JP4539183B2 - カルバゾール化合物およびその製造方法 - Google Patents

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本発明は、新規なカルバゾール化合物およびその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」ともいう。)は、直流電圧によって駆動することが可能であること、自己発光素子であるため視野角が広くて視認性が高いこと、応答速度が速いことなどの優れた特性を有することから、次世代の表示素子として期待されており、その研究が活発に行われている。
このような有機EL素子における発光層を構成する機能性有機材料は、高い発光輝度が得られるものであることが要求されている。そして、最近においては、高い発光輝度を実現するために、有機EL素子の発光に、励起状態である三重項状態の分子などのエネルギーを利用することが試みられている。具体的には、このような構成を有する有機EL素子によれば、従来から有機EL素子の外部量子効率の限界値と考えられていた5%を超え、8%の外部量子効率が得られることが報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら、この有機EL素子を構成する機能性有機材料は低分子量のものであることから、物理的耐久性および熱的耐久性が小さい、という問題がある。
「アプライドフィジックスレターズ(Applied Physics Letters)」,1999年,第75巻,p.4
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、発光特性および耐久性に優れた機能性有機材料について研究を重ねた結果、完成されたものであり、その目的は、新規なカルバゾール化合物を提供することにあり、発光特性および耐久性に優れた機能性有機材料としての重合体の合成に用いられる単量体として好適に用いることができる可能性のある新規なカルバゾール化合物を提供することにある。
本発明の他の目的は、以上のような新規なカルバゾール化合物の製造方法を提供することにある。
本発明のカルバゾール化合物は、下記一般式(1−1)で表される構造を有することを特徴とする。
上記一般式(1−1)において、X1 およびX2 は、それぞれ独立に−Br基または−I基よりなる反応性置換基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R1 、酸素原子がR 4 に結合された炭素原子数3〜6のアルコキシ残基よりなる二価の有機基を示す。R2 およびR3 はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはフェニル基よりなる1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R4 は、下記一般式(1−2)または一般式(1−3)で示される構造単位である。mは0〜3の整数であり、nは0〜3の整数である。
上記一般式(1−2)において、式中、R6 およびR7 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは置換されていてもいなくてもよく、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは含窒素ヘテロ環誘導体による有機配位子を示す。sは0〜4の整数であり、tは0〜3の整数であり、wは1〜3の整数である。
上記一般式(1−3)において、R6 およびR7 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは置換されていてもいなくてもよく、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは含窒素ヘテロ環誘導体による有機配位子を示す。uは0〜3の整数であり、vは0〜4の整数であり、wは1〜3の整数である。
本発明のカルバゾール化合物の製造方法は、上記に記載のカルバゾール化合物の製造方法であって、
下記一般式(2)で示されるカルバゾール化合物および下記一般式(3−1)または一般式(3−2)で示されるピリジン化合物を反応させて中間体を得、
この中間体と、下記一般式(4)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とする。
上記一般式(2)において、X1 およびX2 は、それぞれ独立に−Br基または−I基よりなる反応性置換基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R2 およびR3 はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはフェニル基よりなる1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。mは0〜3の整数であり、nは0〜3の整数である。X3 は、ハロゲン原子を示し、R8 、炭素原子数3〜6のアルキレン基よりなる二価の有機基を示す。
上記一般式(3−1)および一般式(3−2)において、R6 およびR7 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基よりなる置換基を示し、これらは置換されていてもいなくてもよく、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。sは0〜4の整数であり、tは0〜3の整数であり、uは0〜3の整数であり、vは0〜4の整数である。
上記一般式(4)において、R9 は、2個の配位原子を有する二座のキレート配位子であるアセチルアセトナト配位子を示し、Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは含窒素ヘテロ環誘導体による有機配位子を示す。wは1〜3の整数である。
本発明によれば、2つの反応性置換基および金属錯体部位を有するカルバゾールに由来する骨格構造を有する新規なカルバゾール化合物が提供される。詳しくは、本発明の新規なカルバゾール化合物は、例えば有機エレクトロルミネッセンス素子の発光層を形成する、発光特性および耐久性に優れた機能性有機材料としての重合体の合成に用いられる単量体として、好適に用いることができる可能性がある。
本発明のカルバゾール化合物の製造方法によれば、新規なカルバゾール化合物を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
<カルバゾール化合物>
本発明のカルバゾール化合物は、上記一般式(1−1)で示される構造を有する化合物であって、2つの反応性置換基および特定の金属錯体部位を有するカルバゾールに由来する骨格構造を有するものである。
上記一般式(1−1)において、X1 およびX2 は反応性置換基であって、互いに同一のものであっても異なるものであってもよいが、同一のものであることが好ましい。具体的には、反応性置換基としては、−Cl基、−Br基、−I基、トリフレートに由来する基、トシラートに由来する基、メシラートに由来する基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基に由来する基またはボロン酸に由来する基が挙げられ、これらの中では、−Br基または−I基が好ましい。
ここで、上記一般式(1−1)において、X1 およびX2 は、それぞれ位置番号3および6の炭素原子に結合されていることが好ましい。
1 は二価の有機基を示し、このような二価の有機基としては、具体的には、例えば炭素原子数1〜8のアルコキシ基から水素原子が1つ失われて形成される特定のアルコキシ残基、炭素原子数1〜8のアルキレン基および、置換基を有するまたは有さない1〜3環の2価の芳香族基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基またはキシリレン基等)が挙げられ、好ましくは、炭素原子数3〜6の特定のアルコキシ残基である。
2 およびR3 は、それぞれ独立に1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよいが、同一のものであることが好ましい。R2 およびR3 に係る1価の有機基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基などが挙げられる。
mおよびnは、それぞれ独立に0〜3の整数を示し、特に、mおよびnともに0であることが好ましい。mまたはnが0であるときは、置換基がなくて水素原子が結合していることを意味する。
4 は、上記一般式(1−2)または一般式(1−3)で示される構造単位である。
一般式(1−2)および一般式(1−3)において、R6 およびR7 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基(環構造を形成する場合には、これらに由来する基)を示し、置換されていてもいなくてもよく、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよいが、R6 およびR7 は、共に置換されておらず、環構造を形成せず、また、互いに同一のものであることが好ましい。
ここで、R6 およびR7 が、各々、ベンゼン環またはピリジン環を形成する炭素原子の複数に結合して多環構造が形成されていてもよい。
ここで、置換基R6 およびR7 に係るアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−ブチル基、イソブチル基、ヘキシル基、オクチル基などを挙げることができる。
アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
sおよびvは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、tおよびuは0〜3の整数を示し、特に、s、t、uおよびvのすべてが0であることが好ましい。s、t、uおよびvのいずれかが0であるときは、置換基がなくて水素原子が結合していることを意味する。
上記一般式(1−2)および一般式(1−3)において、Mは、原子価が2〜4の金属原子である。この金属原子としては、イリジウム原子、白金原子、パラジウム原子、ルビジウム原子、オスミウム原子、レニウム原子などが挙げられるが、これらの中ではイリジウム原子が好ましい。
また、Lは有機配位子である。この有機配位子は、上記Mである金属原子に対して配位性を有する有機化合物によって形成されてなるものである。有機配位子の数wは1〜3の整数であり、用いられている金属原子の原子価および当該金属原子による中性錯体の安定配位数などを考慮して選択される。
ここで、有機配位子としては、オルトメタル化錯体を形成し得るものが挙げられ、例えば含窒素ヘテロ環誘導体が用いられる。具体的には、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピリダジン誘導体、キノリン誘導体、フェナントロリン誘導体、ピロール誘導体、イミダゾール誘導体、ピラゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体などが挙げられる。
ここに、「オルトメタル化錯体」とは、例えば山本明夫著「有機金属化学−基礎と応用−」150頁、232頁、裳華房社(1982年発行)や、H. Yersin著「Photochemistry and Photophysics of Coordination Compounds」71〜77頁、135〜146頁、Springer−Verlag社(1987年発行)等に記載されている化合物群の総称である。
また、有機配位子としては、ハロゲン、カルボニル基、シアノ基などの単座有機配位子となる有機化合物により形成されるもの、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、5, 5−ジメチル−2, 4−ヘキサジオンなどのβ−ジケトン類、エチレンジアミン、ジピリジルなどのジアミン類、9−ヒドロキシキノリン、ピコリン酸、サリチル酸などの多座有機配位子となる有機化合物により形成されるものなどが挙げられる。これらの有機配位子を形成する有機化合物は、1種単独で若しくは2種以上組み合わせて用いることができる。
以上において、本発明のカルバゾール化合物の好ましい具体例としては、下記構造式(1)に示される構造を有するカルバゾール化合物を挙げることができる。
構造式(1)に示されるカルバゾール化合物は、一般式(1−1)で示される構造において、X1 およびX2 が、それぞれ、カルバゾール骨格における位置番号3および6の炭素原子に結合された−Br基であり、R1 が、ブトキシ基から水素原子が1つ失われて形成される残基であり、mおよびnがともに0であると共に、R4 が、Mがイリジウム原子であり、Lが2座のフェニルピリジン配位子であり、s、t、uおよびvのすべてが0であり、wが2である一般式(1−3)で示される構造単位である構造を有するものである。
以上のようなカルバゾール化合物を製造する、本発明のカルバゾール化合物の製造方法を下記に説明する。
すなわち、本発明のカルバゾール化合物の製造方法においては、上記一般式(2)で示されるカルバゾール化合物(以下、単に「特定のカルバゾール化合物」ともいう。)と、上記一般式(3−1)または一般式(3−2)で示されるピリジン化合物(以下、単に「特定のピリジン化合物」ともいう。)とを反応させることにより、下記一般式(5−1)または一般式(5−2)で示される中間体を得(以下、この反応工程を「第1次反応工程」という。)、次いで、得られた中間体と、上記一般式(4)で示される金属錯体化合物(以下、単に「特定の金属錯体化合物」ともいう。)とを反応させることにより、目的とする、上記一般式(1−1)で示されるカルバゾール化合物を合成(以下、この反応工程を「第2次反応工程」という。)する。
上記一般式(5−1)および一般式(5−2)において、X1 およびX2 は、それぞれ独立に反応性置換基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R2 およびR3 はそれぞれ独立に1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。また、R6 およびR7 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基(環構造を形成する場合には、これらに由来する基)を示し、置換されていてもいなくてもよく、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R8 は、二価の有機基を示す。mは0〜3の整数であり、nは0〜3の整数である。tおよびuは0〜3の整数であり、sおよびvは0〜4の整数である。
<第1次反応工程>
第1次反応工程に用いられる特定のカルバゾール化合物を示す一般式(2)において、R8 は、二価の有機基を示し、具体的には、例えば炭素原子数1〜8のアルキレン基および、置換基を有するまたは有さない1〜3環の2価の芳香族基(例えば、フェニレン基、ナフチレン基、アントリレン基またはキシリレン基等)が挙げられ、好ましくは、炭素原子数3〜6のアルキレン基である。
また、X3 は、例えば臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子であって、好ましくは臭素原子を挙げることができる。
このような特定のカルバゾール化合物の具体例としては、例えば、下記構造式(2)で示される化合物を好ましく挙げることができる。

また、第1次反応工程に用いられる特定のピリジン化合物の具体例としては、例えばベンゼン環における3位、4位または5位、またはピリジン環における、窒素原子を1位とした場合の3位または4位の炭素原子に水酸基が結合されてなるものを挙げることができ、特に、下記構造式(3)で示される、ベンゼン環における4位に水酸基が結合してなる化合物を好ましく挙げることができる。
そして、当該第1次反応工程によって合成される中間体の具体例としては、例えば下記構造式(4)で示される化合物を挙げることができる。

以上の第1次反応工程においては、適宜の溶剤が用いられる。斯かる溶剤の具体例としては、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどが挙げられる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、第1次反応工程は、塩基化合物の存在下において行うことが好ましい。塩基化合物の具体例としては、例えばアルカリ金属ヒドロキシド、アルカリ土類金属ヒドロキシド、アルカリ金属カーボネート、アルカリ土類金属カーボネート、アルカリ金属アセテート、アルカリ土類金属アセテート、アルカリ金属ハイドロジェンカーボネート、アルカリ土類金属ハイドロジェンカーボネート、アルカリ金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、一級アミン、二級アミン、および三級アミンなどを用いることができる。
これらの中では、炭酸カリウムなどを用いることが好ましい。
このような塩基化合物は、例えば1〜10mol、好ましくは3〜7molの範囲で用いられる。
第1次反応工程における種々の反応条件としては、例えば反応温度は、20〜100℃、好ましくは30〜60℃とされる。
また、反応時間は、5〜30時間、好ましくは10〜20時間とされる。
<第2次反応工程>
第2次反応工程に用いられる特定の金属錯体化合物を示す一般式(4)において、R9 は、2個の配位原子を有すると共に、当該配位原子によって中心金属に結合する、二座の特定の反応性キレート配位子を示す。このような特定の反応性キレート配位子としては、具体的には、アセチルアセトナト配位子を好ましく挙げることができる。
以上のような特定の反応性キレート配位子を有する特定の金属錯体化合物の具体例としては、例えば、下記構造式(5)で示される化合物を好ましく挙げることができる。
第2次反応工程においては、適宜の溶剤が用いられる。斯かる溶剤の具体例としては、例えばグリセリン、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどが挙げられる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの中では、特にグリセリンを好ましく用いることができる。
第2次反応工程における種々の反応条件としては、例えば反応温度は、150〜300℃、好ましくは200〜250℃とされる。
また、反応時間は、10〜50時間、好ましくは15〜30時間とされる。
以上に、本発明のカルバゾール化合物の製造方法を説明したが、当該カルバゾール化合物は、他の製造方法によって製造されたものであってもよい。そして、このようなカルバゾール化合物は、例えば有機EL素子の形成に用いられる発光特性および耐久性に優れた機能性有機材料としての重合体の合成に用いられる単量体として好適に用いることができる可能性がある。
<実施例1>
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(カルバゾール化合物(1)の合成)
3,6−ジブロモカルバゾール3.3g(20mmol) および炭酸カリウム2.8g(20mmol) をジメチルスルホキシド50mlに溶解した系を50℃に加熱し、30分間攪拌した。その後、当該系にジブロモブタン12ml(100mmol) を滴下し、その後、24時間攪拌した。次いで、得られた反応スラリーに酢酸エチルを添加すると共に、当該スラリーを水および飽和食塩水で洗浄した。その後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、上記構造式(2)で示されるN−ブロモブチルジブロモカルバゾール(以下、「カルバゾール化合物(1)」ともいう。)6.9g(15mmol)を得た。
(ピリジン化合物(1)の合成)
ブロモテトラヒドロピラニルオキシベンゼン10g(38.9mmol)をテトラヒドロフラン80mlに溶解した系をアセトン−ドライアイスバスを用いて−78℃に冷却した後、当該系にn−ブチルリチウム(1.6Mヘキサン溶液)26mlを滴下し、その後、2時間撹拌した。次いで、トリメトキシボラン5ml(44.6mmol) を滴下した後、アセトン−ドライアイスバスを外して系を室温にまで上昇させ、その後、8時間撹拌した。得られた反応溶液を水で洗浄し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、更に、溶媒を減圧蒸留することにより、中間生成物(1)6.9g(28mmol)を得た。
得られた中間生成物(1)6.9g(28mmol)、2−ブロモピリジン3.9ml(40mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)2.3g(2.16mmol)をトルエン160mlおよび2NのNa2 CO3 水溶液80mlの混合溶媒に溶解した系を110℃に加熱し、30時間撹拌した。その後、当該系をトルエンによって抽出処理し、得られたトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、中間生成物(2)5.1g(20mmol)を得た。
得られた中間生成物(2)5.1g(20mmol)を75%エタノール水溶液50mlに溶解させ、更に濃塩酸1mlを添加した系を、6時間加熱還流させ、その後、エタノールを減圧蒸留した。得られた反応溶液をエーテルおよび水酸化カリウム水溶液によって抽出処理し、有機層を除去した。次いで、これにより得られた水層の系を、塩酸を添加して酸性にした後、エーテルにより抽出処理し、有機層を除去した。得られた水層の系を、炭酸ナトリウム水溶液を添加して中性にした後、クロロホルムにより抽出処理した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧蒸留することにより、上記構造式(3)で示されるフェノールピリジン(以下、「ピリジン化合物(1)」ともいう。)3.2g(18.7mmol)を得た。
(第1次反応工程)
上述のようにして得られたカルバゾール化合物(1)4.6g(10mmol) およびピリジン化合物(1)1.7g(10mmol)と、炭酸カリウム6.9g(50mmol) とをジメチルスルホキシド100mlに溶解した系を80℃に加熱し、12時間攪拌した。その後、当該系をクロロホルムによって抽出処理し、得られたクロロホルム溶液を水および飽和食塩水で洗浄した。その後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧蒸留した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、上記構造式(4)で示される中間体(以下、「中間体(1)」ともいう。)3.0g(5.45mmol)を得た。
(第2次反応工程)
中間体(1)1.1g(2mmol)および上記構造式(5)で示される特定の金属錯体化合物(ビス(2−フェニルピリジン)イリジウムアセチルアセトナート)1.3g( 2.2mmol) をグリセリン5mlに溶解した系を200℃に加熱し、3時間撹拌した。その後、室温に冷却した当該系をクロロホルムによって抽出処理し、得られたクロロホルム溶液を飽和食塩水で洗浄した。その後、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧蒸留で溶媒を除去した。
得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、最終反応生成物1.0gを得た。
得られた反応生成物の化学構造を飛行時間型質量分析法により分析した結果、当該反応生成物として、上記構造式(1)で示される本発明のカルバゾール化合物が得られたことが判明した。

Claims (2)

  1. 下記一般式(1−1)で表される構造を有することを特徴とするカルバゾール化合物。
    〔式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立に−Br基または−I基よりなる反応性置換基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R1 、酸素原子がR 4 に結合された炭素原子数3〜6のアルコキシ残基よりなる二価の有機基を示す。R2 およびR3 はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはフェニル基よりなる1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R4 は、下記一般式(1−2)または一般式(1−3)で示される構造単位である。mは0〜3の整数であり、nは0〜3の整数である。〕
    〔式中、R6 およびR7 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは置換されていてもいなくてもよく、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは含窒素ヘテロ環誘導体による有機配位子を示す。sは0〜4の整数であり、tは0〜3の整数であり、wは1〜3の整数である。〕
    〔式中、R6 およびR7 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基を示し、これらは置換されていてもいなくてもよく、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは含窒素ヘテロ環誘導体による有機配位子を示す。uは0〜3の整数であり、vは0〜4の整数であり、wは1〜3の整数である。〕
  2. 請求項1に記載のカルバゾール化合物の製造方法であって、
    下記一般式(2)で示されるカルバゾール化合物および、下記一般式(3−1)または一般式(3−2)で示されるピリジン化合物を反応させて中間体を得、
    この中間体と、下記一般式(4)で示される金属錯体化合物とを反応させることを特徴とするカルバゾール化合物の製造方法。
    〔式中、X1 およびX2 は、それぞれ独立に−Br基または−I基よりなる反応性置換基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。R2 およびR3 はそれぞれ独立にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはフェニル基よりなる1価の有機基を示し、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。mは0〜3の整数であり、nは0〜3の整数である。X3 は、ハロゲン原子を示し、R8 、炭素原子数3〜6のアルキレン基よりなる二価の有機基を示す。〕
    〔式中、R6 およびR7 は、それぞれ独立にフッ素原子、アルキル基またはアリール基よりなる置換基を示し、これらは置換されていてもいなくてもよく、環構造を形成していてもよく、互いに同一のものであっても異なるものであってもよい。sは0〜4の整数であり、tは0〜3の整数であり、uは0〜3の整数であり、vは0〜4の整数である。〕
    〔式中、R9 は、2個の配位原子を有する二座のキレート配位子であるアセチルアセトナト配位子を示し、Mは、2〜4価の金属原子を示し、Lは含窒素ヘテロ環誘導体による有機配位子を示す。wは1〜3の整数である。〕
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