JPH07330369A - Smイオン含有ガラスの製造方法 - Google Patents

Smイオン含有ガラスの製造方法

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JPH07330369A
JPH07330369A JP13219994A JP13219994A JPH07330369A JP H07330369 A JPH07330369 A JP H07330369A JP 13219994 A JP13219994 A JP 13219994A JP 13219994 A JP13219994 A JP 13219994A JP H07330369 A JPH07330369 A JP H07330369A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐候性(化学的耐久性)に優れ、かつf−f
遷移の効率の向上による、強いPHB現象を再現性よく
発現し得るSm2+含有ケイ酸塩ガラスを製造する方法を
提供する。 【構成】 Sm3+イオン含有アルミノシリケートガラス
前駆体を還元性雰囲気中で熱処理することにより、ガラ
ス前駆体をガラス化するとともに、Sm3+イオンをSm
2+イオンに還元してSm2+イオン含有アルミノシリケー
トガラスを得ることを特徴とするSm2+イオン含有ガラ
スの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はSm2+イオン含有ガラス
の製造方法に関する。本発明の方法により得られたSm
2+イオン含有ガラスは、ホールバーニングやレーザー
等、光情報分野において用いられるガラス材料として使
用される。
【0002】
【従来の技術】Nd、Erなどの希土類元素を含有した
ガラスは、レーザーなどの材料として用いられる。希土
類元素の原子価は、周囲のマトリックスの影響をほとん
ど受けず、多くは3価の状態で存在している。
【0003】最近2価のイオンであるSm2+イオン等を
含有したハロゲン化物結晶において、永続的な光化学ホ
ールバーニング(Photochemical Hole Burning,以
下、PHBという)現象が見いだされ、大容量記録媒体
として、その開発が注目されている。
【0004】このようなPHB現象を有するガラスが得
られれば、ガラスの持つ透明性、成形性、量産性等の優
れた特性を活かして各種の応用が可能となる。
【0005】ガラスは通常原料を熔融後、冷却固化して
製造されているが、ガラス融液内での希土類元素の原子
価の状態は、マトリックスの影響をほとんど受けず、一
般にガラス内では3価の状態で存在する。
【0006】しかしSm2+イオンはSrF2 、BaF2
などの一部のフッ化物中で存在することが知られてお
り、フッ化物ガラスをマトリックスとしたSm2+イオン
含有ガラスが得られている。そして1993年5月発行
の「機能材料」第13巻、第5号の12〜18頁には、
Sm2+イオン含有フッ化物ガラスがPHB現象を示すこ
とが記載されている。
【0007】また、限られたホウ酸塩ガラスにおいても
Sm2+イオンを含有するものの作製例が報告されてい
る。
【0008】このようなSm2+イオン含有フッ化物ガラ
スやSm2+イオン含有ホウ酸塩ガラスを作製する場合、
製造条件の調整が重要であり、特に強い還元雰囲気内で
の熔融が不可欠とされている。
【0009】上記2種のガラスのうち、ホウ酸塩ガラス
の場合、酸化物であるためにSm2+イオンが酸化され易
く、その製造条件の選定が容易でない。
【0010】また、Sm2+イオンのPHB現象の発現
は、3f6 7i 5j 遷移(680〜750nm
の波長領域)の光吸収および発光を用いてなされるが、
Sm2+イオンの3f5 4d準位がそれ程、大きくないた
めにf−d遷移も見られることがあり、特にフッ化物や
ホウ酸塩ガラスをマトリックスにしたものでは、このf
−d遷移が可視光域にあるために、f−f遷移の効率を
下げるので好ましくない。さらに、この様なガラスは耐
候性(化学的耐久性)が劣り、実用的なガラスとしては
問題点が多い。
【0011】耐候性(化学的耐久性)の優れたガラスを
得るためには、フッ化物やホウ酸塩ガラスではなく、S
iO2 を主成分としたケイ酸塩ガラスであることが望ま
しい。
【0012】特開平2−145453号公報には、Sm
2+含有石英(SiO2 )ガラスがPHB現象を示すこと
が記載されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらSm2+
オンは石英マトリックスガラス中において不安定であ
り、Sm2+イオン含有石英ガラスではPHB現象の発現
が弱く、またPHB現象の発現の再現性がないという欠
点があった。
【0014】従って本発明の目的は、上記特開平2−1
45453号公報のSm2+イオン含有石英ガラスの欠点
を解決し、耐候性(化学的耐久性)に優れ、かつf−f
遷移の効率の向上による、強いPHB現象を再現性よく
発現し得るSm2+イオン含有ケイ酸塩ガラスを製造する
方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明者らは鋭意研究した結果、Sm3+イオンを含有さ
せたアルミノシリケートガラス前駆体を還元性雰囲気中
で熱処理することにより、ガラス前駆体をガラス化し、
かつSm3+イオンをSm2+イオンに還元して得たSm2+
イオン含有アルミノシリケートガラスが、(i) ケイ酸塩
ガラスの中でも特に耐候性(化学的耐久性)に優れてい
ること、および(ii)Sm2+イオンの安定性に優れ、f−
f遷移の効率の向上による、強いPHB現象を再現性よ
く発現し得ることを見い出した。
【0016】従って本発明は、Sm3+イオン含有アルミ
ノシリケートガラス前駆体を還元性雰囲気中で熱処理す
ることにより、ガラス前駆体をガラス化するとともに、
Sm3+イオンをSm2+イオンに還元してSm2+イオン含
有アルミノシリケートガラスを得ることを特徴とするS
2+イオン含有ガラスの製造方法を要旨とする。
【0017】以下本発明を詳説する。本発明において
は、マトリックスガラスの原料としてアルミノシリケー
トガラス前駆体を用いる。ここにアルミノシリケートガ
ラス前駆体とは、熱処理によりアルミノシリケートガラ
スとなる前の物質を意味する。このアルミノシリケート
ガラス前駆体は、これに限定されるものではないが、ケ
イ素のアルコキシドとアルミニウムのアルコキシドを用
いたゾルゲル法により製造されたゲル固化体が好まし
い。
【0018】ケイ素のアルコキシドとしては、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキ
シシラン、テトラブトキシシランなどのケイ素のテトラ
アルコキシド類や、メチルトリメトキシシラン、ビニル
トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメ
トキシシランなどのケイ素アルコキシド誘導体類が用い
られる。
【0019】またアルミニウムのアルコキシドとして
は、トリメトキシアルミニウム、トリエトキシアルミニ
ウム、トリプロポキシアルミニウム、トリブトキシアル
ミニウム、トリアミロキシアルミニウムなどのアルミニ
ウムのトリアルコキシド類や、アルミニウムジイソプロ
ポキシドエチルアセテートキレート、アルミニウムジセ
カンダリーブトキシドエチルアセトアセテートキレート
などのアルミニウムアルコキシド誘導体類が挙げられ
る。
【0020】次に上記ケイ素のアルコキシドおよびアル
ミニウムのアルコキシドを用いるゾルゲル法によるアル
ミノシリケートガラス前駆体(ゲル固化体)の製造方法
について述べる。
【0021】上記2種のアルコキシドにおいて、アルミ
ニウムのアルコキシドは、ケイ素のアルコキシドに比べ
て、著しく加水分解速度が速いため、単に混合し加水分
解すると、アルミニウムのアルコキシドが選択的に加水
分解され、均質なゾルやゲル固化体を得ることができな
い。
【0022】アルミニウムのアルコキシドの選択的な加
水分解を防ぎ、均質なゾル、ゲルを得る方法は2つあ
る。1つの方法はアルコキシドの加水分解速度が、アル
キル基の炭素数の影響を受け、一般的に炭素数が多くな
るほど加水分解速度が遅くなる(逆に炭素数が少なくな
れば速くなる)ことを利用する。例えば、アルミニウム
のアルコキシドとして、アミロキシドやブトキシドを、
そしてケイ素のアルコキシドとして、メトキシドやエト
キシドを使用して、注意深く加水分解することにより、
均質なゾルやゲル固化体を調製することが出来る。もう
一つの方法は、加水分解速度の遅いケイ素のアルコキシ
ドを予め部分的に加水分解した後、アルミニウムのアル
コキシドを反応させる方法である。この方法によれば、
後続の加水分解の前にケイ素のアルコキシドとアルミニ
ウムのアルコキシドが反応しているので、選択的な加水
分解を起こさず、均質なゾル、ゲル固化体を得ることが
できる。
【0023】また上記2つの方法を併用すれば、特に好
ましいので、以下に2つの方法の併用例を説明する。
【0024】先ずテトラエトキシシランなどのケイ素の
アルコキシドを、塩酸、硝酸、酢酸などの酸触媒の水溶
液とエタノールなどのアルコールとの混合溶液に加え、
攪拌してケイ素のアルコキシドの部分加水分解液を得
る。
【0025】次に、この部分加水分解液にアルミニウム
トリブトキシドなどのアルミニウムのアルコキシドを添
加、攪拌しながら加熱して、アルミニウムのアルコキシ
ドを、部分加水分解したケイ素のアルコキシドと反応さ
せる。
【0026】次に、必要に応じて塩酸、硝酸、酢酸など
の酸触媒またはアンモニア、コリンなどの塩基触媒の水
溶液とエタノールなどのアルコールとをさらに加えた
後、攪拌し、ポリプロピレン製またはポリメチルペンテ
ン製などの容器に移し、室温で放置する。この放置によ
り、加水分解がさらに進行するとともにゲル化する。
【0027】次にこのゲル体を乾燥することにより、余
分の水分や有機溶媒が揮発して、ゲル固化体が得られ
る。本発明においては、上記で得られたゲル固化体をア
ルミノシリケートガラス前駆体として用いることができ
る。
【0028】このアルミノシリケートガラス前駆体にお
いて、Al2 3 とSiO2 の組成割合は、Al2 3
が1〜40mol %、SiO2 が99〜60mol %である
のが好ましい。その理由は次のとおりである。すなわ
ち、Al2 3 が1mol %未満であると、このアルミノ
シリケートマトリックスガラス中に含有させたSm3+
オンが、後記還元処理により、Sm2+イオンに還元され
にくく、また仮に還元されてもSm2+イオンの凝集が起
こり、Sm2+イオンの 7F− 5D遷移による発光が発現
しにくい。またAl2 3 が40mol %を越え、SiO
2 が60mol %未満になると、加熱中に結晶化が起こり
透明なガラスが得にくく、また製造中にゲル固化体にひ
びなどが入りやすい。Al2 3 は5〜30mol %であ
り、SiO2 は95〜70mol %であるのが特に好まし
い。
【0029】なお、本発明で用いるアルミノシリケート
ガラス前駆体は、本発明の目的を損なわない範囲でアル
カリ金属酸化物、アルカリ土類金属酸化物、ホウ素酸化
物、チタン酸化物、ジルコニウム酸化物などの酸化物を
Al2 3 とSiO2 との合量100mol %に対して外
割で30mol %まで含ませることができる。
【0030】本発明においては、上記アルミノシリケー
トガラス前駆体中にSm3+イオンを含有させてなる、S
3+イオン含有アルミノシリケートガラス前駆体を出発
原料として用いるが、アルミノシリケートガラスへSm
3+イオンを含有させる方法として、これに限定されるも
のではないが、次の2つの方法がある。
【0031】(1)ゾルゲル法によるゲル固化体(ガラ
ス前駆体)製造における任意の段階でSm3+イオン源を
加える。
【0032】(2)ゾルゲル法によるゾル固化体(ガラ
ス前駆体)製造後、Sm3+イオン源含有溶液にゾル固化
体を浸漬して、Sm3+イオンをゾル固化体に浸漬させ
る。
【0033】ここにSm3+イオン源としては、塩化サマ
リウム、硝酸サマリウム、硫酸サマリウム、しゅう酸サ
マリウム、酢酸サマリウムなどの無機サマリウム化合物
や、サマリウムのアルコキシドなどの有機サマリウム化
合物を用いることができ、前記方法(1)および(2)
において、無機サマリウム化合物および有機サマリウム
化合物を用いることができる。
【0034】アルミノシリケートガラス前駆体に含有さ
れる上記Sm3+イオンの量は、ガラス前駆体に対してS
2 3 として0.1〜20wt%となる量であるのが好
ましい。その理由は、0.1wt%未満であると、強いP
HB現象を得ることが困難になり、一方、20wt%を越
えると、(a) Sm2+イオンの凝集が起り、均一なガラス
が得難くなり、またSm2+イオンの 7F− 5D遷移によ
る発光が発現し難い、(b) 加熱中に結晶化が起こりやす
くなり透明なガラスが得難くなるからである。Sm3+
オンの量は、Sm2 3 として0.5〜10wt%である
のが特に好ましい。
【0035】本発明においては、出発原料である上記の
Sm3+イオン含有アルミノシリケートガラス前駆体を還
元雰囲気で熱処理することを必須の工程とする。
【0036】還元性雰囲気としては、水素などの還元性
ガス雰囲気や水素などの還元性ガスと窒素、ヘリウム、
アルゴンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気が用いら
れる。
【0037】上記還元性雰囲気中でSm3+イオン含有ア
ルミノシリケートガラス前駆体を熱処理することによ
り、ガラス前駆体はガラス化され、かつSm3+イオンは
Sm2+イオンに還元されて、目的とするSm2+イオン含
有アルミノシリケートガラスが得られる。
【0038】この熱処理は400〜1200℃の温度で
行なうのが好ましい。その理由は以下のとおりである。
【0039】熱処理を400℃未満で行なった場合、 (i) 水分や有機物の除去が十分になされず、それらが残
存するためガラス化が不完全となる (ii)Sm3+イオン(ゲル中ではSm元素は、Sm3+イオ
ンとして存在している) のSm2+イオンへの還元が
十分でない ことから、本発明の目的とするガラスを作製することが
困難になる。
【0040】一方、1200℃を越える温度で熱処理を
行った場合、ガラスマトリックスの結晶化が起こり、ガ
ラスが不透明となりやすい。
【0041】上記の方法で得られたガラス中のSm2+
オンの割合は、ガラス化する際の加熱温度、時間、ガス
流量に依存する。すなわち、温度を上げ、時間を長くす
ることで、Sm2+イオンの存在割合を高くすることがで
きる。また、雰囲気ガスの量を多くしても、同様の効果
がある。
【0042】H2 などの還元性ガスはSm3+イオンの還
元反応に必要であり、その流量を多くする程、低温、短
時間の内にSm2+イオンへの変化が終了する。
【0043】しかし、還元性ガスをある流量(炉内容
積、熱処理するガラスの量に依存する)以上とすると、
ガラスマトリックスになるゲル中に残存している有機物
の酸化が妨げられるので、最終的に遊離の炭素がガラス
中に残留してしまい、透明なガラスを得られ難くなる。
【0044】そこで、Sm2+イオンを含有する透明なガ
ラスを短時間の内に製造するために、残留炭素が残らな
いようゲル固化体を予め酸化性雰囲気(大気を含む)中
で加熱しておき、その後還元性ガス中で熱処理すること
が望ましい。酸化性雰囲気での前熱処理は、400〜1
000℃の温度で行うことが望ましい。
【0045】前熱処理温度が400℃より低い場合、有
機物が残存していても分解、揮発することがない。ま
た、1000℃より高い温度では、多孔質であるゲル固
化体が焼結して細孔量が極めて少なくなる、もしくは無
孔化するため、その後還元ガス中で熱処理してもSm3+
イオンをSm2+イオンへ変化させることができなくな
る。
【0046】本発明により、Sm3+イオン含有アルミノ
シリケートガラス前駆体を還元性雰囲気で熱処理するこ
とにより得られたSm2+イオン含有アルミノシリケート
ガラスは、SiO2 にAl2 3 を含有させたことによ
り、(i) ケイ酸塩ガラスの中でも特に耐候性(化学的耐
久性)に優れている、(ii)Sm3+イオンの還元により生
じたSm2+イオンの安定性に優れ、f−f遷移の効率が
向上して、強いPHB現象を再現性よく発現し得るとい
う利点を有し、PHB材料などの光情報分野において好
ましく用いられる。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
【0048】[実施例1]テトラエトキシシラン(Si
(OC2 5 4 )149.0gを0.15M塩酸(H
Cl)水溶液12.9gとエタノール(C2 5 OH)
33.0gとの混合溶液に攪拌しながら滴下した。全て
のSi(OC2 5 4 を加えた後、さらに1時間攪拌
して、Si(OC2 5 4 の部分加水分解液を得た。
この部分加水分解液へアルミニウムトリブトキシド(A
l(OC4 9 3 )38.4gを添加し、攪拌しなが
ら60℃で1時間加熱した。その後、塩化サマリウム6
水塩(SmCl3 ・6H2 O)5.2gをC2 5 OH
25.0gに溶解した液を上記の液に加え、さらに1
時間攪拌を続けた。C2 5 OH 33.0gと0.1
5M HCl水溶液51.6gとの混合液を加えた後、
1時間攪拌し、ポリプロピレンやポリメチルペンテンな
どのプラスチック容器に移し、室内で放置した。更に加
水分解が進行するとともにゲル化し、乾燥することによ
り、余分の水分や有機溶媒が揮発して、ゲル固化体を得
た。
【0049】このゲル固化体を大気中で室温から800
℃まで50℃/hrの速度で加熱し、その温度で2時間保
持して前熱処理した後、電気炉の電源を切り、室温まで
冷却して、ガラス体を得た。
【0050】このガラス体の仕込組成は、5.0wt%の
Sm2 3 を含むアルミノシリケートガラス(10Al
2 3 ・90SiO2 mol %)である。ガラス中のS
mは3価の状態で存在しており、ガラスの色は無色透明
である。
【0051】このガラスを電気環状炉に入れ、20%水
素(H2 )/80%窒素(N2 )混合ガスを25ml/mi
n で流しながら150℃/hrで700℃まで昇温し、そ
の温度で2時間保持することにより、Sm3+をSm2+
還元して透明なSm2+イオン含有ガラスを製造した。
【0052】Sm3+とSm2+の判別は、ガラスの発光ス
ペクトルから行うことができる。すなわち、Sm3+の状
態では、562、596および645nmに発光ピーク
を持つスペクトルを与え、またSm2+の状態では、68
3、700および725nmに発光ピークを与え、これ
らの発光ピークは互いに重なることはない。
【0053】上記のように大気中800℃で加熱して前
熱処理したガラスのスペクトルは、図1に示すようにS
3+のみのスペクトルであったのに対し、還元ガス雰囲
気内での加熱後のガラスのスペクトルは図2に示すよう
に、Sm3+からの発光は全く認められず、Sm2+のみの
スペクトルに変化していた。
【0054】以上のように、還元処理後に得られたガラ
スは、無色透明であり、ガラス中のSmは全てSm2+
状態で存在していることが分かる。
【0055】このガラスに波長685nmのレーザーを
照射した後、725nmの発光に対する励起スペクトル
を670〜700nmの範囲で測定したところ、683
nmにピークを持つ励起スペクトルで685nmに凹み
が生じており、PHB現象の確認ができた。
【0056】耐久性の評価は次のように行なった。すな
わち、50℃の純水中に、実施例1のアルミノシリケー
ト系ガラスと、比較試料のフッ化物ガラス、ホウ酸塩ガ
ラスをそれぞれ浸漬した。48時間後ガラスを取り出し
て見たところ、フッ化物ガラス、ホウ酸塩ガラスは、溶
解、表面変質が生じていたのに対し実施例1のアルミノ
シリケート系ガラスは全く変質しておらず、耐久性に優
れていることが明らかとなった。
【0057】[実施例2〜8]Smの含有量、ガラスの
組成および/または加熱条件を表1に示すように変えた
以外は、実施例1と同様にして、表1に示すようなガラ
スを作製した。得られたガラスの発光スペクトルは全て
Sm2+からの発光を示すのみで、全てSm2+のみを含有
するガラスである。また、得られたガラスは実施例1と
同様、PHB現象の確認ができた。また実施例1と同様
に耐久性にも優れていた。
【0058】[比較例1]Al(OC4 9 3 を加え
ないで実施例1と同様に作製したゲルを大気中800℃
で2時間加熱して、SiO2 のみをマトリックスにした
ガラスを作製した。このガラスを次いで、実施例1と同
様に20%H2 /80%N2 混合ガス中で加熱したが、
この発光スペクトルはSm3+のみからのもので、Sm2+
に由来する発光ピークは認められず、PHBの確認もで
きなかった。
【0059】
【表1】
【0060】
【発明の効果】以上詳しく述べたように、本発明によれ
ば、耐候性(化学的耐久性)に優れ、かつf−f遷移の
効率の向上による、強いPHB現象を再現性よく発現し
得るSm2+含有ケイ酸塩ガラスを製造する方法が提供さ
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミノシリケートゲルの空気中800℃で2
時間加熱後の発光スペクトル図。
【図2】アルミノシリケートゲルを空気中800℃で2
時間加熱後、還元性ガス(20%H2 −80%N2
中、700℃で2時間加熱後のSm2+含有アルミノシリ
ケートガラスの発光スペクトル図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sm3+イオン含有アルミノシリケートガ
    ラス前駆体を還元性雰囲気中で熱処理することにより、
    ガラス前駆体をガラス化するとともに、Sm3+イオンを
    Sm2+イオンに還元してSm2+イオン含有アルミノシリ
    ケートガラスを得ることを特徴とするSm2+イオン含有
    ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミノシリケートガラス前駆体がゾル
    ゲル法により得られたゲル固化体である、請求項1に記
    載の方法。
  3. 【請求項3】 Sm3+イオンがガラス前駆体に対してS
    2 3 として0.1〜20wt%存在する、請求項1に
    記載の方法。
  4. 【請求項4】 還元性雰囲気が還元性ガス雰囲気または
    還元性ガスと不活性ガスの混合ガス雰囲気である、請求
    項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 熱処理温度が400〜1200℃であ
    る、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 還元に先立ち、酸化性雰囲気で前熱処理
    する、請求項1に記載の方法。
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