JP2003105209A - 熱可塑性樹脂組成物、及びその成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物、及びその成形体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】燃焼、焼却時に完全燃焼して、有害物の発生が
抑制され、しかも、燃焼促進剤が配合されているにもか
かわらず無色、又は白色乃至白色がかった淡色を呈し、
更に経時による変色が防止された熱可塑性樹脂組成物及
びその成形体を提供することを目的ととする。 【解決手段】無機質担体に白金族元素を0.001〜
0.2wt%担持させた微粒子状の燃焼促進剤と、融点
が30℃以上、200℃未満の有機カルボン酸を配合し
てなる熱可塑性樹脂組成物であって、該組成物中の白金
族元素の濃度が0.5〜100ppmであることを特徴
とする熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃焼、焼却時に完全燃
焼して、有害物の発生が抑制される熱可塑性樹脂組成
物、及びその成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は、その優れた成形加工性
や機械的・物理的性質から、電気、機械、自動車用の部
品や建築、建設材料、或いは各種容器包装分野等の各方
面で多量に使用されている。しかしながら、それらの使
用量が増大するに従って、使用後の処分が大きな社会問
題となってきている。
【0003】すなわち、廃棄物処理の大部分を占める焼
却処分においては、排ガス中の一酸化炭素や窒素酸化
物、硫黄酸化物の問題や、燃え残り、残灰の問題に加え
て、近年ダイオキシン等の有害物の発生が大きな社会問
題となってきており、熱可塑性樹脂製品の廃棄物もそれ
らの要因の一つであると言われている。
【0004】このような状況下で、最近、熱可塑性樹脂
に特定の酸化鉄粒子を含有させたゴミ袋(特開平7−2
57594号公報)や買い物袋(特開平7−32291
0号公報)が提案されている。これらは、特定の酸化鉄
粒子の燃焼促進作用を利用したもので、焼却処分時に低
温、低酸素濃度下であっても熱可塑性樹脂を完全燃焼さ
せることにより、有害物の発生を抑える効果を有するも
のである。しかしながら、酸化鉄粒子を含有させた熱可
塑性樹脂組成物は、酸化鉄特有の色に着色するため、透
明性が要求されたり、特定の色に着色する必要のある包
装材料用途には問題を有していた。
【0005】そこで、本発明者等は先に、無機質担体に
白金族元素を0.001〜0.2wt%担持させた微粒
子状の燃焼促進剤を、該白金族元素の濃度が0.5〜1
00ppmになるよう極めて少量、熱可塑性樹脂に含有
させることで、燃焼、焼却時に完全燃焼して、有害物の
発生が抑制され、しかも、特定の酸化鉄を含有させた場
合のような不所望の着色の無い、すなわち無色、又は白
色乃至白色がかった淡色を呈する熱可塑性樹脂組成物が
得られることを見出し特許出願した(特願2000−2
84569号)。
【0006】しかしながら、該無機質担体に白金族元素
担持させた微粒子状の燃焼促進剤を含有させた熱可塑性
樹脂組成物の成形物は、成形直後は無色、又は白色乃至
白色がかった淡色を呈しているが、経時とともに成形物
が徐々に変色して黄味を帯びてきて、商品としての価値
が著しく低下するという問題点を有することが明らかに
なった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況に鑑みなされたもので、燃焼、焼却時に完全燃焼し
て、有害物の発生が抑制され、しかも、燃焼促進剤が配
合されているにもかかわらず酸化鉄粒子を配合した場合
と異なり、無色、又は白色乃至白色がかった淡色を呈
し、しかも経時による変色が防止された熱可塑性樹脂組
成物及びその成形体を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明者等は鋭意検討した結
果、無機質担体に白金族元素を担持させた微粒子状の燃
焼促進剤を含有させた熱可塑性樹脂組成物に、融点が3
0℃以上、200℃未満の有機カルボン酸を配合するこ
とによって、上記課題が解決できることを見出し本発明
に到った。
【0009】すなわち、本発明は、次の耐変色性に優れ
た熱可塑性樹脂組成物、及びその成形体に関するもので
ある。 (1)無機質担体に白金族元素を0.001〜0.2w
t%担持させた微粒子状の燃焼促進剤と、融点が30℃
以上、200℃未満の有機カルボン酸を配合してなる熱
可塑性樹脂組成物であって、該組成物中の白金族元素の
濃度が0.5〜100ppmであることを特徴とする熱
可塑性樹脂組成物。 (2)白金族元素がパラジウム及び/又は白金であるこ
とを特徴とする(1)記載の熱可塑性樹脂組成物。 (3)有機カルボン酸が脂肪族有機カルボン酸であるこ
とを特徴とする(1)乃至(2)のいずれかに記載の熱
可塑性樹脂組成物。 (4)フェノール系酸化防止剤が添加されていることを
特徴とする(1)乃至(3)のいずれかに記載の熱可塑
性樹脂組成物。 (5)(1)乃至(4)のいずれかに記載の熱可塑性樹
脂組成物を成形してなる成形体。
【0010】
【実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳細に説
明する。まず、本発明に用いられる燃焼促進剤は、無機
質担体に白金族元素を担持させたものである。白金族元
素としてはパラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、
オスミウム、イリジウムが挙げられるが、容易に入手で
き良好な触媒作用を示す点で、特にパラジウム又は白金
が好ましい。
【0011】また、無機質担体としては、α−アルミ
ナ、活性アルミナ等のアルミナや酸化チタン、シリカ、
ゼオライト、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、ジル
コニア、トリア、ボリア、シリカ−アルミナ等が挙げら
れる。これらの中でも熱可塑性樹脂中に配合した場合に
着色の恐れがなく、しかも容易に入手できるアルミナ、
酸化チタン、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム、及
び酸化マグネシウムが好ましい。また、粒子径としては
平均粒子径50μm以下、好ましくは0.1〜20μ
m、特に好ましくは0.2〜10μmである。
【0012】本発明に用いられる燃焼促進剤は上述した
無機質担体に白金族元素を担持させて製造するのである
が、担持させる方法としては、白金族元素を従来から行
われている通常の方法(含浸法、イオン交換法、濃縮
法、沈殿法等)で無機質担体に担持させた後、50から
200℃で乾燥し、更に400℃〜800℃で焼成する
方法等が制限なく適用できる。また、その際の担持量
は、無機質担体に対して0.001〜0.2wt%、好
ましくは0.005〜0.15wt%、特に好ましくは
0.01〜0.08wt%である。白金族元素の担持量
が0.001wt%未満では燃焼促進剤としての効果が
期待できず、0.2wt%を超えるとコストアップの原
因となるばかりか、得られる燃焼促進剤が着色して本発
明の目的の一つが達成できなくなるので好ましくない。
更に、無機質担体に白金族元素の燃焼触媒作用を促進す
るための他の各種触媒成分や助触媒成分を併用して担持
させることももちろん可能である。燃焼促進剤の粒子径
は、無機質担体の粒子径と通常同一であり、平均粒子径
50μm以下、好ましくは0.1〜20μm、特に好ま
しくは0.2〜10μmである。
【0013】また、本発明に用いられる熱可塑性樹脂と
しては特に制限は無いが、例えばポリエチレン、エチレ
ン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナ
イロン6、ナイロン66等のポリアミド樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。これらの中でも、
ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系樹脂が、塩素を含まず各分野で広く使用さ
れており好ましい。
【0014】熱可塑性樹脂に対する燃焼促進剤の配合割
合は、熱可塑性樹脂組成物中の白金族元素の濃度が0.
5〜100ppm、好ましくは1〜50ppm、より好
ましくは2〜20ppmになるように配合する必要があ
る。白金族元素の濃度が0.5ppm未満では、燃焼促
進効果が期待できず、逆に100ppmを越えると濃度
に見合った効果が期待できないばかりか、熱可塑性樹脂
組成物が着色するので好ましくない。
【0015】本発明において、融点が30℃以上、20
0℃未満の有機カルボン酸を、無機質担体に白金族元素
を担持させた微粒子状の燃焼促進剤と併用して配合する
ことによって、経時による変色が効果的に防止される。
有機カルボン酸の融点が30℃未満の場合は、得られた
熱可塑性樹脂組成物の成形体の表面にブリードして、ベ
トツキの原因になり好ましくない。一方、融点が200
℃を越えると、熱可塑性樹脂中に均一に分散させるため
に高温での混練が必要になり、熱や酸素による樹脂の劣
化が促進され好ましくない。
【0016】本発明に用いられる融点が30℃以上、2
00℃未満の有機カルボン酸としては、カプリン酸、ラ
ウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸
等の脂肪族モノカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セ
バシン酸、マレイン酸等の脂肪族ポリカルボン酸、グリ
コール酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸等の脂肪族ヒド
ロキシカルボン酸、及び安息香酸、フタル酸、オキシ安
息香酸等の芳香族カルボン酸等が挙げられる。これらの
内、変色防止効果の点で脂肪族有機カルボン酸が好まし
く、特にカプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パル
ミチン酸、ステアリン酸、セバシン酸、クエン酸が変色
防止効果が高くて好ましい。
【0017】融点が30℃以上、200℃未満の有機カ
ルボン酸の配合量としては、熱可塑性樹脂に対して0.
001〜2wt%、好ましくは0.005〜1wt%で
あり、より好ましくは0.01〜0.5wt%である。
0.001wt%未満では経時による変色防止効果が期
待できず、2wt%を越えると濃度に見合った効果が期
待出来ないばかりか、成形体の表面にブリードする場合
があり好ましくない。
【0018】熱可塑性樹脂は成形加工時又は使用時に、
熱、及び酸素の作用により劣化し、分子量低下等の現象
を伴って、その物性を著しく低下することは良く知られ
ている。そこで、一般に、この熱や酸素による劣化を防
止するために、フェノール系酸化防止剤が添加される場
合が多い。
【0019】フェノール系酸化防止剤としては、2,6
−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、n−オクタデシル
−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオネート、2,4−ビス−(n−オクチル
チオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス
[(オクチルチオ)メチル]−o−クレゾール、2,
2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェ
ノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6
−t−ブチルフェノール)、トリエチレングリコール−
ビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート]、N,N′−ヘキサメ
チレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
−ヒドロシンナマイド)、ペンタエリスリチルテトラキ
ス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフ
ェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリメチル−
2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4
−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベン
ジル)イソシアヌル酸、トリス−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート等が
例示できる。
【0020】無機質担体に白金族元素を担持させた微粒
子状の燃焼促進剤を含有させた熱可塑性樹脂組成物にお
いて、フェノール系酸化防止剤が添加された場合には、
添加されていない場合に比べ、経時の変色が早く、また
変色の度合いも強くなることが認められた。しかしなが
ら、前述の融点が30℃以上、200℃未満の有機カル
ボン酸を配合することによって、フェノール系酸化防止
剤が添加された場合においても、経時による変色が効果
的に防止されることが見出された。
【0021】本発明の耐変色性に優れた熱可塑性樹脂組
成物の製造方法としては特に制限は無いが、上記配合成
分をロール、ニーダー、バンバリーミキサー、押出し機
等で混合してもよいし、予め上記配合成分のマスターバ
ッチを公知の方法で作成しておき、熱可塑性樹脂に所定
の配合割合になるように配合してもよい。また、上記成
分以外に、帯電防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、着色剤
等の公知の添加剤を必要に応じて配合しても差し支えな
い。このようにして得られた耐変色性に優れた熱可塑性
樹脂組成物は、押出し成形法、射出成形法、或いは圧縮
成形法等の公知の成形法で成形体とすることができる。
【0022】
【実施例】次に、実施例によって、本発明を具体的に説
明する。なお、燃焼促進剤としては以下に述べる製造例
1、2で得られた燃焼促進剤A、Bを使用した。また、
燃焼促進剤の触媒活性は、試料(50mg)をパルス式
固定床反応装置に充填し、ヘリウムガス(流量:40m
l/min)を流しながら、メタン1.0%、酸素2.
4%、残部ヘリウムからなる混合ガス1mlをパルス流
として反応装置に導入して、500℃でメタンの接触酸
化反応を行い、反応装置から排出されるガス中のメタン
濃度をガスクロマトグラフで測定することによりメタン
反応率を求めて評価した。
【0023】[製造例1]平均粒径1.0μmのα−ア
ルミナを無機質担体として使用し、これにパラジウムを
0.05wt%担持させて燃焼促進剤Aを得た。パラジ
ウムの担持は、α−アルミナに硝酸パラジウム水溶液を
含浸させ、乾燥後、500℃で焼成することにより行っ
た。この燃焼促進剤は概ね白色であり、触媒活性を測定
したところメタン反応率は95.2%であった。
【0024】[製造例2]平均粒径3.0μmのα−ア
ルミナを無機質担体として使用し、これに製造例1と同
様な方法でパラジウムを2.0wt%担持させて燃焼促
進剤Bを得た。この燃焼促進剤は黒褐色に着色してお
り、触媒活性を測定したところメタン反応率は100%
であった。
【0025】本発明で使用する燃焼促進剤の焼却時にお
けるダイオキシン発生抑制の効果を確認するために以下
の試験を行った。 [参考例1]低密度ポリエチレン90重量部と、塩化ビ
ニル樹脂10重量部、及び製造例1の燃焼促進剤A4重
量部を加熱混練して、パラジウム濃度が19.2ppm
である熱可塑性樹脂組成物を得た。この熱可塑性樹脂組
成物(3g)を石英ガラス管中で合成空気を2L/mi
nの流量で供給しつつ700℃で燃焼させた。石英管か
ら排出される燃焼ガスをサンプリング装置で捕集して、
JIS K0311に準拠してダイオキシン類の分析を
行った。結果を表1に示す。
【0026】[参考例2]燃焼促進剤を配合していない
以外は参考例1と同様にして得た熱可塑性樹脂組成物を
参考例1の場合と同様にして燃焼させ、燃焼ガス中のダ
イオキシン類の分析を行った。結果を同じく表1に示
す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、塩化ビニル樹脂
が配合された熱可塑性樹脂組成物を燃焼させた場合、燃
焼促進剤を全く配合していない参考例2の熱可塑性樹脂
組成物はかなりダイオキシン類が発生することが認めら
れたが、燃焼促進剤Aを配合した参考例1の熱可塑性樹
脂組成物は燃焼促進剤Aを配合した効果によってその発
生量が大幅に減少した。
【0029】本実施例における燃焼特性、フィルムの外
観(着色の有無)及び変色試験の結果は以下の方法で測
定し、評価した。 <燃焼特性>燃焼促進剤を含有する熱可塑性樹脂組成物
の燃焼特性は、石英管中に熱可塑性樹脂組成物10mg
を入れ、500℃で、酸素を200ml/minで3分
間流して燃焼させ、燃焼ガス中の二酸化炭素、一酸化炭
素濃度をガスクロマトグラフによって測定することによ
り評価した。同時に、燃焼中の煙の発生の有無を目視で
観察した。なお、燃焼促進剤を使用していない対照例に
比べて一酸化炭素量が減少して二酸化炭素量が増加すれ
ば燃焼促進剤が優れた燃焼促進効果を発揮したことを意
味している。
【0030】<フィルムの外観(着色の有無)>熱可塑
性樹脂組成物を成形して得た厚さ100μmのフィルム
を目視で観察すると共に、白色校正板上にのせ、色彩色
差計(ミノルタカメラ(株)製)を用いてL
表色系(JIS Z8729 色の表示方法)における
明度(L )を測定して評価した。なお、明度(L
は、白色度が増すほど高く、逆に黒色度が高くなるほ
ど、すなわち暗くなるほど低い値を示す指標である。本
発明においては、燃焼促進剤を配合しても不所望の着色
のない、白色乃至白色がかった淡色になる熱可塑性樹脂
成形体を提供することを目的としていることから、成形
体の厚み等にもよるがこの明度(L)が90以上、特
に95以上であることが好ましい。
【0031】<変色試験>熱可塑性樹脂の変色の度合い
を測定するために、当該熱可塑性樹脂組成物を成形して
得た厚さ0.5mmのシートを、40℃で70%RHの
雰囲気下に1週間放置する変色試験を行い、試験前と1
週間放置後のシートのL表色系での色差(Δ
ab)を色彩色差計を用いて測定することにより評
価した。なお、色差(ΔEab)は下記式によって求
められる値である。 ΔEab=[(ΔL)2+(Δa)2+(Δb)21/2 ここで、本願発明において変色の度合いを示す指標とし
て色差(ΔEab)を使用したのは、本願発明におい
て起こる変色が主として黄味を帯びるという変色である
ことから、L表色系における明度(L)で
はなく、主として色度(a、b)の差として現れる
ことによるものである。なお、色差(ΔEab)は、
変色の度合が少ないほど低く、逆に変色の度合が増すほ
ど高い値を示す指標であり、色差(ΔEab)が6を
越えると目視においても容易に変色が判別できることか
ら、色差(ΔEab)は6以下が好ましい。
【0032】実施例1〜10 表2に示す配合の熱可塑性樹脂組成物を調製して、その
燃焼特性を測定すると共に、フィルムとした場合の外観
(着色の有無)の評価及びシート状の成形体とした場合
の変色試験を行った。結果を同じく表2に示す。
【0033】
【表2】
【0034】比較例1〜5 表3に示す配合の熱可塑性樹脂組成物を調製して、その
燃焼特性を測定すると共に、フィルムとした場合の外観
(着色の有無)の評価及びシート状の成形体とした場合
の変色試験を行った。結果を同じく表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】表2、及び表3から明らかなように、本発
明の燃焼促進剤を配合した実施例1〜10、比較例3、
5にかかる熱可塑性樹脂組成物が優れた燃焼特性を示し
て完全燃焼したのに対して、燃焼促進剤を配合していな
い比較例1の熱可塑性樹脂組成物、燃焼促進剤の代わり
に無機質担体として使用したα−アルミナのみを配合し
た比較例2の熱可塑性樹脂組成物は、いずれも燃焼時に
煙の発生が確認され、燃焼特性測定の結果からも一部不
完全燃焼が起こっていることが確認された。一方、パラ
ジウム濃度が2000ppmにもなるように燃焼促進剤
を配合した比較例4の熱可塑性樹脂組成物は優れた燃焼
特性を示して完全燃焼したものの茶褐色に着色してお
り、また明度(L)も66.92と低いものであっ
た。また、比較例3にかかる熱可塑性樹脂組成物は本発
明の燃焼促進剤が配合されているため優れた燃焼特性を
示したが変色試験の終了時には黄色く変色しており変色
の度合いを示す色差(ΔEab)は13.51と高か
った。更に、比較例3の熱可塑性樹脂組成物に更にフェ
ノール系酸化防止剤(2,6−ジ−t−ブチル−p−ク
レゾール(住友化学工業製 スミライザー BHT))
が配合されている比較例5の熱可塑性樹脂組成物は変色
試験の終了時には比較例3の場合以上に黄色く変色して
おり変色の度合いを示す色差(ΔEab)は20.7
5と極めて高かった。それに対して、融点が30℃以
上、200℃未満の有機カルボン酸を配合した本発明の
実施例1〜10の熱可塑性樹脂組成物は変色試験終了時
の変色の度合いを示す色差(ΔEab)が小さく、燃
焼促進剤による変色のみならず、フェノール系酸化防止
剤が併用された場合についても優れた変色防止効果が見
られた。特に、融点が30℃以上、200℃未満の脂肪
族有機カルボン酸はその効果が高かった。
【0037】比較例6 紡錘状ゲーサイト粒子(平均粒子径0.25μm、比表
面積84m)について触媒活性を測定したところメタ
ン反応率は96.9%であった。また、低密度ポリエチ
レン99重量部に上記ゲーサイト粒子1重量部配合して
加熱混練して、ゲーサイト濃度が10,000ppmの
熱可塑性樹脂組成物を得た。この組成物の燃焼特性を評
価したところ二酸化炭素濃度は2.46%、一酸化炭素
濃度は0.25%であり、燃焼中に煙は観察されず優れ
た燃焼促進効果を示した。しかしながら、該熱可塑性樹
脂組成物を成形して得られた厚み100μmのフィルム
の外観はゲーサイト特有の黄色であり着色を嫌う用途に
は使用できないものであった。また、色彩光度計を用い
て測定した明度(L)は86.70であった。
【0038】
【作用及び効果】本発明の耐変色性に優れた熱可塑性樹
脂組成物は、無機質担体に白金族元素を担持させた微粒
子状の燃焼促進剤を熱可塑性樹脂に含有させてなる、燃
焼、焼却時の有害物の発生が抑制された、無色、又は白
色乃至白色がかった淡色を呈する熱可塑性樹脂組成物が
有している経時により変色するという問題点を、融点が
30℃以上、200℃未満の有機カルボン酸を併用して
配合することにより効果的に防止したものであり、商品
としての価値を極めて高めるという効果を有している。
フロントページの続き (72)発明者 折原 正直 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 (72)発明者 丹下 善弘 香川県丸亀市中津町1515番地 大倉工業株 式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA01 AB06 AC09 AC11 AE05 AF47 AH19 4J002 BB031 BB051 BB061 BB121 BC031 BC041 CF061 CL011 CL031 DA116 EF037 EJ028 FB076 FD078

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機質担体に白金族元素を0.001〜
    0.2wt%担持させた微粒子状の燃焼促進剤と、融点
    が30℃以上、200℃未満の有機カルボン酸を配合し
    てなる熱可塑性樹脂組成物であって、該組成物中の白金
    族元素の濃度が0.5〜100ppmであることを特徴
    とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】白金族元素がパラジウム及び/又は白金で
    あることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】有機カルボン酸が脂肪族有機カルボン酸で
    あることを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載
    の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】フェノール系酸化防止剤が添加されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱
    可塑性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の熱可塑
    性樹脂組成物を成形してなる成形体。
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