JPH0873663A - ゴムの架橋方法 - Google Patents

ゴムの架橋方法

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JPH0873663A
JPH0873663A JP20857894A JP20857894A JPH0873663A JP H0873663 A JPH0873663 A JP H0873663A JP 20857894 A JP20857894 A JP 20857894A JP 20857894 A JP20857894 A JP 20857894A JP H0873663 A JPH0873663 A JP H0873663A
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JP
Japan
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rubber
catalyst
crosslinking
weight
crosslinking agent
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Application number
JP20857894A
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English (en)
Inventor
Motoyoshi Tsujimoto
素芳 辻本
Giyouji Hirata
仰二 平田
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 不飽和二重結合含有ゴム(a)100重量部
にパラフィン系オイル(f)30〜300重量部を添加
し、分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロ
キサン系架橋剤(b)0.5〜30重量部及びハイドロ
シリル化触媒(c)0.001〜20重量部で架橋する
方法において、該架橋剤及び/または該触媒を溶媒
(d)に溶解または懸濁させ微粒粉末(e)に担持して
なることを特徴とするゴムの架橋方法。 【効果】 本発明の架橋方法では高機能ゴム組成物を安
定して生産性良く得ることができる。即ち、該ゴム組成
物は柔軟性、耐熱クリープ性能、低温耐衝撃性、機械的
強度に優れ、広い温度範囲にわたって優れたゴム弾性を
示し、さらに耐油性が良好、調色が自由なため、耐油
性、ゴム弾性、機械強度及び成形速度、成形歩留まり、
調色の自由度等の改善が望まれている自動車部品、家電
部品、各種電線被覆物(絶縁用、シース用)及び各種工
業部品に好適に成形し用いることができる。さらに、衛
生性も優れるので食品用途、医療用途にも展開できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ゴムの架橋方法に関す
るものである。本発明により得られる架橋ゴムは柔軟性
に富み、広い温度範囲にわたるゴム弾性、高温クリープ
性能、低温耐衝撃性、機械強度、成形加工性に優れ、耐
油性、耐光変色性が良好で調色性に非常に優れ、更に生
体適合性に優れ、食品用途、医療用途も含めた各種成形
物の素材として使用できる。
【0002】
【従来の技術】ゴムの可塑性を失くして、引張強度、引
裂強度、弾性を向上させ、ゴムの熱的変化、摩耗を少な
くするため、ゴム間を化学的に結合する能力を有する架
橋剤によって架橋させる。架橋剤は硫黄系(促進剤も含
む)架橋剤、過酸化物系架橋剤、樹脂系架橋剤、オキシ
ム系架橋剤、金属酸化物系架橋剤、アミン系架橋剤、イ
オン系架橋剤等が挙げられるが、この中で一般的なもの
は硫黄系架橋剤、過酸化物系架橋剤である。硫黄系加硫
剤は、最も一般的であり、種々の架橋促進剤、補強剤、
架橋促進助剤などを組み合わせで低コストで高弾性、低
クリープ性のものが得られており、自動車部品、家電部
品、電線被覆材、雑貨、履物等の分野で利用されてい
る。しかしながら、硫黄系架橋ゴムの場合、耐熱安定性
が十分とはいえず、また非結合の化合物がブルームして
しまい、成型品の外観、耐老化性を悪化させてしまうと
いう問題点がある。さらに、カーボンブラックのような
補強剤をもちいるため、着色の自由度は全くなく、また
生体適合性が要求される食品用途、医療用途には用いる
ことはできない。一方、過酸化物系架橋剤は、特に硫黄
架橋できない飽和ゴムの架橋方法として用いられてお
り、機械特性、耐熱性、電気的性質の向上が図られてい
る。この架橋方法は、非常に衛生性に優れ、食品用途に
も用いることができる。しかしながら、部分架橋である
ために耐油性及び高温下での形状回復性等が不十分であ
るために広範囲にわたっての各種用途に用いる事が出来
ない。また、有機過酸化物を用いているために、架橋と
同時に有機過酸化物に起因するラジカルによりポリマー
鎖の切断が起こり機械的強度の低下もみられるという欠
点も有している。
【0003】さらに、樹脂系架橋剤として熱反応性アル
キルフェノール樹脂を用いることもできる。この架橋方
法で得られるエラストマーは完全架橋であるため耐油性
及び高温下での形状回復性等は十分であるが、アルキル
フェノール樹脂を用いているため耐光性が著しく悪く、
調色の自由度が求められる自動車部品、家電用部品、電
線被覆等の用途に用いる事が出来ない。更に、フェノー
ルモノマーが残留しているため、衛生性が悪く生体適合
性が要求される食品用途、医療用途には用いることはで
きない。一方、ハイドロシリル化反応において用いる溶
媒としてIPA等のアルコール系溶媒が用いられるのが
一般的であるが、これは液状シリコーンゴムの架橋のよ
うに反応基質が液状の場合であって、固形ゴムの架橋反
応では上記溶媒を用いても分散が必ずしも十分でなく、
一定の物性は発現できるが特性ばらつきが大きく、再現
性のある結果が得られないのが実状である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記の事情
を考慮し、従来のゴム組成物では困難であった問題を解
決するためになされたものであり、広い温度範囲にわた
って良好なゴム特性を維持しつつ、調色が求められる用
途、衛生性、長期信頼性が求められる用途も含めての広
範囲にわたっての各種用途に用いることができるゴムの
架橋方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】架橋剤として耐熱性、耐
光変色性及び生体適合性に優れ、ゴムを選択的に架橋す
る特性を有する化合物を探索した結果、分子内にSiH
基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン化合物が上記
目的に合致し、また、実用的な反応速度で架橋反応を起
こさせるためハイドロシリル化触媒を用いてゴムを架橋
させることによって、調色が求められる用途、衛生性、
長期信頼性が求められる用途も含めての広範囲にわたっ
ての各種用途に用いることができることを見い出した。
そして更に、該架橋剤及び/または該触媒を溶媒に溶解
または懸濁させ微粒粉末に担持することにより、両成分
の良好な分散を達成することができ、さらに良好なゴム
特性の発現のみならず、特性ばらつきが小さくなり安定
した架橋ゴムが製造可能となるということを見いだし、
本発明を完成するにいたった。即ち本発明は不飽和二重
結合含有ゴム(a)を分子内にSiH基を2つ以上持つ
有機オルガノシロキサン系架橋剤(b)、ハイドロシリ
ル化触媒(c)で架橋する方法において、該架橋剤及び
/または該触媒を溶媒(d)に溶解または懸濁させ微粒
粉末(e)に担持してなることを特徴とするゴムの架橋
方法である。
【0006】本発明で用いられる不飽和炭素2重結合基
含有ゴム(a)は特に限定されるものではなく一般に市
販されている主鎖及び又は側鎖に不飽和炭素2重結合を
含むゴム全般を指す。例をあげるとすれば、エチレン−
α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、ポリブタ
ジエン、ポリイソプレン、天然ゴム、スチレン−ブタジ
エンランダム共重合体ゴム、スチレン−イソプレンラン
ダム共重合体ゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重
合体ゴム、スチレン−イソプレンブロック共重合体ゴム
またはα,β−不飽和ニトリル−共役ジエン共重合体ゴ
ムとして最もよく使われるアクリロニトリル−ブタジエ
ン共重合体ゴム等が挙げられる。そして、これらのゴム
に含まれる脂肪族2重結合を部分的に水添し、不飽和度
を低下させた部分水添ゴムも使用することができる。例
えば、水添率が80%未満の部分水添ゴムが挙げられ
る。これらのゴムは1種または2種以上のブレンド物で
あっても良い。ここで、エチレン、α・オレフィン及び
非共役ジエンからなるエチレン−α・オレフィン−非共
役ジエン共重合体ゴムはその組成におけるα・オレフィ
ンは炭素数3〜15のものが適する。非共役ジエンとし
てはジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、エ
チリデンノルボルネン、及びメチレンノルボルネン等が
使用できる。本発明においては入手の容易さ、耐衝撃性
改良の観点からα・オレフィンとしてはポリプロピレン
が適する。従って、EPDMが好適となる。共重合ゴム
のエチレン/α・オレフィン比は重量比で50/50〜
90/10、さらに好適には60/40〜80/20が
適する。ここで、用いられるゴムのムーニ粘度、ML1+
4(100℃)は10〜120、好ましくは40〜10
0の範囲から好適に選ぶ事が出来る。このムーニ粘度が
10未満のものを用いた場合、好ましい架橋が得られず
高温での圧縮永久歪みの改良が期待できず、好ましくな
い。また、120を超えたものは成形加工性が著しく悪
化し、さらに成形品の外観が悪化するため好ましくな
い。また、このゴムのヨウ素価は5〜30、特に10〜
20のものが好ましい。
【0007】次に本発明で用いられるゴムの架橋剤
(b)はSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサ
ン化合物類である。この架橋法はSiH基のゴム成分中
の不飽和炭化水素への選択的な付加反応(ハイドロシリ
ル化)を利用したものである。架橋剤となり得るために
は2分子以上のゴムに付加することが必要条件であるか
ら分子中に2つ以上のSiH基を持つ必要がある。具体
的な化合物例は下記に示すように環状ポリシロキサン
類、線状ポリシロキサン類、四面体シロキサン類の構造
を持つ化合物が代表的である。また、該化合物から誘導
された化合物及びまたはポリマーを用いても良い。
【0008】*環状ポリシロキサン類 *線状ポリシロキサン類 *四面体シロキサン類 (式中mは3〜30の整数、nは0から200までの整
数、Rは、水素、アルキル基、アルコキシ基、アリール
基またはアリールオキシ基であり、かつ珪素原子に結合
している少なくとも1個のRが水素である珪素原子が分
子中に2個以上存在するものである。) 上記のような構造を持つ有機オルガノシロキサンがゴム
に対して選択的な架橋を行うことができる。
【0009】本発明に用いられるハイドロシリル化触媒
(c)はハイドロシリル化反応を促進する触媒全般を指
す。触媒の例としては、パラジウム、ロジウム、白金な
どの族遷移金属あるいはそれらの化合物、錯体が挙げら
れる。また、過酸化物、アミン、ホスフィンも用いられ
る。最も一般的な触媒とすれば、ジククロビス(アセト
ニトリル)パラジウム(II)、クロロトリス(トリフェ
ニルホスフィン)ロジウム(I)、塩化白金酸等が挙げ
られる。また本発明に用いられる架橋反応触媒(c)と
して有機過酸化物系触媒を好適に用いることができる。
有機過酸化物の例とすれば2,5−ジメチル2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5ジメチル
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3,
1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)3,5,
5トリメチルシクロヘキサン、2,5ジメチル2,5ジ
(パーオキシベンゾイル)ヘキシン3、及びジクミルパ
ーオキシド等がある。さらに、有機過酸化物を助触媒の
ビスマレイミド化合物と併用した系を触媒として用いて
もよい。本発明で使用するビスマレイミド化合物には
N,N’−m−フェニレンビスマレイミド及びトルイレ
ンビスマレイミド等がある。N,N’−m−フェニレン
ビスマレイミドは市販の例えば、HVA−2(デュポン
社製)、ソクシノールBM(住友化学製)等を使用する
ことができる。過酸化物系触媒の触媒能発現温度は、触
媒種を選択することにより100℃〜250℃の間で自
由に制御することができる。即ち原料の分散工程、附型
工程は触媒能発現温度以下で行い、架橋工程は触媒能発
現温度以上で行うことにより、通常の架橋ゴムと同様に
成形加工できる。この過酸化物系触媒を用いることによ
って得られる架橋ゴム組成物は残留重金属が問題となる
用途−例えば医療分野にも好適に用いることができる。
【0010】また、架橋剤(b)及び/またはハイドロ
シリル化触媒(c)を溶解または懸濁させる溶媒(d)
は融点が混練温度以下であり、ハイドロシリル化反応に
対して比較的不活性であれば特に制限がない。溶媒種の
例とすれば、炭化水素系、アルコール系、ケトン系、エ
ステル系等が挙げられる。調製すべき溶液の濃度は特に
制限は無い。また、微粒粉末(e)は吸着能力を有する
ことが必要であり、カーボンブラック、コロイダルシリ
カ、フュームドシリカ、湿式シリカ、ケイ酸塩鉱物、金
属酸化物、金属チッ化物等が例示できる。ここで、担持
体の平均粒子径が100μ以下であるとより高分散が達
成できる。また、吸着表面積が大きいほど、即ちBET
法による比表面積が10m2 /g以上であるとより高分
散が達成できる。さらに、本発明で用いる担持触媒の調
製法は特殊な方法を用いることなく、公知の方法を用い
ることが出来る。
【0011】ここで架橋ゴム組成物とは、本発明で得ら
れた組成物1gを沸騰キシレンを用いてソックスレー抽
出器で10時間リフラックスし、残留物を80メッシュ
の金網で濾過し、メッシュ上に残留した不溶物乾燥重量
(g)/組成物1g中に含まれるa成分の重量の比を1
00倍した値で示されるゲル含量が少なくとも80%、
好ましくは90%以上(ただし、無機充填物等の不溶成
分はこれに含まない)となるように架橋したものであ
る。このような架橋ゴム組成物を得るため、有機オルガ
ノシロキサン系架橋剤(b)の配合量は、成分a100
重量部に対して好ましくは0.5〜30重量部、更に好
ましくは1〜20重量部の中から好適に選ぶことがで
き、そのゲル含量を調節することができる。また触媒c
の添加量はゴム成分100重量部に対して0.001〜
20重量部の触媒を任意に添加することができる。触媒
として重金属系触媒では添加量0.005〜5重量部が
好ましく、さらに好ましくは0.01〜2重量部であ
る。ここで、0.001重量部未満の場合、実用的速度
で架橋が進まない。また、20重量部超では増量する効
果がないばかりか失活した触媒が黒色状ブツとなり外観
不良となったり、熱処理をすると好ましくない副反応
(未反応のSiH基の分解等)を引きおこす傾向があ
る。また、過酸化物系触媒では添加量として0.01重
量部〜15重量部が好ましく、さらに好ましくは0.1
〜10重量部である。
【0012】また、本発明では得られる組成物の硬度を
調整し、柔軟性を与える目的で、パラフィン系オイル
(f)を必要に応じて添加できる。一般にゴムの軟化、
増容、加工性向上に用いられるプロセスオイルまたはエ
クステンダーオイルとよばれる鉱物油系ゴム用軟化剤は
芳香族環、ナフテン環、パラフィン鎖の3者が組わさっ
た混合物であり、パラフィン鎖の炭素数が全炭素数の5
0%以上占めるものがパラフィン系と呼ばれ、ナフテン
環炭素数が30から45%のものがナフテン系、芳香環
炭素数が30%を越えるものが芳香族系とされる。本発
明で用いられるオイルは上記区分でパラフィン系のもの
が好ましく、ナフテン系、芳香族系のものは分散性、溶
解性の点で好ましくない。パラフィン系ゴム用軟化剤の
性状は37.8℃における動粘度はが20〜500cs
t、流動点が−10〜−15℃および引火点が170〜
300℃を示す。パラフィン系オイル(f)の好ましい
配合量はゴム成分(a)100重量部に対して30〜3
00重量部であり、さらに好ましくは30〜250重量
部である。300重量部をこえた配合のものは、軟化剤
のブリードアウトを生じやすく、最終製品に粘着性を生
じる恐れがあり、機械的性質を低下させる傾向がある。
また、30重量部未満だと添加する意味がない。
【0013】上記した成分のほかに、本発明のゴム架橋
物はさらに必要に応じて、特に調色が不必要な用途に
は、無機充填剤を配合することも可能である。この無機
充鎮剤は、増量剤として製品コストの低下をはかること
の利益があるばかりでなく、品質改良(耐熱保形、難燃
性付与等)に積極的効果を付与する利点もある。無機充
鎮剤としては、例えば炭酸カルシウム、カーボンブラッ
ク、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウ
ム、天然ケイ酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)、酸
化チタン等があり、カーボンプラックとしてはチャンネ
ルブラック、ファーネスブラック等が使用できる。これ
らの無機充填剤のうちタルク、炭酸カルシウムは経済的
にも有利で好ましいものである。さらに必要に応じて外
滑剤、内滑剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダー
ドフェノール系酸化防止剤、着色剤、シリコンオイル等
を添加しても良い。上記の成分以外に、必要に応じて造
核剤、外滑剤、内滑剤、ヒンダードアミン系光安定剤、
ヒンダードフェノール系酸化防止剤、着色剤、シリコン
オイル等を添加しても良い。また、特性を損なわないス
チレン系ブロックコポリマー(SBC)、エチレン−α
・オレフィン共重合体、熱可塑性ウレタン樹脂のような
他の熱可塑性樹脂をブレンドすることもできる。
【0014】上記の(a)(b)(c)(d)(e)成
分又は更に(f)成分を用いてゴムを架橋させる方法
は、特に限定されることなく、通常の熱硬化型樹脂組成
物、熱硬化型ゴム組成物の製造に用いられる一般的な全
ての方法を採用できる。基本的には機械的溶融混練方法
であり、これらには単軸押出機、二軸押出機、バンバリ
ーミキサー、各種ニーダー、ブラベンダー、ロール等が
用いられる。また、この際溶融混練する温度は180℃
〜300℃、剪断速度は100〜1000/SECのな
かから好適に選ぶことが出来る。ここで得られたゴム組
成物は熱硬化性であり一般に使用される熱硬化性樹脂成
形機を用いて成形することが可能であって、射出成形、
圧縮成形、トランスファー成形等の各種の成形方法が適
用可能である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、本発明は、これら実施例に限定されるもので
はない。以下に示す実施例及び比較例において配合した
各成分は以下の通りである。 <ゴム成分1> EPDM エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム 日本合成ゴム製EP57C[プロピレン含量:28重量
%、ムーニ粘度ML1+4(100℃):90、ヨウ素
価:15、Tg:−40℃] <ゴム成分2> IIR ブチルゴム 日本合成ゴム製JSR Butyl268 <架橋剤1> SiH 1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン 東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製 <担持触媒1> 触媒 安田薬品社製塩化白金酸6水和物成分の1重量%2−プ
ロパノール溶液を調製し、この溶液1gをシリカ[日本
シリカー製 ニップシル VN3;平均粒子径16μ,
BET比表面積230±10m2 /g]100g中に担
持させて調製した。 <担持触媒2> 触媒 ジクミルペルオキシド(日本油脂製パークミルD)の5
重量%アセトン懸濁溶液を調製し、コロイダルシリカ
[日本アエロジル製 アエロジルR972;平均粒子径
1μ以下,BET比表面積110±20m2 /g]10
0g中に担持させて調製した。 <パラフィンオイル> オイル パラフィン系プロセスオイル 出光興産製ダイアナプロセスオイルPW−380[動粘
度:381.6cst(40℃)、30.1(100
℃)、平均分子量746、環分析値:CA=0%、CN=
27%、CP=73%]
【0016】《実施例1〜6及び比較例1〜4》表1及
び表2に示した組成物のゴム成分、架橋剤及び担持触
媒、プロセスオイルを十分ドライブレンドした後、ニー
ダを用いて、樹脂温100〜150℃になるような条件
で溶融混練した。この溶融混練物をロールに切換えし薄
どおしを行ったのち、190℃で加硫成形プレスにて、
圧縮成形を行った。以下の諸物性の評価を行い、実施例
については表1に載せ、比較例については表2に載せ
た。 (1) 硬度:JIS K6301 Aタイプ (2) 引張強度 TS[MPa]及び伸びEb[%]:J
IS K6301、3号ダンベル (3) 圧縮永久歪みCS[%]:JIS K6301、2
5%圧縮 70℃×22Hr (4) 低温耐衝撃性:75×75×t1の試験片を−50
℃のドライアイス−メタノール溶液に10分間浸せき
後、デュポン式落球衝撃試験を行い、試験後亀裂が生じ
なかった場合は○、亀裂が生じたものは×とした。(試
験条件 錘り重量:500g、先端球R:3/16、落
下高さ:1m) (5) 耐油性[%]:JIS K6301、No3試験油
(潤滑油)を使用し、70℃で2時間、50×50×t
2の試験片を浸せきし、浸せき前後の重量変化(%)を求
めた (6) 耐光変色性試験:ナチュラルの組成物をサンシャイ
ンウェザーオメーターを用いて、88℃×1000hr
処理を施し、色差を測定した。 (7) 衛生性試験:日本薬局第10改訂の輸液用ゴム栓試
験法及び輸液用プラスチック容器試験法に準じて試験を
実施した。不合格の場合は×、合格の場合は○とした。 (8) ばらつき:5ロット間で引張強度TS[MPa]を
測定し、標準偏差を測定した
【0017】また、比較例1ではゴムの架橋を架橋剤
《有機過酸化物[ジクミルペルオキシド(DCP)]を
2重量部及びジビニルベンゼン(DVB)3重量部から
なる架橋剤マスター》を用いた他は実施例と同様な方法
で行った。さらに比較例2ではゴムの架橋を架橋剤
《熱反応性アルキルフェノール樹脂[Schenectady Chem
icals社 SP1045]を5重量部及び架橋助剤[塩化第1
錫]2重量部からなる架橋剤マスター》を用いた他は実
施例と同様な方法で行った。また、比較例3ではゴムの
架橋を架橋剤《酸化亜鉛5重量部、テトラエチルチウ
ラムジスルフィド1重量部、2−ビス(ベンゾチアゾリ
ル)ジスルフィド0.5重量部、硫黄1.5重量部から
なる加硫剤マスター》を用いて実施例と同様な方法で行
った。また、比較例4では架橋剤として有機オルガノシ
ロキサンを用いて、触媒として塩化白金酸6水和物を用
いた。この結果から、本発明の有機オルガノシロキサン
化合物を用いて架橋させる架橋法において該架橋剤及び
/または該触媒を溶媒(d)に溶解または懸濁させ微粒
粉末(e)に担持してなることを特徴とするゴムの架橋
方法で製造したゴムは有機ペルオキシド系架橋剤で架橋
させたゴム組成物よりも機械強度及び70℃の圧縮永久
歪みさらに耐油性に優れた組成物を与えることが明らか
になった。そしてさらに、本発明の組成物は耐光変色性
が良好であるので調色の自由度が大きく、衛生性にも優
れることが判明した。また、特性ばらつきも小さく、極
めて量産性に優れることも判明した。
【0018】 表 1 実 施 例 1 2 3 4 5 6 組成(重量部) EPDM 100 100 100 IIR 100 100 100 SiH 3 3 3 3 3 3 触媒 10 10 10 10 触媒 10 10 オイル 100 200 100 100 200 100 特性 硬度 61 57 60 62 57 60 TS(MPa) 15 14 13 18 13 15 Eb(%) 600 600 610 510 600 550 CS(%) 28 27 28 22 25 25 低温耐衝撃性 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 耐油性(%) 13 12 12 13 13 13 耐光変色性 8 9 8 8 9 9 衛生性試験 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ばらつき 1> 1> 1> 1> 1> 1>
【0019】
【0020】
【発明の効果】本発明の架橋方法では高機能ゴム組成物
を安定して生産性良く得ることができる。即ち、該ゴム
組成物は柔軟性、耐熱クリープ性能、低温耐衝撃性、機
械的強度に優れ、広い温度範囲にわたって優れたゴム弾
性を示し、さらに耐油性が良好、調色が自由なため、耐
油性、ゴム弾性、機械強度及び成形速度、成形歩留ま
り、調色の自由度等の改善が望まれている自動車部品、
家電部品、各種電線被覆物(絶縁用、シース用)及び各
種工業部品に好適に成形し用いることができる。さら
に、衛生性も優れるので食品用途、医療用途にも展開で
きる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和二重結合含有ゴム(a)を分子内
    にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノシロキサン系架
    橋剤(b)、ハイドロシリル化触媒(c)で架橋する方
    法において、該架橋剤及び/または該触媒を溶媒(d)
    に溶解または懸濁させ微粒粉末(e)に担持してなるこ
    とを特徴とするゴムの架橋方法。
  2. 【請求項2】 不飽和二重結合含有ゴム(a)100重
    量部にパラフィン系オイル(f)30〜300重量部を
    添加し、分子内にSiH基を2つ以上持つ有機オルガノ
    シロキサン系架橋剤(b)0.5〜30重量部及びハイ
    ドロシリル化触媒(c)0.001〜20重量部で架橋
    する方法において、該架橋剤及び/または該触媒を溶媒
    (d)に溶解または懸濁させ微粒粉末(e)に担持して
    なることを特徴とするゴムの架橋方法。
  3. 【請求項3】 微粒粉末が平均粒子径100μ以下かつ
    BET法による比表面積10m2 /g以上である請求項
    1又は2記載のゴムの架橋方法。
  4. 【請求項4】 微粒粉末が、カーボンブラック、コロイ
    ダルシリカ、フュームドシリカ、湿式シリカ、ケイ酸塩
    鉱物、金属酸化物、金属チッ化物の中から選ばれた少な
    くとも1つ以上である請求項1、2又は3記載のゴムの
    架橋方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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