JP2004002755A - 高分子発光体およびそれを用いた高分子発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】3重項発光錯体構造を分子内に含む発光体であって、塗布法により発光層を形成することができ、該発光体を発光層に含む発光素子が発光効率等の特性に優れるものと成り得る発光体を提供する。
【解決手段】高分子発光体であって、該発光体がその主鎖、側鎖または末端に3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を含み、かつ該高分子発光体の主鎖に下記一般式(1)で示される1価の置換基を有する高分子発光体。
−X−Z   (1)
(式中、Xは、単結合または共役系の2価の基である。Zは下記式(2)で示される。)
Figure 2004002755

(式中、Rは、アルキル基、アリール基、、Xとの結合手または1価の複素環基を示す。RおよびRはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、Xとの結合手または1価の複素環基を示し、R、RおよびRの1つがXとの結合手である。aおよびbは、それぞれ独立に0〜4の整数。)
【選択図】     なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高分子発光体および、該高分子発光体を用いた高分子発光素子(以下、高分子LEDということがある。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
発光素子の発光層に用いる発光材料として、3重項励起状態からの発光を示す金属錯体(以下、3重項発光錯体ということがある)を発光層に用いた素子が発光効率が高いことが知られている。
【0003】
3重項発光錯体としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3、(Appl.Phys.Lett.,75,4 (1999))、白金を中心金属とする、PtOEP(Nature,395,151 (1998))、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phen(Jpn.J.Appl.Phys.,34, 1883 (1995))等が知られている。
【0004】
Figure 2004002755
【0005】
Figure 2004002755
【0006】
Figure 2004002755
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公知の3重項発光錯体を用いて発光層を形成するのには、通常真空蒸着法等の方法しか使用されず、塗布法により発光層を形成することが難しく、該錯体を含む発光層を有する発光素子の発光効率等の特性も必ずしも十分なものではなかった。
【0008】
本発明の目的は、3重項発光錯体構造を分子内に含み、塗布法により発光層を形成することができる発光体であって、該発光体を発光層に含む発光素子が発光効率等の特性に優れるものと成り得る発光体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、 高分子発光体であって、該発光体がその主鎖、側鎖または末端に3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を含み、かつ該高分子発光体の主鎖に下記一般式(1)で示される1価の置換基を有する高分子発光体
−X−Z   (1)
(式中、Xは、単結合または共役系の2価の基である。Zは下記式(2)で示される。)
Figure 2004002755
(式中、Rは、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、Xとの結合手または1価の複素環基を示す。RおよびRはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、Xとの結合手または1価の複素環基を示し、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、R、RおよびRの1つがXとの結合手である。aおよびbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
によれば、塗布法により発光素子の発光層を形成し得、発光層にこの高分子発光体を含む素子の発光効率等の特性がよいことを見出し、本発明に至った。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造とは、3重項発光錯体から誘導された構造をいう。
【0011】
3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造の母体である3重項発光錯体について説明する。
3重項発光錯体とは通常重金属錯体であり、例えば、該錯体から燐光発光を発生し得る錯体をいう。ただし、この燐光発光に加えて蛍光発光が観測される錯体も含まれる。
【0012】
3重項発光錯体としては、例えば、従来から低分子系のEL発光性材料として利用されてきたものであり、これらの材料は例えばNature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE−Int. Soc. Opt. Eng. (2001),4105(Organic Light−Emitting Materials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999), 99(2), 1361、Adv. Mater.,(1999), 11(10), 852に開示されている。
【0013】
3重項発光錯体の中心金属としては、通常、原子番号50以上の原子で、該錯体にスピン−軌道相互作用があり、1重項状態と3重項状態間の項間交差が起きうる金属である。
【0014】
3重項発光錯体の中心金属としては、例えば、レニウム、イリジウム、オスミウム、スカンジウム、イットリウム、白金、金、およびランタノイド類のユーロピウム、テルビウム、ツリウム、ディスプロシウム、サマリウム、プラセオジウム、ガドリニウムなどが挙げられ、イリジウム、白金、金、ユーロピウムが好ましく、イリジウム、白金、金が特に好ましく、イリジウムが最も好ましい。
【0015】
3重項発光錯体の配位子は、通常有機配位子であり、その炭素数は、通常3〜60程度である。
【0016】
3重項発光錯体の配位子としては、例えば、8−キノリノールおよびその誘導体、ベンゾキノリノールおよびその誘導体、2−フェニル−ピリジンおよびその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾールおよびその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾールおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体などが挙げられる。
【0017】
3重項発光錯体としては、例えば、以下のものがあげられる。
例えば、以下の3重項発光錯体の例からそのRの1以上、通常は1〜2を除いた残基が、高分子鎖と直接結合、原子、2価の結合基等を介して結合して、3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造となる。
Figure 2004002755
【0018】
Figure 2004002755
【0019】
Figure 2004002755
【0020】
Figure 2004002755
【0021】
Figure 2004002755
【0022】
Figure 2004002755
【0023】
Figure 2004002755
【0024】
Figure 2004002755
【0025】
Figure 2004002755
【0026】
Figure 2004002755
【0027】
Figure 2004002755
【0028】
Figure 2004002755
【0029】
Figure 2004002755
【0030】
Figure 2004002755
【0031】
Figure 2004002755
【0032】
Figure 2004002755
【0033】
Figure 2004002755
【0034】
Figure 2004002755
【0035】
Figure 2004002755
【0036】
Figure 2004002755
【0037】
Figure 2004002755
【0038】
ここで、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、、シアノ基または1価の複素環基を表す。
【0039】
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子があげられる。
【0040】
アルキル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、 i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基などが挙げられ、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
【0041】
アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、 i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基などが挙げられ、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
【0042】
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基などが挙げられ、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
【0043】
アルキルアミノ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、モノアルキルアミノ基でもジアルキルアミノ基でもよく、炭素数は通常1〜40程度であり、具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、 i−プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、 i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基などが挙げられ、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基が好ましい。
【0044】
アルキルシリル基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよく、炭素数は通常1〜60程度であり、具体的には、メチルシリル基、エチルシリル基、プロピルシリル基、i−プロピルシリル基、ブチルシリル基、i−ブチルシリル基、t−ブチルシリル基、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、シクロヘキシルシリル基、ヘプチルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、ノニルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ラウリルシリル基、トリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、 i−プロピルジメチルシリル基、ブチルジメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基などが挙げられ、ペンチルシリル基、ヘキシルシリル基、オクチルシリル基、2−エチルヘキシルシリル基、デシルシリル基、3,7−ジメチルオクチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基が好ましい。
【0045】
アリール基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニル基、C〜C12アルコキシフェニル基(C〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが例示され、 C〜C12アルコキシフェニル基、C〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
【0046】
アリールオキシ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェノキシ基、C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが例示され、 C〜C12アルコキシフェノキシ基、C〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
【0047】
アリールチオ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニルチオ基、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニルチオ基、C〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
【0048】
アリールアミノ基は、炭素数は通常6〜60程度であり、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基などが例示され、C〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル)アミノ基が好ましい。
【0049】
アリールシリル基は、通常炭素数6〜60程度であり、フェニルシリル基、字フェニルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、トリトリルシリル基などが例示される。
【0050】
アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基、1−ナフチル−C〜C12アルキル基、2−ナフチル−C〜C12アルキル基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル基が好ましい。
【0051】
アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C〜C12アルコキシ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルコキシ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルコキシ基が好ましい。
【0052】
アリールアルキルチオ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルチオ基などが例示され、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルチオ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルチオ基が好ましい。
【0053】
アリールアルキルアミノ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキルアミノ基、1−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C〜C12アルキルアミノ基、ジ(フェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C〜C12アルコキシフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C〜C12アルキルフェニル−C〜C12アルキル)アミノ基、ジ(1−ナフチル−C〜C12アルキル)アミノ基、ジ(2−ナフチル−C〜C12アルキル)アミノ基などが例示される。
【0054】
アリールアルキルシリル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、ベンジルシリル基、ジベンジルシリル基、トリベンジルシリル基などが例示される。
【0055】
アルケニル基は、炭素数は通常2〜20程度であり、ビニル基、1−プロピレニル基、2−プロピレニル基、3−プロピレニル基、ブテニル基、ペンテニル基、へキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基などが例示される。
【0056】
アルキニル基は、炭素数は通常2〜20程度であり、エチニル基、1−プロピニル基、3−プロピニル基、ブチニル基、ペンチニル基、ヘキシニル基、ヘプテニル基、オクチニル基、シクロヘキシルエチニル基、1,3−ブタジイニル基などが例示される。
【0057】
アリールアルケニル基は、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的にはcis−フェニルアルケニル基、trans−フェニルアルケニル基、cis−トリルアルケニル基、transu−トリルアルケニル基、cis−1−ナフチルアルケニル基、trans―1−ナフチルアルケニル基、cis−2−ナフチルアルケニル基、trans−2−ナフチルアルケニル基などが例示される。
【0058】
アリールアルキニル基は、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的にはフェニルアルキニル基、トリルアルキニル基、1−ナフチルアルキニル基、2−ナフチルアルキニル基などが例示される。
【0059】
アシル基は、炭素数は通常2〜20程度であり、具体的にはアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
【0060】
アシルオキシ基は、炭素数は通常2〜20程度であり、具体的にはアセチルオキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
【0061】
イミノ基は、炭素数は通常2〜20程度であり、具体的には以下の構造式で示される化合物などが例示される。
Figure 2004002755
【0062】
アミド基は、炭素数は通常2〜20程度であり、具体的には、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基などが例示される。
【0063】
イミド基は、炭素数は通常4〜40程度であり、スクシンイミド基、フタル酸イミド基などが例示される。
【0064】
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は通常4〜60程度であり、具体的には、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、C〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
【0065】
Rの例のうち、高分子発光体の溶媒への溶解性を高めるためには、1つ以上に環状または長鎖のあるアルキル鎖が含まれることが好ましくは、シクロペンチル基、シクロへキシル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が例示される。また、2つの置換基が連結されて環を形成していても良い。さらに、アルキル鎖の一部の炭素原子がヘテロ原子を含む基で置き換えられていてもよく、それらのヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。
【0066】
さらに、R中の、アリール基や1価の複素環基は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
【0067】
本発明の高分子発光体は、3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造をその主鎖に含んでいてもよく、側鎖に含んでいてもよく、また、主鎖の末端に有していてもよく、主鎖、側鎖、主鎖の末端の2箇所以上、即ち主鎖および/または側鎖および/または末端に有していてもよい。
【0068】
3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造をその主鎖に含む高分子発光体とは、3重項励起状態から発光を示す錯体に配位した芳香環またはその縮環部が主鎖に含まれる場合、または主鎖に金属が含まれる場合を意味する。
【0069】
主鎖に3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造をその主鎖に含む場合、具体的には下記の構造が例示される。
Figure 2004002755
【0070】
また、主鎖の末端に有する場合、下記の構造が例示される。
Figure 2004002755
【0071】
上記式中、Mは原子番号50以上の原子で、該錯体にスピン−軌道相互作用があり、1重項状態と3重項状態間の項間交差を起こしうる金属を示す。LはMの配位子であり、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、複素環基、アシルオキシ基、スルホネート基、シアノ基、複素環、カルボニル化合物、エーテル、アミン、イミン、ホスフィン、亜リン酸エステルまたはスルフィドを示し、これらが結合した2座以上の基であってもよい。oは1〜5の整数を示す。oが2以上の時、Lは互いに同じであっても異なっていてもよい。
【0072】
Mで示される原子としては、レニウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子、白金原子、金原子、ランタン原子、セリウム原子、プラセオジム原子、ネオジム原子、プロメチウム原子、サマリウム原子、ユーロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子、ジスプロシウム原子などが例示され、好ましくはレニウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子、白金原子、金原子、サマリウム原子、ユーロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子、ジスプロシウム原子であり、より好ましくはイリジウム原子、白金原子、金原子、ユーロピウム原子である。
【0073】
Lで示される配位子は0価であっても、1価以上であってもよい。Lで示される基のうち、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、複素環基、アシルオキシ基は上記RおよびRに記載の化合物が例示される。
【0074】
スルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基が例示される。
【0075】
複素環としては、ピリジン環、ピロール環、チオフェン環、オキサゾール、フラン環などの複素環類や、これらの複素環から1つの水素原子を除いた1価の配位子が例示される。
【0076】
カルボニル化合物としては、酸素原子でMと配位結合するものであり、一酸化炭素やアセトン、ベンゾフェノンなどのケトン類、アセチルアセトン、アセナフトキノンなどのジケトン類が例示される。
【0077】
エーテルとしては、酸素原子でMと配位結合するものであり、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタンなどが例示される。
【0078】
アミンとしては、窒素原子でMと配位結合するものであり、トリメチルアミン、トリエチルエミン、トリブチルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルフェニルアミン、メチルジフェニルアミンなどのアミン類、1,1,2,2,−テトラメチルエチレンジアミン、1,1,2,2−テトラフェニルエチレンジアミン、1,1,2,2−テトラメチル−o−フェニレンジアミンなどのジアミン類が例示される。
【0079】
イミンとしては、窒素原子でMと配位結合するものであり、例えばベンジリデンアニリン、ベンジリデンベンジルアミン、ベンジリデンメチルアミンなどのモノイミン類、ジベンジリデンエチレンジアミン、ジベンジリデン−o−フェニレンジアミン、2,3−ビス(アニリノ)ブタンなどのジイミン類が例示される。
【0080】
ホスフィンとしては、リン原子でMと配位結合するものであり、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィノエタン、ジフェニルホスフィノプロパンが例示される。亜リン酸エステルとしては、リン原子でMと配位結合するものであり、ジメチルホスファイト、ジフェニルフォスファイトが例示される。
【0081】
スルフィドとしては硫黄原子でMと配位結合するものであり、ジメチルスルフィド、ジフェニルスルフィド、チオアニソールが例示される。
【0082】
これらが結合した2座以上の基としては、フェニルピリジン、2−(パラフェニルフェニル)ピリジン、2−フェニルベンゾオキサゾール、2−フェニルベンゾチアゾールなど、複素環とベンゼン環が結合した基、2−(4−チオフェン−2−イル)ピリジン、2−(4−フェニルチオフェン−2−イル)ピリジン、2−(パラフェニルフェニル)ベンゾオキサゾール、2−(パラフェニルフェニル)ベンゾチアゾール、2−(ベンゾチオフェン−2−イル)ピリジンなど2つの複素環が結合した基、アセチルアセトナート、ジベンゾメチラート、テノイルトリフルオロアセトナートなどのジケトナート類などが例示される。
【0083】
3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造をその側鎖に含む高分子発光体とは、3重項励起状態から発光を示す錯体に配位した芳香環またはその縮環部が主鎖と結合を介して連結する場合を意味する。ここでいう結合とは、単結合、2重結合などの直接結合;酸素原子、硫黄原子、セレン原子などの原子を介した結合;またはアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基などの2価の結合基を介した結合を示す。
【0084】
アルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,4−シクロヘキシレン基などが例示される。
【0085】
アルケニレン基としては、ビニレン基、プロピレン基、1,3−ブタジエニレン基などが例示される。
【0086】
アルキニレン基としては、エチニレン基、1,3−ブタンジイニレン基などが例示される。
【0087】
アリーレン基としては、通常炭素数6〜60、好ましくは6〜20であり、フェニレン基(例えば、下図の式1〜3)、ナフタレンジイル基(下図の式4〜13)、アントラセニレン基(下図の式14〜19)、ビフェニレン基(下図の式20〜25)、トリフェニレン基(下図の式26〜28)、縮合環化合物基(下図の式29〜38)などが例示される。なおアリーレン基の炭素数には、置換基R狽フ炭素数は含まれない。
【0088】
Figure 2004002755
【0089】
Figure 2004002755
【0090】
Figure 2004002755
【0091】
Figure 2004002755
【0092】
Figure 2004002755
【0093】
2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、炭素数は、通常4〜60、好ましくは4〜20である。なお2価の複素環基の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。
【0094】
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。
【0095】
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
【0096】
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;ピリジンージイル基(下図の式39〜44)、ジアザフェニレン基(下図の式45〜48)、キノリンジイル基(下図の式49〜63)、キノキサリンジイル基(下図の式64〜68)、アクリジンジイル基(下図の式69〜72)、ビピリジルジイル基(下図の式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下図の式76〜78)、など。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式79〜93)。また、窒素原子を含む式82〜84のカルバゾールやトリフェニルアミンジイル基などの芳香族アミンモノマーを有していることが発光効率の点で望ましい。
【0097】
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基:(下図の式94〜98)が挙げられる。
【0098】
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環縮合複素環基:(下図の式99〜109)、ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル基やベンゾオキサジアゾール−4,7−ジイル基などがが挙げられる。
【0099】
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基:(下図の式110〜118)が挙げられる。
【0100】
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基:(下図の式112〜118)が挙げられる。
【0101】
Figure 2004002755
【0102】
Figure 2004002755
【0103】
Figure 2004002755
【0104】
Figure 2004002755
【0105】
Figure 2004002755
【0106】
Figure 2004002755
【0107】
Figure 2004002755
【0108】
Figure 2004002755
【0109】
Figure 2004002755
【0110】
ここでR狽ヘ、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、1価の複素環基または上記式(1)で示される基を示す。
具体的には、Rに例示の基があげられる。
【0111】
中でも、3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造と主鎖とが共役系の2価の基で結合している場合;該金属錯体構造の少なくとも1つの配位子に含まれる芳香族環と、高分子主鎖に含まれる芳香族環とが炭素−炭素単結合で連結されている場合;が好ましい。共役系の2価の基の定義、具体例は後記Xにおける共役系の2価の基の定義、具体例と同じである。
【0112】
3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造をその側鎖に含む構造として、具体的には下記の構造が例示される。結合手は主鎖との結合基である。
Figure 2004002755
Figure 2004002755
【0113】
上記式中、M,Lおよびoの定義、具体例は前記と同じである。
【0114】
本発明の1つの実施形態としては、3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を2種類以上含む高分子発光体すなわち、その主鎖、側鎖または末端のいずれか2つ以上に3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を含む高分子発光体である。それぞれの金属錯体構造は、互いに同じ金属を含んでいてもよいし、異なる金属を含んでいても良い。また、それぞれの金属錯体構造は、互いに異なる発光色を有していても良い。例えば、緑色に発光する金属錯体構造と、赤色に発光する金属錯体構造の両方が1つの高分子発光体に含まれている場合などが例示される。このとき、適度な量の金属錯体構造が含まれるように設計することにより、発光色を制御することができるので好ましい。
【0115】
さらに、高分子発光体の安定性の観点から、3重項からの発光を示す金属錯体部分の配位子の少なくとも1つが窒素原子または炭素原子であることが好ましい。さらに配位子の少なくとも1つが多座配位子であることが好ましい。
【0116】
さらに好ましくは、配位子の少なくとも1つが下記式(4)または(5)式で示される1価の配位子である場合である。
【0117】
Figure 2004002755
式中、R〜R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、または1価の複素環基を示し、互いに結合して環を形成してもよい。R〜R14のうち少なくとも1つは主鎖または側鎖との結合手である。*は3重項励起状態からの発光を示す金属と結合する原子を表す。
【0118】
Figure 2004002755
式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示す。R15〜R20はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、または1価の複素環基を示し、互いに結合して環を形成してもよい。R15〜R20のうち少なくとも1つは主鎖または側鎖との結合手である。*は3重項励起状態からの発光を示す金属と結合する原子を表す。
【0119】
3重項励起状態からの発光を示す金属錯体部分の中心金属がイリジウム原子、白金原子、金原子またはユーロピウム原子である場合、さらに好ましい。
【0120】
本発明の高分子発光体は3重項励起状態からの発光を示す錯体構造を有する繰返し単位を、該発光体が含む全繰り返し単位の0.01〜10モル%含むことが発光効率の点から好ましい。
【0121】
本発明の高分子発光体は、3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を含むが、さらに主鎖に下記式(1)で示される1価の置換基を有する。これにより、発光効率を高めることができる。
【0122】
−X−Z   (1)
式中、Xは、単結合または共役系の2価の基である。Zは下記式(2)で示される基を表す。
【0123】
Figure 2004002755
(式中、Rは、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、Xとの結合手または1価の複素環基を示す。RおよびRはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、Xとの結合手または1価の複素環基を示し、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、R、RおよびRの1つがXとの結合手である。aおよびbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。)R、R、Rから選ばれる2つは互いに結合して環を形成していてもよい。
【0124】
乃至Rにおけるハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、1価の複素環基としては、上記Rに例示のものがあげられる。
【0125】
Xにおける共役系の2価の基とは、非局在π電子対または不対電子または孤立電子対が共鳴に加わって共鳴構造が存在する基を表し、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、以下に示す結合単位、およびこれらの基の2つ以上の組合わせが挙げられる
Figure 2004002755
式中、R’はアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基または1価の複素環基を示す。具体的にはRに例示のものがあげられる。
【0126】
Xにおける共役系の2価の基の具体例として、以下の基が例示されるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2004002755
【0127】
本発明の高分子発光体のなかで、主鎖が共役系高分子発光体であるものが好ましい。
ここに、主鎖が共役系高分子発光体とは高分子の主鎖骨格に沿って非局在π電子対が存在している高分子発光体即ち、主鎖が共役系高分子である高分子発光体を意味する。この非局在電子としては、2重結合のかわりに不対電子または孤立電子対が共鳴に加わる場合もある。
【0128】
本発明の高分子発光体は下記式(3)で示される繰返し単位を含むことが好ましい。
Figure 2004002755
(3)
式中、Arは、アリーレン基または2価の複素環基を示し、該Arは置換基を有していてもよい。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、上記式(1)で示される基またはシアノ基を示す。
この繰り返し単位は、Arの置換基、RまたはRとして、少なくとも1つの上記式(1)で示される基を有する。nは0または1である。
【0129】
Arで示されるアリーレン基および2価の複素環基としては、上記の3重項励起状態からの発光を示す錯体に配位した芳香族またはその縮環部と主鎖とを連結する結合に例示の基があげられる。
【0130】
またはRで示されるアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基としては、上記Rに例示のものがあげられる。
【0131】
本発明の高分子発光体は、下記式(6)で示される繰返し単位を含むことは、発光効率の点で望ましい。
Figure 2004002755
(6)
【0132】
式中、ArおよびArはそれぞれ独立にアリーレン基または2価の複素環基であり、ArとArは架橋しない。またR21は、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、上記式(1)で示される基、下記式(7)で示される基、または下記式(8)で示される基を示す。tは1〜4の整数である。
【0133】
Figure 2004002755
(7)
式中、Arはアリーレン基または2価の複素環基である。R22は、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、 または下記式(8)で示される基を示す。Zは、−CR23=CR24−または−C≡C−を表す。R23およびR24はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、上記式(1)で示される基またはシアノ基を示す。uは0〜2の整数である。
【0134】
Figure 2004002755
(8)
式中、ArおよびArはそれぞれ独立にアリーレン基または2価の複素環基である。また、R25はアルキル基、アリール基、上記式(1)で示される基または1価の複素環基を示す。R26は水素原子、アルキル基、アリール基または1価の複素環基を示す。vは1〜4の整数である。
【0135】
Ar乃至Arにおけるアリーレン基、2価の複素環基としては、上記の3重項励起状態からの発光を示す錯体に配位した芳香族またはその縮環部と主鎖とを連結する結合に例示のものがあげられる。
【0136】
11乃至R16におけるアルキル基、アリール基、1価の複素環基としては、上記Rに例示のものがあげられる。
【0137】
上記式 (6)で示される繰り返し単位の好ましい具体例としては、下図のものがあげられる。
【0138】
Figure 2004002755
Figure 2004002755
Figure 2004002755
式中、R は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、1価の複素環基または上記式(1)で示される基からなる群から選ばれる基を示す。具体的には、Rに例示の基があげられる。
【0139】
本発明の高分子発光体の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていても良い。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素―炭素結合を介してアリール基または複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
【0140】
また、本発明の高分子発光体は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。量子収率の高い高分子発光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
【0141】
次に本発明の高分子発光体の製造方法について説明する。
本発明の高分子発光体は例えば、下記式(9)および(10)で示されるモノマーを含む、2種以上のモノマーの共存下、縮合重合することにより好適に製造することができる。
【0142】
Figure 2004002755
(9)
式中、Ar、R、Rおよびnはそれぞれ上記と同じ。X、Xはそれぞれ独立にハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。
【0143】
Figure 2004002755
(10)
式中、Mは原子番号50以上の原子で、該錯体にスピン−軌道相互作用があり、1重項状態と3重項状態間の項間交差を起こしうる金属である。L、Lは窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子または燐原子の1つ以上でMと結合する配位子を示す。Xは、ハロゲン原子、スルホネート基、ホウ酸基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホルミル基、シアノ基またはビニル基を示す。kは1〜3の整数、lは1〜6の整数、mは0〜6の整数を示す。
【0144】
で示される原子としては、レニウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子、白金原子、金原子、ランタン原子、セリウム原子、プラセオジム原子、ネオジム原子、プロメチウム原子、サマリウム原子、ユーロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子、ジスプロシウム原子などが例示され、好ましくはレニウム原子、オスミウム原子、イリジウム原子、白金原子、金原子、サマリウム原子、ユーロピウム原子、ガドリニウム原子、テルビウム原子、ジスプロシウム原子であり、より好ましくはイリジウム原子、白金原子、金原子、ユーロピウム原子である。
【0145】
〜Xにおけるハロゲン原子としては塩素、臭素、よう素が例示される。
【0146】
スルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基が例示される。
【0147】
ホウ酸エステル基としては、下記式で示される基が例示される。
Figure 2004002755
【0148】
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHSMeY、−CHSPhY (Yはハロゲン原子を示す。)
【0149】
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHPPhY (Yはハロゲン原子を示す。)
【0150】
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CHP(=O)(OR‘)  (R’はアルキル基、アリール基またはアリールアルキル基を示す。)
【0151】
モノハロゲン化メチル基としては、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基が例示される。
【0152】
窒素原子、酸素原子、炭素原子、硫黄原子または燐原子の1つ以上でMと結合する配位子としては、アルキル基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、シアノ基、複素環、カルボニル化合物、エーテル、アミン、イミン、ホスフィン、亜リン酸エステルおよびスルフィドが挙げられる。具体的には上記Lに例示の化合物があげられる。
【0153】
本発明の高分子発光体が主鎖にビニレン基を有する場合には、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、ホルミル基を有する化合物とホスホニウムメチル基を有する化合物との、もしくはホルミル基とホスホニウムメチル基とを有する化合物のWittig反応による重合、ビニル基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのHeck反応による重合、モノハロゲン化メチル基を2つあるいは2つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニウムメチル基を2つあるいは2つ以上有する化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合、ホルミル基を有する化合物とシアノ基を有する化合物とのKnoevenagel反応による重合などの方法、ホルミル基を2つあるいは2つ以上有する化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。
本発明の高分子発光体が主鎖に三重結合を有する場合には、例えば、Heck反応が利用できる。
【0154】
また、主鎖にビニレン基や三重結合を有しない場合には、例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法、FeCl等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、あるいは適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
【0155】
これらのうち、 Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Knoevenagel反応による重合、およびSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法が、構造制御がしやすいので好ましい。
【0156】
具体的には、モノマーとなる、反応性置換基を複数有する化合物を、必要に応じ、有機溶媒に溶解し、例えばアルカリや適当な触媒を用い、有機溶媒の融点以上沸点以下で、反応させることができる。例えば、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第27巻,345−390頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1982年、“オルガニック シンセシス(Organic Syntheses)”,コレクティブ第6巻(Collective Volume VI),407−411頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1988年、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)、ジャーナル オブ オルガノメタリック ケミストリー(J.Organomet.Chem.),第576巻,147頁(1999年)、ジャーナル オブ プラクティカル ケミストリー(J.Prakt.Chem.),第336巻,247頁(1994年)、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)などに記載の公知の方法を用いることができる。
【0157】
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
【0158】
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリまたは触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリまたは触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリまたは触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリまたは触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
【0159】
また、高分子発光体の金属錯体構造に含まれる配位子の構造を主鎖に有する高分子化合物を製造した後に錯体化をおこなう方法によっても本発明の高分子発光体を製造することができる。この場合、金属含量を制御できる点で好ましい。
具体的には、以下の構造が例示される。
【0160】
Figure 2004002755
【0161】
本発明の高分子発光体を高分子LEDに用いる場合、その純度が発光特性等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
【0162】
本発明の高分子発光体は、例えば、以下に示すモノマーと0価のNi触媒の共存下、縮合重合することにより製造することができる。
Figure 2004002755
【0163】
次に、本発明の高分子LEDについて説明する。本発明の高分子LEDは、陽極および陰極からなる電極間に発光層を有する高分子LEDであり、該発光層が本発明の高分子発光体を含むことを特徴とする。
【0164】
また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
また、上記少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して導電性高分子を含む層を設けた高分子LED;少なくとも一方の電極と発光層との間に該電極に隣接して平均膜厚2nm以下のバッファー層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0165】
具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
【0166】
ここで、発光層とは、発光する機能を有する層であり、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層であり、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層である。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。
発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
【0167】
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
【0168】
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
【0169】
積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
【0170】
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0171】
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電荷輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
【0172】
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
【0173】
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10−5S/cm以上10S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10−5S/cm以上10S/cm以下がより好ましく、10−5S/cm以上10S/cm以下がさらに好ましい。
【0174】
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10−5S/cm以上10S/cm以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
【0175】
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
【0176】
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
【0177】
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
【0178】
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
【0179】
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
【0180】
高分子LED作成の際に、本発明の有機溶媒可溶性の高分子発光体を用いることにより、溶液から成膜する場合、この溶液を塗布後乾燥により溶媒を除去するだけでよく、また電荷輸送材料や発光材料を混合した場合においても同様な手法が適用でき、製造上非常に有利である。溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0181】
発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0182】
本発明の高分子LEDにおいては、発光層に上記高分子発光体以外の発光材料を混合して使用してもよい。また、本発明の高分子LEDにおいては、上記高分子発光体以外の発光材料を含む発光層が、上記高分子発光体を含む発光層と積層されていてもよい。
【0183】
該発光材料としては、公知のものが使用できる。低分子化合物では、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用いることができる。
【0184】
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
【0185】
本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
【0186】
具体的には、該正孔輸送材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0187】
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。低分子の正孔輸送材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
【0188】
ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
【0189】
ポリシランもしくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
【0190】
ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
【0191】
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
【0192】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0193】
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0194】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
【0195】
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0196】
本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
【0197】
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
【0198】
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
【0199】
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、高分子バインダーを併用してもよい。
【0200】
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
【0201】
溶液または溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
【0202】
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また、可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、またはポリシロキサンなどが例示される。
【0203】
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
【0204】
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、該高分子LEDの各層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明または半透明であることが好ましい。
【0205】
通常、陽極および陰極からなる電極のうち少なくとも一方が透明または半透明であり、陽極側が透明または半透明であることが好ましい。
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
【0206】
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0207】
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
【0208】
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
【0209】
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
【0210】
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けても良く、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層および/または保護カバーを装着することが好ましい。
【0211】
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
【0212】
本発明の高分子発光素子は、面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置または液晶表示装置のバックライトに用いることができる。
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子発光体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは発光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動しても良い。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
【0213】
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
【0214】
【実施例】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、数平均分子量、重量平均分子量については、クロロホルムを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量を求めた。
【0215】
<モノマーA−1の合成>
1,4−ジブロモ−2,5−ビス(ブロモメチル)−ベンゼンと亜りん酸トリエチルとを反応して得られたホスホン酸エステル1.55gとN−エチルー3−カルバゾールカルボキシアルデヒド1.79gとをテトラヒドロフラン(脱水)30gに溶解した。この溶液に、あらかじめカリウムーt−ブトキシド0.9gをテトラヒドロフラン(脱水)10gに溶解した溶液を、室温で滴下した後、引き続いて、室温で5時間反応させた。
反応後、この溶液に酢酸を加え中和した後、この溶液にメタノールを加え、生成した沈殿を、ろ過することにより回収した。この回収した沈殿をエタノールで洗浄した後、減圧乾燥して、組生成物1.5gを得た。次に、クロロホルムから再結晶して、精製したモノマーAを得た。
Figure 2004002755
【0216】
<モノマーA−2の合成>
2−(ブロモフェニル)ピリジンの製造
2−フェニルピリジン3g(19.3mmol)と鉄粉40mg(0.716mmol)を混合し攪拌した。0℃に冷却し攪拌しながら臭素4.0g(25mmol)を発熱に注意しながら滴下し、90℃まで昇温して10時間攪拌した。反応終了後この反応混合液を、クロロホルムに溶かし溶液にし、5%チオ硫酸ナトリウム水溶液で洗浄した。クロロホルム溶液を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濃縮し、残滓をシリカゲルカラムクロマトにより精製し目的の2−(ブロモフェニル)ピリジンを得た。
収量は1.6g(6.83mmol)で、収率は35.4%であった。LC−MSによりMは234.0であった。
【0217】
トリス(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)の製造
トリスアセチルアセトナートイリジウム(III)錯体50mg(0.1021mmol)と2−ブロモフェニルピリジン95.6mg(0.4084mmol)およびグリコール20mlを50mlのナスフラスコに投入し10時間還流した。この反応液に1規定塩酸水溶液100mlを加え、30分間攪拌した。析出した固体をろ過して取り、再び再少量の塩化メチレンに溶かして溶液にした。この溶液をシリカゲルカラムクロマトろ過し、余ったイリジウム錯体由来の金属分解物を除去した。この後、得られた溶液を途中まで濃縮しメタノールを加え析出してくる黄色固体をろ過して回収した。
目的物であるトリス(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)10.12mg(0.0113mmol)を得た。収率は11.1%であった。FD−MSによりMは893であった。
【0218】
ビス(2−(フェニル)ピリジン)モノ(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)(モノマーA−2)の製造
トリスアセチルアセトナートイリジウム(III)錯体0.642g(1.31mmol)と2−(ブロモフェニル)ピリジン0.41g(1.75mmol)と2−(フェニル)ピリジン0.54g(3.5mmol)およびグリコール50mlを100mlのナスフラスコに投入し10時間還流した。この反応液に1規定塩酸水溶液100mlを加え、30分間攪拌した。析出した固体をろ過して取り、再び再少量の塩化メチレンに溶かして溶液にした。この溶液をシリカゲルカラムクロマトろ過し、余ったイリジウム錯体由来の金属分解物を除去した。この後、得られた溶液を途中まで濃縮しメタノールを加え析出してくる黄色固体をろ過して回収した。
ビス(2−(フェニル)ピリジン)モノ(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)が主成分となる混合物0.13g(0.177mmol相当)を得た。収率は、約13.5%であった。FD−MSより、主成分のMは、733であった。この混合物とは、トリス(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体(錯体4)、モノ(2−(フェニル)ピリジン)ビス(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体(錯体3)、ビス(2−(フェニル)ピリジン)モノ(2−(ブロモフェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体(錯体2)、トリス(2−(フェニル)ピリジン)イリジウム(III)錯体(錯体1)の混合物である。FD−MSにより、それぞれの比率を求めると、以下の表1のとおりであった。
【0219】
【表1】モノマーA−2の組成(混合物)
Figure 2004002755
【0220】
<ポリマーAの合成>
9,9−ジオクチル−2,7−ジブロモフルオレン0.40g(0.73mmol)とモノマーA−1 0.044g(0.065mmol)とモノマーA−20.012g(0.016mmol)と2、2’−ビピリジル0.30g(1.9mmol)を反応容器に仕込んだ後、反応系内を窒素ガスで置換した。これに、あらかじめアルゴンガスでバブリングして、脱気したテトラヒドロフラン(脱水溶媒)20mlを加えた。次に、この混合溶液に、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を0.54g(1.9mmol)加え、60℃で3時間反応した。なお、反応は、窒素ガス雰囲気中で行った。反応後、この溶液を冷却した後、25%アンモニア水10ml/メタノール120ml/イオン交換水50ml混合溶液中にそそぎ込み、約1時間攪拌した。次に、生成した沈殿を、ろ過することにより回収した。この沈殿をエタノールで洗浄した後、2時間減圧乾燥した。次に、この沈殿をトルエン30mLに溶解し、1N塩酸30mLを加えて1時間攪拌し、水層の除去して有機層に4%アンモニア水30mLを加え、1時間攪拌した後に水層を除去した。有機層はメタノール150mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン30mLに溶解させた。その後、アルミナカラム(アルミナ量20g)を通して精製を行い、回収したトルエン溶液をメタノール150mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた共重合体の収量は0.14gであった。
共重合体のポリスチレン換算数平均分子量は、9.2x10であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は3.9x10であった。
<発光強度の測定>
上記で合成したポリマーAの0.2wt%クロロホルム溶液を石英上にスピンコートして薄膜を作製した。この薄膜の発光スペクトルを蛍光分光光度計(JOBIN YVON/SPEX社製 FL3−221 TAU 蛍光分光光度計)を用いて測定した。なお、発光強度の算出には350nmで励起した時の発光スペクトルを用いた。横軸に波数をとってプロットした発光スペクトルの面積を350nmでの吸光度で割ることにより発光強度の相対値を求めた。測定結果を以下に示す。イリジウム錯体構造による3重項励起状態からの発光を示す、523nmの発光波長を有する発光が確認された。
発光強度
【表2】
Figure 2004002755
【0221】
【発明の効果】
本発明の高分子発光体は、3重項発光錯体構造を分子内に含み、塗布法により発光層を形成することができ、該発光体を発光層に含む発光素子が発光効率等の特性に優れるたものと成り得る。

Claims (9)

  1. 高分子発光体であって、該発光体がその主鎖、側鎖または末端に3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造を含み、かつ該高分子発光体の主鎖に下記一般式(1)で示される1価の置換基を有することを特徴とする高分子発光体。
    −X−Z   (1)
    (式中、Xは、単結合または共役系の2価の基である。Zは下記式(2)で示される。)
    Figure 2004002755
    (式中、Rは、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、Xとの結合手または1価の複素環基を示す。RおよびRはそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、Xとの結合手または1価の複素環基を示し、RおよびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよいが、R、RおよびRの1つがXとの結合手である。aおよびbは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。)
  2. 共役系の2価の基が、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、2価の複素環基、
    Figure 2004002755
    (式中、R’はアルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基または1価の複素環基を示す。)
    である請求項1記載の高分子発光体。
  3. 主鎖が共役系高分子であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子発光体。
  4. 下記一般式(3)で示される繰返し単位を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高分子発光体。
    Figure 2004002755
    (3)
    (式中、Arは、アリーレン基または2価の複素環基を示し、該Arは置換基を有していてもよい。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、上記式(1)で示される基またはシアノ基を示す。
    この繰り返し単位は、Arの置換基、RまたはRとして、少なくとも1つの上記式(1)で示される基を有する。nは0または1である。)
  5. 3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造の配位子の少なくとも1つが窒素原子または炭素原子で金属に配位することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の錯体または高分子発光体。
  6. 3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造の配位子の少なくとも1つが多座配位子であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかにに記載の高分子発光体。
  7. 3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造の配位子の少なくとも1つが下記式(4)または(5)で示される1価の配位子であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高分子発光体。
    Figure 2004002755
    (式中、R〜R14はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、または1価の複素環基を表す。R〜R14のうち少なくとも1つは主鎖または側鎖との結合手である。*は3重項励起状態からの発光を示す金属と結合する原子を表す。)
    Figure 2004002755
    (ここで式中、Aは酸素原子または硫黄原子を示す。R15〜R20はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルアミノ基、アルキルシリル基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアミノ基、アリールシリル基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルキルアミノ基、アリールアルキルシリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、シアノ基、または1価の複素環基を表す。R15〜R20のうち少なくとも1つは主鎖または側鎖との結合手である。*は3重項励起状態からの発光を示す金属と結合する原子を表す。)
  8. 3重項励起状態からの発光を示す金属錯体構造の中心金属がイリジウム原子、白金原子、金原子またはユーロピウム原子であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の高分子発光体。
  9. 陽極および陰極からなる電極間に少なくとも発光層を有し、該発光層が請求項1〜8のいずれかに記載の高分子発光体を含むことを特徴とする高分子発光素子。
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