JP4516727B2 - 有機無機ハイブリッドガラス状物質とその製造方法 - Google Patents

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本発明は、有機無機ハイブリッドガラス状物質とその製造方法、特に低融点ガラスの性質を有するバルク状物質とその製造方法に関する。
600℃以下で軟化する材料としては、高分子材料や低融点ガラスなどが有名であり、古くから封着・封止材料、パッシベーションガラス、釉薬など、多くのところで用いられてきた。高分子材料と低融点ガラスでは、その諸物性が異なるので、その使用できる環境に応じて使い分けられてきた。一般的には、耐熱性や気密性能が優先される場合にはガラスが、耐熱性や気密性能以外の特性が優先される分野では高分子材料に代表される有機材料が使われてきた。しかし、昨今の技術進歩に伴い、これまで要求されなかった特性も着目され、その特性をもった材料の開発が期待されている。
このため、耐熱性や気密性能を増能させた高分子材料や、軟化領域を低温化させたガラスいわゆる低融点ガラスの開発が積極的になされている。特に、耐熱性や気密性能が要求される電子材料市場において、PbO-SiO2-B2O3系あるいはPbO-P2O5-SnF2系ガラスなどに代表される低融点ガラスは、電子部品の封着、被覆などの分野で不可欠の材料となっている。また、低融点ガラスは高温溶融ガラスに比べ、その成形加工に要するエネルギーひいてはコストを抑えられるため、省エネルギーに対する昨今の社会的要請とも合致している。さらに、光機能性能の有機物を破壊しない温度で溶融することが可能ならば、光機能性有機物含有(非線形)光学材料のホストとして光スイッチなどの光情報通信デバイスなどへの応用が期待される。このように、一般的な溶融ガラスの特徴である耐熱性や気密性能を有し、かつ高分子材料のように種々の特性を得やすい材料は多くの分野で要望され、特に低融点ガラスにその期待が集まっている。さらに、有機無機ハイブリッドガラスも低融点ガラスの一つとして着目されている。
低融点ガラスでは、例えば、Sn−Pb−P−F−O系ガラス(例えば、非特許文献1参照)に代表されるTickガラスが有名であり、100℃前後にガラス転移点を持ち、しかも優れた耐水性を示すので、一部の市場では使われてきている。しかしながら、この低融点ガラスはその主要構成成分に鉛を含むので、昨今の環境保護の流れから代替材料に置き換える必要性がでてきている。さらには、Tickガラスに対する要求特性も大きく変化していると同時に、その要望も多様化している。
一般的なガラスの製造方法としては、溶融法と低温合成法が知られている。溶融法はガラス原料を直接加熱することにより溶融してガラス化させる方法で、多くのガラスがこの方法で製造されており、低融点ガラスもこの方法で製造されている。しかし、低融点ガラスの場合、融点を下げるために、鉛やアルカリ、ビスマスなどの含有を必要とするなど、構成できるガラス組成には多くの制限がある。
一方、非晶質バルクの低温合成法としては、ゾルゲル法、液相反応法及び無水酸塩基反応法が考えられている。ゾルゲル法は金属アルコキシドなどを加水分解−重縮合し、500℃を超える温度(例えば、非特許文献2参照)、通常は700〜1600℃で熱処理することにより、バルク体を得ることができる。しかし、ゾルゲル法で作製したバルク体を実用材料としてみた場合、原料溶液の調製時に導入するアルコールなど有機物の分解・燃焼、又は有機物の分解ガス若しくは水の加熱過程における蒸発放出などのために多孔質となることが多く、耐熱性や気密性能には問題があった。このように、ゾルゲル法によるバルク製造ではまだ多くの問題が残っており、特に低融点ガラスをゾルゲル法で生産することはなされていない。
さらに、液相反応法は収率が低いために生産性が低いという問題の他、反応系にフッ酸などを用いることや薄膜合成が限度とされていることなどから、現実的にバルク体を合成する手法としては不可能に近い状態にある。
無水酸塩基反応法は、近年開発された手法であり、低融点ガラスの一つである有機無機ハイブリッドガラスの製作も可能(例えば、非特許文献3参照)であるが、まだ開発途上であり、すべての低融点ガラスが製作できているわけではない。
したがって、多くの低融点ガラスの製造は、低温合成法ではなく、溶融法により行われてきた。このため、ガラス原料を溶融する都合上からそのガラス組成は制限され、生産できる低融点ガラスとなると、その種類は極めて限定されていた。
なお、現時点では耐熱性や気密性能から、低融点ガラスが材料として有力であり、低融点ガラスに代表される形で要求物性が出されることが多い。しかし、その材料は低融点ガラスにこだわるものではなく、要求物性が合致すれば、ガラス以外の低融点あるいは低軟化点物質で大きな問題はない。
公知技術をみれば、ゾルゲル法による石英ガラス繊維の製造方法(例えば、特許文献1参照)が、ゾルゲル法による酸化チタン繊維の製造方法(例えば、特許文献2参照)が、さらにはゾルゲル法による半導体ドープマトリックスの製造方法(例えば、特許文献3参照)が知られている。また、溶融法によるP−TeO−ZnF系低融点ガラスが知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開昭62−297236号公報 特開昭62−223323号公報 特開平1−183438号公報 特開平7−126035号公報 P.A.Tick, Physics and Chemistry of Glasses, vol.25 No.6, pp.149-154(1984). 神谷寛一、作花済夫、田代憲子,窯業協会誌,pp.614−618,84(1976). 高橋雅英、新居田治樹、横尾俊信,New Glass, pp.8-13,17(2002).
多くの低軟化点材料、特に低融点ガラスの製造は、溶融法により行われてきた。このため、そのガラス組成には多くの制限があり、ガラス原料を溶融する都合上、生産できる低融点ガラスは極めて限られていた。
一方、低温合成法のゾルゲル法で製造した場合、緻密化のために500℃以上の処理温度が必要となるが、その温度で処理すると低融点ガラスとはならないので、結果として耐熱性や気密性能の良好な低融点ガラスを得ることはできなかった。特に、電子材料分野では、厳しい耐熱性や気密性能と低融点化に対応する低融点ガラスはなかった。さらに、耐熱性や気密性能を満足するガラス以外の低融点材料もこれまで見出されていない。
特開昭62−297236号公報、特開昭62−223323号公報及び特開平1−183438号公報で開示された方法は、高温溶融でのみ対応可能であった材料生産を低温でも可能としたという功績はあるが、低融点ガラスを製造することはできない。また、ゾルゲル処理後には、500℃以上での処理も必要である。一方、特開平7−126035号公報の方法では、転移点が3百数十℃のガラスを作製できることが開示されている。しかし、それ以下の転移点をもつガラスを鉛やビスマスなどを始めとする低融点化材料なしで製作した例はこれまでなかった。
すなわち、これまでの低融点ガラスの製造方法では、厳しい耐熱性や気密性能と低融点特性を同時に満たすガラスを作ることはできなかった。また、ガラス以外の材料でもこのような特性を満たすものはなかった。
さらに、本発明者らは、上記の問題を解決する有機無機ハイブリッドガラス状物質を開発し、特許出願した(特願2003−69327号)。しかし、ゾルゲル法で使われる材料を出発原料として有機無機ハイブリッドガラス状物質を製造することは同様であるが、出発原料の混合工程後にゲル体を経る工程が必須であり、そのゲル化工程では1〜3日程度を必要とするという問題があった。また、わずかながら黄色の着色が認められるという問題もあった。
本発明は、有機無機ハイブリッドガラス状物質を製造するための混合工程において、金属アルコキシドモル比で金属アルコキシドの10倍以上500倍以下の水、アルコール及び塩酸を一緒に混合した後、40℃以上100℃以下の温度で行われる加熱反応工程、40℃以上500℃以下の温度で処理される溶融工程及び30℃以上400℃以下の温度でかつ5分以上の時間で処理される熟成工程を経て製造する有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法である。
さらに、上記の方法で製造された有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
さらにまた、ガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有する上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
さらにまた、無色透明である上記の有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
本発明によれば、これまで製作することが極めて難しいとされてきた低軟化性を有し、かつ耐熱性と気密性能のある無色透明のガラス状物質を得ることができた。
本発明は、有機無機ハイブリッドガラス状物質を製造するための混合工程において、金属アルコキシドモル比で金属アルコキシドの10倍以上500倍以下の水、アルコール及び塩酸を一緒に混合した後、40℃以上100℃以下の温度で行われる加熱反応工程、40℃以上500℃以下の温度で処理される溶融工程及び30℃以上400℃以下の温度でかつ5分以上の時間で処理される熟成工程を経て製造する有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法である。 本発明では、ゾルゲル法の原料から得られた生成物の溶融という新しい概念の他、1〜3日間を要していたゲル化工程をなくすことができる、さらに無色透明の有機無機ハイブリッドガラス状物質を製造できるという特徴も備えている。なお、上述の混合工程、加熱反応工程、溶融工程及び熟成工程を経ることにより、所望の有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることができる。
出発原料としては金属アルコキシドであるが、金属アセチルアセトナート、金属カルボン酸、金属硝酸塩、金属水酸化物、及び金属ハロゲン化物を始めとしてゾルゲル法で使われる原料であれば製造は可能であるが、品質や生産性などから上記の出発原料が望ましい。
また、混合工程は、モル比で原料の10倍以上の水、塩酸、及びアルコールを用いる有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法である。従来のゾルゲル法では、水は加水分解に必要な最小限とされ、多くともモル比で原料の3〜4倍程度とされていた。これは、急速な加水分解及び不安定ゾルの生成を抑制するという基本的な問題に対処するためであり、ゾルゲル法における加水分解の制御は極めて重要であった。すなわち、ゾル中に水分濃度が高い部分が生ずると、粒子の沈殿が起こり、不均質なゲルとなることがある。このため、一部の薄膜状ゾルゲル膜を形成させるときに水を多量に使うことはあるが、一般的な材料、特にバルク状の物質を製作するときには水を多量に使うことはこれまでなかった。さらに、ゲルの乾燥工程を短くするという生産上の理由もあった。
しかし、この水の量は無色透明化に対して極めて重要であり、モル比で原料の10倍以上の水とする必要がある。好ましくはモル比で原料30倍以上、さらに好ましくは50倍以上である。なお、水分を多く含むことは無色透明化のために重要であり、この点からの上限はない。しかし、水分が多ければ生産時には時間を要するので、生産性からは500倍以下である
混合工程ではモル比で原料の10−4〜1倍の塩酸と1〜10倍のアルコールを用いることが多い。塩酸は触媒として、アルコールは溶媒として重要である。一般的には、10−4〜1倍の塩酸と1〜10倍のアルコールが用いられる。なお、アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノ-ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノ-ル、2−ブタノール、1.1−ジメチル−1−エタノール等が代表的であるが、これらに限定される訳ではない。
溶融工程に入る前、すなわち、出発原料の混合工程と加熱による溶融工程との間に、加熱反応工程を有することが本発明の特徴である。この加熱反応工程は40℃以上100℃以下の温度で行われる。この温度域以外では、その構造中に有機官能基Rを持つ金属ユニット、例えば(RSiO(4−n)/2)(n=1、2、3から選択)で表されるケイ素ユニット、さらに、詳細には、フェニル基の金属ユニット(PhSiO(4−n)/2)、メチル基の金属ユニット(MeSiO(4−n)/2)、エチル基の金属ユニット(EtSiO(4−n)/2)、ブチル基の金属ユニット(BtSiO(4−n)/2)(n=1〜3)などを適切に含有させることができないため、ガラス溶融のできる有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることは極めて難しくなる。なお、この有機官能基Rは、アルキル基やアリール基が代表的である。アルキル基としては、直鎖型でも分岐型でもさらには環状型でも良い。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基(n−、i−)、ブチル基(n−、i−、s−、t−)、ペンチル基、ヘキシル基(炭素数:1〜20)などが挙げられ、特に好ましいのはメチル基とエチル基である。さらに、アリール基としては、フェニル基、ピリジル基、トリル基、キシリル基などがあり、特に好ましいのはフェニル基である。当然ながら、有機官能基は上述のアルキル基やアリール基に限定されるものではない。
なお、加熱反応工程の上限温度は沸点が100℃を越すアルコール、例えば118℃の1−ブタノールを用いる場合では100℃以下であるが、沸点が100℃以下のアルコールでは沸点も考慮する方が望ましい。例えば、エタノールを用いる場合は、その沸点の80℃以下とした方が良い結果となる傾向にある。これは、沸点を越えると、アルコールが急激に蒸発するので、アルコール量や状態変化から均一反応が達成されにくくなるためであると考えられる。
この熱処理に要する時間は、30分〜5時間程度であるので、ゲル化に1〜3日を要していた従来のゾルゲル法による処理時間とは大きく異なる。なお、この加熱反応工程後、すぐに溶融工程に入っても良いし、一度冷却してから溶融工程に入っても良い。
加熱による溶融工程は40℃以上500℃以下の温度で処理される。40℃よりも低い温度では、実質上溶融できない。また、500℃を超えると、網目を形成する金属元素と結合する有機基が燃焼するために所望の有機無機ハイブリッドガラス状物質を得られないばかりか、破砕したり、気泡を生じて不透明になったりする。望ましくは、100℃以上300℃以下である。
溶融工程及び熟成工程を経ることにより、安定化した有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることができる。従来から行われてきたゾルゲル法では、前記の溶融工程がないため、当然ながらその後の熟成工程もない。また、ゲル体を経ない本発明において、溶融工程により、有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることはできる。しかし、その後の熟成工程を経ることにより、より安定した有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることができる。
なお、熟成工程では30℃以上400℃以下の温度で処理する。30℃よりも低い温度では、実質上熟成できない。400℃を超えると、熱分解することがあり、安定したガラス状物質を得ることは難しくなる。望ましくは、100℃以上300℃以下である。さらに、この熟成温度は、溶融下限温度よりも低い温度ではその効果が極めて小さくなる。一般的には、溶融下限温度〜(溶融下限温度+150℃)程度が望ましい。さらに、熟成に要する時間は5分以上必要である。熟成時間は、その処理量、処理温度及び反応活性な水酸基(−OH)の許容残留量により異なるが、一般的には5分未満では満足できるレベルに到達することは極めて難しい。また、長時間では生産性が下がってくるので、望ましくは10分以上1週間以内である。
なお、加熱による溶融工程若しくは熟成工程において、不活性雰囲気下で行ったり、加圧下又は減圧下で行なうことにより時間を短縮できる傾向にある。また、マイクロ波加熱も有効である。
また、上記の方法で製造された有機無機ハイブリッドガラス状物質は当然ながら全て対象となるが、その一部又はすべてに不規則網目構造をもつ有機無機ハイブリッドガラス状物質である。
さらに、有機無機ハイブリッドガラス状物質は、無色透明であるという特徴を有する。一般的に、有機無機ハイブリッドガラス状物質は薄い黄色の着色となる場合が多いが、無色透明の有機無機ハイブリッドガラス状物質を得ることができる。
以下、実施例に基づき、述べる。
出発原料には金属アルコキシドのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))とエタノールを用いた。混合工程として室温で約10mlのフェニルトリエトキシシランに約45mlの水(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は約50)、約30mlのエタノール、触媒である塩酸を約0.01ml加え、加熱反応工程として60℃で3時間撹拌後、150℃に上げ1時間30分溶融した。この状態で、透明なガラス融液層と乳濁した水層に相分離した。ここで、室温まで冷却してガラス融液層を固化し、水層のみを取り除いた後、ガラス状物質を精製水で洗浄することにより、無色透明なガラス状物質を得た。さらに、200℃で5時間熟成した後、室温まで冷却し、透明状物質を得た。
この透明状物質の軟化温度は120℃であり、フェニル基の分解温度の約400℃よりも低い温度であった。また、不規則網目構造を有していたことも考慮すると、今回得た透明状物質は有機無機ハイブリッドガラス構造をとる物質、すなわち有機無機ハイブリッドガラス状物質である。この物質は200℃の雰囲気下で100時間経過後も黄色の着色は認められなかったので、紫外−可視光吸収スペクトルを測定した。図1に示すように、有機無機ハイブリッドガラス状物質の各波長域における吸収率曲線において、大きな着色、特に従来みられた青色領域での吸収はないことが分かる。なお、測定装置としては、日立U−3500形自記分光光度計を用いた。
この有機無機ハイブリッドガラス状物質の気密性能をみるため、得られた有機無機ハイブリッドガラス状物質の中に有機色素を入れ、1ヶ月後の染み出し状態を観察した。この結果、染み出しは全く認められず、気密性能を満足していることが分かった。また、100℃の雰囲気下に300時間置いたこの有機無機ハイブリッドガラス状物質の転移点を測定したが、その変化は認められず、耐熱性にも問題がないことが確認された。さらに、得られた有機無機ハイブリッドガラス状物質を1ヶ月間、大気中に放置したが、特に変化は認められず、化学的耐久性に優れていることも確認できた。
(比較例1)
出発原料には金属アルコキシドのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))と2−メチル−1−プロパノールを用いた。混合工程として室温で約10mlのフェニルトリエトキシシランに約3mlの水(フェニルトリエトキシシランに対するモル比は約3)、約30mlのエタノール、触媒である塩酸を約0.01ml加え、加熱反応工程として105℃で3時間撹拌後、150℃に上げ1時間30分溶融し、淡黄色のガラス状物質を得た。さらに、160℃で5時間熟成した後、室温まで冷却したところ、ガラス状物質は淡黄色のままであった。
この物質の紫外−可視光吸収スペクトルを測定し、破線で示した。図1に示すように、有機無機ハイブリッドガラス状物質の各波長域における吸収率曲線の青色領域において、大きな吸収がみられ、黄色の着色があることが分かる。
本発明の実施例1及び比較例で示した吸収率測定結果。

Claims (4)

  1. 有機無機ハイブリッドガラス状物質を製造するための混合工程において、金属アルコキシドモル比で金属アルコキシドの10倍以上500倍以下の水、アルコール及び塩酸を一緒に混合した後、40℃以上100℃以下の温度で行われる加熱反応工程、40℃以上500℃以下の温度で処理される溶融工程及び30℃以上400℃以下の温度でかつ5分以上の時間で処理される熟成工程を経て製造することを特徴とする有機無機ハイブリッドガラス状物質の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法で製造された有機無機ハイブリッドガラス状物質。
  3. ガラス状物質の一部又はすべてに不規則網目構造を有することを特徴とする請求項に記載の有機無機ハイブリッドガラス状物質。
  4. 無色透明であることを特徴とする請求項又は請求項に記載の有機無機ハイブリッドガラス状物質。
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