JP5083708B2 - レーザアニール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、基板にレーザ光を照射してアニールを行なうレーザアニール装置に関する。
半導体、液晶の分野における薄膜トランジスタ(TFT)の製造工程では、基板上に形成されたa−Si(アモルファスシリコン)膜などの半導体膜にレーザ光を照射し、結晶化又は活性化させることによって半導体膜を改質するレーザアニールが実施される。
一般的にレーザアニールでは、連続発振又はパルス発振されたレーザ光を、光学系を用いて断面が線状又は細長い矩形状のビーム(以下、矩形状ビームという)に加工し、この矩形状ビームを基板上のa−Si膜に対してビームの短手方向に相対移動させながら照射する。なお、一般的には、矩形状ビームの位置を固定し、基板を移動させることにより基板表面全体に矩形状ビームを照射することが行なわれている。
このようなレーザアニールにおいて基板にレーザ光を照射する際、レーザ光の照射部分に大気中の酸素が触れると、基板表面に凹凸が形成されたり、基板表面に酸化膜が形成されたりする等の問題が生じる。このような問題を解決する手法として、装置全体をチャンバーとしてその内部に基板を設置し、チャンバー内を真空あるいは不活性ガス雰囲気とすることで、レーザ照射領域の酸素濃度を下げる方法がある(例えば、下記特許文献1参照)。
しかしながら、上述したチャンバー方式では、チャンバー内を真空あるいは不活性ガス雰囲気とするために、チャンバーの真空引きや不活性ガスの充填に時間を要するため、処理のスループットを向上できないという問題がある。特に最近の大型液晶ディスプレイ用の基板を処理する場合、チャンバーも大型化するため、これらの問題が顕著となっている。また、真空引きを行なう方法では、半導体膜の融点が低く蒸発しやすい環境であるため、アニールの際、半導体膜が蒸発し、レーザ照射系(レンズなど)に蒸発物が付着し、レーザ照射量の低下や不均一につながり、常時メンテナンスが必要となる。
上述したチャンバー方式の問題を解決するための技術が種々提案されている。
下記特許文献2では、レーザ光が通過するスリットとこのスリットの周辺部に設けられた複数の窒素ガス噴出口を有する板状ノズルを有する窒素ガス噴射手段を用い、窒素ガス噴出口から窒素ガスを噴射し、レーザ照射部分近傍のみを窒素雰囲気とすることにより、レーザ照射領域の酸素濃度を下げることを狙ったレーザアニール装置を提案している。
また、下記特許文献3では、矩形状ビームと同一方向に延びる先端開口部を有するノズルから基板に向けて窒素ガスを噴出して、レーザ照射部分近傍のみを窒素雰囲気とすることにより、レーザ照射領域の酸素濃度を下げることを狙ったレーザアニール装置を提案している。
特開2002−217124号公報 特許第3502981号公報 特開2004−152823号公報
しかしながら、特許文献2、3の従来技術のように単に不活性ガスを吹き付ける方法では、吹付けノズル領域におけるガス流量分布が均一とならず、十分に酸素濃度が下がらない部分が生じることにより、アニール処理後における基板の面方向にアニール効果のばらつきが生じるという問題がある。あるいは、ガス流用分布の均一性を向上させるために多量の不活性ガスを流す方法も考えられるが、ガス使用量が増大し製造コストが増大するという問題がある。
本発明は上述した問題に鑑みてなされたものであり、レーザ光の照射部分において十分に酸素濃度を下げることによりアニール効果のばらつきを大幅に低減することができるレーザアニール装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するため、本発明のレーザアニール装置は、以下の手段を採用する。
(1)本発明は、基板表面において線状又は矩形状のビームに集光したレーザ光を、基板に対して前記ビームの短手方向に相対移動させながら照射してアニールを行なうレーザアニール装置であって、基板を載せる基板ステージと、前記ビームの長手方向に延びる長方形状開口をもち該長方形状開口から不活性ガスを噴き出して基板に吹き付ける吹付けノズルを有し、レーザ光の照射部分より広い範囲に不活性ガスを供給するガス供給機構と、前記基板ステージの基板載置面の外端部から外側に向って延びるスカート部材と、を備え、前記吹付けノズルは、基板の縁部を含む領域にレーザ光が照射される際に、長方形状開口の一部が基板ステージよりも外側に出る位置となり、前記スカート部材は、前記長方形状開口のうち基板ステージよりも外側に出る部分と同じか当該部分よりも外側まで延びていることを特徴とする。
上記構成によれば、ガス供給機構により、レーザ光の照射部分に不活性ガスを吹き付け、レーザ光の照射部分及びその近傍のみを不活性ガス雰囲気とすることができるので、チャンバーの真空引きや不活性ガスの充填をすることなく、レーザ光の照射部分の酸素濃度を下げることができる。
長方形状開口を有する吹付けノズルは、ノズル内壁での流体抵抗の影響により長方形状開口の端部の流量が低下するため、ガス吹き付け領域をレーザ光の照射部分よりも広く取っている。一方基板ステージは、小型軽量であることが駆動上の観点から有利であるため基板載置面が基板に近い面積となるサイズで作られる。この場合、噴射ノズルの長方形状開口の一部がステージの外側にはみ出し、このはみ出した部分は流体抵抗が少なくなる。このため、ガス流量を制御せず一定流量を流す場合、はみ出した部分のガス流量が相対的に多くなることにより、基板側のガス吹き付け領域のガス流量が相対的に少なくなり酸素濃度が十分に下がらない。そこで、本発明は、基板ステージの基板載置面の外端部から外側に向って延びるスカート部材を備える。このスカート部材に不活性ガスが吹き付けられることにより、基板側のガス吹き付け領域のガス流量と基板ステージからはみ出した部分のガス流量との間で流体抵抗に差が生じないので、基板上に常に均一流量の不活性ガスを吹き付けることができ、酸素濃度もレーザ光の照射部分で十分に下げることできるため、レーザ光の照射部分全面に渡って均一なアニール状態を確保し、アニール効果のばらつきを大幅に低減することができる。
(2)また、上記のレーザアニール装置において、前記ガス供給機構は、前記基板に平行に近接対向する下面を有し該下面と基板との間に不活性ガスの流路を形成するとともにレーザ光を透過させる透過窓を有する平行対向体を有し、前記噴射ノズルの長方形状開口は、レーザ光の照射部分から前記短手方向に所定間隔をおいた位置に設けられている。
上記構成によれば、平行対向体と基板との間にビーム長手方向に関して均一なガス流れが形成され、レーザ照射領域に均一に不活性ガスを供給することができるので、レーザ照射領域の酸素濃度を効率的に下げることができる。また、平行対向体と基板との間に形成された微小間隙の流路に不活性ガスを一方向に流すので、多量の不活性ガスを使用しなくても酸素濃度を均一に下げることが可能となる。
(3)また、上記のレーザアニール装置において、前記スカート部材は、前記基板ステージの基板載置面の端部全周に設けられている。
上記構成により、吹付けノズルの長手方向の端部が基板ステージからはみ出す場合および吹付けノズルの短手方向の端部が基板ステージからはみ出す場合のいずれにおいても、基板ステージからはみ出た部分から噴出される不活性ガスはスカート部材に吹き付けられるので、基板上に均一流量の不活性ガスを吹き付け、酸素濃度を十分に下げることができる。
(4)また、上記のレーザアニール装置において、前記基板ステージには、基板ステージとの間で基板の受渡しを行なう基板搬送装置のハンド部が通過可能なように基板載置面及び側面にて開口する切欠部が設けられており、前記スカート部材の前記切欠部に隣接する部分が、前記ハンドと機械的に干渉しないように移動可能に構成されている。
上記構成によれば、スカート部材における基板ステージの切欠部に隣接する部分が、基板搬送装置のハンド部と機械的に干渉しないように移動可能に構成されているので、従来の基板搬送装置をそのまま適用し、基板ステージとの間で基板の受渡しを行なうことができる。
(5)また、上記のレーザアニール装置において、前記基板ステージには、基板ステージとの間で基板の受渡しを行なう基板搬送装置のハンド部が通過可能なように基板載置面及び側面にて開口する切欠部が設けられており、前記スカート部材の全体が、前記ハンド部と機械的に干渉しないように移動可能に構成されている。
上記構成によれば、スカート部材の全体が、基板搬送装置のハンド部と機械的に干渉しないように移動可能に構成されているので、従来の基板搬送装置をそのまま適用し、基板ステージとの間で基板の受渡しを行なうことができる。
本発明によれば、レーザ光の照射部分において十分に酸素濃度を下げることによりアニール効果のばらつきを大幅に低減することができるという優れた効果が得られる。
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態にかかるレーザアニール装置1の全体概略構成を示す図である。このレーザアニール装置1は、基板2上に形成された半導体膜3(図2参照)の表面において線状又は細長い矩形状のビーム(以下、矩形状ビームという)に集光したレーザ光4を、基板2に対して矩形状ビームの短手方向に相対移動させながら照射して、半導体膜3を改質(多結晶化又は活性化)する装置である。上記の半導体膜3は、例えば、a−Si膜である。
なお、以下、矩形状ビームの長手方向を「ビーム長手方向」とよび、矩形状ビームの短手方向を「ビーム短手方向」とよぶ。
図1に示すように、レーザアニール装置1は、基板2の表面にパルスレーザ光4を照射するレーザ照射装置5と、基板2を載せる基板ステージ10とを備えている。
レーザ照射装置5は、パルスレーザ光4を出射するレーザ光源6と、基板2の表面において矩形状ビームとなるようにレーザ光4を成形するビーム成形光学系7と、ビーム成形光学系7からのレーザ光4を基板2に向けて反射するミラー8を備えている。レーザ光源6としては、エキシマレーザ等のガスレーザ、YAG、YLF、YVO等の固体レーザ、半導体レーザを適用することができる。
基板ステージ10は図示しないステージ駆動機構によって、水平面内を二次元的に移動可能に構成されている。
したがって、このレーザアニール装置1では、基板ステージ10によって基板2がビーム短手方向に移動することにより、レーザ光4が基板2に対してビーム短手方向に相対移動する。
符号12で示したものは、基板ステージ10との間で基板2の受渡しを行なう基板搬送装置12である。基板搬送装置12は、基板2の保持及び解放が可能なハンド部13を有しており、ハンド部13を三次元的に移動させて基板ステージ10との間で基板2の受渡しを行なう。
上記のように構成されたレーザアニール装置1により、基板2の表面において矩形状ビームに集光されたレーザ光4を、基板2をビーム短手方向に移動させながら照射することにより基板2の全面を走査する。これにより、基板2の全面をアニールし、半導体膜3の多結晶化や活性化を行う。
また、本実施形態において処理対象となる基板2のビーム長手方向の寸法は、レーザ光4の照射部分におけるビーム長手方向の長さよりも長い。このため、基板2をビーム短軸方向に一回移動させただけでは基板2の全面をアニールすることはできない。したがって、このような大面積の基板2を処理する場合、ビーム短手方向に基板2を移動させながらレーザ光4を照射し、基板2の端部まで走査したらビーム長手方向にその長さ分だけ基板2を移動させ、続いて前回の移動方向とは逆のビーム短軸方向に基板2を移動させながらレーザ光4を照射し、これを複数回繰り返すことにより、基板2全面をアニールする。
図1に示すように、レーザアニール装置1は、さらに、レーザ光4の照射部分に不活性ガスを供給し、不活性ガスでパージするガス供給機構16を備えている。
図2は、ガス供給機構16の構成を示す断面図である。図2では、左右方向がビーム短手方向である。ガス供給機構16は、ビーム長手方向に延びる長方形状開口18を持つ吹付けノズル17を有し、吹付けノズル17の長方形状開口18から不活性ガス19を噴き出して基板2に吹き付ける。不活性ガス19は、窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン、ウンウンオクチウムなどを使用することができる。
図3は、図2における吹付けノズル17のIII−III線断面図である。図3に示すように、本実施形態における吹付けノズル17は、下部に長方形状開口18が形成された中空構造のノズル体20の内部に、ガス供給管21から供給された不活性ガス19をビーム長手方向に分配する分配管22と、分配管22からの不活性ガス19を整流しビーム長手方向とビーム短手方向の流量を均一化する整流抵抗体23(例えばパンチングメタルのような形状で、材質的には発塵を防ぐアルマイトコート等)とが設けられて構成されたものであり、長方形状開口18が基板2表面を向くように設置されている。本実施形態では、噴き出された不活性ガス19が基板2に垂直に衝突するようになっている。
図3の吹付けノズル17の下側に示したものは、長方形状開口18から噴出される不活性ガス19の流量分布であり、この分布に示すように、長方形状開口18を有する吹付けノズル17では、ノズル内壁での流体抵抗の影響により長方形状開口18の長手方向の端部(短辺部)のガス流量が低下する。また、長方形状開口18の短手方向の端部(長辺部)についても同様にガス流量が低下する。このため、レーザ光4の照射部分に均一な流量のガスが吹きつけられるように、レーザ光4の照射部分よりも長方形状開口18を長く(広く)取っている。
図2に示すように、本実施形態におけるガス供給機構16は、さらに基板2との間に不活性ガス19の流路を形成する平行対向体26を有する。
平行対向体26は、基板2に平行に近接対向する下面を有し且つレーザ光4を透過させる透過窓29を有する。本実施形態では、平行対向体26は、基板2に平行に対向する対向部27と、対向部27のビーム短手方向端部両側から上方に延びる側部28とからなり、レーザアニール装置1の適宜の部位に取り付けられている。対向部27には、上記の基板2に平行に近接対向する下面30が形成され、またその一部が透過窓29となっている。透過窓29は、レーザ光4の透過率の良い材料(例えばガラス)からなり、その下面は、周囲の対向部27の下面30と面一となっている。
アニール処理を行うときの平行対向体26の下面30と基板2との間隔は、両者が接触せず且つその間に不活性ガス19が通過可能な程度に設定される。上記の間隔は、大きすぎるとその間を流れる不活性ガス19の流速が遅くなり流路の大気を吹き飛ばすために大量の不活性ガス19が必要となるので、数mm〜数cm程度とするのが良い。
上記の如き構成されたレーザアニール装置1において、吹付けノズル17から不活性ガス19が噴き出されると、そのガス流は基板2の表面に衝突して基板2の移動方向の前後に分かれる。一方のガス流は基板2と平行対向体26との間の流路に流れ込んで、その流れ方向の前方の流路に存在する大気を基板2の表面の境界層ごと吹き飛ばす。他方のガス流はその流れ方向の前方にある大気を基板2の表面の境界層ごと吹き飛ばし、上記流路への大気の進入を阻止する。
このとき、平行対向体26と基板2との間を流路として、ビーム長手方向に均一化された不活性ガス19が流れ、しかも、そのガス流により基板2の表面の境界層を取り除いているため、流路におけるガスの流れは一方向に乱れなく流れる。また、平行対向体26にはレーザ光4を透過させる透過窓29が設けられているので、矩形状ビームの照射部分におけるガスの流れも一方向に乱れなく流れる。
したがって、レーザ光4の照射部分において不活性ガス19の流れがビーム長手方向に均一となり、この照射部分を均一にパージし、酸素濃度を十分に下げることができるので、アニール処理後における基板2の面方向に生じるアニール効果のばらつきを大幅に低減することができる。また、不活性ガス19のガス流によって上記流路への大気の進入を阻止するので、レーザ光4の照射部分を効率的にパージすることができる。また、平行対向体26と基板2との間を流路として不活性ガス19を一方向に流すので、多量の不活性ガス19を使用しなくても均一なパージが可能となる。
図2に示すように、吹付けノズル17はレーザ光4の照射部分に対して基板2の移動方向上流側に設置されていることが好ましい。このように構成することで、基板2移動方向の下流側に流れる不活性ガス19のガス流は基板2の移動方向と一致するため、基板2による流れの妨害を受けない。このため、基板2の移動方向の前方に存在する大気を境界層ごと効率よく吹き飛ばすことができるので、より確実に均一なパージが可能となる。
図4は、基板ステージ10及びスカート部材32の構成を示す斜視図である。図4に示すように基板ステージ10には、基板載置面(上面)の外端部から外側に向って延びるスカート部材32が設けられている。
図5は、基板ステージ10と吹付けノズル17の位置関係及びガス流れ状態を示す模式図であり、(A)は本発明のスカート部材32が設けられた図であり、(B)はスカート部材32が設けられていない場合を仮定した図である。
上記の基板ステージ10は、小型軽量であることが駆動上の観点から有利であるため基板載置面が基板2に近い面積となるサイズで作られる。また上述したように、レーザ光4の照射部分に均一な流量のガスが吹きつけられるように、吹付けノズル17の長方形状開口18の大きさは、レーザ光4の照射部分よりも長く(広く)取っている。このため、図5(B)に示すように、基板2の縁部を含む領域にレーザ光4を照射する際に、吹付けノズル17の長方形状開口18の一部が基板ステージ10の外側にはみ出し、このはみ出した部分は流体抵抗が少なくなる。このため、ガス流量を制御せず一定流量を流す場合、はみ出した部分のガス流量が相対的に多くなることにより、基板2側のガス吹き付け領域のガス流量が相対的に少なくなり酸素濃度が十分に下がらない。
そこで本発明では、図5(A)に示すように、基板載置面の外端部から外側に向って延びるスカート部材32を設けた。このスカート部材32は、長方形状開口18のうち基板ステージ10よりも外側に出た部分と同じか当該部分よりも外側まで延びている。
上記構成によれば、図5(A)に示すように、スカート部材32に不活性ガス19が吹き付けられることにより、基板2側のガス吹き付け領域のガス流量と基板ステージ10からはみ出した部分のガス流量との間で流体抵抗に差が生じないので、基板2上に常に均一流量の不活性ガス19を吹き付けることができ、酸素濃度もレーザ光4の照射部分で十分に下げることできるため、レーザ光4の照射部分全面に渡って均一なアニール状態を確保し、アニール効果のばらつきを大幅に低減することができる。
また、スカート部材32は、軽量の材料で板状に形成することができるので、基板ステージ10に付加しても、基板ステージ10の駆動に与える影響は殆どない。
また、基板2側のガス吹き付け領域のガス流量と基板ステージ10からはみ出した部分のガス流量との間での流体抵抗の差を効果的に無くすために、図5(A)に示すように、上記のスカート部材32の上面が、基板ステージ10に載せた基板2の上面と面一となるようにスカート部材32の配置位置を設定するのが好ましい。
また、図4に示すように、スカート部材32は、基板ステージ10の基板載置面の端部全周に設けられているのが好ましい。この構成により、吹付けノズル17のビーム長手方向の端部が基板ステージ10からはみ出す場合および吹付けノズル17のビーム短手方向の端部が基板ステージ10からはみ出す場合のいずれにおいても、基板ステージ10からはみ出た部分から噴出される不活性ガス19はスカート部材32に吹き付けられるので、基板2上に均一流量の不活性ガス19を吹き付け、酸素濃度を十分に下げることができる。
図4に示すように、基板ステージ10には、上述した基板搬送装置12のハンド部13が通過可能なように基板載置面及び側面にて開口する切欠部10aが設けられている。また、基板ステージ10は、基板載置面で開口する吸引穴10bが複数設けられており、吸引穴10b内の空気を吸引して基板2を吸着し固定するようになっている。
図4に示す構成例では、基板搬送装置12とスカート部材32との機械的干渉を回避するために、スカート部材32における基板ステージ10の切欠部10aに隣接する部分が、基板搬送装置12のハンド部13と機械的に干渉しないように移動可能に構成されている。
具体的には、スカート部材32は、切欠部10aに隣接する部分以外の部分に設けられた固定部32aと、切欠部10aに隣接する部分に設けられた可動部32bとから構成されている。可動部32bは、両側に隣接する固定部32aの間を閉じる閉鎖位置と、基板搬送装置12のハンド部13と機械的に干渉しない退避位置(点線で示した位置)とを、移動可能に構成されている。可動部32bの移動は、図示しない駆動機構によって行なわれる。可動部32bの移動方向は、図4に示すように上下でもよく、水平方向へのスライドや揺動であってもよい。
上記構成によれば、スカート部材32における基板ステージ10の切欠部10aに隣接する部分が、基板搬送装置12のハンド部13と機械的に干渉しないように移動可能に構成されているので、従来の基板搬送装置12をそのまま適用し、基板ステージ10との間で基板2の受渡しを行なうことができる。
また、図6に示すように、可動部32bの下部に、隣接する固定部32aの下面に対向する張出部33を設けるのが好ましい。この構成により、吹付けノズル17からの不活性ガス19が下面側に漏れ出るのを防止することができる。
図7は、スカート部材32の別の構成例を示す図である。この構成例では、スカート部材32の全体が、基板搬送装置12のハンド部13と機械的に干渉しないように移動可能に構成されている。具体的には、スカート部材32は、基板ステージ10の基板載置面の端部近傍の高さとなる上昇位置と、基板搬送装置12のハンド部13と機械的に干渉しない退避位置(点線で示した位置)とを、移動可能に構成されている。上昇位置では、スカート部材32の上面が、基板ステージ10に載せた基板2の上面と面一となるのが好ましい。スカート部材32の移動は、図7に示すように、基板ステージ10に設けられた例えばエアシリンダ等のリニアアクチュエータ35によって行なわれる。
上記構成によれば、スカート部材32の全体が、基板搬送装置12のハンド部13と機械的に干渉しないように移動可能に構成されているので、従来の基板搬送装置12をそのまま適用し、基板ステージ10との間で基板2の受渡しを行なうことができる。
なお、上記において、本発明の実施形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれら発明の実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むものである。
例えば、上述した実施形態ではガス供給機構16は平行対向体26を備える構成であったが、平行対向体26をなくして、吹付けノズル17の長方形状開口18をレーザ光4の照射部分に向けて配置し、基板2上のレーザ光4の照射部分に不活性ガス19を直接吹き付けるように構成してもよい。
本発明の実施形態にかかるレーザアニール装置の全体概略構成を示す図である。 本発明の実施形態にかかるレーザアニール装置おけるガス供給機構の構成を示す断面図である。 図2における吹付けノズルのIII−III線断面図である。 本発明の実施形態にかかるレーザアニール装置における基板ステージとスカート部材の構成例を示す斜視図である。 本発明の実施形態にかかるレーザアニール装置における基板ステージと吹付けノズルの位置関係及びガス流れ状態を示す模式図である。 本発明の実施形態にかかるレーザアニール装置におけるスカート部材の可動部の好ましい構成例を示す図である。 本発明の実施形態にかかるレーザアニール装置における基板ステージとスカート部材の別の構成例を示す斜視図である。
符号の説明
1 レーザアニール装置
2 基板
3 半導体膜
4 レーザ光
5 レーザ照射装置
6 レーザ光源
7 ビーム成形光学系
8 ミラー
10 基板ステージ
10a 切欠部
10b 吸引穴
12 基板搬送装置
13 ハンド部
16 ガス供給機構
17 吹付けノズル
18 長方形状開口
19 不活性ガス
20 ノズル体
21 ガス供給管
22 分配管
23 整流抵抗体
26 平行対向体
27 対向部
28 側部
29 透過窓
30 下面
32 スカート部材
32a 固定部
32b 可動部
33 張出部
35 リニアアクチュエータ

Claims (5)

  1. 基板表面において線状又は矩形状のビームに集光したレーザ光を、基板に対して前記ビームの短手方向に相対移動させながら照射してアニールを行なうレーザアニール装置であって、
    基板を載せる基板ステージと、
    前記ビームの長手方向に延びる長方形状開口をもち該長方形状開口から不活性ガスを噴き出して基板に吹き付ける吹付けノズルを有し、レーザ光の照射部分より広い範囲に不活性ガスを供給するガス供給機構と、
    前記基板ステージの基板載置面の外端部から外側に向って延びるスカート部材と、を備え、
    前記吹付けノズルは、基板の縁部を含む領域にレーザ光が照射される際に、長方形状開口の一部が基板ステージよりも外側に出る位置となり、
    前記スカート部材は、前記長方形状開口のうち基板ステージよりも外側に出る部分と同じか当該部分よりも外側まで延びていることを特徴とするレーザアニール装置。
  2. 前記ガス供給機構は、前記基板に平行に近接対向する下面を有し該下面と基板との間に不活性ガスの流路を形成するとともにレーザ光を透過させる透過窓を有する平行対向体を有し、前記噴射ノズルの長方形状開口は、レーザ光の照射部分から前記短手方向に所定間隔をおいた位置に設けられている請求項1記載のレーザアニール装置。
  3. 前記スカート部材は、前記基板ステージの基板載置面の端部全周に設けられている請求項1記載のレーザアニール装置。
  4. 前記基板ステージには、基板ステージとの間で基板の受渡しを行なう基板搬送装置のハンド部が通過可能なように基板載置面及び側面にて開口する切欠部が設けられており、
    前記スカート部材の前記切欠部に隣接する部分が、前記ハンドと機械的に干渉しないように移動可能に構成されている請求項3記載のレーザアニール装置。
  5. 前記基板ステージには、基板ステージとの間で基板の受渡しを行なう基板搬送装置のハンド部が通過可能なように基板載置面及び側面にて開口する切欠部が設けられており、
    前記スカート部材の全体が、前記ハンド部と機械的に干渉しないように移動可能に構成されている請求項3記載のレーザアニール装置。
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