移動させない構造となった公知のもので
ある。
【0025】また、滑止具本体2が分割式とされている
関係上、両ネット構成片2A,2B間の開口6を連結さ
せるために、両腕様に一対のフック杆25を両側方へ延
び出させた状態で有する締め付けリンク26を使用する
ものとしている。次に、図5及び図6に基づいて、上記
構成のタイヤ用滑止具1をタイヤ30へ装着する作業を
簡単に説明する。まず、図5に示すように、タイヤ用滑
止具1をタイヤ30の幅方向内側(車両下側)に通し、
タイヤ30の接地部に滑止具本体2の開口部6を対応さ
せたうえで、内側緊締索3の両端を持ち上げて、タイヤ
30の上部側でフック15とフック掛け部16(図2参
照)とを接続する。
【0026】そして、タイヤ30の接地部両側を挟ませ
るようにして開口部6の内向き端を手前側へ引き出し、
また滑止具本体2の長手方向両端部をタイヤ30の真上
部へ載せて、これで滑止具本体2をタイヤ30のまわり
へ巻回状態とさせる。次に、開口部6の両内向き端に締
め付けリンク26の両フック杆25を引っ掛けておく。
また図6に示すように、タイヤ30の上部側において、
外側緊締装置4におけるバックル部材21によって装置
本体2の長手方向両端部を連結させた後、滑止具本体2
の外側掛止部13に取り付けられた取付具14へ外側緊
締装置4の非伸縮ロープ20及び伸縮バンド22を掛け
渡してゆく。
【0027】そして、締め付けリンク26の中央部に設
けられた工具係合孔33(図2参照)へ適宜回動工具
(図示略)を係合させて、この締め付けリンク26を半
回動させる。これにより締め付けリンク26の両フック
杆25が折り畳まれるようになって開口部6の口開き状
態が閉じられる。従って、これらによりバックル部材2
1の両側で非伸縮ロープ20が手繰り寄せられるので、
伸縮バンド21に収縮力が発生し、結果として滑止具本
体2がその輪形として縮径されることになる。これによ
り、タイヤ30に対するタイヤ用滑止具1の装着は完了
する。
【0028】ここで、上記のようにタイヤ滑止め装置1
をタイヤ30へ装着した状態で、車両を走行させ、この
とき発生する遠心力によって滑止具本体2の内側掛止部
10に対して外側掛止部13よりも強い張力が作用した
場合でも、この内側掛止部10はその断面積が外側掛止
部13の断面積よりも大きく形成されていることに伴っ
て補強された状態にあるため、この内側掛止部10にお
いて芯コード7が露呈乃至突出するということは防止さ
れる。これらのことは、タイヤ30がたとえ高速空転を
起こしたようなときでも、同じ作用効果が得られる。
【0029】ところで、本発明では、滑止具本体2の内
側掛止部10においてその断面積を外側掛止部13の断
面積より大きくさせる手段として、図4に示すように、
内側掛止部10の断面形状についてその高さ寸法Hを、
外側掛止部13の高さ寸法hよりも高背化させることに
よって実現化することも可能である。また図示は省略す
るが、図1に示した幅広化と図4に示した高背化との複
合によって実現させることも可能である。更には内側掛
止部10の断面形状と外側掛止部13の断面形状とを全
く異なるものとさせる(一方を角形で一方を丸形とさせ
るなど)ことによって実現させてもよい。
【0030】図7乃至図10は、本発明に係るタイヤ用
滑止具1の第2実施形態を示している。図7に示すよう
に、この第2実施形態のタイヤ用滑止具1も、その基本
構成は上記第1実施形態と略同様であり、タイヤ外周に
巻回可能な帯状をした滑止具本体2と、この滑止具本体
2の幅方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索
3と、滑止具本体2をタイヤ外周へ巻回させたときにこ
の滑止具本体2の幅方向外側をタイヤ中心側へ向けて引
き寄せるべく設けられる外側緊締装置4とを有してい
る。
【0031】そしてまた、例示した滑止具本体2は分割
式とされたものであって、タイヤの周方向に沿って並設
される2枚のネット構成片2A,2Bを有し、これら両
ネット構成片2A,2Bが内側緊締索3を介して互いに
連結され、またこれら両ネット構成片2A,2Bの相互
間に開口部6が形成されている。この開口部6は、タイ
ヤの接地部を逃げれるようにその前後方向長さと略同等
の開口長さに形成されている。なお、外側緊締装置4が
非伸縮ロープ20、バックル部材21及び伸縮バンド2
2を有するものである点や、両ネット構成片2A,2B
間の開口6を連結させるために締め付けリンク26を使
用する点などは、第1実施形態の場合と略同様である。
【0032】この第2実施形態のタイヤ用滑止具1で
は、滑止具本体2において、両ネット構成片2A,2B
はいずれもそれらの全長にわたって編み目構造やラダー
構造(図例は編み目構造)に形成されている点、及び、
滑止具本体2の長手方向両端部などに端部補強帯50〜
53が設けられていることが前提とされる。この端部補
強帯50〜53は、滑止具本体2をタイヤ外周へ巻回し
たときに、この滑止具本体2自体を輪状に連結するうえ
で継ぎ目となる部分に相当する。これら端部補強帯50
〜53は、タイヤのトレッド面を幅方向へ横断する向き
に設けられている。
【0033】上記したように、滑止具本体2が分割式で
あるので、この端部補強帯50〜53は、滑止具本体2
の長手方向両端部だけでなく、各ネット構成片2A,2
Bにおける開口部6へ向けた開口縁側に設けられたもの
(51,52)をも含んでいる。滑止具本体2を構成す
る編み目の構成要素部(リブ状部分)のうち、端部補強
帯50〜53に対して直接に繋がるもの(即ち、端部補
強帯50に対する構成要素部55、端部補強帯51に対
する構成要素部56、端部補強帯52に対する構成要素
部57、端部補強帯53に対する構成要素部58)は、
それら断面積が、上記端部補強帯50〜53とは直接の
連携関係にない構成要素部の断面積よりも大きく形成さ
れている。
【0034】図8は、端部補強帯50に対して直接に繋
がる構成要素部55と、この端部補強帯50とは直接の
連携関係にない構成要素部61との太さの違いを拡大し
て示したものである。また図9は、端部補強帯51に対
して直接に繋がる構成要素部56と、この端部補強帯5
1とは直接の連携関係にない構成要素部62との太さの
違いを拡大して示したものである。なお、図10は、構
成要素部55と構成要素部61(二点鎖線)との断面形
状の違いを対比的に示したものである。
【0035】この図10から明らかなように、構成要素
部55〜58における断面積の増大化は、その幅寸法E
を、基準とすべき構成要素部61や62等の幅寸法eよ
りも幅広化させることによって実現してある。このよう
に端部補強帯50〜53に直接に繋がる編み目の構成要
素部55〜58が、端部補強帯50〜53とは直接の連
携関係にない編み目の構成要素部61や62等を基準と
してそれより太く形成されていることに伴い、この前者
は摩耗に対しての耐久性が高くなる。
【0036】そのため、これらの部分において内部の芯
コードが露呈乃至突出することが防止される。従って、
この芯コードも、また端部補強帯50〜53に直接に繋
がる編み目の構成要素部55〜58も、破損や切断が生
じにくくなり、これを原因としてのタイヤ用滑止具1の
耐久性(寿命)限界を長期化させることができるもので
ある。端部補強帯50〜53に直接に繋がる編み目の構
成要素部55〜58の断面積を、端部補強帯50〜53
とは直接の連携関係にない編み目の構成要素部61や6
2等の断面積より大きくする程度としては、1.1倍以
上1.6倍以内とするのが好ましい。
【0037】すなわち、1.1倍より小さい場合は、端
部補強帯50〜53に直接に繋がる編み目の構成要素部
55〜58の内部での芯コードの動きを抑制する作用が
小さくなり、その結果、芯コードが外面側に露呈乃至突
出するのを防止する作用を期待するほど得られなくな
る。また1.6倍を超える場合は、端部補強帯50〜5
3に直接に繋がる編み目の構成要素部55〜58におい
て剛性が過度に高くなり、その結果、滑止具本体2がタ
イヤ外周部にフィットし難くなるため、走行振動や騒音
に繋がるおそれがある。
【0038】この第2実施形態のタイヤ用滑止具1をタ
イヤへ装着する手順は第1実施形態の場合と略同様であ
り、ここでの詳説は省略する。本発明は、上記各実施形
態で説明したものに限定されるものではなく、実施の形
態に応じて更に適宜変更可能であって、例えば滑止具本
体2は一体帯状のもの(分割式でないもの)でもよい
し、2分割より多い分割方式としてもよい。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るタイヤ用滑止具では、滑止具本体において内側掛
止部の断面積を外側掛止部の断面積よりも大きくしたの
で、内側掛止部は張力に対する耐力が高くなりまた摩耗
も抑制され、芯コードの露呈乃至突出を防止できるの
で、芯コードも、また内側掛止部自体も破損や切断が生
じにくくなる。従ってそれだけタイヤ用滑止具としての
耐久性(寿命)を長期化させることができる。
【0040】また本発明に係るタイヤ用滑止具では、滑
止具本体において端部補強帯に直接に繋がる編み目又は
ラダーの構成要素部の断面積を、端部補強帯とは直接の
連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部の断面積
よりも大きくしたので、その前者は摩耗が抑制され、芯
コードの露呈乃至突出を防止できるので、芯コードも、
また滑止具本体自体も破損や切断が生じにくくなる。従
ってそれだけタイヤ用滑止具としての耐久性(寿命)を
長期化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図3のB−B線拡大断面図である。
【図2】本発明に係るタイヤ用滑止具の第1実施形態を
示す中間省略平面図である。
【図3】図2のA部を拡大して示した(取付具は省略し
た)斜視図である。
【図4】図1に対応させて内側掛止部の別実施形態(断
面形状例)を示した断面図である。
【図5】タイヤ用滑止具をタイヤへ装着する手順を示す
平面図である。
【図6】図5に続く手順を示す側面図である。
【図7】本発明に係るタイヤ用滑止具の第2実施形態を
示す中間省略平面図である。
【図8】図7中の一部箇所を拡大して示した平面図であ
る。
【図9】図7中の別箇所を拡大して示した平面図であ
る。
【図10】図8のC−C線拡大断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ用滑止具 2 滑止具本体 3 内側緊締索 4 外側緊締装置 10 内側掛止部 13 外側掛止部 50〜53 端部補強帯 55〜58 端部補強帯に直接に繋がる編み目又はラ
ダーの構成要素部 61,62 端部補強帯とは直接の連携関係にない編
み目又はラダーの構成要素部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金
    属製の滑止具本体(2)と、この滑止具本体(2)の幅
    方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索(3)
    と、滑止具本体(2)をタイヤ外周へ巻回させたときに
    この滑止具本体(2)の幅方向外側をタイヤ中心側へ向
    けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置(4)とを
    有し、 上記滑止具本体(2)には、その幅方向内側の長手方向
    複数箇所に内側緊締索(3)を掛止する内側掛止部(1
    0)が設けられていると共に、その幅方向外側の長手方
    向複数箇所に外側緊締装置(4)を掛止する外側掛止部
    (13)が設けられているタイヤ用滑止具において、 上記滑止具本体(2)の内側掛止部(10)の断面積が
    外側掛止部(13)の断面積よりも大きく形成されてい
    ることを特徴とするタイヤ用滑止具。
  2. 【請求項2】 前記内側掛止部(10)の断面積は、外
    側掛止部(13)の断面積の1.2倍以上1.5倍以内
    とされていることを特徴とする請求項1記載のタイヤ用
    滑止具。
  3. 【請求項3】 タイヤ外周に巻回可能な帯状をした非金
    属製の滑止具本体(2)と、この滑止具本体(2)の幅
    方向内側に沿接保持される非伸縮性の内側緊締索(3)
    と、滑止具本体(2)をタイヤ外周へ巻回させたときに
    この滑止具本体(2)の幅方向外側をタイヤ中心側へ向
    けて引き寄せるべく設けられる外側緊締装置(4)とを
    有し、 上記滑止具本体(2)は編み目構造又はラダー構造とさ
    れていると共に、タイヤ外周への巻回時に当該滑止具本
    体(2)自体を輪状に連結するうえで継ぎ目となる部分
    に対してタイヤのトレッド面を幅方向へ横断する向きの
    端部補強帯(50〜53)が設けられているタイヤ用滑
    止具において、 上記滑止具本体(2)の端部補強帯(50〜53)に直
    接に繋がる編み目又はラダーの構成要素部(55〜5
    8)における断面積が、上記端部補強帯(50〜53)
    とは直接の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素
    部(61,62)の断面積よりも大きく形成されている
    ことを特徴とするタイヤ用滑止具。
  4. 【請求項4】 前記端部補強帯(50〜53)に直接に
    繋がる編み目又はラダーの構成要素部(55〜58)に
    おける断面積は、上記端部補強帯(50〜53)とは直
    接の連携関係にない編み目又はラダーの構成要素部(6
    1,62)における断面積の1.1倍以上1.6倍以内
    とされていることを特徴とする請求項3記載のタイヤ用
    滑止具。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104308403A (zh) * 2014-09-28 2015-01-28 江苏双菱链传动有限公司 链板直缝自动焊接机

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