JP2003171659A - 高分子発光体およびそれを用いた高分子発光素子 - Google Patents

高分子発光体およびそれを用いた高分子発光素子

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JP2003171659A JP2002086099A JP2002086099A JP2003171659A JP 2003171659 A JP2003171659 A JP 2003171659A JP 2002086099 A JP2002086099 A JP 2002086099A JP 2002086099 A JP2002086099 A JP 2002086099A JP 2003171659 A JP2003171659 A JP 2003171659A
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隆宏 上岡
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秀二 土居
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 3重項発光錯体構造を分子内に有し、塗布法
により発光層を形成しうる新規な発光体を提供する 【解決手段】 ポリスチレン換算の数平均分子量が10
3〜108である高分子発光体であって、該発光体がその
主鎖または側鎖に3重項励起状態からの発光を示す金属
錯体構造を有することを特徴とする高分子発光体。3重
項励起状態からの発光を示す金属錯体構造が下記式
(6)で示される構造である高分子発光体。 (式中、Mは、原子番号50以上の原子で、スピン−軌
道相互作用により本錯体において1重項状態と3重項状
態間の項間交差が起きうる金属を示す。Arは、窒素原
子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子または燐原子の1つ
以上でMと結合する配位子である。Lは水素原子、アル
キル基、アリール基、複素環配位子等である。mは、1
〜5の整数を示す。oは、0〜5の整数を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子発光体、そ
の製造方法、その製造に用いる単量体となりうる錯体お
よび該高分子発光体を用いた高分子発光素子(以下高分
子LEDということがある。)に関する。
【0002】
【従来の技術】発光素子の発光層に用いる発光材料とし
て、3重項励起状態からの発光を示す金属錯体(以下、
3重項発光錯体ということがある)を発光層に用いた素
子が発光効率が高いことが知られている。
【0003】3重項発光錯体としては、例えば、イリジ
ウムを中心金属とするIr(ppy)3、(Appl.Phys.Lett.,75,
4 (1999))、白金を中心金属とする、PtOEP(Nature,395,
151(1998))、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3ph
en(Jpn.J.Appl.Phys.,34, 1883 (1995))等が知られてい
る。
【0004】
【0005】
【0006】
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
知の3重項発光錯体を用いて発光層を形成するのには、
通常真空蒸着法等の方法しか使用されず、塗布法により
発光層を形成することが難しかった。
【0008】本発明の目的は、3重項発光錯体構造を分
子内に有し、塗布法により発光層を形成しうる新規な発
光体、その製造方法、その製造に用いる単量体となりう
る新規な錯体および該発光体用いた発光素子を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、ポリスチレン換算の数
平均分子量が103〜108である高分子発光体であっ
て、該発光体がその主鎖または側鎖に3重項励起状態か
らの発光を示す金属錯体構造を有する高分子発光体は、
3重項発光錯体構造を分子内に有し、該発光体を用いて
塗布法により発光層を形成しうることを見出し、本発明
に至った。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の高分子発光体はポリスチ
レン換算の数平均分子量が103〜108である高分子発
光体であって、該発光体がその主鎖または側鎖に3重項
励起状態からの発光を示す金属錯体構造を有する高分子
発光体である。
【0011】ここに3重項励起状態からの発光を示す金
属錯体構造とは、3重項発光錯体から誘導された構造を
いう。
【0012】本発明において、3重項励起状態からの発
光を示す金属錯体構造の母体である3重項発光錯体につ
いて説明する。3重項発光錯体とは通常重金属錯体であ
り、例えば、該錯体から燐光発光を発生し得る錯体をい
う。ただし、この燐光発光に加えて蛍光発光が観測され
る錯体も含まれる。
【0013】3重項発光錯体としては、従来から低分子
系のEL発光性材料として利用されてきたものであり、こ
れらの材料は例えばNature, (1998), 395, 151、Appl.
Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE-Int. Soc.
Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light-Emitting Mat
erials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc.,(2
001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(1
8), 2596、Syn. Met.,(1998), 94(1), 103、Syn. Met.,
(1999), 99(2), 1361、Adv. Mater., (1999),11(10),
852 に開示されている。
【0014】3重項発光錯体の中心金属としては、通
常、原子番号50以上の原子で、該錯体にスピン−軌道
相互作用があり、1重項状態と3重項状態間の項間交差
が起きうる金属である。
【0015】3重項発光錯体の中心金属としては、例え
ば、レニウム、イリジウム、オスミウム、スカンジウ
ム、イットリウム、白金、金、およびランタノイド類の
ユーロピウム、テルビウム、ツリウム、ディスプロシウ
ム、サマリウム、プラセオジウム、ガドリニウムなどが
挙げられ、イリジウム、白金、金、ユーロピウムが好ま
しく、イリジウムが特に好ましい。
【0016】3重項発光錯体の配位子は、通常有機配位
子であり、その炭素数は、通常4〜60程度である。
【0017】3重項発光錯体の配位子としては、例え
ば、8−キノリノールおよびその誘導体、ベンゾキノリ
ノールおよびその誘導体、2−フェニル−ピリジンおよ
びその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾールおよび
その誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾールおよびそ
の誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体などが挙げら
れる。
【0018】3重項発光錯体としては、例えば、以下の
ものがあげられる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【0036】
【0037】
【0038】
【0039】ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原
子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アル
キルシリル基、アルキルアミノ基、アリール基、アリー
ルオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ
基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、ア
リールアミノ基、1価の複素環基およびシアノ基からな
る群から選ばれる基を示す。溶媒への溶解性を高めるた
めには、が好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位
の形状の対称性が少ないことが好ましい。
【0040】アルキル基は、直鎖、分岐または環状のい
ずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体
的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピ
ル基、ブチル基、 i−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル
基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基などが挙
げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エ
チルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル
基が好ましい。
【0041】アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状の
いずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具
体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ
基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキ
シ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオ
キシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、
オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニ
ルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチ
ルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチ
ルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2
−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−
ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0042】アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状
のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、
具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチ
オ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブ
チルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキ
シルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、
オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチ
オ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ
基、ラウリルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、
ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシル
チオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ
基が好ましい。
【0043】アルキルシリル基は、直鎖、分岐または環
状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜60程度であ
り、具体的には、メチルシリル基、エチルシリル基、プ
ロピルシリル基、 i−プロピルシリル基、ブチルシリ
ル基、i−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ペン
チルシリル基、ヘキシルシリル基、シクロヘキシルシリ
ル基、ヘプチルシリル基、オクチルシリル基、2−エチ
ルヘキシルシリル基、ノニルシリル基、デシルシリル
基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ラウリルシリ
ル基、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、
プロピルジメチルシリル基、 i−プロピルジメチルシ
リル基、ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジメチル
シリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチ
ルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメ
チルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル
基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル
基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラ
ウリルジメチルシリル基などが挙げられ、ペンチルシリ
ル基、ヘキシルシリル基、オクチルシリル基、2−エチ
ルヘキシルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチ
ルオクチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキ
シルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2
−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、デシルジメチル
シリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル
基が好ましい。
【0044】アルキルアミノ基は、直鎖、分岐または環
状のいずれでもよく、モノアルキルアミノ基でもジアル
キルアミノ基でもよく、炭素数は通常1〜40程度であ
り、具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、
エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ
基、 i−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、 i−
ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ
基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプ
チルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシル
アミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−
ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基などが挙
げられ、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチ
ルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミ
ノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基が好ましい。
【0045】アリール基は、炭素数は通常6〜60程度
であり、具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキ
シフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であるこ
とを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキル
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例
示され、 C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12
アルキルフェニル基が好ましい。
【0046】アリールオキシ基は、炭素数は通常6〜6
0程度であり、具体的には、フェノキシ基、C1〜C12
アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキ
シ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基な
どが例示され、 C1〜C12アルコキシフェノキシ基、
1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
【0047】アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜
60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12
ルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12
ルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アル
キル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナ
フチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、C1〜C
12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C
12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好まし
い。
【0048】アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7
〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12
アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C
12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C
12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ
基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示
され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコ
キシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコ
キシ基が好ましい。
【0049】アリールアルケニル基は、炭素数は通常8
〜60程度であり、具体的にはcis-フェニルアルケニル
基、trans−フェニルアルケニル基、cis−トリルアルケ
ニル基、transu−トリルアルケニル基、cis−1−ナフ
チルアルケニル基、trans―1−ナフチルアルケニル
基、cis−2−ナフチルアルケニル基、trans−2−ナフ
チルアルケニル基などが例示される。
【0050】アリールアルキニル基は、炭素数は通常8
〜60程度であり、具体的にはフェニルアルキニル基、
トリルアルキニル基、1−ナフチルアルキニル基、2−
ナフチルアルキニル基などが例示される。
【0051】アリールアミノ基は、炭素数は通常6〜6
0程度であり、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ
基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1
12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12
ルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2
−ナフチルアミノ基などが例示され、C1〜C12アルキ
ルフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニ
ル)アミノ基が好ましい。
【0052】1価の複素環基とは、複素環化合物から水
素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常
4〜60程度であり、具体的には、チエニル基、C1
12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリ
ジル基、C1〜C12アルキルピリジル基などが例示さ
れ、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリ
ジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0053】Rの例のうち、高分子発光体の溶媒への溶
解性を高めるためには、1つ以上に環状または長鎖のあ
るアルキル鎖が含まれることが好ましくは、シクロペン
チル基、シクロへキシル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7
−ジメチルオクチル基が例示される。また、2つの置換
基が連結されて環を形成していても良い。さらに、アル
キル鎖の一部の炭素原子がヘテロ原子を含む基で置き換
えられていてもよく、それらのヘテロ原子としては、酸
素原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。
【0054】さらに、R中の、アリール基や複素環基
は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよ
い。
【0055】3重項励起状態からの発光を示す金属錯体
構造の中では、下記式(6)の構造が望ましい。
【0056】式中、Mは、原子番号50以上の原子で、
スピン−軌道相互作用により本錯体において1重項状態
と3重項状態間の項間交差が起きうる金属を示す。Mは
例えば、レニウム、イリジウム、オスミウム、スカンジ
ウム、イットリウム、白金、金、およびランタノイド類
のユーロピウム、テルビウム、ツリウム、ディスプロシ
ウム、サマリウム、プラセオジウム、ガドリニウムなど
が挙げられ、イリジウム、白金、金、ユーロピウムが好
ましく、イリジウムが特に好ましい。
【0057】Mは、少なくとも1つの炭素原子と結合す
ることが望ましい。
【0058】Arは、窒素原子、酸素原子、炭素原子、
硫黄原子または燐原子の1つ以上でMと結合する配位子
であり、かつ、任意の位置でポリマーと結合する。
【0059】Arとしてはたとえば、ピリジン環、チオ
フェン環、ベンゾオキサゾール環などの複素環類やベン
ゼン環が結合して構成された配位子で、具体的には、フ
ェニルピリジン、2-(パラフェニルフェニル)ピリジ
ン、7−ブロモベンゾ[h]キノリン、2−(4−チオフ
ェン−2−イル)ピリジン、2−(4−フェニルチオフェ
ン−2−イル)ピリジン、2−フェニルベンゾオキサゾ
ール、2-(パラフェニルフェニル)ベンゾオキサゾー
ル、2−フェニルベンゾチアゾール、2−(パラフェニ
ルフェニル)ベンゾチアゾール、2−(ベンゾチオフェン
−2−イル)ピリジン7,8,12,13,17,18-ヘキサキスエチ
ル-21H,23H-ポルフィリンなどが例示され、これらに置
換基を有していてもよい。
【0060】Arの置換基としては、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリールチオ
基、アリールアルケニル基、環状アルケニル基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アルキルオキシカルボニル
基、アラルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカ
ルボニル基、アリール基、1価の複素環基が挙げられ、
その具体例としては上記R18およびR19において例示さ
れるものと同様である。
【0061】中でもArが、窒素原子、酸素原子、炭素
原子、硫黄原子または燐原子の何れか4つの原子でMと
結合する4座配位子であることが好ましい。たとえば、
4つのピロール環が環状につながった配位子として、具
体的には、7,8,12,13,17,18-ヘキサキスエチル-21H,23
H-ポルフィリンが挙げられる。
【0062】また、上記(6)式中、Arが、窒素原
子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子または燐原子の何れ
か2つの原子で、Mと結合して5員環を形成する2座配
位子であることが望ましく、 Mが少なくとも1つの炭
素原子と結合するとさらに好ましく、Arが下記式
(7)で示される2座配位子である時、より好ましい。
【0063】 (7) 式中、R3〜R10は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、ア
リールチオ基、アリールアルケニル基、環状アルケニル
基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルオキシ
カルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリー
ルオキシカルボニル基、またはアリール基を示す。R3
〜R10のうち少なくとも1つはポリマー鎖との結合基で
ある。
【0064】Lは水素原子、アルキル基、アリール基、
複素環配位子、カルボキシル基、ハロゲン原子、アミド
基、イミド基、アルコキシ基、アルキルメルカプト基、
カルボニル配位子、アルケン配位子、アルキン配位子、
アミン配位子、イミン配位子、ニトリル配位子、イソニ
トリル配位子、ホスフィン配位子、ホスフィンオキシド
配位子、ホスファイト配位子、エーテル配位子、スルホ
ン配位子、スルホキシド配位子またはスルフィド配位子
である。mは、1〜5の整数を示す。oは、0〜5の整
数を示す。
【0065】上記一般式(6)のLにおいて、アルキル
基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、シクロヘキシル基などが例示され、アリール基とし
てはフェニル基、トリル基、1−ナフチル基、2−ナフ
チル基などが例示され、複素環配位子としては、0価で
も1価でもよく、0価のものとしては例えば、2,2
‘−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、2−
(4−チオフェン−2−イル)ピリジン、2−(ベンゾチ
オフェン−2−イル)ピリジンなどが例示され、1価の
ものとしては例えば、フェニルピリジン、2-(パラフェ
ニルフェニル)ピリジン、7−ブロモベンゾ[h]キノリ
ン、2−(4−フェニルチオフェン−2−イル)ピリジ
ン、2−フェニルベンゾオキサゾール、2-(パラフェニ
ルフェニル)ベンゾオキサゾール、2−フェニルベンゾ
チアゾール、2−(パラフェニルフェニル)ベンゾチアゾ
ールなどが例示される。
【0066】カルボキシル基としては特に限定されるも
のではないが、例えば、アセトキシ基、ナフテネート基
または2−エチルヘキサノエート基等が挙げられる。ハ
ロゲン原子としては特に限定されるものではないが、例
えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子等が挙げられる。アミド基としては特に限定されるも
のではないが、例えば、ジメチルアミド基、ジエチルア
ミド基、ジイソプロピルアミド基、ジオクチルアミド
基、ジデシルアミド基、ジドデシルアミド基、ビス(ト
リメチルシリル)アミド基、ジフェニルアミド基、N−
メチルアニリドまたはアニリド基等が挙げられる。イミ
ド基としては特に限定されるものではないが、例えば、
ベンゾフェノンイミド等が挙げられる。アルコキシ基と
しては特に限定されるものではないが、例えば、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基またはフ
ェノキシ基等が挙げられる。アルキルメルカプト基とし
ては特に限定されるものではないが、例えば、メチルメ
ルカプト基、エチルメルカプト基、プロピルメルカプト
基、ブチルメルカプト基またはフェニルメルカプト基等
が挙げられる。カルボニル配位子としては、一酸化炭素
やアセトン、べンゾフェノンなどのケトン類、アセチル
アセトン、アセナフトキノンなどのジケトン類、アセチ
ルアセトナート、ジベンゾメチラート、テノイルトリフ
ルオロアセトナートなどのアセトナート配位子などが例
示される。アルケン配位子としては特に限定されるもの
ではないが、例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、
ヘキセンまたはデセン等が挙げられる。アルキン配位子
としては特に限定されるものではないが、例えば、アセ
チレン、フェニルアセチレンまたはジフェニルアセチレ
ン等が挙げられる。アミン配位子としては特に限定され
るものではないが、例えば、トリエチルアミンまたはト
リブチルアミン等が挙げられる。イミン配位子としては
特に限定されるものではないが、例えば、ベンゾフェノ
ンイミンまたはメチルエチルケトンイミン等が挙げられ
る。ニトリル配位子としては特に限定されるものではな
いが、例えば、アセトニトリルまたはベンゾニトリル等
が挙げられる。イソニトリル配位子としては特に限定さ
れるものではないが、例えば、t−ブチルイソニトリル
またはフェニルイソニトリル等が挙げられる。ホスフィ
ン配位子としては特に限定されるものではないが、例え
ば、トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、
トリシクロヘキシルホスフィンまたはトリブチルホスフ
ィン等が挙げられる。ホスフィンオキシド配位子として
は特に限定されるものではないが、例えば、トリブチル
ホスフィンオキシドまたはトリフェニルホスフィンオキ
シド等が挙げられる。ホスファイト配位子としては特に
限定されるものではないが、例えば、トリフェニルホス
ファイト、トリトリルホスファイト、トリブチルホスフ
ァイトまたはトリエチルホスファイト等が挙げられる。
エーテル配位子としては特に限定されるものではない
が、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルまた
はテトラヒドロフラン等が挙げられる。スルホン配位子
としては特に限定されるものではないが、例えば、ジメ
チルスルホンまたはジブチルスルホン等が挙げられる。
スルホキシド配位子としては特に限定されるものではな
いが、例えば、ジメチルスルホキシドまたはジブチルス
ルホキシド等が挙げられる。スルフィド配位子としては
特に限定されるものではないが、例えば、エチルスルフ
ィドまたはブチルスルフィド等が挙げられる。
【0067】本発明の高分子発光体は、3重項励起状態
からの発光を示す金属錯体構造をその主鎖に有していて
もよく、側鎖に有していてもよく、また、主鎖の末端に
有していてもよい。
【0068】3重項励起状態からの発光を示す金属錯体
構造をその主鎖に有する高分子発光体とは、3重項励起
状態から発光を示す錯体に配位した芳香環またはその縮
環部が主鎖に含まれる場合、または主鎖に金属が含まれ
る場合を意味する。
【0069】また、本発明の高分子発光体の金属錯体構
造に含まれる配位子のうち少なくとも1つが、高分子主
鎖に含まれる繰返し単位と同一の構造を含む場合、金属
含量を制御できる点で好ましい。すなわち、配位子の構
造を主鎖に有する場合、高分子化合物を製造した後に錯
体化をおこなうことにより、本発明の高分子発光体を製
造することができる。具体的には、以下の構造が例示さ
れる。
【0070】
【0071】3重項励起状態からの発光を示す金属錯体
構造をその側鎖に有する高分子発光体とは、3重項励起
状態から発光を示す錯体に配位した芳香環またはその縮
環部が主鎖と結合を介して連結する場合を意味する。こ
こでいう結合とは、単結合、2重結合などの直接結合;
酸素原子、硫黄原子、セレン原子などの原子を介した結
合;またはメチレン基、アルキレン基、アリーレン基な
どの2価の結合基を介した結合を示す。中でも、共役の
つながった側鎖に3重項励起状態からの発光を示す金属
錯体構造を有することが好ましい。
【0072】3重項励起状態からの発光を示す金属錯体
構造を側鎖に有している場合、該金属錯体構造の少なく
とも1つの配位子に含まれる芳香族環と、高分子主鎖に
含まれる芳香族環とが炭素−炭素単結合で連結されてい
ることが望ましい。
【0073】中でも、高分子発光体が共役系高分子発光
体であるものが好ましい。ここに、共役系高分子発光体
とはポリマーの主鎖骨格に沿って非局在π電子対が存在
している高分子発光体即ち、主鎖が共役系高分子である
高分子発光体を意味する。この非局在電子としては、2
重結合のかわりに不対電子または孤立電子対が共鳴に加
わる場合もある。
【0074】本発明の1つの実施形態としては、3重項
励起状態からの発光を示す金属錯体構造を2種類以上有
する高分子発光体すなわち、その主鎖、側鎖または末端
のいずれか2つ以上に3重項励起状態からの発光を示す金
属錯体構造を有する高分子発光体である。それぞれの金
属錯体構造は、互いに同じ金属を有していてもよいし、
異なる金属を有していても良い。また、それぞれの金属
錯体構造は、互いに異なる発光色を有していても良い。
例えば、緑色に発光する金属錯体構造と、赤色に発光す
る金属錯体構造の両方が1つの高分子発光体に含まれて
いる場合などが例示される。このとき、適度な量の金属
錯体構造が含まれるように設計することにより、発光色
を制御することができるので、好ましい。
【0075】本発明の高分子発光体としては、3重項励
起状態からの発光を示す金属錯体構造を有する繰り返し
単位を含むものが挙げられる。
【0076】ここに、3重項励起状態からの発光を示す
金属錯体構造を有する繰り返し単位としては、上述の3
重項発光錯体の配位子から二つの水素が脱離した残り
の、結合手を持つ基が例示される。
【0077】また、3重項励起状態からの発光を示す金
属錯体構造を有する繰り返し単位として、後記式(1)
の繰り返し単位のAr1の置換基またはR1、R2が3重項励
起状態からの発光を示す金属錯体構造を有する1価の基
であるもの等も挙げられる。ここに3重項励起状態から
の発光を示す金属錯体構造を有する1価の基とは、上述
の3重項発光錯体の配位子から一つの水素が脱離した残
りの結合手が1本の基である。上記式(1)の繰返し単
位のAr1の置換基等が3重項励起状態からの発光を示
す金属錯体構造を有する1価の基である繰返し単位の具
体例としては、例えば、下図のものが挙げられる。
【0078】
【0079】 式中、Rは上記と同じである。
【0080】なお、本発明の高分子発光体は、主鎖の末
端が3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を有
する1価の基を有していても良い。
【0081】本発明の高分子発光体としては、一般式
(1)で示される繰り返し単位を含むことが望ましい。 (1) 〔式中、Ar1は、アリーレン基または2価の複素環基
を示す。R1、R2は、それぞれ独立に水素原子、アルキ
ル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を示
す。nは0または1である。〕
【0082】上記一般式(1)におけるAr1は、アリー
レン基または2価の複素環基である。該Ar1はアルキ
ル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルシリル
基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ
基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリ
ールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールア
ミノ基、1価の複素環基、シアノ基等の置換基を有して
いてもよい。該置換基の例は、上述のRと同様である。
該Ar1は高分子発光体の3重項発光を阻害しないもの
が好ましい。
【0083】Ar1 としては、従来からEL発光性材料
として利用されてきたすべての材料に含まれるアリーレ
ン基または2価の複素環基であればよく、3重項発光を
阻害しないモノマーであれば好ましい。これらの材料は
例えば、WO99/12989 WO00/55927 WO01/49769A1 WO01/49
768A2 、WO98/06773 US5,777,070 WO99/54385 WO00/463
21 US6,169,163B1に開示されている。
【0084】アリーレン基は、ベンゼン環、縮合環を持
つもの、独立したベンゼン環または縮合環が2個直接ま
たはビニレン等の基を介して結合したものが含まれ、通
常炭素数6〜60、好ましくは6〜20であり、フェニ
レン基(例えば、下図の式1〜3)、ナフタレンジイル
基(下図の式4〜13)、アントラセニレン基(下図の
式14〜19)、ビフェニレン基(下図の式20〜2
5)、トリフェニレン基(下図の式26〜28)、縮合
環化合物基(下図の式29〜38)などが例示される。
なおアリーレン基の炭素数には、置換基Rの炭素数は含
まれない。
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】本発明において、2価の複素環基とは、複
素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をい
い、炭素数は、通常4〜60、好ましくは4〜20であ
る。なお2価の複素環基の炭素数には、置換基の炭素数
は含まれない。
【0091】ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ
有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけで
なく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原
子を環内に含むものをいう。
【0092】2価の複素環基としては、例えば以下のも
のが挙げられる。
【0093】ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素
環基;ピリジンージイル基(下図の式39〜44)、ジ
アザフェニレン基(下図の式45〜48)、キノリンジ
イル基(下図の式49〜63)、キノキサリンジイル基
(下図の式64〜68)、アクリジンジイル基(下図の
式69〜72)、ビピリジルジイル基(下図の式73〜
75)、フェナントロリンジイル基(下図の式76〜7
8)、など。ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セ
レンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式7
9〜93)。また、窒素原子を含む式82〜84のカル
バゾールやトリフェニルアミンジイル基などの芳香族ア
ミンモノマーを有していることが発光効率の点で望まし
い。
【0094】ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セ
レンなどを含む5員環複素環基:(下図の式94〜9
8)が挙げられる。
【0095】ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セ
レンなどを含む5員環縮合複素環基:(下図の式99〜
109)、ベンゾチアジアゾール-4,7-ジイル基やベン
ゾオキサジアゾール-4,7-ジイル基などがが挙げられ
る。
【0096】ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セ
レンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位
で結合し2量体やオリゴマーになっている基:(下図の
式110〜118)が挙げられる。
【0097】ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セ
レンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位
でフェニル基に結合している基:(下図の式112〜1
18)が挙げられる。
【0098】
【0099】
【0100】
【0101】
【0102】
【0103】
【0104】
【0105】
【0106】
【0107】ここで、Rは、上述と同様の基を示す。
【0108】上記式(1)におけるnは0または1であ
る。
【0109】上記式(1)におけるR1、R2は、それぞ
れ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複
素環基またはシアノ基を示す。
【0110】R1、R2が、水素原子、シアノ基以外であ
る場合について述べると、アルキル基は、直鎖、分岐ま
たは環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度
であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル
基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、
オクチル基、ノニル基、デシル基、ラウリル基などが挙
げられ、メチル基、エチル基、ペンチル基、ヘキシル
基、ヘプチル基、オクチル基が好ましい。
【0111】アリール基は、炭素数は通常6〜60程度
であり、具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキ
シフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であるこ
とを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキル
フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例
示され、 C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12
アルキルフェニル基が好ましい。
【0112】1価の複素環基は、炭素数は通常4〜60
程度であり、具体的には、チエニル基、C1〜C12アル
キルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、
1〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニ
ル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1
〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0113】本発明の高分子発光体が、上記式(1)で
示される繰り返し単位以外繰り返し単位として、好まし
くは、下記式(2)で示される繰り返し単位を含むこと
は、発光効率の点で望ましい。 (2)
【0114】式中、Ar2およびAr3はそれぞれ独立に
アリーレン基または2価の複素環基であり、Ar2とA
3は架橋しない。またR11は、アルキル基、アリール
基、1価の複素環基、下記(3)で示される基、または
下記(4)で示される基を示す。tは1〜4の整数であ
る。
【0115】 (3) 式中、Ar4はアリーレン基または2価の複素環基であ
る。R12は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価
の複素環基、または下記式(4)で示される基を示す。
1は、 −CR13=CR14−または−C≡C−を表す。
13およびR14はそれぞれ独立に水素原子、アルキル
基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を示
す。uは0〜2の整数である。
【0116】 (4) 式中、Ar5およびAr6はそれぞれ独立にアリーレン基
または2価の複素環基である。また、R15はアルキル
基、アリール基または1価の複素環基を示す。R16は水
素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基
を示す。vは1〜4の整数である。
【0117】上記式(2)で示される繰り返し単位の好
ましい具体例としては、下図のものが挙げられる。 式中、Rは上記と同じ。
【0118】Ar2〜Ar6におけるアリーレン基、2価
の複素環基としては、上記Ar1に例示されるものと同
様である。R11〜R16におけるアルキル基、アリール
基、1価の複素環基としては、上記R 1およびR2に例示
されるものと同様である。
【0119】また、本発明の高分子発光体は、上記式
(1)で示される繰り返し単位以外繰り返し単位とし
て、下記式(5)で示される繰り返し単位を含むこと
は、発光効率の点で望ましい。
【0120】 (5) 式中、R11は前記と同じ。R18およびR19は芳香環上の
置換基を表し、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル
基、アラルキル基、アリールチオ基、アリールアルケニ
ル基、環状アルケニル基、アルコキシ基、アリールオキ
シ基、アルキルオキシカルボニル基、アラルキルオキシ
カルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリール
基または、1価の複素環基を示す。a、bはそれぞれ独
立に0〜3の整数であり、aまたはbが2以上の時、各
18またはR19は同一であっても、異なっていてもよ
く、また、互いに結合して環を形成してもよい。
【0121】R18およびR19における1価の複素環基と
しては、上記R1およびR2に例示されるものと同様であ
る。
【0122】ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、よう素原子などが、アルキル基としては
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ア
ミル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキ
シル基、n−オクチル基、n−ノニル基、2,3,4−トリメ
チル−3−ペンチル基、2,4−ジメチル−3−ペンチル基
などが、アルケニル基としては2−メチル−1−プロペニ
ル基、2−ブテニル基などが、アラルキル基としてはベ
ンジル基、2−フェニルエチル基、2−ナフチルエチル
基、ジフェニルメチル基などが、アリールチオ基として
はチオフェニル基などが、アリールアルケニル基として
はトランスβスチリル基、3−フェニル−1−プロペニル
基などが、環状アルケニル基としては、1−シクロヘキ
セニル基などが、アルコキシ基としてはメトキシ基、エ
トキシ基、n−プロポキシ基、t−ブトキシ基などが、ア
リールオキシ基としてはフェノキシ基、ナフチルオキシ
基、ジフェニルオキシ基などが、アルキルオキシカルボ
ニル基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボ
ニル基、t−ブチルオキシカルボニル基、アラルキルオ
キシカルボニル基としてはベンジルオキシカルボニル基
などが、アリールオキシカルボニル基としては、フェニ
ルオキシカルボニル基などが、アリール基としてはフェ
ニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フリル基などが、
それぞれ例示される。
【0123】本発明の高分子発光体の末端基は、重合活
性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特
性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護
されていても良い。主鎖の共役構造と連続した共役結合
を有しているものが好ましく、例えば、ビニレン基を介
してアリール基または複素環基と結合している構造が例
示される。具体的には、特開平9−45478号公報の
化10に記載の置換基等が例示される。
【0124】なお、本発明の高分子発光体は、発光特性
や電荷輸送特性を損なわない範囲で、式(1)、(2)ま
たは(5)で示される繰り返し単位および3重項励起状態
からの発光を示す金属錯体構造を有する繰り返し単位以
外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、式
(1)、(2)または(5)で示される繰り返し単位、3重
項励起状態からの発光を示す錯体構造を有する繰り返し
単位、他の繰り返し単位が、非共役の単位で連結されて
いてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含
まれていてもよい。結合構造としては、以下に示すも
の、以下示すものとビニレン基を組み合わせたもの、お
よび以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたもの
などが例示される。ここで、Rは前記のものと同じ置換
基から選ばれる基であり、Arは炭素数6〜60個の炭
化水素基を示す。
【0125】
【0126】本発明の高分子発光体は一般式(1)、
(2)または(5)で示される繰り返し単位と,3重項
励起状態からの発光を示す金属錯体構造を有する繰り返
し単位との合計に対して、3重項励起状態からの発光を
示す金属錯体構造を有する繰り返し単位を0.01モル
%以上10モル%以下含むことが好ましい。
【0127】また、該高分子発光体は、ランダム、ブロ
ックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それら
の中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯
びたランダム共重合体であってもよい。発光の量子収率
の高い高分子発光体を得る観点からは完全なランダム共
重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロ
ックまたはグラフト共重合体が好ましい。
【0128】本発明の高分子発光体は、数平均分子量が
ポリスチレン換算で103〜108である。その繰り返し
構造の合計数は、繰り返し構造やその割合によっても変
わる。成膜性の点から一般には繰り返し構造の合計数
が、好ましくは20〜10000、さらに好ましくは3
0〜10000、特に好ましくは50〜5000であ
る。
【0129】また、薄膜からの発光を利用するので該高
分子発光体は、固体状態で発光を有するものが好適に用
いられる。
【0130】該高分子発光体に対する良溶媒としては、
クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラ
ヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、テト
ラリン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示され
る。高分子発光体の構造や分子量にもよるが、通常はこ
れらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができ
る。
【0131】本発明の高分子発光体は、3重項発光錯体
から誘導された重合活性基を有する単量体を原料として
使用して重合することにより製造することができる。ま
た、重合条件下で、3重項発光錯体から誘導された重合
活性基を有する単量体が分解する可能性がある場合は、
3重項発光錯体から誘導された重合活性基を有する単量
体を原料として使用して重合して重合体を得、該重合体
を、該3重項発光錯体の中心金属と反応させてもよい。
ここで使われる重合活性基としては、重合方法により異
なるが、例えば、ホルミル基、ホスホニウム基、臭素、
よう素、塩素などのハロゲン原子、ビニル基、ハロメチ
ル基、アセトニトリル基、トリフルオロメタンスルホニ
ルオキシ基等のアルキルスルホニルオキシ基、トルエン
スルホニルオキシ基等のアリールスルホニルオキシ基が
挙げられる。
【0132】本発明の高分子発光体の製造方法として
は、主鎖にビニレン基を有する場合には、3重項発光錯
体から誘導された重合活性基を有する単量体と、必要に
応じてその他の単量体を用いて、例えば特開平5−20
2355号公報に記載の方法により製造し得る。すなわ
ち、〔1〕アルデヒド基を有する化合物とホスホニウム
塩基を有する化合物とのWittig反応による重合、
〔2〕アルデヒド基とホスホニウム塩基とを有する化合
物のWittig反応による重合、〔3〕ビニル基を有
する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのHeck
反応による重合〔4〕ビニル基とハロゲン原子とを有す
る化合物のHeck反応による重合、〔5〕ルデヒド基
を有する化合物とアルキルホスホネート基を有する化合
物とのHorner−Wadsworth−Emmon
s法による重合〔6〕アルデヒド基とアルキルホスホネ
ート基とを有する化合物のHorner−Wadswo
rth−Emmons法による重合、〔7〕ハロゲン化
メチル基を2つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法
による重縮合、〔8〕スルホニウム塩基を2つ以上有す
る化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合、
〔9〕
アルデヒド基を有する化合物とアセトニトリル基を有す
る化合物とのKnoevenagel反応による重合
〔10〕アルデヒド基とアセトニトリル基とを有する化
合物のKnoevenagel反応による重合などの方
法、〔11〕アルデヒド基を2つ以上有する化合物のM
cMurry反応による重合などの方法が例示される。
上記〔1〕〜〔11〕の重合について以下に式で示す。
【0133】〔1〕
【0134】〔2〕
【0135】〔3〕
【0136】〔4〕
【0137】〔5〕
【0138】〔6〕
【0139】〔7〕
【0140】〔8〕
【0141】
〔9〕
【0142】〔10〕
【0143】〔11〕
【0144】また、本発明の高分子発光体の製造方法と
しては、主鎖にビニレン基を有しない場合には、主鎖に
ビニレン基を有する場合には、3重項発光錯体から誘導
された重合活性基を有する単量体と、必要に応じてその
他の単量体を用いて、例えば〔12〕Suzukiカッ
プリング反応により重合する方法、〔13〕Grign
ard反応により重合する方法、〔14〕Ni(0)触
媒により重合する方法、〔15〕FeCl3等の酸化剤
により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、
あるいは〔16〕適当な脱離基を有する中間体高分子の
分解による方法などが例示される。上記〔12〕〜〔1
6〕までの重合法について、以下に式で示す。
【0145】〔12〕
【0146】〔13〕
【0147】〔14〕
【0148】〔15〕
【0149】〔16〕
【0150】これらのうち、 Wittig反応による
重合、Heck反応による重合、Horner−Wad
sworth−Emmons法による重合、Knoev
enagel反応による重合、およびSuzukiカッ
プリング反応により重合する方法、Grignard反
応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する
方法が、構造制御がしやすいので好ましい。さらにSu
zukiカップリング反応により重合する方法、Gri
gnard反応により重合する方法、Ni(0)触媒に
より重合する方法が原料の入手しやすさと重合反応操作
の簡便さから好ましい。
【0151】単量体を、必要に応じ、有機溶媒に溶解
し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融
点以上沸点以下で、反応させることができる。例えば、
“オルガニック リアクションズ(Organic R
eactions)”,第14巻,270−490頁,
ジョンワイリー アンド サンズ(John Wile
y&Sons,Inc.),1965年、“オルガニッ
ク リアクションズ(Organic Reactio
ns)”,第27巻,345−390頁,ジョンワイリ
ー アンド サンズ(John Wiley&Son
s,Inc.),1982年、“オルガニック シンセ
シス(Organic Syntheses)”,コレ
クティブ第6巻(Collective Volume
VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド
サンズ(John Wiley&Sons,In
c.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.
Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジ
ャーナル オブ オルガノメタリックケミストリー
(J.Organomet.Chem.),第576
巻,147頁(1999年)、ジャーナル オブ プラ
クティカル ケミストリー(J.Prakt.Che
m.),第336巻,247頁(1994年)、マクロ
モレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シ
ンポジウム(Makromol.Chem.,Macr
omol.Symp.),第12巻,229頁(198
7年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
【0152】有機溶媒としては、用いる化合物や反応に
よっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用
いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で
反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処
理を行うことが好ましい。(但し、Suzukiカップ
リング反応のような水との2相系での反応の場合にはそ
の限りではない。)
【0153】反応させるために適宜アルカリや適当な触
媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すれば
よい。該アルカリまたは触媒は、反応に用いる溶媒に十
分に溶解するものが好ましい。アルカリまたは触媒を混
合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不
活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリまたは
触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリまたは触媒の溶
液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
【0154】本発明の高分子発光体を高分子LEDの発
光材料として用いる場合、その純度が発光特性に影響を
与えるため、重合前の単量体を蒸留、昇華精製、再結晶
等の方法で精製したのちに重合することが好ましく、ま
た合成後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等
の純化処理をすることが好ましい。
【0155】本発明の高分子発光体の製造方法におい
て、それぞれの単量体は、一括混合して反応させてもよい
し、必要に応じ、分割して混合してもよい。
【0156】より具体的に、反応条件について述べる
と、Wittig反応、Horner反応、Knoev
engel反応などの場合は、単量体の官能基に対して
当量以上、好ましくは1〜3当量のアルカリを用いて反
応させる。アルカリとしては、特に限定されないが、例
えば、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−ブ
トキシド、ナトリウムエチラート、リチウムメチラート
などの金属アルコラートや、水素化ナトリウムなどのハ
イドライド試薬、ナトリウムアミド等のアミド類等を用
いることができる。溶媒としては、 N、N−ジメチル
ホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トル
エン等が用いられる。反応の温度は、通常は室温から1
50℃程度で反応を進行させることができる。反応時間
は、例えば、5分間〜40時間であるが、十分に重合が
進行する時間であればよく、また反応が終了した後に長
時間放置する必要はないので、好ましくは10分間〜2
4時間である。反応の際の濃度は、希薄すぎると反応の
効率が悪く、濃すぎると反応の制御が難しくなるので、
約0.01wt%〜溶解する最大濃度の範囲で適宜選択
すればよく、通常は、0.1wt%〜20wt%の範囲
である。Heck反応の場合は、パラジウム触媒を用
い、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、単量体を
反応させる。N、N−ジメチルホルムアミドやN−メチ
ルピロリドンなどの比較的沸点の高い溶媒を用い、反応
温度は、80〜160℃程度、反応時間は、1時間から
100時間程度である。
【0157】Suzukiカップリング反応の場合は、
触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェ
ニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用
い、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等
の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基、フッ化セ
シウムなどの無機塩を単量体に対して当量以上、好まし
くは1〜10当量加えて反応させる。無機塩を水溶液と
して、2相系で反応させてもよい。溶媒としては、
N、N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシ
エタン、テトラヒドロフランなどが例示される。溶媒に
もよるが50〜160℃程度の温度が好適に用いられ
る。溶媒の沸点近くまで昇温し、環流させてもよい。反
応時間は1時間から200時間程度である。
【0158】Grignard反応の場合は、テトラヒ
ドロフラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタンなど
のエーテル系溶媒中でハロゲン化物と金属Mgとを反応
させてGrignard試薬溶液とし、これと別に用意
した単量体溶液とを混合し、ニッケルまたはパラジウム
触媒を過剰反応に注意しながら添加した後に昇温して環
流させながら反応させる方法が例示される。Grign
ard試薬は単量体に対して当量以上、好ましくは1〜
1.5当量、より好ましくは1〜1.2当量用いる。こ
れら以外の方法で重合する場合も、公知の方法に従って
反応させることができる。
【0159】本発明の高分子発光体の製造方法は、X1
−A−X2で示される単量体(ここにX1、X2はそれぞ
れ独立にハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシまた
はアリールスルホニルオキシ基を示す。−A−は、3重
項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を有する繰り
返し単位を示す。)とX3−D−X4(ここにX3、X4
それぞれ独立にハロゲン原子、アルキルスルホニルオキ
シ基またはアリールスルホニルオキシ基を示す。DはA
以外の繰返し単位を示す。)とをNi触媒の存在下反応
させる製造方法である。
【0160】また、本発明の高分子発光体の製造方法
は、Y1−A−Y2(ここにY1、Y2はそれぞれ独立にホウ
酸基またはホウ酸エステル基を示す。)で示される単量
体と、Z1−D−Z2で示される単量体(Z1、Z2はハロゲ
ン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールス
ルホニルオキシ基を示す。Dは前記と同じ。)とをPd
触媒の存在下反応させる製造方法である。
【0161】さらに、本発明の高分子発光体の製造方法
は、Y3−D−Y4(ここにY3、Y4はそれぞれ独立にホウ
酸基またはホウ酸エステル基である。Dは前記と同
じ。)で示される単量体と、Z3−A−Z4で示される単
量体(Z1、Z2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル
スルホニルオキシ基またはアリールスルホニルオキシ基
を示す)とをPd触媒の存在下反応させる高分子発光体
の製造方法である。
【0162】中でも、X1−A−X2で示される単量体、
1−A−Y2で示される単量体またはZ3−A−Z4で示
される単量体が単量体全体に対して、0.01モル%以
上10モル%以下であることが好ましい。
【0163】上記において、−A−は、3重項励起状態
からの発光を示す金属錯体構造を有する繰り返し単位で
あり、具体的には構造式で例示すると、前記で例示の3
重項発光錯体のRのうち、何れか2個が隣接する繰り返
し単位との結合手となった2価の基等が挙げられる。
【0164】上記において、−D−は、−A−以外の繰
返し単位であり、具体的には、上記式(1)や(2)で
示される構造が挙げられる。
【0165】X1、X2、X3、X4、Z1、Z2、Z3、Z4
示されるハロゲン原子としては、よう素、臭素、塩素、
などが例示される。また、アリールスルホニルオキシ基
としては、ペンタフルオロフェニルスルホニルオキシ
基、パラトルエンスルホニルオキシ基などが、アルキル
スルホニルオキシ基としては、メタンスルホニルオキシ
基トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、などが例示
される。
【0166】Y1、Y2、Y3、Y4で示されるホウ酸基、ホ
ウ酸エステル基としては、ホウ酸基、ジメチルホウ酸エ
ステル、エチレンホウ酸エステル、トリメチレンホウ酸
エステルなどが例示される。
【0167】Ni触媒の存在下反応させる例としては例
えば上述のNi(0)触媒により重合する方法が挙げら
れる。ニッケル触媒としては、エチレンビス(トリフェ
ニルホスフィン)ニッケル錯体、テトラキス(トリフェニ
ルホスフィン)ニッケル錯体、ビス(シクロオクタジエニ
ル)ニッケル錯体、などが例示される。
【0168】Pd触媒の存在下反応させる例としては、
例えば、上記Suzukiカップリング反応が挙げられ
る。パラジウム触媒としては、酢酸パラジウム、パラジ
ウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]錯体、
ビス(トリシクロヘキシルホスフィン)パラジウム錯体な
どが例示される。
【0169】本発明の高分子発光体の製造方法により、
3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造をポリマ
ーの主鎖あるいは側鎖に有する高分子発光体が容易に合
成でき、工業的に非常に有利である。
【0170】次に本発明の錯体について説明する。本発
明の錯体は、反応性官能基としての臭素原子、塩素原
子、よう素原子、アリールスルホニルオキシ基、アルキ
ルスルホニルオキシ基等を有する配位子を持ち、イリジ
ウム、白金、ユーロピウムまたは金を中心金属とする新
規な錯体であり、本発明の高分子発光体の原料の単量体
となりうる錯体である。該錯体は上記公知の錯体が反応
性官能基を有さず、誘導体に変換したり、ポリマー合成
のための単量体として用いることが困難であるという問
題を解決したものである。
【0171】本発明の錯体は、一般式(8) (式中、L、M、Ar、m、oは、前記と同じ。Xは、
ハロゲン原子、アリールスルホニルオキシ基、またはア
ルキルスルホニルオキシ基である。)で示される錯体で
ある。
【0172】Xで示されるハロゲン原子としては、よう
素、臭素、塩素、などが例示される。また、アリールス
ルホニルオキシ基としては、ペンタフルオロフェニルス
ルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基な
どが、アルキルスルホニルオキシ基としては、メタンス
ルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキ
シ基、などが例示される。
【0173】中でも、一般式(8)で表される錯体のX
を全て水素原子とした錯体の1重項状態と3重項状態の
エネルギーを、B3LYP法で計算したとき、1重項状
態と3重項状態のエネルギーの差が6eV以下であること
を特徴とする錯体が好ましくより好ましくは4eV以下、
さらに好ましくは2eV以下である。
【0174】中でも、一般式(9) (式中、M’はイリジウム原子、白金原子または金原子
を示す。Ar’は、同一または相異なり、窒素原子と炭素
原子でM’と結合して5員環を形成する2座配位子であ
って、少なくとも1つの臭素原子を有する2座配位子で
ある。L’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ア
リール基、複素環配位子、カルボキシル基、ハロゲン原
子、アミド基、イミド基、アルコキシ基、アルキルメル
カプト基、カルボニル配位子、アルケン配位子、アルキ
ン配位子、アミン配位子、イミン配位子、ニトリル配位
子、イソニトリル配位子、ホスフィン配位子、ホスフィ
ンオキシド配位子、ホスファイト配位子、エーテル配位
子、スルホン配位子、スルホキシド配位子またはスルフ
ィド配位子である。qは、1〜3の整数を示す。rは、0
〜2の整数を示す。)で表される錯体が好ましい。
【0175】一般式(9)で示される錯体の配位子Ar’
の具体例としては、Mと結合する炭素原子に水素原子が
付加した形(Ar’H)で例示すると、2-メタブロモ
フェニルピリジン、2-(メタブロモ-パラフェニルフェ
ニル)ピリジン、7−ブロモベンゾ[h]キノリン、2−
(5−ブロモ−4−チオフェン−2−イル)ピリジン、2
−(5−ブロモ−4−フェニルチオフェン−2−イル)ピ
リジン、2−メタブロモフェニルベンゾオキサゾール、
2-(メタブロモ-パラフェニルフェニル)ベンゾオキサゾ
ール、2−メタブロモフェニルベンゾチアゾール、2−
-(メタブロモ-パラフェニルフェニル)ベンゾチアゾー
ル、2−(6−ブロモベンゾチオフェン−2−イル)ピリ
ジン、2-ブロモ-7,8,12,13,17,18-ヘキサキスエチル-2
1H,23H-ポルフィリン、6-ブロモ-1,10-フェナントロリ
ン、ベンゾイル-パラブロモベンゾイル-メタン、(4-ブ
ロモテノイル)トリフルオロアセトン、などが例示さ
れ、2-メタブロモフェニルピリジン、7−ブロモベン
ゾ[h]キノリン、2−メタブロモフェニルベンゾオキサ
ゾール、2−メタブロモフェニルベンゾチアゾールなど
が好ましい。
【0176】一般式(9)で示される錯体の配位子Ar’
はハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキ
ル基、アリールチオ基、アリールアルケニル基、環状ア
ルケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキ
ルオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル
基、アリール基等の置換基を有していてもよい。
【0177】Ar’の置換基の具体例としては以下のと
おりである。ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原
子、臭素原子、沃素原子などが、アルキル基としてはメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−アミル
基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル
基、n−オクチル基、n−ノニル基、2,3,4−トリメチル
−3−ペンチル基、2,4−ジメチル−3−ペンチル基など
が、アルケニル基としては2−メチル−1−プロペニル
基、2−ブテニル基などが、アラルキル基としてはベン
ジル基、2−フェニルエチル基、2−ナフチルエチル基、
ジフェニルメチル基などが、アリールチオ基としてはチ
オフェニル基などが、アリールアルケニル基としてはト
ランスβスチリル基、3−フェニル−1−プロペニル基な
どが、環状アルケニル基としては、1−シクロヘキセニ
ル基などが、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキ
シ基、n−プロポキシ基、t−ブトキシ基などが、アリー
ルオキシ基としてはフェノキシ基、ナフチルオキシ基、
ジフェニルオキシ基などが、アルキルオキシカルボニル
基としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル
基、t−ブチルオキシカルボニル基、アラルキルオキシ
カルボニル基としてはベンジルオキシカルボニル基など
が、アリールオキシカルボニル基としては、フェニルオ
キシカルボニル基などが、アリール基としてはフェニル
基、ナフチル基、ビフェニル基、フリル基などが、それ
ぞれ例示される。
【0178】また、上記のハロゲン原子以外の置換基
は、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素
原子などのハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基、n
−プロポキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基、
フェノキシ基などのアリールオキシ基;メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、t−ブチル基、n−アミル基、ネオペンチ
ル基、n−ヘキシル基などの低級アルキル基;n−プロピ
ルチオ基、t−ブチルチオ基などの低級アルキルチオ
基;フェニルチオ基などのアリールチオ基、ニトロ基、
水酸基などで置換されていてもよい。
【0179】また、上記式(9)のL’において、アル
キル基、アリール基、複素環配位子、カルボキシル基、
ハロゲン原子、アミド基、イミド基、アルコキシ基、ア
ルキルメルカプト基、カルボニル配位子、アルケン配位
子、アルキン配位子、アミン配位子、イミン配位子、ニ
トリル配位子、イソニトリル配位子、ホスフィン配位
子、ホスフィンオキシド配位子、ホスファイト配位子、
エーテル配位子、スルホン配位子、スルホキシド配位子
またはスルフィド配位子で示される配位子としては、上
記式(6)中のLに例示のものと同様である。
【0180】本発明の錯体(9)の具体例としては、例
えば、中心金属M’がイリジウム原子のものとしては、
トリス(2-メタブロモフェニルピリジン)イリジウム(II
I)、ビス(2-メタブロモフェニルピリジン)(フェニルピ
リジン)イリジウム(III)、 (2-メタブロモフェニルピ
リジン)ジ(フェニルピリジン)イリジウム(III)、ビス
(7−ブロモベンゾ[h]キノリン) アセチルアセトナー
トイリジウム(III)、ビス{2−(5−ブロモチオフェン
−2−イル)ピリジン}アセチルアセトナートイリジウム
(III)、ビス(2−(3−ブロモフェニル)ベンゾオキサゾ
ール)アセチルアセトナートイリジウム(III)、ビス(2
−(3−ブロモフェニル)ベンゾチアゾール)アセチルア
セトナートイリジウム(III)、ビス{2−(5−ブロモベ
ンゾチオフェン−2−イル)ピリジン}アセチルアセトナ
ートイリジウム(III)等が挙げられる。
【0181】また、中心金属M’が白金原子のものとし
ては、ビス(2-メタブロモフェニルピリジン)プラチナ
(II)、(2-メタブロモフェニルピリジン)(フェニルピリ
ジン)プラチナ(II)、(7−ブロモベンゾ[h]キノリン)
アセチルアセトナートプラチナ(II) 、{2−(5−ブロ
モチオフェン−2−イル)ピリジン}アセチルアセトナー
トプラチナ(II)、(2−(3−ブロモフェニル)ベンゾオ
キサゾール)アセチルアセトナートプラチナ(II)、(2−
(3−ブロモフェニル)ベンゾチアゾール)アセチルアセ
トナートプラチナ(II)、{2−(5−ブロモベンゾチオフ
ェン−2−イル)ピリジン}アセチルアセトナートプラチ
ナ(II) 等が挙げられる。
【0182】また、中心金属M’が金原子のものとして
は、トリス(2-メタブロモフェニルピリジン)金(III)、
ビス(2-メタブロモフェニルピリジン)(フェニルピリジ
ン)金(III)、 (2-メタブロモフェニルピリジン)ジ(フ
ェニルピリジン)金(III)、ビス(7−ブロモベンゾ[h]
キノリン) アセチルアセトナート金(III)、ビス{2−
(5−ブロモチオフェン−2−イル)ピリジン}アセチル
アセトナート金(III)、ビス(2−(3−ブロモフェニル)
ベンゾオキサゾール)アセチルアセトナート金(III)、ビ
ス(2−(3−ブロモフェニル)ベンゾチアゾール)アセチ
ルアセトナート金(III)、ビス{2−(5−ブロモベンゾ
チオフェン−2−イル)ピリジン}アセチルアセトナート
金(III)等が挙げられる。
【0183】また、中心金属M’がユーロピウム原子の
ものとしては、(6-ブロモ-1,10-フェナントロリン)トリ
ス(ジベンゾイルメタン)ユーロピウム(III)、(6-ブロモ
-1,10-フェナントロリン) トリス[(4-ブロモテノイル)
トリフルオロアセトン]ユーロピウム(III)、などが挙
げられる。
【0184】中でもAr'が一般式(10)で示される
2座配位子であり、R21〜R28 の1つ以上が臭素原子で
あるものがより好ましく、R23が臭素原子で、他が水素
原子であるものが特に好ましい。 (式中、R21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル
基、アリールチオ基、アリールアルケニル基、環状アル
ケニル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキル
オキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、
アリールオキシカルボニル基、またはアリール基を示
す。R21〜R28のうち少なくとも1つは臭素原子であ
る。)R21〜R28の具体例は、前述の一般式(9)で示
される錯体の配位子Ar’の置換基の具体例と同じであ
る。
【0185】次に本発明の錯体の製造方法について一般
式(8)の錯体の製造方法を例にとり説明する。一般式
(8)の錯体は一般式(11) (式中L'は、式(9)のL'と同じ意味である。sは、
0〜3の整数を示す。)で示される錯体と、 Ar’H (12) (式中、Ar’は式(9)のAr’と同じ意味であり、
Ar’Hは Ar’のM'と結合する炭素原子に水素原子
が付加していることを意味する。)で示される化合物と
を反応させることにより製造できる。
【0186】L’としては、カルボキシル基、ジケトナ
ート配位子、アミド基、イミド基、カルボニル配位子、
アレーン配位子、アルケン配位子、アルキン配位子、イ
ミン配位子、ニトリル配位子、エーテル配位子、スルホ
ン配位子、スルホキシド配位子、スルフィド配位子な
ど、比較的弱く中心金属に結合しているため、交換反応
がスムーズに進行する配位子が好ましい
【0187】上記Ar’Hは市販の試薬を用いてもよい
し、また、公知の方法により製造することもできる。
【0188】本発明の製造方法において、錯体(11)
と配位子(12)の量比は、調製する目的の錯体によっ
て異なるが、モル比で、およそ錯体/配位子=1/0.5
〜1/10での範囲である。
【0189】また、反応は、通常溶媒中で行われる。溶
媒としては、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロ
フラン、ターシャリーブチルメチルエーテル、ジオキサ
ン、などのエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサ
ン、トルエン、キシレンなどの炭化水素系溶媒、酢酸エ
チルエステル、プロピオン酸メチルエステル、などのエ
ステル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジ
クロロエタン、などのハロゲン系溶媒、アセトン、メチ
ルイソブチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン系溶
媒、エタノール、ブタノール、エチレングリコール、グ
リセリンなどのアルコール系溶媒、などが用いられる。
溶媒の使用量は、特に制限されないが、通常、原料であ
る錯体類と配位子類の合計重量に対して通常重量比で10
〜500倍程度である。
【0190】反応温度は、特に限定されないが、通常50
〜350℃付近で反応させる。反応時間は、特に限定され
ないが、通常30分間から30時間程度である。
【0191】合成操作としては、フラスコ内に溶媒を投
入しこれを攪拌しながら、不活性ガス、例えば、窒素ガ
スやアルゴンガス、でバブリングなどにより脱気した
後、錯体(11)と配位子(12)を投入する。攪拌し
ながら不活性ガス雰囲気下で配位子交換される温度まで
昇温し、保温攪拌する。反応の終点は、TLCモニター
や高速液体クロマトグラフィーにより原料の減少が停止
することや、どちらかの原料の消失をもって決定するこ
とができる。
【0192】反応混合液からの目的物の取り出しと精製
については、錯体によって異なり、通常の錯体精製の手
法が使われる。
【0193】例えば、錯体に対して貧溶媒である1規定
の塩酸水溶液を投入し錯体を析出させ、これをろ過して
取りこの固体をジクロロメタンやクロロホルムなどの有
機溶媒に溶かす。この溶液をろ過して不溶物を除去し再
度濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジク
ロロメタン溶出)により精製し、目的物の分画溶液を集
め、例えば、メタノール(貧溶媒)を適当量加え、濃縮し
目的物錯体を析出させ、これをろ過して乾燥させ錯体を
得る。尚、本発明の錯体(9)および(10)の製造法
は上記方法に限定されない。
【0194】本発明の錯体を単量体として用いることに
より、高分子発光体を製造することができる。
【0195】次に、本発明の高分子LEDについて説明
する。本発明の高分子LEDは、陽極および陰極からな
る電極間に発光層を有する高分子LEDであり、該発光
層が本発明の高分子発光体を含むことを特徴とする。
【0196】また、本発明の高分子LEDとしては、陰
極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LE
D、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子
LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、か
つ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子L
ED等が挙げられる。また、上記少なくとも一方の電極
と発光層との間に該電極に隣接して導電性高分子を含む
層を設けた高分子LED;少なくとも一方の電極と発光
層との間に該電極に隣接して平均膜厚2nm以下のバッ
ファー層を設けたLEDが挙げられる。
【0197】具体的には、以下のa)〜d)の構造が例
示される。 a)陽極/発光層/陰極 b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極 c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極 d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極 (ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示
す。以下同じ。)
【0198】ここで、発光層とは、発光する機能を有す
る層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有
する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を
有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称
して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送
層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0199】また、電極に隣接して設けた電荷輸送層の
うち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、
素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷
注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれるこ
とがある。
【0200】さらに電極との密着性向上や電極からの電
荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入
層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、
界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や
発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
【0201】積層する層の順番や数、および各層の厚さ
については、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いる
ことができる。
【0202】本発明において、電荷注入層(電子注入
層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極
に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣
接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0203】例えば、具体的には、以下のe)〜p)の
構造が挙げられる。 e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極 f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極 g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極 h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極 i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極 j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入
層/陰極 k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極 l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極 m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入
層/陰極 n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送
層/陰極 o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入
層/陰極 p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送
層/電荷注入層/陰極
【0204】電荷注入層の具体的な例としては、導電性
高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、
陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間
の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰
極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送
層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を
有する材料を含む層などが例示される。
【0205】上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の
場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm
以上103S/cm以下であることが好ましく、発光画
素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/c
m以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/
cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。
【0206】通常は該導電性高分子の電気伝導度を10
-5S/cm以上103S/cm以下とするために、該導
電性高分子に適量のイオンをドープする。
【0207】ドープするイオンの種類は、正孔注入層で
あればアニオン、電子注入層であればカチオンである。
アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオ
ン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン
酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチ
ウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テト
ラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
【0208】電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm
〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
【0209】電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接す
る層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリ
ンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導
体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビ
ニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよ
びその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキ
ノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖
または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタ
ロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが
例示される。
【0210】膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易
にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料とし
ては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙
げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LE
Dとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を
設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の
絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0211】具体的には、例えば、以下のq)〜ab)
の構造が挙げられる。 q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極 r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2n
m以下の絶縁層/陰極 t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/陰極 u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁
層/陰極 v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送
層/陰極 x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁
層/陰極 y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送
層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極 z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光
層/電子輸送層/陰極 aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2
nm以下の絶縁層/陰極 ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発
光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
【0212】高分子LED作成の際に、本発明の有機溶
媒可溶性の高分子発光体を用いることにより、溶液から
成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去
するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合し
た場合においても同様な手法が適用でき、製造上非常に
有利である。溶液からの成膜方法としては、スピンコー
ト法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、
グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワ
イアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコー
ト法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット
印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いる
ことができる。
【0213】発光層の膜厚としては、用いる材料によっ
て最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値とな
るように選択すればよいが、例えば1nmから1μmで
あり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好
ましくは5nm〜200nmである。
【0214】本発明の高分子LEDにおいては、発光層
に上記高分子発光体以外の発光材料を混合して使用して
もよい。また、本発明の高分子LEDにおいては、上記
高分子発光体以外の発光材料を含む発光層が、上記高分
子発光体を含む発光層と積層されていてもよい。
【0215】該発光材料としては、公知のものが使用で
きる。低分子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、
アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはそ
の誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、
シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもし
くはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェ
ニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテ
トラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用い
ることができる。
【0216】具体的には、例えば特開昭57−5178
1号、同59−194393号公報に記載されているも
の等、公知のものが使用可能である。
【0217】本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有す
る場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニル
カルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくは
その誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有する
ポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールア
ミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン
誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフ
ェンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘
導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘
導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もし
くはその誘導体などが例示される。
【0218】具体的には、該正孔輸送材料として、特開
昭63−70257号公報、同63−175860号公
報、特開平2−135359号公報、同2−13536
1号公報、同2−209988号公報、同3−3799
2号公報、同3−152184号公報に記載されている
もの等が例示される。
【0219】これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸
送材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘
導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主
鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導
体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェン
もしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)
もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレン
ビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料
が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾール
もしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、
側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサ
ン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高
分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0220】ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導
体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラ
ジカル重合によって得られる。
【0221】ポリシランもしくはその誘導体としては、
ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、
1359頁(1989年)、英国特許GB230019
6号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方
法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特に
キッピング法が好適に用いられる。
【0222】ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シ
ロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、
側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有す
るものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族ア
ミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
【0223】正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、
低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶
液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正
孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示され
る。
【0224】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正
孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。
該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロ
エタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶
媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、
酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート
等のエステル系溶媒が例示される。
【0225】溶液からの成膜方法としては、溶液からの
スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビア
コート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコ
ート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、ス
プレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、
オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布
法を用いることができる。
【0226】混合する高分子バインダーとしては、電荷
輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に
対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分
子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレ
ート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレ
ート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン
等が例示される。
【0227】正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料に
よって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値
となるように選択すればよいが、少なくともピンホール
が発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、
素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正
孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであ
り、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ま
しくは5nm〜200nmである。
【0228】本発明の高分子LEDが電子輸送層を有す
る場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが
使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメ
タンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘
導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノ
ンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメ
タンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェ
ニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキ
ノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはそ
の誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導
体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオ
レンもしくはその誘導体等が例示される。
【0229】具体的には、特開昭63−70257号公
報、同63−175860号公報、特開平2−1353
59号公報、同2−135361号公報、同2−209
988号公報、同3−37992号公報、同3−152
184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0230】これらのうち、オキサジアゾール誘導体、
ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもし
くはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしく
はその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘
導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフル
オレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフ
ェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,
3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキ
ノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリ
キノリンがさらに好ましい。
【0231】電子輸送層の成膜法としては特に制限はな
いが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着
法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法
が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの
成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融
状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用しても
よい。
【0232】溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電
子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解させ
るものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロ
ホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶
媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メ
チルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸
ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶
媒が例示される。
【0233】溶液または溶融状態からの成膜方法として
は、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラ
ビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロー
ルコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート
法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印
刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等
の塗布法を用いることができる。
【0234】混合する高分子バインダーとしては、電荷
輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光
に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高
分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェ
ンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレ
ン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビ
ニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリ
アクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメ
タクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、または
ポリシロキサンなどが例示される。
【0235】電子輸送層の膜厚としては、用いる材料に
よって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値
となるように選択すればよいが、少なくともピンホール
が発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、
素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電
子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであ
り、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ま
しくは5nm〜200nmである。
【0236】本発明の高分子LEDを形成する基板は、
電極を形成し、該高分子LEDの各層を形成する際に変
化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチッ
ク、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。
不透明な基板の場合には、反対の電極が透明または半透
明であることが好ましい。
【0237】通常、陽極および陰極からなる電極のうち
少なくとも一方が透明または半透明であり、陽極側が透
明または半透明であることが好ましい。該陽極の材料と
しては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が
用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、
酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・ス
ズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサ
イド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(N
ESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、IT
O、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好まし
い。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング
法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられ
る。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘
導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の
透明導電膜を用いてもよい。
【0238】陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度と
を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10
nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μm
であり、さらに好ましくは50nm〜500nmであ
る。
【0239】また、陽極上に、電荷注入を容易にするた
めに、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボン
などからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、
有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設け
てもよい。
【0240】本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料
としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、
リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウ
ム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナ
ジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、
サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウ
ムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あ
るいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マ
ンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、
錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラフ
ァイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、
マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合
金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀
合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネ
シウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−
アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の
積層構造としてもよい。
【0241】陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮
して、適宜選択することができるが、例えば10nmか
ら10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであ
り、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0242】陰極の作製方法としては、真空蒸着法、ス
パッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート
法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導
電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ
化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層
を設けても良く、陰極作製後、該高分子LEDを保護す
る保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期
安定的に用いるためには、素子を外部から保護するため
に、保護層および/または保護カバーを装着することが
好ましい。
【0243】該保護層としては、高分子化合物、金属酸
化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることが
できる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に
低透水率処理を施したプラスチック板などを用いること
ができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板
と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペ
ーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを
防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのよう
な不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止するこ
とができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に
設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタ
メージを与えるのを抑制することが容易となる。これら
のうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好まし
い。
【0244】本発明の高分子発光素子は、面状光源、セ
グメント表示装置、ドットマトリックス表示装置または
液晶表示装置のバックライトに用いることができる。本
発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るために
は、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよ
い。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状
の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設
置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実
質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一
方、または両方の電極をパターン状に形成する方法があ
る。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いく
つかの電極を独立にOn/OFFできるように配置する
ことにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できる
セグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドット
マトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともに
ストライプ状に形成して直交するように配置すればよ
い。複数の種類の発光色の異なる高分子発光体を塗り分
ける方法や、カラーフィルターまたは発光変換フィルタ
ーを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー
表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシ
ブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアク
ティブ駆動しても良い。これらの表示素子は、コンピュ
ータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーショ
ン、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置
として用いることができる。
【0245】さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄
型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、
あるいは面状の照明用光源として好適に用いることがで
きる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の
光源や表示装置としても使用できる。
【0246】
【実施例】以下、本発明をさらに詳細に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものでは
ない。
【0247】ここで、数平均分子量については、クロロ
ホルムを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグ
ラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分
子量を求めた。
【0248】実施例1 <2−(ブロモフェニル)ピリジンの製造>2−フェニ
ルピリジン3g(19.3mmol)と鉄粉40mg
(0.716mmol)を混合し攪拌した。0℃に冷却
し攪拌しながら臭素4.0g(25mmol)を発熱に
注意しながら滴下し、90℃まで昇温して10時間攪拌
した。反応終了後この反応混合液を、クロロホルムに溶
かし溶液にし、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄し
た。クロロホルム溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させた
後、濃縮し、残滓をシリカゲルカラムクロマトにより精
製し目的の2−(ブロモフェニル)ピリジンを得た。収
量は1.6g(6.83mmol)で、収率は35.4
%であった。LC−MSによりM+は234.0であっ
た。
【0249】<トリス(2−(ブロモフェニル)ピリジ
ン)イリジウム(III)の製造>トリスアセチルアセト
ナートイリジウム(III)錯体50mg(0.1021
mmol)と2−ブロモフェニルピリジン95.6mg
(0.4084mmol)およびグリコール20mlを
50mlのナスフラスコに投入し10時間還流した。こ
の反応液に1規定塩酸水溶液100mlを加え、30分
間攪拌した。析出した固体をろ過して取り、再び再少量
の塩化メチレンに溶かして溶液にした。この溶液をシリ
カゲルカラムクロマトろ過し、余ったイリジウム錯体由
来の金属分解物を除去した。この後、得られた溶液を途
中まで濃縮しメタノールを加え析出してくる黄色固体を
ろ過して回収した。目的物であるトリス(2−(ブロモ
フェニル)ピリジン)イリジウム(III)10.12m
g(0.0113mmol)を得た。収率は11.1%
であった。FD−MSによりM+は893であった。
【0250】実施例2 <ビス(2−(フェニル)ピリジン)モノ(2−(ブロ
モフェニル)ピリジン)イリジウム(III)の製造>トリ
スアセチルアセトナートイリジウム(III)錯体0.6
42g(1.31mmol)と2−(ブロモフェニル)
ピリジン0.41g(1.75mmol)と2−(フェ
ニル)ピリジン0.54g(3.5mmol)およびグ
リコール50mlを100mlのナスフラスコに投入し
10時間還流した。この反応液に1規定塩酸水溶液10
0mlを加え、30分間攪拌した。析出した固体をろ過
して取り、再び再少量の塩化メチレンに溶かして溶液に
した。この溶液をシリカゲルカラムクロマトろ過し、余
ったイリジウム錯体由来の金属分解物を除去した。この
後、得られた溶液を途中まで濃縮しメタノールを加え析
出してくる黄色固体をろ過して回収した。ビス(2−
(フェニル)ピリジン)モノ(2−(ブロモフェニル)
ピリジン)イリジウム(III)が主成分となる混合物
0.13g(0.177mmol相当)を得た。収率
は、約13.5%であった。FD−MSより、主成分の
+は、733であった。この混合物とは、トリス(2
−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯
体(錯体4)、モノ(2−(フェニル)ピリジン)ビス
(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(II
I)錯体(錯体3)、ビス(2−(フェニル)ピリジ
ン)モノ(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウ
ム(III)錯体(錯体2)、トリス(2−(フェニル)
ピリジン)イリジウム(III)錯体(錯体1)の混合物
である。FD−MSにより、それぞれの比率を求める
と、以下の表1のとおりであった。
【0251】
【表1】
【0252】実施例3 <高分子発光体1の合成>9,9−ジオクチル−2,7
−ジブロモフルオレン0.403g(0.735mmo
l)とN−オクチル−3,6−ジブロモカルバゾ−ル
0.321g(0.735mmol)とビス(2−(フ
ェニル)ピリジン)モノ(2−(ブロモフェニル)ピリ
ジン)イリジウム(III) 0.022g(0.03mm
ol:この化合物はトリス(2−(ブロモフェニル)ピ
リジン)イリジウム(III)錯体、モノ(2−(フェニ
ル)ピリジン)ビス(2−(ブロモフェニル)ピリジ
ン)イリジウム(III)錯体、ビス(2−(フェニル)
ピリジン)モノ(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イ
リジウム(III)錯体、トリス(2−(フェニル)ピリ
ジン)イリジウム(III)錯体の混合物であり、仕込み
に際しては、ビス(2−(フェニル)ピリジン)モノ
(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(II
I)の分子量733を用いた。)と2,2’−ビピリジ
ル0.55g(3.5mmol)を反応容器に仕込んだ
後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじ
めアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒド
ロフラン(脱水溶媒)40mlを加えた。次に、この混
合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケ
ル(0)を0.96g(3.5mmol)加え、室温で
10分間攪拌した後、60℃で8時間反応した。なお、
反応は、窒素雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷
却した後、25%アンモニア水10ml/メタノール1
50ml/イオン交換水50ml混合溶液中にそそぎ込
み、約30分攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、
回収した。この沈殿を乾燥した後、クロロホルムに溶解
した。この溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶
液をメタノール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈
殿を回収した。この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.1
1gを得た。この重合体を高分子発光体1と呼ぶ。
【0253】高分子発光体1のポリスチレン換算重量平
均分子量は、4.4×105であり、数平均分子量は、
1.9×105であった。
【0254】高分子発光体1は、9,9−ジオクチル−
2,7−フルオレン、N−オクチル−3,6−カルバゾ
−ル、およびトリス(2−(フェニル)ピリジン)イリ
ジウム(III)錯体を繰り返し単位とする共重合体であ
る。
【0255】実施例4 <高分子発光体2の合成>9,9−ジオクチル−2,7
−ジブロモフルオレン0.403g(0.735mmo
l)とN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メ
チル−4−ブロモフェニル)ベンジジン0.496g
(0.735mmol)とビス(2−(フェニル)ピリ
ジン)モノ(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジ
ウム(III)0.022g(0.03mmol:この化
合物はトリス(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリ
ジウム(III)錯体、モノ(2−(フェニル)ピリジ
ン)ビス(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウ
ム(III)錯体、ビス(2−(フェニル)ピリジン)モ
ノ(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(II
I)錯体、トリス(2−(フェニル)ピリジン)イリジ
ウム(III)錯体の混合物であり、仕込みに際しては、
ビス(2−(フェニル)ピリジン)モノ(2−(ブロモ
フェニル)ピリジン)イリジウム(III)の分子量73
3を用いた。)と2,2’−ビピリジル0.55g
(3.5mmol)を反応容器に仕込んだ後、反応系内
を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガ
スでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱
水溶媒)40mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビ
ス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を
0.96g(3.5mmol)加え、室温で10分間攪
拌した後、60℃で8時間反応した。なお、反応は、窒
素雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した後、
25%アンモニア水10ml/メタノール150ml/
イオン交換水50ml混合溶液中にそそぎ込み、約30
分攪拌した。次に、生成した沈殿を濾過し、回収した。
この沈殿を乾燥した後、クロロホルムに溶解した。この
溶液を濾過し、不溶物を除去した後、この溶液をメタノ
ール中にそそぎ込み、再沈して、生成した沈殿を回収し
た。この沈殿を減圧乾燥して、重合体0.35gを得
た。この重合体を高分子発光体2と呼ぶ。
【0256】高分子発光体2のポリスチレン換算重量平
均分子量は、3.6×105であり、数平均分子量は、
1.8×104であった。
【0257】高分子発光体2は、9,9−ジオクチル−
2,7−フルオレン、N、N‘−ジフェニル−N,N’
−ビス(3−メチルフェニル)ベンジジン、およびトリ
ス(2−(フェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯
体を繰り返し単位とする共重合体である。
【0258】実施例5 <高分子発光体3の合成>9,9−ジオクチル−2,7
−ジブロモフルオレン0.806g(1.47mmo
l)とビス(2−(フェニル)ピリジン)モノ(2−
(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III) 0.
022g(0.03mmol:この化合物はトリス(2
−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯
体、モノ(2−(フェニル)ピリジン)ビス(2−(ブ
ロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体、ビ
ス(2−(フェニル)ピリジン)モノ(2−(ブロモフ
ェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体、トリス
(2−(フェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体
の混合物であり、仕込みに際しては、ビス(2−(フェ
ニル)ピリジン)モノ(2−(ブロモフェニル)ピリジ
ン)イリジウム(III)の分子量733を用いた。)と
2,2’−ビピリジル0.55g(3.5mmol)を
反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換し
た。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングし
て、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)40ml
を加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シク
ロオクタジエン)ニッケル(0)を0.96g(3.5
mmol)加え、室温で10分間攪拌した後、60℃で
8時間反応した。なお、反応は、窒素雰囲気中で行っ
た。反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア
水10ml/メタノール150ml/イオン交換水50
ml混合溶液中にそそぎ込み、約30分攪拌した。次
に、生成した沈殿を濾過し、回収した。この沈殿を乾燥
した後、クロロホルムに溶解した。この溶液を濾過し、
不溶物を除去した後、この溶液をメタノール中にそそぎ
込み、再沈して、生成した沈殿を回収した。この沈殿を
減圧乾燥して、重合体0.11gを得た。この重合体を
高分子発光体3と呼ぶ。高分子発光体3のポリスチレン
換算重量平均分子量は、7.6×104であり、数平均
分子量は、1.2×104であった。
【0259】高分子発光体3は、9,9−ジオクチル−
2,7−フルオレンおよびトリス(2−(フェニル)ピ
リジン)イリジウム(III)錯体を繰り返し単位とする
共重合体である。
【0260】実施例6 <高分子LED>スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を
付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェ
ン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、Bayt
ron)を用いてスピンコートにより50nmの厚みで成膜し、
ホットプレート上で120℃で5分間乾燥した。次に、高分
子発光体1の0.5wt%クロロホルム溶液を用いてスピンコ
ートにより約70nmの厚みで成膜した。さらに、これを減
圧下80℃で1時間乾燥した後、陰極バッファー層とし
て、フッ化リチウムを0.4nm、陰極として、カルシウム
を25nm、次いでアルミニウムを40nm蒸着して、高分子LE
Dを作成した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜8×
10-6Torrであった。得られた素子に電圧を印加するこ
とにより、高分子発光体1からのEL発光が得られた。
EL発光の強度は電流密度にほぼ比例していた。
【0261】実施例6 <項間交差の計算実施例>トリス(2−フェニルピリジ
ン)イリジウム錯体の最低3重項励起状態の構造を、B3
LYP法により、LANL2MB基底関数を用いて求めた。その構
造について、さらにB3LYP/LANL2MBレベルのTDDFT法によ
り、最低一重項励起状態―最低3重項励起状態間のエネ
ルギー差を求めたところ、 0.87eVであった。計算には
Gaussian98プログラムを用いた。
【0262】
【発明の効果】本発明の高分子発光体は、3重項発光錯
体構造を分子内に有し、工業的に簡便な、スピンコート
法、インクジェット法、印刷法などの塗布法により発光
層を形成しうる。また、本発明の高分子発光体は、3重
発光錯体を含んでおり、高い発光効率を示しうる。した
がって、本発明の高分子発光体は高分子LEDの発光材
料などに好適に用いることができる。また、本発明の製
造方法によって、該高分子発光体を容易に製造すること
ができる。また、本発明の高分子LEDは、液晶ディス
プレイのバックライトまたは照明用としての曲面状や平
面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマト
リックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好ま
しく使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土居 秀二 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 (72)発明者 栗田 靖之 茨城県つくば市北原6 住友化学工業株式 会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 AB18 DB03 4C055 AA01 BA13 BB07 BB14 CA01 DA01 GA02 4H050 AA01 AA03 AB92 WB11 WB14 WB21

Claims (27)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレン換算の数平均分子量が103
    〜108である高分子発光体であって、該発光体がその
    主鎖または側鎖に3重項励起状態からの発光を示す金属
    錯体構造を有することを特徴とする高分子発光体。
  2. 【請求項2】その主鎖に3重項励起状態からの発光を示
    す金属錯体構造を有することを特徴とする請求項1に記
    載の高分子発光体。
  3. 【請求項3】その側鎖に3重項励起状態からの発光を示
    す金属錯体構造を有することを特徴とする請求項1に記
    載の高分子発光体。
  4. 【請求項4】一般式(1)で示される繰り返し単位を含
    むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高
    分子発光体。 (1) 〔ここで、Ar1は、アリーレン基または2価の複素環
    基を示す。R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、
    アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ
    基を示す。nは0または1である。〕
  5. 【請求項5】下記式(2)で示される繰り返し単位を含
    むことを特徴とする請求項4記載の高分子発光体。 (2) 〔式中、Ar2およびAr3はそれぞれ独立にアリーレン
    基または2価の複素環基であり、Ar2とAr3は架橋し
    ない。また、R11は、アルキル基、アリール基、1価の
    複素環基、下記(3)で示される基、または下記(4)
    で示される基を示す。tは1〜4の整数である。 (3) (式中、Ar4はアリーレン基または2価の複素環基で
    ある。R12は、水素原子、アルキル基、アリール基、1
    価の複素環基、または下記式(4)で示される基を示
    す。Z1は、 −CR13=CR14−または−C≡C−を表
    す。R13およびR14はそれぞれ独立に水素原子、アルキ
    ル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を示
    す。uは0〜2の整数である。) (4) (式中、Ar5およびAr6はそれぞれ独立にアリーレン
    基または2価の複素環基である。また、R15はアルキル
    基、アリール基または1価の複素環基を示す。R 16は水
    素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基
    を示す。vは1〜4の整数である。)〕
  6. 【請求項6】下記式(5)で示される繰り返し単位を含
    むことを特徴とする請求項4記載の高分子発光体。 (5) (式中、R11は前記と同じ。R18およびR19は芳香環上
    の置換基を表し、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニ
    ル基、アラルキル基、アリールチオ基、アリールアルケ
    ニル基、環状アルケニル基、アルコキシ基、アリールオ
    キシ基、アルキルオキシカルボニル基、アラルキルオキ
    シカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アリー
    ル基または、1価の複素環基を示す。a、bはそれぞれ
    独立に0〜3の整数であり、aまたはbが2以上の時、
    各R18またはR19は同一であっても、異なっていてもよ
    い。)
  7. 【請求項7】一般式(1)、(2)または(5)で示さ
    れる繰り返し単位と,3重項励起状態からの発光を示す
    金属錯体構造を有する繰り返し単位との合計に対して、
    3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を有する
    繰り返し単位が0.01モル%以上10モル%以下であ
    ることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の高
    分子発光体。
  8. 【請求項8】3重項励起状態からの発光を示す金属錯体
    構造が下記式(6)で示される構造であることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれかに記載の高分子発光体。 (式中、Mは、原子番号50以上の原子で、スピン−軌
    道相互作用により本錯体において1重項状態と3重項状
    態間の項間交差が起きうる金属を示す。Arは、窒素原
    子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子または燐原子の1つ
    以上でMと結合する配位子である。Lは水素原子、アル
    キル基、アリール基、複素環配位子、カルボキシル基、
    ハロゲン原子、アミド基、イミド基、アルコキシ基、ア
    ルキルメルカプト基、カルボニル配位子、アルケン配位
    子、アルキン配位子、アミン配位子、イミン配位子、ニ
    トリル配位子、イソニトリル配位子、ホスフィン配位
    子、ホスフィンオキシド配位子、ホスファイト配位子、
    エーテル配位子、スルホン配位子、スルホキシド配位子
    またはスルフィド配位子である。mは、1〜5の整数を
    示す。oは、0〜5の整数を示す。)
  9. 【請求項9】上記式(6)で示される金属錯体構造を2
    種以上含むことを特徴とする請求項8記載の高分子発光
    体。
  10. 【請求項10】Mがレニウム原子、オスミウム原子、イ
    リジウム原子、白金原子、金原子、サマリウム原子、ユ
    ーロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子ま
    たはジスプロシウム原子であることを特徴とする請求項
    8または9記載の高分子発光体。
  11. 【請求項11】Mがイリジウム原子、白金原子、金原子
    またはユーロピウム原子であることを特徴とする請求項
    10記載の高分子発光体。
  12. 【請求項12】Mが、少なくとも1つの炭素原子と結合
    することを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載
    の高分子発光体。
  13. 【請求項13】Arが、窒素原子、酸素原子、炭素原
    子、硫黄原子または燐原子の何れか2つの原子で、Mと
    結合して5員環を形成する2座配位子である請求項8〜
    12のいずれかに記載の高分子発光体。
  14. 【請求項14】Arが一般式(7)で示される2座配位
    子であることを特徴とする請求項項8〜13のいずれか
    に記載の高分子発光体。 〔式中、R3〜R10は、それぞれ独立に水素原子、ハロ
    ゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、
    アリールチオ基、アリールアルケニル基、環状アルケニ
    ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルオキ
    シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリ
    ールオキシカルボニル基、またはアリール基を示す。R
    3〜R10のうち少なくとも1つはポリマー鎖との結合基で
    ある。〕
  15. 【請求項15】X1−A−X2で示される単量体(ここに
    1、X2はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキルスル
    ホニルオキシまたはアリールスルホニルオキシ基を示
    す。−A−は、3重項励起状態からの発光を示す金属錯
    体構造を有する繰り返し単位を示す。)とX3−D−X4
    で示される単量体(ここにX3、X4はそれぞれ独立にハ
    ロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリー
    ルスルホニルオキシ基を示す。DはA以外の繰返し単位
    を示す。)とをNi触媒の存在下反応させることを特徴
    とする請求項4〜14のいずれかに記載の高分子発光体
    の製造方法。
  16. 【請求項16】Y1−A−Y2で示される単量体(ここに
    Y1およびY2はそれぞれ独立にホウ酸基またはホウ酸エス
    テル基を示す。)と、Z1−D−Z2で示される単量体
    (Z1、Z2はハロゲン原子、アルキルスルホニルオキシ基
    またはアリールスルホニルオキシ基を示す。Dは前記と
    同じ。)とをPd触媒の存在下反応させることを特徴と
    する請求項4〜14のいずれかに記載の高分子発光体の
    製造方法。
  17. 【請求項17】Y3−D−Y4で示される単量体(ここに
    Y3およびY4はそれぞれ独立にホウ酸基またはホウ酸エス
    テル基である。Dは前記と同じ。)と、Z3−A−Z4
    示される単量体(Z1、Z2はそれぞれ独立にハロゲン原
    子、アルキルスルホニルオキシ基またはアリールスルホ
    ニルオキシ基を示す)とをPd触媒の存在下反応させる
    ことを特徴とする請求項4〜14のいずれかに記載の高
    分子発光体の製造方法。
  18. 【請求項18】一般式(8) (式中、L、M、Ar、m、oは、前記と同じ。Xは、
    ハロゲン原子、アリールスルホニルオキシ基、またはア
    ルキルスルホニルオキシ基である。)で示されることを
    特徴とする錯体。
  19. 【請求項19】一般式(8)で表される錯体のXを全て
    水素原子とした錯体の1重項状態と3重項状態のエネル
    ギーを、B3LYP法で計算したとき、1重項状態と3
    重項状態のエネルギーの差が6eV以下であることを特徴
    とする請求項18記載の錯体。
  20. 【請求項20】一般式(9) (式中、M’はイリジウム原子、白金原子または金原子
    を示す。Ar’は、窒素原子と炭素原子でM’と結合して
    5員環を形成する2座配位子であって、少なくとも1つ
    の臭素原子を有する2座配位子である。L’は水素原
    子、アルキル基、アリール基、複素環配位子、カルボキ
    シル基、ハロゲン原子、アミド基、イミド基、アルコキ
    シ基、アルキルメルカプト基、カルボニル配位子、アル
    ケン配位子、アルキン配位子、アミン配位子、イミン配
    位子、ニトリル配位子、イソニトリル配位子、ホスフィ
    ン配位子、ホスフィンオキシド配位子、ホスファイト配
    位子、エーテル配位子、スルホン配位子、スルホキシド
    配位子またはスルフィド配位子である。L’が複数の場
    合、同一であっても異なっていてもよい。qは、1〜3
    の整数を示す。rは、0〜2の整数を示す。)で表され
    ることを特徴とする請求項18記載の錯体。
  21. 【請求項21】Ar’が一般式(10)で示される2座
    配位子であることを特徴とする請求項20記載の錯体。 〔式中、R3〜R10は、それぞれ独立に水素原子、ハロ
    ゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、
    アリールチオ基、アリールアルケニル基、環状アルケニ
    ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルオキ
    シカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基、アリ
    ールオキシカルボニル基、またはアリール基を示す。R
    3〜R10のうち少なくとも1つは臭素原子である。〕
  22. 【請求項22】一般式(11) (式中L'は、前記と同じ。sは、0〜3の整数を示
    す。)で示される錯体と、 Ar’H (12) (式中、Ar’は前記と同じ。Ar’Hは Ar’のM'
    と結合する炭素原子に水素原子が付加していることを意
    味する。)で示される化合物とを反応させることを特徴
    とする請求項20記載の錯体の製造方法。
  23. 【請求項23】陽極および陰極からなる電極間に、少な
    くとも発光層を有し、該発光層が、請求項1〜14のい
    ずれかに記載の高分子発光体を含むことを特徴とする高
    分子発光素子。
  24. 【請求項24】請求項23記載の高分子発光素子を用い
    たことを特徴とする面状光源。
  25. 【請求項25】請求項23記載の高分子発光素子を用い
    たことを特徴とするセグメント表示装置。
  26. 【請求項26】請求項23記載の高分子発光素子を用い
    たことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
  27. 【請求項27】請求項23記載の高分子発光素子をバッ
    クライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
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