JP2005166768A - レーザーアニール装置及び薄膜トランジスタ製造方法 - Google Patents

レーザーアニール装置及び薄膜トランジスタ製造方法 Download PDF

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一之 藤原
Hiromasa Morita
浩正 森田
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Abstract

【課題】 多量の不活性ガスを要することなく、加熱領域内における基板上の酸素濃度を低減することができるレーザーアニール装置を提供する。
【解決手段】 半導体膜が形成された基板の主面に対してレーザー光3を照射し、基板上の線状領域を加熱するレーザー出力部2と、上記基板の主面に対向させて設けられた射出口6aを有し、上記加熱領域に対し、射出口6aから不活性ガスを射出する線状射出ノズル6と、上記基板の主面に対向させて設けられた射出口7aを有し、上記加熱領域を両側から挟む側方領域に対し、射出口7aから不活性ガスを射出する環状射出ノズル7により構成される。射出口6aから基板へレーザー光3を照射する際、射出口6aからガス流11が出射されるとともに、射出口7aからガス流12が出射され、ガス流11に周囲の空気が巻き込まれるのを抑制している。
【選択図】 図1


Description

本発明は、レーザーアニール装置及び薄膜トランジスタ製造方法に係り、さらに詳しくは、半導体膜が形成された基板にレーザー照射を行う際、基板上の酸素濃度を低減することができるレーザーアニール装置の改良に関する。
アクティブマトリクス型と呼ばれる液晶ディスプレイは、ガラス基板上に多数の薄膜トランジスタをマトリクス状に形成することによって構成される。一般に、非晶質のシリコン膜は結晶性のシリコン膜よりも低温で製造することができるため、従来の液晶ディスプレイでは、非晶質シリコン膜を半導体層とする薄膜トランジスタ、いわゆるアモルファスシリコンTFT(Thin Film Transistor)が広く採用されている。
ところが、非晶質シリコン膜にレーザー光を照射し、局所的に溶融結晶化させるレーザーアニール技術の開発によって、結晶性シリコン膜を低温でも製造できるようになった。このようなレーザーアニールで得られる結晶性シリコン膜を半導体層とする薄膜トランジスタは、低温ポリシリコンTFTと呼ばれ、アモルファスシリコンTFTに比べて動作特性が優れていることから最近注目されている。
図10は、従来の低温ポリシリコンTFTの構成を示した断面図である。この低温ポリシリコンTFTは、いわゆるトップゲート型の薄膜トランジスタである。ガラス基板などの絶縁性基板101上には、窒化シリコン膜102及び酸化シリコン膜103からなる絶縁膜が下地膜として形成され、この下地膜上に、チャネル領域104及びソース・ドレイン領域105からなる半導体層が形成されている。この半導体層は、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)膜を形成した後、レーザー光を照射して溶融結晶化し、更にパターニングした結晶性シリコン(ポリシリコン)膜である。この半導体層上には、酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜106が形成されている。
ゲート絶縁膜106上には、スパッタリングによりクロム膜やモリブデン合金膜などの導電性の金属膜が形成され、この金属膜を写真製版によってパターニングしたのがゲート電極107である。ゲート電極107は、半導体層(結晶性シリコン膜)にリンなどの不純物を注入する際のマスクとしても用いられる。すなわち、ゲート絶縁膜106を介して半導体層に不純物がイオンドーピングされ、その後の加熱処理によって不純物が活性化されて半導体層にソース・ドレイン領域105が形成されている。
ゲート電極107上には、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜108が形成されている。この層間絶縁膜108及びゲート絶縁膜106には、パターニングによってコンタクトホール(パッドコンタクト)が設けられ、ソース電極110及びドレイン電極109が形成されている。これらの電極が設けられた層間絶縁膜108上には、窒化シリコン膜からなるパッシベーション膜111が形成され、パッシベーション膜111上に有機樹脂膜112が塗布されている。有機樹脂膜112及びパッシベーション膜111には、パターニングによってコンタクトホール(画素コンタクト)が設けられている。このコンタクトホールが設けられた有機樹脂膜112上に画素電極113を形成することによって、薄膜トランジスタが完成する。
図11(a)及び(b)は、低温ポリシリコンTFTに関する従来の製造プロセスの要部を示した図であり、図11(a)には、非晶質シリコン膜104aが形成される半導体膜形成工程後の状態が示され、図11(b)には、形成された非晶質シリコン膜104aにレーザー光を照射して溶融結晶化を行うレーザー照射工程が示されている。半導体膜形成工程では、窒化シリコン膜102及び酸化シリコン膜103からなる下地膜上に非晶質シリコン膜104aが形成される。この非晶質シリコン膜104aの形成は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて行われる。
レーザー照射工程では、非晶質シリコン膜104aが形成された絶縁性基板101に対してレーザー照射が行われる。このレーザー照射は、レーザーアニール装置を用いて、波長が紫外線領域であるXeClエキシマレーザー光を絶縁性基板101上の線状領域に対して照射することによって行われ、線状領域を移動させながら、絶縁性基板101上を順次に加熱していく。このようなレーザーアニールによって非晶質シリコン膜104aが順次に溶融結晶化されて結晶性シリコン膜104bが形成される。
このレーザー照射工程は、通常、大気中において行われ、レーザー照射中の半導体膜(シリコン膜)表面104aには酸素(O)ガスが存在している。この酸素ガスの影響により、レーザー照射後のシリコン膜104bの表面凹凸が大きくなり、TFT特性を劣化させているという問題があった。
例えば、トップゲート型TFTの場合、結晶性シリコン膜104b表面に凹凸があれば、電圧印加時に結晶性シリコン膜104b表面の凸部分とゲート電極107との間に電界集中が生じ、ゲート絶縁膜106のリークが発生する原因となり、また、ゲート耐圧が低下する原因となる。このため、シリコン膜104bの表面凹凸が増大すれば、TFT特性を劣化させる。また、この様なTFTを用いた液晶ディスプレイは、視覚的に確認できる線欠陥などの表示不良の原因となるので好ましくない。
酸素ガスの存在によって、結晶化後のシリコン膜表面の凹凸が増大するのは、レーザー照射による加熱領域においてシリコン膜表面の酸素濃度が高いと、シリコン膜表面に酸化膜(熱酸化膜)が生じ、レーザー照射によって溶融したシリコンが冷却されて結晶化する際、その酸化膜がシリコン膜表面の平滑化を阻止するためであると考えられる。
この様な酸素ガスの影響を低減する方法として、レーザー照射を真空状態で行い、レーザーアニール時における半導体膜(シリコン膜)表面の酸素濃度を低減することが考えられる。しかし、この方法では、基板上の雰囲気を除去して真空状態を得るのに多大な時間を要するので、トランジスタ製造のスループットが低下してしまうという問題が生ずる。また、レーザーアニール装置内を真空状態にすると、装置内の様子を監視するための窓がレーザーアニール時に蒸気で曇ってしまうという問題もあった。
そこで、酸素ガスを含まない気体を基板に対して射出することにより、レーザーアニール時における半導体膜(シリコン膜)表面の酸素濃度を低減する技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
図12は、従来のレーザーアニール装置の要部を示した断面図である。図中の121は絶縁性基板、122は絶縁性基板121上に形成されたシリコン膜、123は酸素ガスを含まない不活性ガスを収容するためのガス収容室、124はガス収容室123内に不活性ガスを供給するためのガス供給管である。不活性ガスは、酸素ガスを含まず、シリコン膜に対する反応性が低い気体であり、窒素(N)ガスなどが用いられる。ガス収容室123には、絶縁性基板121に対向する側に不活性ガスを射出するための射出口123aが設けられている。レーザー光は、この射出口123aを介して絶縁性基板121の主面に照射され、レーザー照射に伴って不活性ガスが基板上の加熱領域に対して射出される。この様にして、不活性ガスを基板に対して射出することにより、レーザーアニール時の加熱領域内における基板上の酸素濃度を低減することができる。
しかしながら、上述した従来のレーザーアニール装置では、射出口123aから射出されるガス流が周囲の空気を巻き込み、基板上の加熱領域に吹き付けられる不活性ガスに微量の酸素ガスが混入してしまう。このため、基板上で所望の酸素濃度を得るためには、多量の不活性ガスを吹き付ける必要があるという問題があった。更に、吹き付けるガス流量の増大にともなって空気の巻き込み量も増大することから、ある程度までガス流量を増大すれば、基板上での酸素濃度が飽和してしまい、所望の酸素濃度を得ることは容易でないという問題があった。
特開2003−17411号公報 特開平10−64842号公報
上述した通り、従来のレーザーアニール装置では、基板に吹き付けられる不活性ガスに微量の酸素ガスが混入する。このため、レーザーアニール時の酸素濃度を低減してシリコン膜表面における凹凸の発生を抑制するには、多量の不活性ガスが必要となるという問題があった。また、不活性ガスの流量を増大させたとしても、得られる酸素濃度には限界があるという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、半導体膜表面における凹凸の発生を抑制し、薄膜トランジスタのTFT特性を向上させることができるレーザーアニール装置及び薄膜トランジスタ製造方法を提供することを目的としている。特に、より少ない不活性ガスを用いて、加熱領域内における基板上の酸素濃度を低減することができるレーザーアニール装置を提供することを目的としている。また、酸素濃度をより低減することができるレーザーアニール装置を提供することを目的としている。
本発明によるレーザーアニール装置は、半導体膜が形成された基板の主面に対してレーザー光を照射し、基板上の線状領域を加熱するレーザー照射手段と、上記基板の主面に対向させて設けられた第1の射出口を有し、上記加熱領域に対し、第1の射出口から不活性ガスを射出する第1のガス射出手段と、上記基板の主面に対向させて設けられた第2の射出口を有し、上記加熱領域を両側から挟む側方領域に対し、第2の射出口から不活性ガスを射出する第2のガス射出手段により構成される。
この様な構成によれば、レーザー光が照射される線状の加熱領域に対し、第1の射出口から不活性ガスを射出する際、加熱領域の側方領域に第2の射出口から不活性ガスを射出することができる。このため、第2の射出口からのガス流によって近傍の空気が加熱領域より外側に排出され、第1の射出口から射出されるガス流に周囲の空気が巻き込まれるのを抑制することができる。従って、より少ない不活性ガスを用いて、基板上の加熱領域内における酸素濃度を低減させることができる。また、基板上の加熱領域において、より低い酸素濃度を実現することができる。
本発明によるレーザーアニール装置は、上記構成に加え、上記第2のガス射出手段が、上記加熱領域に沿って、加熱領域全体を挟み込む側方領域に対して不活性ガスを射出するように構成される。この様な構成により、第1の射出口から線状の加熱領域に射出されるガス流全体を第2の射出口から射出されるガス流で挟み込むことができ、第1の射出口から加熱領域に吹き付けられるガス流への空気の巻き込みを効果的に抑制することができる。
本発明によるレーザーアニール装置は、上記構成に加え、上記レーザー照射手段が、第1の射出口からレーザー光を照射し、上記第2の射出口は、第1の射出口を取り囲む環状の射出口からなる。この様な構成により、第2の射出口から射出されるガス流が、第1の射出口から射出されるガス流を取り囲むように形成されるため、第1の射出口から加熱領域に吹き付けられるガス流への空気の巻き込みを更に効果的に抑制することができる。
本発明によるレーザーアニール装置は、上記構成に加え、上記第2の射出口が、不活性ガスを外側に向けて射出する環状射出ノズルからなる。この様な構成により、環状射出ノズルから射出されるガス流が、加熱領域と反対の方向に向けられ、第2の射出口から側方領域に吹き付けられる不活性ガスを加熱領域より外側に効果的に排出させることができる。従って、第1の射出口からのガス流に対する空気の巻き込みを効果的に抑制することができる。
本発明によるレーザーアニール装置は、上記構成に加え、上記加熱領域内における基板上の酸素濃度が45ppm以下となるように構成される。この様な構成によれば、レーザーアニール時において半導体膜表面に凹凸が発生するのを抑制することができ、薄膜トランジスタのTFT特性を向上させることができる。
本発明によるレーザーアニール装置は、上記構成に加え、上記レーザー照射手段による加熱処理後の半導体膜の表面粗さRaが1nm以上3nm以下であるように構成される。この様な構成によれば、半導体膜表面の凹凸を安定的に低減し、薄膜トランジスタのTFT特性を向上させることができる。
本発明による薄膜トランジスタ製造方法は、基板上に非晶質の半導体膜を形成する半導体膜形成ステップと、上記非晶質半導体膜が形成された基板の主面に対してレーザー光を照射し、基板上の線状領域を加熱するレーザー照射ステップと、レーザー照射中の加熱領域に対して第1の射出口から不活性ガスを射出するとともに、上記加熱領域を両側から挟む側方領域に対して第2の射出口から不活性ガスを射出する不活性ガス射出ステップと、レーザー照射により結晶化された半導体膜をパターニングするTFT領域形成ステップと、パターニングによりTFT領域が形成された基板上にゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成ステップと、上記ゲート絶縁膜が形成された基板上に導電膜を形成し、パターニングするゲート電極形成ステップにより構成される。
また、上記非晶質半導体膜の形成後に当該半導体膜表面に形成された自然酸化膜をレーザー照射前に除去する酸化膜除去ステップを備えることにより、レーザー照射が行われるまでに自然酸化膜を除去することができる。従って、レーザーアニールによって半導体膜表面に凹凸が発生するのを効果的に抑制することができる。自然酸化膜の除去処理には、バッファードフッ酸(BHF)などの洗浄剤が用いられる。
さらに、上記レーザー照射ステップが、上記自然酸化膜の除去後、6時間以内にレーザー照射を開始するステップであれば、半導体膜表面に形成された自然酸化膜の除去後速やかにレーザー照射が開始されるので、新たに自然酸化膜が形成されることなく、レーザーアニールを行うことができる。自然酸化膜の除去処理後に新たに自然酸化膜が形成されるのを効果的に抑制するためには、除去処理からレーザー照射開始までの経過時間(ストレージ)が3時間以内であることがより好ましい。
本発明によるレーザーアニール装置及び薄膜トランジスタ製造方法によれば、レーザー光が照射される加熱領域に対し、第1の射出口から不活性ガスを射出するとともに、加熱領域の側方領域に対し、第2の射出口から不活性ガスを射出している。このため、第1の射出口から射出されるガス流に対して周囲の空気が巻き込まれるのを抑制することができる。
従って、第1の射出口から基板上の加熱領域に吹き付けられる不活性ガスに酸素ガスが混入するのを抑制することができるので、より少ない不活性ガスを用いて、加熱領域内における基板上の酸素濃度を低減することができる。また、より低い酸素濃度を実現することが可能となる。この様にして結晶性半導体膜の表面における凹凸の発生を抑制することにより、薄膜トランジスタのTFT特性を向上させることができる。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1によるレーザーアニール装置の要部の一構成例を示した断面図であり、図中の2はレーザー出力部、3はレーザー光、4はアニーラウインドー、5はガス収容室、6は線状射出ノズル、7は環状射出ノズル、8はガスボンベ、9はガス供給管、10はガス導入口、13はガス収容室筐体である。本実施の形態によるレーザーアニール装置1は、レーザーアニール時に線状のレーザー光を通過させる線状射出ノズル6から不活性ガスを射出するとともに、この線状射出ノズル6を取り囲む環状射出ノズル7からも不活性ガスを射出することにより、加熱領域内における基板上の酸素濃度を低減させている。
レーザー出力部2は、レーザーアニールのための線状のレーザー光3を出力している。このレーザー光3には、XeClを励起ガスとするエキシマレーザー光(波長308nm)が用いられる。レーザー出力部2が出力したレーザー光3は、ガス収容室筐体13に設けられたアニーラウインドー4を介してガス収容室5に入射され、ガス収容室5を貫通して線状射出ノズル6の射出口6aから基板の主面に照射される。このとき、基板上の線状領域に対してレーザー光が照射される。この様なレーザー照射を行いながら基板が載置されたステージ(図示せず)を水平方向に移動させることにより、線状領域を基板上で移動させ、基板上で順次にレーザアニールが行われる。
ガス収容室5は、酸素ガスを含まない不活性ガスを収容するための容器であり、ガス供給管9を介して不活性ガスをガス収容室5内に供給するためのガス導入口10と、レーザー照射による基板上の線状の加熱領域に対して不活性ガスを射出するための線状射出ノズル6と、この線状射出ノズル6を取り囲むように設けられ、加熱領域を両側から挟む側方領域に対して不活性ガスを射出するための環状射出ノズル7とが設けられている。各射出ノズルは、アニーラウインドー4に対向させてガス収容室筐体13に設けられている。
ここでは、酸素ガスを含まずシリコン膜などの半導体膜に対する反応性が低い気体を不活性ガスと呼ぶことにし、ガスボンベ8からガス供給管9を介して供給される不活性ガスとして、窒素(N)ガスが用いられる。酸素ガスを含まない気体であって、半導体膜に対する反応性に乏しい気体であれば、他の気体を不活性ガスとして用いても良い。例えば、希ガス、すなわち、ヘリウム(He)ガス、ネオン(Ne)ガス、アルゴン(Ar)ガス、クリプトン(Kr)ガス、キセノン(Xe)ガス及びラドン(Rn)ガスの単体、あるいは、窒素ガスを含めたこれらの気体からなる混合気体を用いることができる。
線状射出ノズル6は、基板側に向けて設けられた第1のガス射出手段であり、不活性ガスを射出する線状の射出口(第1の射出口)6aが基板の主面に対向している。この線状射出ノズル6は、射出口6aからレーザー光3を通過させるとともに、不活性ガスを基板上の加熱領域に吹き付けることができる。
環状射出ノズル7は、線状射出ノズル6よりも外側に設けられた第2のガス射出手段であり、基板の主面に対向する射出口(第2の射出口)7aから射出した不活性ガスは、基板上の加熱領域より外側の側方領域に吹き付けられる。この側方領域は、加熱領域に沿って加熱領域全体を挟み込む基板上の領域であり、ここでは、加熱領域を取り囲む環状の領域となっている。また、この環状射出ノズル7は、外側に向けて取り付けられ、線状射出ノズル6から射出されるガス流11から遠ざかるように不活性ガスを射出することができる。
ガスボンベ8からガス供給管9を介してガス収容室5内に供給される不活性ガスのガス供給量は、ガス収容室5内の容積が1500〜2000cmである場合、バルブの調節により最大50l/minまで可能となっている。また、射出口6a及び7aと基板との間の距離A1は、5.5mm程度となっている。
ガス導入口10からガス収容室5内に供給された不活性ガスは、線状射出ノズル6及び環状射出ノズル7から同時に射出され、基板に吹き付けられる。このとき、環状射出ノズル7から射出されるガス流(第2のガス流)12によって、ガス流12に巻き込まれた周囲の空気は基板上の加熱領域よりも外側へ排出される。また、バキュームジェネレーターの動作原理により、ガス流12よりも内側の気圧が低下する。このため、線状射出ノズル6から射出されるガス流(第1のガス流)11によって加熱領域内における基板上の酸素濃度を効果的に低減することができる。
つまり、線状射出ノズル6とは異なる環状射出ノズル7から射出されるガス流12によって、ガス流11に巻き込まれる空気を減少させ、ガス流11だけを吹き付ける場合に比べて、より低い酸素濃度を実現することが可能になる。また、酸素濃度の低減効果が大きいので、同程度の酸素濃度を達成しようとする場合には、不活性ガスの使用量を削減することができる。
また、レーザーアニール時における半導体膜表面の酸素濃度を低減するために、レーザーアニール装置内に不活性ガスを充填することが考えられるが、装置内の空気を除去して不活性ガスを充填するのに多大な時間と手間を要する上、ガスの滞留により半導体膜が汚染される可能性があるという欠点があった。これに対し、本実施の形態では、ガス流を形成することによって半導体膜表面の空気を不活性ガスに置換させているので、半導体膜を汚染することなく、酸素濃度を低減することができる。
なお、バキュームジェネレーターの動作原理は、「ある速度を持った気体の流れがあると、その流れの近傍における圧力(気圧)が低下する」というベルヌーイの定理を応用したものである。
環状射出ノズル7から射出されるガス流12の流速が、ガス流11に比べて極端に弱い場合には、基板上の加熱領域における酸素濃度低減の効果が期待できない。逆に、ガス流12がガス流11に比べて著しく強い場合には、ガス流12よりも内側の気圧が低下しすぎてガス流11に乱流が生じることがある。このため、これらの事情を考慮して、吹き付ける不活性ガスの流速、すなわち、ガス流量を線状射出ノズル6及び環状射出ノズル7間で適切なものとする必要がある。
図2は、図1のレーザーアニール装置における要部の詳細を示した平面図であり、ガス収容室筐体13に設けられた線状射出ノズル6及び環状射出ノズル7の一例が示されている。線状射出ノズル6の射出口6aは、線状のレーザー光3を通過させるためにスリット状となっている。ここでは、射出口6aの長手方向の長さA2が290mm、短手方向の長さA3が10mmとなっている。
環状射出ノズル7の射出口7aは、射出口6aを取り囲む環状の細長い形状からなる。このため、線状射出ノズル6は、環状射出ノズル7内に設けられた支持部21により、ガス収容室筐体13に支持されている。
なお、射出口7aの間隙を周方向に均一とし、射出口6aからの距離を均一とすれば、ガス流量が周方向に均一である一様なガス流12を形成することができるので、ガス流11に対する空気の巻き込みをガス流11全体にわたって均一に抑制することができる。
図3は、図1のレーザーアニール装置における要部の詳細を示した断面図であり、レーザー出力部2内部の構成例が示されている。図中の31はレーザー発振器、32はガスチューブ、33は共振器ミラー、34は反射ミラー、35はバリアブルアッテネータ、36はビームホモジナイザー、37は短軸スリット、38は長軸スリットである。
レーザー発振器31は、パルス発振型のエキシマレーザー光源であり、レーザー発振器31内のガスチューブ32には、励起ガスとしてXeClガスが封入されている。このガスチューブ32に高電圧を印加することによって、XeClガスが高電圧によって励起され、レーザー光3が生成される。レーザー光3は、共振器ミラー33間を往復することによってエネルギーが増幅され、一方の共振器ミラー33を介して取り出される。
レーザー発振器31から取り出されたレーザー光3は、反射ミラー34を介してバリアブルアッテネータ35に出力され、さらに反射ミラー34を介してビームホモジナイザー36へ出力される。バリアブルアッテネータ35は、レーザー光3に対する透過率が変更可能なアッテネータと、このアッテネータを透過したレーザー光3の光路を補正するためのコンペンセータとからなる光学素子である。ビームホモジナイザー36は、レーザー光3におけるビーム内のエネルギー密度の不均一な分布を補正する光学素子である。
バリアブルアッテネータ35により透過率が調整され、ビームホモジナイザー36によりエネルギー密度分布が補正されたレーザー光3は、短軸スリット37で短軸方向の拡がりが絞り込まれ、さらに、反射ミラー34を介して長軸スリット38によって長軸方向の拡がりが絞り込まれる。この様にして、ビームの断面形状が所望の線状となったレーザー光3を得ることができる。
図4〜図6の(a)〜(j)は、図1のレーザーアニール装置を用いて製造される低温ポリシリコンTFTの製造プロセスの一例を示した図である。図4(a)には、下地膜上に非晶質シリコン膜44を形成する半導体膜形成工程後の状態が示され、図4(b)には、形成された非晶質シリコン膜44にエキシマレーザー光を照射して溶融結晶化を行うレーザーアニール工程が示されている。
図4(c)には、レーザー照射により形成された結晶性シリコン膜45をパターニングするTFT領域形成工程後の状態が示され、図4(d)には、パターニングによりTFT領域46が形成された絶縁性基板41上にゲート絶縁膜47を形成するゲート絶縁膜形成工程後の状態が示されている。
図5(e)には、ゲート絶縁膜47上に導電性の金属膜を形成してゲート電極48を形成し、不純物注入により半導体層にソース・ドレイン領域49を形成するゲート電極形成工程後の状態が示され、図5(f)には、ソース・ドレイン領域49形成後、層間絶縁膜50を形成し、ソース・ドレイン領域49に対するコンタクトホール(パッドコンタクト)51を形成する第1のコンタクトホール形成工程後の状態が示されている。
図5(g)には、コンタクトホール51が形成された絶縁性基板41上に導電性の金属膜を形成し、ソース配線53及びドレイン配線52を形成するソース・ドレイン配線形成工程後の状態が示され、図6(h)には、ソース配線53及びドレイン配線52が形成された絶縁性基板41上にパッシベーション膜54を形成するパッシベーション膜形成工程後の状態が示されている。
図6(i)には、パッシベーション膜54上に有機樹脂膜55を形成する樹脂膜形成工程後の状態が示され、図6(j)には、有機樹脂膜55形成後、ドレイン配線52に対するコンタクトホール(画素コンタクト)を形成する第2のコンタクトホール形成工程後の状態が示されている。
まず、半導体膜形成工程では、窒化シリコン膜42及び酸化シリコン膜43からなる下地膜上に非晶質シリコン膜44が形成される。ガラス基板などの絶縁性基板41上に形成されるこれらの窒化シリコン膜42、酸化シリコン膜43及び非晶質シリコン膜44は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置を用いて3層連続して形成される。ここで、成膜後の膜厚は、窒化シリコン膜42が50〜80nm、酸化シリコン膜43が200〜500nm、非晶質シリコン膜44が50〜80nmとなっている。なお、酸化シリコン膜43は、シラン系、特に、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate:テトラエトキシシラン)系の材料ガスにより形成される。
レーザーアニール工程では、非晶質シリコン膜44が形成された絶縁性基板41に対してレーザー照射が行われる。レーザー照射は、波長が紫外線領域であるXeClエキシマレーザー光を基板に対して照射することができるレーザーアニール装置1を用いて行われ、絶縁性基板41上の照射領域内が順次に加熱される。レーザーアニールによって非晶質シリコン膜44が順次に溶融結晶化されて結晶性シリコン膜45が形成される。ここで、照射されるレーザー光のエネルギー密度は、非晶質シリコン膜44の膜厚、励起ガスの状態及びエネルギー密度分布における均一性などに基づいて決定される。
例えば、エネルギー密度が350〜600mJ/cmとなるレーザー光を用いてレーザー照射が行われる。非晶質シリコン膜44の溶融結晶化をより均一に行い、シリコン膜表面の凹凸の発生を抑制するためには、エネルギー密度は、350〜550mJ/cmであることが好ましい。なお、照射されるレーザー光の断面形状は、長軸方向の長さが200〜300mm、短軸方向の長さが0.3〜0.6mmとなっている。この様なレーザー光を用いて0.010〜0.020mmのピッチ、エネルギー幅10mJ/cmでスキャンすると、レーザー照射を適切に行うことができる。なお、レーザー走査においては、20mm程度の重ね打ちが行われる。
レーザー照射に伴って不活性ガスが絶縁性基板41に対して射出されるので、レーザー照射による基板上の加熱領域内の酸素(O)ガスを十分に低濃度にすることができる。これにより、レーザーアニール時において溶融したシリコンが酸素を多く取り込んでしまい、その影響で熱拡散が阻止されてシリコン膜表面の凹凸が増大するという問題を解決することができる。
次に、TFT領域形成工程では、レーザー照射により形成された結晶性シリコン膜45が写真製版によりパターニングされる。ゲート絶縁膜形成工程では、パターニングによりTFT領域46が形成された絶縁性基板41上に酸化シリコン膜からなるゲート絶縁膜47が形成される。ゲート絶縁膜47は、プラズマCVDにより形成され、成膜後の膜厚は、50〜100nmとなっている。このゲート絶縁膜47の膜厚は、シリコン膜表面の凹凸を低減し、電界集中や絶縁膜リークを抑制することによって、薄膜化することができる。例えば、70〜90nmにすることが可能である。
ゲート電極形成工程では、スパッタリングによりゲート絶縁膜47上にクロム膜やモリブデン合金膜などの導電性の金属膜が形成され、パターニング及びエッチング加工によりゲート電極48が形成される。さらに、このゲート電極48をマスクとして、結晶性シリコン膜からなるTFT領域46にリンなどの不純物が注入され、チャネル領域46a及びソース・ドレイン領域49が形成される。第1のコンタクトホール形成工程では、ソース・ドレイン領域49が形成された絶縁性基板41上に酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜50が形成され、パターニングによりソース・ドレイン領域49に対するコンタクトホール51が形成される。
ソース・ドレイン配線形成工程では、コンタクトホール51が形成された絶縁性基板41上にスパッタリングにより導電性の金属膜が形成され、配線形状にパターニングされてソース配線53及びドレイン配線52が形成される。パッシベーション膜形成工程では、ソース配線53及びドレイン配線52が形成された絶縁性基板41上にプラズマCVDにより窒化シリコン膜からなるパッシベーション膜54が形成される。
樹脂膜形成工程では、パッシベーション膜54上に有機樹脂膜55が塗布され、第2のコンタクトホール形成工程では、有機樹脂膜55の形成後、有機樹脂膜55及びパッシベーション膜54のパターニング及びエッチング加工によりドレイン配線52に対するコンタクトホール56が形成される。コンタクトホール56の形成後、スパッタリングにより導電膜を形成し、パターニング及びエッチング加工を行うと、画素電極が形成されて薄膜トランジスタが完成する。
なお、画素電極として形成される導電膜は、反射膜であっても良いし、可視光を透過させる透明導電膜であっても良い。反射膜を形成する場合、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、クロム(Cr)、チタン(Ti)及びタンタル(Ta)などの単体やこれらの合金からなる金属膜を用いることができ、金属膜は単層であっても積層構造であっても良い。特に、積層構造の場合、最上層には高い反射率を有するアルミニウム、アルミニウムの合金又は銀(Ag)が好適である。透明導電膜を形成する場合には、ITO(Indium Tin Oxide)膜、IZO膜又は酸化錫(SnO)膜などを用いることができる。
この様にして形成された薄膜トランジスタは、酸素濃度が低い状態でレーザーアニールが行われるので、半導体層表面の凹凸が極めて少なく、TFT特性が良好なものとなっている。
図7は、不活性ガスのガス流量と基板付近での酸素濃度との関係を示した図であり、レーザーアニール時に射出されるガス流量ごとの酸素濃度の一例が示されている。図中の61は不活性ガスの出射開始から120秒経過後における測定結果を表し、62は、その後のレーザー照射開始から60秒経過後における測定結果を表している。
ガス流量が少ない場合、ガス出射後120秒経過時点の酸素濃度は、レーザ照射後60秒経過時点での酸素濃度よりも高いが、いずれもガス流量の増加とともに急激に減少し、ガス流量が30l/minを超えると両者の差は、ほとんどなくなっている。そして、ガス流量が50l/minを超えるとともに飽和する。
ガス出射後の120秒経過時点では、窒素(N)ガスのガス流量が25l/minであるときに300ppmであった酸素(O)濃度が、ガス流量が35l/min以上になると、45ppm以下にまで急激に減少している。また、ガス流量が50l/minを超えると、酸素濃度は20ppmで飽和している。つまり、レーザーアニール時に基板上の加熱領域に吹き付ける窒素ガスのガス流量を35l/min以上とすることによって、加熱領域付近の酸素濃度を45ppm以下まで低減することができる。また、ガス流量を50l/minより多くしても酸素濃度の低減効果は期待できず、窒素ガスの使用量増加によるコスト増大やガス流による基板の破損などが考えられるので、ガス流量は50l/min以下で十分である。
なお、図7の測定結果は、ガス流11だけを射出した場合について得られたものである。このため、同時にガス流12を射出すれば、他の条件が同一であっても、酸素濃度を20ppm以下に低減することができる。
図8は、不活性ガスのガス流量と結晶性シリコン膜の表面粗さとの関係を示した図であり、レーザーアニール時に射出される不活性ガスのガス流量ごとの表面粗さRaの一例が示されている。表面粗さRaは、ガス流量の増加とともに急激に減少し、ガス流量が50l/minを超えると飽和する。窒素ガスのガス流量が30l/minの場合、ガス流量がゼロのときに9nmであった表面粗さRaが3.5nmまで急激に減少し、ガス流量が35l/min以上になると、表面粗さが3nm以下となり、ガス流量が50l/minを超えると、表面粗さが2nmで飽和する。つまり、窒素ガスのガス流量を35l/min以上とすることにより、シリコン膜上の加熱領域付近の酸素濃度を十分に低減することができ、これによって、結晶性シリコン膜表面の表面粗さRaを3nm以下まで小さくすることができる。ここでは、シリコン膜表面の表面粗さRaは、SEMやAFM(原子間力顕微鏡装置)などの表面観察機器を用いて測定される。
なお、シリコン膜表面の表面粗さRaが1nmよりも小さいと、シリコン膜表面の凹凸を検出することが困難であり、シリコン膜表面の凹凸を検出することにより長期のプロセストレンドの管理が行われるような場合には、不都合である。このため、シリコン膜表面の表面粗さRaは、1nm以上であることが好ましい。
また、ゲート耐圧電圧とガス流量との関係の測定結果によると、窒素ガスのガス流量が35l/min未満であるとゲート耐圧電圧は30〜40V程度であるのに対し、ガス流量が35l/min以上であるとゲート耐圧電圧は60〜70Vまで向上する。つまり、窒素ガスのガス流量を35l/min以上とすることによって、レーザーアニール時のシリコン膜表面における酸素濃度が十分に低減され、酸素濃度が低減されることによって、シリコン膜表面の表面荒さが低減され、薄膜トランジスタにおけるゲート耐圧電圧を改善することができる。
本実施の形態によれば、射出口7aから側方領域に不活性ガスを射出しながら、加熱領域に対して射出口6aから不活性ガスが射出されるので、射出口7aから射出されるガス流12によってガス流12の近傍の空気が加熱領域より外側に排出することができる。このため、射出口6aから射出されるガス流11へ周囲の空気が巻き込まれるのを抑制することができ、基板上の加熱領域に吹き付けられる不活性ガスに酸素ガスが混入するのを効果的に抑制することができる。従って、吹き付け時に多量の不活性ガスを要することなく、加熱領域内における基板上の酸素濃度を低減することができる。
なお、本実施の形態では、不活性ガスを基板上の側方領域に対して射出する射出ノズルが環状である場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。すなわち、少なくとも領域の一部がレーザー照射による加熱領域を両側から挟む側方領域に対して、不活性ガスを射出することができるものであれば他の形状であっても良い。
図9は、図1のレーザーアニール装置における要部の詳細を示した平面図であり、ガス収容室筐体13に設けられた射出ノズルの他の一例が示されている。ガス収容室筐体13には、線状の射出口(第1の射出口)71aを有する線状射出ノズル71と、線状の射出口(第2の射出口)72aを有する側方射出ノズル72とが設けられている。
側方射出ノズル72は、線状射出ノズル71よりも長手方向に長いスリット状の2つの射出ノズルからなる。これらの側方射出ノズル72は、線状射出ノズル71に平行に取り付けられ、長手方向について線状射出ノズル71を完全に挟み込んでいる。このため、線状射出ノズル71から射出されるガス流を両側から挟み込むように第2のガス流を形成することができるので、基板上の加熱領域における酸素濃度を効果的に低減することができる。
なお、本実施の形態では、不活性ガスの基板に対する吹き付けが線状射出ノズル6及び環状射出ノズル7において同時に開始される場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、不活性ガスを吹き付けるタイミングとして、環状射出ノズル7による吹き付けの開始後に、線状射出ノズル6による吹き付けを開始し、レーザー照射を行うようなものであっても良い。このようにすれば、レーザーアニール開始時において周囲の空気の混入を確実に阻止できるので、基板上の酸素濃度を効果的に低減することができる。
また、本実施の形態では、不活性ガスを基板上の側方領域に対して吹き付ける環状の射出口7aが1つだけ設けられる場合の例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、射出口7aの外側に射出口7aを取り囲む環状の射出口を更に設け、この射出口からも基板上の側方領域に対して不活性ガスを吹き付けるようなものであっても良い。また、本実施の形態では、射出口6a及び7aから同種の不活性ガスが射出される場合の例について説明したが、異種の不活性ガスを射出するようなものであっても良い。
また、本発明者の実験によれば、加熱領域内における基板上の酸素濃度が20ppm以上であれば、シリコン膜表面に生成される凹凸を抑制しつつ、適度な表面荒さが得られ、シリコン膜表面の状態を確認することができた。このため、レーザ照射される非晶質シリコン膜の雰囲気中の酸素濃度は、20ppm以上であることが望ましい。また、上述した通り、45ppmまでは効率的に酸素濃度を低減することができ、45ppm以下であれば、シリコン膜表面の凹凸を十分に抑制することができた。従って、上記酸素濃度は、20ppm以上、45ppm以下の範囲であることが望ましい。本実施の形態では、環状射出ノズル7を設けて、効率的に酸素濃度を低減する場合について説明したが、環状射出ノズル7を設けない場合であっても、上記酸素濃度を達成することができれば、シリコン膜表面の荒さを制御可能であるであることは勿論である。
実施の形態2.
本実施の形態による薄膜トランジスタ製造方法は、図4〜図6の製造プロセスと比較すれば、非晶質シリコン膜44の形成後、非晶質シリコン膜44表面に形成された自然酸化膜をレーザー照射が行われるまでに除去する酸化膜除去工程を備えている点で異なる。
自然酸化膜の除去処理は、バッファードフッ酸(BHF)などの洗浄剤を用いて行われる。この除去処理後、6時間以内にレーザー照射が開始される。
本実施の形態によれば、非晶質シリコン膜44上に形成された自然酸化膜が除去されるので、レーザーアニール時においてシリコン膜表面に凹凸が発生するのを効果的に抑制することができる。また、シリコン膜表面に形成された自然酸化膜の除去後速やかにレーザー照射が開始されるので、新たに自然酸化膜が形成されることなく、レーザーアニールを行うことができる。自然酸化膜の除去処理後に新たに自然酸化膜が形成されるのを効果的に抑制するためには、除去処理からレーザー照射開始までの経過時間(ストレージ)が3時間以内であることが好ましい。
なお、自然酸化膜の除去処理からレーザー照射開始までの間、基板搬送を真空状態で行ったり、不活性ガスを封入した容器中に基板を保管することにより、シリコン膜表面を大気に曝さないようにすれば、ストレージ時間を6時間よりも長くすることができる。このストレージ時間は、不活性ガス中の酸素濃度や水分濃度などに応じて決定される。
実施の形態3.
実施の形態1では、レーザー光源としてガスレーザーであるエキシマレーザーが用いられる場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、レーザー光源として固体レーザーが用いられる場合について説明する。
固体レーザーは、エネルギー密度のばらつきが少ないという利点を有し、例えば、ネオジウム(Nd)を酸化イットリウム(Y)及び酸化アルミニウム(Al)からなる複酸化物に添加したネオジウム添加のイットリウムアルミニウムガーネット(Nd:YAG)レーザー光の第2高調波(波長532nm:YAG−2ω)が用いられる。
この様なYAGレーザーの第2高調波として、パルス繰り返し周波数が1kHz、ビーム形状が長軸方向の長さ100mm、短軸方向の長さ0.06mm、エネルギー密度が600〜1000mJ/cmであるレーザー光を用いると、エキシマレーザー光を用いた場合と同程度の表面平滑性を有し、大粒径の結晶からなるシリコン膜を形成することができる。
なお、YAGレーザーの第2高調波は、波長が532nmであることから、非晶質シリコン膜(膜厚50〜80nm)に対する浸透長(膜中で強度が1/eとなる距離)が100nm以上となっている。従って、シリコン膜のほとんど背面側に至る部分まで結晶欠陥が解消されるので、結晶化後のシリコン膜の結晶性を向上させることができる。上記実施の形態では、膜厚が50〜80nmの非晶質シリコン膜を使用する場合の例について説明したが、YAGレーザの第2高調波のように非晶質シリコン膜に対する浸透長が長いレーザを使用する場合には、非晶質シリコン膜の膜厚をさらに厚くすることができる。例えば、YAGレーザの第2高調波を用いる場合であれば、その浸透長である100nmまで膜厚を厚くしても、実用上問題のない良好な結晶性シリコン膜を得ることができる。
また、他のレーザー光源として、Qスイッチ発振するNd:YVOレーザーの第2高調波(波長532nm)、Qスイッチ発振するNd:YLFレーザーの第2高調波(波長524nm)、Qスイッチ発振するYb:YAGレーザーの第2高調波(波長515nm)などのレーザー光を用いることができる。
本発明の実施の形態1によるレーザーアニール装置の要部の一構成例を示した断面図である。 図1のレーザーアニール装置における要部の詳細を示した平面図である。 図1のレーザーアニール装置における要部の詳細を示した断面図である。 図1のレーザーアニール装置を用いて製造される低温ポリシリコンTFTの製造プロセスの一例を示した図である。 図1のレーザーアニール装置を用いて製造される低温ポリシリコンTFTの製造プロセスの一例を示した図である。 図1のレーザーアニール装置を用いて製造される低温ポリシリコンTFTの製造プロセスの一例を示した図である。 不活性ガスのガス流量と基板付近での酸素濃度との関係を示した図である。 不活性ガスのガス流量と結晶性シリコン膜の表面粗さとの関係を示した図である。 図1のレーザーアニール装置における要部の詳細を示した平面図である。 従来の低温ポリシリコンTFTの構成を示した断面図である。 低温ポリシリコンTFTについて従来の製造プロセスの要部を示した図である。 従来のレーザーアニール装置の要部を示した断面図である。
符号の説明
1 レーザーアニール装置
2 レーザー出力部
3 レーザー光
4 アニーラウインドー
5 ガス収容室
6,71 線状射出ノズル
6a,71a 射出口(第1の射出口)
7 環状射出ノズル
7a,72a 射出口(第2の射出口)
8 ガスボンベ
9 ガス供給管
10 ガス導入口
11 第1のガス流
12 第2のガス流
13 ガス収容室筐体
21 支持部
31 レーザー発振器
32 ガスチューブ
33 共振器ミラー
34 反射ミラー
35 バリアブルアッテネータ
36 ビームホモジナイザー
37 短軸スリット
38 長軸スリット
41 絶縁性基板
42 窒化シリコン膜
43 酸化シリコン膜
44 非晶質シリコン膜
45 結晶性シリコン膜
46 TFT領域
46a チャネル領域
47 ゲート絶縁膜
48 ゲート電極
49 ソース・ドレイン領域
50 層間絶縁膜
51,56 コンタクトホール
52 ドレイン配線
53 ソース配線
54 パッシベーション膜
55 有機樹脂膜
72 側方射出ノズル

Claims (9)

  1. 半導体膜が形成された基板の主面に対してレーザー光を照射し、基板上の線状領域を加熱するレーザー照射手段と、
    上記基板の主面に対向させて設けられた第1の射出口を有し、上記加熱領域に対し、第1の射出口から不活性ガスを射出する第1のガス射出手段と、
    上記基板の主面に対向させて設けられた第2の射出口を有し、上記加熱領域を両側から挟む側方領域に対し、第2の射出口から不活性ガスを射出する第2のガス射出手段とを備えたことを特徴とするレーザーアニール装置。
  2. 上記第2のガス射出手段は、上記加熱領域に沿って、加熱領域全体を挟み込む側方領域に対して不活性ガスを射出することを特徴とする請求項1に記載のレーザーアニール装置。
  3. 上記レーザー照射手段は、第1の射出口からレーザー光を照射し、
    上記第2の射出口は、第1の射出口を取り囲む環状の射出口からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザーアニール装置。
  4. 上記第2の射出口は、不活性ガスを外側に向けて射出する環状射出ノズルからなることを特徴とする請求項3に記載のレーザーアニール装置。
  5. 上記加熱領域内における基板上の酸素濃度が45ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載のレーザーアニール装置。
  6. 上記レーザー照射手段による加熱処理後の半導体膜の表面粗さRaが1nm以上3nm以下であることを特徴とする請求項1に記載のレーザーアニール装置。
  7. 基板上に非晶質の半導体膜を形成する半導体膜形成ステップと、
    上記非晶質半導体膜が形成された基板の主面に対してレーザー光を照射し、基板上の線状領域を加熱するレーザー照射ステップと、
    レーザー照射中の加熱領域に対して第1の射出口から不活性ガスを射出するとともに、上記加熱領域を両側から挟む側方領域に対して第2の射出口から不活性ガスを射出する不活性ガス射出ステップと、
    レーザー照射により結晶化された半導体膜をパターニングするTFT領域形成ステップと、
    パターニングによりTFT領域が形成された基板上にゲート絶縁膜を形成するゲート絶縁膜形成ステップと、
    上記ゲート絶縁膜が形成された基板上に導電膜を形成し、パターニングするゲート電極形成ステップとからなることを特徴とする薄膜トランジスタ製造方法。
  8. 上記非晶質半導体膜の形成後に当該半導体膜表面に形成された自然酸化膜をレーザー照射前に除去する酸化膜除去ステップを備えたことを特徴とする請求項7に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
  9. 上記レーザー照射ステップは、上記自然酸化膜の除去後、6時間以内にレーザー照射を開始するステップからなることを特徴とする請求項8に記載の薄膜トランジスタ製造方法。
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