JP2009099917A - レーザーアニール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡易な構成で構造膜を加熱して構造膜の結晶構造をに確実に変換でき、かつ生産性に優れたレーザーアニール装置を提供する。
【解決手段】ガスシャワーヘッド13は、全体が例えばアルミニウム合金等で形成された筐体14からなる。そして、レーザー光Rを入射させる入射開口21と、レーザー光Rを基板1に向けて出射させる出射開口22との間を結ぶ中空のレーザー導光路23が形成されている。第一噴射口26よりも入射開口21寄り、即ち上傾斜部24の一部には、シールドガス導入部を構成する第二噴射口27が形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】ガスシャワーヘッド13は、全体が例えばアルミニウム合金等で形成された筐体14からなる。そして、レーザー光Rを入射させる入射開口21と、レーザー光Rを基板1に向けて出射させる出射開口22との間を結ぶ中空のレーザー導光路23が形成されている。第一噴射口26よりも入射開口21寄り、即ち上傾斜部24の一部には、シールドガス導入部を構成する第二噴射口27が形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、レーザー光により構造膜を加熱して構造膜の結晶構造を熱変化させるレーザーアニール装置に関する。
薄膜トランジスタの一種であるポリシリコンTFTを構成する半導体膜(構造膜)として、シリコン薄膜が一般的に用いられている。中でも、電界効果移動度の高さという観点から、ポリシリコン膜を用いるのが好ましい。こうした構造膜の一種であるポリシリコン膜の形成にあたっては、気相成長法などによって基板上に形成したアモルファスシリコン膜に対して、レーザー光を照射して加熱し、アモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に変換することが行われている。
レーザーアニールによってアモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に変換する工程では、レーザ光の照射領域に酸素などの不純物ガスが存在すると、これら不純物ガスがシリコン膜中に取り込まれ、不純物の混入による特性劣化、アモルファスシリコン膜から変換されるポリシリコン膜の結晶の大きさや表面粗さの低減、面方位の均等化などを図ることができなくなる。このため、レーザ光の照射領域に不純物ガスを存在させないようにすることが重要である。
アモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に変換させるための従来のレーザーアニール装置では、レーザ光の照射領域における不純物ガスの濃度を低減させるために、例えば、アモルファスシリコン膜を備えた基板全体を収納可能な気密のチャンバーを設け、このチャンバー内を真空にして不純物ガスを排出させた後、不活性ガスなどでチャンバー内を置換する方法が行われている。
しかしながら、上述したようなチャンバー内全体のガス雰囲気を制御する方法では、高価な真空チャンバー、大規模な排気装置などが必要になり、装置コストやランニングコストが高くなるという課題があった。また、基板の大きさに合わせて、基板全体を収容する真空チャンバーも大型化する必要があるため、特に大型の基板を処理する場合には、装置全体が大型化してしまうという課題もあった。
一方、基板を可動ステージに載置し、レーザー光が照射される照射領域の周囲(近傍)のガス雰囲気だけを局部的に制御する方法も知られている。レーザー光の照射領域だけガス雰囲気を局部的に制御するレーザーアニール装置としては、例えば、基板の表面に対して僅かなギャップを保ってエアシャワーヘッドを設けるといったものが知られている。
このエアシャワーヘッドは、外気に面した開口と基板に面した開口とを結ぶ貫通孔が形成され、外気に面した開口からレーザー光を入射させ、基板に向けて照射する構造を成す。そして、基板に向けて不活性ガスなどを噴出させるプロセスガス導入部と、貫通孔の外気に面した開口から基板に向けて不純物ガスが流入するのを阻止するとともに、レーザー光が透過可能な、透明なガスバリアプレートとが設けられている。こうした構成によって、レーザー光の照射領域の周囲だけを、不純物ガスが少ないガス雰囲気に保つことができるとされる。
しかしながら、上述したような構成のレーザーアニール装置では、レーザーアニール時に発生したシリコンなどの飛散微粒子が、エアシャワーヘッドの貫通孔から照射領域に外気の流入を阻止する透明なガスバリアプレートの表面に付着するという不具合が生じやすいという課題があった。ガスバリアプレートの表面に飛散物などが付着すると、レーザー光の透過率が下がり、加工効率が低下したり、アモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に十分に変換できなくなるという不具合が生じる。
こうした課題を解決するために、例えば、ガスバリアプレートに相当する保護レンズの下面、即ち被加工物に臨む面に向けて、エアブロー装置からガスを噴射させ、保護レンズの下面に飛散物が付着しないようなレーザー加工ヘッドが知られている(特許文献1を参照)。
特開2000−263276号公報
しかしながら、上述したようなレーザー加工ヘッドでは、透明なガスバリアプレートの光透過性を良好に維持するために、不活性ガス等を高速で大量に流し続ける必要があり、ランニングコストが増加するという課題がある。また、ガスバリアプレートにガスを吹き付けたとしても、ガスバリアプレートに飛散物を完全に付着させないようにすることは困難であり、定期的にガスバリアプレートを清掃するなどの手間が掛かるため、生産性にも課題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成で構造膜を加熱して構造膜の結晶構造を確実に熱変化させることができ、かつ生産性に優れたレーザーアニール装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は次のようなレーザーアニール装置を提供した。すなわち、本発明のレーザーアニール装置では、基板に形成された構造膜を加熱して構造膜の結晶構造を熱変化させるレーザーアニール装置であって、
前記基板を載置するステージと、前記基板に向けてレーザ光を照射する光源と、前記レーザ光が基板に照射される照射領域の周囲を所定のガス雰囲気に保つガスシャワーヘッドとを少なくとも有し、
前記ガスシャワーヘッドは、前記レーザー光が入射する入射開口と前記レーザー光が前記基板に向けて出射する出射開口との間を結ぶレーザー導光路、前記出射開口から前記基板に向けて第一噴射口からプロセスガスを導入するプロセスガス導入部、前記第一噴射口よりも前記入射開口寄りに配された第二噴射口から前記レーザー導光路の内部にシールドガスを導入し、前記入射開口より外側の外気が前記レーザー導光路の内部に侵入することを抑制するシールドガス導入部、を備えたことを特徴とする。
前記基板を載置するステージと、前記基板に向けてレーザ光を照射する光源と、前記レーザ光が基板に照射される照射領域の周囲を所定のガス雰囲気に保つガスシャワーヘッドとを少なくとも有し、
前記ガスシャワーヘッドは、前記レーザー光が入射する入射開口と前記レーザー光が前記基板に向けて出射する出射開口との間を結ぶレーザー導光路、前記出射開口から前記基板に向けて第一噴射口からプロセスガスを導入するプロセスガス導入部、前記第一噴射口よりも前記入射開口寄りに配された第二噴射口から前記レーザー導光路の内部にシールドガスを導入し、前記入射開口より外側の外気が前記レーザー導光路の内部に侵入することを抑制するシールドガス導入部、を備えたことを特徴とする。
前記レーザー導光路は、その少なくとも一部が、前記入射開口から前記出射開口に向けて幅が狭められているのが好ましい。前記レーザー導光路の内面の少なくとも一部は、融点が1400℃以上の高融点金属によって形成されているのが好ましい。前記照射領域は、レーザーアニール時において、酸素濃度が100ppm以下に保たれることが好ましい。前記プロセスガス導入部は、レーザーアニール時において、前記プロセスガスを前記基板に向けて噴射させ、前記構造膜から生成した揮発成分が前記入射開口に向けて拡散するのを阻止する構成が好ましい。
本発明のレーザーアニール装置によれば、第一噴射口よりも入射開口寄りに形成された第二噴射口から噴射されたシールドガスは、入射開口に向けて広がるように拡散し、レーザー導光路の内側領域をシールドガスで満たす。こうした第二噴射口から噴射されたシールドガスの流れによって、入射開口よりも外側にある外気が入射開口からレーザー導光路内に侵入することを防止する。
このように、第一噴射口よりも入射開口寄りに第二噴射口を設け、シールドガスを流すことによって、ガスシャワーヘッドの周囲、即ち基板全体を真空や不活性ガス雰囲気に保つ気密なチャンバーを形成せず、ガスシャワーヘッドの周囲が外気、例えば空気中に置かれていても、ガスシャワーヘッドを貫通するレーザー導光路からレーザー光の照射領域に外気が到達することを確実に防止できる。
この結果、レーザー光が基板のアモルファスシリコン膜に入射する照射領域の周囲は、酸素濃度を極めて低く保つことが可能になる。これにより、レーザー光が照射されたアモルファスシリコン膜は、酸素による影響が排された、均一な結晶粒径と表面粗さを持ち、面方位が均等化された高品質なポリシリコン膜に変換することが可能になる。
また、基板全体を真空や不活性ガス雰囲気に保つ気密なチャンバー等を必要としないので、レーザーアニール装置の構成を簡略にしてローコスト化できるとともに、軽量、小型化を達成できる。そして、ガスシャワーヘッドのレーザー導光路は貫通孔であり、途中に透明なバリアプレートなどを設けずとも、照射領域の周囲を低酸素環境に保つことができるので、バリアプレートの清掃など、メンテナンスに掛かる手間を大幅に削減でき、ランニングコストを低減して生産性を向上させることが可能になる。
以下、本発明に係るレーザーアニール装置の最良の形態について、図面に基づき説明する。なお、本実施形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。また、構造膜の結晶構造を熱変化させる一例として、アモルファスシリコン膜のポリシリコン膜へ変換させる構成を例示する。
図1は、本発明のレーザーアニール装置の一例を示す概略図である。レーザーアニール装置10は、被加工物である基板1を載置するステージ11と、基板1に向けてレーザ光を照射する光源12と、ステージ11の上に間隔を開けて配されたガスシャワーヘッド13とを備えている。
ステージ11は、ステージ移動手段(図示せず)によって、図1中のX方向、およびY方向に移動可能な構造とされている。また、ガスシャワーヘッド13、即ちレーザ光の照射位置は固定とされ、ステージ11をX方向、Y方向に移動させることによって、ステージ11の一面11a上に載置された基板1の一面全体にレーザ光を照射させることができる構造となっている。
光源12は、基板1の一面に形成された構造膜の一例であるアモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に変換させるために必要な出力のレーザー光を発光するレーザー光源装置であれば良い。光源12から照射されるレーザー光は、例えば、波長が300〜800nm、出力が20〜200W程度であればよい。この光源12は、加工効率を上げるために、図1中のY方向に向かって所定の幅をもつ線状のレーザー光を照射させるものであるのが好ましい。
光源12は、レーザーアニール装置10の高さを抑え、各部のレイアウトの自由度を高めるために、ステージ11の一面11aに対して平行にレーザー光が出射されるように配置されていれば良い。そして、ステージ11の一面11aに対して平行に出射されたレーザー光をガスシャワーヘッド13に入射させるため、即ち基板1方向に向けるために、レーザー光を反射させる反射ミラー14が、レーザー光の光路Lの途上に設けられている。
また、レーザー光の光路Lの途上における、反射ミラー14とガスシャワーヘッド13との間には、レーザー光を収束させるためのレンズ15が形成されている。こうしたレンズ15は、例えば、線状のレーザー光に対応したカマボコ型のシリンドリカルレンズなどを用いればよい。
さらに、レーザーアニール装置10には、ガスシャワーヘッド13にプロセスガスを導入するプロセスガス導入部17と、ガスシャワーヘッド13にシールドガスを導入するシールドガス導入部18とを備えている。これらプロセスガス導入部17と、シールドガス導入部18を備えたガスシャワーヘッド13の構成は後ほど詳述する。
図2は、ガスシャワーヘッド13付近を拡大して示す断面図である。ガスシャワーヘッド13は、全体が例えばアルミニウム合金等で形成された筐体14からなる。そして、レーザー光Rを入射させる入射開口21と、レーザー光Rを基板1に向けて出射させる出射開口22との間を結ぶ中空のレーザー導光路23が形成されている。このレーザー導光路23は、線状のレーザー光Rを通過させるために、図2の紙面奥方向に延びる長穴を成している(図1のガスシャワーヘッド13を参照)。
レーザー導光路23は、その少なくとも一部、例えば、入射開口21から出射開口22に向けて、レーザー導光路23の中ほどまで幅が狭められるように形成されている。これにより、レーザー導光路23は、入射開口21と出射開口22との間の中ほど部分から入射開口21に向かって幅が広がるように、内面が傾斜した上傾斜部24が形成される。この上傾斜部24の傾斜角度は、レンズ15によって収束されつつレーザー導光路23を通過するレーザー光Rの収束角度に応じて、レーザー光Rがレーザー導光路23の内面を成す上傾斜部24に当たらない程度の角度にであればよい。
また、この上傾斜部24は、アルミニウム合金等で形成された筐体14よりも融点が高い、融点が1400℃以上の高融点金属、例えばモリブデン等で形成することが好ましい。これによって、収束された高出力のレーザー光Rが、調整時に光路が僅かにずれて、この上傾斜部24に当たったとしても、上傾斜部24が溶融、変形するなどの不具合の発生を防止することができる。
レーザー導光路23の上傾斜部24よりも下側の部分は、出射開口22に向けて広がるように内面が傾斜した下傾斜部25が形成されている。なお、この下傾斜部25は特に形成されていなくても良く、上傾斜部24の下端の幅を保ってそのまま垂直に出射開口22に向けて延びる内面形状であってもよい。
下傾斜部25の一部には、プロセスガス導入部17を構成する第一噴射口26が形成されている。この第一噴射口26は、図2の紙面奥方向に延びる長穴を成している(図1のガスシャワーヘッド13を参照)。また、第一噴射口26よりも入射開口21寄り、即ち上傾斜部24の一部には、シールドガス導入部18を構成する第二噴射口27が形成されている。この第二噴射口27も、図2の紙面奥方向に延びる長穴を成している(図1のガスシャワーヘッド13を参照)。
第一噴射口26からは、ステージ11に載置された基板1に向けてプロセスガスが噴射される。これにより、レーザー光Rが基板1に形成されたアモルファスシリコン膜2に入射する部分である照射領域を、所定のガス雰囲気に保つ。一方、第二噴射口27からは、レーザー導光路23の上傾斜部24に向けてシールドガスが噴射される。これによって、レーザー導光路23の入射開口21よりも外側の外気がレーザー導光路23内に侵入することを阻止する。こうしたガスシャワーヘッド13の作用は後ほど詳述する。
第一噴射口26から噴射させるプロセスガスの種類としては、例えば、窒素が好ましく、これ以外にも、例えばHe,Ne,Arなどの不活性希ガスや、これに酸素濃度を一定にさせる目的で酸素ガスを添加した混合ガスなどを挙げることができる。また、プロセスガスの流量としては、例えば、5〜15(リットル/分)程度であればよい。
第二噴射口27から噴射させるシールドガスの種類としては、例えば、窒素が好ましく、これ以外にも、プロセスガスと同種のガスを挙げることができる。また、シールドガスの流量としては、例えば、2〜15(リットル/分)程度であればよい。
なお、プロセスガスとシールドガスを同一のガスとする場合、単一のガス供給源から分岐させ、第一噴射口26および第二噴射口27に向けて、それぞれ同一のガスを供給する構成であっても良い。ガス供給機構の簡略化の観点から、プロセスガスとシールドガスを同一のガスとすることが好ましい。
また、レーザー導光路23を挟んたガスシャワーヘッド13の上部両側には、プロセスガス導入部17を構成する第一ミキシングタンク28、およびシールドガス導入部18を構成する第二ミキシングタンク29がそれぞれ形成されている。これら第一ミキシングタンク28および第二ミキシングタンク29は、筐体14の内部に形成されたガス分散板32により、一箇所から導入されたガスを図2の紙面奥方向に均一化させており、配管31によって、第一噴射口26および第二噴射口27にそれぞれ独立して接続されている。ガス分散板32は、図2の紙面奥方向に向けて等間隔に配置され、その穴径は1mm程度に形成されれば良い。
第一ミキシングタンク28および第二ミキシングタンク29は、プロセスガス供給手段(図示せず)およびシールドガス供給手段(図示せず)にそれぞれ接続されていれば良い。これら第一ミキシングタンク28および第二ミキシングタンク29は、プロセスガス供給手段およびシールドガス供給手段からそれぞれ供給されるプロセスガスおよびシールドガスを一旦溜め込み、ガス分散板32により第一ミキシングタンク28および第二ミキシングタンク29内へそれぞれガスを分散させ全体を均一化させてから、第一噴射口26および第二噴射口27に向けて送出させるバッファの役割を果たす。
これにより、長穴を成す第一噴射口26および第二噴射口27から、プロセスガスおよびシールドガスを開口部分の全域に渡って均一の流速で噴射させることができる。なお、こうした第一ミキシングタンク28および第二ミキシングタンク29を特に設けずに、プロセスガス供給手段およびシールドガス供給手段から、直接、第一噴射口26および第二噴射口27に配管する形態であっても良い。
ガスシャワーヘッド13の底面13aと基板1との間隔tは、レーザー光Rの照射領域を所定のガス雰囲気に保つことが可能なプロセスガスの流れを形成する程度に設定される。例えば、間隔tは1〜2mm程度に設定されれば良い。
以上のような構成のレーザーアニール装置の作用について、ガスシャワーヘッドを中心に説明する。図3は、本発明のレーザーアニール装置を構成するガスシャワーヘッドの作用を示す説明図(断面)である。本発明のレーザーアニール装置10を用いて、基板1に形成されたアモルファスシリコン膜2をレーザーアニールよってポリシリコン膜3に変換する際には、まず、プロセスガス導入部17の第一噴射口26から、プロセスガス、例えば窒素ガスを連続して噴射させる。また、シールドガス導入部18の第二噴射口27からシールドガス、例えば窒素ガスを連続して噴射させる。
第一噴射口26から噴射された窒素ガス(プロセスガス)は、レーザー導光路23の下傾斜部25から基板1に向けて流れ、ガスシャワーヘッド13の底面13aと基板1との狭小なギャップGからガスシャワーヘッド13の外側に向けて流出する。これによって、レーザー光Rが基板1のアモルファスシリコン膜2に入射する照射領域の周囲E1(近傍)は、窒素ガス(プロセスガス)で満たされ、窒素ガス雰囲気となる。また、図3に示したように、第一噴射口26の噴出方向a側に、レーザーアニール処理済のポリシリコン膜が配されるように基板1を搬送させることによって、第一噴射口26から噴射されたガスの流速によって、アニール時に精製されたシリコン化合物の気体(構造膜から生成した揮発成分)がガスシャワーヘッド13の底面13aから吐き出されるため、レーザー未照射領域のアモルファスシリコン膜に不純物が浮遊することがない。
一方、第一噴射口26よりも入射開口21寄りに形成された第二噴射口27から噴射された窒素ガス(シールドガス)は、入射開口21に向けて広がる上傾斜部24の傾斜面に沿って上方向に拡散し、上傾斜部24の内側領域E2を窒素ガス(シールドガス)で満たしつつ、入射開口21から拡散する。こうした第二噴射口27から噴射された窒素ガス(シールドガス)の流れによって、入射開口21よりも外側にある、酸素を含む外気Aが入射開口21からレーザー導光路23内に侵入することを防止する。
このように、第一噴射口26よりも入射開口21寄りに第二噴射口27を設け、シールドガスを流すことによって、ガスシャワーヘッド13の周囲、即ち基板1全体を真空や不活性ガス雰囲気に保つ気密なチャンバーを形成せず、ガスシャワーヘッド13の周囲が外気、例えば空気中に置かれていても、ガスシャワーヘッド13を貫通するレーザー導光路23からレーザー光Rの照射領域に酸素を含む外気Aが到達することを確実に防止できる。
この結果、レーザー光Rが基板1のアモルファスシリコン膜2に入射する照射領域の周囲E1は、酸素濃度を100ppm以下に保つことが可能になる。これにより、レーザー光Rが照射されたアモルファスシリコン膜2は、酸素による影響が排された、均一な結晶粒径と表面粗さが低減され、面方位が均等化された高品質なポリシリコン膜3に変換することが可能になる。
また、基板1全体を真空や不活性ガス雰囲気に保つ気密なチャンバー等を必要としないので、レーザーアニール装置10の構成を簡略にしてローコスト化できるとともに、軽量、小型化を達成できる。そして、ガスシャワーヘッド13のレーザー導光路23は貫通孔であり、途中に透明なバリアプレートなどを設けずとも、照射領域の周囲E1を低酸素環境に保つことができるので、バリアプレートの清掃など、メンテナンスに掛かる手間を大幅に削減でき、ランニングコストを低減して生産性を向上させることが可能になる。
以下、本発明の効果を検証した実施例を示す。まず、ガスシャワーヘッドに形成されるレーザー導光路に、シールドガスを噴射させる第二噴射口を形成した場合と形成しない場合における、レーザー光の照射領域での酸素濃度の違いを検証した。検証に当たって、図7に示す断面形状のレーザー導光路をもつガスシャワーヘッドを作成し、一方はシールドガスを噴射させる第二噴射口を形成したもの(本発明例)、他方はシールドガスを噴射させる第二噴射口を形成しないもの(従来例1〜3)とした。
そして、それぞれのガスシャワーヘッドにおけるガス放出開始からの経過時間と、酸素濃度の変化との関係を調べた。図7に示された数字は各部のサイズ(単位はmm)である。また、第二噴射口を形成しないものは、第一噴射口から噴射されるプロセスガスを窒素ガスとして流量を5slm(従来例1),10slm(従来例2),20slm(従来例3)の三段階とした。第二噴射口を形成したものは、第一噴射口から噴射されるプロセスガスを窒素ガスとして流量を10slm、第二噴射口から噴射されるシールドガスは窒素ガスとして流量は2slmとした(本発明例)。
上述した測定サンプルによる、レーザー光の照射領域での酸素濃度の経時変化を図8に示す。この図8に示す結果によれば、レーザー導光路にシールドガスを噴射させる第二噴射口を形成し、シールドガスを噴射させることによって、レーザー光の照射領域での酸素濃度を低く保てることが確認された。また、図9に、こうした本発明例と従来例1〜3でのガス流の違いを視覚化して示す。
次に、ガスシャワーヘッドに形成されるレーザー導光路の断面形状による、レーザー光の照射領域での酸素濃度の違いを検証した。検証に当たって、図4に示す角度θの異なる4種類の断面形状のレーザー導光路をもつガスシャワーヘッドを作成し、それぞれのガスシャワーヘッドにおけるガス放出開始からの経過時間と、酸素濃度の変化との関係を調べた。図4に示された数字は各部のサイズ(単位はmm)である。また、第一噴射口から噴射されるプロセスガスは窒素ガスとして流量は2slm、第二噴射口から噴射されるシールドガスは窒素ガスとして流量は10slmとした。
こうしたレーザー導光路の断面形状による、レーザー光の照射領域での酸素濃度の経時変化を図5に示す。この図5に示す結果によれば、レーザー光の照射領域での酸素濃度を低く保つためには、レーザー導光路はシールドガスを噴射させる第二噴射口が形成された上傾斜部が、入射開口に向けて急角度で広がる形状が好ましいことが確認された。また、図6に、こうした4種のレーザー導光路の形状によるガス流の違いを視覚化して示す。
1 基板
2 アモルファスシリコン膜
3 ポリシリコン膜
10 レーザーアニール装置
11 ステージ
12 光源
13 ガスシャワーヘッド
17 プロセスガス導入部
18 シールドガス導入部
21 入射開口
22 出射開口
23 レーザー導光路
26 第一噴射口
27 第二噴射口
2 アモルファスシリコン膜
3 ポリシリコン膜
10 レーザーアニール装置
11 ステージ
12 光源
13 ガスシャワーヘッド
17 プロセスガス導入部
18 シールドガス導入部
21 入射開口
22 出射開口
23 レーザー導光路
26 第一噴射口
27 第二噴射口
Claims (5)
- 基板に形成された構造膜を加熱して構造膜の結晶構造を熱変化させるレーザーアニール装置であって、
前記基板を載置するステージと、前記基板に向けてレーザ光を照射する光源と、前記レーザ光が基板に照射される照射領域の周囲を所定のガス雰囲気に保つガスシャワーヘッドとを少なくとも有し、
前記ガスシャワーヘッドは、前記レーザー光が入射する入射開口と前記レーザー光が前記基板に向けて出射する出射開口との間を結ぶレーザー導光路、前記出射開口から前記基板に向けて第一噴射口からプロセスガスを導入するプロセスガス導入部、前記第一噴射口よりも前記入射開口寄りに配された第二噴射口から前記レーザー導光路の内部にシールドガスを導入し、前記入射開口より外側の外気が前記レーザー導光路の内部に侵入することを抑制するシールドガス導入部、を備えたことを特徴とするレーザーアニール装置。 - 前記レーザー導光路は、その少なくとも一部が、前記入射開口から前記出射開口に向けて幅が狭められていることを特徴とする請求項1に記載のレーザーアニール装置。
- 前記レーザー導光路の内面の少なくとも一部は、融点が1400℃以上の高融点金属によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザーアニール装置。
- 前記照射領域は、レーザーアニール時において、酸素濃度が100ppm以下に保たれることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載のレーザーアニール装置。
- 前記プロセスガス導入部は、レーザーアニール時において、前記プロセスガスを前記基板に向けて噴射させ、前記構造膜から生成した揮発成分が前記入射開口に向けて拡散するのを阻止することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載のレーザーアニール装置。
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