JP4141015B2 - 光硬化性樹脂組成物及び凹凸パターンの形成方法 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物及び凹凸パターンの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、光硬化性樹脂組成物及び凹凸パターンの形成方法に関し、更に詳しくは耐熱性及び柔軟性等を同時に有する被膜形成が可能であるウレタン変性アクリル系樹脂を主たる被膜形成成分とする光硬化性樹脂組成物及び回折格子又はレリーフホログラム等の凹凸パターンの形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光硬化性樹脂組成物(塗料)を、例えば、ポリエステルフイルム等の基材上に塗工して光硬化性樹脂層を形成し、この光硬化性樹脂層に各種凹凸パターンを付与した後、紫外線や電子線を露光し、該樹脂層を硬化させ、その後形成された凹凸パターン面に金属蒸着や屈折率の異なる層を積層し、回折格子やレリーフホログラム等とする方法が行なわれている。
【0003】
上記の凹凸パターンの付与方法としては、例えば、レリーフホログラムを形成する場合には、所望の凹凸パターンが形成されているマスターホログラムから作製したプレススタンパー(以下単にプレススタンパーという)を用意しておき、このプレススタンパーを上記光硬化性樹脂層に重ねて加圧(エンボス)し、プレススタンパーの凹凸パターンを樹脂層に転写させ、その状態で露光して樹脂層を硬化させ凹凸パターンを固定している。このようにして多数のレリーフホログラムを形成する場合には、1個のプレススタンパーで多数のエンボス加工を行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとしている課題】
上記従来の光硬化性塗料は多くの場合に液状であるために、塗料の保存安定性が劣り、得られるホログラム等の凹凸パターンの品質安定性に不安がある。又、従来の光硬化性塗料を用いた場合には、該塗料中に多くの添加剤が配合されているために、多数回のエンボス処理を繰り返し行なうと、プレススタンパーに塗料中の成分が付着し、プレススタンパーの微細な凹凸パターンが損われ、同様に得られるホログラム等の品質が不安定となる。
【0005】
更に回折格子やレリーフホログラムは従来、各種のカードや証券等の装飾や偽造防止の目的に使用されているが、その用途の拡大とともに更に優れた強度、耐熱性、耐擦傷性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性が要求されるとともに、被貼着物の屈曲性や伸縮に対する追随性が要求されるようになった。特に従来の光硬化性塗料からなる回折格子やレリーフホログラムの場合には、使用している樹脂が光硬化によって柔軟性を失い、その結果として被貼着物の屈曲や伸縮によって回折格子やレリーフホログラムとしての機能を喪失するものであった。
【0006】
本出願人の発明者は、これらの問題点を解決するために、特開昭61−156273号公報や特公平5−54502号公報に開示したような材料系を用いて、優れた強度、耐熱性、耐擦傷性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性を有する被膜が形成可能で、且つ被貼着物の屈曲性や伸縮に対する追随性をも有する回折格子やレリーフホログラム等を形成することができる光硬化性樹脂組成物を提供することに成功した。
【0007】
しかしながら、上記特開昭61−156273号公報に記載の反応性樹脂は、主鎖にヒドロキシエチルメタクリレート単位を有する樹脂に、ジイソシアネートを介して、再度ヒドロキシエチルメタクリレートを付加結合させて、樹脂に2重結合を導入する方式であるため、樹脂に2重結合を設計通りに導入することは困難で、又、系中の微量な水分に影響されて樹脂がゲル化し易い等の問題点があった。又、特公平5−54502号公報に記載の反応性樹脂は、メラミン骨格を有するため、耐水性という点で若干劣り、又、メチロール基がある場合は加水分解によりホルムアルデヒドが発生する等の問題点を有していた。
従って、本発明の目的は、優れた強度、耐熱性、耐擦傷性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性を有する被膜が形成可能で、且つ被貼着物の屈曲性や伸縮に対する追随性をも有する回折格子やレリーフホログラム等を形成することができる光硬化性樹脂組成物を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、下記構造式で表されるウレタン変性アクリル系樹脂と離型剤とを必須成分として含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物である。
Figure 0004141015
(式中、Zはアクリロイルモルホリンおよびビニルカプロラクトンから選ばれるモノマーの残基を表わし、6個のR1は夫々互いに独立して水素原子又はメチル基を表わし、R2はC1〜C16の炭化水素基を表わし、X及びYは直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表わす。l(エル)とmとnとo(オー)とpの合計を100とした場合に、lは20〜90、mは5〜40、nは0〜50、o+pは10〜80、pは0〜40の整数である。)
【0009】
本発明によれば、光硬化性樹脂組成物の主被膜形成成分として特定のウレタン変性アクリル系樹脂を使用することによって、優れた強度、耐熱性、耐擦傷性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性を有する被膜が形成可能で、且つ被貼着物の屈曲性や伸縮に対する追随性をも有する回折格子やレリーフホログラム等を形成することができる光硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
本発明で使用するウレタン変性アクリル系樹脂は、例えば、好ましい1例として、メタクリル酸メチル20〜90モルと、アクリロイルモルフォリンおよびビニルカプロラクトンから選ばれるビニルモノマー5〜40モルとメタクリル酸0〜50モルと2−ヒドロキシエチルメタクリレート10〜80モルとを共重合して得られるアクリル共重合体であって、該共重合体中に存在している水酸基にメタクリロイルオキシエチルイソシアネート(2−イソシアネートエチルメタクリレート)を反応させて得られる樹脂である。
【0011】
従って、上記メタクリロイルオキシエチルイソシアネートが共重合体中に存在している全ての水酸基に反応している必要はなく、共重合体中の2−ヒドロキシエチルメタクリレート単位の水酸基の少なくとも10モル%以上、好ましくは50モル%以上がメタクリロイルオキシエチルイソシアネートと反応していればよい。上記の2−ヒドロキシエチルメタクリレートに代えて又は併用して、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート等の水酸基を有するモノマーも使用することができる。
【0012】
以上の如く、水酸基含有アクリル系樹脂中に存在している水酸基を利用して、分子中に多数のメタクリロイル基を導入したウレタン変性アクリル系樹脂を主成分とする樹脂組成物によって、例えば、回折格子等を形成する場合には、硬化手段として紫外線や電子線等の電離放射線が使用でき、しかも高架橋密度でありながら柔軟性及び耐熱性等に優れた回折格子等を形成することができる。
【0013】
上記のウレタン変性アクリル系樹脂は、前記共重合体を溶解可能な溶剤、例えば、トルエン、ケトン、セロソルブアセテート、ジメチルスルフォキサイド等の溶媒に溶解させ、この溶液を撹拌しながら、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを滴下及び反応させることにより、イソシアネート基がアクリル系樹脂の水酸基と反応してウレタン結合を生じ、該ウレタン結合を介して樹脂中にメタクリロイル基を導入することができる。この際使用するメタクリロイルオキシエチルイソシアネートの使用量は、アクリル系樹脂の水酸基とイソシアネート基との比率で水酸基1モル当たりイソシアネート基0.1〜5モル、好ましくは0.5〜3モルの範囲になる量である。尚、上記樹脂中の水酸基よりも当量以上のメタクリロイルオキシエチルイソシアネートを使用する場合には、該メタクリロイルオキシエチルイソシアネートは樹脂中のカルボキシル基とも反応して−CONH−CH2CH2−の連結を生じることもあり得る。
【0014】
以上の例は、前記構造式において、全てのR1及びR2がメチル基であり、X及びYがエチレン基である場合であるが、本発明は、これらに限定されず、6個のR1は夫々独立して水素原子又はメチル基であってもよく、更にR2の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−又はiso−プロピル基、n−、iso−又はtert−ブチル基、置換又は未置換のフェニル基、置換又は未置換のベンジル基等が挙げられ、X及びYの具体例としては、エチレン基、プロピレン基、ジエチレン基、ジプロピレン基等が挙げられる。このようにして得られる本発明で使用するウレタン変性アクリル系樹脂は全体の分子量としては、ポリスチレン換算分子量で1万〜20万、更に2〜4万であることがより好ましい。
【0015】
次に本発明で使用するウレタン変性アクリル系樹脂の製造例を示す。
製造例1
冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2リットルの四つ口フラスコに、トルエン40g及びメチルエチルケトン(MEK)40gをアゾ系の開始剤とともに仕込み、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)22.4g、メチルメタクリレート(MMA)62.3g、ビニルカプロラクトン(XCL)13.9g、トルエン30g及びMEK20gの混合液を滴下ロートを経て、約2時間かけて滴下させながら100〜110℃の温度下で8時間反応させた後、室温まで冷却した。
これに、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工製、カレンズMOI)27.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20g及びMEK20gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応させた。反応生成物のIR分析により2200cm-1の吸収ピークの消失を確認し反応を終了した。
【0016】
製造例2
冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2リットルの四つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40g及びMEK40gをアゾ系の開始剤とともに仕込み、HEMA22.4g、MMA44.5g、VCL41.7g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30g及びMEK30gの混合液を滴下ロートを経て、約2時間かけて滴下させながら100〜110℃の温度下で8時間反応させた後、室温まで冷却した。
これに、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工製、カレンズMOI)27.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30g及びMEK30gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応させた。反応生成物のIR分析により2200cm-1の吸収ピークの消失を確認し反応を終了した。
【0017】
製造例3
冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2リットルの四つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40g及びMEK40gをアゾ系の開始剤とともに仕込み、HEMA22.4g、MMA62.3g、アクリロイルモルフォリン(ACMO)14.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30g及びMEK30gの混合液を滴下ロートを経て、約2時間かけて滴下させながら100〜110℃の温度下で8時間反応させた後、室温まで冷却した。
これに、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工製、カレンズMOI)27.8g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20g及びMEK20gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応させた。反応生成物のIR分析により2200cm-1の吸収ピークの消失を確認し反応を終了した。
【0018】
製造例4
冷却器、滴下ロート及び温度計付きの2リットルの四つ口フラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40g及びMEK40gをアゾ系の開始剤とともに仕込み、HEMA22.4g、MMA53.4g、メタクリル酸(MAA)7.4g、ACMO14.1g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート30g及びMEK30gの混合液を滴下ロートを経て、約2時間かけて滴下させながら100〜110℃の温度下で8時間反応させた後、室温まで冷却した。
これに、2−イソシアネートエチルメタクリレート(昭和電工製、カレンズMOI)41.7g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート20g及びMEK20gの混合液を加えて、ラウリン酸ジブチル錫を触媒として付加反応させた。反応生成物のIR分析により2200cm-1の吸収ピークの消失を確認し反応を終了した。
【0019】
以上で得られた本発明で使用するウレタン変性アクリル系樹脂の製造に使用した原料組成と得られた樹脂の物性値を下記表1に示す。
【0020】
表1
Figure 0004141015
Figure 0004141015
表中の「C=C量」はポリマー1分子中の二重結合の平均個数である。表中の分子量は、ポリスチレン換算分子量である。分子量測定はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)でテトラヒドロフラン(THF)を溶媒として行った。
【0021】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記のウレタン変性アクリル系樹脂を被膜形成成分の主成分として、離型剤とともに適当な有機溶剤に溶解してなることを特徴とする。使用する有機溶剤としては、上記したようなウレタン変性アクリル系樹脂を溶解する有機溶剤であれば何れでもよいが、塗工性や乾燥性を考慮すると、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系有機溶剤等が挙げられ、特にこれらの溶剤からなる混合系溶剤が好ましく使用される。上記組成物における前記ウレタン変性アクリル系樹脂の固形分濃度は特に限定されないが、一般的には重量基準で約1〜50重量%の範囲が好ましい。
【0022】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記ウレタン変性アクリル系樹脂に加えて、離型剤を含有する。本発明で用いられる離型剤としては従来公知の離型剤、例えば、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロンパウダー等の固形ワックス、弗素系、リン酸エステル系の界面活性剤、シリコーン等が何れも使用可能である。特に好ましい離型剤は変性シリコーンであり、具体的には、
1)変性シリコーンオイル側鎖型、
2)変性シリコーンオイル両末端型、
3)変性シリコーンオイル片末端型、
4)変性シリコーンオイル側鎖両末端型、
5)トリメチルシロキシケイ酸を含有するメチルポリシロキサン(シリコーンレジンと呼ぶ)、
6)シリコーングラフトアクリル樹脂、及び
7)メチルフェニルシリコーンオイル等が挙げられる。
【0023】
変性シリコーンオイルは、反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルとに分けられる。反応性シリコーンオイルとしては、アミノ変性、エポキシ変性、カルボキシル変性、カルビノール変性、メタクリル変性、メルカプト変性、フェノール変性、片末端反応性、異種官能基変性等が挙げられる。非反応性シリコーンオイルとしては、ポリエーテル変性、メチルスチリル変性、アルキル変性、高級脂肪エステル変性、親水性特殊変性、高級アルコキシ変性、高級脂肪酸変性、フッ素変性等が挙げられる。
【0024】
上記シリコーンオイルの中でも、被膜形成成分と反応性である基を有する種類の反応性シリコーンオイルは、樹脂層の硬化とともに樹脂に反応して結合するので、後に凹凸パターンが形成された樹脂層の表面にブリードアウトすることがなく、特徴的な性能を付与することができる。特に、蒸着工程での蒸着層との密着性向上には有効である。
【0025】
本発明では、本発明の光硬化性樹脂組成物(塗料)を、例えば、ポリエステルフイルム等の基材上に塗工して光硬化性樹脂層を形成し、この光硬化性樹脂層に各種凹凸パターンを付与した後、紫外線や電子線を露光し、該樹脂層を硬化させ、その後形成された凹凸パターン面に金属蒸着や屈折率の異なる層を積層し、回折格子やレリーフホログラム等とすることができる。
【0026】
従って、組成物のフイルムへのコーティング(塗工及び乾燥)工程と、ホログラム等の複製工程を別工程で実施する場合には、コーティングして形成された塗膜表面にタックがあると、この塗膜を有するフイルムをロール状に直接巻き取る場合にブロッキングを生じて不都合である。塗布及び乾燥時に塗布層の表面側に局在するような溶剤系を用いて塗布及び乾燥することが上記のブロッキング防止には有効であり、又、複製時の反復エンボス性を高めるためにも有効である。又、塗膜の表面にタックがある場合は、離型性フイルムを塗膜表面にラミネートしてからフイルムを巻き取る方法を選択することができる。連続工程で組成物のフイルムへのコーティング(塗工及び乾燥)工程と、ホログラム等の複製工程とを行う場合は、上記の制約条件が緩和される。
【0027】
本発明では、上記の如き離型剤(特にシリコーン)を樹脂組成物に含有させることによって、例えば、回折格子等をエンボス加工で作製する場合に、回折格子のプレススタンパーと光硬化した樹脂層の剥離性を良好にし、プレススタンパーの汚染を防止し、プレススタンパーを長期間連続して使用することができるようになる(これを反復エンボス性と名づける)。上記離型剤の使用量は、前記ウレタン変性アクリル系樹脂100重量部当たり約0.1〜50重量部の範囲、好ましくは約0.5〜10重量部の範囲で使用する。離型剤の使用量が上記範囲未満では、プレススタンパーと光硬化樹脂層との剥離が不十分であり、プレススタンパーの汚染を防止することが困難である。一方、離型剤の使用量が上記範囲を超えると組成物の塗工時のはじきによる塗膜面の面荒れの問題が生じたり、製品において基材自身及び近接する層、例えば、蒸着層の密着性を阻害したり、転写時に皮膜破壊等(膜強度が弱くなりすぎる)を引き起こす等の点で好ましくない。
【0028】
更に硬化後に得られる樹脂層の柔軟性や架橋密度を調整するために、本発明の光硬化性樹脂組成物に、通常の熱可塑性樹脂やアクリル系、その他の単官能又は多官能のモノマー、オリゴマー等を包含させることができる。
例えば、単官能ではテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート等のモノ(メタ)アクリレート、2官能以上では、骨格構造で分類するとポリオール(メタ)アクリレート(エポキシ変性ポリオール(メタ)アクリレート、ラクトン変性ポリオール(メタ)アクリレート等)、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、その他ポリブタジエン系、イソシアヌール酸系、ヒダントイン系、メラミン系、リン酸系、イミド系、フォスファゼン系等の骨格を有するポリ(メタ)アクリレートであり、紫外線、電子線硬化性である様々なモノマー、オリゴマー、ポリマーが利用できる。
【0029】
更に詳しく述べると、2官能のモノマー、オリゴマーとしてはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等、3官能のモノマー、オリゴマー、ポリマーとしてはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、脂肪族トリ(メタ)アクリレート等、4官能のモノマー、オリゴマーとしてはペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、脂肪族テトラ(メタ)アクリレート等が挙げられ、5官能以上のモノマー、オリゴマーとしてはジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の他、ポリエステル骨格、ウレタン骨格、フォスファゼン骨格を有する(メタ)アクリレート等が挙げられる。官能基数は特に限定されるものではないが、官能基数が3より小さいと耐熱性が低下する傾向があり、又、20以上では柔軟性が低下する傾向があるため、特に3〜20官能のものが好ましい。
【0030】
上記モノマー或いはオリゴマーの使用量は、前記ウレタン変性アクリル系樹脂100重量部当たり約5〜40重量部の範囲、好ましくは約10〜30重量部の範囲で使用する。モノマー或いはオリゴマーの使用量が上記範囲未満では、得られる硬化樹脂層の強度、耐熱性、耐擦傷性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性が十分とはいえず、一方、モノマー或いはオリゴマーの使用量が上記範囲を超えると表面のタックが高くなり、ブロッキングを引き起こしたり、ホログラム等の複製時に版(プレススタンパー)に材料が一部残る(版取られ)ことにより反復エンボス性が低下する等の点で好ましくない。
【0031】
本発明において、光硬化性樹脂組成物を紫外線によって硬化させる場合には、該組成物に光増感剤を添加することが必要であり、一方、電子線によって硬化を行なう場合には光増感剤は不要である。光増感剤としては、従来の紫外線硬化型塗料の光増感剤として用いられている各種の光増感剤、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、α−メチルベンゾイン、α−フェニルベンゾイン等のベンゾイン系化合物;アントラキノン、メチルアントラキノン等のアントラキノン系化合物;ベンジル:ジアセチル;アセトフェノン、ベンゾフェノン等のフェニルケトン化合物;ジフェニルジスルフィド、テトラメチルチウラムスルフィド等のスルフィド化合物;α−クロルメチルナフタリン;アントラセン及びヘキサクロロブタジエン、ペンタクロロブタジエン等のハロゲン化炭化水素等が挙げられる。このような光増感剤は前記ウレタン変性アクリル系樹脂100重量部当たり約0.5〜10重量部の範囲で使用することが好ましい。
【0032】
本発明の光硬化性樹脂組成物は、上記の各成分に加えて、ハイドロキノン、t−ブチルハイドロキノン、カテコール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等のフェノール類;ベンゾキノン、ジフェニルベンゾキノン等のキノン類;フェノチアジン類:銅類等の重合防止剤を配合すると貯蔵安定性が向上する。更に、必要に応じて、促進剤、粘度調節剤、界面活性剤、消泡剤、シランカップリング剤等の各種助剤を配合してもよい。又、スチレン・ブタジエンラバー等の高分子体を配合することも可能である。
【0033】
次に上記本発明の光硬化性樹脂組成物の用途について幾つかの例を挙げて説明する。前記光硬化性組成物を、金属板、紙、ポリエチレンテレフタレート等の基材に塗布又は含浸し、次いで組成物中に含まれている有機溶剤が飛散する温度、例えば、l00〜165℃に設定した加熱炉内に0.1〜1分間程度導いて乾燥させて光硬化性樹脂層を基材上に形成する。
そして、この光硬化性樹脂層に、例えば、プレススタンパーを用いて所望のホログラムレリーフのパターニング(エンボス加工)行ない、次いで紫外線、電子線等を照射して樹脂層を光硬化させる。
得られるホログラムは一般的には透過型であるため、反射層を設ける必要がある。反射層としては、光を反射する金属薄膜を用いると不透明タイプのホログラムとなり、透明な物質でホログラム層と屈折率差がある場合は透明タイプとなるがいずれも本発明に使用できる。反射層は、昇華、真空蒸着、スパッタリング、反応性スパッタリング、イオンプレーティング、電気メッキ等の公知の方法で形成可能である。
【0034】
不透明タイプのホログラムを形成する金属薄膜としては、例えば、Cr、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、Sb、Pb、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、In、Ga、Rb等の金属及びその酸化物、窒化物等を単独若しくは2種類以上組み合わせて形成される薄膜である。上記金属薄膜の中でもAl、Cr、Ni、Ag、Au等が特に好ましく、その膜厚は1〜10,000nm、望ましくは20〜200nmの範囲である。
【0035】
透明タイプのホログラムを形成する薄膜は、ホログラム効果を発現できる光透過性のものであれば、いかなる材質のものも使用できる。例えば、ホログラム形成層(光硬化樹脂層)の樹脂と屈折率の異なる透明材料がある。この場合の屈折率はホログラム形成層の樹脂の屈折率より大きくても、小さくてもよいが、屈折率の差は0.1以上が好ましく、より好ましくは0.5以上であり、1.0以上が最適である。又、上記以外では20nm以下の金属性反射膜がある。好適に使用される透明タイプ反射層としては、酸価チタン(TiO2)、硫化亜鉛(ZnS)、Cu・Al複合金属酸化物等が挙げられる。
【0036】
更に具体的には、ホログラムパターンのエンボス加工は、例えば、プレススタンパーを周面に装着した金属ロ−ルとペーパーロールよりなる1対のエンボスロールを使用して通常の方法で、例えば、50〜150℃、10〜50kg/cm2の圧力で行う。エンボス加工は片面エンボスで十分であるが、両面エンボスでもよい。
エンボスに当たっては、エンボスロールの温度設定が重要であり、エンボス形状を再現する観点からは比較的高温で、比較的高い圧力でエンボスする方が良く、エンボス版への付着を防止するためには全く逆の関係となる。又、有効に作用する熱容量から考えた場合は、複製するフイルムの搬送速度も重要である。樹脂組成物のエンボスロールへの付着を低減するためには、上述した離型剤の選定も重要である。
【0037】
又、本発明の光硬化性樹脂組成物を用いることにより、予めオフセット印刷した基材の表面に光硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥後、光硬化性樹脂をエンボス加工した後に光硬化させてレリーフを形成させて立体的な地図やポスターを製造することができる。
更に、ポリエチレンテレフタレート製の剥離フイルム等の第1の基材上に光硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥後、光硬化性樹脂層上に絵柄を印刷し、次いで印刷面上にホットスタンプ剤を塗布した後、合板、ABSシート、亜鉛板等の第2の基材をホットスタンプ剤面に貼合し、熱転写ロール等により第2の基材上に印刷された樹脂層を転写させ、剥離フイルムを除去し、露呈した光硬化性樹脂層を光硬化させることにより、絵柄を基材に転写したフイルムや金属板等が製造できる。
【0038】
本発明の光硬化性樹脂組成物の硬化に用いる光としては、高エネルギー電離性放射線及び紫外線が挙げられる。高エネルギー電離性放射線源としては、例えば、コッククロフト型加速器、ハンデグラーフ型加速器、リニヤーアクセレーター、ベータトロン、サイクロトロン等の加速器によって加速された電子線が工業的に最も便利且つ経済的に使用されるが、その他に放射性同位元素や原子炉等から放射されるγ線、X線、α線、中性子線、陽子線等の放射線も使用できる。紫外線源としては、例えば、紫外線螢光灯、低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、炭素アーク灯、太陽灯等が挙げられる。
【0039】
【実施例】
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的にに説明する。尚、例中の部又は%は特に断りのない限り重量基準である。
実施例1
前記製造例1〜4で得た樹脂溶液を用いて下記5種の本発明の光硬化性樹脂組成物A〜Eを調製した。
組成物A
製造例1の樹脂溶液(固形分基準) 100部
シリコーン:トリメチルシロキシケイ酸含有メチルポリシロキサン(商品名
KF−7312、信越化学工業社製) 1部
多官能モノマー(商品名SR−399、サートマー社製) 20部
光増感剤(商品名イルガキュア907、チバスペシャルティケミカルズ社製)5部
メチルエチルケトン(MEK)で希釈して組成物の固形分を50%に調節した。
【0040】
組成物B
製造例1の樹脂溶液(固形分基準) 100部
シリコーン:アミノ変性反応性シリコーンオイル(両末端型)(商品名KF−
8012、信越化学工業社製) 1部
多官能モノマー(商品名SR−399、サートマー社製) 20部
光増感剤(商品名イルガキュア651、チバスペシャルティケミカルズ社製)5部
メチルエチルケトン(MEK)で希釈して組成物の固形分を50%に調節した。
【0041】
組成物C
製造例2の樹脂溶液(固形分基準) 100部
シリコーンオイル:アミノ変性反応性シリコーンオイル(側鎖型)(商品名
KF−860、信越化学工業社製) 1部
多官能モノマー(商品名NKオリゴU−15HA、新中村化学工業社製)20部
光増感剤(商品名イルガキュア907、チバスペシャルティケミカルズ社製)5部
メチルエチルケトン(MEK)で希釈して組成物の固形分を50%に調節した。
【0042】
組成物D
製造例3の樹脂溶液(固形分基準) 100部
シリコーンオイル:アミノ変性反応性シリコーンオイル(片末端型)(商品名
KF−8012、信越化学工業社製) 1部
多官能モノマー(商品名SR−399、サートマー社製) 20部
光増感剤(商品名イルガキュア907、チバスペシャルティケミカルズ社製)5部
メチルエチルケトン(MEK)で希釈して組成物の固形分を50%に調節した。
【0043】
組成物E
製造例4の樹脂溶液(固形分基準) 100部
シリコーン:メタクリル変性シリコーンオイル(商品名X−22−164B、
信越化学工業社製) 3部
多官能モノマー(商品名SR−399、サートマー社製) 20部
光増感剤(商品名イルガキュア651、チバスペシャルティケミカルズ社製)5部
メチルエチルケトン(MEK)で希釈して組成物の固形分を50%に調節した。
【0044】
(1)ホログラムの複製
ホログラムの複製は、特開昭61−156273号公報に記載の図1に示した連続複製装置によって行った。
実施例2〜6
前記5種の本発明の光硬化性樹脂組成物のそれぞれを50μmの片面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフイルム(ダイアホイルT−600E、ダイヤホイルヘキスト社製)の易接着処理面上に20m/min.の速度でロールコーターで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で2g/m2の複製用感光性フイルムを得た。得られたフイルムはいずれも常温ではべとつかず、巻き取り状態で保管できるものであった。
【0045】
複製装置のエンボスローラーには、レーザー光を用いて作ったマスターホログラムから引続き作成したプレススタンパーが設置されている。尚、樹脂製版にマスターホログラムから複製ホログラムを作製し、これをシリンダー上に貼り付けたものも使用できる。
上記で作製した複製用感光性フイルムを給紙側に仕掛け、150℃で加熱プレスして微細な凹凸パターンを形成させた。引き続き、水銀灯より発生した紫外線を照射して光硬化させた。引き続き真空蒸着法によりアルミニウム層をこの上に蒸着して反射型のレリーフホログラムを形成した。
【0046】
この表面に、接着剤層(ニッセツPE−118+CK101、日本カーバイド製)をロールコートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、剥離フイルムとしてシリコーン処理PETフイルム(SPO5、東京セロファン紙社製)をラミネートし、乾燥膜厚で25g/m2の接着剤層を得た。これは、ラベル形態となっており、立体像を写し出す印刷物やディスプレイ等に用いることができる。
【0047】
(2)回折格子の形成
複製装置はホログラム複製で利用した図1(特開昭61−156273号公報)に示したものと同一のものである。
実施例7〜11
前記5種の本発明の光硬化性樹脂組成物のそれぞれを50μmの片面易接着処理ポリエチレンテレフタレートフイルム(ダイアホイルT−600E、ダイヤホイルヘキスト社製)の易接着処理面上に20m/min.の速度でロールコーターで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で2g/m2の複製用感光性フイルムを得た。得られたフイルムはいずれも常温ではべとつかず、巻き取り状態で保管できるものであった。
【0048】
複製装置のエンボスローラーには、電子線を用いて描画したマスター回折格子から引続き作成したプレススタンパーが設置されている。尚、樹脂製版にマスター回折格子から複製回折格子を作製し、これをシリンダー上に貼り付けたものも使用できる。
上記で作製した複製用感光性フイルムを給紙側に仕掛け、150℃で加熱プレスして微細な凹凸パターンを形成させた。引き続き、水銀灯より発生した紫外線を照射して光硬化させた。引き続き真空蒸着法によりアルミニウム層をこの上に蒸着して反射型の回折格子を形成した。
【0049】
この表面に、接着剤層(ニッセツPE−118+CK101、日本カーバイド製)をロールコートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、剥離フイルムとしてシリコーン処理PETフイルム(SPO5、東京セロファン紙社製)をラミネートし乾燥膜厚で25g/m2の接着剤層を得た。これは、ラベル形態となっており、立体像を写し出す印刷物やディスプレイ等に用いることができる。
【0050】
(3)転写方式によるホログラム形成
実施例12〜16
25μmのポリエチレンテレフタレートフイルム(ルミラーT60、東レ社製)に20m/min.の速度で剥離層をグラビアコートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で1g/m2の剥離層/PETの層構成からなるフイルムを得た。
【0051】
尚、上記における剥離層は、転写箔を転写した後に被転写体の表面に転移して最表面になる層であり、転写層の剥離性や箔切れ性等を向上させる目的で設けられ、基材フイルムの種類に応じて既知の各種の材料が利用できる。剥離層の材質としては、例えば、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等の中、1種若しくは2種以上を混合したものが用いられる。
特に、剥離層は基材フイルムと転写層との間の剥離力が1〜5g/インチ(90°剥離)になるように、その材質等を適宜選択して形成するのが好ましい。この剥離層はインキ化し、塗布等の公知の方法によって基材フイルムの表面に形成することができ、その厚みは剥離力、箔切れ等を考慮すると0.1〜2μmの範囲が好ましい。
【0052】
前記5種の本発明の光硬化性樹脂組成物のそれぞれを剥離層/PETの層構成からなるフイルムの剥離層上にロールコーターで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で2g/m2の複製用感光性フイルムを得た。得られたフイルムはいずれも常温ではべとつかず、巻き取り状態で保管できるものであった。
【0053】
複製装置のエンボスローラーには、レーザー光を用いて作ったマスターホログラムから引続き作成したプレススタンパーが設置されている。尚、樹脂製版にマスターホログラムから複製ホログラムを作製し、これをシリンダー上に貼り付けたものも使用できる。上記で作製した複製用感光性フイルムを給紙側に仕掛け、150℃で加熱プレスして微細な凹凸パターンを形成させた。引き続き、水銀灯より発生した紫外線を照射して光硬化させた。引き続き真空蒸着法によりアルミニウム層をこの上に蒸着して反射型のレリーフホログラムを形成した。この表面に、接着剤層をグラビアコートで塗工し、100℃で乾燥して溶剤を揮散させた後、乾燥膜厚で1g/m2の接着剤層を得た。
【0054】
尚、上記における接着層としては、感熱性接着性樹脂としては公知のものが使用できる。例えば、ポリイソプレンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレンブタジエンゴム等のゴム系、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、ポリ(メタ)アクリル酸2エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系、ポリイソブチルエーテル等のポリビニルエーテル系、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のポリ塩化ビニル系、ポリアクリルアミド、ポリメチロールアクリルアミド等のポリアミド系、ポリ塩化ビニル等の塩化ビニル系、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化オレフィン、ポリビニルブチラール、又、その他、酢酸ビニル/アクリル酸オクチル、酢酸ビニル/アクリル酸ブチル、塩化ビニリデン/アクリル酸ブチル等が挙げられる。
【0055】
又、塗工するフイルムとしては、転写性と剥離性を有するものであればよく、例えば、2軸延伸されたポリエチレンテレフタレート(PET)フイルムが寸法安定性、耐熱性、強靭性等の点から最も好ましい。これ以外に、ポリ塩化ビニルフイルム、ポリプロピレンフイルム、ポリエチレンフイルム、ポリカーボネートフイルム、セロファン、ポリビニルアルコールフイルム、アセテートフイルム、ナイロンフイルム、ポリアミドフイルム、ポリアミドイミドフイルム、エチレン/ビニルアルコール共重合体フイルム、フッ素含有フイルム、各種共押出しフイルム等が使用できる。厚みとしては5μm〜200μm、好ましくは10μm〜50μmが良い。
【0056】
合板の上に前記アクリル系接着剤面を下にしてフイルム面側から熱ロールにて熱転写を行なった。次いで、剥離フイルムを剥し、水銀灯より発生した紫外線を照射して、表層の樹脂を硬化させた。これは、転写箔の形態になっており、立体像を写し出す印刷物やディスプレイ等に用いることができる。転写機で塩化ビニルカード上への熱転写を行ったところ、箔切れは良好で密着性も優れるものであった。
以上の実施例2〜16の加工品の物性を表2に示す。
【0057】
比較例1
実施例1における組成物Aの樹脂に代えて同量の樹脂(メタクリル酸−アクリル酸共重合樹脂BR−77、三菱レーヨン社製)を用い、シリコーオイルを使用しない他は組成物Aと同一組成の組成物Fを調製し、該組成物Fを用いて前記と同様にホログラムの複製、回折格子の複製及び転写方式によるホログラム形成を行なった。これら加工品の物性を表2に示す。
【0058】
尚、物性の評価法は次の通りである。
剥離性(プレススタンパーからの剥離性)
塗工フイルムを図1(特開昭61−156273号公報)の複製装置で1000m連続複製を行い、プレススタンパー上に樹脂の残りがないかを確認することにより行った。
○・・・残りがない。×・・・残りがある。
耐薬品性
加工品の硬化表面をメチルエチルケトンをしみ込ませたガーゼで100回往復させて擦ったとき、表面に異常がなかったものを良好とし、表面に異常を生じたものを不良とした。
○・・・良好。×・・・不良。
【0059】
耐熱性
加工品の硬化表面を熱ロールで200℃に加熱し、3分間保持した後の変色や変形等を見た。異常のなかったものを良好とし、黄変若しくは変形や剥離を生じたものを不良とした。
○・・・良好。×・・・不良。
耐擦傷性
#0000のスチールウールで加工品の硬化表面を10回擦ったとき、表面に何の変化もなかったものを良好とし、表面が傷つき、白化したものを不良とした。
○・・・良好。×・・・不良。
【0060】
蒸着適性
ホログラム又は回折格子形成面に、真空蒸着法によりアルミニウム層を蒸着した後、密着性をセロテープ碁盤目試験で評価した。
○・・・蒸着性良好。×・・・蒸着性不良。
転写箔適性
ホログラム又は回折格子形成面に、真空蒸着法によりアルミニウム層を蒸着した後、更にヒートシール用のアクリル系接着剤(ホットスタンプ剤)を塗工して得たものを、転写機を用いてポリ塩化ビニルカード上へ転写し、転写箔の箔切れ性及び密着性を評価した。
○・・・良好。×・・・不良。
【0061】
耐屈曲性
ポリ塩化ビニルカード上へ転写した転写箔にエンボス文字加工をして、エンボス文字に割れ等が生じてないかを確認した。
○・・・変化なし。×・・・割れがある。
【0062】
表2:評価結果
Figure 0004141015
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、光硬化性樹脂組成物の主被膜形成成分として特定のウレタン変性アクリル系樹脂を使用することによって、優れた強度、耐熱性、耐擦傷性、耐水性、耐薬品性、基材に対する密着性を有する被膜が形成可能で、且つ被貼着物の屈曲性や伸縮に対する追随性をも有する回折格子やレリーフホログラムを形成することができる光硬化性樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で使用した凹凸形状の付与方法を説明する図

Claims (9)

  1. 下記構造式で表されるウレタン変性アクリル系樹脂と離型剤とを必須成分として含有することを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
    Figure 0004141015
    (式中、Zはアクリロイルモルホリンおよびビニルカプロラクトンから選ばれるモノマーの残基を表わし、6個のR1は夫々互いに独立して水素原子又はメチル基を表わし、R2はC1〜C16の炭化水素基を表わし、X及びYは直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基を表わす。l(エル)とmとnとo(オー)とpの合計を100とした場合に、lは20〜90、mは5〜40、nは0〜50、o+pは10〜80、pは0〜40の整数である。)
  2. 離型剤が樹脂100重量部当たり0.1〜50重量部の割合で含有されている請求項1に記載の光硬化性樹脂組成物。
  3. 離型剤が変性シリコーンオイルである請求項1又は2に記載の光硬化性樹脂組成物。
  4. 変性シリコーンオイルが反応性シリコーンオイルである請求項3に記載の光硬化性樹脂組成物。
  5. 樹脂の分子量がポリスチレン換算分子量で1万〜20万である請求項1〜4の何れか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  6. 多官能モノマー又は多官能オリゴマーを含む請求項1〜5の何れか1項に記載の光硬化性樹脂組成物。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の光硬化性樹脂組成物を、基材の少なくとも一方の面に塗布及び乾燥して光硬化性樹脂層を形成し、該光硬化性樹脂層の表面をエンボス加工した後、該樹脂層に露光して樹脂層を硬化させることを特徴とする凹凸パターンの形成方法。
  8. 露光を紫外線又は電子線で行なう請求項7に記載の凹凸パターンの形成方法。
  9. 凹凸パターンが回折格子又はレリーフホログラムである請求項7又は8に記載の凹凸パターンの形成方法。
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