JP4496709B2 - 金属錯体化合物、高分子化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

金属錯体化合物、高分子化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規金属錯体化合物、新規高分子化合物、それらの製造方法、および当該金属錯体化合物または高分子化合物を発光体として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より3重項励起状態からの発光を示す金属錯体化合物(3重項発光錯体化合物)として、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3、(Appl.Phys.Lett.,75,4 (1999))、白金を中心金属とする、PtOEP(Nature,395,151 (1998))、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phen(Jpn.J.Appl.Phys.,34, 1883 (1995))等が知られている。 これらは発光素子の発光層に用いる可視領域に燐光を有する発光材料として用いることも知られている。
【0003】
Figure 0004496709
【0004】
Figure 0004496709
【0005】
Figure 0004496709
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記金属錯体化合物を用いて塗布法で素子の発光層を形成するのは困難であり、また、該金属錯体化合物を発光層に含む素子の発光効率等の特性は未だ十分であるとはいえなかった。
本発明の目的は、3重項発光錯体構造を分子内に有し、可視領域に燐光を有し、発光効率などの特性に優れ、塗布法により発光層を形成しうる新規な化合物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、3重項発光錯体構造を分子内に有し、その構造の配位子がカルバゾール環から誘導される置換基を有する金属錯体化合物および高分子化合物が、可視領域に燐光を有し、発光効率等の特性に優れ、塗布法により発光層を形成しうることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、以下の〔1〕〜〔3〕に係るものである。
〔1〕 下記式(1)で示され、可視領域に燐光を有する金属錯体化合物。
Figure 0004496709
〔式中、Yは、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子、ハロゲン原子または水素原子を表す。Mは、原子番号50以上で、スピン−軌道相互作用により本化合物において1重項状態と3重項状態間の項間交差を起こしうる金属原子を表し、Ar1はMと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子からj個の水素原子を取り除いた残基を表し、Xは、直接結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表し、
Zは、下式(2)を表す。
Figure 0004496709
(Rは、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、Xとの結合手または1価の複素環基を表し、RおよびRはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、Xとの結合手または1価の複素環基を表し、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、R、RおよびRの1つがXとの結合手である。aおよびbは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。)jは、1〜3の整数を表す。lは1〜3の整数を示し、mは、0〜3の整数を示し、また、l+mは1〜5の整数である。Ar1、X、ZおよびYがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
【0009】
〔2〕 下式(3)、(4)または(5)で示される繰り返し単位を有し、可視領域に燐光を有することを特徴とする高分子化合物。
Figure 0004496709
〔式中、M、Ar1、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。Lは、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から2個の水素原子を取り除いた残基を表し、gは1〜3の整数、hは、0〜3の整数を表し、g+hは1〜3の整数である。〕
Figure 0004496709
(式中、M、Ar1、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。LおよびLは、それぞれ独立に、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から1個の水素原子を取り除いた残基を表す。oは1〜3の整数、pは0〜3の整数を示し、o+pは1〜3の整数である。)
Figure 0004496709
(式中、M、Ar1、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。Arは、3価の芳香族基または3価の複素環基を表す。Lは、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から1個の水素原子を取り除いた残基である。qは1〜3の整数、rは0〜3の整数を示し、q+rは1〜4の整数である。)
【0010】
〔3〕 高分子鎖末端に下式(6)で示される構造を有し、可視領域に燐光を有することを特徴とする高分子化合物。
Figure 0004496709
〔式中、M、Ar1、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。L7は、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から1個の水素原子を取り除いた残基であり、sは1〜3の整数、tは、0〜3の整数を表し、s+tは1〜4の整数である。〕
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の金属錯体化合物は、下記式(1)で示され、可視領域に燐光を有することを特徴とする。
Figure 0004496709
【0012】
式中、Yは、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子、ハロゲン原子または水素原子を表す。
【0013】
本発明中、可視領域の燐光とは、通常は発光波長が380〜800nmの燐光のことを表す。
【0014】
ここに、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子としては、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、スルホネート基、シアノ基、複素環配位子、カルボニル化合物、エーテル、アミン、イミン、ホスフィン、亜リン酸エステル、およびスルフィドが挙げられる。この配位子のMとの結合は、配位結合でも、共有結合でもよい。また、これらを組合わせた多座配位子であってもよい。
【0015】
アルキル基としては、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、 i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
【0016】
アルコキシ基としては、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0017】
アシルオキシ基は、炭素数2〜20程度であり、具体的にはアセチルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基が例示される。スルホンオキシ基としては、ベンゼンスルホンオキシ基、p−トルエンスルホンオキシ基、メタンスルホンオキシ基、エタンスルホンオキシ基、トリフルオロメタンスルホンオキシ基が例示される。
【0018】
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、置換基を有していてもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
【0019】
アルキルアミノ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、モノアルキルアミノ基でもジアルキルアミノ基でもよく、炭素数は通常1〜40程度であり、具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基などが挙げられ、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基が好ましい。
【0020】
アリール基は、置換基を有していてもよく、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、ペンタフルオロフェニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジル基、トリアジル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
【0021】
アリールオキシ基としては、芳香環上に置換基を有していてもよく、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基、ピリジルオキシ基、ピリダジニルオキシ基、ピリミジルオキシ基、ピラジルオキシ基、トリアジルオキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
【0022】
アリールチオ基としては、芳香環上に置換基を有していてもよく、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニルチオ基、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、ピリジルチオ基、ピリダジニルチオ基、ピリミジルチオ基、ピラジルチオ基、トリアジルチオ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
【0023】
アリールアミノ基としては、芳香環上に置換基を有していてもよく、炭素数は通常6〜60程度であり、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基などが例示され、C1〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基が好ましい。
【0024】
アリールアルキル基は、置換基を有していてもよく、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
【0025】
アリールアルコキシ基は、置換基を有していてもよく、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
【0026】
アリールアルキルチオ基としては、置換基を有していてもよく、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
【0027】
アリールアルキルアミノ基としては、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基などが例示され、などが例示され、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基が好ましい。
【0028】
スルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基が例示される。
【0029】
複素環配位子としては、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、オキサゾール、フラン環などの複素環類やこれらの複素環から1つの水素原子を除いた1価の配位子が例示される。
【0030】
カルボニル化合物としては、酸素原子でMと配位結合するものであり、例えば一酸化炭素やアセトン、ベンゾフェノンなどのケトン類、アセチルアセトン、アセナフトキノンなどのジケトン類が例示される。
【0031】
エーテルとしては酸素原子でMと配位結合するものであり、例えばジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどが例示される。
【0032】
アミンとしては、窒素原子でMと配位結合するものであり、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルフェニルアミン、メチルジフェニルアミンなどのモノアミン、1,1,2,2−テトラメチルエチレンジアミン、1,1,2,2−テトラフェニルエチレンジアミン、1,1,2,2−テトラメチル−o−フェニレンジアミンなどのジアミンが例示される。
【0033】
イミンとしては、窒素原子でMと配位結合するものであり、例えばベンジリデンアニリン、ベンジリデンベンジルアミン、ベンジリデンメチルアミンなどのモノイミン、ジベンジリデンエチレンジアミン、ジベンジリデン−o−フェニレンジアミン、2,3−ビス(アニリノ)ブタンなどのジイミンが例示される。
【0034】
ホスフィンとしては、リン原子でMと配位結合するものであり、例えばトリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパンが例示される。
【0035】
亜リン酸エステルとしては、リン原子でMと配位結合するものであり、例えばトリメチルホスファイト、トリエチルホスフェイント、トリフェニルフォスファイトが例示される。
【0036】
スルフィドとしては、硫黄原子でMと配位結合するものであり、例えばジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、チオアニソールが例示される。
【0037】
これらが結合した2座以上の基としては、フェニルピリジン、2-(パラフェニルフェニル)ピリジン、2−フェニルベンゾオキサゾール、2-(パラフェニルフェニル)ベンゾオキサゾール、2−フェニルベンゾチアゾール、2−(パラフェニルフェニル)ベンゾチアゾールなど、複素環とベンゼン環とが結合した基、2−(4−チオフェン−2−イル)ピリジン、、2−(4−フェニルチオフェン−2−イル)ピリジン、2−(ベンゾチオフェン−2−イル)ピリジン、2,3,7,8,12,13,17,18-オクタエチル-21H,23H-ポルフィリンなど、2つ以上の複素環が結合した基、アセチルアセトナート、ベンゾメチラート、テノイルトリフルオロアセトナートなどのアセトナート類が例示される。
【0038】
Mは、原子番号50以上で、スピン−軌道相互作用により本化合物において1重項状態と3重項状態間の項間交差を起こしうる金属原子を表す。
【0039】
Mで示される原子としては、レニウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子、白金原子、金原子、ランタン原子、セリウム原子、プラセオジム原子、ネオジム原子、プロメチウム原子、サマリウム原子、ユーロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子、ジスプロシウム原子などが例示され、好ましくはレニウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子、白金原子、金原子、サマリウム原子、ユーロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子、ジスプロシウム原子であり、発光効率の点でより好ましくはイリジウム原子、白金原子、金原子、ユーロピウム原子である。
【0040】
Ar1はMと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子からj個の水素原子を取り除いた残基を表す。
Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子はYについて例示のものと同じである。
【0041】
Ar1としては、以下のものが例示される。式中、*はMと結合する原子を表す。
Figure 0004496709
【0042】
Figure 0004496709
【0043】
ここに、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、Xとの結合手または1価の複素環基を示す。但し、各配位子中、少なくとも1つのRは−X−Zとの結合手である。Rは互いに結合して環を形成してもよい。溶媒への溶解性を高めるために、Rの少なくとも1つが長鎖のアルキル基を含むことが好ましい。
【0044】
ここに、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基の具体例は上記Yと同じである。
【0045】
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、よう素が例示される。
【0046】
アルキルシリル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜60程度であり、具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピリシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基などが挙げられ、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチルジメチルシリル基が好ましい。
【0047】
アリールシリル基としては、芳香環上に置換基を有していてもよく、炭素数は通常3〜60程度であり、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
【0048】
アリールアルキルシリル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基が好ましい。
【0049】
アシル基は、炭素数は通常2〜20程度であり、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
【0050】
イミノ基は、炭素数2〜20程度であり、具体的には、以下の構造式で示される化合物などが例示される。
Figure 0004496709
【0051】
アミド基は、炭素数は通常2〜20程度であり、具体的には、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基などが例示される。
【0052】
イミド基としてはスクシンイミド基、フタル酸イミド基などが例示される。
【0053】
アルケニル基は、炭素数は通常2〜20程度であり、ビニル基、1−プロピレニル基、2−プロピレニル基、3−プロピレニル基、ブテニル基、ペンテニル基、へキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基などが例示される。
【0054】
アルキニル基は、炭素数は通常2〜20程度であり、エチニル基、1−プロピニル基、3−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプテニル基、オクチニル基、シクロヘキシルエチニル基、1,3−ブタジイニル基などが例示される。
【0055】
アリールアルケニル基としては、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C〜C12アルケニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルケニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルケニル基が好ましい。
【0056】
アリールアルキニル基としては、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C〜C12アルキニル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキニル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキニル基が好ましい。
【0057】
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、具体的には、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0058】
化合物の安定性の面でAr1が、少なくとも1つの窒素原子または炭素原子でMと結合することが好ましく、Ar1がMと多座で結合することがより好ましい。
【0059】
Ar1が、下式(7)または(8)で示されることがさらに好ましい。
Figure 0004496709
(式中、R〜R13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、1価の複素環基またはXとの結合手を示し、R〜R13のうち1個以上3個以下がXとの結合手であり、*はMと結合する原子を表す。)
【0060】
Figure 0004496709
(式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示す。R14〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、1価の複素環基または結合手を示し、R14〜R19のうち1個以上3個以下はXとの結合手であり、*はMと結合する原子を表す。)
【0061】
Xは、直接結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表す。
【0062】
XはARとZとを共役でつなぐ2価の基であることが好ましい。具体的にはアルケニレン基、アルキニレン基、o−フェニレン基、p−フェニレン基、4,4‘−ビフェニレン基、2,5−チオフェニレン基などが例示される。
【0063】
本発明中、アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基などが例示される。
【0064】
アルケニレン基としては、ビニレン基、プロピレン基、1,3−ブタジエニレン基などが例示される。
【0065】
アルキニレン基としては、エチニレン基、1,3−ブタンジイニレン基などが例示される。
【0066】
本発明中、アリーレン基は、通常炭素数6〜60、好ましくは6〜20であり、フェニレン基(例えば、下図の式1〜3)、ナフタレンジイル基(下図の式4〜13)、アントラセニレン基(下図の式14〜19)、ビフェニレン基(下図の式20〜25)、トリフェニレン基(下図の式26〜28)、縮合環化合物基(下図の式29〜38)などが例示される。なおアリーレン基の炭素数には、置換基R’’’の炭素数は含まれない。
【0067】
Figure 0004496709
【0068】
Figure 0004496709
【0069】
Figure 0004496709
【0070】
Figure 0004496709
【0071】
Figure 0004496709
【0072】
本発明において、2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は、通常4〜60、好ましくは4〜20である。なお2価の複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
【0073】
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。
【0074】
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0075】
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;ピリジンージイル基(下図の式39〜44)、ジアザフェニレン基(下図の式45〜48)、キノリンジイル基(下図の式49〜63)、キノキサリンジイル基(下図の式64〜68)、アクリジンジイル基(下図の式69〜72)、ビピリジルジイル基(下図の式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下図の式76〜78)、など。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式79〜93)。また、窒素原子を含む式82〜84のカルバゾールやトリフェニルアミンジイル基などの芳香族アミンモノマーを有していることが発光効率の点で望ましい。
【0076】
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基:(下図の式94〜98)が挙げられる。
【0077】
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素環基:(下図の式99〜109)、ベンゾチアジアゾール-4,7-ジイル基やベンゾオキサジアゾール-4,7-ジイル基などがが挙げられる。
【0078】
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基:(下図の式110〜118)が挙げられる。
【0079】
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基:(下図の式112〜118)が挙げられる。
【0080】
Figure 0004496709
【0081】
Figure 0004496709
【0082】
Figure 0004496709
【0083】
Figure 0004496709
【0084】
Figure 0004496709
【0085】
Figure 0004496709
【0086】
Figure 0004496709
【0087】
Figure 0004496709
【0088】
Figure 0004496709
【0089】
式中、R’’’は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、または1価の複素環基を示す。R'''は互いに結合して環を形成してもよい。溶媒への溶解性を高めるために、R’’’の少なくとも1つが長鎖のアルキル基を含むことが好ましい。具体的には、上記RおよびRに記載の基が例示される。
【0090】
Zは、下式(2)
Figure 0004496709
を表す。
【0091】
式(2)においてRは、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、Xとの結合手または1価の複素環基を表し、 RおよびRはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、Xとの結合手または1価の複素環基を表すが、R、RおよびRの1つがXとの結合手である。ここで、R、R2、3が互いに結合して環を形成していてもよい。
、R2、3におけるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基の定義、具体例は、
Ar1におけるそれぞれの定義、具体例と同じである。
【0092】
式(2)におけるaおよびbは、それぞれ独立に0〜4の整数を表し、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。jは、1〜3の整数を表す。
【0093】
lは1〜3の整数を示し、mは、0〜3の整数を示し、また、l+mは1〜5の整数である。Ar1、X、ZおよびYがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
【0094】
本発明において、
Figure 0004496709
の具体例としては、下記のものが例示される。
Figure 0004496709
Figure 0004496709
式中、R’はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルキルシリル基、アリール基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルキルシリル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、または1価の複素環基を示す。R’の具体例は前記R1と同じである。
【0095】
Figure 0004496709
Figure 0004496709
【0096】
本発明の金属錯体化合物としては、公知の3重項発光錯体化合物の配位子に −X−Zで示される基を置換したものがあげられる。
【0097】
ここに、3重項発光錯体化合物としては、従来から低分子系のEL発光性材料として利用されてきたものであり、これらの材料は例えばNature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light-Emitting Materials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999), 99(2), 1361、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852 に開示されている。
【0098】
本発明の錯体化合物は、例えば、それぞれの錯体のうちR''の1つ以上が-X-Zで示される基であるものである。
【0099】
Figure 0004496709
【0100】
Figure 0004496709
【0101】
Figure 0004496709
【0102】
Figure 0004496709
【0103】
Figure 0004496709
【0104】
Figure 0004496709
【0105】
Figure 0004496709
【0106】
Figure 0004496709
【0107】
Figure 0004496709
【0108】
Figure 0004496709
【0109】
Figure 0004496709
【0110】
Figure 0004496709
【0111】
Figure 0004496709
【0112】
Figure 0004496709
【0113】
Figure 0004496709
【0114】
Figure 0004496709
【0115】
Figure 0004496709
【0116】
Figure 0004496709
【0117】
Figure 0004496709
【0118】
Figure 0004496709
【0119】
Figure 0004496709
【0120】
ここに、R’’は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、−X−Zまたは1価の複素環基を示すが、少なくとも1つが−X−Zである。R’’は互いに結合して環を形成してもよい。溶媒への溶解性を高めるために、R’’の少なくとも1つが長鎖のアルキル基を含むことが好ましい。
【0121】
より具体的には、以下の金属錯体化合物が例示される。
Figure 0004496709
【0122】
Figure 0004496709
【0123】
本発明の上記(1)式で示される金属錯体化合物は、例えば、下記式(8)で示される金属錯体化合物と下記式(9)で示されるカルバゾール誘導体との縮合反応により製造することができる。
【0124】
Figure 0004496709
(ここで、M、Ar、X、j、l、mは前記と同じ。W1はハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。)
2−Z (9)
(ここで、Zは前記と同じ意味を表す。W2はハロゲン原子、スルホンオキシ基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。)
【0125】
およびWにおけるハロゲン原子としては、塩素、臭素、よう素が例示される。
【0126】
スルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基が例示される。
【0127】
ホウ酸エステル基としては、下記式で示される基が例示される。
Figure 0004496709
【0128】
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHSMeX、−CHSPhX (Xはハロゲン原子を示す。)
【0129】
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHPPhX (Xはハロゲン原子を示す。)
【0130】
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHP(=O)(OR‘) (R’はアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基を示す。)
【0131】
モノハロゲン化メチル基としては、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基が例示される。
【0132】
ビニレン基を介して縮合する場合には、ホルミル基を有する化合物とホスホニウムメチル基を有する化合物との、もしくはホルミル基とホスホニウムメチル基とを有する化合物のWittig反応、ビニル基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのHeck反応による反応、ホルミル基を有する化合物とシアノ基を有する化合物とのKnoevenagel反応、ホルミル基を有する化合物のMcMurry反応による反応などの方法が例示される。
【0133】
また、単結合を形成する場合には、例えばSuzukiカップリング、Ni触媒を用いたGrignardカップリングなどが例示される。
【0134】
具体的には、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で、反応させることができる。例えば、 “オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカルレビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、ジャーナル オブ プラクティカル ケミストリー(J.Prakt.Chem.),第336巻,247頁(1994年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
【0135】
また、本発明の金属錯体化合物は、配位子を合成した後に錯体化する方法によっても合成することができる。配位子の合成方法としては、例えば、下記式(21)で示される化合物と前記式(9)で示されるカルバゾール誘導体との縮合反応により製造することができる。縮合反応の方法としては、上記式(8)で示される錯体と上記式(9)または(10)式で示されるカルバゾール誘導体とのカップリング反応と同様である。
【0136】
Figure 0004496709
(ここで、ArX、Wおよびjは前記と同じ意味を表す)
【0137】
上記式(21)からの錯体化の方法としては、例えばイリジウム錯体の場合、Inorg. Chem. 1991, 30, 1685、Inorg. Chem. 2001, 40, 1704などに記載の方法が例示され、白金錯体の場合、Chem. Mater. 1999, 11,3709などに記載の方法が、ユーロピウム錯体の場合、J. Polymer Science: Part A, 2000, 38, 3405などに記載の方法が、ルテニウム錯体の場合、Polymer Bulletin, 1999, 43, 135、J. Mater. Chem., 1999, 9, 2103,などに記載の方法が例示される。
【0138】
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
【0139】
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリまたは触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリまたは触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリまたは触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリまたは触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
【0140】
反応温度は特に限定されないが、通常、−100〜350℃程度であり、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点である。反応時間は特に限定されないが、通常30分〜30時間程度である。
【0141】
反応混合液からの目的物の取り出しと精製については、錯体によって異なり、再結晶、昇華、クロマトグラフィーなど通常の錯体精製の手法が使われる。
【0142】
例えば、錯体に対して貧溶媒である1規定の塩酸水溶液を投入し錯体を析出させ、これをろ過して取りこの固体をジクロロメタンやクロロホルムなどの有機溶媒に溶かす。この溶液をろ過して不溶物を除去し再度濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン溶出)により精製し、目的物の分画溶液を集め、例えば、メタノール(貧溶媒)を適当量加え、濃縮し目的物錯体を析出させ、これをろ過して乾燥させ錯体を得る。尚、本発明の錯体(1)の製造法は上記方法に限定されない。
【0143】
例えば、下記式(A)で示される本発明の金属錯体化合物は以下の合成ルートで合成することができる。
Figure 0004496709
【0144】
本発明の高分子化合物は、下式(3)、(4)または(5)で示される繰り返し単位を有し、可視領域に燐光を有することを特徴とする。本発明の高分子化合物は、これらの繰り返し単位は2種以上有していてもよい。
Figure 0004496709
【0145】
〔式中、M、Ar1、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。Lは、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から2個の水素原子を取り除いた残基を表し、gは1〜3の整数、hは、0〜3の整数を表し、g+hは1〜3の整数である。〕
【0146】
Figure 0004496709
(式中、M、Ar、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。LおよびLは、それぞれ独立に、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から1個の水素原子を取り除いた残基を表す。oは1〜3の整数、pは0〜3の整数を示し、o+pは1〜3の整数である。)
【0147】
Figure 0004496709
(式中、M、Ar1、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。Arは、3価の芳香族基または3価の複素環基を表す。Lは、Mと窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子または燐原子の1つ以上で結合する配位子の残基である。qは1〜3の整数、rは0〜3の整数を示し、q+rは1〜4の整数である。)
【0148】
本発明において、3価の芳香族基とは、芳香族化合物から水素原子3個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60、好ましくは4〜20である。なお、3価の芳香族化合物の炭素数には置換基の炭素数は含まれない。具体的には、Xに記載のアリーレン基として例示の基から水素原子1個を除いた基が例示される。
【0149】
本発明において3価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子3個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60、好ましくは4〜20である。なお、3価の複素環の炭素数には置換基の炭素数は含まれない。具体的には、Xに記載の2価の複素環基として例示の基から水素原子1個を除いた基が例示される。
【0150】
上記式(3)〜(5)で示される繰返し単位における、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子は前記のとおりである。
上記式(3)〜(5)で示される繰返し単位の量の合計は、本発明の高分子化合物の有する全繰返し単位のモル数の合計に対して、通常、0.01〜50モル%であり、好ましくは0.1〜10モル%である。
上記式(3)〜(5)で示される繰返し単位における
Ar1、X、M、
【0151】
Figure 0004496709
等の具体例、好ましい例は、本発明の金属錯体化合物と同じである。
【0152】
本発明の高分子化合物は上記式(3)〜(5)で示される繰返し単位以外の繰返し単位を含むことができる。該繰返し単位としては、下記式(11)または(12)が例示される。素子寿命の観点から式(12)で示される繰返し単位を含むことが好ましい。
【0153】
−Ar−(CR20=CR21− (11)
式中、Arは、アリーレン基または2価の複素環基である。アリーレン基または2価の複素環基としては、具体的にはXに例示の基があげらる。
【0154】
20およびR21は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を示す。lは0または1である。
20またはR21で示される基のうち、アルキル基、アリール基、1価の複素環基としては、上記RおよびRに記載の基が例示される。
【0155】
Figure 0004496709
式中、ArおよびArはそれぞれ独立にアリーレン基または2価の複素環基である。
また、R22は、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、または1価の複素環基、下記(13)で示される基、または下記(14)で示される基を示す。mは1〜4の整数である。
【0156】
16で示される基のうち、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基としては、上記RおよびRに記載の基が例示される。
【0157】
Figure 0004496709
式中、Arはアリーレン基または2価の複素環基である。具体的には、上記Arに記載の基が例示される。
【0158】
23は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、または下記式(14)で示される基を示す。Yは、 −CR24=CR25−または−C≡C−を表す。R24およびR25はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはシアノ基を示す。nは0〜2の整数である
23、R24またはR25で示される基のうち、アルキル基、アリール基、1価の複素環基としては、上記RおよびRに記載の基が例示される。
【0159】
Figure 0004496709
式中、ArおよびAr10はそれぞれ独立にアリーレン基または2価の複素環基である。また、R26はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、または1価の複素環基を示す。R27は水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を示す。qは1〜4の整数である。
【0160】
Ar、Ar10で示される基のうち、アリーレン基、2価の複素環基としては、上記Arに記載の基が例示される。
【0161】
26、R27で示される基のうち、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基としては、上記RおよびRに記載の基が例示される。
【0162】
上記式(12)で示される繰り返し単位の好ましい具体例としては、下図のものが挙げられる。
Figure 0004496709
【0163】
Figure 0004496709
ここで、R’’’’は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、または1価の複素環基を示す。R’’’’は互いに結合して環を形成してもよい。溶媒への溶解性を高めるために、R’’’’の少なくとも1つが長鎖のアルキル基を含むことが好ましい。具体的にはRおよびRに記載の基が例示される。
【0164】
本発明の高分子化合物は、高分子鎖末端に下式(6)で示される構造を有し、可視領域に燐光を有することを特徴とする。この場合発光効率の点で好ましい。
Figure 0004496709
(式中、M、Ar1、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。L7はMと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から1個の水素原子を取り除いた残基であり、sは1〜3の整数、tは、0〜3の整数を表し、s+tは1〜4の整数である。)
【0165】
本発明の高分子化合物として例えば、公知の3重項発光錯体化合物の配位子に上記−X−Z基を有する構造を有するものがあげられる。
【0166】
ここに、3重項発光錯体化合物としては、従来から低分子系のEL発光性材料として利用されてきたものであり、これらの材料は例えばNature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light-Emitting Materials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999), 99(2), 1361、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852 に開示されている。
具体的には、前記本発明の錯体化合物について例示された具体例のそれぞれの錯体のうちR’’の1つ以上が−X-Zで示される基であり、R’’の1つまたは2つが結合基となり高分子と結合してなる高分子化合物があげられる。
【0167】
本発明の高分子化合物は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。蛍光の量子収率の高い高分子蛍光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
【0168】
本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていても良い。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、ビニレン基を介してアリール基または複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
【0169】
なお、本発明の高分子化合物は、発光特性や電荷輸送特性を損なわない範囲で非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。結合構造としては、以下に示すもの、以下示すものとビニレン基を組み合わせたもの、および以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、Rは上記と同じであり、Arは炭素数6〜60個であり、適当な結合手を有する芳香族化合物基を示す。
【0170】
Figure 0004496709
【0171】
本発明の高分子化合物は ポリスチレン換算の数平均分子量が通常10〜10である。本発明の高分子化合物のなかでは、共役系高分子化合物であるものが好ましい。ここに、共役系高分子化合物とは高分子化合物の主鎖骨格に沿って非局在π電子対が存在している高分子化合物を意味する。この非局在電子としては、2重結合のかわりに不対電子または孤立電子対が共鳴に加わる場合もある。
本発明の高分子化合物は、塗布法により層を形成しうるという利点を有する。一方本発明の錯体化合物は蒸着法によって好ましく層を形成できる。
【0172】
次に本発明の高分子化合物の製造方法について説明する。
本発明の高分子化合物が主鎖にビニレン基を有する場合には、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、ホルミル基を有する化合物とホスホニウムメチル基を有する化合物との、もしくはホルミル基とホスホニウムメチル基とを有する化合物のWittig反応による重合、ビニル基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのHeck反応による重合、モノハロゲン化メチル基を2つあるいは2つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニウムメチル基を2つあるいは2つ以上有する化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合、ホルミル基を有する化合物とシアノ基を有する化合物とのKnoevenagel反応による重合などの方法、ホルミル基を2つあるいは2つ以上有する化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。
【0173】
本発明の高分子化合物が主鎖に三重結合を有する場合には、例えば、Heck反応が利用できる。
【0174】
また、主鎖にビニレン基や三重結合を有しない場合には、例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、あるいは適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
【0175】
これらのうち、 Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Knoevenagel反応による重合、およびSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法が、構造制御がしやすいので好ましい。
【0176】
具体的には、モノマーとなる、反応性置換基を複数有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で、反応させることができる。例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第27巻,345−390頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1982年、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、ジャーナル オブ プラクティカル ケミストリー(J.Prakt.Chem.),第336巻,247頁(1994年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
【0177】
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
【0178】
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリまたは触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリまたは触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリまたは触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリまたは触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
【0179】
例えば、上記式(3)で示される高分子化合物は下記式(15)で示されるモノマーを縮合重合することにより好適に製造することができる。
Figure 0004496709
〔式中、M、Ar1、X、Z、j、Y、L、gおよびhは、前記と同じ意味を表す。WおよびW はそれぞれ独立にハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。〕
【0180】
また、上記式(4)で示される高分子化合物は下記式(16)で示されるモノマーを縮合重合することにより好適に製造することができる。
Figure 0004496709
(式中、M、Ar1、X、Z、j、Y、L、L、o、およびpは、前記と同じ意味を表す。W5およびW6 はそれぞれ独立にハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。)
【0181】
また、上記式(5)で示される高分子化合物は下記式(17)で示されるモノマーを縮合重合することにより好適に製造することができる。
Figure 0004496709
(式中、M、Ar1、X、Z、j、Y、Ar、L、qおよびrは、前記と同じ意味を表す。W7およびW8 はそれぞれ独立にハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。)
【0182】
3〜W6で示される基のうち、ハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基としては、上記W1、W、に記載の基が例示される。
【0183】
本発明の高分子化合物が式(3)〜(5)の繰返し単位以外の繰返し単位を有する場合には、該式(3)〜(5)以外の繰返し単位以外の繰返し単位となる単量体を共重合させればよい。
【0184】
式(3)〜(5)の繰返し以外の繰返し単位となる単量体としては下記式(18)、(19)の化合物が例示される。
【0185】
−Ar−(CR20=CR21−X (18)
式中、Ar、R20、R21、lは前記と同じ。X、Xはそれぞれ独立にハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。
【0186】
Figure 0004496709
式中、Ar、Ar、R22、mは前記と同じ。X、Xはそれぞれ独立にハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。
【0187】
乃至Xで示される基のうち、ハロゲン原子、スルホンオキシ基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基としては、上記W、Wに記載の基が例示される。
【0188】
本発明の高分子化合物は、下記式(20)で示されるモノマーを例えば、(18)式のモノマーまたは(19)式のモノマー共存下に共重合させることにより製造することができる。
【0189】
Figure 0004496709
【0190】
〔式中、M、Ar1、X、Z、j、Y、L7、s、およびtは、前記と同じ意味を表す。Xはハロゲン原子、スルホンオキシ基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。〕
【0191】
9で示される基のうち、ハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基としては、上記W、Wに記載の基が例示される。
【0192】
本発明の高分子化合物からなる発光体を有機エレクトロルミネッセンス素子に用いる場合、その純度が発光特性等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
【0193】
次に、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子について説明する。本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は陽極および陰極からなる電極間に、本発明の化合物(錯体化合物、高分子化合物)を含有する層を有することを特徴とする。
本発明の化合物を含有する層は、発光層であってもよいし、発光層以外の層であってもよい。
【0194】
また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子としては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子等が挙げられる。
また、上記少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して導電性高分子を含む層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子;少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して平均膜厚2nm以下のバッファー層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。
【0195】
具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
【0196】
ここで、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。
発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0197】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
【0198】
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
【0199】
積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
【0200】
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子、陽極に隣接して電荷注入層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。
【0201】
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
【0202】
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
【0203】
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。
【0204】
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10-5S/cm以上103S/cm以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
【0205】
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
【0206】
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
【0207】
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
【0208】
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子としては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた有機エレクトロルミネッセンス素子が挙げられる。
【0209】
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極

【0210】
発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0211】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、発光層に上記高分子化合物以外の発光材料を混合して使用してもよい。また、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子においては、上記高分子発光体以外の発光材料を含む発光層が、上記高分子発光体を含む発光層と積層されていてもよい。
【0212】
該発光材料としては、公知のものが使用できる。低分子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用いることができる。
【0213】
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
【0214】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子が正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
【0215】
具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0216】
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0217】
ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
【0218】
ポリシランもしくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
【0219】
ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
【0220】
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
【0221】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0222】
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0223】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
【0224】
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0225】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子が電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
【0226】
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0227】
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
【0228】
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよい。
【0229】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0230】
溶液または溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0231】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリシロキサンなどが例示される。
【0232】
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0233】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を形成する基板は、電極を形成し、該高分子LEDの各層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明または半透明であることが好ましい。
【0234】
本発明において、陽極側が透明または半透明であることが好ましいが、該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
【0235】
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0236】
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
【0237】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子で用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
【0238】
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0239】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けても良く、陰極作製後、該有機エレクトロルミネッセンス素子を保護する保護層を装着していてもよい。該有機エレクトロルミネッセンス素子を長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層および/または保護カバーを装着することが好ましい。
【0240】
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
【0241】
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置または液晶表示装置のバックライトに用いることができる。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子を用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子発光体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは発光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動しても良い。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
【0242】
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【0243】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、数平均分子量、重量平均分子量については、クロロホルムを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量を求めた。
<錯体Aの合成>
【0244】
(1−ブロモ−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンゼンの合成)
アルゴン雰囲気下、3−ブロモフェノール12.1g、4−ジメチルピリジン12.8g、塩化メチレン50mlを四つ口フラスコに仕込んだ。氷浴により冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物24.7gの塩化メチレン30ml溶液を氷浴下、約1時間かけて滴下した。室温へ自然昇温し、室温で5時間反応させた。反応マスをシリカゲルにチャージし、トルエンで展開した。ろ液を濃縮し、1−ブロモ−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンゼンを含む混合物を20.4g得た。
【0245】
(1−ブロモ−3−(2−チエニル)ベンゼンの合成)
アルゴン雰囲気下、リチウムブロマイド2.2gを四つ口フラスコに仕込み、減圧下、加熱乾燥を行った。次いでアルゴン雰囲気下にし、ジエチルエーテル10mlを仕込んだ。さらに、1−ブロモ−3−トリフルオロメチルスルホニルオキシベンゼンを含む混合物9.9g、[1,2−ビス(ジフェニルフォスフィノ)エタン]パラジウム(II)ジクロリド0.72gを仕込み、氷浴により冷却した。定法により調整した2−チエニルマグネシウムブロミド(37.5mmol)のジエチルエーテル45ml溶液を氷浴下、約10分で滴下し、6時間反応させた。反応マスをシリカゲルにチャージし、クロロホルムで展開した。ろ液を濃縮し、反応混合物を得た。シリカゲルカラム(展開溶媒:シクロヘキサン/トルエン=40/1)で精製し、1−ブロモ−3−(2−チエニル)ベンゼンを含む混合物1.96gを得た。
【0246】
(N−3−(2−チエニル)フェニルカルバゾールの合成)
アルゴン雰囲気下、カルバゾール1.0g、1−ブロモ−3−(2−チエニル)−ベンゼンを含む混合物1.75g、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.08g、ナトリウムtert−ブトキシド0.86g、トルエン5ml、トリ(tert−ブチル)フォスフィン0.06gを仕込み、100℃に昇温した。100℃で9時間反応させた。トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)0.04g、トリ(tert−ブチル)フォスフィン0.03gを追加し、100℃で更に8時間反応させた。反応マスにトルエン100mlを加え、イオン交換水30mlで2回で洗浄、分液した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、濃縮し、反応混合物を得た。シリカゲルカラム(展開溶媒:シクロヘキサン/トルエン=6/1)で精製し、N−3−(2−チエニル)フェニルカルバゾール1.61gを得た。
LC/MS:APCI法 [M+H]+=326
【0247】
(配位子Aの合成)
アルゴン雰囲気下、N−3−(2−チエニル)フェニルカルバゾール(2.5mmol、0.81g)、ジエチルエーテル(5ml)を四つ口フラスコに仕込んだ。メタノール/氷で冷却し、n−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)(2.3ml)を約5分で滴下した。室温に自然昇温し、10分間攪拌後、2−フルオロピリジン(2.5mmol、0.24g)のジエチルエーテル(0.5ml)溶液を約5分で滴下した。その後、2時間還流反応した。室温へ自然冷却した後、トルエン200ml、イオン交換水50mlを加え、分液し、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ろ過、濃縮し、反応混合物を得た。シリカゲルカラム(展開溶媒:シクロヘキサン/トルエン=6/1)で精製し、配位子A 0.16gを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl3)
δ8.58(1H,d)、8.16(2H,d)、7.89(1H,brs)、7.76(1H,d)、7.70〜7.14(13H,m)
Figure 0004496709
【0248】
(錯体Aの合成)
上記で合成した配位子B 57.3mg、イリジウム(III)アセチルアセトナート 17.4mg、グリセロール 10mlを仕込み、アルゴン置換した。200℃まで1時間で昇温し、8時間保温した。室温まで放冷後、1N塩酸水(30ml)に加え、析出物を濾過した。少量の塩化メチレンに析出物を溶解し、シリカゲルカラム(溶出液:塩化メチレン)で濾過した。得られた溶液を濃縮し、淡い橙色結晶13.7mgを得た。FD/MS測定の結果、錯体Bの分子イオンピークが検出された。
FD/MS:1397[M
Figure 0004496709
【0249】
<錯体Bの合成>
(N−エチル−3−ブロモカルバゾール)
アルゴン置換したフラスコ中にN−エチルカルバゾール 5.00gを脱水DMF 130ml中に溶解させた。この溶液を0℃に冷却し、4.60gのN−ブロモスクシンイミドを5回に分割し3時間で仕込んだ。室温に昇温し12時間攪拌した後、反応液を氷水中にあけて濾過した。残渣を水、メタノールで洗浄し、減圧乾燥したところ、6.28gの粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(展開溶媒:0.1%トリエチルアミンを含むシクロヘキサン)したところ、5.68gのN−エチル−3−ブロモカルバゾールを得た。
H−NMR(300MHz、CDCl3)
δ8.17(1H、brs)、8.01(1H、dd)、7.50(1H、dd)、7.46(1H、d)、7.35(1H、d)、7.24〜7.17(2H、m)、4.26(2H、q)、1.39(3H、t)
MS(APCI、psitive)
m/z:274、276[M+H]
【0250】
(N−エチル−3−(3−トリフルオロメタンスルホニルオキシフェニル)カルバゾール)
フレームドライ、アルゴン置換したシュレンク管中にN−エチル−3−ブロモカルバゾール 1.00gを3.2mlの脱水エーテルに溶解させた。この溶液を−78℃に冷却し2.4mlのn−ブチルリチウム(2.64Mヘキサン溶液)を滴下した。0℃に昇温し1時間攪拌した後、再度−78℃に冷却し、マグネシウム0.4gと1,2−ジブロモエタン0.8gから調製した臭化マグネシウムのエーテル溶液を滴下した。室温まで昇温し12時間攪拌した後、この反応溶液を臭化リチウム0.28g、3−トリフルオロメタンスルホキシブロモベンゼン0.82g、ジクロロ[1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン]パラジウム(II)0.09gを脱水ジエチルエーテル2mlに懸濁させ、0℃に冷却した溶液に滴下した。7時間攪拌した後、20mlの水を滴下し分液した。水相を40mlのトルエンで2回抽出し、水相を合わせ水、飽和食塩水で洗浄した後濃縮したところ、1.61gの粗生成物を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(展開溶媒 ヘキサン:酢酸エチル=25:1)したところ、0.33gのN−エチル−3−(3−ブロモフェニル)カルバゾールを得た。
H−NMR(CDCl3、300MHz)
δ8.28(1H、brs)、8.17(1H、dd)、7.86(1H、brs)、7.68〜7.61(2H、m)、7.52〜7.16(6H、m)、4.39(2H、q)、1.45(3H、t)
MS(APCI、psitive)
m/z:350、352[M+H]
【0251】
(配位子Bの合成)
フレームドライ、アルゴン置換したシュレンク管中にN−エチル−3−(3−ブロモフェニル)カルバゾール0.30gを0.9mlの脱水ジエチルエーテルに溶解させ−78℃に冷却した。この溶液にn−ブチルリチウム(2.64Mヘキサン溶液)0.4mlを滴下した後、−10℃まで昇温し1時間攪拌した後、再び−78℃まで冷却した。この溶液に2−フルオロピリジン0.08gを0.9mlの脱水ジエチルエーテルに溶解させた溶液を滴下した。徐々に室温まで昇温し12時間攪拌した後、水5ml加えて分液した。水相を5mlのトルエンで3回抽出し、有機相を合わせ濃縮したところ、0.39gの粗生成物を得た。
MS(APCI、psitive)
m/z:349[M+H]
Figure 0004496709
【0252】
(錯体Bの合成)
上記錯体Aの合成において、配位子Aの代わりに配位子Bを用いることにより、錯体Bを合成することができる。
Figure 0004496709
【0253】
【発明の効果】
本発明の金属錯体化合物および高分子化合物は、可視領域に燐光を有し発光効率等の特性に優れ、塗布法により発光層を形成することができる。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で示され、可視領域に燐光を有することを特徴とする金属錯体化合物。
    Figure 0004496709
    〔式中、Yは、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子、ハロゲン原子または水素原子を表す。Mは、イリジウム原子、白金原子、金原子またはユーロピウム原子を表し、Ar1は、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子からj個の水素原子を取り除いた残基を表し、Xは、直接結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表し、Zは、下式(2)で示される基を表す。
    Figure 0004496709
    (Rは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、Xとの結合手または1価の複素環基を表し、RおよびRはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、Xとの結合手または1価の複素環基を表し、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、R、RおよびRの1つがXとの結合手である。aおよびbは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。) がXとの結合手の場合、Xは、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表し、R またはR がXとの結合手の場合、Xは、直接結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表す。jは、1〜3の整数を表し、lは1〜3の整数を示し、mは、0〜3の整数を示し、また、l+mは1〜5の整数である。Ar1、X、ZおよびYがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
    (ただし、少なくとも2個のAr −(X−Z) が、各々、結合したデンドロンを有し、そのデンドロンの少なくとも1個が、カルバゾール環を含む金属錯体化合物、および下記式(E)〜下記式(G)で表される金属錯体化合物を除く。)
    Figure 0004496709
    Figure 0004496709
    Figure 0004496709
  2. Xがアリーレン基である請求項1に記載の金属錯体化合物。
  3. がXとの結合手であり、かつ、Xが直接結合である請求項1に記載の金属錯体化合物。
  4. 下式(3)、(4)または(5)で示される繰り返し単位を有し、可視領域に燐光を有することを特徴とする高分子化合物。
    Figure 0004496709
    〔式中、Yは、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子、ハロゲン原子または水素原子を表す。Mは、イリジウム原子、白金原子、金原子またはユーロピウム原子を表し、Ar 1 は、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子からj個の水素原子を取り除いた残基を表し、Xは、直接結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表し、Zは、下式(2)で示される基を表す。
    Figure 0004496709
    (R は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、Xとの結合手または1価の複素環基を表し、R およびR はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、Xとの結合手または1価の複素環基を表し、R およびR がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、R 、R およびR の1つがXとの結合手である。aおよびbは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。)は、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から2個の水素原子を取り除いた残基を表し、jは、1〜3の整数を表し、gは1〜3の整数、hは、0〜3の整数を表し、g+hは1〜3の整数である。〕
    Figure 0004496709
    (式中、M、Ar 、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。LおよびLは、それぞれ独立に、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から1個の水素原子を取り除いた残基を表す。oは1〜3の整数、pは0〜3の整数を示し、o+pは1〜3の整数である。)
    Figure 0004496709
    (式中、M、Ar1、X、Z、jおよびYは、前記と同じ意味を表す。Arは、3価の芳香族基または3価の複素環基を表す。Lは、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から1個の水素原子を取り除いた残基である。qは1〜3の整数、rは0〜3の整数を示し、q+rは1〜4の整数である。)
  5. 高分子鎖末端に下式(6)で示される構造を有し、可視領域に燐光を有することを特徴とする高分子化合物。
    Figure 0004496709
    〔式中、Yは、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子、ハロゲン原子または水素原子を表す。Mは、イリジウム原子、白金原子、金原子またはユーロピウム原子を表し、Ar 1 は、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子からj個の水素原子を取り除いた残基を表し、Xは、直接結合、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基または2価の複素環基を表し、Zは、下式(2)で示される基を表す。
    Figure 0004496709
    (R は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、Xとの結合手または1価の複素環基を表し、R およびR はそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、Xとの結合手または1価の複素環基を表し、R およびR がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、R 、R およびR の1つがXとの結合手である。aおよびbは、それぞれ独立に0〜4の整数を表す。)7は、Mと結合する原子として、窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子および燐原子から選ばれる1つ以上の原子を含む配位子から1個の水素原子を取り除いた残基であり、jは、1〜3の整数を表し、sは1〜3の整数、tは、0〜3の整数を表し、s+tは1〜4の整数である。〕
  6. Ar1が、少なくとも1つの窒素原子または炭素原子でMと結合することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の化合物。
  7. Ar1がMと多座で結合することを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の金属錯体化合物。
  8. Ar1が、下式(7)または(8)で示されることを特徴とする請求項記載の金属錯体化合物。
    Figure 0004496709
    (式中、R〜R13はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、1価の複素環基またはXとの結合手を示し、R〜R13のうち1個以上3個以下がXとの結合手であり、*はMと結合する原子を表す。)
    Figure 0004496709
    (式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示す。R14〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、1価の複素環基またはXとの結合手を示し、R14〜R19のうち1個以上3個以下がXとの結合手であり、*はMと結合する原子を表す。)
  9. Mがイリジウム原子であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の化合物。
  10. 陽極および陰極からなる電極間に、請求項1〜のいずれかに記載の化合物を含有する層を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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