JP2003041088A - 自動車外装用樹脂組成物 - Google Patents

自動車外装用樹脂組成物

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JP2003041088A
JP2003041088A JP2002150038A JP2002150038A JP2003041088A JP 2003041088 A JP2003041088 A JP 2003041088A JP 2002150038 A JP2002150038 A JP 2002150038A JP 2002150038 A JP2002150038 A JP 2002150038A JP 2003041088 A JP2003041088 A JP 2003041088A
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智彦 赤川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形加工性が優れ、曲げ弾性率、耐衝撃
性、硬度及び脆化温度などの物性バランスも良好で、し
かも成形品表面にフローマークやウエルドマークが目立
たない、無塗装化に対応可能な自動車外装用樹脂組成物
を提供する。 【解決手段】 結晶性プロピレン・エチレンブロック共
重合体、エチレンと炭素数6以上のα−オレフィンとの
共重合ゴム、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体、スチレン類・共役ジエンブロック
共重合体の水素添加物及び無機充填剤とから構成される
樹脂組成物である。各重合体の溶融粘度や組成割合、各
成分の配合割合等を特定することによって、前記の特性
が付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プロピレン・エチ
レンブロック共重合体、特定のエラストマー性重合体お
よび無機充填剤を含む自動車外装用樹脂組成物に関し、
特にフローマークやウエルドマークの発生が少ない成形
品を製造し得る自動車外装用樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレンは、日用雑貨、台所用
品、包装用フィルム、自動車部品、機械部品、電気部品
など種々の分野でその成形材料として利用されており、
商品に要求される性能に応じて種々の添加剤が配合され
た組成物の形で使用されている。例えば、自動車部品な
どの機械的強度が要求される分野においては、エラスト
マー、タルクなどを配合したポリプロピレン組成物が利
用されている。
【0003】エラストマーやタルク等を配合して物性を
改良した従来のポリプロピレン組成物に対して、高剛性
化、高耐衝撃性化、さらに部品製造工程の簡略化の見地
から無塗装化に対応できるフローマークやウエルドマー
クの目立たない低光沢かつ高流動性の樹脂が求められて
いる。
【0004】ところがバンパー等に使用されている従来
の自動車外装用樹脂組成物は、衝撃強度を重視するあま
り、軟質で流動性が低く、近年の成形品の大型化、薄肉
化の要請に対してこれまでの樹脂組成では対応すること
が困難になってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、成形時の流動性に優れ、しかも曲げ弾性率、耐衝撃
性、硬度および脆化温度などの物性のバランスに優れ、
かつフローマークやウエルドマークの目立たない自動車
外装用樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、
(A)結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体
(A−1)、または(A−1)とそれと等重量以下の結
晶性プロピレン単独重合体(A−2)とからなるポリプ
ロピレン混合物のいずれか50〜70重量%、(B)エ
ラストマー性重合体18〜25重量%、および(C)無
機充填剤15〜25重量%とを含む樹脂組成物であっ
て、ここで、前記の結晶性プロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体(A−1)は、プロピレン単独重合体部とプ
ロピレン・エチレンランダム共重合体部とからなり、そ
のメルトフローレート(ASTM D−1238、23
0℃、荷重2160g)が70〜130g/10分であ
り、また、前記の結晶性プロピレン・エチレンブロック
共重合体(A−1)は、そのプロピレン単独重合体部に
おける13C−NMRで測定されるアイソタクチックペ
ンタッド分率(mmmm分率)が97%以上であり、プ
ロピレン・エチレンランダム共重合体部の含有量が5〜
20重量%であり、さらに、前記の結晶性プロピレン単
独重合体(A−2)は、そのアイソタクチックペンタッ
ド分率(mmmm分率)が97%以上、かつメルトフロ
ーレート(ASTM D−1238、230℃、荷重2
160g)が100〜300g/10分であり、また、
前記のエラストマー性重合体(B)は、(B−1)メル
トフローレート(ASTM D−1238、230℃、
荷重2160g)が0.5〜10g/10分のエチレン
と炭素数6以上のα−オレフィンとの共重合ゴム、(B
−2)メルトフローレート(ASTM D−1238、
230℃、荷重2160g)が1g/10分以下のエチ
レン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合
体、および(B−3)水素添加ブロック共重合体とから
なり、ここで、前記の水素添加ブロック共重合体(B−
3)は、式(1)または式(2)で表されるブロック共
重合体の水素添加物であって、 X−Y・・・・・・・・・・・・・(1) X(−Y−X)・・・・・・・・(2) (式中、Xはモノビニル置換芳香族炭化水素化合物の重
合体ブロック、Yは共役ジエン化合物の重合体ブロック
を表し、nは1〜5の整数である) Y部における水素添加率は90モル%以上、X部の割合
は10〜25重量%、メルトフローレート(ASTM
D−1238、190℃、荷重2160g)は15g/
10分以下である自動車外装用樹脂組成物に関する。
【0007】本発明の自動車外装用樹脂組成物におい
て、前記のエラストマー性重合体(B)は、樹脂組成物
100重量%中に、(B−1)エチレンと炭素数6以上
のα−オレフィンとの共重合ゴムが10〜20重量%、
(B−2)エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン
ランダム共重合体が1〜5重量%、および(B−3)水
素添加ブロック共重合体が1〜10重量%の割合で含有
されていることが好ましい。
【0008】また、前記のエチレンと炭素数6以上のα
−オレフィンとの共重合ゴム(B−1)は、シングルサ
イト触媒を用いてエチレンと炭素数6以上のα−オレフ
ィンとを共重合して製造したゴム状物であることが好ま
しく、さらにその中のα−オレフィン単位の共重合割合
が10〜50重量%であることが望ましい。(B−1)
の好ましい例として、エチレン・1−オクテン共重合ゴ
ムを挙げることができる。
【0009】前記のエチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体(B−2)の好ましい例とし
て、エチレン・プロピレン・ジエン三元共重合体または
エチレン・1−ブテン・ジエン三元共重合体を挙げるこ
とができる。
【0010】前記の水素添加ブロック共重合体(B−
3)の好ましい例として、スチレン・エチレン・ブテン
・スチレンブロック共重合体、スチレン・エチレン・プ
ロピレン・スチレンブロック共重合体、またはスチレン
・エチレン・プロピレンブロック共重合体を挙げること
ができる。
【0011】無機充填剤(C)としては、タルクが好ま
しく、とりわけレーザー解析法で測定したその平均粒径
が2〜6μmのタルクが好ましい。
【0012】前記の自動車外装用樹脂組成物としては、
そのメルトフローレート(ASTMD−1238、23
0℃、荷重2160g)が30g/10分以上、曲げ弾
性率(ASTM D−790)が1900MPa以上、
脆化温度(ASTM D−746)が−20℃以下のも
のが好適である。この樹脂組成物からは、フローマーク
やウエルドマークがほとんど目立たない、良好な外観を
有する成形品を製造することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】(A) 成 分 本発明においては、(A)成分として結晶性プロピレン
・エチレンブロック共重合体(A−1)を単独で使用す
るか、あるいは該ブロック共重合体(A−1)とそれと
等重量以下の結晶性プロピレン単独重合体(A−2)と
からなるポリプロピレン混合物を使用する。
【0014】上記プロピレン・エチレンブロック共重合
体(A−1)は、プロピレン単独重合体部と、プロピレ
ン・エチレンランダム共重合体部とから構成されてい
る。
【0015】結晶性プロピレン・エチレンブロック共重
合体(A−1)におけるプロピレン単独重合体部は、
13C−NMRで測定されるアイソタクチックペンタッ
ド分率(mmmm)が97%以上、好ましくは97.5
%以上である。
【0016】ここにアイソタクチックペンタッド分率
(mmmm分率)とは、13C−NMRを使用して測定
される結晶性ポリプロピレン分子鎖中のペンタッド単位
でのアイソタクチック連鎖の割合を示している。具体的
には、プロピレンモノマー単位で5個連続してメソ結合
した連鎖の中心にあるプロピレンモノマー単位の13
−NMRスペクトルの吸収ピークを、メチル炭素領域の
全吸収ピークに対する割合として求められる。
【0017】上記結晶性プロピレン・エチレンブロック
共重合体(A−1)では、プロピレン・エチレンランダ
ム共重合体部の含有量が、5〜20重量%、好ましくは
8〜13重量%であり、これに対応してプロピレン単独
重合体部の含有量が、80〜95重量%、好ましくは8
7〜92重量%のものが使用される。ここで、プロピレ
ン・エチレンランダム共重合体部とプロピレン単独重合
体部との合計量が100重量%になる。
【0018】結晶性プロピレン・エチレンブロック共重
合体(A−1)中のプロピレン・エチレンランダム共重
合体部の含有量は、ブロック共重合体サンプルについて
p−キシレン溶剤を用いて室温で分別し、その可溶部の
存在量から測定することができる。その測定方法の一例
として、まずブロック共重合体サンプル5gを沸騰p−
キシレンに完全に溶解させ、その後20℃に降温して一
昼夜放置してから濾別によって不溶部を分離する。次い
で、濾液にメタノール1500mlを加えて撹拌する
と、可溶部が析出物として分離し、それを濾別、乾燥す
ることによってp−キシレン可溶部が得られるので、可
溶部を秤量することによって求めることができる。
【0019】ブロック共重合体(A−1)中において、
エチレン単位の含有量は、好ましくは1〜10重量%、
より好ましくは3〜8重量%の範囲が望ましい。
【0020】ブロック共重合体中のエチレン単位の含有
量は、ブロック共重合体(A−1)サンプルのプレスフ
ィルムを赤外線吸収スペクトル分析にかけることによっ
て求めることができる。すなわち、メチル基に基づく1
155cm−1の吸光度とメチレン基に基づく吸光度を
測定し、Gardnerの検量線を用いて測定する(I. J.Gard
ner et al, Rubber Chem. And Tech., 44, 1015, 197
1)。
【0021】さらに結晶性プロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体(A−1)としては、ASTM D−123
8に準拠して測定されるメルトフローレート(MFR)
(230℃、荷重2160g)が、70〜130g/1
0分、好ましくは80〜120g/10分のものが使用
される。MFRが前記範囲より小さいブロック共重合体
を使用すると、得られる樹脂組成物からの成形品表面に
フローマークやウエルドマークが発生し易くなり、また
成形品の加熱収縮率が大きくなるので好ましくない。こ
こに結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体(A
−1)は1種単独で使用することもできるし、2種以上
を組合せて使用することもできる。
【0022】一般に、重合体は同一の分子量を有する同
一分子が集合したものではなく、分子量の異なる分子が
集合し、全体としてある物性を有する重合体が構成され
る。本発明で用いる結晶性プロピレン・エチレンブロッ
ク共重合体(A−1)も分子量の異なる分子が集合した
ものであり、重合体全体としては前記特定のプロピレン
単独重合体部およびプロピレン・エチレンランダム共重
合体部の含有量およびMFRを有しているが、本発明で
はさらにこのブロック共重合体(A−1)として、プロ
ピレン単独重合体部およびプロピレン・エチレンランダ
ム共重合体部が次のような分子量や組成を有するものを
使用するのが好ましい。
【0023】すなわちブロック共重合体(A−1)とし
て、プロピレン単独重合体部のMFR(230℃、荷重
2160g)が、好ましくは100〜300g/10
分、より好ましくは120〜250g/10分が望まし
い。またプロピレン・エチレンランダム共重合体部は、
135℃、デカヒドロナフタレン中で測定した固有粘度
[η]が、6〜9dl/gであって、該共重合体部中の
エチレン含有量が、好ましくは20〜40重量%、より
好ましくは24〜32重量%が望ましい。
【0024】本発明においては結晶性プロピレン・エチ
レンブロック共重合体(A−1)の代りに、その半量以
下をアイソタクチックペンタッド分率が97%以上、好
ましくは97.5%以上、MFR(230℃、荷重21
60g)が100〜300g/10分、好ましくは12
0〜250g/10分の結晶性プロピレン単独重合体
(A−2)に置き換えたポリプロピレン混合物を使用す
ることができる。
【0025】結晶性プロピレン・エチレンブロック共重
合体(A−1)は種々の方法により製造することができ
るが、例えばチーグラー・ナッタ系触媒あるいはメタロ
セン系触媒などの公知のオレフィン立体規則性触媒を用
いて製造することができる。チーグラー・ナッタ系触媒
を使用するブロック共重合体(A−1)の製造例とし
て、例えば固体状チタン触媒成分、有機金属化合物触媒
成分、さらに必要に応じて電子供与体とから形成された
触媒の存在下に、プロピレンを重合させた後、引続きプ
ロピレンとエチレンとを共重合させる方法を挙げること
ができる。ポリプロピレン混合物として結晶性プロピレ
ン・エチレンブロック共重合体(A−1)とともに使用
することができる結晶性プロピレン単独重合体(A−
2)も、同様のオレフィン立体規則性触媒を用いて製造
することができる。
【0026】(B) 成 分 本発明で用いられる(B)エラストマー性重合体は、エ
チレンと炭素数6以上のα−オレフィンとの共重合ゴム
(B−1)、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体(B−2)および水素添加ブロック
共重合体(B−3)の3種の共重合体から構成されてい
る。
【0027】前記エチレンと炭素数6以上のα−オレフ
ィンとの共重合ゴム(B−1)は、エチレンと炭素数6
以上、好ましくは炭素数6〜12のα−オレフィン、例
えば1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセン、1−ドデセン等とを共重合したゴ
ム状物である。
【0028】エチレンと炭素数6以上のα−オレフィン
との共重合ゴム(B−1)としては、MFR(ASTM
D−1238、230℃、荷重2160g)が0.5
〜10g/10分、好ましくは1〜8g/10分のもの
が使用される。MFRが上記範囲より大きい共重合ゴム
を使用した場合には、得られる樹脂組成物から製造した
成形品の剛性や低温耐衝撃性を低下させるので好ましく
ない。該共重合ゴム(B−1)としてはまた、エチレン
と炭素数6以上のα−オレフィンとの重量比(エチレン
/炭素数6以上のαーオレフィン)が、90/10〜5
0/50、好ましくは80/20〜60/40のものを
使用するのが望ましい。
【0029】このようなエチレン・α−オレフィン共重
合ゴム(B−1)は、オレフィン立体規則性重合触媒を
用いてエチレンと炭素数6以上のα−オレフィンとを共
重合させて製造することができる。特に、シングルサイ
ト触媒を用いて製造したエチレン・α−オレフィン共重
合体は、分子量分布および組成分布が狭いことから、低
温での衝撃強度向上効果に優れている。そのようなシン
グルサイト触媒の例として、シクロペンタジエン骨格を
有する化合物がジルコニウム金属等の遷移金属に配位し
たメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物
等とを含むメタロセン系触媒を挙げることができる。
【0030】前記エチレン・α−オレフィン・非共役ポ
リエンランダム共重合体(B−2)は、エチレンとα−
オレフィンと非共役ポリエンとの三元ランダム共重合体
ゴムである。上記α−オレフィンとしては、通常炭素数
3〜20、好ましくは3〜10のものであり、具体的に
は、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−オクテン、1−デセン、4−メチル−1−ペ
ンテンなどを挙げることができる。
【0031】また前記非共役ポリエンとしては、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、5−プロピリデン−2−
ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5−ビニル−2
−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5
−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、ノルボルナジ
エンなどの環状非共役ジエン;1,4−ヘキサジエン、
4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,
4−ヘキサジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエ
ン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−
1,7−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジ
エンなどの鎖状の非共役ジエン;2,3−ジイソプロピ
リデン−5−ノルボルネンなどのトリエン等があげられ
る。これらの中では、1,4−ヘキサジエン、ジシクロ
ペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネンが好
ましく用いられる。
【0032】本発明においては上記エチレン・α−オレ
フィン・非共役ポリエンランダム共重合体(B−2)と
して、MFR(ASTM D−1238、230℃、荷
重2160g)が1g/10分以下、好ましくは0.1
〜0.5g/10分のものが使用される。該共重合体と
してMFRが上記範囲より大きいものを使用すると、得
られる樹脂組成物から製造した成形品表面にフローマー
クやウエルドマークが発生し易くなるので好ましくな
い。
【0033】該ランダム共重合体(B−2)としてはま
た、エチレンとα−オレフィンの共重合割合が、モル比
(エチレン/α−オレフィン)で表して、好ましくは9
0/10〜40/60、より好ましくは85/15〜5
0/50の範囲が望ましい。またランダム共重合体(B
−2)における非共役ポリエン成分の割合は、ランダム
共重合体のヨウ素価で表して、好ましくは1〜40、よ
り好ましくは2〜35が望ましい。
【0034】エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエ
ンランダム共重合体(B−2)の代表例として、エチレ
ン・プロピレン・ジエン三元共重合体(EPDM)、エ
チレン・1−ブテン・ジエン三元共重合体を挙げること
ができる。
【0035】水素添加ブロック共重合体(B−3)は、
式(1)または式(2)で表されるブロック共重合体の
水素添加物である。 X−Y・・・・・・・・・・・・・(1) X(−Y−X)・・・・・・・・(2) 式中、Xはモノビニル置換芳香族炭化水素の重合体ブロ
ック、Yは共役ジエン重合体ブロック、nは1〜5の整
数である。
【0036】前記式(1)または(2)のXで示される
重合体ブロックを構成するモノビニル置換芳香族炭化水
素としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチ
ルスチレン、クロロスチレン、低級アルキル置換スチレ
ン、ビニルナフタレン等のスチレンまたはその誘導体な
どを挙げることがでる。これらモノビニル置換芳香族炭
化水素は1種単独で使用することもできるし、2種以上
を組み合せて使用することもできる。とくに好ましいの
はスチレンである。
【0037】前記式(1)または(2)のYで示される
重合体ブロックを構成する共役ジエンとしては、ブタジ
エン、イソプレン、クロロプレンなどを挙げることがで
きる。これらは1種単独で使用することもできるし、2
種以上を組み合せて使用することもできる。とくに好ま
しいのはブタジエンまたはイソプレンである。共役ジエ
ンとしてブタジエンが用いられる場合、ポリブタジエン
ブロックにおける1,2−結合量の割合は20〜80重
量%、好ましくは30〜60重量%であることが望まし
い。
【0038】このブロック共重合体において、共役ジエ
ン重合体ブロックの水素添加率は、90モル%以上、好
ましくは95モル%以上であって、X部の含有量が10
〜25重量%、MFR(ASTM D−1238、19
0℃、2160g荷重)が15g/10分以下、好まし
くは1〜10g/10分である。X部の含有量が上記範
囲より多く含まれたブロック共重合体を使用した場合に
は、得られる樹脂組成物の加熱収縮率が大きくなり、ま
た低温脆性も損なわれるので好ましくない。
【0039】また式(2)で示されるブロック共重合体
において、nは1〜5の整数、好ましくは1または2で
ある。
【0040】水素添加ブロック共重合体(B−3)の具
体例としては、スチレン・ブタジエン・スチレントリブ
ロック共重合体の水素添加によって得られるスチレン・
エチレン・ブテン・スチレンブロック共重合体(SEB
S)、スチレン・イソプレン・スチレントリブロック共
重合体の水素添加によって得られるスチレン・エチレン
・プロピレン・スチレンブロック共重合体(SEP
S)、およびスチレン・イソプレンジブロック共重合体
の水素添加によって得られるスチレン・エチレン・プロ
ピレンブロック共重合体(SEP)等のスチレン系ブロ
ック共重合体を挙げることができる。
【0041】水素添加前のブロック共重合体は、例えば
不活性溶媒中で、リチウム触媒またはチーグラー触媒の
存在下に、各モノマーのブロック共重合を行わせる方法
により製造することができる。詳細な製造方法は、例え
ば特公昭40−23798号公報などに記載されてい
る。水素添加処理は、前記のブロック共重合体を不活性
溶媒中で公知の水素添加触媒の存在下に行うことができ
る。詳細な方法は、例えば特公昭42−8704号、同
43−6636号、同46−20814号公報などに記
載されている。
【0042】前記水素添加ブロック共重合体(B−3)
は、クレイトンG1657(シェル化学(株)製品、商
標)、セプトン2004(クラレ(株)製品、商標)、
タフテックH1052、タフテック1062(旭化成
(株)製品、商標)などの商品名で市販されており、そ
の市販品を使用することもできる。
【0043】(B)エラストマー性重合体の構成成分で
あるエチレンと炭素数6以上のαーオレフィンとの共重
合ゴム(B−1)、エチレン・α−オレフィン・非共役
ポリエンランダム共重合体(B−2)および水素添加ブ
ロック共重合体(B−3)は、それぞれ1種単独で使用
することもできるし、2種以上を組み合せて使用するこ
ともできる。
【0044】(C) 成 分 本発明で用いる(C)無機充填剤としては、タルク、ク
レー、炭酸カルシウム、マイカ、けい酸塩類、炭酸塩
類、ガラス繊維などがあげられる。これらの中で特にタ
ルクが好ましい。タルクとしてはまた、レーザー解析法
で測定した平均粒径が1〜10μm、好ましくは2〜6
μmのものが望ましい。(C)無機充填剤は1種単独で
使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用す
ることもできる。
【0045】樹 脂 組 成 物 本発明の自動車外装用樹脂組成物は、(A)結晶性プロ
ピレン・エチレンブロック共重合体(A−1)、または
(A−1)とそれと等重量以下の結晶性プロピレン単独
重合体(A−2)とからなるポリプロピレン混合物のい
ずれか50〜70重量%、好ましくは55〜65重量
%、(B)エラストマー性重合体18〜25重量%、好
ましくは19〜24重量%、および(C)無機充填剤1
5〜25重量%、好ましくは18〜23重量%の割合で
構成される。ここで、(A)、(B)、および(C)の
3成分の合計量が100重量%になる。
【0046】また(B)エラストマー性重合体は、樹脂
組成物100重量%中に、(B−1)エチレンと炭素数
6以上のαーオレフィンとの共重合ゴムが10〜20重
量%、好ましくは13〜19重量%、(B−2)エチレ
ン・α−オレフィン・非共役ポリエンランダム共重合体
が1〜5重量%、好ましくは2〜5重量%、および(B
−3)水素添加ブロック共重合体が1〜10重量%、好
ましくは3〜8重量%となるような割合で含有されてい
ることが好ましい。
【0047】本発明の組成物には前記(A)〜(C)成
分の他に、必要に応じて、耐熱安定剤、帯電防止剤、耐
候安定剤、耐光安定剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、軟化剤、分散剤、顔料のような着色剤、滑剤
などの添加剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合
することができる。
【0048】本発明の組成物は、前記(A)〜(C)成
分、および必要により配合する添加剤を、バンバリーミ
キサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機など
の混合装置により混合または溶融混練することにより得
ることができる。この際、(A−1)、(A−2)、
(B−1)、(Bー2)、(B−3)、および(C)の
各成分、および必要により配合する添加剤などの混合順
序は任意であり、同時に混合してもよいし、一部成分を
混合した後他の成分を混合するというような多段階の混
合方法を採用することもできる。
【0049】このようにして得られる本発明の樹脂組成
物は、成形時の流動性に優れ、しかも曲げ弾性率、耐衝
撃性、硬度および脆化温度などの物性のバランスに優れ
ている。例えば、(1)MFR(ASTM D−123
8、230℃、荷重2160g)が、好ましくは30g
/10分以上、より好ましくは35〜60g/10分、
(2)曲げ弾性率(ASTM D−790)が、好まし
くは1900MPa以上、および(3)脆化温度(AS
TM D−746)が、好ましくは−20℃以下、より
好ましくは−25℃以下を示す樹脂組成物を容易に得る
ことができる。また加熱収縮率が小さいという特性も備
えている。
【0050】このような樹脂物性を有する本発明の樹脂
組成物は、射出成形用の樹脂原料として好適に利用する
ことができ、この場合射出成形時に非常に良好な流動性
を示し、寸法安定性に優れた射出成形品を容易に成形す
ることができる。
【0051】本発明の組成物は、自動車部品、特に自動
車外装用部品、例えばバンパー、オーバーフェンダー、
サイドモール、ロッカーモールなどの部品成形に使用す
ることができる。
【0052】
【実施例】次に実施例を通して本発明をより詳細に説明
するが、本発明はそれらの実施例によって何ら限定され
るものではない。
【0053】まず、実施例および比較例において、樹脂
組成物の調製に用いた各種の成分は、次の性状を有して
いた。 (1)プロピレン・エチレンブロック共重合体(PEB
C−1) ・MFR(230℃、2160g):100g/10分 ・プロピレン単独重合体部:90重量% アイソタクチックペンダット分率(mmmm分率);9
8% ・プロピレン・エチレンランダム共重合体部:10重量
% 固有粘度[η];7.5dl/g (135℃、デカヒドロナフタレン溶媒中での測定値) エチレン含有量;26重量%
【0054】(2)プロピレン・エチレンブロック共重
合体(PEBC−2) ・MFR(230℃、荷重2160g):60g/10
分 ・プロピレン単独重合体部:90重量% アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率);9
8%、 ・プロピレン・エチレンランダム共重合体部:10重量
% 固有粘度[η];7.5dl/g (135℃、デカヒドロナフタレン溶媒中での測定値) エチレン含有量;26重量%
【0055】(3)プロピレン単独重合体(PP) ・MFR(230℃、荷重2160g):230g/1
0分 ・アイソタクチックペンタッド分率(mmmm分率):
98%
【0056】(4)エチレン・1−オクテンランダム共
重合ゴム(EOR−1) ・メタロセン触媒を用いて製造した重合体 ・1−オクテン含有量:27重量% ・MFR(190℃、荷重2160g):4g/10
分、
【0057】(5)エチレン・1−オクテンランダム共
重合ゴム(EOR−2) ・MFR(190℃、荷重2160g):25g/10
分 ・1−オクテン含有量:24重量%
【0058】(6)エチレン・プロピレン・5−エチリ
デン−2−ノルボルネン三元共重合体(EPT−1) ・MFR(190℃、荷重2160g):0.2g/1
0分、 ・プロピレン含有量:28重量% ・ヨウ素価:15
【0059】(7)エチレン・プロピレン・5−エチリ
デン−2−ノルボルネン三元共重合体(EPT−2) ・MFR(190℃、荷重2160g):5.0g/1
0分 ・プロピレン含有量:28重量% ・ヨウ素価:15
【0060】(8)スチレン・エチレン・ブテン・スチ
レンブロック共重合体(SEBS−1) ・MFR(190℃、荷重2160g):4g/10分 ・スチレン含有量:20重量%
【0061】(9)スチレン・エチレン・ブテン・スチ
レンブロック共重合体(SEBS−2) ・MFR(190℃、荷重2160g):5.0g/1
0分、 ・スチレン含有量:30重量%
【0062】(10)微粉末タルク ・平均粒径:4μm
【0063】実施例および比較例で得られた樹脂組成物
および成形品の物性測定は、次の試験方法によって行っ
た。 (1)メルトフローレート(MFR):ASTM D−
1238 測定条件;230℃、荷重2160g (2)曲げ弾性率:ASTM D−790 (3)脆化温度 :ASTM D−746
【0064】(4)加熱収縮率:長さ150mm、幅1
50mm、厚み2mmの平板を樹脂温度230℃、金型
温度40℃の条件で射出成形して得た。その平板を室温
で72時間静置した後、長さ方向および幅方向の寸法を
測定し、その平均値を初期寸法値とした。次いでその平
板を120℃の加熱槽中で30分間加熱し、その後室温
に24時間置き、同様にして寸法を測定し、加熱後の寸
法値を得た。加熱収縮率(%)は次式から算出した。 {(初期寸法値−加熱寸法値)/(初期寸法値)}×1
00
【0065】(5)スパイラルフロー長:厚さ3mm、
幅10mm、長さ2000mmのスパイラル状の流路を
もつ樹脂流動長測定用金型を用いて、樹脂組成物を樹脂
温度230℃で射出成形した。得られた成形品の流動長
(mm)を測定し、その値をスパイラルフロー長とし
た。
【0066】(6)フローマーク発生率:前記の方法で
得られたスパイラルフロー長測定用の成形品を観察し、
フローマークが発生しはじめた箇所の流動長を測定し
た。全流動長に対するフローマークが発生し始めた箇所
の流動長の割合を発生率(%)として表した。
【0067】(7)ウェルドマークの発生長さ:長さ3
50mm、幅135mm、厚み3mmの平板を成形する
際、長さ方向の側面に幅面から70mmの位置にゲート
を設けた金型を用い、その金型にはゲートより流動方向
直下(ゲートより50mmの位置)に長さ20mm、幅
20mm、厚み3mmの樹脂の流動を妨げる堰を設け
た。ウェルドマークの発生長さは、前記金型を用いて射
出成形した時に、堰以降に発生するウェルドマークを目
視によってそれが判別できなくなるまでの長さを測定し
て求めた。
【0068】(実施例1)表1に記した各成分を所定
量、ヘンシェルミキサーを用いて混合した後、二軸押出
機によってペレタイズして樹脂組成物を製造した。得ら
れた樹脂組成物のMFR(230℃、荷重2160g)
は40g/10分であった。
【0069】この樹脂組成物を用いて、各種の物性測定
を行なった。なお測定に用いた試験片は、射出成形機
(日本製鋼所(株)製品、J100SAII型)を用い、
シリンダー設定温度230℃、金型温度40℃の条件で
射出成形して製造した。
【0070】物性測定結果を表1に示した。表1の結果
から明らかなように、この樹脂組成物は高い溶融流動性
を有し、成形加工性に優れており、フローマークやウエ
ルドマークの発生傾向は小さかった。また加熱収縮率が
小さく、高剛性で、脆化温度は十分に低かった。
【0071】(実施例2)実施例1において、PEBC
−1の配合量を59重量部から40重量部へと、またE
OR−1の配合量を13重量部から15重量部へと変更
し、またプロピレン単独重合体(PP)を17重量部配
合した。それ以外の条件は実施例1と同様に行なって、
樹脂組成物を得た。
【0072】樹脂組成物の物性評価を行い、その結果を
表1に示した。表1から明らかなように、この樹脂組成
物も実施例1の樹脂組成物と同様に、溶融流動性、成形
加工性に優れており、フローマークやウエルドマークの
発生傾向は小さかった。また加熱収縮率は小さく、高剛
性で、脆化温度は十分に低かった。
【0073】(比較例1)実施例1において、SEBS
−1を配合しない代わりにEOR−1を18重量部へと
増量した以外は実施例1と同様に行った。樹脂組成物の
物性評価を行ない、その結果を表1に示した。得られた
樹脂組成物の脆化温度は高く、低温耐衝撃性が劣ってい
た。
【0074】(比較例2)実施例1において、EOR−
1を配合しない代わりにSEBSを18重量部へと増量
する以外は実施例1と同様に行った。樹脂組成物の物性
評価を行ない、その結果を表1に示した。得られた樹脂
組成物の加熱収縮率が大きく、寸法安定性が劣ってい
た。
【0075】(比較例3)実施例1において、EPT−
1を配合しない代わりにEOR−1を16重量部へと増
量する以外は実施例1と同様に行った。樹脂組成物の物
性評価を行ない、その結果を表1に示した。得られた樹
脂組成物は、フローマークやウエルドマークが発生しや
すく、大型薄肉成型用樹脂として使用するには満足すべ
きものではなかった。
【0076】(比較例4)実施例1において、EPT−
1の代わりにエチレン・プロピレン・5−エチリデン−
2−ノルボルネン3元共重合体(EPT−2)を用いる
以外は実施例1と同様に行った。樹脂組成物の物性評価
を行ない、その結果を表1に示した。得られた樹脂組成
物は、比較例3で得た樹脂組成物と同様にフローマーク
やウエルドマークの発生を起こしやすいものであった。
【0077】(比較例5)実施例1において、PEBC
−1の代わりにプロピレン・エチレンブロック共重合体
(PEBC−2)を用いる以外は実施例1と同様に行っ
た。樹脂組成物の物性評価を行ない、その結果を表1に
示した。得られた樹脂組成物は、溶融流動性が不足気味
で成形加工性が悪く、フローマークやウエルドマークの
発生傾向が大きかった。また加熱収縮率も大きかった。
【0078】(比較例6)実施例1において、SEBS
−1の代わりにスチレン・エチレン・ブテン・スチレン
ブロック共重合体(SEBS−2)を用いる以外は実施
例1と同様に行った。樹脂組成物の物性評価を行ない、
その結果を表1に示した。得られた樹脂組成物は、加熱
収縮率が大きく、脆化温度も十分に低いものではなかっ
た。
【0079】(比較例7)実施例1において、EOR−
1の代わりにエチレン・1−オクテンランダム共重合ゴ
ム(EOR−2)を用いる以外は実施例1と同様に行っ
た。樹脂組成物の物性評価を行ない、その結果を表1に
示した。得られた樹脂組成物は、剛性が小さく、また脆
化温度も十分に低いものではなかった。
【0080】(比較例8)実施例1において、タルクの
配合量を20重量部から10重量部へと減量し、一方P
EBC−1の配合量を59重量部から69重量部へと増
量する以外は実施例1と同様に行った。樹脂組成物の物
性評価を行ない、その結果を表1に示した。得られた樹
脂組成物は、剛性が低すぎ、また加熱収縮率が大きいも
のであった。
【0081】
【表1】
【0082】
【発明の効果】本発明の自動車外装用樹脂組成物は、特
定の結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合体、特
定のエラストマー性重合体および無機充填剤を特定量含
有しているので、成形時の流動性に優れ、曲げ弾性率、
硬度および脆化温度などのバランスに優れている。しか
も通常成形品表面に現れるフローマークやウエルドマー
クが、この樹脂組成物を用いるとほとんど目立たなくな
る。
【0083】従って、本発明に係わる樹脂組成物は、自
動車外装部品を成形した時に十分な機械的強度特性を備
えていると共に、成形品の外観が良好であることから、
そのままで、すなわち無塗装で使用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 土井 一弘 愛知県豊田市陣中町1−11−5 小野マン ション302号 (72)発明者 赤川 智彦 大阪府泉大津市なぎさ町2番6−706 (72)発明者 井上 薫 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 三宅 裕一 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 4J002 BB052 BB121 BP012 BP021 DE236 DJ036 DJ046 DJ056 DL006 FA046 FD016 GN00

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)結晶性プロピレン・エチレンブロッ
    ク共重合体(A−1)、または(A−1)とそれと等重
    量以下の結晶性プロピレン単独重合体(A−2)とから
    なるポリプロピレン混合物のいずれか50〜70重量
    %、 (B)エラストマー性重合体18〜25重量%、および (C)無機充填剤15〜25重量%とを含む樹脂組成物
    であって、ここで、前記の結晶性プロピレン・エチレン
    ブロック共重合体(A−1)は、プロピレン単独重合体
    部とプロピレン・エチレンランダム共重合体部とからな
    り、そのメルトフローレート(ASTM D−123
    8、230℃、荷重2160g)が70〜130g/1
    0分であり、また、前記の結晶性プロピレン・エチレン
    ブロック共重合体(A−1)は、そのプロピレン単独重
    合体部における13C−NMRで測定されるアイソタク
    チックペンタッド分率(mmmm分率)が97%以上で
    あり、プロピレン・エチレンランダム共重合体部の含有
    量が5〜20重量%であり、さらに、前記の結晶性プロ
    ピレン単独重合体(A−2)は、そのアイソタクチック
    ペンタッド分率(mmmm分率)が97%以上、かつメ
    ルトフローレート(ASTM D−1238、230
    ℃、荷重2160g)が100〜300g/10分であ
    り、また、前記のエラストマー性重合体(B)は、(B
    −1)メルトフローレート(ASTM D−1238、
    230℃、荷重2160g)が0.5〜10g/10分
    のエチレンと炭素数6以上のα−オレフィンとの共重合
    ゴム、(B−2)メルトフローレート(ASTM D−
    1238、230℃、荷重2160g)が1g/10分
    以下のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエンラン
    ダム共重合体、および(B−3)水素添加ブロック共重
    合体とからなり、ここで、前記の水素添加ブロック共重
    合体(B−3)は、式(1)または式(2)で表される
    ブロック共重合体の水素添加物であって、 X−Y・・・・・・・・・・・・・(1) X(−Y−X)・・・・・・・・(2) (式中、Xはモノビニル置換芳香族炭化水素化合物の重
    合体ブロック、Yは共役ジエン化合物の重合体ブロック
    を表し、nは1〜5の整数である) Y部における水素添加率は90モル%以上、X部の割合
    は10〜25重量%、メルトフローレート(ASTM
    D−1238、190℃、荷重2160g)は15g/
    10分以下であることを特徴とする自動車外装用樹脂組
    成物。
  2. 【請求項2】前記のエラストマー性重合体(B)は、樹
    脂組成物100重量%中に、(B−1)エチレンと炭素
    数6以上のα−オレフィンとの共重合ゴムが10〜20
    重量%、(B−2)エチレン・α−オレフィン・非共役
    ポリエンランダム共重合体が1〜5重量%、および(B
    −3)水素添加ブロック共重合体が1〜10重量%の割
    合で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の
    自動車外装用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】前記のエチレンと炭素数6以上のα−オレ
    フィンとの共重合ゴム(B−1)は、シングルサイト触
    媒を用いてエチレンと炭素数6以上のα−オレフィンと
    を共重合して製造したゴム状物であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の自動車外装用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】前記のエチレンと炭素数6以上のα−オレ
    フィンとの共重合ゴム(B−1)は、その中のα−オレ
    フィン単位の共重合割合が10〜50重量%であること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動車外
    装用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】前記のエチレンと炭素数6以上のα−オレ
    フィンとの共重合ゴム(B−1)が、エチレン・1−オ
    クテン共重合ゴムであることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれかに記載の自動車外装用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】前記のエチレン・α−オレフィン・非共役
    ポリエンランダム共重合体(B−2)が、エチレン・プ
    ロピレン・ジエン三元共重合体またはエチレン・1−ブ
    テン・ジエン三元共重合体であることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載の自動車外装用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】前記の水素添加ブロック共重合体(B−
    3)が、スチレン・エチレン・ブテン・スチレンブロッ
    ク共重合体、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレ
    ンブロック共重合体、またはスチレン・エチレン・プロ
    ピレンブロック共重合体であることを特徴とする請求項
    1〜6のいずれかに記載の自動車外装用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】前記の無機充填剤(C)が、タルクである
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の自動
    車外装用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】前記のタルクは、レーザー解析法で測定し
    たその平均粒径が2〜6μmであることを特徴とする請
    求項8に記載の自動車外装用樹脂組成物。
  10. 【請求項10】前記の樹脂組成物は、そのメルトフロー
    レート(ASTM D−1238、230℃、荷重21
    60g)が30g/10分以上、曲げ弾性率(ASTM
    D−790)が1900MPa以上、脆化温度(AS
    TM D−746)が−20℃以下であることを特徴と
    する請求項1〜9のいずれかに記載の自動車外装用樹脂
    組成物。
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