JP2003169700A - 血液凝固反応解析方法 - Google Patents
血液凝固反応解析方法Info
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Abstract
液凝固反応解析方法を提供する。 【解決手段】 血液試料の光学的変化を、時間の経過と
ともに検出することにより血液凝固時間を測定する血液
凝固検査方法において、測定開始から凝固反応終了まで
の間に少なくとも1つのチェックポイントまたはチェッ
ク領域を設け、そのチェックポイントまたはチェック領
域における反応状態を監視することによって初期反応異
常を検出する。反応状態の監視とは、例えば、以下の項
目を挙げることができる。 (1)フィブリン形成時における反応速度の異常の有無
(SLOW REACTION CHECK) (2)初期反応の有無(START ANGLE CHECK) (3)凝固反応曲線のドリフトの有無(DRIFT CHECK) (4)反応開始後からあらかじめ設定された光学的変化
量に到達するまでにかかる時間の異常の有無(EARLY% CH
ECK)
Description
において、反応初期の異常を検出する方法に関する。
固するに従って液体の粘性が高くなるのを調べる方法
(粘張度検出法)と、血液が凝固するに従って白く濁る
のを検出する方法(濁度検出法)、およびこれら二つを
混合した方法とに大別される。粘張度検出法は、検体と
なる血漿に棒状あるいは球状の磁性物を投入し、凝固検
出用試薬を混合したとき、凝固によってこれらの磁性物
の動きが鈍くなるのを検出する方法である。しかし、こ
の粘張度検出法は血液凝固の最終産物であるフィブリン
塊の形成状態(すなわち、フィブリン量が多少あるいは
凝固状態の硬軟)によって測定結果が大きく左右される
と言う特性を持ち、ある一定値以上の粘張度がなければ
正確に検出できないと言う欠点がある。また、磁性物の
動きを観察する測定原理であるために、磁性物の強弱に
影響されると言う欠点もある。濁度検出法は、検体血漿
と凝固試薬とを混合することによってのみ凝固測定を行
なう方法であり、磁性物の投入は必要としない。検出す
る方法としては透過光検出方式、または散乱光検出方式
がある。これらの検出方式ではフィブリノーゲン量が少
ない場合でも透過光量の変化、あるいは散乱光量の変化
として捉えることができるので、粘張度検出法にみられ
るような欠点はない。
出法、(2)微分法、(3)二重微分法、(4)変曲点
法、(5)ゆらぎ検出法などがある。中でもパーセント
検出法においては、単位時間あたりの光学的変化量が最
も大きく、フィブリンモノマーの重合反応速度の高い50
%部位を検出点に取ることによって低フィブリノーゲン
検体や乳び、溶血検体のような検体であっても、より正
確な凝固測定が可能である。
度の変化を説明するための図である。血漿が凝固してい
く過程を光学式検出装置(散乱光検出方式)で調べた時
の結果を示す。図中のA点は血漿と凝固試薬が混合され
た時点であり、その後、多段におよぶ凝固反応が進行
し、安定的フィブリンの形成により散乱光の変化となっ
て現れる(図中B点)。安定的フィブリンの形成が進行
すると散乱光の変化は増加するが、ほとんどのフィブリ
ノーゲンが消費され、散乱光量の変化はなくなり、反応
は終息する(C点)。凝固時間は、たとえばB点の散乱
光量(未凝固レベル)を0%としC点の散乱光量を10
0%とする時の50%点である時間(T点)で表すこと
ができる。ΔHは凝固反応開始時と終了時との散乱光量
の変化分である。
よる試料の光学的変化は、例えば、時間を横軸に、散乱
光変化を縦軸にとると図1に示すような凝固反応曲線に
なる。これはフィブリン形成による試料の濁り度合を捉
えているものであるが、フィブリン形成に至るまでには
以下のような複雑な過程を有する。血液凝固の機構は通
常二つの経路から起こるとされる。すなわち、一つの経
路は、外因系凝固と言われる経路であり、表皮細胞等か
ら放出される組織トロンボプラスチンを出発点として凝
固第VII因子が活性化され、この活性化された凝固第VII
因子により凝固第X因子が活性化され、その後、凝固第V
因子、第II因子の活性化が起こり、最終的にはフィブリ
ノーゲンがフィブリンに転化することにより凝固が起こ
る経路である。一般的に、この経路の凝固反応の強弱
(即ち正常か異常かという判定)はプロトロンビン時間
(PT)と言われる方法によって測定される。もう一つ
は、内因系凝固と言われる経路であり、接触等により、
凝固第XII因子に活性化が起こり、第XI因子を活性化さ
せる。引き続いて活性化第XI因子は第IX因子を活性化さ
せ、さらに活性化第IX因子はカルシウムイオン・第VIII
因子の共同作用のもとに第X因子を活性化させる。その
後、第V因子、II因子の活性化が起こり、最終的にはフ
ィブリノーゲンがフィブリンに転化することにより凝固
がおこる経路である。一般的に、この経路の凝固反応の
強弱(即ち正常か異常かという判定)は活性化部分トロ
ンボプラスチン時間(APTT)、あるいは部分トロン
ボプラスチン時間(PTT)と言われる方法によって測
定される。また、凝固反応の最終段階においてはフィブ
リノーゲンがフィブリンに転化する反応が必要であり、
これにより凝固が完成する。
応であるため、その反応経路に異常があるときには不安
定な挙動を示すことがある。例えば、反応の途中で一時
的に反応が停止(光学的変化がなくなる)したかのよう
な状態になったり、血漿に試薬を添加した直後から徐々
に光学的変化を示し、必ずしも図1のような反応曲線に
ならない場合がある。一例として、ヘパリン投与患者で
高フィブリノーゲン検体について光学的変化量に基づい
て凝固時間を測定した場合、APTTが極端に短縮傾向を示
すことがある。このような検体では、外因系の亢進状態
に起因する凝固反応による2段反応を示すと考えられ
(図2)、反応初期から時間とともに試料の光学的変化量
が徐々に増大した後(1段目)、本来の凝固反応による
光学的変化量が増大する(2段目)ものと考えられる。通
常とは異なる挙動を示した結果、誤った凝固時間を算出
したと考えられる。
初期の異常を的確に捉えられるような血液凝固反応解析
方法を提供することを目的とする。
析方法は、血液試料の光学的変化を、時間の経過ととも
に検出することにより血液凝固時間を測定する血液凝固
検査方法において、測定開始から凝固反応終了までの間
に少なくとも1つのチェックポイントまたはチェック領
域を設け、そのチェックポイントまたはチェック領域に
おける反応状態を監視することによって初期反応異常を
検出することを特徴とする。
を挙げることができる。 (1)フィブリン形成時における反応速度の異常の有無
(SLOW REACTION CHECK) (2)初期反応の有無(START ANGLE CHECK) (3)凝固反応曲線のドリフトの有無(DRIFT CHECK) (4)あらかじめ設定された光学的変化量に到達するま
でにかかる時間の異常の有無(EARLY% CHECK)
うな構成を有する血液凝固測定装置を用いて実施でき
る。なお、本発明における血液試料とは、ヒトを含む哺
乳動物の血液から分離した血漿又は希釈された血漿であ
る。血液試料を収容する透光性容器は、光学的検知に係
る部分が透明になっていればよいが、これには、例えば
直径10〜20mm、高さ50〜100mmのガラス又
は樹脂製の試験管を使用することができる。
その測定項目によって異なり、例えば、PT(プロトロ
ンビン時間)測定用やAPTT(活性化部分トロンボプ
ラスチン時間)測定用、Fbg(フィブリノーゲン量)
測定用の試薬をそれぞれ用いることができる。
は、例えばLEDを、血液試料から得られる光学的情報
として散乱光を受光する受光器には、フォトダイオード
やフォトトランジスタをそれぞれ用いることができる。
なお、光学的情報としては、散乱光の他に透過光が挙げ
られる。また、散乱光量の時間的変化における飽和を測
定して凝固時間を算出する計測部には、CPU,RO
M,RAMからなるマイクロコンピュータを用いること
ができる。なお、本発明において飽和とは、散乱光量の
時間的変化が、一時的にあるいは永続的になくなったこ
とをいう。測定結果を表示するための表示部としては、
CRTや液晶を用いることができる。また印字用紙に測定
結果を印字するようにしてもよい。
次取り込んで格納するものであってもよい。判定部は、
凝固反応開始を検知した後に、最新の飽和値と最新の取
込み値との差を算出し、その差が第1所定値より小さい
とき散乱光量は増加しない(飽和)と判定するものであ
ってもよい。判定部は、最新の取込み値と最小取込み値
との差の、最新の飽和値と最小取込み値との差に対する
比を算出し、その比が第2所定値より小さいとき散乱光
量は増加しない(飽和)と判定するものであってもよ
い。また、判定部は、最新の飽和値と最新の取込み値と
の差を算出すると共に、最新の取込み値と最小取込み値
との差の、最新の飽和値と最小取込み値との差に対する
比を算出し、その差が第1所定値より小さく、かつ、そ
の比が第2所定値より小さいとき散乱光量は増加しない
と判定するものであってもよい。散乱光量の飽和が検出
された時に、さらに散乱光量が増加しないかを所定時間
監視し、再び増加するときには、次の散乱光量の飽和を
検出するという動作をくり返し、最終的な飽和値を測定
するようにすることによって、反応が途中で一時的に停
止したかのような挙動を示す場合であっても、より正確
な凝固時間を決定することができる。さらに判定部は、
最終的な飽和値を決定した後、凝固反応の時間的変化を
解析し、所定の条件を満たした場合に初期反応異常と判
定する。
徐々に光学的変化を示す場合の判定部における初期反応
異常の判定方法について説明する。 (1)フィブリン形成時における反応速度の異常の有無 通常、血漿に試薬が添加されて反応が進んでフィブリン
が形成されかける時点までは光学的変化量はごく小さい
が、フィブリン形成が進むとともに短時間のうちに急激
な光学的変化を起こす。したがって、フィブリン形成に
よる光学的変化の起こり初めから凝固終了レベルの間に
特定の変化量の位置にチェックポイントを設け、そこで
の反応速度を調べれば、異常をチェックすることが可能
になる。反応速度は、チェックポイントにおける単位時
間当たりの光学的変化量を算出することにより得てもよ
いし、あるいは、チェックポイントを中心として一定範
囲を設定し、その範囲内の光学的変化を起こすのに要す
る時間を求めてもよい。反応速度に閾値を設け(閾値は
例えば実験的あるいは経験的に設定することができ
る)、閾値に満たない場合は「反応速度異常」と判定す
る。異常と判定した場合は、エラーフラグ(例えば
「*」等の記号や「E」等の文字)を設定し、表示部に
表示してもよい。以下についても同様である。
光学的変化量はほとんどないので、反応初期の間で特定
の2つの時間をチェックポイントとして設定し、その間
の光学的変化量を求めることによって、初期反応の有無
を判断することができる。上記と同様に閾値をあらかじ
め設定しておき、閾値を超えた場合は、「初期反応あ
り」と判定する。さらに、未凝固レベルから凝固終了点
までの光学的変化量にも閾値を設けておき、閾値に満た
ない場合は測定エラーで結果を報告しないようにし、閾
値以上の場合は、エラーフラグを表示して測定エラーで
あることを示した上で結果を報告するようにしてもよ
い。
ン形成時には光学的変化の速度は速くなり、反応初期と
フィブリン形成時とで反応速度の差は顕著である。一
方、光学的変化が徐々に起こる検体では、通常検体ほど
反応速度に差は出ない。したがって、反応初期とフィブ
リン形成時とで反応速度を比較することによって光学的
変化量が徐々に増大しているかどうか(ドリフトの有
無)をチェックすることが可能になる。具体的には、反
応初期の特定の光学的変化量の位置とフィブリン形成時
の特定の光学的変化量の位置にそれぞれチェックポイン
トを設け、各々のポイントにおける反応速度を求め、さ
らに比(反応初期における反応速度/フィブリン形成時
における反応速度)を算出し、あらかじめ設定しておい
た閾値と比較することによって算出された比が閾値に満
たない場合には「ドリフトあり」と判定する。なお、反
応速度の求め方は前述と同様である。
到達するまでの時間のチェック さらに、通常検体では、フィブリン形成による光学的変
化を起こすまでには比較的時間がかかる。一方、光学的
変化を徐々に起こす検体では、光学的変化が血漿に試薬
を添加した直後あるいは比較的早い時間で起こる。した
がって、特定の光学的変化量の位置をチェックポイント
として設定し、そこに到達するまでの時間を求め、あら
かじめ設定しておいた閾値と比較することによって異常
を検知することが可能になる。
く複数を組み合わせればより感度よく初期反応異常を検
出することができる。また、本発明の方法は、特にAPTT
測定において有用である。
る。図3において、透明な試験管1には、測定される血
漿が予め収容され、試薬供給器2からピペット3を介し
て試薬(例えば、PT試薬)が試験管1へ供給されると、
LED4からの光が試験管1に照射される。試験管1の内部
で散乱した散乱光はフォトダイオード5に受光され、散
乱光量が検出される。
出部6aと、散乱光量が増加するか否かを判定する判定部
6bと、散乱光量の飽和を検出した時にその後の所定時間
内に散乱光量がさらに増加するか否かを判定し増加する
ときには次の飽和を検出するという処理がくり返し行な
われるように検出部6aと判定部6bとを制御する制御部6c
と、散乱光量の飽和が最終的に検出されたとき、その飽
和値に基づいて凝固時間を算出する算出部6dを備え、フ
ォトダイオード5の出力信号を処理して、処理結果をCRT
7に表示するようになっている。なお計測部6は、CPU,R
OM,RAMからなるマイクロコンピュータから構成されて
いる。
フローチャートを用いてさらに詳述する。まず、ステッ
プS1において初期設定が行われ、次に計測部6からの指
令により、試薬供給器2から試薬が供給されると、同時
にLED4が点灯され、フォトダイオード5から現在の散乱
光量D(i)が取り込まれ測定が開始される(ステップS2,
S3)。散乱光量の取込みは例えば0.1秒毎に行なわれ
る。
定時間Tm(例えば600秒)がこの時点で経過していなけれ
ば(ステップS4)、今まで取り込んだ値の内の最小値Dmi
nと、現在値D(i)と差が演算され、その差が初期設定し
た値dより大きいと、取り込み値に変化があった、つま
り凝固反応が始まったものと判断される(ステップS
5)、そして、現在値D(i)が取り込まれる度に、現在よ
りk回前の取り込み値D(i−k)との差が演算され(但
し、k=1,2,3,.....63とする)、その差が所定値eより小
さくなると(ステップS6)、その時のD(i)が暫定的な
飽和値Delと見なされる(ステップS7)。
に、D(i)とDelと差、および(D(i)-Dmin)の(Del−Dmin)
に対する比が演算され、差が所定値fより小さく、か
つ、比が1.2より小さい場合には、現在値D(i)は変化し
ない(飽和)と見なされる(ステップS8)。
えば100秒)経過すると(ステップS9)、飽和値Delが最
終的な飽和値Denと決定される(ステップS10)。
図5に示すようにDenを100%、Dminを0%として、散乱
光量が50%に達する時間t1が凝固時間として算出され、
図5のグラフとt1の値がCRT7に表示される。
たときにはdが(d+Del)に再設定され、ルーチンはステッ
プS3へ戻る。そして、ステップS3〜S8がくり返され、D
(i)が時間Tsだけ経過しても変化しない(飽和)と見な
されたときには(ステップS9)、飽和値Delが最終的飽
和値Denと決定される(ステップS10)。なお、ステップ
S4において、測定開始後の時間がTmを超えた場合には、
測定は打切られ、「測定不能」がCRT7に表示される。
次に判定部において初期反応異常のチェック(ステップS
11)が以下のようにして行われ、異常がなければ凝固時
間が算出され、異常と判定されればエラーフラグが設定
されCRT7に表示される。
トを用いて、APTT測定において、試薬添加直後(反応開
始直後)から光学的変化を起こす異常検体の検出方法に
ついて説明する。なお、説明を簡単にするために、未凝
固レベルから凝固終了点までの光学的変化量(散乱光変
化量)ΔH(=Den−Dmin)が同一の正常検体と異常検体
を例示する。
の異常の有無(SLOW REACTION CHECK) 図6において、まず、あらかじめチェックポイントHTを
設定しておく。HTは任意に決めることができるが、全散
乱光変化量の50%地点が正常検体と異常検体の反応速度
の差が出やすく好ましい。次に、HTを中心としてhの幅
のウインドウを設定しておく。hの値は任意に設定する
ことができる。例えば、HTが50%、hが4%の場合、46%〜5
4%の範囲の散乱光量変化に要する時間dT=T54%−T
46%(T54%:54%まで変化するのに要する時間、T46%:46
%まで変化するのに要する時間)を求める。
要する時間dtnに比較して、異常検体ではウインドウ内
の散乱光量変化に要する時間dtaは長くなる。したがっ
て、あらかじめ閾値dTmax(dTmaxは実験的あるいは経験
的に決めることができる)を設定しておけば、dT>dTma
xを満たした場合に異常として判定する。異常と判定し
た場合は、エラーフラグを設定して表示することができ
る。異常検出のためのフローチャートを図10に示す。
K) 図7において、反応初期の時間帯(APTTでは約20秒)で
第1時間ポイントt1、第2時間ポイントt2をあらかじめ設
定し、t1とt2の間をチェック領域とする。その領域内で
散乱光量変化の最大値(Hmax)のポイント(tmax, Hmax)と
散乱光量変化の最小値(Hmin)のポイント(tmin, Hmin)を
探す。なお、複数の最高値のポイントがあった場合、最
大時間のポイントを (tmax, Hmax) とする。また、複数
の最低値のポイントがあった場合には、最小時間のポイ
ントを(tmin, Hmin)とすることができる。図7の例で
は、tmin=t1、tmax=t2となり、各ポイントにおける散
乱光変化量がそれぞれ、Hmin、Hmaxとなる。
Hmax Hminを算出する。正常検体の散乱光変化量dHnに
対して、異常検体の散乱光変化量dHaは大きくなる。し
たがって、閾値dHLimitを設定し、dH≧dHLimitを満たす
場合は、異常と判定してエラーフラグを設定して表示部
に表示する。
光変化量ΔHに閾値ΔHLimitを設定し、dH≧dHLimitかつ
tmax>tmin かつΔH≦ΔHLimitの場合、初期反応が見ら
れた上にフィブリン形成による十分な光学的変化量がな
かったとして測定エラーとしてエラーフラグを設定し、
表示部に表示する。dH≧dHLimitかつtmax > tminかつ
ΔH>ΔHLimitの場合、初期反応が見られるが十分な光
学的変化量があったと判断し、エラーフラグを設定して
測定エラーであることを表示した上で凝固時間を算出
し、結果を表示する。dH<dHLimitの場合、初期反応が
なかったと判定し、凝固時間を算出して結果を表示す
る。異常検出のためのフローチャートを図11に示す。
HECK) 図8において、まず、第1チェックポイントH1を反応初期
の散乱光量の位置に、また第2チェックポイントH2をフ
ィブリン形成時の散乱光量の位置にあらかじめ設定す
る。H1およびH2は任意に決めることができる。次に、そ
れぞれのチェックポイントを中心としてhの幅のウイン
ドウを設定しておく。hの値は任意に設定することがで
きる。例えば、H1=10%、H2=50%、hが4%の場合、6〜14
%及び46%〜54%の範囲のウインドウを設定する。次にそ
れぞれのウインドウ内の散乱光量変化に要する時間dT1
=T14%−T6%(T14%:14%まで変化するのに要する時間、
T6%:6%まで変化するのに要する時間)及びdT2=T54%−
T46%(T54%:54%まで変化するのに要する時間、T46%:4
6%まで変化するのに要する時間)を求める。さらに、二
つのチェックポイントでの反応速度の比R=dT1/dT2を算
出する。正常検体のRn=dTn1/dTn2(Rn;正常検体にお
ける反応速度の比、dTn1;第1チェックポイント内の散
乱光量変化に要する時間、dTn2;第2チェックポイント
内の散乱光量変化に要する時間)に比べて、異常検体の
Ra=dTa1/dTa2(Ra;正常検体における反応速度の比、dT
a1;第1チェックポイント内の散乱光量変化に要する時
間、dTa2;第2チェックポイント内の散乱光量変化に要
する時間)は小さくなる。したがって、閾値RLimitを設
定しておき、R<RLimitを満たす場合は、ドリフトあり
(反応曲線が平坦でなく徐々に上昇している状態であ
る)と判定し、エラーフラグを設定し、表示部に表示す
る。異常検出のためのフローチャートを図12に示す。
に到達するまでの時間(EARLY% CHECK) 図9において、特定の散乱光量のチェックポイントHsを
あらかじめ設定しておく。本チェック項目は、散乱光量
が変化し始める時間が早すぎないかどうかを監視するも
のであり、Hsは散乱光量が変化し始めの位置に設定する
ことが好ましい。次に散乱光量がHsまで変化するのに要
する時間tsを求める。正常検体のtns(tns;正常検体に
おいて散乱光量がHsまで変化するのに要する時間)に比
べて異常検体のtas(tas;正常検体において散乱光量が
Hsまで変化するのに要する時間)は短くなる。したがっ
て、閾値tLimitをあらかじめ設定しておき、ts<tLimit
を満足する場合は、変化し始める時間が早すぎる、と判
定し、エラーフラグを設定し表示部に表示する。異常検
出のためのフローチャートを図13に示す。
常を検出することができる。
図である。
ローチャートである。
である。
のための説明図である。
図である。
までの時間の異常の検出のための説明図である。
出を示したフローチャートである。
ャートである。
ローチャートである。
るまでの時間の異常の検出を示したフローチャートであ
る。
Claims (3)
- 【請求項1】 血液試料の光学的変化を、時間の経過と
ともに検出することにより血液凝固時間を測定する血液
凝固検査方法において、測定開始から凝固反応終了まで
の間に少なくとも1つのチェックポイントまたはチェッ
ク領域を設け、そのチェックポイントまたはチェック領
域における反応状態を監視することによって初期反応異
常を検出することを特徴とする血液凝固反応解析方法。 - 【請求項2】 反応状態の監視が以下の項目のうち少な
くとも1つである請求項1記載の血液凝固反応解析方
法。 (1)フィブリン形成時における反応速度の異常の有無
(SLOW REACTION CHECK) (2)初期反応の有無(START ANGLE CHECK) (3)凝固反応曲線のドリフトの有無(DRIFT CHECK) (4)反応開始後からあらかじめ設定された光学的変化
量に到達するまでにかかる時間の異常の有無(EARLY% CH
ECK) - 【請求項3】 血液凝固時間の測定がAPTTである請求項
1記載の血液凝固反応解析方法。
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