JPH10212389A - エラストマー組成物及びその成形品 - Google Patents
エラストマー組成物及びその成形品Info
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- JPH10212389A JPH10212389A JP9017163A JP1716397A JPH10212389A JP H10212389 A JPH10212389 A JP H10212389A JP 9017163 A JP9017163 A JP 9017163A JP 1716397 A JP1716397 A JP 1716397A JP H10212389 A JPH10212389 A JP H10212389A
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- rubber
- weight
- resin
- parts
- silyl group
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】広い温度範囲にわたって優れたゴム弾性を有し
つつ、低温時の優れた耐衝撃性と、良好な成形加工性を
併せ持つエラストマーを得る。 【解決手段】(a)加水分解性シリル基を有するエチレ
ン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、
(b)分子内にSiH基を2つ以上持つシリコン系架橋
剤、(c)ハイドロシリル化触媒、及び(d)加水分解
性シリル基を有するPE系樹脂からなる混合物を動的に
熱処理してなる水硬化性のエラストマー組成物を得、こ
れを成形した後、水分と接触を行い加水分解性シリル基
を有するエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重
合体ゴムと加水分解性シリル基を有するPE系樹脂を架
橋させてエラストマー成形品を得る。
つつ、低温時の優れた耐衝撃性と、良好な成形加工性を
併せ持つエラストマーを得る。 【解決手段】(a)加水分解性シリル基を有するエチレ
ン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、
(b)分子内にSiH基を2つ以上持つシリコン系架橋
剤、(c)ハイドロシリル化触媒、及び(d)加水分解
性シリル基を有するPE系樹脂からなる混合物を動的に
熱処理してなる水硬化性のエラストマー組成物を得、こ
れを成形した後、水分と接触を行い加水分解性シリル基
を有するエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重
合体ゴムと加水分解性シリル基を有するPE系樹脂を架
橋させてエラストマー成形品を得る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規エラストマー
及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは広
い温度範囲にわたって優れたゴム弾性を有しつつ、良好
な成形加工性を併せ持つ新規なエラストマー組成物及び
その成形品に関するものである。
及びその製造方法に関するものである。更に詳しくは広
い温度範囲にわたって優れたゴム弾性を有しつつ、良好
な成形加工性を併せ持つ新規なエラストマー組成物及び
その成形品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、架橋工程を必要とせず熱可塑性プ
ラスチックと同様に成形できるゴム弾性材料、すなわち
熱可塑性エラストマーが自動車部品、家電部品、電線被
覆材、医療部品、雑貨、履物等の分野で用いられてい
る。熱可塑性エラストマーとして特開昭61−3405
0号公報には共重合体鎖中にビニル芳香族化合物ブロッ
ク(ハードセグメント)及び共役ジエン化合物ブロック
(ソフトセグメント)を交互に含有する熱可塑性エラス
トマーがあげられている。この熱可塑性エラストマーは
各セグメントの割合を適宜変えることにより柔軟性に富
むものから、剛性のあるものまで各種の製品を製造する
事ができる。しかしながら、ソフトセグメントを多量に
含む熱可塑性エラストマー組成物は、引張強度が小さ
く、耐熱性、流動性、耐油性が低いため、幅広い用途に
用いることはできない。また、特公昭53−21021
号公報には、モノオレフィン共重合体ゴム及びポリオレ
フィン樹脂に対しゴムの架橋助剤として有機過酸化物を
用いて溶融混練を行い部分架橋を行った組成物が記載さ
れている。
ラスチックと同様に成形できるゴム弾性材料、すなわち
熱可塑性エラストマーが自動車部品、家電部品、電線被
覆材、医療部品、雑貨、履物等の分野で用いられてい
る。熱可塑性エラストマーとして特開昭61−3405
0号公報には共重合体鎖中にビニル芳香族化合物ブロッ
ク(ハードセグメント)及び共役ジエン化合物ブロック
(ソフトセグメント)を交互に含有する熱可塑性エラス
トマーがあげられている。この熱可塑性エラストマーは
各セグメントの割合を適宜変えることにより柔軟性に富
むものから、剛性のあるものまで各種の製品を製造する
事ができる。しかしながら、ソフトセグメントを多量に
含む熱可塑性エラストマー組成物は、引張強度が小さ
く、耐熱性、流動性、耐油性が低いため、幅広い用途に
用いることはできない。また、特公昭53−21021
号公報には、モノオレフィン共重合体ゴム及びポリオレ
フィン樹脂に対しゴムの架橋助剤として有機過酸化物を
用いて溶融混練を行い部分架橋を行った組成物が記載さ
れている。
【0003】このような熱可塑性エラストマーは、モノ
オレフィン共重合体ゴムが部分架橋であるため、耐油性
及び高温下における形状回復性等が不充分であり幅広い
用途に用いることができない。また、架橋に用いる有機
過酸化物から生ずるラジカルによりポリマー鎖の切断が
起こり機械的強度が低下を招く。さらに特公昭58−4
6138号公報にはこのような欠点を解消するため、熱
反応性アルキルフェノール樹脂を架橋剤として用い、モ
ノオレフィン共重合体ゴムの架橋のみを優先的に架橋さ
せることが記載されている。かかる製法により得られる
熱可塑性エラストマーは、ゴム成分が完全に架橋されて
いるため、形状回復性が向上しているが、加硫ゴムに比
べてまだ不充分である。
オレフィン共重合体ゴムが部分架橋であるため、耐油性
及び高温下における形状回復性等が不充分であり幅広い
用途に用いることができない。また、架橋に用いる有機
過酸化物から生ずるラジカルによりポリマー鎖の切断が
起こり機械的強度が低下を招く。さらに特公昭58−4
6138号公報にはこのような欠点を解消するため、熱
反応性アルキルフェノール樹脂を架橋剤として用い、モ
ノオレフィン共重合体ゴムの架橋のみを優先的に架橋さ
せることが記載されている。かかる製法により得られる
熱可塑性エラストマーは、ゴム成分が完全に架橋されて
いるため、形状回復性が向上しているが、加硫ゴムに比
べてまだ不充分である。
【0004】また、米国特許第4803244号には、
オルガノシロキサン化合物を用いてモノオレフィン共重
合体からなるゴム成分の架橋を行った熱可塑性エラスト
マーが記載されているが、この熱可塑性エラストマーの
マトリックス成分は、結晶性のポリプロピレンやポリエ
チレン及びエチレンとα−オレフィンとの共重合体等で
あり、高温時におけるエラストマー組成物の圧縮回復率
が低い。また、特開平1−236250号公報には、ポ
リエチレンなどに加水分解性シランをグラフトした熱可
塑性ポリマーをマトリックスとして用い、これにイオウ
などシラングラフトマーを架橋させない加硫剤により架
橋されたゴム粒子を分散させたエラストマー組成物が記
載されているが、架橋剤としてイオウやイソシアナート
等を用いており、得られたエラストマー組成物の耐油性
は向上しているが圧縮回復率は不十分である。さらに、
特開平1−217053号公報にも同様に、加水分解性
シリル基を有するポリオレフィン樹脂及び他のポリオレ
フィン樹脂からなるマトリックスと、ゴムの分散相とか
らなるエラストマー組成物が記載されている。しかしな
がら、ゴム相はフェノール架橋がなされておりSiH架
橋についての記載はない。また、ここに記載された熱可
塑性エラストマーは耐候性が不十分である。
オルガノシロキサン化合物を用いてモノオレフィン共重
合体からなるゴム成分の架橋を行った熱可塑性エラスト
マーが記載されているが、この熱可塑性エラストマーの
マトリックス成分は、結晶性のポリプロピレンやポリエ
チレン及びエチレンとα−オレフィンとの共重合体等で
あり、高温時におけるエラストマー組成物の圧縮回復率
が低い。また、特開平1−236250号公報には、ポ
リエチレンなどに加水分解性シランをグラフトした熱可
塑性ポリマーをマトリックスとして用い、これにイオウ
などシラングラフトマーを架橋させない加硫剤により架
橋されたゴム粒子を分散させたエラストマー組成物が記
載されているが、架橋剤としてイオウやイソシアナート
等を用いており、得られたエラストマー組成物の耐油性
は向上しているが圧縮回復率は不十分である。さらに、
特開平1−217053号公報にも同様に、加水分解性
シリル基を有するポリオレフィン樹脂及び他のポリオレ
フィン樹脂からなるマトリックスと、ゴムの分散相とか
らなるエラストマー組成物が記載されている。しかしな
がら、ゴム相はフェノール架橋がなされておりSiH架
橋についての記載はない。また、ここに記載された熱可
塑性エラストマーは耐候性が不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は良好な
成形加工性を有しつつ広い温度範囲において優れたゴム
弾性を有するエラストマー組成物及びその成形品を提供
する事にある。
成形加工性を有しつつ広い温度範囲において優れたゴム
弾性を有するエラストマー組成物及びその成形品を提供
する事にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは連続相の樹
脂として加水分解性シリル基を有するPE系樹脂を用
い、分散相のゴムとして加水分解性シリル基を有するゴ
ム成分を用い、連続相の樹脂中で分散相のゴムを高分散
させながら分散相のゴムを分子内にSiH基を2つ以上
持つシリコン系架橋剤により架橋させて水硬化性のエラ
ストマー組成物を作製し、さらにこの組成物を成形後水
分により加水分解性シリル基同士を架橋させることによ
って得られたエラストマー成形品は優れた特性を有する
という知見を得て本発明を完成するに至った。
脂として加水分解性シリル基を有するPE系樹脂を用
い、分散相のゴムとして加水分解性シリル基を有するゴ
ム成分を用い、連続相の樹脂中で分散相のゴムを高分散
させながら分散相のゴムを分子内にSiH基を2つ以上
持つシリコン系架橋剤により架橋させて水硬化性のエラ
ストマー組成物を作製し、さらにこの組成物を成形後水
分により加水分解性シリル基同士を架橋させることによ
って得られたエラストマー成形品は優れた特性を有する
という知見を得て本発明を完成するに至った。
【0007】即ち本発明は、(a)加水分解性シリル基
を有するエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重
合体ゴム、(b)分子内にSiH基を2つ以上持つシリ
コン系架橋剤、(c)ハイドロシリル化触媒、及び
(d)加水分解性シリル基を有するPE系樹脂からなる
混合物を動的に熱処理してなる水硬化性のエラストマー
組成物に関するものである。また、本発明は前記のエラ
ストマー組成物を成形した後、水分と接触させて加水分
解性シリル基を有するエチレン−α・オレフィン−非共
役ジエン共重合体ゴムと加水分解性シリル基を有するP
E系樹脂を架橋させてなるエラストマー成形品を提供す
るものである。
を有するエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重
合体ゴム、(b)分子内にSiH基を2つ以上持つシリ
コン系架橋剤、(c)ハイドロシリル化触媒、及び
(d)加水分解性シリル基を有するPE系樹脂からなる
混合物を動的に熱処理してなる水硬化性のエラストマー
組成物に関するものである。また、本発明は前記のエラ
ストマー組成物を成形した後、水分と接触させて加水分
解性シリル基を有するエチレン−α・オレフィン−非共
役ジエン共重合体ゴムと加水分解性シリル基を有するP
E系樹脂を架橋させてなるエラストマー成形品を提供す
るものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明組成物及びその成形品の分
散相に用いられる加水分解性シリル基を有するエチレン
−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、エラ
ストマーが良好なゴム弾性を示すために必須である。こ
のエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴ
ムを用いたエラストマー組成物は、成形後に水分と接触
させることによって後架橋を行うことができる。このよ
うな加水分解性シリル基を含有するエチレン−α・オレ
フィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、ゴムに有機不飽
和シラン及び遊離ラジカル発生剤を所定量混合し溶融混
練することにより容易に製造することができる。
散相に用いられる加水分解性シリル基を有するエチレン
−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、エラ
ストマーが良好なゴム弾性を示すために必須である。こ
のエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴ
ムを用いたエラストマー組成物は、成形後に水分と接触
させることによって後架橋を行うことができる。このよ
うな加水分解性シリル基を含有するエチレン−α・オレ
フィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、ゴムに有機不飽
和シラン及び遊離ラジカル発生剤を所定量混合し溶融混
練することにより容易に製造することができる。
【0009】ここでα・オレフィンは炭素数3〜15の
ものが好ましい。具体的なα・オレフィンとしては、プ
ロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、オクテン−1、
4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、
4,4−ジメチルペンテン−1、ノネン−1、デセン−
1、ウンデセン−1、ドデセン−1、1−トリデセン、
1−テトラデセン、1−ペンタデセンが好ましく、入手
の容易さ、耐衝撃性改良の観点から特にプロピレンが好
ましい。非共役ジエンとしてはジシクロペンタジエン
(DCPD)、5−(2−メチル−2−ブテニル)−2
−ノルボルネン(MBN)、5−メチレン−2−ノルボ
ルネン(MNB)、5−エチリデン−2−ノルボルネン
(ENB)、メチルテトラヒドロインデン(MTH
I)、及び1,4−ヘキサジエン(HD)を用いること
が好ましい。この中で入手の容易さから、DCPD、E
NB、HDが特に好ましく、さらにこの中でジエンを最
も多く導入することが出来るENBが最も好ましい。よ
って、エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合
体ゴムとしては、エチレン−プロピレン−エチリデンノ
ルボルネン共重合体ゴムが最も好ましい。
ものが好ましい。具体的なα・オレフィンとしては、プ
ロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、オクテン−1、
4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、
4,4−ジメチルペンテン−1、ノネン−1、デセン−
1、ウンデセン−1、ドデセン−1、1−トリデセン、
1−テトラデセン、1−ペンタデセンが好ましく、入手
の容易さ、耐衝撃性改良の観点から特にプロピレンが好
ましい。非共役ジエンとしてはジシクロペンタジエン
(DCPD)、5−(2−メチル−2−ブテニル)−2
−ノルボルネン(MBN)、5−メチレン−2−ノルボ
ルネン(MNB)、5−エチリデン−2−ノルボルネン
(ENB)、メチルテトラヒドロインデン(MTH
I)、及び1,4−ヘキサジエン(HD)を用いること
が好ましい。この中で入手の容易さから、DCPD、E
NB、HDが特に好ましく、さらにこの中でジエンを最
も多く導入することが出来るENBが最も好ましい。よ
って、エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合
体ゴムとしては、エチレン−プロピレン−エチリデンノ
ルボルネン共重合体ゴムが最も好ましい。
【0010】共重合体ゴムのエチレン/α・オレフィン
比は好ましいゴム弾性を得るためには重量比で50/5
0〜90/10、さらに好適には60/40〜80/2
0が適する。ここで、用いられるゴムのムーニ粘度、M
L1+4(125℃)は10〜120、好ましくは40〜1
00である。ここで、ムーニ粘度が10未満のものはゴ
ム分子量が非常に小さいことを意味しており、架橋ゴム
の分子量が小さくなり、圧縮永久歪みが大きくなる傾向
がある。逆に120を超えたものは成形加工性が著しく
悪化する傾向があるが、ゴム成分にパラフィン系オイル
を予め溶融混練(油展)し、見掛けのムーニ粘度を12
0以下にしたものが市販されており、それを用いること
もできる。また、ゴムのヨウ素価は反応性の指標であ
り、値が大きいほど高活性を意味するが、本発明で用い
られるゴム種では10〜30、特に15〜30の高活性
種が好ましい。
比は好ましいゴム弾性を得るためには重量比で50/5
0〜90/10、さらに好適には60/40〜80/2
0が適する。ここで、用いられるゴムのムーニ粘度、M
L1+4(125℃)は10〜120、好ましくは40〜1
00である。ここで、ムーニ粘度が10未満のものはゴ
ム分子量が非常に小さいことを意味しており、架橋ゴム
の分子量が小さくなり、圧縮永久歪みが大きくなる傾向
がある。逆に120を超えたものは成形加工性が著しく
悪化する傾向があるが、ゴム成分にパラフィン系オイル
を予め溶融混練(油展)し、見掛けのムーニ粘度を12
0以下にしたものが市販されており、それを用いること
もできる。また、ゴムのヨウ素価は反応性の指標であ
り、値が大きいほど高活性を意味するが、本発明で用い
られるゴム種では10〜30、特に15〜30の高活性
種が好ましい。
【0011】有機不飽和シランは、ゴム成分相互と、樹
脂成分相互、さらにはゴム成分と樹脂成分の相互の架橋
点となるべくゴム及び樹脂成分のポリマーにグラフトさ
れるものである。有機不飽和シランとして具体的には一
般式RR'SiY2(Rは1価のオレフィン不飽和炭化水素
基、Yは加水分解しうる有機基、R’は脂肪族飽和炭化
水素基あるいはYとおなじもの)で表される化合物が使
用できる。特にR’がYと同一で一般式RSiY3で表さ
れる有機シランを利用することが好ましい。具体的に
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリブトキシシラン、アリルトリメトキシ
シラン、アリルトリエトキシシラン等があげられる。こ
こで、ゴム成分及び樹脂成分へのグラフト化の反応性か
らビニル基を有していることが好ましく、また水架橋時
の反応性からメトキシ基を有していることが好ましいの
でこの中ではビニルトリメトキシシランが最も好まし
い。
脂成分相互、さらにはゴム成分と樹脂成分の相互の架橋
点となるべくゴム及び樹脂成分のポリマーにグラフトさ
れるものである。有機不飽和シランとして具体的には一
般式RR'SiY2(Rは1価のオレフィン不飽和炭化水素
基、Yは加水分解しうる有機基、R’は脂肪族飽和炭化
水素基あるいはYとおなじもの)で表される化合物が使
用できる。特にR’がYと同一で一般式RSiY3で表さ
れる有機シランを利用することが好ましい。具体的に
は、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン、ビニルトリブトキシシラン、アリルトリメトキシ
シラン、アリルトリエトキシシラン等があげられる。こ
こで、ゴム成分及び樹脂成分へのグラフト化の反応性か
らビニル基を有していることが好ましく、また水架橋時
の反応性からメトキシ基を有していることが好ましいの
でこの中ではビニルトリメトキシシランが最も好まし
い。
【0012】遊離ラジカル発生剤はシラングラフト化反
応の開始剤として働く。本発明において使用される遊離
ラジカル発生剤は重合開始作用の強い種々の有機過酸化
物及びパーエステルが用いられる。例えばジクミルパー
オキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシジイ
ソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−ベンゾイル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシピ
バレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート等が挙げられる。加水分解性シリル基を含有する
エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
を製造するには、前記のゴム成分100重量部に対し、
有機不飽和シラン0.1〜8重量部、遊離ラジカル発生
剤0.01〜0.8重量部の範囲内で配合され、好ましく
は有機不飽和シラン1〜6重量部、遊離ラジカル発生剤
0.05〜0.5重量部である。有機不飽和シランの配合
量が下限値を下回る場合は充分なグラフト化が起こら
ず、上限値を上回る場合は成形不良を起こす傾向がある
とともに経済的でない。また、遊離ラジカル発生剤の配
合量が下限値を下回る場合は充分なシラングラフト化反
応が進行せず、上限値を上回る場合は押出加工性が低下
するとともに成形表面が悪くなる傾向がある。
応の開始剤として働く。本発明において使用される遊離
ラジカル発生剤は重合開始作用の強い種々の有機過酸化
物及びパーエステルが用いられる。例えばジクミルパー
オキサイド、α,α′−ビス(t−ブチルパーオキシジイ
ソプロピル)ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイ
ド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−ベンゾイル
パーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−
ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシピ
バレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノ
エート等が挙げられる。加水分解性シリル基を含有する
エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム
を製造するには、前記のゴム成分100重量部に対し、
有機不飽和シラン0.1〜8重量部、遊離ラジカル発生
剤0.01〜0.8重量部の範囲内で配合され、好ましく
は有機不飽和シラン1〜6重量部、遊離ラジカル発生剤
0.05〜0.5重量部である。有機不飽和シランの配合
量が下限値を下回る場合は充分なグラフト化が起こら
ず、上限値を上回る場合は成形不良を起こす傾向がある
とともに経済的でない。また、遊離ラジカル発生剤の配
合量が下限値を下回る場合は充分なシラングラフト化反
応が進行せず、上限値を上回る場合は押出加工性が低下
するとともに成形表面が悪くなる傾向がある。
【0013】次に本発明で用いられる分子内にSiH基
を2つ以上持つシリコン系架橋剤(b)及びハイドロシ
リル化触媒(c)は加水分解性シリル基を含有するゴム
成分を架橋し、ゴム弾性を発現させるために添加され
る。ここで、架橋触媒というのは、架橋剤が架橋反応を
起こすために用いられる触媒、あるいは架橋反応を助け
るような架橋助剤のことを意味している。架橋触媒を用
いることにより、実用的な速度で架橋剤が架橋反応を起
こすことができる。分子内にSiH基を2つ以上持つシ
リコン系架橋剤(b)による架橋とは、SiH基のゴム
成分中の不飽和炭化水素への選択的な付加反応(ハイド
ロシリル化)を利用したものである。架橋剤となり得る
ためには2分子以上のゴムに付加することが必要条件で
あるから分子中に2つ以上のSiH基を持つ必要があ
る。このようなシリコン系架橋剤の好ましい具体例とし
ては、環状オルガノハイドロジェンシロキサン(I)、
線状オルガノハイドロジェンシロキサン(II)、四面体
オルガノハイドロジェンシロキサン(III)などのオル
ガノハイドロジェンシロキサン構造を持つ化合物及び該
化合物から誘導された化合物を挙げることが出来る。ゴ
ムの架橋密度を上げる観点からSiH基は多いほど好ま
しく、この中でも分子内にSiH基を5個以上、より好
ましくは10個以上、最も好ましくは15個以上持つ線
状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(II)を用い
ることが好ましい。さらに、好ましくはII−または、
II−のようなSiH基を含有するユニットのみで構成
されている線状オルガノハイドロジェンシロキサンが挙
げられる。
を2つ以上持つシリコン系架橋剤(b)及びハイドロシ
リル化触媒(c)は加水分解性シリル基を含有するゴム
成分を架橋し、ゴム弾性を発現させるために添加され
る。ここで、架橋触媒というのは、架橋剤が架橋反応を
起こすために用いられる触媒、あるいは架橋反応を助け
るような架橋助剤のことを意味している。架橋触媒を用
いることにより、実用的な速度で架橋剤が架橋反応を起
こすことができる。分子内にSiH基を2つ以上持つシ
リコン系架橋剤(b)による架橋とは、SiH基のゴム
成分中の不飽和炭化水素への選択的な付加反応(ハイド
ロシリル化)を利用したものである。架橋剤となり得る
ためには2分子以上のゴムに付加することが必要条件で
あるから分子中に2つ以上のSiH基を持つ必要があ
る。このようなシリコン系架橋剤の好ましい具体例とし
ては、環状オルガノハイドロジェンシロキサン(I)、
線状オルガノハイドロジェンシロキサン(II)、四面体
オルガノハイドロジェンシロキサン(III)などのオル
ガノハイドロジェンシロキサン構造を持つ化合物及び該
化合物から誘導された化合物を挙げることが出来る。ゴ
ムの架橋密度を上げる観点からSiH基は多いほど好ま
しく、この中でも分子内にSiH基を5個以上、より好
ましくは10個以上、最も好ましくは15個以上持つ線
状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン(II)を用い
ることが好ましい。さらに、好ましくはII−または、
II−のようなSiH基を含有するユニットのみで構成
されている線状オルガノハイドロジェンシロキサンが挙
げられる。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】
【化3】
【0017】(式中、Rはそれぞれ独立に炭素数が1か
ら24のアルキル基及びアルコキシ基、フェニル基、ア
リール基、アリールオキシ基の中から選ばれた1種もし
くは2種以上の置換基、好ましくはメチル基を表し、n
は2から100好ましくは5から80、mは1から10
0、sは0から2の整数である。各置換基のRは同じも
のであっても異なっていてもよい。) このようなエラストマーを得るため、前記(b)の配合
量は、加水分解性シリル基を含有するゴム成分(a)1
00重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1
〜20重量部さらに好ましくは3〜7重量部である。
ら24のアルキル基及びアルコキシ基、フェニル基、ア
リール基、アリールオキシ基の中から選ばれた1種もし
くは2種以上の置換基、好ましくはメチル基を表し、n
は2から100好ましくは5から80、mは1から10
0、sは0から2の整数である。各置換基のRは同じも
のであっても異なっていてもよい。) このようなエラストマーを得るため、前記(b)の配合
量は、加水分解性シリル基を含有するゴム成分(a)1
00重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1
〜20重量部さらに好ましくは3〜7重量部である。
【0018】前記のハイドロシリル化触媒(c)は、ハ
イドロシリル化反応を促進する触媒であり、代表例はパ
ラジウム、ロジウム、白金などの第VIII族遷移金属ある
いはそれらの化合物、錯体が挙げられる。具体的にはジ
クロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、クロ
ロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、
塩化白金酸等がある。この中では塩化白金酸や白金のビ
ニルシロキサン錯体(カールステッド触媒)のような白
金系触媒を用いることが好ましい。ハイドロシリル化触
媒(c)をゴムに分散させるにあたっては液体成分に溶
解して用いる方法や固体成分に担持して用いる方法があ
るが、分散性、作業性の観点からは、固体成分1種以上
に担持させたものを用いることが好ましい。具体的な方
法とすれば、アルコール溶媒等に溶かした状態でシリカ
のような固体成分に担持させる手法がある。ここで固体
成分としては吸着能力を有することが必要であり、炭酸
カルシウム、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸
バリウム、天然ケイ酸、合成けい酸(ホワイトカーボ
ン)、酸化チタン等の無機フィラーがあり、この中でも
合成けい酸(ホワイトカーボン)を用いることが好まし
い。担持触媒の調製法は公知の方法を用いることが出来
る。また前記(c)の配合量は加水分解性シリル基を含
有するゴム成分(a)100重量部に対して0.001
〜2重量部を好適に採用できる。配合量が下限値未満の
場合には、反応速度が遅くなり十分な架橋が起こる時間
が長くなる傾向があり、また、上限値を越えた場合は増
量する効果はほとんどないばかりか最終製品の異物とな
ってしまう傾向がある。
イドロシリル化反応を促進する触媒であり、代表例はパ
ラジウム、ロジウム、白金などの第VIII族遷移金属ある
いはそれらの化合物、錯体が挙げられる。具体的にはジ
クロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、クロ
ロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)、
塩化白金酸等がある。この中では塩化白金酸や白金のビ
ニルシロキサン錯体(カールステッド触媒)のような白
金系触媒を用いることが好ましい。ハイドロシリル化触
媒(c)をゴムに分散させるにあたっては液体成分に溶
解して用いる方法や固体成分に担持して用いる方法があ
るが、分散性、作業性の観点からは、固体成分1種以上
に担持させたものを用いることが好ましい。具体的な方
法とすれば、アルコール溶媒等に溶かした状態でシリカ
のような固体成分に担持させる手法がある。ここで固体
成分としては吸着能力を有することが必要であり、炭酸
カルシウム、カーボンブラック、タルク、マイカ、硫酸
バリウム、天然ケイ酸、合成けい酸(ホワイトカーボ
ン)、酸化チタン等の無機フィラーがあり、この中でも
合成けい酸(ホワイトカーボン)を用いることが好まし
い。担持触媒の調製法は公知の方法を用いることが出来
る。また前記(c)の配合量は加水分解性シリル基を含
有するゴム成分(a)100重量部に対して0.001
〜2重量部を好適に採用できる。配合量が下限値未満の
場合には、反応速度が遅くなり十分な架橋が起こる時間
が長くなる傾向があり、また、上限値を越えた場合は増
量する効果はほとんどないばかりか最終製品の異物とな
ってしまう傾向がある。
【0019】本発明のエラストマー組成物及びその成形
品は良好なゴム弾性を有しており、さらに水硬化性エラ
ストマー組成物(水架橋を行っていない段階)では、良
好な成形加工性を有している点も特徴である。このよう
な相反する特徴を両立させるため、連続相としては加水
分解性シリル基を含有するPE系樹脂が好ましい。ポリ
エチレンとしては、高密度タイプ(HDPE)、中密度タ
イプ(MDPE)、低密度タイプ(LDPE)、直鎖状中低
密度タイプ(L−LDPE)、超低密度タイプ(VLDP
E)等が挙げられる。すなわち密度が0.890〜0.9
70g/cm3で、MFRが好ましくは0.1〜50g/
10min、さらに好ましくは0.5〜10g/10m
inのものが挙げられる。ポリエチレンのMFRが前記
の下限値より小さいと押出加工性が悪くなる傾向にあ
り、上限値を越えると架橋度の低下を引き起こす傾向に
ある。また、ポリエチレンの密度が前記の下限値より小
さいと加熱変形等の耐熱性の低下を引き起こす傾向にあ
り、上限値を越えると押出加工性が悪くなる傾向にあ
る。これらは単独で用いてもよく、また2種以上を併用
してもよい。
品は良好なゴム弾性を有しており、さらに水硬化性エラ
ストマー組成物(水架橋を行っていない段階)では、良
好な成形加工性を有している点も特徴である。このよう
な相反する特徴を両立させるため、連続相としては加水
分解性シリル基を含有するPE系樹脂が好ましい。ポリ
エチレンとしては、高密度タイプ(HDPE)、中密度タ
イプ(MDPE)、低密度タイプ(LDPE)、直鎖状中低
密度タイプ(L−LDPE)、超低密度タイプ(VLDP
E)等が挙げられる。すなわち密度が0.890〜0.9
70g/cm3で、MFRが好ましくは0.1〜50g/
10min、さらに好ましくは0.5〜10g/10m
inのものが挙げられる。ポリエチレンのMFRが前記
の下限値より小さいと押出加工性が悪くなる傾向にあ
り、上限値を越えると架橋度の低下を引き起こす傾向に
ある。また、ポリエチレンの密度が前記の下限値より小
さいと加熱変形等の耐熱性の低下を引き起こす傾向にあ
り、上限値を越えると押出加工性が悪くなる傾向にあ
る。これらは単独で用いてもよく、また2種以上を併用
してもよい。
【0020】有機不飽和シランは、ベース樹脂相互の架
橋点となるべくベース樹脂にグラフトされるものであ
る。有機不飽和シラン及び遊離ラジカル発生剤として
は、加水分解性シリル基を有するエチレン−α・オレフ
ィン−非共役ジエン共重合体ゴムを製造する際に用いる
有機シラン及び遊離ラジカル発生剤と同様のものを用い
ても良いし、異なるものを用いても良い。また加水分解
性シリル基を含有するPE系樹脂を製造するには、前記
のベース樹脂100重量部に対し、有機不飽和シラン
0.1〜8重量部、遊離ラジカル発生剤0.01〜0.8
重量部の範囲内で配合され、好ましくは有機不飽和シラ
ン1〜6重量部、遊離ラジカル発生剤0.05〜0.5重
量部である。有機不飽和シランの配合量が下限値を下回
る場合は充分なグラフト化が起こらず、上限値を上回る
場合は成形不良を起こす傾向があるとともに経済的でな
い。また、遊離ラジカル発生剤の配合量が下限値を下回
る場合は充分なシラングラフト化反応が進行せず、上限
値を上回る場合は押出加工性が低下するとともに成形表
面が悪くなる傾向がある。なお、加水分解性シリル基を
有するPE系樹脂の製法としては、前記のほか1種以上
のα・モノオレフィンと加水分解性シランとのコポリマ
ーとして製造してもよい。
橋点となるべくベース樹脂にグラフトされるものであ
る。有機不飽和シラン及び遊離ラジカル発生剤として
は、加水分解性シリル基を有するエチレン−α・オレフ
ィン−非共役ジエン共重合体ゴムを製造する際に用いる
有機シラン及び遊離ラジカル発生剤と同様のものを用い
ても良いし、異なるものを用いても良い。また加水分解
性シリル基を含有するPE系樹脂を製造するには、前記
のベース樹脂100重量部に対し、有機不飽和シラン
0.1〜8重量部、遊離ラジカル発生剤0.01〜0.8
重量部の範囲内で配合され、好ましくは有機不飽和シラ
ン1〜6重量部、遊離ラジカル発生剤0.05〜0.5重
量部である。有機不飽和シランの配合量が下限値を下回
る場合は充分なグラフト化が起こらず、上限値を上回る
場合は成形不良を起こす傾向があるとともに経済的でな
い。また、遊離ラジカル発生剤の配合量が下限値を下回
る場合は充分なシラングラフト化反応が進行せず、上限
値を上回る場合は押出加工性が低下するとともに成形表
面が悪くなる傾向がある。なお、加水分解性シリル基を
有するPE系樹脂の製法としては、前記のほか1種以上
のα・モノオレフィンと加水分解性シランとのコポリマ
ーとして製造してもよい。
【0021】かかる加水分解性シリル基を含有するPE
系樹脂の配合量は、加水分解性シリル基を含有するゴム
成分100重量部に対し10〜120重量部、好ましく
は15〜70重量部、最も好ましくは20〜50重量部
である。配合量が120重量部を越えると得られるエラ
ストマー組成物及びその成形品のゴム弾性が低下する。
一方、配合量が10重量部未満では加工性が悪くなる。
上記した成分のほかに、本発明のエラストマーにおいて
は、得られる組成物及びその成形品の硬度を調整し、柔
軟性を与える目的で必要に応じてプロセスオイルを添加
することが可能である。プロセスオイルとしてはゴム成
分との相溶性の良いパラフィン系オイルが最も好まし
い。このパラフィン系オイルの性状は37.8℃におけ
る動粘度が20〜500cst、流動点が−10〜−1
5℃および引火点が170〜300℃を示すものが好ま
しい。プロセスオイルの好ましい配合量は加水分解性シ
リル基を含有するゴム成分(a)100重量部に対して
0〜160重量部であり、さらに好ましくは20〜10
0重量部である。160重量部をこえた配合のものは、
軟化剤のブリードアウトを生じやすく、最終製品に粘着
性を生じる恐れがあり、機械的性質を低下させる傾向が
ある。
系樹脂の配合量は、加水分解性シリル基を含有するゴム
成分100重量部に対し10〜120重量部、好ましく
は15〜70重量部、最も好ましくは20〜50重量部
である。配合量が120重量部を越えると得られるエラ
ストマー組成物及びその成形品のゴム弾性が低下する。
一方、配合量が10重量部未満では加工性が悪くなる。
上記した成分のほかに、本発明のエラストマーにおいて
は、得られる組成物及びその成形品の硬度を調整し、柔
軟性を与える目的で必要に応じてプロセスオイルを添加
することが可能である。プロセスオイルとしてはゴム成
分との相溶性の良いパラフィン系オイルが最も好まし
い。このパラフィン系オイルの性状は37.8℃におけ
る動粘度が20〜500cst、流動点が−10〜−1
5℃および引火点が170〜300℃を示すものが好ま
しい。プロセスオイルの好ましい配合量は加水分解性シ
リル基を含有するゴム成分(a)100重量部に対して
0〜160重量部であり、さらに好ましくは20〜10
0重量部である。160重量部をこえた配合のものは、
軟化剤のブリードアウトを生じやすく、最終製品に粘着
性を生じる恐れがあり、機械的性質を低下させる傾向が
ある。
【0022】さらに必要に応じて、無機充填剤を配合す
ることも可能である。この無機充鎮剤は、増量剤として
製品コストの低下をはかることの利益があるばかりでな
く、品質改良(耐熱保形、難燃性付与等)に積極的効果
を付与する利点もある。無機充鎮剤としては、例えばカ
オリンクレー、タルク、カーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、天
然ケイ酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタ
ン等がある。これらの無機充填剤のうちカオリンクレー
が好ましく、特に焼成して構造水をなくしてゴムへの吸
着活性を上げた焼成カオリンが好ましい。
さらに必要に応じて、各種添加剤を添加するこ
とができる。添加剤の例をあげると、造核剤、外滑剤、
内滑剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤、着色剤、難燃剤、シリコン系オイ
ル(オルガノシロキサン、シランカップリング剤等)が
該当する。また、ポリプロピレン、熱可塑性ウレタン樹
脂のような他の熱可塑性樹脂、各種の相溶化剤をブレン
ドすることもできる。本発明の加水分解性シリル基を含
有するゴム成分(a)、SiH基を2つ以上持つシリコ
ン系架橋剤(b)、ハイドロシリル化触媒(c)及び加
水分解性シリル基を含有するPE系樹脂(d)を混合
し、動的に熱処理させる方法としては、通常の樹脂組成
物、ゴム組成物の製造に用いられる一般的な全ての方法
を採用できる。
ることも可能である。この無機充鎮剤は、増量剤として
製品コストの低下をはかることの利益があるばかりでな
く、品質改良(耐熱保形、難燃性付与等)に積極的効果
を付与する利点もある。無機充鎮剤としては、例えばカ
オリンクレー、タルク、カーボンブラック、炭酸カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、天
然ケイ酸、合成けい酸(ホワイトカーボン)、酸化チタ
ン等がある。これらの無機充填剤のうちカオリンクレー
が好ましく、特に焼成して構造水をなくしてゴムへの吸
着活性を上げた焼成カオリンが好ましい。
さらに必要に応じて、各種添加剤を添加するこ
とができる。添加剤の例をあげると、造核剤、外滑剤、
内滑剤、ヒンダードアミン系光安定剤、ヒンダードフェ
ノール系酸化防止剤、着色剤、難燃剤、シリコン系オイ
ル(オルガノシロキサン、シランカップリング剤等)が
該当する。また、ポリプロピレン、熱可塑性ウレタン樹
脂のような他の熱可塑性樹脂、各種の相溶化剤をブレン
ドすることもできる。本発明の加水分解性シリル基を含
有するゴム成分(a)、SiH基を2つ以上持つシリコ
ン系架橋剤(b)、ハイドロシリル化触媒(c)及び加
水分解性シリル基を含有するPE系樹脂(d)を混合
し、動的に熱処理させる方法としては、通常の樹脂組成
物、ゴム組成物の製造に用いられる一般的な全ての方法
を採用できる。
【0023】基本的には機械的溶融混練方法であり、こ
れらには単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサ
ー、各種ニーダー、ブラベンダー、ロール等が用いられ
る。この際、各成分の添加順序には制限がなく、例え
ば、ゴム、樹脂成分を前もってヘンシェルミキサー、ブ
レンダー等の混合機で予備混合し上記の混練機で溶融混
練し、次いで架橋剤、触媒成分を添加し動的架橋した
り、使用するゴムのスコーチ時間が十分長い場合は触媒
以外の成分を前もって溶融混練し、さらに触媒を添加し
溶融混練する等の添加方法も採用できる。また、この際
溶融混練する温度は180℃〜300℃、剪断速度は1
00〜5000/secのなかから好適に選ぶことが出
来る。特にゴムの高分散を達成させるには、1.0〜
5.5mmのクリアランスを有し、150〜500m/
分という極めて高い先端速度で、異方向に回転する二軸
混練機によって溶融混練することが望ましい。前記の工
程により溶融混練し動的熱処理を行った組成物には、成
形時にシラノール縮合触媒を加えるのが好ましい。通
常、かかる触媒を用いることにより水架橋反応において
実用的な反応速度が得られる。
れらには単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサ
ー、各種ニーダー、ブラベンダー、ロール等が用いられ
る。この際、各成分の添加順序には制限がなく、例え
ば、ゴム、樹脂成分を前もってヘンシェルミキサー、ブ
レンダー等の混合機で予備混合し上記の混練機で溶融混
練し、次いで架橋剤、触媒成分を添加し動的架橋した
り、使用するゴムのスコーチ時間が十分長い場合は触媒
以外の成分を前もって溶融混練し、さらに触媒を添加し
溶融混練する等の添加方法も採用できる。また、この際
溶融混練する温度は180℃〜300℃、剪断速度は1
00〜5000/secのなかから好適に選ぶことが出
来る。特にゴムの高分散を達成させるには、1.0〜
5.5mmのクリアランスを有し、150〜500m/
分という極めて高い先端速度で、異方向に回転する二軸
混練機によって溶融混練することが望ましい。前記の工
程により溶融混練し動的熱処理を行った組成物には、成
形時にシラノール縮合触媒を加えるのが好ましい。通
常、かかる触媒を用いることにより水架橋反応において
実用的な反応速度が得られる。
【0024】ここで用いられるシラノール縮合触媒とし
ては、ジブチル錫ジラウリレート、酢酸第一錫、ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ナフテ
ン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、チタン
酸テトラブチルエステル、ステアリン酸鉛、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウム等の有機金属化合物が挙げ
られる。シラノール縮合触媒の添加量は、加水分解性シ
リル基を含有するPE系樹脂100重量部に対して、
0.001〜3重量部、好ましくは0.005〜1重量部
である。シラノール縮合触媒の添加量が、0.001重
量部未満であると十分に架橋が進行せず、一方、3重量
部を越えると局所的に硬化が進行し外観が悪化する傾向
にある。シラノール縮合触媒を添加するには、従来公知
の方法がいずれも採用されてよい。例えば、そのまま添
加してもよく、樹脂とのマスターバッチ又は溶媒に希釈
して添加してもよく、あるいはフィラーに担持して添加
してもよい。必要によりシラノール縮合触媒を添加した
組成物は、十分にドライブレンドした後、公知の熱可塑
性樹脂成形機を用いて所望の形状に成形することができ
る。このような成形は、射出成形、押出成形、カレンダ
ー成形、ブロー成形等の種々の方法により行うことがで
きる。
ては、ジブチル錫ジラウリレート、酢酸第一錫、ジブチ
ル錫ジアセテート、ジブチル錫ジオクトエート、ナフテ
ン酸鉛、カプリル酸亜鉛、ナフテン酸コバルト、チタン
酸テトラブチルエステル、ステアリン酸鉛、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸バリウ
ム、ステアリン酸カルシウム等の有機金属化合物が挙げ
られる。シラノール縮合触媒の添加量は、加水分解性シ
リル基を含有するPE系樹脂100重量部に対して、
0.001〜3重量部、好ましくは0.005〜1重量部
である。シラノール縮合触媒の添加量が、0.001重
量部未満であると十分に架橋が進行せず、一方、3重量
部を越えると局所的に硬化が進行し外観が悪化する傾向
にある。シラノール縮合触媒を添加するには、従来公知
の方法がいずれも採用されてよい。例えば、そのまま添
加してもよく、樹脂とのマスターバッチ又は溶媒に希釈
して添加してもよく、あるいはフィラーに担持して添加
してもよい。必要によりシラノール縮合触媒を添加した
組成物は、十分にドライブレンドした後、公知の熱可塑
性樹脂成形機を用いて所望の形状に成形することができ
る。このような成形は、射出成形、押出成形、カレンダ
ー成形、ブロー成形等の種々の方法により行うことがで
きる。
【0025】このようにして得られたエラストマー成形
品を水分と接触させることにより、加水分解性シリル基
を含有するエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共
重合体ゴムや、加水分解性シリル基を含有するPE系樹
脂が相互に水架橋して、分散相及び連続相が硬化し、さ
らに分散相と連続相との界面が強化される。水架橋を行
うには、温熱水中、適当な時間にわたり浸漬を行う。例
えば60℃程度の温水中に24時間程度浸漬したり、1
00℃の沸騰水中で2時間程度浸漬する。又、水蒸気の
充満した部屋の中に2時間程度放置する方法等、適宜の
方法を選択することができる。このようにして得られた
エラストマー成形品は、高温下においても優れたゴム特
性を有する。
品を水分と接触させることにより、加水分解性シリル基
を含有するエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共
重合体ゴムや、加水分解性シリル基を含有するPE系樹
脂が相互に水架橋して、分散相及び連続相が硬化し、さ
らに分散相と連続相との界面が強化される。水架橋を行
うには、温熱水中、適当な時間にわたり浸漬を行う。例
えば60℃程度の温水中に24時間程度浸漬したり、1
00℃の沸騰水中で2時間程度浸漬する。又、水蒸気の
充満した部屋の中に2時間程度放置する方法等、適宜の
方法を選択することができる。このようにして得られた
エラストマー成形品は、高温下においても優れたゴム特
性を有する。
【0026】
【実施例】以下に示す実施例及び比較例において配合し
た各成分は以下の通りである。 <成分a(1):シラングラフト化EPDM> エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム 出光DSM(株)製ケルタンK712[プロピレン含量:
40重量%,ムーニ粘度ML1+4(125℃):63,ヨ
ウ素価:16]100重量部に対して、ビニルトリエト
キシシラン2重量部、ジクミルパーオキサイド0.15
重量部をよく混和し、押出機を用いて、押出温度200
〜250℃で混練し、ストランドカットを行いシラング
ラフトマーのペレットを得た。 <成分a(2):EPDM> エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム 出光DSM(株)製ケルタンK712[プロピレン含量:
40重量%,ムーニ粘度ML1+4(125℃):63,ヨ
ウ素価:16] <成分b(1):架橋剤>日本ユニカー(株)製
た各成分は以下の通りである。 <成分a(1):シラングラフト化EPDM> エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム 出光DSM(株)製ケルタンK712[プロピレン含量:
40重量%,ムーニ粘度ML1+4(125℃):63,ヨ
ウ素価:16]100重量部に対して、ビニルトリエト
キシシラン2重量部、ジクミルパーオキサイド0.15
重量部をよく混和し、押出機を用いて、押出温度200
〜250℃で混練し、ストランドカットを行いシラング
ラフトマーのペレットを得た。 <成分a(2):EPDM> エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム 出光DSM(株)製ケルタンK712[プロピレン含量:
40重量%,ムーニ粘度ML1+4(125℃):63,ヨ
ウ素価:16] <成分b(1):架橋剤>日本ユニカー(株)製
【0027】
【化4】
【0028】<成分b(2):架橋剤>テトラメチル
−チウラムジサルファイド100部に対して硫黄26部
の混合物からなる硫黄系架橋剤(特開平1−23625
0公報に記載) <成分c(1):担持触媒>塩化白金酸6水和物(安田
薬品社製)の3重量%2−プロパノール溶液を調製し、
この溶液10gをコロイダルシリカ(日本アエロジル製
アエロジル200)100g中に担持させて調製し
た。 <成分c(2):ロジウム触媒>ビス−シクロオクタジ
エンロジウム塩1gを低密度ポリエチレン(比重0.9
23)500g中に溶融混練することにより調製した。
−チウラムジサルファイド100部に対して硫黄26部
の混合物からなる硫黄系架橋剤(特開平1−23625
0公報に記載) <成分c(1):担持触媒>塩化白金酸6水和物(安田
薬品社製)の3重量%2−プロパノール溶液を調製し、
この溶液10gをコロイダルシリカ(日本アエロジル製
アエロジル200)100g中に担持させて調製し
た。 <成分c(2):ロジウム触媒>ビス−シクロオクタジ
エンロジウム塩1gを低密度ポリエチレン(比重0.9
23)500g中に溶融混練することにより調製した。
【0029】<成分d(1):シラングラフト化PE
>高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、日本ポリオレ
フィン(株)製ジェイレックスHD5050[密度=
0.950g/cm3、MFR(230℃)=11.0
g/10分]100重量部に対して、ビニルトリエトキ
シシラン2重量部、ジクミルパーオキサイド0.15重
量部をよく混和し、押出機を用いて、押出温度200〜
250℃で混練し、ストランドカットを行いシラングラ
フトマーのペレットを得た。 <成分d(2):シラングラフト化PE>直鎖状低密
度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、住友化学(株)
製スミカセンαFZ203−0[密度=0.920g/
cm3、MFR(230℃)=2.0g/10分]10
0重量部に対して、ビニルトリエトキシシラン2重量
部、ジクミルパーオキサイド0.15重量部をよく混和
し、押出機を用いて、押出温度200〜250℃で混練
し、ストランドカットを行いシラングラフトマーのペレ
ットを得た。 <成分d(3):PE>低密度ポリエチレン樹脂(LD
PE)、住友化学(株)製スミカセンG401[密度=
0.925g/cm3、MFR(230℃)=4.0g
/10分] <成分d(4):PP>ポリプロピレン樹脂、住友化学
工業 W501[MFR(230℃)=3.1g/10
分]
>高密度ポリエチレン樹脂(HDPE)、日本ポリオレ
フィン(株)製ジェイレックスHD5050[密度=
0.950g/cm3、MFR(230℃)=11.0
g/10分]100重量部に対して、ビニルトリエトキ
シシラン2重量部、ジクミルパーオキサイド0.15重
量部をよく混和し、押出機を用いて、押出温度200〜
250℃で混練し、ストランドカットを行いシラングラ
フトマーのペレットを得た。 <成分d(2):シラングラフト化PE>直鎖状低密
度ポリエチレン樹脂(L−LDPE)、住友化学(株)
製スミカセンαFZ203−0[密度=0.920g/
cm3、MFR(230℃)=2.0g/10分]10
0重量部に対して、ビニルトリエトキシシラン2重量
部、ジクミルパーオキサイド0.15重量部をよく混和
し、押出機を用いて、押出温度200〜250℃で混練
し、ストランドカットを行いシラングラフトマーのペレ
ットを得た。 <成分d(3):PE>低密度ポリエチレン樹脂(LD
PE)、住友化学(株)製スミカセンG401[密度=
0.925g/cm3、MFR(230℃)=4.0g
/10分] <成分d(4):PP>ポリプロピレン樹脂、住友化学
工業 W501[MFR(230℃)=3.1g/10
分]
【0030】<成分e:オイル>出光興産製ダイアナプ
ロセスオイルPW−380[パラフィン系プロセスオイ
ル、動粘度:381.6cst(40℃)、30.1(1
00℃)、平均分子量746、環分析値:CA=0%、
CN=27%、CP=73%] <成分f:縮合触媒(シラノール縮合触媒)>ジブチル錫
ジラウリレート
ロセスオイルPW−380[パラフィン系プロセスオイ
ル、動粘度:381.6cst(40℃)、30.1(1
00℃)、平均分子量746、環分析値:CA=0%、
CN=27%、CP=73%] <成分f:縮合触媒(シラノール縮合触媒)>ジブチル錫
ジラウリレート
【0031】《実施例1〜4》表1記載の成分のうち、
成分C(担持触媒)及び成分f(縮合触媒)を除く成分
を混合して十分ドライブレンドした後、ニーダにて約2
00℃で20分溶融混練し、ロールシート化した後室温
まで冷却し、シートペレタイザーでペレット化し熱可塑
性樹脂組成物を得た。このペレットに表1記載の成分C
(担持触媒)を添加配合し、日本製鋼所製同方向型二軸
混練機TEX44を使用して、800/secの剪断速
度で樹脂温200〜220℃になるように溶融混練して
水硬化性エラストマー組成物を得た。しかる後、成分f
(縮合触媒)を添加し、この組成物を用いて射出成形を
行った。得られた成形品を90℃の温水中にて3時間処
理して架橋を促進して下記(1)〜(4)に示す諸物性の評
価を行った。一方、水硬化性エラストマー組成物にシラ
ノール縮合触媒を加えて押出成形し、90℃の温水中に
て3時間処理して下記(5)により成形性を評価した。
成分C(担持触媒)及び成分f(縮合触媒)を除く成分
を混合して十分ドライブレンドした後、ニーダにて約2
00℃で20分溶融混練し、ロールシート化した後室温
まで冷却し、シートペレタイザーでペレット化し熱可塑
性樹脂組成物を得た。このペレットに表1記載の成分C
(担持触媒)を添加配合し、日本製鋼所製同方向型二軸
混練機TEX44を使用して、800/secの剪断速
度で樹脂温200〜220℃になるように溶融混練して
水硬化性エラストマー組成物を得た。しかる後、成分f
(縮合触媒)を添加し、この組成物を用いて射出成形を
行った。得られた成形品を90℃の温水中にて3時間処
理して架橋を促進して下記(1)〜(4)に示す諸物性の評
価を行った。一方、水硬化性エラストマー組成物にシラ
ノール縮合触媒を加えて押出成形し、90℃の温水中に
て3時間処理して下記(5)により成形性を評価した。
【0032】《比較例1〜3》比較例1では、米国特許
第4803244号に記載されているポリプロピレン樹
脂を用いて実施例に準じて熱可塑性エラストマーを製造
した。(シラングラフト化工程及び水架橋工程は行って
いない。) 比較例2では、特開平1−236250公報に記載され
ているシラングラフト化PEを用いた場合において、実
施例に準じて熱可塑性エラストマーを製造した。比較例
3では、シラングラフト化EPDMの代わりに通常のE
PDMを、シラングラフト化PEの代わりに通常のPE
を用いた場合において、実施例に準じて熱可塑性エラス
トマーを製造した。(シラングラフト化工程及び水架橋
工程は行っていない。)
第4803244号に記載されているポリプロピレン樹
脂を用いて実施例に準じて熱可塑性エラストマーを製造
した。(シラングラフト化工程及び水架橋工程は行って
いない。) 比較例2では、特開平1−236250公報に記載され
ているシラングラフト化PEを用いた場合において、実
施例に準じて熱可塑性エラストマーを製造した。比較例
3では、シラングラフト化EPDMの代わりに通常のE
PDMを、シラングラフト化PEの代わりに通常のPE
を用いた場合において、実施例に準じて熱可塑性エラス
トマーを製造した。(シラングラフト化工程及び水架橋
工程は行っていない。)
【0033】(1) 硬度(JIS K6301 Aタイ
プ) (2) 圧縮永久歪みCS[%](JIS K6301、2
5%圧縮 −40℃×100HR、70℃×100H
R) (3) 低温耐衝撃性 75×75×t1の試験片を-60℃のドライアイス−メタノー
ル溶液中に10分間浸漬後、デュポン式落球衝撃試験を
5回実施した。5回の試験のうち、試験後亀裂が生じな
かった回数を表中に記載した。[試験条件 錘重量:5
00g先端球R:3/16 落下高さ:1m] (4) 耐油性[%](JIS K6301、No3試験油
(潤滑油)を使用し、70℃で2時間、50×50×t
2の試験片を浸漬し、浸漬前後の重量変化(%)を求め
た。) (5) 成形性(φ50mm押出機を用いてL/D=20の
スクリュウ、100mm×t0.5のダイスを用いてC
/R=3.0、混練温度200℃、回転数100rpm
にて、150×500mmのテープを作成し、目視にて
表面を観察し、直径100ミクロン以上のブツを10つ
以上観察した場合は×、2〜9つ観察した場合は1つ以
下のブツしか観察しなかった場合は○とした。)
プ) (2) 圧縮永久歪みCS[%](JIS K6301、2
5%圧縮 −40℃×100HR、70℃×100H
R) (3) 低温耐衝撃性 75×75×t1の試験片を-60℃のドライアイス−メタノー
ル溶液中に10分間浸漬後、デュポン式落球衝撃試験を
5回実施した。5回の試験のうち、試験後亀裂が生じな
かった回数を表中に記載した。[試験条件 錘重量:5
00g先端球R:3/16 落下高さ:1m] (4) 耐油性[%](JIS K6301、No3試験油
(潤滑油)を使用し、70℃で2時間、50×50×t
2の試験片を浸漬し、浸漬前後の重量変化(%)を求め
た。) (5) 成形性(φ50mm押出機を用いてL/D=20の
スクリュウ、100mm×t0.5のダイスを用いてC
/R=3.0、混練温度200℃、回転数100rpm
にて、150×500mmのテープを作成し、目視にて
表面を観察し、直径100ミクロン以上のブツを10つ
以上観察した場合は×、2〜9つ観察した場合は1つ以
下のブツしか観察しなかった場合は○とした。)
【0034】
【発明の効果】本発明のエラストマー組成物及びその成
形品は、低温耐衝撃性にも優れながら、広い温度範囲で
のゴム弾性や耐油性に優れ、なおかつ成形性にも優れて
いることが明らかとなった。
形品は、低温耐衝撃性にも優れながら、広い温度範囲で
のゴム弾性や耐油性に優れ、なおかつ成形性にも優れて
いることが明らかとなった。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/26 C08L 23/26 // C08F 255/06 C08F 255/06 (C08L 51/06 83:05) (C08F 255/06 230:08) (72)発明者 杉崎 敦 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】(a)加水分解性シリル基を有するエチレ
ン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム、
(b)分子内にSiH基を2つ以上持つシリコン系架橋
剤、(c)ハイドロシリル化触媒、及び(d)加水分解
性シリル基を有するPE系樹脂からなる混合物を動的に
熱処理してなることを特徴とする水硬化性のエラストマ
ー組成物。 - 【請求項2】 請求項1のエラストマー組成物を成形し
た後、水分と接触させて加水分解性シリル基を有するエ
チレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムと
加水分解性シリル基を有するPE系樹脂を架橋させてな
ることを特徴とする成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9017163A JPH10212389A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | エラストマー組成物及びその成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9017163A JPH10212389A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | エラストマー組成物及びその成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10212389A true JPH10212389A (ja) | 1998-08-11 |
Family
ID=11936302
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9017163A Pending JPH10212389A (ja) | 1997-01-30 | 1997-01-30 | エラストマー組成物及びその成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10212389A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000055251A1 (fr) * | 1999-03-16 | 2000-09-21 | Mitsui Chemicals, Inc. | Composition de gomme reticulable et son utilisation |
JP2002003653A (ja) * | 2000-06-20 | 2002-01-09 | Mitsui Chemicals Inc | 架橋可能なゴム組成物およびその用途 |
JP2002146133A (ja) * | 2000-11-16 | 2002-05-22 | Mitsui Chemicals Inc | オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびその組成物からなる成形体 |
EP1293534A1 (en) * | 2000-06-20 | 2003-03-19 | Mitsui Chemicals, Inc. | Crosslinkable rubber compositions and use thereof |
WO2018181062A1 (ja) * | 2017-03-29 | 2018-10-04 | 株式会社イノアックコーポレーション | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法および熱可塑性樹脂組成物 |
JP2018168349A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | 株式会社イノアックコーポレーション | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
-
1997
- 1997-01-30 JP JP9017163A patent/JPH10212389A/ja active Pending
Cited By (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2000055251A1 (fr) * | 1999-03-16 | 2000-09-21 | Mitsui Chemicals, Inc. | Composition de gomme reticulable et son utilisation |
US6864315B1 (en) | 1999-03-16 | 2005-03-08 | Mitsui Chemicals, Inc. | Crosslinkable rubber compositions and use thereof |
US7208548B2 (en) | 1999-03-16 | 2007-04-24 | Mitsui Chemicals, Inc. | Crosslinkable rubber compositions and uses thereof |
JP2002003653A (ja) * | 2000-06-20 | 2002-01-09 | Mitsui Chemicals Inc | 架橋可能なゴム組成物およびその用途 |
EP1293534A1 (en) * | 2000-06-20 | 2003-03-19 | Mitsui Chemicals, Inc. | Crosslinkable rubber compositions and use thereof |
EP1293534A4 (en) * | 2000-06-20 | 2003-08-06 | Mitsui Chemicals Inc | CROSS-LINKABLE RUBBER COMPOSITIONS AND USE THEREOF |
US6743862B2 (en) | 2000-06-20 | 2004-06-01 | Mitsui Chemicals, Inc. | Crosslinkable rubber compositions and uses thereof |
JP2002146133A (ja) * | 2000-11-16 | 2002-05-22 | Mitsui Chemicals Inc | オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物およびその組成物からなる成形体 |
WO2018181062A1 (ja) * | 2017-03-29 | 2018-10-04 | 株式会社イノアックコーポレーション | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法および熱可塑性樹脂組成物 |
JP2018168349A (ja) * | 2017-03-29 | 2018-11-01 | 株式会社イノアックコーポレーション | 熱可塑性樹脂組成物の製造方法 |
US11174382B2 (en) | 2017-03-29 | 2021-11-16 | Inoac Corporation | Method for producing thermoplastic resin composition and thermoplastic resin composition |
US11618817B2 (en) | 2017-03-29 | 2023-04-04 | Inoac Corporation | Method for producing thermoplastic resin composition and thermoplastic resin composition |
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