JP2003160374A - 低温での光学ガラス及び色ガラスの製造方法 - Google Patents

低温での光学ガラス及び色ガラスの製造方法

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JP2003160374A JP2002242638A JP2002242638A JP2003160374A JP 2003160374 A JP2003160374 A JP 2003160374A JP 2002242638 A JP2002242638 A JP 2002242638A JP 2002242638 A JP2002242638 A JP 2002242638A JP 2003160374 A JP2003160374 A JP 2003160374A
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sio
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ヨッヒェン・フロイト
Monika Gierke
モニカ・ギールケ
Uwe Kolberg
ウーヴェ・コルベルク
Ruediger Hentschel
ルーディガー・ヘンツェル
Rolf Clasen
ロルフ・クラーゼン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境にやさしく、コスト効果が高く、エネル
ギー効率が高いMXドープされた物質を用いた光学ガラ
スの製造方法を提供することである。 【解決手段】 石英ガラスと比較して流体相焼結プロセ
スの温度を低下させるための添加剤、若しくは、石英ガ
ラスのガラス特性を変えるための添加剤と共に、少なく
ともSiO粉末を含む母材材料から流体相焼結プロセ
スを用いて、光学ガラス及び色ガラスを製造する方法で
あって:流体媒体において任意の順序で出発材料を可能
な限り溶解し、可能な限り溶解しないものを分散させて
懸濁液を作製する段階と;溶解及び分散された出発材料
からグリーン体を製造する段階と;グリーン体を乾燥す
る段階と;乾燥したグリーン体を、1200℃以下の温度、
好適には、600℃から1200℃の温度範囲で流体相焼結す
る段階と;を備えたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、焼結若しくは溶融
プロセスを用いた光学ガラス及び/又は色ガラス(着色
ガラス)の製造方法に関するものである。焼結プロセス
は、粘度η>1 x108 dPa・s(dPa秒)の粘度を有する工
程として定義され、溶融プロセスは、粘度η<1 x 102
dPa・s(dPa秒)の粘度を有する工程として定義され
る。特別な場合として、この方法は、多層ガラス、特
に、MX半導体ドーピング(MはCd単独若しくはCd
+Znのいずれかとして定義され、XはS,Se若しく
はTe)によって色づけされた色ガラスを製造するのに
用いることができる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】当業者
には、本質的に、焼結プロセスによってガラスを製造す
る2つの方法が公知である: −ゾルゲルプロセス −粉末技術を利用する方法
【0003】ゾルゲルプロセスによってガラスを製造す
るのに利用することができる一方法が米国特許第443
2956号明細書に記載されている。しかしながら、こ
の特許は、1300℃から1500℃の温度で作製され
るシリカガラスの製造についてのみ記載している。
【0004】ガラス合成に他の成分を含むことについて
は、独国特許出願公開第4129409号明細書、欧州
特許出願公開第233732号明細書及び米国特許第5
091115号明細書に記載されたような方法を利用す
ることができる。これら全方法では、テトラエトキシシ
ラン(TEOS)のようなシリコンアルコキシド、及
び、概してアルコール系溶剤を用いて処理された他の可
溶性化合物の利用にもとづいている。SiOについて
の母材は例えばテトラエトキシシランであってもよく、
また、B、Al、NaO若しくはP
のようなガラス成分をさらに付加するための母材は、
ホウ酸トリメチルエステル、アルミニウムトリイソプロ
ピレート、ナトリウムメチレート、ジンク2,4−ペンタ
ンジオナート、リン酸トリブチル、若しくは、他のアル
コキシドであってもよい。これらの原料の中には毒性の
ものがあり、そのため、ゾルゲル法は、使用される原材
料の環境的な側面で不都合であり、今日までコートガラ
スに対してしか使用されてこなかった。ゾルゲル法の他
の欠点は、原料が高価なためにコストがかかり、長時間
を要し、乾燥時の縮み及び割れの程度が大きいため、大
きな成分に対しては使用できないことである。
【0005】CdSSeドープした色ガラスをゾルゲル
法を用いて製造できる製造方法が、特許第222113
0号公報に記載されている。しかしながら、この方法
は、米国特許第4432956号明細書に記載されてい
る原材料と同じシリカアルコキシドを用い、そのため、
特に環境の点で、ゾルゲル法と同じ欠点を有する。
【0006】焼結プロセスを用いる他のガラスの製造方
法は、粉末技術を利用する方法である。欧州特許第19
6140号明細書は粉末技術を利用する方法である。欧
州特許第196140号明細書に開示された方法は、母
材としてエアロシルOX-50(デグッサ(DEGUSSA)社)の
ようなナノスケールSiOを利用する。ゾルゲル法と
比較して、この方法は、アルコール系原料若しくは溶剤
を用いる必要がなくかつ水を分散媒として使用できると
いう利点を有する。これによって、環境汚染は低減さ
れ、不快な臭気の発生は防止され、危険は除去され、コ
スト効果がさらに高い製造が可能となる。
【0007】欧州特許第196140号明細書によるガ
ラスの製造方法では、ガラスの粉状懸濁液(サスペンシ
ョン)を生成し、この懸濁液をさらにグリーン体に処理
することを主とするものである。グリーン体は凝縮(圧
縮)され、乾燥後に透明で寸法の安定したガラスに形作
られる。これは、ガラス中間体を室温で生成でき、その
形状を保持し、焼成中に形成することができるという利
点がある。
【0008】しかしながら、欧州特許第196140号
明細書は、約1300℃から1500℃の間の温度で焼
結されるシリカガラスの製造方法についてのみ記載して
いる。この温度は、ドーピング材料としてMXを用いる
には高温過ぎる。というのも、この温度では大部分のド
ーピング材料は昇華するか又は酸化するからである。他
の欠点は、高温のために、かなりエネルギーを消費する
からである。
【0009】ナノスケールSiO粉末とSiOの他
に他の成分を用いる他の方法が、特許第6216723
3号明細書、特許第60171228号明細書、特許第
62100428号明細書、及び、特許第315992
4号明細書に記載されている。
【0010】しかしながら、特許第62167233号
明細書、特許第60171228号明細書、特許第62
100428号明細書、及び、特許第3159924号
明細書によれば、ナノスケールSiOは、例えば、T
EOSのようなアルコキシドシリケート(ケイ酸アルコ
キシド)に付加するコンポーネントとして用いられてい
るに過ぎない。これらの原料及びアルコール系溶剤のた
め、これらのガラスの製造によって環境汚染を生じる。
さらに、特許第62167233号明細書、特許第60
171228号明細書、特許第62100428号明細
書、及び、特許第3159924号明細書によるガラス
の製造においては、1200℃から2000℃の間の温
度を用いなければならない。
【0011】米国特許第5122178号明細書及び特
許第6001830号明細書は、CdS、CdSe、C
dTeをドープしたガラスに対する製造方法を開示して
いる。しかしながら、これら両特許の方法はガラスが溶
融されることに基づいている。米国特許第512217
8号明細書において、これらのガラスについての通常の
製造方法で示したように、溶融プロセスにドープ剤を添
加する。確立した製造プロセスに対する唯一の相異は、
修正された処理温度と処理段階である。しかしながら、
1300℃の比較的高い処理温度はやはりガラスを溶融
するのに要する。特許第60016830号明細書は2
相プロセスをもとにしている。始めに、色のないベース
(母材)ガラスを溶融し、研磨プロセスの後にCdS粉
末を加えることによってドーピングし、最後に焼結す
る。特許第6001830号明細書に記載された方法の
欠点は、時間がかかり、多段階処理のためにコストがか
かること、及び、特許第6001830号明細書による
製造方法を用いると、グリーン体製造段階で最終製品の
形状を製造するのは不可能であるということ、である。
これによって、特許第6001830号明細書において
は、粉末ブランクを焼結することによって最終製品の形
状ができあがることを意味している。しかしながら、複
雑な形状のボディを作製するときは、焼結プロセスの間
の成形は特に難しい。
【0012】従って、本発明の目的は、現行及び従来技
術の欠点を克服し、特に、MXドープされた物質を用い
て色ガラスを製造するのを可能にする光学ガラスの製造
方法を提供することである。この方法は、環境にやさし
く、コスト効果が高く、エネルギー効率が高く、火災の
危険がないものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明では、この目的
は、請求項1による方法によって達する。
【0014】本発明者は、本発明による方法が、η>1
x 10dPa・s(dPa秒)の粘度を有する古典的(従来
の)焼結プロセス、及び、粘度η<1 x 10dPa・s(dP
a秒)の粘度を有する古典的(従来の)溶融プロセスの
いずれにも対応しない粘度範囲で行われるという事実を
認識している。従って、本発明による方法は、流体相焼
結若しくは高粘度溶融と称せられる。焼結プロセスの利
点は、本発明による方法を用いると、成分間の粒界及び
濃度勾配は、拡散プロセスによってだけでなく、塑性流
れによっても低減する。これによって、本発明による方
法が従来の焼結プロセスより明らかに有効になる。外形
を十分に維持するために、安定性目的のために、セラミ
ック助剤を用いる。純粋な溶融プロセスと比較すると、
実質的に低めの温度であることが利点につながってい
る。
【0015】本発明の方法では、グリーン体を包みかつ
焼結することができる粉末SiO若しくはSiO
濁液は、粉末技術を利用する方法によって製造される。
現状及び従来の方法と比較して、焼結プロセス温度を低
下するため、及び、アルコール系溶剤を要することな
く、ガラスの特性をドーピング剤に合わせるために、粉
末SiOの他に、添加剤も使用する。
【0016】原料は、8-800nm、好適には20-100nm
が主な粒子サイズの粉末SiO、又は、SiO懸濁
液である。添加剤として用いる原料は、ホウ酸、酸化亜
鉛、炭酸カリウム、水酸化カリウム溶液、及び、網状変
成特性を有する他の化合物である。しかしながら、添加
剤は、他の種類の炭酸塩、例えば、苛性ソーダ溶液のよ
うなアルカリ性溶液、又は、フッ化水素カリウムであっ
てもよい。原料を単独で若しくは懸濁液として加えるか
否か、又は、前処理した物理的若しくは化学的な多成分
混合相のように2又は3以上の原料をプロセスに導入す
るかは、無関係である。さらに、フッ化アンモニウム、
他のアルカリ溶液、及び、例えば、硫酸若しくはリン酸
のような酸のような分散剤を付加してもよい。これらの
化学製品は標準の分析的に純粋な亜形で使用可能である
ので、本発明による方法を用いて高く精製した光学ガラ
スを製造することが可能であり、その場合、ガラスの純
度は付加したガラス成分における不純物に依存する。
【0017】ここで述べた本発明によるガラスの製造
は、SiO粉末若しくはSiO懸濁液、及び、例え
ば、分散剤のような添加剤を含む母材からグリーン体を
製造すること、及び、グリーン体からガラスの焼結若し
くは溶融することを含む。
【0018】グリーン体は、水、若しくは、任意でアル
コール系溶媒において、母材材料の分散及び溶解によっ
て製造する。
【0019】色ガラスを得るために、例えば、CdS、
CdSe、CdTeのようなMXドーピング物質、及
び、CdS/CdSeのような混合結晶を、母材材料に
分散し若しくは溶解する。CdS、CdSe若しくはC
dTeを使用する代わりに、Cd+Te→CdTeのよ
うな要素から、若しくは、例えば、CdO、NaSe
及び還元気体から、ドーピング物質をインサイチュ
ーで製造することも可能である。例えば、銅インジウム
二セレン化物(CuInSe)のような他の化合物
(色素)、若しくは、例えば、CoOのような遷移金属
も可能である。
【0020】グリーン体を製造するために使用する母材
とドーパントとを溶解し、分散することは、これによっ
て、注ぐことができ若しくは広がることができる懸濁液
となるように行われるのは好都合である。好適な実施形
態では、懸濁液を型に注ぐ。懸濁液は、室温若しくは10
0℃以下の温度で固めた後、グリーン体は室温若しくは4
00℃を超えない温度で乾燥する。次いで、乾燥したグリ
ーン体を、ガラス組成となるように、600−1200℃の温
度、好適には、700−1100℃の温度で焼結若しくは溶融
する。
【0021】任意で、グリーン体は、できたガラスの均
一性及び品質を改善するために、再度研磨でき、次い
で、分散し、かつ、乾燥してもよい。
【0022】ガラスは、通例の量の共通の精製物質を含
んでもよい。精製物質は、酸化還元反応の結果として、
その方法によって決定された温度範囲内で気体を放出若
しくは蒸発させるコンポーネントである。精製物質は、
酸化還元プロセスにおける関与の結果として、精製効果
に加えて、色合いに正の(ポジティブな)効果を有する
のが好ましい。酸化還元添加物は、例えば、As
、Sb、As及びSbであ
る。
【0023】Fの最大比率が2重量%ならば、ひずみ品
質には特に好都合であることがわかった。
【0024】
【発明の実施の形態】実施形態と図面とを参照して本発
明を詳細に説明する。
【0025】まず、本発明による色ガラス用のグリーン
体の製造は、CdSをMXドーピング物質として用いる
実施形態によって記載する。
【0026】ここに示す実施形態では、母材は、KO
H、HBO、ZnO、KHF及びSiOであ
り、ドーピング物質はCdS若しくは他の化合物であ
る。
【0027】母材である、KOH、HBO、Zn
O、KHF、CdS若しくは他の色素とSiOとを
水で適当な順でかき混ぜながら溶解若しくは分散する。
任意で、原料は超音波を用いてかき混ぜてもよく、ま
た、様々な原料の分散及び溶解を促進するために、懸濁
液に添加剤を入れて、かき混ぜてもよい。
【0028】仕上げの懸濁液を型に注ぎ、約1時間から9
6時間、100℃までの温度で固化又は空気乾燥する。型か
ら取りだした後、グリーン体を室温でさらに1時間から9
6時間、最後に40-400℃で1時間から48時間乾燥する。
【0029】透明ガラスを形成するための流体相焼結
は、ガラスの組成を条件として、600-1200℃の間の温度
で行う。CdS結晶を形成するための引き続く焼き入れ
プロセスは、5時間から170時間の範囲の浸水時間で、40
0-700℃で実施する。
【0030】純粋溶融法を用いるとき、ガラスの製造温
度以下の約200℃から700℃の温度で流体相焼結プロセス
を利用して、2段階法を用いて、本発明によってガラス
を製造する。これは、製造プロセス中に用いられるエネ
ルギーが少ないこと、毒性ドーピング材料CdS、Cd
Se及びCdTeの放出が実質的に低減されているこ
と、ガラス組成の攻撃的な性質に起因するのとは異な
り、溶融凝集物の化学的浸食が少ないこと、用いる毒性
ドーピング材料が少ないことを意味する。本発明による
2相法の実施中にグリーン体を焼結することができる結
果として、室温において早い時点でガラス製品を形作る
ことも可能であり、処理中、例えば、切断し、研磨し、
磨く間に生ずる損失を実質的に低減する。グリーン体の
製造のための化学工業及びガラス製造業において見つけ
られる標準化学薬品を用いることが可能であり、製造プ
ロセスが水ベース(水性)であるので、この方法は極め
て環境にやさしい。
【0031】表1に、本発明による方法を用いて製造さ
れた種々のガラスの最終組成及び焼結温度を示す。
【0032】表1:本発明により製造したCdSドーピ
ングを有する色ガラスの組成及び焼結温度。
【表1】
【0033】対応する例番号について、対応する清澄温
度(Lautertemperatur:独語)を表2に示した。化合物
含有量における極めて小さな相異は顕著な変化をもたら
さない。母材ガラスは、これに添加したCdS化合物を
加えると100%になる。
【0034】表2には、表1で示したのと同じガラスで
あって、ドーピング剤がCdSeの場合を示している。
同じガラスには同じ番号を用いている。ドーパントの質
はドーピング剤自体に依存することに留意されたい。
【0035】ガラスの品質を改善するために、特に、バ
ブルの数を最小にする観点から、表1のガラスは単に焼
結温度まで加熱するだけでなく、温度をわずかに高めに
上昇させるか否かが好都合になり得る。これによって、
ガラスの粘度が低下し、形成されたバブルがガラス体か
ら出ていくことができる。表2に、各実施形態につい
て、ガラスに残っているバブルがガラスから出ていく温
度を示す。バブルが出ていく温度は、本明細書では“清
澄温度”と称する。
【0036】温度の値は明らかに、本発明により製造さ
れたガラスについてこの明細書で定義した“清澄温度”
を示すので、それは常に標準方法によって製造されたガ
ラスの製造及び処理温度以下である。
【0037】表2:表1の色ガラスと同等できるが、同
じ組成、CdSeドーピング、清澄温度で長波長にシフ
トした急峻な(シャープな)カット特性曲線を有する色
ガラス。
【表2】
【0038】同じ例の番号で、対応する清澄温度を表1
に示した。化合物含有率の最小の差異は重要な変化を生
じない。母材ガラスは、それに加えるCdS色素を合わ
せると100%となる。
【0039】表1及び表2の実施形態1.1から2.6はドー
プした色ガラスとして示したが、同じガラスが、CdS
若しくはCdSeドーパントの代わりに、混合のCdS
/CdSeドーパントを用いて同じガラスを作製するこ
ともできる。
【0040】ガラス工業で慣用されているように、Co
Oのような他の色ドーパントも可能である。
【0041】焼結されるグリーン体についての詳細な製
造手順を、他の全実施形態について例で示すように実施
形態1.6について記載する。実施形態1.6におけるグリー
ン体は、90リットルの水に以下の表で示す物質を含む懸
濁液によって製造する:
【0042】
【表3】
【0043】種々の原材料SiO、KOH、HBO
、ZnO、KHF、CdSを水の中で適当な順で溶
解若しくは分散し、かき混ぜて、透明色光学ガラスの全
成分を含む広がる(延びる)懸濁液を作る。
【0044】次いで、最終的な懸濁液は、その懸濁液を
固め、24時間空気乾燥する型の中に注ぐ。型から取り出
した後、グリーン体を室温でさらに48時間、最終的には
120℃で24時間乾燥する。
【0045】流体相焼結又は高粘度溶融による作製は、
95℃で1時間の浸漬時間で行った。次のCdS微結晶を
作製するための焼き戻しプロセスは、500℃で、浸漬時
間10時間で実施した。
【0046】表3に、例えば、混合色素CdS/CdS
eドーピングを付加した色ガラスの実施形態を示す。母
材ガラスは、付加する色素CdS/CdSeを合わせて
100%となる。各場合に特別な番号で表3に対応する清
澄温度を示す。
【0047】
【表4】
【0048】図1は、焼結される流体相の透過挙動、又
は、500−700mmの波長域で表3の実施形態3.3及び実
施形態3.6による、0.234CdSe+0.200CdSを有す
る高粘性溶融色ガラスを示す。図において、表3の実施
形態3.3は符号1であり、また、実施形態3.6は表3で符
号2である。
【0049】本発明による方法は、初めて、従来の製造
方法と比較するとき、これらのガラスを種々の原料から
溶融する方法を提供するものであって、はじめは圧縮し
て透明ガラスを形成することになるグリーン体の製造を
含むものである。この製造方法は、10dPa以下の
粘度範囲においてガラス原料を溶融温度に加熱する必要
なく実施することができる。結果として、プロセス温度
を大きく低下することができる。ガラスを溶融する1200
-1400℃を要する従来の方法に対して、本発明によるこ
の方法は600-1200℃の温度範囲を利用する。これは、色
ガラスに要するMXドーパントは高温では毒性でかつ高
揮発性なので、例えば、急峻カットフィルターとして利
用できる色ガラスの製造において特に有意義である。従
って、本発明による方法は、このタイプのガラスの製造
についての従来の溶融方法と比較して、はるかに低いエ
ネルギーを用いることに加え、低温でかつ短い停止時間
(resting time)は、溶融温度及び/又は焼結温度とド
ーパントの放出がかなり低下することになるという利点
を有する。このため、本発明による方法が環境の点にお
いても現行の方法より優れている。
【0050】さらに、極端に攻撃的なガラス溶融物は、
ユニットを迅速に操作不能にする過度な溶融物集合体の
腐食が防止されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 0.234重量%のCdSe+0.200のCdS(実
施形態3.3)、及び、0.234のCdSe+0.208のCdS
(実施形態3.6)で本発明により製造した色ガラスの透
過特性を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウーヴェ・コルベルク ドイツ・55252・マインツ−カステル・フ レーサーヴェーク・1 (72)発明者 ルーディガー・ヘンツェル ドイツ・55294・ボーデンハイム・イム・ ミッテルヴェーク・21A (72)発明者 ロルフ・クラーゼン ドイツ・66125・ザールブリュッケン・ベ ートーヴェンヴェーク・45 Fターム(参考) 2H048 CA05 CA09 CA14 4G030 AA01 AA02 AA03 AA07 AA08 AA09 AA10 AA13 AA14 AA16 AA17 AA32 AA36 AA37 AA41 AA43 AA55 AA58 BA14 BA15 GA11 GA20 GA27

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 石英ガラスと比較して流体相焼結プロセ
    スの温度を低下させるための添加剤、若しくは、石英ガ
    ラスのガラス特性を変えるための添加剤と共に、少なく
    ともSiO粉末を含む母材材料から流体相焼結プロセ
    スを用いて、光学ガラス及び色ガラスを製造する方法で
    あって: 1.1 流体媒体において任意の順序で出発材料を可能
    な限り溶解し、可能な限り溶解しないものを分散させて
    懸濁液を作製する段階と; 1.2 溶解及び分散された出発材料からグリーン体を
    製造する段階と; 1.3 グリーン体を乾燥する段階と; 1.4 乾燥したグリーン体を、1200℃以下の温度、好
    適には、600℃から1200℃の温度範囲で流体相焼結する
    段階と;を備えた方法。
  2. 【請求項2】 SiO粉末がナノスケールSiO
    末である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 懸濁液を注入し、打ち延ばし、若しく
    は、押し出し加工することによって、グリーン体を型に
    保持する請求項1又は2のいずれかに記載の方法。
  4. 【請求項4】 グリーン体を乾燥する前に、型に注入さ
    れ、打ち延ばされ、若しくは、押し出し加工された懸濁
    液を、100℃以下の温度で、好適には、室温で固める請
    求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 400℃以下の温度でグリーン体を乾燥す
    る請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 グリーン体を乾燥するために型から取り
    だし、その取り出されたグリーン体を乾燥する請求項4
    又は5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 乾燥したグリーン体を再度研磨する請求
    項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 乾燥したグリーン体を再度研磨し、次い
    で分散し、乾燥する請求項1から7のいずれか一項に記
    載の方法。
  9. 【請求項9】 SiO粉末の主要な粒子サイズが、8n
    mから800nmである請求項1から8のいずれか一項に記載
    の方法。
  10. 【請求項10】 粒子サイズが20nmから100nmである請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 分散剤を出発材料に添加する請求項1
    から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 【請求項12】 懸濁液が、色ガラスを製造するため
    に、ドーパントを含む請求項1から11のいずれか一項
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】 流体媒体が水である請求項1から12
    のいずれか一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 流体媒体がアルコール、好適には、エ
    タノール、若しくは、水とアルコールの混合液である請
    求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 石英ガラスと比較して、ガラスの焼結
    温度及び/又は溶融温度を低下するための添加剤が、以
    下の一又は二以上の物質を含む請求項1から14のいず
    れか一項に記載の方法:カリウム、ナトリウム、フッ化
    物、又は、網状変性特性を有する他の物質であって好適
    には、R1 2O及びR2O化合物であり、ここで、R1は第
    1の主要群の全要素を示し、R2は第2の主要群の全要
    素を示し、ここで、これらの要素は、炭酸化合物とし
    て、可溶性塩として、酸若しくはアルカリ性溶液とし
    て、特には、炭酸カリウム、カリウム溶液及びフッ化カ
    リウムとして、又は、フッ化水素カリウム及び石英ガラ
    スと比較して特にホウ素及び亜鉛の酸化物を含むガラス
    特性を変性するための添加剤として導入でき、ここで、
    これらのホウ素及び亜鉛の酸化物はそれぞれ、可溶要素
    によって、特にホウ酸として若しくはコロイド状酸化物
    の形で、特にコロイド状亜鉛酸化物として添加すること
    ができるもの。
  16. 【請求項16】 分散剤は、フッ化アンモニウム、アル
    カリ溶液又は酸、特には硫酸若しくはリン酸、の一又は
    二以上の化合物を含む請求項1から15のいずれか一項
    に記載の方法。
  17. 【請求項17】 出発材料が、SiO、KOH、H
    BO、ZnO、KHF、B、又は、これらの
    物質のうちのいくつかを含む請求項1から16のいずれ
    か一項に記載の方法。
  18. 【請求項18】 ドーパントはMX半導体ドーパントで
    を含み、ここで、Mは元素Cd若しくはCd及びZnを
    示し、XはS、Se若しくはTeを示す請求項12から
    17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 【請求項19】 ドーパントには、CdTe、CdS、
    CdSe、及び、CdS/CdSeの混合結晶が含まれ
    る請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 30−75重量%のSiOと、5−35重
    量%のKOと、4−17重量%のBと、0−37重量
    %のZnOと、0.01−10重量%のFとを含む請求項1か
    ら17のいずれか一項に記載の方法により製造されたガ
    ラス。
  21. 【請求項21】 ガラスが0.01−2重量%のFを含む請
    求項20に記載のガラス。
  22. 【請求項22】 請求項20又は21のいずれかに記載
    のガラスがさらに、又は、請求項20又は21のいずれ
    かに記載のガラスが代わりに、Al、Ti、Zr、P、
    Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、La、Na、Li、R
    b、Cs、Pbの酸化物のうちのいずれか一又は二以上
    を含むガラス。
  23. 【請求項23】 30−75重量%のSiOと、5−35重
    量%のKOと、4−17重量%のBと、0−30重量
    %のZnOと、0.01−10重量%のFとを含む請求項1か
    ら19のいずれか一項に記載の方法により製造されたガ
    ラス。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載のガラスがさらに、
    又は、請求項20に記載のガラスが代わりに、Al、T
    i、Zr、P、Mg、Ca、Sr、Ba、Ce、La、
    Na、Li、Rb、Cs、Pbの酸化物のうちのいずれ
    か一又は二以上を含むガラス。
  25. 【請求項25】 30−75重量%のSiOと、5−35重
    量%のKOと、4−17重量%のBと、0−30重量
    %のZnOと、0.01−10重量%のFと、0−5重量%のT
    iOとを含む請求項24に記載の方法により製造され
    たガラス。
  26. 【請求項26】 ガラスが、MX半導体ドーパントを含
    む色ガラスであって、ここで、MはCd及び/又はZn
    で、XはS、Se若しくはTeである請求項23から2
    5のいずれか一項に記載のガラス。
  27. 【請求項27】 MX半導体ドーパントの代わりに、若
    しくは、MX半導体ドーパントに加えて、ガラスがC
    o、Cu、Ni等のイオン性色素でドープされた請求項
    26に記載のガラス。
  28. 【請求項28】 MX半導体ドーパントが、光学ガラス
    の0.2−0.9重量%含まれた請求項26又は27のいずれ
    かに記載のガラス。
  29. 【請求項29】 請求項26から28のいずれか一項に
    記載のガラスを含む350nmから850nmの間の波長につ
    いての光学シャープカットフィルタ。
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