JP2004002507A - 難燃性シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】メラミン100重量部、炭素数12〜24の脂肪酸アミド2〜20重量部、ポリオレフィン樹脂50〜150重量部からなる難燃性シート。
Description
【発明の属する技術分野】本発明は難燃性に優れた焼却可能なシートに関するものであり、シート加工性、シート物性に優れ、焼却しても有害ガスや有害物質の発生が少なく、かつ残灰分が少ない難燃性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】化学工場、研究所、病院、原子力発電所等の放射線物質を取り扱う場所で、放射線取り扱い装置を工事点検等する場合、放射線物質による汚染を防止するため装置、周辺部をシートで覆って保護することが行われている。
【0003】このシートは、取り外した機器などを覆って、工事中の安全を図り、汚染を防止するとともに、通路や作業スペースに敷き詰め、シート上で作業員の移動や、メンテナンス作業が行われる。また作業員の保護のため防護服の生地として使用されることもある。
【0004】周辺で工事のため溶断、溶接等に火気を使用することもあり、火災の発生は大きな危険を招く設備が多いので、本目的に使用するシートは高度の難燃性を有する必要があり、通常、難燃性規格としてUL−94に準拠する難燃試験においてVTM−0に相当する難燃性が必要とされている。
【0005】従来、保護シートとして、エチレン−酢酸ビニル系樹脂や塩化ビニル系樹脂が使用され、シートに難燃性を付与するために、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化アンチモン、リン酸メラミンなどの無機系難燃剤が使用されていた。
【0006】これらの保護シートは、所定作業が終了後、取り外して焼却処理されるが、残灰は放射性物質を含むので、特殊な容器に入れて埋め立て処理されなければならない。また、ハロゲン系樹脂シートや、ハロゲンを含む難燃剤を使用すると焼却時に有毒ガスや有害物質が発生し、焼却炉を傷めたり、周辺環境に悪影響を与えるので、残灰分が少なく、ハロゲン分子を含まない難燃性樹脂シートが要求されていた。
またリンやハロゲンなどの元素は、放射性同位元素となるので、本目的のシートにリンやハロゲンなどの容易に放射性同位元素となる元素を含まないことが要求されている。
【0007】そこで、ポリアミド系樹脂やオレフィン系樹脂に、メラミンシアヌレート等の有機系難燃剤を加えたフィルムが提案されている(特開2001−31780、特開2001−206961)。しかしながら、これらのフィルムは、後処理性は前記要求を満足するものの、必ずしも難燃性が十分ではないのが実情であり、十分な難燃性を持たせようとして難燃剤の配合量を多くするとフィルム加工性やフィルム強度を犠牲にせざるを得ず、また難燃剤の価格も高価であるため、さらなる改善が望まれていた。
【0008】また特願2002−099182号においてメラミンと脂肪酸からなる難燃性フィルムを提案したが、該フィルムは難燃性、後処理性は十分であるものの、大量に連続成形するとシート成形時に白すじの発生等があり、また厚みむらも発生し易く、フィルムの成形性の点で不十分であった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術が有していた前述の課題を解決しようとするものであり、難燃性に優れ、フィルムの伸び、強度、シート大量生産時のフィルム成形性や厚みむら、加工性に優れ、かつ後処理の容易性に優れた安価な難燃性を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために、メラミン100重量部、炭素数12〜24の脂肪酸アミド2〜20重量部、エラストマー成分を含むオレフィン樹脂50〜150重量部からなる難燃性シートを提供するものであり、
【0011】好ましくは、オレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂である前記難燃性シートを提供するものであり、
【0012】オレフィン系樹脂が、エラストマー成分を含むエチレンプロピレン共重合エラストマー含有ポリプロピレンである前記の難燃性シートを提供するものであり、
【0013】好ましくは、脂肪酸アミドがステアリン酸アミドである前記難燃性シートを提供するものであり、
【0014】好ましくは、メラミンの粒子径が10μm以下である前記難燃性シートを提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
本発明における難燃性シートは、オレフィン樹脂からなる。シート化のしやすさ、廃棄後のシートの処理を考えると、焼却時に有害物質の生成がないポリオレフィン系樹脂が好ましい。
【0016】ポリオレフィン系樹脂は、難燃性、シート成形性を損なうことなくシート化することができる、ポリオレフィン系樹脂であれば、特に制限されるものではないが、ポリオレフィン樹脂および変性オレフィン樹脂を包含する。
【0017】狭義のポリオレフィン樹脂とは炭素数2〜8のオレフィンを主体として重合又は共重合することにより得られる低結晶ないし高結晶性の樹脂であって、超低密度ポリエチレン(以下VLDPEと略す場合がある)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、アタクチックポリプロピレン、ポリブテン−1(PB−1)等を意味する。
【0018】またここでいう変成オレフィン系樹脂とは、オレフィンとオレフィン以外のモノマーをマイナスイオンの発生を阻害しない範囲で共重合した樹脂を指す。オレフィン系モノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン等が挙げられ、共重合するモノマーとしては、EPM、EPDM、スチレン、アルキルスチレン、ビニルエーテル、等が挙げられる。
【0019】前記ポリオレフィン系樹脂のうち、連続成型時の安定生産性の点から、エチレン−プロピレン共重合体エラストマー(EPM、EPDM)、ポリプロピレンーポリエチレン(PP−PE)ランダムコポリマーが好ましく、シート成形時に白すじの発生や厚みむらの改善を考慮するとPP−PEランダムコポリマ−は特に好ましい。
【0020】また、前記ポリオレフィン系樹脂の中でもシート化の成形性を考えると、超低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、スチレン−オレフィン系共重合樹脂の中から選ばれた少なくとも1種類以上の樹脂組成物も好ましく用いられ、中でもポリプロピレンを主構成成分とするポリプロピレン系樹脂は、難燃性、成形性、が良好で好適に使用される。
【0021】本発明の樹脂には前記ポリオレフィン系樹脂の他に、難燃性、シート成形性を妨げない範囲他の樹脂を含有してもよい。混合できる樹脂として(メタ)アクリル酸エステル系樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオキシエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、等が挙げられる。
【0022】本発明における難燃性シートは、エラストマー成分を含むポロプロピレン系樹脂も使用することができる。
エラストマー成分としては、エラストマーとしての性質を持つものであれば特に制限されないが、例えばスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体(SIS)、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体(SEPS)、水素添加型スチレン−ブタジエンランダム共重合体(HSBR)等のスチレン含有エラストマーや1,2−ポリブタジエン系エラストマー(RB)、トランス1,4−ポリイソプレン系エラストマー(TPI)、エチレン−プロピレン共重合体エラストマー(EPM、EPDM)、ポリイソブチレン、ポリエチレン−ポリブチレン、等がある。
【0023】ポリプロピレンについては、重合の際、立体規則性を制御することにより高分子量のアタクチック体を一定量形成させることができる。この高分子量のアタクチック成分は本願におけるエラストマー成分として機能し、単一組成のポリプロピレンに、エラストマーを配合したのと同様の効果をもたらし、本発明品のシートに好適に使用できる。
【0024】シート化の成形性、シートの物性を考慮するとポリプロピレン系熱可塑生エラストマー(TPO)は好ましい態様である。
TPOには製造形態により、▲1▼単純ブレンド型TPO(バンバリーやプラストミル等の分散機で熱可塑性ポリオレフィン樹脂とEPDMのようなエラストマー性付与成分を物理的ブレンドをして、オレフィンマトリクス中にゴム成分を分散したもの)、▲2▼インプラント型TPO(オレフィンを2段階で重合することにより、リアクター中でハードセグメント部分とソフトセグメント部分とを順次形成しエラストマー性を付与したもの)、▲3▼動的架橋型TPO(バンバリーやプラストミル等の分散機で物理的混合するとともに、ゴム成分の架橋反応をさせたもので熱可塑性ポリオレフィンマトリクス中に架橋されたゴム成分が細かく分散している。)等がありいずれも好適に使用できる
【0025】本発明の難燃性シートは、難燃剤としてメラミンを含有する。本発明で使用するメラミンは純度90%以上の結晶であれば特に制限されるものではなく、メラミン樹脂等の原材料として使用されている市販品を使用してもよい。
【0026】本件特許発明に使用するメラミンは、樹脂への分散性やシートの外観を考えると平均粒径10μm以下が好ましく、平均粒径5μm以下が特に好ましい。したがって、市販のメラミン結晶をさらに微粉砕した粉末も好適に使用できる。
【0027】粉砕方法は特に制限されるものではないが、ボールミル、ローラミル、ビーズミル、ハンマーミル、スタンプミル等が使用でき、作業性の点からボールミルを使用するのが好ましい。また汚染を防ぐ意味でアルミナ製のボールミルが好ましい。
【0028】樹脂の含有量はメラミン100重量部に対して50〜150重量部、好ましくは55〜140重量部、特に好ましくは60〜120重量部である。50重量部以上であればシートの伸びや強度が十分であるので好ましく、150重量部以下であれば難燃性が十分であるので好ましい。
【0029】本発明の難燃性シートは炭素数12〜24の脂肪酸アミドを含有する。本脂肪酸アミドは、メラミンの樹脂への親和性を高め、シートの伸び等の物性向上に寄与すると共に、さらにはシートに適度の柔らかさや粘り強さを与え、シートの取り扱い作業をやり易くする効果をも有する。
【0030】本シートに使用できる脂肪酸アミドとしては炭素、水素、酸素、窒素以外の元素を含まないものであれば特に制限されるものではなく、ラウリン酸アミド、ミリスチン酸アミド、バルチミン酸アミド、ステアリン酸アミド、イソステアリン酸アミド、アラキジン酸アミド、ベヘニン酸アミド、リグノセリン酸アミド、アジピン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド;パルミトレイン酸アミド、オレイン酸アミド、リノール酸アミド、リノレン酸アミド、エライジン酸アミド、セトレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、フタル酸アミド、トルイジン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドなどが挙げられいずれも使用出来る。なかでも安価であり、適度の融点を持ち刺激性や臭気が少ない等、取り扱いやすさの点などからステアリン酸アミドがもっとも好ましい。
またオレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドは常温で液体であり取り扱いやすいが、耐熱性が悪く加工時に熱変色をおこすことがある。そのような場合には例えばαトコフェロールのような熱安定剤を併用すればよい。
【0031】脂肪酸アミドの含有量はメラミン100重量部に対して2〜20重量部、好ましくは3〜15重量部、特に好ましくは5〜10重量部である。
2重量部以上であればシートの成形性や強度が十分であり、20重量部以下であれば難燃性が十分であるので好ましい。
【0032】上記難燃性シートには、上記樹脂の他に、焼却の際に不都合がない構造のすなわち、分子中に酸素、水素、炭素、窒素以外の元素を含まない構造(有害な放射性同位元素を生成するような元素を構造として含まない構造)を持つ紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等の各種添加剤、などの各種添加剤を含有してもよい。
【0033】紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、ベンゾエート系等の有機系紫外線吸収剤、を使用することができる。
【0034】光安定剤としては、ビス(2,2,6,6,−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6,−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ]−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン等のヒンダードアミン系のものが使用出来る。
【0035】酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、ラクトン系、αトコフェロール系のものが使用できる。
以上の紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤は、効果の高い組合わせを選定し併用することが出来、また、ベンゾオキサゾール系、スチルベン系等の蛍光増白剤を入れることもできる。難燃性、フィルム物性等の向上の目的で他の有機充填剤を含有してもよい。さらに着色の目的で顔料や染料等の着色剤を含有しても良い。
【0036】前記配合物を配合しシート化する方法は一般の方法でよいが、例えば配合方法としてはメラミンと脂肪酸をヘンシェルミキサー等を用いて加熱混合したのち、ボールミル等で微粉砕し、樹脂とともに二軸押出機等を用いてペレット化すればよい。
またシート化の方法としては例えばTダイ押出法、インフレーション法、カレンダー法
等が挙げられる。
【0037】本件の難燃性シートは、原子力関連施設の補修時に保護シートとして使用されることが多いが、分解した機器の上被せたり、床上に敷き、その上を作業者が歩いたり、場合によっては作業をシート上行ったりすることもあるため、該シートには機械的特性(強度、滑りにくさ等)、柔軟性(被せやすさ、破れ難さ等)、作業性等が必要である。
【0038】上記難燃性シートの膜厚は30〜300μm、好ましくは35〜200μm、より好ましくは40〜150μmである。膜厚が30μm以上であれば機械的強度に優れ使用時に破損する危険が少ないので好ましい。また300μm以下であれば、軽量で取り扱いが容易であり、またコスト面でも有利であるので好ましい。
【0039】難燃性シートの降伏応力は、3MPa以上、好ましくは4MPa以上、特に好ましくは5MPa以上であり、かつ該難燃性シート破断応力は、4MPa〜25MPa、好ましくは5MPa〜20MPa、特に好ましくは6MPa〜15MPaであって、適度の固さを持つ強度の高いシートが特に好ましい。
【0040】難燃性シートの降伏応力は、3MPa以上、好ましくは4MPa以上、特に好ましくは5MPa以上であるのがよく、その時のフィルムの破断伸びは、200%以上、好ましくは300%以上、特に好ましくは400%以上であって、強度を持ちながら、柔軟性をも併せ持った難燃性シートは特に好ましい。
【0041】
【発明の実施の形態】以下実施例により、発明を説明する。
なお物性評価は以下に述べる方法で行った。
(1)シート外観 目視評価 ○:良好で欠点の見られないもの
△:流れ筋の目立つもの
×:表面荒れが著しいもの
(2)シート機械的特性:JIS K7127に基づいて下記物性値を測定した。
▲1▼ 降伏応力
▲2▼ 破断応力
▲3▼ 破断伸び
(3)シート評価 ○:柔軟で良く伸び、容易に裂けないもの
△:伸びが少なく、やや裂けやすいもの
×:もろく、シートとして実用に耐えない
(4)灰分 850℃強熱残分を灰分とした。
(5)難燃性 UL−94に準拠するVTM法で行った。
【0042】
【実施例1】平均粒径3μmのメラミン100重量部にステアリン酸アミド8重量部を加え、ヘンシェルミキサーで攪拌し約1時間かけて130℃に達したところで攪拌を止めた。約8時間かけて50℃に放冷した後、ポリプロピレン樹脂としてPP−PEランダムコポリマー構造である、ポリプロピレン樹脂 製品名:住友ノーブレンS131(住友化学製)90重量部を混合し同方向二軸押出機 PCM−30(池貝製)を用いシリンダー温度200℃にて混錬、ペレット化した。上記ペレットをシリンダー径65mm、L/D28のTダイ付単軸押出機を用い、シリンダー温度200℃、ダイ温度190℃にて押出し、厚さ130μmのシートを得た。
【0043】
【実施例2】ステアリン酸アミド8重量部を5重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、厚さ130μmのシートを得た。
【0044】
【実施例3】ステアリン酸アミド8重量部を15重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、厚さ130μmのシートを得た。
【0045】
【実施例4】ポリプロピレン樹脂S131(住友化学製)を60重量部に変更する以外は実施例1と同様にして、厚さ130μmのシートを得た。
【0046】
【実施例5】ポリプロピレン樹脂S131(住友化学製)を120重量部用いる他は実施例1と同様にして、厚さ130μmのシートを得た。
【0047】
【実施例6】ポリプロピレン樹脂S131(住友化学製)90重量部をエチレンプロピレン系エラストマー成分含有ポリプロピレン樹脂 エクセレンEP3725(住友化学製)を用いた以外は実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0048】
【実施例7】ステアリン酸アミドの代わりにイソステアリン酸酸アミドを用いた以外は、実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0049】
【実施例8】平均粒径30μmのメラミン100重量部にオレイン酸アミド8重量部、αトコフェロール0.5重量部を加え、アルミナ製ボールミルを用いて5時間粉砕し、平均粒径を5μmとした。続けてポリプロピレン樹脂S131(住友化学製)90重量部とともに同方向二軸押出機 PCM−30((池貝製)を用いシリンダー温度200℃にて混錬、ペレット化した。
上記ペレットをシリンダー径65mm、L/D 28のTダイ付単軸押出機を用い、シリンダー温度200℃、ダイ温度190℃にて押出し、厚さ130μmのシートを得た。
【0050】
【実施例9】実施例8と同様にして、厚さ65μmのシートを得た。
【0051】
【実施例10】ポリプロピレン樹脂S131(住友化学製)90重量部を、エチレンプロピレン系エラストマーを含有するリアクター内アロイ・ポリプロピレン樹脂 KS−353P(MONTEL−JPO製)100重量部に換える以外は、実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0052】
【実施例11】ポリプロピレン樹脂S131(住友化学製)90重量部を、エラストマー成分含有エチレン系樹脂、タフマーA−4090(三井化学製)100重量部に換える以外は、実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0053】
【実施例12】ポリプロピレン樹脂S131(住友化学製)90重量部を、エラストマー成分含有ポリプロピレン系樹脂、タフマーXR−106P(三井化学製)100重量部に換える以外は、実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0054】
【比較例1】ステアリン酸アミドを使用しない以外は実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0055】
【比較例2】ステアリン酸アミドを1重量部使用する以外は実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0056】
【比較例3】ステアリン酸アミドを25重量部使用する以外は実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0057】
【比較例4】ポリプロピレン樹脂S131(住友化学製)を45重量部使用する以外は実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0058】
【比較例5】ポリプロピレン樹脂S131(住友化学製)を160重量部使用する以外は実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0059】
【比較例6】平均粒径30μmのメラミンを用いる他は実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0060】
【比較例7】ステアリン酸アミドの代わりにステアリン酸を用いる以外は実施例1と同様にして厚さ130μmのシートを得た。
【0061】以上の結果を表1〜表3にまとめる。
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】本発明の難燃性シートの構成は前述の通りである。メラミン、特定の脂肪酸アミド、特定の樹脂を特定の割合で組み合わせることにより、UL−94 VTM−0に相当する高度の難燃性を有しながら、物性に優れ、加工しやすく、燃焼時に有害なガスの発生が無く、灰分もほとんど無く、特に放射線物質取扱所において好適に使用できるシートが安価に得られる。
Claims (6)
- メラミン100重量部、炭素数12〜24の脂肪酸アミド2〜20重量部オレフィン系樹脂50〜150重量部からなる難燃性シート。
- オレフィン系樹脂が、ポリプロピレン系樹脂である請求項1記載の難燃性シート。
- オレフィン系樹脂が、ポリプロピレン−ポリエチレン(PP−PE)ランダムコポリマーである請求項1記載の難燃性シート。
- オレフィン系樹脂が、エラストマー成分を含むエチレンプロピレン共重合エラストマー含有ポリプロピレンである請求項1記載の難燃性シート。
- 脂肪酸アミドがステアリン酸アミドである請求項1〜請求項4いずれかに記載の難燃性シート。
- メラミンの平均粒子径が10μm以下である請求項1〜請求項5いずれかに記載の難燃性シート。
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