JPH11236482A - 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体 - Google Patents

水硬化性エラストマー組成物及びその成形体

Info

Publication number
JPH11236482A
JPH11236482A JP4146898A JP4146898A JPH11236482A JP H11236482 A JPH11236482 A JP H11236482A JP 4146898 A JP4146898 A JP 4146898A JP 4146898 A JP4146898 A JP 4146898A JP H11236482 A JPH11236482 A JP H11236482A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastomer composition
ethylene
olefin
molecular weight
rubber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4146898A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Iwasa
毅 岩佐
Sumio Shibahara
澄夫 柴原
Motoyoshi Tsujimoto
素芳 辻本
Atsushi Sugizaki
敦 杉崎
Shigeyoshi Kohara
茂良 古原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP4146898A priority Critical patent/JPH11236482A/ja
Publication of JPH11236482A publication Critical patent/JPH11236482A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い硬度であってもベトツキがなく、良好な
耐光変色性を有すると共に、後架橋により、広い温度範
囲にわたって加硫ゴム並のゴム弾性を備えたエラストマ
ーを与える。 【解決手段】 エチレン−α・オレフィン−非共役ジエ
ン共重合体ゴム(a)、密度が0.86〜0.91g/
cm3の範囲であり、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)
が3.0未満である、エチレンおよび炭素原子4〜12
を有する少なくとも1種以上のα・オレフィンからなる
エチレン−α・オレフィン共重合体(b)、分子内にS
iH基を2つ以上有するシリコン系架橋剤(c)、ハイ
ドロシリル化触媒(d)を動的に熱処理して得られる熱
可塑性エラストマー組成物に加水分解性シラン化合物
(e)をグラフト化して水硬化性エラストマー組成物を
得る。さらにこれを成形した後、水分と接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬化性のエラス
トマー組成物及びその成形体に関するものである。すな
わち、成形加工工程では熱可塑性を有し、成形後に水架
橋させることにより低い硬度であってもベトツキがな
く、良好な耐光変色性を有し、広い温度範囲にわたって
加硫ゴム並のゴム弾性を備えたエラストマーを与える。
【0002】
【従来の技術】近年、加硫を必要とせず、熱可塑性樹脂
と同様の優れた成形加工性を備えた可塑性エラストマー
が自動車部品、家電部品、電線被覆材、医療部品、雑
貨、履物等の分野に用いられるようになった。中でもポ
リプロピレンやポリエチレンなどの結晶性オレフィン樹
脂とEPDM(エチレン−プロピレン−非共役ジエン共
重合体ゴム)から成るオレフィン系熱可塑性エラストマ
ーは、耐熱変形性、耐候性に優れるという特徴を生かし
て自動車部品などで実用化が進んでいる。オレフィン系
熱可塑性エラストマーとして特公昭53−21021号
公報には、オレフィン系ゴム及びポリオレフィン樹脂に
対して有機過酸化物を用いてゴムを動的に架橋した熱可
塑性エラストマーが記載されているが、これはモノオレ
フィン共重合体ゴムが部分架橋であるため、高温下にお
ける形状回復性等が不充分である。
【0003】さらに、特公昭58−46138号公報に
は、熱反応性アルキルフェノール樹脂を架橋剤とし、熱
可塑性樹脂中でEPDMゴムを架橋させた組成物が記載
されている。かかる製法により得られる熱可塑性エラス
トマーは、ゴム成分が完全架橋であるため、高温下の形
状回復性は向上しているが、アルキルフェノール樹脂を
用いているため耐光変色性が悪い。
【0004】また、米国特許第4803244号には、
オルガノシロキサン化合物を架橋剤として用いた熱可塑
性エラストマーが示されており、これは耐光変色性に優
れ、形状回復性にも比較的優れているが、ウェザースト
リップ等の加硫ゴム代替用途に用いるには、形状回復性
がまだ十分ではない。特開平1−217053号公報、
特開平1−236250号公報、特開平7−33097
1号公報等にはオレフィン系熱可塑性エラストマーにシ
ラングラフト化オレフィン系樹脂を混合した組成物が記
載されている。これらの組成物はそれぞれゴムの架橋に
フェノール樹脂やイオウやイソシアネートを用いている
ので、耐光変色性やゴム特性を両立させることが出来て
いない。さらに、これらのエラストマーを低硬度化する
為には多量のオイルを添加する必要があり、この場合表
面にオイルがブリードする問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低硬度であ
ってもベトツキが無く、良好な耐光変色性を有し、さら
に高温から低温までの広い温度範囲での圧縮永久歪みに
も優れるといった特性を有するエラストマーを得るべく
なされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】低硬度であってもベトツ
キが無く、高温から低温までの広い温度範囲での圧縮永
久歪みにも優れるといった困難な課題を達成するために
種々検討を進めた結果、密度が0.86〜0.91g/
cm3の範囲であり、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)
が3.0未満である、エチレンおよび炭素原子4〜12
を有する少なくとも1種以上のα・オレフィンからなる
エチレン−α・オレフィン共重合体系樹脂中でエチレン
−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムを分子内
にSiH基を2つ以上有するシリコン系架橋剤で選択的
に架橋し、さらにシラングラフト化処理により樹脂成分
及びゴム成分に加水分解性シランをグラフトさせ、水蒸
気下での処理等を行うことにより、低硬度であってもベ
トツキが無く、良好な耐光変色性を有し、さらに高温か
ら低温までの広い温度範囲での圧縮永久歪みにも優れる
エラストマーが得られるとの知見を得て本発明を完成す
るに至った。
【0007】即ち、本発明はエチレン−α・オレフィン
−非共役ジエン共重合体ゴム(a)、密度が0.86〜
0.91g/cm3の範囲であり、重量平均分子量(M
w)と数平均分子量(Mn)との比である分子量分布
(Mw/Mn)が3.0未満である、エチレンおよび炭
素原子4〜12を有する少なくとも1種以上のα・オレ
フィンからなるエチレン−α・オレフィン共重合体
(b)、分子内にSiH基を2つ以上有するシリコン系
架橋剤(c)、ハイドロシリル化触媒(d)を動的に熱
処理して得られる熱可塑性エラストマー組成物に加水分
解性シラン化合物(e)をグラフト化した水硬化性エラ
ストマー組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられるエチレン−α
・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴム(a)として
は、エチレン、α・オレフィン及び非共役ジエンからな
る各種のオレフィン系ゴムが適用できるが、その中でも
入手が容易であることやジエン含量が比較的高いこと、
得られるエラストマー組成物の耐衝撃性が優れることな
どからエチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン
共重合体が特に好ましい。
【0009】かかる共重合体ゴムのエチレン/α・オレ
フィン比は、重量比で45/55〜80/20であるこ
とが最も好ましい。本発明に用いられるゴムのムーニ粘
度[ML1+4(125℃)]は10〜120、好ましく
は40〜100である。ゴムのムーニ粘度が10未満で
あると分子量が非常に小さいため架橋されたゴムの分子
量が小さくなり、圧縮永久歪みが大きくなり、引っ張り
強度が小さくなる傾向がある。一方、ムーニー粘度が1
20を超えると成形加工性が著しく低下し好ましくな
い。なお、このようなゴム成分には、パラフィン系オイ
ルを予め溶融混練(油展)し、見掛けのムーニ粘度を1
20以下に調整したものを用いることもできる。また、
ゴムのヨウ素価は反応性の指標となっており値が大きい
ほど高活性を意味するが、本発明で用いられるゴム種で
は10〜30、特に15〜30の高活性種が好ましい。
【0010】本発明で用いられるエチレン−α・オレフ
ィン共重合体(b)のα・オレフィンとしては、炭素原
子4〜12のものが好ましいがこのなかでブテン−1や
ヘキセン−1やオクテン−1を用いた物を用いる事が特
に好ましい。密度は0.91g/cm3を超えると得ら
れるエラストマー組成物の柔軟性が低下し、0.86g
/cm3未満では機械的強度が低くなる傾向がある。ま
た、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比である分子量分布(Mw/Mn)が3.0以上で有
る場合は、低分子量成分をより多く含有するため、機械
的強度や成形加工性が低下する傾向にある。
【0011】該エチレン−α・オレフィン共重合体
(b)の配合量は、エチレン−α・オレフィン−非共役
ジエン共重合体ゴム(a)100重量部に対し10〜1
50重量部、好ましくは15〜125重量部、最も好ま
しくは30〜100重量部である。配合量が150重量
部を越えると得られるエラストマー組成物の圧縮永久歪
みが悪化する傾向にある。一方、配合量が10重量部未
満では加工性が悪くなる傾向にある。
【0012】本発明で用いられる分子内にSiH基を2
つ以上有するシリコン系化合物(c)は、オレフィン系
樹脂中で不飽和基を含有するエチレン−α・オレフィン
−非共役ジエン共重合体ゴムを選択的に架橋させるため
の架橋剤である。また、ハイドロシリル化触媒は、この
架橋反応を実用的な速度で進行させるために用いる架橋
触媒であり、両者を併用することにより、架橋反応が促
進し、優れた圧縮永久歪みを有するエラストマーが得ら
れる。
【0013】分子内にSiH基を2つ以上有するシリコ
ン系化合物による架橋とは、SiH基による、ゴム成分
中の不飽和二重結合への選択的な付加反応(ハイドロシ
リル化)を用いたものである。ここで用いられる架橋剤
は、2分子以上のゴムに対して付加するため、1分子中
に2つ以上のSiH基を有する必要がある。そのためシ
リコン系化合物としては、ゴムの架橋密度を上げるため
にSiH基が多いものほど好ましい。具体的には、下記
に示したSiH基を含有するユニットのみで構成されて
いる線状オルガノハイドロジェンシロキサンが1分子当
たりのSiH基含有量が高く、最も好ましい。
【0014】
【化2】
【0015】[式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1から
24のアルキル基及びアルコキシル基;フェニル基、ア
リール基並びにアリールオキシ基の中から選ばれた1種
または2種以上の置換基であり、好ましくはメチル基で
ある。nは2から100、好ましくは5から80であ
る。各々の置換基のRは同じものであっても異なってい
てもよい。]
【0016】これらのシリコン系架橋剤の添加方法とし
ては、そのまま添加しても良いし、ゴムに高分散させる
ため、液状の架橋剤をあらかじめゴムや適当な樹脂に練
り込んでマスターバッチとして添加したり、あるいは無
機フィラーなどの固体成分に担持させて添加しても良
い。また、これらのシリコン系架橋剤の配合量は、ゴム
成分100重量部に対して0.5〜30重量部、好まし
くは1〜20重量部、さらに好ましくは3〜7重量部で
ある。架橋剤の配合量がこれより少ないと、充分な架橋
が得られずエラストマーのゴム特性が充分でない場合が
ある。一方、架橋剤の配合量がこれより多くてもその効
果は殆ど増加せず架橋剤のブリードが生ずる場合があ
る。ハイドロシリル化触媒(d)としては、ハイドロシ
リル化反応において触媒作用を示す塩化白金酸などの白
金化合物や白金のビニルシロキサン錯体(カールステッ
ド触媒)等が好ましい。この中でも白金とビニル基含有
のシロキサン化合物との錯体が最も好ましい。
【0017】これらハイドロシリル化触媒は、材料中に
高分散させるため、触媒溶液、あるいは固体触媒の場合
はこれを適当な溶媒に溶解した溶液、をあらかじめ樹脂
に練り込んでマスターバッチとして用いる方法、あるい
は無機フィラーなどの固体成分に担持させて用いる方法
が好ましいが、その中でもポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン−α・オレフィン共重合体等のオレフィン
系樹脂に練り込んで用いる方法が最も好ましい。またこ
のハイドロシリル化触媒の配合量は、エチレン−α・オ
レフィン−非共役ジエン共重合体ゴム(a)100重量
部に対して0.001〜5重量部、好ましくは0.005
〜2重量部である。配合量が前記の範囲より少ないと反
応速度が遅くなり十分な架橋に至る時間が長くなる。一
方、前記の範囲を越えても効果の増加はほとんどないば
かりか最終製品の異物となる恐れがある。
【0018】本発明のエチレン−α・オレフィン−非共
役ジエン共重合体ゴム(a)、エチレン−α・オレフィ
ン共重合体(b)、分子内にSiH基を2つ以上有する
シリコン系架橋剤(c)、ハイドロシリル化触媒(d)
を動的に熱処理を行う方法としては、通常の樹脂組成
物、ゴム組成物の製造に用いられる公知の方法のいずれ
も採用することができる。動的熱処理は、 基本的には
機械的溶融混練方法であり、かかる処理には単軸押出
機、二軸押出機、バンバリーミキサー、各種ニーダー、
ブラベンダー、ロール等を用いることができる。動的熱
処理において各成分の添加順序は特に限定されず、例え
ば、触媒以外の成分を前もって溶融混練し、さらに触媒
成分を添加し、溶融混練する等の添加方法を採用しても
良い。溶融混練温度は180℃〜250℃、剪断速度は
100〜5000/secの範囲から適宜に選択してよ
【0019】次に本発明で用いる加水分解性シラン化合
物(e)について説明する。この成分は樹脂成分及びゴ
ム成分をシラングラフト化するために添加する。加水分
解性シラン化合物(e)としては、一般式RR’SiY
2(Rは1価のオレフィン性不飽和炭化水素基、Yは加
水分解しうる有機基、R’は脂肪族不飽和炭化水素基以
外の1価の炭化水素基あるいはYとおなじもの)で表せ
る化合物が使用される。特にR’がYと同一で一般式R
SiY3で表せられる有機シランを利用することが好適
であり、この中でもビニルトリメトキシシランが反応性
の高さや入手の容易さから最も好ましい。
【0020】これらの添加量としては成分(b)100
重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは1〜5
重量部である。0.1重量部未満であると十分なグラフ
ト化が起こらず、又10重量部を上回ると経済的でない
ばかりか成形加工性が低下する傾向がある。また、加水
分解性シラン化合物(e)をグラフトするために必要に
応じて遊離ラジカル発生剤(f)を用いる。遊離ラジカ
ル発生剤は、シラングラフト化反応の開始剤として用い
られる。これらの添加量は、成分(b)100重量部に
対して0.01〜0.5重量部、好ましくは0.05〜
0.2重量部である。0.01重量部未満では十分なシ
ラングラフト化反応が進行せず、また0.5重量部を上
回ると樹脂の分解のような副反応のため、押出加工性が
低下し成形物外観が悪くなる傾向にある。
【0021】また、シラングラフト化剤の添加方法には
制限はなく、各構成成分を別々に添加してもよいが、好
ましくは有機シランが液状の場合には、先に遊離ラジカ
ル発生剤を有機シランに溶解させた後に添加する方法が
用いられる。また、シラングラフト化剤を樹脂に練り込
んだマスターバッチを用いて、添加する方法も好適であ
る。
【0022】シラングラフト化工程は、動的に熱処理し
て得られる熱可塑性エラストマー組成物に加水分解性シ
ラン化合物(e)及び遊離ラジカル発生剤(f)を所定
量混合し、遊離ラジカルの分解温度以上で溶融混練す
る。このシラングラフト化工程中、もしくは最終的に得
られた水硬化性エラストマーを賦形する際に、シラノー
ル縮合触媒(g)を所定量添加することが実用的な速度
で水架橋を行うために最も好ましい。
【0023】シラノール縮合触媒(g)の具体例として
は、ジブチル錫ジラウリレート、酢酸第1錫、ジブチル
錫ジアセテート、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリ
ウム、ステアリン酸カルシウム等の有機金属化合物があ
げられ、これらの添加量は前記の成分(b)100重量
部に対して、0.001〜3重量部、好ましくは0.0
05〜1重量部である。0.001重量部未満だと十分
な架橋が進まず、3重量部を越えると局所的に硬化が進
行し外観が悪化する傾向にある。シラノール縮合触媒の
添加方法はそのまま添加したり、樹脂とのマスターバッ
チ、溶媒で希釈したり、あるいはフィラーに担持するな
どして添加する方法も採用できる。
【0024】エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン
共重合体ゴム(a)、エチレン−α・オレフィン共重合
体(b)、分子内にSiH基を2つ以上有するシリコン
系架橋剤(c)、ハイドロシリル化触媒(d)及び加水
分解性シラン化合物(e)及び遊離ラジカル発生剤
(f)を用い、シラングラフト化及びゴムの動架橋工程
を行う方法及びシラノール縮合触媒(g)を添加し、賦
形する方法としては、動的に熱処理を行う方法と同様に
通常の樹脂組成物、ゴム組成物の製造に用いられる公知
の方法のいずれも採用することができる。また、この際
溶融混練する温度は160℃〜200℃、剪断速度は1
00〜5000/secの中から好適に選ぶことが出来
る。溶融混練を行った後、熱可塑性樹脂成形機を用いて
所望の形状に賦形することが可能である。即ち、射出成
形、押出成形、カレンダー成形、ブロー成形等の各種の
成形方法が適用可能である。以下、本発明を実施例によ
って更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に
限定されるものではない。
【0025】
【実施例】以下に示す実施例及び比較例において配合し
た各成分は次の通りである。 <成分a:EPDM> エチレン−プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム 出光DSM(株)製ケルタンK712[プロピレン含量:
40重量%,ムーニ粘度 ML1+4(125℃):6
3,ヨウ素価:16] <成分b(1):エチレン−α・オレフィン共重合体
(POE)> ザ・ダウ・ケミカル・カンパニー製 ENGAGE 8
200 [コモノマー;オクテン−1、密度0.870g/cm
3、Mw/Mn=2.3、ASTM D1238メルト
インデックス0.5]
【0026】<成分b(2):HDPE> 日本ポリオレフィン製J−REX HD5110 [MFR(190℃)=11.0g/10分、密度0.
953g/cm3] <成分b(3):PP> 日本ポリオレフィン製J−ALLOMER M1600 [MFR(190℃)=15.0g/10分、密度0.
9g/cm3] <成分c(1):SiH化合物> 日本ユニカー(株)製
【0027】
【化3】
【0028】<成分c(2):POX> ジクミルパーオキサイド(DCP) <成分c(3):フェノール樹脂> スケネクタディー・ケミカルズ社製SP1045 <成分c(4):イオウ> テトラメチル−チウラムジサルファイド100部に対し
て硫黄26部の混合物からなる硫黄系架橋剤(特開平1
−236250号公報に記載) <成分d(1):Pt錯体MB> 白金/テトラジメチルジシロキサン錯体 ポリジメチルシロキサン中に白金/ビニルシロキサン錯
体(白金含有量2%)5gをザ・ダウ・ケミカル・カン
パニー製ENGAGE 8180[MI=0.5,密度
0.863]95g中に溶融混練することにより白金錯
体マスターバッチ(MB)を調製した。
【0029】<成分d(2):塩化第一錫> <成分d(3):ロジウム触媒MB> ビス−シクロオクタジエンロジウム塩1gを低密度ポリ
エチレン(比重0.923)500g中に溶融混練する
ことにより調製した。 <成分e:有機シラン化合物(シラン)> ビニルトリメトキシシラン(信越化学(株)製) <成分f:遊離ラジカル発生剤(ラジカル)> ジクミルパーオキサイド(DCP)
【0030】<成分g:シラノール縮合触媒> ジブチル錫ジラウリレート <その他成分:オイル> 出光興産(株)製ダイアナプロセスオイルPW−380
[パラフィン系プロセスオイル、動粘度:381.6c
st(40℃)、30.1(100℃)、平均分子量7
46、環分析値:CA=0%、CN=27%、CP=73
%]
【0031】《実施例1〜3》d、e、f、g成分を除
く全ての成分を加圧ニーダー等のバッチ式混練機を用い
て180℃で溶融混練した後ペレット状に粉砕し、これ
とd成分とをドライブレンドする。その後同方向型二軸
混練機(日本製鋼所製TEX44)を使用して、800
/secの剪断速度でベース樹脂が十分可塑化するよう
に(樹脂温180〜210℃)混練して、ゴムの動架橋
工程を行い熱可塑性エラストマーを得る。これにe、f
成分を添加して同様に同方向型二軸混練機(日本製鋼所
製TEX44)を使用して、800/secの剪断速度
でベース樹脂が十分可塑化するように(樹脂温180〜
210℃)混練してシラングラフト化工程を行い、成形
可能なエラストマー組成物を得た。しかる後、g成分を
添加し射出成形を行った。得られた成形品を80℃の温
水中にて3時間処理して架橋を促進して下記(1)〜
(3)に示す諸物性の評価を行った。一方、g成分を添
加し押出成形し、80℃の温水中にて3時間処理したも
のについて下記(4)、(5)により成形性を評価し
た。
【0032】《比較例1〜4》実施例1〜3で記述した
のと同様の方法により混練、成形を行った例を記載し
た。得られた各エラストマーの評価項目を以下に示す。 評 価 (1)硬度(JIS K6301 Aタイプ) (2)圧縮永久歪みCS[%](JIS K6301、
25%圧縮 70℃×100HR、25℃×100H
R) (3)耐光変色性(JIS D0205 紫外線カーボ
ンアーク灯式耐光性試験(WAL−2H)、83℃、1
000時間暴露後の色差) (4)ベトツキ性触感によりシート表面のベトツキ性を
評価した。ベトツキが感じられた場合は×、感じられな
い場合は○とした。 下記の表1及び2より明らかなように本発明のエラスト
マー組成物は、低硬度領域においてもベトツキが無く、
耐光変色性に優れており、さらに、耐熱老化性にも優れ
ている。
【0033】
【発明の効果】本発明のエラストマー組成物は低い硬度
であってもベトツキが無く、水架橋処理を施す前は熱可
塑性樹脂の成形方法を実施できる。さらに、水架橋処理
を施すことによって高温から低温までの広い温度範囲で
の圧縮永久歪みにも優れる。即ち、該エラストマー組成
物は溶融混練させて所望の形状に容易に成形することが
でき、柔軟性に優れ、高温から低温までの広い温度範囲
での圧縮永久歪みに優れているため、自動車部品や、建
築用材料、家電部品、各種電線被覆(絶縁、シース)及
び各種工業部品に好適に成形し用いることができる。特
にこれまで加硫ゴムしか用いることができなかったパッ
キン、シール、ホース、チューブにも適用が可能であ
る。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉崎 敦 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内 (72)発明者 古原 茂良 東京都品川区東品川2丁目5番8号 住友 ベークライト株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン−α・オレフィン−非共役ジエ
    ン共重合体ゴム(a)、密度が0.86〜0.91g/
    cm3の範囲であり、重量平均分子量(Mw)と数平均
    分子量(Mn)との比である分子量分布(Mw/Mn)
    が3.0未満である、エチレンおよび炭素原子4〜12
    を有する少なくとも1種以上のα・オレフィンからなる
    エチレン−α・オレフィン共重合体(b)、分子内にS
    iH基を2つ以上有するシリコン系架橋剤(c)、ハイ
    ドロシリル化触媒(d)を動的に熱処理して得られる熱
    可塑性エラストマー組成物に加水分解性シラン化合物
    (e)をグラフト化して得られることを特徴とする水硬
    化性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 分子内にSiH基を2つ以上有するシリ
    コン系架橋剤(c)が下記の構造を有するポリオルガノ
    ハイドロジェンシロキサンである請求項1記載の水硬化
    性エラストマー組成物。 【化1】 [式中、Rはそれぞれ独立に炭素数1から24のアルキ
    ル基及びアルコキシル基;フェニル基、アリール基並び
    にアリールオキシ基の中から選ばれた1種または2種以
    上の置換基であり、好ましくはメチル基である。nは2
    から100、好ましくは5から80である。各々の置換
    基のRは同じものであっても異なっていてもよい。]
  3. 【請求項3】 ハイドロシリル化触媒(d)が白金のビ
    ニルシロキサン錯体である請求項1又は2記載の水硬化
    性エラストマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3の水硬化性エラスト
    マー組成物を成形した後、水分と接触させて、加水分解
    性シラン基を有するゴム及びオレフィン系樹脂を架橋さ
    せてなることを特徴とする水硬化性エラストマー組成物
    の成形体。
JP4146898A 1998-02-24 1998-02-24 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体 Pending JPH11236482A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4146898A JPH11236482A (ja) 1998-02-24 1998-02-24 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4146898A JPH11236482A (ja) 1998-02-24 1998-02-24 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11236482A true JPH11236482A (ja) 1999-08-31

Family

ID=12609213

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4146898A Pending JPH11236482A (ja) 1998-02-24 1998-02-24 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11236482A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014024929A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Mitsufuku Industry Co Ltd オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
CN109575852A (zh) * 2018-12-15 2019-04-05 深圳市益达兴科技股份有限公司 含有有机硅交联剂的可移除乳液型丙烯酸酯压敏胶及其制备方法
JP2019522079A (ja) * 2016-12-10 2019-08-08 クーパー−スタンダード・オートモーティブ・インコーポレーテッド 固定用シール、組成物、およびこれらを作製する方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014024929A (ja) * 2012-07-25 2014-02-06 Mitsufuku Industry Co Ltd オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP2019522079A (ja) * 2016-12-10 2019-08-08 クーパー−スタンダード・オートモーティブ・インコーポレーテッド 固定用シール、組成物、およびこれらを作製する方法
CN109575852A (zh) * 2018-12-15 2019-04-05 深圳市益达兴科技股份有限公司 含有有机硅交联剂的可移除乳液型丙烯酸酯压敏胶及其制备方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5597867A (en) Thermoplastic elastomer composition
JP3201774B2 (ja) エラストマー組成物及びその製造法
JPH09118795A (ja) 押出性能を改善した熱可塑性エラストマー
JP2000273192A (ja) 熱可塑性加硫ゴム及びその製造方法
JP2001064447A (ja) 圧縮永久歪を改良するためのepdm/ポリオレフィンdvaにおけるシラングラフト化されたポリオレフィンの使用
JP2654356B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH11130914A (ja) ゴム組成物
JP3330464B2 (ja) 低クリープ性及び低温耐衝撃性を有する熱可塑性エラストマー
JPH10212389A (ja) エラストマー組成物及びその成形品
JPH11236482A (ja) 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体
JPH11166075A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3354352B2 (ja) 熱可塑性エラストマーの製造方法
JPH0873664A (ja) 熱可塑性エラストマーの製造方法
WO2000043447A1 (fr) Composition elastomere thermoplastique
JPH11181172A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP4011170B2 (ja) 水硬化性エラストマー組成物及びその成形体
JP3734898B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法
JPH06212035A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPH09137002A (ja) 熱可塑性エラストマー及びその製造方法
JP2009001626A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JP3731459B2 (ja) オレフィン系熱可塑性エラストマー組成物の製造方法
JPH0725939A (ja) 熱可塑性エラストマーの製造方法
JP3290814B2 (ja) 熱可塑性エラストマー
JPH10182879A (ja) エラストマー組成物及び成形品
JPH107728A (ja) エラストマー及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041214

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060614

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20060620

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20061017