JP4014424B2 - タイヤ滑り止め装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ滑り止め装置に関し、更に詳しくは、フックと係合する締付部材の係合部における局部的摩耗を改善するようにしたタイヤ滑り止め装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、氷雪路走行時にタイヤに装着するタイヤ滑り止め装置として、タイヤのトレッド表面に全周にわたって装着する滑り止め本体のタイヤ装着外側に、装着時に伸長バンドを連結した非伸長ベルトからなる締付部材を係合する金属製のフックを備えた装置がある。
【0003】
上記フックは、タイヤ滑り止め装置を装着する時に、タイヤで誤ってフックを踏み付けた際にフックを倒れ込み易くして変形(潰れ)を防止するため、断面円形状になっている。
【0004】
しかしながら、フックが金属製なのに対して、締付部材は非金属材料から構成されているため、装着中にフックと擦れ合う締付部材の係合部が局部的に摩耗するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、フックの潰れを防止しながら締付部材の係合部における局部的摩耗を改善することが可能なタイヤ滑り止め装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明は、タイヤのトレッド表面に装着する滑り止め本体のタイヤ装着外側に、装着時に締付部材を係合するフックを備えたタイヤ滑り止め装置において、前記フックの断面形状を、前記締付部材が係合する前記フックの面が直線状となる半円状、または前記締付部材が係合する前記フックの面が半円の径より大きな径を有する円弧で凸状となる半円状にしたことを特徴とする。
【0009】
上記構成によれば、締付部材を従来の円形断面より広い接触面積でフックに係合接触させることができるため、装着中にフックと締付部材の係合部が擦れ合って生じる局部的摩耗を抑制することができる。従って、締付部材の局部的摩耗を改善することができる。
【0010】
また、タイヤで誤ってフックを踏み付けた際にフックの倒れ込みに影響する面は円弧状になっているため、踏み付け時にフックが倒れ込み易く、従って、フックの潰れを回避することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1は、本発明のタイヤ滑り止め装置の一例をホイールWに取り付けたタイヤTに装着した状態示し、このタイヤ滑り止め装置は、タイヤTのトレッド表面T1に全周にわたって装着する帯状の滑り止め本体1を備えている。滑り止め本体1は、ゴムや合成樹脂などの弾性材料からネット状に構成され、内部には補強コードや短繊維などの補強材が埋設してある。
【0013】
滑り止め本体1の幅方向中央部表面には、図2に示すように、滑り止め本体1の長手方向に沿って多数のスパイクピン3が所定の間隔で突設されている。滑り止め本体1のタイヤ装着内側となる一方の幅方向端部には、金属製のフック5を介して締結用のインナーロープ7が取り付けられている。インナーロープ7の両端部7aは、装着時にフック9により連結されるようになっている。
【0014】
滑り止め本体1のタイヤ装着外側となる他方の幅方向端部には、スチールなどの金属材料からなるフック11が、滑り止め本体1の長手方向に沿って所定の間隔で配置されている。このフック11には、装着時に締付部材14が係合するようになっている。締付部材14は、ゴムなどの弾性材料からなる伸長バンド(伸長部材)13を両端に連結した、化学繊維などの非金属材料からなる非伸長ベルト(非伸長部材)15から構成され、非伸長ベルト15にフック11が係合するようにしている。
【0016】
フック11は、図3に示すように、断面形状を従来の円形に代えて、半円状に形成し、その平面状(断面直線状)になる面11bに非伸長ベルト15が係合するようになっている。
【0017】
フック11は、図4に示すように、上記平面状に代えて、半円の径より大きな径を有する円弧で凸状に形成し、その円弧状の面11cを非伸長ベルト15に係合させるようにすることもできる。
【0018】
上記タイヤ滑り止め装置は、インナーロープ7の両端部7aをフック9で連結した後、図1に示すように、伸長バンド13を両端に連結した非伸長ベルト15をフック11に係合させ、ワンウェイバックル(止め金具)17により締結することで、滑り止め本体1をタイヤTのトレッド表面T1に全周にわたって装着するが、本発明では、非伸長ベルト15が係合するフック11の断面形状を上述した形状にすることで、従来の円形断面のフックより広い接触面積で非伸長ベルト15をフック11に係合接触させることができる。
【0019】
その結果、装着中にフック11と非伸長ベルト15の係合部15aが擦れ合って生じる局部的摩耗の進行を抑えることができる。従って、非伸長ベルト15の係合部15aにおける局部的摩耗が改善され、非伸長ベルト15を従来より長く使用でき、耐久性の向上が可能になる。
【0020】
また、タイヤTで誤ってフック11を踏み付けた際にフック11の倒れ込みに影響する面11xは、円弧状に形成されているので、踏み付け時にフック15が倒れ込み易く、従って、フック11の変形(潰れ)を防止することができる。
【0021】
本発明は、上記実施形態では、締付部材14が伸長バンド13と非伸長ベルト15とを組み合わせた構成になっているが、それに限定されない。例えば、ゴムバンド(Oリングタイプ)を使用したものであっても、同様の効果を得ることができる。
【0022】
また、上記フック11は、金属に代えて、樹脂の線材から構成したものであってもよい。
【0023】
上述したタイヤ滑り止め装置は、滑り止め本体1がタイヤTのトレッド表面T1に全周にわたって連続して装着されるタイプの例を示したが、本発明は、複数の滑り止め本体を非連続に装着する分割タイプのものであってもよい。
【0024】
【発明の効果】
上述したように本発明は、締付部材が係合するフックの断面形状を上記のような形状にすることにより、フックの潰れを防止しながら締付部材の係合部における局部的摩耗を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタイヤ滑り止め装置の一例をタイヤに装着した状態で示す説明図である。
【図2】本発明のタイヤ滑り止め装置の滑り止め本体の要部を示す部分平面図である。
【図3】本発明のタイヤ滑り止め装置におけるフックの一例を示し、(a)は拡大正面図、(b)は(a)の矢視拡大図である。
【図4】本発明のタイヤ滑り止め装置におけるフックの他の例を示す、図3の(b)に相当する拡大図である。
【符号の説明】
1 滑り止め本体 3 スパイクピン
5 フック 7 インナーロープ
9 フック 11 フック
11a,11b,11c,11x 面 13 伸長バンド
14 締付部材 15 非伸長ベルト(非伸長部材)
15a 係合部 17 ワンウェイバックル
T タイヤ T1 トレッド表面
W ホイール

Claims (3)

  1. タイヤのトレッド表面に装着する滑り止め本体のタイヤ装着外側に、装着時に締付部材を係合するフックを備えたタイヤ滑り止め装置において、前記フックの断面形状を、前記締付部材が係合する前記フックの面が直線状となる半円状、または前記締付部材が係合する前記フックの面が半円の径より大きな径を有する円弧で凸状となる半円状にしたタイヤ滑り止め装置。
  2. 前記締付部材が前記フックが係合する非伸長部材を有する請求項1に記載のタイヤ滑り止め装置。
  3. 前記フックが金属から構成され、前記締付部材が非金属から構成された請求項1または2に記載のタイヤ滑り止め装置。
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