JP2003082043A - 光硬化性樹脂組成物、微細凹凸パターン転写箔、光学物品、スタンパー及び微細凹凸パターンの形成方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物、微細凹凸パターン転写箔、光学物品、スタンパー及び微細凹凸パターンの形成方法

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JP2003082043A JP2002154630A JP2002154630A JP2003082043A JP 2003082043 A JP2003082043 A JP 2003082043A JP 2002154630 A JP2002154630 A JP 2002154630A JP 2002154630 A JP2002154630 A JP 2002154630A JP 2003082043 A JP2003082043 A JP 2003082043A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学物品の微細凹凸パターンに相補的なスタ
ンパー等の母型のキャビティ形状に対して追従性に優れ
ていて正確に賦形できると共に、賦形後の形状保持性に
も優れていて母型から取り出した後のプロセス中での形
崩れを生じ難く、結果として所望の微細凹凸パターンを
精度よく複製できる光硬化性樹脂組成物を提供する。さ
らに、かかる光硬化性樹脂組成物の特性を生かして光学
的機能を有する微細凹凸パターンを精度良く形成し、光
学性能に優れる光学物品を提供する。 【解決手段】 必須成分として(A)光重合性官能基を
有するバインダー樹脂と(B)塗工液に調製するための
希釈溶剤中にコロイド状の形態で分散させることが可能
で且つサブミクロンオーダーの無機超微粒子とを含有
し、光学物品の微細凹凸パターンを形成するために用い
られることを特徴とする、光硬化性樹脂組成物である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、賦型性及び賦型維
持性に優れ、特に、光学物品の微細凹凸表面構造を形成
するのに適した光硬化性樹脂組成物、これを用いて微細
凹凸パターンを形成する方法、及び、これらを用いて得
られる転写箔、光学物品及びスタンパーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、光硬化性樹脂組成物を、例えば、
ポリエステルフイルム等の支持体上に塗工して光硬化性
樹脂層を形成し、この光硬化性樹脂層の表面に光学的機
能を発揮し得る各種の微細凹凸パターンを付与した後、
紫外線や電子線等の活性エネルギー線により露光して該
樹脂層を硬化させ、形成された凹凸パターン面に金属蒸
着や屈折率の異なる層を積層することにより、回折格子
やレリーフホログラム等の光学物品が形成されている。
【0003】微細凹凸パターンを有する光学物品には、
凹凸パターンの精度、透明性、強度、耐擦傷性、耐熱
性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性、可とう性
等、用途に応じて光学物品の一般的性質が要求される。
従って、その形成材料である光硬化性樹脂組成物は、光
学物品のこれら要求性能を満足し得るものであることが
先ず必要である。
【0004】光学物品の微細凹凸表面構造を形成する方
法として、液状の光硬化性樹脂組成物をポリエステルフ
イルム等の透明な支持体上に塗布して液状の光硬化性樹
脂層を形成し、その上に微細凹凸を有するスタンパーを
圧接した状態で支持体側から光照射を行って硬化させた
後でスタンパーを取り外す、いわゆる2P法(PhotoPol
ymer法)がある。
【0005】2P法で使用可能な光硬化性樹脂組成物と
して、例えば特公平4−5681号公報には、ハードセ
グメント(H)、ソフトセグメント(S)及び架橋反応
性の末端セグメント(E)を有するオリゴマーを含有す
る組成物が記載されている。このオリゴマー組成物は母
型からの凹凸パターンを精度よく複製できる、露光硬化
後の離型性に優れ大量生産に適している、及び、強度、
可とう性、光学的透明性又は均質性、普通溶媒に対する
抵抗性に優れた光学用物品が得られる、という利点があ
る。
【0006】しかし、2P法においては、支持体裏面側
から光を照射するので支持体が光吸収性を有する場合に
は硬化不足となる、硬化が完了するまでスタンパーを取
り外せないので工程に時間がかかる、光硬化性樹脂層が
液状なので圧接したスタンパーとの間に気泡が入り欠陥
になりやすい、或いは、硬化した樹脂層からスタンパー
を引き剥がす時に樹脂層表面に糸引きが生じて表面荒れ
を引き起こす等の問題がある。
【0007】別の方法としては、室温で高粘度又は固体
の光硬化性樹脂組成物を支持体上に塗布して光硬化性樹
脂層を形成し、その上にスタンパーを圧接し引き剥がし
た後で光照射を行って硬化させる方法がある(特公平5
−46063号、特公平6−85103号)。
【0008】この方法によれば、光硬化性樹脂層に光を
直接照射するので充分に硬化させることができる、光硬
化性樹脂組成物が高粘度又は固体なので、塗工後に支持
体を巻き取って保存又は運搬することが可能であり、塗
工と複製を別工程で行うことができる、スタンパーを引
き剥がして光照射を行えるのでスタンパーの圧接と硬化
を別工程で行うことができる、光硬化性樹脂層とスタン
パーの間に気泡が入り難いので正確にパターン形成でき
る、光硬化性樹脂層からスタンパーを引き剥がす時に樹
脂層表面に糸引きが生じ難い等の利点がある。
【0009】しかし、室温で高粘度又は固体の光硬化性
樹脂組成物を用いる方法においては、未硬化の樹脂層か
らスタンパーを引き剥がすためスタンパーのキャビティ
内に光硬化性樹脂組成物の一部が付着して残りやすい
(版取られ現象)、複製すべき凹凸パターンが微細にな
るほどスタンパーのキャビティ内に光硬化性樹脂組成物
が流れ込み難くなるため正確に賦型できない、未硬化の
樹脂層からスタンパーを引き剥がした後で光照射するの
で硬化が完了するまでの間にパターン崩れを引き起こし
易い等の問題がある。
【0010】特開2000−63459号には、かさ高
い基を有するウレタン変性アクリル系樹脂と離型剤とを
必須成分として含有する光硬化性樹脂組成物が記載され
ている。この光硬化性樹脂組成物は架橋反応性基を有す
るウレタン変性アクリル系ポリマーを含有しており、母
型の凹凸パターンを精度よく複製できる、硬化前でも母
型からの離型性に優れ大量生産に適している、その他の
透明性、強度、耐擦傷性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、
基材に対する密着性、可とう性等の一般的性質にも優れ
る、さらには、硬化後において基材の屈曲や伸縮に対す
る追随性にも優れる、という利点がある。
【0011】また、上記特開2000−63459号公
報の発明によれば、ウレタン変性アクリル系樹脂を含有
する光硬化性樹脂組成物を基材上に塗工し必要に応じて
乾燥させて光硬化性樹脂層を形成し、その表面にプレス
スタンパーを重ねて加圧(エンボス)し、プレススタン
パーの凹凸パターン(正確には、プレススタンパーに相
補的な凹凸パターン)を樹脂層に賦形した後、当該樹脂
層からプレススタンパーを取り外して露光、硬化させ凹
凸パターンを固定する。従って、露光工程にプレススタ
ンパーを持ち込む必要が無くなり、エンボス加工を連続
して行うことができると共に、プレススタンパーが露光
の障害にならず、短時間で均一且つ十分に露光を行うこ
とができる。
【0012】また、未硬化の光硬化性樹脂層からスタン
パーを取り外す場合には、スタンパーのキャビティ内壁
に光硬化性樹脂が付着して残り(版取られ現象)、同じ
スタンパーを用いて連続的に精度良くエンボス加工を行
うことが困難になるという問題がある。この問題に対し
ても、特開2000−63459号公報に記載された光
硬化性樹脂組成物を用いる場合には、未硬化の状態でも
離型性に優れ、スタンパーのキャビティ内壁に光硬化性
樹脂組成物が付着にしくいという利点がある。
【0013】しかしながら、この特開2000−634
59号公報の発明のように光硬化性樹脂組成物を基材上
に塗布し、必要に応じて乾燥させて皮膜化した後でスタ
ンパーを押し付ける場合には、光硬化性樹脂組成物の柔
軟性、流動性が不足して、スタンパーのキャビティ空間
の隅々に十分に広がらず、所望の微細凹凸パターンを正
確に賦形できない場合がある。
【0014】また、たとえ光硬化性樹脂層にスタンパー
の微細凹凸パターンを正確に賦形できたとしても、未硬
化の光硬化性樹脂層をスタンパーから取り出した後で露
光を行う場合には、微細凹凸パターンの形成プロセスが
完了するまでの間に、光硬化性樹脂層に賦形された微細
凹凸パターンが樹脂自身の弾性により丸みを帯びて変形
し、型崩れ(「ダレ」と称する)が発生する。このよう
な型崩れは、例えば、未硬化の光硬化性樹脂層が熱エン
ボスの際にスタンパーから受ける熱や、微細凹凸パター
ンを賦形した光硬化性樹脂層をUV照射する時の熱など
が主な原因となる。
【0015】このように、光硬化性樹脂組成物を用いて
光学的機能を有する微小凹凸パターンを精度よく且つ効
率よく複製するためには、当該光硬化性樹脂組成物が溶
剤をほとんど含有していない光硬化性樹脂層の状態で十
分に成膜性を有し且つプレススタンパーのキャビティ形
状に十分に追随できる賦形性を有すると共に、光硬化性
樹脂層からスタンパーを取り外した後のプロセス中にお
いてもプレススタンパーで賦形された形状をシャープな
まま保持できる形状保持性を有することが求められる。
【0016】さらに、近年では精密加工技術の向上に伴
って非常に複雑な光学的微細凹凸パターンが形成されて
いる。これらの複雑な光学的微細凹凸パターンによっ
て、複雑なデザインのホログラムを形成したり、或い
は、全光線及び/又は特定の波長の光の反射、透過、散
乱、偏光、集光又は干渉等を高度に制御する光学素子、
或いは、情報記録素子を形成することができる。しか
し、このような複雑な微細凹凸パターンは、従来の比較
的単純なホログラムと比べて、より凹凸のピッチが狭
く、且つ/又は、より凹凸が深いため、正確に複製する
ことが一層困難であり、しかも、従来の比較的単純なホ
ログラムを複製する場合よりも、さらに高い精度で複製
しなければ充分に機能を発揮できない。
【0017】このような複雑な光学的微細凹凸パターン
は、上記特開2000−63459号に記載された樹脂
組成物をもってしても版取られ、樹脂の賦型性及びパタ
ーン崩れの問題を起こさず正確に複製することは非常に
困難である。
【0018】一方、特表平7−502128号公報に
は、ポリマーマトリックス中にナノスケール粒子の無機
又は有機変性無機成分の3次元骨格を示す透明複合材料
をエンボス加工した表面構造を有する光学素子が記載さ
れている。この発明によれば、エンボス及び硬化作業時
において収縮率を最小に抑えることができる。しかし、
この発明においては、ナノスケール粒子の無機又は有機
変性無機成分を含有する光又は熱硬化性樹脂組成物を基
材に塗布して光又は熱硬化性樹脂層を形成し、当該樹脂
層にエンボス器を押圧した状態で露光又は加熱して硬化
させ、必要に応じてエンボス器を取り付ける前に粘度を
上げるために前硬化、及び/又は、エンボス器を取り外
した後に共重合を完了させるために後硬化を行う。この
発明は、基本的にはエンボス器を押圧した状態で光又は
熱硬化性樹脂層を硬化させるものであり、未硬化樹脂層
をエンボス器から取り出すと自己の弾性により型崩れを
起こすことについては何も述べていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実状に鑑
みて成し遂げられたものであり、その第一の目的は、賦
形性、賦型維持性に優れ、微細凹凸パターンを有する透
明膜を精度よく複製できる光硬化性樹脂組成物、特に、
近年の非常に複雑な微細凹凸パターンも正確に複製でき
る微細凹凸パターン形成材料を提供することにある。
【0020】また、本発明の第二の目的は、光学物品の
微細凹凸パターンに相補的なスタンパー等の母型のキャ
ビティ形状に対して追従性に優れていて正確に賦形でき
ると共に、賦形後の形状保持性にも優れていて母型から
取り出した後のプロセス中での形崩れ(ダレ)を生じ難
く、結果として所望の微細凹凸パターンを精度よく複製
できる光硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0021】また本発明の第三の目的は、かかる光硬化
性樹脂組成物の特性を生かして光学的機能を有する微細
凹凸パターンを精度良く形成することができ、且つ、生
産性も高い微細凹凸パターン形成方法を提供することに
ある。
【0022】また本発明の第四の目的は、これらの光硬
化性樹脂組成物及び微細凹凸パターン形成方法を利用し
て、微細凹凸パターンの精度が高い、従って光学性能に
優れる微細凹凸パターン転写箔、微細凹凸パターンを有
する光学物品及びスタンパーを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に提供される本発明に係る光硬化性樹脂組成物は、必須
成分として(A)光重合性官能基を有するバインダー樹
脂と、(B)塗工液に調製するための希釈溶剤中にコロ
イド状の形態で分散させることが可能で且つサブミクロ
ンオーダーの無機超微粒子とを含有することを特徴とし
ている。
【0024】上記本発明に係る光硬化性樹脂組成物には
無機超微粒子が配合されているので、当該光硬化性樹脂
組成物からなる光硬化性樹脂層にプレススタンパーを押
圧して微細凹凸パターンを賦形し、スタンパ−を取り外
した後の、露光工程や蒸着工程等のプロセス途中で、樹
脂組成物自身の弾性により微細凹凸パターンが丸みを帯
びて型崩れするのを防ぐことができる。
【0025】従って、プレススタンパーを露光工程に持
ち込まずにスタンピング工程で連続使用することがで
き、光学物品を効率よく連続生産性することができる。
【0026】また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、無
機超微粒子を配合することで表面のタックが低減するの
でブロッキング防止性にも優れており、基材フィルム上
に光硬化性樹脂層を形成した中間積層体をロール状に巻
き取って一時的に貯蔵し、別の場所へ運搬してスタンピ
ングを行うことも可能である。
【0027】また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、無
機超微粒子を配合することで硬化収縮時の応力が緩和さ
れ易くなり、硬化収縮の歪みに起因する種々の問題点を
解決することが出来る。例えば、光硬化性樹脂組成物の
硬化時に、硬化収縮により生じる樹脂の割れ、カール、
しわ等を抑えることができる。或いは、転写箔に含まれ
る光硬化性樹脂組成物の層を硬化させる場合に、これに
隣接する層、例えば、フィルム基材、剥離層、金属蒸着
層との収縮率の相違により生じる箔の部分的な割れ、よ
れ、しわ等を抑えることができる。
【0028】上記無機超微粒子(B)として、細長い形
状の無機超微粒子を用いることで、光硬化性樹脂組成物
の耐ブロッキング性、クリープ特性及び凹凸パターンの
形状保持性が特に向上するので好ましい。
【0029】上記無機超微粒子(B)が球状の場合に
は、充分な透明性とクリープ特性を得るために、一次粒
子径が1nm〜300nmの範囲であることが好まし
い。
【0030】無機超微粒子(B)の含有量は、充分なク
リープ特性と膜物性を得るために、光硬化性樹脂組成物
の全固形分に対して0.1〜70重量%の範囲であるこ
とが好ましい。
【0031】また、上記無機超微粒子(B)は、コロイ
ド状に分散させやすくするために、疎水性処理された表
面を持つ無機超微粒子であることが好ましい。
【0032】上記本発明の光硬化性樹脂組成物において
バインダー樹脂のポリスチレン換算分子量は、組成物の
成膜性を充分なものとするために、2,000〜50
0,000の範囲であることが好ましい。
【0033】前記バインダー樹脂は、アクリル樹脂、ウ
レタンアクリレート樹脂、及び、ポリエステルアクリレ
ート樹脂よりなる群から選ばれる1種以上からなるもの
であることが好ましい。上記したアクリル樹脂、ウレタ
ンアクリレート樹脂、及び、ポリエステルアクリレート
樹脂は、硬化後において透明性、強度、耐擦傷性、耐熱
性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性、可とう
性、基材の屈曲や伸縮に対する追随性に優れると共に、
基材上に皮膜化してスタンパーにより凹凸パターンを賦
形し得る充分な成膜性、柔軟性及びクリープ性を有して
おり、無機超微粒子と組み合わせることにより微細凹凸
パターンを極めて正確に複製することができる。
【0034】さらに本発明の光硬化性樹脂組成物を用い
て支持体上に転写可能な微細凹凸パターン形成層を形成
し、転写箔として使用することが可能である。
【0035】次に、本発明に係る光学物品は、前記本発
明に係る光硬化性樹脂組成物の硬化物からなると共に、
微細凹凸パターンを形成した表面構造を備えることを特
徴としている。
【0036】上記本発明に係る光学物品は、透明性、強
度、耐擦傷性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、基材に対す
る密着性、可とう性、基材の屈曲や伸縮に対する追随性
に優れると共に、必要とされる光学的機能を発揮する微
細凹凸パターンが正確に複製された表面構造を有する硬
化樹脂層を備えており、様々な用途を有する微細凹凸パ
ターンを形成することができる。
【0037】本発明の光硬化性樹脂組成物を用いること
で、レリーフホログラムや回折格子の微細凹凸パターン
を複製できることは言うまでもなく、より高度な光学的
機能を有する複雑な微細凹凸パターン、例えば、全光線
及び/又は特定の波長の光の反射、透過、散乱、偏光、
集光又は干渉の少なくとも一つを制御する光学素子や、
情報記録素子等の微細凹凸パターンであっても精度良く
且つエンボス加工により大量連続生産することが可能で
あり、これらの用途の光学物品として使用することが可
能である。
【0038】さらに本発明の光硬化性樹脂組成物は、非
常に高い精度で微細凹凸パターンを形成できるので、光
学物品に付与すべき微細凹凸パターンを型にして相補的
な凹凸パターンを複製し、これをスタンパーとして使用
することが可能である。
【0039】次に、本発明に係る微細凹凸パターンの形
成方法は、前記本発明に係る光硬化性樹脂組成物からな
る微細凹凸パターン形成層を設けた凹凸パターン受容体
を用意し、その表面にスタンパーを圧接して凹凸パター
ンを形成した後、当該微細凹凸パターン形成層を反応硬
化させることを特徴とする。
【0040】上記本発明に係る微細凹凸パターンの形成
方法によれば、微細凹凸パターンを有する透明膜を精度
よく複製することができ、特に、性能の良い光学物品の
表面構造を、スタンピング法により正確且つ高速に連続
生産することができる。
【0041】上記方法において、微細凹凸パターン形成
層からスタンパーを取り除いた後に当該微細凹凸パター
ン形成層を反応硬化させることが好ましい。この方法に
よれば、微細凹凸パターン形成層からスタンパーを剥離
した後で反応硬化させても型くずれを起こし難く、ま
た、微細凹凸パターン形成層を設けた微細凹凸パターン
受容体を未硬化の状態でロール状に巻き取ってもブロッ
キングを起こし難いので、微細凹凸パターンを連続大量
生産することが可能である。
【0042】本発明によれば、第一の支持体上に、少な
くとも上記光硬化性樹脂組成物からなる微細凹凸パター
ン形成層が転写可能に設けられている微細凹凸パターン
転写箔を用いることが可能である。微細凹凸パターン転
写箔を利用する場合には、複雑な表面形状の物品等の直
接エンボス加工を行うことが困難な物品の表面や、ロー
ル状に巻き取ることができないガラス、プラスチック、
金属板等の支持体に、微細凹凸パターンを連続転写によ
って形成することが可能である。
【0043】
【発明の実施の形態】以下において本発明を詳しく説明
する。本発明に係る光硬化性樹脂組成物は光学物品の微
細凹凸パターンを形成するために用いられる材料であっ
て、必須成分として(A)光重合性官能基を有するバイ
ンダー樹脂と(B)塗工液に調製するための希釈溶剤中
にコロイド状の形態で分散させることが可能で且つサブ
ミクロンオーダーの無機超微粒子とを含有することを特
徴としている。
【0044】さらに必要に応じて本発明に係る光硬化性
樹脂組成物には、光重合性官能基を有するモノマー又は
オリゴマー、離型剤、有機金属カップリング剤、光重合
開始剤、重合禁止剤等の他の成分を配合することができ
る。
【0045】本発明においてはバインダー成分として、
光重合性官能基を有するバインダー樹脂を用いる。
【0046】光重合性官能基は、可視光又は紫外線や電
子線等の電離放射線を含む不可視光により重合反応し、
バインダー樹脂の分子間に架橋結合を形成し得る官能基
であり、光照射により直接活性化して光重合反応する狭
義の光重合性官能基であってもよいし、光重合性官能基
と光重合開始剤を共存させて光照射した時に光重合開始
剤から発生した活性種の作用により重合反応が開始、促
進される広義の光重合性官能基であってもよい。光重合
性官能基としては、例えば、エチレン性二重結合のよう
な光ラジカル重合反応性を有するものや、エポキシ基等
の環状エーテル基のような光カチオン重合及び光アニオ
ン重合反応性の有するものを例示することができ、その
中でもエチレン性二重結合が好ましい。エチレン性二重
結合は、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基
等のいずれでもよく、中でも(メタ)アクリロイル基が
好ましい。充分な架橋性を得るためには、バインダー樹
脂は一分子中に少なくとも2つの光重合性官能基を有す
ることが好ましい。
【0047】なお、本明細書中において(メタ)アクリ
ロイルはアクリロイル及びメタクリロイルを表し、(メ
タ)アクリレートはアクリレート及びメタクリレートを
表し、(メタ)アクリルはアクリル及びメタクリルを表
す。
【0048】本発明においては、光重合性官能基を有す
る樹脂の中から、基材フィルム等の支持体上に塗布した
時に、微細凹凸パターンを賦形するのに充分な厚さの皮
膜とすることができる成膜性及びスタンパーを押圧して
微細凹凸パターンを賦形することができる柔軟性、クリ
ープ性を有すると共に、光硬化後において光学物品の用
途に応じて、透明性、強度、耐擦傷性、耐熱性、耐水
性、耐薬品性、基材に対する密着性、可とう性等の一般
的性質を満足する微細凹凸パターンの表面構造を形成し
得るものを適宜選択し、バインダー樹脂として用いる。
【0049】バインダー樹脂は、溶剤を全く或いはほと
んど含有しない状態において流動せずに基材上で皮膜と
して存在し得る成膜性を有するために、液状のモノマー
成分ではなく、ポリスチレン換算分子量が2,000〜
500,000、特に5,000〜200,000のポ
リマー成分であることが好ましい。バインダー樹脂の上
記分子量が2,000未満の場合には、樹脂組成物を塗
工した基材を巻き取った際に基材の裏面側に塗膜面が貼
り付いたり、その結果、塗膜面の平滑性が損なわれたり
するので好ましくなく、500,000を超える場合に
は表面が軟化しにくいために樹脂組成物がスタンパーに
入りにくく、形状を再現するのが困難となる。また、バ
インダー樹脂の分子量が大きいほど凹凸パターンの形状
保持性に優れる。
【0050】バインダーとしては、重合性官能基を持つ
ポリマー、例えばウレタン変性アクリル樹脂、エポキシ
変性アクリル樹脂などのアクリル樹脂、特公平4−56
81号公報に示すようなハードセグメントとソフトセグ
メントと重合性官能基を有する樹脂、ウレタンアクリレ
ート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、ポリエーテ
ルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂などを
使用できるが、中でもアクリル樹脂、ウレタンアクリレ
ート、ポリエステルアクリレートのうちの1種又は2種
以上を組み合わせて用いるのが好ましい。
【0051】アクリル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂
及びポリエステルアクリレート樹脂は、硬化後において
透明性、強度、耐擦傷性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、
基材に対する密着性、可とう性、基材の屈曲や伸縮に対
する追随性に優れると共に、基材上に皮膜化してスタン
パーにより凹凸パターンを賦形し得る充分な成膜性、柔
軟性及びクリープ性を有しているので、本発明において
好ましく用いられる。これらの中でも特に好ましいのは
式1のウレタン変性アクリル樹脂である。
【0052】上記したアクリル樹脂、ウレタンアクリレ
ート樹脂及びポリエステルアクリレート樹脂の中でも、
ウレタン変性アクリル樹脂、ウレタンアクリレート、及
び、ポリエステルアクリレートは、硬化後の透明性、強
度、耐擦傷性、耐熱性、耐水性、耐薬品性、基材に対す
る密着性、可とう性、及び、基材の屈曲や伸縮に対する
追随性、さらには、スタンパーにより凹凸パターンを賦
形し得る充分な成膜性、柔軟性及びクリープ性等の基本
的な要求性能が特に優れているので、本発明において得
に好ましく用いられる。これらの中でもさらに好ましい
のは式1のウレタン変性アクリル樹脂である。
【0053】アクリル樹脂としては、(メタ)アクリレ
ートモノマーを共重合させて得られる主鎖を有するポリ
マーであって、主鎖末端又は側鎖に重合性官能基を1個
以上持つものであればいずれも使用できる。アクリル樹
脂に重合性官能基を導入するには、重合性官能基を主鎖
部分に有するモノマーを共重合させてもよいし、主鎖部
分を共重合により形成した後で変性反応により重合性官
能基を側鎖部分に導入しても良い。側鎖に導入する場合
には、ウレタン結合、エポキシ結合、エステル結合など
のいずれの結合を重合性官能基として導入してもよい
が、樹脂に可とう性を付与するためにはウレタン変性さ
せるのが好ましい。
【0054】アクリル樹脂の中では、下記式1で表され
るウレタン変性アクリル樹脂が好ましい。
【0055】
【化1】
【0056】(式中、Zはウレタン変性アクリル樹脂を
改質するための基を表し、好ましくは嵩高い環状構造の
基である。R1は夫々互いに独立して水素原子又はメチ
ル基を表し、R2はC1〜C16の炭化水素基を表し、X及
びYは直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表す。l
(エル)とmとnとo(オー)とpの合計を100とし
た場合に、lは0〜90、mは0〜80、nは0〜5
0、o+pは10〜80、pは0〜40の整数であ
る。) 上記式1におけるZは、上記のウレタン変性アクリル樹
脂を改質するために導入することができ、例えばフェニ
ル基、ナフチル基等の芳香族環或いはピリジン等の複素
芳香族環を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アク
リロイル変性シリコーンオイル又は樹脂、ビニル変性シ
リコーンオイル又は樹脂等の重合性二重結合基を有する
シリコーンオイル又は樹脂、ラウリル(メタ)アクリレ
ート、ステアリル(メタ)アクリレート等の長鎖アルキ
ル基を有する(メタ)アクリレート、γ−(メタ)アル
コシキプロピルトリメトキシシラン等の珪素含有基を有
する(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロ−7−
メチルオクチル)エチルアクリレート、ヘプタデカフロ
ロデシル(メタ)アクリレート等のフッ素含有基を有す
る(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリ
レート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシク
ロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエ
チル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アク
リレート等のかさ高い構造を有する(メタ)アクリレー
ト、アクリロイルモルフォリン、ビニルピロリドン、ビ
ニルカプロラクトン等の環状親水性基を有するビニルモ
ノマーを用いて導入することができる。Zとしては、上
記のうちから選ばれた1種又は2種以上を導入すること
ができる。
【0057】上記式1のウレタン変性アクリル系樹脂の
好ましい1例としては、メチルメタクリレート0〜90
モルと、嵩高い基を有するビニルモノマー0〜80モル
とメタクリル酸0〜50モルと2−ヒドロキシエチルメ
タクリレート10〜80モルとを共重合して得られるア
クリル共重合体であって、該共重合体中に存在している
水酸基にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート
(2−イソシアネートエチルメタクリレート)を反応さ
せて得られる樹脂を例示することができる。
【0058】上記メタクリロイルオキシエチルイソシア
ネートは共重合体中に存在している全ての水酸基に反応
している必要はなく、共重合体中の2−ヒドロキシエチ
ルメタクリレート単位の水酸基の少なくとも10モル%
以上、好ましくは50モル%以上がメタクリロイルオキ
シエチルイソシアネートと反応していればよい。上記の
2−ヒドロキシエチルメタクリレートに代えて又は併用
して、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、2−ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマーも使
用することができる。
【0059】上記のウレタン変性アクリル系樹脂は、前
記共重合体を溶解可能な溶剤、例えば、トルエン、ケト
ン、セロソルブアセテート、ジメチルスルフォキサイド
等の溶媒に溶解させ、この溶液を撹拌しながら、メタク
リロイルオキシエチルイソシアネートを滴下及び反応さ
せることにより、イソシアネート基がアクリル系樹脂の
水酸基と反応してウレタン結合を生じ、該ウレタン結合
を介して樹脂中にメタクリロイル基を導入することがで
きる。この際使用するメタクリロイルオキシエチルイソ
シアネートの使用量は、アクリル系樹脂の水酸基とイソ
シアネート基との比率で水酸基1モル当たりイソシアネ
ート基0.1〜5モル、好ましくは0.5〜3モルの範
囲になる量である。尚、上記樹脂中の水酸基よりも当量
以上のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを使
用する場合には、該メタクリロイルオキシエチルイソシ
アネートは樹脂中のカルボキシル基とも反応して−CO
NH−CH2CH2−の連結を生じることもあり得る。
【0060】以上の例は、前記構造式において、全ての
1及びR2がメチル基であり、X及びYがエチレン基で
ある場合であるが、本発明は、これらに限定されず、6
個のR1は夫々独立して水素原子又はメチル基であって
もよく、更にR2の具体例としては、例えば、メチル
基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、i
so−又はtert−ブチル基、置換又は未置換のフェ
ニル基、置換又は未置換のベンジル基等が挙げられ、X
及びYの具体例としては、エチレン基、プロピレン基、
ジエチレン基、ジプロピレン基等が挙げられる。上記の
嵩高い環状構造の基Zを有するモノマーとしては、例え
ば、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシ
ル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)
アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレー
ト、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレ
ート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の如く、5
員環、6員環或いはそれ以上の嵩高い基を有するモノマ
ーであることが好ましい。
【0061】ウレタンアクリレートは、分子中にウレタ
ン結合と、光重合性を有する(メタ)アクリロイル基を
有するものであれば、いずれも使用できる。ウレタンア
クリレートの中では、2個以上のイソシアネート基を有
するイソシアネート化合物と、2個以上の水酸基を有す
る化合物と、1個以上の水酸基及び1個以上の(メタ)
アクリロイル基を有する化合物を反応させて得られるウ
レタンアクリレート、又は、2個以上のイソシアネート
基を有するイソシアネート化合物と、2個以上の水酸基
及び1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物
を反応させて得られるウレタンアクリレートが好まし
い。
【0062】ウレタンアクリレートの合成に用いる2個
以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物
としては、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシア
ネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタ
レンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4−ジ
フェニレンイソシアネート、イソホロンジイソシアネー
ト、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレン
ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチ
ル)シクロヘキサン、1,3−ビス(α,α−ジメチル
イソシアネートメチル)ベンゼン、トリメチルヘキサメ
チレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシ
アネート等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上
を混合して使用することができる。
【0063】また、下記式2a乃至2gで表されるイソ
シアネート化合物を使用することもできる。
【0064】
【化2】
【0065】ウレタンアクリレートの合成に用いる2個
以上の水酸基を有する化合物としては、例えば、1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチ
ロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロ
ールエタン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
リトール、ジグリセロール、グリセリン、その他、数々
のポリシロキサンポリオール、ポリ(オキシアルキレ
ン)ポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテ
ルポリオール、ポリエーテルポリエステルポリオール、
ポリオレフィンポリオール、ポリ(アルキルアクリレー
ト)ポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げ
られる。
【0066】ウレタンアクリレートの合成に用いる1個
以上の水酸基及び1個以上の(メタ)アクリロイル基を
有する化合物としては、例えば、トリメチロールプロパ
ントリアクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレ
ート、5−ヒドロキシシクロオクチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアク
リレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、及び、イソシアヌル酸オキシエチルジ(メタ)アク
リレートが挙げられる。
【0067】以上説明したウレタンアクリレートは、特
開平3−19842号に記載の反応条件で上記の各成分
を反応させることにより製造することができる。
【0068】別のウレタンアクリレートとしては、特開
2001−329031号に記載されている、乾燥した
だけの未硬化状態でもタックフリーな活性エネルギー線
硬化性組成物を例示することができる。このタックフリ
ーな組成物は、融点が40℃以上のイソシアネート化合
物と、(メタ)アクリロイル基を有していて且つイソシ
アネート基と反応し得る(メタ)アクリル化合物との反
応生成物であって、融点が40℃以上のものを含有す
る。上記融点が40℃以上のイソシアネート化合物とし
ては、非芳香族性炭化水素環に結合したイソシアネート
基を有する化合物、特にイソホロンジイソシアネートの
3量体、イソホロンジイソシアネートとトリメチロール
プロパンとの3:1(モル比)の反応生成物が好まし
い。上記(メタ)アクリル化合物としては、(メタ)ア
クリル酸や、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートの
ような水酸基を有する(メタ)アクリレートが好まし
い。
【0069】ポリエステルアクリレートは、分子中にエ
ステル結合と、光重合性を有する(メタ)アクリロイル
基を有するものであれば、いずれも使用できる。ポリエ
ステルアクリレートの中では、2個以上の水酸基を有す
る化合物又は環状エステル化合物と多塩基酸とから合成
したポリエステル化合物に、さらに(メタ)アクリロイ
ル基を持つ化合物を反応させて得られるポリエステルア
クリレートが好ましい。
【0070】ポリエステルアクリレートの合成に用いる
2個以上の水酸基を有する化合物としては、上記ウレタ
ンアクリレートの合成に用いるものと同じものを用いる
ことができる。
【0071】ポリエステルアクリレートの合成に用いる
環状エステル化合物としては、例えば、ε−カプロラク
トン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−
バレロラクトン等のラクトン化合物、その誘導体、若し
くは当該ラクトン化合物とグリシジルメタクリレート等
のエポキシ化合物との付加反応生成物を挙げることがで
きる。
【0072】ポリエステルアクリレートの合成に用いる
多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、コハク酸、セ
バチン酸等の飽和多塩基酸;マレイン酸、フマル酸、イ
タコン酸、シトラコン酸等の不飽和多塩基酸;フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の
芳香族多塩基酸を挙げることができる。
【0073】本発明においては、バインダー樹脂とし
て、光重合性官能基を有するバインダー樹脂(A)を1
種単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができ
る。また、本発明においては、本発明の目的を達成し得
る限り、光重合性官能基を有しない樹脂を混合しても良
い。そのような光重合性官能基を有しない樹脂として
は、従来から光学物品を形成するのに用いられている非
重合性透明樹脂、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタク
リル酸、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ
オレフィン、ポリスチロール、ポリアミド、ポリイミ
ド、ポリビニルクロライド、ポリビニルアルコール、ポ
リビニルブチラール、ポリカーボネート等を挙げること
ができる。
【0074】本発明においては、光硬化性樹脂層にプレ
ススタンパーを押圧して微細凹凸パターンを賦形し、ス
タンパ−を取り外した後の、露光工程や蒸着工程等のプ
ロセス途中で、光硬化性樹脂の弾性により微細凹凸パタ
ーンが丸みを帯びて型崩れするのを防ぐために、光硬化
性樹脂組成物に、希釈溶剤中でコロイド状の形態に分散
させることが可能で且つサブミクロンオーダーの無機超
微粒子(B)を配合してクリープ特性と形状保持性を向
上させる。
【0075】また、光硬化性樹脂組成物に無機超微粒子
(B)を配合することにより当該光硬化性樹脂組成物の
離型性も向上し、光硬化性樹脂層に押圧したスタンパ−
を取り外すときにスタンパ−のキャビティ内面に樹脂組
成物が付着しにくくなり、さらには表面タックが低減す
るので、基材フィルムに光硬化性樹脂層を形成しプレス
スタンパーを押圧する前の中間積層体をロール状に巻き
取ってもブロッキングを生じないという利点もある。
【0076】また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、無
機超微粒子(B)を配合することで硬化収縮時の応力が
緩和され易くなり、硬化収縮の歪みに起因する種々の問
題点を解決することが出来る。例えば、光硬化性樹脂組
成物の硬化時に、硬化収縮による樹脂の割れ、カール、
しわ等の発生を抑えることができる。或いは、転写箔に
含まれる光硬化性樹脂組成物の層を硬化させる場合に、
これに隣接する層、例えば、フィルム基材、剥離層、金
属蒸着層との収縮率の相違により、箔の部分的な割れ、
よれ、しわ等の発生を抑えることができる。
【0077】本発明の光硬化性樹脂組成物は、希釈溶剤
を用いて塗工作業に用いられる濃度に最初から調製する
場合のほか、溶剤を全く含有しないか或いは希釈溶剤を
少量しか含有しない高濃度の状態で保存し、使用直前に
希釈溶剤を加えて塗工作業に用いられる濃度に調節する
場合があるが、いずれの場合であっても無機超微粒子
(B)は、最終的に希釈溶剤中でコロイド状の形態とな
って均一に分散させることが可能なものであることが必
要である。
【0078】無機超微粒子の具体例としては、Si
2、TiO2、ZrO2、SnO2、Al 23等の金属酸
化物超微粒子を挙げることができ、これらの中から上記
したようにコロイド状分散可能で且つサブミクロンオー
ダーの粒子サイズを有するものを選択して用いるのが好
ましく、特に、コロイダルシリカ(SiO2)微粒子を
用いるのが好ましい。
【0079】金属酸化物超微粒子の一部が金属水酸化物
になっており、水が吸着して水和した構造をとっている
と、希釈溶剤中でコロイド状の形態に分散させやすいの
で好ましい。また、希釈溶剤として有機溶剤を用いる場
合には、無機超微粒子の表面を疎水性処理することによ
り、コロイド状に分散させやすくなる。無機超微粒子が
金属酸化物の場合は、例えば、有機アミンや有機カルボ
ン酸などの有機低分子成分で表面処理することにより疎
水性を付与することができる。
【0080】また、無機超微粒子(B)は、塗膜に充分
な透明性を確保するために、いわゆる超微粒子サイズの
ものを用いる。ここで「超微粒子」とはサブミクロンオ
ーダーの粒子のことであり、一般的に「微粒子」と呼ば
れている数μmから数100μmの粒子径を有する粒子
よりも粒子径の小さいものを意味している。本発明にお
いて用いられる無機超微粒子(B)の具体的なサイズ
は、本発明の光硬化性樹脂組成物が適用される光学物品
の用途及びグレードによっても相違するが、一般的な球
状の場合には一次粒子径が1nm〜300nmの範囲の
ものを用いるのが好ましい。一次粒子径が1nm未満で
は、樹脂組成物のクリープ特性を充分に向上させること
が困難になり、一方、一次粒子径が300nmを超える
と、樹脂の透明性が損なわれ光学物品の用途によっては
透明性が不充分となる場合がある。
【0081】無機超微粒子(B)は、どのような形状で
あっても良いが、嵩高い形状を持つ微粒子、すなわち密
度が小さくなる形状を持つ微粒子が好ましい。嵩高い無
機超微粒子を用いることで、光硬化性樹脂組成物の耐ブ
ロッキング性、クリープ特性及び凹凸パターンの形状保
持性が特に向上する。
【0082】嵩高い形状としては、例えば細長い形状、
特にその伸長が同一平面内に存在する針状やパールネッ
クレス状等の形状を用いることが出来る。パールネック
レス状とは、球状粒子を数珠状又は直列に繋いだ形状で
ある。無機超微粒子(B)が細長い形状の場合には、太
さ(径)1〜100nm、長さ10〜500nmの範囲
のものを用いるのが好ましく、太さ1〜20nm、長さ
40〜300nmの範囲が特に好ましい。長さが10n
m未満では、球状シリカとの差は無く、500nmを超
えると透明性が損なわれるためである。
【0083】細長い形状をアスペクト比(太さに対する
長さの比)で表す場合、アスペクト比は3以上であるこ
とが好ましい。アスペクト比は、顕微鏡により直接測定
された太さと長さから算出しても良いし、動的光散乱法
により測定された粒子径(D 1nm)と窒素ガス吸着法
により測定された粒子径(D2nm)の比D1/D2を算
出してアスペクト比としてもよい。
【0084】細長い形状の無機超微粒子の好ましい具体
例としては、アスペクト比が3以上であって、電子顕微
鏡で観察した時に太さ5〜20nm、長さ40〜300
nmである針状シリカ、又は、太さ10〜80nm、長
さ50〜500nmであるパールネックレス状シリカが
挙げられる。形状としては、特に針状シリカが好まし
く、球状のものと比べて少ない添加量で充分なクリープ
特性、ブロッキング防止性能を発揮する。
【0085】無機超微粒子(B)は、光硬化性樹脂組成
物の固形分全量中に0.1〜70重量%の割合で配合す
るのが好ましく、特に球状微粒子の場合には1〜50重
量%、細長い形状の微粒子の場合には0.1〜30重量
%の割合で配合するのが特に好ましい。無機超微粒子
(B)の割合が0.1重量%未満では、樹脂組成物のク
リープ特性を充分に向上させることが困難になり、一
方、無機超微粒子(B)の割合が70重量%を超える
と、脆質性が顕著になり、露光硬化後に充分な強度や表
面硬度が得られにくくなる。なお、光硬化性樹脂組成物
の固形分には、溶剤を除く全ての液状成分も含まれる。
【0086】本発明の光硬化性樹脂組成物には離型剤を
配合してもよい。本発明の光硬化性樹脂組成物に離型剤
を配合することにより、光硬化性樹脂層にプレススタン
パーを押し付けて取り外す時に樹脂の版取られを防止
し、プレススタンパーを長期間連続して使用(反復エン
ボス性)することができるようになる。
【0087】離型剤としては従来公知の離型剤、例え
ば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン
パウダー(テフロンは登録商標)等の固形ワックス、弗
素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン等が
何れも使用可能である。
【0088】特に好ましいのはシリコーン系離型剤であ
り、水の接触角を90°以上として型からの離型性を非
常に高くすることができる。シリコーン系離型剤には、
ポリシロキサン、変性シリコーンオイル、トリメチルシ
ロキシケイ酸を含有するポリシロキサン、シリコーン系
アクリル樹脂等がある。
【0089】変性シリコーンオイルは、ポリシロキサン
の側鎖及び/又は末端を変性したものであり、例えばア
ミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノ
ール変性、(メタ)アクリル変性、メルカプト変性、フ
ェノール変性、ポリエーテル変性、メチルスチリル変
性、アルキル変性、フッ素変性等が挙げられる。一つの
ポリシロキサン分子に上記したような変性方法の2つ以
上を行うこともできる。
【0090】シリコーン系アクリル樹脂は、(メタ)ア
クリロイル変性シリコーンオイルや、ケイ素を含有する
モノマーを共重合或いはグラフト化したアクリル樹脂が
用いられる。
【0091】上記シリコーン系離型剤は1種類のみ或い
は2種類以上を組み合わせて添加することができる。
【0092】上記離型剤は、光硬化性樹脂組成物の固形
分全量中に0.1〜30重量%の割合で配合するのが好
ましい。離型剤の割合が上記範囲未満では、プレススタ
ンパーと光硬化性樹脂層の離型性が不十分となりやす
い。一方、離型剤の割合が上記範囲を超えると組成物の
塗工時のはじきによる塗膜面の面荒れの問題が生じた
り、製品において基材自身及び近接する層、例えば、蒸
着層の密着性を阻害したり、転写時に皮膜破壊等(膜強
度が弱くなりすぎる)を引き起こす等の点で好ましくな
い。
【0093】本発明の光硬化性樹脂組成物には、組成物
の粘度を低下させたり、柔軟性を付与したり、架橋密度
を高めるために単官能または多官能のモノマー又はオリ
ゴマーを配合してもよい。
【0094】単官能モノマーとしては、例えば、テトラ
ヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メ
タ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)
アクリロイルオキシエチルフタレート、イソボルニル
(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリ
レート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジ
シクロペンテニル(メタ)アクリレート等が挙げられ
る。
【0095】多官能のモノマー又はオリゴマーとして
は、例えば、2官能のモノマー、オリゴマーとしてはポ
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペン
チルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキ
サンジオールジ(メタ)アクリレート等、3官能のモノ
マー、オリゴマー、ポリマーとしてはトリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アク
リレート等、4官能のモノマー、オリゴマーとしてはペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジト
リメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂
肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、5官能
以上のモノマー、オリゴマーとしてはジペンタエリスリ
トールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステ
ル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0096】単官能、多官能のモノマー又はオリゴマー
としては、上記の(メタ)アクリレート類のほか、スチ
レン、ビニルトルエン、クロルスチレン、ブロモスチレ
ン、ジビニルベンゼン、1−ビニルナフタレン、2−ビ
ニルナフタレン、N−ビニルピロリドン等のビニル化合
物、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、ト
リメチロールプロパンジアリル、ジアリルフタレート、
ジメタクリルフタレート、ジアリルイソフタレート等の
アリル化合物を用いることもできる。
【0097】モノマー又はオリゴマーは、光硬化性樹脂
組成物の固形分全量中に5〜50重量%の割合で配合す
るのが好ましい。モノマー或いはオリゴマーの割合が上
記範囲未満では、得られる硬化樹脂層の強度、耐熱性、
耐擦傷性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性が十
分とはいえず、一方、モノマー或いはオリゴマーの使用
量が上記範囲を超えると表面のタックが高くなり、ブロ
ッキングを引き起こしたり、ホログラム等の複製時に版
(プレススタンパー)に材料が一部残る(版取られ)こ
とにより反復エンボス性が低下する等の点で好ましくな
い。
【0098】本発明の光硬化性樹脂組成物には、微細凹
凸パターンを有する表面構造の耐熱性、強度、或いは、
金属蒸着層との密着性を高めるために、有機金属カップ
リング剤を配合してもよい。有機金属カップリング剤と
しては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップ
リング剤、ジルコニウムカップリング剤、アルミニウム
カップリング剤等の各種カップリング剤を使用できる。
【0099】シランカップリング剤としては、例えば、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチ
ルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミ
ノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩
酸塩、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、
アミノシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシ
シラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−クロロプロ
ピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、γ
−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ
ス(β−メトキシエトキシ)シラン、オクタデシルジメ
チル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニ
ウムクロライド、γ−クロロプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラ
ン、トリメチルクロロシラン等が挙げられる。
【0100】チタンカップリング剤としては、例えば、
イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプ
ロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イ
ソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チ
タネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフ
ァイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシ
ルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリ
ルオキシメチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチ
タネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキ
シアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス
フェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオク
タノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソス
テアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイル
ジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチル
ホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフ
ェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチ
ル・アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキ
シアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレン
チタネート等が挙げられる。
【0101】ジルコニウムカップリング剤としては、例
えば、テトラ−n−プロポキシジルコニウム、テトラ−
ブトキシジルコニウム、ジルコニウムテトラアセチルア
セトネート、ジルコニウムジブトキシビス(アセチルア
セトネート)、ジルコニウムトリブトキシエチルアセト
アセテート、ジルコニウムブトキシアセチルアセトネー
トビス(エチルアセトアセテート)等が挙げられる。
【0102】アルミニウムカップリング剤としては、例
えば、アルミニウムイソプロピレート、モノsec−ブ
トキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウム
sec−ブチレート、アルミニウムエチレート、エチル
アセトアセテエートアルミニウムジイソプロピレート、
アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アル
キルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレー
ト、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチ
ルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチル
アセトアセテート)等を挙げることができる。
【0103】上記有機金属カップリング剤は、光硬化性
樹脂組成物の固形分全量中に0.1〜15重量%の割合
で配合するのが好ましい。有機金属カップリング剤の割
合が上記範囲未満では、耐熱性、強度、蒸着層との密着
性の付与効果が不充分である。一方、有機金属カップリ
ング剤の割合が上記範囲を超えると、組成物の安定性、
成膜性が損なわれるおそれがある。
【0104】本発明の光硬化性樹脂組成物には、必要に
応じて、使用する光源の波長に対して活性を有する光重
合開始剤が配合される。光重合開始剤は、バインダーや
モノマーの反応形式の違い(例えばラジカル重合やカチ
オン重合など)に応じて適切な活性種を発生させるもの
を用いる。
【0105】光ラジカル重合開始剤としては、例えば、
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−
メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾ
イン系化合物;アントラキノン、メチルアントラキノン
等のアントラキノン系化合物;ベンジルジアセチルアセ
トフェノン、ベンゾフェノン等のフェニルケトン系化合
物;ジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムス
ルフィド等のスルフィド系化合物;α−クロルメチルナ
フタレン、;アントラセン;及びヘキサクロロブタジエ
ン、ペンタクロロブタジエン等のハロゲン化炭化水素等
が挙げられる。
【0106】光カチオン開始剤としては、例えば、芳香
族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スル
ホニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、混合配位子金属塩
等が挙げられる。
【0107】光アニオン重合開始剤としては、例えば、
1,10‐ジアミノデカンや4,4’‐トリメチレンジピ
ペリジン、カルバメート類及びその誘導体、コバルト‐
アミン錯体類、アミノオキシイミノ類、アンモニウムボ
レート類等を例示することができる。
【0108】上記光重合開始剤は、光硬化性樹脂組成物
の固形分全量に対して0.5〜10重量%の割合で配合
するのが好ましい。光重合開始剤は1種のみを単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0109】本発明の光硬化性樹脂組成物には、貯蔵安
定性を向上させるために、重合禁止剤を配合してもよ
い。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノン、t
−ブチルハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノン
モノメチルエーテル等のフェノール類;ベンゾキノン、
ジフェニルベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン
類;銅類等を用いることができる。重合禁止剤は、光硬
化性樹脂組成物の固形分全量に対して0.1〜10重量
%の割合で配合するのが好ましい。
【0110】本発明に係る光硬化性樹脂組成物は、通
常、希釈溶剤(主溶剤)を用いて塗布液の状態に調製
し、微細凹凸パターンの形成に用いる。上記したような
各材料を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、クロルベンゼン、テトラヒドロフラン、
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソル
ブアセテート、エチルセロソルブアセテート、酢酸エチ
ル、1,4−ジオキサン、1,2−ジクロロエタン、ジ
クロルメタン、クロロホルム、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール等、またはそれらの混合溶剤に溶
解、分散することにより、本発明に係る光硬化性樹脂組
成物としての塗布液を調製することができる。塗布液
は、通常、固形分濃度が10〜50重量%程度となるよ
うに調節される。
【0111】(微細凹凸パターン形成方法)本発明に係
る光硬化性樹脂組成物を基材フィルム等の支持体の表面
に塗布し、必要に応じて乾燥させて微細凹凸パターン形
成材料の層(微細凹凸パターン形成層)を形成して凹凸
パターン受容体を作製し、当該凹凸パターン受容体の微
細凹凸パターン形成層表面にスタンパーを圧接してエン
ボス加工を行い、微細凹凸パターン形成層を露光又は加
熱等の適切な方法で反応硬化させることにより、光学的
機能を有する微細凹凸パターンを形成することができ、
光学物品やスタンパーとして利用できる。
【0112】支持体に微細凹凸パターン形成層を塗工す
る前後に、或いは、微細凹凸パターン形成層に微細凹凸
パターンを形成する前後に、必要に応じてアンカー層、
剥離層、金属薄膜層、オーバーコート層、感圧又は感熱
接着剤層等の他の層を形成してもよい。
【0113】微細凹凸パターン形成層は、スタンパーを
圧接した状態で硬化させてもよいが、スタンパーを取り
外した後で露光、加熱することも可能である。後者の方
法は、微細凹凸パターン形成層を硬化工程に移す前にス
タンパーを取り外し、取り外したスタンパーはエンボス
工程で連続使用できるので連続生産性に優れている。
【0114】また、本発明では、上記微細凹凸パターン
形成材料が成膜性及び耐ブロッキング性に優れているこ
とを利用し、基材フィルム上に微細凹凸パターン形成層
を形成した中間積層体をロール状に巻き取って一時的に
貯蔵し、別の場所へ運搬して巻き戻し、スタンピング及
び硬化を行うことも可能である。
【0115】さらにスタンピング及び硬化を行った中間
積層体をロール状に巻き取って一時的に貯蔵し、別の場
所へ運搬し巻き戻し、必要に応じて追加の光又は熱硬化
工程を行って充分に硬化させたり、或いは、必要に応じ
て微細凹凸パターンの上に金属薄膜、オーバーコート
層、感圧又は感熱接着剤層等を形成することが可能であ
る。
【0116】本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化に用い
る光としては、高エネルギー電離放射線及び紫外線が挙
げられる。高エネルギー電離放射線源としては、例え
ば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速
器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロ
トロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に
最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同
位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中
性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源とし
ては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀
灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯
等が挙げられる。
【0117】本発明の光硬化性樹脂組成物を用いる微小
凹凸パターン形成方法を、レリーフホログラムを例にと
って具体的に説明する。先ず、光硬化性樹脂組成物を、
金属板、紙、ポリエチレンテレフタレート等の基材に塗
布又は含浸し、次いで組成物中に含まれている有機溶剤
が飛散する温度、例えば、l00〜165℃に設定した
加熱炉内に0.1〜1分間程度導いて乾燥させて光硬化
性樹脂層を基材上に形成する。そして、この光硬化性樹
脂層に、例えば、プレススタンパーを用いて所望のホロ
グラムレリーフのパターニング(エンボス加工)行な
う。
【0118】ホログラムパターンのエンボス加工は、例
えば、レーザー光を用いて作った母型から引き続き作成
したプレススタンパーを周面に装着した金属ロ−ルとペ
ーパーロールよりなる1対のエンボスローラーを使用し
て通常の方法で、例えば、50〜150℃、10〜50
kg/cm2の圧力で行う。なお、複製装置のエンボス
ローラーとしては、樹脂製版によりマスターホログラム
から複製ホログラムを作成し、これをシリンダー上に貼
り付けたものも使用できる。
【0119】エンボス加工は片面エンボスで十分である
が、両面エンボスでもよい。エンボスに当たっては、エ
ンボスロールの温度設定が重要であり、エンボス形状を
再現する観点からは比較的高温で、比較的高い圧力でエ
ンボスするのが好ましいが、エンボス版への付着を防止
するためには比較的低い圧力でエンボスするのが好まし
く、全く逆の関係となる。また、有効に作用する熱容量
から考えた場合は、複製するフイルムの搬送速度も重要
である。樹脂組成物のエンボスロールへの付着を低減す
るためには、上述した離型剤の選定も重要である。
【0120】光硬化性樹脂層にエンボス加工を行い、ス
タンパーから剥がした後、紫外線や電子線等を照射して
樹脂層を光硬化させる。ホログラムは一般的には透過型
であるため、光硬化させた樹脂層に反射層を設ける必要
がある。反射層として光を反射する金属薄膜を用いると
不透明タイプのホログラムとなり、透明で且つホログラ
ム層と屈折率差がある物質を用いた反射層を設ける場合
は透明タイプとなるが、どちらも使用できる。金属薄膜
からなる反射層は、昇華、真空蒸着、スパッタリング、
反応性スパッタリング、イオンプレーティング、電気メ
ッキ等の公知の方法で形成可能である。
【0121】不透明タイプのホログラムを形成する金属
薄膜としては、例えば、Cr、Ti、Fe、Co、N
i、Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、P
b、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、Rb
等の金属及びその酸化物、窒化物等を単独若しくは2種
類以上組み合わせてからなり、化学蒸着や物理蒸着等の
方法で形成できる。上記金属薄膜の中でもAl、Cr、
Ni、Ag、Au等が特に好ましく、その膜厚は1〜1
0,000nm、望ましくは20〜200nmの範囲で
ある。
【0122】透明タイプのホログラムを形成する薄膜
は、ホログラム効果を発現できる光透過性のものであれ
ば、いかなる材質のものも使用できる。例えば、ホログ
ラム形成層(光硬化性樹脂層)の樹脂と屈折率の異なる
透明材料を用いることができる。この場合の屈折率は、
ホログラム形成層の樹脂の屈折率より大きくても小さく
てもよいが、屈折率の差は0.1以上が好ましく、より
好ましくは0.5以上であり、1.0以上が最適であ
る。透明タイプのホログラムを形成する薄膜としては、
金属性透明反射膜がある。好適に使用される透明タイプ
反射層としては、酸化チタン(TiO2)、硫化亜鉛
(ZnS)等が挙げられる。
【0123】また、例えば、高屈折率フィラーを分散し
た塗工液の塗工、金や銀のコロイド溶液の塗工、ゾルゲ
ル反応に代表される有機金属化合物の加水分解重縮合反
応による塗膜形成等により形成される、高屈折率材料膜
を使用することもできる。
【0124】凹凸パターン受容体は、微細凹凸パターン
の表面構造を付与すべき最終製品であってもよいが、中
間的な転写媒体であってもよい。すなわち本発明におい
ては、上記光硬化性樹脂組成物を第一の支持体に塗布し
て微細凹凸パターン形成層を形成することで転写箔を作
製し、この転写箔の微細凹凸パターン形成層に微細凹凸
パターンを形成し、当該微細凹凸パターン形成層を反応
硬化させた後で、第二の支持体(最終製品)上に転写す
ることが可能である。転写箔を用いる場合には、最終製
品の表面に直接エンボス加工を行う必要が無い、或い
は、転写箔上に予め微細凹凸パターンを大量連続形成す
ることができる等の利点があり、例えば、複雑な表面形
状の物品等の直接エンボス加工を行うことが困難な物品
の表面や、ロール状に巻き取ることができないガラス、
プラスチック、金属板等の支持体に、微細凹凸パターン
を連続転写によって形成することも可能である。
【0125】本発明において微細凹凸パターン転写箔
は、第一の支持体上に、少なくとも上記本発明の光硬化
性樹脂組成物からなり、且つ、第一の支持体から剥離し
て第二の支持体に転写することが可能な状態で微細凹凸
パターン形成層が設けられている積層体であり、必要に
応じて、上記微細凹凸パターン形成層に加えて剥離層、
反射層、接着剤層或いはその他の層の1又は2以上を設
けることができる。例えば図1に示すように、転写箔1
は、支持体2上に剥離層3、微細凹凸パターン形成層
(光硬化性樹脂組成物層)4、反射層(不透明反射層又
は微細凹凸パターン形成層とは屈折率の異なる透明層)
5、及び、接着剤層6を順次積層した構成としてもよ
い。
【0126】転写箔を作製する場合の支持体としては、
通常、可撓性のある基材フィルムが用いられ、強度や耐
熱性等の点でポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリメチルメ
タクリレート、ナイロン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリノルボルネ
ン、トリアセチルセルロース等のプラスチックフィルム
が適しているが、プラスチックフィルムに限られず、ま
た、可撓性が無くてもよく、金属板や紙等の他の材質を
支持体として利用してもよい。また、紙等の含浸性ある
支持体を用いる場合には、支持体組織内に微細凹凸パタ
ーン形成層が含浸した状態で形成されてもよく、このよ
うな状態であっても支持体上に設けられた微細凹凸パタ
ーン形成層の一形態に含まれる。また、ホログラム等の
微細凹凸パターンの大量生産性を考慮して基材フィルム
として連続フィルムを用いてもよいが、枚葉状の基材フ
ィルムを用いてもよい。
【0127】剥離層は、転写箔の剥離性や箔切れ性を向
上させる目的で微細凹凸パターン形成層の下層に必要に
応じて設けられ、転写箔から何らかの被転写面(第二の
支持体)に微細凹凸パターン形成層と共に転写された後
は最表面になる層である。剥離層としては、例えば、ア
クリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、
セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイ
ン、各種界面活性剤、金属酸化物等の中から1種のみ選
んで単独で又は2種以上を選んで混合して用いることが
できる。または、微細凹凸パターン形成層に使用する本
発明の光硬化性樹脂組成物に、上記の剥離性材料を添加
剤として添加したものも、剥離層として用いることがで
きる。
【0128】反射層は、例えばレリーフホログラムを形
成する場合に微細凹凸パターン上に設けられる。反射層
は透明タイプ又は不透明タイプのいずれでもよく、上述
したような金属薄膜又は高屈折率膜で形成できる。
【0129】また、接着剤層は、微細凹凸パターン形成
層の転写性、及び、転写後における被転写面に対する密
着性を向上させる目的で、或いは、エンボス加工後の微
細凹凸パターン形成層の表面を反射膜や保護膜で被覆す
る場合には、これらの層に対する密着性を向上させる目
的で微細凹凸パターン形成層の最表面に設けられ、微細
凹凸パターン形成層と共に転写された後は最下層となる
層である。
【0130】接着剤層は、公知の感熱性接着樹脂、感圧
性接着樹脂、2液硬化型接着剤、光硬化型接着剤の中か
ら適宜選んで使用できる。感熱性接着樹脂としては、例
えば、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、ス
チレンブタジエンゴム等のゴム系;ポリ(メタ)アクリ
ル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メ
タ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチ
ル、ポリ(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル等の
(メタ)アクリル酸エステル系;ポリイソブチルエーテ
ル等のポリビニルエーテル系;ポリ酢酸ビニル、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体等のポリ塩化ビニル系;ポリ
アクリルアミド、ポリメチロールアクリルアミド等のポ
リアミド系;ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系;ポリビ
ニルブチラール、酢酸ビニル/アクリル酸オクチル、酢
酸ビニル/アクリル酸ブチル、塩化ビニリデン/アクリ
ル酸ブチル等の他のビニル系;ポリスチレン等の芳香族
ビニル系;及びポリ塩化オレフィン等が挙げられ、これ
らの中から1種のみ選んで単独で又は2種以上を組み合
わせて用いることができる。
【0131】レリーフホログラム転写箔の作成手順の一
例を、以下に説明する。なお、使用される符号は図1を
参照するためのものである。先ず、ポリエチレンテレフ
タレート等の連続プラスチックからなる基材フィルム2
をロールストックから繰り出す。繰り出した基材フィル
ムの上に剥離剤の塗工液をロールコーターを用いて塗布
し、次いで、前記塗工液に含まれている有機溶剤が飛散
する温度、例えば、l00〜165℃に設定した加熱炉
内に0.1〜1分間程度導いて乾燥させて、剥離層3を
形成する。この剥離層3の上に、引き続き光硬化性樹脂
組成物からなる微細凹凸パターン形成材料をロールコー
ターを用いて塗布し、次いで、組成物に含まれている有
機溶剤が飛散する温度、例えば、l00〜165℃に設
定した加熱炉内に0.1〜1分間程度導いて乾燥させて
微細凹凸パターン形成層4を形成して転写箔1を作製す
る。上記ロールコーター以外の塗工機としては、例えば
グラビアコーター、カーテンコーター、フローコータ
ー、リップコーター、ドクターブレードコーター等も使
用できる。微細凹凸パターン形成層の厚さは、通常0.
1〜5.0μm程度である。作製した転写箔1は再び巻
き取られてロールストックとされ、保存又は運搬され
る。
【0132】次に、転写箔1をロールストックから繰り
出し、微細凹凸パターン形成層の表面にレリーフホログ
ラムのスタンパーを圧接してエンボス加工を行い、微細
凹凸パターン(図示せず)を形成する。
【0133】ホログラムパターンのエンボス加工は、例
えば、レーザー光や電子線を用いて作った母型から引き
続き作成したスタンパーを周面に装着した金属ロ−ルと
ペーパーロールよりなる1対のエンボスローラーを使用
して通常の方法で、例えば、熱ロール温度100〜20
0℃、プレス圧5×103〜5×106Paで行う。熱ロ
ール温度を上記範囲より高くすると、エンボス加工を高
速で行うことができるが、基材フィルムのダメージが大
きくなる。また、熱ロール温度を上記範囲より低くする
と、樹脂温度を上昇させるのに時間がかかるので、エン
ボス工程が遅くなる。なお、複製装置のエンボスローラ
ーとしては、樹脂製版によりマスターホログラムから複
製ホログラムを作成し、これをシリンダー上に貼り付け
たものも使用できる。
【0134】この場合も、片面又は両面にエンボス加工
を行うことが可能である。光硬化性樹脂層にエンボス加
工を行い、スタンパーから剥がした後、光を照射して樹
脂層を硬化させる。硬化に用いる光としては、上述した
ように高エネルギー電離放射線及び紫外線が挙げられ
る。
【0135】硬化後、微細凹凸パターンの上には、必要
に応じて、さらに金属蒸着層や高屈折率材料層等の反射
膜や、耐擦傷性や耐汚染性を高めるための透明保護膜を
形成してもよい。また、微細凹凸パターン形成層の上に
反射膜や保護膜等の層を付加する場合には、さらにその
上に接着剤層を付加してもよい。
【0136】このようにして微細凹凸パターン形成層の
上に、微細凹凸パターンを形成し硬化させた転写箔は、
再び巻き取られてロールストックとされ、保存又は運搬
される。
【0137】次に、微細凹凸パターンを形成した転写箔
をロールストックから繰り出し、その微細凹凸パターン
形成層の上に、第二の支持体の被転写面を向き合わせて
重ね合せ、ホログラムを転写しようとする部分の転写箔
を基材フィルム側から加圧ローラや加圧板で加熱・加圧
して溶融接着させた後、転写箔を剥離することにより、
微細凹凸パターンを有する微細凹凸パターン形成層が第
二の支持体上に転写される。転写の際の温度及び圧力
は、加圧方式(ロール式、スタンピング式)及び加圧時
間等の加圧方法に関する要因のほか、支持体の材質と溶
融温度、感熱接着剤の溶融温度、感熱接着剤と支持体材
質の密着性等の要因によって条件が大きく異なってくる
ため、適宜調節する。
【0138】このようにして、光硬化性樹脂組成物の硬
化物からなると共に、レリーフホログラムの微細凹凸パ
ターンを形成した表面構造を有する硬化樹脂層を備えた
光学物品が得られる。
【0139】(光学物品)本発明によれば、上記レリー
フホログラムと同様の方法により又は上記方法を必要に
応じて修正して、光硬化性樹脂組成物の硬化物からなる
と共に、様々な光学的機能を有する微細凹凸パターンを
形成した表面構造を有する硬化樹脂層を備えた光学物品
を作製することが可能である。
【0140】従来、エンボス加工で複製されているホロ
グラムの凹凸パターンは、幅(ピッチ)が約500〜1
500nm及び幅に対する深さ(深さ/幅)が1/3以
下程度であるものが一般的である。本発明によれば、こ
のような凹凸パターンを複製できることは言うまでもな
く、より高度な光学的機能を有する複雑な微細凹凸パタ
ーン、例えば、凹凸パターンの幅(ピッチ)が約200
nm以下であったり、或いは、幅に対する深さ(深さ/
幅)が1/2以上であるパターンを複製する場合でも、
スタンパーの圧接時にキャビティ内に微細凹凸パターン
形成材料を充分に流し込むことができ、スタンパーを引
き剥がす時に版取られを起こさず、スタンパーを取り除
いた後のパターン崩れも起こし難いため、微細凹凸パタ
ーンを精度良く且つエンボス加工により大量連続生産す
ることが可能である。
【0141】本発明の微細凹凸パターン形成材料を用い
るエンボス加工により作製される光学物品としては、
(1)セキュリティ用途で使用されるレリーフホログラ
ムや回折格子、例えばクレジットカード、IDカード、
商品券、紙幣等に付されるものや、(2)グラフィック
アーツ及び意匠用途で使用されるレリーフホログラムや
回折格子、例えば、いわゆるプリクラ等のアミューズメ
ント商品又は景品、包装、葉書・封書、ノベルティグッ
ズ等に付されるものや、(3)全光線及び/又は特定の
波長の光の反射、透過、散乱、偏光、集光又は干渉の少
なくとも一つを制御する光学素子、例えば、反射板、散
乱板、偏光板、レンズ、波長選択素子、反射防止板、複
屈折波長板、サブ波長構造を持つ光学素子等の光学素子
等として用いられるものや、(4)情報記録素子、例え
ば、情報記録ホログラム、光カード、光ディスク等とし
て用いられるもの等を挙げることができる。
【0142】本発明は、レリーフホログラムや回折格子
以上に複雑又は精密に光を制御する用途に適用可能であ
るが、レリーフホログラムや回折格子に適用する場合に
も、ただ単に明るいホログラムを得るだけでなく、複雑
なデザインをもつレリーフホログラムや回折格子を形成
できる。
【0143】さらに本発明によれば、非常に高い精度で
微細凹凸パターンを形成できるので、光学物品に付与す
べき微細凹凸パターンを型にして相補的な凹凸パターン
を複製し、これをスタンパーとして使用することが可能
である。
【0144】
【実施例】(実施例1) (1)バインダー樹脂(A)の製造 冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2リットルのフラ
スコに、トルエン40g、メチルエチルケトン40gを
アゾ系の重合開始剤と共に仕込み、2−ヒドロキシメチ
ルメタクリレート20.8g、メチルメタクリレート3
9.0g、イソボルニルメタクリレート45.0g、ト
ルエン20g、及び、メチルエチルケトン20gの混合
液を滴下ロートで滴下させながら100℃の温度下で8
時間反応させた後、室温まで冷却した。これに、2−イ
ソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工製、カレ
ンズMOI)23.4g、トルエン20g及びメチルエ
チルケトン20gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチ
ル錫を触媒として付加反応させた。反応生成物のIR分
析により、イソシアネートの吸収ピークの消失を確認
し、反応を終了した。得られた樹脂溶液の固形分は3
8.2重量%、分子量はポリスチレン換算で30,00
0、炭素間二重結合(C=C)の導入量は12.5%で
あった。
【0145】(2)光硬化性樹脂組成物の調製 上記バインダー樹脂(A)及びその他の成分を下記配合
割合で混合し、メチルエチルケトンで希釈して固形分濃
度を20重量%に調節し、本実施例1の光硬化性樹脂組
成物1を調製した。
【0146】<光硬化性樹脂組成物1> ・バインダー樹脂(A)(固形分基準):70重量部 ・多官能オリゴマー(ジペンタエリスリトールヘキサア
クリレート、商品名:KAYARAD DPHA、日本
化薬製):30重量部 ・離型剤(アミノ変性反応性シリコーンオイル、商品
名:KF−860、信越化学工業製):5重量部 ・光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、チバス
ペシャルティケミカルズ製):5重量部 ・球状コロイダルシリカ(商品名:MEK−ST、日産
化学工業製)(固形分基準):70重量部 (実施例2)実施例1で製造したバインダー樹脂(A)
及びその他の成分を下記配合割合で混合し、メチルエチ
ルケトンで希釈して固形分濃度を20重量%に調節し、
本実施例2の光硬化性樹脂組成物2を調製した。
【0147】<光硬化性樹脂組成物2> ・バインダー樹脂(A)(固形分基準):60重量部 ・ウレタンアクリレート(商品名:紫光UV−3520
TL、日本合成化学工業製)(固形分基準):30部 ・離型剤(シリコーンレジン、商品名:KF−731
2、信越化学工業製):1部 ・光重合開始剤1(商品名:イルガキュア907、チバ
スペシャルティケミカルズ製):2部 ・光重合開始剤2(商品名:イルガキュア184、チバ
スペシャルティケミカルズ製):3部 ・球状コロイダルシリカ(商品名:MEK−ST、日産
化学工業製)(固形分基準):90部 (実施例3)実施例1で製造したバインダー樹脂(A)
及びその他の成分を下記配合割合で混合し、メチルエチ
ルケトンで希釈して固形分濃度を20重量%に調節し、
本実施例3の光硬化性樹脂組成物3を調製した。
【0148】<光硬化性樹脂組成物3> ・バインダー樹脂(A)(固形分基準):70重量部 ・ポリエステルアクリレート(商品名:アロニックスM
−9050、東亜合成化学工業製):20重量部 ・離型剤(アミノ変性シリコーンオイル、商品名:KF
−8012、信越化学工業製):3重量部 ・単官能モノマー(イソボルニルメタクリレート、商品
名:SR−423、サートマー製):10重量部 ・光重合開始剤(商品名:イルガキュア2959、チバ
スペシャルティケミカルズ製):3重量部 ・アルミニウムカップリング剤(商品名:ALCH−T
R、川研ファインケミカル製):5重量部 ・球状コロイダルシリカ(商品名:MEK−ST、日産
化学工業製)(固形分基準):80重量部 (実施例4) <光硬化性樹脂組成物4> (1)バインダー樹脂(B)の製造 冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2リットルのフラ
スコに、トルエン40g、メチルエチルケトン40gを
アゾ系の重合開始剤と共に仕込み、2−ヒドロキシメチ
ルメタクリレート25.6g、メチルメタクリレート3
6.0g、イソボルニルメタクリレート109.6g、
トルエン20g、及び、メチルエチルケトン20gの混
合液を滴下ロートを経て約2時間かけて滴下させながら
100〜110℃の温度下で8時間反応させた後、室温
まで冷却した。
【0149】これに、2−イソシアネートエチルメタク
リレート(昭和電工製、カレンズMOI)28.8g、
トルエン20g及びメチルエチルケトン20gの混合液
を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応
させた。反応生成物のIR分析により、イソシアネート
の吸収ピークの消失を確認し、反応を終了した。得られ
た樹脂溶液の固形分は37.0重量%、粘度は130m
Pa(30℃)、分子量はポリスチレン換算で60,0
00、炭素間二重結合(C=C)の導入量は12.8%
であった。
【0150】(2)光硬化性樹脂組成物の調製 上記バインダー樹脂(B)及びその他の成分を下記配合
割合で混合し、メチルエチルケトンで希釈して固形分濃
度を20重量%に調節し、本実施例4の光硬化性樹脂組
成物4を調製した。
【0151】<光硬化性樹脂組成物4> ・バインダー樹脂(B)(固形分基準):60重量部 ・多官能オリゴマー(商品名:紫光UV−1700B、
日本合成化学工業製):40重量部 ・離型剤(シリコーンレジン、商品名:X−21−30
56、信越化学工業製):1重量部 ・光重合開始剤(商品名:イルガキュア907、チバス
ペシャルティケミカルズ製)(固形分基準):5重量部 ・球状コロイダルシリカ(商品名:MEK−ST、日産
化学工業製)(固形分基準):60重量部 (実施例5)実施例4で製造したバインダー樹脂(B)
及びその他の成分を下記配合割合で混合し、メチルエチ
ルケトンで希釈して固形分濃度を20重量%に調節し、
本実施例5の光硬化性樹脂組成物5を調製した。
【0152】<光硬化性樹脂組成物5> ・バインダー樹脂(B)(固形分基準):70重量部 ・離型剤(シリコーンレジン、商品名:KF−731
2、信越化学工業製):1重量部 ・多官能オリゴマー(商品名:SR−399、サートマ
ー製):10重量部 ・アルミニウムカップリング剤(商品名:ALCH−T
R、川研ファインケミカル製):5重量部 ・光重合開始剤(商品名:イルガキュア907、チバス
ペシャルティケミカルズ製):5重量部 ・球状コロイダルシリカ(商品名:MEK−ST、日産
化学工業製)(固形分基準):30重量部 (実施例6)実施例4で製造したバインダー樹脂(B)
及びその他の成分を下記配合割合で混合し、メチルエチ
ルケトンで希釈して固形分濃度を20重量%に調節し、
本実施例6の光硬化性樹脂組成物6を調製した。
【0153】<光硬化性樹脂組成物6> ・バインダー樹脂(B)(固形分基準):30重量部 ・非重合性バインダー樹脂(商品名:ダイヤナールBR
−85、三菱レイヨン製):30重量部 ・多官能モノマー(ジペンタエリスリトールヘキサアク
リレート、商品名:KAYARAD DPHA、日本化
薬製):30重量部 ・離型剤(アミノ変性シリコーンオイル、商品名:KF
−8012、信越化学工業製):10重量部 ・光重合開始剤(商品名:イルガキュア184、チバス
ペシャルティケミカルズ製):5重量部 ・球状コロイダルシリカ(商品名:MEK−ST、日産
化学工業製)(固形分基準):60重量部 (実施例7)実施例1において、球状コロイダルシリカ
70重量部に代えて、針状コロイダルシリカ(商品名:
IPA−ST−UP、日産化学工業製)(固形分基準)
10重量部を用いる以外は実施例1と同様にして、本実
施例7の光硬化性樹脂組成物7を調製した。
【0154】(実施例8)実施例2において、球状コロ
イダルシリカ90重量部に代えて、針状コロイダルシリ
カ(商品名:IPA−ST−UP、日産化学工業製)
(固形分基準)15重量部を用いる以外は実施例2と同
様にして、本実施例8の光硬化性樹脂組成物8を調製し
た。
【0155】(実施例9)実施例3において、球状コロ
イダルシリカ80重量部に代えて、針状コロイダルシリ
カ(商品名:IPA−ST−UP、日産化学工業製)
(固形分基準)10重量部を用いる以外は実施例3と同
様にして、本実施例9の光硬化性樹脂組成物9を調製し
た。
【0156】(実施例10)実施例4において、球状コ
ロイダルシリカ60重量部に代えて、針状コロイダルシ
リカ(商品名:IPA−ST−UP、日産化学工業製)
(固形分基準)10重量部を用いる以外は実施例4と同
様にして、本実施例10の光硬化性樹脂組成物10を調
製した。
【0157】(実施例11)実施例5において、球状コ
ロイダルシリカ30重量部に代えて、針状コロイダルシ
リカ(商品名:IPA−ST−UP、日産化学工業製)
(固形分基準)5重量部を用いる以外は実施例5と同様
にして、本実施例11の光硬化性樹脂組成物11を調製
した。
【0158】(実施例12)実施例6において、球状コ
ロイダルシリカ60重量部に代えて、針状コロイダルシ
リカ(商品名:IPA−ST−UP、日産化学工業製)
(固形分基準)10重量部を用いる以外は実施例6と同
様にして、本実施例12の光硬化性樹脂組成物12を調
製した。
【0159】(比較例1乃至6)上記実施例1乃至6に
おいて、コロイダルシリカを配合しなかった他は全て同
様にして、比較例の光硬化性樹脂組成物1乃至6を調製
した。
【0160】(実施例13) (1)ラベルタイプ微細凹凸パターンシートの作成 前記各実施例及び比較例の光硬化性樹脂組成物を各々、
厚さ50μmの片面易接着性処理ポリエチレンテレフタ
レートフィルム(ダイアホイルT600E、ダイアホイ
ルヘキスト製)の易接着処理面上にグラビアコーターで
塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮発させて乾燥膜厚
が2g/m2の複製用感光性フィルムを形成した。
【0161】次に、複製装置のエンボスローラーに、レ
ーザー光を用いて作った母型から作成したプレススタン
パーを設置し、複製用感光性フィルムを当該複製装置の
給紙側にセットし、150℃で加熱プレスして微細な凹
凸パターンを形成させた。次に、水銀灯より発生した紫
外線を照射して複製用感光性フィルムを光硬化させ、引
き続き、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着して反射
型の微細凹凸パターンシートを得た。
【0162】(2)ラベルタイプ微細凹凸パターンシー
トの評価 ラベルタイプ微細凹凸パターンシートの作成途中で得ら
れる中間製品、ラベルタイプ微細凹凸パターンシートの
完成品について、下記の評価を行った。結果を第1表に
示す。
【0163】<評価項目> (1)耐ブロッキング性 エンボス加工を行なう前の複製用感光性フィルムを巻き
取り状態で室温、遮光状態で1ヶ月保管し、表面のブロ
ッキング状態を目視で観察し、下記基準で評価した。 ◎:良好 ○:表面に樹脂の溶けた跡は若干残るが、貼り付きはな
い ×:フィルムに貼り付きがあり、表面の樹脂が溶け出し
て荒れている。
【0164】(2)賦形性 プレススタンパーによりエンボスした微細凹凸パターン
を、AFM(原子間力顕微鏡)による観察像で比較し、
下記基準で評価した。 ◎:スタンパーによる加熱プレス時間を1/2に短縮し
ても形状を正確に再現する。 ○:良好、すなわちプレススタンパーの形状を正確に再
現している。 ×:不良、すなわち正確に再現せずに形状に「だれ」が
見られ、不正確で丸みを帯びている。
【0165】(3)賦形維持性 プレススタンパーによりエンボスした微細凹凸パターン
に紫外線を露光し、後工程を通して最終製品としたもの
についてAFM観察像で比較し、下記基準で評価した。 ○:良好、すなわち後工程を経過した後もプレススタン
パーの形状を正確に再現している。 ×:不良、すなわち正確に再現せずに形状に「だれ」が
見られ、丸みを帯びて変形している。
【0166】(4)耐熱性 最終製品を100℃の環境下に2時間放置した後の状態
を観察し、下記基準で評価した。 ○:良好、すなわち異常が無かった。 ×:不良、すなわち変色、変形等の異常が生じた。
【0167】(5)蒸着適性(セロハンテープ碁盤目剥
離試験) 微細凹凸パターン形成面に、真空蒸着法によりアルミニ
ウム層を蒸着した後、蒸着膜にカッターで縦11本×横
11本の傷を直交させて付け、100個の碁盤目状の桝
目を設けた。その上からセロハンテープを強く密着させ
た後、一気に引き剥がし、膜面に残った桝目の数を数
え、密着性を評価し、下記基準で評価した。 ○:良好、すなわち残った桝目の数が95以上である。 ×:不良、すなわち残った桝目の数が94以下である。
【0168】
【表1】
【0169】(実施例14) (1)微細凹凸パターン転写箔シートの作成 厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
(ルミラーT60、東レ製)に、剥離性のニス(商品
名:ハクリニス45−3、昭和インク工業所製)をグラ
ビアコート法で塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮発
させて、乾燥膜厚が1g/m2の剥離層を形成した。こ
の剥離層面に、前記各実施例及び比較例の光硬化性樹脂
組成物を各々、グラビアコーターで塗工し、100℃で
乾燥して溶剤を揮発させて乾燥膜厚が2g/m2の複製
用感光性フィルムを形成した。
【0170】次に、複製装置のエンボスローラーに、レ
ーザー光を用いて作った母型から作成したプレススタン
パーを設置し、複製用感光性フィルムを当該複製装置の
給紙側にセットし、150℃で加熱プレスして微細な凹
凸パターンを形成させた。次に、水銀灯より発生した紫
外線を照射して複製用感光性フィルムを光硬化させ、引
き続き、真空蒸着法によりアルミニウムを蒸着して反射
型のレリーフホログラムを作成した。この表面に、アク
リル系感熱接着剤をグラビアコートで塗工し、100℃
で乾燥して溶剤を揮発させて乾燥膜厚が1g/m2の接
着剤層を形成し、微細凹凸パターン転写箔シートを得
た。この転写箔シートから、さまざまな物品の表面にレ
リーフホログラムを転写することが可能であり、立体像
を写し出す印刷物やディスプレイを作成することができ
る。
【0171】(2)微細凹凸パターン転写箔シートの評
価 微細凹凸パターン転写箔シートの作成途中で得られる中
間製品、微細凹凸パターン転写箔シートの完成品につい
て、下記の評価を行った。結果を第2表に示す。
【0172】<評価項目> (1)耐ブロッキング性 実施例13と同様に行った。すなわち、エンボス加工を
行なう前の複製用感光性フィルムを巻き取り状態で室
温、遮光状態で1ヶ月保管し、表面のブロッキング状態
を目視で観察し、下記基準で評価した。 ◎:良好 ○:表面に樹脂の溶けた跡は若干残るが、貼り付きはな
い ×:フィルムに貼り付きがあり、表面の樹脂が溶け出し
て荒れている。
【0173】(2)賦形性 実施例13と同様に行った。すなわち、プレススタンパ
ーによりエンボスした微細凹凸パターンを、AFM(原
子間力顕微鏡)による観察像で比較し、下記基準で評価
した。 ◎:スタンパーによる加熱プレス時間を1/2に短縮し
ても形状を正確に再現する。 ○:良好、すなわちプレススタンパーの形状を正確に再
現している。 ×:不良、すなわち正確に再現せずに形状に「だれ」が
見られ、不正確で丸みを帯びている。
【0174】(3)賦形維持性 実施例13と同様に行った。すなわち、プレススタンパ
ーによりエンボスした微細凹凸パターンに紫外線を露光
し、後工程を通して最終製品としたものについてAFM
観察像で比較し、下記基準で評価した。 ○:良好、すなわち後工程を経過した後もプレススタン
パーの形状を正確に再現している。 ×:不良、すなわち正確に再現せずに形状に「だれ」が
見られ、丸みを帯びて変形している。
【0175】(4)耐熱性 実施例13と同様に行った。すなわち、最終製品を10
0℃の環境下に2時間放置した後の状態を観察し、下記
基準で評価した。 ○:良好、すなわち異常が無かった。 ×:不良、すなわち変色、変形等の異常が生じた。
【0176】(5)耐擦傷性 #0000のスチールウールで加工品の表面を10回擦
ったときの表面を観察し、下記基準で評価した。 ○:良好、すなわち表面に何の変化も無かった。 ×:不良、すなわち表面が傷ついた。
【0177】(6)転写箔適性 微細凹凸パターン形成面に、真空蒸着法によりアルミニ
ウム層を蒸着した後、ヒートシール用アクリル系接着剤
を塗工したものを、ポリ塩化ビニル製カード上に転写
し、転写箔として用いた場合の箔切れ性を下記基準で評
価した。 ○:良好、すなわち転写型に対し形状良く転写された。 ×:不良、すなわち箔残りや欠けが発生した。
【0178】
【表2】
【0179】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明に係る光硬
化性樹脂組成物には無機超微粒子が配合されているの
で、当該光硬化性樹脂組成物からなる光硬化性樹脂層に
プレススタンパーを押圧して微細凹凸パターンを賦形
し、スタンパ−を取り外した後の、露光工程や蒸着工程
等のプロセス途中で、樹脂組成物自身の弾性により微細
凹凸パターンが丸みを帯びて型崩れするのを防ぐことが
できる。
【0180】従って、プレススタンパーを露光工程に持
ち込まずにスタンピング工程で連続使用することがで
き、光学物品を効率よく連続生産性することができる。
【0181】また、本発明の光硬化性樹脂組成物は、無
機超微粒子が配合されることによって耐ブロッキング性
にも優れており、基材フィルム上に光硬化性樹脂層を形
成した中間積層体をロール状に巻き取って一時的に貯蔵
し、別の場所へ運搬してスタンピングを行うことも可能
である。
【0182】さらに、本発明に係る光硬化性樹脂組成物
の主バインダーとして、アクリル樹脂、ウレタンアクリ
レート、ポリエステルアクリレート、又は、それらを任
意に組み合わせた混合物を用いる場合には、硬化後にお
いて透明性、強度、耐擦傷性、耐熱性、耐水性、耐薬品
性、基材に対する密着性、可とう性、基材の屈曲や伸縮
に対する追随性に優れていて光学物品に要求される一般
的性能を十分に満足できると共に、スタンパーにより凹
凸パターンを賦形するのに充分な成膜性、柔軟性及びク
リープ性を示し、無機超微粒子と組み合わせることによ
り微細凹凸パターンを極めて正確に複製することができ
る。従って、性能の良い光学物品の表面構造を、スタン
ピング法により正確且つ高速に連続生産することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】微細凹凸パターン転写箔の一例についての模式
的断面図である。
【符号の説明】
1…転写箔 2…支持体 3…剥離層 4…微細凹凸パターン形成層 5…反射層 6…接着層
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03H 1/02 G03H 1/02 1/20 1/20 Fターム(参考) 2H025 AA03 AB14 BC51 BC53 BC64 BC66 BC92 BC93 CC08 CC20 2H049 AA13 AA25 AA40 AA48 CA15 CA28 CA30 2K008 AA04 DD13 DD22 FF13 FF14 GG01 GG05 4J027 AA02 AB02 AB03 AB06 AB07 AB08 AB23 AB26 AG03 AG04 AG09 AG10 AG23 AG24 AG25 AG28 BA01 CA14 CA18 CC05 CC06 CD10

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 必須成分として(A)光重合性官能基を
    有するバインダー樹脂と、(B)塗工液に調製するため
    の希釈溶剤中にコロイド状の形態で分散させることが可
    能で且つサブミクロンオーダーの無機超微粒子とを含有
    することを特徴とする、光硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記無機超微粒子(B)が細長い形状で
    あることを特徴とする、請求項1に記載の光硬化性樹脂
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記無機超微粒子(B)が一次粒子径1
    nm〜300nmの球状であることを特徴とする、請求
    項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 前記無機超微粒子(B)の含有量が、全
    固形分に対して0.1〜70重量%の範囲であることを
    特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の光硬化
    性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記無機超微粒子(B)は、疎水性処理
    された表面を持つ無機超微粒子であることを特徴とす
    る、請求項1乃至4のいずれかに記載の光硬化性樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 前記バインダー樹脂のポリスチレン換算
    分子量が、2,000〜500,000の範囲であるこ
    とを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載の光
    硬化性樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記バインダー樹脂は、アクリル樹脂、
    ウレタンアクリレート樹脂、及び、ポリエステルアクリ
    レート樹脂よりなる群から選ばれる1種以上からなるも
    のであることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれか
    に記載の光硬化性樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 光重合性官能基を有するモノマー又はオ
    リゴマーを含有することを特徴とする、請求項1乃至7
    のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 離型剤を含有することを特徴とする、請
    求項1乃至8のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 有機金属カップリング剤を含有するこ
    とを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の光
    硬化性樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 光学物品の微細凹凸パターンを形成す
    るために用いられることを特徴とする、請求項1乃至1
    0のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 支持体上に、少なくとも前記請求項1
    乃至11のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物からな
    る微細凹凸パターン形成層が転写可能に設けられている
    ことを特徴とする、微細凹凸パターン転写箔。
  13. 【請求項13】 前記支持体上に、少なくとも剥離層、
    前記微細凹凸パターン形成層、不透明反射層又は前記微
    細凹凸パターン形成層とは屈折率の異なる透明層から選
    ばれる反射層、及び、接着剤層を順次積層してなること
    を特徴とする、請求項12に記載の微細凹凸パターン転
    写箔。
  14. 【請求項14】 前記請求項1乃至11いずれかに記載
    の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなると共に微細凹凸
    パターンが形成された表面構造を備えることを特徴とす
    る、光学物品。
  15. 【請求項15】 前記微細凹凸パターンがレリーフ型ホ
    ログラム又は回折格子である、請求項14に記載の光学
    物品。
  16. 【請求項16】 前記微細凹凸パターンが全光線及び/
    又は特定の波長の光の反射、透過、散乱、偏光、集光又
    は干渉の少なくとも一つを制御する光学素子である、請
    求項14に記載の光学物品。
  17. 【請求項17】 前記微細凹凸パターンが情報を記録す
    る構造である、請求項14に記載の光学物品。
  18. 【請求項18】 前記請求項1乃至11のいずれかに記
    載の光硬化性樹脂組成物の硬化物からなると共に光学物
    品の微細凹凸パターンに相補的なパターンが形成された
    表面構造を備えることを特徴とする、スタンパー。
  19. 【請求項19】 支持体上に少なくとも前記請求項1乃
    至11のいずれかに記載の光硬化性樹脂組成物からなる
    微細凹凸パターン形成層を設けた凹凸パターン受容体を
    用意し、その表面にスタンパーを圧接して凹凸パターン
    を形成した後、当該微細凹凸パターン形成層を反応硬化
    させることを特徴とする、微細凹凸パターン形成方法。
  20. 【請求項20】 前記微細凹凸パターン形成層からスタ
    ンパーを取り除いた後に当該微細凹凸パターン形成層を
    反応硬化させる、請求項19に記載の微細凹凸パターン
    形成方法。
  21. 【請求項21】 前記支持体上で反応硬化させた微細凹
    凸パターン形成層を第二の支持体上に転写することを特
    徴とする、請求項19又は20に記載の微細凹凸パター
    ン形成方法。
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