JP2009155650A - 高分子化合物およびそれを用いた高分子発光素子 - Google Patents

高分子化合物およびそれを用いた高分子発光素子 Download PDF

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Abstract

【課題】発光素子の発光材料として用いたとき寿命の一層長い発光素子を与える高分子化合物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で示される繰り返し単位を含み、ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜108であることを特徴とする高分子化合物。
Figure 2009155650

〔式中、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、EおよびEはそれぞれ独立にアリール基(A)または1価の複素環基(B)を表す。nは2を表し、l、m、n、o、およびpはそれぞれ0を表す。〕
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子化合物および該高分子化合物を用いた高分子発光素子(以下、高分子LEDということがある。)に関する。
高分子量の発光材料は低分子量のそれとは異なり溶媒に可溶で塗布法により発光素子における発光層を形成できることから種々検討されており、その例として、繰り返し単位中に、3つの結合手が全て芳香環に結合した窒素原子を1個または2個含む高分子化合物が知られている。
例えば、繰り返し単位中に3つの結合手が全て芳香環に結合した窒素原子を2個含む高分子化合物として、下式

Figure 2009155650
の繰り返し単位を含む高分子化合物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第99/54385号パンフレット
しかしながら上記公知の高分子化合物を発光素子の発光材料として用いたときその発光素子の寿命が未だ十分でないという問題があった。
本発明の目的は、発光素子の発光材料として用いたとき寿命の一層長い発光素子を与える高分子化合物を提供することにある。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、繰り返し単位中に、3つの結合手が全て芳香環に結合した窒素原子を3個以上含む高分子化合物を発光素子の発光材料として用いることにより該発光素子の寿命が向上することを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、 下記式(1)で示される繰り返し単位を含み、ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜108である高分子化合物に係るものである。
Figure 2009155650

〔式中、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、E、E、E、E、EおよびEはそれぞれ独立にアリール基(A)または1価の複素環基(B)を表す。l、mおよびnはそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、oおよびpはそれぞれ独立に0または1を表し、l+m+n+o+pは2以上である。ただし、式中におけるNの数の合計は3以上である。
Ar、Ar、Ar

Figure 2009155650
がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
本発明の高分子化合物は、発光素子の発光材料として用いたとき寿命の一層長い発光素子を与える。したがって、本発明の高分子化合物を含む高分子LEDは、液晶ディスプレイのバックライトまたは照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイなどに使用できる。
上記式(1)において、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、該アリーレン基、該2価の複素環基は、置換基を有していてもよい。
ここに、アリーレン基とは、芳香族炭化水素から、水素原子2個を除いた原子団であり、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレン等の基を介して結合したものも含まれる。アリーレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。

アリーレン基における置換基を除いた部分の炭素数は通常6〜60程度であり、好ましくは6〜20である。また、アリーレン基の置換基を含めた全炭素数は、通常6〜100程度である。
アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下図の式1〜3)、ナフタレン−ジイル基(下図の式4〜13)、アントラセン−ジイル基(下図の式14〜19)、ビフェニル−ジイル基(下図の式20〜25)、 ターフェニル−ジイル基(下図の式26〜28)、 縮合環化合物基(下図の式29〜35)、フルオレン−ジイル基(下図の式36〜38)、インデノフルオレン−ジイル(下図38A〜38B)、スチルベン−ジイル(下図の式A〜D), ジスチルベン−ジイル (下図の式E,F)などが例示される。中でもフェニレン基、ビフェニル−ジイル基、フルオレンージイル基、スチルベンージイル基が好ましい。
Figure 2009155650
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本発明において、2価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子2個を除いた残りの原子団をいい、該基は置換基を有していてもよい。
ここに複素環化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素が炭素原子だけでなく、酸素、硫黄、窒素、リン、ホウ素、ヒ素などのヘテロ原子を環内に含むものをいう。好ましくは、芳香族複素環基である。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基等が挙げられ、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、置換アミノ基、置換シリル基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基が好ましい。
2価の複素環基における置換基を除いた部分の炭素数は通常3〜60程度である。
また、2価の複素環基の置換基を含めた全炭素数は、通常3〜100程度である。
2価の複素環基としては、例えば以下のものが挙げられる。
ヘテロ原子として、窒素を含む2価の複素環基;ピリジンージイル基(下図の式39〜44)、ジアザフェニレン基(下図の式45〜48)、キノリンジイル基(下図の式49〜63)、キノキサリンジイル基(下図の式64〜68)、アクリジンジイル基(下図の式69〜72)、ビピリジルジイル基(下図の式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下図の式76〜78)、など。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、セレンなどを含みフルオレン構造を有する基(下図の式79〜93)。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基:(下図の式94〜98)など。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、セレンなどを含む5員環縮合複素基:(下図の式99〜108)が挙げられる。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基:(下図の式109〜113)など。
ヘテロ原子としてけい素、窒素、硫黄、セレンなどを含む5員環複素環基でそのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基:(下図の式113〜119)など。
ヘテロ原子として酸素、窒素、硫黄、などを含む5員環縮合複素環基にフェニル基やフリル基、チエニル基が置換した基:(下図の式120〜125)など。
Figure 2009155650
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上記の式1〜125、38A、38B、A、B、C、D、E、Fにおいて、Rはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表す。
アリーレン基、2価の複素環基が有していてもよい置換基において、アルキル基としては、直鎖、分岐または環状のいずれでもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基などが挙げられ、メチル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基が好ましい。
アルコキシ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、 i−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基などが挙げられ、メトキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基が好ましい。
アルキルチオ基は、直鎖、分岐または環状のいずれでもよい。炭素数は通常1〜20程度であり、具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、 i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、 i−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基などが挙げられ、メチルチオ基、ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基が好ましい。
アリール基は、芳香族炭化水素から、水素原子1個を除いた原子団である。ここに芳香族炭化水素としては、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環または縮合環2個以上が直接またはビニレンなどの基を介して結合したものが含まれる。炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基(C1〜C12は、炭素数1〜12であることを示す。以下も同様である。)、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、フェナントレン−イル基、ピレン−イル基、ペリレン−イル基、ペンタフルオロフェニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルとして具体的には、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、3,7−ジメチルオクチル、ラウリルなどが例示される。
アリールオキシ基としては、炭素数は通常6〜60程度であり、具体的には、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
1〜C12アルコキシとして具体的には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、ブトキシ、i−ブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、ヘプチルオキシ、オクチルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、ノニルオキシ、デシルオキシ、3,7−ジメチルオクチルオキシ、ラウリルオキシなどが例示される。
1〜C12アルキルとして具体的にはメチル、エチル、ジメチル、プロピル、2,4,6−トリメチル、メチルエチル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソアミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシルなどが例示される。
アリールチオ基としては、炭素数は通常3〜60程度であり、具体的には、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基が好ましい。
アリールアルキル基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基が好ましい。
アリールアルコキシ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチロキシ基、フェニルヘキシロキシ基、フェニルヘプチロキシ基、フェニルオクチロキシ基などのフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基が好ましい。
アリールアルケニル基は、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルケニル基が好ましい。
アリールアルキニル基は、炭素数は通常8〜60程度であり、具体的には、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基が好ましい。
アリールアルキルチオ基は、炭素数は通常7〜60程度であり、具体的には、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基などが例示され、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基が好ましい
置換アミノ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基から選ばれる1または2個の基で置換されたアミノ基が挙げられ、該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基は置換基を有していてもよい。炭素数は該置換基の炭素数を含めないで通常1〜60程度である。
具体的には、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、i−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、i−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ラウリルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ピロリジル基、ピペリジル基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジルアミノ基、トリアジルアミノ基フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基などが例示される。
置換シリル基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基から選ばれる1、2または3個の基で置換されたシリル基があげられ、炭素数は通常1〜60程度である。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基は置換基を有していてもよい。
具体的には、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−i−プロピルシリル基、ジメチル−i−プロピリシリル基、ジエチル−i−プロピルシリル基、t−ブチルシリルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ラウリルジメチルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などが例示される。
置換シリルオキシ基としては、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基および1価の複素環基から選ばれる1、2または3個の基で置換されたシリルオキシ基があげられ、炭素数は通常1〜60程度である。
具体的には、トリメチルシリルオキシ基、トリエチルシリルオキシ基、トリプロピルシリルオキシ基、トリ−i−プロピルシリルオキシ基、ジメチル−i−プロピリシリルオキシ基、ジエチル−i−プロピルシリルオキシ基、t−ブチルシリルジメチルシリルオキシ基、ペンチルジメチルシリルオキシ基、ヘキシルジメチルシリルオキシ基、ヘプチルジメチルシリルオキシ基、オクチルジメチルシリルオキシ基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリルオキシ基、ノニルジメチルシリルオキシ基、デシルジメチルシリルオキシ基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリルオキシ基、ラウリルジメチルシリルオキシ基、フェニル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリルオキシ基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリルオキシ基、トリフェニルシリルオキシ基、トリ−p−キシリルシリルオキシ基、トリベンジルシリルオキシ基、ジフェニルメチルシリルオキシ基、t−ブチルジフェニルシリルオキシ基、ジメチルフェニルシリルオキシ基、トリメトキシシリルオキシ基、トリエトキシシリルオキシ基、トリプロピルオキシシリルオキシ基、トリ−i−プロピルシリルオキシ基、ジメチル−i−プロピリシリルオキシ基、メチルジメトキシシリルオキシ基、エチルジメトキシシリルオキシ基、などが例示される。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が例示される。
アシル基は、炭素数は通常2〜20程度であり、具体的には、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基などが例示される。
アシルオキシ基は、炭素数は通常2〜20程度であり、具体的には、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基などが例示される。
イミン残基としては、イミン化合物(分子内に、−N=C-を持つ有機化合物のことをいう。その例として、アルジミン、ケチミン及びこれらのN上の水素原子が、アルキル基等で置換された化合物があげられる)から水素原子1個を除いた残基があげられ、炭素数2〜20程度であり、具体的には、以下の基などが例示される。
Figure 2009155650
アミド基は、炭素数は通常2〜20程度であり、具体的には、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基、などが例示される。
酸イミド基としては、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基があげられ、炭素数は4〜20程度であり、具体的には、以下の基などが例示される。
Figure 2009155650
1価の複素環基とは、複素環化合物から水素原子1個を除いた残りの原子団をいい、該基は、置換基を有していてもよい。
無置換の1価の複素環基の炭素数は通常4〜60程度であり、好ましくは4〜20である。
1価の複素環基としては、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基などが例示され、チエニル基、ピリジル基が好ましい。C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。
置換カルボキシル基は、通常炭素数2〜60程度であり、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基で置換されたカルボキシル基をいい、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、i−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシロキシカルボニル基、シクロヘキシロキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシロキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基、などが挙げられる。なお該アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または1価の複素環基は置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素数には該置換基の炭素数は含まれない。
上記の例において、1つの構造式中に複数のRを有しているが、それらは同一であってもよいし、異なっていてもよい。溶媒への溶解性を高めるためには、1つの構造式中の複数のRのうち少なくとも一つが水素原子以外であることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。また、1つの構造式中のRの1つ以上が環状または分岐のあるアルキル基を含む基であることが好ましい。複数のRが連結して環を形成していてもよい。
また、上記式においてRがアルキル基を含む置換基においては、該アルキル基は直鎖、分岐または環状のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示される。
さらに、アルキル基を含む基のアルキル基のメチル基やメチレン基がヘテロ原子や一つ以上のフッ素で置換されたメチル基やメチレン基で置き換えられていてもよい。それらのヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子などが例示される。
さらに、Rがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい
上記式(1)で示される繰り返し単位において、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArがそれぞれ独立に、下記式(2)で示される基であることが好ましい。
Figure 2009155650
〔式中、Ra、Rb、Rc、およびRdはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミノ基、アミド基、イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表す。qは1〜3の整数を表す。Ra、Rb、Rc、およびRdがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。また、RaとRb、RcとRdはそれぞれ、それらが結合するベンゼン環上の炭素原子と一緒になって芳香環を形成していてもよい。〕
上記式(2)で示される基において、RaとRb、RcとRdが結合するベンゼン環上の炭素原子と一緒になって芳香環を形成する芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、テトラセン環、ペンタセン環、ピレン環、フェナントレン環等の芳香族炭化水素環;ピリジン環、ビピリジン環、フェナントロリン環、キノリン環、イソキノリン環、チオフェン環、フラン環、ピロール環などの複素芳香環が挙げられ、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が好ましい。
該芳香環は、それぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミノ残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、シアノ基からなる群から選ばれる置換基を有していてもよい。また、置換基が複数ある場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
上記式(1)において、E、E、E、E、EおよびEはそれぞれ独立にアリール基または1価の複素環基を表す。 アリール基、1価の複素環基は置換基を有していてもよい。
置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アリールアルキルチオ基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミノ残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基およびシアノ基が挙げられる。
ここに、アリール基、1価の複素環基、置換基は、前記と同じ意味である。
また、E、E、E、E、E、Eが上記置換基の中で、ハロゲン原子およびシアノ基以外の置換基を有するときは、それらの置換基同士が結合し環を形成していても良い。
上記式(1)において、アリール基(A)は、下記(C)により選ばれた炭素原子に1個以上の置換基を有することが好ましい。
(C):(A)の結合手をアミノ基に置換し、置換基を全て水素原子に置換したアリールアミン化合物の最高占有分子軌道を、半経験的分子軌道法であるAM1法により求める。
該最高占有分子軌道の任意の一つを選び、上記アリールアミン化合物が有する、水素原子が結合した炭素原子のそれぞれに対応する原子軌道係数の2乗の和の値を計算する。
前記アリールアミン化合物の有する、水素原子が結合した炭素原子から、上記の原子軌道係数の2乗の和の値が大きい順に置換基の個数の炭素原子を選んで、それに対応するアリール基(A)の炭素原子を、置換基を有する炭素原子とする。
ここに、(C)における該炭素原子の最高占有分子軌道(HOMO)の原子軌道係数の2乗の和の値(ρm HOMO)は、半経験的分子軌道法であるAM1法(Dewar,M.J.S.et al,J.Am.Chem.Soc.,107,3902(1985))により下の数式1に従って求めることができる。

ρm HOMO=Σu(Cmu HOMO2 〔数式1〕
ここで、mは該炭素原子を表す記号、uは該炭素原子に対してAM1法で考慮される原子軌道を表す記号である。また、Cmu HOMOは該炭素原子のHOMOのuで表現される原子軌道係数を表す。
また、原子軌道係数の2乗の和の値の比較は、有効数字2桁で行う。原子軌道係数の2乗の和の値が有効数字2桁で同じものが複数ある場合には、置換基を有する炭素原子としてどちらを選んでもよい。
ここで前記(C)により選ばれた炭素原子に置換基を有するアリール基として、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基および2−ピレニル基の場合について具体的に説明する。すなわち該アリール基の置換基をすべて水素原子に置換し、結合手にアミノ基を結合させたアミン化合物について、分子軌道計算プログラム、WinMOPAC 3.0 Professional (MOPAC2000 V1.3)を用い、AM1法により構造最適化を行いながら計算した(キーワード:AM1 PRECISE EF VECTORS)。各アミン化合物の炭素原子位置番号を下図に示す。計算結果について表1に示す。
Figure 2009155650
Figure 2009155650
表1の各炭素原子についての(原子軌道係数)2の和 ρm HOMOの値を比較して、該ρm HOMOの値が大きいものから順に置換基を有する炭素原子とする。
例えばフェニル基の場合、該ρm HOMOの値が大きいものから順に炭素原子位置番号を並べると、4>2,6>3,5となる。(C)により選ばれた炭素原子に置換基を有するフェニル基において、置換基1個の場合は炭素原子位置番号4、2個の場合は4と2、または4と6であり、3個の場合には4、2および6に置換基を有するフェニル基である。置換基4個の場合には、炭素原子位置番号3と5の該ρm HOMOの値が同じなので、炭素原子位置番号4、2、6および3もしくは5に置換基を有するフェニル基である。置換基5個の場合には、炭素原子位置番号4、2、6、3および5に置換基を有するフェニル基である。
さらに1−ナフチル基の場合、該ρm HOMOの値が大きいものから順に炭素原子位置番号を並べると、4>2>5>8>7>3>6となる。(C)により選ばれた炭素原子に置換基を有する1−ナフチル基は、置換基1個の場合は炭素原子位置番号4、2個の場合は4と2、3個の場合には、4、2および5に置換基を有する1−ナフチル基である。置換基4個以上の場合も、同様に該ρm HOMOの値が大きいものから順に炭素原子位置番号を選び、該炭素原子位置番号に置換基を有する1−ナフチル基である。
また例えば2−ナフチル基の場合、該ρm HOMOの値が大きいものから順に炭素原子位置番号を並べると、1>6>8>4>5>3>7となる。(C)により選ばれた炭素原子に置換基を有する2−ナフチル基は、置換基1個の場合は炭素原子位置番号1、2個の場合は1と6、3個の場合には、1、6および8に置換基を有する2−ナフチル基である。置換基4個の場合には、1、6、8および4に置換基を有する2−ナフチル基である。置換基5個以上の場合も、同様に該ρm HOMOの値が大きいものから順に炭素原子位置番号を選び、該炭素原子位置番号に置換基を有する2−ナフチル基である。
最後に2−ピレニル基の場合、該ρm HOMOの値が大きいものから順に炭素原子位置番号を並べると、1,3>7>5、9>4,10>6,8となる。(C)により選ばれた炭素原子に置換基を有する2−ピレニル基は、置換基1個の場合は炭素原子位置番号1または3、2個の場合は1と3、3個の場合には1、3および7に置換基を有する2−ピレニル基である。置換基4個の場合には、炭素原子位置番号5と9の該ρm HOMOの値が同じなので、炭素原子位置番号1、3、7および5もしくは9に置換基を有する2−ピレニル基である。置換基5個の場合には、炭素原子位置番号1、3、7、5および9に置換基を有する2−ピレニル基である。置換基6個以上の場合も、同様に該ρm HOMOの値が大きいものから順に炭素原子位置番号を選び、該炭素原子位置番号に置換基を有する2−ピレニル基である。
アリール基(A)は、それぞれ独立に下記式(3)で示される基であることがより好ましい。
Figure 2009155650
式中、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表し、中でも、アルキル基、アルコキシ基が好ましい。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。rは、0〜5の整数を表し、1以上であることが好ましい。
式(3)の基の中で、R1が、結合手に対して、パラ位に置換している基が好ましく、rが3であり、R1が、結合手に対して、パラ位と2個のオルト位とに置換している基が、(C)の結果と溶解性の向上、および窒素原子を立体的に保護するという観点から特に好ましい。
式(1)において、l、mおよびnはそれぞれ独立に0〜2の整数を表し、oおよびpはそれぞれ独立に0または1を表す。l+m+n+o+pは2以上である。ただし、式中におけるNの数の合計は3以上である。
またl+m+n+o+pは6以下であることが好ましい。
上記式(1)で示される繰り返し単位は、溶解性の観点から、置換基を1つ以上有していることが好ましい。
上記式(1)において、Ar、Ar、Ar
Figure 2009155650
がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。
前記式(1)の繰り返し単位の中では、Ar1、Ar2、Ar3、Ar4、Ar5、ArおよびArがそれぞれ独立にアリーレン基であるものが好ましく、nが1以上であるものがさらに好ましい。
中でもアリーレン基が、置換または無置換のフェニレン基、置換または無置換のビフェニルジイル基、置換または無置換のフルオレン−ジイル基、置換または無置換のスチルベン−ジイル基であるものが好ましく、無置換のフェニレン基であるものがさらに好ましい。
上記式(1)で示される繰り返し単位の具体例としては、以下の繰り返し単位があげられる。
n=0のもの:
Figure 2009155650
n=1のもの:

Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
n=2のもの:
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650

〔式中、Meはメチル基、Buはブチル基を示す。〕
本発明の高分子化合物は、式(1)で示される繰り返し単位を2種以上含んでいてもよい。
本発明の高分子化合物において、式(1)で示される繰り返し単位の量は、本発明の高分子化合物の有する全繰り返し単位に対して、通常1〜100モル%であり、好ましくは10〜90モル%である。
本発明の高分子化合物が含むことができる、式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、下記式(4)、(5)、(6)、(7)で示される繰り返し単位が好ましい。

−Ar13− (4)

Figure 2009155650

−Ar16−X− (6)

−X− (7)

〔式中、Ar13、Ar14、Ar15、およびAr16はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を示す。X、XおよびXはそれぞれ独立に−CR=CR−、−C≡C−、−N(R)−、または−(SiR−を示す。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、またはシアノ基を示す。R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアリールアルキル基を示す。Ar14、X1、R5、およびR6がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
ここでアリーレン基、2価の複素環基、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、アリールアルキル基は前記の通りである。
本発明において、金属錯体構造を有する2価の基とは、有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基である。
該有機配位子の炭素数は、通常4〜60程度であり、例えば、8−キノリノールおよびその誘導体、ベンゾキノリノールおよびその誘導体、2−フェニル−ピリジンおよびその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾールおよびその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾールおよびその誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体などが挙げられる。
また、該錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウムなどが挙げられる。
有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、燐光材料として公知の金属錯体、三重項発光錯体などが挙げられる。
金属錯体構造を有する2価の基としては、具体的には、以下の(126〜132)が例示される。

Figure 2009155650

Figure 2009155650

Figure 2009155650

Figure 2009155650

Figure 2009155650

Figure 2009155650

Figure 2009155650
上記の式126〜132で示した例において、Rは前記式1〜125のそれと同じである。
本発明の高分子化合物が含むことができる、式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、上記式(4)、式(5)で示される繰り返し単位がより好ましい。
上記式(5)で示される繰り返し単位の具体例としては、下図(133〜140)で示される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
上記式においてRは、前記式1〜132のそれと同じである。上記の例において、1つの構造式中に複数のRを有しているが、それらは同一であってもよいし、異なる基であってもよい。溶媒への溶解性を高めるためには、水素原子以外を1つ以上有していることが好ましく、また置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。
さらに、上記式においてRがアリール基や複素環基をその一部に含む場合は、それらがさらに1つ以上の置換基を有していてもよい。
また、上記式においてRがアルキル鎖を含む置換基においては、それらは直鎖、分岐または環状のいずれかまたはそれらの組み合わせであってもよく、直鎖でない場合、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基などが例示される。高分子化合物の溶媒への溶解性を高めるためには、1つ以上に環状または分岐のあるアルキル鎖が含まれることが好ましい。
また、複数のRが連結して環を形成していてもよい。また、式1〜140の基が有する炭素原子は、窒素原子、酸素原子または硫黄原子と置き換えられていてもよく、水素原子はフッ素原子に置換されていてもよい。
なお、本発明の高分子化合物は、蛍光特性や電荷輸送特性を損なわない範囲で、式(1)〜式(7)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。また、これらの繰り返し単位や他の繰り返し単位が、非共役の単位で連結されていてもよいし、繰り返し単位にそれらの非共役部分が含まれていてもよい。結合構造としては、以下に示すもの、および以下に示すもののうち2つ以上を組み合わせたものなどが例示される。ここで、Rは前記のものと同じ置換基から選ばれる基であり、Arは炭素数6〜60個の炭化水素基を示す。

Figure 2009155650
また、本発明の高分子化合物は、ランダム、ブロックまたはグラフト共重合体であってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子、例えばブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。発光の量子収率の高い高分子発光体を得る観点からは完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体やブロックまたはグラフト共重合体が好ましい。主鎖に枝分かれがあり、末端部が3つ以上ある場合やデンドリマーも含まれる。
また、本発明の高分子化合物の末端基は、重合活性基がそのまま残っていると、素子にしたときの発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてよい。主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素―炭素結合を介してアリール基または複素環基と結合している構造が例示される。具体的には、特開平9−45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
本発明の高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は103〜108
であり、好ましくは104〜106である。
本発明の高分子化合物に対する良溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、n−ブチルベンゼンなどが例示される。高分子化合物の構造や分子量にもよるが、通常はこれらの溶媒に0.1重量%以上溶解させることができる。
本発明の高分子化合物は、下記式(8)で示される化合物を原料の一つとして縮合重合させることにより製造することができる。
Figure 2009155650
式中、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、Arおよびl、n、m、o、pは前記と同じである。YおよびYはそれぞれ独立に縮合重合可能な置換基を示す。
ここに、縮合重合可能な置換基としては、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸エステル基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホウ酸基、ホルミル基、シアノ基、ビニル基等があげられる。
ここでアルキルスルホネート基としては、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基、トリフルオロメタンスルホネート基などが例示され、アリールスルホネート基としては、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基などが例示され、アリールアルキルスルホネート基としては、ベンジルスルホネート基などが例示される。
ホウ酸エステル基としては、下記式で示される基が例示される。

Figure 2009155650
式中、Meはメチル基を、Etはエチル基を示す。
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2+Me2-、−CH2+Ph2-
(Xはハロゲン原子を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2+Ph3- (Xはハロゲン原子を示す。)
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
−CH2PO(OR’)2 (R’はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を示す。)
モノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基、ヨウ化メチル基が例示される。
縮合重合可能な置換基として好ましい置換基は重合反応の種類によって異なるが、例えばYamamotoカップリング反応など0価ニッケル錯体を用いる場合には、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基またはアリールアルキルスルホネート基が挙げられる。またSuzukiカップリング反応などニッケル触媒あるいはパラジウム触媒を用いる場合には、アルキルスルホネート基、ハロゲン原子、ホウ酸エステル基、ホウ酸基などが挙げられる。
また、本発明の高分子化合物が、上記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位を有する場合には、上記式(1)以外の繰り返し単位となる、2個の縮合重合可能な置換基を有する化合物を共存させて縮合重合させればよい。
上記式(1)で示される繰り返し単位以外の繰り返し単位となる、2個の縮合重合可能な置換基を有する化合物としては、下記式(9)〜(12)の化合物が例示される。
上記式(8)で示される化合物に加えて、下記式(9)〜(12)のいずれかで示される化合物を縮合重合させることにより、上記式(1)で示される単位に加えて、順に(4)、(5)、(6)または(7)の単位を1つ以上有する高分子化合物を製造することができる。

Y−Ar13−Y (9)

Figure 2009155650

Y−Ar16−X−Y (11)

Y−X−Y10 (12)
〔式中、Ar13、Ar14、Ar15、Ar16、X、X、Xは前記の通りである。Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y、Y10はそれぞれ独立に縮合重合可能な置換基を示す。〕
本発明の高分子化合物の製造方法において、縮合重合させる方法としては、上記式(8)〜(12)で表される化合物の縮合重合可能な置換基に応じて、既知の縮合反応を用いることにより製造できる。
本発明の高分子化合物が縮合重合において、二重結合を生成する場合は、例えば特開平5−202355号公報に記載の方法が挙げられる。すなわち、ホルミル基を有する化合物とホスホニウムメチル基を有する化合物との、もしくはホルミル基とホスホニウムメチル基とを有する化合物のWittig反応による重合、ビニル基を有する化合物とハロゲン原子を有する化合物とのHeck反応による重合、モノハロゲン化メチル基を2つあるいは2つ以上有する化合物の脱ハロゲン化水素法による重縮合、スルホニウムメチル基を2つあるいは2つ以上有する化合物のスルホニウム塩分解法による重縮合、ホルミル基を有する化合物とシアノ基を有する化合物とのKnoevenagel反応による重合などの方法、ホルミル基を2つあるいは2つ以上有する化合物のMcMurry反応による重合などの方法が例示される。
本発明の高分子化合物が縮合重合によって主鎖に三重結合を生成する場合には、例えば、Heck反応、Sonogashira反応が利用できる。
また、二重結合や三重結合を生成しない場合には、例えば該当するモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)錯体により重合する方法、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、あるいは適当な脱離基を有する中間体高分子の分解による方法などが例示される。
これらのうち、Wittig反応による重合、Heck反応による重合、Knoevenagel反応による重合、およびSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、ニッケルゼロ価錯体により重合する方法およびSonogashira反応による重合が、構造制御がしやすいので好ましい。
より具体的に、反応条件について述べる。
Wittig反応、Horner反応、Knoevengel反応などの場合は、化合物の官能基に対して当量以上、好ましくは1〜3当量のアルカリを用いて反応させる。アルカリとしては、特に限定されないが、例えば、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、ナトリウムエチラート、リチウムメチラートなどの金属アルコラートや、水素化ナトリウムなどのハイドライド試薬、ナトリウムアミド等のアミド類等を用いることができる。溶媒としては、 N、N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン等が用いられる。反応の温度は、通常は室温から150℃程度で反応を進行させることができる。反応時間は、例えば、5分間〜40時間であるが、十分に重合が進行する時間であればよく、また反応が終了した後に長時間放置する必要はないので、好ましくは10分間〜24時間である。反応の際の濃度は、希薄すぎると反応の効率が悪く、濃すぎると反応の制御が難しくなるので、約0.01wt%〜溶解する最大濃度の範囲で適宜選択すればよく、通常は、0.1wt%〜30wt%の範囲である。Wittig反応については、“オルガニック リアクションズ(Organic Reactions)”,第14巻,270−490頁,ジョンワイリー アンド サンズ(John Wiley&Sons,Inc.),1965年等に記載されている。また、Knoevenagel,Wittig,脱ハロゲン化水素反応については、マクロモレキュラー ケミストリー マクロモレキュラー シンポジウム(Makromol.Chem.,Macromol.Symp.),第12巻,229頁(1987年)に記載されている。
Heck反応の場合は、パラジウム触媒を用い、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、モノマーを反応させる。N、N−ジメチルホルムアミドやN−メチルピロリドンなどの比較的沸点の高い溶媒を用い、反応温度は、80〜160℃程度、反応時間は、1時間から100時間程度である。Heck反応については、例えば、ポリマー(Polymer),第39巻,5241−5244頁(1998年)に記載されている。
Sonogashira反応の場合は、一般的には、パラジウム触媒およびヨウ化第一銅を用い、トリエチルアミンなどの塩基の存在下で、N、N−ジメチルホルムアミド、アミン系溶媒またはエーテル系溶媒などを用いて、モノマーを反応させる。反応条件やモノマーの重合可能な置換基の反応性によるが、通常反応温度は−50〜120℃程度、反応時間は1時間から100時間程度である。Sonogashira反応については、例えば、Tetrahedron Letters,第40巻,3347−3350頁(1999年)、Tetrahedron Letters,第16巻,4467−4470頁(1975年)に記載されている。
Suzuki反応の場合は、触媒として、例えばパラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類などを用い、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウム等の無機塩基、トリエチルアミン等の有機塩基、フッ化セシウムなどの無機塩をモノマーに対して当量以上、好ましくは1〜10当量加えて反応させる。無機塩を水溶液として、2相系で反応させてもよい。溶媒としては、 N、N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどが例示される。溶媒にもよるが50〜160℃程度の温度が好適に用いられる。溶媒の沸点近くまで昇温し、環流させてもよい。反応時間は1時間から200時間程度である。
Suzuki反応については、例えば、ケミカル レビュー(Chem.Rev.),第95巻,2457頁(1995年)に記載されている。
ゼロ価ニッケル錯体を用いる場合について説明する。ゼロ価ニッケル錯体として、ゼロ価ニッケル錯体を使う方法と、ニッケル塩を還元剤の存在下で反応させ、系内でゼロ価ニッケルを生成させる方法がある。
ゼロ価ニッケル錯体としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(エチレン)ビス(トリフェニルホスフィン)ニッケル(0)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)ニッケルなどが例示され、中でも、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)が、汎用性で安価という観点で好ましい。
また、中性配位子を添加することが、収率向上の観点から好ましい。
ここに、中性配位子とは、アニオンやカチオンを有していない配位子であり、2,2’−ビピリジル、1,10−フェナントロリン、メチレンビスオキサゾリン、N,N‘−テトラメチルエチレンジアミン等の含窒素配位子;トリフェニルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェノキシホスフィン等の第三ホスフィン配位子などが例示され、汎用性、安価の点で含窒素配位子が好ましく、2,2’−ビピリジルが高反応性、高収率の点で特に好ましい。 特に、重合体の収率向上の点から、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)を含む系に中性配位子として2,2’−ビピリジルを加えた系が好ましい。系内でゼロ価ニッケルを生成させる方法においては、ニッケル塩として塩化ニッケル、酢酸ニッケル等が挙げられる。還元剤としては、亜鉛,水素化ナトリウム,ヒドラジンおよびその誘導体、リチウムアルミニウムハイドライドなどが上げられ、必要に応じて添加物として、よう化アンモニウム、よう化リチウム、よう化カリウム等が用いられる。
本発明の製造方法の中で、 Y、Y2、3、4、5、6、7、8、9、およびY10がそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基またはアリールアルキルスルホネート基であり、ニッケルゼロ価錯体存在下で縮合重合する製造方法が好ましい。
原料化合物としては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物、ビス(アリールアルキルスルホネート)化合物あるいはハロゲン−アルキルスルホネート化合物、ハロゲン−アリールスルホネート化合物、ハロゲン−アリールアルキルスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールスルホネート化合物、アルキルスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物、アリールスルホネート−アリールアルキルスルホネート化合物が挙げられる。
また、本発明の製造方法の中で、Y、Y2、3、4、5、6、7、8、9、およびY10がそれぞれ独立にハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基、アリールアルキルスルホネート基、ホウ酸基、またはホウ酸エステル基であり、ハロゲン原子、アルキルスルホネート基、アリールスルホネート基およびアリールアルキルスルホネート基のモル数の合計(J)と、ホウ酸基およびホウ酸エステル基のモル数の合計(K)の比が実質的に1(通常 K/J は0.7〜1.2の範囲)であり、ニッケル触媒またはパラジウム触媒を用いて縮合重合する製造方法が好ましい。
具体的な原料化合物の組み合わせとしては、ジハロゲン化化合物、ビス(アルキルスルホネート)化合物、ビス(アリールスルホネート)化合物またはビス(アリールアルキルスルホネート)化合物とジホウ酸化合物またはジホウ酸エステル化合物との組み合わせが挙げられる。
また、ハロゲン−ホウ酸化合物、ハロゲン−ホウ酸エステル化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールスルホネート−ホウ酸化合物、アリールスルホネート−ホウ酸エステル化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸化合物、アリールアルキルスルホネート−ホウ酸エステル化合物挙げられる。
有機溶媒としては、用いる化合物や反応によっても異なるが、一般に副反応を抑制するために、用いる溶媒は十分に脱酸素処理を施し、不活性雰囲気化で反応を進行させることが好ましい。また、同様に脱水処理を行うことが好ましい。但し、Suzukiカップリング反応のような水との2相系での反応の場合にはその限りではない。
反応させるために適宜アルカリや適当な触媒を添加する。これらは用いる反応に応じて選択すればよい。該アルカリまたは触媒は、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリまたは触媒を混合する方法としては、反応液をアルゴンや窒素などの不活性雰囲気下で攪拌しながらゆっくりとアルカリまたは触媒の溶液を添加するか、逆にアルカリまたは触媒の溶液に反応液をゆっくりと添加する方法が例示される。
重合時間は、重合の種類にもよるが、通常5分間〜200時間程度であるが、製造コストの点から、10時間以内が好ましい。
重合温度は、重合の種類にもよるが、通常−50〜160℃程度であるが、高収率、低下熱の点から、20〜100℃が好ましい。
本発明の高分子化合物を高分子LED等に用いる場合、その純度が発光特性等の素子の性能に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製したのちに重合することが好ましい。また重合後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
次に本発明の高分子化合物の用途について説明する。
本発明の高分子化合物は、通常、固体状態で蛍光または燐光を有し、高分子発光体(高分子量の発光材料)として用いることができる。該高分子発光体を用いた高分子LEDは低電圧、高効率で駆動できる高性能の高分子LEDである。従って、該高分子LEDは液晶ディスプレイのバックライト、または照明用としての曲面状や平面状の光源、セグメントタイプの表示素子、ドットマトリックスのフラットパネルディスプレイ等の装置に好ましく使用できる。
また、本発明の高分子化合物はレーザー用色素、有機太陽電池用材料、有機トランジスタ用の有機半導体、導電性薄膜、有機半導体薄膜などの伝導性薄膜用材料としても用いることができる。
さらに、蛍光や燐光を発する発光性薄膜材料としても用いることができる。
次に、本発明の高分子LEDについて説明する。
本発明の高分子LEDは、陽極および陰極からなる電極間に、本発明の高分子化合物を含む層を有することを特徴とする。
本発明の高分子化合物を含む層は、発光層、正孔輸送層、電子輸送層等のいずれであってもよいが、発光層であることが好ましい。
ここに、発光層とは、発光する機能を有する層をいい、正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する層をいい、電子輸送層とは、電子を輸送する機能を有する層をいう。なお、電子輸送層と正孔輸送層を総称して電荷輸送層と呼ぶ。発光層、正孔輸送層、電子輸送層は、それぞれ独立に2層以上用いてもよい。
本発明の高分子化合物を含む層が発光層である場合、発光層がさらに正孔輸送材料、電子輸送材料または発光材料を含んでいてもよい。ここで、発光材料とは、蛍光および/または燐光を示す材料のことをさす。
本発明の高分子化合物と正孔輸送材料と混合する場合には、その混合物全体に対して、正孔輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子材料と電子輸送性材料を混合する場合には、その混合物全体に対して電子輸送性材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。さらに、本発明の高分子化合物と発光材料を混合する場合にはその混合物全体に対して発光材料の混合割合は1wt%〜80wt%であり、好ましくは5wt%〜60wt%である。本発明の高分子化合物と発光材料、正孔輸送性材料および/または電子輸送性材料を混合する場合にはその混合物全体に対して発光材料の混合割合は1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、正孔輸送性材料と電子輸送性材料はそれらの合計で1wt%〜50wt%であり、好ましくは5wt%〜40wt%であり、本発明の高分子化合物の含有量は99wt%〜20wt%である。
混合する正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料は公知の低分子化合物や高分子化合物が使用できるが、高分子化合物を用いることが好ましい。 高分子化合物の正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料としては、WO99/13692、WO99/48160、GB2340304A、WO00/53656、WO01/19834、WO00/55927、GB2348316、WO00/46321、WO00/06665、WO99/54943、WO99/54385、US5777070、WO98/06773、WO97/05184、WO00/35987、WO00/53655、WO01/34722、WO99/24526、WO00/22027、WO00/22026、WO98/27136、US573636、WO98/21262、US5741921、WO97/09394、WO96/29356、WO96/10617、EP0707020、WO95/07955、特開平2001−181618、特開平2001−123156、特開平2001−3045、特開平2000−351967、特開平2000−303066、特開平2000−299189、特開平2000−252065、特開平2000−136379、特開平2000−104057、特開平2000−80167、特開平10−324870、特開平10−114891、特開平9−111233、特開平9−45478等に開示されているポリフルオレン、その誘導体および共重合体、ポリアリーレン、その誘導体および共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体および共重合体、芳香族アミンおよびその誘導体の(共)重合体が例示される。
低分子化合物の蛍光性材料としては、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセンもしくはその誘導体、ペリレンもしくはその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系などの色素類、8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエンもしくはその誘導体、またはテトラフェニルブタジエンもしくはその誘導体などを用いることができる。
具体的には、例えば特開昭57−51781号、同59−194393号公報に記載されているもの等、公知のものが使用可能である。
低分子化合物の燐光材料としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3、Btp2Ir(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phen等の三重項発光錯体が挙げられる。
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650
Figure 2009155650

三重項発光錯体として具体的には、例えばNature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light-Emitting Materials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999), 99(2), 1361、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852 、Jpn.J.Appl.Phys.,34, 1883 (1995)などに記載されている。
本発明の組成物は、正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物とを含有し、発光材料や電荷輸送材料として用いることができる。本発明の組成物は、本発明の高分子化合物を2種以上含有していてもよい。
その正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と本発明の高分子化合物の含有比率は、用途に応じて決めればよいが、発光材料の用途の場合は、上記の発光層におけると同じ含有比率が好ましい。
本発明の高分子LEDが有する発光層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
発光層の形成方法としては、例えば、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
印刷法等で用いるインク組成物としては、少なくとも1種類の本発明の高分子化合物が含有されていればよく、また本発明の高分子化合物以外に正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料、溶媒、安定剤などの添加剤を含んでいてもよい。
該インク組成物中における本発明の高分子化合物の割合は、溶媒を除いた組成物の全重量に対して20wt%〜100wt%であり、好ましくは40wt%〜100wt%である。
またインク組成物中に溶媒が含まれる場合の溶媒の割合は、組成物の全重量に対して1wt%〜99.9wt%であり、好ましくは60wt%〜99.5wt%であり、さらに好ましく80wt%〜99.0wt%である。
インク組成物の粘度は印刷法によって異なるが、インクジェットプリント法などインク組成物中が吐出装置を経由するもの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために粘度が25℃において1〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。
インク組成物として用いる溶媒としては特に制限はないが、該インク組成物を構成する溶媒以外の材料を溶解または均一に分散できるものが好ましい。該インク組成物を構成する材料が非極性溶媒に可溶なものである場合に、該溶媒としてクロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
また、本発明の高分子LEDとしては、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設けた高分子LED、陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED、陰極と発光層との間に、電子輸送層を設け、かつ陽極と発光層との間に、正孔輸送層を設けた高分子LED等が挙げられる。
例えば、具体的には、以下のa)〜d)の構造が例示される。
a)陽極/発光層/陰極
b)陽極/正孔輸送層/発光層/陰極
c)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(ここで、/は各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
本発明の高分子LEDが正孔輸送層を有する場合、使用される正孔輸送性材料としては、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリピロールもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体などが例示される。
具体的には、該正孔輸送性材料として、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらの中で、正孔輸送層に用いる正孔輸送性材料として、ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミン化合物基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、またはポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体等の高分子正孔輸送性材料が好ましく、さらに好ましくはポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体、ポリシランもしくはその誘導体、側鎖もしくは主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体である。
また、低分子化合物の正孔輸送性材料としてはピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体が例示される。低分子の正孔輸送性材料の場合には、高分子バインダーに分散させて用いることが好ましい。
混合する高分子バインダーとしては、電荷輸送を極度に阻害しないものが好ましく、また可視光に対する吸収が強くないものが好適に用いられる。該高分子バインダーとして、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)もしくはその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリシロキサン等が例示される。
ポリビニルカルバゾールもしくはその誘導体は、例えばビニルモノマーからカチオン重合またはラジカル重合によって得られる。
ポリシランもしくはその誘導体としては、ケミカル・レビュー(Chem.Rev.)第89巻、1359頁(1989年)、英国特許GB2300196号公開明細書に記載の化合物等が例示される。合成方法もこれらに記載の方法を用いることができるが、特にキッピング法が好適に用いられる。
ポリシロキサンもしくはその誘導体は、シロキサン骨格構造には正孔輸送性がほとんどないので、側鎖または主鎖に上記低分子正孔輸送性材料の構造を有するものが好適に用いられる。特に正孔輸送性の芳香族アミンを側鎖または主鎖に有するものが例示される。
正孔輸送層の成膜の方法に制限はないが、低分子正孔輸送性材料では、高分子バインダーとの混合溶液からの成膜による方法が例示される。また、高分子正孔輸送性材料では、溶液からの成膜による方法が例示される。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、正孔輸送性材料を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
溶液からの成膜方法としては、溶液からのスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
正孔輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該正孔輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
本発明の高分子LEDが電子輸送層を有する場合、使用される電子輸送性材料としては公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンもしくはその誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、ナフトキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタンもしくはその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレンもしくはその誘導体、ジフェノキノン誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体等が例示される。
具体的には、特開昭63−70257号公報、同63−175860号公報、特開平2−135359号公報、同2−135361号公報、同2−209988号公報、同3−37992号公報、同3−152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノンもしくはその誘導体、アントラキノンもしくはその誘導体、または8−ヒドロキシキノリンもしくはその誘導体の金属錯体、ポリキノリンもしくはその誘導体、ポリキノキサリンもしくはその誘導体、ポリフルオレンもしくはその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層の成膜法としては特に制限はないが、低分子電子輸送性材料では、粉末からの真空蒸着法、または溶液もしくは溶融状態からの成膜による方法が、高分子電子輸送材料では溶液または溶融状態からの成膜による方法がそれぞれ例示される。溶液または溶融状態からの成膜時には、上記の高分子バインダーを併用してもよい。
溶液からの成膜に用いる溶媒としては、電子輸送材料および/または高分子バインダーを溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒として、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン等の塩素系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒が例示される。
溶液または溶融状態からの成膜方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法を用いることができる。
電子輸送層の膜厚としては、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧と発光効率が適度な値となるように選択すればよいが、少なくともピンホールが発生しないような厚さが必要であり、あまり厚いと、素子の駆動電圧が高くなり好ましくない。従って、該電子輸送層の膜厚としては、例えば1nmから1μmであり、好ましくは2nm〜500nmであり、さらに好ましくは5nm〜200nmである。
また、電極に隣接して設けた電荷輸送層のうち、電極からの電荷注入効率を改善する機能を有し、素子の駆動電圧を下げる効果を有するものは、特に電荷注入層(正孔注入層、電子注入層)と一般に呼ばれることがある。
さらに電極との密着性向上や電極からの電荷注入の改善のために、電極に隣接して前記の電荷注入層又は膜厚2nm以下の絶縁層を設けてもよく、また、界面の密着性向上や混合の防止等のために電荷輸送層や発光層の界面に薄いバッファー層を挿入してもよい。
積層する層の順番や数、および各層の厚さについては、発光効率や素子寿命を勘案して適宜用いることができる。
本発明において、電荷注入層(電子注入層、正孔注入層)を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LED、陽極に隣接して電荷注入層を設けた高分子LEDが挙げられる。
例えば、具体的には、以下のe)〜p)の構造が挙げられる。
e)陽極/電荷注入層/発光層/陰極
f)陽極/発光層/電荷注入層/陰極
g)陽極/電荷注入層/発光層/電荷注入層/陰極
h)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/陰極
i)陽極/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
j)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電荷注入層/陰極
k)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/陰極
l)陽極/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
m)陽極/電荷注入層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
n)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
o)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
p)陽極/電荷注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電荷注入層/陰極
電荷注入層の具体的な例としては、導電性高分子を含む層、陽極と正孔輸送層との間に設けられ、陽極材料と正孔輸送層に含まれる正孔輸送性材料との中間の値のイオン化ポテンシャルを有する材料を含む層、陰極と電子輸送層との間に設けられ、陰極材料と電子輸送層に含まれる電子輸送性材料との中間の値の電子親和力を有する材料を含む層などが例示される。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102以下がより好ましく、10-5S/cm以上101以下がさらに好ましい。
上記電荷注入層が導電性高分子を含む層の場合、該導電性高分子の電気伝導度は、10-5S/cm以上103S/cm以下であることが好ましく、発光画素間のリーク電流を小さくするためには、10-5S/cm以上102S/cm以下がより好ましく、10-5S/cm以上101S/cm以下がさらに好ましい。
通常は該導電性高分子の電気伝導度を10-5S/cm以上103以下とするために、該導電性高分子に適量のイオンをドープする。
ドープするイオンの種類は、正孔注入層であればアニオン、電子注入層であればカチオンである。アニオンの例としては、ポリスチレンスルホン酸イオン、アルキルベンゼンスルホン酸イオン、樟脳スルホン酸イオンなどが例示され、カチオンの例としては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオンなどが例示される。
電荷注入層の膜厚としては、例えば1nm〜100nmであり、2nm〜50nmが好ましい。
電荷注入層に用いる材料は、電極や隣接する層の材料との関係で適宜選択すればよく、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、芳香族アミン構造を主鎖または側鎖に含む重合体などの導電性高分子、金属フタロシアニン(銅フタロシアニンなど)、カーボンなどが例示される。
膜厚2nm以下の絶縁層は電荷注入を容易にする機能を有するものである。上記絶縁層の材料としては、金属フッ化物、金属酸化物、有機絶縁材料等が挙げられる。膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDとしては、陰極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LED、陽極に隣接して膜厚2nm以下の絶縁層を設けた高分子LEDが挙げられる。
具体的には、例えば、以下のq)〜ab)の構造が挙げられる。
q)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/陰極
r)陽極/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
s)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
t)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/陰極
u)陽極/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
v)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
w)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/陰極
x)陽極/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
y)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
z)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
aa)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
ab)陽極/膜厚2nm以下の絶縁層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/膜厚2nm以下の絶縁層/陰極
本発明の高分子LEDを形成する基板は、電極を形成し、有機物の層を形成する際に変化しないものであればよく、例えばガラス、プラスチック、高分子フィルム、シリコン基板などが例示される。不透明な基板の場合には、反対の電極が透明または半透明であることが好ましい。
通常は、本発明の高分子LEDが有する陽極および陰極の少なくとも一方が透明または半透明である。陽極側が透明または半透明であることが好ましい。
該陽極の材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作成された膜(NESAなど)や、金、白金、銀、銅等が用いられ、ITO、インジウム・亜鉛・オキサイド、酸化スズが好ましい。作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。また、該陽極として、ポリアニリンもしくはその誘導体、ポリチオフェンもしくはその誘導体などの有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
また、陽極上に、電荷注入を容易にするために、フタロシアニン誘導体、導電性高分子、カーボンなどからなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよい。
本発明の高分子LEDで用いる陰極の材料としては、仕事関数の小さい材料が好ましい。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウムなどの金属、およびそれらのうち2つ以上の合金、あるいはそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイトまたはグラファイト層間化合物等が用いられる。合金の例としては、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金などが挙げられる。陰極を2層以上の積層構造としてもよい。
陰極の膜厚は、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜選択することができるが、例えば10nmから10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、また金属薄膜を熱圧着するラミネート法等が用いられる。また、陰極と有機物層との間に、導電性高分子からなる層、あるいは金属酸化物や金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる平均膜厚2nm以下の層を設けてもよく、陰極作製後、該高分子LEDを保護する保護層を装着していてもよい。該高分子LEDを長期安定的に用いるためには、素子を外部から保護するために、保護層および/または保護カバーを装着することが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物などを用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板などを用いることができ、該カバーを熱効果樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて空間を維持すれば、素子がキズつくのを防ぐことが容易である。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを封入すれば、陰極の酸化を防止することができ、さらに酸化バリウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で吸着した水分が素子にタメージを与えるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
本発明の高分子LEDは面状光源、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置、液晶表示装置のバックライトとして用いることができる。
本発明の高分子LEDを用いて面状の発光を得るためには、面状の陽極と陰極が重なり合うように配置すればよい。また、パターン状の発光を得るためには、前記面状の発光素子の表面にパターン状の窓を設けたマスクを設置する方法、非発光部の有機物層を極端に厚く形成し実質的に非発光とする方法、陽極または陰極のいずれか一方、または両方の電極をパターン状に形成する方法がある。これらのいずれかの方法でパターンを形成し、いくつかの電極を独立にOn/OFFできるように配置することにより、数字や文字、簡単な記号などを表示できるセグメントタイプの表示素子が得られる。更に、ドットマトリックス素子とするためには、陽極と陰極をともにストライプ状に形成して直交するように配置すればよい。複数の種類の発光色の異なる高分子蛍光体を塗り分ける方法や、カラーフィルターまたは蛍光変換フィルターを用いる方法により、部分カラー表示、マルチカラー表示が可能となる。ドットマトリックス素子は、パッシブ駆動も可能であるし、TFTなどと組み合わせてアクティブ駆動してもよい。これらの表示素子は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダーなどの表示装置として用いることができる。
さらに、前記面状の発光素子は、自発光薄型であり、液晶表示装置のバックライト用の面状光源、あるいは面状の照明用光源として好適に用いることができる。また、フレキシブルな基板を用いれば、曲面状の光源や表示装置としても使用できる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ここで、数平均分子量については、クロロホルムを溶媒として、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算の数平均分子量を求めた。

合成例1 (化合物Aの合成)
Figure 2009155650

化合物A
不活性雰囲気下1lの四つ口フラスコに2,8−ジブロモジベンゾチオフェン 7gとTHF 280mlを入れ、室温で撹拌、溶かした後、−78℃まで冷却した。n−ブチルリチウム 29ml(1.6モルヘキサン溶液)を滴下した。滴下終了後、温度を保持したまま2時間撹拌し、トリメトキシボロン酸 13gを滴下した。滴下終了後、ゆっくり室温まで戻した。3時間室温で撹拌後、TLCで原料の消失を確認した。5%硫酸 100mlを加えて反応を終了させ、室温で12時間撹拌した。水を加えて洗浄し、有機層を抽出した。溶媒を酢酸エチルに置換した後、30%過酸化水素水 5mlを加え、40℃で5時間撹拌した。その後有機層を抽出し、10%硫酸アンモニウム鉄(II)水溶液で洗浄後乾燥、溶媒を除去することにより、茶色の固体 4.43gを得た。LC−MS測定からは二量体などの副生成物も生成しており、化合物Aの純度は77%であった(LC面百)。
MS(APCI(−)):(M−H)- 215
合成例2 (化合物Bの合成)
Figure 2009155650

化合物B
不活性雰囲気下で200mlの三つ口フラスコに化合物A 4.43gと臭化n−オクチル 25.1g、および炭酸カリウム 12.5g(23.5mmol)を入れ、溶媒としてメチルイソブチルケトン 50mlを加えて125℃で6時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を除き、クロロホルムと水で分離、有機層を抽出し、さらに水で2回洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、シリカゲルカラム(展開溶媒:トルエン/シクロヘキサン=1/10)で精製することにより、8.49g(LC面百97%、収率94%)の化合物Bを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.91(t、6H)、1.31〜1.90(m、24H)、4.08(t、4H)、7.07(dd、2H)、7.55(d、2H)、7.68(d、2H)
合成例3 (化合物Cの合成)
Figure 2009155650
化合物C
100ml三つ口フラスコに化合物B 6.67gと酢酸 40mlを入れ、オイルバスでバス温度140℃まで昇温した。続いて、30%過酸化水素水 13mlを冷却管から加え、1時間強く撹拌した後、冷水180mlに注いで反応を終了させた。クロロホルムで抽出、乾燥後溶媒を除去することによって、6.96g(LC面百90%、収率97%)の化合物Cを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.90(t、6H)、1.26〜1.87(m、24H)、4.06(t、4H)、7.19(dd、2H)、7.69(d、2H)、7.84(d、2H)
MS(APCI(+)):(M+H)+ 473
合成例4 (化合物Dの合成)

Figure 2009155650

化合物D
不活性雰囲気下200ml四つ口フラスコに化合物C 3.96gと酢酸/クロロホルム=1:1混合液 15mlを加え、70℃で撹拌し、溶解させた。続いて、臭素 6.02gを上記の溶媒 3mlに溶かして加え、3時間撹拌した。チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えて未反応の臭素を除き、クロロホルムと水で分離、有機層を抽出、乾燥した。溶媒を除去し、シリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/4)で精製することにより、4.46g(LC面百98%、収率84%)の化合物Dを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.95(t、6H)、1.30〜1.99(m、24H)、4.19(t、4H)、7.04(s、2H)、7.89(s、2H)

MS(FD)M 630

合成例5(化合物Eの合成)
Figure 2009155650

化合物E
不活性雰囲気下200ml三つ口フラスコに化合物D 3.9gとジエチルエーテル 50mlを入れ、40℃まで昇温、撹拌した。水素化アルミニウムリチウム 1.17gを少量ずつ加え、5時間反応させた。水を少量ずつ加えることによって過剰な水素化アルミニウムリチウムを分解し、36%塩酸 5.7mlで洗浄した。クロロホルム、水で分離、有機層を抽出後乾燥した。シリカゲルカラム(展開溶媒:クロロホルム/ヘキサン=1/5)で精製することにより、1.8g(LC面百99%、収率49%)の化合物Eを得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.90(t、6H)、1.26〜1.97(m、24H)、4.15(t、4H)、7.45(s、2H)、7.94(s、2H)
MS(FD+)M+ 598
MS(APCI(+))法によれば、615、598にピークが検出された。

合成例6
<高分子化合物1の合成>
2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(26g、0.047mol)、2,7−ジブロモ−9,9−ジイソペンチルフルオレン(5.6g、0.012mol)および2,2’−ビピリジル(22g、0.141mol)を脱水したテトラヒドロフラン1600mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(40g、0.15mol)加え、60℃まで昇温し、8時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水200mL/メタノール1200mL/イオン交換水1200mL混合溶液中に滴下して30分間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して風乾した。その後、トルエン1100mLに溶解させてからろ過を行い、ろ液をメタノール3300mLに滴下して30分間攪拌した。析出した沈殿をろ過し、メタノール1000mLで洗浄した後、5時間減圧乾燥した。得られた共重合体の収量は20gであった(以後、高分子化合物1と呼ぶ)。高分子化合物1のポリスチレン換算の平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=4.6×104、Mw=1.1×105であった。
合成例7
<高分子化合物2の合成>
2,7−ジブロモ−9,9−ジオクチルフルオレン(5.8g、0.0105mol)、N,N’−ビス(4−ブロモフェニル)−N,N’−ビス(4−n−ブチルフェニル)−1,4−フェニレンジアミン(3.1g、0.0045mmol)および2,2’−ビピリジル(6.6g)を脱水したテトラヒドロフラン20mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)2}(12.0g)加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水50mL/メタノール約200mL/イオン交換水約300mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン約350mLに溶解させた。その後、1N塩酸約200mLを加えて1時間攪拌し、水層の除去して有機層に4%アンモニア水約200mLを加え、1時間攪拌した後に水層を除去した。有機層にイオン交換水約200mLを加え攪拌した後水層を除去した。有機層はメタノール約700mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン約350mLに溶解させた。その後、アルミナカラムを通して精製を行い、回収したトルエン溶液をメタノール約700mlに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた共重合体(以後、高分子化合物2と呼ぶ)の収量は3.5gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=3.4×104、Mw=5.4×104であった。
実施例1
<化合物Fの合成>
Figure 2009155650
化合物F

不活性雰囲気下、1L三つ口フラスコにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム1.68g(1.83mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン1.52g(2.74mmol)、ナトリウムターシャルブトキシド17.6g(183mmol)およびトルエン430mLを入れ、室温で10分間撹拌した。続いて、アニリンを加えてさらに10分間撹拌した。その後、80℃に昇温し、1−ブロモ−4‐ブチルベンゼン13g(61mmol)をトルエン50mLに溶かして滴下し、滴下終了後、125℃まで昇温した。2時間後、室温まで冷却し、1Nの塩酸で洗浄、有機層を抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムおよび溶媒を除去後、トルエン:シクロヘキサン=1:5混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、目的とする化合物Fを5.39g(収率25%)得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.94(t、6H)、1.31〜1.43(m、4H)、1.51〜1.64(m、4H)、2.56(t、4H)、6.90〜7.06(m、7H)、7.16〜7.24(m、6H)
MS(APCI(+))(M+H)+ 358
<化合物Gの合成>
Figure 2009155650
化合物G

化合物F5.39g(15mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)130mLに溶解させた。その後、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)2.63g(14.8mmol)をDMF65mLに溶かし、室温で滴下した。滴下終了後、24時間撹拌し、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えることによって反応を終了させた。トルエンと水で分離、有機層を抽出後、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムと溶媒を除去することによって、目的とする化合物Gを6.05g(収率92%)得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.93(t、6H)、1.30〜1.43(m、4H)、1.53〜1.64(m、4H)、2.56(t、4H)、6.91(d、4H)、6.95(d、2H)、7.01(d、4H)、7.27(d、2H)
<化合物Hの合成>
Figure 2009155650
化合物H

不活性雰囲気下、500mL三つ口フラスコにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.69g(0.76mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン0.63g(1.13mmol)、およびトルエン180mLを入れ、室温で10分間撹拌した。続いて、化合物G 11g(25.2mmol)を入れ、さらに室温で10分間撹拌した。
その後、N,N−ジフェニルフェニレンジアミン13.1g(50.4mmol)及びナトリウムターシャルブトキシド14.5g(151mmol)を入れ、125℃まで昇温、8時間還流させた。反応終了後、1Nの塩酸で洗浄、有機層を抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムおよび溶媒を除去後、トルエン:ヘキサン=5:1混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、目的とする化合物Hを8.84g(収率57%)得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.93(t、6H)、1.30〜1.42(m、4H)、1.51〜1.64(m、4H)、2.55(t、4H)、6.98〜7.34(br、27H)
<化合物Jの合成>
Figure 2009155650
化合物J

不活性雰囲気下、200mL三つ口フラスコにトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.11g(0.12mmol)、ジフェニルホスフィノフェロセン0.10g(0.18mmol)、ナトリウムターシャルブトキシド2.34g(24.4mmol)、およびトルエン60mLを入れ、室温で10分間撹拌した。続いて、化合物H 5g(8.12mmol)を入れ、さらに室温で10分間撹拌した。その後、1−ブロモ−4‐ブチルベンゼン1.73g(8.12mmol)を入れ、125℃まで昇温、11.5時間還流させた。反応終了後、1Nの塩酸で洗浄、有機層を抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。硫酸ナトリウムおよび溶媒を除去後、トルエン:シクロヘキサン=1:5混合溶媒を展開溶媒とするシリカゲルカラムで精製することにより、目的とする化合物Jを4.50g(収率74%)得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.93(t、9H)、1.30〜1.43(m、6H)、1.52〜1.64(m、6H)、2.56(br、6H)、6.95〜7.28(br、30H)
<化合物Kの合成>
Figure 2009155650
化合物K

化合物J4.5g(6.02mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)50mLに溶解させた。その後、N−ブロモコハク酸イミド(NBS)2.10g(11.8mmol)をDMF50mLに溶かし、室温で滴下した。滴下終了後、24時間撹拌し、チオ硫酸ナトリウム水溶液を加えることによって反応を終了させた。500mLの水に注いで洗浄し、ろ過することによって目的とする化合物Kを5.10g(収率94%)得た。
1H−NMR(300MHz/CDCl3):
δ0.94(t、9H)、1.34〜1.41(br、6H)、1.52〜1.64(br、6H)、2.56(br、6H)、6.42(d、4H)、6.87〜7.41(br、24H)
MS(APCI(+))(M+H)+ 906
<高分子化合物3の合成>
前記化合物E 0.63g(1.05mmol) 上記化合物K 0.41g (0.45mmol)および2,2’−ビピリジル0.55gを脱水したテトラヒドロフラン45mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}1.0gを加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水10mL/メタノール約100mL/イオン交換水約200mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン約350mLに溶解させた。その後、1N塩酸約200mLを加えて1時間攪拌し、水層の除去して有機層に2%アンモニア水約200mLを加え、1時間攪拌した後に水層を除去した。有機層にイオン交換水約200mLを加え攪拌した後水層を除去した。その後、アルミナカラムを通して精製を行い、回収したトルエン溶液をメタノール約700mlに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた共重合体(以後、高分子化合物3と呼ぶ)の収量は0.4gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=2.3×104、Mw=8.8×104であった。
実施例2
<化合物Lの合成>

Figure 2009155650

化合物L

三つ口フラスコに4−n−ブチルアニリン63.4g(0.425mol)、ブロモベンゼン63.4g(0.404mol)をトルエン425mlに溶解した。これにナトリウムブトキシド102.1g(1.06mol)を加え、窒素置換した。そこにトリスジベンジリデンアセトン0.92g、トリ-tert-ブチルフェニルホスフィン0.82gを仕込み、還流条件下5時間反応させた。 放冷後、トルエン1200mlを加え、2分割してそれぞれ水900mlで4回洗浄し、有機層を併せて、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し黒色油状物を得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/クロロホルム=7/3)で分離精製し、目的物を得た(収量68.2g、収率73.8%)。
1H−NMR(270MHz/CDCl3):
δ0.91(t、3H)、1.35(m、4H)、1.56(m、4H)、2.53(t、2H)、5.40(s、1H)、6.83〜7.21(m、9H)。
LC/ESI(+) m/z=226
<化合物Mの合成>

Figure 2009155650

化合物M

三つ口フラスコに化合物L6.76g(30.0mmol)、TPA6.20g(13.5mmol)ををトルエン30mlに溶解した。これにナトリウムブトキシド7.21g水(75.0mmol)を加え、窒素置換した。そこにトリスジベンジリデンアセトン0.06g、トリ-tert-ブチルフェニルホスフィン0.05gを仕込み、還流条件下5時間反応させた。

Figure 2009155650

TPA

放冷後、トルエン200mlを加え、水100mlで3回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去し褐色結晶を得た。これをヘキサンで再結晶して目的物を得た(収量8.00g、収率75.6%)。
FD MS m/z=748
化合物Nの合成

Figure 2009155650

化合物N
三つ口フラスコに化合物M3.74g(5.0mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド400mlに分散させ、クロロホルム10mlを加えた。そのスラリーを30℃に保温しながら、N−ブロモスクシンイミド1.87g(10.5mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド8mlに溶解した溶液を遮光しながら1時間かけて滴下した。その後自然冷却しながら19時間反応させた。反応後、析出した結晶を濾別し、得られた結晶をN,N−ジメチルホルムアミド200mlで2回洗浄した。乾燥後目的物を得た。
(収量2.50g、収率55.2%)。
FD MS m/z=905
<高分子化合物4の合成>
前記化合物E 0.42g (0.7mmol)、 上記化合物N 0.27g(0.3mmol)および2,2’−ビピリジル0.39gを脱水したテトラヒドロフラン28mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}0.69gを加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水14mL/メタノール約170mL/イオン交換水約70mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン約40mLに溶解させた。その後、1N塩酸約40mLを加えて1時間攪拌し、水層の除去して有機層に2%アンモニア水約40mLを加え、1時間攪拌した後に水層を除去した。有機層にイオン交換水約40mLを加え攪拌した後水層を除去した。メタノール約200mL有機層を滴下、沈殿を回収し減圧乾燥した。
その後、トルエン40mLに溶かし、アルミナカラムを通して精製を行い、回収したトルエン溶液をメタノール約280mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた共重合体(以後、高分子化合物4と呼ぶ)の収量は0.4gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=1.9×10、Mw=6.4×10であった。
実施例3
<化合物Oの合成>

Figure 2009155650

アルゴン雰囲気下、1−ブロモ−4−t−ブチル−2,6−ジメチルベンゼン 19.5g (80.9mmol)にt−ブトキシナトリウム9.3g (97.0mmol)、Pd2(dba)3 0.7g (0.8mmol)、トリ−t−ブチルホスフィン0.7g(3.2mmol)、アニリン 7.8g (80.9mmol)、トルエン87.8gを加え室温で5分攪拌した後、100℃に昇温し5時間攪拌した。攪拌が終了した後室温に冷却し、トルエン100mL加え室温で1時間攪拌し析出した固体を濾別した。得られた濾液をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにかけた後、減圧濃縮し粗生成物19.7gを得た。粗生成物にメタノール45mLを加え70℃まで昇温し攪拌した後、氷浴で冷却して得られた沈殿を濾取、減圧乾燥し目的物であるN−4−t−ブチル−2,6−ジメチルフェニル−N−フェニルアミンを白色固体として得た(収量15.7g、収率76.4%)。
<化合物Pの合成>

Figure 2009155650
化合物P

アルゴン雰囲気下、1-ブロモ-2,4,6-トリメチルベンゼン 23.6g(118.2mmol)にt-ブトキシナトリウム 13.6g (141.8mmol)、Pd(dba) 0.5g (0.6mmol)、トリ-t-ブチルホスフィン0.5g(2.4mmol)、ジフェニルアミン 20.0g (118.2mmol)、トルエン90.0gを加え室温で5分攪拌した後、100℃に昇温し4時間攪拌した。攪拌が終了した後、室温に冷却し、トルエン300mL加え室温で1時間攪拌し析出した固体を濾別した。得られた濾液を減圧濃縮し粗生成物32.7gを得た。粗生成物にシクロヘキサン105mLを加え70℃まで昇温し攪拌した後、氷浴で冷却して得られた沈殿を濾取、減圧乾燥し目的物であるN-2,4,6-トリメチルフェニル-N-フェニルアミンを白色固体として得た(収量24.
8g、収率72.8%)。
<化合物Qの合成>

Figure 2009155650

化合物Q

アルゴン雰囲気下、化合物P 5.0g(17.4mmol)、クロロホルム250.1gからなる溶液に、臭素5.5g(34.6mmol)を5℃で1時間かけて滴下し、同温で2時間攪拌した。攪拌終了後、水100mLを加え25℃で15分攪拌した後、油層を水層と分液した。さらに、水層にクロロホルム200ccを加え25℃で15分攪拌した後、油層を水層と分液した。上記2回の分液操作で得られた油層を合一し、無水硫酸ナトリウムを加え攪拌した。無水硫酸ナトリウムを濾別し、得られた濾液を減圧濃縮し粗生成物7.8gを得た。粗生成物に2-プロパノール55mLを加え80℃まで昇温し攪拌した後、放冷して得られた沈殿を濾取、減圧乾燥し目的物であるN-2,4,6-トリメチルフェニル-N-フェニルアミンを白色固体として得た(収量6.7g、収率86.2%)。
<化合物Rの合成>
Figure 2009155650

化合物R

不活性雰囲気下で、100mlの3つ口フラスコに脱気した脱水トルエン40mlを入れ、トリ(t−ブチル)ホスフィン0.27gを加えた。続いてトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム0.18g、化合物O 4.3g、t−ブトキシナトリウム2.2g、化合物Q 3.5gを加えた後、100℃で3時間反応させた。
反応液を飽和食塩水300mlに加え、温めたクロロホルム300mlで抽出した。溶媒を留去した後、トルエン50mlを加えて、加熱、放冷した後、沈殿をろ過し、白色の固体5.2gを得た。
<化合物Sの合成>

Figure 2009155650

化合物S

不活性雰囲気下で、1000mlの3つ口フラスコに脱水N,N−ジメチルホルムアミド350mlを入れ、化合物R 5.0gを溶解した後、氷浴下でN−ブロモスクシンイミド2.4g/N,N−ジメチルホルムアミド溶液を滴下し、一昼夜反応させた。
反応液に水150mlを加え、析出した沈殿をろ過し、メタノール50mlで2回洗浄し白色の固体4.4gを得た。
1H−NMR(300MHz/THF−d8):
δ1.3(s,18H)、1.9(s,6H)、2.0(s,12H)、2.2(s,3H)、6.6〜6.7(d,4H)、6.7〜6.8(br,8H)、6.9(s,2H)、7.1(s,4H)、7.1〜7.2(d,4H)
MS(FD+)M+ 947
<高分子化合物5の合成>
前記化合物E 0.48g (0.8mmol)、 上記化合物R 0.19g (0.2mmol)および2,2’−ビピリジル0.33gを脱水したテトラヒドロフラン28mLに溶解した後、窒素でバブリングして系内を窒素置換した。窒素雰囲気下において、この溶液に、ビス(1、5−シクロオクタジエン)ニッケル(0){Ni(COD)}0.58gを加え、60℃まで昇温し、攪拌しながら3時間反応させた。反応後、この反応液を室温(約25℃)まで冷却し、25%アンモニア水14mL/メタノール約170mL/イオン交換水約70mL混合溶液中に滴下して1時間攪拌した後、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥し、トルエン約40mLに溶解させた。その後、1N塩酸約40mLを加えて1時間攪拌し、水層の除去して有機層に2%アンモニア水約40mLを加え、1時間攪拌した後に水層を除去した。有機層にイオン交換水約40mLを加え攪拌した後水層を除去した。メタノール約200mL有機層を滴下、沈殿を回収し減圧乾燥した。その後、トルエン40mLに溶かし、アルミナカラムを通して精製を行い、回収したトルエン溶液をメタノール約280mLに滴下して1時間攪拌し、析出した沈殿をろ過して2時間減圧乾燥させた。得られた共重合体(以後、高分子化合物5と呼ぶ)の収量は0.35gであった。ポリスチレン換算の数平均分子量および重量平均分子量は、それぞれMn=5.2×104、Mw=2.4×104であった。
実施例4
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、BaytronP)を用いてスピンコートにより70nmの厚みで成膜して、ホットプレート上200℃で10分間乾燥した。次に、高分子化合物3と高分子化合物1の5:5(重量比)混合物が1.5wt%となるように調製したトルエン溶液を用いてスピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nmを蒸着し、陰極として、カルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約50nm蒸着して、EL素子を作製した。なお真空度が、1×10-4Pa以下に到達したのち、金属の蒸着を開始した。
得られた素子に電圧を引加することにより、480nmにピークを有するEL発光が得られた。初期輝度を100cd/m2に設定し、輝度の減衰を測定したところ300時間後の輝度は71cd/m2であった。
実施例5
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、BaytronP)を用いてスピンコートにより70nmの厚みで成膜して、ホットプレート上200℃で10分間乾燥した。次に、高分子化合物4と高分子化合物1の3:7(重量比)混合物が1.5wt%となるように調製したトルエン溶液を用いてスピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nmを蒸着し、陰極として、カルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、EL素子を作製した。なお真空度が、1×10-4Pa以下に到達したのち、金属の蒸着を開始した。
得られた素子に電圧を引加することにより、472nmにピークを有するEL発光が得られた。初期輝度を100cd/m2に設定し、輝度の減衰を測定したところ300時間後の輝度は65cd/m2であった。
実施例6
スパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けたガラス基板に、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリスチレンスルホン酸の溶液(バイエル社、BaytronP)を用いてスピンコートにより70nmの厚みで成膜して、ホットプレート上200℃で10分間乾燥した。次に、高分子化合物3と高分子化合物1の5:5(重量比)混合物が1.5wt%となるように調製したトルエン溶液を用いてスピンコートにより1500rpmの回転速度で成膜した。さらに、これを減圧下80℃で1時間乾燥した後、フッ化リチウムを約4nmを蒸着し、陰極として、カルシウムを約5nm、次いでアルミニウムを約80nm蒸着して、EL素子を作製した。なお真空度が、1×10-4Pa以下に到達したのち、金属の蒸着を開始した。
得られた素子に電圧を引加することにより、480nmにピークを有するEL発光が得られた。初期輝度を100cd/m2に設定し、輝度の減衰を測定したところ300時間後の輝度は68cd/m2であった。
比較例1
高分子化合物3の代わりに高分子化合物2を用いて、高分子化合物2と高分子化合物1の3:7(重量比)混合物の1.5wt%トルエン溶液をスピンコートにより1200rpmの回転速度で成膜した以外は実施例4と同様に素子を作製して得た。
得られた素子に電圧を印加することにより464nmにピークを有するEL発光が得られた。また、初期輝度を100cd/m2に設定し、輝度の減衰を測定したところ、輝度の減衰を測定したところ300時間後の輝度は53cd/m2であった。

Claims (22)

  1. 下記式(1)で示される繰り返し単位を含み、ポリスチレン換算の数平均分子量が103〜108であることを特徴とする高分子化合物。
    Figure 2009155650

    〔式中、Ar、Ar、Ar、Ar、Ar、ArおよびArはそれぞれ独立に、アリーレン基または2価の複素環基を表し、EおよびEはそれぞれ独立にアリール基(A)または1価の複素環基(B)を表す。nは2を表し、l、m、n、o、およびpはそれぞれ0を表す。〕
  2. Ar、ArおよびArがそれぞれ独立に、下記式(2)で示される基であることを特徴とする請求項1に記載の高分子化合物。
    Figure 2009155650
    〔式中、Ra、Rb、Rc、およびRdはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基またはシアノ基を表す。qは1〜3の整数を表す。Ra、Rb、Rc、およびRdがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。また、RaとRb、RcとRdはそれぞれ、それらが結合するベンゼン環上の炭素原子と一緒になって芳香環を形成していてもよい。〕
  3. アリール基(A)が、4位に置換基を有するフェニル基、4位に置換基を有する1−ナフチル基、1位に置換基を有する2−ナフチル基、または1位に置換基を有する2−ピレニル基から選ばれる基であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子化合物。
  4. アリール基(A)が、4位と2位に置換基を有するフェニル基、4位と2位に置換基を有する1−ナフチル基、1位と6位に置換基を有する2−ナフチル基、または1位と3位に置換基を有する2−ピレニル基から選ばれる基であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子化合物。
  5. アリール基(A)が、4位、2位および6位に置換基を有するフェニル基、4位、2位および5位に置換基を有する1−ナフチル基、1位、6位および8位に置換基を有する2−ナフチル基、または1位、3位および7位に置換基を有する2−ピレニル基から選ばれる基であることを特徴とする請求項1または2に記載の高分子化合物。
  6. アリール基(A)が、それぞれ独立に下記式(3)で示される基であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の高分子化合物。
    Figure 2009155650
    〔式中、Rは、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、1価の複素環基またはハロゲン原子を表す。rは、0〜5の整数を表す。Rが複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
  7. さらに、下記式(4)、(5)、(6)または(7)で示される繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高分子化合物。

    −Ar13− (4)

    Figure 2009155650
    −Ar16−X− (6)

    −X− (7)

    〔式中、Ar13、Ar14、Ar15、およびAr16はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を示す。X、XおよびXはそれぞれ独立に−CR=CR−、−C≡C−、−N(R)−、または−(SiR)b−を示す。RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、またはシアノ基を示す。R、RおよびRは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアリールアルキル基を示す。aは0〜2の整数を示す。bは1〜12の整数を示す。Ar14、X1、R5およびR6がそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
  8. さらに、下記式(4)または(5)で示される繰り返し単位から選ばれる繰り返し単位を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の高分子化合物。
    −Ar13− (4)

    Figure 2009155650
    〔式中、Ar13、Ar14、およびAr15はそれぞれ独立にアリーレン基、2価の複素環基または金属錯体構造を有する2価の基を示す。X、XおよびXはそれぞれ独立に−N(R)−を示す。Rは、それぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基またはアリールアルキル基を示す。aは0〜2の整数を示す。Ar14、X1、およびRがそれぞれ複数存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよい。〕
  9. 式(4)において、Ar13が2価の複素環基であることを特徴とする請求項8に記載の高分子化合物。
  10. 正孔輸送材料、電子輸送材料および発光材料から選ばれる少なくとも1種類の材料と請求項1〜9のいずれかに記載の高分子化合物の少なくとも1種類を含有することを特徴とする組成物。
  11. 請求項1〜9のいずれかに記載の高分子化合物を含有することを特徴とするインク組成物。
  12. 粘度が25℃において1〜20mpa・sであることを特徴とする請求項11記載のインク組成物。
  13. 請求項1〜9のいずれかに記載の高分子化合物を含有する発光性薄膜。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の高分子化合物を含有する導電性薄膜。
  15. 請求項1〜9のいずれかに記載の高分子化合物を含有する有機半導体薄膜。
  16. 陽極および陰極からなる電極間に、請求項1〜9のいずれかに記載の高分子化合物を含む層を有することを特徴とする高分子発光素子。
  17. 請求項1〜9のいずれかに記載の高分子化合物を含む層が発光層であることを特徴とする請求項16記載の高分子発光素子。
  18. 発光層がさらに正孔輸送材料、電子輸送材料または発光材料を含むことを特徴とする請求項16記載の高分子発光素子。
  19. 請求項16〜18のいずれかに記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とする面状光源。
  20. 請求項16〜18のいずれかに記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするセグメント表示装置。
  21. 請求項16〜18のいずれかに記載の高分子発光素子を用いたことを特徴とするドットマトリックス表示装置。
  22. 請求項16〜18のいずれかに記載の高分子発光素子をバックライトとすることを特徴とする液晶表示装置。
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