JP2003017411A - レーザ照射装置、並びに半導体装置の作製方法 - Google Patents

レーザ照射装置、並びに半導体装置の作製方法

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JP2003017411A
JP2003017411A JP2002115794A JP2002115794A JP2003017411A JP 2003017411 A JP2003017411 A JP 2003017411A JP 2002115794 A JP2002115794 A JP 2002115794A JP 2002115794 A JP2002115794 A JP 2002115794A JP 2003017411 A JP2003017411 A JP 2003017411A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 TFTを用いて作製するアクティブマトリク
ス型の液晶表示装置に代表される電気光学装置ならびに
半導体装置において、半導体装置の動作特性を向上さ
せ、かつ、低消費電力化を図る。特に、本発明は、オフ
電流値が低く、バラツキが抑えられたTFTを得ること
を課題とする。 【解決手段】酸素を含む雰囲気下で半導体膜102に第
1のレーザ光の照射(エネルギー密度400〜500m
J/cm2)を行い表面の凹凸の大きい半導体膜102b
を得た後、第1のレーザ光の照射で形成された酸化膜1
05aを除去し、その後に酸素濃度が10ppm以下の不
活性気体を吹き付けつつ第2のレーザ光の照射(第1の
レーザ光の照射におけるエネルギー密度より高い)を行
うことで半導体膜102bの表面を平坦化し、表面凹凸
の少ない半導体膜102cを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザまたはそれ
に準ずる強光により半導体膜をアニールする工程を含ん
で作製される半導体装置の作製方法に関する。前記半導
体装置は、半導体特性を利用することで機能しうる装置
全般を指し、例えば、液晶表示装置に代表される電気光
学装置、及び電気光学装置を部品として搭載した電気機
器、発光装置等も半導体装置の範疇に入るものとする。
【0002】
【従来の技術】ガラス等の絶縁基板上に形成された半導
体膜に対しレーザアニールを行い、結晶化させたり結晶
性を向上させたり半導体膜に添加されたドーパントを活
性化させたりする技術が広く研究されている。上記半導
体膜には珪素膜がよく用いられる。
【0003】上記絶縁基板にはガラス基板がよく用いら
れる。ガラス基板であれば、例えば600×720×0.
7 mmのサイズの大面積基板に加工することができる。ガ
ラス基板以外には石英基板などが使用されるが、石英基
板の大面積化は非常に困難である。このようにガラス基
板を使う利点は大きいが、石英基板と比較してガラス基
板の融点が低いことが問題である。半導体膜のアニール
には比較的高温を要するため、アニールの際のガラス基
板の変形が問題となっていた。本問題を解決するために
考案されたのが、半導体膜のレーザアニールである。レ
ーザは非常に強いエネルギーを短時間に発光することが
できるため、物体を非平衡に加熱することが可能であ
る。よって、ガラス基板の温度をあまり上げずに、半導
体膜の温度のみを上昇させることが可能となる。すなわ
ち、ガラス基板に成膜された半導体膜のアニールには、
レーザを用いるのが好ましい。
【0004】上記技術により得られた結晶性半導体膜は
多くの結晶粒からできているため、多結晶半導体膜と呼
ばれる。多結晶半導体膜は、非晶質半導体膜と比較し、
非常に高い移動度を有する。このため、多結晶半導体膜
を利用すると、例えば、従来の非晶質半導体膜を使って
作製した半導体装置では実現できなかったアクティブマ
トリクス型の液晶表示装置(一枚の基板上に、画素駆動
用と駆動回路用の薄膜トランジスタ(TFT)を作製し
た半導体装置)が作製できる。このように、多結晶半導
体膜は、非晶質半導体膜と比較し、非常に特性の高い半
導体膜である。
【0005】一方、非晶質半導体膜の結晶化工程におい
ては、比較的低温の熱処理で行える方法も考案された。
前記方法の詳細は特開平7-183540号公報に記載されてい
る。ここで、前記方法を簡単に説明する。まず、非晶質
半導体膜にニッケルまたは、パラジウム、または鉛等の
元素を微量に添加する。添加の方法は、プラズマ処理法
や蒸着法、イオン注入法、スパッタ法、溶液塗布法等を
利用すればよい。前記添加の後、非晶質半導体膜を例え
ば550℃の窒素雰囲気下で4時間加熱すると、多結晶半導
体膜が得られる。結晶化に最適な加熱温度や加熱時間等
は、前記元素の添加量や、非晶質半導体膜の状態によ
る。以上、加熱による非晶質半導体膜の結晶化の方法の
例を記した。
【0006】前述のように、レーザアニールによる結晶
化は、基板の温度を余り上昇させずに、非晶質半導体膜
にのみ高いエネルギーを与えることが出来るため、歪点
の低いガラス基板には勿論、プラスティック基板等にも
用いることが出来る。レーザアニールの工程は、半導体
膜に添加されたドーパントを活性化させる工程にも用い
られる。前記工程は熱アニールで行われることも多い。
【0007】また、現在の量産工程において、レーザア
ニールに用いられるレーザはエキシマレーザである。エ
キシマレーザは、パルス発振式のため出力も大きく、ま
た半導体膜でよく用いられる珪素膜に対し吸収係数が非
常に高いため、前記量産工程に用いられる。出力の大き
いパルス発振式のレーザ光を照射面において、数cm角
の四角いスポットや、長さ10cm以上の線状となるよう
に光学系にて成形し、レーザ光を走査させて(あるいは
レーザ光の照射位置を照射面に対し相対的に移動させ
て)、レーザアニールを行う方法が、生産性が高く工業
的に優れているため、好んで使用されている。
【0008】特に、照射面においてレーザ光の形状が線
状であるレーザ光(以下線状ビームと表記する)を用い
ると、前後左右の走査が必要なスポット状のレーザ光を
用いた場合とは異なり、線状ビームの線方向に直角な方
向だけの走査でより大面積にレーザ光を照射することが
できるため、生産性が高い。線方向に直角な方向に走査
するのは、それが最も効率の良い走査方向であるからで
ある。この高い生産性により、現在レーザアニールには
パルス発振式の大出力のレーザを適当な光学系で成形し
た線状ビームを使用することが主流になりつつある。線
状ビームは特にサイズが600×720×0.7mmのよう
な大面積基板を使った量産工程において有効である。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、レーザに
よる半導体膜のアニールの際に半導体膜の表面に形成さ
れる凹凸を減少させ、同時に該凹凸の減少の技術にかか
るコストを抑えることを課題とする。
【0010】半導体膜にレーザを照射することで、半導
体膜を結晶化させたり、結晶性を向上させることができ
るが、その際に半導体膜はレーザのエネルギーにより溶
融し、再び固化する過程を経る。前記固化する過程で、
半導体膜は無数の核を形成し、各々の核が主に半導体膜
の膜面に平行な方向に成長して結晶粒を作る。これらの
結晶粒の成長において、隣接する結晶粒が互いに衝突す
ることにより、非常に高い凸部が半導体膜に形成され
る。特に酸素を含む雰囲気、例えば大気雰囲気において
レーザによる半導体膜のアニールが行われると、この凸
部は非常に大きく成長し、半導体膜の厚さと同程度の高
さに達することもある。このようにしてレーザが照射さ
れた半導体膜の表面に凹凸が形成されるのであるが、特
にトップゲート型TFTを作製する場合には、凹凸のある
表面がゲート絶縁膜との界面となるため、該凹凸は、素
子特性のばらつきや、オフ電流値の上昇の原因となっ
た。
【0011】前記凸部の成長は、レーザによる半導体膜
のアニールの際の雰囲気から酸素を除けば著しく抑えら
れることが判っているため、よく本アニールは酸素のな
い雰囲気、例えば窒素雰囲気、あるいは真空にて行われ
る。このようにすることで半導体膜の凹凸を抑えること
ができるのであるが、レーザアニールの際の雰囲気を窒
素雰囲気や真空とするためには、強固な真空チャンバー
や真空排気装置、大量の窒素の供給が必要となり、装置
の大型化およびコスト高につながる。本発明は、このよ
うなコストを引き上げる元を削減する。即ち、本発明
は、真空装置を使わずに、酸素のない雰囲気でレーザに
よる半導体膜のアニールを行って半導体膜表面を平坦化
させる装置並びに半導体装置の作製方法を提供すること
を課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、高価な真空装置を使わずに、レーザ照射
されている半導体膜の極近傍の雰囲気のみを酸素の無い
雰囲気、例えば窒素雰囲気や希ガス雰囲気や水素雰囲気
等にすることを特徴とする。これらの半導体膜に対して
反応性の低い気体を不活性気体と呼ぶこととする。水素
は他の気体と比較して反応性が高いが、本明細書中では
不活性気体の一種とみることとする。具体的には、レー
ザが半導体膜に照射されている部分に、酸素を含まない
気体を供給することで、極局所的に酸素の少ない雰囲気
を形成することを特徴とする。
【0013】具体的には、非常に強い気流を形成して、
レーザ光が半導体膜に照射されている領域に酸素を含ま
ない気体を吹き付けながらレーザアニールを行う。ある
いは、半導体膜の極近傍に酸素を含まないガスを噴射で
きる平坦な板を設置し、前記板を介してレーザ光を半導
体膜に照射する。すなわち、前記板はレーザ光に対して
透明でなくてはならない。レーザ光が半導体膜に照射さ
れている領域の近傍の酸素濃度を極力少なくするため
に、前記板を半導体膜に対してエア浮上させる構造を採
るとよい。即ち、前記板から噴射されるガスにより前記
板を浮上させる。このような構造とすれば前記板と半導
体膜との距離を1mm以下とすることが可能である。
【0014】酸素のない雰囲気下でレーザアニールされ
た半導体膜を用い、例えばTFTを作製すると、酸素のあ
る雰囲気下でレーザアニールされたものと比較し、ON電
流値の特性等で劣ることがある。すなわち、酸素の無い
雰囲気下でレーザアニールした場合、半導体膜の表面の
凹凸を小さくする効果がある反面、半導体特性の低下が
見られる場合がある。本問題を解決するために、レーザ
アニールを複数回行う方法が提案されている。
【0015】本方法は、酸素を含む雰囲気下で半導体膜
に第一のレーザ光の照射を行って結晶化させた後、第一
のレーザ光の照射で形成された酸化膜を除去し、その後
に酸素を含まない雰囲気下で第二のレーザ光の照射を行
うことで半導体膜の表面の凹凸を小さく、すなわち半導
体膜の表面を平坦化するものである。このような工程を
経ることにより、TFTの電流値をほとんど劣化させる
ことなく半導体膜の表面を平坦化することができる。こ
れにより、上記諸問題、特にオフ電流値の上昇を抑制す
ることができる。
【0016】上記、第二のレーザ光の照射におけるレー
ザのエネルギー密度は、第一のレーザ光の照射における
レーザのエネルギー密度よりも、5〜15%高くする
と、照射前と比較して半導体膜の表面の平坦性が格段に
向上する。例えば、照射前と比較して表面荒さが1/2以
下、若しくは1/3以下にまで低下する。
【0017】第一のレーザ光の照射を行った後、酸化膜
を除去し、さらに酸素濃度が10ppm以下の雰囲気下に
おいて、第二のレーザ光を照射した半導体膜を用いてn
チャネル型TFTを作製し、そのオフ電流値(Vds=14
V)における確率統計分布を○印でプロットしたものを
図14中に示す。また、比較のため、図14中に第一の
レーザ光の照射のみを行ったnチャネル型TFTのオフ電
流値の確率統計分布を●印でプロットしたものを示す。
図14の縦軸はパーセントで、50%における横軸の値
がオフ電流の平均値を示す。図の横軸はオフ電流値であ
り、それらの値のばらつきが大きければ、プロットの領
域の横幅が広くなる。第一のレーザ光のみの照射を行っ
たnチャネル型TFT(●印)よりも、第二のレーザ光を
照射したnチャネル型TFT(○印)のほうが、オフ電流
値の平均値が低く、オフ電流値のばらつきも3〜20pA
と小さいことが図14から判る。
【0018】また、ニッケルまたは、パラジウム、また
は鉛等の金属元素の微量に添加して非晶質構造を有する
半導体膜を結晶化させるのにかかる時間を短縮する技術
(特開平7-183540号公報に記載)を用いれば、例えば5
50℃の窒素雰囲気に4時間の加熱処理で特性の良好な
結晶構造を有する半導体膜を得ることができる。この技
術は、結晶化に必要とする加熱温度を低下させる効果ば
かりでなく、結晶方位の配向性を単一方向に高めること
が可能である。このような結晶構造を有する半導体膜を
基にTFTを作製すると、電界効果移動度の向上のみでな
く、サブスレッショルド係数(S値)が小さくなり、飛
躍的に電気的特性を向上させることが可能となる。前記
加熱処理のみでなくさらにレーザアニールを行うと、加
熱処理またはレーザアニールのとちらかだけで結晶化を
行う場合よりも半導体膜としての特性が向上する場合が
ある。このレーザアニールを上記第一のレーザ光の照射
とし、該照射により形成された酸化膜を除去した後、さ
らに上記第二のレーザ光の照射を行うことも可能であ
る。なお、高い特性を得るためには、加熱処理条件とレ
ーザアニール条件を最適化する必要がある。
【0019】また、このようにして得られる結晶構造を
有する半導体膜には、金属元素(ここではニッケルまた
は、パラジウム、または鉛等)が残存している。それは
膜中において一様に分布していないにしろ、平均的な濃
度とすれば、1×1019/cm3を超える濃度で残存してい
る。勿論、このような状態でもTFTをはじめ各種半導
体素子を形成することが可能であるが、以下に示すゲッ
タリング技術を用いて前記金属元素を除去すると、オフ
電流値のばらつきや、上昇を抑制できるので好ましい。
【0020】まず、結晶構造を有する半導体膜上にエッ
チングストッパーとなる酸化膜(バリア層)を形成し、
希ガス元素を含む半導体膜(ゲッタリングサイト)を形
成した後、ゲッタリングサイトに金属元素をゲッタリン
グし、前記希ガス元素を含む半導体膜を除去する。な
お、希ガス元素はHe、Ne、Ar、Kr、Xeから選ばれた一種
または複数種であり、これらの元素を半導体膜中に含有
させることにより、ダングリングボンドや、格子歪みを
形成してゲッタリングサイトを形成する。
【0021】このゲッタリング技術を適用する際におい
ても、酸化膜を形成する前に第二のレーザ光を照射して
半導体膜の平坦性を向上させることでゲッタリングの効
果を増大させることができる。即ち、ゲッタリングを行
う前に第二のレーザ光を照射して前記平坦化を行い、金
属元素が偏析しやすい半導体膜表面の凸部を小さくする
ことは極めて有効である。本発明の構成の一つは、半導
体膜のレーザ照射されている部分の極近傍の雰囲気を制
御し、第一のレーザ光の照射の際には前記雰囲気を酸素
を含む雰囲気とし、第二のレーザ光の照射の際には前記
雰囲気を酸素を含まない雰囲気とすることで、半導体膜
の表面の平坦化を行った後、ゲッタリングを行う工程を
有する半導体装置の作製方法である。
【0022】或いは、ゲッタリング技術を適用し、酸化
膜を除去した後、第二のレーザ光を照射して半導体膜の
表面を平坦化してもよい。また、希ガス元素を含む半導
体膜を形成する際に結晶構造を有する半導体膜に希ガス
元素が添加された場合、第二のレーザ光の照射で膜中の
希ガス元素の低減、または除去ができる。
【0023】本明細書で開示する発明の構成1は、絶縁
表面上に半導体膜を形成する第1工程と、不活性気体を
前記半導体膜に大気を混入させることなく吹き付けなが
らレーザ光を照射して半導体膜をアニールする第2の工
程と、を有することを特徴とする半導体装置の作製方法
である。
【0024】上記発明において、前記不活性気体に含ま
れる酸素濃度が10ppm以下であると、半導体膜の酸化
をよく抑えることができ、レーザ光の照射により半導体
膜の表面に形成される凹凸が小さくなるので好ましい。
また、前記気体の流速を非常に早くすることで、半導体
膜の表面に形成される凹凸を小さくすることができる。
流速を早める手段には、エアナイフなどを用いるとよ
い。
【0025】他の発明の構成2は、絶縁表面上に半導体
膜を形成する第1工程と、不活性気体または、酸素を含
む気体を噴射し半導体膜上で浮上する板を介してレーザ
光を照射して半導体膜をアニールする第2の工程と、を
有することを特徴とする半導体装置の作製方法である。
【0026】半導体膜上で板を浮上させることにより、
板と半導体膜との間の距離をより狭くすることができる
ため、半導体膜の近傍を不活性気体のみとすることがで
きる。レーザ照射を板を介して行うため、前記板には例
えば、レーザ光を通過させる窓を設ける。或いは、前記
板にはレーザ光を通過させる開口部を設ける。前記板に
は、レーザ光の入射側にレーザ光を透過させる窓を設
け、レーザ光の出射側に開口部を設けると、板の浮力を
高めることができるため気体の流量を抑えることができ
るので好ましい。本発明の構成は、不活性気体のみでな
く、酸素を含んだ気体の噴射にも適応できる。また、不
活性気体や酸素を含む気体のみでなく、他の気体の噴射
にも適用できる。酸素を含んだ気体の噴射とレーザ光の
照射を同時に行うことにより、半導体表面の酸化を促進
させ、半導体膜の特性を向上させることができる。これ
により、大気中で行うレーザ光の照射と比較して、半導
体膜への酸素以外の不純物の混入を抑えることができ
る。
【0027】本発明の他の構成3は、絶縁表面上に半導
体膜を形成する第1工程と、前記半導体膜にレーザ光を
照射して結晶構造を有する半導体膜及び該膜上に酸化膜
とを形成する第2工程と、前記酸化膜を除去する第3工
程と、不活性気体を前記半導体膜に大気を混入させるこ
となく吹き付けながらレーザ光を照射して前記半導体膜
の表面を平坦化する第4工程とを有することを特徴とす
る半導体装置の作製方法である。前記第4工程における
レーザ光のエネルギー密度は、前記第2工程におけるレ
ーザ光のエネルギー密度より高いとより平坦化の効果が
上がるのでよい。また、前記第2工程におけるレーザ光
の照射時の雰囲気は、大気または酸素と窒素との混合気
体であると半導体膜の特性が向上するのでよい。
【0028】本発明の他の構成4は、絶縁表面上に半導
体膜を形成する第1工程と、前記半導体膜にレーザ光を
照射して結晶構造を有する半導体膜及び該膜上に酸化膜
を形成する第2工程と、前記結晶構造を有する半導体膜
の表面をオゾンを含む溶液で酸化する第3工程と、前記
酸化膜を除去する第4工程と、不活性気体を前記半導体
膜に大気を混入させることなく吹き付けながらレーザ光
を照射して前記半導体膜の表面を平坦化する第5工程と
を有することを特徴とする半導体装置の作製方法であ
る。前記第5工程におけるレーザ光のエネルギー密度
は、前記第2工程におけるレーザ光のエネルギー密度よ
り高いとより半導体膜を平坦化できるので好ましい。
【0029】本発明の他の構成5は、絶縁表面上に半導
体膜を形成する第1工程と、前記半導体膜にレーザ光を
照射して結晶構造を有する半導体膜及び該膜上に酸化膜
とを形成する第2工程と、前記酸化膜を除去する第3工
程と、不活性気体を前記半導体膜に大気を混入させるこ
となく吹き付けながらレーザ光を照射して前記半導体膜
の表面を平坦化する第4工程と、を有することを特徴と
する半導体装置の作製方法である。前記第4工程におけ
るレーザ光のエネルギー密度は、前記第2工程における
レーザ光のエネルギー密度より高いとより半導体膜を平
坦化できるので好ましい。
【0030】上記の一連の発明において、前記不活性気
体は、窒素または希ガスまたは水素またはそれらの混合
気体であると半導体膜の平坦化がよく達成されるので好
ましい。
【0031】上記の一連の発明において、前記不活性気
体は50℃以上に加熱されるとレーザのエネルギーの不
足を補えるため、より大面積のレーザ光を得ることがで
きる。
【0032】上記の一連の発明において、前記不活性気
体は水素を0.1〜5%含んでいると酸素と化合するため、
半導体膜表面の酸化をより抑えることができる。
【0033】上記の一連の発明において、前記レーザ光
は前記半導体膜面上において線状のエネルギー分布を持
つとレーザの照射が効率よく行えるため好ましい。
【0034】また、本発明の他の構成6は、レーザ発振
器と、光学系と、気体を噴射する開口部が設けられた板
と、基板を配置するステージと、前記板から気体を噴射
させ、前記ステージに配置する前記基板上で前記板を浮
上させる手段と、を有することを特徴とするレーザ照射
装置である。
【0035】また、本発明の他の構成7は、レーザ発振
器と、光学系と、気体を噴射する開口部と前記レーザ発
振器が射出するレーザ光に対し透光性をもつ窓を設けた
板と、基板を配置するステージと、前記板から気体を噴
射させ、前記ステージに配置する前記基板上で前記板を
浮上させる手段と、を有することを特徴とするレーザ照
射装置である。
【0036】上記各レーザ照射装置の発明において、前
記光学系は前記レーザ発振器から射出するレーザ光を基
板を配置する面において線状に整形するものであると、
レーザの処理の効率が高いので好ましい。
【0037】上記各レーザ照射装置の発明において、前
記気体は不活性気体であると半導体膜の表面の酸化が抑
えられるため、半導体膜表面に形成される凹凸が小さく
抑えることができるので好ましい。このとき、前記気体
は酸素濃度が10ppm以下の不活性気体であるとより半
導体膜の表面の酸化が防げるので好ましい。また、前記
不活性気体は窒素または希ガスまたは水素またはそれら
の混合気体であると、半導体膜への不純物の混入がより
抑えられるので好ましい。
【0038】上記各レーザ照射装置の発明において、前
記レーザ光を前記基板に照射する際、前記板と前記基板
との距離が0.01〜1mmであると基板近傍の雰囲気がよく
制御できるので好ましい。
【0039】上記各レーザ照射装置の発明において、前
記気体の加熱手段があるとレーザエネルギーを補え、よ
り大面積にレーザ光を広げることができるため、生産性
が向上し好ましい。
【0040】上記各レーザ照射装置の発明において、前
記気体を噴射する開口部を通過したレーザ光のみが選択
的に基板へ照射されることを特徴としており、開口部は
スリットとして機能している。
【0041】また、本発明者らは、以下に示す実験を行
った。
【0042】(実験)図20に示す治具を用いて窒素ブ
ローとレーザ光の照射とを同時に行う方法と、N2ガン
で窒素ガスを吹き付けながらレーザ光を照射する方法と
を比較する実験を行った。
【0043】まず、ガラス基板上にPCVD法により非
晶質半導体膜(アモルファスシリコン膜)を形成する。
次いで、ニッケルを含む溶液を塗布した後、スピンコー
トを行う。次いで、電気炉を用いた熱処理(450℃、
1時間の熱処理後に550℃、4時間)を行って結晶化
させ、結晶構造を有する半導体膜(ポリシリコン膜)を
得る。
【0044】この結晶構造を有する半導体膜に以下の条
件でレーザ光の照射を行った。
【0045】(比較条件)大気でエキシマレーザ光を照
射した後の表面写真(暗視野反射モード:500倍、露
出時間3.2min)が図21(A)である。図21
(A)では、凹凸による小さな白点が多数観測ででき
る。
【0046】(条件1)結晶構造を有する半導体膜の表
面に形成された薄い酸化膜(図示しない)を除去した
後、図20に示す治具を用いて窒素ブローとレーザ光の
照射とを同時に行った。照射した後の表面写真(暗視野
反射モード:500倍、露出時間3.2min)が図21
(B)である。図21(B)では、図21(A)に比べ小
さな白点の数が低減していることから平坦性が向上して
いることが確認できる。
【0047】なお、図20(A)は治具の上面図であ
り、図20(B)は断面図である。図20に示す治具
は、図2(a)に示した図と原理はほぼ同じである。図
20に示す治具1200は、金属からなる遮蔽板で構成
されており、レーザー光が通過する窓(石英など)と、
不活性ガス(窒素ガスなど)を治具内に導入する手段
(管など)が設けられ、さらに不活性ガス(窒素ガスな
ど)を噴出させる開口部1202とを有している。ここ
では2箇所から不活性ガスを治具内に導入する例を示
す。
【0048】また、図20に示す治具は、基板1205
上に形成された半導体膜1206表面と2.5mmの間
隔を保って固定している。また、基板1205を移動さ
せてレーザ光1203の走査を行っている。また、図2
0(C)に示すように、治具は、窒素ガスが吹き出る穴
(開口部)1202を通過してレーザ光1203が照射
するようになっている。従って、図20に示す治具は、
窒素ガスとレーザ光とが両方同じ箇所(開口部120
2)を通過するものとなる。また、開口部1202はス
リットとなり、開口部1202以外の場所に照射される
レーザ光は遮蔽される。この治具を用いることによっ
て、不活性気体を吹き付けながら、半導体膜を大気(特
に酸素)にふれることなくレーザ光を照射して半導体膜
の表面を平坦化することができる。
【0049】(条件2)結晶構造を有する半導体膜の表
面に形成された薄い酸化膜(図示しない)を除去せず
に、大気中でレーザ光(1回目)を照射した後、表面の
酸化膜除去を行い、さらに図20に示す治具を用いて窒
素ブローとレーザ光(2回目)の照射とを同時に行っ
た。照射した後の表面写真(暗視野反射モード:500
倍、露出時間3.2min)が図21(C)である。図21
(C)では、大気でレーザ光の照射を行った後の半導体
膜の表面状態を顕微鏡で観察したもの(図21(A))
や条件1のもの(図21(B))に比べて、半導体膜の
表面状態の荒れを少なくすることができ、平坦化させる
ことが可能なことを確認できた。
【0050】さらに、上記治具を用いたレーザ光の照射
に対して、比較のため、N2ガンで窒素ガスを吹き付け
る方法でレーザ光の照射を行った場合、窒素ガスを吹き
付ける際、周囲の大気に含まれる酸素を巻き込んでしま
い、半導体膜表面を平坦化させる効果は確認できなかっ
た。
【0051】また、レーザ照射装置に図20に示す治具
を適用する際、具体的な一例を図22に示す。図22
(A)は下面図であり、図22(B)は断面図である。
図22では1箇所から不活性ガスを治具内に導入する例
を示す。
【0052】図22において、レーザ発振器から出射さ
れたレーザ光1303は、不活性ガスで充填された空間
に配置された光学系1304に通過させて、集光または
レーザ光の照射形状を所望の形状(ここでは矩形もしく
は線状)とし、基板1305上の半導体膜1306に照
射する。光学系1304は、第1の遮蔽板1301aで
仕切られ、不活性気体で充填された空間に配置されてい
る。第1の遮蔽板1301aは、前記レーザ発振器が射
出するレーザ光に対し透光性をもつ材料からなる窓13
00a、1300bが設けられている。
【0053】また、基板1305を配置するステージ
(図示しない)と、該ステージと前記光学系1304の
間に第2の遮蔽板1301bを有しており、該第2の遮
蔽板は、レーザ光1303が通過する開口部1302を
有し、該開口部から不活性ガスを噴射させることができ
る。なお、図22(B)に示す第2の遮蔽板1301b
は、基板1305上に形成された半導体膜1306表面
と2.5mmの間隔を保って第1の遮蔽板1301aと
固定されている。また、基板1305を配置するステー
ジを移動させてレーザ光1303の走査を行っている。
図22に示す機構を備えたレーザ照射装置を用いること
によって、不活性気体を吹き付けながら、半導体膜を大
気(特に酸素)にふれることなくレーザ光を照射して半
導体膜の表面を平坦化することができる。
【0054】また、図22に示した照射システムは、レ
ーザ照射装置に図20に示す治具を単に組み合わせたも
のではない。図20に示す治具と窒素パージされた光学
系とを単純に組み合わせた場合、通過させる窓(石英)
は3つとなり、1つの窓を通過すると約1%のロスが発
生することから、トータルで約3%のレーザエネルギー
ロスが発生する。一方、図22に示した照射システムに
おいては、通過させる窓(石英)が2つ(1300a、
1300b)となっており、トータルでのレーザエネル
ギーロスを約2%に抑えている。
【0055】また、本発明の他の構成8は、レーザ発振
器と、第1の遮蔽板と、該第1の遮蔽板で仕切られ、不
活性気体で充填された空間に配置された光学系と、基板
を配置するステージと、該ステージと前記光学系の間に
第2の遮蔽板を有し、前記第1の遮蔽板は、前記レーザ
発振器が射出するレーザ光に対し透光性をもつ材料から
なる窓を有し、前記第2の遮蔽板は、レーザ光が通過す
る開口部を有し、該開口部から不活性ガスを噴射させる
ことを特徴とするレーザ照射装置である。
【0056】上記構成において、前記第1の遮蔽板と前
記第2の遮蔽板との間の空間に不活性気体ガスを導入す
る手段が設けられ、該手段で導入されたガスは、前記第
2の遮蔽板の開口部のみから噴出されることを特徴とし
ている。
【0057】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、以下
に説明する。
【0058】本発明の1つは、絶縁表面上に半導体膜を
形成するプロセスと、該半導体膜に第一のレーザ光を大
気雰囲気または酸素を含む雰囲気で照射して結晶構造を
有する半導体膜及び該膜上に酸化膜とを形成するプロセ
スと、該酸化膜を除去するプロセスと、第一のレーザ光
より高いエネルギー密度、例えば5〜15%高いエネル
ギー密度を有し、該半導体膜の平坦性を高める第二のレ
ーザ光を前記半導体膜に照射しながら、第二のレーザ光
が照射されている領域に酸素を含まない気体を吹き付け
るプロセスとを有している。なお、第二のレーザ光を照
射して半導体膜表面を平坦化するプロセスは、結晶構造
を有する半導体膜を所望の形状にパターニングした後に
行ってもよい。
【0059】以下に本発明を用いて作製される代表的な
TFTの作製手順を図4〜図6を用いて示す。
【0060】(実施の形態1)図4(A)中100は、絶
縁表面を有する基板、101はブロッキング層となる絶
縁膜、102は非晶質構造を有する半導体膜である。
【0061】図4(A)において、基板100はガラス基
板、石英基板、セラミック基板などを用いることができ
る。また、シリコン基板、金属基板またはステンレス基
板の表面に絶縁膜を形成したものを用いてもよい。ま
た、本工程の処理温度に耐える耐熱性を有するプラスチ
ック基板を用いてもよい。
【0062】まず、図4(A)に示すように基板100上
に酸化シリコン膜、窒化シリコン膜または酸化窒化シリ
コン膜(SiOxNy)等の絶縁膜から成る下地絶縁膜101
を形成する。代表的な一例は、下地絶縁膜101を2層
構造とし、SiH4、HN3、及びN2Oを反応ガスとして成膜さ
れる第一酸化窒化シリコン膜を50〜100nm、SiH4
及びN2Oを反応ガスとして成膜される第二酸化窒化シリ
コン膜を100〜150nmの厚さに積層形成する構造で
ある。また、下地絶縁膜101の一層として膜厚10nm
以下の窒化シリコン膜(SiN膜)、或いは第二酸化窒化
シリコン膜(SiOxN y膜(x≫y))を用いることが好まし
い。ゲッタリングの際、ニッケルは酸素濃度の高い領域
に移動しやすい傾向があるため、半導体膜と接する下地
絶縁膜を窒化シリコン膜とすることは極めて有効であ
る。また、第一酸化窒化シリコン膜、第二酸化窒化シリ
コン膜、窒化シリコン膜とを順次積層した3層構造とし
てもよい。
【0063】ついで、下地絶縁膜上に非晶質構造を有す
る第一の半導体膜102を形成する。第1の半導体膜1
02は、シリコンを主成分とする半導体材料を用いる。
代表的には、非晶質シリコン膜又は非晶質シリコンゲル
マニウム膜などが適用され、プラズマCVD法や減圧CVD
法、或いはスパッタ法で10〜100nmの厚さに形成す
る。後の結晶化で良質な結晶構造を有する半導体膜を得
るためには、非晶質構造を有する第一の半導体膜102
の膜中に含まれる酸素、窒素などの不純物濃度を5×1
18/cm3(二次イオン質量分析法(SIMS)にて測定した
原子濃度)以下にしておくとよい。これらの不純物は後
の結晶化を妨害する要因となり、また、結晶化後におい
ても捕獲中心や再結合中心の密度を増加させる要因とな
る。そのために、高純度の材料ガスを用いることはもと
より、反応室内の鏡面処理(電界研磨処理)やオイルフ
リーの真空排気系を備えた超高真空対応のCVD装置を用
いることが望ましい。
【0064】次いで、非晶質構造を有する第一の半導体
膜102を結晶化させる技術としてここでは特開平8-78
329号公報記載の技術を用いて結晶化させる。同公報記
載の技術は、非晶質シリコン膜(アモルファスシリコン
膜とも呼ばれる)に対して結晶化を助長する金属元素を
選択的に添加し、加熱処理を行うことで該金属元素を核
として成長した無数の結晶粒からなる半導体膜を形成す
るものである。まず、非晶質構造を有する第一の半導体
膜102に表面に、結晶化を促進する触媒作用のある金
属元素(ここではニッケル)を重量換算で1〜100pp
m含む酢酸ニッケル塩溶液をスピナーで塗布してニッケ
ル含有層103を形成する。(図4(B))塗布によるニ
ッケル含有層103の形成方法以外の他の手段として、
スパッタ法、蒸着法、またはプラズマ処理により極薄い
膜を形成する手段を用いてもよい。また、ここでは、全
面に塗布する例を示したが、マスクを形成して選択的に
ニッケル含有層を形成してもよい。
【0065】次いで、加熱処理を行い、結晶化を行う。
この場合、結晶化は半導体の結晶化を助長する金属元素
が接した半導体膜の部分でシリサイドが形成され、それ
らを核として結晶化が進行する。こうして、図4(C)に
示す結晶構造を有する第一の半導体膜104aが形成さ
れる。なお、結晶化後での第一の半導体膜104aの酸
素濃度は、5×1018/cm3以下とすることが望ましい。
ここでは、脱水素化のための熱処理(450℃、1時
間)の後、結晶化のための熱処理(550℃〜650℃
で4〜24時間)を行う。また、強光の照射により結晶
化を行う場合は、赤外光、可視光、または紫外光のいず
れか一またはそれらの混在するものを用いることが可能
であるが、代表的には、ハロゲンランプ、メタルハライ
ドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークラン
プ、高圧ナトリウムランプ、または高圧水銀ランプから
射出された光を用いる。ランプ光源は、1〜60秒、好
ましくは30秒から60秒点灯させ、それを1〜10回
繰り返し、半導体膜が瞬間的に600℃〜1000℃程
度にまで加熱すればよい。なお、必要であれば、強光を
照射する前に非晶質構造を有する第一の半導体膜104
aに含有する水素を放出させる熱処理を行ってもよい。
また、熱処理と強光の照射とを同時に行って結晶化を行
ってもよい。生産性を考慮すると。結晶化は強光の照射
により行うことが好ましい。
【0066】このようにして得られる第一の半導体膜1
04aには、金属元素(ここではニッケル)が残存して
いる。それは膜中において一様に分布していないにし
ろ、平均的な濃度では、1×1019/cm3を超える濃度で
残存している。勿論、このような状態でもTFTをはじめ
各種半導体素子を形成することが可能であるが、以降に
示す方法で当該元素を除去する。
【0067】次いで、結晶化率(膜の全体積における結
晶成分の割合)を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修
するために、結晶構造を有する第1の半導体膜104a
に対してレーザ光(第1のレーザ光)を大気または酸素
を含有する雰囲気で照射する。レーザ光(第1のレーザ
光)を照射した場合、表面に凹凸が形成されるとともに
薄い酸化膜105aが形成される。(図4(D))この
レーザ光(第1のレーザ光)には波長400nm以下のエ
キシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調波、第3高
調波を用いる。また、エキシマレーザ光に代えて紫外光
ランプから発する光を用いてもよい。
【0068】さらに、オゾン含有水溶液(代表的にはオ
ゾン水)で酸化膜(ケミカルオキサイドと呼ばれる)を
形成して合計1〜10nmの酸化膜からなるバリア層1
05bを形成し、このバリア層105b上に希ガス元素
を含む第2の半導体膜106を形成する。(図4
(E))なお、ここでは、結晶構造を有する第1の半導
体膜104aに対してレーザ光を照射した場合に形成さ
れる酸化膜105aもバリア層の一部と見なしている。
このバリア層105bは、後の工程で第2の半導体膜1
06のみを選択的に除去する際にエッチングストッパー
として機能する。また、オゾン含有水溶液に代えて、硫
酸、塩酸、硝酸などと過酸化水素水を混合させた水溶液
で処理しても同様にケミカルオキサイドを形成すること
ができる。また、他のバリア層105bの形成方法とし
ては、酸素雰囲気下の紫外線の照射でオゾンを発生させ
て前記結晶構造を有する半導体膜の表面を酸化して形成
してもよい。また、他のバリア層105bの形成方法と
しては、プラズマCVD法やスパッタ法や蒸着法などで
1〜10nm程度の酸化膜を堆積してバリア層としても
良い。また、他のバリア層105の形成方法としては、
クリーンオーブンを用い、200〜350℃程度に加熱
して薄い酸化膜を形成しても良い。なお、バリア層10
5bは、上記方法のいずれか一の方法、またはそれらの
方法を組み合わせて形成されたものであれば特に限定さ
れないが、後のゲッタリングで第1の半導体膜中のニッ
ケルが第2の半導体膜に移動可能な膜質または膜厚とす
ることが必要である。
【0069】ここでは、希ガス元素を含む第2の半導体
膜106をスパッタ法にて形成し、ゲッタリングサイト
を形成する。(図4(E))なお、第1の半導体膜には
希ガス元素が添加されないようにスパッタ条件を適宜調
節することが望ましい。希ガス元素としてはヘリウム
(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプ
トン(Kr)、キセノン(Xe)から選ばれた一種また
は複数種を用いる。中でも安価なガスであるアルゴン
(Ar)が好ましい。ここでは希ガス元素を含む雰囲気
でシリコンからなるターゲットを用い、第2の半導体膜
を形成する。膜中に不活性気体である希ガス元素イオン
を含有させる意味は二つある。一つはダングリングボン
ドを形成し半導体膜に歪みを与えることであり、他の一
つは半導体膜の格子間に歪みを与えることである。半導
体膜の格子間に歪みを与えるにはアルゴン(Ar)、ク
リプトン(Kr)、キセノン(Xe)などシリコンより
原子半径の大きな元素を用いた時に顕著に得られる。ま
た、膜中に希ガス元素を含有させることにより、格子歪
だけでなく、不対結合手も形成させてゲッタリング作用
に寄与する。
【0070】また、一導電型の不純物元素であるリンを
含むターゲットを用いて第2の半導体膜を形成した場
合、希ガス元素によるゲッタリングに加え、リンのクー
ロン力を利用してゲッタリングを行うことができる。
【0071】また、ゲッタリングの際、ニッケルは酸素
濃度の高い領域に移動しやすい傾向があるため、第2の
半導体膜106に含まれる酸素濃度は、第1の半導体膜
に含まれる酸素濃度より高い濃度、例えば5×1018
cm3以上とすることが望ましい。
【0072】次いで、加熱処理を行い、第1の半導体膜
中における金属元素(ニッケル)の濃度を低減、あるい
は除去するゲッタリングを行う。(図4(F))ゲッタ
リングを行う加熱処理としては、強光を照射する処理ま
たは熱処理を行えばよい。この処理により、図4(F)
中の矢印の方向(即ち、基板側から第2の半導体膜表面
に向かう方向)に金属元素が移動し、第1の半導体膜1
04aに含まれる金属元素は、バリア層105を介し
て、第2の半導体膜106に移動する。この処理により
第一の半導体膜中の金属元素の濃度は減少する。金属元
素がゲッタリングの際に移動する距離は、少なくとも第
1の半導体膜の厚さ程度の距離であればよく、比較的短
時間でゲッタリングを完遂することができる。ここで
は、ニッケルが第1の半導体膜104aに偏析しない状
態を達成すればよい。具体的には、第1の半導体膜10
4aに含まれるニッケルがほとんど存在しない、即ち膜
中のニッケル濃度が1×1018/cm3以下、望ましく
は1×1017/cm3以下になるように十分ゲッタリン
グすればよい。
【0073】また、このゲッタリングの加熱処理の条件
によっては、ゲッタリングと同時に第1の半導体膜の結
晶化率を高め、結晶粒内に残される欠陥を補修する、即
ち結晶性の改善を行うことができる。
【0074】本明細書において、ゲッタリングとは、被
ゲッタリング領域(ここでは第1の半導体膜)にある金
属元素が熱エネルギーにより放出され、拡散によりゲッ
タリングサイトに移動することを指している。
【0075】また、このゲッタリングの加熱処理として
強光を照射する処理を用いる場合は、加熱用のランプ光
源を1〜60秒、好ましくは30〜60秒点灯させ、そ
れを1〜10回、好ましくは2〜6回繰り返す。ランプ
光源の発光強度は任意なものとするが、瞬間的には60
0〜1000℃、好ましくは700〜750℃程度に半
導体膜が加熱されるようにする。
【0076】また、熱処理で行う場合は、酸化を防ぐた
め窒素雰囲気中で450〜800℃、1〜24時間、例
えば550℃にて14時間の熱処理を行えばよい。ま
た、熱処理に加えて強光を照射してもよい。
【0077】次いで、バリア層105bをエッチングス
トッパーとして、106で示した第2の半導体膜のみを
選択的に除去した後、酸化膜からなるバリア層105b
を除去する。第2の半導体膜のみを選択的にエッチング
する方法としては、ClF3によるプラズマを用いない
ドライエッチング、或いはヒドラジンや、テトラエチル
アンモニウムハイドロオキサイド(化学式 (CH34
NOH)を含む水溶液などアルカリ溶液によるウエット
エッチングで行うことができる。また、第2の半導体膜
を除去した後、バリア層の表面をTXRFでニッケル濃
度を測定したところ、ニッケルが高濃度で検出されるた
め、バリア層は除去することが望ましく、フッ酸を含む
エッチャントにより除去すれば良い。
【0078】次いで、結晶構造を有する第1の半導体膜
に対してレーザ光(第2のレーザ光)を照射しながら、
該半導体膜にレーザ光が照射されている領域に、酸素を
含まない気体(例えば窒素、ヘリウム等)を吹き付け
る。これにより、レーザ光の照射されている半導体膜の
領域の近傍は酸素の少ない雰囲気とすることができる。
気体の吹きつけの効果をより高めるために、レーザ光の
照射されている半導体膜の直上に、気体を噴射する板1
16を配置し、該板116を半導体膜の上でエア浮上さ
せるとよい。気体は気体供給管117を介して、板11
6に供給される。板116は、図示しない適当な支えを
用いて保持させ、位置のずれを抑えるとよい。このと
き、板116と半導体膜の間の距離は、0.01〜1mm程度
とする。この距離は狭ければ狭いほどよい。該板をエア
浮上させなくても該板が半導体膜の近くに設置されてい
れば同様な効果が期待できる。この場合は該板と基板が
接触する可能性を無くすために1〜5mm程度の距離とす
るとよい。また、板116の大きさは、レーザ光が照射
される領域(ここでは長方形状とする)の長辺と短辺の
長さにそれぞれ40mm程度加えられた程度あるとよい。
【0079】酸素濃度が低減された状態でレーザ光を半
導体膜に照射すると適当なエネルギーで半導体膜の表面
が平坦化することが実験から判っている。つまりレーザ
光(第2のレーザ光)を例えば、酸素濃度が10ppm以
下の雰囲気下において、適当なエネルギーで照射した場
合、第1のレーザ光の照射により形成された凹凸の高低
差(P―V値:Peak to Valley、高さの最大値と最小値
の差分)が低減、即ち、平坦化される。(図4(G))
ここで、凹凸のP―V値は、AFM(原子間力顕微鏡)
により観察すればよい。具体的には、第1のレーザ光の
照射により形成された凹凸のP―V値が10nm〜30
nm程度であった表面は、第2のレーザ光の照射により
表面における凸凹のP―V値を5nm以下とすることが
できる。このレーザ光(第2のレーザ光)には波長40
0nm以下のエキシマレーザ光や、YAGレーザの第2高
調波、第3高調波を用いる。また、エキシマレーザ光に
代えて紫外光ランプから発する光を用いてもよい。
【0080】本発明者らは、以下に示す実験を行った。
【0081】(実験1)まず、ガラス基板上に下地絶縁
膜(酸化窒化シリコン膜、膜厚150nm)を形成し、
その上にプラズマCVD法により膜厚54nmの非晶質
シリコン膜を形成した試料を用意した。次いで、ニッケ
ルを重量換算で10ppm含む溶液を塗布した後、50
0℃、1時間の熱処理を行った後、さらに550℃、4
時間の熱処理を行って結晶化させて結晶構造を有するシ
リコン膜を形成した。次いで、希フッ酸で半導体膜の表
面を洗浄した後、大気または酸素を含有する雰囲気で第
1のレーザ光(エキシマレーザ)を照射する。ここでの
第1のレーザ光におけるエネルギー密度は476mJ/
cm2とした。次いで、第1のレーザ光照射の際に形成
された酸化膜を希フッ酸で除去した後、第2のレーザ光
のエネルギー密度(476、507、537、567m
J/cm2)の条件を振って窒素雰囲気でそれぞれ照射
してP―V値を測定して比較を行った。
【0082】図15に実験結果を示す。
【0083】図15より、第2のレーザ光のエネルギー
密度は、第1のレーザ光のエネルギー密度より大きく
し、好ましくは30〜60mJ/cm2(第一のレーザ
光のエネルギー密度の5〜15%程度)大きくする。た
だし、第2のレーザ光のエネルギー密度が第1のレーザ
光のエネルギー密度よりも90mJ/cm2以上大きい
エネルギー密度だと、表面の粗さが増大し、さらに結晶
性の低下、或いは微結晶化してしまい、特性が悪化する
傾向が見られた。
【0084】なお、第2のレーザ光の照射は、第1のレ
ーザ光のエネルギー密度よりも高いが、照射前後で結晶
性はほとんど変化しない。また、粒径などの結晶状態も
ほとんど変化しない。即ち、この第2のレーザ光の照射
では平坦化のみが行われていると推測できる。
【0085】結晶構造を有する半導体膜が第2のレーザ
光の照射により平坦化されたメリットは非常に大きい。
例えば、平坦性が向上したことによって、後に形成され
るゲート絶縁膜を薄くすることが可能となり、TFTの
移動度を向上させることができる。また、平坦性が向上
したことによって、TFTを作製した場合、オフ電流を
低減することができる。
【0086】次いで、平坦化された第1の半導体膜10
4bを公知のパターニング技術を用いて所望の形状の半
導体層107を形成する。(図5(A))また、レジス
トからなるマスクを形成する前に、オゾン水で表面に薄
い酸化膜を形成することが望ましい。
【0087】次いで、半導体層の表面をフッ酸を含むエ
ッチャントで洗浄した後、ゲート絶縁膜108となる珪
素を主成分とする絶縁膜を形成する。この表面洗浄とゲ
ート絶縁膜の形成は、大気にふれさせずに連続的に行う
ことが望ましい。
【0088】次いで、ゲート絶縁膜108の表面を洗浄
した後、ゲート電極109を形成する。次いで、半導体
にn型を付与する不純物元素(P、As等)、ここでは
リンを適宜添加して、ソース領域110及びドレイン領
域111を形成する。その後、ゲート電極109を少し
エッチングし、さらに、リンをソース領域110に添加
した量よりも少なく添加し、低ドーズ領域118、11
9を形成してもよい。前記低ドーズ領域は、LDD(L
DD:Lightly Doped Drain)領域と呼ばれる。この構
造はチャネル形成領域と、高濃度に不純物元素を添加し
て形成するソース領域またはドレイン領域との間に低濃
度に不純物元素を添加した領域を設けたものである。さ
らにゲート絶縁膜を介してLDD領域をゲート電極と重
ねて配置させた、いわゆるGOLD(Gate-drain Overl
apped LDD)構造としてもよい。
【0089】添加した後、不純物元素を活性化するため
に加熱処理、強光の照射、またはレーザ光の照射を行
う。また、活性化と同時にゲート絶縁膜へのプラズマダ
メージやゲート絶縁膜と半導体層との界面へのプラズマ
ダメージを回復することができる。特に、室温〜300
℃の雰囲気中において、表面または裏面からYAGレー
ザの第2高調波を照射して不純物元素を活性化させるこ
とは非常に有効である。YAGレーザはメンテナンスが
容易であるため好ましい活性化手段である。あるいは、
本発明が開示するレーザ照射の工程を使って、半導体膜
の酸化を抑えると半導体膜の表面の凹凸が抑えられるの
で好ましい。
【0090】以降の工程は、層間絶縁膜113を形成
し、水素化を行って、ソース領域、ドレイン領域に達す
るコンタクトホールを形成し、ソース電極114、ドレ
イン電極115を形成してTFT(nチャネル型TF
T)を完成させる。(図5(B))
【0091】こうして得られたTFTのチャネル形成領
域112に含まれる金属元素の濃度は1×1017/cm
3未満とすることができる。また、こうして得られたT
FTの半導体表面における平坦性は、上記本工程により
飛躍的に向上されたため、オフ電流値が低減し、オフ電
流値のバラツキも低減する。
【0092】本発明は図5(B)のTFT構造に限定さ
れない。また、ここではnチャネル型TFTを用いて説
明したが、n型不純物元素に代えてp型不純物元素を用
いることによってpチャネル型TFTを形成することが
できることは言うまでもない。
【0093】また、ここではトップゲート型TFTを例
として説明したが、TFT構造に関係なく本発明を適用
することが可能であり、例えばボトムゲート型(逆スタ
ガ型)TFTや順スタガ型TFTに適用することが可能
である。
【0094】また、ここでは希ガスを含む半導体膜を利
用したゲッタリングを例として説明したが、本発明によ
り金属元素が偏析しやすいリッジを低減することができ
るため、ゲッタリング方法に関係なく本発明は効果的で
あり、例えばリンを選択的に添加してゲッタリングサイ
トを形成し、加熱処理を行うことによってゲッタリング
を行う方法等に適用することが可能であり、実施の形態
1と同様にゲッタリング効果が向上することは言うまで
もない。
【0095】また、パターニング前に第2のレーザ光の
照射を行わず、パターニングにより所望の形状の半導体
層を形成した後に酸化膜を除去した後、酸素を含まない
気体を吹き付けながら第2のレーザ光の照射を行って平
坦化してもよい。
【0096】(実施の形態2)ここでは、実施の形態1
とは異なる工程順序で第2のレーザ光の照射を行う例を
図6に示す。
【0097】まず、実施の形態1に従って、第1のレー
ザ光の照射を行う工程まで行う。なお、図6(A)は図
4(A)に対応し、図6(B)は図4(B)に対応し、
図6(C)は図4(C)に対応し、図6(D)は図4
(D)に対応している。
【0098】また、図6中、200は基板、201はブ
ロッキング層となる絶縁膜、202は非晶質構造を有す
る半導体膜、203はニッケル含有層、204aは結晶
構造を有する半導体膜、205aは酸化膜である。
【0099】次いで、第1のレーザ光の照射により形成
された酸化膜205aを除去する。(図6(E))
【0100】次いで、結晶構造を有する第1の半導体膜
に対してレーザ光(第2のレーザ光)を照射しながら、
該半導体膜にレーザ光が照射されている領域に、酸素を
含まない気体(例えば窒素、ヘリウム等)を吹き付け
る。これにより、レーザ光の照射されている半導体膜の
領域の近傍は酸素の少ない雰囲気とすることができる。
気体の吹きつけの効果をより高めるために、レーザ光の
照射されている半導体膜の直上に、気体を噴射する板1
16を配置し、該板116を半導体膜の上でエア浮上さ
せるとよい。気体は気体供給管117を介して、板11
6に供給される。板116は、図示しない適当な支えを
用いて保持させ、位置のずれを抑えるとよい。このと
き、板116と半導体膜の間の距離は、0.01〜1mm程度
とする。この距離は狭ければ狭いほどよい。該板をエア
浮上させなくても該板が半導体膜の近くに設置されてい
れば同様な効果が期待できる。また、板116の大きさ
は、レーザ光が照射される領域(ここでは長方形状とす
る)の長辺と短辺の長さにそれぞれ40mm程度加えられ
た程度あるとよい。
【0101】酸素濃度が低減された状態でレーザ光を半
導体膜に照射すると適当なエネルギーで半導体膜の表面
が平坦化することが実験から判っている。つまりレーザ
光(第2のレーザ光)を例えば、酸素濃度が10ppm以
下の雰囲気下において、適当なエネルギーで照射した場
合、第1のレーザ光の照射により形成された凹凸の高低
差(P―V値:Peak to Valley、高さの最大値と最小値
の差分)が低減、即ち、平坦化される。(図6(F))
具体的には、第1のレーザ光の照射により形成された凹
凸のP―V値が10nm〜30nmであった表面は、第
2のレーザ光の照射により表面における凸凹のP―V値
を5nm以下とすることができる。このレーザ光(第2
のレーザ光)には波長400nm以下のエキシマレーザ光
や、YAGレーザの第2高調波、第3高調波を用いる。
また、エキシマレーザ光に代えて紫外光ランプから発す
る光を用いてもよい。なお、第2のレーザ光のエネルギ
ー密度は、第1のレーザ光のエネルギー密度より大きく
し、好ましくは30〜60mJ/cm2(第一のレーザ
光のエネルギー密度の5〜15%程度)大きくする。た
だし、第2のレーザ光のエネルギー密度が第1のレーザ
光のエネルギー密度よりも90mJ/cm2以上大きい
エネルギー密度だと、結晶性の低下、或いは微結晶化し
てしまい、特性が悪化する。
【0102】なお、第2のレーザ光の照射は、第1のレ
ーザ光のエネルギー密度よりも高いが、照射前後で結晶
性はほとんど変化しない。また、粒径などの結晶状態も
ほとんど変化しない。即ち、この第2のレーザ光の照射
では平坦化のみが行われていると推測できる。
【0103】結晶構造を有する半導体膜が第2のレーザ
光の照射により平坦化されたメリットは非常に大きい。
例えば、後に行われるゲッタリングの際、リッジにニッ
ケルが偏析しやすい。従って、ゲッタリングを行う前に
第2のレーザ光の照射により予め表面を平坦化した後、
ゲッタリングを行うとゲッタリングの効果が増大する。
また、平坦性が向上したことによって、後に形成される
ゲート絶縁膜を薄くすることが可能となり、TFTの移
動度を向上させることができる。また、平坦性が向上し
たことによって、TFTを作製した場合、オフ電流を低
減することができる。
【0104】次いで、オゾン含有水溶液(代表的にはオ
ゾン水)で酸化膜(ケミカルオキサイドと呼ばれる)を
形成して1〜10nmの酸化膜からなるバリア層205
bを形成し、このバリア層205b上に希ガス元素を含
む第2の半導体膜206を形成する。(図6(G))
【0105】また、他のバリア層205bの形成方法と
しては、酸素雰囲気下の紫外線の照射でオゾンを発生さ
せて前記結晶構造を有する半導体膜の表面を酸化して形
成してもよい。また、他のバリア層205bの形成方法
としては、プラズマCVD法やスパッタ法や蒸着法など
で1〜10nm程度の酸化膜を堆積してバリア層として
も良い。また、他のバリア層205bの形成方法として
は、クリーンオーブンを用い、200〜350℃程度に
加熱して薄い酸化膜を形成しても良い。なお、バリア層
205bは上記方法のいずれか一の方法、またはそれら
の方法を組み合わせて形成されたものであれば特に限定
されないが、後のゲッタリングで第1の半導体膜中のニ
ッケルが第2の半導体膜に移動可能な膜質または膜厚と
することが必要である。
【0106】ここでは、希ガス元素を含む第2の半導体
膜206をスパッタ法にて形成し、ゲッタリングサイト
を形成する。希ガス元素としてはヘリウム(He)、ネ
オン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(K
r)、キセノン(Xe)から選ばれた一種または複数種
を用いる。中でも安価なガスであるアルゴン(Ar)が
好ましい。ここでは希ガス元素を含む雰囲気でシリコン
からなるターゲットを用い、第2の半導体膜を形成す
る。膜中に不活性気体である希ガス元素イオンを含有さ
せる意味は二つある。一つはダングリングボンドを形成
し半導体膜に歪みを与えることであり、他の一つは半導
体膜の格子間に歪みを与えることである。半導体膜の格
子間に歪みを与えるにはアルゴン(Ar)、クリプトン
(Kr)、キセノン(Xe)などシリコンより原子半径
の大きな元素を用いた時に顕著に得られる。また、膜中
に希ガス元素を含有させることにより、格子歪だけでな
く、不対結合手も形成させてゲッタリング作用に寄与す
る。
【0107】次いで、加熱処理を行い、第1の半導体膜
中における金属元素(ニッケル)の濃度を低減、あるい
は除去するゲッタリングを行う。(図6(H))前記加
熱処理は、強光を照射する処理または熱処理とすればよ
い。この処理により、図6(H)中の矢印の方向(即
ち、基板側から第2の半導体膜表面に向かう方向)に金
属元素が移動し、第1の半導体膜204bに含まれる金
属元素は、バリア層205bを介して、第2の半導体膜
206に移動する。この処理により第一の半導体膜中の
金属元素の濃度は減少する。金属元素がゲッタリングの
際に移動する距離は、少なくとも第1の半導体膜の厚さ
程度の距離であればよく、比較的短時間でゲッタリング
を完遂することができる。ここでは、ニッケルが第1の
半導体膜204bに偏析しない状態を達成すればよい。
具体的には、第1の半導体膜204bに含まれるニッケ
ルがほとんど存在しない、即ち膜中のニッケル濃度が1
×10 18/cm3以下、望ましくは1×1017/cm3
下になるように十分ゲッタリングすればよい。
【0108】また、上記ゲッタリングの際、レーザ光の
照射(第1のレーザ光及び第2のレーザ光)によるダメ
ージを修復することが同時に行われる。
【0109】次いで、バリア層205bをエッチングス
トッパーとして、206で示した第2の半導体膜のみを
選択的に除去した後、バリア層205bを除去し、第1
の半導体膜204bを公知のパターニング技術を用いて
所望の形状の半導体層を形成する。
【0110】以降の工程は、実施の形態1と同一の工程
によりTFTを完成させる。
【0111】また、本実施の形態は実施の形態1と組み
合わせることが可能である。また、他の公知のゲッタリ
ング技術と組み合わせることが可能である。
【0112】また、ゲッタリング前に第2のレーザ光の
照射を行わず、所望の形状の半導体層を形成した後に酸
化膜を除去した後、酸素を含まない気体を吹き付けなが
ら第2のレーザ光の照射を行って平坦化してもよい。
【0113】以上の構成でなる本発明について、以下に
示す実施例でさらに詳細な説明を行う。
【0114】
【実施例】[実施例1]本発明の実施例は、図16を用
いて説明する。ここでは、実施の形態に示した結晶化方
法(ニッケルを用いた結晶化方法)とは異なる方法を用
いた例を示す。具体的には、絶縁基板上に設けられた非
晶質構造を有する半導体膜をレーザによりアニールする
方法について詳細に説明する。
【0115】まず、上記実施の形態で示した方法でガラ
ス基板1100上に下地絶縁膜1101を形成する。本
実施例では、ガラス基板上に設ける下地絶縁膜1101
として2層構造を用いるが、前記絶縁膜の単層膜または
2層以上積層させた構造を用いても良い。下地絶縁膜1
101の一層目としては、プラズマCVD法を用い、S
iH4、NH3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される
第1酸化窒化シリコン膜(組成比Si=32%、O=2
7%、N=24%、H=17%)を膜厚50nmで形成
する。次いで、下地絶縁膜1101のニ層目としては、
プラズマCVD法を用い、SiH4及びN2Oを反応ガス
として成膜される第2酸化窒化シリコン膜(組成比Si
=32%、O=59%、N=7%、H=2%)を膜厚1
00nmで形成する。
【0116】次いで、下地絶縁膜1101上にプラズマ
CVD法を用いた非晶質シリコン膜102を50nmの
膜厚で形成する。ここで、一般にプラズマCVD法にて
成膜されたシリコン膜には水素が多く含まれることが多
い。この水素量が多いと、シリコン膜のレーザに対する
耐久性が極端に弱くなるため、ここでは脱水素化のため
の熱処理(窒素雰囲気500℃、1時間)を行う。な
お、ここでは炉を用いた熱処理を用いて脱水素化を行っ
たが、ランプアニール装置で脱水素化を行ってもよい。
(図16(A))
【0117】次いで、前記非晶質シリコン膜1102を
結晶化させるためのレーザ光(XeCl:波長308n
m)の照射を大気中で行う。レーザ光には波長400nm
以下のエキシマレーザ光や、YAGレーザの第2高調
波、第3高調波を用いる。いずれにしても、繰り返し周
波数10〜1000Hz程度のパルスレーザ光を用い、当
該レーザ光を光学系にて、エネルギー密度が100〜5
00mJ/cm2の長方形状に集光し、90〜95%のオーバ
ーラップ率をもって照射し、シリコン膜表面を走査させ
ればよい。ここでは、繰り返し周波数30Hz、エネル
ギー密度476mJ/cm2でレーザ光の照射を大気中で行な
う。レーザ光を集光する光学系には例えば、図1に示し
たトリプレットシリンドリカルレンズ301を用い、線
状に集光させると、レーザ処理の効率が高いので好まし
い。トリプレットシリンドリカルレンズは、球面収差を
抑えるために3枚のレンズで構成されるレンズである。
本発明には、シングレットシリンドリカルレンズ(1枚
構成のレンズ)、図3に示すダブレットシリンドリカル
レンズ319などを用いてもよい。半導体膜面におい
て、よりエネルギー分布の均一なビームを得るには、よ
り球面収差の少ないレンズを用いた方がよいことは言う
までもない。本工程により、結晶構造を有するシリコン
膜1102aが得られる。また、本工程は大気雰囲気で
行われるため、酸化膜1105aが形成される。(図1
6(B))酸化膜1105aは第2のレーザ光の照射の前に
フッ酸などのエッチャントにより除去する。(図16
(C))
【0118】次いで、酸化膜の除去されたシリコン膜1
102bに第2のレーザ光を照射する工程の詳細を図1
に沿って示す。まず、シリコン膜1102bが成膜され
た基板305(図16の基板1100に相当する。)を
ステージ306に配置する。そして、不活性気体を噴射
する板304に気体供給管302から例えば窒素を供給
し、窒素を噴射させる。板の保持機構307により保持
された板304を半導体膜102の直上に配置し、板が
噴射する窒素により、板304を半導体膜上で浮上させ
る。板の保持機構307は板304と完全に固着してい
るわけではなく、板304が浮上する余地が残してあ
る。不活性気体には、希ガス等を用いてもよい。また、
水素を使うことにより、酸素と半導体膜とが反応するこ
とを抑制することができる。
【0119】板304が浮上した状態で、レーザ光を例
えば、トリプレットシリンドリカルレンズ301により
線状に集光させ、レーザ光に対し透光性を有する窓30
3を介してシリコン膜1102に照射し、ステージ30
6を図中矢印の方向、すなわち線状ビームの長さ方向に
対して直角方向に動作させ、シリコン膜1102全体に
レーザ光を照射する。窓303は、石英窓を用いるのが
レーザ光の透過率が高いため好ましい。この工程によ
り、レーザ光がまさに当たっているシリコン膜の近傍の
雰囲気をほとんど窒素雰囲気とすることができる。これ
により、シリコン膜の酸化が防げるので、シリコン膜の
表面に生ずる凹凸が小さくなり好ましい。以上の工程を
経て表面の凹凸が非常に小さい結晶性シリコン膜110
2cを得ることができる。
【0120】本工程は、先に示した第2のレーザ光の照
射に用いると半導体特性が高く、しかもシリコン膜の表
面に生ずる凹凸が小さいものができるので好ましいが、
特に高い特性の半導体膜を必要としない場合には、第一
のレーザ光の照射を省いて、第二のレーザ光の照射のみ
を行い、半導体膜表面に形成される凹凸を小さくしても
よい。前記凹凸の低減は、半導体装置の歩留まり向上に
つながる。本実施例では、非晶質シリコン膜にレーザ光
を照射する例を示したが、先に示した金属元素によるシ
リコン膜の結晶化工程を経た結晶性シリコン膜に同様の
レーザ光の照射を行ってもよい。
【0121】[実施例2]本実施例では、気体を噴射す
る板の構造の例を図2に沿って示す。
【0122】図2a)に気体を噴射する板の一例を示
す。不活性気体を気体供給管309から石英窓310と
アルミ合金311で構成される板に供給し、アルミ合金
の下部に設けられたスリット状の穴から前記不活性気体
を噴射させる。この状態で、半導体膜312の直上に前
記板を配置し、不活性気体の噴射の圧力により浮上させ
る。図2には図示しないが、図1に示した保持機構30
7のような、板の位置を安定させるための保持機構を設
ける必要がある。これにより、板を半導体膜102上で
安定に浮上させることができる。図の例では、レーザ光
を線状に集光させるため、トリプレットシリンドリカル
レンズ308を用いている。これにより、半導体膜10
2にレーザ光を集光させ、より高いエネルギー密度を得
ることができる。
【0123】石英窓310はレーザ光を透光させるため
に設けた。アルミ合金の下部に設けられている穴は、不
活性気体の噴射口の役割と、レーザ光を通す役割とを兼
ねている。アルミ合金を用いたのは、板の軽量化が目的
であるため、他の材料で構成しても構わない。
【0124】次いで、図2b)に他の気体を噴射する板の
例を示す。不活性気体、例えば窒素を気体供給管309
からアルミ合金313で構成される板に供給し、アルミ
合金の上下部に設けられたスリット状の穴から前記不活
性気体を噴射させる。気体供給管は図中に示したように
板の左右に設置されると、構成が左右対称になるため、
より安定に気体を供給できるのでよい。この構成は、図
2a)に示したものに用いてもよい。この状態で、半導体
膜312の直上に前記板を配置し、窒素の噴射の圧力に
より浮上させる。板の上下にスリット上の穴が設けられ
ているため、窒素は板の上下のスリットから噴射する。
板の下方に噴射する窒素は板の浮上のために使われる。
板の上方に噴射される窒素は、板の上方に設けられた光
学素子、本実施例では、トリプレットシリンドリカルレ
ンズ308に吹き付けられるためトリプレットシリンド
リカルレンズへのゴミの付着を防ぐことができる。
【0125】図2には図示しないが、図1に示した保持
機構307のような、板の位置を安定させるための保持
機構を設ける必要がある。これにより、板を半導体膜1
02上で安定に浮上させることができる。図の例では、
レーザ光を線状に集光させるため、トリプレットシリン
ドリカルレンズ308を用いている。これにより、半導
体膜102にレーザ光を集光させ、より高いエネルギー
密度を得ることができる。
【0126】図2b)の例では、板の上下にスリットを設
けたため、両スリットの中にレーザ光を通せばよい。板
にアルミ合金を用いたのは、軽量化が目的であるため、
他の材料で構成しても構わない。
【0127】[実施例3]本実施例では、本発明を量産
工程で実施する例を図3に沿って説明する。レーザ発振
器314には、例えば、ラムダ社製4308Bを用いる。本
レーザは、1パルス当たり670mJのエネルギーを射
出する能力を有しているため、適当な光学系により30
0mm程度の長い線状ビームとすることができる。
【0128】線状ビームを形成させるための光学系31
5の説明をする。光学系315は照射面においてエネル
ギー分布の均一な線状ビームを得るために、ホモジナイ
ザの機構を有している。光学素子316は、シリンドリ
カルレンズアレイとシリンドリカルレンズを組み合わせ
ることにより、線状ビームの短幅方向のエネルギー分布
の均一化を行う。図のようにシリンドリカルレンズアレ
イを2つ用いて、線状ビームの短幅の長さを可変として
もよい。前記長さを変えるには、シリンドリカルレンズ
アレイの距離を変えればよい。また、光学素子317は
同様にシリンドリカルレンズアレイとシリンドリカルレ
ンズを組み合わせることにより、線状ビームの長幅方向
のエネルギー分布の均一化を行う。前記光学素子317
の上面図を図3に示す。図ではシリンドリカルレンズア
レイが1つであるが、2つのシリンドリカルレンズを用
いて線状ビームの長幅の長さを可変としてもよい。ミラ
ー318は水平方向に進むレーザ光を鉛直方向に曲げる
役割を果たす。これにより、線状ビームを水平面に形成
できるため、照射の対象となる半導体膜を水平に設置す
ることが可能となる。ダブレットシリンドリカルレンズ
319により、線状ビームの短幅をさらに短くし、照射
面においてより高いエネルギー密度が得られるようにし
てもよい。これにより、より線状ビームの長さを長くす
ることができるため、大面積の基板にも効率よくレーザ
光を照射できる。レーザを照射する半導体膜まわりの雰
囲気と、光学系315の雰囲気とを分断するために光学
系315を敷居で囲い、レーザ光を透過させる石英窓3
20設けてもよい。例えば、本実施例では、光学系31
5を窒素パージすることで光学系の劣化を抑制する。
【0129】次いで、レーザ光を半導体膜に照射する工
程を説明する。基板324は、図示しないロボットアー
ム等によりステージ325上に配置される。その後、窒
素ボンベ326に接続される気体供給装置322より気
体を噴射する板323に窒素が供給され、窒素が前記板
から適当な流量で噴射される状態とする。次いで、前記
板323を半導体膜直上に配置させ、窒素の噴射により
半導体膜上で浮上させる。窒素気体は、加熱装置327
により加熱するとレーザエネルギーの不足を補うことが
できる。この状態を維持させたまま、レーザ光を照射し
ながら、ステージ325を線状ビームの長幅方向に対し
直角方向に移動させ、半導体膜にレーザ光を照射する。
レーザ発振器314はコントローラ321により制御さ
れており、発振するエネルギーや周波数などを入力させ
ることができる。気体を噴射する板は、適当な動作機構
と接続させ、基板324がステージ325に配置される
前は、適当な場所に待機させると、基板と板との干渉の
可能性が低くなるので好ましい。以上の一連の動作を繰
り返すことにより、多数枚の半導体膜をレーザで処理す
ることができる。
【0130】[実施例4]本実施例ではアクティブマト
リクス基板の作製方法について図7〜図10を用いて説
明する。本明細書ではCMOS回路、及び駆動回路と、
画素TFT、保持容量とを有する画素部を同一基板上に
形成された基板を、便宜上アクティブマトリクス基板と
呼ぶ。
【0131】まず、本実施例ではコーニング社の#70
59ガラスや#1737ガラスなどに代表されるバリウ
ムホウケイ酸ガラス、またはアルミノホウケイ酸ガラス
などのガラスからなる基板400を用いる。なお、基板
400としては、石英基板やシリコン基板、金属基板ま
たはステンレス基板の表面に絶縁膜を形成したものを用
いても良い。また、本実施例の処理温度に耐えうる耐熱
性が有するプラスチック基板を用いてもよい。
【0132】次いで、基板400上に酸化珪素膜、窒化
珪素膜または酸化窒化珪素膜などの絶縁膜から成る下地
膜401を形成する。本実施例では下地膜401として
2層構造を用いるが、前記絶縁膜の単層膜または2層以
上積層させた構造を用いても良い。下地膜401の一層
目としては、プラズマCVD法を用い、SiH4、N
3、及びN2Oを反応ガスとして成膜される酸化窒化珪
素膜401aを10〜200nm(好ましくは50〜10
0nm)形成する。本実施例では、膜厚50nmの酸化窒
化珪素膜401a(組成比Si=32%、O=27%、
N=24%、H=17%)を形成した。次いで、下地膜
401のニ層目としては、プラズマCVD法を用い、S
iH4、及びN2Oを反応ガスとして成膜される酸化窒化
珪素膜401bを50〜200nm(好ましくは100
〜150nm)の厚さに積層形成する。本実施例では、膜
厚100nmの酸化窒化珪素膜401b(組成比Si=
32%、O=59%、N=7%、H=2%)を形成す
る。
【0133】次いで、下地膜上に半導体層402〜40
6を形成する。半導体層402〜406は公知の手段
(スパッタ法、LPCVD法、またはプラズマCVD法
等)により25〜80nm(好ましくは30〜60n
m)の厚さで半導体膜を成膜し、公知の結晶化法(レー
ザ結晶化法、RTAやファーネスアニール炉を用いた熱
結晶化法、結晶化を助長する金属元素を用いた熱結晶化
法等)により結晶化させる。そして、得られた結晶質半
導体膜を所望の形状にパターニングして半導体層402
〜406を形成する。前記半導体膜としては、非晶質半
導体膜や微結晶半導体膜、結晶質半導体膜などがあり、
非晶質珪素ゲルマニウム膜などの非晶質構造を有する化
合物半導体膜を適用しても良い。本実施例では、プラズ
マCVD法を用い、55nmの非晶質珪素膜を成膜す
る。そして、ニッケルを含む溶液を非晶質珪素膜上に保
持させ、この非晶質珪素膜に脱水素化(500℃、1時
間)を行なった後、熱結晶化(550℃、4時間)を行
ない、レーザ光を照射して結晶質珪素膜を形成する。そ
して、フォトリソグラフィ法を用いたパターニング処理
によって半導体層402〜406を形成する。
【0134】また、レーザ結晶化法で結晶質半導体膜を
作製する場合には、パルス発振型または連続発光型のエ
キシマレーザやYAGレーザ、YVO4レーザ、YLF
レーザ、YAlO3レーザ、ガラスレーザ、ルビーレー
ザ、Ti:サファイアレーザ等を用いることができる。
これらのレーザを用いる場合には、レーザ発振器から放
射されたレーザ光を光学系で線状に集光し半導体膜に照
射する方法を用いると良い。結晶化の条件は実施者が適
宣選択するものであるが、エキシマレーザを用いる場合
はパルス発振周波数300Hzとし、レーザエネルギー
密度を100〜700mJ/cm2(代表的には200〜30
0mJ/cm2)とする。また、YAGレーザを用いる場合に
はその第2高調波を用いパルス発振周波数1〜300H
zとし、レーザエネルギー密度を300〜1000mJ/c
m2(代表的には350〜500mJ/cm 2)とすると良い。そ
して幅100〜1000μm、例えば400μmで線状
に集光したレーザ光を基板全面に渡って照射し、この時
の線状ビームの重ね合わせ率(オーバーラップ率)を5
0〜98%として行なってもよい。
【0135】また、非晶質半導体膜の結晶化に際し、大
粒径に結晶を得るためには、連続発振が可能な固体レー
ザを用い、基本波の第2高調波〜第4高調波を適用する
のが好ましい。代表的には、Nd:YVO4レーザー(基
本波1064nm)の第2高調波(532nm)や第3高調
波(355nm)を適用すればよい。連続発振のレーザ
を用いる場合には、出力10Wの連続発振のYVO4
ーザから射出されたレーザ光を非線形光学素子により高
調波に変換する。また、共振器の中にYVO4結晶と非
線形光学素子を入れて、高調波を射出する方法もある。
そして、好ましくは光学系により照射面にて矩形状また
は楕円形状のレーザ光に成形して、被処理体に照射す
る。このときのエネルギー密度は0.01〜100MW
/cm2程度(好ましくは0.1〜10MW/cm2)が
必要である。そして、10〜2000cm/s程度の速
度でレーザ光に対して相対的に半導体膜を移動させて照
射すればよい。
【0136】本実施例では、結晶化を助長する金属元素
を用いて非晶質珪素膜の結晶化を行なったため、前記金
属元素が結晶質珪素膜中に残留している。そのため、前
記結晶質珪素膜上に50〜100nmの非晶質珪素膜を
形成し、加熱処理(RTA法やファーネスアニール炉を
用いた熱アニール等)を行なって、該非晶質珪素膜中に
前記金属元素を拡散させ、前記非晶質珪素膜は加熱処理
後にエッチングを行なって除去する。このようにするこ
とで、前記結晶質珪素膜中の金属元素の含有量を低減ま
たは除去することができる。
【0137】なお、本実施例ではシリコンの結晶化を助
長する金属元素としてニッケルを用いた熱結晶化を行っ
た後にパルス発振型のレーザー光を照射する技術を用い
たが、ニッケルを添加することなく、連続発振のレーザ
ー(YVO4レーザーの第2高調波)でアモルファスシ
リコン膜を結晶化させてもよい。
【0138】また、半導体層402〜406を形成した
後、TFTのしきい値を制御するために微量な不純物元
素(ボロンまたはリン)のドーピングを行なってもよ
い。
【0139】次いで、半導体層402〜406を覆うゲ
ート絶縁膜407を形成する。ゲート絶縁膜407はプ
ラズマCVD法またはスパッタ法を用い、厚さを40〜
150nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施
例では、プラズマCVD法により110nmの厚さで酸
化窒化珪素膜(組成比Si=32%、O=59%、N=
7%、H=2%)で形成した。勿論、ゲート絶縁膜は酸
化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む
絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0140】また、酸化珪素膜を用いる場合には、プラ
ズマCVD法でTEOS(Tetraethyl Orthosilicate)
とO2とを混合し、反応圧力40Pa、基板温度300〜
400℃とし、高周波(13.56MHz)電力密度0.
5〜0.8W/cm2で放電させて形成することができる。
このようにして作製される酸化珪素膜は、その後400
〜500℃の熱アニールによりゲート絶縁膜として良好
な特性を得ることができる。
【0141】次いで、ゲート絶縁膜407上に膜厚20
〜100nmの第1の導電膜408と、膜厚100〜4
00nmの第2の導電膜409とを積層形成する。本実
施例では、膜厚30nmのTaN膜からなる第1の導電
膜408と、膜厚370nmのW膜からなる第2の導電
膜409を積層形成した。TaN膜はスパッタ法で形成
し、Taのターゲットを用い、窒素を含む雰囲気内でス
パッタした。また、W膜は、Wのターゲットを用いたス
パッタ法で形成した。その他に6フッ化タングステン
(WF6)を用いる熱CVD法で形成することもでき
る。いずれにしてもゲート電極として使用するためには
低抵抗化を図る必要があり、W膜の抵抗率は20μΩc
m以下にすることが望ましい。W膜は結晶粒を大きくす
ることで低抵抗率化を図ることができるが、W膜中に酸
素などの不純物元素が多い場合には結晶化が阻害され高
抵抗化する。従って、本実施例では、高純度のW(純度
99.9999%)のターゲットを用いたスパッタ法
で、さらに成膜時に気相中からの不純物の混入がないよ
うに十分配慮してW膜を形成することにより、抵抗率9
〜20μΩcmを実現することができた。
【0142】なお、本実施例では、第1の導電膜408
をTaN、第2の導電膜409をWとしたが、特に限定
されず、いずれもTa、W、Ti、Mo、Al、Cu、
Cr、Ndから選ばれた元素、または前記元素を主成分
とする合金材料若しくは化合物材料で形成してもよい。
また、リン等の不純物元素をドーピングした多結晶珪素
膜に代表される半導体膜を用いてもよい。また、AgP
dCu合金を用いてもよい。また、第1の導電膜をタン
タル(Ta)膜で形成し、第2の導電膜をW膜とする組
み合わせ、第1の導電膜を窒化チタン(TiN)膜で形
成し、第2の導電膜をW膜とする組み合わせ、第1の導
電膜を窒化タンタル(TaN)膜で形成し、第2の導電
膜をAl膜とする組み合わせ、第1の導電膜を窒化タン
タル(TaN)膜で形成し、第2の導電膜をCu膜とす
る組み合わせとしてもよい。
【0143】次に、フォトリソグラフィ法を用いてレジ
ストからなるマスク410〜415を形成し、電極及び
配線を形成するための第1のエッチング処理を行なう。
第1のエッチング処理では第1及び第2のエッチング条
件で行なう。(図7(B))本実施例では第1のエッチ
ング条件として、ICP(Inductively Coupled Plasm
a:誘導結合型プラズマ)エッチング法を用い、エッチ
ング用ガスにCF4とCl2とO2とを用い、それぞれの
ガス流量比を25/25/10(sccm)とし、1Pa
の圧力でコイル型の電極に500WのRF(13.56MHz)
電力を投入してプラズマを生成してエッチングを行っ
た。ここでは、松下電器産業(株)製のICPを用いた
ドライエッチング装置(Model E645−□ICP)
を用いた。基板側(試料ステージ)にも150WのRF
(13.56MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス
電圧を印加する。この第1のエッチング条件によりW膜
をエッチングして第1の導電層の端部をテーパー形状と
する。
【0144】この後、レジストからなるマスク410〜
415を除去せずに第2のエッチング条件に変え、エッ
チング用ガスにCF4とCl2とを用い、それぞれのガス
流量比を30/30(sccm)とし、1Paの圧力でコ
イル型の電極に500WのRF(13.56MHz)電力を投入
してプラズマを生成して約30秒程度のエッチングを行
った。基板側(試料ステージ)にも20WのRF(13.56
MHz)電力を投入し、実質的に負の自己バイアス電圧を
印加する。CF4とCl2を混合した第2のエッチング条
件ではW膜及びTaN膜とも同程度にエッチングされ
る。なお、ゲート絶縁膜上に残渣を残すことなくエッチ
ングするためには、10〜20%程度の割合でエッチン
グ時間を増加させると良い。
【0145】上記第1のエッチング処理では、レジスト
からなるマスクの形状を適したものとすることにより、
基板側に印加するバイアス電圧の効果により第1の導電
層及び第2の導電層の端部がテーパー形状となる。この
テーパー部の角度は15〜45°となる。こうして、第
1のエッチング処理により第1の導電層と第2の導電層
から成る第1の形状の導電層417〜422(第1の導
電層417a〜422aと第2の導電層417b〜42
2b)を形成する。416はゲート絶縁膜であり、第1
の形状の導電層417〜422で覆われない領域は20
〜50nm程度エッチングされ薄くなった領域が形成され
る。
【0146】次いで、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第2のエッチング処理を行なう。(図7(C))こ
こでは、エッチングガスにCF4とCl2とO2とを用
い、W膜を選択的にエッチングする。この時、第2のエ
ッチング処理により第2の導電層428b〜433bを
形成する。一方、第1の導電層417a〜422aは、
ほとんどエッチングされず、第2の形状の導電層428
〜433を形成する。
【0147】そして、レジストからなるマスクを除去せ
ずに第1のドーピング処理を行い、半導体層にn型を付
与する不純物元素を低濃度に添加する。ドーピング処理
はイオンドープ法、若しくはイオン注入法で行なえば良
い。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1013〜5
×1014/cm2とし、加速電圧を40〜80keVとして
行なう。本実施例ではドーズ量を1.5×1013/cm2
とし、加速電圧を60keVとして行なう。n型を付与
する不純物元素として15族に属する元素、典型的には
リン(P)または砒素(As)を用いるが、ここではリ
ン(P)を用いる。この場合、導電層428〜433が
n型を付与する不純物元素に対するマスクとなり、自己
整合的に不純物領域423〜427が形成される。不純
物領域423〜427には1×1018〜1×1020/cm3
の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加する。
【0148】レジストからなるマスクを除去した後、新
たにレジストからなるマスク434a〜434cを形成
して第1のドーピング処理よりも高い加速電圧で第2の
ドーピング処理を行なう。イオンドープ法の条件はドー
ズ量を1×1013〜1×1015/cm2とし、加速電圧を6
0〜120keVとして行なう。ドーピング処理は第2
の導電層428b〜432bを不純物元素に対するマス
クとして用い、第1の導電層のテーパー部の下方の半導
体層に不純物元素が添加されるようにドーピングする。
続いて、第2のドーピング処理より加速電圧を下げて第
3のドーピング処理を行なって図8(A)の状態を得
る。イオンドープ法の条件はドーズ量を1×1015〜1
×1017/cm2とし、加速電圧を50〜100keVとし
て行なう。第2のドーピング処理および第3のドーピン
グ処理により、第1の導電層と重なる低濃度不純物領域
436、442、448には1×1018〜5×1019/c
m3の濃度範囲でn型を付与する不純物元素を添加され、
高濃度不純物領域435、441、444、447には
1×1019〜5×1021/cm3の濃度範囲でn型を付与す
る不純物元素を添加される。
【0149】もちろん、適当な加速電圧にすることで、
第2のドーピング処理および第3のドーピング処理は1
回のドーピング処理で、低濃度不純物領域および高濃度
不純物領域を形成することも可能である。
【0150】次いで、レジストからなるマスクを除去し
た後、新たにレジストからなるマスク450a〜450
cを形成して第4のドーピング処理を行なう。この第4
のドーピング処理により、pチャネル型TFTの活性層
となる半導体層に前記一導電型とは逆の導電型を付与す
る不純物元素が添加された不純物領域453、454、
459、460を形成する。第2の導電層428a〜4
32aを不純物元素に対するマスクとして用い、p型を
付与する不純物元素を添加して自己整合的に不純物領域
を形成する。本実施例では、不純物領域453、45
4、459、460はジボラン(B26)を用いたイオ
ンドープ法で形成する。(図8(B))この第4のドー
ピング処理の際には、nチャネル型TFTを形成する半
導体層はレジストからなるマスク450a〜450cで
覆われている。第1乃至3のドーピング処理によって、
不純物領域435、439にはそれぞれ異なる濃度でリ
ンが添加されているが、そのいずれの領域においてもp
型を付与する不純物元素の濃度を1×1019〜5×10
21atoms/cm3となるようにドーピング処理することによ
り、pチャネル型TFTのソース領域およびドレイン領
域として機能するために何ら問題は生じない。
【0151】以上までの工程で、それぞれの半導体層に
不純物領域が形成される。
【0152】次いで、レジストからなるマスク450a
〜450cを除去して第1の層間絶縁膜461を形成す
る。この第1の層間絶縁膜461としては、プラズマC
VD法またはスパッタ法を用い、厚さを100〜200
nmとして珪素を含む絶縁膜で形成する。本実施例で
は、プラズマCVD法により膜厚150nmの酸化窒化
珪素膜を形成した。勿論、第1の層間絶縁膜461は酸
化窒化珪素膜に限定されるものでなく、他の珪素を含む
絶縁膜を単層または積層構造として用いても良い。
【0153】次いで、図8(C)に示すように、加熱処
理を行なって、半導体層の結晶性の回復、それぞれの半
導体層に添加された不純物元素の活性化を行なう。この
加熱処理はファーネスアニール炉を用いる熱アニール法
で行なう。熱アニール法としては、酸素濃度が1ppm
以下、好ましくは0.1ppm以下の窒素雰囲気中で4
00〜700℃、代表的には500〜550℃で行えば
よく、本実施例では550℃、4時間の熱処理で活性化
処理を行った。なお、熱アニール法の他に、レーザアニ
ール法、またはラピッドサーマルアニール法(RTA
法)を適用することができる。
【0154】また、第1の層間絶縁膜を形成する前に加
熱処理を行なっても良い。ただし、用いた配線材料が熱
に弱い場合には、本実施例のように配線等を保護するた
め層間絶縁膜(珪素を主成分とする絶縁膜、例えば窒化
珪素膜)を形成した後で活性化処理を行なうことが好ま
しい。
【0155】そして、加熱処理(300〜550℃で1
〜12時間の熱処理)を行なうと水素化を行なうことが
できる。この工程は第1の層間絶縁膜461に含まれる
水素により半導体層のダングリングボンドを終端する工
程である。第1の層間絶縁膜の存在に関係なく半導体層
を水素化することができる。水素化の他の手段として、
プラズマ水素化(プラズマにより励起された水素を用い
る)や、3〜100%の水素を含む雰囲気中で300〜
450℃で1〜12時間の加熱処理を行っても良い。
【0156】また、活性化処理としてレーザアニール法
を用いる場合には、上記水素化を行った後、エキシマレ
ーザやYAGレーザ等のレーザ光を照射することが望ま
しい。
【0157】次いで、第1の層間絶縁膜461上に無機
絶縁膜材料または有機絶縁物材料から成る第2の層間絶
縁膜462を形成する。本実施例では、膜厚1.6μm
のアクリル樹脂膜を形成したが、粘度が10〜1000
cp、好ましくは40〜200cpのものを用い、表面
に凸凹が形成されるものを用いる。
【0158】本実施例では、鏡面反射を防ぐため、表面
に凸凹が形成される第2の層間絶縁膜を形成することに
よって画素電極の表面に凸凹を形成した。また、画素電
極の表面に凹凸を持たせて光散乱性を図るため、画素電
極の下方の領域に凸部を形成してもよい。その場合、凸
部の形成は、TFTの形成と同じフォトマスクで行なう
ことができるため、工程数の増加なく形成することがで
きる。なお、この凸部は配線及びTFT部以外の画素部
領域の基板上に適宜設ければよい。こうして、凸部を覆
う絶縁膜の表面に形成された凸凹に沿って画素電極の表
面に凸凹が形成される。
【0159】また、第2の層間絶縁膜462として表面
が平坦化する膜を用いてもよい。その場合は、画素電極
を形成した後、公知のサンドブラスト法やエッチング法
等の工程を追加して表面を凹凸化させて、鏡面反射を防
ぎ、反射光を散乱させることによって白色度を増加させ
ることが好ましい。
【0160】そして、駆動回路506において、各不純
物領域とそれぞれ電気的に接続する配線463〜467
を形成する。なお、これらの配線は、膜厚50nmのT
i膜と、膜厚500nmの合金膜(AlとTiとの合金
膜)との積層膜をパターニングして形成する。もちろ
ん、二層構造に限らず、単層構造でもよいし、三層以上
の積層構造にしてもよい。また、配線の材料としては、
AlとTiに限らない。例えば、TaN膜上にAlやC
uを形成し、さらにTi膜を形成した積層膜をパターニ
ングして配線を形成してもよい。(図9)
【0161】また、画素部507においては、画素電極
470、ゲート配線469、接続電極468を形成す
る。この接続電極468によりソース配線(443aと
443bの積層)は、画素TFTと電気的な接続が形成
される。また、ゲート配線469は、画素TFTのゲー
ト電極と電気的な接続が形成される。また、画素電極4
70は、画素TFTのドレイン領域442と電気的な接
続が形成され、さらに保持容量を形成する一方の電極と
して機能する半導体層458と電気的な接続が形成され
る。また、画素電極471としては、AlまたはAgを
主成分とする膜、またはそれらの積層膜等の反射性の優
れた材料を用いることが望ましい。
【0162】以上の様にして、nチャネル型TFT50
1とpチャネル型TFT502からなるCMOS回路、
及びnチャネル型TFT503を有する駆動回路506
と、画素TFT504、保持容量505とを有する画素
部507を同一基板上に形成することができる。こうし
て、アクティブマトリクス基板が完成する。
【0163】駆動回路506のnチャネル型TFT50
1はチャネル形成領域437、ゲート電極の一部を構成
する第1の導電層428aと重なる低濃度不純物領域4
36(GOLD領域)、ソース領域またはドレイン領域
として機能する高濃度不純物領域452とを有してい
る。このnチャネル型TFT501と電極466で接続
してCMOS回路を形成するpチャネル型TFT502
にはチャネル形成領域440、ソース領域またはドレイ
ン領域として機能する高濃度不純物領域454と、n型
を付与する不純物元素およびp型を付与する不純物元素
が導入された不純物領域453を有している。また、n
チャネル型TFT503にはチャネル形成領域443、
ゲート電極の一部を構成する第1の導電層430aと重
なる低濃度不純物領域442(GOLD領域)、ソース
領域またはドレイン領域として機能する高濃度不純物領
域456と、n型を付与する不純物元素およびp型を付
与する不純物元素が導入された不純物領域455を有し
ている。
【0164】画素部の画素TFT504にはチャネル形
成領域446、ゲート電極の外側に形成される低濃度不
純物領域445(LDD領域)、ソース領域またはドレ
イン領域として機能する高濃度不純物領域458とを有
している。また、保持容量505の一方の電極として機
能する半導体層には、n型を付与する不純物元素および
p型を付与する不純物元素が添加されている。保持容量
505は、絶縁膜416を誘電体として、電極(432
aと432bの積層)と、半導体層とで形成している。
【0165】本実施例の画素構造は、ブラックマトリク
スを用いることなく、画素電極間の隙間が遮光されるよ
うに、画素電極の端部をソース配線と重なるように配置
形成する。
【0166】また、本実施例で作製するアクティブマト
リクス基板の画素部の上面図を図10に示す。なお、図
7〜図10に対応する部分には同じ符号を用いている。
図9中の鎖線A−A’は図10中の鎖線A―A’で切断
した断面図に対応している。また、図9中の鎖線B−
B’は図10中の鎖線B―B’で切断した断面図に対応
している。
【0167】なお、本実施例は実施例1乃至3のいずれ
か一と自由に組み合わせることが可能である。
【0168】[実施例5]本実施例では、実施例4で作
製したアクティブマトリクス基板から、反射型液晶表示
装置を作製する工程を以下に説明する。説明には図11
を用いる。
【0169】まず、実施例4に従い、図9の状態のアク
ティブマトリクス基板を得た後、図9のアクティブマト
リクス基板上、少なくとも画素電極470上に配向膜5
67を形成しラビング処理を行なう。なお、本実施例で
は配向膜567を形成する前に、アクリル樹脂膜等の有
機樹脂膜をパターニングすることによって基板間隔を保
持するための柱状のスペーサ572を所望の位置に形成
した。また、柱状のスペーサに代えて、球状のスペーサ
を基板全面に散布してもよい。
【0170】次いで、対向基板569を用意する。次い
で、対向基板569上に着色層570、571、平坦化
膜573を形成する。赤色の着色層570と青色の着色
層571とを重ねて、遮光部を形成する。また、赤色の
着色層と緑色の着色層とを一部重ねて、遮光部を形成し
てもよい。
【0171】本実施例では、実施例4に示す基板を用い
ている。従って、実施例4の画素部の上面図を示す図1
0では、少なくともゲート配線469と画素電極470
の間隙と、ゲート配線469と接続電極468の間隙
と、接続電極468と画素電極470の間隙を遮光する
必要がある。本実施例では、それらの遮光すべき位置に
着色層の積層からなる遮光部が重なるように各着色層を
配置して、対向基板を貼り合わせた。
【0172】このように、ブラックマスク等の遮光層を
形成することなく、各画素間の隙間を着色層の積層から
なる遮光部で遮光することによって工程数の低減を可能
とした。
【0173】次いで、平坦化膜573上に透明導電膜か
らなる対向電極576を少なくとも画素部に形成し、対
向基板の全面に配向膜574を形成し、ラビング処理を
施した。
【0174】そして、画素部と駆動回路が形成されたア
クティブマトリクス基板と対向基板とをシール材568
で貼り合わせる。シール材568にはフィラーが混入さ
れていて、このフィラーと柱状スペーサによって均一な
間隔を持って2枚の基板が貼り合わせられる。その後、
両基板の間に液晶材料575を注入し、封止剤(図示せ
ず)によって完全に封止する。液晶材料575には公知
の液晶材料を用いれば良い。このようにして図11に示
す反射型液晶表示装置が完成する。そして、必要があれ
ば、アクティブマトリクス基板または対向基板を所望の
形状に分断する。さらに、対向基板のみに偏光板(図示
しない)を貼りつけた。そして、公知の技術を用いてF
PCを貼りつけた。
【0175】以上のようにして作製される液晶表示パネ
ルは各種電子機器の表示部として用いることができる。
【0176】なお、本実施例は実施例1乃至4と自由に
組み合わせることが可能である。
【0177】[実施例6]本実施例では、本発明を用いて
発光装置を作製した例について説明する。本明細書にお
いて、発光装置とは、基板上に形成された発光素子を該
基板とカバー材の間に封入した表示用パネルおよび該表
示用パネルにICを実装した表示用モジュールを総称し
たものである。なお、発光素子は、電場を加えることで
発生するルミネッセンス(Electro Luminescence)が得
られる有機化合物を含む層(発光層)と陽極層と、陰極
層とを有する。また、有機化合物におけるルミネッセン
スには、一重項励起状態から基底状態に戻る際の発光
(蛍光)と三重項励起状態から基底状態に戻る際の発光
(リン光)があり、これらのうちどちらか、あるいは両
方の発光を含む。
【0178】図12は本実施例の発光装置の断面図であ
る。図12において、基板700上に設けられたスイッ
チングTFT603は図9のnチャネル型TFT503
を用いて形成される。したがって、構造の説明はnチャ
ネル型TFT503の説明を参照すれば良い。
【0179】なお、本実施例ではチャネル形成領域が二
つ形成されるダブルゲート構造としているが、チャネル
形成領域が一つ形成されるシングルゲート構造もしくは
三つ形成されるトリプルゲート構造であっても良い。
【0180】基板700上に設けられた駆動回路は図9
のCMOS回路を用いて形成される。従って、構造の説
明はnチャネル型TFT501とpチャネル型TFT5
02の説明を参照すれば良い。なお、本実施例ではシン
グルゲート構造としているが、ダブルゲート構造もしく
はトリプルゲート構造であっても良い。
【0181】また、配線701、703はCMOS回路
のソース配線、702はドレイン配線として機能する。
また、配線704はソース配線とスイッチングTFTの
ソース領域とを電気的に接続する配線として機能し、配
線705はドレイン配線709とスイッチングTFTの
ドレイン領域とを電気的に接続する配線として機能す
る。
【0182】なお、電流制御TFT604は図9のpチ
ャネル型TFT502を用いて形成される。従って、構
造の説明はpチャネル型TFT502の説明を参照すれ
ば良い。なお、本実施例ではシングルゲート構造として
いるが、ダブルゲート構造もしくはトリプルゲート構造
であっても良い。
【0183】また、配線706は電流制御TFTのソー
ス配線(電流供給線に相当する)であり、707は電流
制御TFTの画素電極711上に重ねることで画素電極
711と電気的に接続する電極である。
【0184】なお、711は、透明導電膜からなる画素
電極(発光素子の陽極)である。透明導電膜としては、
酸化インジウムと酸化スズとの化合物、酸化インジウム
と酸化亜鉛との化合物、酸化亜鉛、酸化スズまたは酸化
インジウムを用いることができる。また、前記透明導電
膜にガリウムを添加したものを用いても良い。画素電極
711は、上記配線を形成する前に平坦な層間絶縁膜7
10上に形成する。本実施例においては、樹脂からなる
平坦化膜710を用いてTFTによる段差を平坦化する
ことは非常に重要である。後に形成される発光層は非常
に薄いため、段差が存在することによって発光不良を起
こす場合がある。従って、発光層をできるだけ平坦面に
形成しうるように画素電極を形成する前に平坦化してお
くことが望ましい。
【0185】配線701〜707を形成後、図12に示
すようにバンク712を形成する。バンク712は10
0〜400nmの珪素を含む絶縁膜もしくは有機樹脂膜
をパターニングして形成すれば良い。
【0186】なお、バンク712は絶縁膜であるため、
成膜時における素子の静電破壊には注意が必要である。
本実施例ではバンク712の材料となる絶縁膜中にカー
ボン粒子や金属粒子を添加して抵抗率を下げ、静電気の
発生を抑制する。この際、抵抗率は1×106〜1×1
12Ωm(好ましくは1×108〜1×1010Ωm)と
なるようにカーボン粒子や金属粒子の添加量を調節すれ
ば良い。
【0187】画素電極711の上には発光層713が形
成される。なお、図12では一画素しか図示していない
が、本実施例ではR(赤)、G(緑)、B(青)の各色
に対応した発光層を作り分けている。また、本実施例で
は蒸着法により低分子系有機発光材料を形成している。
具体的には、正孔注入層として20nm厚の銅フタロシ
アニン(CuPc)膜を設け、その上に発光層として7
0nm厚のトリス−8−キノリノラトアルミニウム錯体
(Alq3)膜を設けた積層構造としている。Alq3
キナクリドン、ペリレンもしくはDCM1といった蛍光
色素を添加することで発光色を制御することができる。
【0188】但し、以上の例は発光層として用いること
のできる有機発光材料の一例であって、これに限定する
必要はまったくない。発光層、電荷輸送層または電荷注
入層を自由に組み合わせて発光層(発光及びそのための
キャリアの移動を行わせるための層)を形成すれば良
い。例えば、本実施例では低分子系有機発光材料を発光
層として用いる例を示したが、高分子系有機発光材料を
用いても良い。また、電荷輸送層や電荷注入層として炭
化珪素等の無機材料を用いることも可能である。これら
の有機発光材料や無機材料は公知の材料を用いることが
できる。
【0189】次に、発光層713の上には導電膜からな
る陰極714が設けられる。本実施例の場合、導電膜と
してアルミニウムとリチウムとの合金膜を用いる。勿
論、公知のMgAg膜(マグネシウムと銀との合金膜)
を用いても良い。陰極材料としては、周期表の1族もし
くは2族に属する元素からなる導電膜もしくはそれらの
元素を添加した導電膜を用いれば良い。
【0190】この陰極714まで形成された時点で発光
素子715が完成する。なお、ここでいう発光素子71
5は、画素電極(陽極)711、発光層713及び陰極
714で形成されたダイオードを指す。
【0191】発光素子715を完全に覆うようにしてパ
ッシベーション膜716を設けることは有効である。パ
ッシベーション膜716としては、炭素膜、窒化珪素膜
もしくは窒化酸化珪素膜を含む絶縁膜からなり、該絶縁
膜を単層もしくは組み合わせた積層で用いる。
【0192】この際、カバレッジの良い膜をパッシベー
ション膜として用いることが好ましく、炭素膜、特にD
LC(ダイヤモンドライクカーボン)膜を用いることは
有効である。DLC膜は室温から100℃以下の温度範
囲で成膜可能であるため、耐熱性の低い発光層713の
上方にも容易に成膜することができる。また、DLC膜
は酸素に対するブロッキング効果が高く、発光層713
の酸化を抑制することが可能である。そのため、この後
に続く封止工程を行う間に発光層713が酸化するとい
った問題を防止できる。
【0193】さらに、パッシベーション膜716上に封
止材717を設け、カバー材718を貼り合わせる。封
止材717としては紫外線硬化樹脂を用いれば良く、内
部に吸湿効果を有する物質もしくは酸化防止効果を有す
る物質を設けることは有効である。また、本実施例にお
いてカバー材718はガラス基板や石英基板やプラスチ
ック基板(プラスチックフィルムも含む)の両面に炭素
膜(好ましくはダイヤモンドライクカーボン膜)を形成
したものを用いる。
【0194】こうして図12に示すような構造の発光装
置が完成する。なお、バンク712を形成した後、パッ
シベーション膜716を形成するまでの工程をマルチチ
ャンバー方式(またはインライン方式)の成膜装置を用
いて、大気解放せずに連続的に処理することは有効であ
る。また、さらに発展させてカバー材718を貼り合わ
せる工程までを大気解放せずに連続的に処理することも
可能である。
【0195】こうして、基板700上にnチャネル型T
FT601、602、スイッチングTFT(nチャネル
型TFT)603および電流制御TFT(nチャネル型
TFT)604が形成される。
【0196】さらに、図12を用いて説明したように、
ゲート電極に絶縁膜を介して重なる不純物領域を設ける
ことによりホットキャリア効果に起因する劣化に強いn
チャネル型TFTを形成することができる。そのため、
信頼性の高い発光装置を実現できる。
【0197】また、本実施例では画素部と駆動回路の構
成のみ示しているが、本実施例の製造工程に従えば、そ
の他にも信号分割回路、D/Aコンバータ、オペアン
プ、γ補正回路などの論理回路を同一の絶縁体上に形成
可能であり、さらにはメモリやマイクロプロセッサをも
形成しうる。
【0198】さらに、発光素子を保護するための封止
(または封入)工程まで行った後の本実施例の発光装置
について図13を用いて説明する。なお、必要に応じて
図12で用いた符号を引用する。
【0199】図13(A)は、発光素子の封止までを行
った状態を示す上面図、図13(B)は図13(A)を
C−C’で切断した断面図である。点線で示された80
1はソース側駆動回路、806は画素部、807はゲー
ト側駆動回路である。また、901はカバー材、902
は第1シール材、903は第2シール材であり、第1シ
ール材902で囲まれた内側には封止材907が設けら
れる。
【0200】なお、904はソース側駆動回路801及
びゲート側駆動回路807に入力される信号を伝送する
ための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキ
シブルプリントサーキット)905からビデオ信号やク
ロック信号を受け取る。なお、ここではFPCしか図示
されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(P
WB)が取り付けられていても良い。本明細書における
発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPC
もしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとす
る。
【0201】次に、断面構造について図13(B)を用
いて説明する。基板700の上方には画素部806、ゲ
ート側駆動回路807が形成されており、画素部806
は電流制御TFT604とそのドレインに電気的に接続
された画素電極710を含む複数の画素により形成され
る。また、ゲート側駆動回路807はnチャネル型TF
T601とpチャネル型TFT602とを組み合わせた
CMOS回路(図15参照)を用いて形成される。
【0202】画素電極711は発光素子715の陽極と
して機能する。また、画素電極711の両端にはバンク
712が形成され、画素電極711上には発光層713
および発光素子の陰極714が形成される。
【0203】陰極714は全画素に共通の配線としても
機能し、接続配線904を経由してFPC905に電気
的に接続されている。さらに、画素部806及びゲート
側駆動回路807に含まれる素子は全て陰極714およ
びパッシベーション膜716で覆われている。
【0204】また、第1シール材902によりカバー材
901が貼り合わされている。なお、カバー材901と
発光素子との間隔を確保するために樹脂膜からなるスペ
ーサを設けても良い。そして、第1シール材902の内
側には封止材907が充填されている。なお、第1シー
ル材902、封止材907としてはエポキシ系樹脂を用
いるのが好ましい。また、第1シール材902はできる
だけ水分や酸素を透過しない材料であることが望まし
い。さらに、封止材907の内部に吸湿効果をもつ物質
や酸化防止効果をもつ物質を含有させても良い。
【0205】発光素子を覆うようにして設けられた封止
材907はカバー材901を接着するための接着剤とし
ても機能する。また、本実施例ではカバー材901を構
成するプラスチック基板の材料としてFRP(Fibergla
ss-Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロラ
イド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリルを用い
ることができる。
【0206】また、封止材907を用いてカバー材90
1を接着した後、封止材907の側面(露呈面)を覆う
ように第2シール材903を設ける。第2シール材90
3は第1シール材902と同じ材料を用いることができ
る。
【0207】以上のような構造で発光素子を封止材90
7に封入することにより、発光素子を外部から完全に遮
断することができ、外部から水分や酸素等の発光層の酸
化による劣化を促す物質が侵入することを防ぐことがで
きる。従って、信頼性の高い発光装置が得られる。
【0208】[実施例7]本発明を実施して形成された
駆動回路や画素部は様々なモジュール(アクティブマト
リクス型液晶モジュール、アクティブマトリクス型EL
モジュール、アクティブマトリクス型ECモジュール)
に用いることができる。即ち、それらを表示部に組み込
んだ電子機器全てに本発明を実施できる。
【0209】その様な電子機器としては、ビデオカメ
ラ、デジタルカメラ、ヘッドマウントディスプレイ(ゴ
ーグル型ディスプレイ)、カーナビゲーション、プロジ
ェクタ、カーステレオ、パーソナルコンピュータ、携帯
情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話または電子
書籍等)などが挙げられる。それらの一例を図17〜図
19に示す。
【0210】図17(A)はパーソナルコンピュータで
あり、本体2001、画像入力部2002、表示部20
03、キーボード2004等を含む。本発明を表示部2
003に適用することができる。
【0211】図17(B)はビデオカメラであり、本体
2101、表示部2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6等を含む。本発明を表示部2102に適用することが
できる。
【0212】図17(C)はモバイルコンピュータ(モ
ービルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部
2202、受像部2203、操作スイッチ2204、表
示部2205等を含む。本発明は表示部2205に適用
できる。
【0213】図17(D)はゴーグル型ディスプレイで
あり、本体2301、表示部2302、アーム部230
3等を含む。本発明は表示部2302に適用することが
できる。
【0214】図17(E)はプログラムを記録した記録
媒体(以下、記録媒体と呼ぶ)を用いるプレーヤーであ
り、本体2401、表示部2402、スピーカ部240
3、記録媒体2404、操作スイッチ2405等を含
む。なお、このプレーヤーは記録媒体としてDVD(D
igtial Versatile Disc)、CD
等を用い、音楽鑑賞や映画鑑賞やゲームやインターネッ
トを行うことができる。本発明は表示部2402に適用
することができる。
【0215】図17(F)はデジタルカメラであり、本
体2501、表示部2502、接眼部2503、操作ス
イッチ2504、受像部(図示しない)等を含む。本発
明を表示部2502に適用することができる。
【0216】図18(A)はフロント型プロジェクター
であり、投射装置2601、スクリーン2602等を含
む。本発明は投射装置2601の一部を構成する液晶モ
ジュール2808に適用することができる。
【0217】図18(B)はリア型プロジェクターであ
り、本体2701、投射装置2702、ミラー270
3、スクリーン2704等を含む。本発明は投射装置2
702の一部を構成する液晶モジュール2808に適用
することができる。
【0218】なお、図18(C)は、図18(A)及び
図18(B)中における投射装置2601、2702の
構造の一例を示した図である。投射装置2601、27
02は、光源光学系2801、ミラー2802、280
4〜2806、ダイクロイックミラー2803、プリズ
ム2807、液晶モジュール2808、位相差板280
9、投射光学系2810で構成される。投射光学系28
10は、投射レンズを含む光学系で構成される。本実施
例は三板式の例を示したが、特に限定されず、例えば単
板式であってもよい。また、図18(C)中において矢
印で示した光路に実施者が適宜、光学レンズや、偏光機
能を有するフィルムや、位相差を調節するためのフィル
ム、IRフィルム等の光学系を設けてもよい。
【0219】また、図18(D)は、図18(C)中に
おける光源光学系2801の構造の一例を示した図であ
る。本実施例では、光源光学系2801は、リフレクタ
ー2811、光源2812、レンズアレイ2813、2
814、偏光変換素子2815、集光レンズ2816で
構成される。なお、図18(D)に示した光源光学系は
一例であって特に限定されない。例えば、光源光学系に
実施者が適宜、光学レンズや、偏光機能を有するフィル
ムや、位相差を調節するフィルム、IRフィルム等の光
学系を設けてもよい。
【0220】ただし、図18に示したプロジェクターに
おいては、透過型の電気光学装置を用いた場合を示して
おり、反射型の電気光学装置及びELモジュールでの適
用例は図示していない。
【0221】図19(A)は携帯電話であり、本体29
01、音声出力部2902、音声入力部2903、表示
部2904、操作スイッチ2905、アンテナ290
6、画像入力部(CCD、イメージセンサ等)2907
等を含む。本発明を表示部2904に適用することがで
きる。
【0222】図19(B)は携帯書籍(電子書籍)であ
り、本体3001、表示部3002、3003、記憶媒
体3004、操作スイッチ3005、アンテナ3006
等を含む。本発明は表示部3002、3003に適用す
ることができる。
【0223】図19(C)はディスプレイであり、本体
3101、支持台3102、表示部3103等を含む。
本発明は表示部3103に適用することができる。
【0224】ちなみに図19(C)に示すディスプレイ
は中小型または大型のもの、例えば5〜20インチの画
面サイズのものである。また、このようなサイズの表示
部を形成するためには、基板の一辺が1mのものを用
い、多面取りを行って量産することが好ましい。
【0225】以上の様に、本発明の適用範囲は極めて広
く、あらゆる分野の電子機器の作製方法に適用すること
が可能である。また、本実施例の電子機器は実施例1〜
6のどのような組み合わせからなる構成を用いても実現
することができる。
【0226】
【発明の効果】本発明により、レーザによる半導体膜の
アニールの際に、半導体膜の平坦化に必要な雰囲気制御
を安価な構成で行うことができる。また、本発明により
半導体膜の平坦性を格段に向上させ、特にTFTのオフ
電流値を低減することができるとともに、バラツキも抑
制することができる。従って、そのようなTFTを用い
た半導体装置の動作特性を向上させ、かつ、低消費電力
化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1を説明する図。
【図2】 実施例2を説明する図。
【図3】 実施例3を説明する図。
【図4】 実施の形態1を説明する図。
【図5】 実施の形態1を説明する図。
【図6】 実施の形態2を説明する図。
【図7】 TFTの作製工程の例を説明する断面図。
【図8】 TFTの作製工程の例を説明する断面図。
【図9】 TFTの作製工程の例を説明する断面図。
【図10】 TFTの作製工程の例を説明する上面図。
【図11】 液晶表示装置の断面図の一例を示す図。
【図12】 ELモジュールの断面を示す図。
【図13】 ELモジュールの上面および断面を示す
図。
【図14】 オフ電流値(Vds=14V)における確
率統計分布図。
【図15】 第2のレーザ光のエネルギー密度とP―V
値との関係を示す図。
【図16】 実施例1を説明する図。
【図17】 半導体装置の例を示す図。
【図18】 半導体装置の例を示す図。
【図19】 半導体装置の例を示す図。
【図20】 治具の例を示す図。
【図21】 実験結果を示す写真図。
【図22】 レーザー照射装置の例を示す図。
フロントページの続き Fターム(参考) 2H092 GA59 JA24 JA28 KA04 KA07 KA10 MA05 MA08 MA13 MA17 MA19 MA29 MA30 MA35 MA37 NA13 NA19 NA22 NA24 NA27 NA29 5F052 AA02 AA17 AA24 BA01 BA02 BA07 BA18 BB02 BB04 BB07 CA08 DA02 DA03 DB02 DB03 DB07 EA12 EA15 EA16 FA06 JA01 JA04 5F110 AA06 AA30 BB02 BB04 CC02 CC05 CC07 DD01 DD02 DD03 DD05 DD13 DD14 DD15 DD17 EE01 EE02 EE03 EE04 EE06 EE09 EE14 EE23 EE28 EE44 EE45 FF02 FF04 FF09 FF12 FF28 FF30 FF36 GG01 GG02 GG13 GG25 GG32 GG33 GG34 GG43 GG45 GG47 HJ01 HJ04 HJ12 HJ13 HJ23 HL01 HL02 HL03 HL04 HL06 HL11 HM15 NN03 NN04 NN22 NN24 NN27 NN34 NN35 NN72 PP01 PP02 PP03 PP04 PP05 PP10 PP13 PP29 PP34 PP35 QQ04 QQ08 QQ09 QQ11 QQ19 QQ23 QQ24 QQ25 QQ28

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁表面上に半導体膜を形成する第1工程
    と、 不活性気体を前記半導体膜に大気を混入させることなく
    吹き付けながらレーザ光を照射して半導体膜をアニール
    する第2の工程と、を有することを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  2. 【請求項2】絶縁表面上に半導体膜を形成する第1工程
    と、 酸素濃度が10ppm以下の不活性気体を前記半導体膜に
    大気を混入させることなく吹き付けながらレーザ光を照
    射して半導体膜をアニールする第2の工程と、を有する
    ことを特徴とする半導体装置の作製方法。
  3. 【請求項3】絶縁表面上に半導体膜を形成する第1工程
    と、 不活性気体または酸素を含む気体を噴射し半導体膜上で
    浮上する板を介してレーザ光を照射して半導体膜をアニ
    ールする第2の工程と、を有することを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  4. 【請求項4】絶縁表面上に半導体膜を形成する第1工程
    と、 酸素濃度が10ppm以下の不活性気体を噴射し半導体膜
    上で浮上する板を介してレーザ光を照射して半導体膜を
    アニールする第2の工程と、を有することを特徴とする
    半導体装置の作製方法。
  5. 【請求項5】請求項3または請求項4において、前記板
    はレーザ光を通過させる窓を有することを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  6. 【請求項6】請求項3または請求項4において、前記板
    はレーザ光を通過させる開口部が設けられた板であるこ
    とを特徴とする半導体装置の作製方法。
  7. 【請求項7】請求項3または請求項4において、前記板
    は、レーザ光の入射側にレーザ光を透過させる窓とレー
    ザ光の射出側に開口部を設けられた板であることを特徴
    とする半導体装置の作製方法。
  8. 【請求項8】絶縁表面上に半導体膜を形成する第1工程
    と、 前記半導体膜にレーザ光を照射して結晶構造を有する半
    導体膜及び該膜上に酸化膜とを形成する第2工程と、 前記酸化膜を除去する第3工程と、 不活性気体を前記半導体膜に大気を混入させることなく
    吹き付けながらレーザ光を照射して前記半導体膜の表面
    を平坦化する第4工程とを有することを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記第4工程における
    レーザ光のエネルギー密度は、前記第2工程におけるレ
    ーザ光のエネルギー密度より高いことを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  10. 【請求項10】請求項8または請求項9において、前記
    第2工程におけるレーザ光の照射時の雰囲気は、大気ま
    たは酸素と窒素との混合気体であることを特徴とする半
    導体装置の作製方法。
  11. 【請求項11】絶縁表面上に半導体膜を形成する第1工
    程と、 前記半導体膜にレーザ光を照射して結晶構造を有する半
    導体膜及び該膜上に酸化膜を形成する第2工程と、 前記結晶構造を有する半導体膜の表面をオゾンを含む溶
    液で酸化する第3工程と、 前記酸化膜を除去する第4工程と、 不活性気体を前記半導体膜に大気を混入させることなく
    吹き付けながらレーザ光を照射して前記半導体膜の表面
    を平坦化する第5工程とを有することを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  12. 【請求項12】請求項11において、前記第5工程にお
    けるレーザ光のエネルギー密度は、前記第2工程におけ
    るレーザ光のエネルギー密度より高いことを特徴とする
    半導体装置の作製方法。
  13. 【請求項13】請求項1乃至12のいずれか一におい
    て、前記不活性気体は、窒素または希ガスまたは水素ま
    たはそれらの混合気体であることを特徴とする半導体装
    置の作製方法。
  14. 【請求項14】請求項1乃至13のいずれか一におい
    て、前記不活性気体は50℃以上に加熱されることを特
    徴とする半導体装置の作製方法。
  15. 【請求項15】請求項14において、前記不活性気体
    は、水素を0.1〜5%含むことを特徴とする半導体装置の
    作製方法。
  16. 【請求項16】請求項1乃至15のいずれか一におい
    て、前記レーザ光は前記半導体膜面上において線状のエ
    ネルギー分布を持つことを特徴とする半導体装置の作製
    方法。
  17. 【請求項17】請求項1乃至16のいずれか一におい
    て、前記不活性気体は前記半導体膜の直上に配置される
    板から噴射されることを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  18. 【請求項18】請求項17において、前記半導体膜と前
    記板との距離は0.01〜1mmであることを特徴とする半導
    体装置の作製方法。
  19. 【請求項19】請求項1乃至18のいずれか一におい
    て、前記レーザ光は、エキシマレーザ光またはYAGレー
    ザ光であることを特徴とする半導体装置の作製方法。
  20. 【請求項20】請求項1乃至18のいずれか一におい
    て、前記レーザ光は、XeClエキシマレーザ光、または、
    KrFエキシマレーザ光、または、YAGレーザの基本波、ま
    たは、YAGレーザの第二高調波、または、YAGレーザの第
    三高調波、であることを特徴とする半導体装置の作製方
    法。
  21. 【請求項21】レーザ発振器と、光学系と、気体を噴射
    する開口部が設けられた板と、基板を配置するステージ
    と、前記板から気体を噴射させ、前記ステージに配置す
    る前記基板上で前記板を浮上させる手段と、を有するこ
    とを特徴とするレーザ照射装置。
  22. 【請求項22】レーザ発振器と、光学系と、気体を噴射
    する開口部と前記レーザ発振器が射出するレーザ光に対
    し透光性をもつ窓を設けた板と、基板を配置するステー
    ジと、前記板から気体を噴射させ、前記ステージに配置
    する前記基板上で前記板を浮上させる手段と、を有する
    ことを特徴とするレーザ照射装置。
  23. 【請求項23】請求項21または請求項22において、
    前記光学系は前記レーザ発振器から射出するレーザ光を
    基板を配置する面において線状に整形するものであるこ
    とを特徴とするレーザ照射装置。
  24. 【請求項24】請求項21乃至23のいずれか一におい
    て、前記気体は不活性気体であることを特徴とするレー
    ザ照射装置。
  25. 【請求項25】請求項21乃至23のいずれか一におい
    て、前記気体は酸素濃度が10ppm以下の不活性気体で
    あることを特徴とするレーザ照射装置。
  26. 【請求項26】請求項24または25において、前記不
    活性気体は窒素または希ガスまたは水素またはそれらの
    混合気体であることを特徴とするレーザ照射装置。
  27. 【請求項27】請求項21乃至26のいずれか一におい
    て、前記レーザ光を前記基板に照射する際、前記板と前
    記基板との距離が0.01〜1mmであることを特徴とするレ
    ーザ照射装置。
  28. 【請求項28】請求項21乃至27のいずれか一におい
    て、前記気体の加熱手段を有することを特徴とするレー
    ザ照射装置。
  29. 【請求項29】請求項21乃至28のいずれか一におい
    て、前記レーザ発振器は、XeClエキシマレーザ光、また
    は、KrFエキシマレーザ光、または、YAGレーザの基本
    波、または、YAGレーザの第二高調波、または、YAGレー
    ザの第三高調波、を射出することを特徴とするレーザ照
    射装置。
  30. 【請求項30】請求項21乃至29のいずれか一におい
    て、前記気体を噴射する開口部を通過したレーザー光の
    みが選択的に基板へ照射されることを特徴とするレーザ
    照射装置。
  31. 【請求項31】レーザ発振器と、第1の遮蔽板と、該第
    1の遮蔽板で仕切られ、不活性気体で充填された空間に
    配置された光学系と、基板を配置するステージと、該ス
    テージと前記光学系の間に第2の遮蔽板を有し、 前記第1の遮蔽板は、前記レーザ発振器が射出するレー
    ザ光に対し透光性をもつ材料からなる窓を有し、 前記第2の遮蔽板は、レーザ光が通過する開口部を有
    し、該開口部から不活性ガスを噴射させることを特徴と
    するレーザ照射装置。
  32. 【請求項32】請求項31において、前記第1の遮蔽板
    と前記第2の遮蔽板との間の空間に不活性気体ガスを導
    入する手段が設けられ、該手段で導入されたガスは、前
    記第2の遮蔽板の開口部のみから噴出されることを特徴
    とするレーザ照射装置。
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