JP4363010B2 - レーザアニール装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば薄膜トランジスタのチャネル層となるポリシリコン膜等を形成する際に用いられるレーザアニール装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ等のスイッチング素子として、チャネル層にポリシリコン膜を用いた薄膜トランジスタが広く用いられている。薄膜トランジスタのチャネル層に用いられるポリシリコン膜は、いわゆる低温ポリシリコンと呼ばれるプロセスを用いて製造するのが一般的となっている。低温ポリシリコンプロセスは、ガラス基板上にアモルファスシリコンを成膜し、そのアモルファスシリコンにレーザ光を照射して熱処理をすることによって、ポリシリコン膜を製造するプロセスである。このような低温ポリシリコンプロセスでは、アニール時にガラス基板にまで熱が伝達しないので、液晶ディスプレイの基板として耐熱性の小さい安価なガラス基板を用いることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、低温ポリシリコンプロセスでは、レーザアニール装置を用いてアモルファスシリコン膜を加熱、融解、再結晶化してポリシリコン膜を生成するが、アニールの雰囲気中に酸素が含まれていると、加熱時にシリコンが酸化してしまい、製造されたポリシリコンのキャリア移動度が低くなってしまう。そのため、低温ポリシリコンプロセスで用いられるレーザアニール装置は、ガラス基板が載置されるステージをチャンバで覆い、チャンバ内の酸素濃度を低くしてアニール処理を行う装置構成としなければならない。また、チャンバ内の酸素濃度を低くするには、例えば、ガラス基板の挿入後にチャンバ内を真空に脱気する、ガラス基板の挿入後にチャンバ内を真空に脱気してそののちに窒素ガスを注入する、或いは、真空脱気が可能でロードロック機構を有する予備室をチャンバ外に設けてガラス基板をその予備室からチャンバへ挿入する、といったことをしなければならない。
【0004】
しかしながら、レーザアニール装置を真空に対応した装置構成とすると、装置全体の重量が増したり、チャンバ内の部品を全て真空対応の特殊機器にしなければならなく、非常にコストが高くなってしまっていた。
【0005】
このような問題の一部を改善する技術が、特開平9−8316号公報に開示されている。この公報には、ステージ全体をチャンバで覆い、チャンバ内に窒素ガスを注入し続けることで基板上の雰囲気を制御し、さらに、レーザ光の照射部分に対して窒素ガスをフローしてアニール部分へ異物が付着しないように制御するレーザアニール装置が示されている。このレーザアニール装置では、チャンバ内を真空としなくてもよいためコストが安くなる。
【0006】
しかしながら、この公報に示されているレーザアニール装置でも、処理速度を向上させるためには、真空脱気が可能でロードロック機構を有する予備室をチャンバ外に設けてガラス基板をその予備室からチャンバへ挿入する必要がある。また、このレーザアニール装置では、窒素ガスをフローすることにより気体の流れが不安定となり、製造特性がバラついてしまう。
【0007】
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、装置全体を大型化及び特殊装置とすることなく、安定した低酸素濃度の雰囲気中で基板に対してレーザ光を照射することができるレーザアニール装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかるレーザアニール装置は、基板に対してレーザ光を照射して当該基板に対してアニール処理を施すレーザアニール装置であって、レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、上記基板を保持するステージと、上記レーザ光出射手段から出射されたレーザ光を導光して上記基板に照射する光学系と、筒状のガス保留部と、当該ガス保留部内に外部からガスを注入するためのガス注入口とを有する局所雰囲気形成手段とを備え、上記局所雰囲気形成手段は、筒状の上記ガス保留部の一方の開口部分が上記ステージに対向する位置に配置され、上記ガス保留部の上記ステージと対向していない他方の開口部分が上記光学系のレーザ光の出力部分の光学部材により密閉され、且つ、上記光学系から基板までのレーザ光の光路が筒状の上記ガス保留部の他方の開口部分から一方の開口部分を通過する位置に配置されており、レーザアニール処理中に上記ガス注入口から不活性ガスが外部から注入される。
また、上述した目的を達成する本発明にかかるレーザアニール装置は、基板に対してレーザ光を照射して当該基板に対してアニール処理を施すレーザアニール装置において、
レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、上記基板を保持するステージと、上記レーザ光出射手段から出射されたレーザ光を導光して上記基板に照射する光学系と、円筒状のガス保留部と、当該ガス保留部内に外部からガスを注入するためのガス注入口とを有する局所雰囲気形成手段とを備え、上記局所雰囲気形成手段は、円筒状の上記ガス保留部の一方の開口部分が上記ステージに対向する位置に配置され、上記ガス保留部の上記ステージに対向していない他方の開口部分が上記光学系のレーザ光の出力部分の光学部材又は透明部材により密閉されており、上記ガス注入口は、上記ガス保留部の側壁の上記ステージに対向していない他方の開口部分側の端部に設けられており、上記ガス保留部の内壁の接線方向に沿って不活性ガスを注入する。
【0009】
以上のようなレーザアニール装置では、筒状のガス保留部の開口部分を基板に近接して配置する。レーザアニール装置は、その筒内に例えば窒素等の不活性なガスを注入しながら、レーザ光を筒内を通過させて基板上に照射して、レーザアニールを行う。このようなレーザアニール装置では、基板とガス保留部との間の開口部の隙間から流出されるガスの流出量と、上記筒内に注入されるガスの注入量との関係から、注入した不活性のガスの濃度を制御することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態として、本発明を適用したレーザアニール装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
本発明の実施の形態のレーザアニール装置は、平板状のアニール対象物である基板の表面にレーザ光を照射し、照射したレーザ光により基板を熱処理する装置である。本発明の実施の形態のレーザアニール装置は、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置のスイッチング素子となる薄膜トランジスタのチャネル層の形成時に用いられる。具体的には、ガラス基板上に成膜されたアモルファスシリコン膜に対して熱処理をしてポリシリコン膜を形成する際に用いられる。
【0014】
図1に本発明の実施の形態のレーザアニール装置1の構成図を示す。
【0015】
レーザアニール装置1は、アニール対象物となる平板状の基板2を載置するステージ11と、レーザ光を出射する第1〜第4のレーザ光源12(12-1〜12-4)と、各レーザ光源12の各出力光が入射されるビーム合成光学系13と、ビーム合成光学系13の出力光が入射されるビーム成形光学系14と、ビーム成形光学系14から出力されたレーザ光を出射方向の偏向をしながら基板2に照射するレーザ光偏向部15と、上記レーザ光偏向部15と上記ステージ2との間の光路中に設けられたfθレンズ16と、fθレンズ16とステージ2との間の光路中に設けられたセル17と、セル17の内部に窒素(N)ガスを供給するガス供給部18とを備えている。
【0016】
ステージ11は、平板状の基板2が載せられる平坦な主面11aを有している。ステージ11は、主面11a上に載せられた基板2を保持しながら、主面11aに平行な方向(図1中のX方向,Y方向)に移動する。このステージ11を移動させることによって、基板2とレーザ光の照射スポットとの相対位置を移動させることができる。つまり、ステージ11を移動させることによって、アニールが行われる基板2上の位置を制御することができる。なお、ステージ11の移動制御は、図示しないコントローラにより行われる。
【0017】
第1〜第4の各レーザ光源12(12-1〜12-4)は、紫外領域のレーザ光のような、シリコンによる吸収係数が高い領域の波長のレーザ光を出射するレーザ光源である。例えば、レーザ光源12は、YAGレーザの第3高調波(355nm)のパルスレーザ光源である。また、Nd:YAGレーザ、Nd:YLFレーザ、Nd:ガラスファイバレーザ、Nd:YV04レーザ、Yb:YAGレーザ等の第2高調波、第3高調波、第4高調波等を出力するレーザ発振源であってもよいし、GaN或いはGaの一部をAlやInで置き換えた組成物を活性層に用いた半導体レーザ等であってもよい。なお、本実施の形態のレーザアニール装置1では、4つのレーザ光源12(12-1〜12-4)を備えているが、その数は4つに限らずいくつでもよい。
【0018】
ビーム合成光学系13は、第1〜第4のレーザ光源12(12-1〜12-4)から出射された4つのレーザ光が入射される。ビーム合成光学系13は、これらのレーザ光をビームスプリッタやミラーにより重ね合わせ、一束の光束のレーザ光に合成して出力する。
【0019】
ビーム成形光学系14は、ビーム合成光学系13から出射された1本のレーザ光が入射される。ビーム成形光学系14は、入射されたレーザ光の光軸に垂直な断面のエネルギ密度を平均化するとともに、ビーム径を例えば矩形状に成形する。
【0020】
レーザ光偏向部15は、入射されたレーザ光を偏向させ、且つ、基板2上に導光する光学部材である。例えば、レーザ偏向部15は、ガルバノメータ19と、ガルバノメータ19に連結された反射鏡20とを有するガルバノスキャナーである。レーザ光偏向部15は、ビーム成形光学系14から出射されたレーザ光が入射され、入射されたレーザ光を反射鏡20により反射してステージ11上の基板2に照射する。ガルバノメータ19は、反射鏡20を一定の回転角の範囲内を往復移動させるよう回転移動させる。このようにガルバノメータ19によって反射鏡20を移動させることによって、基板2上のレーザの照射位置が、所定の範囲内を往復移動することとなる。なお、ここでは、ガルバノメータ19による反射鏡20の移動によって、レーザ光の照射位置が、図中Y方向に直線移動するように、レーザ光偏向部15が配置されているものとする。
【0021】
fθレンズ16は、レーザ光偏向部15と基板2との間のレーザ光の光路上に設けられている。ガルバノスキャナー等の光学部材を用いてレーザ光の照射位置を制御した場合、基板2上までの光路の長さや基板2へのレーザ光の入射角度が、レーザ光の照射位置によって異なってしまう。そのため、基板2上に照射されたレーザスポットのエネルギ密度分布やスポット形状にひずみが生じてしまう。fθレンズ16は、レーザ光偏向部15によりレーザ光の照射位置が移動されることにより生じる基板2上のレーザスポットのひずみを補正するレンズである。
【0022】
セル17は、図2に示すように、円筒状のガス保留部21と、ガス保留部21の一方の開口部分に設けられた透明部材からなるウィンドウ22と、ガス保留部21の側面部に設けられた2つのガス注入ノズル23(23a,23b)とにより構成される。
【0023】
ガス保留部21は、円筒状の形状となっている。ガス保留部21は、円筒の一方の開口部分が透明な部材からなるウィンドウ22により密閉されている。円筒の他方の開口部分は、開口された状態のままとなっている。なお、ウィンドウ22が設けられてない方の開口部分のことを開口部24とする。
【0024】
ウィンドウ22は、例えばガラス等であるが、レーザ光源12から出射された波長のレーザ光を透過すればどのような材質であってもよい。
【0025】
ガス注入ノズル23(23a,23b)は、ガス保留部21の円筒の直径よりも十分に小さい直径の挿通孔25が形成された直線のパイプ状となっている。ガス注入ノズル23は、その一端が、ガス保留部21に接続されている。また、ガス注入ノズル23は、ガス保留部21に接続されていない方の端部が、ソフトチューブ等を介してガス供給部18に接続されている。ガス注入ノズル23は、レーザアニール時には、ガス保留部21に接続されていない方の端部から、所定の流量で窒素ガスが注入される。
【0026】
ガス注入ノズル23は、ガス保留部21の側面のウィンドウ22側の端部に接続されている。ガス注入ノズル23の挿通孔25は、円筒状のガス保留部21の内部空間に接続されている。従って、ガス供給部18からガス注入ノズル23へ窒素ガスを注入すれば、ガス保留部21の内部空間にまで窒素ガスが注入されることとなる。また、ガス注入ノズル23は、図3に示すように、円筒状のガス保留部21の中心軸と挿通孔25の形成方向とが垂直となり、且つ、ガス保留部21との接続位置におけるガス保留部21の内周の接線方向と挿通孔25の形成方向とが平行となるように、配置されている。すなわち、ガス注入ノズル23は、窒素ガスを注入した場合、ガス保留部21の内部空間の側壁に沿って窒素ガスが注入されるように、配置されている。
【0027】
このような構成のセル17は、ガス注入ノズル23から所定の流量で内部空間に窒素ガスを注入した場合、窒素ガスが側壁に沿って回転する対流を生じさせながら内部空間に充満し、開口部24から外部に排出される。従って、セル17は、ガス注入ノズル23から窒素ガスを注入した場合、内部空間で乱流が発生しづらくなり、開口部24から外部ガスを吸引しなくなる。つまり、セル17は、ガス注入ノズル23から窒素ガスが注入された場合、内部空間が酸素密度が少ない状態の窒素雰囲気となる。
【0028】
セル17は、図4に示すように、fθレンズ16と基板2との間に配置され、且つ、円筒状のガス保留部21の中心軸と、レーザ光の偏向範囲の中心軸(図4中Lで示す線)とが一致した位置に配置される。レーザ光の偏向範囲の中心軸は、ガルバノメータ19を駆動していない基準状態でのレーザ光の光軸である。また、セル17の配置の方向は、ウィンドウ22がfθレンズ16側、開口部24がステージ11側とされている。
【0029】
ここで、セル17は、平板状の基板2に十分近接させた位置に配置されている。セル17を基板2に対して十分に近接させた位置に配置した場合、基板2が障壁となって、セル17の内部に充満している窒素ガスが基板2に対して平行な方向に排出され、セル17と基板2との間の空間(空間D)へセル17の外部のガスが流入しない。従って、セル17と基板2との間の空間Dも窒素ガスにより充満し、窒素雰囲気となる。特に、セル17の内部空間は、窒素ガスの光軸Lを中心軸とした回転対流が生じているので、開口部24の全円周部分から均等に窒素ガスが排出され、乱流が発生しづらくなり、外部ガスが流入しなくなる。
【0030】
なお、円筒状のガス保留部21の半径は、レーザ光偏向部15により偏向されたレーザ光の光路中を、円筒状のガス保留部21の側面で遮らないように、十分大きく設定されている。つまり、基板2に対して照射されるレーザ光は、レーザ光偏向部15により偏向されても、ウィンドウ22からセル17の内部空間へ入射され、屈折や反射をせずそのまま開口部24から基板2へ出力される。
【0031】
以上のような構成のレーザアニール装置1の動作について説明をする。
【0032】
レーザアニール装置1は、基板2がステージ11上に載せられると、各レーザ光源12からレーザ光を出射するとともに、ステージ11及びレーザ光偏向部15を動作させて基板2のアニール処理を開始する。
【0033】
ステージ11とレーザ光偏向部15の動作は、次のようになる。
【0034】
図5は、レーザアニール中の基板2の表面を示した模式図である。レーザアニール装置1は、レーザ光偏向部15を動作させて、基板2上のレーザ光の照射スポットLを、一定の範囲内で繰り返し直線移動させる。ここでは、照射スポットLが図5中のY方向に、Y1の範囲で往復移動するものとする。さらに、レーザアニール装置1は、照射スポットLの位置が基板2上のX方向の一方の端部から他方の端部まで、一定速度で移動するように、ステージ11をX方向に移動させる。なお、X方向は、上記Y方向と直交する方向である。
【0035】
このようにステージ11及びレーザ光偏向部15をともに動作させると、基板2上の照射スポットLは、図5に示すように、X方向に正弦波状の軌跡で移動していく。
【0036】
そして、レーザアニール装置1は、X方向への移動が終了すると、一旦レーザ光の出射を停止し、ステージ11をY方向に距離Y1だけ移動させ、同様の動作を繰り返し行う。 従って、レーザアニール装置1では、照射スポットの大きさに応じて、ステージ11の移動速度とガルバノの往復移動速度とを調整すれば、基板2の全範囲にわたりレーザ光を照射することが可能となる。つまり、基板2の全面に対してアニールを行うことができる。
【0037】
また、さらに、レーザアニール装置1は、以上のレーザアニール処理を行っている最中に、ガス供給部18から所定の流量で窒素ガスを、セル17の内部に注入する。
【0038】
セル17の内部に窒素ガスを注入すると、セル17の内部空間が窒素雰囲気となるとともに、セル17と基板2との間の空間Dも窒素雰囲気となる。すなわち、レーザ光の照射位置の周辺の雰囲気が、窒素雰囲気となる。
【0039】
このようにレーザ光の照射位置の周辺雰囲気が窒素雰囲気になると、セル17の外部雰囲気に関わらず、その周辺雰囲気の酸素濃度が低下し、基板2が酸化することが抑制される。すなわち、セル17の外部雰囲気が空気であっても、基板2の酸化を抑制することができる。従って、本発明の実施の形態のレーザアニール装置1では、レーザアニール時における基板2の酸化防止のため、ステージ11全体をチャンバ等で囲んでチャンバ内を例えば真空脱気等する必要がなくなる。
【0040】
以上のように本発明の実施の形態のレーザアニール装置1では、装置全体を大型化及び特殊装置とすることなく、安定した低酸素濃度の雰囲気中で基板に対してレーザ光を照射することができる。従って装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
【0041】
さらに、本発明の実施の形態のレーザアニール装置1では、セル17内の雰囲気の調整のみをすればよいので、雰囲気調整を行うために必要とする時間が非常に短く、プロセスのスループットを向上させることできる。
【0042】
なお、本実施の形態のレーザアニール装置1では、セル17に透明部材であるウィンドウ22を設けて円筒状のガス保留部21の一端を密閉しているが、窒素ガスの注入方向や注入流量等を制御して、セル17と基板2の間の空間を窒素雰囲気とすることができれば、ウィンドウ22を設けずに開放したままとしてもよい。
【0043】
また、ウィンドウ22を設けずに、例えば、fθレンズ16の鏡筒を直接接続し、窒素ガスを密閉する構成としてもよい。
【0044】
また、本実施の形態のレーザアニール装置1では、セル17を円筒状としているが、少なくともセル17が筒状となっていれば、円筒に限らずどのような形状であってもよい。例えば、レーザ光源12にエキシマレーザ等を用いた場合や、レーザ光偏向部15にポリゴンミラー等を用いた場合、基板2上に照射されるレーザ光の照射スポット形状が、アスペクト比の高い線状ビームとなる。このような場合には、セル17を、例えば図6に示すような、よりビーム形状に近い直方体形状にする方が、内部空間の容積が小さくなり雰囲気の制御が容易になる。
【0045】
また、本実施の形態のレーザアニール装置1では、セル17の内部空間に注入するガスとして窒素ガスを用いているが、例えば、通常の状態では他の元素と反応しづらい、いわゆる不活性ガスであれば、窒素ガス以外を用いてもよい。
【0046】
実験例
本発明者は、ガス保留部21が円筒状であり、2つのガス注入ノズル23を有するセル17を用いて、図7に示すような条件で、セル17と基板2との間の空間の残留酸素濃度を測定した。なお、セル17の外部の雰囲気は、空気である。
【0047】
ガス保留部21の円筒の内径(φ1):34mm
ガス保留部21の円筒の外径(φ2):38mm
ガス保留部21の側壁及びウィンドウ22の肉厚(t):2mm
ガス保留部21の円筒の内部空間の高さ(h1):29mm
ガス注入ノズル23の挿通孔25の内径(φ3):4mm
開口部24から挿通孔25の中心までの高さ(h2):25.5mm
セル17と基板2との間の距離(g):1.1mm
なお、残留酸素濃度は、図8に示すように、セル17の上部(ウィンドウ22側)から挿入したガスセンサにより測定した。ガスセンサによる測定位置は、円筒の中心位置であり、且つ、セル17と基板2の間の空間Dとした。
【0048】
以上のような条件で残留酸素濃度を測定した結果、残留酸素濃度は次のようになった。
【0049】
【表1】
Figure 0004363010
【0050】
【発明の効果】
本発明にかかるレーザアニール装置では、筒状のガス保留部の開口部分を基板に近接して配置し、その筒内に例えば窒素等の不活性なガスを注入しながら、レーザ光を筒内を通過させて基板上に照射して、レーザアニールを行う。このようなレーザアニール装置では、基板とガス保留部との間の開口部の隙間から流出されるガスの流出量と、上記筒内に注入されるガスの注入量との関係を制御することによって、注入した不活性のガスの濃度を制御することができる。
【0051】
このため、本発明にかかるレーザアニール装置では、基板上のレーザ光が照射されている部分が、窒素等の不活性ガスの雰囲気となる。すなわち、レーザ光が照射されている基板上の雰囲気の酸素濃度を低くすることができる。さらに、このレーザアニール装置では、筒状のガス保留部内部にのみ不活性ガスを注入すればよいので、局所的な小さな領域のみガスを注入すればよい。従って、例えばステージを含めた基板全体をチャンバ等で覆う従来のレーザアニール装置と比べて、装置全体を大型化及び特殊装置とすることなく、安定した低酸素濃度の雰囲気中で基板に対してレーザ光を照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のレーザアニール装置の構成図である。
【図2】上記レーザアニール装置に設けられたセルの斜視図である。
【図3】上記セルの断面図である。
【図4】fθレンズ、セル、基板及びステージの断面図である。
【図5】レーザスポットの移動軌跡を示す図である。
【図6】直方体形状のセルの斜視図である。
【図7】残留酸素濃度の測定を行ったセルを示す図である。
【図8】残留酸素濃度の測定点を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザアニール装置、11 ステージ、12 レーザ光源、13 レーザ光合成光学系、14 ビーム成形光学系、15 レーザ光偏向部、16 fθレンズ、17 セル、18 ガス供給部

Claims (2)

  1. 基板に対してレーザ光を照射して当該基板に対してアニール処理を施すレーザアニール装置において、
    レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、
    上記基板を保持するステージと、
    上記レーザ光出射手段から出射されたレーザ光を導光して上記基板に照射する光学系と、
    筒状のガス保留部と、当該ガス保留部内に外部からガスを注入するためのガス注入口とを有する局所雰囲気形成手段とを備え、
    上記局所雰囲気形成手段は、筒状の上記ガス保留部の一方の開口部分が上記ステージに対向する位置に配置され、上記ガス保留部の上記ステージと対向していない他方の開口部分が上記光学系のレーザ光の出力部分の光学部材により密閉され、且つ、上記光学系から基板までのレーザ光の光路が筒状の上記ガス保留部の他方の開口部分から一方の開口部分を通過する位置に配置されており、レーザアニール処理中に上記ガス注入口から不活性ガスが外部から注入されるレーザアニール装置。
  2. 基板に対してレーザ光を照射して当該基板に対してアニール処理を施すレーザアニール装置において、
    レーザ光を出射するレーザ光出射手段と、
    上記基板を保持するステージと、
    上記レーザ光出射手段から出射されたレーザ光を導光して上記基板に照射する光学系と、
    円筒状のガス保留部と、当該ガス保留部内に外部からガスを注入するためのガス注入口とを有する局所雰囲気形成手段とを備え、
    上記局所雰囲気形成手段は、円筒状の上記ガス保留部の一方の開口部分が上記ステージに対向する位置に配置され、上記ガス保留部の上記ステージに対向していない他方の開口部分が上記光学系のレーザ光の出力部分の光学部材又は透明部材により密閉されており、
    上記ガス注入口は、上記ガス保留部の側壁の上記ステージに対向していない他方の開口部分側の端部に設けられており、上記ガス保留部の内壁の接線方向に沿って不活性ガスを注入するレーザアニール装置。
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